旧車の再生と維持

車の雪対策は何をすればよい?雪対策のグッズに必要なグッズも紹介
旧車の再生と維持 2025.06.24

車の雪対策は何をすればよい?雪対策のグッズに必要なグッズも紹介

豪雪地帯に住む人は、車の雪対策を行うことが常識とされています。一方で、雪が頻繁に降らない地域では雪対策が不十分な傾向があります。この場合、雪による突然のトラブルに戸惑うこともあるでしょう。この記事では、車の雪対策の方法や注意点、グッズなどを紹介します。 車の雪関連のトラブル 車の雪関連のトラブルとして、交通事故のリスクが上がったり、車に不具合がでやすくなったりすることが挙げられます。まずは、雪関連のトラブルを紹介します。 交通事故のリスクが上がる 冬は凍結や積雪によって路面が滑りやすくなるため、交通事故のリスクが高まります。凍結路や雪路は、雨が降ったときより滑りやすく大変危険です。 たとえば、乾いた路面に比べてブレーキが効きにくかったり障害物を避けられなかったりします。スタッドレスタイヤを装着していても、予想以上に路面が滑ることを意識して運転しましょう。 車に不具合がでやすくなる 雪が降ると気温の低下により、車に不具合がでやすくなるため注意が必要です。たとえば、ディーゼル車の場合、気温の低下により軽油が凍結するためエンジンを始動できない場合があります。 軽油が凍結した場合は、気温の上昇による解凍を待つか、JAFもしくは修理業者のレッカーを手配しなければなりません。始動してもアイドリングが不安定になるほか、最悪の場合は走行中にエンジンがストップするケースもあります。 また、気温が低下するとバッテリー液の温度が下がるうえにエンジンオイルも硬化するため、バッテリー上がりにつながります。 なお、一般的な冷却水は不凍液が配合されているため、基本的に冬は凍結しません。しかし、気温が-10°以下に達すると凍結し、最悪の場合はラジエーターが破損する恐れがあります。雪が降る前に、ディーラーや整備工場で外気温に合った濃度の冷却水に交換してもらいましょう。 雪崩の直撃を受ける 車の雪関連のトラブルとして、雪崩の直撃を受けるリスクも挙げられます。舗装された道路を運転する場合は、雪崩の直撃を受けるリスクは少ないものの、観光地や旅館へ向かう際の林道や勾配な坂では注意が必要です。 なかでも、日中に気温が上昇しやすい場所は雪崩が起こりやすいため、車を運転する際は経路を考慮する必要があります。雪崩は鉄筋コンクリートの建物を押し倒せるほどのエネルギーを持っているため、なるべく直撃しやすい道路を避けるようにしましょう。 なお、雪崩によって道路が塞がれた場合は、通行止めに巻き込まれるトラブルもあります。 ホワイトアウトに遭遇する 車を運転している際に雪が降った場合は、ホワイトアウトに遭遇する可能性があります。ホワイトアウトとは、吹雪や大雪により視界が奪われる気象現象のことです。 一瞬で数十cm先が見えなくなり、走行中の車線や前方車などを見失うため、事故につながる可能性があります。気温が低い山間部や、風が強く吹く場所でよく発生する特徴があり、遭遇した場合はハザードランプやヘッドライトで周囲に自分の存在を知らせましょう。 なお、雪片が大きい場合は、気温が高くて風が弱くてもホワイトアウトに遭遇するケースもあります。豪雪地帯で雪が降った際は、気温や風の強さを問わず、十分に注意して運転しましょう。 雪で倒壊した建物による被害を受ける 雪で倒壊した建物によって、車が被害を受ける可能性があります。雪は空気を多く含んでおり、新雪の重さは1m3あたり、50kg〜150kgといわれています。 日中の気温上昇により一度溶けて、再度凍結した場合は1m3あたり300kg〜500kgにも及ぶため、雪で建物が倒壊することは珍しくありません。たとえば、雪の重みに耐えられずカーポートが倒壊し、駐車している車が被害を受けることもあります。 なるべく早く雪下ろしを行い、建物の倒壊による車の被害を避けましょう。なお、補強されていない一般的なカーポートは、積雪20cm程度まで耐えられます。 車の雪対策に必要なグッズ 車の雪対策に必要なグッズを事前に用意しておくと、スムーズかつ安全に運転できます。続いて、車の雪対策に必要なグッズを紹介します。 スタッドレスタイヤ スタッドレスタイヤは、グリップ力が高く積雪路面や凍結路面で効果を発揮するため、車の雪対策に必要なグッズです。ただし、グリップ力が強いとはいえ、道路状況によってはスタッドレスタイヤを履いていても滑るケースもあります。なかでもアイスバーンは特に滑るため、スタッドレスタイヤを履いていても、雪が降った際は十分に注意して運転しましょう。 また、スタッドレスタイヤに加えて、タイヤチェーンを装着しないと通行できない道路もあります。タイヤチェーンは滑り止め器具であり、装着することでより安全に運転できます。チェーン規制は急な上り下りがある峠や、過去に雪による立ち往生が起こった場所などで実施されているため、目的地に応じて車に載せておくとよいでしょう。 解氷スプレー 解氷スプレーは、フロントガラスの凍結を解凍する際に役立つグッズです。 フロントガラスが凍結している場合は、車内の暖房を使ったりお湯をかけたりして解凍する方もいるでしょう。一時的に解凍できるものの、再び凍結するケースもあります。また、お湯をかけて解凍することはフロントガラスのひび割れにつながり、修理代が発生してしまうおそれがあるためおすすめできません。 一方、解氷スプレーはすばやく解凍できるほか、再凍結も予防できるため車内に1本用意しておくのがおすすめです。 冬用ワイパー 冬用ワイパーは、豪雪地帯で運転する際に必要なグッズです。豪雪地帯で通常のワイパーを使用した場合、ワイパーの金具が凍結したり、フレームの隙間に雪が詰まったりして正常に作動しなくなる場合があります。ワイパーが正常に作動しないと、事故につながる危険があるため、豪雪地帯では冬用ワイパーがおすすめです。 また、通常のワイパーは気温が低いとゴム部分が硬くなる特徴があります。一方、冬用ワイパーはゴム部分が硬くなりにくい素材を採用しているため、フロントガラスへの傷を予防できます。冬用ワイパーの値段は、通常のワイパーより3倍程度するものの、豪雪地帯で役立つため取り付けを検討してみてください。 スタックした車の脱出道具 雪道ではタイヤを取られて立ち往生する可能性があるため、脱出道具があるとスムーズにスタックを抜けられます。雪道でスタックした場合は、自力で脱出するかロードサービスを呼ぶ必要があります。ロードサービスを利用すると、費用が発生するほか混雑状況によっては数時間待たなければ、スタックを脱出できません。 脱出道具を備えていれば、タイヤを取られてもスムーズに自力でスタックを抜けられるため、万が一のために用意しておくとよいでしょう。なかでも、タイヤと雪の間に脱出道具を設置して、そのまま発進するだけでスタックを抜けられるものがおすすめです。 スノーブラシ スノーブラシがあると、ボンネットやルーフに積もった雪を出発前に降ろせるため、安全に運転できます。ボンネットやルーフに雪が積もったまま運転すると、走行中に落下し事故につながる可能性があるため大変危険です。 たとえば、ブレーキを踏んだ際にルーフに積もった雪がフロントガラスに落下し、視界が遮られるケースです。出発前にルーフに積もった雪をスノーブラシで降ろしておけば、事故のリスクを軽減できます。車用スノーブラシは、傷がつかないよう設計されているため、購入時に参考にしてみてください。 ジャンプスターター ジャンプスターターは、一時的に電力を供給してエンジンを始動できるため、バッテリー上がりが多く発生する寒い時期に活躍するグッズです。バッテリーは、気温が低い場所で上がりやすい特徴があり、急にエンジンが始動しないケースがあります。バッテリーが上がった場合は、ロードサービスの救援を呼ぶ必要があり、1万円程度の費用が発生します。 また、ブースターケーブルを持っていれば自力でエンジンを始動させられるものの、電力を供給する救援車が必要です。交通量が少ない道路でバッテリーが上がった場合は、協力してくれるドライバーが通ることを待たなければなりません。 ジャンプスターターは、モバイルバッテリーが内蔵されており、救援車が不要なため自分1人でエンジンを始動させることが可能です。 車の雪関連のトラブルの対策方法 車の雪関連のトラブルの対策方法を事前に把握しておくと、スムーズに目的地にたどり着けるほか、身の安全も確保できます。続いて、雪関連のトラブルの対策方法を紹介します。 安全なルートをあらかじめ検索しておく 豪雪地帯では、タイヤのスタックや通行止めに遭遇するケースがあるため、安全なルートをあらかじめ検索しておきましょう。交通量が多い幹線道路は、スタックや通行止めに遭遇するリスクを軽減できるため、参考にしてください。 また、林道や峠道などは除雪が行き届いていないほか、圏外の場所もありロードサービスを呼ぶことが困難なケースがあります。気象情報や道路状況をチェックしつつ、目的地までの安全なルートをいくつかピックアップしておくとよいでしょう。 スピードを出さない 雪道は止まりにくいほか、予想外の方向に進んでしまう可能性があるため、スピードを落として走行しましょう。たとえば、スピードの出しすぎにより交差点の手前で停止できず、他の車と衝突する危険性があります。 雪道を運転する際は、スピードを出し過ぎず前方車との車間距離を十分取って走行することを意識してみてください。なお、雪道は滑りやすくスリップする可能性があるため、急ブレーキや急ハンドルは避ける必要があります。 雪に埋もれたらエンジンを切る マフラーの穴が覆われると、車内に排気ガスが進入し一酸化炭素中毒になるため、車が雪に埋もれたらエンジンを切る必要があります。最悪の場合は死に至る恐れがあるため、必ずエンジンを切りましょう。 また、雪には断熱作用があり内部の熱を逃さずに止めてくれます。かまくらと同様に、内部の温度はさほど下がらないため、窓を1cm程度開けて車内を換気しましょう。 マフラー周囲の雪を取り除く 一酸化炭素中毒になる恐れがあるため、エンジンをかけたまま停車する場合は、定期的にマフラー周辺の雪を取り除きましょう。窓を5cm開けて車内を換気しても、マフラーが雪で覆われている場合は、40分程度で頭痛やめまいなどの症状が出ると言われています。 一酸化炭素中毒による死亡事故は毎年のように発生しているため、エンジンをかけたまま停車する際は、必ずマフラー周辺の雪を定期的に取り除きましょう。 参考:JAF「クルマが雪で埋まった場合、CO中毒に注意(JAFユーザーテスト)」 適切な場所に駐車する 建物の崩壊により、車に被害が出る可能性があるため、適切な場所に駐車しましょう。たとえば、カーポートや家屋の屋根付近などは、雪の重さに耐えきれず崩壊する可能性があるため大変危険です。 車内にいる状態で周辺の建物が崩壊した場合は、運転手や同乗者がケガをするリスクもあります。大雪警報が発表されたら、車や自分の身を守るためにも、崩壊の危険性がある場所を避けて駐車してください。 また、気温が氷点下に達すると、ワイヤー部分の凍結によりサイドブレーキを解除できないケースがあります。気温が氷点下に達した場合は、サイドブレーキは使用せず、以下にシフトを入れて駐車しましょう。 ・AT車……P・MT車……1速(下り坂の場合はR) なお、気温が低いとワイパーがフロントガラスに張り付いてしまうケースもあります。強引に剥がすと、ブレードが折れたりゴムが切れたりする可能性があるため、駐車する際はワイパーを立てるようにしましょう。 まとめ 車の雪関連のトラブルとして、交通事故のリスクが上がったり不具合がでやすくなったりすることが挙げられます。雪崩の直撃や建物の崩壊によって、車に被害が出るケースもあります。雪道を運転する際は、紹介した雪対策に必要なグッズを活用しつつ、スピードを落としてあらかじめ安全なルートを検索しておくとよいでしょう。 また、マフラーが塞がれると一酸化炭素中毒になる危険性があるため注意が必要です。マフラーが塞がった場合は、周辺の雪を取り除くか、エンジンを切り窓を開けて車内を換気しましょう。

雪の日に車のワイパーを立てることは正解?デメリットや注意点も紹介
旧車の再生と維持 2025.06.24

雪の日に車のワイパーを立てることは正解?デメリットや注意点も紹介

雪が降ったときは車のワイパーを立てることが常識とされています。しかし、ワイパーが雪の重みで破損しないか不安に思う方もいるでしょう。ワイパーは、立てても基本的に問題はないものの、状況や扱い方によっては破損するケースもあるため注意が必要です。この記事では、雪が降ったときに車のワイパーを立てる理由やデメリット、注意点を紹介します。 雪が降ったときに車のワイパーを立てる理由 雪が降ったときに車のワイパーを立てることは、破損の防止やフロントガラスを掃除しやすくするためなど、いくつかの理由があります。まずは、雪が降ったときに車のワイパーを立てる理由を紹介します。 ワイパーを無理に動かすことによる破損の防止 気温の低下によりゴム部分が凍結し、フロントガラスに張り付くケースがあります。除雪する際に無理に引き剥がすと、ゴム部分が切れたりアームが折れたりするため、誤操作したときのトラブルを防ぐために、ワイパーを立てておかなければなりません。 また、凍結した状態で無理に作動させると、ワイパーに動力を伝えるモーター部分が破損するケースもあります。凍結した状態で作動させることは、フロントガラスに傷がつく可能性もあるため、ワイパーで除雪作業は行わないようにしましょう。 フロントガラスの清掃のため フロントガラスに積もった雪を掃除しやすくするため、降雪時にワイパーを立てます。積もった雪を降ろす際は、スノーブラシを使用するため、立てたほうがフロントガラスを掃除しやすいでしょう。 また、立てていない状態でフロントガラスの雪を掃除すると、スノーブラシがワイパーに当たることにより、故障するケースもあります。スムーズにフロントガラスを清掃するためにも、降雪時はワイパーを立てておくとよいでしょう。 車を見つけやすくする 自分の車を見つけやすくするため、事前にワイパーを立てるドライバーもいるでしょう。豪雪地帯では車が雪で覆われることが珍しくありません。また、猛吹雪のときは視界も悪くなるため、ますます車を見つけづらくなります。ワイパーを立てておけば、目印となり車を発見しやすくなります。 雪が降ったときに車のワイパーを立てるデメリット ワイパーを立てると、周囲の建物からまとまった雪が落ちて来た際に下敷となり、折れてしまうデメリットがあります。立てたワイパーが見えなくなるほど車が雪で覆われた場合は、除雪時にひっかけてアーム部分を折るケースもあるため注意が必要です。 また、雪の重みによりアーム部分が変形したり折れたりするケースもあります。たとえば、比較的気温が高い本州で降る「もち雪」や「べた雪」などは水分を多く含んでおり、粉雪や乾雪より重い特徴を持っています。 水分を多く含んだ雪が車全体を覆うと、重さに耐えきれずアーム部分が変形したり折れたりする可能性があるため、必ずしもワイパーを立てることが正解とは限りません。気象情報をチェックしつつ、状況に応じて立てるかどうか判断しましょう。 ワイパーが破損した場合は、新たに購入する必要があり以下の費用が発生します。目安として参考にしてみてください。 ・ゴム 1,000円程度・アーム 3,000円程度・モーター 1〜2万円程度 ワイパーに動力を伝えるモーター部分が破損すると、交換費用が高額になるため、雪が降ったときに立てるかどうかよく考える必要があります。 降雪時に車のワイパーを立てるときの注意点 降雪時は、雪の塊が落ちてくるところには駐車せず、すでに載っている雪を落としてから立てるようにしましょう。続いて、降雪時に車のワイパーを立てるときの注意点を紹介します。 雪の塊が落ちてくるところには駐車しない 降雪時に車のワイパーを立てる際は、雪の塊が落ちてきそうな場所に駐車しないようにしましょう。立てた状態で雪の塊が落ちると、アーム部分が変形したり折れたりする可能性があります。特に建物の軒先(のきさき)や庇(ひさし)の真下などは、雪の塊が落ちてくる可能性が高いため注意が必要です。 また、強風の場合はアームが折れるケースもあります。除雪する際の負担の軽減もできるため、風向きを考慮して駐車しましょう。 すでに載っている雪を落としてから立てる 降雪時は、すでに載っている雪を落としてから車のワイパーを立てましょう。降る量によっては数時間で積もるケースがあるため、除雪する際の手間を考慮すると、少しでも雪を落としておいた方がスムーズに目的地へ向かうことが可能です。 また、ワイパーを立てる際はアーム部分を持ち上げる方法が一般的ですが、スイッチ操作が必要な車種もあります。たとえば、ドイツ車であるフォルクスワーゲンのほとんどの車種は、以下の方法でワイパーを立てます。 1.始動スイッチを数秒間ONにしてからOFFに切り替える2.ワイパーレバーを下げる3.サービスポジションに移動したアーム部分を手で掴んで持ち上げる 無理に持ち上げると破損や故障につながるため、愛車の正確なワイパーの立て方を把握しておきましょう。 まとめ 気温の低下によりゴム部分やアームが凍結するケースがあり、無理に動かすことによる破損を防止するためにワイパーを立てます。フロントガラスを掃除しやすくするためや、車を見つけやすくすることも、ワイパーを立てる理由の1つです。 ただし、周囲の建物からまとまった雪が落下した際や、除雪時に引っ掛けて破損させてしまうケースもあるため、注意してワイパーを立てなければなりません。立てる際は、雪の塊が落ちてくる場所を避けて駐車しましょう。

雪道でスタックしたときどうすればいい?対策や対処法を紹介
旧車の再生と維持 2025.06.24

雪道でスタックしたときどうすればいい?対策や対処法を紹介

雪道を走行しているときに車がスタックすると、焦って適切な対処ができない場合があります。雪道で車がスタックしたときは、どのように対処すればよいのでしょうか。この記事では、車がスタックする原因や対処法などを紹介します。 スタックとは スタックとは、雪や泥のぬかるみなどにタイヤがはまり、タイヤが空回りして車が進まなくなることです。 車がスタックすると立ち往生してしまうため、渋滞や事故の原因となります。そのため、車がスタックしたときは、いち早く脱出することがポイントです。 しかし、適切に対処しなければ、さらに深みにハマり身動きが取れなくなることがあります。 スタックする原因 スタックする原因は、主に次の2つです。 ・タイヤと路面の摩擦力が失われ、駆動力が路面に伝わらなくなることで空回りしてしまう・タイヤが路面に接地しないことで発生する スタックしたときの対処法 車がスタックしたら、どのように対処すればよいのでしょうか。ここからは、スタックの状況別に正しい対処法を紹介します。 スリップしたときは足場を固める タイヤがスリップしたときは、路面とのグリップを回復させることがポイントです。タイヤのグリップを回復させる方法は、主に次の6つです。 ・車を小刻みに前後に動かして路面の雪を踏み固める・チェーンを巻く・緊急脱出用のヘルパー(樹脂製の板)や布などを敷き、ゆっくりとアクセルを踏む・同乗者や周囲の人に車を押してもらう・タイヤの空気を少し抜いて路面との接地面を増やす(脱出後は空気圧を適正に戻す)・タイヤの下と周辺に砂をまいて脱出する 新雪に埋もれたときは雪を固める 降ったばかりのふわふわとした新雪の場合は、スリップしたときと同様に、タイヤを路面にしっかりとグリップさせることがポイントです。新雪に埋もれたときは、次の方法で脱出を試みましょう。 ・車を小刻みに前後に動かして雪を踏み固める・タイヤ前後の雪を取り除いたり踏み固めたりする 雪の塊に乗り上げたときは雪を除去する 雪の塊に車を乗り上げてしまったときは、タイヤと路面が接地するよう雪を取り除くことがポイントです。 雪を除去するときは、少しずつ雪を崩していきましょう。タイヤが路面に接地するまで雪を取り除いたら、車を動かし脱出します。もし、雪を取り除いたのに脱出できないときは、振子のように車を小刻みに前後に動かして脱出できるか試してみるとよいでしょう。 脱輪したときは無理せずロードサービスを呼ぶ 脱輪したときは無理に自分で動かそうとせず、ロードサービスに救援を依頼しましょう。 前輪駆動(FF)車で軽度の脱輪であれば、脱出したい方向にハンドルを切ってアクセルを強く踏むと脱出できる場合があります。ただし、アクセルを強く踏むため、勢いよく車が飛び出してさらなる事故に発展しかねません。 そのため、運転に自信がない場合はロードサービスを呼んで救援してもらいましょう。 雪道でスタックしないための対策 雪道でスタックしないためには、どのような運転を心がければよいのでしょうか。ここからは、スタックしないための対策を紹介します。 急ブレーキ・急発進を避ける 雪道では、急ブレーキ・急発進・急ハンドルといった急な操作を避けましょう。 急な操作は、雪道ではない道路でも危険ですが、雪道の場合はさらにリスクが高くなり、スリップしたり、止まれなくなったりします。 車間距離をしっかりとる 雪道では、車間距離を長めにとっておきましょう。 雪道では、タイヤと路面が接地していても、摩擦力が低いため止まりにくくなります。前の車に追突したり、スリップしたりしないためにも、車間距離を長めにとっておきましょう。 ロービームとフォグライトを使う 夜間の雪道では、ヘッドライトをロービーム(下向き)にしましょう。ハイビーム(上向き)にすると、光が雪に反射して前方が見づらくなってしまいます。 また、フォグランプを点灯させて目の前の状況をしっかり把握したり、周囲の車に自車の存在をアピールしたりするのも有効な手段です。 轍から少しずれたところを走行する 轍(車が通った道に残っている跡)から少しズレたところを走行するのも効果的です。 轍は、すでに雪が踏み固まり、氷(アイスバーン)になっていることも珍しくありません。氷は、雪より滑りやすくグリップしにくいため、凍っていない部分を通ることでスタックのリスクを軽減できます。 雪道でのスタックに備えて車に積んでおきたいもの 雪道でスタックするかどうかは、その場の状況によって異なります。 車がスタックしたときに立ち往生しないためにも、雪道を走るときに備えておきたいアイテムを紹介します。 ・スコップ(雪の掻き出しに使う)・チェーン(スタッドレスタイヤを履いていてもチェーンを着けなければならないことがある)・牽引用ロープ(スタックや脱輪などのときに使う)・緊急脱出用のヘルパーや毛布・砂などの脱出用具(スタック時に使う) このようなアイテムを用意しておくと、雪道でスタックしたときに適切に対処できるでしょう。 まとめ 雪道では、身動きが取れなくなる「スタック」が発生する可能性があります。 もし、車がスタックしたときは、いち早く脱出することがポイントです。ただし、スタックから脱出するためには、状況に応じて適切な方法をとらなければなりません。 状況に応じた適切な対処をするためにも、スタックの原因や対処法を覚えておくとよいでしょう。

車の雪下ろしをせずに走る危険性とは?雪下ろしの道具や手順も紹介
旧車の再生と維持 2025.06.24

車の雪下ろしをせずに走る危険性とは?雪下ろしの道具や手順も紹介

車に積もった雪を下ろすのには手間も時間もかかるため、面倒に感じる方も多いでしょう。もし、雪を下ろさずに車を走らせてしまうとどのような危険があるのでしょうか。今回は、車の雪下ろしの必要性、雪下ろしに必要な道具や手順を紹介します。 車の雪下ろしが必要な理由 車に積もった雪を下ろさずに走るのは非常に危険です。ここからは、どのような危険があるのか紹介します。 車がへこんだりガラスが割れたりする 雪はフワフワしているため軽そうに見えますが、降り積もると非常に重くなります。その重さは、粒の目が粗いざらめ雪の状態で1m3あたりで300〜500kgほどです。 そのため、定期的に雪下ろしをしないと、車が雪の重さに耐えられなくなり、ボディがへこんだり、ガラスが割れたり、部品が取れたりすることがあります。 このようなことから、しばらく車に乗ることがなくても、定期的に雪下ろしをしなければなりません。 車が錆びやすくなる 雪によって車が錆びやすくなることがあります。 雪は水でできているため、金属を多く使っている車に雪が触れたまま放置すると、錆びる可能性があります。また、傷ついた金属部分に雪が積もったり、濡れたまま放置したりすると、すぐに錆びてしまいます。放置すれば錆の範囲が広がることもあるでしょう。 そのため、雪下ろしをして水分を定期的に取り除く必要があります。 オイルが劣化する 雪が降るほどに気温が低いときは、車のオイルにとって過酷な環境です。 エンジンオイルは、油温が適温になることで本来の性能を発揮します。つまり、雪が降るほど低い気温のときは、エンジンオイルが温まりにくく、オイル本来の性能を発揮しづらいのです。 また、オイルが適温になる前にエンジンを切ると、エンジン内部に結露が発生する場合があります。エンジン内部で結露が発生すると、エンジンオイルと結露で発生した水が混ざり、オイルが早く劣化します。 このようなことから、冬はオイルが劣化しやすくなります。 燃費が悪くなる 車の雪下ろしをしないと車にかかる重量が重くなるため、燃費が悪化します。燃料消費を抑えるためにも、雪下ろしをしてから走行しましょう。 暖房が効きにくくなる 車に降り積もった雪を下ろさずに走行すると暖房が効きにくくなったり、エアコンの風量が弱まったりすることがあります。 車に積もっている雪を放置すると車全体が冷えてしまうため、車内を暖めるのに時間がかかります。また、エアコンの空気を取り入れるダクトが雪で塞がっていると、空気を取り込めなくなるため、エアコンの風量が弱まるかもしれません。 暖房を効率よく効かせるためにも、雪下ろしをしてから暖房をつけるようにしましょう。 事故の原因になる 雪を下ろさずに走ると、事故発生の可能性も高まってしまいます。 ルーフに積もった雪は、加速時に後方へ飛び、減速時にフロントガラス側へ流れ落ちます。後方に雪が飛んだり落ちたりすると、後続車の視界を妨げたりスリップを誘発したりする可能性があるため危険です。 また、減速時にルーフの雪がフロントガラスに流れ落ちてくると前方の視界が塞がり、運転が続けられなくなるでしょう。さらに、流れ落ちてきた雪は水分を含んでいるため非常に重く、ワイパーで拭き取れないために、立ち往生してしまうこともあります。 このように、雪下ろしをしないことによって事故を起こしたり誘発させたりすることがあるため、車を動かす前は必ず雪下ろしをしましょう。 車の雪下ろしの方法 車に積もった雪を下ろすときは、道具を用意して、適切な手順で下ろしましょう。ここからは、雪下ろしに必要な道具や手順を紹介します。 必要な道具 雪下ろしをするときは、「スノーブラシ」や「スコップ」などを用意します。 スノーブラシは、長めの柄の先にブラシが取り付けられている道具です。スノーブラシを使うときは、車に傷がつかないよう優しく雪を下ろします。 スコップは、車から下ろした雪や通り道の雪を取り除くときに使います。 手順 雪下ろしをするときの手順は次のとおりです。 1.ルーフ2.窓3.ボンネットやトランクリッド4.車の前後 雪は、上の方からおろします。その後、車が通る道やマフラーまわりの雪を取り除きます。 まとめ 車の雪下ろしをするのは、手間と時間と体力が必要なため、面倒だと感じるかもしれません。しかし、雪を下ろさずに走り出すと、思わぬ事故やトラブルに遭うことがあります。そのため、車に積もった雪は必ず下ろしてから走り出すようにしましょう。

車のマフラーが雪で埋まると危険!マフラーの雪対策を解説!
旧車の再生と維持 2025.06.24

車のマフラーが雪で埋まると危険!マフラーの雪対策を解説!

雪が降る環境の中で車が立ち往生したり車内で待機したりするときは、一酸化炭素中毒に注意しなければなりません。今回は、車が雪で埋まったり、マフラーが塞がれたりする危険性を解説するとともに、対策を紹介します。 車のマフラーに雪が詰まる問題点 車のマフラーが雪で埋まると、一酸化炭素中毒になる恐れがあります。 一酸化炭素とは、炭素を含む物質が酸素不足の環境で不完全燃焼を起こした際に発生する気体です。一酸化炭素は、酸素を全身に運ぶ役割を果たすヘモグロビンの働きを阻害することで、全身に酸素が十分に届かなくなります。その結果、酸素不足になった状態を一酸化炭素中毒といいます。 一酸化炭素は、無臭かつ無色のため、車内に充満していても気づくことは困難です。気づいたときには頭痛や吐き気、眠気、判断力の低下などの症状が現れ、そのまま放置すると命を落とすおそれもあります。 車のマフラー周辺が雪で塞がれたり埋まったりすると、マフラーから出た排出ガスが車の下側を通り、エアコンの空気を取り入れるダクトから室内に侵入します。この排出ガスによって一酸化炭素中毒になってしまうのです。 一酸化炭素中毒の症状 一酸化炭素中毒の症状は、一酸化炭素の濃度によって異なります。濃度別の一酸化炭素中毒の症状は次のとおりです。 ・200ppm:軽度の頭痛や吐き気がする濃度・800ppm:頭痛やめまい、吐き気、失神などを引き起こす濃度・1,000ppm:致死する濃度 一酸化炭素中毒になりやすい状況 一酸化炭素中毒は、一酸化炭素の濃度が高くなることによって起こります。そのため、一酸化炭素の濃度を上げないようにすることが一酸化炭素中毒にならないようにするためのポイントです。 ここでは、JAFのテスト結果を元に、一酸化炭素中毒になりやすい状況を解説します。 まず、最も危険な状況は、車が雪に埋まっている状態のままにしておくことです。窓を開けず、マフラー付近の雪を取り除かずにエンジンをかけたままにすると、22分ほどで一酸化炭素の濃度が1,000ppmに達します。 次に、窓を少し(5cmほど)空けた状態です。窓を開けることで、一酸化炭素の濃度が急激に高くなることはありませんが、40分ほど経過すると800ppm程度まで上昇します。 一酸化炭素の濃度上昇を抑えられるのは、マフラー付近の雪を取り除いた場合です。マフラー付近の雪を取り除くと、体調不良になるほどの濃度まで上昇することはありません。 このようなテスト結果からも、車のマフラー付近の雪をそのまま放置するのは危険だといえるでしょう。 参考:「クルマが雪で埋まった場合、CO中毒に注意」 車のマフラーに詰まる雪の対策法 車のマフラー付近が雪で埋まる可能性があるときは、どのような対策をすればよいのでしょうか。ここからは、雪で車のマフラー付近が埋まったり塞がったりしないための対策を紹介します。 乗車前にマフラーをチェックする 車の中で仮眠したり天候回復を待ったりするときは、車に乗る前にマフラーまわりに雪が積もっていないか確認しましょう。 また、マフラーの中に雪が詰まっていないかということも合わせて確認してください。乗車前に確認しておけば、一酸化炭素が車内に充満するのを防ぐことができます。 除雪する マフラーまわりに雪が積もっていたり、マフラーの中に雪が詰まっていたりするときは、除雪してから車に乗りましょう。除雪するときは、スコップや手袋があると便利です。手袋は、水を通さないタイプがおすすめです。 また、雪は時間の経過とともに再び積もるため、雪が降り続いている場合には定期的に除雪をしてください。 窓を定期的に開ける 窓を開けておくのも一酸化炭素中毒を防ぐのに効果的です。ただし、一酸化炭素の濃度の上昇を抑えられるだけであることを忘れないようにしておいてください。 車内で寝るときはエンジンを切る 車内で長時間にわたり待機するときや仮眠をするときは、エンジンを切りましょう。エンジンを切ることで排出ガスが車内に循環するのを防止できます。 ただし、エンジンを切ると暖房が使えなくなるため、しっかり防寒する必要があります。防寒する際には、上着や毛布だけでなく、使い捨てカイロや充電式のカイロも合わせて使うとよいでしょう。 まとめ 雪に埋もれた車は、排出ガスによって引き起こされる一酸化炭素中毒の原因となります。「短時間なら」や「少しだけ仮眠する」といった場面でも油断は禁物です。短い時間の休憩や天候回復の待ち時間などでも、車のマフラー周辺の雪を取り除いてから、車内で待機するようにしましょう。

雪が降るほど気温が低いときはエンジンもツラい!低温時の影響や対処法を紹介!
旧車の再生と維持 2025.06.24

雪が降るほど気温が低いときはエンジンもツラい!低温時の影響や対処法を紹介!

雪が降るほど気温が低い日にツラいのは、人だけではありません。車のエンジンにとってもツラい環境です。今回は、雪が降るほど外気温が低いとき、車のエンジンがどのような影響を受けるのか解説します。また、トラブルにならないための対策も紹介します。 雪がエンジンに与える影響 雪が降るほど外気温が低いとき、車のエンジンにどのような影響があるのでしょうか。ここからは、温度の低さがエンジンに与える影響を紹介します。 温まるまでに時間がかかる 外気温が低いと、エンジンが温まるまでに時間がかかります。 車のエンジンは、さまざまな潤滑機能や冷却機能などが正しく機能することで本来の性能を発揮します。つまり、エンジンの性能をしっかり引き出すためには、エンジンオイルの油温や冷却水の水温などが適温になっている必要があるのです。 しかし、雪が降ったり、外気温が低かったりすると、エンジンそのものが冷え切ってしまうため、温まるまでの時間がかかります。また、エンジンが適温になっていない場合、エンジンの温度を上昇させるために、エンジン回転数が高くなったり、燃料の噴射量が多くなったりします。 燃費が悪くなる 外気温が低かったり雪が降ったりすると、エンジンが冷えてエンジンが適温になるまでの時間がかかるため、燃費が悪くなります。 また、寒さによってエンジンオイルが硬くなって、エンジンの潤滑がスムーズに行われなくなり、オイルが適温になるまでのエンジン回転が鈍化するのも燃費性能の低下に影響します。 さらに、スタッドレスタイヤを装着したり、タイヤの空気圧が適正値に保たれたりしていない場合も燃費が悪くなる要因の1つです。 このように、寒さによるさまざまな影響によって、燃費が悪くなります。 無理にアクセルを踏むと故障の原因になる 冷えきってオイルも硬くなっているエンジンを無理に回すと、故障する場合があります。 雪や低温によってエンジンが冷えるとオイルが正しく循環しません。エンジン内部の潤滑に必要なオイルが十分に循環していないときに、アクセルを踏み込んで高い回転数までエンジンを回してしまうと、エンジン内部で金属同士が擦れてキズができます。 エンジン内部にできたキズは隙間となり、エンジンオイルで塞ぐことができなくなると、エンジンのトラブルや故障に発展します。 このようなことを防ぐためにも、寒いときはエンジンを無理に回さないよう注意しましょう。 雪の影響でエンジンがかからないときの対処法 雪や外気温の低さの影響でエンジンがかからないときは、どのようにすればよいのでしょうか。ここからは、エンジンがかからなくなったときの対処法を紹介します。 5分ごとにエンジンをかけてみる エンジンがかからないとき、何度もセルを回してエンジンをかけようとしてしまう方も多いのではないでしょうか。しかし、エンジンがかからないからといって続けて何度もセルを回すとバッテリーがなくなり、セルすら回らなくなってしまいます。 このようなことにならないようにするためには、ある程度の時間をおいてからセルを回すのがポイントです。具体的にどのくらいの間隔を空ければよいという明確な答えはありませんが、5分程度の時間を空けてからセルを回すとバッテリーやエンジンへの負荷がかかりにくくなります。 バッテリーが上がっていないか確認する バッテリーの電力でセルモーターを回すことで、エンジンがかかります。そのため、バッテリーが上がっているとエンジンは始動しません。 電圧が低くなると、セルが回らなくなったり、セルモーターの回転が鈍くなったりします。このような症状が現れたときは、バッテリーが上がっているかもしれません。バッテリー上がりの可能性があるときは、無理にエンジンをかけようとせず、ロードサービスや救援を呼びましょう。 冬にバッテリーが上がらないようにするためにも、寒さが厳しくなる前にバッテリーの点検をしておくことをおすすめします。 ロードサービスを利用する エンジンがかからず、どのように対処していいのかわからないときは、ロードサービスに救援を依頼しましょう。 ロードサービスと聞くとJAFを思い浮かべるかもしれませんが、自動車保険の付帯サービスとして用意されている場合もあります。万が一のときのためにも、ロードサービスの依頼先を電話帳に登録しておくとよいでしょう。 雪の影響でエンジンがかからないときのNG対応 次に、雪の影響や外気温の低さによって、エンジンがかからないときにやってはいけない対応を紹介します。 連続でエンジンをかけようとする セルモーターを連続で回してエンジンをかけようとするのはやめましょう。セルモーターを連続で回すとバッテリーやエンジンに負荷がかかり、エンジントラブルやバッテリー上がりになることがあります。 バッテリーを温めようとする バッテリーを温めようとするのはやめましょう。 寒さの影響でバッテリーが弱っているという理由で、バッテリーの外側から熱を加えると、故障や事故の原因となります。 雪によるエンジン関連のトラブルを防ぐ方法 雪や外気温の低さによってエンジン関連のトラブルを防ぐ方法には、主に次の2つが挙げられます。 定期的に車を動かす 車を定期的に動かすことで、トラブルを防止できます。 車を動かすと、エンジンの状態が良好になります。また、オイルの潤滑が回復したりバッテリーの充電がされたりするため、次に乗るときのトラブルも最小限に留めることが可能です。 車を動かすときは、エンジンの水温が90℃前後に温まるまで走り続けてください。エンジンの水温は水温計で確認できます。温まるまでにかかる時間や距離は、走行環境によって異なります。 エンジンスターターを利用する 遠隔操作でエンジンをかけられるエンジンスターターを利用するのも効果的です。 エンジンスターターを利用すれば、乗車する前に暖気ができます。また、エンジンをかけてすぐに走り出すことがないため、エンジンへの負荷を抑えられるのもエンジンスターターの特徴です。 エンジンスターターは、ディーラーオプションやカー用品店などで取付けることができます。 まとめ 雪が降ったり外気温が低かったりするとき、エンジンは過酷な環境におかれています。冬のエンジントラブルを少しでも減らすために、日頃から車を動かすとともに、エンジンを始動する際は適切に対応しましょう。

車検切れでも再車検は受けられる?再車検を受ける方法や費用を紹介
旧車の再生と維持 2025.06.24

車検切れでも再車検は受けられる?再車検を受ける方法や費用を紹介

車検を受けるのを忘れたり、故意に車検を受けなかったりすると、いずれは車検が切れて公道を走行できなくなります。再び公道を走行したい場合は、再車検を受けましょう。 ただし、再車検を受ける際は自分で仮ナンバーを取得して運輸支局や整備工場に持ち込むか、業者に引き取りを依頼しなければなりません。この記事では、再車検を受ける方法やポイント、費用などについて紹介します。 車検が切れたら再車検を受ける 車検切れの車を公道で走行させるには、再車検を受ける必要があります。自動車税は毎年課税されるため、車検切れに気づいたらなるべく早く再車検を受けましょう。 なお、車検切れの状態で公道を走行した場合は、行政罰のほかに罰金刑や懲役刑を受ける可能性があるため注意が必要です。 再車検を受ける方法 再車検を受ける方法は、「自分で車を運輸支局に持ち込む」と「車検業者に依頼する」の2パターンがあります。続いて、それぞれの方法を紹介します。 運輸支局に持ち込む 自分で保安基準に適合しているかをチェックし、運輸支局内の自動車検査上に車を持ち込んで再車検を受ける方法があります。保安基準とは、車検の検査基準のことであり、走行上の安全や環境を保全するために定められています。 運輸支局に持ち込んで車検を受けることは「ユーザー車検」ともいい、車検業者に依頼する費用を抑えられるものの、交換が必要な部品を自分で取り替えなければなりません。 たとえば、溝の深さが1.6mm未満のタイヤは保安基準に適合していないため、ユーザー車検を受ける前に自分で交換する必要があります。複雑な部品の交換がある場合は、業者に依頼するとよいでしょう。 また、運輸支局の周辺には、車が保安基準に適合しているかをチェックしてくれる「テスター屋」(予備検査場)があります。車が保安基準に適合しているか不安な場合は、運輸支局に持ち込む前にテスター屋で予備検査を受けるとよいでしょう。 なお、ユーザー車検は「自動車検査インターネット予約システム」から予約できます。 車検業者に依頼する 運輸支局に出向く時間がないときや、車に関する知識がない場合は、車検業者に依頼して再車検を受けましょう。保安基準に適合しているかどうかの判断や書類作成のほか、運輸支局での手続きも代行してくれるため、車の知識がなくても車検を受けられます。 また、業者によっては法定24ヶ月点検も行えます。法定24ヶ月点検とは、車検の検査項目に加えてブレーキの消耗や排気ガスの環境性能などの点検を行うことです。 ただし、車検業者に依頼した場合は、車検基本料金や検査料などが発生することに留意してください。なお、車検基本料金や検査料は業者によって料金設定が異なります。費用を抑えたい場合は、複数社を比較して最も料金設定が低い業者に依頼しましょう。 車検を再度受けるときのポイント 車検切れの状態では公道を走行できないため、自分で運転して運輸支局や車検業者に持ち込むには、仮ナンバーを取得する必要があります。また、車検業者に依頼する場合は予約が必要です。 続いて、再車検を受けるときのポイントを紹介します。 必要に応じて仮ナンバーを取得する 自分で運転して運輸支局や車検業者に車を持ち込む場合は、仮ナンバーを取得する必要があります。仮ナンバーは、以下の書類を揃えて役所で取得します。 ・自動車臨時運行許可申請書 ※役所で入手・車検証・自賠責保険 ・身分証明書・認印・申請手数料 750円程度 自賠責保険は、仮ナンバー使用期間中に有効なものが必要です。保険期間が過ぎている場合は、再度加入する必要があるため、保険会社の窓口や代理店で手続きしましょう。 また、仮ナンバーは最大で5日までしか取得できません。使用期間が終わってから5日以内に役所へ返却する必要があるため、日数を考慮して車検の予定を組みましょう。 なお、自動車臨時運行許可申請書には、申請者や車の情報のほかに目的地までの経由地を記入します。 業者に依頼する場合は連絡して打ち合わせる 業者に依頼する場合は、車を持ち込む日や再車検にかかる日数などを連絡して打ち合わせましょう。業者によっては、所有している積載車で車検切れの車を引き取りに来てくれます。積載車は車体を完全に荷台へ載せるため、仮ナンバーを取得する必要がありません。 また、積載車ではなくディーラーナンバーを使って、整備工場まで車を回送してくれるケースもあります。ディーラーナンバーとは、運輸支局から貸与されているナンバープレートのことです。ディーラーナンバーを取り付けた車は、車検切れでも公道を走行できます。 ただし、業者によっては引取料金が発生するケースがあるため、打ち合わせ時に、引取料金の有無や金額を確認しましょう。 再車検の費用 再車検は、通常の車検と同様に以下の費用が発生します。 ■法定費用・自動車重量税:0円〜7万5,000円程度(車輌重量や経過年数、エコカー減税対象かによって異なる)・自賠責保険:1万7,650円 ・印紙代:1,800〜2,300円程度(車種・工場の種類によって異なる)※いずれも2024年3月時点の情報 ■整備費用・車検基本料金:1万円〜8万円程度(車種や業者によって異なる)・部品代:交換する部品によって異なる・工賃:交換する箇所によって異なる 法定費用は法律に基づいて定められており、どの業者に依頼しても金額は同じです。一方、整備費用は業者によって料金設定が異なります。 なかでも、車検基本料金は業者によって数万円の差が出る場合もあります。車検費用を抑えたい場合は、車検基本料金を低く設定している業者に車検を依頼しましょう。 また、車検切れの状態で長い間放置していると、消耗品や部品の劣化により整備費用が高くなる可能性があります。消耗品の交換は数千円〜数万円程度で済むものの、ブレーキやエンジンなどの主要部分は、作業が複雑なため10万円を超えるケースも珍しくありません。 外車は部品を海外から取り寄せなければならない場合があるため、国産車に比べて高い傾向があります。車検の事前見積もりを実施している業者もいるため、再車検を受けるか手放すかどうか判断してみてください。 なお、ユーザー車検の場合、自分で車の整備を行うため車検基本料金と工賃は発生しません。 車検切れの車で公道の走行はできない 車は、2年に1度は車検を受けなければ公道を走行できないことが道路運送車両法で定められています(※新車は登録してから3年後)。車検が切れた状態で公道を走行した場合、6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金が科せられます。 違反点数は6点加算されるため、30日間の免許停止です。累計点数が多かったり前歴があったりする場合は、免許取消処分が下されることに留意してください。 参考:道路運送車両法「第58条」「第108条の1」 また、車検のほかに自賠責保険の有効期限も切れていると併合罪になるため、1年6ヶ月以下の懲役もしくは80万円以下の罰金が下されます。免許停止期間は90日と、処分がさらに重くなるため注意が必要です。 参考:刑法「47条」「48条」 ただし、車検が切れているだけの状態で、公道を走行しないのであれば罰則はありません。たとえば、自宅の敷地内や駐車場などに車検切れの車を保管したまま走行させていないのであれば、罰則の対象外です。 なお、車検切れでも自動車税は毎年課税されます。車に乗る予定がない場合は、運輸支局で一時的に車を抹消したり売却したりして税金を止めましょう。 車検を受けるときの必要書類 車検を受けるときに必要な書類は、継続検査か新規検査によって異なります。車検が切れた車の再車検をする際は、継続検査をします。一方、運輸支局で一時的に車の登録を抹消している場合は、新規検査に該当するため混同しないようにしましょう。 続いて、継続検査と新規検査の必要書類を紹介します。 継続検査 継続検査に必要な書類は以下のとおりです。 ■業者に依頼する場合1.車検証2.自賠責保険証明書3.自動車税納税証明書4.認印 ■ユーザー車検の場合1.車検証2.自賠責保険証明書 ※新旧の2枚3.自動車税納税証明書4.定期点検整備記録簿5.自動車検査票6.申請書 第3号様式7.手数料納付書8.自動車重量税納付書 9.認印 5〜8は運輸支局で入手できるため当日に入手して、記入例を参考にしながら作成しましょう。 また、自動車税を納税していないと車検の更新手続きを受け付けてもらえません。運輸支局で手続きする際は、直近で支払った自動車税納税証明書を忘れないようにしてください。 ただし、運輸支局や車検を行うタイミングによっては電子的に納税確認を行えるため、自動車税納税証明書が不要なケースがあります。各自治体の公式Webサイトで、自動車税納税証明書が必要かどうか確認しましょう。 なお、キャッシュレス決済で手数料や自動車重量税を支払う場合、手数料納付書と自動車重量税納付書が不要です。 新規検査 新規検査に必要な書類は以下のとおりです。 ■業者に依頼する場合1.登録識別情報等通知書2.印鑑証明書3.車庫証明書4.実印 ■ユーザー車検の場合1.登録識別情報等通知書2.自賠責保険証明書 ※保険期間25ヶ月3.印鑑証明書 ※発行から3ヶ月以内4.譲渡証明書 ※所有者に変更がある場合のみ5.車庫証明書6.実印7.自動車検査票8.申請書 第1号様式9.手数料納付書10.自動車重量税納付書11.自動車税申告書12.委任状 ※代理人が手続きする場合 新規検査は、車検に加えて一時的に抹消されている車を再登録する必要があるため、継続検査より多く書類を揃えなければなりません。車庫証明書は取得するまでに3〜4日程度かかるため、余裕をもって申請しましょう。 また、自賠責保険は車検満了日をカバーしなければならないため、24ヶ月ではなく「25ヶ月」で加入する必要があります。 自賠責保険と車検の満了日には以下の時間のずれがあり、1ヶ月多く加入することにより、手続きの遅れや整備のトラブルがあっても無保険な状態を防げます。 ・車検満了日:期限当日の23時59分まで有効・自賠責保険満了日:正午12時まで有効 なお、自賠責保険は月単位でしか加入できないため、プラス1日ではなく25ヶ月で契約する必要があります。 まとめ 車検が切れても再車検を受ければ、再び公道を走行できます。ただし、再車検を受ける際は仮ナンバーを取得してから、運輸支局や車検業者に車を持ち込まなければなりません。仮ナンバーを取得せずに公道を走行した場合、行政罰に加えて罰金刑もしくは懲役刑が下されるため注意しましょう。 また、車検業者によっては、積載車やディーラーナンバーを所有している可能性があります。仮ナンバーを取得せずに車検業者へ車を持ち込めるため、役所に出向く手間を省けます。業者に車検を依頼する場合は、車検切れの車の引き取りが可能かどうか、問い合わせてみましょう。

車検の延長はできる?認められるケースや車検切れの対応方法を紹介
旧車の再生と維持 2025.06.24

車検の延長はできる?認められるケースや車検切れの対応方法を紹介

車検の有効期限が切れた場合、延長できるのか気になる方もいるでしょう。車検は基本的に有効期限内に受けなければならないものの、延長が認められるケースもあります。 この記事では、車検の延長が認められるケースや、車検切れになった場合の対応方法などについて紹介します。 車検の有効期限 車検の有効期限は、車種や用途によって異なります。日常生活で使用している自家用車の車検の有効期限は、新車で登録してから3年後、以降は2年ごとです。 業務で使用されている商用車は走行距離が長くなることを想定し、新車で登録してから2年後、以降は1年ごとと自家用車よりも短い期間が定められています。 車検はどのような事情があっても、期限内に受けなければなりません。たとえば、病気による入院や海外に滞在していても、期限内に車検を受ける必要があります。 なお、車検の有効期限は車検証やフロントガラスに貼られている車検ステッカーで確認できます。 車検の延長が認められるケース 地震や豪雨などの自然災害によって被害を大きく受けた地域に在住している場合は、車検の延長が認められるケースがあります。たとえば、2019年10月の台風19号により被害を受けた宮城県全域と福島県の一部では、車検の有効期限が延長されました。 2020年には新型コロナウィルスの蔓延により、車検の有効期限が延長されました。なお、車検と同時に加入する自賠責保険もあわせて有効期限に猶予が設けられました。 ただし、自然災害や感染症が流行しても国土交通省が判断しない限り、車検の延長は認められません。このように車検の延長は原則認められておらず、必ず期限内に受けなければならないことに留意してください。 参考:車検有効期間を再延長 東北運輸局 台風19号の被災地・報道発表資料:自動車検査証の有効期間を伸長します ~新型コロナウイルス感染症対策~ 車検の延長が認められなかった場合の対応方法 有効期限の延長は原則認められていないため、期限までに業者に依頼して車検を受ける必要があります。忙しい場合は、車検切れの車をいったん保管して、時間があるときに受けることも可能です。 続いて、車検の延長が認められなかった場合の対処法を紹介します。 業者に一任する 延長が認められなかった場合は、業者に車検を一任しましょう。積載車で引き取りに来てくれる業者を選べば、工場まで車検切れの車を持ち込む手間を削減できます。ただし、業者によっては車検費用とは別に引取費用が発生するため、事前に金額を問い合わせましょう。 また、当日に車検が終了する「1日車検」を実施している業者もいます。車検は切れていないものの、有効期限までの猶予が短い場合は、1日車検を活用してみてください。 車検切れの車を保管して時間があるときに受ける 延長が認められなかった場合は、いったん車を保管しておき、時間があるときに車検を受ける方法もあります。ただし、車検切れでも自動車税は毎年課税されます。長期間保管しておく場合は、陸運局で車の登録を一時的に抹消して税金の支払いを止めましょう。 また、経年劣化により車検費用が高額になりそうなときは、車を売却することも1つの方法です。買取業者によっては、車検切れの車を引き取りに来てくれるケースもあるため、査定時に相談しましょう。 車検切れになったら公道を走行できない 車検切れの車は公道を走行できません。車検切れの状態で公道を走行した場合、以下の罰則が科せられます。 ・違反点数:6点・懲役/罰金:6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金 参考:道路運送車両法「第58条」「第108条の1」 違反点数が6点を超えると、30日間の免許停止です。前歴や累計点数がある場合は、免許停止期間が延びたり、免許取消処分が下るケースもあります。 また、車検が切れた場合、自賠責保険の有効期限も満了するケースがほとんどです。自賠責保険とは、被害者に最低限の補償をする強制保険のことで、車検満了日の1ヶ月後に切れるように保険期間が設定されています。 たとえば、車検満了日が2024年5月30日の場合、自賠責保険の保険期間は2024年6月30日までです。車検と自賠責保険の両方が切れている状態で公道を走行すると、併合罪にあたるため1年6ヶ月以下の懲役または80万円以下の罰金が科せられます。 より厳しい罰則が下されるため、車検切れの車を運転しないよう注意しましょう。 参考:刑法「第47条」「第48条」 車検切れになった場合の対応方法 車検切れの車は公道を走行できないため、業者に車を持ち込む際は、仮ナンバーを取得する必要があります。仮ナンバーとは、取り付けると一時的に公道への走行が許可されるナンバープレートのことです。 仮ナンバーは、役所で申請した当日に入手できます。ただし、最大5日しか申請できないため、使用期間を考慮したうえで車検の段取りを組みましょう。 また、故障により自走させて業者まで車を持ち込めない場合は、レッカー移動を業者に依頼しなければなりません。レッカー移動は、けん引している車の前輪もしくは後輪を道路上に転がすため、公道を走行していることになります。レッカー移動でも、仮ナンバーが必要なことに留意してください。 なお、積載車はレッカーとは異なり、車体を完全に荷台へ積めるため仮ナンバーが不要です。仮ナンバーを取得する手間を減らしたい場合は、積載車を利用できる業者に依頼しましょう。 まとめ 車検の有効期限は車種や用途によって定められており、日常生活で使用している自家用車は2年ごとに受ける必要があります(新車の場合は初回のみ3年)。自然災害や感染症の流行により、有効期限が延長されるケースがあるものの、原則は期限内に車検を受けなければなりません。 延長が認められなかった場合は、業者に一任するか車をいったん保管して、時間があるときに車検を受ける方法もあります。ただし、保管している間も自動車税は課税されるため、陸運局で一時的に車の登録を抹消したり売却したりして税金の支払いを止めましょう。

車検ですすめられる部品交換はしたほうがいい?断ることはできるのか?
旧車の再生と維持 2025.06.24

車検ですすめられる部品交換はしたほうがいい?断ることはできるのか?

定期的に受ける「車検」では、部品の交換をすすめられることがあります。車検で部品交換を提案された際は、本当に実施したほうがよいかどうかを見極める必要があります。今回は、車検時に部品交換をしたほうがいいのか、交換することが多い部品や断れるのかなどについて解説します。 車検で交換することが多い部品 車検で部品交換をすすめられることは決して珍しくありません。クルマの状態に応じて推奨される部品交換には、交換が必須なもの以外に、今すぐに交換する必要はないもののおすすめされるものや、クルマの状態を良好に保つために交換をすすめられるものもあります。 ここでは、車検のタイミングで交換を推奨される部品について解説するとともに、交換頻度や費用の目安について紹介します。 クーラント液 クーラント液は、エンジンをはじめとする部品の冷却に使われる冷却水です。一般的なクーラント液は2年ごとに交換することが推奨されています。最近では、スーパーLLCといわれるロングライフの冷却水を充填しているクルマが増えてきており、交換サイクルも7年〜10年と長くなっています。 クルマによって充填されているクーラント液が異なるため、詳しくは各車種の取扱説明書などで確認してください。なお、クーラント液の交換費用は1,000〜5,000円程度です。 ブレーキオイル ブレーキオイルは、ブレーキを作動させるために使われるオイルです。ブレーキオイルは、クルマの減速や停止など制動に関わる部分であるため、車検ごとに交換しておくとよいでしょう。交換費用は、2,000円〜5,000円程度です。 エンジンオイル エンジンオイルは、エンジン内部の潤滑・密閉・冷却などに影響する重要なオイルです。そのため、走行距離や時間の経過に応じた適切なタイミングでの交換が必要となります。車検とともにオイル交換を提案されることが多いものの、車検直前にオイル交換をしているのであれば車検時にオイル交換をする必要はないでしょう。 交換費用は、エンジンオイルの種類や使用量によって異なりますが、5,000〜1万円程度が相場です。また、オイルフィルター(エレメント)を交換した場合は、フィルター代や交換工賃などが加算されます。 バッテリー バッテリーは、3年〜4年ごとに交換したほうがよい部品です。バッテリーの電圧が下がったり放電したりすると、エンジンがかからなくなったり、電装品が動かなくなったりします。交換費用はバッテリーのサイズや種類によって異なり、本体代が4,000〜4万円程度、工賃が500〜3,000円程度です。 ブレーキパッド ブレーキパッドは、使用環境や乗り方などによって摩耗状態が異なるため交換時期もクルマによって変わります。ただし、パッドの残量が一定量を下回ったら交換が必要です。交換費用は、パッドの種類や大きさなどによって異なりますが、1万〜2万円程度(4輪分)が相場といえるでしょう。 点火プラグ 点火プラグは、ガソリン車にのみ使用されている部品です。定期的な交換が必要で、プラグの種類や走行距離によって交換するタイミングが異なるため、車検時に交換が必要か確認してもらいましょう。交換費用の相場は1万5,000円程度です。 デフオイル デフオイル(ディファレンシャルギアオイル)は、車検ごとに交換することが推奨されている駆動関係のオイルです。クルマの走行に影響するオイルであるため、推奨されているとおりのスパンで交換しておきましょう。交換費用は、5,000円〜1万円程度です。 クーラント添加剤 クーラント添加剤は、冷却水の防錆・防食性能を復活させ、冷却水の寿命を延ばす添加剤で、年数が経過したクルマへの使用が推奨されています。交換費用は数千円程度です。 エアエレメント エアエレメントは、エアフィルターとも呼ばれる部品です。エンジンに取り込む空気をろ過して不純物が入らないようにする役割があるため、定期的に清掃や交換を実施しなければなりません。車種によって交換費用は異なりますが、5,000千円程度が相場です。 タイヤ タイヤは、残り溝が一定量(1.6mm以下だと車検に通らなくなります)を下回ったり、ひび割れや硬化が進んだりしたときに交換します。サイズや銘柄によって価格が異なるため、見積もりをとってライフスタイルや乗り方に合うタイヤを装着しましょう。 ファンベルト ファンベルトは、エンジンの動力を周りの機器に伝える部品です。ベルトという名称からもわかるように、ゴム製であるため定期的に交換する必要があります。交換費用は取り替えるベルトの数や種類によって異なりますが、1万円程度です。 タイミングベルト タイミングベルトは、10年または10万kmごとに交換が必要な部品です。エンジンの動作に影響する重要な部品であるため、適切な時期に交換しましょう。エンジンの一部を分解して交換するため、交換費用は2万〜5万円程度と高額です。 10万km超で交換が必要なケースが多い部品 走行距離が10万kmを超えると、交換する部品が多くなる傾向があります。走行距離が伸びたときに交換が必要な主な部品は次のとおりです。 ・タイミングベルト・ジョイントブーツ・ショックアブソーバー・オルタネーター・ブレーキキャリパー・ブレーキディスクローター など これらは、部品代と工賃の両方が高額になりやすいため、費用をなるべく抑えたい場合は複数の業者から見積もりを取って比較してから依頼先を決めるとよいでしょう。 車検の部品交換は断ることが可能 車検のタイミングですすめられる部品やサービスは、断ることが可能です。ただし、検査に影響がない部品やサービスに限ります。 たとえば、車検のタイミングですすめられるサービスの1つに、クルマのコーティングがあります。このクルマのコーティングは、コーティング専門店で施工したり、自分で施工したりできるため、車検と同時に行わなければならないわけではありません。 そのため、車検の見積もりに「コーティング(再施工)」などの項目が入っているときは断ることもできます。 車検の部品を持ち込むことで費用を抑えられる 車検の際に部品を持ち込むことで、部品代を安く抑えられる場合があります。ただし、部品の持ち込みが可能かどうかは業者によって異なるため、持ち込みを検討しているときは、事前に問題ないか確認しておきましょう。 まとめ 車検では、さまざまな点検や検査と同時に部品の交換をすすめられます。推奨部品の中には、必須ではないものもあるため、それぞれの部品にどのような役割があるのか、交換が必須なのかなどを確認し、交換するか判断しましょう。

ホイールアライメントって何?意味やズレる原因・調整するメリットを解説
旧車の再生と維持 2025.06.24

ホイールアライメントって何?意味やズレる原因・調整するメリットを解説

クルマの基本性能である「走る」「曲がる」「止まる」は、タイヤと路面の摩擦によって実現しています。ただし、これはタイヤが正しく路面に接地していることが条件です。このタイヤと路面との設置に関係しているのがホイールアライメントです。今回は、ホイールアライメントの意味やズレが生じる原因、調整するメリットなどについて解説します。 ホイールアライメントとは ホイールアライメントとは、タイヤおよびホイールの取り付け角度の調整のことです。タイヤおよびホイールの取り付け角度が左右で異なっていたり前後のバランスが取れていなかったりすると、走行中にふらついたり、真っすぐ走行できなかったりします。そのため、定期的にホイールアライメントを調整しておくことが重要です。 ホイールアライメントで調整する角度とは ホイールアライメントで調整するタイヤおよびホイールの角度は「キャンバー角」「キャクター角」「トー角」の3つです。それぞれ詳しくみていきましょう。 キャンバー角 キャンバー角は、クルマを正面から見たときのタイヤの角度です。ハの字に角度がついている場合はネガティブキャンバー、内向き(V字型)に角度がついている場合はポジティブキャンバーとなります。 一般的には、わずかにハの字型に角度がついていることが多いです。ただし、あまりにも角度をつけすぎると保安基準に適合しなくなるため、角度をつける際は保安基準に適合するように調整する必要があります。 キャスター角 キャスター角は、クルマの前輪を横からみたときのキングピン軸の角度です。キャスター角が大きく取られていると直進安定性が向上します。逆にキャスター角が小さい場合はサスペンションがよく動いて乗り心地がよくなるといわれますが、垂直(キャスター角ゼロ)にしてしまうと走行が不安定になりやすいため、キャスター角は適度についている方がよいといえるでしょう。 トー角 トー角は、クルマを上からみたときのタイヤ前端の角度です。車体に対してタイヤ前端が真っ直ぐな場合は「トーゼロ」、外側に向いている場合は「トーアウト」、内側に向いている場合は「トーイン」となります。一般的に前輪のトー角をつけ、後輪のトー角をゼロにするのが基本です。自分のクルマの走りをどのようにしたいのかによって、トー角を変えると好みの走りを実現できるでしょう。 ホイールアライメントにズレが生じる原因 ホイールアライメントは、外部からの衝撃や足まわりの分解・整備(ホイール交換やサスペンションの脱着など)などによってズレます。そのため、足まわりの分解整備をしたときは、ホイールアライメントの調整もしてもらいましょう。 ホイールアライメントを調整するメリット ホイールアライメントを調整すると、タイヤおよびホイールの取り付け角度が適正になるため走行が安定します。ここからは、ホイールアライメントを調整するメリットを解説します。 燃費が向上する ホイールアライメントを調整すると、4つのタイヤがきれいに路面に接地し、無駄な抵抗がなくなるため、燃費が向上します。 運転の快適性が高まる 4つのタイヤが適正な角度で接地すると、直進安定性やコーナリング性が安定します。そのため、運転したときの快適性や操作性が向上します。 タイヤの偏摩耗を防止できる ホイールアライメント調整をすると、タイヤと路面が正しい角度で接地するため、タイヤの偏摩耗を防ぐことができます。 ホイールアライメントは車検項目の1つ ホイールアライメントは、クルマを安全に走らせるために必要な調整です。そのため、車検の項目の1つとなっています。車検ではサイドスリップ検査という項目で検査されます。 ホイールアライメントは自分で調整できる? ホイールアライメントでは、非常に繊細な調整が必要なため、自分でアライメント調整するのはほぼ不可能といえるでしょう。 ホイールアライメントを調整するためには、専用の機器が必要となるだけでなく、正しい知識や技術が求められます。また、おおよその感覚で調整してしまうと、走行が不安定になり、クルマが思わぬ方向へ進んでしまうことがあります。 そのため、ホイールアライメントの調整は、専用機器を導入しているディーラーや整備工場などに依頼しましょう。 ホイールアライメントの調整費用 ホイールアライメントの調整費用は、依頼先によって異なりますが、おおよそ2万円程度です。調整に2万円かかると考えると高いと感じるかもしれませんが、クルマを安全に走らせるために測定や調整をしておくことをおすすめします。 まとめ ホイールアライメントは、安全・快適にクルマを走らせるために必要な調整です。より安全で快適なドライブを楽しむためにも、タイヤおよびホイールの角度は適正な位置に調整しておきましょう。

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