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被相続人の車は、相続人だけでなく血縁関係がない第三者も相続できます。どのように手続きすればよいのか、本当に第三者に相続できるのか疑問に思っている方もいるでしょう。この記事では、第三者に車を相続する方法や、手続きパターンなどについて紹介します。 第三者に車を相続する際の手続き 第三者に車を相続してもらうには、一旦相続人名義にしてから、第三者へ名義変更する必要があります。まずは、第三者に車を相続する際の必要書類や手続きの流れを紹介します。 相続人に名義変更する 第三者が車を相続するには、まず被相続人名義から相続人に名義変更します。必要書類は以下のとおりです。 自分で揃える書類 陸運局で入手する書類 被相続人の戸籍謄本※死亡した事実や相続人全員を証明できるもの 手数料納付書 遺産分割協議書※相続人が複数いる場合 OCRシート(第1号様式) 相続人の印鑑証明書 自動車税申告書 相続人の実印※手続きを代行してもらう場合は実印を押印した委任状 車庫証明書※被相続人と同居していた場合は不要 車検証 必要書類を揃えたら以下の手順に沿って、相続人が住んでいる地域を管轄する「陸運局」で名義変更します。 1.窓口で印紙を購入し「手数料納付書」に貼り付ける2.車検証を発行している窓口に必要書類を提出する3.発行された車検証の内容に誤りがないかその場で確認する4.隣接している「自動車税事務所」で税申告をする5.ナンバー変更がある場合は「ナンバーセンター」に旧ナンバープレートを返却する6.新しいナンバープレートを取り付けて封印する 管轄の陸運局が変わり、ナンバー変更がある場合は「ナンバープレート取り付け所」で封印する必要があるため、車を陸運局に持ち込みましょう。 なお、軽自動車を相続人に名義変更する場合は、陸運局ではなく「軽自動車検査協会」で手続きします。必要書類は以下のとおりです。 自分で揃える書類 軽自動車検査協会で入手する書類 被相続人の戸籍謄本※死亡した事実や相続人であることが証明できるもの 申請依頼書※手続きを代行してもらう場合のみ必要 相続人の住民票 自動車検査証記入申請書 相続人の認印 軽自動車税申告書 車検証 第三者に名義変更する 被相続人から相続人名義にしたら、第三者に名義変更します。第三者に名義変更する際の必要書類は以下のとおりです。 ■普通車 ・相続人の譲渡証明書・相続人の実印※手続きを代行してもらう場合は実印を押印した委任状・新所有者の印鑑証明・新所有者の実印※手続きを代行してもらう場合は実印を押印した委任状・車庫証明書・車検証・手数料納付書・OCRシート(第1号様式)・自動車税申告書 ■軽自動車 ・新所有者の住民票・車検証・申請依頼書※手続きを代行してもらう場合のみ必要・自動車検査証記入申請書・軽自動車税申告書 手続きの流れは、被相続人から相続人へ名義変更する際と同様です。 また、新所有者が決まっていて必要書類が揃っていれば、1度の手続きで第三者に相続できます。1度の手続きで第三者に相続してもらうには、被相続人から相続人へ名義変更する際の必要書類も同時に提出します。陸運局や軽自動車検査協会に再度出向く必要がないため、手間を減らしたい場合は参考にしてください。 第三者に車を相続する手続きパターン 第三者に車を相続する際の手続きは、自分で陸運局に直接出向くほか、ディーラーや行政書士に代行を依頼できます。続いて、第三者に車を相続する手続きパターンを紹介します。 自分で手続きする 自分で陸運局に出向いて、名義変更手続きをします。必要書類に漏れがあると手続きが受理されないため、不備がないか確認しておきましょう。 なお、管轄の陸運局や軽自動車検査協会がわからない場合は、以下から確認してみてください。 ・陸運局・軽自動車検査協会 ディーラーに代行してもらう 陸運局の営業時間は「平日8時45分〜16時」のため、仕事や家庭の事情で出向けない場合はディーラーに代行してもらう方法もあります。車に関する手続きに精通しており、必要書類に漏れがないかを確認してもらえます。ただし、3〜8万円程度の代行費用が発生するため、費用を抑えたい方は注意してください。 また、第三者に車を相続する際の手続きは、自動車販売店にも代行を依頼できます。代行費用は3〜5万円程度と、ディーラーより安く設定されているため、費用を抑えたい方は参考にしてください。店舗によっては、手続きの代行自体を行っていない可能性があるため、事前に問い合わせて確認しておくとよいでしょう。 行政書士や弁護士に代行してもらう 行政書士や弁護士に手続きを代行してもらうことも可能です。相続に関する手続きに精通しているため、スムーズに対応してくれるでしょう。また、行政書士には相続に必要な書類の取得から、陸運局での手続きを代行してもらえます。忙しくて必要書類を取得できないときや、平日に陸運局に出向けない場合におすすめです。 なお、代行費用は1万5,000円〜6万円程度です。ただし、書類の取得から手続きを一任すると、目安の代行費用より高くなる可能性があるため注意しましょう。 まとめ 相続した車を第三者に譲渡する場合は、一旦相続人に名義変更する必要があります。必要書類が揃っていて、第三者の誰に相続するのかが決まっていれば、手続きを同時に行うことも可能です。陸運局や軽自動車検査協会に再度出向く必要がないため、手間を減らしたい場合は参考にしてください。 また、陸運局は「平日8時45分〜16時」までしか営業していないため、都合が合わない方もいるでしょう。都合が合わない場合はディーラーや自動車販売店、行政書士に代行を依頼してみてください。
引っ越しする際には車検証も住所変更しなければなりません。車検証の住所変更は、必要書類をいくつか揃えなければならないほか、15日以内に手続きを行う必要があります。この記事では、車検証の住所変更をしなければならない理由や手続きの手順、発生する費用などを紹介します。 車検証の住所変更をしなければならない理由 車検証の住所変更をしないと、車に関する通知が自宅に届きません。罰金を科せられるケースもあるため、住所が変わったらすみやかに手続きしましょう。まずは、車検証の住所変更をしなければならない理由を紹介します。 そもそも車検証とはどのような書類? 車検証とは、車が保安基準に適合していることを証明する書類です。車の権利関係や課税に関する情報を明確にするための書類でもあります。車検証には所有者や使用者、車に関する情報が記載されており、運転する際は必ず車に備え付けておかなければなりません。 デジタル化推進により2023年1月4日以降は、従来の車検証の1/4の大きさで、ICタグが搭載されたものが発行されます。記載事項に変更があった際や車検時に陸運局へ出向く必要がなくなるため、スムーズな更新手続きが可能です。 また、車検証に記載されている所有者の住所に自動車税の納付書やリコールの通知が届くため、居住地が変わった場合は必ず住所変更をしておきましょう。 車検証の住所変更をしないとどうなる? 車検証の住所変更をしないと、自動車税の納付書が旧住所に届いてしまうため、税金の納付をし忘れる可能性があります。期日までに納付しないと延滞金が発生するほか、車検の更新や売却もできなくなります。 また、車検証の住所変更をしないとリコールの通知も届きません。リコール通知が届かないとリコール対象車か把握できないほか、改修を受けないと保安基準に適合していない状態となることもあるため注意が必要です。リコールを受けなかったことが原因で事故を起こした場合は、車の所有者や使用者が責任を問われる可能性があります。 なお、車検証の住所変更の期日は、住所に変更があってから15日以内にと定められています。期日を過ぎると50万円以下の罰金が科せられる可能性があるため、すみやかに手続きしましょう。 車検証の住所変更の手順 車検証の住所変更の手順をあらかじめ把握しておくと、スムーズに手続きできるでしょう。続いて、車検証の住所変更の手順を紹介します。 車検証の住所変更をするための事前準備 車検証の住所変更をする前に、管轄の役所で転入手続きを済ませておきましょう。先に転入手続きを済ませないと、住所変更に必要な新住所の住民票を入手できません。 また、住所変更手続きをする際は、車庫証明も必要です。自宅から2km以内の駐車場を保管場所として申請しなければならないため、敷地内に止められない場合は、周辺の月極駐車場を事前にチェックしておきましょう。 車検証の住所変更手続きをする場所 車検証の住所変更手続きは、住所を管轄する陸運局で行います。軽自動車の場合は、住所を管轄する軽自動車検査協会で変更手続きをします。 普通車と軽自動車では、車検証の住所変更手続きする場所が異なるため、混同しないように気をつけましょう。なお、管轄の陸運局と軽自動車検査協会は以下から確認できるため、参考にしてみてください。 ・陸運局・軽自動車検査協会 準備する書類について 車検証の住所変更手続きに必要な書類は、普通車と軽自動車で異なります。それぞれの必要書類を紹介します。 普通車(登録車)の場合 普通車の住所変更手続きに必要な書類は、以下のとおりです。 【自分で用意する書類】 【陸運局で入手できる書類】 車検証 申請書(第1号様式) 使用者の住所を証明する書類 手数料納付書 車庫証明書 自動車税申告書 ナンバープレート※管轄が変わる場合 委任状 ※第三者が手続きする場合 希望番号の予約済証 ※希望ナンバーを取得する場合 手数料印紙 350円分 使用者の住所を証明する書類は、新旧住所の移り変わりが記載されている以下が必要です。 ・個人......住民票もしくは戸籍謄本・法人......商業登記簿謄本 新旧住所の移り変わりが記載されていない場合は、以下で代用できるため、参考にしてください。 ・個人......住民票の除票もしくは戸籍の附票・法人......商業閉鎖登記簿謄本等 出典:国土交通省東北運輸局「Q1.自動車の名義変更や住所変更はどのようにすればよいですか?」 また、陸運局の管轄に変更がある場合は、旧ナンバープレートを返却する必要があります。たとえば、練馬区から足立区に引っ越した場合、練馬ナンバーから足立ナンバーになるため管轄の陸運局が変わります。 管轄の陸運局に変更がなくても、好きな数字を選べる「希望ナンバー」を申請する場合も旧ナンバープレートを返却しなければなりません。 軽自動車の場合 自動車の住所変更手続きには、以下の書類が必要です。 【自分で用意する書類】 【軽自動車検査協会で入手できる書類】 車検証 自動車検査証記入申請書(軽第1号様式) 使用者の住所を証明する書類 申請依頼書 ※第三者が手続きする場合 ナンバープレート※管轄が変わる場合 軽自動車税申告書 希望番号の予約済証 ※希望ナンバーを取得する場合 使用者の住所を証明する書類として、マイナンバーが記載されていない住民票、もしくは印鑑登録証明書を提出する必要があります。 車が法人名義の場合は、以下のうち1点が必要なため用意しておきましょう。 ・商業登記簿謄本・登記事項証明書・印鑑証明書 上記の書類がない法人は、公的機関が発行する以下のうち1点が必要です。 ・事業証明書・営業証明書・課税証明書・電気、水道料金などの領収書 また、軽自動車は普通車のように車庫証明書を取得する必要がありません。ただし、車の保管場所を確保していることを届け出る「保管場所届出」が必要な地域もあります。住所変更時は不要なものの、後日管轄の警察署で届出をしなければならない地域もあるため、保管場所届出が必要かどうか確認しましょう。 なお、管轄の軽自動車検査協会に変更がない場合は車を持ち込まずに住所変更ができます。 字光式ナンバーを希望する場合は「字光式車両番号指示願」も必要なため、忘れずに持参しましょう。 参考:軽自動車検査協会「住所変更(引っ越し)」 住所変更の手続きの流れ 住所変更の手続きは、普通車か軽自動車かによって流れが異なります。それぞれの手続きの流れは以下のとおりです。 【普通車】1.管轄の陸運局へ出向く2.ナンバープレートを外す3.手数料納付書と申請書、自動車税申告書を入手して記入する4.整備振興会の窓口で350円分の印紙を購入して手数料納付書に貼り付ける5.検査登録事務所の窓口に必要書類を提出する6.住所変更後の車検証を受け取る7.自動車税事務所の窓口で税申告をする8.旧ナンバープレートを返却する9.新しいナンバープレートを受け取る10.封印取付場でナンバープレートに封印をしてもらう 【軽自動車】 1.管轄の軽自動車検査協会へ出向く2.申請書や軽自動車税申告書を入手して記入する3.「総合案内窓口」へ必要書類を提出する4.旧ナンバープレートを返却する(ナンバープレートの変更を伴う場合)5.住所変更後の車検証を受け取る6.新しいナンバープレートを受け取る(ナンバープレートを変更する場合)7.「自動車税事務所」の窓口で税申告をする 普通車と軽自動車の大きな違いは、手続きする場所が異なる点です。手数料や封印の取付の有無にも違いがあるため、スムーズに住所変更手続きができるよう、事前に流れを把握しておきましょう。 また、車検証の住所変更は自動車販売店や行政書士に手続きの代行を依頼できます。陸運局や軽自動車検査協会は、平日9〜16時頃までしか手続きを受け付けていないため、期日までに住所変更を行えないケースもあるでしょう。 代行費用が発生するものの、スムーズに住所変更を行えるため、時間内の手続きが難しい場合は依頼を検討してみてください。 車検証の住所変更にかかる費用 車検証の住所変更をする際は、陸運局でかかる手数料に加えて、住民票や車庫証明の交付料も発生します。 住所変更にかかる具体的な費用は以下のとおりです。 ・手数料 350円・住民票 300円程度・車庫証明 2,500円程度・ナンバープレート 1,500円程度 ※管轄の運輸支局に変更がある場合 希望ナンバーや字光式ナンバーを申請する場合は、以下の費用が発生します。 ・希望ナンバー 4,000円程度・字光式ナンバー 6,000円程度 また、賃貸の敷地内や月極駐車場を保管場所にする場合は「保管場所使用承諾書」を、車庫証明の申請時に警察署へ提出する必要があります。保管場所使用承諾書には、管理会社の署名や捺印が必要であり、数千円〜数万円程度の発行手数料がかかるケースがあることも把握しておきましょう。 まとめ 車検証は、保安基準に適合していることを証明するほか、車の権利関係や課税に関する情報を明確にするための書類です。住所に変更があってから15日以内に陸運局や軽自動車検査協会で住所変更手続きをする必要があります。期日を過ぎると50万円以下の罰金が科せられる可能性もあるため、住所が変わった場合はすみやかに手続きしましょう。 なお、車検証の住所変更は自動車販売店や行政書士に手続きを代行してもらうことが可能です。陸運局や軽自動車検査協会の開庁時間に自分で手続きできない場合は、業者に代行してもらうことも視野に入れましょう。
クルマを使っていると、故障したり事故を起こしたりするリスクがあります。何らかのトラブルによってクルマが破損した場合、修理したほうがよいのか、買い替えたほうがよいのか悩む方は多いのではないでしょうか。 今回は、クルマが破損したときの対応の判断基準について解説します。クルマを修理するか買い替えるか悩んだ場合に参考にしてみてください。 クルマを修理するか買い替えるかの判断基準 クルマを修理するか買い替えるか判断するときは、修理費用やリセールバリューへの影響などを考える必要があります。ここからは、修理と買い替えの判断基準について解説します。 修理費用 修理の見積もりを出してもらったときに、予想以上に高額になった場合は買い替えも視野にいれるとよいでしょう。 クルマがキズついたり破損したりしたときは、修理できるか相談すると同時に修理費用の見積もりを出してもらえることが多いです。算出してもらった見積額が予想以上に高く、修理に多額の費用がかかるのであれば、修理してもらう予定だった費用を新しいクルマの頭金に充てるほうがよいでしょう。 ただし、クルマに愛着があったり、ローンの残債が多く残っていたりする場合は、修理に出したほうがよいでしょう。 現在の経済状況やクルマに関する支払い、クルマに対する想いなどと修理費用のバランスを総合的に考えて、修理するか買い替えるか決めることが大切です。 リセールバリューへの影響 クルマを売却するときのことも考えて修理するかどうかを決めましょう。 クルマの修理には、リセールバリューに大きく影響する修理(クルマのフレームなどの修理)とあまり影響しない修理(すりキズや凹みなどの修理)があります。もし、リセールバリューに影響する修理をする場合は、いつまで今のクルマに乗り続けるか、いつ頃に売却する予定なのかなど、先々のプランまで考えてから修理するか判断しましょう。 クルマを修理したほうがよいケース ここからは、クルマを修理したほうがよいケースについて解説します。ここで解説する条件に当てはまる場合は、多少修理費用が高くても、クルマを修理したほうがよいでしょう。 メーカー保証を利用できる メーカー保証を利用できる場合は修理したほうがよいでしょう。メーカー保証で修理できる内容や範囲は限られていますが、適用できる修理であれば費用を負担する必要がありません。そのため、走行に関わる重要な機関に関する不具合が発生したり故障したりしたときは、メーカー保証が適用できるか確認しましょう。 走行距離が短い 走行距離が短かったり年式が新しかったりするクルマや、購入して間もないクルマであれば修理したほうがよいでしょう。クルマは時間が経過しても一定の価値を維持し続け、資産としての価値が残ります。 ただし、購入して間もない時期は、購入額より売却額のほうが低いケースが多いです。また、買ってから数年しか経過していない新車の場合は、メーカー保証で修理できる可能性があります。そのため、購入してからの日が浅く走行距離が短い場合は、修理して乗り続けたほうが出費を抑えられるでしょう。 ローン残債が多い クルマをローンで購入している場合で、残債が多い時期の故障や損傷は、修理したほうがよいでしょう。ローンの残債が多い状態でクルマを買い替えると、返済分と新たなクルマを購入費用が重なり、修理費用以上の出費になる可能性が高いです。 クルマの売却によって返済額を多少減らすことはできますが、残債を相殺するだけの査定額にならない場合もあります。そのため、ローン残債が多いときは、修理したほうがよいでしょう。 車検を通して間もない 車検を通して間もないときの故障や損傷は修理したほうがよいでしょう。車検を通したばかりのタイミングで買い替えても、車検費用分が査定額に上乗せされることはあまりなく、車検費用分を損してしまう可能性が高いです。 そのため、車検直後の故障や損傷は修理したほうがよいといえるでしょう。ただし、流通台数の限られている希少車や名車は、売却時にプレミア価格がつく可能性が高いです。よって、車検直後の売却が必ず損になるわけではありません。 消耗品の劣化が少ない 消耗品の劣化が少ない場合は、修理したほうがよいでしょう。クルマは、時間が経過するほど部品が劣化します。言い替えれば、新車や点検・整備した直後であれば、部品の劣化が少なく、この先もしばらく乗り続けられる状態ということです。このような場合は、買い替えよりも修理のほうが出費を抑えられる可能性があります。修理費用と査定額を比べて、安く抑えられるほうを選択するとよいでしょう。 経済的に余裕がない 経済的に余裕がない場合は修理したほうがよいでしょう。修理費用が高額な場合、買い替えも視野に入れる方も少なくありません。しかし、買い替え費用(ローンの一括返済等を含む)が修理費用より高額な場合や多重ローンを組む可能性がある場合は修理のほうがよいといえます。 クルマを買い換えたほうがよいケース ここからは、買い替えしたほうがよいケースについて解説します。 初年度登録から10年以上が経っている 初年度登録から10年以上経過している場合は、買い替えを検討するとよいでしょう。必ず買い替えたほうがよいわけではありませんが、初年度登録から10年以上経過すると、交換部品やメンテナンス・調整すべき部品が増えます。そのため、買い替え費用より修理費用のほうが高いケースが増えます。 修理費用が予想以上に高額になる場合や新しいクルマに乗り換えたほうがメンテナンスが楽になる場合は、買い替えたほうがよいでしょう。 走行距離が10万kmを超えている 走行距離が10万kmを超えている場合も、初年度登録から10年以上経過している場合と同じように、交換部品や調整・メンテナンス部品が増えます。そのため、買い替えを検討するとよいでしょう。 買い換えるクルマの価格と修理費用に大きな差がない 修理費用の見積もりを出したときに、買い替え費用との差が小さい場合は、買い替えを検討するとよいでしょう。直して乗り続けたいほど愛着がある場合は修理したほうがよいですが、新しいクルマに買い替えて心機一転したいと考えているのであれば買い替えをおすすめします。 水没した クルマが水没した場合は、買い替えを検討したほうがよいでしょう。水没すると走行に重大な問題が発生する可能性があるだけではなく、室内に悪臭が残ったり修理後のトラブル率が高くなったりする恐れがあります。そのため、水没した場合は、クルマを買い替えて新しいクルマでカーライフを再開したほうがよいでしょう。 骨格部分が大きく損傷している クルマの骨格部分が大きく損傷した場合も、買い替えたほうがよいです。クルマの骨格は、走行性能のみならず、事故の際の乗員保護性にも影響します。そのため、クルマの骨格が大きく変形したり損傷したりするなどのダメージを受けた場合は、安全性を確保する意味でも買い替えをおすすめします。 クルマの修理費用の目安 クルマの修理費用は、場所や部品によって異なため、一概に◯◯万円と断言できません。あくまで目安となる修理費用を紹介します。 修理内容 費用相場 小さなキズや凹み 数千円〜数万円 ガラス交換を含む修理 5万円程度〜 センサー類の調整 1万〜3万円程度 パネル(ドアパネルやボンネットなど)の交換を含む修理 20万〜50万円程度 骨格部分の損傷を含む修理 30万円程度〜 エンジンや電装品交換を含む修理 10万円程度 運転支援システムが搭載されているクルマや複数のセンシング装置が装着されているクルマの場合は、細かな調整や設定、微調整などが必要なため、プラス10万円以上かかると考えておくとよいでしょう。 まとめ クルマの修理費用は、損傷した箇所によって大きく異なります。そのため、現在の経済状況やクルマに対する愛着、年式や走行距離などに応じて、修理するか買い替えるか検討しましょう。悩んだときは、修理業者や販売店など、クルマに関するプロに相談して決めることをおすすめします。
「中古車を買うときは記録簿があるものを選んだほうがいい」といわれています。なぜ記録簿があるものを選んだほうがよいのでしょうか。また、自分が売るときにも記録簿はあったほうがよいのか気になる方も多いでしょう。 今回は記録簿の役割や売却への影響や、記録簿がある車を選ぶメリットなどについて詳しく解説します。 車の購入を検討中の方や、今後車を売る予定がある方はぜひ参考にしてください。 記録簿とは 記録簿は、その車が今まで行った整備を記録する専用の用紙で、正式名称を「定期点検整備記録簿」といいます。 車検のときだけではなく、12ヶ月点検や分解整備を行ったときにも記入が必要です。 記録簿の売却への影響 記録簿の有無によって、車を売却するときにどのような影響があるのでしょうか。 記録簿がなくても車の売却は可能ですが、記録簿がないと査定額が下がる可能性があります。記録簿がない場合、実際はきちんと整備されていたとしても整備されていない車だとみなされてしまう可能性があるためです。 反対に記録簿があれば、点検や整備を行った記録が残るため、車を売却するときに高く評価されます。 そのため、今乗っている車をいずれ売却しようと考えている方は、記録簿をなくさないように注意しましょう。 記録簿がある中古車を選ぶメリット 記録簿がある中古車を選ぶメリットは2つあります。 ・メンテナンスの適切な時期がわかる ・次に売る時の査定額が高くなる それぞれ詳しく解説します。 適切なメンテナンス時期がわかる 先述のとおり、記録簿では、過去の点検や整備の記録を確認できます。そのため、どのタイミングで部品やオイルなどの消耗品を交換すればよいのかを把握できます。 次に売るときの査定額が高くなる可能性がある 記録簿があればきちんと整備されている車だと証明できます。そのため、売却時に記録簿があると評価が上がるかもしれません。愛車の価値を正しく査定してもらうためにも、しっかりと管理しておきましょう。 記録簿の入手方法 ディーラーや整備工場で車検を行う場合は記録簿を用意する必要はありません。一方でユーザー車検の場合は用意する必要があります。 もし記録簿がないのであれば、整備振興会で購入可能です。また、Webサイトからダウンロードもできます。 記録簿の読み方 記録簿は記号で記されているため、記号の意味がわからないと読むことができません。そこで、記録簿で使われている記号とその意味を以下にまとめました。 記号 意味 レ点 異常なし △ 修理 ✕ 交換 ◯ 分解 A 調整 C 掃除 T 締付 L 給油 / 点検項目なし まとめ 今回は記録簿とは何か?売却への影響や、記録簿がある車を選ぶメリットなどについて詳しく紹介しました。 記録簿はその車が新車で購入されたときから今までの点検・修理・整備の記録が載っている用紙です。 そのため、中古車を購入する際は記録簿のあるものを選ぶと安心です。また、売却時に高く査定される可能性があるので、車を購入したら必ず記録簿をつけて、なくさないようにしましょう。
残クレを契約している場合、最終回の支払い時に残価を一括返済すると車を買い取れます。まとまった資金がない場合は、再ローンを組み残価を分割払いで買い取ることも可能です。とはいえ、再ローンを行うべきか迷っている方もいるでしょう。この記事では、残クレの再ローンの特徴や注意点を紹介するとともに、フルローンと比較解説します。 残クレの最終回の支払い時点で再ローンが可能 残クレは、最終回の支払い時点で再ローンが可能です。残クレで契約した車を買い取るには、基本的に一括返済しなければなりません。ただし、まとまった資金がない場合は残価分のローンを組むことで分割で返済できます。 販売店やローン会社から、最終回の選択についての案内が届いたら「再ローンをして乗り続けたい旨」を伝えましょう。なお、メーカーによっては「再クレジット」や「再分割」とも呼ばれています。 残クレの再ローンの注意点 残クレの再ローンは、まとまった資金がなくても車を買い取れるものの、注意しなければならない点がいくつかあります。残クレの再ローンを組む際の注意点を紹介します。 金利が上がる 再ローンは、金利が上がるため月々の返済額が増えます。金利は以下のようにマイカーローンの種類ごとに異なり、残クレはディーラーローンより低金利な傾向があります。 ・金融機関のマイカーローン 2〜4%・ディーラーローン 4〜8%・残クレ 3〜5% ただし、再ローンを組む際は、ディーラーローン程度の金利に引き上げるメーカーがほとんどです。金利が高くなると月々の返済額が増えるため、家計に負担がかかる点に注意しましょう。 再度審査に通過する必要がある 再ローンを組むには再度審査に通過しなければなりません。審査では、収入に対して借入額が高すぎないかや、他社への借入状況を確認されます。返済能力がないと判断された場合は、再ローンを利用できません。 また、審査基準は残クレ時より再ローンの方が厳しい傾向にあるため、通過できない可能性があることに留意が必要です。なかでも、マイカーローン以外に他社でも借入をしている場合や、税金の支払いを滞納していると審査に影響が出る可能性があります。 支払回数が制限される 再ローンは、支払い回数が制限されているケースがあります。トヨタやホンダでは、残クレと再ローンの支払い回数を合わせて「84回(7年)」までと指定されています。つまり、残クレの60回(5年)支払いで契約した場合、再ローンを組む際は残価を「24回(2年)」で返済しなければなりません。 たとえば、年利3.9%で300万円の車を残クレの60回で契約し、残価が150万円の場合は、月々「3万2,000円」程度を支払う必要があります。84回までと制限されている場合の再ローンは、残価の150万円を24回で返済する必要があるため、月々の返済額は「6万6,000円」程度です(年利6.5%の場合)。 支払い回数が制限されていることにより、月々の返済額が増える可能性がある点に注意しましょう。なお、残クレは基本的に車検を取得するタイミングである「36回(3年)」もしくは「60回(5年)」で契約されることがほとんどです。 残クレのメリットが小さくなる 再ローンを組むと、残クレの「月々の返済額を抑えられる」メリットが小さくなります。再ローンは残クレ時より金利が上がるため、月々の返済額が増えるほか、余分に利息を支払わなければなりません。余分な利息により総支払額も増えるため、フルローンで車を購入するより損する可能性があります。総支払額を減らすためにも、再ローンを組む際はなるべく支払い回数を短くして契約するとよいでしょう。 残クレの再ローンとフルローンの比較 350万円の車を「残クレの再ローン」と「フルローン」で購入した場合の利息や総支払額を算出しました。利息を少しでも減らして車を購入したい場合は、参考にしてみてください。 【残クレの再ローンで車を買い取りした場合】 残クレ時(残価190万円・36回払い・金利3.9%・ボーナス払いなし) 残クレ再ローン時(48回払い・金利6.5%・ボーナス払いなし) ・月々の返済額 5万円5,000円程度・利息 31万1,000円程度 ・月々の返済額 4万5,000円程度・利息 26万2,000円程度 再ローンで車を買い取るまでは、「57万3,000円」程度の利息が発生し、総支払額は「407万3,000円」程度です。 【フルローンで車を購入した場合】・3年ローン・金利 6.5%・頭金なし・ボーナス払いなし 上記の条件で350万円の車をフルローンすると、「36万円」程度の利息が発生し「386万円」程度の総支払額で車を購入できます。月々の返済額は「10万7,000円」程度と毎月の負担はあるものの、フルローンの方が結果的に支払う金額が少ないことがわかります。少しでも利息を減らしたい場合は、フルローンで車を購入するとよいでしょう。 残クレの再ローン以外の選択肢 残クレは再ローンを組む以外に、次の選択肢があります。 ・車を乗り換える・車を返却する・最終回分を支払う 上記の選択肢は、最終回の支払いの6ヶ月前に、販売店やローン会社から案内が届きます。どの方法を選択するか考える猶予があるため、メリットやデメリットを考慮して慎重に選びましょう。 車を乗り換える 車を「ディーラーの下取り」もしくは「買取業者に売却」して、新たに乗り換える方法があります。最新モデルに乗り換えられるため、新しいモデルを好む方に選択されることがほとんどです。また、「家族が増えた」「親の介護が必要になった」など、ライフスタイルに変化があった場合、ニーズに合わせて車を購入できます。 ただし、売却額が残価を下回った場合は差額分を一括返済するか、新たにローンを組まなければなりません。状態によっては、差額分の支払いが生じる可能性があるため、車を高く売却できる業者に買い取ってもらうとよいでしょう。 また、乗り換えた場合は3年間の無料のメーカ保証が付帯されます。一方、再ローンを組んだ車は登録されてから3年以上経過しているため、付帯されているメーカー保証が切れている状態です。 万が一、エンジンやトランスミッションが壊れると100万円程度の修理費が発生するため、保証に加入している新車に乗り換えた方が維持費を抑えられます。輸入車の場合は、さらに修理費が高額になるため、新車に乗り換えた方が維持費を抑えられるでしょう。 とはいえ、メーカーによっては3年後以降も加入できる「延長保証」を購入できます。ただし、延長保証は有料であり、5〜10万円程度の加入費用が発生することを把握しておきましょう。 車を返却する 車を査定してもらい、購入した販売店に返却します。転勤や海外赴任など、車に乗る予定がなくなった場合や、他メーカーに乗り換えたい方におすすめの選択肢です。ただし、売却額が残価を下回る場合は、乗り換えと同様に差額を一括返済もしくは新たにローンを組まなければなりません。修復歴や損傷、設定された走行距離を超えていると売却額は残価に満たないため、返済前に車の状態を確認してみましょう。 また、売却額と残価の差額を一括返済できる場合は、契約途中でも車を返却できます。基本的に違約金が発生しないほか、ブラックリストにも載らないため、自分のタイミングで残クレを中途解約できます。ただし、メーカーによっては違約金を設定している可能性があるため、事前に契約書や販売店に確認しておきましょう。 最終回分を支払う 最終回分を一括返済すると、車を買い取れます。車に愛着があり手放したくない場合は、最終回分を一括返済するとよいでしょう。買い取った車は自分名義になるため、後に売却や譲渡を自由に行うことも可能です。 また、残クレは最終回の支払い時に売却額が残価を達するよう、走行距離やカスタマイズが制限されています。車を買い取ると、走行距離を気にせず運転できる点や、自分好みにカスタマイズできる点はメリットといえるでしょう。 残クレを利用するときは再ローンしないことが前提 残クレは、契約期間満了後に「乗り換え」もしくは「返却」すると金額面で得をします。一方、再ローンは金利が上がることで利息を余分に支払う必要があるため、逆に損する可能性があります。どうしても乗り換えられない理由がない限りは、利用しない方がよいでしょう。万が一再ローンを組む場合は、残クレ時との金利の違いや利息をしっかり確認したうえで利用を検討してください。 まとめ 残クレは最終回の支払い時点で、残価を再ローンできます。ただし、金利が上がり利息を余分に支払う必要があるため、メリットである「月々の返済額を抑える」ことができなくなります。残クレで車を契約する際は、再ローンしないことを前提に利用するとよいでしょう。 なお、再ローンのほかに、乗り換えや販売店に車を返却する方法もあります。売却額が残価を下回った場合は、差額を「一括返済」もしくは「新たにローンを組む」必要があるため、少しでも高く売却できる業者に車を売却しましょう。
クルマを運転しているときや屋外駐車場に停めているときに雹が降ると、ボンネットやルーフがへこんだりガラスが割れたりする可能性が高く、非常に危険です。雹とは、積乱雲から降る氷の塊のことです。直径5mm未満の粒をあられというのに対して、雹は5mm以上のものを指します。 今回は、雹害の修理方法と依頼先、費用、車両保険の適用について紹介します。愛車が雹害に遭って困っている方は今後の対応の参考にしてみてください。 雹害車の修理方法 雹害車の修理方法は、「デントリペア」「板金塗装」「パーツ交換」の3つです。まずは、それぞれの特徴について解説します。 デントリペア デントリペアは、クルマにできたへこみを裏から押し出して元の状態に戻す方法です。ヨーロッパで誕生しアメリカで育った技術で、日本に入ってきたのは西暦2000年頃といわれています。クルマの修理技術としての歴史はまだ浅いものの、広く普及しつつある方法です。 デントリペアの大きなメリットは再塗装をしないで済むことです。たとえば、板金塗装だとへこんだ箇所を引っ張ったり叩いたりしたうえで再塗装する必要があります。 再塗装でボディの色味が変わってしまうケースも多く、ムラがあると売却時に査定額が下がってしまいます。デントリペアであれば塗装には手を加えないため、クルマ本来の価値を維持できるでしょう。 また、外装修理の工程で一番費用がかかるのは塗装であるため、再塗装せずに済むデントリペアでは修理代を大幅に抑えられます。 しかし、被害箇所の数が多いとかえって費用がかさんでしまう点に注意しましょう。へこみ1個単位で修理代が算出されるケースがほとんどであるため、被害が数百箇所にも及ぶ場合は非常に高額な費用がかかる可能性があります。 板金塗装 板金塗装とは、板金と塗装の2つの工程からなる方法です。ボディの鉄板を引っ張ったり叩いたりすることでへこみをなくし、そこに塗装を施してクルマを修復します。また、なかなか直らないへこみや傷の段差を埋めるのにパテを使用する場合もあります。 軽度の被害はもちろんのこと中程度の被害にも対応可能です。デントリペアでは修理が難しいといわれるピラー部分も問題なく修理できます。 パーツ交換 パーツ交換とは、その名の通りクルマのパーツを交換する方法です。デントリペアや板金塗装でも対応ができないほど重大な被害にあってしまった場合に行います。デントリペアや板金塗装では、歪みやへこみなどが完全に元通りにならないケースも見受けられますが、パーツ交換であれば基本的に新品パーツに取り替えるため、仕上がりを心配する必要もありません。 なお、雹によって被害にあいやすいパーツとしては、ボンネット、ルーフパネル、トランクフード、フロントガラス、ヘッドライトなどが挙げられます。 雹害車の修理を依頼できる業者 雹害車の修理を依頼できる業者は、以下の4つです。 ・ディーラー・整備工場・板金修理工場・デントリペア専門店 新車の場合は、購入したディーラーに修理を依頼するのが一般的です。工場に依頼するのであれば、整備工場でも板金修理工場でも問題ありません。 デントリペア専門店とは、その名の通りデントリペアを専門に行う業者です。デントリペアに特化しているため、知識と経験を活かした質の高いサービスに期待できるでしょう。ただし、デントリペアは非常に難しい技術です。経験の浅い業者に依頼してしまうとかえって仕上がりが悪くなってしまうため、慎重に業者を選びましょう。 雹害車の修理費用 雹害の修理費用はクルマの状態によって異なります。被害状況別に修理費用の相場をみていきましょう。 軽度な被害 軽度な被害であればデントリペアで修理できる可能性があります。軽度な被害とは、1個のへこみの大きさが1~2cm程度でぱっと見では雹害だとわかりにくく、被害箇所が数箇所程度の状態です。1箇所あたり1〜3万円ほどの修理費用がかかります。 中程度の被害 中程度の被害にあってしまった場合は板金塗装での修理がよいでしょう。中程度の被害とは、1個のへこみの大きさが2~3cm程度で一目で雹害とわかる状態です。ルーフパネル、ボンネット、トランクフードまで板金塗装した場合で、15万〜30万円程度が相場です。 重度な被害 重度な被害の場合は、パーツを丸ごと交換しなければなりません。重度の被害とは、1個のへこみの大きさが3cmを超え、クルマ全体がボコボコの状態を指します。各パーツの交換費用の目安は以下のとおりです。 ・ルーフパネル 10万〜30万円・ボンネット 6万〜10万円・トランクフード 10万〜15万円・ドアパネル(1枚あたり) 10万〜30万円 雹害車には車両保険が使える 深刻な雹害にあった場合、クルマの修理もしくはパーツの交換費用は高額になってしまいます。車両保険が使えるのかどうか不安な方もいるかと思いますが、結論からいうと使用可能です。ここからは、雹害にあった際の車両保険の特徴や注意点について解説します。 雹害車は「エコノミー型」でも補償される 車両保険には「一般型」と、保険料が安い「エコノミー型」の2種類があります。補償範囲が限定的な「エコノミー型」にも「飛来・落下物との衝突」が含まれており、雹害への補償が可能です。 なお、クルマが全損だった場合は、免責金額は引かれずに、設定された車両保険金額が保険金として支払われます。全損には、クルマが大破して修理不可能な状態の「物理的全損」と、修理費用が保険金額を超えた場合の「経済的全損」の2種類があります。たとえば、修理が可能ではあるものの保険金額が100万円で修理費用が120万円だった場合は、経済的全損の対象です。 雹害で保険を使うと1等級ダウンする 雹害で車両保険を使った場合、翌年は1等級ダウンします。また、事故あり係数適用期間が1年加算されます。なお、他のクルマとの衝突事故や単独事故の場合は3等級ダウンです。雹害などの自然災害による被害は、人為的な判断ミスや運転ミスによる事故ではないため、1等級ダウンだけで済みます。 また、1等級ダウンの場合は事故あり係数適用期間が2年後にはリセットされるため、車両保険を利用するメリットは大きいといえるでしょう。 保険の請求期限は「事故発生から3年以内」 雹に限らず、車両保険の請求期限は損害を受けてから3年です。つまり、雹が降った日から3年以内に請求しなければ、保険金を受け取ることができません。 また、期限ギリギリに請求すると雹とクルマの損傷の関連性が十分に認められず、保険金が減ってしまう場合があります。損害の程度にかかわらずなるべく早めに手続きしましょう。 修理しなくても保険を使ってOK クルマを修理せずに保険金のみを受け取ることも可能です。保険金は修理費用としてではなく、クルマの買い替えの資金や他の用途にも使えます。ただし、保険金を確定させる必要があるため、整備工場もしくは板金塗装工場に概算見積もりをしてもらわなければなりません。工場によっては見積もり費用が発生するケースもあるため、事前に料金を確認しておきましょう。 また、受け取った保険金でクルマを買い替える場合は、納車されるまでの間に代車が必要なケースもあります。たとえば、雹害によりフロントガラスが割れてしまった場合、そのまま公道を走ると違反行為とみなされます。(道路交通法「62条」) 走行に支障をきたす故障や不具合がある場合には、代車を手配しなければなりません。保険会社によっては代車を手配する特約を用意している場合もあるため、ご自身が契約した内容を確認してみてください。 雹害車を修理すると「修復歴あり」になる可能性がある 雹害で修理した場合、クルマが「修復歴あり」扱いになる可能性があります。 雹は大きいものだとゴルフボール程度の大きさで、時速100km以上もの速度で落下します。ルーフパネルやリアフェンダーなどのいわゆる骨格と呼ばれる部分にも深刻なダメージを与えるケースも多く、前述の通りパーツを丸ごと交換することも珍しくありません。骨格部分を交換すると「修復歴あり」になってクルマの価値が落ちてしまいます。将来的に売却する際の査定額にマイナスな影響が出てしまうため、留意しておきましょう。 雹害車の修理の判断のポイント ここからは、雹によりクルマに傷がついた場合に、確認しておきたい2つのポイントを解説します。 保険の等級を考慮する 雹による傷は車両保険の補償範囲内です。しかし、保険を使用すると翌年の等級が1つ下がってしまいます。2年後にはもとの等級に戻りますが、事故あり係数適用期間の加算も重なることで保険料が高くなります。 大手ネット型保険のサイトでシュミレーションしたところ、現在の保険料が3万円、15等級の方が1等級下がると1万8,000円の増額されるという結果になりました。小さい金額ではないため、保険の等級が変わる影響について、検討したほうがよいでしょう。 修理費用と被害の程度を総合的に見て判断する 雹による被害の程度に応じて、適切な方法を選択する必要があります。被害の程度によっては、修理よりも交換のほうが安く済みます。 たとえば、ボンネットはルーフパネルやトランクフードに比べて交換費用が安価です。また、修理や交換をすると修復歴有りの扱いになり、将来的な査定額に大きく影響する可能性があります。こうしたことを踏まえて、対応を検討しましょう。 クルマの雹害の対策方法 ここからは、雹被害からクルマを守るための方法を2つ紹介します。 カーポートの設置 カーポートは、車庫スペースに屋根と柱を設置してクルマを保護する設備です。雹をはじめ、紫外線や鳥のフンなどからクルマを守る役割を果たします。塗装やボディの劣化を防止できたり、洗車の頻度を減らせたり、雨の日に傘を差さずに乗降できたりするなどのメリットがあります。 一方で、設置する際の初期費用と破損した場合の修理費用など、コスト面の考慮が必要です。また、設置場所にスペースがないと、柱の分だけ狭くなるため駐車しにくくなる可能性もあります。 メリットとデメリットを踏まえて、カーポートを設置するかどうか決めましょう。 毛布や厚手のボディカバーで覆う 毛布や厚手のボディカバーは、雹が直接クルマに当たるのを防いでくれるため、ボディやガラスの損傷を軽減してくれます。カーポートよりも手軽に入手できるため、スペースやコストの部分で難しい場合の選択肢といえるでしょう。 なお、毛布は水を吸うことで重くなり、固定が十分でなければズレてしまいます。また、ボディカバーは毛布ほどの厚みがありません。併用したり座布団を置いてから被せたりするとよいでしょう。 雹害を受けた車は自分で修理できる? 金属部分の凹みを自分で修理するのは難しいですが、浅い傷や樹脂パーツの凹みは、自分で修理ができます。 それぞれの対応方法は、下記のとおりです。 ・傷への対応方法:タッチペンやコンパウンドで傷を埋める・凹みへの対応方法:ドライヤーで温めて形を戻す いずれの方法も1万円未満で用意できます。ただし、方法を誤ると、状態が悪化する可能性があります。クルマをできるだけ元の状態に復元したい場合や、雹害の程度が深刻な場合は、ディーラーや修理業者へ相談するとよいでしょう。 まとめ 雹害車の修理方法と費用、依頼できる業者、車両保険について解説しました。 雹害車の修理方法は、先述の通り「デントリペア」「板金塗装」「パーツ交換」の3つがあります。被害の程度によって適切な修理方法や費用が異なりますが、雹害にあうと高額な費用がかかってしまうケースが多いです。しかし、車両保険に加入していれば補償されるため契約内容を確認したうえで、修理と手続きを進めましょう。 しかし、数十年も前に発売された古いクルマだと車両保険を付帯できないケースが多いです。パーツも少なく修理するにも費用がかさむ可能性もあるため、思い切って売却するのも1つの方法といえるでしょう。
中古車には「車検整備付き」や「車検付き」という表示があります。言葉は似ていますが、購入の際に実際に支払う金額に差が出てきます。この記事では、車検整備付きと車検付きとの違い、車検整備付きの車を選ぶメリットとデメリットについて、詳しく解説します。 車検整備付きとは 車検整備付き車とは、現在車検切れしているクルマを、中古車業者が車検を通して納車してくれるクルマのことです。表示価格には、車検を受ける前に必要な整備費用までが含まれます。法定費用という、自賠責保険、自動車重量税と印紙代を加算すれば、中古車を購入できます。 車検切れしているクルマには他に「車検整備なし」や「車検なし」の表示もあります。これらは中古車業者では車検を通すための整備や、車検を通す手続きはしません。車検に関する作業や手続きは、全て購入者が対応する必要があります。 車検整備付きと車検付きの違い 車検付きとは、車検の満了期間が残っているクルマです。購入時に車検を通す作業は不要なので、名義変更を済ませれば、すぐに乗車することができます。ただし残っている車検の満了期間は、選ぶクルマによります。満了期間が近ければ、クルマを購入してすぐに、車検を通すための手続きと費用が必要になります。 車検整備付きの車を選ぶメリット 車検整備付きのクルマを選ぶことで得られるメリットは、下記の2つです。 中古車を購入後2年間は車検を気にせずに乗ることができる 車検整備付きの中古車には、2年間の車検がついています。車検が残っている個体の場合、乗り換えてすぐに車検のタイミングを迎えるケースは少なくありません。 車検を通す際は費用がかかるうえに、完了するまではクルマに乗ることができないため、ストレスを感じる方もいるでしょう。車検整備付きであれば、納車後の早いタイミングで車検を受ける必要がないため、2年後の車検まで車に乗り続けることができます。 車検を依頼する事業者を自分で探さなくて済む 車検は、カーディーラーや整備工場などさまざまな選択肢の中から自身に合った依頼先を見つける必要があります。それぞれの特徴を理解したうえで探すことに負担を感じる方は少なくありません。 たとえば、安心感や信頼性を重視してカーディーラーで車検を受けると費用が高くなり、自分で整備工場に持ち込む場合は費用を抑えられるものの工場によっては手間がかかります。 車検整備付であれば、慌てて車検の依頼先を探す必要がなく、納車後の2年間で比較検討できる余裕があります。 車検整備付の車を選ぶデメリット 車検整備付きのクルマを購入する際には、いくつか注意しなければならないこともあります。ここでは、主なデメリットを3つ紹介します。 中古車業者が車検を通すための期間は乗車できない 車検を通してからの受け渡しになるため、納車のタイミングを予測しにくい点がデメリットです。特に販売店が繁忙期の場合、納車が予定より遅れてしまう可能性もあります。自分ではコントロールできない部分のため、車検整備付きのクルマは納車期間に余裕がある方の選択肢といえるでしょう。 表示価格から追加される費用がわかりにくい 車検整備付きのクルマには、法定費用が追加されます。実際に車検を通す場合、年式や車輌重量など複数の条件によって費用が決まるため、クルマ選びの段階では正確な金額が見えにくい点がデメリットです。 購入価格が高いのか安いのか判断が難しい 車検整備付きのクルマは、2年間の車検が付いて安心ですが、車検が残っている個体や車検なしの個体に比べて割高です。 自分で車検を通す場合、車検整備付きとして販売されている個体より安くなる可能性もあるため、購入価格が適正かどうか比較検討しましょう。具体的には、車検整備付きのものとそうではないものの価格を比較し、走行距離やクルマの状態の差も考慮しつつ、価格が適正かどうかを判断します。 車検整備付きは本当にお得なの? 車検整備付がお得になるか否かは、購入者本人の希望次第です。以下の条件に当てはまる方は、車検整備付の中古車の購入が向いています。費用を少しでも安く抑えたい方は、車検整備無しや、車検なしの中古車の購入も検討すると良いでしょう。 ・中古車業者が車検を通す時間を待つことができる・中古車を購入したら、なるべく長く車検を気にしたくない方・自分で車検を通す業者を探すのが手間だと感じる方 車検整備付きについてよくある質問 車検整備付きの中古車について、よくある3つの質問に回答します。 車検整備別の中古車との違いは? 車検整備付きの中古車を購入する際は、法定費用が追加でかかります。一方、車検整備別の中古車は、法定費用に加えて整備費用も必要です。 新車未登録の中古車との違いは? 新車未登録の中古車は、新車と同じ扱いのため、車検に関する追加費用がかかりません。また、車検期間も3年間と1年長い点が車検整備付きとは異なります。 予備車検付きの中古車との違いは? 予備車検付きの中古車には、ナンバープレートが付いていません。公道を走れるかどうかの予備車検のみを実施しており、購入後3ヶ月以内に運輸局で本登録の手続きが必要です。通常の車検(法定点検)は通っていないため、安全性の観点から車検を受けることが大切です。
中古車を購入するときに、事故車だったらどうしようかと不安になる人も多いでしょう。事故車には明確な定義があり、事故歴があるからといって全てが事故車扱いになるわけではありません。今回は、事故車の定義や見抜き方について解説します。中古車の購入を検討中の方は参考にしてください。 事故車とは 事故車とは、単に交通事故によって損傷した車ではありません。中古車販売や査定における事故車の定義は、自動車公正取引協議会や日本自動車査定協会などが定めたルールに基づいた状態にある車です。事故でへこみや傷がついてバンパーやドアを交換しただけの車や、鈑金塗装を行った車は事故車扱いされません。 事故車は車の骨格部位に損傷があるもの、もしくは修復されているものが該当します。 【損傷や修復歴があると事故車扱いとなる骨格部位】 フレーム(サイドメンバー) 車体の左右に配置され前後に伸びている骨格部位 ※モノコックボディの場合はフロアパネルに溶接 クロスメンバー 車の横方向に取り付けられた骨格部位 インサイドパネル エンジンルームの左右にあるパネルで外側にフェンダーが取り付けられている骨格部位 ピラー 車の屋根を支える骨格部位 ダッシュパネル エンジンルームと客室の間にある隔壁板 ルーフパネル 車の屋根部分 フロア 車の床部分 トランクフロア トランクの底部分 ※ネジ止め部分は骨格には該当しません。 また、冠水、火災、雹害、塩害で大きなダメージを受けた車も、業者によっては事故車扱いとなります。 事故車となるケース 事故車となるケースは、車の骨格部位が損傷するか修復されているものです。また、事故ではなく整備中に工具を落とすなどの理由で骨格部位が損傷した場合も事故車扱いとなります。事故車の定義は状況の変化に合わせて定期的に変更されており、以前までは骨格部位とされていたラジエターコアサポートは除外されました。 衝突安全ボディがスタンダードとなった現在では、事故のときに客室を守るために衝撃が骨格に分散されやすい造りとなっています。客室保護を優先した結果、軽微な事故でも比較的事故車(修復歴)扱いをされやすくなったのはそのためです。 事故車にならないケース 車の骨格以外の損傷や修復に関しては、基本的に事故車扱いにはなりません。しかし、車のフロント部分をぶつけてラジエターコアサポートを修復した車は、その部位が他の骨格部分と接しているため、査定士によっては事故車扱いと判断する可能性があります。定義としては事故車にならなくても、業者ごとの基準で違いがあるため注意が必要です。 事故車とそうではない車の違い 続いて、事故車とそうではない車の違いについて解説します。 故障のリスクが高い 事故車は、故障のリスクが高めです。きれいに修復していても、骨格にダメージを受けると工場出荷時の車よりも強度が落ちます。また、不十分な修復によりサビが発生することや、事故の衝撃により電気系統に不具合が後々出るなどするため注意が必要です。中古車として販売価格が安くても、十分に検討する必要があります。 査定額が低くなる 事故車は、査定額が低くなります。修復されていて走行や機能的に問題がなくても、数十万円単位で価値が減少すると考えましょう。これは普通の車に比べて買い手が少なくなり、後の不具合が起こりやすいことが原因です。事故の損傷状況や修理代によっては、廃車や事故車としてそのまま売却して買い換えた方がよいといえます。 自走できなければ下取りを断られる可能性が高い 事故車は、自走できなければ下取りを断られる可能性が高いでしょう。自走できない状態では、足回りやエンジンなどが大きなダメージを受けていると考えられます。この場合、高額な修理代がかかり、修復しても中古車としての価値が低くなるため、下取りを断られるケースが多いのです。事故車は損傷の大小に関わらず、業者にとっても時間と手間が非常にかかる扱いにくい車だと考えられています。 査定時には事故車であることを伝える義務がある 査定時に事故車であることを伝えるのは義務です。車を売却後に事故車であることが発覚すると瑕疵担保責任を追及される恐れがあり、多額の損害賠償を請求される可能性があります。瑕疵担保責任とは、契約の内容に不適合な欠陥品であった場合に売主が負う責任です。事故車であることを認識している場合は、わかる範囲で伝えましょう。 購入時の事故車の見抜き方 中古車を購入する時の事故車の見抜き方について解説します。プロの査定士でなくとも見抜けるポイントです。中古車の購入を検討中の方は参考にしてください。 プライスボードに修復歴なしと表記されている車を選ぶ 中古車のプライスボードの「修復歴有無」表示は、自動車公正取引協議会や日本自動車査定協会などによる統一基準により表示されています。基本的に中古車販売業者は修復歴の表示を義務として行っているため、明記されているかどうか確認するようにしましょう。 車両検査証明書を確認 中古車は車両検査証明書を公開している(業者によっては店頭のプライスボードやインターネット上に表記)業者を選ぶと、事故車かどうかすぐに判断できます。評価点方式で状態を明示する車の通知表のようなもので、カーオークションに用いられる書類です。この総合評価点でRもしくはRAがあると修復歴があることを表しています。 総合評価点の目安(参考) S 新車登録から1年未満で走行距離1万km以内(新古車、登録済未使用車に多い) 6 新車登録から3年未満で走行距離3万km以内(中古車としては最高点) 5 走行距離が5万km以内の美麗車 4.5 走行距離10万km以内のきれいな車 4 キズやへこみが少ない良好車 3.5 キズやへこみはあるが比較的きれいな車 3 多少気になるキズやへこみのある車 2 走行に支障のないキズやへこみのある車 1 冠水歴車など RA 軽度な修復歴あり R 走行に支障のない修復歴あり × 事故現状車など ※オークション先によって評価点の内容は若干異なります。 エンジンルームを確認する 事故車を見抜くために、ボンネットを開いてエンジンルームを確認しましょう。正面やフロント側面部分の修復歴は、エンジンを囲っているフレーム(インサイドパネルやラジエターコアサポート)部分の塗装や歪みで判断できます。 ・インサイドパネル(フロントフェンダーの内側)とラジエターコアサポート(ラジエターの上部)の塗装が他の部分と均一かを確認する。エンジンルーム内で視認できる車体の塗装は外観の色よりも薄くクリア塗装されていないことが多く、修復されている場合は部分的に色やツヤが異なります。 ・インサイドパネル(フロントフェンダーの内側)とラジエターコアサポート(ラジエターの上部)は基本的に左右対称の形状です。片方だけに歪みがある場合は修復している可能性があります。
中古車の購入を検討しているが、諸費用がどの程度かかるか気になっている人もいるでしょう。諸費用の相場を把握していれば、予算内に収まる車を見つけやすくなります。この記事では、中古車諸費用の相場を詳しく解説します。中古車諸費用を抑える方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。 中古車の諸費用の相場 中古車の諸費用の相場は、車両本体価格の10〜20%です。そのため200万円の中古車を購入するには、20〜40万円程度の諸費用を準備しておく必要があります。 諸費用は大きく分けると税金や保険などの「法定費用」、陸運局や車庫証明の手続きをするための「代行費用」が発生します。 法定費用 法定費用とは税金や保険料のことで、購入する車や加入する期間によって金額が異なります。続いて、法定費用の相場を解説します。 自動車税(種別割) 自動車税(種別割)は、排気量によって税額が異なり、購入してから翌年3月分まで支払う必要があります。自家用車の排気量ごとの年額(12ヶ月分)は下記のとおりです。 660cc(軽自動車) 10,800円 〜1,000cc 25,000円 1,001〜1,500cc 30,500円 1,501〜2,000cc 36,000円 2,001〜2,500cc 43,500円 2,501〜3,000cc 50,000円 3,001〜3,500cc 57,000円 3,501〜4,000cc 65,500円 4,001〜4,500cc 75,500円 4,501〜6,000cc 87,000円 6,001cc〜 110,000円 引用元:令和4年(2022)年度自動車税(種別割)税率早見表 例えば1,500ccの車を5月に購入した場合、法定費用は25,400円(計算式:30,500円÷12×10ヶ月)です。上記の年額を参考に、購入する車の自動車税(種別割)を月割りで計算してみてください。また中古車でも新品未使用車や試乗車の場合は、エコカー減税が適用され安くなるケースもあるので、販売店に確認してみてください。 自動車重量税 車検ありの中古車を購入した場合、車検取得時の所有者が全額支払う必要があるため、重量税を納税する必要はありません。一方、車検なしの中古車を購入した場合は、下記の重量税を納税する必要があります。 〜0.5t 8,200円 〜1t 16,400円 〜1.5t 24,600円 〜2t 32,800円 〜2.5t 41,000円 〜3t 49,200円 引用元:自動車重量税の税額一覧表【乗用|2年自家用】 また重量税は「13年経過」「18年経過」のタイミングで増税されるため、古い車ほど税金が発生することも把握しておきましょう。一方、登録してから間もない車は、エコカー減税が適用され重量税が安くなるケースもあるので、販売店に確認してみてください。 環境性能割 環境性能割(旧取得税)は、購入する車の年式によって金額が異なり、取得金額が50万円以上の場合は納税する必要があります。計算式は下記のとおりです。 車両価格×90%=課税標準基準額課税標準基準額×残価率=取得価格(1,000円未満は切り捨て)取得価格×税率=環境性能割 課税標準基準額は、税務署で使われている「自動車取得税の課税標準基準額及び税額一覧表」で、車の型式やグレードを基に定められた税金です。一般には公開されていませんが、目安は車両価格の90%になります。また経過年数ごとの残価率と税率は下記のとおりです。 【残価率】 1年 0.681 1.5年 0.561 2年 0.464 2.5年 0.382 3年 0.316 3.5年 0.261 4年 0.215 4.5年 0.177 5年 0.146 5.5年 0.121 6年 0.100 【税率】 自家用普通自動車 3% 軽自動車 2% 営業用自動車 2% 引用元:中古車の取得税計算方法 例えば3年式の250万円の中古車を購入した場合、下記の環境性能割が発生します。 250万円×0.9=225万円(課税標準基準額)225万円×0.316(残価率)=71万1,000円(取得価格)71万1,000円×0.03(税率)=21,330円 自賠責保険料 自賠責保険料は、加入する期間によって料金が異なります。車検が残っている場合は、「自賠責保険経過相当額」という項目で残額を月割りで払う必要があります。車検なしの場合は、24ヶ月または25ヶ月で加入する必要があるため注意してください。 12ヶ月 11,500円 13ヶ月 12,010円 24ヶ月 17,650円 25ヶ月 18,160円 引用元:【自賠責保険】自賠責保険に加入したいのですが、保険料を教えてください。 | よくあるご質問(FAQ) | 東京海上日動火災保険 上記は普通自動車の自賠責保険料です。諸費用を算出するときの参考にしてください。 リサイクル料金 リサイクル料金の相場は、7,000〜18,000円程度です。リサイクル料金とは、「自動車リサイクル法」で定める費用で、廃車処分時に前払いする必要があります。車を売る場合は、リサイクル料金が戻ってくるので、売却時の査定金額に含まれているか確認しましょう。 代行費用 代行費用は販売店に手続きを依頼した場合に発生します。販売店によって設定されている費用が異なるので、車を購入する店舗によって金額が変わることが特徴です。続いて、代行費用の相場を解説します。 車両登録代行費 車両登録代行費の相場は3万円程度です。登録に必要な書類作成や、陸運局での手続きを販売店に代行してもらう際に支払います。陸運局は平日しか手続きを行えないため、代行してもらう人が少なくありません。 車庫証明代行費 車庫証明代行費の相場は2万円程度です。警察署で行う車庫証明の発行手続きを販売店に代行してもらう際に支払います。発行には3日程度かかり、申請時と発行後の合計2回、警察署に出向く必要があります。。また陸運局と同様に、平日しか手続きが行えないので、販売店に代行してもらう人が多いでしょう。 納車費用 納車費用の相場は、販売店から近い場合は1万円程度、遠方の場合は3万円程度と納車場所によって異なります。納車費用は、購入者が指定する場所まで車を届けてもらう際にかかる費用です。販売店によっては納車整備費用も含むため、契約時に内訳を確認しておきましょう。 洗車費/クリーニング費 洗車費やクリーニング費の相場は、5万円程度です。中古車は新車とは異なり、内装や外装をきれいにするため、洗車費やクリーニング費が発生します。車の状態によって費用が変動するため、契約時に確認してみてください。 中古車の諸経費を抑える方法 登録手続きを自分でしたり、車を店舗まで取りに行ったりすれば、代行費用を抑えられます。また車検ありの車を選べば、自動車重量税を抑えることも可能です。頭金に充てられるお金が少なく、諸費用を抑えたい人はぜひ試してみてください。続いて、中古車の諸経費を抑える方法を解説します。 手続を自分で行う 陸運局での登録や、車庫証明の発行手続きを自分で行えば、車両登録代行費と車庫証明代行費を抑えられます。しかし陸運局や警察署は、平日しか手続きを行えないため、土日しか出向けない人には向いていません。家族や友人に、代行手続きをしてもらうことも可能なので、周りの人に相談してみましょう。 店舗へ取りに行く 店舗へ車を取りに行くと、納車費用を抑えられます。納車費用は、指定する場所まで車を届けるサービスのため、店舗へ取りに行けば費用は発生しません。しかし車を届けるだけでなく、納車整備費用を含んでいる店舗では、納車費用をカットできない可能性があるため注意してください。 車検ありの車を選ぶ 車検ありの車を選べば、法定費用の自動車重量税をカットできます。なぜなら自動車重量税は、車検取得時の所有者が全額払う必要があり、次のユーザーは自動車税(種別割)のように月割りで納税しなくてもよいためです。また車検なしで自賠責の保険期間を過ぎた車は、通常の24ヶ月ではなく25ヶ月で加入する必要もあるため、さらに費用がかかります。
同じクルマであるものの発売元のメーカーが異なるOEM車とは、どのような存在なのでしょうか。この記事では、OEM車がどのようなクルマなのか、売る側と買う側のメリット・デメリットなどについて解説します。OEM車の購入を検討している方は参考にしてみてください。 OEM車とは? OEMは「Original Equipment Manufacture」の略語で、委託を受けて他社メーカーの製品を製造することです。つまり、OEM車は他社メーカーからの委託で製造したクルマです。 この記事ではクルマのOEMについて解説しますが、他にも化粧品や食品など、さまざまなジャンルのOEM製品があります。 OEMと似た意味を持つ言葉にPB(Private Brand)があります。PBは企画・開発・販売などを小売業者が行い、製造を別のメーカーまたは自社工場で行っている商品です。一方、OEMは、主に製造を別メーカーに委託する方法です。 OEM車を販売する理由について OEM車を販売する理由とは何なのでしょうか。ここからは、OEM車を販売する側のメリットとデメリットを解説します。 販売側のメリット OEM車を販売する主なメリットは次のとおりです。 ・開発費などを抑えて車種ラインナップを増やせる・機会損失を減らせる(例:オリジナルの軽自動車の製造ラインを持たないメーカーの場合、OEMの軽自動車を用意することで顧客の流出を防止できる) など 販売側のデメリット OEM車を販売する主なデメリットは次のとおりです。 ・グレードが制約される場合がある(供給元が販売したいと考える売れ筋グレードなど)・メーカーオプションなどの装備品が限られることがある・整備が難しい場合がある など OEM車を購入する側のメリットとデメリット OEM車を購入するユーザー側にもメリットやデメリットがあります。 OEM車を選ぶメリット OEM車を購入する主なメリットは次のとおりです。 ・基本的にエンブレム以外は同じクルマであるものの、競合車であるため値引きしてもらえる可能性が高い・選択肢が増える(オリジナル車とOEM車ではデザインのディテールが違うモデルがある) など OEM車を選ぶデメリット OEM車を購入するユーザー側の主なデメリットは次のとおりです。 ・オリジナルモデルよりも売却時の評価が低くなる場合がある(メーカーや車種によりオリジナルモデルよりもかえって高く売却できるケースもあるため、すべてのOEM車が該当するわけではない) など OEM車一覧 OEM車は、さまざまなモデルで展開されています。ここでは、OEM車の一部を紹介します。 オリジナル車 OEM車 ダイハツ ロッキー トヨタライズ ダイハツ コペン トヨタ コペン GRスポーツ スズキ エブリイワゴン 日産 クリッパーリオ/三菱 タウンボックス/マツダ スクラムワゴン 上記のように、軽自動車を自社で生産していないメーカーが軽視自動車を得意とするメーカーからOEM供給を受けているケースがよく見られます。 共同開発車との違い OEM車と共同開発車は、似ているようで異なるクルマです。共同開発車とは、両社が協力して1つの車を作り、それぞれのブランドで販売しているモデルのことです。 たとえば、トヨタ 86とスバル BRZは、トヨタが主に企画やデザインを担当し、スバルが主に開発や生産を担当しています。 まとめ OEM車は、他社に製造を委託しているクルマのため、オリジナルモデルとの違いはごくわずかです。ユーザーからすれば、「ごくわずかな違いしかないのに値引きしてもらいやすい」ため、考え方次第ではお得なクルマといえるかもしれません。今回、解説した内容を参考に、OEM車が自分に向いているかどうか考えてみてください。