ハイエースは、広い室内空間と高いリセールバリューが魅力の車ですが、故障が多いのではないかと不安に感じる人も多いでしょう。今回は、ハイエースのよくある故障個所や修理費の目安、ハイエースの維持費が高いと感じたらどうすればよいかについて解説します。ハイエースの購入や売却を検討中の人は参考にしてください。 ハイエースのよくある故障箇所 まずは、ハイエースのよくある故障個所について詳しく解説します。 吸気系へのカーボン堆積 ハイエースの吸気系へのカーボン堆積はエンジンの不具合につながります。吸気系へのカーボン堆積は、エンジンの排気から出るカーボンを吸気系のフィルターで吸着・回収する仕組みによって生じるものです。走行距離が10万km以上になると不具合が出やすくなるため、カーボン除去のために一定距離ごとにエンジンクリーニングをするとよいでしょう。 オルタネーター オルタネーターは、10年10万kmごとに交換が必要な消耗品です。ハイエースは走行距離が長くなる傾向の車であるため、経年劣化や摩耗により適切な時期に交換しなければ故障します。オルタネーターは車に必要な電気を生み出す重要な役割があるため、故障する前に適切な時期に交換するとよいでしょう。 リアリーフスプリングの損傷 ハイエースのリアリーフスプリングの損傷については、リコール対策が出ています。リアリーフスプリングは、湾曲した板ばねを重ねた耐久性や耐荷重性の高いスプリングです。リコール対象車両はスプリングの中央部が局部的に変形しているものがあり、塗装剥がれによる腐食から亀裂が発生して最悪の場合は折損する可能性があります。 燃料インジェクションポンプ ハイエースの燃料インジェクションポンプは、ディーゼルエンジンのポンプと噴射ノズルの強度不足により燃料通過部分に亀裂が入る可能性があります。2016年11月に重大なリコールとして届出がされているため、所有しているハイエースがリコール対象車両である場合は対策が完了しているか確認しましょう。 DPR(粒子状物質除去装置) DPR(粒子状物質除去装置)は、排気ガス中の粒子状物質を浄化する装置です。不具合時はマフラー詰まりやエンジン出力の低下といった症状が起こるため、2014〜2017年製造のハイエースについてはメーカー対策が出ています。ただし、無料修理対応期間は新車登録日から7年以内のため、対策の実施有無を確認しましょう。 ABS ハイエースは、動力変換装置のABSアクチュエーターやABSセンサーの不具合が報告されています。ABSアクチュエーターが故障するとブレーキペダルに大きな振動が伝わり、ブレーキから異音が発生します。また、ABSセンサーの不具合と同様にABS警告灯の常灯やABS動作不良が起こる点にも注意が必要です。 ABSアクチュエーター........ABS作動時に連動する制御弁で、ブレーキ補助装置の間に設置され液圧の増減などを行います。 ABSセンサー........車のタイヤ回転数を測定してタイヤのロック状態の有無を判定します。 ディーゼル関連部品 ハイエースに限らず、ディーゼルエンジン車は走行距離10万kmを超えると燃料インジェクターや吸気系のカーボン堆積による不具合が発生しやすくなります。修理や部品交換には高額な費用が発生するとはいえ、ディーゼルエンジン車では一定距離ごとの必要経費であると考えましょう。 エアコン ハイエースのエアコンは経年劣化によるコンプレッサーの不具合が多く発生します。コンプレッサー交換だけではなく、連動する部品の交換やガスの再充填なども必要なため、修理費用が非常に高額になります。古いハイエースを中古で購入するときは、動作不良がないかしっかりと確認しましょう。 ハイエースの修理費の目安 ハイエースの修理費の目安は、作業内容や部品の交換有無で大きく異なります。箇所別の修理費用の目安を参考にしてください。 吸気系へのカーボン堆積........カーボンの堆積により不具合が起きないよう、一定距離ごとにエンジンクリーニング(3〜10万円程度)を施行してもらうとよいでしょう。固着したカーボンの除去が必要となる場合は総額で5~30万円が目安です。 オルタネーター........オルタネーターは、新品部品との交換が一般的で総額5〜8万円程度が目安です。中古やリビルト品は安くても保証がないことも多いため、使用するときは修理業者に保証有無について確認しましょう。 リアリーフスプリングの損傷........2004〜2006年製造の型式 KR-KDH205V の4WD車の一部がリコール対象車両です。ディーラーにて対策品との無償交換が可能なため、対象車両を中古車で購入した場合は対策済みか確認しましょう。 燃料インジェクションポンプ........リコール対象車両についてはディーラーで無償の対策を受けることができます。しかし、それ以外の車両については同様の修理で総額15〜20万円程度が必要です。多走行車は不具合が起きにくいよう、一定距離ごとにエンジンクリーニング(3〜10万円程度)を施行してもらうとよいでしょう。 DPR(粒子状物質除去装置)........メーカー対策対象車両を中古車で購入した場合は、対策の実施有無を確認しましょう。未実施でも保証期間内の車両はディーラーで無償修理してもらうことが可能です。保証期間が終了していて不具合が出た場合は部品代だけで30万円以上が必要となり、修理の総額は40〜50万円が目安となります。 ABS……..ABSアクチュエーターのASSY交換は新品か中古のどちらの部品を選ぶかで大きく異なり、総額で5〜12万円程度が目安となります。ABSセンサーのみの交換は総額3〜6万円程度です。 エアコン........エアコンの故障の大半がガス漏れです。ガス漏れの原因となる亀裂の修理とガスの補充の場合は3〜5万円程度、コンプレッサーやファンモーターの交換が必要となると10〜30万円程度の修理代が目安と考えましょう。 ハイエースの維持費が高いと感じたら売却がおすすめ ハイエースの維持費が高いと感じたら、売却がおすすめです。ハイエースはバンタイプが人気で、自動車税などの負担は普通車に比べて低い傾向にあります。しかし、バンタイプは毎年の車検を受ける必要があり、年式が古くなり走行距離が長くなると修理費用がかさみます。リセールバリューが高いハイエースは車の状態が良ければ高額査定が出やすいため、維持費が負担になる場合は売却を検討しましょう。 旧車王なら高価買取も期待できる ハイエースは、旧車王なら高価買取が期待できます。旧車王は、20年以上旧車を取り扱ってきた実績とハイエース買取についての深い知識や経験により詳細査定が可能です。お問い合せからの迅速な対応や丁寧な応対はもちろんのこと、二重査定が一切ないため安心して査定や売却を依頼できます。 ※二重査定とは、買取契約後に再査定を行い、不具合が発見された場合に「買取価格の減額」や「買取価格の再交渉」などを求めることです。
軽自動車の本格オフローダーであるジムニーを購入したいけど、故障が心配と思う人も多いでしょう。今回は、ジムニーのよくある故障個所や修理費用の目安、維持費が高いと感じた場合の売却について解説します。ジムニーの購入や売却を検討中の方は参考にしてください。 ジムニーのよくある故障箇所 まず、ジムニーのよくある故障箇所について詳しく解説します。 クラッチ クラッチとは、MTのシフトチェンジ時に動力を足回りに伝えるパーツです。重要な役目を果たしているパーツですが、劣化により滑りを発生させてしまいます。クラッチ滑りが発生するとエンジンパワーがロスするため、異音やギアの入りが悪いと感じたら早めに交換しましょう。交換目安は走行距離8〜10万kmで、交換補用は5〜7万円が目安です。 ミッション ジムニーはATのミッション不具合が多く発生しています。「シフトチェンジされない」「変速時のショックが大きい」などの変速不良が発生した場合は、早めに点検してもらいましょう。ATFの交換だけで不具合が解消する場合やAT本体交換に至るケースもあるため、修理費用は1〜20万円程度が目安です。 セルモーター ジムニーはセルモーターの故障が多く発生しています。セルモーターとは、エンジンを始動させるためのモーターです。突然セルが回らなくなる症状がでた場合は、配線不良やセルモーター自体の不具合が考えられます。一般的に走行距離10~15万kmが寿命とされており、修理費用として2〜7万円程度が必要です。 エアコン エアコンは、経年劣化で不具合を起こしやすい箇所です。ジムニーは型式によって発生頻度の高い不具合内容が異なり、JA11型は操作パネルのA/Cスイッチがよく壊れ、JB23型はエアコンコンプレッサーの焼き付きが多く発生しています。部品交換による修理では10〜20万円程度かかることもあるため、エアコン使用時にエンジンの回転数が不安定になるようであれば早めに点検してもらいましょう。 エキゾーストマニホールド ジムニーの排気系トラブルで最多といえるのがエキゾーストマニホールドの不具合です。エキゾーストマニホールドは、エンジンからの複数の排気流路をひとつにまとめる集合管で日本ではタコ足とも呼ばれています。ひび割れにより排気が漏れてしまう症状が一般的で、修理代は3〜4万円程度が目安です。 ターボエンジン ジムニーに限らず、ターボエンジンはメンテナンスを怠るとタービンの故障リスクが高まります。エンジンオイルの交換をこまめに行っていれば避けることができる不具合といえるでしょう。タービンの交換が必要な場合は20万円程度、オーバーホールで対応できる場合は3万円程度が修理代の目安です。 リアゲート ジムニーのリアゲートが開かないといった不具合は多く発生しています。原因は経年劣化による樹脂製ドアハンドルの破損で、部品交換による修理が必要です。修理費用は部品代によって異なり、1〜4万円程度が目安で古いモデルほど割高になる可能性があります。 ジムニーの修理費の目安 ジムニーの修理費の目安は、一般的な車とほとんど変わりません。パーツ交換が必要な場合は、古い車ほど在庫が少なく探すのに時間がかかります。また、使用するパーツを新品かリビルト品、中古品のどれを選ぶかによって大きく費用が異なるため、ジムニーの修理は専門店や取り扱い実績の多い業者を選ぶとよいでしょう。 ジムニーの維持費が高いと感じたら売却がおすすめ ジムニーの維持費が高いと感じたら売却がおすすめです。ジムニーは軽自動車のため不具合がなければランニングコストは低く、故障が多発すると修理代やメンテナンス費用が高くなる傾向にあります。 ジムニーは、不具合箇所によっては未修理でも高価買取してくれる可能性があります。また、修理代が高額な場合は年式が新しく、走行距離の少ないジムニーに乗り換えるのもよいでしょう。 旧車王なら高価買取も期待できる ジムニーは、旧車王なら高価買取も期待できます。旧車王は、旧車の取扱い20年以上の実績とジムニー買取についての深い知識や経験により詳細査定が可能です。初代のSJ10型や2代目のJA11・JA12/JA22型なども長年蓄積したノウハウにより、他社に比べて高額買取を行います。また、二重査定が一切ないため、買取契約後に再度査定を行い減額を求めることはありません。 ※二重査定とは、買取契約して車両を引き取った後に再査定を行い、不具合箇所が発見された場合に「買取価格の再交渉」や「買取価格の減額」などを求めることです。
独自のデザインやレトロなスタイリングなどにより人気がある旧車は、維持が大変だと聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。今回は、旧車の維持費が高くなる理由やコストを抑える方法を解説します。旧車の購入を検討していて、維持費を気にしている方は、参考にしてみてください。 旧車とは 旧車には明確な定義はないものの、一般的に製造年から25年~30年以上経過した車を指します。また、製造から10年以上経過した車、レトロなデザインの車、ノスタルジックな雰囲気の車を旧車と呼ぶこともあります。 旧車を明確に定義するのは難しいものの、共通しているのは、すでに生産が終了している車という点です。つまり、現在販売されている車も生産が終了すれば、いずれ旧車になるということです。 旧車の維持費が高い理由 旧車は、維持が大変だったり、多額の費用がかかったりすることがあります。なぜ古い車は維持費が高くなるのでしょうか。ここからは、旧車の維持費が高くなる理由について解説します。 頻繁な修理が必要 旧車は新しい車と比べると、金属部品のサビや損傷、ゴムパーツの劣化などの不具合・故障が多く、頻繁な修理が必要になるため、維持費が高くなりやすいです。また、オリジナル部品を活用した修理の場合、部品調達や作業に時間がかかり、パーツ代や工賃が高くつきます。そのため、トータルの修理代が高くなり、維持費が高いと言われるのです。 パーツの希少価値が上がっている 旧車のパーツは、メーカーの部品生産が終了したり、同型車両の現存数が減少したりするため、調達が難しくなっていきます。流通するパーツの数が少ないと希少価値が高くなり、部品代が高くなります。旧車を維持するときには、部品の調達ができるかどうか確認しておくとよいでしょう。 近年では、メーカーが復刻パーツを再販売することが増えてきており、人気のある旧車の部品を入手しやすくなっています。ただし、再販売パーツの数量が限られていたり、すでに再販売が終了していたりすることもあるため、注意が必要です。旧車の購入を検討するときは、その車の故障しやすい部位のパーツが入手できるか確認しておくことをおすすめします。 税金が高くなる 年式が古い車の税金は割高です。自動車税は、初年度登録年月から13年(ガソリン車の場合)が経過すると約15%の重課となります。自動車重量税は、初年度登録年月から13年以上経過すると重課され、18年以上経過するとさらに税金が高くなります。初年度登録年月から13年以上経過している旧車の購入を検討する際は、税金が通常よりも高いことを考慮しましょう。 保管場所が限られる 旧車は、パーツの入手が難しかったり、希少価値が高かったりするため、車両の保管に気を付けなければなりません。 日光が当たる場所や雨風の影響を受けやすい駐車場に保管しておくと、部品の劣化が進行してしまい、車が動かなくなったり、部品が錆びたりすることがあります。価値ある旧車に長く乗り続けるためにも、屋根付きガレージに保管するといった工夫が必要です。 また、人気が高い旧車や流通台数が少ない車は、中古車市場で高値で取引されるため、盗難の恐れもあります。手に入れた旧車を盗まれないようにするためにも、保管場所に気をつけましょう。 旧車の維持費を少しでも抑える方法 旧車は、税金が高かったり、車両の保管に気を遣ったりする必要があるため、維持費が高くなりやすいです。旧車の維持費を少しでも安く抑える方法はあるのでしょうか。ここからは、旧車の維持費を抑える方法を解説します。 こまめにメンテナンスをする 旧車に限らず、車は定期的なメンテナンスが必要です。オイル交換や部品交換などのメンテナンスを適切に行っていれば、故障するリスクが減り、車検や点検などのタイミングでかかる費用を抑えることができます。定期的に点検や部品交換をして、不具合や故障などを未然に防ぎ、メンテナンスコストを最小限に抑えられるようにすると維持費を抑えられます。 車への負荷を減らす 適切なメンテナンスをしている旧車であっても、急発進、急ブレーキ、急ハンドルなどは、車に大きな負荷がかかります。負荷がかかると車が傷んだり、故障したり、不具合が起きたりすることがあるため、丁寧な運転を心がけましょう。 旧車の維持費に影響を及ぼす要素 旧車の維持費は、市場の人気や車両の流通数、年式などによって変動することがあります。ここからは、車の人気や流通数、年式が維持費に影響する理由を解説します。 市場の流通数 旧車の市場流通数は、車両や部品の値段に影響します。流通数が少なくなれば、車両や部品の希少価値が高くなり、価格が高騰します。 旧車は現在生産されていない車であることから、流通数が減少する一方です。そのため、旧車の維持費を少しでも抑えたい場合は、流通数が多い車を選ぶとよいでしょう。 また、近年では人気がある旧車のパーツをメーカーが再販売するケースもあります。人気の旧車であれば、メーカーやアフターパーツメーカーから部品を調達しやすいため、維持費を抑えられるでしょう。 年式 旧車の年式は、新しい方が故障するリスクが低いことが多いです。維持費を抑えるためには、年式が新しい車を選ぶとよいでしょう。 一方、年式が古い車は、故障のリスクが高かったり、部品の調達が難しかったりするため、維持費が高くなります。旧車を購入するときは、年式や部品の調達のしやすさも考慮しておくと良いでしょう。
ランドクルーザー70は1984年にデビューした現在でも人気の高いクロスカントリー車です。ヘビーデューティー用として開発され、走行性能の高さや壊れにくい信頼性から現在でも大人気の車種です。しかし発売開始が約40年前のクルマ。心配なことは故障ですよね。この記事では1984年から2004年に販売された70系ランクルでよくある故障箇所と修理費用を解説します。 70系ランクルのよくある故障箇所 30〜40年前の旧車はどうしても故障・不具合が多くなるものです。ここからは70系ランクルのよくある故障箇所を紹介します。 ディーゼル噴射ポンプの不具合 燃料をエンジンに供給する噴射ポンプは経年劣化します。噴射ポンプが壊れると、煙があがる、加速が鈍る、燃料が漏れる、エンジンがかからないなどの症状が発生します。 定期的なメンテナンスで不具合を軽減することはできますが、噴射ポンプは常に高温にさらされるため経年劣化を避けるのはほとんど不可能でしょう。 ラジエーターの故障 ラジエーターの一般的な寿命は12年ほどといわれています。ランクル70の場合、車齢が30年以上の個体ばかりのため、3回は交換する必要があるでしょう。定期的に交換していない場合、腐食して壊れている可能性が高いです。 ラジエーターの不具合はエンジンの故障につながります。エンジン回転数の不調や水温計の異常を感じる場合、ラジエーターの破損が原因かもしれません。 エアコンの不具合 カーエアコンはエアコンガスを使用し冷風を作りますが、ガス漏れによって多くの不具合が発生します。コンプレッサーの汚れやガスの劣化もエアコンが故障する原因です。 汚れは定期的にメンテナンスすることで防げますが、経年劣化への対策は難しいでしょう。いかにタフな作りの70系ランクルでも避けられない課題です。 オルタネーターの故障 オルタネーターはエンジンの動力を利用した発電機です。走行中に作られた電力でバッテリーを充電します。オルタネーターはエンジンがかかるとベルトを回しコイルを回転することで発電しますが、ベルトの寿命は走行距離10万kmが目安といわれています。オルタネーターからキュルキュルと異音が発生したら故障の前兆かもしれません。 70系ランクル修理費はいくら? よくある故障が発生したらいくらかかるのでしょうか。ここからは修理費用を見ていきましょう。 ディーゼル噴射ポンプ:10万円〜ラジエーター修理:6万円〜エアコン修理:10万円〜 ※コンプレッサーが故障していた場合オルタネーター修理:5万円〜 一般的なクルマのメンテナンス費用は1年間に3〜5万円程度といわれています。しかし旧車の場合は経年劣化によって高価なパーツ交換が必要になり、メンテナンス費が跳ね上がるかもしれません。日頃から丁寧にメンテナンスをしていれば劣化を遅らせることはできますが、将来的に交換が必要になることは覚えておきましょう。 70系ランクルの維持費が高いと思ったときの対処法 パーツの経年劣化による修理・交換は旧車を維持するうえで避けられません。新車や高年式の中古車よりも、どうしてもメンテナンス費が高くなりがちです。もし修理費を負担に感じたら手放すことを検討してみてはいかがでしょうか。 一般的な買取店では故障車の査定額は低くなってしまいます。しかし旧車王であれば高価買取が可能です。なぜなら自社内でパーツ供給から修理・整備ができるため中間マージンがかかりません。安価にクルマを修理・修復をし価値を高めて市場に再流通できるのです。 ※2022年11月27日時点のデータです
ランドクルーザー60は1980年にデビューした現在でも人気の高いクロスカントリー車です。中には本格的なオフロードコースを走行する方もいるのではないでしょうか。しかし発売から40年以上経過しているクルマ。故障を心配する方も多いのではないでしょうか。この記事では気になる60系ランクルでよくある故障箇所と修理費用を解説します。 60系ランクルのよくある故障箇所 30〜40年前の旧車はどうしても故障・不具合が多くなるものです。ここからは60系ランクルのよくある故障箇所を紹介します。 ラジエーターの故障 ラジエーターの一般的な寿命は12年ほどといわれています。ランクル60の場合、車齢が30年以上の個体ばかりのため、3回は交換する必要があるでしょう。しかし中には定期的に交換していない方もいるかと思います。その場合は腐食しており壊れている可能性が高いです。ラジエーターが壊れてしまうとエンジンが壊れてしまいます。エンジン回転数の不調や水温計の異常はラジエーターの破損が原因かもしれません。 エンジンオイル漏れ エンジンオイル漏れの主な原因はパッキンの劣化です。過酷な環境を走行したり年式が古くなるとパーツに不具合が発生しやすくなり、エンジンオイルの漏れに繋がってしまいます。特に60系ランクルの場合は、オイルパンのパッキンがコルクでできています。一般的なコルクの素材はゴムや金属ですが、コイルの場合オイルが染みてにじんでしまい、オイル漏れが発生しやすくなります。 エアコンの不具合 カーエアコンはエアコンガスを使用し冷風を作っています。このガスが漏れてしまうと、さまざまな不具合が起こりやすくなります。また、コンプレッサーの汚れやガスの劣化もエアコンが故障する原因です。汚れは定期的なメンテナンスで防げますが、経年劣化への対策はなかなか難しいでしょう。タフな作りの60系ランクルとはいえ、エアコンの不具合は避けられない課題の1つだといわれています。 パワーウィンドウの故障 旧車でよく見られるのがパワーウィンドウの故障です。最近のクルマはモーターやギアの技術向上により故障率は低下していますが、30〜40年以上前の旧車の場合は経年劣化で故障する確率が高いといわれています。主な症状は、ガラス開閉時の異音や動作のもたつき、動作停止です。ガラスランチャンネル(窓枠ゴム)の劣化であればシリコンスプレーの吹きかけや洗浄で改善する場合もありますが、モーターやギアの経年劣化は整備工場などで見てもらいましょう。 60系ランクル修理費はいくら? よくある故障が発生したらいくらかかるのでしょうか。ここからは修理費用を見ていきましょう。 ラジエーター修理:6万円程度エンジンオイル漏れ:3万円程度エアコン修理:10万円〜 ※コンプレッサーが故障していた場合パワーウィンドウモーター:3万円程度/1箇所 一般的なクルマのメンテナンス費用は1年間に3〜5万円程度といわれています。しかし旧車の場合は経年劣化により高価なパーツ交換が必要になりメンテナンス費が跳ね上がるかもしれません。日頃から丁寧にメンテナンスをしていれば劣化を遅らせることはできますが、将来的には必ず交換する必要があります。 60系ランクルの維持費が高いと思ったときの対処法 パーツの経年劣化による修理・交換は旧車を維持するうえで避けられません。新車や高年式の中古車よりも、メンテナンス費がどうしても高くなってしまいます。あまりにも修理費を負担に感じるようであれば、手放すことを検討してみてはいかがでしょうか。 一般的な買取店では故障車の査定額は低くなってしまいます。しかし旧車王であれば他社よりも高い価格で買取できます。なぜなら自社内でパーツ供給から修理・整備ができるため中間マージンがかからないからです。故障車の売却先に悩んだ場合は、ぜひ旧車王にご相談ください。。※記事の内容は2022年11月27日時点のデータです
旧車のエンジンがかからない場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。これまでに旧車のエンジンがかからなかったことがない場合でも、知識として持っておくと万一の際に焦らずに対処できるでしょう。今回は旧車のエンジンがかからない場合の原因や対処法について解説します。旧車を所有している方や購入を検討中の方は参考にしてください。 旧車のエンジンがかからない場合に考えられる原因 旧車のエンジンがかからない場合に考えられる原因はさまざまです。代表的な原因について解説します。 セルモーターの不具合 セルモーターは、エンジンを始動するための重要なパーツです。平均的な寿命は10〜15万km程度で、エンジンの始動やアイドリングストップを過度に繰り返すと寿命が縮まるので注意しましょう。バッテリーが上がっていないのにセルモーターが作動しなければ、セルモーターが原因である可能性が高いといえます。 ヒューズの断線が原因 ヒューズは、電気系統に過度な電流が流れないように断線する仕組みになっています。電装品に限らず、エンジンを始動するためのヒューズが断線しているとエンジンはかかりません。旧車の場合はすぐに手に入らない可能性もあるので、予備のヒューズをストックしておくようにしましょう。 オルタネーターの不具合 オルタネーターとは、発電機の役割を果たしているパーツです。オルタネーターが故障すると、電気が作れずにバッテリーの充電ができなくなります。バッテリーを交換したのにすぐに上がってしまう場合は、オルタネーターが原因の可能性が高いでしょう。平均的な寿命は20〜30万kmのため、中古車であっても走行距離が短ければ関係がないと思うかもしれません。しかし、中古車を購入する時点でオルタネーターが古いものに交換されていることもあるので、購入時にチェックが必要です。 エンジンのかぶり 旧車でもキャブレターを採用しているエンジンは、始動時に「かぶる」という現象が起きることがあります。この「かぶる」という現象は、燃料が必要以上に供給されることでプラグが濡れてしまう状態です。ひどい状態になるとプラグの交換や乾燥が必要となり、エンジンの再始動に大きな労力がかかることになります。電子制御燃料噴射装置式の車でも、アクセルペダルを踏んだままセルモーターを回すと同様のかぶりが起こる可能性があるので注意しましょう。 エンジン自体の故障 エンジンは耐久性の高いパーツです。ただし、オイルの交換や燃焼による減少対策を怠るとエンジンに大きな負荷がかかり故障します。エンジンオイルは潤滑、冷却、密閉、洗浄、防錆という5つの役割を果たしているので、最悪の場合はエンジン自体の交換が必要になるケースもあると考えましょう。 電圧不足が原因 電圧不足でもエンジンがかからない場合があります。いわゆる電圧降下(ドロップ)という現象で、電気を送る線の不具合で電圧が末端になるに従って低くなりエンジントラブルが生じることです。他にもヒューズが錆びていたり、バッテリーやオルタネーターの寿命や不調が原因となることもあるので、定期的な電圧チェックは欠かさないようにしましょう。 社外パーツが原因 旧車のパーツは確保が難しい場合が多く、不具合が生じた際に適応する社外パーツに取り換えられていることがあります。しかし、適合するとはいっても純正や推奨パーツとは異なるものを代替えとしているケースもあり、突然の不具合に見舞われてエンジンがかからなくなることもあるので注意が必要です。 旧車のエンジンがかからない場合の対処法 続いて、旧車のエンジンがかからない場合の対処法について解説します。 セルモーターの不具合 セルモーターに不具合が起きている場合は交換が必要です。新品のセルモーターへ交換すると3~5万円程度の費用がかかります。旧車はすぐにセルモーターを確保できないこともあるので、始動音に違和感を感じたらすぐに業者へ相談するとよいでしょう。 ヒューズの断線 断線したヒューズを自力で元に戻すことは難しいため、通常は交換が必要です。ヒューズの断線に早く気づけるように、サビがないかなどのチェックをこまめに行いましょう。カー用品店などに在庫のない品番もあるので、普段からストックしておき車に積んでおくことをおすすめします。 オルタネーターの不具合 オルタネーターの不具合は交換修理が必要となります。一般的な中古車店で購入した旧車の場合は、純正のオルタネーターかどうかの見分けもつかないので信頼できる専門店で購入する方が安心といえます。交換費用は5~10万円程度かかり、部品がなければ調達できるまでエンジンをかけることはできません。 エンジンのかぶり キャブレター式の場合はチョークの調整に失敗したり、チョークレバーの戻し忘れが原因のことが大半といえます。特に寒い日は始動時にチョーク調整に細心の注意を払う必要があるので、マニュアル通りの始動を心がけるようにしましょう。旧車はマニュアルが備わっていないことも多く、専門店で購入する場合は納車時に説明してもらえるのでしっかりと理解しておく必要があります。 エンジン自体の故障 エンジンの故障については、経年劣化するパーツの定期的な交換や日常的な点検をしっかりと行うことで回避できるケースも多いでしょう。特に重要なのがオイルやラジエターの水が正常に循環するかどうかなので、汚れやレベルゲージ、ラバーホース類の破れがないかなどに注意しましょう。 中古車で購入する場合、専門店でレストアされてエンジンの分解洗浄が行われている車はひとまず安心できるといえるでしょう。しかし、一般的な中古車販売店で現状渡しの車を購入した場合は、旧車に詳しい修理工場で細部まで点検してもらうことをおすすめします。エンジンの交換となると数十万~数百万円の費用負担が発生し、乗せ換え用のエンジンがなければ廃車することになるかもしれません。 電圧不足が原因の場合の対処法 電圧不足でエンジンがかからないケースが旧車では非常に多いといえます。まず、日常的な予防策として過度に電装品を取り付けないようにし、電圧のチェックをこまめに行うようにしましょう。電圧チェックについては市販されているオルタネーターチェッカーやクランプメーター、車内で電圧を確認できるシガーソケット用やバッテリーに直接接続できる電圧計もあるので導入を検討されてみてはいかがでしょうか。 電圧不足によりエンジンがかからない場合の対処法は、原因を究明して必要に応じてパーツ交換することです。リレー回路や配線に問題がある場合は、専門店に修理依頼して交換してもらうようにしましょう。テスターで原因箇所がみつかっても代替パーツを要することもあるので専門家に任せる方が無難といえます。 社外パーツが原因 社外パーツが原因でエンジンがかからない場合も、多くはパーツを交換することで不具合が解消します。ただし、納車後の不要なトラブルや走行時のリスクを考えると、やはり専門店で車を購入してアフターケアをお願いした方がいいでしょう。専門店によっては車に使われている社外パーツの箇所や特性を理解しており、交換用パーツもストックしているケースがあるので万一の際も安心です。 旧車のエンジンがかからなくなる場合は買い換えるべき? 旧車のエンジンがかからなくなった場合でも、比較的簡単な処置で直るケースがあります。重要なのは「エンジンがかからなくなったのか原因を知ること」「どの程度の費用負担が必要なのかを確認すること」「再発しないように直せるのか確認すること」の3つです。 修理費用や維持費の面で買い換えを検討することもあるかと思います。しかし、旧車のエンジンがかからなくなるというのは年式を考えれば当然のことでもあり、原因や解決策を理解した上で総合的に判断するのがいいでしょう。まずは専門店に相談することをおすすめします。
雪国で使用されている車が錆びやすいのをご存知の方も多いでしょう。今回はなぜ雪国では車が錆びやすいのか、サビの除去方法や錆びさせない方法について解説します。雪国への転居を予定している方やウィンターレジャーで車を運転する方は参考にしてください。 雪国で車が錆びやすい理由 雪国で車が錆びやすい理由は、融雪剤(凍結防止剤)が道路に散布されているからです。道路で使用されている融雪剤は塩化ナトリウムや塩化マグネシウム、塩化カルシウムなどが主に使用されています。この融雪剤が車の金属パーツ、特に下回り部分にサビや腐食を発生させる塩害の原因といえるでしょう。 融雪剤は雪を融かすために道路に撒かれます。この融雪剤による雪解け水が道路に溜まり、走行した車のボディに塩分が付着し停滞することでサビが発生するのです。融雪剤が付着したまま放置されている車は、知らない間に下回り部分にサビが発生して広がるので対策が必須といえます。 サビは一度発生すると広がり、車の寿命を縮めます。また、塩化カルシウムは水に溶けると発熱し車の塗装面にシミを発生させる原因となるので、車の外観にダメージを負う可能性も考慮しなければなりません。中古車として売却するときの査定にも影響するので注意が必要です。 雪国特有の理由によるサビの除去方法 雪国特有の理由によるサビの除去方法は、サンドペーパーで削るかサビ取りクリームを使用します。サビが小さい場合はサビ取りクリームだけでも除去が可能です。しかし、面積が大きくなるとサンドペーパーで削り落としてサビ取りクリームを併用する必要があります。サビがきれいに取れたらタッチペンやスプレーで再塗装して傷を保護しましょう。 サビは一度発生すると広がるので早めの処置が必要です。毎回業者に施工を依頼するのはコスト的にも難しいのでDIYによるサビの除去方法となり、仕上がり的にはあまり良い方法とはいえません。しかし、放置しておくと確実に車の寿命を縮め、最悪の場合は重要なパーツに穴が開き走行時の大きなトラブルに発展する可能性もあるので必ず対策しましょう。 雪国で車を錆びさせない方法 雪国で車を錆びさせない方法は、こまめに車の下回りを中心に洗浄することです。コイン洗車場やガソリンスタンドの洗車機で「下部洗浄」のオプションを利用したり、家庭で高圧洗浄機を用いて融雪剤の塩分を洗い流すことを意識しましょう。融雪剤が含まれた雪解け水は雨や道路清掃車(散水車)が洗い流すまで残るため、春先まではこまめに洗浄することをおすすめします。 雪国に住む人が新車購入時に利用することの多い塩害ガード(アンダーコート)も有効です。防錆塗装という本格的なサビ予防サービスで、車を手放す際のリセールバリューにも影響します。DIYで車用の防錆スプレーを使うことは、車をリフトアップして下部全体に塗布漏れがないように行うという点であまり現実的ではありません。雪国に長期滞在や定住する方にはアンダーコートがおすすめといえるでしょう。 車検ごとに行うシャーシブラックの施工で十分と思う方も多いかもしれません。しかし、シャーシブラックは塗膜が薄く剝がれやすいので、塩害とは無縁の地域で小傷からのサビを抑制するレベルといえます。アンダーコートは厚い塗膜となるため防錆効果が大幅に向上します。ただし、アンダーコートも車の下回りを擦ると塗膜が剥がれるので定期的な点検や塗り直しは必要です。 また、ホイールについても融雪剤の影響を受けやすく、表面に腐食やサビが発生するだけではなくセンターハブ部分のサビに発展する可能性もあります。洗浄時にはホイールのセンターハブや同じく錆びやすいディスクブレーキ部分も念入りに洗浄しましょう。スタッドレスタイヤ用に塩害対策塗装が施されたアルミホイールを装着することもおすすめです。
キャブ車における点火タイミングとは、スパークプラグに電気火花を発生させ、混合気に火をつけるタイミングのことです。一般的にクランク角度で表します。さらに点火タイミングはエンジン回転数とスロットルバルブ開度の2つの要因によって調整されます。今回は4気筒エンジンをベースにキャブ車の点火タイミングについて解説します。 キャブ車の接点式点火タイミングとは 接点式点火装置における点火タイミングとは、配電器であるディストリビューター内で行われます。ディストリビューターは以下で構成されています。 ・イグニションコイルの一次電流を断続して二次コイルに高電圧発生させる断続部・イグニションコイルの二次電圧を点火順序に従ってスパークプラグに配電する配電部・エンジンの回転速度や付加に応じて点火時期を最適に調整する進角部・ディストリビューターを駆動させる駆動部まず点火を行う断続部です。回転する金属カム、ブレーカー・アーム(可動部)ポイント・サポート(固定部)、ブレーカー・プレートで構成されています。金属カムがブレーカー・アームのヒール部を開閉する時の回転角度と接点(コンタクト・ポイント)のすき間が重要になります。 回転角度はドエルアングルと呼ばれ、一次電流の流れている時間を左右します。この角度が適切でないと二次電圧に影響します。 ドエルアングルが小さいと高速回転時に一時電流の立ち上がりが遅くなり、二次電圧が低下します。逆にドエルアングルが大きいとポイントが閉じている時間が長くなり、一次電流が大きくなってエンジンの高速回転時の二次電圧は上がりますが、低速回転時にはポイントに火花発生して一次電流の遮断が悪くなり二次電圧が低下します。 つまりドエルアングルが小さいと高速回転域では力がなく、ドエルアングルが大きいとアイドル回転時や低速回転域で馬力不足になります。 接点(コンタクト・ポイント)のギャップが重要で、一般的に0.4mm〜0.5mmの間隙で調整します。ギャップが広いと一次電流の通電時間が短く、二次電圧が低くなり、ギャップが狭いとポイント間で火花が発生し、低回転時に一次電流の切れが悪くなって二次電圧が低下します。ドエルアングルと接点のギャップと同じようなフィーリングがでますが、原因は異なります。 キャブ車の点火タイミングに必要な作業手順 まず車の状態を調べる必要があります。 ①入庫時に点火タイミングを調べる できればドエルアングルテスターを用いてドエルアングルも調べます。点検方法ではタイミングライトを使用します。進角度がどのくらい進んでいるのか、遅れているのか確認します。メーカーの設定基準から外れている場合は調整が必要です。 ②燃料のオクタン価が正しいか確認する ハイオク仕様のエンジンにレギュラーガソリンが供給されていないか確認します。オクタン価が低い場合、正しい点火タイミングに調整してもノッキングあるいはデトネーション(異常燃焼)の原因となりエンジンの破損に繋がります。 ③ポイントのすき間を測定する ポイントは遮断と通電を繰り返していく過程で焼損し、消耗してゆくので調整前に必ず隙間を測定します。長年使用していると表面が焼損し、通電不良となります。 キャブ車の点火タイミングの調整が必要な理由 ディストリビューター内にあるブレーカー・ポイントが消耗するため、走行距離や負荷に応じて調整する必要があります。ブレーカー・ポイントが消耗する箇所は2つです。1つは電気を遮断・通電するポイントが焼損するため消耗します。 もう1つはブレーカー・ポイントを開閉するブレーカー・アームにあるヒールと呼ばれる部分です。ヒールは駆動部である金属カムと接しているため摩耗してゆき、ブレーカー・アームの開き方が小さくなります。ポイントの開く隙間が小さくなることで一次電流の立ち上がりが遅くなり二次電圧の立ち上がりが悪くなるため、緩やかにエンジンの調子が悪くなってゆきます。 キャブ車の点火タイミングの調整方法 ①ブレーカー・ポイントのギャップを調整する エンジンが停止している状態でクランクを工具で回転させ、1番気筒の点火時期に合わせます。接点(コンタクト・ポイント)のすき間を測定し、ブレーカー・アームを固定しているネジをゆるめて0.4mm〜0.5mmに隙間を調整します。 ②ディストリビューターを組み立て、タイミングを測定する エンジンを始動してタイミングライトを用いてアイドル回転の進角度がサービスデータの規定値にあるか目視します。エンジンの回転数を上げ、進角が変化するか確認します。 ブレーカー・ポイントを新品に交換した際はブレーカー・アームのヒール部が初期摩耗するので15km〜20kmほど走った後、もう一度ブレーカー・ポイントのギャップを点検する。 ③ブレーカー・ポイントのギャップが適正でも進角が合わない場合はディストリビューター本体の取り付け角度を調整する ギャップが適正かつ進角装置がきちんと働いている場合は、ディストリビューター本体を固定しているネジを緩めアイドル回転数での規定範囲に調整します。 キャブ車の点火タイミングのメンテナンスを怠るとどうなる? 前述した通り、徐々に点火タイミングは狂ってきます。ポイントの焼損とブレーカー・アームのヒール部の摩耗によりイグニションコイルの一次電流の立ち上がりが悪くなり、二次電圧の出力が低くなります。スパークプラグへの供給電圧が低くなるため、良い電気火花が飛ばなくなりプラグ先端がくすぶる原因になります。さらに放置しておくと失火という事になります。
法定整備は、その名の通り法で定められた整備です。法定整備と聞くと車検のことをイメージする方も多いですが、実は内容が大きく異なります。車を安全に走行させるためには定期的な点検整備が必要です。特に中古車を購入する際には法定整備の有無がその後の費用負担や車の寿命を左右するため、納車前に実施されるかどうかの確認は必要といえます。今回は法定整備の詳しい内容と、車検との違いやかかる費用などについて解説します。 法定整備とは 法定整備とは、国土交通省が法で定めた定期点検のことです。法定整備は保安基準に適合した自動車であることを検査するだけでなく、不具合があった場合の整備も実施する必要があります。それでは法定整備について詳しく解説します。 車検との違い 法定整備よりも重要と考えられやすいものに車検があります。車検は正式名称を「自動車検査登録制度」もしくは「自動車継続検査」といい、道路運送車両法の保安基準を満たしているか検査をすることです。車検は検査のみとなり、「公道の走行」「整備状況と環境基準」のそれぞれに問題がないかを検査します。 車検切れの車を公道で走らせると違反点数と罰金が課せられますので注意が必要です。法定整備よりも罰則の有無で車検の方が重視されやすい傾向にあります。しかし車検とは最低限の基準に適合しているかを見る検査ですので、安全安心に運転するためにも法定整備は重要です。 必要性 法定整備は、国土交通省が使用者(運転者)の義務として定めています。法定整備を行わないで不測の事態に陥ることは整備不良による罰則を受ける可能性があり、その責任は運転者が対象です。整備不良と判定された場合、道路交通法第62条「整備不良車両の運転禁止」に抵触し、3ヶ月以下の懲役もしくは5万円以下の罰金が科せられます。 法定整備の内容 法定整備は、12ヶ月点検と24ヶ月点検の2種類があります。詳しい整備内容について解説していきます。 12ヶ月点検 12ヶ月点検は、点検整備で車の故障を未然に防ぐためのものです。26項目の点検箇所をチェックするもので主にエンジンルームや室内、足回りや下回りの点検が実施されます。未実施による罰則はありませんが、故障や事故で周囲の人に被害を及ぼさないための使用者の義務です。 24ヶ月点検 24ヶ月点検は、車検時に同時に行われるのが一般的です。車検整備のことだと勘違いされることが多いようですが、実際には別の点検作業のことで12ヶ月点検よりも多い56項目について実施されます。12ヶ月点検と同様に未実施による罰則はありません。ユーザー車検の場合は、安全上24ヶ月点検だけディーラーや民間整備工場などに依頼することがおすすめです。 法定整備込・別・無の違い 中古車を購入する際は納車時に法定整備をされているか否かは重要です。法定整備がされていれば納車後の部品交換や修理といった費用負担や、不具合による危険が減るといえます。中古車販売店のプライスボードに表記されている「法定整備込・別・無」について解説していきます。 法定整備込 「法定整備込」と表記されているものは、車両価格に法定整備費用が含まれています。一般的に中古車販売店での法定整備は12ヶ月点検に則したもので、「法定整備別・無」の車よりも車両価格が高いです。納車後の追加料金が発生しにくい点がメリットと言えるでしょう。 法定整備別 「法定整備別」と表記されているものも、納車前に法定整備を実施してくれます。車両価格とは別途で諸費用として見積りに追加され、その分車両価格が抑えられている場合がほとんどです。購入を検討する場合は、法定整備費用が相場と比べて妥当か確認する必要があります。中古車保証が付く車両はこの法定整備を受けることが前提といえます。 法定整備無 「法定整備無」と表記されているものは、中古車販売店での法定整備はありません。現状渡しとも呼ばれますが、古い車や故障が多い車種の扱いといえます。納車後に不具合が生じる可能性が法定整備を実施した車よりも高いので、車両価格が安くても詳しい説明を聞いた上で購入を検討するべきでしょう。 法定整備にかかる費用 法定整備は、専門的な技術や知識が必要となり国の認証を受けた整備工場に依頼するのが一般的です。費用は車種や入庫する業者などによって異なります。12ヶ月点検で10,000~20,000円程度、24ヶ月点検は20,000~50,000円程度が相場です。整備点検に加えオイルなどの消耗品や部品の交換作業が伴う場合は別途費用が必要です。また、24ヶ月点検と同時に車検を受ける場合は、その費用が追加で発生します。 法定整備にかかる時間 法定整備にかかる時間は点検を行う業者によって様々です。一般的に12ヶ月点検で2時間~半日程度、24ヶ月点検で車検も合わせて1~2日程度といえます。部品の交換が伴う場合や大がかりなメンテナンスが必要な場合は、在庫の有無にも影響しますがさらに時間が必要です。 法定整備は自分でできる? 法定整備は自分ですることも可能です。「道路運送車両法」で定められた点検箇所を項目に沿って行い、外回りや運転席、エンジンルームや下回りの点検を実施します。しかし、自分で行うにもリフトアップできる環境や工具なども必要ですので、自信がない場合やリフトなどの設備が用意できない場合は無理せずにプロに任せた方が良いといえます。
キャブ車の点火装置のメンテナンスについてお悩みの方はいませんか?メンテナンスしないとどうなるのかも気になるところでしょう。今回は点火装置の基本構造と整備について解説します。キャブ車を所有している方や学びたい方はぜひ参考にして下さい。 点火装置とは 点火装置とは、気化し燃焼室内で混ざりあったガソリンと酸素に電気火花を付ける装置のことです。今回は高圧電気点火法の中から接点式について解説します。 キャブ車の点火装置の構成 接点式点火装置の部品構成は、バッテリー、負圧式ダイヤフラム、外付き抵抗器、イグニッション・コイル、ディストリビューター、ハイテンションコード、スパークプラグです。 知っておきたい電気の流れ スパークプラグに高電圧を生み出す電気の流れについて解説します。バッテリーから流れた電気は、外付き抵抗器を通ってイグニッション・コイル一次側コイルに流れ、電磁エネルギーを貯えます。一次側コイルの先にはブレーカーポイントと呼ばれる接点があり、マイナスアースに電気が流れます。ブレーカーポイントはエンジンの動力によって働き、電流の通電および遮断を行います。 ブレーカーポイントにて電気が遮断されると一次側コイルの電気は流れ続けようとして高電圧を生み出します。約300V~500Vの起電力を発生します。二次側のコイルは流れ続けようとする300V~500Vの起電力に誘導され、約15,000~40,000Vの高電圧を発生し、ディストリビューターへ供給されます。ディストリビューターは点火時期に応じて先ほどの高電圧をハイテンションコードを介してスパークプラグに配電し、スパークプラグ先端にて電気火花となります。 キャブ車の点火装置の整備 点火装置に必要な整備を解説します。 バッテリー……十分な供給電力があるのかテスターで確かめます。 負圧式ダイヤフラム……キャブレーターからの負圧回路をバキューム・テスターで調べ、ゴムチューブに亀裂がないか確認すると共にダイヤフラムが負圧によって作動するか確認します。 イグニッション・コイル……熱を発生させる部品なので取付場所に注意する。開磁路型の場合は油漏れなどがないか点検する。 ディストリビューター……ディストリビューターキャップの外側や内側に電気スパークが逃げた跡がないか目視します。ハイテンションコードへ繋がるサイド・エレクトロードとセンター・コネクター・ピースの状態を確認し、摩耗があれば交換が必要です。 点火時期に応じて電気を配電するディストリビューター・ローターのローターアームも目視点検を行い、ヒビや欠けの有無、電極部の損耗状態が悪ければ交換が必要です。これらは定期的に交換するのが理想です。ディストリビューター内にあるブレーカーポイントは消耗品です。電気接点のポイントと駆動部分のヒールは摩耗するので調整や交換が必要になります。ブレーカーポイントを交換する時は、コンデンサーも同時に交換するのが理想です。 ブレーカーポイントを固定するプレートは負圧式ダイヤフラムによって回転するので、動きが良いか確認し、またブレーカーポイントのアースが断線していないか確認します。 ハイテンション・コード……イグニッションコイルからディストリビューターに接続しているセンターコードとディストリビューターからスパークプラグに接続しているハイテンションコードの抵抗値を測定します。規定の抵抗値であれば良好と判断し、無限大であれば断線しているので交換が必要です。 スパークプラグ……取り外しを行い、絶縁碍子上に線上に高電圧が逃げた跡やヒビ、欠けなどがないか点検します。スパークプラグ先端には中心電極と接地電極があり、その間隙(ギャップ)が規定値にあるかギャップ・ゲージなどで測定します。摩耗している場合は交換が必要です。また接地電極にプラチナやイリジウムを使用しているスパークプラグは金属ブラシなどで清掃してしまうと削れてしまうので行いません。 キャブ車の点火装置のメンテナンスを怠るとどうなるの? 接点式点火装置の点検は5,000km~10,000kmで行う必要があります。特にディストリビューター内にあるブレーカーポイントの隙間の調整とヒール部の給油です。ブレーカーポイントはベークライトと呼ばれる樹脂性のヒール部分が金属カムに接触するため摩耗します。 そのためブレーカーポイントの開き方が少なくなります。開き方が少なくなるとイグニッション・コイルにて十分な起電力が得られなくなり失火の原因となります。不具合の症状としては点火タイミングが遅れてくる、馬力が落ちるなどの症状がでてきます。 さらにブレーカーポイントの接点が長く電流を流すことになり、イグニッションコイルが熱を持つようになり内部に充填されている絶縁油が漏れだす恐れがあります。
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