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ランチア デルタHFインテグラーレは、WRC参戦のためにホモロゲーションモデルとして登場しました。ここでは、特に人気が高いデルタHFインテグラーレエヴォルツィオーネ/エヴォルツィオーネⅡについて解説します。エヴォルツィオーネは1992年に、前身のHFインテグラーレ16vを更に“進化”させた“エヴォリューション”モデルとして発売されました。エンジン最高出力は210馬力となり、リアドアパネルと一体となった超大型ブリスターフェンダー(HFインテグラーレ16Vまでは、ブリスターフェンダーをドアパネルを溶接している)や更に拡大したパワーバルジが、いっそう目を引きました。足回りは、ピロボール式リンクの採用や、ホイールは新たに5穴化されました。このような進化によってか、1992年シーズンにはWRCにおけるメイクスタイトル6連覇を達成しました。このシーズンをもってWRCからランチアは撤退しますが、市販版のデルタは更に進化を続けます。それが1993年に登場したデルタHFインテグラーレエヴォルツィオーネⅡです。燃料噴射をシーケンシャル式に変え、最高出力を215馬力に向上させ、ホイールも15インチから16インチへとインチアップされています。ラリーからはすでに撤退していたため、ラリーに参戦することはありませんでしたが、歴代モデルに比べて完成度が高まり、信頼性もあがったことから絶大な人気を誇っています。また限定車としてイエローのボディカラーの「ジアッラ」やブルーメタリックの「ブルー・ラゴス」などが発売されました。そして1995年に、最終ロットの限定車として日本向けのコレッツィオーネと本国向けのディーラーズコレクションが販売され、デルタHFインテグラーレは幕を閉じました。
ランチア・デルタHFインテグラーレは、昨今非常に高値で取引されているモデルの1台です。中でもエヴォルツィオーネⅡがその筆頭です。走行距離が少ないなど状態がよいものならば、店頭価格で800万円以上の値がつくのはざらです。実際にオークションでは、950万円以上で取引された事例もあります。さらに限定車のジアッラやブルーラゴス、コレッツィオーネ、ディーラーズコレクション、WRCの連覇を記念して作られたマルティーニⅤ/マルティーニⅥになると、価格はさらに上がります。海外では1,500万円以上で取引された事例もあるようです。もちろん、エボⅡでなくてもデルタHFインテグラーレの相場は全体的に上昇傾向です。エボⅠなどでも、10年ほど前と比べて何倍も高い金額で取引されています。また海外でも高い人気があるため、相場は大きな変化はないかもしれません。買取金額は、今現在もこれからも期待が持てる1台です。
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