旧車売買の豆知識

車を安く買える時期は?新車と中古車のそれぞれのタイミングと安く購入する方法についても解説
旧車売買の豆知識 2022.10.26

車を安く買える時期は?新車と中古車のそれぞれのタイミングと安く購入する方法についても解説

車は生涯の中でも家の次に大きな買い物といわれています。そんな車を購入するなら、少しでもお得に買いたいと誰もが思うことではないでしょうか。今回は車を安く買える時期やそれ以外の方法について解説します。車の購入を検討中の方は参考にしてください。 新車を安く購入できる時期 新車を安く購入できる時期は決まっています。その時期を見計らって車を購入することで、普段よりもかなりお得な買い物となるでしょう。どのタイミングが安くなるのか詳しく解説します。 決算期 新車は決算期が一番車を安く買えます。一般的に決算期は3月です。ディーラーなどの販売業者は、予算達成を目的に積極的な値引きやオプションの無償での追加などを提案してくれます。ただし、販売業者は車の登録を行い代金を回収することで売上として計上できるため、実際にはもっと早いタイミングで業者の元へ商談に行く必要があります。 決算期に最も値引きを引き出すなら、1月頃から動き出すことをおすすめします。また、年度末決算ほど大きな商戦時期とはいえなくとも、9月も中間決算が控えているため、その2ヶ月ほど前から新車の購入計画を進めるのもいいでしょう。年度末決算ほどの値引き額は期待できなくとも、閑散期前のためサービスや下取り額を上げてくれる可能性があります。 ボーナス期 ボーナス期は車を購入しようとする人が増えるので、競合他社に負けないための値引き条件を引き出しやすくなります。ディーラーであればオプション品のセールも同時に行うケースも多いため、カーナビゲーションやドライブレコーダーなどもお得に買える可能性があり狙い目といえるでしょう。 月末 月末は販売業者にとって月の販売目標を達成させる追い込み時期です。決算期やボーナス期ほどでなくとも、値引きや下取り額でがんばってもらえるタイミングといえるでしょう。販売店によっては、もう一息で目標達成という状況であれば大きな値引きやサービスが期待できます。 中古車を安く購入できる時期 続いて、中古車を安く購入できる時期について解説します。 新車が売れた後のタイミング 中古車は新車が売れた後のタイミングが最も流通量が増え、相場が下がりやすい状況です。また、年度末決算時である3月には、在庫を減らすためのセールを行う販売業者が増えるため、値引き額にも期待ができます。中古車は新車より納車までの期間が短いため、3月末納車に間に合うよう短期決戦で商談に挑むのがいいでしょう。 需要が下がるタイミング 需要が下がるタイミングは車のタイプによって異なります。夏の時期にドライブを楽しむことの多いオープンカーや、ウィンタースポーツで活躍する4WDなどは、季節を外れると価格が下がりやすい傾向があります。本来、そのようなタイプの車はリセールバリューが下がりにくいため、価格はあまり変動しません。しかし、販売業者によっては在庫として抱えておくと他の車の仕入資金がショートする可能性があるため、価格交渉に応じたり車両価格を下げることがあります。 車を買うタイミングによっては自動車税(種別割)が安くなる 車を買うタイミングによっては自動車税(種別割)が安くなります。普通車の自動車税は月割りのため、登録した月からの分しかかかりません。また、軽自動車税は年税となるので4月2日以降に購入すると翌年の3月までの節税ができます。 車を安く購入するその他の方法 時期によらず車を安く購入する方法もあるので詳しく解説します。車検時期や車の故障などにより、すぐに車の購入を検討しなければならない方は参考にしてください。 オプション分の割引を交渉する 新車のメーカーオプションに関しては、車両本体に含まれる装備品なので個別の値引き交渉はできません。しかし、販売店が取付けや施工を行うディーラーオプションについては割引交渉が可能です。中古車に関しても、カーナビゲーションやフロアマットなどの後付け品は値引き交渉するようにしましょう。 在庫が多い車種を選ぶ 新車も中古車にも共通しているのが、在庫が多い車種を選ぶと通常よりも安く購入できることです。在庫の多い車には登録や納車を迅速に行うための見切り発注や不人気車種、流通量が多くて余っているなど様々な理由があります。しかし、値引き額や掲載価格が魅力的なものも多く、ある程度の希望に合致する車であれば非常に買い得感の高い車といえるでしょう。 今日車を買うことを伝える 今日車を買うという意思表示は、安く購入するためには必須です。販売業者や担当営業は相手の購入のタイミングを見極めて話をするため、購入意欲が高くその日に契約に至れそうな人にはある程度の交渉に応じようとしてきます。特に中古車はその日に決まらなければ後追い営業はしないスタイルが多く、逆に購入の意思表示を見せることで値引きやサービスなどの最終的な条件提示はすぐにしてくれるでしょう。

車の一括査定とは?よくあるトラブルや信頼性の高い一括査定サイトの選び方についても解説
旧車売買の豆知識 2022.10.24

車の一括査定とは?よくあるトラブルや信頼性の高い一括査定サイトの選び方についても解説

買取業者ごとに査定してもらうよりも、一括で査定を依頼する方が効率的と感じる方も多いでしょう。車の一括査定を利用することにはメリットとデメリットがあります。今回は車の一括査定や、よくあるトラブルについて解説します。車の一括査定を検討中の方は参考にしてください。 車の一括査定の注意点 車の一括査定とは、サイトに査定情報を登録するだけで複数の業者に一括して査定依頼ができるサービスです。多くの買取業者に相見積もりを出す場合、依頼先探しと業者とのやり取りに相応の手間や時間がかかります。また、査定を依頼する業者ごとに個人情報を送信したりアンケートを回答したりする必要もあり、それだけでも煩わしく感じてしまうものです。 一括査定の強みは、このような手間と時間を削減できることです。ただし、査定はインターネットや電話だけで完結するわけではありません。効率的に見えて実は余計な労力がかかるケースもあるため、仕組みを十分に理解したうえで利用を検討しましょう。 それでは、車の一括査定の注意点を詳しく解説します。 しつこい営業電話が来る場合がある 一括査定サイトに店舗情報を掲載すると、費用がかかります。そのため、サイトへの掲載費用の回収や営業ノルマの達成などを目的に、依頼主へしつこく営業電話をかける場合があります。 一括査定サイトの利用者は一番最初に対応してくれた買取業者に依頼する傾向があるため、昼夜問わずに電話をしてくる業者も少なくありません。また、アポイントの約束や買取が成立するまでしつこく連絡をしてくることも多く、国民生活センターや消費生活センターに苦情が寄せられる案件にもなっているので注意が必要です。 複数の買取業者と連絡を取り合うことになる 一括査定を利用すると、そのサイトと提携している複数の買取業者と連絡を取り合うことになります。車の査定は店舗や出張査定により行われるため、時間や場所決めのアポイントが必須です。また、買取りが成立した後も断りの連絡をすべての業者に入れる必要があります。 地域によっては十分な数の業者の査定を受けられない 地域によっては十分な数の業者に査定を受けられない可能性もあります。また、業者の営業活動範囲から外れていると、場合によっては出張査定に費用が発生することや買取時に車の陸送費を別途で請求されてしまうこともあるので注意しましょう。 車の一括査定でよくあるトラブル 続いて、車の一括査定でよくあるトラブルについて解説します。 契約後に査定額が下がる 契約後に査定額が下がるケースは通常の買取でも発生します。悪質なケースでは、他社よりも早く契約するために高額な査定額を提示し、契約後に「車に不具合があった」と意図的に査定額を下げてくることもあります。契約書面に二重査定についての項目があり、同意の上で契約すると後のキャンセルに高額な違約金が発生する場合もあるので契約前にしっかりと確認しておきましょう。 二重査定とは.........買取契約が成立した後に業者が再度査定を行い、瑕疵(大きな不具合や欠陥)が発見された場合に買取査定額が減額されることです。その旨が記載された契約書面の内容を読んだり説明を受けた後で契約を行うと同意した上での契約と見なされます。 焦らされて不利な契約をしてしまう 車の買取価格は社会情勢や相場に大きく影響を受けやすく、短い期間で大幅に価値が変わってしまうこともあります。買取業者によっては、そういったことを逆手にとって「今だけこの査定額で契約できます」と焦らせて不利な契約を急がせることもあるので注意が必要です。 高額なキャンセル料を請求される 一度契約してしまうと、他の買取業者で高い査定額が出てもキャンセルされないように高額なキャンセル料を請求する業者も存在します。契約書にその旨の記載がある場合は、法的にも有効となるので契約時にしっかりと確認しておく必要があります。ただし、あまりにも法外なキャンセル料となる場合は、消費者契約法に違反する可能性もあるので消費者ホットラインなどに相談するようにしましょう。 信頼性が高い一括査定サイトの選び方 信頼性が高い一括査定サイトの選び方について解説します。一括査定サイトの利用を検討中の方は、未然にトラブルを回避できるよう参考にしてください。 業者の運営会社を入念に確認する 業者の運営会社を入念に確認することは重要です。業者のホームページや他サイトなどで過去の実績やレビューなどを詳しく検索して、その業者が信用できるか判断しましょう。また、アポイント取得時の電話の応対で最低限のことしか伝えてこない業者は要注意です。あいさつや今後の流れの説明などを丁寧にしてくれるかどうかをポイントにしてください。 個人情報を他の用途で使われないか確認する 一括査定サイトでは車の情報以外に必ず個人情報の入力が必要です。その個人情報の取扱いがどのようにされるかは事前に利用条件を確認しておくといいでしょう。買取業者に個人情報がすべて渡り、いきなり自宅に訪問されたというケースも発生しています。 連絡手段をメールに限定できるか 連絡手段をメールに限定できるかどうかは重要です。それほど急ぎの連絡でもないのに仕事中や家族との時間に電話が何度もなるのは煩わしさしかありません。一括査定サイトに登録した瞬間に何社もの買取業者から電話が入るといった事態を避けるために、業者からの連絡手段をメールに限定できるサイトを選ぶこともできます。 また、メールは記録として残せるため、買取業者の説明に不備がありトラブルに発展した際に、証拠として活用できます。こまかい質問やその回答などもメールで残しておくとよいでしょう。 一括査定を受ける以外の選択肢 一括査定を受ける以外の選択肢について解説します。一括査定を利用するのが不安だと思う方は参考にしてください。 ディーラーの下取りを利用する ディーラーの下取りでは、購入する車の商談中に査定を受け、納車時に引き取ってもらえるため、自分で中古車買取業者を探して持ち込む手間を削減できます。買取業者との連絡や商談などは不要となるので煩わしさは一切ありません。ただし、査定額は買取業者よりも低くなる可能性があるため、下取り額を確認したうえで処分の方法を検討しましょう。 中古車買取業者と直接交渉する 一括査定サイトを利用せずに近隣の中古車買取業者と直接交渉する場合、複数の業者の店舗に一日でまわるという手段があります。その中で最も査定額が高くて信頼できそうな業者と売買契約を結ぶのも1つの方法です。契約を迫られても「他の買取業者に査定の予約をしている」と伝えれば無理な引き止めもされません。 事前に相場や信頼できそうな中古車買取業者を調べておくことや、相見積もりが出ればすぐに契約先を選んで売却するという気持ちで挑めば、短期間で済ませることができます。ただし、どれだけ急いでいたとしても、疑問点や不安点は契約前に解消しておくことが大切です。 廃車にする 一括査定サイトの利用や買取業者とのやり取りに煩わしさを感じるなら、廃車にすることもひとつの手段です。ただし、廃車にも費用が発生するので、査定額があまり出ないと思う車でも買取業者に相場額を確認するといいでしょう。電話で「こういった車でも買取はしてもらえますか」と確認するだけなら、個人情報を伝えなくても対応してくれる買取業者も存在します。 査定額が出る車なら詳細査定が必要という回答が出るので、そこから査定依頼を検討してみるといいでしょう。査定額が出ない車なら「廃車費用が発生する」「自動車税や自賠責保険の還付金との相殺で無料で引取ります」などの回答が出ることもあるので試されてみてはいかがでしょうか。

最強のTYPE-Rはどっち?!DC5型インテグラvsFD2型シビック
旧車売買の豆知識 2022.10.21

最強のTYPE-Rはどっち?!DC5型インテグラvsFD2型シビック

レーシーにまとめられた専用の内外装に、強化されたエンジンと足回り。ホンダスポーツモデルの最高峰グレードであるTYPE-Rは、そのままサーキットを走れるほどのスペックを備えていました。特にインテグラとシビックは、TYPE-Rの代表車種として多くのファンを獲得しています。今回はインテグラとして最終型となるDC5型、ほぼ同世代にリリースされたFD2型シビック、2つのTYPE-Rの魅力に迫っていきましょう。 ホンダスピリッツを体現したTYPE-R TYPE-Rは、取り扱いやすさを求める一般向けで実現できなかったクルマ本来のポテンシャルを極限まで高めたモデルです。もともと高性能なスポーツモデルの車両をさらにチューニングすることで、最高峰のスポーツグレードに仕上げられています。 初代NSXに設定されたTYPE-R 初めてTYPE-Rが登場したのは1992年で、初代NSXの最上位スポーツグレードとして設定されました。もともと国産スーパーカーという位置付けで高性能だったNSXを、各パーツの徹底的な見直しによって120kgも軽量化されています。さらに、サスペンションのセッティングに加え、クランクシャフトやピストンといったエンジン内部にまで手を入れ、徹底的なハイパフォーマンス化が図られました。 TYPE-Rの両雄となったインテグラとシビック 初代TYPE-RとなったNSXの成功によって、TYPE-Rシリーズはインテグラとシビックにも展開されます。NSX TYPE-Rは高価な車両価格と希少な生産台数から、手にする人は限られていました。しかし、インテグラやシビックという大衆モデルで採用されたことで、TYPE-Rの名は一気に広まります。 クーペ、ハッチバックとそれぞれボディ形状は異なりますが、ホンダを代表するスポーツモデルをさらにスポーティに仕上げ、TYPE-Rはホンダファンのみならず多くのスポーツカーファンの人気を獲得しました。 世界最速FFと呼ばれたDC5型インテグラTYPE-R 世界最速FFの称号を得た先代DC2型からモデルチェンジしたDC5型TYPE-Rは、安全性能の見直しなどでやや大型化したものの、インテグラTYPE-R特有の軽快なハンドリング性能は継承されています。 エンジンや足回り性能のみならず、内装も走ることに特化したDC5型インテグラTYPE-Rも、やはり世界最速FFでした。 TYPE-Rのために開発されたDC5型 2代目インテグラとなるDC5型インテグラは、TYPE-Rの設定を前提に開発されています。また、プレリュードが廃止されたことにともない、ボディサイズは3ナンバーサイズに拡幅されました。 ボディタイプは3ドアハッチバックのクーペスタイルを採用。スポーツカーらしいクーペスタイルながら、ハッチバックで高い利便性も確保されています。 装備面の強化によって車重増をカバー 広い車内空間の確保と安全性能の強化により、車両重量は100kgほど重くなってしまいます。しかし、専用チューニングされたKA20型は220psを発生し、ホンダ初となるブレンボ製ブレーキを備えるなどエンジン性能や装備面では先代DC2型を上回っていました。 しかも、これだけのハイスペックエンジンを搭載しながら、12.4km/Lという低燃費も実現しています。 魂をくすぐられるレーシーな内装 「TYPE-R」のロゴがあしらわれたチタン製シフトノブや、チタン色のメーターパネルとペダル類から受ける印象は、まるでレーシングカーのコックピットを思わせるものです。専用に開発されたレカロシートに身を沈めれば、一気に気分が高まります。 スイッチ類やエアコンの吹き出し口もメーター同様の丸型に統一され、余計なスイッチ類は極力排除したシンプルなデザインです。 高級感ある4ドアセダンとなったFD2型シビックTYPE-R DC5型インテグラの販売終了後に登場したのが、FD2型シビックTYPE-Rです。高い性能もさることながら、4ドアセダンとしたことで居住性や使い勝手が向上しています。そして、TYPE-Rの称号にふさわしく、トルク感応式LSDやブレンボ製ブレーキキャリパーといった走行性能に直結するパーツを採用しているのが大きな特徴です。 重厚感のある4ドアモデル 歴代シビックのTYPE-Rは3ドアハッチバックで展開されてきましたが、FD2型シビックでは初めて4ドアセダンタイプを採用。また、全幅も3ナンバーサイズの1,770mmとなり、従来の軽量なイメージから重厚感のあるデザインに変わりました。 さらに、見た目だけではなくボディ剛性もDC5型インテグラTYPE-Rから50%も向上し、さらなる応答性と安定感が加えられました。 さらに高出力化されたKA20型VTECエンジン FD2型シビックTYPE-Rに搭載されたのは、DC5型と同型のKA20型です。最高出力は220psから225psにまで高められ、もともと専用チューニングされていたエンジンをさらにファインチューニングしたことで、回転域によっては10ps以上の出力向上を果たしました。 また、ピークトルクの発生も7,000回転から6,100回転に引き下げられていることに加え、0.9kgf・m向上していて、大柄な4ドアボディをストレスなく引っ張ります。 先進のコックピットが演出する高揚感 FD2型シビックTYPE-Rのコックピットデザインは、DC5型インテグラと大きく異なります。すべてのメーターをアナログメーターでまとめていたインテグラに対して、デジタルメーターとアナログメーターを融合させた先進のデザインでした。 スポーツドライビング時にもっとも気になるタコメーターは、視認性の高いアナログメーターを中央に配し、上部にデジタル表示のスピードメーターが配置されています。さらに、最適なシフトタイミングやVTECの作動状況が視認できる各種インジケーターもデジタルパネル部分にまとめられており、先進性を感じるコックピットになりました。 また、シートはTYPE-R用に専用開発されたオリジナルシートで、内装と統一された赤と黒のカラーリングはドライバーに高揚感を与えます。 高く甲乙つけがたい2台のTYPE-R インテグラとして最終型となったDC5型TYPE-Rと、4ドアモデルのFD2型シビックTYPE-R。発売年式が近いこともあり、この2車種はよく比較されますが、結論としてはどちらも優れたスポーツカーであることは間違いありません。 走行性能を追求して作り込まれたインテグラTYPE-Rは車重も軽く、FF車最速といわれる速さとハンドリングが楽しめます。一方で、4ドアによる高い居住性と安定性、先進のコックピットを誇るシビックTYPE-Rは、ファミリー層のユーザーにも受け入れられました。エンジンはどちらもKA20型を採用しているため、多くのアフターパーツも出ていてチューニングベースとしても最適です。 ホンダスピリッツが詰め込まれた、高い走行性能を誇る2台のTYPE-R。どちらを選んでも決して期待を裏切りません。

これぞシンプルイズベスト!?リーフスプリングのメリットとデメリット
旧車売買の豆知識 2022.10.21

これぞシンプルイズベスト!?リーフスプリングのメリットとデメリット

リーフスプリングはサスペンション形式の一種で、オフロード車や商用車を中心に多く採用されています。時代の流れとともに採用する車種が減少しつつあるものの、オフロード車を中心に今でも一定の人気があるサスペンション方式です。今回はそんなリーフスプリングの構造や特徴、リーフスプリングが採用された代表的な車種をご紹介します。 リーフスプリングとは リーフスプリングとは数枚の鋼板を重ね合わせた“板ばね”のことで、湾曲した鋼板が元に戻ろうとする力を利用してサスペンションの役割を果たします。 構造がシンプルで壊れにくいことから、商用車ではいまだに主流のサスペンション形式です。また、オフロード車でも多く採用されてきましたが、オフロード性能よりも快適性が求められるようになった現在ではほとんど使用されていません。 リーフスプリングは、板ばねのほかにシャックルという部品で構成されています。シャックルは板ばねの片側先端に取り付けられており、前後に動くことで板ばねの長さ変化を吸収しています。板ばねの長さや枚数、シャックルの長さを調整することでカスタマイズも可能です。 リーフスプリングはリジッドアクスルと合わせて使用される場合が多く、その際にはリーフリジッドと呼ばれることもあります。 リーフスプリングが採用された代表車種 現在、乗用車には主にコイルスプリングが採用されています。過去にはリーフスプリングを採用した乗用車も存在していましたが、今では商用車を除き、リーフスプリングを採用したモデルは新車で購入できません。 ここからは、今でも中古車として高い人気を獲得しているリーフスプリングを採用した車種をご紹介します。 スズキ ジムニー 軽オフロード車として人気のあるスズキのジムニーでは、1970年に初代LJ型が発売されてからJA11型まで前後ともリーフスプリングが採用されていました。 1995年にはJA11型はビックマイナーチェンジを受け、JA22型、JA12型へと進化すると共に、前後コイルスプリングへ変更されています。その後、3代目ジムニーであるJB型には前後コイルスプリングが採用され、同時に丸みを帯びたデザインとなりました。 クロカンやトライアル競技でもJA型のジムニーが活躍しています。エンジンパワーよりもサスペンションが命となるオフロード競技ではJA型ジムニーが上位を独占することも多く、その走破性は今でも健在です。 最後のリーフスプリング採用車であるJA型ジムニーは、そのレトロなスタイルも相まって中古車としても高い人気を獲得しています。20年以上古い軽自動車でありながら、状態のいいものだと100万円を越える取引も珍しくありません。 トヨタ ランドクルーザー 長い歴史を持つランドクルーザーも、長年リーフスプリングを採用してきた車種です。ランドクルーザーの起源となるトヨタジープBJから「ナナマル」の愛称で知られる70シリーズのランドクルーザーまで、リーフスプリングが採用されていました。 70シリーズのランドクルーザーは1999年のマイナーチェンジを受けるまで、前後リーフスプリングが採用されていましたが、次期モデルの80シリーズからは前後ともにコイルサスペンションのコイルリジッド方式となっています。 最後のリーフスプリング採用車である70シリーズのランドクルーザーは、今でもオーストラリアとアフリカの一部で新車が販売されています。1984年のデビューから基本設計を変えずに販売され続けている理由は、「必ず帰ってこられる信頼性」が重要視されているからにほかなりません。 快適性やファッション性よりも、耐久性が求められる70シリーズのランドクルーザーだからこそ、長年に渡ってリーフスプリングが採用されているのです。 リーフスプリングのメリットとデメリット 長らく人々に愛されたリーフスプリングですが、今では商用車の一部にしか採用されていません。ここではリーフスプリングが使われなくなった理由と、そのメリット・デメリットをご紹介します。 リーフスプリングのメリット リーフスプリングのメリットは、耐久性に優れ構造がシンプルである点です。 上記でもご紹介したジムニーやランドクルーザーは、過酷な環境で使用される場合が多いモデルです。故障しにくく万が一トラブルが起きた際にも部品の入手が容易であることも重要なため、構造がシンプルで、部品の汎用性の高いリーフスプリングが採用されてきました。 また、リーフスプリングとリジッドアクスルの組み合わせでは、ホーシング(駆動系を収めるケース)の位置決めをリーフスプリングが兼ねています。そのため、部品点数が少なく、コストダウンを実現すると共に部品一つ一つの剛性も確保できます。 リーフスプリングのデメリット リーフスプリングはオフロードでの信頼性が高いものの、乗り心地が悪い点がデメリットです。 板ばね自体が重いため、どうしても重量が増えてしまいます。それは単純な車両重量だけでなく、“バネ下重量”が増加するということであり、これがリーフスプリング最大の弱点です。バネ下重量が増えるとサスペンションの動きが悪くなり、オンロードでは操縦安定性も低く、速度の上がるような場面では不安を感じる原因になります。 オフロードでは絶大な信頼性を持つリーフスプリングも、日常づかいでは不便に感じることが多く、そのことが乗用車で採用されなくなった大きな要因です。 まとめ リーフスプリングはその頑丈さと硬派な乗り味から、悪路の走破性を重視するオフロード車では今でも人気の高いサスペンション方式です。 しかし、SUVが全盛の昨今では、硬派な悪路の走破性よりも快適性やオンロードの操縦安定性が求められています。そのため、商用車を除いて、今後販売される新型車でリーフスプリングを採用した車種が登場する可能性は低いでしょう。  

日産 R34型GT-RとER34の違いとは?同じR34型なのに中古車価格はひと桁違う!
旧車売買の豆知識 2022.10.21

日産 R34型GT-RとER34の違いとは?同じR34型なのに中古車価格はひと桁違う!

昨今新車販売価格を大きく超える価格で取引されているBNR34型スカイラインGT-Rに対し、同じエンジンパワーのER34型スカイラインは現実的な価格で取引されています。なぜ同じR34型で価格がこれだけ違うのか?R34型スカイラインの開発コンセプトと併せて、BNR34(GT-R)とER34の違いを詳しくご紹介します。 R34型スカイラインを振り返る コンパクトなボディにハイパワーエンジンとアテーサ4WDを搭載することで大成功だったR32型スカイラインに対し、大型化されたR33型スカイラインは市場の支持を得られませんでした。そんな中、第2世代スカイラインの3代目にして、最後モデルとなったR34型スカイラインは、日産の開発陣が満を辞して開発。また、R34型スカイラインには、最上位グレードで人気のGT-Rだけではなく、ユーザー層に合わせて多くのモデルが用意されていました。 R34型の使命はスカイラインの復権 R34型スカイラインは、R32型から続く第2世代最後のモデルとして1998年に登場しました。前作のR33型のセダンライクな大柄なボディデザインや内装が不評だったため、R34型の開発には”スカイライン”の復権という使命が課せられます。 スカイライン本来の魅力を取り戻すべく開発されたR34型で、大きく変更されたのはボディです。「ボディは力だ!ドライビングボディ」のキャッチコピーのもとに開発されたボディはR33からダウンサイジングされ、直線基調のシャープなデザインに生まれ変わりました。つり目となったヘッドライトデザインも含めて、鋭敏な印象に仕上がっています。 また、進化したのはデザインだけではありません。スカイライン本来の走行性能を実現するためにボディ剛性も徹底的に高められています。一般的にボディ剛性を高めると重量は増加しますが、R34型スカイラインはR33型とほぼ同じ重量に抑えられています。 エンジン性能などはグレードによって異なるものの、ボディの刷新によりR34型はスカイライン本来の魅力を取り戻します。しかし、R34型スカイラインは、排ガス規制などの時代背景もあり結果的に第2世代GT-Rの最後のスカイラインとなりました。 走りを意識した「R34」はGT-Rだけじゃない スカイラインを代表するグレードは”GT-R”です。しかし、R34型スカイラインにはグレードによって「BNR34」「ER34」「ENR34」「HR34」の4種の型式があります。このうち、最上位グレードであるGT-RはBNR34型です。 型式に含まれる「R」の文字は”GT-R”の「R」と誤解されがちですが、実は”スカイライン”を示す文字で、全ての型式に記載されています。R以外の文字の意味は、先頭の文字「B」「E」「H」が搭載エンジンで、2文字目に「N」が入っている場合は四輪駆動です。つまり、GT-RであるBNR34とER34は、エンジンと駆動方式が異なるモデルとなります。 BNR34とER34がよく比較される理由は、R34型スカイラインのなかでこの2種のみがスポーツグレードだからです。 ENR34はエンジンのベースこそER34と同じRB25型ですが、ターボが非搭載のため出力は200馬力に抑えられています。HR34はそもそもエンジンの排気量もパワーも最下位のグレードです。 R34型スカイラインのなかで、ER34だけがGT-Rと比肩する280馬力を発生するターボエンジンを搭載するグレードが存在していました。エンジンパワーに合わせて対向ピストンブレーキや電動SUPER HICASなどもも採用されていて、さらに2ドアだけではなく4ドアという選択肢があったのも特徴です。 戦闘力のBNR34かバランスのER34か R34型GT-Rを詳しく見ていくと、クルマの持つポテンシャルを最大限発揮するために開発されたことがよく分かります。一方で、ER34も扱いやすさと性能のバランスが取れた優秀なクルマです。両車の圧倒的な性能の違いは当然価格差に表れていますが、どちらも価格では図れない魅力をもっています。 馬力は同じでも特性がまったく異なるエンジン R34型GT-RであるBNR34に搭載されているエンジンは、2,600cc直列6気筒ツインターボのRB26DETTです。最上位グレードにふさわしく自主規制いっぱいの280馬力を発生し、トルクも40.0kgmまで引き上げられています。ターボエンジンながら、レッドゾーンは8,000回転という高い耐久性を誇る高回転型エンジンで、チューニングベースとしても注目を集めました。 一方、ER34に搭載されたRB25DETエンジンは、シングルタービンながらRB26DETTと同様の280馬力を発生します。しかし、エンジン特性はGT-Rと大きく異なり、日常的な扱いやすさを意識して、低回転域からトルクがマイルドに立ち上がる味付けとされていました。 とにかく速さにこだわったBNR34型 BNR34(GT-R)とER34で決定的に異なるのは、クルマの魅力と性能を最大限引き出す装備です。スポーツグレードとはいえ一般での日常使いも意識して開発されたER34に対し、日産スポーツカーの最上位グレードであるR34型GT-Rは、目一杯“速さ”を追求しています。 R34型GT-Rに搭載されたタービンやインタークーラーは、レースでの使用も見越した600馬力まで対応可能です。さらに、専用開発された6速マニュアルのトランスミッションでエンジンパワーを余すことなく発揮します。 足回りは、専用設計のサスペンションに、純正では異例となる鍛造の18インチ6本スポークホイールが装備されていました。ブレーキも容量の大きいブレンボ製が標準搭載され、そのままサーキット走行できるほど充実した装備でした。 外装には、空力性能をとことん追求し、ベースグレードであっても一般的な乗用車の3分の1のリフトフォース(揚力)に押さえられています。また、上級グレードのVスペックには、アドバンスドエアロシステムを採用。下部のエアフローの改善を意識し新開発された専用のフロントバンパーやリアカーボンディフューザーを装備し、日本車初のマイナスリフトを達成しています。 車内の装備が充実しているのも34型GT-Rの特徴で、水温、ブースト圧などの車両情報をデジタル表示できるマルチファクションディスプレイがインパネ中央部に搭載されました。 扱いやすさと楽しさが共存するFRのER34型 性能や装備ではGT-Rのほうが圧倒的に充実していますが、日常使いからスポーツ走行まで幅広く使用できるのがER34の魅力です。 たとえば、四輪駆動のGT-Rに対してER34は2輪駆動のFRなので、トラクション性能では劣ります。つまり、絶対的な速さではGT-Rには敵いません。しかし、ドライブや買い物といった日常使いから、サーキットでのスポーツ走行で車を操る感覚を楽しめます。 また、チューニングベースとしてもER34は優秀なクルマです。エンジンのRB25DETは、RB26DETT同様耐久性に優れたエンジンのため、チューニングの余地があり、足回りやブレーキなどにも手を入れる余地が残されています。 クルマとして完成されたGT-Rではどこかをチューニングするとバランスが崩れてしまう可能性もありますが、ER34は自分なりにカスタムやチューニングを楽しむことのできるモデルです。 さらに、ボディタイプは2ドアに加えて4ドアモデルもあるため、用途に合わせて選べるでしょう。全長が長く迫力のある4ドア車をあえてドリフトなどのスポーツ走行に使用する人もいます。 R34型GT-Rは無理でもER34の中古車なら狙える R34型GT-Rの中古車価格は、高騰の一途をたどっています。新車価格でも600万円前後でしたが、大手中古車サイトで調査したところ、2002年式R34型GT-Rで5,500万円もの価格がついている車両もありました。 ER34型スカイラインは、一部のチューニングされた車両は500万円前後です。一方2000年式の4ドアモデルでは120万円程度で、現実的な価格推移をしています。 ただし、20年ほど前のクルマなので、市場に出回る台数の減少とともに価格が高騰する可能性は十分にあります。手に入れたい方は早めに検討する必要があるでしょう。 ※中古車相場は2022年9月原稿執筆現在

MRは今後希少車になる?!理想的なエンジンレイアウトミッドシップのすべて
旧車売買の豆知識 2022.10.21

MRは今後希少車になる?!理想的なエンジンレイアウトミッドシップのすべて

理想的なエンジンレイアウトともいわれるミッドシップは、これまでスポーツカーを中心に多くのモデルに採用されてきました。しかし、そんなミッドシップも技術革新によってその優位性は下がりつつあります。今回はミッドシップの優れているポイントや弱点といった基本的な情報をおさらいしつつ、近年採用車種が増えているフロントミッドシップについても詳しく掘り下げます。 ミッドシップの特徴 「FF」や「FR」「RR」そして「MR」というよく聞くアルファベット2文字は、クルマのエンジン搭載位置と駆動方式を表したものです。1文字目がエンジン搭載位置で、2文字目が駆動輪の位置となります。「F」がフロント、「R」がリヤ、そして「M」がミッドシップの略号です。 ここからは、クルマのカタログや解説サイトなどでよく出てくる「ミッドシップ」という言葉の定義を改めて確認しつつ、特徴についても詳しく解説します。「ミッドシップ=MR」という誤解についても触れているので、曖昧に理解している方もぜひご覧ください。 「ミッドシップ」とは車軸に対するエンジン搭載位置 エンジンの搭載位置は、車軸に対する位置関係で区分されています。ミッドシップとはエンジンの搭載位置を示す言葉で、前後の車軸の間にエンジンを搭載しているエンジンレイアウトです。 一般に販売されているクルマの多くはFFかFRで、駆動輪の場所は車種によって前か後か異なりますが、エンジンはフロント、つまり車両の前車軸側に搭載されています。 トラディショナルなスーパーカーやスポーツカーで採用されているMR(ミッドシップエンジン・リアドライブ)は、後車軸の前方、居住スペース後方にエンジンを搭載しているケースがほとんどです。 誤解されやすいのですが、ミッドシップは“MR”だけではありません。「ミッドシップ」とはあくまで前後車軸の間にエンジンが搭載されているレイアウトを示すので、前寄りにエンジンを搭載した「フロントミッドシップ」もミッドシップの一種です。最近では日産 R35GT-Rに代表される高性能車や、身近なところではキャブオーバー仕様の軽トラックもフロントミッドシップに分類できます。 MRスポーツカーの高い旋回性能 ミッドシップ最大のメリットは、旋回性能が高い点です。車軸の間に重量物であるエンジンを搭載することで、ハンドリングに対してクルマが素直に反応してくれます。 クルマの旋回とは、直進方向に働いていた慣性力を曲がる方に向けるという動作です。しかし、前方に重量物であるエンジンを搭載しているフロントエンジン車では、重い部分に大きな遠心力と慣性力が働いて曲がりにくくなってしまいます。 対して、ミッドシップは前後車軸にかかる荷重(重さ)の偏りを抑え、4つのタイヤに対して均一な荷重をかけやすくタイヤのグリップ力を効率よく使用できます。そのため、スーパーカーなどのハイパフォーマンスカーは、重量のある大排気量のエンジンを搭載しても、MRレイアウトの採用によって高い旋回性能を発揮するのです。 MRの優位性はやや下がってきている 適切な重量配分を実現しやすいMRは、スポーツカーやさらに高い運動性能を求められるスーパーカーに広く採用されてきました。 しかし、近年の技術革新によってMRの優位性は下がってきています。ミッドシップは今後どうなっていくのか、MRの構造的問題とともに解説していきます。 MRが抱える構造的問題 MR車両が抱える構造的な問題は、居住空間と収納スペースです。クルマの重量バランスを考えるとMRは理想的なエンジンレイアウトですが、運動性能以外の多くの部分が犠牲となります。 MRは運転席後方と後車軸の間にエンジンを設置するため、後部座席のスペースが十分に確保できません。一部には後部座席を設けているMR車両もありますが、ほとんどが2シーターです。 また、クルマの収納スペースとして重要なトランクも、エンジンに追いやられる形で限られたスペースしか確保されていません。フロント側にも収納は可能ですが、クルマは本来流線形に作られているので、高さが不十分なうえ、ブレーキのマスターシリンダーやウォッシャータンクなどもあるので収納として利用できるスペースは限られています。 フロントミッドシップという選択肢 技術革新によって小型のハイパワーエンジンが開発されるようになった現在、理想的なエンジンレイアウトの1つとして注目されているのがフロントミッドシップです。 フロントミッドシップであれば車室空間や収納スペースも確保もできるので、快適性をそのままに運動性能に影響する重量バランスを最適化できます。 フロントミッドシップには、前車軸とバルクヘッド(車室とエンジンルームの隔壁)の間の限られたスペースにエンジンを搭載するという設計上のハードルがありました。しかし、排気量に頼らなくてもハイパワーを実現できるようになったことや、エンジンの小型化でフロントミッドシップの設計が容易になりました。こうした背景から、高い走行性能と引き換えに居住性を犠牲にしているMRの優位性は失われつつあります。 また、フロントミッドシップであれば、さらなる重量バランスの最適化が可能です。GTカーやR35GT-Rでは、後車軸側に変速機とディファレンシャルを搭載した「トランスアクスル」という構造にすることで重量物を前後に分散し、最適な前後重量バランスを保っています。 今でも人気の高いMR車両 技術革新によってさらに性能の高いクルマが開発されることは喜ばしいですが、特別感のあったMRが減っていくのは寂しくもあります。国産車として、唯一販売されていたホンダ S660は2022年3月で販売終了となり、現在新車として購入できるMRは、フェラーリやランボルギーニといった輸入車のスーパーカーしかありません。 そのため、MR車両に乗りたい場合は中古車から探す必要があります。ただし、中古車でもMRの人気は高く、高値で取り引きされている傾向があるので注意しましょう。 たとえば、1997年式のトヨタ MR2(SW20型)で699万円、フロントミッドシップである2007年式のホンダ S2000は980万円もの価格がついていました。旧車王でも、初代NSX タイプR(NA1)には、2550万円もの価格での買取実績があります。 スーパーカーのように趣味性を追求したモデルより、燃費が良く使い勝手の優れたモデルが重宝されるなか、MR車両は年々減少しています。中古相場の高騰はしばらく続くことが予想されるため、購入したい方も手放したい方も相場の動向には注意してください。 ※中古車相場は2022年9月原稿執筆現在

GRB/GVB型インプレッサ WRX STIに乗るなら今が買いな理由とは
旧車売買の豆知識 2022.10.21

GRB/GVB型インプレッサ WRX STIに乗るなら今が買いな理由とは

インプレッサ WRX STIは、同モデルのトップグレードであり、スバルを代表するスポーツカーです。水平対向エンジンとバランスの良いシャーシを持ち、ファンの多いインプレッサ WRX STI。その中でも、GRB/GVB型の3代目インプレッサ WRX STIは、ボディやエンジン唯一ハッチバックボディを採用するなど、多くのバリエーションを持つモデル車でした。今回はそんな3代目インプレッサ WRX STIを紹介します。 GRB/GVB型 3代目インプレッサ WRX STI の概要 スバル インプレッサ WRXは、「スバルと言えばラリー」というイメージを初代レガシィから引き継ぎ、WRCで勝つため、毎年、毎モデル進化し続けてたモデルです。国内トップクラスの走行性能を持ち、スバリストだけでなく多くのスポーツカー好きから注目を集めました。しかし、3代目インプレッサ WRX STI は、同モデルのスポーツタイプとして大きな転換点を迎えることになります。 ラリーに勝つための“ハッチバック”から販売開始 3代目インプレッサ WRX STIには、2007年から2014年まで発売された5ドアハッチバック(GRB型)と2010年から2014年まで販売された4ドアセダン(GVB型)の2つのボディタイプが存在します。当初はハッチバックのみの設定でしたが、「WRXといえばセダン」というファンの声に応える形でセダンタイプが追加されました。ハッチバック・セダンともに2Lターボに6MTが組み合わされています。 そして、2012年には2.5Lターボエンジン+5速ATのAラインが追加されました。5速ATのAラインは、ハッチバックの(GRF型)とセダンの(GVF型)が用意され、エンジンとミッション以外MTモデルと共通という非常にユニークな車種です。 先代まではセダンのみだったWRX STIですが、3代目ではハッチバックが採用されています。その理由は3代目インプレッサ WRX STIがWRC(FIA 世界ラリー選手権)での王者奪還を目指し、旋回性を重視したことにほかなりません。セダンは高速安定性やボディ剛性に優れますが、ラリーのように多くのコーナーを駆け抜ける場面ではリアオーバーハングの短いハッチバックの方が有利です。その証拠に現在のWRCでは、ほとんどのクルマがハッチバックを採用しています。 WRCからの撤退とWRXの転換点 スバルは3代目インプレッサ WRX STIをベースに、WRCで王者奪還を目指したものの、思ったような戦績を残すことができませんでした。さらに都会的なイメージを目指すスバルに、オフロードのイメージが合わなくなってきたこともあり、スバルは2008年にWRCから撤退します。 その後はニュルブルクリンク24時間耐久レースをはじめとしたオンロードレースを重視するようになり、メーカーとしてだけでなく“WRX”ブランドとしての大きな転換点を迎えます。この変化を受けて、4代目インプレッサ以降はインプレッサとWRXは切り離され、インプレッサ名義のスポーツタイプはこのモデルを最後に姿を消すことになったのです。 歴代インプレッサでもっともパワフルなEJ20型エンジン 3代目インプレッサ WRX STIには、限定車を除く歴代インプレッサの中で最もパワフルなEJ20型水平対向エンジンが搭載されています。スペックは最高出力308ps、最大トルク43.0kgmを発生。メカニズム面では、可変バルブタイミング機構であるAVCSを吸気・排気ともに採用し、先代に引き続きツインスクロールターボが採用されています。 また、先代にくらべホイールハウスを拡大したことで、太いタイヤを履けるようになりました。さらに、ボディ剛性が向上したことで、大きなパワーを受け止められるようになっています。 EJ20型水平対向エンジンは、今では珍しいショートストロークの高回転型エンジンです。回転の上昇に伴って得られるターボの存在感と、8,000回転までよどみなく回る官能的なフィーリングは、ダウンサイジングされた近年のエンジンでは感じることができません。 より強化された電子制御デバイス バランスの良さやクルマ本来のコントロール性を重視するスバルですが、3代目インプレッサ WRX STIでは電子制御も充実しています。 このモデルから「SI-DRIVE」と呼ばれる車両特性を変更出来るシステムが搭載されました。最もエコなインテリジェントモード(Iモード)からスポーティなスポーツモード(Sモード)、さらにレスポンスを高めたスポーツシャープモード(S#モード)まで3種類のモードをスイッチ1つで変更できます。 また、センターデフの差動制限を調整するDCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)も、自動もしくは手動で調整できるマルチモードDCCDへ進化しました。自動を選択した場合は、「AUTOモード」に加えて旋回重視の「AUTO-」とトランクション重視の「AUTO+」を任意に選択可能。ユーザーの好みに合わせ、FRのような挙動から安定志向まで変更でき、速さと使いやすさを高次元で両立しています。 3代目インプレッサ WRX STI が狙い目の理由 3代目インプレッサ WRX STIの中古車は、国産スポーツカーの中でも特に狙い目の車種となっています。 3代目インプレッサ WRX STIが新車販売されていた2007年は、各自動車メーカーがスポーツモデルをラインナップしていた時代です。そのため、スポーツカー氷河期と言える現在、同世代のスポーツモデルの需要が増え、中古車価格が軒並み上昇しています。 たとえば、長年ライバルとしてシノギを削ってきた三菱 ランサーエボリューションを見てみると、同世代のIXやXのMTモデルは、11万km走行した個体でも220万円以上で販売されています。 対して、3代目インプレッサ WRX STIのMTモデルの販売価格は、走行距離が10万kmの個体で130万円以内です。同じ高性能なAWDモデルで、尚且つ走りをとことん走りを楽しめるMTモデルと考えれば、3代目インプレッサ WRX STIがいかにコストパフォーマンスに優れているかお分かりいただけるのではないでしょうか。(※どちらも2022年9月の原稿執筆時、修復歴ナシのデータ) また、中古車として狙い目であるにもかかわらず、旧車王では、2010年式で約6万kmの個体を195万円で買い取っています。2009年式、約11万kmのスペックCグレードでも、130万円の価格がつきました。 まとめ 3代目インプレッサ WRX STIを最後にインプレッサ名義のスポーツモデルは姿を消し、4代目インプレッサ以降は環境性能や安全性を重視したモデルへと変化を遂げました。つまり、3代目インプレッサ WRX STIは、インプレッサベースのスポーツカーとしての集大成と言えるモデルです。 2022年現在、スバルはMT仕様のAWDスポーツカーを販売していません。(AT仕様のWRX S4のみ販売) 今後もMT仕様のスポーツモデルが発売されることは考えにくく、3代目インプレッサ WRX STIの価格が高騰する可能性があります。ハイパワーのAWDスポーツカーを検討中の方は、急いだほうがいいかもしれません。

車の個人売買でローンを利用できる?注意点や利用できないケースも紹介
旧車売買の豆知識 2022.10.20

車の個人売買でローンを利用できる?注意点や利用できないケースも紹介

個人売買は、車の価値や輸送費などが価格に必ず反映されるわけではないため、希望の車を安く購入できる可能性があります。しかし、現金一括で購入できる価格がつくとは限りません。現金一括で購入できない場合、個人売買でもローンを利用できるか気になる方が多いのではないでしょうか。結論から言うと、個人売買でローンを使えるかどうかはケースバイケースです。この記事では、車の個人売買でローンを利用できるケースとできないケース、注意点などについて詳しく解説します。 個人売買ではカーローンを利用できない 個人売買では、基本的にカーローンを利用できません。なぜなら個人売買は、ディーラーなどの販売店とは違い、取引される金額が妥当かどうかをローン会社が判断しにくいためです。また車の購入以外の目的でカーローンを不正に利用される可能性があるため、個人売買では借入を許可していません。 ただし、「JA」や「労働金庫」などの一部の金融機関は、個人売買でカーローンを利用できる可能性があります。これらの金融機関のカーローンは比較的低金利のため、総支払額を抑えたい方はぜひ利用してみてください。 車の個人売買でまとまったお金を用意する方法 カーローン以外に、フリーローンやキャッシングを使えば、まとまったお金を用意できます。続いて、フリーローンやキャッシングについて解説します。 フリーローンを利用する 銀行のフリーローンを利用すると、まとまったお金を用意できます。フリーローンは、借入したお金の用途が問われない(事業資金は対象外)ため、車の購入費に充てることが可能です。ただし、保証人や担保が不要なため、他のローンと比べて審査が厳しい傾向があります。 また、フリーローンはカーローンよりも金利が高い点に注意が必要です。ため利息をなるべく支払いたくない場合は、ディーラーや販売店で車を購入しましょう。 キャッシングでお金を借りる クレジットカードやカードローンのキャッシングでお金を借りれば、ある程度のまとまったお金を用意できます。また、借入時は審査が不要のため、すぐに利用できる点はメリットと言えるでしょう。ただし、キャッシングは金利が高く、人によって借入限度額が低い点に注意が必要です。また、キャッシングで借りたお金を返済できる目処があるかどうか、今一度考えたうえで利用を検討しましょう。 車の個人売買で銀行のローンを利用する際の注意点 続いて、車の個人売買で銀行のローンを利用する際の注意点を紹介します。利用する前に注意点を押さえて、スムーズに車を購入できるようにしましょう。 借入可能額を事前に確認しておく 借入可能額は、年収や収入の安定性、金融事故の有無、家族構成など、さまざまな要因で決まります。いくらまで借りることができるかは、車の購入を決める前に確認しておきましょう。全額をローンで支払えない場合は、貯金を切り崩したり他のローンで補填したりする必要があります。 例えば、車の購入金額が100万円で、銀行からは70万円しか借りられなかった場合、30万円が不足します。この30万円を支払えなければ車は購入できないため、全額用意できることを確認のうえで車の購入を決めましょう。また、50万円以上を借りる場合は、金融機関から「収入証明書」の提出を求められる場合があります。収入証明書は、源泉徴収票や住民税決定通知書、納税通知書、所得証明書、給与明細書などです。 仮審査を通過してから車を購入する 銀行のローンを利用する場合は、仮審査を通過してから車を購入しましょう。なぜなら仮審査に落ちるとお金を借りられず、売主側に迷惑をかけてしまうからです。 また、「取引を中止した場合は違約金が発生する」などの契約を交わしている場合は、キャンセル料を支払う必要があります。 審査日数を踏まえて代金の支払期日を決める 銀行のローンを利用して個人売買する場合は、審査日数を踏まえて代金の支払い期日を決める必要があります。なぜなら審査は1〜2週間程度かかり、すぐに借入できるわけではないからです。銀行のローンを利用する前に、審査日数や借入したお金がいつ振り込まれるかなどを確認しておくと、売主側とスムーズに取引を行えます。 車の個人売買でローンを利用できないケース 車の個人売買で借入を許可している金融機関はいくつかありますが、ローンを利用できないケースもあるので注意してください。続いて、車の個人売買でローンを利用できないケースを紹介します。 車の購入が目的であることを証明できない 個人売買は、車の購入が目的であることを証明しにくいため、ローンを利用できないケースがあります。金融機関では「車の購入費用」として利用者に借入を許可しているため、証明として契約書の提示を求められるでしょう。個人売買でローンを利用する場合は、下記の事項を記載した契約書を提示します。 ・車の情報(車種、車台番号、型式)・買主と売主の個人情報・売却金 ブラックリストに入っている 支払いの未納や滞納を繰り返し行うと、信用情報機関に記録が残ります。この状態を「ブラックリスト入り」といい、審査時に確認されることで審査落ちの可能性が高まります。なぜなら、未納や滞納を繰り返し行う人は、返済能力がないとみなされるからです。ただし、未納や滞納を解消してから5年経過していれば、信用情報期間から金融事故の記録が消えている可能性があります。自分の信用情報を確認したい場合は、開示請求をしてみましょう。開示請求は1,000円程度で行えます。 担保となる車の価値が低い 担保となる車の価値が市場相場より低いと、ローンを利用できない可能性があります。ローン会社や金融機関は、車を担保にして利用者に借入を許可しています。しかし借入金額が市場相場より高いと、利用者が返済できなかった際に、債券を回収できないためローンを断られるでしょう。また「車の購入費以外の借入をしようとしている」と思われてしまうことも、ローンを断られる理由の1つです。 個人売買はお互いが同意したうえで契約が成立するため、市場相場から離れた金額で取引が行われるケースがあります。個人売買でローンの利用を検討している場合は、購入金額が市場相場から逸脱していない車を選ぶとよいでしょう。

車の個人売買はトラブルが多い?売り手と買い手のトラブル事例や注意点を解説
旧車売買の豆知識 2022.10.19

車の個人売買はトラブルが多い?売り手と買い手のトラブル事例や注意点を解説

車の個人売買は業者を介さないため、高く売れて安く買える傾向があります。しかし、代金が支払われなかったり、事故車・盗難車を買ってしまったりするなどのトラブルもあるため、良い点と悪い点の両方を把握しておくことが大切です。今回は、車の個人売買で起きるトラブルや注意点について紹介します。 【売り手編】車の個人売買で発生するトラブル 車の個人売買における売り手側のトラブルを紹介します。個人売買で車を売却しようとしている方は参考にしてみてください。 車の代金が支払われない 個人売買では、車を渡したものの代金が支払われないというトラブルが多いです。基本的に一括払いとなる車の個人売買では、買い手側が購入費を用意できず、支払いがされないまま連絡が途絶えてしまうことがあります。このようなトラブルを避けるためにも、支払いの確認ができてから車を渡すようにしましょう。 購入が決まってから減額や修理代の支払いを求められる 売買契約が成立した後に、費用の減額や修理代の支払いを求められることがあります。このようなトラブルを避けるために、購入後の減額や修理については応じない旨を契約書に記載しておきましょう。 名義変更してくれない 個人売買の場合、名義変更をしてくれないトラブルも発生しやすいです。名義変更をしなかったり、名義変更の時期が遅くなったりすると、自動車税の納付書が前所有者である売り手に届いてしまいます。名義変更をしないことによるトラブルを避けるためには、売り手と買い手が一緒に運輸支局で手続きをするとよいでしょう。 【買い手編】車の個人売買で発生するトラブル 車の個人売買における買い手側のトラブルを紹介します。個人売買で車を購入しようとしている方は参考にしてみてください。 購入した車が短期間で故障した 個人売買の場合、中古車販売店や修理工場などを仲介しないことが多いため、基本的に現状販売となります。そのため、購入後すぐに車が故障することがあるでしょう。個人売買で車を購入するときは、購入後に不具合や故障が発生するリスクがあることを理解しておく必要があります。 事故車や盗難車であることが発覚した 事故車や盗難車であることを隠して、車を個人売買していることがあります。事故車や盗難車など、何らかの不具合や不都合がある車は、一般的な相場より安く売られているケースが多いです。そのため、中古車の相場より安すぎる車を個人売買で見つけたときには、慎重に購入を検討する必要があります。 購入後に高額な輸送費を請求された 高額な輸送費を請求されることがあります。一般的な輸送費より高額な場合は、買い手側で輸送の手配をしたり、自分で車を取りに行ったりするとよいでしょう。 車の個人売買でのトラブルを防ぐためのポイント ここからは、個人で車を売買するときのトラブルを防ぐ方法について紹介します。 契約書の細部まで確認したうえでサインする 親しい人との個人売買であっても、契約書を作成して、サインしましょう。口約束で車の個人売買をすると、トラブルに発展しやすいです。そのため、契約書を作成し、内容をしっかりと確認して、署名や捺印をしておくことがトラブルを防ぐ方法となります。 車の状態を細部まで確認する 車の状態は細部まで確認しましょう。現状販売になることが多い車の個人売買は、業者による査定をしないケースがほとんどです。そのため、車の状態を細部まで確認してから購入を決めるようにしましょう。 車検証に不備がないか確認する 車検証に不備がないか確認しましょう。車の売却は、車検証上の所有者でなければ行うことができません。そのため、車検証の所有者が売主本人なのか確認しておくことが大切です。もし、所有者がローン会社やディーラーの場合には、所有権解除が必要となります。 自動車税の負担割合を決めておく 自動車税の負担割合は事前に決め、契約書に自動車税の負担について明記しておきましょう。例えば、5月下旬に車の受け渡しをした場合、4月から5月までの2ヶ月分は売り手が負担し、残り10ヶ月分を買い手が負担するというような分割をするとトラブルを避けられます。 名義変更の期限や方法を確認する 名義変更の期限や方法を確認しておきましょう。名義変更の期限を定めておかなければ、自動車税の納付書が売り手に届いてしまうなどのトラブルが発生します。いつまでに名義変更するのか、名義変更は買い手が行うのか、それとも売り手と買い手が一緒に運輸支局に行くのかなど、期限や方法を取り決め、契約書に記載しておきましょう。 個人売買はトラブルのリスクが高い 車の個人売買は、代金の未払いや名義変更がされないなど、さまざまなトラブルが発生しやすい取引です。高く売れて安く買えるというメリットはあるものの、トラブルが起きるリスクが高いことから、あまりおすすめできる方法ではありません。そのため、売却額が少し安くなったり、購入時の手数料がかかってしまったりしても、買取業者を通じて売却し、中古車販売店で購入した方が安心だといえるでしょう。

希少車が事故にあったらどうなる?補償や対応について解説
旧車売買の豆知識 2022.10.19

希少車が事故にあったらどうなる?補償や対応について解説

希少価値がある車は、中古車市場で高値で取引されているものの、事故の際に保険会社の補償を十分に受けられないケースが多いのが実情です。今回は、2022年9月に起きた希少価値が高い車の事故を例に挙げ、希少車が事故にあったとき、どうなるのか解説します。 希少車とは 希少車とは、生産終了や限定販売、流通台数の減少などにより、市場で高い価値になっている車のことです。ワインやジーンズなど希少価値が高い物(ヴィンテージ品)と同じように、車にも希少なモデルがいくつも存在します。そのため、希少車は新車販売価格を上回ることも珍しくありません。 希少車が事故にあった場合の補償はどうなる? 希少車が事故にあうと補償はどのようになるのでしょうか。ここからは、話題になっている希少車の事故の補償について解説します。 全損事故で購入価格の全額が補償されるとは限らない 2022年9月に発生した希少車の事故は、新車販売価格約300万円の車でしたが、中古車販売価格が450万円(車両価額400万円+カーナビやドライブレコーダーなど)のモデルです。しかし、保険会社から提示された時価額は180万円でした。なぜ、450万円で販売されている中古車の時価額が180万円なのでしょうか。 交通事故にあうと、その時の価値(時価額)での補償になることがほとんどです。車の時価額は、新車販売価格を基準に、経過年数や走行距離などを加味して算出するため、徐々に価値が下がっていきます。つまり、時間が経過とともに価値が高くなる希少車であっても、補償される時価額は下がる一方であるということです。 2022年9月に起きた希少車の事故は、時価額での補償になるか、「車=商品」という理由で時価額以上(販売価格=全額)の補償になるかが論点となっています。被害にあった販売店は、同年10月13日に「加害者側弁護士さんと示談交渉させていただき、満足できる回答をいただきました。」とコメントしていました。このことからも、今回の希少車の事故については、被害者側の主張が認められたといえるでしょう。 希少車向けの保険がある 市場価値が高い希少車が事故にあったとき、一般的な補償額で被害者が泣き寝入りしないための保険があります。希少車に乗るのであれば、クラシックカーや旧車に特化した保険に加入しておくとよいでしょう。ただし、加入には一定の条件があります。詳しくは希少車向けの保険を取り扱っている保険会社に問い合わせてみてください。 希少車が事故にあったときの対応方法は? 希少車で事故にあった場合、一般的な車と同じような対応となります。事故対応については次のとおりです。 1.負傷者がいるか確認(負傷者がいる場合は救急車を呼び、応急救護措置を行う)2.二次災害の防止措置(ハザードの点灯や三角表示版の設置、車の移動など)3.警察への連絡(事故発生場所を聞かれるため目印になるものを見つけておくと良い)4.事故相手の住所や電話番号などを聞く(目撃者がいる場合には目撃者の連絡先も聞いておく)5.相手の車両情報を記録する(車両登録番号=ナンバープレートや車種などをメモしたりカメラで撮影したりする)5.保険会社へ連絡6.診察を受ける(外傷がなくても念のため病院を受診する)7.示談交渉など(自動車保険の弁護士費用特約に加入していれば特約を使うと良い)

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