MT車(マニュアル車)の運転方法とは?発進・停止・ギアチェンジ・坂道発進のコツを解説

目次
1.MT車(マニュアル車)の発進手順 2.MT車(マニュアル車)の停止手順 3.MT車(マニュアル車)のギアチェンジのコツ 4.MT車(マニュアル車)の坂道発進のコツ 5.MT車(マニュアル車)の運転を上達させるために 6.まとめ

MT車(マニュアル車)は、運転に慣れるまでが大変です。ただ、コツさえ掴んでしまえば、スムーズに上達します。そこで今回は、MT車の「発進」「停止」「ギアチェンジ」「坂道発進」の4つについて解説します。

MT車(マニュアル車)の発進手順

MT車を発進させるときは、次の手順で行います。

【1】座席・ミラー調整
まず、運転席に座ったら、座席やミラーを調整します。それぞれの調整のポイントは次のとおりです。

・座席:クラッチペダルをいっぱいに踏み込んだときに膝が少し曲がるくらいの前後位置、ハンドルを持ったときに肘が少し曲がるくらいの背もたれの角度に調整する

・ミラー:目線を動かしたときの見え方が次のとおりになるよう調整する
ルームミラー バックガラス全体がミラーに入るように調整
ドアミラー 内側の縦4分の1に自分のクルマの車体が写り、ミラーの上下は半分が路面になるように調整

【2】エンジン始動
エンジンを始動させるときは、次の手順で行います。

1.パーキングブレーキ(サイドブレーキ)がかかっていることを確認する
2.左足でクラッチペダルをいっぱいに踏み込む
3.右足でブレーキペダルを踏み込む
4.ギアをニュートラルにする
5.両足でペダルを踏んだままエンジンをスタートさせる

エンジンがかかったら発進準備をします。

【3】発進
発進の手順は次のとおりです。

1.ギアをローギア(1速)に入れる
2.パーキングブレーキ(サイドブレーキ)を下ろす(解除する)
3.ブレーキペダルからアクセルペダルに踏み換える
4.軽くアクセルを吹かしてクラッチを徐々に戻す
5.半クラッチ(クラッチミート)の部分でクラッチを戻す動作を一旦停止する
6.クルマの速度が乗ってきたらクラッチを戻す動作を再開してクラッチを繋げる

【ポイント】
MT車の運転では、次の2つのポイントをおさえましょう。

・半クラッチの把握
・アクセルとクラッチの調整でエンストしないようにする

特に重要なのは「半クラッチの把握」です。

半クラッチの位置がどこなのか把握することで、どんなMT車でも運転できるようになります。半クラッチの位置は、エンジン音や駆動力がタイヤに伝わったときに起きる車体のわずかな沈み込みなどで把握できます。また、クラッチが繋がり始める位置はクルマによって異なるため、それぞれのクルマごとに確認しましょう。

旧車王バナー旧車王バナー

MT車(マニュアル車)の停止手順

MT車では、停止するときにもポイントがあります。クルマを停止させるときは、次の手順で行います。

1.ブレーキペダルを踏んで減速する
2.エンストする直前にクラッチペダルを一気に踏み込む(このときブレーキペダルを踏み続けたままクラッチペダルを踏み込む)
3.ブレーキペダルの踏力を調整して停止させる

MT車を停止させるとき、まずはブレーキで減速しましょう。よくあるNG例は、エンストするのを恐れて先にクラッチペダルを踏んでしまうことです。

先にクラッチペダルを踏んでしまうとエンジンブレーキが利かなくなり、制動距離が長くなってしまいます。クルマを減速させたり停止させたりするときは、エンジンブレーキとブレーキの両方を有効に使って速度を落としたり止めたりしましょう。まとめると、先にブレーキペダルで減速して、エンスト間際にクラッチペダルを踏み、ブレーキペダルの踏力調整で停止させるという順番です。

MT車(マニュアル車)のギアチェンジのコツ

MT車では、ギアチェンジも運転者が行わなければなりません。ギアチェンジのポイントは、次のとおりです。

1.発進してクラッチを繋げた状態(クラッチペダルから足を離している状態)でアクセルを踏み込んで加速する
2.エンジン回転数とともに速度が上がってきたらアクセルペダルを素早く戻すと同時にクラッチペダルを一気に踏み込む
3.ギアを1段上げ半クラッチの位置までクラッチペダルを戻す
4.クラッチが繋がり始めるポイントからアクセルペダルを徐々に踏み込むとともにクラッチペダルを戻す

ギアチェンジはクルマの速度を上げてから行いましょう。加速不良の状態でギアチェンジすると、エンストしたりノッキングしたりするため注意してください。

また、3から4の工程をあまりゆっくり行うとクラッチが摩耗してしまう可能性があるため、その点も気をつけましょう。

旧車王バナー旧車王バナー

MT車(マニュアル車)の坂道発進のコツ

MT車の運転において難関ともいわれるのが坂道発進です。坂道発進では、平坦な道よりもより強い駆動力が必要なため、難しく感じる方も多いようですが、半クラッチとアクセルの調整ができれば、難しくはありません。

一般的な坂道発進の方法は次のとおりです。

1.上り坂の途中で止まる
2.パーキングブレーキ(サイドブレーキ)を強く引き逆行を防ぐ
3.半クラッチの状態を作る
4.半クラッチで作った前進する駆動力を強くするためにアクセルを軽く踏み込み、クラッチペダルをわずかに戻す(このときにエンストしないように注意する)
5.強い駆動力の状態を維持したままパーキングブレーキ(サイドブレーキ)を慎重に下ろす
※パーキングブレーキ(サイドブレーキ)を急に下ろすと強い駆動力によって急発進する恐れがあります。

また、MT車の運転に慣れると、パーキングブレーキ(サイドブレーキ)を使わなくても坂道発進ができるようになります。

MT車(マニュアル車)の運転を上達させるために

MT車の運転では、クラッチペダルの操作が重要です。

クラッチが繋がり始める部分は、クラッチペダルだけを操作して探すと見つけやすいでしょう。また、クラッチペダルのみでの発進も可能なため、教習所や私有地など迷惑がかからない場所でクラッチペダルのみで発進する練習をすることをおすすめします。

また、MT車を運転する際には、エンストを恐れる人が多く、停止するときに先にクラッチペダルを踏んでしまう人が少なくありません。エンストの直前には、体でわかるほどにガタガタとクルマが振動します。MT車を運転するときは、エンスト直前にどんな振動が起こるのかを知っておきましょう。

発進してブレーキペダルを少し踏み、少しずつ速度を落としていくと、エンスト直前の振動を体感できます。このシュミレーションを行う場合にも、交通に迷惑がかからない場所で実施しましょう。

クラッチだけでの発進やエンスト直前の振動の体験は、MT車を運転する際に知っておきたいポイントです。しかし、クラッチを傷める可能性が高いため、教習所にある練習用のクルマで練習することをおすすめします。

旧車王バナー旧車王バナー

まとめ

MT車の運転には、クラッチペダルの操作、アクセルペダルとの調和、減速・停止時のブレーキペダルとクラッチペダルの順番など、さまざまなポイントがあります。これらのポイントを重点的に練習すると、スムーズに運転できるようになります。MT車を運転する際は、クラッチが繋がる部分、アクセルペダルやブレーキペダルの操作をしっかりと練習しましょう。

旧車の買取なら「旧車王」におまかせ!

長い時間を共にした愛車だからこそ、売却先にもこだわりたいという方は多いのではないでしょうか。
旧車王は、旧車に特化して20年以上買取を続けております。旧車に関する実績と知識なら、どこに負けない自信があります。また、ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する「二重査定」も一切ございません。誠実にお客さまのクルマと向き合い、適正に査定いたします。
全国どこでも無料で出張査定にうかがいますので、大事な愛車の売却先にお悩みの方はぜひ「旧車王」にご相談ください。

画像1 画像2
画像ギャラリー(全2枚)を見る

旧車王のLINE友だち登録
カンタン査定申し込み!

友だち追加

この記事をシェアする

旧車王ヒストリアは
旧車買取20年以上の旧車王
が運営しています

旧車売るなら旧車王

旧車王は、「自動車文化遺産を次世代へ」という信念のもと、旧車・クラシックカーに特化して23年、年間11,000台以上の査定申込をいただいております。改造車から希少車まで、適正価格を見極めて買取させていただきます。弊社所属の鑑定士が最短当日で全国無料出張査定いたします。ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する二重査定は一切ありません。特別なそして価値ある希少車の買取こそ、確かなノウハウと実績を持つ旧車王にお任せください!

すぐ査定依頼が可能!

旧車王サイトはこちら

まずは車について気軽に相談したい

どんな相談ができるの?

関連する記事

2024年1月にスカイラインR34 GT-Rが25年ルール解禁!今後値上がりする?

2024年1月にスカイラインR34 GT-Rが25年ルール解禁!今後値上がりする?

旧車市場動向 2024-05-02
2023年12月にレガシィBE型が25年ルール解禁!今後値上がりする?

2023年12月にレガシィBE型が25年ルール解禁!今後値上がりする?

旧車市場動向 2024-05-02
2024年1月にランエボⅥが25年ルール解禁!今後値上がりする?

2024年1月にランエボⅥが25年ルール解禁!今後値上がりする?

旧車市場動向 2024-05-02
日本ならではの自動車文化の一端を垣間見た「オートモビルカウンシル2024」

日本ならではの自動車文化の一端を垣間見た「オートモビルカウンシル2024」

イベントレポート 2024-04-30
今年で5回目となる「スーパーアメリカンガレージ朝霞の森 2024」イベントレポート

今年で5回目となる「スーパーアメリカンガレージ朝霞の森 2024」イベントレポート

イベントレポート 2024-04-28
つくづく「クルマはコミュニケーションツールだな」という話

つくづく「クルマはコミュニケーションツールだな」という話

ライフスタイル 2024-04-27
8ナンバー車の車検は何年ごとに受ける?車検の内容や費用を紹介

8ナンバー車の車検は何年ごとに受ける?車検の内容や費用を紹介

旧車売買の豆知識 2024-04-26
4ナンバー車の車検は何年ごと?5ナンバー車との維持費も比較

4ナンバー車の車検は何年ごと?5ナンバー車との維持費も比較

旧車売買の豆知識 2024-04-26

記事ランキング

1
固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

ライフスタイル 2023-09-14
2
車検ステッカーの貼り付け位置はどこ?間違えた場合の罰則も紹介

車検ステッカーの貼り付け位置はどこ?間違えた場合の罰則も紹介

旧車売買の豆知識 2024-02-02
3
ナンバープレートから個人情報は特定できる?特定できる情報を解説

ナンバープレートから個人情報は特定できる?特定できる情報を解説

旧車売買の豆知識 2023-10-27
4
アメリカ「25年ルール」とは?名車の中古相場が急騰するしくみ

アメリカ「25年ルール」とは?名車の中古相場が急騰するしくみ

旧車市場動向 2023-12-28
5
車のキュルキュル音は放置しないで!原因と修理料金を解説

車のキュルキュル音は放置しないで!原因と修理料金を解説

旧車メンテナンス 2023-11-10
6
車庫証明は本人じゃなくても取得できる!代理人による手続き方法を紹介

車庫証明は本人じゃなくても取得できる!代理人による手続き方法を紹介

旧車売買の豆知識 2024-03-04
7
車検証の住所変更はオンラインでできる!方法や必要書類などを紹介

車検証の住所変更はオンラインでできる!方法や必要書類などを紹介

旧車売買の豆知識 2024-01-29
8
車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

旧車メンテナンス 2023-10-18

カテゴリ一覧

# 旧車コラム # 旧車の魅力 # 旧車売買の豆知識 # 旧車市場動向 # 旧車メンテナンス # エディターズノート # ライタープロフィール # イベントレポート # ライフスタイル # 加藤久美子&博人の見識 # ドイツ現地レポ # ライター愛車レポート # タイレルP34を追え! # オーナーインタビュー # 名車&迷車烈伝 # マツド・デラックスの世界 # 海外現地レポ