イベントレポート

70台以上の1990年代車が集結!「第5回東京キューマルミーティング」イベントレポート
イベントレポート 2024.11.30

70台以上の1990年代車が集結!「第5回東京キューマルミーティング」イベントレポート

2024年11月23日(土)、埼玉県某所にて1990年代のクルマにスポットを当てた「第5回東京キューマルミーティング」が開催された。 このイベントは、1990年代のクルマ(1990年〜1999年に生産されたクルマ)であれば。日本車・輸入車を問わず参加が可能だ。なお、1990年代に発売されたクルマであれば、2000年代に入って追加されたモデルであっても参加できるという。 開催場所はシークレットであり、エントリーが受理された時点で主催者から当日の会場がアナウンスされる仕組みだ。会場となる場所は、主催者が許可を得て借りているので、参加者は安心してイベントを楽しめる。 第1回目の開催は2022年12月、今回は第5回目となる東京キューマルミーティングには、各地から70台を優に超える1990年代のクルマがエントリー(イベント主催者によると、過去に臨時で開催したことがあり、それは"2.5回"と銘打ったそうだ)。 取材中、参加したクルマを可能な限り撮影したので、メーカー別に紹介していこう。 ■トヨタ 80スープラをはじめ、スターレット、「トイチ」のレビンや初代セルシオ、V12エンジンを搭載した先代センチュリーなど、最近はあまり見かけなくなりつつあるトヨタ車が多数エントリー。しかもどの個体もすみずみまで磨き上げられており、普段から大切に乗られていることが伝わってきた。 こちらの白いクラウンは、イベントスタッフである「獅子丸◢⁴⁶ the last phantom(@pS2q_mzk_204)」さんの愛車。実は筋金入りの30系ソアラフリーク。しかし今回はイベント運営のサポート役に徹していた。90年代車ではないけれど、イベント成功のために尽力している姿に感銘を受けたので記念に1枚。お疲れ様でした! ■日産 第5回東京キューマルミーティングでは最大勢力となった日産車。S13型シルビアや180SX(逆輸入仕様の240SXも!)をはじめ、R32スカイラインをはじめ、90年代を彩ったローレルやブルーバード、そして初代キューブもエントリー。 撮影に応じてくれた「Miyata(@GTETypex1998)」さんは、今回R32型スカイラインのGTE TypeXでエントリー。お父さん世代には懐かしい「navan」のアイテムがこれでもか!と装着されたR32はまさに素晴らしきヘンタイ(※ほめ言葉)だ。   そして、お父様が所有していたS13シルビアと同色の個体が愛車の「しげ(@shigezou_s13)」さんはハコスカも所有しているという。若くして旧車およびネオクラシックカーを2台所有しているというから驚きだ。 そして東京キューマルミーティングの主催者である「じゅんや(@CW30GT_NW30HWS)」さんは愛車であるラルゴでエントリー。お父様がじゅんやさんのために手に入れたラルゴをが受け継ぎ現在も所有。まさに家族の一員ともいえる存在だ。 ■ホンダ アイルトン・セナがCMに起用されていた4代目プレリュード、そして現時点では最終型となる5代目プレリュードもエントリー。当時はステップワゴン以上に注目されていたS-MXもエントリー。4ドアモデルの3代目インテグラはなんとフェンダーミラー仕様。内装のカスタマイズにも時代考証がなされており、お父さん世代としては感激してしまった。トゥデイやアコードワゴンなど、この時代のホンダは魅力的なクルマが多いことを再確認した。 ■スバル 2代目および3代目レガシィ(B4含む)/レガシィツーリングワゴンが大挙してエントリー。個人的な話で恐縮だが、ウィンドウフィルムを貼るアルバイトをしていた時代、2代目レガシィツーリングワゴンのリア5面にフィルムを貼りまくっていただけに、懐かしさがこみあげてきた。最近は見掛ける機会もかなり減ってしまった感があるのだが、こうして大切に乗っているオーナーがいることを改めて実感できた。 快く撮影に応じてくれた、「なべJUN(@Chiba_FunkyUnit)」さんは、足車だというプレオネスタでエントリー。ネスタのなかでも「RG」というスーパーチャージャーを搭載したモデルであり、高速を使った遠出もスムーズで、足車にはもったいないほどだと教えてくれた。時代やジャンルを問わずクルマ好きとのことだ。 ■三菱 三菱はこちらの5台がエントリー。ランエボ3・ランエボ5・GTO・FTO、そしてミニカトッポと、まさに90年代を彩った三菱車ばかりだ。ランエボは街中でもときどき見掛けるが、FTOは本当に数が減ってしまったように思う。今回、エントリーしていた個体はおどろくほど美しく磨き上げられた個体だった。純正部品の欠品・製造廃止が相次いでいると思われるが、何とかこのコンディションを維持していただきたいと思う。 ■スズキ スズキからはこちらの2台がエントリー。これだけコンディション良好なアルトワークスを久しぶりに見られて、まさに眼福であった。残念ながらオーナー氏には話を伺えなかったのだが、純正部品の確保や愛車のトラブルおよびメンテナンスなど、別の形でじっくり取材できればと思う。 ■ダイハツ ダイハツからはこちらの2台がエントリー。シャレード、そしてムーヴ。シャレードは当時からレアなモデルだったと記憶しているが、スズキ ワゴンRの対向車としてデビューしたムーブは、街中でもひんぱんに見掛けた記憶がある。淘汰が進んでいるのか、ずいぶん数が減ってしまった。 ■輸入車 輸入車は唯一となる、E36型BMW3シリーズクーペがエントリー。M3は高価で手が届かないけれど、エントリーモデルの「318isクーペ」には左ハンドル&MTモデルが用意されていた。当時400万円以下の価格で販売されていた(1994年時点で385万円)のだ。決して安くはないが、輸入車の入門編として人気を博したことを覚えている。 ■まとめ:シークレットイベントだからこその安心感 クルマ系のイベントの多くが日時や開催場所などを事前にアナウンスするため、エントリーカーだけでなく、多くのギャラリーが会場に足を運ぶ。また、会場周辺に「招かねざるギャラリー」がやってきて騒音をまき散らし、泣く泣く休止に追い込まれてしまったイベントもあった。主催者としてはやりきれない思いであることは察するにあまりある。 しかし、今回の「東京キューマルミーティング」は、参加者とその同乗者だけが開催場所を知らされているため、その場にいる人たちはイベント関係者だと分かる安心感は何ものにも代えがたい。 そして、偶然その場に居合わせた人であっても、会場周辺にはロープが張られており、イベントスペースに足を踏み入れることができない仕組みとなっている。 旧車およびネオクラシックカーの盗難が相次いでいる昨今、このようなクローズド形式のイベントであればトラブルが起こる確率も低い。これなら安心して参加できそうだと感じたクルマ好きも少なくないだろう。 クルマ関連のイベントに参加したことがない、あるいは1人で参加しても話し相手がいなくて不安といった心配はいっさい不要だ。愛車の横にいるだけで、当日、イベントにエントリーした気軽に人が話し掛けてくれる。こうしていつしかクルマ談義がはじまり、あっという間に1日が終わる。充実した気持ちで家路につくことができるはずだ。 なお、今回のイベントの模様は当日取材に訪れていたCAR and DRIVER(カー・アンド・ドライバー)誌にも掲載されるという。Web記事もいいが、やはり紙媒体に掲載されるとのことで、参加者の皆さんにとっても良い記念になるだろう。 なお、参加者の集合写真は同誌のカメラマン氏が撮影したタイミングで便乗させてもらった。カメラマン氏の鮮やかな誘導で、あっという間にこのフォーメーションになった(とても助かりました。ありがとうございます)。 次回、第6回目のイベントも開催される可能性が高い。現時点では2025年夏前を予定しているとのことだ。イベントの詳細および次回の開催などの告知は、イベント公式X(@TOKYO_90MT)を参照されたし! ●X:東京キューマルミーティング【公式】 https://x.com/TOKYO_90MT@TOKYO_90MT ●公式サイト https://sites.google.com/view/tokyo90mt/ [撮影&ライター・松村透]  

岡山・真庭に伝説のマシンが集結!MHヒルクライム/真庭速祭
イベントレポート 2024.11.28

岡山・真庭に伝説のマシンが集結!MHヒルクライム/真庭速祭

2024年11月17日(日)、岡山県真庭市で初の開催となった「MHヒルクライム/真庭速祭」。 モータースポーツ文化を、地域の活性化へとつなげる目的で企画された「公道ヒルクライム」のイベントだ。舞台となった広域農道「木山街道」では、プロドライバーによる本格的な走行が繰り広げられ、観客を魅了した。 ここで、本記事を通じて改めて強調しておきたい。 イベント終了後、木山街道や周辺での暴走行為や迷惑行為は絶対に避けたい。地域との調和があってこそのイベント。地元住民への配慮なくして、このすばらしいイベントは成り立たない。 今回は、来場者や関係者の声を交えつつ、この特別な1日を振り返る。 ■真庭速祭とは 真庭速祭は「真庭速祭実行委員会」が主催し、自動車メディア「モーターヘッド」が企画運営を担当。地元住民や行政との協力のもと開催されている。 舞台となったのは広域農道「木山街道」。ちなみに広域農道とは、農産物輸送のために整備された道のことだ。 木山街道は、標高500m付近の山間部を、アップダウンを繰り返しながら延びている。この道の区間に4.3km(計測区間/パドックからゴールまでは約6.5km)のセクション(コース)が設けられた。 そして、スタート地点には会場にはドライバーやメカニックが集うパドック、特設ステージ、飲食や物販コーナー、貴重な車両やエンジンが展示されるミュージアムも設置。来場者数を限定しながらも大盛況となった。 さらに、イベントの様子はYouTubeでもライブ配信され、会場に来られなかったファンにも熱狂が届けられた。 ■イベントダイジェスト 当日の朝は曇りで気温は17度。午前中には霧が立ちこめ、一部路面はウェットコンディションに。午後からは雨が降り出したため、路面はヘビーウェットとなった。それでも、プロドライバーたちは悪条件をものともせず、観客を唸らせる走りを披露した。 走行はクラスごとに分けられ、マシンが観客に囲まれながらスタートする様子はドラマチック。走行を終えたマシンがそろって戻るパレードランのような場面もあり、華やかな空気が漂った。 ▲出走前に安全確認を行う「ゼロカー」を、パイクスピークにも参戦する小林昭雄選手が担当。車両はパイクスピーク仕様のポルシェ911(type996)GT3CSが使用された。小林選手のスムーズなコース確認が安全面でもイベントを支えた ▲走行を終えて帰還するマシンたち。観客に拍手で迎えられていた ■ドライバーとマシンの顔ぶれ 真庭速祭では、チューニングクラスからレジェンドクラスまで、バラエティ豊かなマシンが登場。それぞれのマシンをトップドライバーたちが担当した。 チューニングクラス ・BOLD WORLD GT-R BNR34:稲岡優樹・FUJITA Engineering FD3S GT3:和田久・Jing BNR32 Group A spec:木下みつひろ・OS GIKEN TC24-B1Z / S30Z:井入宏之・HKS Racing Performer GR86:谷口信輝・ARVOU S2000:柴田優作 ●地元「オーエス技研」のマシンに熱視線 地元・岡山県のオーエス技研も「S30Z(フェアレディZ)」で出走。今回走行したマシンの中で、もっとも車齢を重ねた車両だった。自社開発されたエンジン「TC24-B1Z」を搭載するこちらのマシンには、同じく自社で開発・製作されたクラッチやLSDを搭載。ドライバーは井入宏之選手が担当した。 【VOICE】:OS GIKEN TC24-B1Zを見て 「地元企業の力を感じました」 「オーエス技研のマシンを目的に来ました。技術の結晶ですね。展示されていたエンジンも間近で見られて感動しました。市販車とは違う点も丁寧に解説していただき、勉強になりました」(宮本英貴さん 岡山県在住) ●「アルボー S2000」が再び木山街道を駆ける 真庭速祭のプロモーション映像にも登場した、人気ショップ「アルボー」のマシンも出走。S2000をベースとしたこちらのマシンは、ドライバーでアルボー代表でもある柴田優作選手自身が手掛けている。2023年のワールド・タイムアタック・チャレンジでクラス優勝を果たしている“国内最速級”のマシンだ。 レーシングクラス ・ZENKAIレーシング:林寛樹・ACR ASTON MARTIN V8 Vantage GT4:ハナ・バートン・Katsu Taguchi FIESTA Special:田口勝彦・CUSCO SUBARU Impreza / JGTC GT300:小林且雄・HONDA WTCC CIVIC:道上龍 ●「JGTC GT300 クスコ・スバル・インプレッサ」の勇姿にファン歓喜! 全日本GT選手権(JGTC)のGT300クラスで活躍した「クスコ・スバル・インプレッサ」が登場。このマシンを操ったのは、当時のドライバーである小林且雄選手。なんと、当時のレーシングスーツに袖を通しての出走だった。その姿は、あたかも時間を巻き戻したかのよう。ファンからは歓声と拍手が沸き起こっていた。 ●圧巻の走り!「Katsu Taguchi ・フィエスタ スペシャル」がイベント最速を記録 地元・岡山県出身のラリースト、田口勝彦選手が駆る「Katsu Taguchi ・フィエスタ スペシャル」が、この日のトップタイムを記録。2分11秒327を叩き出した。午後からの雨でヘビーウェットとなった木山街道をものともせず見せつけた走りは、今後の真庭速祭で目標タイムとして語り継がれるだろう。 ●MEC120を戦う「ZENKAIRACING v.Granz」が木山街道を疾走! 耐久レース「MEC120」に参戦するZENKAIRACINGのマシン「ZENKAIRACING v.Granz」が出走。代表でもある林寛樹選手がドライバーを務めた。また、ミュージアム内にてレーシングシミュレーターの体験ブースも展開、好評を博していた。 【VOICE】ZENKAIRACING ドライバー・林寛樹選手に聞く 先が見えないし、怖い…でも、とにかく面白い! 通常ではありえない2車線フルレーン走行、レーシングマシン(v.Granz)での走行、レーシングスリックでの走行、速度制限なし、制限区間以外は音量規制もなしという条件で、正式なコースとして全開走行できたことに感動しました。そして大変面白かったです。地元住民や関係者の皆様のご理解と協力のおかげで、この夢のようなイベントが実現できたことに、心から感謝申し上げます。 真庭速祭には、昨年のテストイベント時から注目しており「峠をレーシングマシンで全開走行する」という夢のような企画に心を奪われていました。 今年に入って高田さん、三栄さん、MADLANE大橋さん、多くの方々との出会いやご縁を通じて、関係者として参加する機会を得ることができ、本当に感謝しています。イベント終了から1週間経った今でも興奮が冷めません。真庭速祭は、たくさんの方々の想いをカタチにした特別なイベントです。これからも地元に根付く「秋祭り」のような継続的なイベントへと発展していくよう、微力ながらお手伝いできればと思っています。 ■レジェンドマシンの競演 往年のレースで輝かしい戦績を残したレジェンドマシンたち。その走りを一目見ようと、多くの観客がスマートフォンやカメラを手にスタート地点に集まった。 レジェンドクラス ・NISSAN R91CP:久保田克昭・RX-7 FC3S GTU IMSA:谷口信輝・ADVAN alpha 962C:諸井猛 ●デイトナ24時間レース優勝マシン「日産・R91CP」 1992年のデイトナ24時間レースで総合優勝を果たした「日産・R91CP」がヒルクライムに登場、V型8気筒ツインターボエンジンが咆哮をあげた。バーンアウトからスタートするその走りに、ギャラリーは釘付けとなった。 【VOICE】:R91CPを見て 走り去る音が忘れられない。 「R91CPを目の前で見られるとは思っていませんでした。この音は映像ではなく、生で体感しないとわからない迫力があります」(男性) デモラン ・Williams FW12:谷口信輝・MADLANE DIABLO GTR:大橋和生・Bond Cars Aventador SVJ:山田雅司 ●F1マシン「ウィリアムズFW12」に興奮! 1988年のF1で活躍した「ウィリアムズFW12」も登場。V型8気筒NAエンジンを搭載して戦ったこのマシンを、谷口信輝選手が駆った。 【VOICE】:ウィリアムズFW12を見て少年時代の憧れが蘇る 「TVで観ていたウィリアムズFW12を実際に目の前で見られるなんて。しかも火入れから!小学生の頃に戻った気分です」(男性) ●迫力!リバティーウォーク(LBWK)のトレーラーヘッドが峠を駆ける LBWK(リバティーウォーク) RUN ・LB40-AZ1 :後刻指名・LB 35GT-R :後刻指名・LB S15 SILVIA :後刻指名・LB Tractor Head :後刻指名・LB Tractor Head :後刻指名 人気ショップ、リバティーウォークが手掛けたドリフト仕様のマシンに加え、トレーラーヘッド4台が走行。重厚感あふれるトレーラーヘッドが駆け抜ける姿は、他のマシンとは異なる迫力を放っていた。 【VOICE】:マシンの迫力に圧倒された! 「初めて見る生の走行に感動しました」 「レーシングカーを見るのはもちろん良かったですが、トレーラーヘッドが走るシーンは圧巻でした。働く車がこんな形で公道を走るのを初めて見ました。今後も地域イベントとして継続してほしいです。広島でもこんなイベントがあればいいのに!」(男性 広島県在住) ■幅広い世代が楽しめる会場作り 特設会場では、モータースポーツファンだけでなく、家族連れも楽しめる工夫が満載だった。ミュージアム展示や物販、飲食エリアを通じて、地域の魅力や自動車文化を存分に感じられる空間が広がった。 また、特設ステージでは実況のほかにトークショーやジャンケン大会なども開催された。 進行役やゲストのトークでさらに熱狂 レース実況でおなじみの人気アナウンサー・ピエール北川さん、藤原よしおさんらが進行役を務め、ゲストとの軽快なトークで会場を盛り上げた。マシンや選手にまつわるトリビアを交えた楽しいやり取りに、観客も引き込まれていた。 【VOICE】:会場でしか味わえない魅力がある 音や匂い…現場ならではの臨場感を堪能 「音や匂いなど、現場でしか味わえないものがあるのが嬉しいです。実況のピエール北川さんのファンです。今日のトークもとてもおもしろかったです」(岡山県在住 生嶋美由紀さん) ●パドック見学 パドックエリアでは、走行を控えたマシンを至近距離で見学でき、観客とドライバー、チームクルーの距離が近いのも印象的だった。 マシンの整備作業やドライバーがリラックスする姿を、サーキットよりも近い距離で見られ、記念撮影に応じるドライバーの姿もあった。こんな場面も真庭速祭ならではの魅力のひとつかもしれない。 【VOICE】:地元で開催されたことを誇りに思う マシンやチームとの距離の近さがすごい 「地元で開催されたことを誇りに思います。ドライバーやチームクルーと会話できるのもすごいですね。今日は、30年前から交流のある田口選手の応援に来ました」(真庭市在住 内藤貴嗣さん) ●ミュージアム展示 ミュージアムでは、往年の名車やエンジンが数多く展示されていた。 歴史的なマシンを間近で観察できるのはもちろん、そのディテールに驚嘆したり、思わずため息をついたりするファンの姿が見られた。さらに、物販コーナーやドライビングシミュレーターの体験ブースも人気を集め、幅広い世代が楽しめる催しが充実していた。 「ZENKAIRACING」のシミュレーターコーナーでは今回のコースを再現! 【VOICE】ZENKAIRACING代表 ・林寛樹さんに聞く ヒルクライム走行にも出走したZENKAIRACINGが手がけるシミュレーターブースを、ミュージアムで楽しむことができた。代表の林寛樹さんに、今回の出展を通じて感じたことや、木山街道コースデータの製作秘話を伺った。 特製・木山街道の走行データを楽しんでいただきました。 普段は見ることのできない貴重なクルマやレーシングカーを間近で体験できたことは、来場された皆様にとって大きなインパクトを与えたと思います。加えて、私たちの最新レーシングシミュレーター(SIM)を通じて、時代の進化を伝える場にもなりました。SIMに馴染みのない方も含め、体験中には多くの会話が生まれており、そこに喜びを感じました。また、クルマ好きだけでなく、地元の家族連れや年配の方々も多く参加されており、地域の関心の高さを感じることができたことも意義深いものでした。 今回の体験コーナーでは、木山街道のコースデータをご用意しました。イベント2か月前から準備を進め、ギリギリでしたがイベント直前にベータ版が完成。最終調整を経て、約2000名の来場者のうち、約200名もの皆様に楽しんでいただくことができました。 限られた体験時間内では、通常のグリップ走行が中心でした。実は前日のテスト走行では、峠をドリフト状態のまま“一筆書き”で走り切ることも可能だったんです。この隠れた遊び方はまたの機会に…! 【VOICE】レーシングシミュレータースペース SimGoya代表・菅田政宏さんに聞く 株式会社オートショップカンダ代表で、シミュレータースペース「SimGoya」を運営する菅田政宏さんは、今回シミュレーター体験のアテンドスタッフとして携わった。岡山県民、そしてクルマを愛する一人としての思いを伺った。 地元の人間として携われてうれしい。青春のマシンたちとも再会できました。 今回、ZENKAIRACINGの林さんから地元開催ということでお手伝いをお願いされ、喜んで参加させていただきました。林さんはその名の通り「全開」で熱い方なので(笑)、その情熱に共感しながらお手伝いできたのがうれしかったです。 私がアテンドした方々の中には「レーシングシミュレーターの存在は知っていたけれど、実際に体験する機会がなかった」という方が多くいらっしゃいました。 今回の体験コーナーで、子どもたちが無我夢中でステアリングを握り、目を輝かせている姿がとても印象的でした。リアルとヴァーチャルが一つの場所で一体になったのを見たとき、レーシングシミュレーターも人の心を動かせるポテンシャルを秘めていると確信しましたし、この機会を通じてもっと身近な存在になればと思います。 岡山県民として、この真庭速祭を知った時から「何かの形で携わりたい」と思っていました。今回、スタッフとして現地で参加できたことは感慨深い体験です。FW12やMP4/6、グループAのGT-R・R91・GT選手権のF40など、まさに青春時代“ドンピシャ”なクルマたちがそろい、感動の連続でした。 特にグループAのGT-Rは、私が中学生の頃に初めて見たレーシングカーで、自動車業界に足を踏み入れるきっかけとなった車両です。その車両が、私の真後ろに展示されていて、本当にうれしかったですね。そして、FW12のエンジンに火が入った瞬間、思わず涙が出てしまいました。このイベントを通じて、来場された方がモータースポーツに興味を持ち、楽しんでいただけたなら幸いです。 ▲来場者にシミュレーターをアテンドする菅田さん。憧れのMP4/6の傍で仕事できたことにも幸せを感じていたそうだ ホンダRA271とマクラーレン・ホンダMP4/6の展示ブース ▲マクラーレン・ホンダMP4/6。アイルトン・セナが操ったマシンを360度見ることができた。「タイヤが意外と大きいね」という声が聞こえてきたほか、フロントウィングなど、マシンの緻密な造形に驚く声も多かった 「ホンダコレクションホール」による展示は、歴史的なF1マシン「RA271」と「マクラーレン・ホンダMP4/6」が並び、観客の目を引いた。 ▲ホンダ初のF1マシン「RA271」が展示された 【VOICE】エンジン車が持つ魅力を忘れてはならない 展示だけでもすごい! 「乗っているクルマはホンダ一筋です。今日は友人に誘われて初めて来ましたが、この展示だけでも大満足。EV化が進む中でも、こうしたエンジン車が持つ魅力を忘れてはならないですね」(男性) あの「トミタクZ」が登場 【VOICE】エンジンビルダー・富松拓也さんに聞く エンジンビルダーであり、オーエス技研のチーフエンジニア、人気YouTuberとしても知られる「トミタクさん」こと富松拓也さんの愛車「トミタクZ」が展示されていた。富松さんが復活させた“幻のエンジン”と呼ばれる「TC24-B1」を搭載したこのフェアレディZを一目見ようと、ファンが次から次へと訪れていた。 地元に根付くイベントとして続くことを願っています。 私たちの地元である岡山で、本物のレーシングカーが公道を走るという特別なイベントに参加でき、とても感激しました。実行委員長の大橋様をはじめ、関係者の皆様の多大なるご尽力のお陰です。 オーエス技研としても、1981年当時のTC24-B1エンジンを搭載した「トミタクZ」の展示や、現代版TC24-B1Zエンジンを搭載した「S30Z」レーシングカーの走行を通じてイベントに貢献できたことをうれしく思っています。 S30Zは、出走車両の中でも最も古い年式でしたが、そのNAキャブレターエンジンのサウンドを多くの方に楽しんでいただけたことが何よりの喜びです。 このイベントが地元に根付いた素晴らしい催しとして、次回、さらにはその先も続いていくことを願っています。今後も可能な限り協力させていただきます。ありがとうございました。 ▲TC24-B1は、当時のフェアレディZ、ローレルなどに搭載されていたL28型をベースにし、独自の技術でツインカム4バルブ(クロスフロー方式)にしたエンジンだ ●地元グルメと物販ブース フードエリアではさまざまなグルメが楽しめ、地元特産品のマルシェもにぎわった。オリジナルグッズなどの物販コーナーも並び、各ブース前には大勢の観客が列を作っていた。 立ち上げから携わってきた「木山神社」のブース 【VOICE】木山神社宮司・鈴木宏志さんに聞く 「木山神社・木山寺」のブースにお邪魔した。木山街道のすぐそばにある1200年以上の歴史をもつ木山神社。宮司の鈴木宏志さん自らもドライバーであり、軽四耐久レース参戦やフォーミュラ・ドリフトなどのサポートも行う。モータースポーツを心から愛し、この真庭速祭に立ち上げ当初から携わってきた。 このイベント名は、木山神社にちなんでいます 「立ち上げ当初から、運営を行う皆さんと一緒に、さまざまなことを経験してきました。 このイベント名は、木山神社から着想を得たものです。地元の皆様のご協力あって開催できました。あらためて感謝を申し上げます。イベントの発展を願います」 ▲S13シルビアのドリフトマシンを展示 ■安全を最優先にしたスムーズな運営 当日は、複数の特設駐車場からシャトルバスを運行。会場周辺の混雑を避ける配慮がなされた。交通整理のスタッフ配置や人数制限の効果もあり、イベントは混乱なく進行した。 【VOICE】:「スタッフの対応が素晴らしかった」 スタッフの皆さんの気持ちも伝わってきた 「駐車場から会場までのアクセスがスムーズで、子ども連れでも安心して楽しめました。スタッフの皆さんが一生懸命対応してくれているのが伝わってきました」(女性 岡山県在住) ■地域とモータースポーツがつながる未来へ 真庭速祭は、自動車文化を地域の活性化へとつなげるイベントとして、大きな一歩を踏み出した。来場者に声を掛けるたびに「次回もぜひ参加したい」「このようなイベントがもっと広がれば」といった期待の声を次々に耳にし、イベントの意義もしっかりと伝わっていることが感じられた。 実況では「グッドウッドのような存在に」という言葉が繰り返し語られていた。真庭速祭が、いずれは地域に根ざしたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードのような、モータースポーツの新たな拠点となるかもしれない。 真庭速祭がさらなる成長を遂げ、地域とモータースポーツが響き合うイベントとなっていくことを願わずにはいられない。 ■フォトギャラリー ■取材後記 地域とモータースポーツが一体となった、特別な1日だった。筆者の地元・岡山での開催とあって、地元住民としても誇らしい気持ちに。「クルマ愛」と「地域愛」であふれた一日を過ごすことができた。 しかし、今回の成功を次回へとつなげていくには、地域への敬意はもちろん、私たちファンの自覚ある行動が不可欠だ。木山街道を暴走する行為、地域住民の皆様に迷惑をかける行動は、真庭速祭の継続を間違いなく危うくする。 この感動を共有し続けていくためには、イベントを応援するすべての人が「リスペクト・ローカル」を胸に刻み「ゆっくり走ろう、真庭」を体現することが大切。イベントを守る責任は、私たちファン一人ひとりが担っているといっていいだろう。 [取材協力 / 真庭速祭実行委員会 真庭速祭 運営事務局 Office Tomitaku 木山神社 SimGoya ZENKAIRACING 来場の皆様 順不同] [ライター・撮影 / 野鶴美和]  

不変のオーテック愛「AOG湘南里帰りミーティング2024」は愛車とオーナーの同窓会だ!
イベントレポート 2024.11.26

不変のオーテック愛「AOG湘南里帰りミーティング2024」は愛車とオーナーの同窓会だ!

自動車メーカー主体のオーナー参加型イベントは近年多く開催されている。 日産自動車のカスタマイズカーを取り扱う「日産モータースポーツ&カスタマイズ」の前身であるオーテックジャパンはその先駆けともいえる。 AOG湘南里帰りミーティングは初開催から20周年という節目となる。 今回はイベントの模様と参加されたオーナーと愛車について紹介しよう。 ■1.「AOG湘南里帰りミーティング」そのゆえんとは? まずはイベントタイトルについて。 「AOG」とは“オーテック オーナーズ グループ”の頭文字になる。これはFacebook上でオーテックジャパンが管理しているオーナー向けのプライベートグループになる。 そのグループメンバーであるオーナーが主役の大規模な“オフ会”が、このミーティング開催のきっかけとなっている。 「湘南里帰り」については、日産モータースポーツ&カスタマイズの所在地が湘南であり、ここで開発・生産を行ったクルマたちにとって湘南は「故郷」となるのだ。 このイベントは事前エントリー制となり、事務局から招待状が届いたオーナーだけが参加可能となっている。 今回インタビューを行ったオーナーのなかにも毎年応募しているが、参加できる年・できない年が過去あったとのこと。 もし今回参加が叶わなかったオーナーも、来年受かるチャンスがあるかもしれないので再びエントリーをして欲しいと思う。 なお、このイベントは関係者のみが入場することができるいわば「秘密の花園」である。 残念ながらエントリー資格のある愛車を手にしていない筆者は、このイベントの存在は知りつつも謎に包まれた状態であった。今回、この「秘密の花園」に入れる機会を得て、非常に興奮していたことを正直に白状しておく (笑)。 ■2.オープニングセレモニーに日産ファンくぎづけ!?  今回、特別ゲストとしてスーパーGT GT500にて23号車MOTUL AUTECH Zのドライバーを務める千代勝正選手、ロニー・クインタレッリ選手 2024 AUTECHレースアンバサダー 高岡みほさんが参加された。 その登場時には、神奈川県警で現役のR33スカイライン 4ドアGT-Rのパトカーが先導して、C28型セレナ オーテック スポーツ スペックを千代選手自らハンドルを握って登場。 登場BGMは日産自動車吹奏楽団の生演奏によるドラマ「西部警察」のテーマ曲と、随所にこだわりが感じられた。 ■3.勢揃いした最新モデルと海外専売モデル 希少なニスモヘリテージ展示も  今回オーテックとニスモの最新モデル、海外向けパトロール (日本名サファリ)のカスタムカー スーパーサファリが展示された。 両ブランドの最新モデルが一堂に会することは、なかなかないため現役オーナーたちもくまなく観察していた。 また、ゲストたちも展示車輌に触れ、参加者と談笑しながら写真撮影に応じアットホームな雰囲気であった。 また、普段触れる機会がない海外専用車となったパトロールのカスタムカー「スーパーパトロール」も今回披露された。 日本名サファリで販売されていたモデルのため、記憶にある方も多いと思う。 今も海外では現代の要求に合わせてバージョンアップされて現役で販売中だ。 ニスモ ヘリテージとしてはS14シルビアをベースとした270R、Z33フェアレディZをベースとしたバージョン ニスモ タイプ380RSが展示された。 270Rは旧ニスモ社創立10周年記念として、ニスモとして初めてのストリート向けコンプリートカーになる。 バージョン ニスモ タイプ380RSは、旧ニスモ社と旧オーテックジャパン社の本格的コラボで生まれた初のニスモロードカーとなる。 この380RSは、レース用エンジンのデチューン版VQ35HR改が搭載されている。 ■4.オーテックモデルのオーナーは生粋のマニアだらけ!? ここからは参加車輌のなかから、筆者が独断と偏見で選んだクルマを紹介していきたい。紹介するクルマたちについて、オーナーにも話を伺った。 お話を伺ったすべてのオーナー方は、こだわりポイントや愛車にまつわる話、それぞれのグレードや筆者が知らなかったオーテックモデルのみに採用されている特別仕様についても教えていただけた。 ※さまざまなイベントが目白押しのなか、時間を割いていただきインタビューに応じていただきました。ご協力いただきました皆様、この場を借りてお礼を申し上げます。誠にありがとうございました。 ●テラノ アストロード(R50型) 今回唯一のテラノで参加したオーナーは96年に新車で購入されて現在14万kmを走破。 元々は初代テラノにお乗りで、別のクロカン車に乗り換え予定だったが予定変更で現在の愛車を購入されたとのことだ。 この年代のRVは、ディーゼルエンジンを購入する人が多かった。 しかし、ガソリン車を購入されたため、ディーゼル規制の影響を受けずに済んだ。 勘の良い読者なら気づかれたかもしれないが、サイドのデカールが装着されていない。 その件について伺ったところ、デカールが朽ちてしまうのが嫌で、早々に剥がしたとのことだった。 長い付き合いになることはその当時考えてなかったようだが、結果としてきれいなボディを維持できることに繋がっている。 購入時のエンジン選択、デカールの撤去など結果的に愛車と長く過ごせる結果に繋がっていることは運というよりも運命なのかもしれない。 また、今回カタログもお持ちだったため、カタログ写真と実車を見比べることができた(ありがとうございました!)。 ●アベニールサリュー エアロエクスプレス ステージ2(W10型) 近年、街中で出会う機会が少なくなってしまったアベニールサリュー。 筆者自身、今年はイベント会場で見かける機会の方が多かったほどだ。 今回、話を伺ったこちらの車輌は、購入後まだそれほどの年月が経っていないとのことだ。 しかしオーナーのアベニールサリュー歴はとても長く、新車でGT(4WD ターボモデル)を購入。 土地柄、サビの影響を受け、買い換えるタイミングでも同じくアベニールサリューを選ばれており、今の愛車は3台目とのことだ。 見かける機会が減ったと先述したとおり、買い替えたくても選択肢どころか、同じモデル自体が流通していないことが増えてきた。 しかしこちらのオーナーのように、素敵な巡り合わせが起きることに驚くばかりだ。 ●ステージア 260RS(WC34型) GT-Rのステーションワゴンともいえるステージア260RS。 RB26型エンジンだけでなく、駆動系もGT-R譲りかつステージアに合わせた補強も行われた伝説的な1台ともいえる。 ニスモのデカールに目が行く260RSは新車時からのワンオーナーである。 この里帰りミーティングも初期から参加をされているとのことだ。 ついついデカールに注目してしまいがちだが、脚元を見て驚いたのはなんとR35 GT-Rのブレーキに変更されている点だ。 エンジンにも手が加えられており、チューニングやカスタムが好きなオーナーは、常にその時代に合わせたバージョンアップをさせて今まで連れ添ってきたとのこと。 最新技術を用いての進化に、今後も期待をしてしまう1台であった。 ●ステージア アクシス350S(M35型) オーテック社は「アクシスシリーズ」を展開していた時期がある。 ステージアにも当然のように設定はされていたが、ハイパフォーマンスモデルとして350Sというグレードも用意されていた。 この350SはV6 3.5Lの自然吸気エンジンにマニュアルトランスミッションを搭載している、M35ステージア唯一のマニュアルモデルになる。 初代の260RSに続くハイパフォーマンスワゴンではあったが、販売台数は芳しくなく限定車ではないが100台も販売されていないとのことだ。 オーナーは長距離移動する機会が増え、便利でラクに移動できる、大排気量のV6エンジンかつマニュアル車という点が決め手となり手に入れたとのこと。 一見ノーマルに見えるが、足回りはZ33のブレーキやホイールに変更されている点にも注目だ。 マフラーはフジツボのオーダーシステム「ビスポーク」を利用して、好みに合わせて製作されている。 音色、リアビューの見た目はもちろんのこと。愛車家として大切な洗車時の拭き取りで重要なウエスの入りやすさにもこだわれたとのことだ。 ●エルグランド ロイヤルライン(E50型) 初代エルグランドに設定されていた、VIPが快適に移動するため、4名乗車仕様ちなる。 現代でこそミニバンもショーファーカーとしての地位を築いているが、この当時はまだ人数が乗れることに重きを置かれていた。 これまでロイヤルラインの実車を見る機会はなく、今回初めてであった。 オーナーはE50型エルグランドが好きで、過去ロイヤルラウンジ以外のグレードも所有されていたとのこと。 今回取材したロイヤルラウンジはなんと2台目とのことだ。 オーテックにおいては、VIP向けのカスタムをセドリックやプレジデントベースで行ってきた。 その経験が生かされており、細やかな点にも驚くほどの配慮が散りばめられていた。 スライドドア横には傘を収納するホルダー、シートには収納可能なテーブル、リアのラゲッジからの音を遮るためのパーテーション、日産純正空気清浄機のピュアトロンも設置されている。 ミニバンはラゲッジとつながっているのが当たり前と考えていたが、セダンのように空間を隔てる配慮がされている。 すべては後席に乗るVIPのためのおもてなしの環境となっている。 フロントエンブレムはボディーカラーに合わせたカラーリングがされており、リアに付くオーテックジャパンのステッカーも専用品とのこと。 大型高級ミニバンの先駆けとしてデビューしたエルグランド。 さらにブラッシュアップさせ、細部にもこだわりが詰まっていることを今回知ることができた。 ●エルグランド VIP(E51型) ロイヤルラインのオーナーに話を伺った際、ご一緒だった方はなんと元ロイヤルラインオーナーであり、今回2代目E51型エルグランド VIPで参加されているオーナーだった。 オーナーにお願いして愛車を拝見すると、2代目となりさらに豪華になった内装がそこにはあった。 シートは本革パワーシートに進化しており、リアパーテーションにはスピーカーが追加されていた。 両側スライドドアになったことから、傘のホルダーは運転手が格納しやすいよう、運転席側のスライドドア部に移動されていた。 オーナー曰く、4人乗りのため友人から「この見た目で4人しか乗れないなら、大きな軽バンやないか!」と突っ込まれたとのことだ(笑)。 普段この愛車でゴルフなどを楽しまれており、その長距離移動時にリアシートに乗る機会がある。 少しリクライニングさせ座った際、革シートになったことでブレーキング時、体が前に滑ってしまうことがちょっと悩みの種であるとのことだ。 備え付けのキャビネットにはスピーカーも内蔵されている。 金属製の大型ステップは乗り降りをする際に安心感を持って乗ることができるお気に入りのアイテムとのこと。 ロイヤルライン、VIPともに外装はライダー仕様にしており、外観からはわからないようにカスタムを施されている点がこだわりとのことだ。 ●シルビア オーテックバージョン K's MF-T(S14型) S14シルビアにもオーテックバージョンがあったことをご存知だろうか? 恥ずかしながら筆者は2年ほど前に初めて知った。 その外観上の特徴としては、大きなリアスポイラーにある。 今回取材した車輌は、リアスポイラーはオーテックバージョン、リアバンパーは社外のものを組み合わせており、今も現役でサーキット走行を楽しまれているという。 そして、オーナーにとって初めての新車であり、愛車なのだとか。 なぜオーテックバージョンを選んだのか尋ねてみると、購入後、チューニングをしたい考えがあったなか、オーテックバージョンは最初からベースとなる基準車に対して、タービンとコンピューターが変更されたチューニング状態されていることが決め手となったそうだ。 最初の愛車として、メーカー保証付きチューニング車というのは信頼感においては抜群だろう。 現在もその進化は続いており、サーキット走行と街乗りでの乗り心地を両立するセッティングについて研究をされているとのことだ。 ●シルビア オーテックバージョン(S15型) 前述のS14シルビア オーテックバージョンがターボチューンだったのに対し、S15シルビアではNAチューンを施してリリースされた。 NAエンジンに基準車ではターボのみに設定があった6速マニュアルトランスミッションが組み合わせられた。 新車から乗り続けているオーナーは、過去の愛車遍歴からNAフィーリングが好みだということに気づかれた。 このクルマは、メーカー保証付きのNAチューンモデルという点に惹かれ購入されたそうだ。 ドアミラーやテールレンズを好みのモノにカスタムを行なっている。 オーナーの愛の深さは、愛車だけにとどまらず「オーテック」へも向けられている。 愛車のフロントウィドウには、AOG里帰りミーティングの前身イベントともいえる「オーテックオーナーズフェスティバルin大磯」開催時のパンフレットが飾られていたのだ。 もちろんそのイベントにも参加されており、イベント企画の愛車との記念写真も飾ってあった。 この当時はシルビアは4台ほどしか居なかったとのことだ。 さらにそのイベント時に配られたネックストラップも今回持参されていた。 オーテックへの想いはおそらく、会場内で1番だと断言しても良いと筆者は感じたほどだ。 ■5.里帰りミーティングは年に1度の同窓会だ! 今回お話を伺ったオーナー方から共通のワードを聞くことがあった。 「一年に一度ココで会うのが恒例行事」 「毎年開催される同窓会」 長期に亘ってメイド イン オーテックを愛車としているオーナー同士は共通の価値観、周波数が合う感覚があるのだろう。 今回お話を伺ったシルビア、260RSオーナーのグループは里帰りミーティング初期から参加されている方々だ。同じ場所に集まって止めているのは「チームパーキング」という制度を利用することで可能となっている。 これは、事前申請することで、まとまって並べられるエリアが用意されている。 多くの車輌と人がいる会場内は事故防止のため、車輌移動が禁止されている。 事故を防ぎつつも並べられるよう、オーナー視点でも考えられた思いやりが感じられるサービスとなっている。 出会った当初は260RSオーナーが多数だったが、今は乗り換えて車種が変わっている方もいる。 しかし乗り換えた車輌もオーテックやニスモというオーナーも多い。 今も同じ「オーテックオーナー」としての交流は続いている。 車種や世代が変化しても、オーテックモデルに乗り続けるオーナーが多いのは、クルマはもちろん今回のようなイベントを行う「オーテック」が持つ魅力によるものなのだろう。 ■6.まとめ AOG湘南里帰りミーティングは、オーテックだけでなくニスモブランドも加わり、これまでにない規模の大イベントとなった。 両ブランドともに明確な個性とこだわりを持ち、その魅力は多くのオーナーを虜にしている。 そんなオーナーたちにとっても湘南の地は第2の故郷となり、年に一度仲間が集まる“里帰り”先になっていると感じた。 多くのオーナーと愛車が今後も里帰りできるよう、末永く続いてもらいたい魅力的なイベントであった。 [ライター・画像 / お杉]

100台以上のポルシェが横浜赤レンガ倉庫に集結!エキサイティングポルシェ2024
イベントレポート 2024.09.29

100台以上のポルシェが横浜赤レンガ倉庫に集結!エキサイティングポルシェ2024

例年であれば11月に開催されるエキサイティングポルシェ(旧エキサイティングポルシェミーティング)。2007年以来、知る限りでは初となる暑い時期の開催となったエキサイティングポルシェ。エアコンレス&ほぼエアコンレスのポルシェにはしんどいかと思いきや…。 開催当日の9月1日は雨。しかも日本中を混乱させた迷走台風10号のおかげで高速道路は通行止め、東海道新幹線が開業以来ここまで営業運転に支障が出たのは初とのこと。エントリーしたオーナーとしては参加したいけれど、高速道路が通行止めで泣く泣くエントリーを断念したケースも相次いだ。 それでもなんとかエキサイティングポルシェは無事に開催することができた。こうして、100台以上のポルシェが今年も横浜赤レンガ倉庫に集結した。 ■「エキサイティングポルシェ」とは? エキサイティングポルシェ(EXCITING PORSCHE/EXP)とは「オーナーの大切な愛車、自慢の愛車をお披露目する場」であるということ。横浜赤レンガ倉庫に愛車であるポルシェを1日展示できるいわば「晴れ舞台」だ。初開催は2007年。当初は「エキサイティングポルシェミーティング(EXCITING PORSCHE MEETING/EPM)」だったが、6年前に現在のイベント名へと改称している。 エキサイティングポルシェの参加台数は150台前後。先着順のため、エントリー開始から数時間で枠が埋まってしまうほどの人気イベントだ。当日、雨のなか横浜赤レンガ倉庫に集結した100台以上のポルシェを可能な限り撮影したので、モデルごとに分けて紹介する。 ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェ911(ナロー)編 エントリーリストには356やナローポルシェをはじめとする多くのクラシックポルシェがエントリーしていた。そのなかには356Pre-AやカレラRS 2.7なども含まれる。イベント当日朝の雨もあり、多くのオーナーが参加を断念したようで、今回のエントリーは少なめであった。 ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェ911(930)編 1974年のデビューから今年はちょうど50年。アニバーサリーイヤーということもあり、雨にも関わらず数多くの930型がエントリー。初期のモデルからカレラ、ターボとさまざまな930が集結。なかにはフラットノーズや'74RS 3.0ルックと思しき個体もエントリーしているあたり、エキサイティングポルシェならではといえるだろう。 ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェ911(964)編 例年はエントリー台数が多いはずの964型も、今年は少なめ。気づけば30年選手のモデルだけに、雨の日はエントリーを断念した個体がいたのかもしれない。それでも、年々貴重な存在となりつつあるオリジナル度高めの個体や、シュトロゼックのコンプリートモデルもエントリーしていた。 ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェ911(993)編 964型と同様に、エントリー台数が多いはずの993型も今年は少なめ。イベント常連の993GT2も今年は不参加。今回エントリーしていた993はいずれも独自のモディファイを加えた個体が中心だった。空冷最後の911だけに、964と同様に雨によるエントリーを断念した個体が多かったのかもしれない。 ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェ911(996)編 エンジンが水冷化された初の911でもある996型。このモデルも気づけばクラシックポルシェの仲間入りしている。今となっては懐かしさすら感じる前期モデルのカレラ(992型に比べると小さく見える)や、GT3およびGT2、ゲンバラのコンプリートモデルもエントリーしていた。若い世代のオーナーも見掛けたので、今後の盛り上がりに期待したいところだ。 ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェ911(997)編 2004年にデビューした997型も、いまやクラシックポルシェのカテゴリーに属するモデルとなった。昨年と同様に今年も997型のエントリーは少なめ。ターボやGT3などのスペシャルモデル以外に、独自のモディファイを加えた個体もエントリーしており、見応えのあるカテゴリーだった。 ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェ911(991)編 近年のエキサイティングポルシェでは勢力を拡大中(?)の991型。今年もエントリー台数が多く、さまざまなモデルを見比べるほど。中古の911を購入するとなると、991型が魅力的なポジションにあるのかもしれない。前期/後期モデル、ターボ、GT3、RUFなど、バラエティ豊かなカテゴリーであった。 ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェ911(992)編 そして現行モデルにあたる992型。最新のGT3RSがエントリーしており、注目を集めていた。その他、タルガやカブリオレ、カレラTなど、数は少ないながらも珍しいモデルがエントリー。今後、台数が増えていくことが予想されるので、来年以降のエキサイティングポルシェに期待したい。 ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェ924/944/928編 常連組の924が今年も雨のなかエントリー(おつかれさまでした!)。944が4台、928が2台集まるのも、エキサイティングポルシェならではの光景。今回は968のエントリーがなかったので、オーナーの方、来年のエキサイティングポルシェへのエントリーをお願いします! ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェボクスター&ケイマン編 年々、参加台数が増えつつあるボクスター&ケイマン。初代ボクスター(986型)が参加しているかと思いきや、スパイダーRS、ケイマンGT4などが展示されていたり。レアなモデルの個々の違いを見比べられるのもエキサイティングポルシェならではの光景といえる。 ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェタイカン&パナメーラ編 エキサイティングポルシェ2024では、タイカンとパナメーラが1台ずつエントリー。セダンということもあるけれど、この2台は911などと並べるととにかく大きいことに気づかされる。それほどクルマに詳しくない人でも、タイカンやパナメーラを見れば何となくポルシェっぽいデザインと思わせる力量はさすがだ。 ■エキサイティングポルシェ2024:ポルシェライフを支える各ショップ 年代やモデルを問わずポルシェライフを支える各ショップも、雨のなかブースを出展。普段はネットでしか見られないアイテムを直に触れることができたり、なかには掘り出しモノがあったり…。普段聞けないこと、疑問に思っていることをプロフェッショナルに相談できるまたとない機会でもある。ポルシェオーナーはもちろんのこと、ポルシェオーナー予備軍の方も多いに参考になるので、次回の開催時には思い切って疑問や質問をぶつけてみてはいかがだろうか。 ■エキサイティングポルシェ2024:まとめ 台風くずれの熱帯低気圧が接近し、イベント当日の午前中は強い雨にも見舞われたエキサイティングポルシェ2024。例年とは異なり9月上旬の開催なので、肌寒さを感じることがなかった分、蒸し暑いくらいの気候だった。 エキサイティングポルシェに限らずだが、イベントの運営スタッフが全力で頑張ったとしても、一部の参加者やギャラリーの迷惑行為が決定打となり、来年以降の開催ができなくなってしまう。 毎年、主催者が運営会社に申請し、許可がおりてはじめてエキサイティングポルシェの開催が決まる。つまり、次回も必ず開催できるとは限らないのだ。これはエキサイティングポルシェにエントリーする全オーナーが知っておくべき事実だろう。 参加者の皆さま、各ショップの皆さま、そして運営スタッフの皆さま、今年も本当におつかれさまでした。 次回の開催は、2025年3月30日(日)神戸メリケンパークとのこと。大変だ思うが、来年の11月の横浜赤レンガ倉庫の開催も(もしかなうなら)お願いしたいところだ。 [ライター・撮影/松村透]  

ヒトもクルマもオーバーヒート寸前!? 真夏の初音レーシング走行会潜入レポート
イベントレポート 2024.09.10

ヒトもクルマもオーバーヒート寸前!? 真夏の初音レーシング走行会潜入レポート

昨年、筆者が参加した「初音レーシング」の走行会が今年も開催された。 今年は昨年よりもスケールアップする走行会との情報をキャッチし、体験走行に筆者もエントリーしたので、その模様をお届けしたい。 ■今年の初音レーシングの走行会はさらにスケールアップ! 昨年取材した「初音レーシング」から今年も富士スピードウェイのレーシングコースを使用した走行会を行うとのオファーがあった。   昨年は1回の走行枠だったが、今年はなんと走行枠は2回に増え、プロレーサーによるアドバイスも受けられるとのことだ。   早速問い合わせをしたところ、走行枠は希望者多数ですぐに埋まってしまったとのことで、体験走行枠の空きがあったため、すかさず申し込みを行った。   もちろん、メインの痛車展示も実施され、さらに出展企業もスケールアップするとのこと。   楽しみでしかたない状況で当日を迎えた。   開催日は見事な快晴で、連日全国的に猛暑が続いてはいたが、富士スピードウェイの立地に助けられた。   日陰に入れば風が心地よく感じることができ、ちょっとした避暑地感覚だ。   今回出展ショップも増えており、スポーツ走行に欠かせないアイテムの販売や、旧車乗りの部品事情に寄り添った展示も行われた。 ■サーキット走行までの準備 体験走行の受付を済ませ、フリー走行向けのブリーフィング(説明)が行われた。   ブリーフィングは、コースを走るうえでのルール、走行にあたっての注意事項、危険などを知らせる旗の意味について説明が行われる。   今回、併せて初心者講習も実施された。   走行車輌の車内映像を使用し、コース上の気を付けるポイントについても分かりやすく説明を行った。   ブリーフィング後はサーキットのルールに合わせ、ライトなどへの飛散防止テーピングという準備もあるが、走行以外の時間を過ごすための準備についても紹介しよう。   走行会に多く参加されている方は、走行時間以外の勝手がわかっているため、休憩場所の設営も参考になる点が多かった。 タープ型テントを利用されている方は、予期せぬ風で動かないよう、柱に重り代わりに工具箱などの重量物を取付けて対策されていた。   走行会は朝早くから行動することが多い。仮眠をとるために一人用のテントを準備して休憩されている方もいた。 サーキットを走行にあたり、車載映像を撮る方も多くいる。   ハッチバックタイプのエッセのオーナーはボディ補強のリアピラーバーにカメラを取付けていた。 これならしっかりと固定ができ、さらに運転状況と車内からの走行シーンが撮れることもあり、ベストポジションだった。 ■プロによる富士スピードウェイ攻略法講義はまさに必見! 今回、スーパー耐久等で活躍されているプロレーサーの加藤 芳皓(カトウ ヨシヒロ)選手が講師として参加されていた。   本来ならば、体験同乗走行も企画されていたが、あいにくのマシントラブルによりそのイベントは中止となってしまった。   しかしその分、質問コーナーは濃いものとなった。   加藤選手にとって、富士スピードウェイのレーシングコースは、庭のようなものである。   各コーナーの特徴や注意点はすべて頭に入っている状態だ。   参加者からの質問に対しても、親切かつ的確に答えていた。   走行経験者なら共感できるあるあるネタなどを交え、途中笑いが起きるようなアットホームな環境でトークが行われていた。   1本目の走行後に行われた質問コーナーでは、実際に走行した際に感じたことを基にした質問が多く出ていた。   ライン取りの仕方、加減速のコツについて、レース車輌の車載映像も用いて実際のドライバー目線でどこに目標を置くべきかといった解説は伝わりやすかったはずだ。   また、質問者の乗っているマシンに合わせたアドバイスも行われ、2本目の走行時に試したドライバーは多かったはずだ。   今回のようにプロレーサーから直々に質問を行いアドバイスもらえるという機会はなかなか経験することができない貴重な体験となった。 ■本コースの体験走行を初体験 今回筆者にとってのメインイベントである体験走行の時間がやってきた。   この体験走行は先頭車に続いて2周レーシングコースを走ることができるイベントだ。   フリー走行の車輌は、完熟走行という事前確認も合わせて行う。   体験走行参加者は、乗ってきたクルマでヘルメットの着用不要、普段通りの服装(もちろんサンダルNGといった最低限のルールはある)で走行ができる。   しかも同乗走行も可能なため、一緒に来た仲間や家族を乗せて走ることも可能だ。   今回も遊びに来ていた友人やご家族を乗せて体験走行をしている方が多くいた。   ルートとしては、ピットからメインコースに入って走行する形になる。   スーパーGTのようなレーシングカーの車載映像で見た景色が、同じ視点で実際に見えることに感動を覚える。   レース映像やスタンドから見るコースはそこまで幅が広くないと思っていたが、実際に運転すると道幅は驚く程の広さだ。   コカ・コーラコーナーは視覚的に広く感じるためか、実際に走ると思っているよりも速度が乗っていることに途中で気がついた。   場所によっては遠心力でクルマはアウト側に引っ張られていく。   本当のレーシングスピードで走ったときにどうなってしまうのだろうか?と気になっている間にアッという間に2周は終了してしまった。   いつかはフリー走行も経験してみたいと思う大変すばらしい経験となった。   きっと、同様の思いになった参加者も多いことだろう。   ■個性豊かな参加車輌たち   ここからは、筆者の琴線に触れた、ちょっとマニアックな車輌の紹介。   今回の参加車輌、ギャラリー車輌のなかでひときわ目立っていたのが、このいわゆる顔面スワップといわれているカスタムを施した、フロントフェイスが変わった3台のV35型スカイラインたちだ。 オーナーにお話を伺ったところ驚きの関係性が判明した。   最初V35型スカイラインクーペにV37型スカイライン(セダン)のフロントフェイスを移植したことがスタートとのことだ。   その際に、不要となったV35型スカイラインクーペのフロントフェイスをV35型スカイラインセダンに移植したとのことだった。 V35型スカイラインはセダンとクーペでデザインが大幅に異なる。   同型でもボディ形状の違いから移植するのは困難なところ。この循環型フロントフェイスはある意味SDGsに当てはまるのではないだろうか?(笑)   そしてもう一台は、Y51型フーガのフロントフェイスを移植していた。   オーナーとしてはまだ完成形ではないとのことだったが、ボンネットを加工してボンネットピンを利用した装着に強いこだわりを感じた。   やはりクルマ好きが集まるイベントだけに、ギャラリーと体験走行で参加していた車輌も今やレアな存在のマシンが集まっていた。 いっぽうこちらは、RS13型180SXにM312S型ブーンX4だ。   なかなかフルノーマルの状態を維持している個体が少ない最終型180SXも現在ではレアな存在となっている。   さらに元々がレアといえるのがブーンX4だ。   出るタイミングが違えば…と思ってしまうが、ダイハツにはまた元気印のクルマを出してもらいたいと切に願っている。 そして、S13型シルビア、RS13型180SX、GG型インプレッサの並びは、フリー走行と体験走行にエントリーされたグループだ。   この並び、10年ほど前の走行会ではよく目にした並びだ。   シルビアはフリー走行参加車のため、走行前にテーピングや空気圧調整を体験走行に参加する仲間とおしゃべりしながら準備されていた。   体験走行の枠があるのは、見学に来た仲間も見るだけでなく走る楽しみも共有できるチャンスとなる。 フリー走行にエントリーしていたEK9型シビックと両隣のBMWは関西からの遠征組だ。   驚くことにシビックは女性オーナーで、富士スピードウェイの走行は初めてとのこと。   そのため、手前のBMW M2の師匠が1本目は先導して走り方をレクチャーしていたそうだ。   普段は関西エリアのサーキットをM2と一緒に走行して楽しまれているという。   走行会がお盆休みのタイミングもあり、普段とは違うサーキットを楽しむことも可能なのだ。   協賛ショップのホンモノドラッグマシン展示も行われた。 今回多くの協賛ショップが出店していたが、そのなかで「BLACK LINE」がSC300(3代目ソアラ)ベースのドラッグマシンを展示していた。   普段見る機会がないドラッグマシンを間近に見て、このマシンに搭載されたタービンの大きさなどに多くの人が足を止めていた。   閉会時、エンジン始動とレーシングパフォーマンスが行われ迫力あるエンジンサウンドを耳にすることができた。   ■まとめ   もし、フリー走行に興味がある方は、まずは体験走行を経験されることをオススメする。   今回筆者が体験走行をしたことでサーキットの雰囲気を経験することができた。   フリー走行のようなレーシングスピードで走る前に、ぜひ体験走行を経験してもらいたいと思う。   走行時間以外にも楽しめる催しや出展があり、大変楽しい一日となった。   気になった方は、是非体験走行またはフリー走行のエントリーを。   運営の「初音レーシング」関係者の皆さん、ありがとうございました。   次回も期待しております! [ライター・画像 / お杉]

イタリア本場のクラシックカーレース1000 MIGLIA(ミッレミリア)の秘密〜歴史解説編〜
イベントレポート 2024.07.09

イタリア本場のクラシックカーレース1000 MIGLIA(ミッレミリア)の秘密〜歴史解説編〜

日本でクラシックカー好きの方なら、一度は耳にしたことがあるであろう「La Festa Mille Miglia(ラ・フェスタ・ミッレミリア)」。 クラシックカー愛好家のためのカーレースイベントです。 この大会、実は起源はイタリアにあるってご存知でしたか? 今回の記事では、そんな本場のミッレミリアの歴史や背景、そして2023年の大会のレポート、ウィキペディアではわからない深堀情報や、現地の愛好家から聞いた話などをお届けします。 ■クラシックカーの通過を待っている間に古参のミッレミリアファンと仲良くなる 北イタリアでは毎年恒例のこのイベント。 2023年の開催は6月13日〜17日でした。 私が住むモデナ地区には、15日に参加者と参加車が通るということで、各街の通過予定時間をインターネットでチェックし、さっそく見に行くことに。 毎年恒例のイベントで、とりわけクラシックカーが大好きというわけではない一般人も、地元のお祭りのような感覚で見物に行くほどの知名度です。 家の近くの大通りでクルマの群れの通過を待っていたのですが…なかなか来ない…。 時刻は18:00を過ぎていましたが、夏の日照時間の長いイタリアではまだまだ日中のような強い日差しが照りつけており、気温は27度。 直射日光の下、私と同じようにクルマを持っている地元のみなさんと「暑いですね〜」「今年は結構遅れていますね〜」と立ち話をしているうちに、隣で待っていた方と仲良くなりました。 お名前はジャンカルロさん。 聞けば、彼は何十年も毎年ミッレミリアを楽しんでいる古参ファンだそうです。 今年もちょっと良いカメラを片手にクラシックカーの通過を待っており、良いショットを撮るのを楽しみにしているとのこと。 私が「日本語でミッレミリアの記事を書きたいんです」と言うと、「ミッレミリアのことなら俺に何でも聞きな〜。もう長年見てきているからね」と言ってくださいました。 ということで、遠慮なく色々聞くことに。 ▲ジャンカルロさんによると、ここ数年なぜか開催日に毎年雨が降るというジンクスがあり、「オープンカーに乗っている人たちはずぶ濡れになってかわいそうだった。今年はせめて晴れて良かった」とのことでした ■現地の古参ファンによるミッレミリア歴史解説 「もともとのミッレミリアは、スピードを競う本気のカーレースだったんだよ。」と語るジャンカルロさん。 元祖のミッレミリアは1927年から1957年までおこなわれていたのだそうですが、1957年レース中に9人の死者が数名出る惨事が起きてしまいました。 事故原因となったクルマはメンテナンスに問題があり、走行中に突然タイヤがバーストしてしまったのですが、当時は道路と歩道の境界が曖昧で、観客とクルマの距離が非常に近かったため、このような惨事につながってしまったそうです。 この事故以来、民衆の意見を尊重する形で大会は無期限停止に。 しかし20年の時を経て、1977年に「またあのころのミッレミリアを復活させよう」という動きがあり、大会が復活。 ただしそこからは、カーレースという形だけを残し、実際は愛好家たちの楽しみのためのカーラーリーイベントの趣向を強くして、再スタートしたのでした。 最近では、特にイタリアの観光業ともタイアップしたイベントとして進化を遂げています。 2023年の大会では前年までよりコースも日程も長くなっていますが、これも「もっと色々な街と景色を楽しめるように」という観点からの工夫です。 当然ミッレミリアのコース上に該当する街では、大会中ホテルやレストランの景気も良くなるため、クラシックカーの力で観光業界を盛り上げるという意味も入っています。 ■ウィキペディアではわからなかった小話 1957年、大会凍結の原因となる事故を起こしたのはフェラーリ。 以前クラシックカーのバイヤーをしていたジャンカルロさんによると、その年以降数年は、事故を起こしたフェラーリのモデル・335Sが一気にイメージダウンし、イタリア国内で値段が大幅に下落したそうです。 事故当時、フェラーリの創業者であるエンツォ・フェラーリは、その責任を問われて訴訟されるほどだったとのこと。 ただしかなり時間を置いてからは、イギリスなど他の国である種のプレミア価値がついたのだとか。 さて、ここまでのミッレミリアの歴史話を興味深く伺っているうちに、モデナの街は夕焼け色に染まってきました。 そして待機開始から1時間以上経ったころ、ようやくミッレミリアの出場者が通り始めました! よく見ると…とある時点からフェラーリの群れが! モデルや色にバリエーションはあるものの、全部フェラーリです。 これはクラシックカーなのか…?という感じの比較的新しいモデルのフェラーリも数多く通りました。 大会の趣旨としては、参加するクルマは大会が求める基準をクリアしている必要があり、ヴィンテージカーや歴史的に価値のある車輌が重視されているはずなのですが…実際はどうなのでしょう。 フェラーリの創業時の、元々のメインカラーであった黄色のフェラーリも通りましたよ! フェラーリの原産地、モデナの住人はだいたいフェラーリに誇りを持っているので、私も次々にやってくるフェラーリには自然と親近感が湧き、見ていて嬉しくなりました。 ここからどんどん他のタイプのクラシックカーもやってくるわけですが、お話の続きは次回の記事にて! [撮影 / Fabio・ライター / Maya.Y]

日本ならではの自動車文化の一端を垣間見た「オートモビルカウンシル2024」
イベントレポート 2024.04.30

日本ならではの自動車文化の一端を垣間見た「オートモビルカウンシル2024」

去る2024年4月12日〜14日にかけて、幕張メッセで開催された「オートモビルカウンシル2024」の模様を取材した。 今回が9回目の開催となるオートモビルカウンシル。前回に引き続き、今回も「Classic Meets Modern and Future」のテーマだった。 出展者数は過去最多の113を数え、自動車関連商品等の販売店(マルシェ)が34社、オーナーズクラブが4団体、フード・ドリンクのコーナーが9店舗と、年々規模が大きくなっている感がある。ちなみに、来場者数も過去最高の39,807人。気の早い話だが、第10回となる2025年は5万人を突破する可能性もありそうだ。 ■自動車メーカー&インポーター トヨタは「トヨタ クルマ文化研究所」と銘打ってブースを出展。日産は「LOVE GOES ON - Nissan Lovers Every Customer-」、マツダは「ロータリースポーツカーコンセプトの歴史と未来」のテーマをそれぞれ掲げていた。 ホンダはシビックをメインに、そして三菱も、パジェロやギャランVR-4、ランサーエボリューションのラリーカーを展示していた。 ついに、というか、いよいよというべきか。日本車メーカーによる、古いクルマに対する対応が手厚くなりつつある印象を受けた。いまどき、ここまでいい切ってしまってから「やっぱりやめます」というわけにはいかない。これまで積み上げてきた期待値が一瞬でゼロになってしまうからだ。 メーカーサイドとしても後戻りが許されない「不退転の決意」だと思う。「はじめの一歩」のハードルは高いと思うが、来年はぜひスバルをはじめとする他の日本車メーカーの出展も期待したい。 そしてインポーターは、ポルシェジャパン、マセラティジャパン、BYD Auto Japanの3社が出展。ポルシェジャパンは、ポルシェライフスタイルの新たなカテゴリーである「ターボNo.1コレクション」のプレゼンテーションを行った。 また、マセラティジャパンは独自のカスタマイズプログラム「マセラティ・フォーリセリエ」を施した「グレカーレ トロフェオ」と「クアトロポルテ V6 2.8 エヴォルツィオーネ(4代目)」を展示。さらにBYD Auto Japanは、発売間近の「シール」と「ATTO 3」を展示。3社とは少し寂しい。予算の関係か本社マターの決済が必要なのかは分からないが、他のインポーターのエントリーも期待したいところだ。 ■ヘリテージカー販売店出展車両 ヘリテージカー販売店は35社が出展。気に入った個体を購入することもできる。全体的にドイツ車を中心にヨーロッパ車が多めな印象。海外のクラシックカーイベントと同様に、空冷911が人気。オリジナルにこだわる個体があるいっぽうで、独自の解釈がなされたレストモッドされたクルマも見掛けた。 また、ヤナセクラシックカーセンターからは1969年式メルセデス・ベンツ280SEをはじめ、1988年式メルセデス・ベンツ560SL、1992年式メルセデス・ベンツ500E、1993年式メルセデス・ベンツ500SL、1995年式メルセデス・ベンツ280TEの5台が展示されていた。 実は20年ほど前に、あるイベントでR129型の500SLが100万円そこそこで売りに出されているのを見てショックを受けたことがある。ちなみに、展示されていた500SLの販売価格は670万円とのこと。ずいぶんと高くなったと思いつつ、本当に欲しい人が手に入れるのだろうから、これはこれでいいのかもしれない。 その他、カニ目や貴重なブリストル、すっかり見掛ける機会が減ったフェラーリ テスタロッサ、プジョー406クーペの姿も。いずれもそれ相応の資力がなければ手に入れることは困難だが、こうして眺めているだけでも眼福といえる気がする。 ■見みどころ満載だった企画展 3月13日にこの世を去ったカーデザイナー、マルチェロ・ガンディーニ氏の追悼企画が急遽追加され、「ミウラP400」と「カウンタックLP400」のほか、ガンディーニ氏の傑作のなかから厳選した「ランチア・ストラトスHFストラダーレ」「ディーノ308gt4」「アルファ・ロメオ・モントリオール」が展示されていた。 そして、この記事の公開日の翌日の5月1日は、もはや伝説のF1ドライバーとなったアイルトン・セナがこの世を去ってから30年。そのため「アイルトン・セナ没後30年特別企画」が実現。 「JPS ロータス 97T ルノー(1985年)」「マールボロ・マクラーレン MP4/5B ホンダ(1990年)」「マールボロ マクラーレン MP4/6 ホンダ(1991年)」、そして「ホンダ NSX タイプR プロトタイプ」の4台、さらにセナが愛用したレーシングスーツおよびヘルメットが展示され、各々のギャラリーがセナへの思いを馳せていたようだ。 また、歴代フォルクスワーゲン ゴルフのなかからGolf1、Golf2、Golf4、Golf7、Golf8が展示されており、進化の過程を観察することができた。さらに、「アメリカンヘリテージ」の名車達と題して、1963年式シボレー コルベット、1967年式シボレー カマロRS、1970年式ダッジ チャレンジャーR/T 440+6 コンバーチブル、1976年式AMCジープJ-10、1983年式AMCイーグル ワゴンの5台が展示され、イベントに花を添えた。 ■まとめ:来年は10回目となるオートモビルカウンシル 春に開催されるクルマのイベントとして定着した感のあるオートモビルカウンシル。来年は記念すべき第10回開催となる。おそらくはさまざまな試行錯誤を繰り返しながら「オートモビルカウンシルとしてのスタイル」が少しずつ確立していくのだと思う。 初期の頃とはイベントの中身が変わってきたという声も耳にした。そのいっぽうで、現在のスタイルが好ましいという人もいるだろう。それぞれに想い入れやこだわりがあるだけに、すべてのファンの希望を叶えることは難しいだろう。 しかし、この種のイベントは続けることが何よりも大変であり、同時に重要だと思う。いちど休止してしまうと復活するハードルが一気に高まるからだ。 東京オートサロンやノスタルジック2デイズなどと同様に、多くのクルマ好きにとって欠かせないイベントとなってくれることを願うばかりだ。 [ライター・撮影/松村透]

今年で5回目となる「スーパーアメリカンガレージ朝霞の森 2024」イベントレポート
イベントレポート 2024.04.29

今年で5回目となる「スーパーアメリカンガレージ朝霞の森 2024」イベントレポート

2024年4月7日、埼玉県朝霞市にある「朝霞の森」にて『スーパーアメリカンガレージ朝霞の森 2024』が開催された。 週間天気予報では、この日の予報は雨。しかし、主催者の増井淑博氏は自他ともに認める晴れ男であり、この予報を覆した。結果、イベント当日は見事なまでの晴れ! さらに、少し暑いくらいの陽気で、過去10年でもっとも開花が遅れたというソメイヨシノも楽しめる絶好のイベント(お花見)日和となった。 ■普段はめったに観られないアメ車が朝霞の森に多数集結! 午前9時をまわる頃には、どこからともなく「ドコドコ」と野太いV8エンジンサウンドを轟かせながら続々とアメ車が朝霞の森に集まってきた。最新のモデルはもちろん、1950年代のアメ車も少なくない。 70年前のクルマが、生まれ故郷であるアメリカから遠く離れた日本の地で素晴らしいコンディションを保っているのだ。現地の人が見たら驚くに違いない。 ■アメ車以外のクルマも個性豊か! フォルクスワーゲン ビートル(Type1)や、お父さん世代には懐かしいGX71系のトヨタ マークII、トヨタ ハイエースのカスタムカー、日産スカイライン(R34型)の展示もあり、こちらも注目を集めていた。以前、左ハンドル仕様のマツダMPVが展示されていてびっくりしたけれど、今回はエントリーしていなかった模様。 ■朝霞市の公認イベントならではのゲスト!朝霞市長はアメ車好き!? 埼玉県朝霞市が後援するイベントということもあり、開会の挨拶には現朝霞市長が登壇。若き日の市長がトランザム乗りであったのだとか。 また、外務大臣政務官を務める衆議院議員のほさかやすし氏も登壇し、このイベントが地元に根ざしていることが実感できた。 ■スーパーアメリカンガレージ朝霞の森には欠かせないライブも スーパーアメリカンガレージ朝霞の森の主催者である増井淑博氏は音楽プロデューサーとしての肩書きも持っている。そのキャリアを活かし、メインステージではミュージシャンによるライブが行われた。ギャラリーもノリノリ。イベントを大いに盛り上げていた。 ■スワップミートも見所満載 スーパーアメリカンガレージ朝霞の森に欠かせないプログラムに「スワップミート」がある。ファッション、ガレージに飾るグッズ、ミニカーなど、目移りするアイテムばかり。 思わぬ掘り出しモノが見つかる確率が高いので、衝動買い気味の人は要注意だ(笑)。キッチンカーも多数出店しているので、好みやその日の気候に合わせていろいろ選べるのも嬉しい。 ■まとめ:1人でも多くの人にアメ車の魅力を知ってもらいたいと願う増井氏の想いを形に イベントの主催者である増井氏には「より1人でも多くの人にアメ車の魅力を知ってもらいたい」という強い想いがある。 スーパーアメリカンガレージ朝霞の森のエントリーフィーは記念シャツとステッカー付きで5000円という、参加者にとって良心的な価格設定もかなり魅力的だ(エントリーは当日の受付のみ)。 そして、2024年10月20日(日)には、お台場ウルトラパークにて、31回目となる「スーパーアメリカンフェスティバル2024」が開催される。7月からエントリーを開始するとのことだ。詳細は公式サイト(http://amefes-since1992.net/)まで。 また、増井氏のFacebookページ(https://www.facebook.com/masuiyoshihiro/)でも告知される予定なので、そちらも合わせてチェックされたし! [ライター・撮影/松村透]

3人の主催者に聞いた!横浜赤レンガ倉庫『YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~とは?』を初開催してみて
イベントレポート 2024.04.18

3人の主催者に聞いた!横浜赤レンガ倉庫『YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~とは?』を初開催してみて

去る2024年3月20日(水)、横浜赤レンガ倉庫で【YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~】が初めて開催された。 横浜赤レンガ倉庫で開催されるクルマのイベントはいずれも華やかで、偶然、その場を訪れた人を楽しませるエンタメの要素も持ちあわせている。 そして今回、新たなアプローチでクルマのイベントが開催された。 「若者たちのカーライフ」。 (以下、オフィシャルサイトより転載)若者が所有するクルマ達約100台を横浜赤レンガ倉庫に展示!35歳以下の若者達が、趣味として楽しむ自慢のクルマ達を展示いたします。場所はなんと横浜赤レンガ倉庫!!展示車両のレギュレーションは無く、国籍、年代問わず様々な車種が集まります。皆様ぜひ遊びにお越しください。 あえてこの切り口を前面に出し、開催にこぎつけた主催者の方たちの想いとは? イベント当日、ご多忙のなか、主催者である後藤氏、本田氏、甲野氏が取材に応じていただいた。 ── 抜群のチームワークに映りますが、皆さん知り合って長いんですか? ▲左から甲野大輔さん(ホンダS2000)、後藤和樹さん(いすゞピアッツァ)、本田浩隆さん(シトロエンBX) 本田さん(以下、本田):私と甲野は私が高1、甲野が中3の頃からの長い付き合いです。  甲野さん(以下、甲野):学年こそひとつ違いますが、幼馴染みたいな感じですね。  後藤さん(以下、後藤):私はここ3〜4年くらいです。某パーキングエリアに寄ったとき、BXがいるなーって思いました。  本田:俺もピアッツァがいるなーって。 本田:BXに興味津々の後藤から声を掛けられて、「もしかしてピアッツァのオーナ ーさんですか?」って尋ね返したのが運の尽きです(笑)。 ── それぞれおいくつですか? 後藤:26才です。 甲野:27才です。 本田:29才です ── 企画から運営までどれくらいの期間がかかりましたか? 後藤:約1年です。ちょうど1年くらい前に本格的にやろうということになり、クルマ関連のミーティングを主催した経験がある本田と甲野にも声を掛けたんです。  ── 横浜赤レンガ倉庫の場所を押さえたということは行政に掛け合ったんですか? 後藤:そうです。企画書を作って横浜市に提案しました。 ── 企画書を作成するのは大変だったのではないですか? 後藤:毎年秋に「横浜ヒストリックカーデイ」 というイベントを主催している方を横須賀にあるリバイバルカフェさんに紹介していただきました。その方からイベントを提案するうえで必要な書類などのノウハウを伝授していただき、横浜市に企画書を提出したところ承認が得られたんです。 ── イベント開催日を3月20日を選んだ理由を聞かせてください 後藤:単純にこの日(3月20日)しか空いてなかったんです(笑)。 ── どうやってこれだけの台数を集めたんですか? 後藤:基本的に我々3人の友人を中心に声掛けしました。これまで各々が培ってきたつながりもありますし、本田と甲野は別のミーティングを主催していたのでイベント運営のノウハウもあります。私はイベントを企画することはできるけれど、クルマを集めて誘導する運営の方はこの2人のほうが優れてる。 僕らは全員横浜育ちなので、地元横浜赤レンガでってなるとこの2人と組んでやろうと。 ── このイベントを開催するうえでもっとも大変なことはなんでしたか? 甲野:「YOKOHAMA Car Session」というイベントを横浜赤レンガ倉庫で行います、という声掛けはもちろんのこと、参加費の集計と管理ですね…。入金状況を確認して、未入金の方に個別でリマインドしたり、直前でキャンセルが出て、別の方に声を掛けたり。 後藤:参加台数を100台は確保したかったんです。なのでイベント覗きに行くね、といってくれた方に「枠空いたから並べてみませんか?」とお声がけしたパターンもあります。 ── 初開催ですし、準備も大変だったんじゃないですか? 後藤:大変ではありましたが、徹夜するほどではなかったです。前週の週末に深夜2時くらいまで準備したのがもっとも遅かったくらいですね。 甲野:3人ともサラリーマンゆえ、平日はそれぞれに本業があります。その合間を縫いつつも3人の役割分担を明確にして、密に連携できたのが良かったです。 ── このイベントにはサポートメンバーの方も? 後藤:います。10人ほどの友人に協力していただき、会場内への誘導などはサポートメンバーにお願いしました。自分たち3人はこうしてメディア対応もできるようにしたかったですし。彼らの協力なくしては成り立たないイベントです。 ── とはいえ、1日仕事です 後藤:おそらく「イベントをやるぞ」っていう熱意と同じくらい大事なのが人脈なのかもしれません。やりたいって思い立ったとき、人のつながりを広げて大切にしていれば、「君たちがやるのなら手伝うよ」っていってくれる人が出てきてくれるのかなと…。 甲野:この3人ならではのネットワークが強みになったところはありましたね。この3人って、クルマへの情熱や向いている方向は一緒なんですけど、クルマの趣味嗜好は割りと違うんですよ。だからこそ、バラエティに富んだ「面白味」が出せるのかもしれません。それぞれが趣味に本気で向き合ってきている分、その路線ごとに友だちがいますし。 ── 敢えて伺います。大変なこともあったと思いますが、開催してよかったですか? 後藤:メチャクチャよかったです!開催までは不安なんですよ。昨日の夜なんかは3人で仕事終わりに集まって、いよいよ明日だよって…。でも、横浜赤レンガ倉庫で開催できたことで、「若者にもこれだけ熱いクルマ好きがいますよ!」ということがアピールできたと思うんです。 本田:例えばご高齢の方が大事に乗ってきた愛車を泣く泣く手放すことになったとき「今の若い人のなかにもクルマ好きがいっぱいいます。だから若い世代に安心してお任せください!」ということを伝えたいという想いもありました。 クローズドなイベントと違って、ここ(横浜赤レンガ倉庫)なら、偶然訪れた多くの人の目にも触れることができますから。 甲野:あとは赤レンガの公式サイト、みなとみらい21の公式サイトなどでイベントの告知をしてもらいましたし。それも功を奏してこれだけの人が集まってるのかなって思ってます。ちなみにそこに停まっているゼロクラウンは走行距離43万kmなんですよ。10万kmの中古で買って、1人で30万km以上乗っています。 甲野:彼に限った話ではなく、今回のイベントに参加してくれた人は「このクルマじゃなきゃダメなんだ」という意識で乗っているオーナーが多いですね。もちろん我々3人も含めて。 ── 若者のクルマ離れって言われて久しいと思うんですけど、実際にどう思いますか? 後藤:昔に比べたら数は減っているかもしれませんが、私はそうは思えません。10年前に1回いわれたクルマ離れからもうそれだけが1人歩きしてしまっている現状はあると思うんです。 「若者のクルマ離れ」が叫ばれた世代って私たちよりも上の世代なんです。30代半ば〜40歳くらいの方のイメージです。私たちの世代は親がクルマ好きだったり、頭文字Dやグランツーリスモにハマった世代なので、少し異なるかもしれません。 ── 同感です!少し気が早いですが、来年の開催はありますか? 3人:現時点では未定です。でも、今回の反響次第では来年も開催したいという想いはあります!! ── まとめ:多くの一般来場者が訪れる「横浜赤レンガ倉庫で開催したこと」に意義がある 「若者のクルマ離れ」という、ある意味では本当で、ある意味では幻想にすぎないキーワードに危機感を抱いているのはおじさん・おばさん世代ばかりではない。むしろ、当事者である若い世代の方が「たしかにそうかもしれないけれど、そんなことはない」と自らイベントやオフ会を各地で企画し、クルマの魅力を伝えている。 今回の横浜赤レンガ倉庫で【YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~】がそれらのイベントと一線を画すのは、多くの一般来場者が訪れる「横浜赤レンガ倉庫で開催したこと」にある。 しかも、単なる愛車自慢大会ではなく「クルマ好きが存分にアピールできた」ことも大きい。ストレートに表現するなら嫌味がまったくないのだ。あくまでも等身大のカーライフを伝える。失礼ながら「クルマエンゲル係数高め」な参加者もいたはずだ。 そしてノンジャンルとしたことも功を奏していたことだろう。国内外の珍しいクルマから懐かしいクルマ、マニアから一般の方まで、クルマに詳しくない人ならではの視点で楽しめる点に配慮されているように感じた。 次回の開催は未定とのことだが、横浜赤レンガ倉庫に自分の愛車が展示される快感を知ってしまったオーナーもいることだろう(笑)。さまざまなハードルはあると思うが、何とか赤レンガ倉庫で開催されるクルマ系のイベントのひとつとして定番化することを願うばかりだ。 ── 『YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~』関連記事 ●初開催『YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~』を取材して思うことhttps://www.qsha-oh.com/historia/article/yokohama-car-session-2024/ ●若きオーナーたちの愛車約100台が赤レンガ倉庫に集結!『YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~とは?(国産車編)』https://www.qsha-oh.com/historia/article/yokohama-car-session-2024-japanese/ ●参加できるのは30代前半まで!愛車約100台が赤レンガ倉庫に集結『YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~とは?(輸入車編)』https://www.qsha-oh.com/historia/article/yokohama-car-session-2024-import/ [ライター・撮影/松村透]

参加できるのは30代前半まで!愛車約100台が赤レンガ倉庫に集結『YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~とは?(輸入車編)』
イベントレポート 2024.03.31

参加できるのは30代前半まで!愛車約100台が赤レンガ倉庫に集結『YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~とは?(輸入車編)』

去る2024年3月20日(水)、横浜赤レンガ倉庫で初開催された【YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~】の模様を取材した。 横浜赤レンガ倉庫で開催されるクルマのイベントはいくつもあるが「若者たち」というくくりはおそらく初めてではないかと思う。 イベントの主催者であり、地元横浜育ちである後藤氏、本田氏、甲野氏の3人が1年掛かりで実現にこぎつけたという。 ■YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~とは? ▲左から甲野大輔さん(愛車はホンダS2000)、後藤和樹さん(愛車はいすゞピアッツァ)、本田浩隆さん(愛車はシトロエンBX) (以下、オフィシャルサイトより転載)若者が所有するクルマ達約100台を横浜赤レンガ倉庫に展示! 35歳以下の若者達が、趣味として楽しむ自慢のクルマ達を展示いたします。場所はなんと横浜赤レンガ倉庫!!展示車両のレギュレーションは無く、国籍、年代問わず様々な車種が集まります。皆様ぜひ遊びにお越しください。 このときの印象は一足先に下記記事にまとめたので、ご一読いただければ幸いだ。 ●初開催『YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~』を取材して思うことhttps://www.qsha-oh.com/historia/article/yokohama-car-session-2024/ 当イベントに参加していたクルマを2回に分けて、1台ずつ紹介していく。2回目となる今回は「輸入車編」だ。 ■ドイツ ドイツ車は16台がエントリー。メルセデス・ベンツ、BMW、ポルシェ、アウディ、オペル、スマートなど…。幅広いモデルが展示されていた。 ポルシェ914は代官山蔦屋に展示されていたこともある個体なので、実車を観たことがあるかもしれない。 バブル世代には懐かしいアウディ90は、以前姉妹サイトである「外車王SOKEN」で取材させていただいた三上諒人氏の愛車であり、初代アウディTTは旧車王ヒストリアの執筆陣のひとりである林 哲也氏の愛車だ。ちなみにおふたりとも20代。 ■21才のオーナーがかつて父親が所有したクルマを愛車に選んだ理由とは?1991年式アウディ90クワトロ 20V(B3型)https://www.gaisha-oh.com/soken/audi-90-mikami/ ■林 哲也氏https://www.qsha-oh.com/historia/article/hayashi-tetsuya/ ■イギリス イギリス車も14台がエントリー。スーパー7をはじめ、ロータスエランやロータスエスプリ、ジャガーXJSなど懐かしいモデルが並ぶ。その他、クラシックミニやヴァンデンプラスプリンセスなど、エンスー度もかなり高め。たまたま現地で会ったクルマ仲間(おじさん世代)も「ほんとに若者の愛車なのか!クルマの方が年上ばかりじゃん!!やるなぁ〜」と目を丸くしていたほど(同感です)。 ■フランス 国別対抗(?)では最大勢力となったフランス車は21台がエントリー!70年代〜2000年代まで幅広く、スポーツ系からヘ○タイ系までバラエティに富んでいて度肝を抜かれた。プジョー405やルノーアヴァンタイムの実車を見たのは筆者も本当に久しぶりだったし、BXが3台もエントリーという時点でかなりヘ○タイ度の高めのイベントといえるだろう(笑)。困ったもんだ(もちろん良い意味で)。 ■イタリア フランスとくればイタリアでしょう!ということで10台がエントリー。フェラーリやマセラティがいなくとも十二分に華があった(360モデナのオーナーさんがエントリー予定だったものの、修理中で断念したとか)。こうして他国のクルマと並べてみると、ボディカラーがどれも艶っぽく映るのは気のせいだろうか。ヌヴォラブルーのアルファ ロメオ166、DTMで活躍した155、フィアットバルケッタ、クーペフィアット、500にパンダ…、アウトビアンキ、極めつけのランチアフルビアクーペ…。それまでは無縁だったイタリア車に乗ろうと決意できたのもこのイベントのおかげかもしれない。 ■スウェーデン スウェーデン車は6台がエントリー。角張った時代のボルボ、バブル時代は伊達男が乗っていたサーブ。いずれも令和の世の日本では見掛ける機会が減ってしまったけれど、こうして若い世代の方が大切に乗ってくださっていることに目頭が熱くなった。ちなみにグリーンのボディカラーが美しいサーブ9-3は、以前外車王SOKENで取材させていただいたしょーへいさんの愛車だ。 ■幼少期の8年間を一緒に過ごして別れたあと、運命の再会。20才のオーナーと1998年式サーブ9-3 クラシック 2.3ihttps://www.gaisha-oh.com/soken/saab-93-classic-shyouhei/ ■アメリカ アメリカ車も2台がエントリー。カマロの方はボディカラーが色褪せていたけれど、かえってこれが味になっていて雰囲気満点だった(3代目カマロも生産終了から30年以上。いつの間にかクラシックの領域に足を踏み入れていたことを実感した)。 ■出展ブース 今回のイベントには、名だたるショップや遠藤イヅル氏といった、クルマ好きであれば誰もが知るであろう豪華な顔ぶれがそろった。これも、主催者である後藤氏、本田氏、甲野氏の熱意と人徳によるものだろう。 ●LE GARAGE ・URL:https://www.legarage.jp・住所:東京都港区六本木5-17-1 AXISビル 1F・Tel:03-3587-2785・営業時間:11:00〜19:00(夏期休業・年末年始休業などは除く)・定休日:毎週水曜日 ●Auto Glanz ・URL:https://a-glanz.com・住所:埼玉県入間市小谷田2-1032-1・Tel:04-2968-7773・営業時間:10:00〜19:00・定休日:毎週月曜、第1、第3火曜日 ●遠藤イヅル ・Facebook:https://www.facebook.com/izuru.endo.9 ●リバイバルカフェ ・URL:https://revivalmiura.com・住所:神奈川県三浦市初声町和田2650-3・Tel:046-845-6224(予約番号もこちら)・営業時間:月火水 11:00~18:30、土日祝 10:00~18:30(L.O:フード 17:30、ドリンク&スイーツ 18:00)・Facebook:https://www.facebook.com/revivalmotorstationcafe/・X:https://twitter.com/revivalmiura・YouTube:https://www.youtube.com/channel/UC-IBrf9Q3OAmMg7mtZoOttw・Instagram:https://www.instagram.com/revivalmiura *貸切利用プランをスタートとのことで要チェック!!・11台/13名以上・時間:3時間・料金:平日/1名:4000円〜、土日祝/1名:4500円〜・ランチ/ドリンク/デザート/コーヒーor紅茶のフリードリンク付き ●Unilopal ・URL:https://unilopal.jp・Facebook:https://www.facebook.com/unilopal・X:https://twitter.com/unilopaljapan ●AUTOREVE ・URL:https://autoreve.jp・住所:146-0093東京都大田区矢口3-3-15・Tel:03-6427-5820・営業時間:10:00〜19:00・定休日:火曜日および第1、第3、第5水曜日・メール:contact@autoreve.jp・Facebook:https://www.facebook.com/autoreve.japan ●CCG ・URL:https://www.carcityguide.info・YouTube:https://www.youtube.com/@carcityguide・Instagram:https://www.instagram.com/car_city_guide/ ■まとめ:若きエンスージアストの皆さんにエールを! 国内外を問わず“ノンジャンル”というくくりで開催された【YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~】。 参加者の誰もがこの日の主役であり、スポットライトを浴びるに相応しいクルマだった。 オリジナル志向のオーナーがいるいっぽうで、時代考証をしっかりと行いつつ「当時はこんなモディファイをしていたんじゃないか」を追求していた個体もあった。 「自分のクルマなんだからどう煮て焼いて食おうとオーナーの自由」という考え方がある。これはこれで一理あるだろう。その一方で「いじくり倒して飽きたら売る」という行為に対しては個人的に疑問に思うところもある。 その点においては『YOKOHAMA CAR SESSION ~若者たちのカーライフ~とは?』にエントリーしていた方たちは「自身の愛車の価値や出自、そしてセオリー」を理解したうえで自分色に染めているように感じられた。 今回、参加した皆さんも、今後さまざまな理由で現在の愛車を手放すことがあるかもしれない。しかし「コンディション良好な個体」として、大切にしてくれるであろう次のオーナーが見初めてくれるはずだ。 なんだか上から目線で申し訳ないが、若い世代の方たちのカーライフを楽しみ、そしてクルマと誠実に向き合う姿勢は、ベテラン勢も大いに学ぶべきところがあるように感じた。 欲しいクルマが見つからない。昔が懐かしい。最近のクルマはツマラナイ。「現在」という時間の流れを否定して愚痴をこぼしているだけでは何の解決にもならない。 今回のイベントを企画したお三方、そして参加した皆さんのように、クルマという趣味と気の合う仲間たちとともに楽しむことでで初めて見える景色、そしてさらなる次のステップが現れるはずだ。 [ライター・撮影/松村透]

旧車王ヒストリアは
旧車買取20年以上の旧車王
が運営しています

旧車王は、「自動車文化遺産を次世代へ」という信念のもと、旧車・クラシックカーに特化して24年、年間11,000台以上の査定申込をいただいております。改造車から希少車まで、適正価格を見極めて買取させていただきます。弊社所属の鑑定士が最短当日で全国無料出張査定いたします。ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する二重査定は一切ありません。特別なそして価値ある希少車の買取こそ、確かなノウハウと実績を持つ旧車王にお任せください!

すぐ査定依頼が可能!

Web査定申込はこちら

まずは車について気軽に相談したい

LINEで売却相談する

カテゴリ一覧

# 旧車コラム # 旧車の魅力 # 旧車売買の豆知識 # 旧車市場動向 # 旧車メンテナンス # エディターズノート # ライタープロフィール # イベントレポート # ライフスタイル # 加藤久美子&博人の見識 # ドイツ現地レポ # ライター愛車レポート # タイレルP34を追え! # オーナーインタビュー # 名車&迷車烈伝 # マツド・デラックスの世界 # 海外現地レポ