旧車のイベント

ベルリンの街が2000台以上のクラシックカーで埋まる日「Classic Days Berlin」
旧車のイベント 2025.06.24

ベルリンの街が2000台以上のクラシックカーで埋まる日「Classic Days Berlin」

去る2023年5月6、7日の2日間に渡り、旧西ベルリンのクアフュルステンダム通りを会場に「Classic Days Berlin(クラシック・デイズ・ベルリン)」が開催されました。 同イベントは、毎年2000台以上の希少価値の高いクラシックカーが通り沿いに展示され、70万人を超える来場者が訪れる大人気イベントです。 高級ブランドショップが立ち並ぶショッピングスポットとしても有名なクアフュルステンダム通りの約2キロメートルを歩行者天国として開放し、クルマの展示だけでなく、飲食のできるフードエリアやトークショーが開催されるステージなども設置され、まるでフェスティバルのようです。 初日の土曜日は曇り空でしたが、日曜日は天候にも恵まれ、多数の人で賑わう大盛況イベントとなりました。 その様子を現地レポートとしてお届けします。 「Calssic Days Berlin」は「人々にインスピレーションを与え、都市と自動車の生きた歴史を伝える」という理念を掲げています。 開催地となったクアフュルステンダム通りは「選帝候の道」という意味を持ち、ベルリン最古の通りのひとつとして16世紀にベルリンの中心地にある王宮から郊外の狩りの館へ出向くために造られたといわれています。 そんな歴史的背景を持つ有名な通りを埋め尽くすクラシックカーたちは、より一層高級感を漂わせ、貴族のようなエレガントで堂々とした佇まいを見せていました。 ズラリと並んだ個性豊かなクラシックカーの多くは個人が所有しており、オーナー自ら運転しながら自慢の愛車とともに通りに登場するといった名物パフォーマンスが披露されました。 好みのクルマが通るたびに歓声が上がったり、多くの人がスマホやカメラを向けて我先にと撮影を開始します。 それだけ珍しく、希少価値の高いクルマが多く、筆者もずっと興奮が止まりませんでした。 メルセデス・ベンツ、アルファ ロメオ、アウディ、BMW、ベントレー、シボレー、シトロエン、DS、ジャガー、ジープ、ランドローバー、マセラティ、フェラーリ、フォード、シュコダ、ボルボ、VW、ポルシェといった、まさにクルマメーカーのドリームチームが集結し、メーカーごと数台ずつ並んで展示されていたのも特徴的です。 また、通りの両側には各メーカーや部品メーカーなどのテントブースやショールームが設置され、クラシックカーや最新モデルの展示販売が行われていました。 ベルリンの街中でも頻繁に見かけるクラシックカーですが、メルセデス・ベンツやフォルクスワーゲンといったドイツメーカーのクルマが多く、白、黒、グレー、赤など定番のカラーが多数です。 しかし、「Classic Days Berlin」では街では見たことのないメーカー、年代、デザイン、カラーが多く、まるでクラシックカーのファッションショーを見ているようで、華やかな気分に浸ることもできました。 そんな魅力的なクラシックカーが2000台以上集結していたなかから、筆者が特に印象に残ったクルマを紹介していきたいと思います。 まず、最寄りの地下鉄の駅から通りにでるとすぐにワーゲンの通学バス「Wagen 1126」が出迎えてくれました。 ベルリンの公共交通機構のBVGが実際に使用していた1957年に生産された2階建てバスに試乗できるサービスを行っており、子どもたちに大人気でした。 ビビッドだけど深みもあるグリーンカラーが美しく、品も漂う「アルファ ロメオ 1300 ti」。1962年から1977年まで生産されていたモデルです。 多数展示されていたメルセデス・ベンツのなかではこちらの「メルセデス・ベンツ 190 SL」は圧倒的な存在感と迫力がありました。 ブラックカラーも渋くて、こんなオープンカーに乗ってみたい憧れのメルセデス・ベンツです。 販売元はテューリンゲン州シュライツに拠点を構える2014年に設立されたクラシックカーとバイクの専門店「エーデルワイス・カスタム」です。 コロンとしたかわいいフォルムながら、車内は高貴溢れるデザインで、これからの季節にもぴったりな淡いブルーが美しい「FMR TG 500」は人集りができるほどの人気を誇っていました。 ドイツの「Fahrzeug- und Maschinenbau Regensburg GmbH(*略称FMR)」が生み出した史上最速のキャビンスクーターとして活躍した「Tiger」は、現在ではオークションにかけられているとのことで、お目にかかれたのはラッキーでした。 展示や販売されていたクルマ以外にも中世ヨーロッパの貴族のファッションに扮した来場者やオーナーを発見して、歴史へのリスペクトを感じさせました。 ほかにも、メルセデス・ベンツやフォルクスワーゲンの年代物のトラックを改造したフードトラックも多数出店しており、同イベントの徹底した主旨にも感心しました。 「Classic Days Berlin」が開催されていたことは以前から知っていましたが、今年のようにきちんと参加したのは初めて。 わずか1日でこれほど多くのクラシックカーを見られるイベントは他になく、来年もまた絶対に参加したいと思えるほど充実した内容でした。 [ライター・撮影/Kana Miyazawa]  

スポーツの秋到来!走行会はクルマの運動会!
旧車のイベント 2025.06.24

スポーツの秋到来!走行会はクルマの運動会!

今年は例年になく、猛暑を越して“酷暑”という言葉がぴったりだった。 あまりの暑さに、屋外活動のやる気が起きない話もよく耳にした。 それは、クルマを趣味とする、読者の皆様も同じことと思う。 ようやく涼しくなってきた今、スポーツの秋ならぬ“モータースポーツ”の秋は、いかがだろうか。 今回は、クルマ好きなら一度は思う「愛車の性能をフルに試してみたい!」が体験できる、走行会について紹介したいと思う。 ■そもそも「走行会」とは? 走行会とは、サーキットなどを使用して、普段体験することができない、限界付近の旋回性能や加減速を、安全に愛車で楽しむことができるイベントである。 プロのレーサーがおこなうレースを、オリンピックといった陸上の大会と例えるならば、走行会はオリンピックの会場でおこなう、運動会と思っていただければよい。 プロが走行するコースを愛車を駆って走行できる、貴重なチャンスである。 ■走行会にもジャンルがある! まず“走行会”には、いくつかのジャンルがある。 ・サーキット走行・ジムカーナ・ゼロヨン  今回は、この3つを紹介していきたい。 ●サーキット走行 走行会の多くは、サーキットで開催となる。 メジャーなレースで使用される国際コースから、隠れ家的なミニサーキットでも実施されている。 驚くことに、探せば意外な身近な場所にも、サーキットは存在している。 多くのサーキットでは、そのサーキットのライセンスを取得しないと、フリー枠でも走行ができない。 定期的にスポーツ走行をおこない、腕を磨く目的がないと、なかなかに敷居が高い。 しかし、走行会は運営が提示するレギュレーションを満たしていれば、走行することができるのだ。 今回、取材させていただいた「初音レーシング」さんの走行会は、クルマ好きなら誰もが知る、あの富士スピードウェイ 本コースを使用した走行会であった。 しかも、約1時間連続で走れるのは、貴重な機会だ。 ●ジムカーナ サーキットとは異なり、広い敷地内にパイロンが設置され、パイロンを目標に指定された道順で走る競技である。 ジムカーナは、広大な駐車場でもおこなわれることがあり、多くの場所で実施されている。 また、速度域もサーキットほど高くはなく、1台ずつ走行するため、他車を気にせず滑り出しの感覚などを楽しめる。 ●ゼロヨン 全長400メートルのコースを止まった状態から加速して、速さを競う。 ストリートでのゼロヨンレースが舞台であった、ワイルドスピードの第1作目を思い出していただければ、想像に容易いと思う。 全国的にコースは多くはないが、愛車の加速性能をフルに体験するには、もってこいのステージである。 …と、どのジャンルも、参加するにあたっては最低限の準備は必要だが、普段乗っている愛車で走行可能だ。 ■走行会に向けての準備 では、走行会に参加するにあたっての準備について説明しよう。 申し込みについてだが、開催告知と募集の多くはSNSで行われているだろう。 走行会を主催する多くは、チューニングショップやカー用品店である。 スポーツパーツに熱心な、大手のカー用品店では、お店が独自で開催していることもある。 初めてで不安な場合は、お店での募集に申し込むのが良いだろう。 今回、走行会を主催されている「初音レーシング」さんは、VOCALOIDとモータースポーツが好きなメンバーで結成された総合モータースポーツクラブである。 その活動の一環として、“サーキット走行体験して楽しんでもらいたい!”との思いから企画されているとのこと。 このように、モータースポーツが好きな有志によって、開催されるパターンもある。 走行会参加にあたって、1番大事なことは“愛車で無事に帰宅できること”だろう。 レーシングカーのように、積載車で搬入出をするのではなく、自走での参加が基本となる。 そのため、無理を通して、愛車を壊してしまっては元も子もない。 また、走行会といえども、走る場所はサーキットである。 街中やワインディングを走っているのとは、異なるレベルで高負荷がかかるステージなのだ。  走行前は、適切なメンテナンスを行わないと、愛車が壊れてしまうどころか、多くの方を巻き込む事故につながる恐れもある。 今回の走行会は8月の半ば、真夏のなかでの開催となった。 そのため、参加者の方にお話を伺うと、口々に「車よりも人の方がバテてしまいますよ(笑)」とおっしゃっていた。 この暑さのなか、約1時間全開に近い状態で走行されていたが、コース上で止まってしまう車輌はいなかったことが印象的だった。 それは、参加されている方の多くが、きちんと事前にメンテナンスをおこなっていたからこそ。  任意保険の多くは、サーキット走行による事故では適用されない。 その点も留意いただきたい。 自車の破損はもちろん、サーキットを破損した場合も自腹となってしまうのだ。 ただ、サーキット走行用の保険もあるので、走行会前に加入するのも手だ。 走行会の多くは、ヘルメットや長袖、長ズボン、グローブの着用が必要である。 普段着ている服装でも、問題ない。 ヘルメットと滑りにくいグローブを用意すれば、参加準備はOK! その点も敷居を低く、参加しやすくしてくれている。 他に必要なものは、主催者から事前にアナウンスがあると思う。 過去、筆者が参加した経験から、ガムテープやビニールテープ、養生テープは忘れずに持参した方が良いだろう。  配布されるゼッケンの貼り付けはもちろん、レギュレーションによっては、事故時の破片飛散防止に、灯火類へのテーピングが必要となる。 また、ブレーキフルードのキャップやバッテリーの端子なども、脱落防止のためテーピングが必要になることもある。 テープは持参必須のアイテムなのだ。  ■走行会当日の流れ ここからは、今回取材にご協力いただいた「初音レーシング」さんの流れをもとに説明していこう。 走行会当日、受付でゼッケンを手渡される。 サーキットによっては、トランスポンダと呼ばれる計測器も一緒に渡されることもある。 車輌に取り付けることで、周回タイムを測定される。 走行終了後、各ラップのタイムを渡される。 同じコースを走るレーシングカーとのタイム差を知ることができるのも面白い。 周回ごとに、何がタイムに影響を及ぼすのかの発見にも繋がるだろう。 車輌の準備としては、ゼッケンを貼り付け、不要な荷物を下ろす。 必要ならばテーピングもここで済ませておく。  準備がある程度終わったタイミングで、ドライバーズミーティングがおこなわれる。 その際、主催者からサーキット走行上の注意点、黄色や赤のフラッグの意味などが説明される。 初めての方でも、不明点は遠慮なく質問をすれば良い。  走行開始時間になったら、誘導に従いコースインする。 最初は、先導車について完熟走行から。  車内から見たコースの広さに驚くことだろう。 先導車がピットに入ったタイミングから、待ちに待った愛車の性能を試すチャンス! ただ、油断をしてはならない。 公道とは違い、景色の流れがゆっくりと感じるため、想像以上にスピードが出ている。 これは過去、筆者が走行した際に感じたことだ。 コーナー進入時、きちんと減速をおこなわないと、クルマは遠心力で外側に引っ張られていく。 さっきまで広いと感じたコースだが、気を付けないとコースアウトしてしまうほどなのだ。 安心して欲しいのは、サーキットは仮にコースアウトしてしまっても、エスケープゾーンが広く設定されていることが多い。 愛車の性能、自身のテクニックを踏まえ、無理のない範囲でコーナーを攻める経験をしてもらいたい。 ただ、あくまでも“愛車で帰宅する”点をお忘れなく。 運動会は、余力を持って楽しむことが重要なのである。 走行が終了したら、各車ピットに戻り片付けをしつつ、走行タイムの一覧表を受け取ろう。  閉会式後には、参加者へさまざまな景品が当たる抽選会がおこなわれた。 勝敗を決めるレースではないため、アットホームな雰囲気である。 先述したように、「初音レーシング」さんは、VOCALOIDとモータースポーツが好きなメンバーで結成された総合モータースポーツクラブである。 そのため、当日もラッピングされた痛車の展示も同会場で行われていた。 今回の走行会で、筆者の琴線に触れる車輌も走行していた。 T31型エクストレイルのMTだ。 意外と知られていないが、ガソリンエンジンにもMTの設定があったのだ。 そこに、ワンオフでスーパーチャージャーを取り付けられていた。 走行している姿は、エクストレイルとは思えない走りだった。 何度かこの走行会に参加されているそうだが、今回はあまりの暑さにエアコンを入れて走行していたとのことだった(笑)。 ■ちょっと走ってみたい人向けに体験走行枠も ここまで読んでいただき、サーキットを走ってみたいが、走行会でも不安な方は居られるだろう。 そんな方向けに「初音レーシング」さんでは、体験走行枠も用意されている。 これは、ヘルメットの着用はいらず、乗車定員まで同乗可能となっている。 先導車に続き、追い抜きは禁止。  トップスピードも100キロほどと、高速道路を走行する感覚で、サーキットを走行できるのだ。 また、車輌規定も「自動車専用道路走行可能なクルマ」なので、軽トラ含め、さまざまな車種が参加されていた。 体験走行なら、家族みんなで楽しむことができるので、お子様が同乗すれば「サーキットを走った」という、特別な思い出になるだろう。 ■愛車でサーキットを駆けたくなった! 久しぶりに、愛車でサーキットを走りたい衝動にかられた。 涼しくなり、人にも車にも過ごしやすい季節となった。  もっぱら“食欲の秋”を満喫中だが、走行会に参加して“モータースポーツの秋”にするのも楽しそうだ。 興味を持った方は、冬が来る前にぜひ、行動してもらいたいと思う。 今回取材にご協力いただいた初音レーシングの皆様、ありがとうございました。 ●初音レーシングHPhttp://hatsune-racing.club/ [ライター・画像 / お杉]

世界中から7万人のバイヤーが集まる超大規模見本市!「SEMAショー」とは?
旧車のイベント 2025.06.23

世界中から7万人のバイヤーが集まる超大規模見本市!「SEMAショー」とは?

アメリカで行われている自動車アフターマーケットの見本市、「SEMAショー」をご存知でしょうか?SEMAショーは、東京オートサロンの会場となる幕張メッセの3倍、30万平方メートルという広さで開催される大規模イベントです。 今回は、アフターパーツやペイント、ラッピング、カスタムカーによるショーなど、ありとあらゆるジャンルを取り揃えた大見本市、SEMAショーについて解説していきます。 50年以上続くSEMAショーとは SEMA とは「Specialty Equipment Market Association」の略称で、日本語では「米国自動車用品工業会」という意味になります。1967年の第1回目から、年に一度ハロウィーンの時期に開催され、いままで50年以上の歴史を重ねてきたSEMAショー。当初はロサンゼルスで開催されていましたが、現在はラスベガス コンベンションセンターが会場となっています。 SEMA(米国自動車用品工業会)に7,000社以上の企業が登録しており、アフターパーツをはじめ自動車に関連するあらゆるものを集めた大見本市。業界関係者向けのイベントではありますが、クラシックからEVまで網羅したカスタムカーの展示や、ドリフトのデモ走行などエンターテイメント性も高く、全世界から7万人以上のバイヤーが訪れます。 アフターパーツだけでなくカスタムカーの展示も豊富 アフターパーツを駆使したカスタムカーが数多く展示されるSEMAショーには、ジャンルや生産国を問わず、多彩な車両がお披露目されます。 アメリカで人気の高いピックアップトラックをはじめ、クラシックカーに大排気量エンジンを載せたハイパワー車や奇抜なペイントを施した「ホットロッド」、車高を下げ、足回りにハイドロを装着した「ローライダー」。さらに、SUVやピックアップトラックにテントを設置し、北米で昨今ブームとなっているアウトドアカスタム「オーバーランド」も出展されています。 GT-RやスープラがSEMAでも大人気 東京オートサロンがそうであるように、最終的に商売につなげることが目的のSEMAショーでは、いかに自分のブースに人を呼び込めるかが重要になります。 そこで、インパクト満点なカスタムカーを展示しているわけですが、近年特に注目されているのが、アメリカで人気がある日本車のカスタムカーです。 歴代の日産 スカイラインGT-Rや、トヨタ A80スープラ、FJ40系ランドクルーザーなど、アメリカらしいアグレッシブなカスタムを施された日本車が、毎年数多く出展されています。 SEMAショーの人気イベント さまざまな出典や催しがあるSEMAショーですが、その中でもメインかつ、人気のブースを紹介していきます。 SEMA NEW PRODUCTS SHOWCASE SEMAショーにおける新製品の展示スペースが、「SEMA NEW PRODUCTS SHOWCASE」です。毎年3,000以上の製品が展示されるこのスペースには、自動車アフターパーツをはじめ、板金塗装機器やカーケア用品など、取り扱うアイテムは非常に多ジャンル。 さらに展示スペースでは実演もされており、ペイントブースでは世界中から招かれた職人が、自らの手でカスタムペイントを披露する催しもあります。 コンプリート車両の出展 SEMAショーではアフターパーツメーカーのカスタムカーはもちろん、各自動車メーカーがカスタムを施したコンプリートカーが出展されているのも魅力です。 日本の企業からもコンプリートカーは出品されていますが、メーカーの北米担当のカスタムということもあって、内外装ともに国内モデルよりもアグレッシブな車両が目立ちます。 また、2021年の出展では2022年春発売予定の新型日産「フェアレディZ」も展示。米国市場向けの240台限定特別仕様車「Z Proto Spec」が展示され、Zファンはもちろん報道関係者まで多くの注目を集めました。 SEMA CRUISEとSEMA IGNITED 4日間に渡るSEMAショーの最終日には、「SEMA CRUISE(セマ クルーズ)」、そして、夕方には、アフターパーティーである「SEMA IGNITED(セマ イグナイテッド)」が開催されます。 SEMA CRUISEはSEMAショー内で展示された車両が勢ぞろいし、一台ずつ列になってパレードを行うイベント。そして、夕方からのSEMA IGNITEDでは展示車両が屋外特設ステージに移動し、フォーミュラドリフトやF1参戦ドライバーによる派手なアピール走行が行われます。 SEMAショーは基本的に業者間での取引となりますが、SEMA IGNITEDは20ドルの入場料を払えば一般人も入場可能。ラスベガスの夜景をバックに行われる派手なアピール走行はまさに圧巻であり、業者一般問わずSEMAショーに訪れる誰もが楽しみしている催しとなっております。 まとめ 東京オートサロンをはるかに超える規模で開催されるSEMAショー。SEMAショーは毎年3000を超えるアフターパーツや、カー用品などを取り揃えるほか、SEMA IGNITEDといった派手な催しも用意したエンタメ性の高いイベントです。 登場する車両は、見た目もスペックも非常に過激なものが多く、アメリカのダイナミックなイメージが車に表れています。 基本的には業者間の取引のみであるSEMAショーですが、屋外ショーには一般客でも入場できるので、日本とはひと味違った自動車イベントを、一度体験してみるのも良いかもしれません。 [ライター/増田真吾]

約90台もの1990年代車が集結!「第6回東京キューマルミーティング」イベントレポート
旧車のイベント 2025.06.04

約90台もの1990年代車が集結!「第6回東京キューマルミーティング」イベントレポート

2025年5月25日、埼玉県の某所で開催されたイベントがある。1990年代の車輌を中心に集められたカーイベント「第6回東京キューマルミーティング」だ。 今回で7回目を迎える「キューマルミーティング(主催者によると、過去に臨時で開催したことがあり、それは"2.5回"と銘打ったそうだ)」は、1990年代に生産されたクルマを集めたイベントだ。 エントリー条件は年式のみで、国産、輸入車を問わず参加が可能。ただし、(条件ではないのだが)会場がシークレットとなっている。 ■秘密の会合へようこそ こう書くと、まるで秘密裏にこっそり行う集まりのように聞こえてしまうが、前述のとおり、参加者以外には会場を明かしていないという意味合いだ。実際は至ってポピュラーなカーイベントである(実際に筆者も取材の旨を打診するまで会場を知らなかった)。 イベントの参加者はエントリーフォームから参加の表明を行い、必要事項を記入して送信すると、主催者側から返信の連絡とともに会場の場所が伝えられる。何やら背徳感溢れる秘め事のお誘いのように書いてしまったが、実際にはトラブル防止や安全対策の一貫で行われた予防措置的な参加申込がその理由だ。 主催者にそのあたりを伺うと、近年カーイベントで開催場所をオープンにしてしまうと参加枠以外の車輌が見学者として会場に来られる。それ自体は何ら問題はないのだけれど、なかにはこちらの基準を満たさない車輌(極論車検が通らないようなクルマ)も現れてしまう。そうしたクルマを未然に防ぎ、なおかつ飛び入り参加の車輌が来ることもない。さらに、参加者全体の把握もできるので、このような手法をとっているそうだ。そうしたことからも、参加者が安心して親睦を深めることができるという。 ■なぜ90年代に惹かれたのか? 参加している方たちの年齢は、ざっと見るだけでも相当に若く見える。実際筆者が話をうかがった方々にそれとなく聞いた年齢も、30~40代が主流であり、おそらくは20代の方もいたのではないかと思われる。そんな彼らがどうして免許も取得できない年齢の時分に生産されたクルマに惹かれたのだろうか?幾人かに伺うと、大きく分けて2つの答えが挙げられる。 ひとつは年配である筆者たちにもあることだが、自身の現体験に基づいていることが多い。子どもの頃自宅にあった。親が乗っていた。自動車ショーで見て憧れた。そういった類いのものだ。なかには親から引き継いでのツーオーナー(ワンファミリーカー)として大事に乗られている方もいる。 もうひとつは、技術的な意味での安心感からスタイル等に惚れ込んで乗る人だ。技術的、つまり整備性やメカニズムの見地から、部品が80年代以前のモデルよりも比較的用意に手に入ったり、現行の車輌よりも技術的に複雑すぎたりしないので、余計な心配がない。余計な心配とは何だろう?と思い、詳しく聞くと、現代の車輌はとかく表示が出るとエンジンが始動しなくなり、だましだまし動いたり様子をみるという余地がないからだという。 確かに最近はエンジンフォルトの表示が出たら動かすなさわる何もするなとディーラーからいわれてしまう。昔はもう少しゆとりがあったようにも思われる。もちろん本来は動かさず工場で調べるのが一番なのだが、診断方法がテスターのみでユーザーからの話でメカニックが当たりをつけるといった部分は最近ではほとんど見聞きしなくなってしまった。そう考えると彼らは工業製品というより、血の通った人どうしの温もりのようなものをこの年代のクルマに感じているのかもしれない。 ■「キューマルミーティング」参加車輌をピックアップしてみた そんな人肌的な暖かさを感じさせるこだわりで手に入れたクルマ達をいくつかご紹介したい。 ●トヨタ カローラ セレス(E100) 購入して1年くらいはそのまま寝ていたという。まだ車内のビニールも残っている車体だが、屋外でずっと置かれていたクルマだったそうだ。そのため外装の痛みは激しかったそうだが、元々の色味が気に入っていたこともあり、同じ色で再塗装を行っているという。 ●ホンダ ステップワゴン(RF1) オークションで購入したワンオーナーカー。この初期型指定で代行にお願いしたという。頼んだお店がビートなどをメインに扱うお店だったらしく、お店の人からもなぜこのクルマをわざわざ指定で?と驚かれたらしい。オーナーはこのスタイルに惚れ込んで買ったので、今は機関関係を直しつつ、この実用車としての機能美を楽しんでいるとのことだ。 ●トヨタ カローラ レビン(AE111) 新車から乗られているという。親が乗っていたものを譲ってもらい、自身が引き継いで乗っているという。実はもともと乗られていたのはお母様。なんと歴代すべてがMT車というなかなかのツワモノだ。そんなお母様から引き継いだレビンだが、この新車時からただの1度も車検は途切れていないというから驚きだ。今もって現役で走り続けるワン(ファミリー)オーナーカーだ。 ●日産 キャラバン(E24) 主催者が乗りつけた2台目のクルマ。本日ダブルエントリーで乗りつけたうちの1台で、ご自身は同じく日産のW30ラルゴで乗り付けていた。こちらは友人に運んでもらったという。過去にも同じE24のキャラバンを乗られていたが、その後さまざまな車輌を乗り継ぎ、ふと足車に再びこのキャラバンが欲しくなり、手に入れたという。商用ナンバーであるにもかかわらず、とても綺麗な状態で残っていた1台で、バンパーも塗装ではなくプラの地そのもの。会場に訪れた人にももう少しこの良さに気づいてほしいと話していた。 ■キューマルミーティング主催者に聞く「90年代車の魅力」とは? 主催者である潤也さんは、いったいなぜこの90年代に惹かれたのだろうか?日産のワゴン2台体制で参加している潤也さんは、過去にはGX-81型のトヨタ マークIIにも乗られていたそうだ。 今ではラルゴとキャラバンの2台体制でどこにでも出掛けるという。元々キューマルミーティングの発祥も、九州で開催されていた福岡キューマルミーティングに感銘を受けたことから関東でもやってみたいとはじめたそうだ。 90年代のクルマというカテゴリーに魅力を感じるのは、自身で手を入れられる余地のあるところだと潤也さん考えている。また、ここまでがクルマに必要なものがすべて揃った最高の時代だったのではないかと考えてもいるという。 潤也さんは「この年代のクルマって本当に贅沢にしっかりと作られているじゃないですか。ここから先ってどんどんコストカットや簡略化が進んで、同時に走らせることに必要以上な装備が増えてしまった気がするんですよ」と、90年代車の魅力を語ってくれた。 確かに90年代にはパワーアシストやABS、4WDをはじめ、快適装備いわゆるエアコンやオーディオもすべてある。その後にナビは出てきたが、バックモニターや警告センサーなどはアップデートに過ぎない。ましてや、駐車アシストや自動運転などはもはやアシストの域を越えたものといえるかもしれない。それらのシステムが安心安全を提供する代償に、ドライビングという人が担う根幹を人の手から離して行きつつあるのも21世紀の自動車事情とも言えるだろう。 まだまだ発展を願うキューマルミーティングだが、この日もすでに90台近い参加車輌が集まっていた。前回のイベントで雑誌紹介をされたことも宣伝効果になっているのでは?と潤也さんは話す。 すでに堂々の規模のイベントだが、主催者としては常連メンバーが増えて欲しいとのことだ。新期や1回とか2回の間を開けての参加者はいるのだが、常に来てくれている参加者がもうひとつ少ないとのこと。 勝手のわかる常連さんがいれば、より初参加の方も目安や参考に出来るのかもしれない。多くの参加者が口にした、人との親和性がもっとも感じられる車輌が登場した90年代。そう考えると90年代もとい20世紀というのは、人とクルマがもっともいい関係を結べた、あるいはクルマが幸せだった時代なのではないだろうか? [ライター・カメラ / きもだこよし] 

70台を超える旧車が川越の街に集結した「小江戸川越まちかどモーターギャラリー」
旧車のイベント 2025.05.30

70台を超える旧車が川越の街に集結した「小江戸川越まちかどモーターギャラリー」

2025年5月11日、埼玉県川越市を舞台にした初のクラシックカーイベント「小江戸川越まちかどモーターギャラリー」が開催された。 参加条件は、国産車および輸入車を問わず1975年までに製造されたクルマであること。初開催となる今回は、70台を超えるクラシックカーが川越の街に集結した。 個人的な話で恐縮だが、川越の街は幼少期から慣れ親しんだ場所でもある。1970年製の古いクルマを所有する筆者も、いち参加者としてエントリーしつつ、初開催となるイベントを取材してみた。 ひとまず、A〜Fの6つのエリアに展示された国内外のクラシックカーを可能な限り撮影してきたので、ご紹介していこう。 ■A:蓮馨寺エリア 西武新宿線本川越駅から750m、徒歩10分ほどのところにある「蓮馨寺(れんけいじ)」には、プリンススカイラインや、いすゞ117クーペ、「ヨタハチ」ことトヨタ 800などの国産車を中心にメッサーシュミットやフィアットアバルトを展示。 このエリアには物販コーナーやフードコーナーもあり、観光で川越を訪れた人もふらりと立ち寄れるのが魅力。「GTroman」でお馴染みの西風先生のサイン会も開かれた。 ■B:大正浪漫夢通り&連雀町繁栄会エリア 中小企業庁の「がんばる商店街77選」にも選ばれている川越市内7商店街のひとつでもある大正浪漫夢通り&連雀町繁栄会エリアには、イギリス車やイタリア車を中心に展示した。 鯉のぼりが5月18日まで掲揚されていたこともあり、クルマ好きだけでなく、偶然立ち寄った観光客も撮影せずにはいられないほどの光景が広がっていた。 個人的にはここが「映えスポット」としてもっとも画になったエリアに感じた。なかにはスケッチブックを片手に絵を描いているギャラリーもいた。また、丸徳商会ブースでは全日本ラリー選手権に参戦中のハイエースのラリーカーが特別展示され、こちらも注目を集めていた。 ■C:コエトコエリア 大正浪漫夢通り、連雀町繁栄会エリアから少し奥まったところにある「コエトコ(正式名称は川越市文化創造インキュベーション施設)」は、川越市指定文化財にもなっている、2024年4月にオープンしたばかりの施設だ。 ここには、ダイハツミゼットやマツダ ポーターキャブ、ミニ トラベラーなど、懐かしいはたらくクルマたちを展示。あまりにも画になっているので、このまま常設展示して欲しいと感じたほどだ。知らない人が見たら、映画のワンシーンのように、クルマと風景が見事にとけ込んでいたのが印象的だ。 ■D:りそなコエドテラスエリア 蔵づくりの街並み沿いにある「りそなコエドテラスエリア」には、マクラーレンMP4/4をやブラバム BT16Aをはじめ、懐かしいホンダ車を中心に展示。 いまや伝説のドライバーとなったアイルトン・セナがドライブしたF1カー(1988年ベルギーGP優勝車)が間近で観られるとあって、常に多くのギャラリーが、懐かしいMarlboroカラーのF1マシンを撮影していた。 ■E:本丸御殿エリア りそなコエドテラスエリアから徒歩で15分ほどの位置にある「川越城本丸御殿エリア」では、2014年にこの世を去った、モータージャーナリストの故・川上完氏が所有していたという「ブリストル406」や、ロータスのワークスマシンである「Mk8」を特別展示。 嘉永元年(1848年)に建てられたという川越城本丸御殿と、異国の地で造られたジャガー、シトロエン、ポルシェ、BMWなどの名車が不思議なほどしっくりと馴染むことに驚いた。 また、フェラーリF40やランボルギーニカウンタックLP400といった、時代を超えて憧れの存在であるスーパーカーも特別に展示され、会場の雰囲気をより一層華やかなものにしていた。 ■F:川越市立博物館エリア 本丸御殿エリアの向かいにある「川越市立博物館エリア」には、シボレーコルベットやキャデラッククーペといったアメリカ車やフォルクスワーゲンビートル、カルマンギアなどを展示。 個人的に驚いたのは、アルファ ロメオ F11が展示されていたことかもしれない。なかには「初めて観た!」と興奮気味にスマートフォンで撮影しているクルマ好き(・・・であるに違いない!)がオーナーと談笑していたり・・・と、終始和やかな雰囲気に包まれていた。 ■イベントも盛りだくさん 午前中の開会式の盛り上げに一役買った地元の和太鼓チーム「響」の演奏が午後からは本丸御殿エリアでも行われた。本丸御殿をバックに、子どもたちの力強い演奏とクラシックカーの共演にギャラリーも感激していたようだ。 また、大正浪漫夢通り&連雀町繁栄会エリアではジャズのミニライブも行われたほか、その他にも、甲冑姿の武士がいたり、着物美人と愛車の撮影会が開かれるなど、オーナーはもちろん、来場者を喜ばせるホスピタリティあふれる企画が満載であった。 ■まとめ:「小江戸川越」の立地を最大限に活かしたイベントはひと味もふた味も違うゾ! 仕事柄、筆者もさまざまなクルマ関連のイベントを取材している。施設の駐車場などを貸し切り、参加者同士が楽しむイベントがあるいっぽうで、商店街や観光地の一角に展示スペースを設けて、偶然居合わせた観光客でも楽しめるスタイルのイベントもある。今回はあきらかに後者だ。 川越の街並みに映えるクラシックカーを展示し、さらにはオーバーツーリズム対策を考慮してエリアを分散させる。さらにはただ単にクラシックカーを眺めるだけでなく、マニアから一般の人まで、さまざまな視点で情景も楽しむことができる。 筆者自身、このイベントがなければ歩くことがなかった(気がつかなかった)場所がいつくもあり、新たな発見となったことは確かだ。近々、散歩がてら川越の街を改めて散策してみるつもりだ。 事実、家族連れからご近所に住んでいると思しき高齢者のご夫婦など、さまざまな人が行き交い、普段なかなか目にする機会がないクラシックカーを間近で眺めたり、スマートフォンで撮影している光景をあちこちで見掛けた。 企画からイベント開催までおよそ1年の歳月を費やしたそうだが、行政との調整や安全面および来場者の回遊、クラシックカーの配置など、細部にいたるまでさまざまな協議を行ったことがうかがえた。まさに、小江戸川越の立地を最大限に活かしたクラシックカーイベントといえるだろう。 ・・・とはいえ、事前に企画を煮詰めに煮詰めても「実際にやってみなければ分からない」ことが山ほどあったはずだ。無事に初開催を終え、今後の課題が浮き彫りになった点をブラッシュアップしていくことで、よりイベントの魅力が増していくに違いない。 参加者だけでなく、観光客や地域の人たちの目も楽しませてくれるクラシックカーイベントは貴重だ。 主催者の方に話を伺ったところ、一般的なオーナー中心のクラシックカーイベントではなく『美術館の作品を散策するイメージ、そしてクルマに興味がない方々や興味をもつきっかけとなっていただくこと』をコンセプトに企画したのだという。イベントの名称が「まちかどモーターギャラリー」なのも合点がいく。 つまり、今回展示されたクルマは、小江戸川越の街を舞台にしたクラシックカーを愛でる「1日限定の屋外鑑賞会」というわけだ。 小江戸川越の魅力をより多くの人たちに発信するためにも、今後も「小江戸川越まちかどモーターギャラリー」が継続して開催されることを心から願うばかりだ。 ●公式サイト 小江戸川越まちかどモーターギャラリー公式サイトhttps://www.coedo-mobile.club/ [撮影&ライター・松村透 / Special Thanks・中尾博 & 中込健太郎 ]

クセ者ぞろいの参加車輌が魅了する「第7回旧車(Old Car)祭り IN 美和」イベントレポート
旧車のイベント 2025.05.25

クセ者ぞろいの参加車輌が魅了する「第7回旧車(Old Car)祭り IN 美和」イベントレポート

2025年5月11日、ゴールデンウィーク明けの最初の日曜日に、茨城県常陸大宮市美和センターにて旧車が集まるイベント「第7回旧車(Old Car)祭り IN 美和」が開催された。今回で7回目を数えるイベントだ。 参加条件は1990年までに生産が開始された車輌(2輪車含む)であること。特段トリッキーな条件があるわけではない。ただ少しばかり特徴があるイベントだった。なにがだろう? イベントそのものは遠目には変わっては見えることは特にない。特段特殊なカテゴリーや珍しい車輌の参加があるわけでもない。しかしながら会場を1台ずつ見ていくとなにかが違っていたのだ。 ■第7回を数える「旧車(Old Car)祭り IN 美和」、その活動は市長もあいさつに登壇するほどに育っている  「旧車(オールドカー)祭り IN 美和」は、国産旧車がメインのカーイベントだ。参加条件の"シバリ"は年式のみなので、欧州車やアメ車であっても参加が可能だ。 地域性もあってだと思うのだが、やはり国産勢が強い。特徴があるとすれば、旧車でもとりわけ小型枠のクルマが多く目立つ。小型といっても5ナンバー枠ということではなく、旧軽自動車枠のいわゆる小さなナンバープレートを付けたクルマだ。 車種でいえば、スバル360やスズキ フロンテクーペのようなクルマである。もちろんスカイラインやフェアレディZといった車輌も参加はしている。欧州車でいえば本部脇の駐車スペースにはフェラーリのF40も参加しており、安全のためにパイロンが置かれていた。 ■普通なようで普通でない とはいうもののどこか妙だ。会場内に整列するイベントの参加車輌に奇妙な違和感を憶えつつゆっくりと見渡す。小型車輌が多く参加しているイベントだなと思いはじめた頃からだった。それは次第に確信に変わっていった。そういつもとは違った意味で珍しい車輌たちとの出会いになっていく。 ■クセ者ぞろいの参加車輌たち 会場に入ってすぐのところに黄色いフロンテSS。フロンテとしては2代目にあたる。私見だが、あまりイベント会場でお見かけしない車種ではある。決していないわけではないだろう。ただ同じスズキの車輌なら圧倒的にフロンテ「クーペ」の方が見かけるという話である。 そこで冷静になって見渡すと、主催者が乗り付けたのは三菱ギャランΛ(ラムダ)、欧州車枠で参加のMG-BはオープンモデルではなくGT。インタビューで国内唯一の登録車輌ですと話していた左ハンドルのスカイラインは、4気筒モデルのGLである。 これだけ列挙していけば何となく想像がついてきたかもしれない。そう、珍しい車輌ではないがどれもがどこかクセのある、クセ強車輌が集うイベントなのだ。 正直王道を外したクルマが来るイベントを観たことは読者にもあるだろう。しかし、ここまでクセの強いクルマが、それもその多くが地元ナンバーで構成されたカーイベントはあまりないかもしれない。  今回そのクセのある今までどこに眠って(生息して)いたのだろう?と思ってしまう。そんな車輌たちをいくつかご紹介したい。 先ほどの4気筒のスカイライン。記録によるとこのクルマ以外は登録がされてないとのこと。故に国内登録がただ1台ということだ。 こちらは日産セフィーロ。確かに最近ほとんど見かけないと思うかもしれないが、一見フルノーマルなこのクルマ。確かにフルノーマルなのだがオーテック製のフルノーマル。ワンオーナーでもう20年以上所有しているとのこと。唯一ノーマルでないのがシート。本来は本皮シートが入るのだが、走る際に体が滑ることを嫌ったオーナーが同型モデルのモケットに交換したのだそう。 こちらは、マツダ323ことファミリアGT-R。こちらは他府県よりのエントリーだが、Gr.Aのカテゴリーで出走するべく作られたWRCマシンのベースモデルだ。セリカやランチアデルタは割りと見掛けるが、こちらは意外と目にしないクルマではある。ハンドリングマシンといわれた323は総合優勝こそなかったものの、Gr.Aでも好成績を上げてマツダの知名度を上げることに貢献した。 前述のフロンテSSもそうなのだが、同じフロンテでもGT/Wが仕上がった状態で見ることができるのはここだけなのかもしれない。フロンテクーペと同時期に発売されたモデル。ちなみにこのモデルから水冷エンジンになっている。 欧州車勢からはこちらのMG-B。あまり見ないクーペタイプのGT。基本スペックはオープンモデルと差はないが、GTは140㎏ほど重くなっている。 ■まだ出会っていない1台がここにある 多くのカーイベントでは高額の車輌や素晴らしいデザインのクルマ、そして貴重なモデル等に目を奪われる。それは筆者とて同じである。 しかしながら、この常陸大宮市の一角で行われたイベントは少しばかり異なっていた。かつては当たり前にいた車輌たち、半世紀ほど昔には街中を走り回っていた車輌たちは、その多くが世代交代とともに世の中から消えていった。そんなクルマ達を茨城の人たちはときに大事に、時に思い出して直しては今に存続をさせてきた。美和地域はそうしたクルマ達の集まったいわばひのき舞台なのである。 スポーツカーや特殊な競技モデルのベースなどは後世に残りやすい。名車などと呼ばれるのはそれゆえである。だがベースグレードのクルマや主流からは少し外れたクルマなどは、そうした対象からは外れやすいものだ。 そんなクルマを大切に維持するオーナーが集まるイベント、それが「旧車祭り IN 美和」なのかもしれない。 あなたがもし名の知れた名車がずらりと並ぶイベントを見飽きたと思いはじめたのであれば、ぜひ森に囲まれた地域センターのイベントに訪れてみてほしい。きっと「まだ生きていたんだ」と思える1台に出逢えることだろう。 [ライター・カメラ / きもだこよし] 

大人のクルマ好きを唸らせる名車186台を展示「オートモビルカウンシル2025」
旧車のイベント 2025.04.29

大人のクルマ好きを唸らせる名車186台を展示「オートモビルカウンシル2025」

2025年4月11日〜13日にかけて、幕張メッセで開催された「オートモビルカウンシル2025」の模様を取材した。 今回が記念すべき第10回目の開催となるオートモビルカウンシル。今回のテーマは『クルマを超えて、クルマを愉しむ Classic Meets Modern and Future(クラシック ミーツ モダン アンド フューチャー)』だ。 文字にするとサラッと読めてしまうが、これだけ大上段に構えれば、主催者自らが高いハードルを課していることが分かる。・・・と同時に、来場者の期待値だって否が応でも高まる。肩透かしを食らったら来年からは足を運んでもらえないことだってある。イベント主催者のプレッシャーも相当なのものがあったと思う。 ●オートモビルカウンシル 2025出展社一覧(2025年4月9日現在) ・日本車メーカー・インポーター・新世代自動車:9社・スポンサー:10社(うち出展6社)・特別協力スポンサー:2社・協力:1社・サプライヤー:5社・プレミアムライフスタイル:8社・ARTCOUNCIL:8画廊・2輪・3輪:1社・ヘリテージカー販売店(含SUV販売店):37社・自動車関連商品等販売店(マルシェ):39社・オーナーズクラブ:4団体・フード・ドリンク:7店舗 展示車両台数186台、出展者数は過去最多の131社、自動車関連商品等の販売店(マルシェ)が39社、オーナーズクラブが4団体、フード・ドリンクのコーナーが7店舗。そして来場者数も過去最高の44,963人となった。さらに、会場の規模が拡大され、幕張メッセ9-11ホールの3ホールを使用したのも今回が初となる。 イベント初日の特別内覧日というと、来場者は報道関係者が中心で比較的落ち着いているイメージがある。しかし、今年は違った。入場待ちの長い列ができており、例年以上に来場者の熱気と期待が伝わってきた。 ■ジョルジェット・ジウジアーロ氏の来日に合わせ、彼の代表作10台の展示 今回の最大のハイライトといえば、ジョルジェット・ジウジアーロ氏がこのイベントのために来日したことだろう。トークショーは満員御礼。筆者も場内を駆けまわるうちに、気づいたときにはステージのまわりは人だかり。空いている空間を見つけるのも一苦労であったほど。おそらく、本物のジウジアーロ氏をこの目で見たいがために会場へ足を運んだ人も多いはずだ。 筆者の記憶では、ジウジアーロ氏ご本人を観る機会に恵まれたのは、2013年フォルクスワーゲン ゴルフ7のプレス発表会発売でお見掛けしたとき以来だと思う。1938年生まれのジウジアーロ氏は御年86歳。年齢を感じさせないほどエネルギッシュで、どこか少年ぽさを感じさせる笑顔が実に素敵な方だ。 トークショーは4月11日と13日の2回。11日に開催されたトークショーのテーマは「 “A Young Talented Designer was Born” 才気あふれる若きデザイナー誕生」。画家の家系に生まれたジウジアーロ氏の生い立ちから、17歳でフィアットが設立したデザインセンターに入社した経緯。そしてベルトーネ社を経て、1967年に30歳の若さでイタルデザイン社を起こした経緯などを語ってくれた。 当日、会場を訪れた人のなかにはジウジアーロ氏のファンだけでなく、同氏がデザインを手掛けたモデルを愛車にしている人も来場していたのだろう。「ジウジアーロ氏の生の声を聞き、同じ空間に居る」ことへの充足感・満足感に浸っている人も見受けられた。 ■今回も見みどころ満載だった企画展 ジウジアーロ氏の来日にあわせて、Giorgetto Giugiaro展「世界を変えたマエストロ」と題して、同氏が手掛けた10台の名車が展示されたほか、THE GOLDEN AGE OF RALLY IN JAPAN <歴史を飾ったラリーカー展示>のテーマに沿って6台の懐かしいラリーカーがずらりと並ぶ姿は壮観のひとことだ。 ●Giorgetto Giugiaro展「世界を変えたマエストロ」展示車輌 ・アルファ ロメオ ジュリア スプリント GT ・マセラティ メラク SS ・フォルクスワーゲン ゴルフ ・BMW M1 ・いすゞ アアッソ ディ フィオーリ ・ランチア デルタ ・フィアット パンダ ・DMC デロリアン ・イタルデザイン アズテック ・バンディーニ ドーラ ●THE GOLDEN AGE OF RALLY IN JAPAN <歴史を飾ったラリーカー展示> ・フィアット X1/9 アバルト  プロトティーポ ・BMC ミニ クーパーS ・ランチア ストラトス HF ・フィアット アバルト 131 ラリー ・ルノー サンク ターボ ・アウディ クワトロ 各国産車メーカーも、トヨタは歴代スープラを中心に、第28回東京モーターショー出展車両として当時注目を集めた「4500GT」を展示。そしてホンダは歴代プレリュードを展示。 またマツダは「MAZDA DESIGN STORY “心を揺さぶる、モノづくりへの追求”」のテーマとともに、若きジウジアーロ氏がベルトーネ社に在籍中に手掛けた初代ルーチェのプロトタイプをはじめ、ユーノス500や過去の東京モーターショーに出展したコンセプトカーを軸に展示。三菱は「時代を切り拓いてきた名車たち」のテーマを掲げ、東京モーターショー出展車「HSR-II」をはじめとする懐かしいモデルを展示した。 そして特別展示として日産はプリンス スカイラインスポーツ(1960年トリノ国際自動車ショー出展車)をはじめ、ダットサンブルーバード 1200 デラックス(スタイリング原案はピニンファリーナ)、ニッサン マーチ コレット(スタイリング原案:イタルデザイン社)、GT-R50 by Italdesign(スタイリング原案:イタルデザイン社)と、蒼々たる顔ぶれとなった。 ヘリテージカー販売も好調だったようで、早々に「商談中」や「成約済」の商品車を見掛けた。なかには自走して会場入りしたクルマもあるだろうが、多くはトランスポーターに積まれてここまで来たのだろう。 また、タミヤブースでは「タイレル P34」が展示されており、その場でハンドメイドタイレルを製作した綿引氏といつも取材に同行してくださるI氏にも連絡して、画像と動画を送りまくってしまった。こうしてオリジナルを間近で眺めていると、改めて綿引氏が手掛けたハンドメイドタイレルの再現性に驚かされる。いつか、オリジナルとハンドメイドタイレルを並べた光景を見てみたいと思う。 タイレルP34を追え! https://www.qsha-oh.com/historia/category/tyrellp34/ ■まとめ:仕事を忘れそうになるほど夢中になった クルマ好きの友人知人にもよくいわれるのだが「(こういったイベントに)仕事で行けていいね」とうらやましがられることも少なくない。かつての自分もそうだった。東京モーターショーのプレスパスが初めて発給されたときのうれしさはいまでも忘れられない。 オフィシャルでイベント会場に足を運べる反面、失ったこともある。イベントを楽しむことがまったくできなくなってしまったのだ。ジウジアーロ氏のトークショーのことも忘れてしまうほど「撮れ高」を求めて会場内をひたすら歩く。あとで確認して驚いたのだが、この日の歩数も24,000歩を超えた。 今回、取材に入る前に会場内を練り歩いてみようと思い、各ブースをチェックした。ひととおりサラッと観た時点で仕事を放り投げたくなった。ここまで純粋にこのイベントを楽しみたいと思ったことはいつ以来だろう・・・。はるか昔、高校時代にわざわざ始発電車に乗って行った東京オートサロン以来かもしれない。 名車がずらりと並べられ、懐かしいクルマが商品車として展示されているとはいえ、間近で眺めることができる。普段ならネット上で探しているようなグッズが所狭しと並べられている。仕事ではなく、いちクルマ好きとして心からオートモビルカウンシルを楽しむことができた。こんな感覚は久しぶりだ。 これこそが10年という、短くて長い歳月を掛けて少しずつ熟成を重ねつつあるこのイベントのカラーなのだろう。過去の記事でも書いたような気がするが「鑑賞」という表現がふさわしい。成熟した大人のためのクルマのイベントなのだと思う。 イベント初日の特別内覧日(3000枚限定)の前売りが9,500円、当日券が10,000円。そして一般公開日の前売りが6,500円、当日は7,000円という価格設定は正直いって高い。その代わり、学生(中・高・大・専門)は2,000円に抑えられている(※小学生以下は保護者1名につき1名まで無料)。この高めのチケット価格にも臆することなく、会場へ足を運ぶ人たちの客層がいいのもこのイベントの重要なポイントだと思う。 今回のテーマ『クルマを超えて、クルマを愉しむ Classic Meets Modern and Future(クラシック ミーツ モダン アンド フューチャー)』は伊達ではない。よくぞここまでの名車を集めたものだと思う。そして、日本発のクルマイベントとして世界に誇れる充実したプログラムだと思う。 次回からは新たなステージに足を踏み入れることになるであろうオートモビルカウンシル。次回の日程は、2026年4月10日(金)から12日(日)の3日間の日程で幕張メッセで開催を予定しているとのことだ。 唯一無二であろうこの空気感が、これから先も少しずつ熟成を重ねつつ、日本が世界に誇れるクルマのイベントとなってくれることを願うばかりだ。 [ライター・撮影/松村透]

若きオーナーたちの愛車約140台が赤レンガ倉庫に集結!『YOKOHAMA CAR SESSION 2025 ~若者たちのカーライフ~ 』
旧車のイベント 2025.04.23

若きオーナーたちの愛車約140台が赤レンガ倉庫に集結!『YOKOHAMA CAR SESSION 2025 ~若者たちのカーライフ~ 』

去る2025年4月20日(日)、横浜赤レンガ倉庫にてカーイベントが開催された。「YOKOHAMA CAR SESSION2―若者たちのカーライフ―」と名付けられたイベントは、車両の国産、輸入車、旧車のカテゴリーを持たないオールジャンルイベントとして幅広い枠のなかで行われる。縛りごとはただひとつ「年齢」である。 今回で2回目を向かえた同イベント、参加資格が35歳までの若者に限るというもの。取材をする筆者の年齢を考えるとなんとも耳の痛い資格制限ではある。もっとも、規定以上であっても出店者や協賛者としてであれば参加ができる。 それにしても思い切ったレギュレーションだ。とはいえ、考えてみれば多くのイベントで主催者としてお会いする多くの方々は、いい年齢であったりすることがほとんどだ。それであってもそうした主催者もかつては若手であったはずなのだ。そう、世にいうオヤジたちは追いやって自分たちが立ち上げてやる。そんな若者3人が中心になってはじめたのが「YOKOHAMA CAR SESSION」なのだ。 彼らは過去にも若手中心で行うカーイベントを行い、旧い欧州車などを自分の足として走らせてきた。その経験が実を結んだイベントともいえるだろう。実際出展しているカーショップや自動車関連企業の方々も彼らを子どものころから知っているので、半ば親目線のように見守り出展されている方もいる。 ■過去を振り返り、現代を見て取る 会場にはイベントタイトルの描かれた幕を横目に主催者の車両3台が並び、そこから左右と後方に参加車両が広がっているその数実に140台以上!これが若さか・・・。 開催は9時からとなっていたのだが、筆者が入場の画を撮りたいと早めに現地入りしたにも関わらず、すでにかなりの台数が整列していた。そのバリエーションも、いわゆる旧車をはじめとして、ネオ・クラシックと呼ばれる80年代後半から90年代の車両を中心に新車の高級車に至るまでと多種多様だ。 筆者の時代には20年以上前のクルマなどかなり意を決して購入しないととても所有できなかったものだが、最近はなかなかに思い切った買い物ができるようだ。これには過去と現在の環境の違いもあるのかもしれない。 今の彼らの年齢のころ、筆者たちの周囲にある旧車と呼ばれるクルマはキャブ車であったり、エアコンなどは皆無なクルマも多かった。ましてや今の旧車レベルの年代といえばもはや戦前車ということにもなりかねない。なるほど、そう考えれば90年代の車両が中心の彼らはかつてほどはさまざまな我慢をしながら乗り続けるということは少ないのかもしれない。とはいえ、苦労がないのか?といえばそんなことはなく、もちろんかつての我々同様、あるいはそれ以上に苦労をしながら維持に努めていることは想像に難しくない。 ■型にはまらないカーライフ 会場を見渡して感じるのは、筆者のよく知るイベントと「YOKOHAMA CAR SESSION」とでは少しイメージが異なっている点だ。同じオールジャンルでもメーカーや国、車種ごとに並んだりスポーツ色が出る傾向があるといったことが特には感じられない点だ。 というよりは、ミニやシトロエン2CV等の定番車両は数えるほどしかなく、代わりに点在するのが「よくあったな〜」とうなってしまうような珍車やマイナーモデルである。ボルボやサーブが列をなしてやってくるなど、メーカータイアップイベントでもないとなかなかお目に掛かれないかもしれない。 今回はそんなあまりクローズアップされてこなかったであろうクルマの話をオーナーから伺ってみた。 広島から参加のマツダポーター。かれこれ12年は所有しているというオーナーは、このクルマでは初参加になるという。まさかこれで広島から?との問いにフェリーでこちらまで来て自走ですとのことだ。帰路はさすがに今日中に戻るので新幹線で帰宅して翌週に取りに来るという。この意気込みがすばらしい! メタリックのワインレッドが目を引くパルサーEXA。それもキャノピーモデルはどれほど残っているのか?希少な1台であろう。手に入れて5年ほどというオーナーは昔、父親が乗っていたことからその影響だと語ってくれた。もっとも、ご本人が物心ついた頃には、周辺パーツのみが残されていただけだったという。しかしながら、その残った部品はしっかりと有効活用されているようだ。 出展者としてのエントリーだが、とはいえ変わり種に違いないのがこちらのU11型ブルーバードだ。SSSモデルなら“いかにも”なのだがこの個体は「SLX」というスタンダードモデル。購入時は外装も機関もお世辞にもいいとはいい難いコンディションだったそうだ。その状態からコツコツと直して、今では自社のTシャツのプリントにすらなるお気に入りになったという。 余談だが、こちらで出展されていたのは「H2C」というショップのドライバーズウェア。耳慣れない商品だが、話を伺うとウェアの肘や膝の部分にアクションプリーツとでもいうのだろうか、襠(マチ)が付けられており、厚く固い上着であってもステアリング操作がしやすいように加工がしてある。バイク乗りにライダースウェアがあるようにそうしたウェアが一着クローゼットにあってもいいのかもしれない。 筆者も同じクルマに乗っていることもあり、つい声を掛けてしまったのがこちらのプジョー106GTiのオーナーだ。他にもクルマは持っているが、106に乗っているとクルマでつながる交友関係が増えることが多いので楽しいと語ってくれた。 京都から参加されたというルノー19。購入してまだ1年ほどだそうだが、シトロエンVISA(ヴィサ)を所有しながら並行して購入したという。関西に転勤してきた友人から話を持ちかけられて今に至っているとのことだ。トラブルもあるが、とにかく走りが安定感があり、そこが気に入っているという。 会場内にはアストンマーティン ラピードやレクサスLSなども参加していたが、ラテン車のフラッグシップはこの1台だけだったのがアルファ ロメオ 166だ。オーナーはすでに5年も乗り続けているが、いまだにこの細くシュッとしたフロントフェイスが気に入っているとのこと。近年メッキギラギラの押し出しの強いグリルでないところがイタリアンの粋を感じさせる。 ただ塗装が特別色だったこともあり、その回転半径の大きさから狭い道はできるだけ避けるようにしたり、パーキングでは可能な限り他のクルマが来ないよう、遠くにひっそりと停めているとのことだ。 ■かつてそこにあったもの、これから湧き上がってくるもの 多くのイベントで国籍縛り、メーカー縛りや中には同一色の括りで集まるクラブやイベントを見てきたが、「年齢制限付き」のイベントにはは筆者も初めてお邪魔したかも知れない。面白いのはそうした試みから見えてきたこともあると感じている。感じているというのは、筆者はとっくに参加資格を失効した人間である上、それが本当にその通りであるかはわからないからだ。 世にいう「ジェネレーションギャップ」とか「世代間の隔たり」といったものではなく、使うものさしが違うのではないか?そう思わせるのだ。 今回筆者が話を伺ったオーナーのクルマはどこか王道ではなかったり、珍車の域にあるような部分を持つモデルを中心に話を伺った。それは確かだ。しかしながら、多くが定番と呼べるクルマよりも個性が優先されるモデルが多く感じられたからだ。 かつて自分たちはカテゴリーとして求めたのはスピードであったり、ステータスであったり「どこか今、流行ってるね」といった具合に、皆が同じ方向を向きやすい部分があったのではないだろうか。そう思えてならない。 このイベントで参加した彼らはそうした部分にとらわれず「各々が気に入ったから、思い思いに手にしていたら集まった時にこうなりました」の表れに思える。 それが良いか悪いかではない。 筆者の世代は同じ方向を向くことで大きな熱量を発していた。現代の35歳以下の熱量が個々の個性化に熱を帯びているということであるのだろう。 どちらもクルマに掛ける情熱は変わらない。いずれ新世代の彼らが、筆者たち年配側も巻き込んでより大きな熱にしていってくれることを期待してやまない。 [ライター・カメラ / きもだこよし]      

第16回ノスタルジック2デイズ2025は例年以上に胸アツだった!
旧車のイベント 2025.02.25

第16回ノスタルジック2デイズ2025は例年以上に胸アツだった!

2025年2月22日、23日の2日間にわたり、パシフィコ横浜で「ノスタルジック2デイズ」が開催された。 同イベントは神奈川県と横浜市観光協会をはじめ、自動車部品・部品アフターマーケット振興会などが後押しする日本最大級のクラシックカーの祭典であり、今回で16回目の開催となる。 主催はノスタルジックヒーローやハチマルヒーローなどの雑誌で知られる芸文社。会場には日本中から旧車ショップやレストアメーカー、各種パーツを取り扱う企業などが集結。華やいだ空気と熱気があふれていた。  会場内には国産旧車はじめ、アメ車や欧州車などが数多く並び、外周部には貴重なコレクターズアイテムのような車輌やヒストリーを持った車体、あるいはかつてTVや映画で見た劇中車のレプリカなどが整然と置かれていた。  入口からほどなくして柵に囲まれた赤絨毯の上に1台のクルマが置かれていた。型式はPGC10。いわゆるハコスカである。このクルマは実際にレースで使われていた車輌を市販車としてレストア、それゆえ、いたるところに軽量化のための穴がそのまま残されていたり、各所の部品が正規のモノとは違っていたりしたという。塗装も当時純正色であったグローレッドに塗られている(会場パンフレットより)。ちなみに車台番号もかなり早く、50番ということだ。 こちらのクルマは会場の人波をかき分けゆっくりと進む日産バイオレット。走行入場をする「選ばれし10台」の中の1台だ。 ■緑色が映えるレーシングレプリカ 皆さんは1960年代に実際に日本グランプリに出走した「ケロヨン号」というクルマをご存じだろうか?ご年配の方なら思い出すかもしれないが、「あのケロヨン」というキャラクターが由来のクルマであり、1968年の日本グランプリで伊能祥光選手がステアリングを握って日産やトヨタのワークスを相手に戦った車体である。 デルRSBというパイプフレームシャーシに日野コンテッサの5速ミッション、エンジンはセンチュリーのV8 3リッター(3.5Lに拡大とも)を搭載してFRP製の軽量ボディを架装し、仕上げられた車体である。 また同車輌は映画ケロヨンの大自動車レースという作品でも登場している。こちらの映像は今でもDVDとして入手可能とのことだ。ただし、作品中の個体はさすがに本物ではなく、撮影用の車輌と思われる。 ここではそのケロヨン号を可能な限り忠実に再現しようと製作したのだという。もちろんオリジナルの車体はすでに存在しない。また同車輌制作にあたっては原作者の藤城清治氏に許諾を得ている。市販車輌としてナンバー取得ができるようにあえてパイプフレームを止め、トライアンフのシャーシを使用。エンジンはセルシオの1UZ-FE型、それにスバルの5速ミッションを組み合わせる。ノーチラスの古川氏は組み合わせの関係でミッションの後ろが出てしまったから、うまくまとめないといけないと話されていたが、いまから完成が待ち遠しいクルマである。 ■小さめの謎のシート 会場内には車輌に関係した物以外にもウェアやグッズ、もちろん書籍なども展示販売されている。そのなかで少しばかり奇妙な物を見つけた。それがデンモータース(といっても車屋ではない)の「DEN GT SOFA」である。 ハコスカのシートを忠実に再現したリビング家具であり、その製品は日産の監修の下に許諾を受けた確かなものである。しかし、実物のシートと比べていささか小さいのでは?と思い質問をぶつけてみると、そこは本物と同じ仕上げにできないこともないが、あくまでもソファとしての実用性から使いやすい大きさや形状変化をさせているという。 なるほど。昨今の自動車のシートをそのままデスクチェアにするのとは真逆の考えで、形状や縫製を忠実にしながらあくまでもイスとしての実用性を優先するということだ。ガレージハウスの一角でこのソファーにもたれて愛車を愛でるのもアリかもしれない。 ■本物を味わえるビジネス 会場に展示された2台のラリーカー。日産 ブルーバード(510型)と、マツダ サバンナ RX-7(SA22型)。見るからに本物感がにじみ出る車輌に目を疑う説明が。本物のラリーカーの「レンタカー」だという。 いいのだろうか?そもそも、誰とも知れない人間に貸しても大丈夫なのか?ブルーバード510といえばサファリラリー完全制覇の車輌であり、RX-7もクラス優勝とはいえモンテカルロで優勝したクルマである。もし何かあったらどうするのだろう。そんな不安を抱きつつレンタルできる理由訪ねると、ブルーバード510は精巧なレプリカ、RX-7は競技車輌のスペアカーだったそうだ。 それでも貴重な当時の生き証人のようなクルマである。いったいどんな方が借りていくのか訪ねると、主に雑誌関係者やプロのドライバーやレーサーの方が借りに来られるのだとか。現在実質プレオープン状態で本格稼働にはもう少し時間がかかるということだが、興味は尽きない。ちなみにこのときに答えてくれたのは、まだあどけなさが残る男の子。なんとRX-7の関係者のお孫さんだという。自分の物にできるまでこのクルマには頑張ってほしいと明るく話していた。 ■複製はついにここまで 神奈川トヨタのブースで「はじまりに出逢う」と銘打って展示されていた初代クラウン。その後ろではその再生に協力をしたと思われる企業の製品が展示されていた。 多くのパーツが3Dプリンターなどで復刻できる時代。一番やりにくい物はなんであろうか?ガラスである。そして多くの車輌で割れたら後がない部品である。そんなガラスを複製してくれる会社が板橋区にあるTOKYO HOKUTOだ。会場にはトヨタスポーツ800のリアガラスがサンプルとして展示されていた。製品としてもキチンとしており、日本のJISはじめ欧州のE6規格(ベルギー)、北米のAS1などの規格もクリアしているとのこと。 原型となるオリジナルさえあれば車種問わず制作可能ということだ。ただし金額的にはこちらのサンプルで200万くらいは掛かってしまうので、幾人か同志やクラブメンバーなどで希望者を募ってお願いするのが正解だろう(制作枚数が多ければ多いほど1枚単価は下げることができる。上記の値段も20枚ほどのオーダーで行われたものだという)。 ただ少なくとも希少なモデルのフロントスクリーンやパーツなどを万が一失ってもサンプルさえあれば再生できるというのは大きいと思う。 もうひとつ3Dスキャンして複製を作るのとは別に同社の得意とする分野がある。それがメーター修理だ。実はこちらの会社、元々制御基板の会社でありそういった機器には精通している。今回のことでも新規開拓を進めていくうちに神奈川トヨタと出逢ったそうだ。 80年代以前からメーターは電子部品が使われ、故障するとそのままにせざる得ない部品のひとつでもあった。多くは中古部品からのコンバートで直されるが、部品が出なかったり、海外で取り寄せが難しかったりした場合専門店に修理を頼むしかない。しかし、車種に偏りがあったり年式で出来ないと言われたりもすることがある。こちらでは車種は問わないという大変心強い言葉をいただいた。 サンプルに使われているアリストのメーターはじめ展示している場所も神奈川トヨタというだけあり、商談窓口は基本的に神奈川トヨタからお願いしますということだ。ここで思いきって聞いてみたのが欧州車とかも大丈夫ですか?という質問に依頼そのものは全く問題ないと答えをいただいた。メーターや部品の再生でお困りの方、ぜひ一度相談してはいかがだろうか? ■筆者の思うところ ノスタルジック2デイズを振り返って変わらず国産車の展示が圧倒的に多い。その中でもスカイラインは群を抜いて多かったと思われる。 またメーカー別でも日産車は多かったのではなかろうか。ここしばらくの日産の話を耳にするに付け、なんとも皮肉なほどに日産車が人気である。もちろん他メーカーや外車勢も増えている。  これには複製技術や小ロット生産の方法がかなり確立してきたおかげだろうと考える。この先新車に対して新たな車検制度やセンサーシステムの追加によって、ますますランニングコストが増えていくのではないだろうかと思う。 そうなったときにこの先果たして旧車と新車、いったいどちらが維持がしやすくなるのか?もしかしたら旧いクルマの方がよほど安心して維持ができるようなってくるのではないかと思えてしまう。いや、もちろんそんなことはないハズなのだが。 原初のBMWM5と最新のM5。1987年のデビュー時の値段が1,198万円。展示中の最新モデルがフルオプションで2,231万円。価格もおそらくは性能も倍以上の設定である。 ■旧車を知り、楽しむために 旧いクルマと新しいクルマ。その大きな違いはなんであろう?おそらくはトランスミッションではないだろうか。 もちろん今ならエンジンかモーターかということもあるであろうし、旧車でもATのクルマが好きな方もいるだろう。それでも会場を訪れる方々はMTを好む方が多いと思われる。 近年よくMTなどの時代じゃないなどと言われたり、MT免許がオプション的な扱いになる法改正が行われようとしている。確かにシステムとしてのトランスミッションで言えばATの方がすぐれているし、もはやよーいドンで速いのも間違いなくATだろう。それでもボク等はMTを好む。速さではなくシフトチェンジすることで走らせるのが楽しいからだ。 ノスタルジック2デイズはそうした走らせること、クルマを直すことの楽しさを表現するための知識や交流の場としてこれからも必要になるだろう。 再生の灯を絶やすな!マニュアルトランスミッションを決してロストテクノロジーになどしたりしない。この会場からはそうした決意にも似た熱気にあふれているように思えてならない。  [ライター・カメラ / きもだこよし]   

3日間で約26万人が来場した「東京オートサロン2025」に思うこと
旧車のイベント 2025.01.19

3日間で約26万人が来場した「東京オートサロン2025」に思うこと

2025年1月10日〜1月12日まで、幕張メッセにて「東京オートサロン2025」が開催された。「東京エキサイティングカーショー」としてスタートした1983年から数えて今回が43回目となる。  東京オートサロン事務局が公開した情報によると、今年の参加人数および出展者数は以下のとおりだ。 ■参加人数(※出展者、関係者を含む)・1月10日(金):63,982人(前回51,014人)・1月11日(土):102,175人(前回95,081人)・1月12日(日):92,249人(前回83,978人)●累計:258,406人(前回230,073人) ■出展者数・出展者数:389社(前回実績378社)・出展車両台数:857台(前回実績893台)・ブース総数:4,336小間(前回実績4,329小間) 朝イチに会場入りした時点で昨年よりあきらかに混んでいると感じたが、その印象は間違っていなかったようだ。来年はさらに・・・? ■駅前の混雑&駐車場に空きがない!? 初日の「ビジネスデイ(業界&報道関係者公開日)」は午前9時スタート。報道関係者の多くがそれよりも前に現地入りし「押さえられるものを"なる早で"押さえて」おかないと、撮れ高が確保できない可能性もあるからとにかく必死だ。 そのいっぽうで、業界関係者の多くが午前9時の開場をめがけて幕張メッセにやって来るため、駐車場が取り合い状態に。筆者の知人(業界関係者)も、駐車場にクルマが止められず、会場入りできたのは午前10時すぎとのことだった。 ちなみに筆者は・・・というと、幕張メッセまでの移動には公共交通機関(JR京葉線)を利用している。同業者から「えっ、幕張メッセまで電車で来るの?クルマじゃないんだ・・・」と驚かれたことがある。普段からクルマでの移動が多い分、電車(満員電車)での移動を好まない人も少なくない。 東京オートサロン会場まで公共交通機関(JR京葉線)を利用する理由は2つ。先述したとおり、駐車場確保に時間を取られたくないというのがまず1点。そして朝から晩まで会場で歩きまわり、自分の運転で自宅まで帰宅しなければならない。それならば公共交通機関の方が気楽、というのが2点目の理由だ(たまたま帰路は途中駅で座ることができ、東京駅まで爆睡してしまった)。 ■プレスルームは新年の挨拶の場を兼ねて ジャパンモビリティショーと同様に、東京オートサロンにもプレスルームが用意されていた(初日のみ)。ニューモデルやプレスカンファレンスなどの速報記事はここから発信されていることが多い。報道関係者が集うプレスルームに足を運べば、誰かしら同業者の皆さんと顔を合わせることができる。 そのため、東京オートサロンのプレスルームは新年の挨拶の場も兼ねている。つい1ヶ月ほど前の年末進行の苦労話などしたいものだが、実際にそんな悠長なことはいっていられない。各メディアが競争しているわけではないのだが、それでも注目のモデルはいち早く記事にして公開すればより多くのPV(ページビュー)が稼げるからだ。 そうなると、結果としてタイムアタックにならざるをえない。そういうときは「話掛けないでオーラ」が出ているので、頃合いを見て挨拶をするように心掛けている(かといって、プレスルーム内はギスギスしている雰囲気はないのでご安心を)。 ■日本車 トヨタがGR ヤリスをミッドシップ化してしまった「GRヤリス Mコンセプト」、その他にも新型ホンダ プレリュードプロトタイプや、マツダ スピリット レーシング・ロードスター12R、スバル S210をはじめとする最新モデルのお披露目があった。 そのいっぽうで、トムスからはレストア済みのホワイトボディとなった状態のAE86など、新旧ともに話題満載だ。 数年前はGRヤリスをベースにチューニングしたクルマが多かったように記憶しているが、今年は比較的ばらけていたように見受けられた。そのなかでも第2世代スカイラインGT-Rや、AE86の人気は凄まじいことを実感した(そしてついに日産ブースではスカイラインGT-R EVの展示が)。 ついにスカイラインGT-RがEVに・・・。安い中古車を手に入れ、その分の予算をチューニング費用にをつぎ込む・・・といったいじりかたがもはやできない存在となってしまった感がある。 ■輸入車 チューニング&ドレスアップのベース車としていつの時代も格好の素材なのか、新旧ポルシェ911の展示が多かった。筆者がはじめて東京オートサロン会場に足を踏み入れたのは1992年だが、そのときもRUFのコンプリートカーが展示されていていたく感激した記憶がある。 また、ランボルギーニ ウラカンの後継モデルにあたる最新モデル「テメラリオ」も展示されており、注目を集めていた。オートサロンで実車を初めて見た人も多かったはずだ。 そして、お父さん世代には懐かしい、ケーニッヒ テスタロッサ エボリューションモデルがさらりと展示されていて驚いた。当時、1000psを標榜する超ド級のクルマとしてF40とは異なるファンを獲得していた1台だ。いまは絶版になってしまったようだが、フジミの1/24スケールプラモデルも販売されていたっけ。 最新モデルでは、フェラーリ プロサングエが数台展示されていたことにも驚かされた。 ■オートサロン会場の華であるコンパニオン 車輌の撮影と並行してコンパニオンの皆さんも取材。あくまでも個人的な感想だが、今年は「ガチ勢」のカメラ小僧が多かったように思う。至近距離でストロボをたいて撮影したり、ローアングルで撮影したりと・・・。それでも彼女たちは笑顔を振りまかなければならないわけだし・・・端から見ているよりも忍耐力がいる仕事かもしれない。 ただ・・・なかには「クルマ単体で撮影がしたい」という人もなかにはいて、コンパニオンに「ちょっとどいてください」と画角から外れてもらうように指示する人もいた。さすがにいえなかったけれど、そりゃあんまりだよ・・・。 ■まとめ:3日間で約26万人が来場した「東京オートサロン2025」に思うこと 今年の出展者数は389社、出展車輌台数が857台、ブース総数が4,336小間。幕張メッセのスペースを目いっぱい使ってのイベントだけに、1日でじっくり見てまわるのは不可能に近い規模だ。 それだけに、出展者側も目立たせるのも一苦労だ。インパクトを持たせるにはかなり大胆なことをやらないと素通りされてしまう。とはいえ、インパクト狙いでいくと、誰が見ても格好いいカスタマイズカーに仕上げるか、はたまた「その手があったか!」といった意外性。さらには「まさか!」と思うようなベース車を選ぶ必要がある。 個人的に印象に残った1台といえばこれだ。東京自動車大学校の生徒さんが手掛けたW124型のメルセデス・ベンツ。昨年この世を去ったブルーノ・サッコへのリスペクトが感じられる展示が印象的であった。 そういった作り手の想いは素人である我々も敏感に感じ取る。そして逆も然りだ。現存する貴重な1台のクルマがまったく別の姿へと変わってしまった状態を見るにつけ、本来であれば「踏み込んではいけない領域に足を突っ込んでしまった」展示車があるように感じたことも事実だ。 日本の枠を超え、世界的にも注目されているイベントだけに、日本人が持つ美徳感や美意識を忘れてはならないように思う。 なお、 2026年の東京オートサロンは、1月9日(金)〜11日(日)の3日間、幕張メッセで開催されるという。 今年はインフルエンザが大流行しているまっただ中での開催だっただけに、来年はもう少し平穏な環境で取材ができることを祈るばかりだ(ベビーカーや抱っこひもで赤ちゃんを抱えて見学しているギャラリーも少なくなかったので、同じ子育て世代の立場としては心配になってしまった) [ライター・撮影/松村透]

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