クルマの購入や引越しの際に必要な車庫証明。必要書類や申請方法がわからず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。この記事では、車庫証明の必要書類や取得方法を、具体的な入手先から記入例まで解説します。さらに、法人での申請方法や代理人による手続きなど、ケース別の申請方法も紹介します。
車庫証明とは
車庫証明(正式名称:自動車保管場所証明書)は、クルマの保管場所が確保されていることを証明する書類です。道路運送車両法により、クルマを購入する際や引越しで使用場所を変更する際には、必ず取得しなければなりません。なお、軽自動車の場合は「保管場所届出」という書類が必要です。
一部地域では車庫証明および保管場所届出の手続きが不要ですが、多くの市区町村で車庫証明の取得が義務付けられています。
車庫証明の必要書類一覧
車庫証明の申請に必要な書類は下記の通りです。なお、軽自動車の保管場所届出の申請でも同様の書類を用意します。
1. 自動車保管場所証明申請書
2. 保管場所標章交付申請書
3. 保管場所の所在図・配置図
4. 権原書面(自認書または保管場所使用承諾証明書のいずれか1通)
それぞれの詳細について、取得方法とともに解説します。
自動車保管場所証明申請書
自動車保管場所証明申請書は、クルマの保管場所を証明するために必要な基本書類です。軽自動車の場合は「自動車保管場所届出書」という書類を用意します。記載する内容はほとんど同じです。
この申請書には、車名、型式、車台番号などのクルマの情報に加え、使用の本拠の位置(使用者の住所)、保管場所の位置、申請者の情報などを記入します。
管轄の警察署窓口で入手するか、警視庁・各都道府県警察のホームページからPDFをダウンロードできます。
※PDFの例:自動車保管場所証明申請書・保管場所標章交付申請書(2様式)/警視庁・自 動車保管場所届出書/警視庁
なお、申請の際には2,000円前後の手数料がかかります。
保管場所標章交付申請書
保管場所標章交付申請書は、クルマのリアガラスに貼付する保管場所標章(車庫証明シール)を取得するための申請書類です。この申請書は、自動車保管場所証明申請書と同時に提出する必要があります。
申請書には、車名、型式、車台番号、使用の本拠の位置、保管場所の位置、申請者情報などを記入します。書類は警察署の窓口で入手するか、警視庁・各都道府県警察のホームページからPDFをダウンロードできます。
※PDFの例:自動車保管場所証明申請書・保管場所標章交付申請書(2様式)/警視庁
また、保管場所標章交付申請書の提出時には、500円程度の手数料が必要です。
保管場所の所在図・配置図
保管場所の所在図・配置図は、クルマの保管場所の位置や具体的な駐車スペースを示す図面です。所在図は自宅(使用の本拠の位置)から保管場所までの位置関係を示し、配置図は駐車場の具体的な寸法や周辺状況を記載します。
これらの図面は警察署で配布されている専用用紙に手書きで作成するか、警視庁・各都道府県警察のホームページからダウンロード可能なPDFの様式を利用して作成できます。図面は現地調査の際の重要な資料であるため、正確な情報を記載することが求められます。
※PDFの例:保管場所の所在図・配置図/警視庁
なお、所在図には最寄りの交差点や目印となる施設を含め、自宅から保管場所までの直線距離を記入します。インターネットの地図をプリントアウトして利用することも可能です。
自認書(自動車保管場所使用権原疎明書面)
自認書(自動車保管場所使用権原疎明書面)は、保管場所として申請する土地や建物が申請者の所有である場合に必要な書類です。つまり、自己所有の土地や建物に駐車場がある場合に提出が求められます。
自認書は警察署窓口で入手するか、警視庁・各都道府県警察のホームページからPDFをダウンロードします。
※PDFの例:自認書(保管場所使用権原疎明書面)/警視庁
保管場所使用承諾証明書
保管場所使用承諾証明書は、他人が所有する土地や建物を駐車場として使用する場合に必要な書類です。賃貸マンション・アパートの駐車場や、月極駐車場を利用する際に提出が求められます。駐車場の所有者や管理会社の捺印と署名も必要です。
警察署窓口で入手可能なほか、警視庁・各都道府県警察のホームページからPDFをダウンロードできます。
※PDFの例:保管場所使用承諾証明書/警視庁
車庫証明の必要書類の書き方
車庫証明の申請に必要な各種書類の書き方について解説します。
自動車保管場所証明申請書
申請書には次の内容を記載します。
車名 | メーカーを記載 |
型式 | 車検証どおりに記載 |
車台番号 | 車検証どおりに記載 |
自動車の大きさ |
長さ・幅・高さを車検証どおりにセンチメートルで記載
|
自動車の使用の本拠の位置 | 実際に居住する場所の所在地 |
自動車の保管場所の位置 | 車庫・駐車場の住所 |
申請者 | 申請者の住所・氏名・連絡先 |
使用権原 | 車庫の所有者に◯印をつけ、連絡先を記入 |
新規/代替 | 新しい車に入れ替える場合、以前の車のナンバープレート「例)品川555◯3210」を前車欄に記載 |
記入の際は、車検証の情報を正確に転記し、使用権原(所有か借用か)を明確にすることが重要です。また、クルマの大きさは必ずセンチメートル単位で記入しなければなりません。
なお、軽自動車の申請に必要な自動車保管場所届出書にもほぼ同じ内容を記載します。
※記載例:【自動車保管場所証明申請書】の記載例/警視庁・【自動車保管場所届書】の記載例
保管場所標章交付申請書
申請書には下記の内容を記載します。
車名 | メーカーを記載 |
型式 | 車検証どおりに記載 |
車台番号 | 車検証どおりに記載 |
自動車の大きさ | 長さ・幅・高さを車検証どおりにセンチメートルで記載 |
自動車の使用の本拠の位置 | 実際に居住する場所の所在地 |
自動車の保管場所の位置 | 車庫・駐車場の住所 |
申請者 | 申請者の住所・氏名・連絡先 |
自動車保管場所証明申請書と同じ内容を記載しますが、間違いや不一致がないよう注意が必要です。
また、警察署で入手する用紙は複数枚のつづりになっていますが、複写式のため2~4枚目への記載は不要です。
※記載例:【保管場所標章交付申請書】の記載例
保管場所の所在図・配置図
所在図は、自宅(使用の本拠の位置)と駐車場(保管場所の位置)の位置関係を示す図です。プリントアウトした地図を使うこともできます。ただし、地図をプリントアウトするときは、自宅と駐車場が明確にわかるうえに、目印となる建物や付近の道路なども視認できる縮尺にする必要があります。縮尺が不適切だと目印がわからないため注意しましょう。また、自宅と駐車場を直線で結び、直線距離も記載します。
配置図は、車庫の敷地の図です。駐車場の幅と長さ(高さ制限がある場合は高さも記入)、駐車場の出入り口の幅、駐車場に面する道路の幅、目印となる周囲の建物を記入します。
記載方法がわからない場合は、販売店やディーラーの担当者に聞いたり、警視庁・都道府県警察のホームページで公開している記入例を参照したりするとよいでしょう。
自認書(保管場所使用権原疎明書面)
自認書は、車庫として申請する土地や建物が自己所有の場合に必要となる書類です。
自認書には、◯印で選択する欄と住所・氏名・連絡先を記載する欄があります。◯印で選択するのは、「申請証明・届出」と「土地・建物」です。「申請証明・届出」は、普通車が「証明申請」、軽自動車が「届出」となります。
「土地・建物」は、土地と建物の両方が自己所有の場合は両方に◯印、建物と一体になっている車庫の場合は「建物」に◯印、保管場所の土地が自己所有の場合は「土地」に◯印となります。
保管場所使用承諾証明書
保管場所使用承諾証明書は、車庫が他人の所有となっている場合に必要となる書類です。記入する内容は次のとおりとなります。
保管場所の位置 | 駐車場の住所、名称や位置番号 |
保管場所の使用者 | 申請者の住所・氏名・連絡先 |
保管場所の契約者 | 申請者と同じであれば「上に同じ」、契約者と申請者が異なる場合には契約者の住所・氏名・連絡先・関係性を記入 |
使用期限 | 車庫の契約期間を記入 |
駐車場の所有者または管理委託者 | 車庫の所有者に住所・氏名・連絡先を記入してもらう |
新たに駐車場を借りる場合は、駐車場の所有者に駐車場の空きがあるか、いつから契約できるのか確認しておきましょう。すでに駐車場を契約していて新しい車に乗り換える場合にも、保管場所使用承諾証明書が必要となります。そのため、車の契約が進んだら早めに駐車場の所有者に連絡を取り書類を記入してもらいましょう。
※記載例:【保管場所使用承諾証明書】の記載例
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車庫証明の申請・取得の手順
続いて、車庫証明を申請および取得する手順について解説します。普通車も軽自動車も流れはほぼ同じです。
1.申請書類を作成・提出する
書類を作成したら、クルマの保管場所を管轄する警察署の窓口に書類を提出します。
警察署の窓口の受付時間は、平日の9時〜12時頃、13時〜17時頃までがほとんどですが、警察署によって受付時間が異なるため、事前に確認しておきましょう。
書類を提出して受理されると、車庫証明の交付予定日が記載された「納入通知書兼領収書」が渡されます。この書類は、後日車庫証明を受け取る際に必要となるため、失くさないよう注意してください。
2.車庫証明を受け取る
納入通知書兼領収書に記載された交付予定日以降に、車庫証明を取りに行きます。このときに保管場所標章交付手数料を支払い、車庫証明を受け取り、手続きが完了となります。
なお、軽自動車の場合は当日に受け取りできます。
車庫証明の取得・申請時の注意点
ここからは、車庫証明を申請および取得するときに注意すべきことについて解説します。
保管場所は原則として使用場所から2キロ以内
自動車の保管場所の確保等に関する法律(車庫法)によって、保管場所は、使用の本拠の位置から2km以内に確保すると定められています。この距離は直線距離で測定され、所在図には保管場所から使用場所までの直線距離を明記する必要があります。
参考:自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令「第1条1項」
自宅の敷地内に保管場所を確保できるなら問題ありませんが、別の場所を駐車場として使用する場合には必ず距離を確認しましょう。
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警察署は平日の日中しかあいていない
車庫証明の手続きは警視庁・各都道府県の警察署でしか実施できません。受付可能時間は平日の9時〜17時頃であることが多いため、あらかじめ時間を確保しておきましょう。
自分での手続きが難しい場合には、家族や知人への依頼も可能です。その際は必要書類にあわせて委任状を用意すると、万が一書き損じや誤りがあった場合でも代理人がその場で修正できます。
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申請から取得まで3〜10日ほどかかる
普通車の場合、車庫証明を申請してから受け取るまで3〜10日ほどかかります。クルマの購入時、販売店によってはクルマの登録前に車庫証明の提出を求めるため、早めに手続きを行いましょう。
保管場所標章シールをクルマに貼る必要がある
車庫証明の受け取りの際には、保管場所標章のシールも渡されます。この保管場所標章は、ルマのリアガラスの左下や右下などに貼る必要があります。
ただし、2025年4月から保管場所標章シールが廃止となるため、それ以降は貼り付けていなくても問題ありません。
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よくある質問
Q1. 車庫証明はどこでもらえますか?
A. 管轄の警察署で取得できます。申請書類は警察署の窓口か、警視庁・各都道府県警察のホームページからダウンロード可能です。
Q2. 軽自動車も車庫証明は必要ですか?
A. 軽自動車の場合は「保管場所届出」が必要です。地域によってはそもそも手続きが不要な場合があるため、管轄地域がどうなのかを事前に確認しておきましょう。
Q3. 代理人でも申請できますか?
A. はい、可能です。委任状があると書類に不備があった場合でもその場で修正できます。
まとめ
車庫証明の取得は、必要書類さえ揃えれば決して難しい手続きではありません。ただし、申請から取得まで3~10日程度かかるため、クルマの購入時は早めに準備を始めることをおすすめします。不明な点がある場合は、最寄りの警察署に確認するか、自動車販売店など専門家に相談することをおすすめします。
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