マイバッハは、2002年から2013年にかけて製造・販売されていた超高級車です。
当時のダイムラークライスラーは、1997年の東京モーターショーに「メルセデス・ベンツ・マイバッハ」という名称のSクラスをベースとしたコンセプトカーを出展し、「マイバッハ」を復活させることを発表しました。
マイバッハは当初、「メルセデス・ベンツ・マイバッハ」という名称で、メルセデス・ベンツの最上級車種になる予定でした。その証拠に、東京モーターショーで公開されたコンセプトカーには、「スリーポインテッド・スター」が装着されています。
しかし、当時の経営陣は、「Sクラスこそが最高のメルセデスである」というマーケティング上の戦略を優先し、「マイバッハ」を独立したブランドとして復活させることを決定します。
発売当時のグレードは、ボディサイズの違う「マイバッハ57(全長5,730mm)」と「マイバッハ62(全長6,165mm)」の2種類でした。搭載されるエンジンは、5.5LのV型12気筒SOHCツインターボエンジンで、最高出力550ps、最大トルク91.8kg・mを発揮します。
2005年に追加されたスペシャルモデルの「マイバッハ57S」と「マイバッハ62S」には、排気量が6.0Lに向上したV型12気筒ツインターボエンジンを搭載。最高出力630ps/最大トルク102.0kg・mを発揮します。
サスペンションには、全てのグレードにAIRマティックDC(デュアル・コントロール)と呼ばれるエアサスペンションが採用されました。なお、サスペンション形式は、前ダブルウイッシュボーン/後マルチリンク式です。
2007年には、オープンリムジンモデルの「マイバッハ ランドレー」が追加されます。ベース車輌はロングボディの「62S」で、遮音性と耐候性が高い多重構造のソフトトップを採用し、クローズ時には通常モデルと変わらない快適性を実現しました。
2002年に復活を果たしたマイバッハですが、日本においては11年でその歴史に幕を下ろすことに。メルセデス・ベンツSクラスの最上級グレードとして生き残りを図るものの、マイバッハとしては再びブランドを失うという結果になりました。