旧車売買の豆知識

中古車のFRスポーツカーを買うならS15シルビアと86/BRZでどっちを選ぶ?
旧車売買の豆知識 2022.12.01

中古車のFRスポーツカーを買うならS15シルビアと86/BRZでどっちを選ぶ?

日産S15シルビアとトヨタ86(ZN6)/スバルBRZ(ZC6)は、扱いやすいコンパクトなボディと素直な旋回特性を持つFRという共通した特性をもっています。どちらも既に新車として販売されておらず、購入するなら中古車となりますが、購入後に後悔しないためにはそれぞれの特徴を理解し予算をしっかりと見定めなければなりません。今回はそんなS15シルビアと86/BRZの魅力と、中古車市場について紹介します。 日産S15シルビア【1999年~2002年】 日産シルビアは、誰でも手軽にスポーツドライビングが楽しめるスポーツクーペとして誕生しました。5代目であるS13シルビアでは、軟派なデートカーから硬派な走り屋ご用達車両としての地位を確立し、日本の走りや文化を象徴するモデルとなっていきます。   まずは、シリーズの最終モデルであるS15シルビアについて、その概要と中古車相場について紹介します。 ターボ仕様S15シルビアスペックR S15シルビアのグレードは、NAのスペックSとターボ仕様であるスペックRの2グレードです。2Lターボエンジンを搭載する仕様のスペックRは、6速MTで最高出力250psを発揮し、シリーズ最高の性能を誇ります。また、4速ATでも225psとなっており、スポーツカーとしては十分な性能を持っています。 2022年11月の中古車相場は、6速MT仕様で160万円から800万円前後。走行距離が少なく、修復歴の無い程度が良い車両は価格が高くなっていますが、20万kmを超える個体は200万円前後でも十分に入手可能で、ATターボ仕様は230万円から300万円で推移しています。 S15シルビアスペックS S15シルビアのスペックSは、2LのNAエンジンを搭載するグレードです。最高出力は165psですが、1230kgの軽量なボディと相まって十分な動力性能をもっています。エンジン出力は控え目ながら、トルクフルなエンジン特性で誰でも扱いやすいグレードです。 中古車相場は5速マニュアルで140万円から430万円、ATで80万円から300万円程度です。ターボ仕様のスペックRと比べるとやはり手を出しやすい価格で、ATなら修復歴なし、10万km以下の個体が200万円以下で購入できます。 トヨタ86(ZN6)/スバルBRZ(ZC6)【2012年~2021年】 トヨタ86とスバルBRZは、トヨタとスバルが共同開発したことで大きな話題となりました。比較的新しい車ではあるものの、中古車としては入手しやすい価格です。入手しやすい理由と、旧型となっても魅力的な初代トヨタ86とスバルBRZを紹介します。 新型の発売により初代86の中古車が増加 トヨタ86/スバルBRZの中古車が比較的安い理由は、2021年10月に2代目が発売されたことです。エンジンが2.4Lとなったことで、パフォーマンスが大幅に向上。新型に乗り換えたユーザーも多く、2022年11月現在、初代トヨタ86/スバルBRZは多くの台数が中古車市場に流通しています。 2011年11月現在で大手中古車情報サイトに掲載されている台数は、86が約1,500台、BRZは約450台。中古車価格は6速MTが100万円から500万円で、ATは80万円から300万円です。「スポーツカー=MT車」というある種の固定概念が崩れつつある世相を反映し、AT比率が高めないことも特徴といえます。 新しい車両が多く維持がしやすい トヨタ86/スバルBRZは2021年まで新車が発売されており、トラブルが少ない車種といわれています。 エンジン出力は200psとターボのS15シルビアに比べると控え目で、手荒に扱われた車両も少なく、程度の良い車両が多くなっています。また、補修部品は生産終了から約10年は提供されており、末永く付き合えるクルマです。 唯一無二の2L水平対向エンジンとFRの組み合わせ トヨタ86/8スバルBRZは、いずれも2Lの水平対向エンジン FA20型を搭載しています。 全高の低い水平対向エンジンならではの「超低重心パッケージ」で、軽快で優れたハンドリング性能を持っており、誰でも運転の楽しさを味わうことができる1台です。 FRレイアウトと水平対向エンジンの組み合わせは、世界中どこを見渡しても86とBRZしかありません。この唯一無二の組み合わせが、初代トヨタ86/スバルBRZの魅力が色褪せない理由です。 中古車で買うならS15シルビアとトヨタ86/スバルBRZどちらを選ぶべきか FRのスポーツクーペとして、魅力的なS15シルビアとトヨタ86/スバルBRZですが、発売された年式やキャラクターによって、大きな違いがあります。 ここからは、中古車として購入を検討した場合、どんな違いがあるのかについて紹介していきましょう。 アメリカの25年ルールのあおりを受けてS15シルビアの中古車相場も上昇 R32スカイラインGT-Rや80スープラ、RX-7など、80年代後半から90年代に発売された国産スポーツクーペは、異常ともいえる高騰を見せています。その主な要因として挙げられるのが、アメリカの25年ルールです。アメリカでは右ハンドル車の販売が認められていませんが、発売から25年経ったクルマは、クラシックカーとして例外的な販売、使用が可能です。 2022年現在、1999年に発売されたS15シルビアは、まだ直接25年ルールの影響を受けてはいません。しかし、S13やS14の高騰を受ける形で、S15シルビアの中古車相場も上昇傾向にあります。 トヨタ86とスバルBRZに比べ、ターボエンジンを搭載するS15シルビアの方が動力性能という点では格上です。しかし、仮に300万円で程度の良いS15シルビアを手に入れても、経年劣化に起因する整備費用を覚悟しなければなりません。 もちろん、最新の車種にはないスタイリングやユーザーの好みでカスタムする余地が残っているなど、S15シルビアにしかない魅力があります。時間を掛けて程度の良い個体を探し、購入後もしっかりとメンテナンスするのであれば、購入後に後悔することはないでしょう。 トヨタ86/スバルBRZなら車両代+100万円で十分にカスタム可能 初代トヨタ86とスバルBRZは年式が新しく、経年劣化による故障の心配は低く安心して維持、保有できます。もちろん、絶対的な動力性能ではS15シルビアに敵いませんが、逆にいえばチューニングによって求める性能にカスタムすることが可能です。 例を挙げると、マフラーやエアクリーナー、ECUを交換すると、実際の最高出力以上の気持ち良さが比較的安価で手に入ります。そして、S15シルビアのターボモデル並みの馬力を手に入れたい場合は、チューニングメーカー各車から市販されているボルトオンターボキットやスーパーチャージャーがおすすめです。 選ぶキットや求める出力により費用は異なりますが、もっとも手軽な物であれば、50~60万円程度で230~250psを狙えます。さらに、サスペンションや駆動系に手を加えれば、クルマ全体をリフレッシュできるでしょう。トータル100万円程度のカスタム費用を見ておけば、S15シルビアにも引けを取らない1台を仕上げることも不可能ではありません。 まとめ 電動化や自動運転など、世間の潮流は環境性能と安全性を重視しており、運転の楽しさを求めたスポーツカーはやや影の薄い存在となっています。中にはスポーツ性能を重視した車種も販売されていますが、超高額高性能なスーパーカーばかりです。S15シルビアやトヨタ86/スバルBRZのように、手軽な新車として購入できる国産FRスポーツカーは多くありません。 S15シルビアは、程度の良い個体が少なく修理やメンテナンスの費用が掛かるものの、走り屋文化を象徴する雰囲気とカスタムが楽しめます。対して、トヨタ86とスバルBRZは、動力性能で劣るものの、購入と整備費用を抑え、その費用をカスタムに回せば同等の性能を手に入れることも可能です。 往年の雰囲気と動力性能を重視してS15シルビアを選ぶか、維持保有のしやすさを重視してトヨタ86やスバルBRZを選ぶか。どちらもスポーツカーの楽しさと雰囲気を十分味わえる魅力的なモデルなため、予算とメンテナンス環境を勘案し選びましょう。

中古の試乗車は買ってもよいか?中古の試乗車の特徴も詳しく解説
旧車売買の豆知識 2022.11.30

中古の試乗車は買ってもよいか?中古の試乗車の特徴も詳しく解説

カーディーラーでは車選びのために来店した顧客のために、試乗車を用意しています。試乗車は一定期間を経過すると中古車として市場に流通し、誰もが購入できるようになります。本記事では試乗車だった中古車の特徴と、購入する際に気をつけたいポイントについて、詳しく解説します。 試乗車とは 試乗車とは、顧客が試乗したり実物を見て購入を検討したりできるように、自動車販売店やディーラーが用意する車です。試乗車を運転することで、検討中の車の走行性能や乗り心地を確認できます。 試乗車と展示車の違い 自動車販売店やディーラーは、試乗車以外に展示車も用意します。展示車は来店客が車の外観や内装、装備の使い勝手などを確認するための車です。一般道を走行することはないため、ほとんどの展示車は新車登録されていません。 試乗車と未使用車の違い 試乗車や展示車の他にも「未使用車」も中古車市場に流通しています。未使用車とは、販売店で新車登録されたものの、実際には使用されていない車です。使用する目的もなく販売店が新車登録をする理由の多くは、販売実績を稼ぐためです。販売店にも販売ノルマが課せられており、ノルマが達成できない場合に新車登録だけ済ませて、販売実績に代えることがあります。新車登録されている点では試乗車と同じですが、走行していない点が異なります。 中古の試乗車のメリット 中古の試乗車には5つのメリットがあります。1つずつ詳しく見ていきましょう。 新車感覚で購入できる場合もある 試乗車はおよそ半年から1年間ほどで中古車市場に流通するため、場合によっては最新モデルのものを新車よりも安く購入できます。ただし、ある程度の期間が経過すると、次のモデルの展示車も流通するため、展示車として販売されていた全ての中古車が最新モデルというわけではありません。 走行距離が短いものがほとんど 販売店は多くの場合試乗車のルートを決めており、一度の走行距離は数km程度です。多くの人が試乗しても総走行距離はあまり伸びず、中古の試乗車の走行距離は、一般的な中古車に比べて短いと考えてよいでしょう。中古の試乗車の走行距離は車種などにもよりますが、一般的には数千kmです。 ディーラー整備 試乗車は販売店がお客さんに、車の購入を決めてもらうための車です。そのために各ディーラーが整備しています。常日頃からディーラーで整備されていた車と捉えれば、安心して購入できるでしょう。 グレードが高いものが多い 試乗車には、通常グレードの高い車が選ばれます。販売店は車の走行性能や豪華な装備など、お客さんにアピールするために、試乗車として最上級グレードの車を用意します。 オプションが充実している傾向がある 試乗車はグレードだけでなく、オプションパーツも充実している傾向があります。外観であればエアロパーツが取り付けられ、値段が高くなる特別色、内装にもシートヒーターや高価なオーディオが取り付けられていることがあります。理由は試乗車は販売店が顧客に、車の購入を決断してもらうための車だからです。 中古の試乗車のデメリット 中古の試乗車には、デメリットもあります。1つずつ確認していきましょう。 台数が少なくてカラーやオプションを選べない 試乗車は各販売店で1車種につき、1台しか用意しません。販売店によっては、市場の予約を受け付けた際に、他の店舗から移動して対応することもあります。また先ほどメリットとして最上級グレードであることやオプションが充実していることをお伝えしましたが、逆に上級グレード以外の車は選びにくく、不要だと感じるオプションが付いていることもあります。 多くの人の手に触れている 試乗車にはさまざまな人が試乗しているので、多くの人の手に触れられている車でもあります。車は高額な買い物なので、特にいろんな人が触れたものに対して、抵抗を感じるかもしれません。 代車として利用された可能性がある 試乗車は代車として利用された可能性もあります。私たちが販売店に車を預けると代車を用意してくれますが代車に空きがないと、試乗車が代車として使われるケースもあります。 試乗車が中古車市場に流通する時期 試乗車はある時期に、中古車市場に流通しやすいという特徴があります。中古の試乗車に関心がある方は、試乗車が中古車市場に流通する時期を見計らうことで、希望の車を購入できる可能性が高まるでしょう。 新車登録から1年以内 販売店は試乗車として用意した車を、半年から1年以内に中古車として販売します。半年から1年以内に中古車として販売するのには、2つの理由があると考えられるでしょう。 まずは走行距離です。走行距離が短い車として魅力的に販売するためには、走行距離は数千km程度である必要があります。走行距離が1万kmを超えれば、走行距離が短い中古車としてはアピールしにくくなるでしょう。 2つ目は年式が考えられます。年式も2年経つと、新しさは感じられません。 モデルチェンジのタイミング 車がモデルチェンジすれば、試乗車も新しいモデルの車が用意されます。モデルチェンジのタイミングも、試乗車が中古車として販売されると考えてよいでしょう。 中古の試乗車の購入方法 中古の試乗車を購入する方法は、主に次の2つです。 ディーラーから買う 試乗車を用意しているのはディーラーで、中古車として販売するタイミングを決めるのもディーラーです。気になる車種があれば、ディーラーに相談してみると、よい情報が得られるでしょう。 中古車販売店から買う 中古の試乗車は、中古車販売店からも購入できます。特にディーラー系の中古車販売店なら、流通台数も多いので購入したい車が見つけやすいでしょう。 中古の試乗車を購入する際に見るべきポイント 中古の試乗車を購入する際は、価格をよく確認しましょう。あくまでも中古車なので、新車に比べれば価格自体は安くなります。しかし新車登録からは半年から1年ほど経過しているため、新車よりも早く車検費用が発生します。 次に、中古の試乗車は最上級グレードで、オプションも豊富に取り付けられている傾向があります。自分には不要だと思うオプションがついていれば、余計なものに支出することになるかもしれません。 最後に、多くの人が乗った車のため、細かい傷などがついている可能性があります。一般的に車で傷つきやすい箇所は、バンパー、ドアパネル、ドアミラー、ルーフパネルなどです。バンパーは底付きした跡や、前後左右の角部分に擦れた跡がないかチェックしてください。 ドアパネルは、狭い駐車場で壁にぶつけた跡がドアの端の部分にないか、隣の車のドアが開いた時にぶつかると生じる、縦方向の凹みがないかがポイントになります。 ドアミラーは狭い道路で樹々の枝が擦れたり、他車とのすれ違い時に接触しやすい部分です。ルーフパネルは、特に背が高い車であれば、立体駐車場で接触で凹みができているかもしれません。 中古の試乗車が向いている人 中古の試乗車は、現行モデルの車をすぐに欲しい人には向いているでしょう。実際の車が目の前にあるので、納期が長い車種であっても短期間で入手できます。中古品にも抵抗がなく、細かいキズなども気にならなければ、出費額を抑えて現行モデルを入手できる方法として、検討するとよいでしょう。 中古の試乗車が向いていない人 中古の試乗車が向いていない人は、ボディーカラーや一つ一つのオプションにもこだわりたい人、中古品に抵抗のある人、さらに最初から丁寧に扱いたいと考える方も、向いていないでしょう。試乗車を運転する方の中には、加速性能を確認するために全開発進や急加速、急ハンドルなどの操作をしていることも考えられます。このような扱いですぐに車が大きなダメージを受けることはありませんが、車を丁寧に扱いたいと考える方にとっては、気になるかもしれません。

事故車とは?事故車の定義や購入時の見抜き方についても解説
旧車売買の豆知識 2022.11.29

事故車とは?事故車の定義や購入時の見抜き方についても解説

中古車を購入するときに、事故車だったらどうしようかと不安になる人も多いでしょう。事故車には明確な定義があり、事故歴があるからといって全てが事故車扱いになるわけではありません。今回は、事故車の定義や見抜き方について解説します。中古車の購入を検討中の方は参考にしてください。 事故車とは 事故車とは、単に交通事故によって損傷した車ではありません。中古車販売や査定における事故車の定義は、自動車公正取引協議会や日本自動車査定協会などが定めたルールに基づいた状態にある車です。事故でへこみや傷がついてバンパーやドアを交換しただけの車や、鈑金塗装を行った車は事故車扱いされません。 事故車は車の骨格部位に損傷があるもの、もしくは修復されているものが該当します。 損傷や修復歴があると事故車扱いとなる骨格部位フレーム(サイドメンバー)........車体の左右に配置され前後に伸びている骨格部位※モノコックボディの場合はフロアパネルに溶接クロスメンバー........車の横方向に取り付けられた骨格部位インサイドパネル........エンジンルームの左右にあるパネルで外側にフェンダーが取り付けられている骨格部位ピラー........車の屋根を支える骨格部位。ダッシュパネル........エンジンルームと客室の間にある隔壁板。ルーフパネル........車の屋根部分フロア........車の床部分トランクフロア........トランクの底部分※ネジ止め部分は骨格には該当しません。 また、冠水、火災、雹害、塩害で大きなダメージを受けた車も、業者によっては事故車扱いとなります。 事故車となるケース 事故車となるケースは、車の骨格部位が損傷するか修復されているものです。また、事故ではなく整備中に工具を落とすなどの理由で骨格部位が損傷した場合も事故車扱いとなります。事故車の定義は状況の変化に合わせて定期的に変更されており、以前までは骨格部位とされていたラジエターコアサポートは除外されました。 衝突安全ボディがスタンダードとなった現在では、事故のときに客室を守るために衝撃が骨格に分散されやすい造りとなっています。客室保護を優先した結果、軽微な事故でも比較的事故車(修復歴)扱いをされやすくなったのはそのためです。 事故車にならないケース 車の骨格以外の損傷や修復に関しては、基本的に事故車扱いにはなりません。しかし、車のフロント部分をぶつけてラジエターコアサポートを修復した車は、その部位が他の骨格部分と接しているため、査定士によっては事故車扱いと判断する可能性があります。定義としては事故車にならなくても、業者ごとの基準で違いがあるため注意が必要です。 事故車とそうではない車の違い 続いて、事故車とそうではない車の違いについて解説します。 故障のリスクが高い 事故車は、故障のリスクが高めです。きれいに修復していても、骨格にダメージを受けると工場出荷時の車よりも強度が落ちます。また、不十分な修復によりサビが発生することや、事故の衝撃により電気系統に不具合が後々出るなどするため注意が必要です。中古車として販売価格が安くても、十分に検討する必要があります。 査定額が低くなる 事故車は、査定額が低くなります。修復されていて走行や機能的に問題がなくても、数十万円単位で価値が減少すると考えましょう。これは普通の車に比べて買い手が少なくなり、後の不具合が起こりやすいことが原因です。事故の損傷状況や修理代によっては、廃車や事故車としてそのまま売却して買い換えた方がよいといえます。 自走できなければ下取りを断られる可能性が高い 事故車は、自走できなければ下取りを断られる可能性が高いでしょう。自走できない状態では、足回りやエンジンなどが大きなダメージを受けていると考えられます。この場合、高額な修理代がかかり、修復しても中古車としての価値が低くなるため、下取りを断られるケースが多いのです。事故車は損傷の大小に関わらず、業者にとっても時間と手間が非常にかかる扱いにくい車だと考えられています。 査定時には事故車であることを伝える義務がある 査定時に事故車であることを伝えるのは義務です。車を売却後に事故車であることが発覚すると瑕疵担保責任を追及される恐れがあり、多額の損害賠償を請求される可能性があります。瑕疵担保責任とは、契約の内容に不適合な欠陥品であった場合に売主が負う責任です。事故車であることを認識している場合は、わかる範囲で伝えましょう。 購入時の事故車の見抜き方 中古車を購入する時の事故車の見抜き方について解説します。プロの査定士でなくとも見抜けるポイントです。中古車の購入を検討中の方は参考にしてください。 プライスボードに修復歴なしと表記されている車を選ぶ 中古車のプライスボードの「修復歴有無」表示は、自動車公正取引協議会や日本自動車査定協会などによる統一基準により表示されています。基本的に中古車販売業者は修復歴の表示を義務として行っているため、明記されているかどうか確認するようにしましょう。 車両検査証明書を確認 中古車は車両検査証明書を公開している(業者によっては店頭のプライスボードやインターネット上に表記)業者を選ぶと、事故車かどうかすぐに判断できます。評価点方式で状態を明示する車の通知表のようなもので、カーオークションに用いられる書類です。この総合評価点でRもしくはRAがあると修復歴があることを表しています。 総合評価点の目安(参考)S……..新車登録から1年未満で走行距離1万km以内(新古車、登録済未使用車に多い)6……..新車登録から3年未満で走行距離3万km以内(中古車としては最高点)5……..走行距離が5万km以内の美麗車4.5……..走行距離10万km以内のきれいな車4……..キズやへこみが少ない良好車3.5……..キズやへこみはあるが比較的きれいな車3……..多少気になるキズやへこみのある車2……..走行に支障のないキズやへこみのある車1……..冠水歴車などRA……..軽度な修復歴ありR……..走行に支障のない修復歴あり×……..事故現状車など※オークション先によって評価点の内容は若干異なります。 エンジンルームを確認する 事故車を見抜くために、ボンネットを開いてエンジンルームを確認しましょう。正面やフロント側面部分の修復歴は、エンジンを囲っているフレーム(インサイドパネルやラジエターコアサポート)部分の塗装や歪みで判断できます。 ・インサイドパネル(フロントフェンダーの内側)とラジエターコアサポート(ラジエターの上部)の塗装が他の部分と均一かを確認する。エンジンルーム内で視認できる車体の塗装は外観の色よりも薄くクリア塗装されていないことが多く、修復されている場合は部分的に色やツヤが異なります。 ・インサイドパネル(フロントフェンダーの内側)とラジエターコアサポート(ラジエターの上部)は基本的に左右対称の形状です。片方だけに歪みがある場合は修復している可能性があります。

事故車は下取りに出せるの?事故車の下取りの条件やそれ以外の処分方法についても解説
旧車売買の豆知識 2022.11.29

事故車は下取りに出せるの?事故車の下取りの条件やそれ以外の処分方法についても解説

交通事故で車が損傷して自走できない場合は、事故車の処分に悩む人も多いことでしょう。修復するのに大きな費用負担が必要となると、車を買い換えて下取りに出すという選択に迫られます。今回は、事故車は下取りに出せるのか、下取りの条件やそれ以外の処分方法について解説します。事故で車が損傷して買い換えを検討中の人は参考にしてください。 事故車は下取りに出せる 事故車でも下取りに出せる可能性があります。一般的に、修理を行い走行するのに問題がない状態に戻せる車であれば、減額はされても下取りは可能でしょう。ただし、事故車でない状態でも査定額が入らない古い車や不人気車は厳しいため、まずは業者に相談しましょう。 事故車を下取りに出すときの注意点 事故車を下取りに出すときの注意点について詳しく解説します。 自走できることが条件の場合が多い 事故車でも自走できる車は下取りの対象になりやすいといえます。自走できる状態なら、修理にかかる費用が高額なエンジンや足回りが損傷していない可能性が高いためです。自走できない状態の事故車は損傷が激しく、輸送手段も限られてくるため下取りを断られる可能性があります。 レッカー代がかかる場合がある 自走できなければレッカーで依頼することになります。JAFや保険会社が無料で提供するロードサービスは、基本的に路上でのトラブル向けのサービスです。軽微な損傷や故障なら牽引することは可能でも、大きな損傷のある事故車は車両積載車で運ぶ方法になることもあるでしょう。その時の搬送代については実費負担となることも多いといえます。 下取り額が安くなる 事故車は走行や外観に問題がないように修復できても、中古車として販売する時に修復歴がつくと価値が大幅に減少します。事故車の現状渡しの場合は修理費用が査定額に見込まれ、修復した車の場合でも販売時の減額分が査定に影響して下取り額が安くなるといえるでしょう。 廃車となる場合は費用を請求されることがある 査定額が出ずに廃車となる場合は、廃車費用を請求されることがあります。廃車による自動車重量税や自賠責保険などの還付で廃車費用が不要となる場合でも、レッカー代にかかった費用は請求されるため注意が必要です。 事故車の下取り以外の処分方法 続いて、事故車の下取り以外の処分方法について解説します。 買取専門店 買取専門店の一部には、事故車の対応に強くディーラーや他の買取専門店では廃車するしかない車でも買い取ってくれることがあります。そのような買取専門店は国内外に独自の販売ルートを持っており、豊富な知識と経験で対応してくれるでしょう。電話やインターネットのレビューを活用して、事故車に強い買取専門店を探すのも手段の1つです。 廃車専門店 廃車専門店は、事故車や廃車する車を引き取って部品取りをして販売する業者です。独自にレッカー車や車両積載車を所有しているケースもあり、レッカー代や廃車費用なしで引き取ってくれる可能性があります。また、需要が高い部品を使っている車種は、数千円から数万円で買取してもらえる場合もあるため、複数の買取専門店に断られた場合に利用するとよいでしょう。

自動車税の納付でポイント還元を受けるにはどうすればいい?注意点も詳しく解説
旧車売買の豆知識 2022.11.29

自動車税の納付でポイント還元を受けるにはどうすればいい?注意点も詳しく解説

自動車税および軽自動車税の名称は、2019年10月1日から自動車税(種別割)と軽自動車(税種別)に変更されました(以下、「自動車税」と表記)。 自動車税の納付は安くても、1万円ほどする高額な支払いです。クレジットカード払いなど、ポイントが付与される支払い方法で納付すれば、高額なポイント還元が受けることができます。この記事では自動車税の支払いで還元されるポイントや、ポイント還元によって得するための注意点について詳しく解説します。 自動車税のポイント還元を受ける方法 自動車税の支払いでポイント還元を受ける方法として、クレジットカードで支払う方法と、スマホ決済を利用する方法があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。 クレジットカードで支払う 私たちがポイント還元を受ける支払い方法として、従来から普及しているクレジットカード払いがあります。クレジットカード払いならポイント還元以外にも、支払い期日を遅らせることができる、24時間いつでも手続きができるというメリットも享受できるでしょう。 スマホ決済を利用する スマホ決済にはQRコード決済、キャリア決済、非接触型決済の3種類があり、これらの決済にも、ポイント還元サービスが設けられています。スマホ決済なら、スマートフォンさえあれば、24時間どこでも手続きが可能です。 自動車税のポイント還元でどのくらい得になる? 自動車税の納付について、ポイント還元が受けられる支払い手段で支払った場合、実際にどのくらい得になるのか、ポイント還元率ごとに計算しました。具体例として、軽自動車と、小型自動車での計算例を示します。 計算対象の車軽自動車:平成27年4月1日以降に登録された自家用の軽自動で、自動車税は10,800円 小型自動車:令和元年9月30日以前に初回新規登録された、総排気量が1.5リットル超から2リットル以下の自家用の乗用車で、自動車税は39,500円 補足)上記の税額は、経年車重課(最初の新規検査から13年を経過した軽四輪車等に課せられる)と、グリーン化特例(環境性能の良い車に対して適用される)を受けない場合の税です。 還元率0.5% 軽自動車 :10,800(円) x 0.5(%) = 54(円) 小型自動車:39,500(円) x 0.5(%) =197(円)小数点以下切り捨ての場合 還元率1% 軽自動車 :10,800(円) x 1(%) = 108(円) 小型自動車:39,500(円) x 1(%) = 395(円) 還元率1.2% 軽自動車 :10,800(円) x 1.2(%) = 129(円)小数点以下切り捨ての場合 小型自動車:39,500(円) x 1.2(%) = 474(円) 自動車税ポイント還元の注意点 ここまで自動車税の支払いによって得られるポイント還元についてご説明しましたが、気をつけるべき点が2点あります。以下に示す2点について、あわせてご確認ください。 クレジットカード決済手数料で打ち消される場合も 自動車税の支払いにクレジットカード払いを利用するには、クレジットカード決済手数料がかかる場合があります。ポイント還元を受けたとしても、決済手数料によって打ち消されてしまうということです。クレジットカード払いをする前には必ず、還元されるポイントと決済手数料を確認しましょう。 カード払いでは納付証明書が発行されない カード払いやスマホ決済では、自動車税を納付しても納税証明書は発行されません。納税証明書は平成26年までは、車検を受ける際に提示が必要でした。現在は車検を受ける運輸支局や自動車検査登録所が、自動車税の納税について電子的に確認しているため、車検を受ける際の納税証明書の提示は省略して構いません。 しかし運輸支局等が納税の電子確認をするためには、最大で10日程度かかります。納税から10日以内に車検を受ける場合には、納税証明書が発行されるように、各地域の税事務所・金融機関の窓口、コンビニエンスストアで納付し、納税証明書を受け取りましょう。 自動車税のポイント還元を受ける流れ ここからは、自動車税の納付によってポイント還元を受けるための流れについて、詳しく解説します。 1.クレジットカードと必要書類を用意する まずはお手元に支払いに使うクレジットカードと、市町村や税事務所などから郵送されてきた納税通知書を用意してください。手続きには納税通知書に記されている「納付番号」「確認番号」などが必要になるので、事前に確認しておきましょう。なお自治体によっては「クレジット納付番号」「クレジット確認番号」などと表記している場合もあります。 2.支払いページにアクセスする クレジットカード払いの手続きは、ウェブサイト上で行います。支払い手続きを行うウェブサイトにアクセスするためのパソコン、タブレット端末、スマートフォンを用意し、クレジットカード会社の支払いページにアクセスしてください。支払い手続きをするサイトは、用意した納税通知書の案内を参考にしましょう。 3.手数料について確認する 支払いサイトにアクセスすると、クレジットカード払いにする際の注意事項が記載されています。注意事項の確認は面倒に感じてしまうかもしれませんが、必ず目を通しましょう。特に気をつけなければいけないのが手数料です。前述のとおり、手数料が還元されるポイントよりも高ければ、支出が増えてしまいます。また分割払いやリボ払いを選ぶ際には、決済手数料や分割手数料なども必ず確認してください。 4.必要事項を入力する 手数料やその他注意事項を確認したら、納付手続きに必要な情報を入力してください。情報はお手元の納税通知書と、支払いに使うクレジットカードの情報を確認しましょう。クレジットカードの支払い方法も、間違わないように選びましょう。

自動車取得税が廃止!自動車取得税の内容や新たに導入された環境性能割についても解説
旧車売買の豆知識 2022.11.29

自動車取得税が廃止!自動車取得税の内容や新たに導入された環境性能割についても解説

消費税の引き上げと同時に自動車取得税が廃止されました。車の購入時にかかる自動車取得税が廃止されたことは、消費者にどのような影響を与えるのでしょうか。今回は、自動車取得税の廃止と新たに導入された環境性能割について解説します。車の購入を検討中の方は参考にしてください。 2019年10月1日以降は自動車取得税が廃止 1968年に施行され、50年以上続いた自動車取得税が廃止されました。自動車取得税は、自動車を購入する時に取得価額に応じて課税される地方税です。取得価額が50万円を超える自動車(税率は自家用自動車3%、営業用自動車・軽自動車2%で特例措置対象車は軽減や控除あり)の購入に際して取得者に課税されます。 【自動車取得税額計算式】自動車の取得価額(課税標準基準額)× 税率 取得価額とは、実際の自動車購入費ではなく、「自動車取得税の課税標準基準額及び税額一覧」に記載された基準額に経過年数に応じた残価率を乗じた額です。 自動車取得税の代わりに環境性能割が導入された理由 自動車取得税の廃止に伴い、環境性能割が導入されました。環境性能割とは、自動車の燃費性能などに応じて取得時に課税される地方税です。環境への影響が少ない車ほど非課税や税率が軽減されるのが最大の特徴といえるでしょう。税率は自家用自動車で0〜3%、軽自動車は0〜2%となります。 燃費性能に優れた車が市場に増えているため、部分的に見れば自動車取得時の税負担が環境性能割の導入で軽減されたと考えらます。尚、自動車取得税と同じく取得価額50万円以下の車には課税されません。 環境性能割が導入された背景には3つの大きな理由があります。 消費税率の引き上げによる買い控えの抑制 消費税が8%から10%に引き上げられると自動車の販売数が激減するため、新型コロナウィルス感染症緊急経済対策の臨時的軽減措置(1%軽減)の時限的(2021年3月31日まで)な施策と合わせて施行されました。車の購入時にかかる税の総額は、燃費性能により実質的に軽減された内容となります。 道路特定財源制度が廃止されたことによる問題への対策 自動車取得税は、道路特定財源制度の目的税として定められていました。道路特定財源とは、車の利用者が道路の維持・整備費を負担する受益者負担の原則に基づいた財源です。自動車取得税は、自動車重量税やガソリン税などといった税目と同様に、かつては道路の維持管理のために活用されていました。しかし、2008年度で道路特定財源制度が廃止され、目的税から普通税に改正されたことによる問題や批判の声が多く、環境性能割がその解決策になったといえます。 世界的な環境問題に対応 地球規模で二酸化炭素の排出量を抑制する大きな動きがあり、各自動車メーカーは以前より環境にやさしい車の開発に力を注いでいます。環境性能割は、2030年度燃費基準に対しての優遇制度をつくることで、二酸化炭素排出量の少ない車の購入を推進させる狙いがあります。国内外で抱える問題(道路特定財源の廃止や地球環境問題の解決)に幅広く対応した施策だといえるでしょう。 環境性能割の税率・計算方法 環境性能割の税率は、2030年度の燃費基準に基づいて定められています。 電気自動車やPHV、天然ガス自動車など自家用自動車・軽自動車・営業用自動車とも非課税 2030年度基準85%達成車自家用自動車・軽自動車・営業用自動車とも非課税 2030年度基準75%達成車自家用自動車1%、軽自動車・営業用自動車は非課税 2030年度基準60%達成車自家用自動車2%、軽自動車・営業用自動車1% 上記以外もしくは2020年度基準未達成車自家用自動車3%、軽自動車・営業用自動車2% ※ディーゼル車は2030年度燃費基準の達成率が60%以上で非課税、60%未満で3% 環境性能割の計算は、原則として下記の計算式により算出します。 ①自動車の取得価額を算出新車........取得価額 = 課税標準基準額 + オプションの価格中古車........取得価額 = 課税標準基準額 + 残価率(経過年数による指標) ②取得価額から環境性能割を算出それぞれの取得価額に税率を乗じたものが環境性能割の金額となります。環境性能割 = 取得価額 × 税率 環境性能割の臨時的軽減は終了済み 新型コロナウィルス感染症緊急経済対策の臨時的軽減措置は、一度延長された後に2021年3月31日をもって終了しています。自家用の乗用車(普通車、軽自動車とも)の購入時に環境性能割の税率がさらに1%軽減されるという内容です。 車関係の税金は随時見直されている 車関係の税金は随時見直しをされており、自動車税では燃費性能基準によって非課税や0~2%の軽減、グリーン化特例で75%軽減になる施策があります。燃費性能に基準をおいていることが多く、維持費を抑制する効果があるため燃費にすぐれた車を購入しやすくなったといえるでしょう。

自動車譲渡証明書とは?記入の仕方や作成時の注意点についても解説
旧車売買の豆知識 2022.11.29

自動車譲渡証明書とは?記入の仕方や作成時の注意点についても解説

中古車の購入や買取時に必要となる自動車譲渡証明書とは、どのような書類でしょうか。業者の担当者に説明されたがよくわからないまま記入や捺印をした人も多いと聞きます。今回Fは、自動車譲渡証明書とは何か、書き方や注意点について解説します。初めて中古車を購入する方や、個人間での名義変更を検討中の方は参考にしてください。 自動車譲渡証明書とは 自動車譲渡証明書とは、中古車の売買時や個人間での名義変更(移転登録)に必要な書類です。一般的に馴染みのない書類のため、書類の入手や記入方法がわからない方も多いでしょう。自動車譲渡証明書は、新旧の所有者間で車を譲渡した証明として移転登録に必須の書類です。様式が定められており、規定通りに記入や捺印をする必要があります。 自動車譲渡証明書の書き方 自動車譲渡証明書の書き方は、ルールに基づいて記入方法が定められています。間違った記入をすると訂正が必要となるため、記載例を参考にして正しく記入しなければなりません。記載例については国土交通省のサイトでダウンロードするか、中古車販売店から取得するようにしましょう。 1.国土交通省のサイトからひな形をダウンロード 自動車譲渡証明書は、国土交通省のサイトからひな型をダウンロードすることが可能です。F印刷時に拡大や縮小などは行わずにA4サイズで印刷すれば問題ありません。また、中古車販売店などの業者を利用する場合は用意してくれることが多いので、そちらを利用するようにしましょう。 2.必要事項を記入する 自動車譲渡証明書は、大きく分けて車両と譲渡譲受人の情報欄に分かれています。それぞれに必要事項を記入して譲渡人の捺印が必要です。各項目の詳細は下記を参照ください。 【車両情報欄】車名、型式、車台番号、原動機の型式を記載します。いずれも車検証に記載されている内容を転記しましょう。※車名は車検証記載の通りメーカー名の記入だけで問題ありません 【譲渡譲受人情報欄】・譲渡年月日........2段目に譲渡の事実があった日付を記入(1段目は譲渡人欄のため斜線)・譲渡譲受人の個人情報........1段目に譲渡人、2段目に譲受人のそれぞれの氏名と住所を記入※実印の押印が必要な書類のため、印鑑登録証明書記載の氏名住所を転記する・譲渡印........譲渡人の実印を押印(譲受人の押印は不要) 記入に関してはボールペンの使用が望ましく、文字を消すことのできるフリクションインキの使用は認められていません。 自動車譲渡証明書の誤字・脱字への対応方法 自動車譲渡証明書の誤字・脱字については、譲渡人の実印による訂正印が必要になることがあります。多くの場合はあらかじめ捨印を押しておくことで対応が可能です。しかし、捨印には法的効力はなく、軽微な記入ミスにしか対応してもらえません。車両情報欄など、重要箇所の誤字や脱字については訂正印が必要となるため注意が必要です。 ※捨印とは、軽微な誤りに備えてあらかじめ訂正印として文章の余白部分に押印するものです。 委任状が必要な場合もある 譲渡人と譲受人がそろって移転登録手続きに出向く以外では、自動車譲渡証明書と委任状はセットとして必要です。また、多くの場合は中古車販売店や行政書士などの代行業者に依頼するため、こちらも同様に委任状が必要となります。委任状も様式が定められているため国土交通省のサイトからダウンロードするか、中古車販売店や代行業者が用意したものを使いましょう。 未成年の場合は同意書も必要 車の売買や譲渡について未成年者が関わる場合は、親権者の同意書が必要です。親権者同意欄には親権者の実印を押す項目があり、印鑑登録証明書及び未成年者との関係性を証明するための戸籍謄本も必要となります。また、委任状の様式も定められているため、こちらも国土交通省のサイトからダウンロードするか、中古車販売店や代行業者が用意したものを使いましょう。 譲渡証明書以外の必要書類 中古車の名義変更(移転登録)で譲渡証明書以外に必要となる書類は、車検証や申請書などです。詳細は下記を参照ください。 ・車検証・申請書........運輸支局の窓口か国土交通省のサイトからダウンロードして入手・手数料納付書(検査登録印紙)........運輸支局で入手と印紙の購入が可能・譲渡人の印鑑登録証明書(発行から3ヶ月以内のもの)・譲渡人の実印(譲渡人が手続きする場合)・譲受人の印鑑登録証明書(発行から3ヶ月以内のもの)・譲受人の実印(譲受人が手続きする場合)・委任状(手続きする人によって記入方法が異なる)・ナンバープレート 記入の仕方や手続き方法などについては、国土交通省のホームページをご覧ください。

自動車税未経過相当額とは?経理処理の方法も解説
旧車売買の豆知識 2022.11.29

自動車税未経過相当額とは?経理処理の方法も解説

自動車税未経過相当額は、中古車を購入する際に支払う費用で、租税公課として処理しません。耳にする機会が少ない費用のため、自動車を購入する場合は、理解を深めておく必要があります。この記事では、自動車税未経過相当額とは何か、どう経理処理すればよいのかを詳しく解説します。自動車を購入する際、注文書に記載がない場合の対応方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。 自動車税未経過相当額とは 自動車税未経過相当額とは、「まだ経過していない分の自動車税」のことで、中古車購入時に支払いを求められるケースがあります。なぜなら自動車税の還付金は廃車にしないと受け取れないため、未経過分として買取金額に上乗せし、旧所有者に払い戻しをしている販売店があるからです。車の売買が成立すると、旧所有者に払い戻した未経過分を、販売店が新所有者に請求する仕組みになっています。 例えば6月に車を購入するした場合、4〜5月の2ヶ月分を旧所有者が納税し、残りの10ヶ月分を新所有者が支払うイメージです。ただし、軽自動車の場合はそもそも自動車税の還付金制度がないため、自動車税未経過相当額を支払う必要はありません。 自動車税未経過相当額の経理処理 自動車税未経過相当額は、車両本体価格に加えて「売上高」として経理処理します。なぜなら自動車税未経過相当額は税金として都道府県に納めるものではなく、あくまでも継続して車を乗用するために支払う費用の一部だからです。 また、車両本体価格と同様に別途消費税を課税する必要があります。租税公課で処理された状態で税務調査が入ると、消費税の申告漏れとして追徴課税されます。税金と混同し、租税公課として処理しないよう注意してください。 注文書に自動車税未経過相当額の記載がないときの対応方法 購入時の注文書に、自動車税未経過相当額が記載されていないケースもあるでしょう。続いて、注文書に記載がないときの対応方法を解説します。 販売店に問い合わせる 注文書に自動車税未経過相当額の記載がない場合は、販売店に理由を問い合わせてみましょう。販売店によっては、車を買取するときに未経過分を旧所有者に払い戻していないケースがあるため、自動車税未経過相当額の支払いが不要です。 また、一時的に公道を走れなくする「一時抹消登録」がされている車を購入した場合、未経過相当額ではなく、自動車税として請求されているケースもあります。販売店や購入する車によっては、支払いが不要なことも把握しておきましょう。 解決しない場合は税務署に確認を取って販売店に伝える 解決しない場合は、税務署に聞いた内容を販売店に伝えれば納得してもらえる可能性があります。ただし、販売店が未経過分を旧所有者に払い戻すのは、法的に定められた還付制度ではないため、自動車税未経過相当額を支払う判断は業者にゆだねられています。

外車の中古車購入は正しい知識がないと難しい!デメリットを理解しよう
旧車売買の豆知識 2022.11.28

外車の中古車購入は正しい知識がないと難しい!デメリットを理解しよう

「憧れの外車が欲しくても新車では高くてなかなか手が出せない……。でも中古車だと手の届きやすい価格になっており検討できそう」このような方も多いのではないでしょうか。しかし外車の中古車は国産車と比較して故障などのトラブルが多いというイメージがつきまといます。実際のところどうなのでしょうか。この記事では中古車購入のデメリットについて解説します。 外車の中古車でよくあるトラブル3選 ここからは外車の中古車を購入する際によくあるトラブル事例を3つ紹介します。 故障した際の修理費が高額になる まず、修理費が国産車と比較し高くなります。ほとんどの国産車は多くの修理・整備工場に入庫可能ですが、外車になると限られてしまいます。特に格安を売りにした整備工場の多くは外車の取り扱いをしていないことがあります。 なぜこのようなことが起こるのでしょうか。それは外車を扱うためには国産車とは別の専門知識が必要であったり、部品の調達コストがかさむなどの問題点があるからです。 一般的な1時間当たりの整備工賃(レバレート)は下記の通りです。国産車:7,000~10,000円外車:10,000~15,000円 外車を購入する場合は、故障した際にそれなりの修理費がかかることを覚悟しておきましょう。 ハイオクガソリン限定車が多く燃料代が高い 国産車では、スポーツカーや高級車など一部の車種を除けばレギュラーガソリンを入れられるクルマがほとんどです。しかし外車はガソリン車の場合、ほとんどがハイオク限定車です。ヤリスやフィットクラスのコンパクトカーでもハイオク限定車となっています。 また、低年式の外車は燃費が悪いものも多く存在します。2010年以前の欧州製コンパクトハッチバックを例にすると、リッター10km程度しか走らないこともざらにあります。当時の同クラスの国産車の場合、15~20kmぐらい走るものが多いです。 燃費を気にされる方は、外車の中古車購入は控えたほうがいいかもしれません。 リセールバリューが悪い メルセデス・ベンツやフェラーリ、ポルシェなど一部の外車はリセールバリューが高く、新車価格を上回ることもあります。そのため、外車はリセールバリューが良いと思っていませんか。実は一部の車種を除いて国産車よりリセールバリューが悪い傾向にあります。一般的な目安として同価格帯の国産車より2~3割程度安くなる場合が多いです。 なぜ外車はリセールバリューが低くなるのでしょうか。原因の一つとしてあげられるのは、前述した整備費用や燃費などの維持費の高さです。購入価格を抑えても数年間所有した場合、国産車よりトータルコストが高くなってしまうかもしれません。 外車の購入には、維持費やリセールバリューを気にしない強い意志と経済力が必要になるでしょう。 中古の外車を購入する際に気を付けるポイント では、中古の外車を購入する際、どのようなことに気を付けたら良いのでしょうか。ポイントを解説します。 外車専門店で購入する 中古車販売店には外車を専門に扱っているところもあります。さらには特定のメーカー専門店や名車専門店なども存在します。専門店は一般店よりも特定メーカーや車種に関する知識を有するスタッフが在籍しており、安心して任せることが可能です。 一方、一般店より販売価格が高額になる点がデメリットです。しかし目利きのスタッフが仕入れたクルマを、しっかりと整備して納車していただけるというメリットもあります。 長い目で見た際に、専門店で購入するメリットを感じられるでしょう。 ▼輸入車専門店ガレージカレント▼アメリカンヴィンテージカー専門店ガレージカレント U.S. アフターサービスを確認する 外車購入の際は、アフターサービスをしっかりと確認しましょう。修理費や整備費が国産車と比較すると高くなりますが、店舗によっては充実した保証サービスを提供しているところもあります。保証内容と保証期間は明確にすることが重要です。充実したアフターサービスを受けられるなら、リスクを軽減できるでしょう。 コスト重視の方は国産車購入をオススメ 外車を所有することは、特別感や充実感を得られる代わりに、高額なランニングコストを支払わなければなりません。一見、安いと思える中古外車も3年後、5年後には「国産車を選んでおけば良かった……」と後悔する可能性があります。強い思い入れがなく低コストでクルマを維持したい方には国産車購入をオススメします。 また、国産車は中古市場でも人気が高くなっています。10年落ちの国産車でもナビやコーナーセンサーなど標準装備されている車種が多く、不便に感じることは少ないでしょう。昔は10年落ち、10万kmオーバーのクルマは価値がなくなると言われてきましたが最近のクルマは充分元気に動きます。実用性重視の方には国産中古車の購入は間違いない選択であると言えます。 まとめ 販売価格の安い外車中古車は、正しい知識がないと購入後に後悔してしまうかもしれません。外車中古車の購入を検討する際は維持費の高さやリセールバリューの低さを覚悟しておきましょう。外車は国産車とは違う魅力があります。デメリットを理解し納得できた場合には、楽しい外車ライフがあなたを待っているでしょう。

エコカー減税は中古車も対象?2022年時点における減税制度を確認
旧車売買の豆知識 2022.11.28

エコカー減税は中古車も対象?2022年時点における減税制度を確認

中古車を購入するとき、環境負荷が小さく、経済性にも優れているエコカーを選びたいと考える方も多いのではないでしょうか。そこで気になるのが、中古車も「エコカー減税」の対象になるのかということでしょう。今回は、エコカー減税が中古車も対象になるのか解説します。車の維持費にも直結するエコカーの減税制度について知りたい方は、参考にしてみてください。 中古車の一部はエコカー減税の対象 次の2つの条件を満たすと、中古車でもエコカー減税を受けられます。・2023年4月30日までに新規登録・届出されていること・初回車検を迎えていない(登録から3年以内)であること そもそもエコカー減税とは エコカー減税とは、排出ガス性能や燃費性能に優れる車に対し、自動車重量税を軽減するという制度です。減税率は、車によって異なります。性能が良いほど税金の負担が軽減されるため、購入時や初回車検時の出費を少しでも抑えたい場合は、環境性能に優れる車を選ぶとよいでしょう。 エコカー減税は終了期限が決まっている このエコカー減税は、2023年4月30日までに登録された車(2022年11月現在)が対象です。 減税制度を利用して車を買いたいと考えているのであれば、期限に間に合う手続きを進めなければなりません。2020年代になってから世界的な半導体不足の影響や新型コロナウイルスの影響などにより、新車の納期が長くなっています。そのため、減税制度を利用したいのであれば、早めに商談する方がよいでしょう。 中古車購入時にエコカー減税を受けるための手続きは不要 中古車購入時の手続きは必要ありません。購入時に業者が手続きしてくれます。 エコカー減税で税金はどれぐらい安くなる? 減税制度が適用されると、25%〜100%(免税)安くなります。減税率に幅があるのは、燃費基準達成率に応じて減税率が異なるためです。 環境性能に優れるプラグインハイブリッド(PHEV)/電気自動車(BEV)/クリーンディーゼル車などは100%減税(取得時・初回車検時)。低燃費車については、120%達成で100%(取得時・初回車検時)、90%~100%達成で100%減税(取得時)、75%~85%達成で50%(取得時)、60%~70%達成で25%(取得時)となります。 例えば、プリウスPHVを購入した場合、購入時と初回車検時が減税(100%減税)です。そのため、1年落ちのプリウスPHVを中古で購入すれば、初回車検時も減税を受けられます。

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