日常生活で広く使われているクレジットカードですが、車の購入で利用する際には注意が必要です。車は高額な商品なため、カード払いのサービスで発生する手数料なども高額になります。この記事では車の購入にカード払いを利用するときのメリットとデメリット、注意点について詳しく解説します。 車をカード払いできるかどうかは店舗で異なる カード払いの可否や利用可能額は店舗で異なります。クレジットカード払いを選択すると、販売者側は手数料の負担が発生します。手数料をどこまで負担できるかは各店舗の判断に委ねられているため、カード払いの利用については店舗次第です。 一部の代金のみカード払いできることが一般的 車の支払いに関するカード払いは、支払い代金の一部のみで利用できるのが一般的です。特に新車を購入する際には、全額一括払いはできないと考えましょう。 車の購入費用の内訳は、大部分を占める車両代金、税金や保険料、車庫証明や検査登録のための費用などです。新車でオプションを選択すれば、車両基本価格にメーカーオプション価格、ディーラーオプション価格が加算されるでしょう。カード払いは、これらの一部費用のみの利用に限定されている場合が多いため、全額払いができることを前提に購入の計画を立てないことが大切です。また、分割払いの場合は頭金のみにカードを利用できるケースもあります。 販売店がカード払いを敬遠しがちな理由 販売店がカード払いを敬遠しがちなのは、多額の手数料を負担しなければならないからです。カード払いの手数料はカード利用額に応じて決まるため、高額なカード利用の場合、販売店はカード会社に多額の手数料を支払わなければなりません。この手数料は販売店の利益を目減りさせるため、販売店はカード払いを敬遠します。 車をカード払いで購入するメリット 車をカード払いで購入することにはメリットもあります。店舗側に負担がかかるものの、自身にとってメリットが大きい場合は、カード払いすることも検討しましょう。カード払いのメリットは次のとおりです。 ポイントがつく カード払いは利用額に応じてポイントが付与されるため、高額な支払いをすれば多くのポイントを獲得できます。カード払いが車の支払いの一部であっても、日常生活で発生する支払額よりは大きいでしょう。仮に30万円をカード払いにして、1%がポイント還元される場合 カード利用額(30万円)X ポイント還元率(1%)= 3,000ポイント 実質支払額を3,000円安くすることができます。 翌月まで支払いが猶予される カード払いにするメリットに、支払いが翌月まで猶予されますが、これは車の購入でも変わりません。支払い時期を遅らせることができます。 車をカード払いするデメリット カード払いによるデメリットもあります。カード払いを検討する際には、以下の2点について理解しておきましょう。 利用限度額の多くを消費する 車の支払いで高額なカード利用をすれば、その他の支払いに利用できる金額は少なくなります。利用限度額が50万円のカードで48万円を車の支払いに利用すれば、その月のカード利用額は2万円しか残りません。公共料金など毎月発生する料金の支払いにカードを利用している場合には、引き落としができなくなる恐れがあります。 引き落とし口座への入金が必要 普段は多額のカード払いには利用しておらず、カード払いの引き落とし口座に十分な預貯金がない場合には、残高不足になるかもしれません。残高不足にならないよう、引き落とし日までに入金が必要です。 車をカード払いするときの注意点 車をカード払いする際には、以下の3点について注意しましょう。 分割払い・リボ払いは利用しない 分割払いやリボ払いを利用すると、利用手数料が発生します。高額な支払いで多くのポイント還元があっても、利用手数料の方が高いケースが多くあります。分割払いやリボ払いの利用は避けるべきでしょう。 別で決済手数料がかからないか店舗に確認する カード利用ができたとしても、別で決済手数料が発生することもあります。カードを利用することで決済手数料がかからないか、必ず店舗に確認しましょう。 使用できるブランドかどうか確認する 前述のとおり、販売店は車の購入についてカード利用は敬遠しがちなため、店舗によっては利用できるカードのブランドが少ないこともあります。利用したいカードのブランド扱いについて、店舗に確認しましょう。
毎月の引き落としや利息の加算などを踏まえると、一括返済した方が得なのではないか?と感じる方は多いのではないでしょうか。今回は、車のローンを一括返済するメリットやデメリットについて解説するとともに、一括返済が向いているケースと不向きなパターンを紹介します。カーローンの一括返済をするかどうか悩んでいる方は参考にしてみてください。 車のローンの一括返済とは 一括返済とは、毎月支払っているローンを一度にまとめて返済することです。 分割で返済する場合、返済額に利息が上乗せされます。一括返済をすると、完済までに支払う予定の利息分をカットできるため、総返済額を減らせるのです。 車のローンを一括返済するメリット 車のローンを一括返済するメリットは主に次の3点です。 総返済額を減らせる 一括返済をすると、元金に応じた利息の支払いがなくなるため、トータルの返済額を減らすことができます。 支払方法や契約内容によりますが、もし可能であれば、一括返済をして利息をカットした方がよいでしょう。 返済の手間を省ける 通帳を使い分けている場合、返済に伴う手間や負担を省くことができます。 例えば、給与が振り込まれる口座とローンの支払い口座が異なる場合、給与口座からローンの支払い口座に入金したり、給与の振込先を変更したりしなければなりません。 また、もしローンの支払い口座への入金を忘れてしまい、ローンの支払い(引き落とし)がされなかった場合は、滞納になってしまいます。 一括返済をすると、返済用の口座に入金したり、給与の振込先を分けたりする手間がなくなるため、手間を軽減させることができ、滞納を心配する必要もなくなります。 所有者を自分に変更できる ローンの支払いをしている間は、車の所有権がローン会社となります。しかし、一括返済をして手続きをすると、自分の所有権にすることができます。 所有権が自分になっていると、車を売却するときの手続きがスムーズになるため、返済が終わったら所有権も変更しておきましょう。 車のローンを一括返済するデメリット 一括返済にはデメリットもあります。ここからは、主なデメリットを2点紹介します。 貯蓄を切り崩すことになる 一括返済は、まとまった資金を用意しなければならないため、貯蓄を切り崩す必要があります。そのため、十分な貯蓄がないときは、一括返済をしない方がよいでしょう。 高額な手数料がかかる場合がある 一括返済をするときには、手数料が発生する場合があります。 ローン会社の中には、数万円という高額な手数料を請求してくるところもあるようです。ローン契約時には、一括返済の手数料も確認しておきましょう。 なお、一括返済の手数料は、ローン会社によって異なるため、詳しい手数料については契約しているローン会社に確認してください。 車のローンを一括返済しても良いケース 一括返済しても良いケースとは、どのような場合なのでしょうか。 十分な貯蓄がある 十分な貯蓄がある場合は一括返済をしてもよいでしょう。 ただし、一括返済をするときは、生活を圧迫することがないほどの貯蓄があるときにしてください。一括返済によって生活が苦しくなるようであれば、貯蓄ができるまで待ったり、時期を見直したりしましょう。 残りの返済額が多い ローンの返済額が多く、貯蓄にゆとりがあるときは、一括返済した方がよいでしょう。 一般的にローンの利息は元金が多いほど高くなります。つまり、ローンの元金をゼロにすることで、支払う利息がなくなり、支払総額を減らすことができるのです。 車のローンを一括返済しない方がいいケース 一括返済しない方が良いケースとは、どのような場合なのでしょうか。 直近で多額のお金が必要なイベントが控えている 引っ越しや学費の支払いなど、直近で多額の資金を必要とするイベントがある場合には、一括返済を控えたり、時期を見直したりすることをおすすめします。また、年末や年度末など、支出が増える時期も一括返済を避けた方がよいでしょう。 残りの返済額が少ない ローンの返済額が少ない場合は、一括返済のメリットがほぼありません。 ローンの返済額が少ない場合は金利も少額になります。つまり、返済額が少ないと、利息の負担を大幅に減らすことができないため、一括返済のメリットを受けにくいのです。 車のローンを一括返済する際の注意点 カーローンの一括返済するときの注意点は主に次の2点です。 アドオン方式の場合は一括返済のメリットを得られない アドオン方式の場合は、一括返済のメリットを得られません。 アドオン方式とは、毎月の返済額が一定の支払方法です。アドオン方式では、あらかじめ計算した利息と借入金の合計を支払い回数で割り、月々の支払額を算出しています。そのため、一括返済しても支払総額に違いがないため、一括返済のメリットを受けられないのです。 車を売却する場合は完済後に名義変更が必要 ローンを完済したら名義変更しましょう。車の売却は所有者でなければ行うことができません。そのため、ローンの完済をしたら速やかに名義変更をして、車の所有権を自分に変えておきましょう。
セダンやクーペなどと相性が良く、どこかノスタルジックな雰囲気を醸し出すフェンダーミラーは旧車ならではの特徴です。今回は旧車を語る上で欠かせないフェンダーミラーの歴史と、そのメリット・デメリットについて紹介します。 日本におけるフェンダーミラーの歴史 今ではほとんどのクルマがドアミラーを採用しており、もはや当たり前の仕様となりつつあります。しかし、かつて日本にはフェンダーミラー装着車しかなく、法律によってドアミラーは禁止されていました。 ここからは、フェンダーミラーが日本で義務化された歴史や、今再び注目されるようになった背景を紹介します。 フェンダーミラーがいつから登場した? フェンダーミラーが登場したのは、1950年代のイギリスです。それまでフロントガラス(風防)に取り付けられていたクルマはありましたが、屋根やドアが当たり前の装備になったことで車内ではなく車外に取り付けられるようになりました。 ただ、1940年代~50年代の日本では、後写鏡の装着が義務付けられていたものの数や位置についての規定はなく、トヨタ初代クラウン(1955年登場)やスバル360(1958年登場)など、フェンダーミラーもドアミラーも付いていない車種が多く販売されていました。 その後1962年には、すべてのクルマに左右のサイドミラーが義務付けられるようになり、日本では左右のフェンダーにサイドミラーを備えた光景が当たり前になったのです。 日本ではドアミラーが禁止されていた 欧米では1950年代からドアミラーを搭載した車種が登場していましたが、日本では1983年まで認められていませんでした。そのため、海外の自動車メーカーは日本向けにフェンダーミラーを新規に開発しなければならず、非関税障壁だと多くの批判を受けました。 安全性という観点で日本では許可できない状態にあったものの、デザイン性に優れたドアミラーが世界的に主流になっていきます。 結果的に外部からの圧力によってドアミラーは解禁され、1983年に発売された日産パルサーエクサがドアミラーを初採用。古臭いイメージを持たれていたフェンダーミラーは急速に人気を失い、一気にドアミラーが普及しました。 フェンダーミラーは日本の旧車を象徴するアイテム 現在では古臭いイメージで敬遠されがちなフェンダーミラーですが、海外の日本車好きや旧車好きにとって憧れの存在です。 ハコスカの愛称で知られる日産 スカイライン 2ドア ハードトップ 2000 GT-R(KPGC10型)や初代フェアレディZ(S30型)もフェンダーミラーを採用しています。(北米仕様のフェアレディZはドアミラーを採用)当時はフェンダーミラーであることが当たり前だったため、現代のクルマのような“デザイン的に似合わない”ということはありません。 旧車を彷彿とさせるデザインを復刻したような新型車も登場していますが、当然ながらドアミラーが採用されています。フェンダーミラーは、自動車史に残る名車を象徴するアイテムなのです。 フェンダーミラーのメリットとデメリット 法律で厳しく規制してまで、なぜ日本車が長らくフェンダーミラーを採用していたのか?ここではフェンダーミラーのメリット・デメリットをご紹介します。 フェンダーミラーのメリット フェンダーミラーの一番のメリットは、視線の移動が少ないことです。運転席よりも前方にミラーがあるため、少ない視線移動でミラーを見ることができることに加え、ドアミラーよりも広い後方視界を確保することができます。 さらに、雨天時もフェンダーミラーが力を発揮するシチュエーションです。前述したとおり、フェンダーミラーは運転席よりも前方、フロントガラスから見える範囲に設置されています。雨が降った際にワイパーがフロントガラスの雨粒をふき取ってくれるので、しっかりとミラーを視認できますドアミラーだとサイドウィンドウが雨粒で覆われてしまうと見にくくなってしまうため、この点はフェンダーミラーならではの強みです。 また、フェンダーミラーには車幅も抑えるという役割もあり、日本の狭い道でも容易に取り回しできます。フェンダーミラーは、安全性と日本の道路事情にマッチした合理的な装備と言えるでしょう。 フェンダーミラーのデメリット 一方フェンダーミラーのデメリットとして挙げられるのは、やはり現代のクルマに似合わない点です。 フェンダーミラーはボンネットが長く広い車種に合うものの、現在主流のボンネットが短く狭いミニバンやコンパクトカーには合いません。ボンネットの面積が広ければ大きなフェンダーミラーも映えますが、小さなスペースに大きな突起物が鎮座することとなり、車両前方のデザインを損なってしまいます。 また、ボンネットについた突起物だと考えると、万が一人身事故が発生した場合、フェンダーミラーが原因で歩行者への被害が大きくなってしまう可能性があります。 なぜタクシーはフェンダーミラーを採用しているのか 現在のクルマに似合わないフェンダーミラーですが、新車では唯一トヨタのJPNタクシーだけがフェンダーミラーを採用しています。そこには、タクシーならではの事情と日本人らしい国民性が大きく関係していました。 ここからは、タクシーがフェンダーミラーを採用している理由について紹介します。 日本人らしいおもてなしの心 ドアミラーで後方を確認する際、どうしても助手席側に視線を動かす必要があります。運転手が後席や助手席の乗客をチラチラ確認しているように見えるため、人によっては不快に感じるかもしれません。 フェンダーミラーであれば視線の移動が少ないため、乗客はよりリラックスして乗ることができ、日本人らしい「おもてなしの心」を表現しています。 また、人々の足としてさまざまな道を走行することがあるタクシーは、狭い路地に入っていかなければなりません。フェンダーミラーは車外への飛び出しが小さいことに加え、車幅感覚が掴みやすく、どんな道でも安全に走ることを求められるタクシーに適しているのです。 JPNタクシー専用開発のフェンダーミラー 2022年6月に国際自動車グループ会社のKmGオートアシストが、JPNタクシー用に視認性を高めるフェンダーミラーを開発し、実証実験を開始したと発表しました。 2017年10月の発売から4年以上経過しているにも関わらず、タクシー専用のフェンダーミラーが開発されることは異例です。タクシーにとって、いかにフェンダーミラーが大切な存在なのかがわかります。 まとめ 古臭く野暮ったいイメージを持たれやすいものの、フェンダーミラーは旧車好きにとってノスタルジーな雰囲気を醸し出す、なくてはならないアイテムです。また、運転にやや慣れは必要ですが、前方にあることで視線の移動が少なく、映し出す範囲が広い後方視野で安全を確保できます。 クルマを取り巻く技術が日々進化する中で、今ではミラーが小型カメラに置き換わりつつあります。 クルマにはどんなミラーが装着されているのかを見れば、その時のトレンドと時代背景が見えてくるかもしれません。
車は車検が切れても売却できます。ただし、車検切れした車は公道は走れないため、売却時に販売点へ持ち込むことを考えている方は注意してください。今回は車検が切れた車の売り方、気をつけるべき点について詳しく解説します。 車検切れの車も売却は可能 車検切れした車でも、車検付きの車と同様に売却できます。車の買取業者は買い取った車をオークションに出品、店頭販売または海外へ輸出しますが、いずれも車検切れは大きなマイナス要素ではないからです。オークションや店頭販売すれば、売れるまでの間に車検切れになることはありますし、輸出するなら日本の車検制度は関係ありません。 車検切れの査定への影響 車検切れによる査定への影響が気になる方もいるかもしれませんが、影響しないと考えてよいでしょう。車検切れ間近の車の査定額を上げるために車検を通したとしても、車検にかかる費用の方が高くつく場合がほとんどです。 車検切れの車を売る時の必要書類 車検切れの車を売る時に必要な書類は以下のとおりです。これは車検付きの車を売る際に必要な書類と変わりません。 普通車、軽自動車共通・自動車検査証・自賠責保険証明書・自動車リサイクル券・自動車納税証明書・振込口座情報 普通車のみ・実印・譲渡証明(買取業者が用意)・委任状(買取業者が用意) 軽自動車のみ・印鑑(認印でも可)・自動車検査証記入申請書(買取業者が用意) 自賠責保険証明書と自動車納付税証明書には期限があります。つまり車検切れの車の売却には、自賠責保険に加入していることと、自動車税が納付されていることが必要条件になります。 車検切れの車を売る方法 車検切れの車を売る際は、公道を走れないことに注意が必要です。車検切れの車を公道で走らせると、道路交通法違反に問われます。また万が一事故を起こした場合、保険は一切使えません。 車検切れの車を売りたい場合は、次のように対応しましょう。 出張買取を利用する 最もおすすめなのは、買取業者の出張買取サービスの利用です。業者が所定の場所へ車をレッカー車で回収しに来てくれるため、車検切れの車で公道を走る必要がありません。なお、出張買取は費用がかかるケースがあります。 仮ナンバーを取得して販売店に持ち込む 出張買取サービス以外の方法として、仮ナンバーを取得して販売店に持ち込む方法があります。仮ナンバーは発行から5日間有効なナンバーで、赤の斜線が入ったプレートです。仮ナンバーの発行には市町村の役場で手続きと費用が発生します。さらに使用後にも有効期限満了から5日以内の返却が必要でになります。 車検切れの車は放置せずに早めに売却しよう 車検が切れたからといって、車が売れなくなることはありません。また、自賠責保険への加入と自動車税の納税ができていれば、多くの手続きが発生することもないうえに、査定額への影響を気にする必要もないでしょう。ただし、車検の有無によらず、一部の人気車種を除いて時間が経つほど、車の買取価格は低くなります。そのため、必要がなくなった車は早めに売却することをおすすめします。
中古車には「グレード」という項目が設定されています。グレードは日本語で「等級」「階級」と訳しますが、車のグレードとは具体的にどのようなものでしょうか。この記事ではグレードによる車の仕様の違いや、グレードの調べ方について詳しく解説します。 車のグレードとは 車のグレードとは、同じ車名、デザインの車について、性能や装備の違いを表すものです。車には人や荷物を乗せて移動する以外にも、付属するさまざまな機能がついています。付属機能には車内で快適に過ごすためのエアコン、音楽を楽しむためのオーディオ、ナビゲーションやドライブレコーダーなどが挙げられます。また、ガソリンや軽油、ハイブリッド、プラグインハイブリッドなど、複数の原動機が用意された車種もあります。 ユーザーが求める付属機能や原動機はさまざまです。そこで同じ車種でもいろいろなニーズに対応できるように、自動車メーカーは複数のグレードを設定しています。 車のグレードは車の購入価格や、下取り価格に大きく影響します。 グレードによって異なる項目 グレードによって異なる項目には、おおよそ以下の3つジャンルがあります。 性能 性能ではまず、車の走行性能に関係するものが挙げられます。原動機、具体的にはエンジンの違いやハイブリッドタイプによって、発揮できる出力が異なります。高出力なエンジンが搭載されていれば、加速性能は高くなります。その一方で燃費性能は低くなる傾向があります。ハイブリッドタイプは高い燃費性能が特徴ですが、車の価格は高くなることがほとんどです。ハイブリッドでもプラグインハイブリッドだと、日常的に充電することになり、車の使い方も変わります。 走行性能以外だとエアコン、オーディオ、ナビゲーションやドライブレコーダーといった付加機能の有無による違いがあります。 外観・内装 外観に関連するのはエアロパーツやホイール、ボディカラーなどです。ボディカラーには、価格に影響しない標準色と価格が高くなる特別色があります。 また、ルーフやピラーの色がボディカラーと異なるデザインも人気です。車両価格を抑えるならスチールホイールが望ましいのですが、デザイン性ではアルミホイールに劣ります。ただし、スチールホイールでも、プラスチックのホイールキャップによってデザイン性を高めたものもあります。 内装に関連するのはシートやドアの素材などです。塩ビ(塩化ビニル)のシートは安価ですが、触り心地はよいものではありません。主流は布地のシートですが、革製のシートも人気があります。 そのほか、ドアの内張もプラスチックや布張り、木目、カーボンクロスのプリントなど、その種類はさまざまです。 価格 上述の性能や外装、内装の違いは全て車両価格に影響します。最近の日本車の場合だと、2つか3つ程度のグレードが設定されており、それぞれ目安となる価格帯が決まってきます。さらにオプションとして、購入者の好みに対応できるようになっており、全て価格に影響します。 車のグレードに使用されることが多い記号 最近の日本車のグレードは、記号によって分けられる車がほとんどです。代表的な記号をいくつか挙げます。 C:コンフォート(快適)などを表す。比較的購入しやすいグレードに使われる。 G:ジェネラル(一般)などを表す。中間~上級グレードに使われる。 GT:グランツーリスモ。イタリア語で元々は長距離移動に適した車という意味であったが、主にレースを意識した仕様の車種に使われる。 L:ラグジュアリー(豪華)などを表す。 R:レース(競走)などを表す。走りの良さを重視したグレードに用いられることが多い。 車のグレードの調べ方 一昔前は車のグレードはエンブレムとして取り付けられていましたが、最近の車ではほぼ見当たりません。ここからはグレードの調べ方について解説します。 1.車検証で「車体番号」を確認する まずは車検証で「車体番号」を確認します。車体番号は1台ずつの車にそれぞれ割り当てられた番号です。車検証の左上あたりに記載されています。多くはアルファベットと数字の組み合わせになっています。 2.メーカー別専用ページでグレードを検索する 次に自動車メーカーのウェブサイトで検索します。車検証から確認した車体番号からグレードを調べることができます。(以下の表記は50音順です) スズキスバルダイハツトヨタホンダマツダ三菱日産レクサス(トヨタと同じ) 古い年式の車や輸入車のグレードの調べ方 先にご紹介した各自動車メーカーのグレード検索は、検索できる車の製造年が限られています。例えば、検索できるのは2000年以降に製造された車などといった制約があります。次から検索対象より前に製造された車や外国車のグレードの調べ方をご紹介します。 1.車検証で「型式指定番号」「類別区分番号」を確認する グレードが自動車メーカーの検索サイトで検索できない場合、車検証に記載されている「型式指定番号」と「類別区分番号」を確認します。この二つの番号は自動車メーカーではなく、自動車メーカーが新しい車を発売する前に、国土交通省が付与する番号です。 2.車両検査を行う企業のサイトで調べる 調べた型式指定番号と類別区分番号を、車両検査を行う企業の検索サイトに入力すると、自動車メーカーで分からなかった車のグレードも確認することができる場合があります。代表的な企業にはAISがあります。なお車両検査とは、中古車の価格を決めるための査定検査のことをいいます。
車のリコールは、車の設計や製造過程に原因があり、道路運送車両の保安基準に適合しなくなる恐れや適合しない場合に出されます。リコールが出されたらどのような手順で修理を進めるのでしょうか。また、費用を支払って修理した後にリコールとなった場合の費用負担はどのようになるのでしょうか。今回は、車のリコールについて紹介します。 車のリコールとは 車のリコールとは、車の設計または製作の過程に原因があり、道路運送車両の保安基準に適合しない、または適合しない可能性がある場合に、メーカーが国土交通省に届け出て保安基準に適合するよう修理する制度です。 リコールは、メーカーの責任となるため、ユーザーが修理費用を負担することはありません。リコール対象になった場合には、速やかに修理を受けましょう。 リコール対象車になった場合の流れ ここからは、リコールの対象になったときの流れを紹介します。 1.ディーラーから連絡が来る リコールの対象になるとディーラーから手紙やハガキ、電話などで連絡が来ます。連絡がきたら入庫予約をしましょう。 また、リコールの修理は購入したディーラーだけでなく、他の正規ディーラーやメーカーから認証を受けている整備工場などで受けることができます。 2.ディーラーへ入庫する 入庫予定日になったらディーラーへ車を持ち込み修理を受けます。リコール内容によっては、数日間にわたり車を預けなければならないこともあるため、リコールの修理に要する日数や代車の手配なども忘れずに行いましょう。 3.リコール作業が完了する リコールの作業が完了したら車を引き取ります。リコールはメーカーが行う無償修理であるため、修理費の準備をする必要はありません。 車のリコールが出る前に修理した場合は条件付きで返金される 費用を支払って修理した部分が後にリコール対象となった場合、修理代金の返還等が行われることがあります。返還等の際には、領収書や修理明細書などの書類が必要になることもあります。返還等の手続きや必要書類などは、メーカーによって異なるため販売店などで確認してください。 車のリコールを理由に車体の返金はできない リコールは、あくまでも対象となる部品にのみ適応されます。そのため、車両本体の返金や交換はできません。 リコールの対象になると、車を売るときの価値が下がるのではないかと心配する方もいるでしょう。しかし、リコール対象となった車でも買取には影響がありません。 車のリコールに期限はない リコールの修理に期限はありません。そのため、何らかの事情によってすぐに修理を受けられなくても焦る必要はありません。 ただし、リコールは不具合が起きないよう事前に修理する制度であるため、早めに修理を受けることをおすすめします。 リコールを放置して事故が起きた場合はドライバーの責任 リコールの通知を受けていたのにもかかわらず、放置して不具合が起きたり事故を起こしてしまったりすると、ドライバーの責任になる場合があります。メーカーが届け出たリコールは、ユーザーが受けなければならない修理です。そのため、リコールの対象になったら速やかに修理を受けましょう。
スポーツカーを購入するとなると、中古車でも高額な車両代や維持費がかかるというイメージがあります。しかし、庶民でも乗れるスポーツカーがあれば購入を検討したいと考える人も多いのではないでしょうか。今回は庶民でも手が届きやすいスポーツカーや購入時の注意点について解説します。スポーツカーの購入を検討中の方は参考にしてください。 庶民でもスポーツカーに乗ってもいい スポーツカーは同クラスの新車の中でも価格が高く、中古車も高騰しています。また、燃費も悪く、メンテナンスや税金などといった維持費も負担が大きいというイメージもあるでしょう。そのため、うちは庶民だからスポーツカーに乗るべきではないのでは?と感じる方もいます。 もし、金銭的な理由でスポーツカーに乗ることを迷っているのであれば、コストパフォーマンスに優れたスポーツカーを探してみてはいかがでしょうか。 スポーツカーは新車よりも中古車が狙い目 スポーツカーは新車よりも中古車が狙い目です。中古車のスポーツカーにはプレミアムがつくような人気車種も存在し、中には新車価格を超えるようなリセールバリューのモデルもあります。しかし、自分に合ったクラスや価格帯に目を向けて車種の選択肢を広げると、高性能でお買い得なスポーツカーを購入することも可能です。 中古のスポーツカーは多走行車や修復歴ありの車が多いというイメージが先行しているうえに、コンディションの良し悪しもわかりにくいため、敬遠されてしまうこともあるでしょう。しかし、信頼のおける販売業者で探せば、コストパフォーマンスに優れたお買い得車に出会うことができます。 中古車は新車を購入する際にかかる取得税は不要で、フロアマットやカーナビゲーションなどの装備も最初から付いている車も多いといえます。また、サスペンションやマフラー、インチアップされたアルミホイールなども社外品の車検対応品に交換されていればかなりお得です。 手が届きやすいスポーツカー5選 今回は購入費用だけでなく維持費でも負担がかかりにくいように、比較的高年式のライトウェイトスポーツカーを5つチョイスしました。スポーツカーを購入する際の参考にしてください。 スズキ スイフトスポーツ ZC33S型 直進安定性と旋回性能やボディ剛性を高めたスイフトスポーツは、1.4ℓターボエンジンを搭載しています。クロスギアレシオの6速MTはシフトフィールも高く、爽快感の高い走りが楽しめるでしょう。中古車なら車両本体価格100万円台でも高年式車が選べます。 ホンダ CR-Z CR-Zは、スポーツカーでは珍しいハイブリッドシステムを搭載しています。前後重量配分を60:40に設定しているために旋回中のコントロール性能も高く、6速MTのスポーツモードならモーターアシスト量を高めた加速も十分に楽しめる車です。より熟成された後期型がおすすめで、多走行のものはバッテリーの寿命が短くなっているので注意しましょう。 MINI クーパーS 今回のチョイスで唯一の外国車となるMINIは、ゴーカートのようなフィーリングや独特のインテリアが楽しめる日本車にはない魅力が満載です。ドイツ車に多いブレーキパッドの摩耗の早さも、MT車であればエンジンブレーキを多用するので抑えられ維持費も比較的安いといえます。シフトフィールも良くて扱いやすいので、あまりMT車に乗ったことがない人でも気軽にスポーティな走りを楽しめるでしょう。 MINIのスポーツ仕様なら、ターボ搭載の最強スポーツモデルであるジョンクーパーワークスが人気です。しかし、中古車でも車両本体価格が高額となるので、クーパーSがコストや走りのバランスを考えると最適でしょう。また、社内外を問わずパーツ類も豊富なため、自分好みに仕上げていく楽しみもあります。 日産 マーチNISMO S 日産のスポーツラインであるNISMOでチューンアップされたモデルです。エンジンは1.5ℓに換装されており、補強されたボディや足回りにより痛快なハンドリングが楽しめます。スポーツシートのホールド性も高く、峠道などでコーナリングを攻めることのできるホットハッチといえるでしょう。新車価格が200万円を切る安さで、中古車では高年式車が100万円台で狙えます。 ダイハツ ブーンX4(クロス4) ブーンX4は、1.0ℓ直4エンジンにインタークーラー付きターボを搭載しています。国内ラリーへの参戦を見越したモデルで、クロスギアレシオの5速MTと4WDが装備されたスパルタンなチューニングモデルです。近年では珍しいドッカンターボで、エンジンの回転数を維持しながら操舵するマニアックな走りを楽しめます。特異なモデルであり、年式も古くなるので流通量は少な目といえるでしょう。 限られた予算でスポーツカーを買うときの注意点 続いて、限られた予算でスポーツカーを買うときの注意点について解説します。中古でスポーツカーの購入を検討中の方は参考にしてください。 状態が悪い車体を選ばない 中古のスポーツカーを購入するときは、状態の悪い車体を選ばないようにしましょう。状態が悪いとは事故による修復歴のある車や年式と比較して極端に多走行な車、車検非対応のパーツが装着された車です。そのような状態の車は将来的なメンテナンス費用がかかりやすく、走行時に不具合が発生しやすいでしょう。 維持費も踏まえて購入を検討する 購入時にどれだけ安く買えても、維持費が高額では購入後の経済的負担が大きくなります。税金や燃費が高くなりがちな大排気量の大型スポーツカーは、それに比例して任意保険料や消耗品の交換でも費用負担が大きくなることを忘れないようにしましょう。 車検にかかる費用も踏まえて購入を検討する 車検にかかる費用は大きな負担となります。車検には、基本料金以外に法定費用や各種消耗品・部品の交換費用が必要です。法定費用とは自動車重量税や自賠責保険料、印紙代が含まれており、車両重量が大きくなると非常に高額な負担を強いられます。また、経年劣化や摩耗により車検時に交換が必要となる消耗品や部品は、大型車種や年式の古い車ほど高額になりがちです。
ローン完済前に車の売却や譲渡を検討しているものの、問題なく名義変更ができるのかどうかが気になっている人もいるでしょう。結論から言うと、ローンを完済しなければ名義変更はできません。 この記事では、ローンを完済していない車の名義変更について解説するとともに、必要書類や手続きの流れなどを紹介します。 車の名義変更とは一般的に所有者の変更を指す 車の名義変更は「移転登録」ともいい、所有者を別の誰かに変えることを指します。車の名義変更を行うのは、売却や譲渡をするときです。 知っておきたい「所有者」と「使用者」の違い 車には「所有者」と「使用者」が定められており、それぞれ定義が異なります。所有者とは、車の所有する権利を持つ人のことで、名義変更を行える権限を持ちます。所有者は、必ずしも車を購入した人とは限りません。現金一括とローンのどちらで購入したかによって、次のように所有者が異なります。 ・現金一括払いで購入……購入者・ローンで購入……ローン会社や販売店 ローンで購入するとローン会社や販売店が所有者になるのは、車が担保になっているためです。 続いて、使用者について確認しましょう。 使用者とは、主に運転をする人のことです。車を管理する責任があり、事故や故障時には適切な対応を取ることが求められます。また、自賠責保険や自動車保険の名義は所有者ではなく使用者です。 使用者は車の名義変更ができないため、混同しないよう注意してください。 所有者の名義変更はローン完済後にできる 所有者の名義変更ができる条件は、車が担保に入っていないことです。車の担保が解除されるのはローン完済後のため、それまでは名義変更ができません。仮に名義変更ができてしまうと、「車を担保とする代わりにお金を貸し付ける」という契約が破たんします。 名義変更するには、完済後に所有者をローン会社から本人名義にする「所有権解除」の手続きが必要です。ローン会社から発行してもらう「完済証明書」とその他の必要書類を管轄の陸運局へ提出しましょう。 使用者の名義変更はローンが残っていてもできる 所有者の名義変更はローン完済後でなければ行えませんが、使用者の名義変更はローンが残っていても行える可能性があります。ただし、完済していないと手続きができないケースもあることに注意が必要です。 また、車を主に運転する人に変更があった場合は、必ず名義変更しなければなりません。名義変更せずに事故や違反をすると、前使用者に迷惑がかかり、トラブルに発展する可能性があります。 そのほか、車を相続する際の使用者変更についても確認しておきましょう。車を相続する際は、残債を一括清算するのが一般的ですが、分割で引き継げるケースもあります。ローン会社に債務者が亡くなったことを伝え、相続人の審査が行われた後に、使用者の変更が可能です。 使用者の名義変更をする方法 使用者の名義変更は、ローン会社が許可していない場合があるため、手続きできるかどうかは事前に確認しましょう。続いて、ローンが残っている車の使用者の名義変更に必要な書類や手続きを解説します。 1.必要書類を用意する 使用者の名義変更をする際は、以下の書類が必要です。 【新使用者が用意する書類】・申請書第1合式・自動車税申告書・手数料納付書※手数料印紙代を貼り付け・委任状・車検証・印鑑・住所を証明する書類※住民票や印鑑証明書・車庫証明・ナンバープレート※管轄が変わる場合のみ 【ローン会社や販売店に用意してもらう書類】・委任状 住所を証明する書類は発行から3ヶ月以内、車庫証明は発行から1ヶ月以内のものが必要です。。また、変更登録代として350円程度の印紙代が発生します。 2.陸運局で登録手続きをする 使用者の名義変更は「新所有者」の管轄の陸運局で、登録手続きする必要があります。 手続きの流れは以下のとおりです。 1.必要書類を持って管轄の陸運局へ2.申請書第1号式と手数料納付書を窓口で入手し記入3.手数料印紙を窓口で購入後、手数料納付書へ貼り付け4.必要書類を窓口へ提出5.新しい車検証が交付される6.自動車税申告窓口で税申告7.新ナンバープレートと封印を受け取る※管轄が変わる場合のみ 陸運局の管轄が変わる場合は、旧ナンバープレートと封印を取り外す必要があるため、マイナスドライバーを持参しておくとスムーズに返却できます。 3.保険の手続きをする 使用者が変わった際は、自賠責保険の名義変更も忘れないようにしましょう。自賠責保険の名義変更をせずに事故を起こすと、保険金の支払いの手続きが複雑化し、前所有者に迷惑がかかります。 自賠責保険の名義変更を手続きする場所は、契約している保険会社の営業所です。次の必要書類を持参しましょう。 ・自賠責保険証明書・自賠責保険承認請求書※前・新所有者の捺印を押印・前所有者の実印と印鑑証明書・本人確認書類※免許証など 保険会社によっては、自賠責保険承認請求書を公式Webサイトからダウンロードできます。また、郵送での手続きに対応している保険会社もあるため、営業所に出向く手間を省きたい場合は問い合わせてみましょう。 ローン完済後に所有者の名義変更をする方法 所有者がローン会社や販売店などになっている場合、所有権解除をすれば名義変更が可能です。ローン完済後に、所有者であるローン会社や車を入手した販売店などに問い合わせて「所有権解除をしたい」旨を伝えると手続きの案内をされます。 続いて、ローン完済後に所有者の名義変更する際に必要な書類や、手続き方法を解説します。 1.必要書類を用意する ローン完済後に名義変更をするには、以下の書類が必要です。 【新所有者が用意する書類】・申請書第1合式・手数料納付書・委任状・印鑑証明書・車検証・自動車税納税証明書・ローンを完済を証明する書類※所有権保留解除承諾書や完済証明書など・車庫証明※車検証上の住所と現住所が異なる場合のみ・住民票または戸籍謄本※車検証上の住所と現住所が異なる場合のみ 【ローン会社や販売店に用意してもらう書類】・譲渡証明書・印鑑証明書・委任状 申請書類第1号式や手数料納付書、委任状は上記から事前に入手できるので、ぜひ利用してください。 2.陸運局で登録手続きをする 登録手続きは、新所有者の管轄の陸運局で行います。手続きの流れは使用者の名義変更と同様で、必要書類を窓口へ提出すると、新車検証を発行してもらえます。ただし軽自動車の場合は、陸運局ではなく各自治体の「軽自動車検査協会」に出向く必要があるので、注意してください。また、陸運局は平日しか営業していない点に注意が必要です。平日に出向けない場合は、1万円程度の手数料で販売店や行政書士に代行を依頼できます。
発売から20年以上経過した現在も多くのユーザーから支持を集め、販売され続けているボルクレーシング TE37。コンケイブ形状に仕上げられた6本スポークのシンプルなデザインは、発売当時から変わりません。市場には毎年のように新しい形状のアルミホイールが投入されるなか、なぜこれほど長い間愛されるモデルとなったのか、TE37の魅力に迫ります。 国産鍛造ホイールの金字塔TE37 TE37は、国産ホイールメーカーレイズの手がけるスポーツブランド、ボルクレーシングから発売されている鍛造スポーツホイールです。一般向けのホイールとして当時まだ珍しかった鍛造を採用し、高い性能を実現しました。 1996年の発売以来、変わらぬデザインと人気を獲得し続けるTE37の特徴と、鍛造により実現した高い性能について紹介します。 ボルクレーシングのトップモデルに君臨 2022年現在も、ボルクレーシングのトップモデルとして君臨するTE37が発売されたのは1996年で、発売以来変わらぬデザインを継承し続けています。当時すでに設立20年を迎えていたボルクレーシングの技術を結集し、アルミホイールに求められる剛性、軽量性、デザイン性のすべてを兼ね備えたモデルとして開発されました。 応力を分散する6本のスポークを配した1ピース構造を実現し、高剛性と軽さを両立したことがTE37最大の特徴です。 15インチホイール1本の重量がわずか3.7kgというのは、発売当時としては規格外の軽さで、モデル名の由来にもなっています。1本37,000円という価格も、ボルクレーシングの重量「3.7kg」に対するこだわりを感じるポイントです。 また、余計な華飾のないシンプルなデザインで、装着車種を選ばなかったことも人気を集めた大きな理由といえます。 鍛造によって実現した軽さと剛性 鍛造を採用することにより、TE37の剛性・軽さの両立が実現しました。。比較的安価に複雑なデザインを表現できる鋳造ではなく、あえて鍛造を選んだことがTE37の成功につながったといえるでしょう。 鍛造とは、熱した材料に圧力をかけて成形し、アルミの分子結合をより強固にする製法です。分子結合が強固になると反復応力に対しての剛性が生み出され、その分軽量に製造できます。 また、鍛造で成形すると成形後の内部応力が残らないので、製品自体の精度向上も叶えられます。 長年愛されるTE37の魅力 TE37は、スポーツホイールに求められる性能をすべて満たしたホイールです。しかも、6本スポークというシンプルなデザインは、まさに機能美と呼ぶに相応しい仕上がりで、どの車種に装着してもフィットします。 場面や車種を問わず広く使用できるTE37は、一般ユーザー向けホイールの最高傑作ともいえるモデルです。軽さと剛性、デザイン性のすべてを兼ね備えたTE37の魅力をさらに詳しく紹介します。 圧倒的に軽いのに高剛性 TE37の軽さは、当時大きな話題となりました。スポーツ走行のみならず、クルマそのものの走行性能を高めるうえで、バネ下荷重の軽量化は欠かせないポイントです。 バネ下荷重を軽くするとサスペンションの動きがスムーズになり、結果として路面からのインフォーメーションが掴みやすくなります。そして、操作をダイレクトにタイヤへ伝えられます。 一方で、クルマの安定走行にはホイールの剛性も重要です。特にサーキットをはじめとしたスポーツ走行では、ホイールの僅かなたわみがタイムロスに繋がります。さらに、縁石や路面の凹凸による衝撃で破損してしまうホイールでは、安心して走行できません。 ただし、剛性を求めるとその分肉厚になり、当然ホイールの重量は増えてしまいます。TE37が人気を集めている最大の理由は、鍛造製法とデザインによって高い剛性力を実現しながらも、軽さも犠牲にしていないことでしょう。軽さと剛性という相反する2つの性能を高次元で実現したホイールだからこそ、今なおボルクレーシングのトップモデルに君臨しています。 コンケイブ形状を採用した先進のデザイン 性能だけではなくデザイン性の高さも、TE37の大きな魅力です。高剛性を実現した6本ホイールに加えて、コンケイブ形状を採用し、シンプルながら単調にならないスポーティーなデザインとなっています。 コンケイブとは「くぼみ」という意味で、ホイール中心に向かい落ち込んでいくデザインを指します。当時は“コンケイブ”という言葉も浸透していなかったので、“逆反り”などとも呼ばれていました。 また、TE37のコンケイブデザインは、サイズごとにフェイスが異なっており、ビッグキャリパーにも対応しています。 TE37は今も新モデルが投入され続けている 手頃な価格設定もTE37が支持されている理由の一つです。一般的にコストが高くなる鍛造ホイールを、一般ユーザーも購入しやすい価格で提供したことで、鍛造の良さを世間に知らしめました。 高剛性で軽量、しかもデザイン性も高いのに手の届く価格を実現したTE37は、発売時にすでに究極のモデルだったのかもしれません。現在も、TE37は販売継続しており、さらに限定モデルも含めて派生モデルが続々と投入されています。愛車のアルミホイール選びに迷ったら、国産ホイールの金字塔ともいえるTE37もぜひ検討してみてください。
愛車が事故にあい修理が必要になった時、気になるのは修理代金ではないでしょうか。今回はその修理代金の内訳と相場について解説します。修理代についてお悩みの方はぜひ参考にしてください。 事故車の修理代の相場 修理代は、次の5つに分類できます。 ・部品代・部品を脱着する・調整するための工賃・板金を行うための板金代・塗装代(工賃と材料代)・消費税 上記に加え、交換した部品などの廃棄物処理料がかかる場合があります。 この中で最も多くを占めるのが工賃です。工賃はレバレートとも呼ばれ、その会社の技術料として立地や規模によって算定されています。 1時間あたりの会社の技術料(レバレート)×作業時間=作業工賃となります。会社の規模が大きくなれば技術料は高くなる傾向があります。作業時間は指数と呼ばれ、工員の平均作業時間によって算出されています。 すなわち工員の行う作業と工程により工賃が決まります。※一般社団法人 事故車損害調査協会によると、2021年度のレバレートの調査では東京都内において国産車の平均レバレートは7,221円で、輸入車は9,857円です。一般的な価格帯は国産車で6,800円~7,600円。輸入車で9,600円~10,200円であると考えられます。 修理代の算定の基本 車種、年式、型式、グレード、カラーコードを車検証やコーションプレートなどで調べて修理に必要な情報を集めます。正確な修理見積を算定するのに重要な所です。事故車は見た目で「ざっくり」とした修理代を算定するのは難しく、所有者と修理業者との間でトラブルになるので正しい算定方法で車両を評価します。 保険事故として処理する場合には、事故車の時価総額を調べる必要がありますが、今回は修理代の算定に必要な事だけを述べるため割愛します。 事故車の損傷具合を把握する まず車両本体にどの程度物理エネルギーが加わったのかを調べることから始まります。どこに、どの方向から、どのように、どこまで、を調べます。自動車はボディ全体で衝撃を吸収する構造をしているため、一部分だけで損傷具合を評価はしません。※小さな擦過傷などは除く 見積は外側から自動車を分解してゆく 修理見積は実際に作業を行う手順に沿って記載されています。外側から車を分解・修理を行えるように書式が整えられているのが一般的です。概算ではありますが、事故事例を載せましたので参考にしてください。※工賃は東京都の平均レバレート7,221円で計算。消費税は含まれていません。。 例1:正面衝突して自走不能な場合の見積「フレームとエンジンに深刻な損傷の場合」 Aメーカー製 コンパクトカー ボディカラーはシルバーメタリック 左右エアバック作動状態 フロント部分およびエンジンフロント側に大きなダメージを負った場合の概算見積は部 品 代 88万円(約25万円ほどがSRSエアバックシステムの部品代)(エンジン本体の交換が必要な場合は部品代が約36万円追加になります)部品交換工賃 18万5,000円塗 装 工賃 78,000円(内、材料代が約10,000円)消費税なしの総額で114万円ほどになります。 例2:左側面を損傷し、ドア交換が必要な場合の見積 Bメーカー製 セダン ボディカラーは3コートホワイトパール左フロントフェンダ擦過 前後ドアは交換が必要な損傷 左リヤクォーター下部に軽くつぶれている状態の損傷を負った場合の概算見積は部 品 代 12万2,000円 部品交換工賃 44,000円板 金 工賃 21,000円塗 装 工賃 96,000円(内、材料代が12,000円)消費税なしの総額で28万円ほどになります。 事故車の修理代を抑えるための方法 修理代を抑える方法を解説します。主に中古部品を使う方法とぼかし塗装をしないなどの方法があります。 中古部品を使う 新品パネルより値段が安い場合があります。注意しなければならない点として年式が新しい車の場合は入手が難しく値段が新品より高い場合があること、細かな傷があること、事故車と同色の部品があるとは限らないことです。 逆に古い年式の車の場合、流通数が少ないことがあります。こちらも同様に傷や塗装の違いなどで板金作業、再塗装が必要な場合があり、新品パネルより値段が高くなる可能性があります。 ぼかし塗装をしない 板金した部分には限りなく原色に合うように調色作業を行って塗装を行いますが、隣合うパネルとは微妙に色合いが違う場合があります。その場合は隣合うパネルに半分ほど調色した色を塗装する「ぼかし塗装」を行います。これはグラデーションを施して色の差が判らないようにする塗装ですが、その分だけ工賃と材料代がかかります。 ある程度の色の違いを気にしないのであれば、ぼかし塗装をしないというのも選択肢のひとつです。あくまでも自己責任で修理業者にお願いする必要があります。 事故車の修理代が決まる要因 修理代が決まる要因とは、どのようなものか解説します。まず先に述べた自動車の価値とレバレート、そして損傷具合を算定した見積書によっておおまかな修理代を把握する事ができるようになります。 ここから先は実作業を行うことにより必要な部品をより細かく、修理工程をより詳しく拾い上げる事ができるようになります。 損傷の箇所 作業を行う工員は、見積書の順序に従って事故車の修理を始めます。分解してゆくことによって実際の損傷箇所を把握できます。見積書の算定から漏れていた部品や作業工程を拾い出します。思わぬ所まで損傷が伝わっている場合があり、この工程は算定結果に直結するので大きなダメージを受けた事故車は慎重に精査する必要があります。 損傷の程度 外観では判別できなかった損傷の程度を加える事で部品の納期、作業の予定日数などを予想することができます。フロントサイドメンバーやクォーターパネルなどの交換作業は難易度が高く、修理代の中でも特に大きな要因になります。足回りなどは外観では判別できない損傷を負っている場合があり、実作業で判明することがあります。 修理にかかる手間 実際に手間となる修理は、内反骨格の修正・交換、ルーフパネル、クォーターパネル、ドアパネルなどの交換・取付・調整および板金が必要な箇所、そして塗装です。サイドメンバー、インナーフェンダーなど骨格を交換した場合は配線や部品を外した状態で、防錆塗装、制振塗装とフレーム色の塗装を施します。新品のドアパネルは裏表の塗装をする必要があります。 車両側面に板金や塗装が必要な場合はマスキング作業などが必要です。組み立てに掛かる手間もあります。交換に必要なすべての部品と塗装したパネルなどが揃って初めて自動車を組立・調整ができます。 パーツの入手の難しさ・コスト パーツ入手の難易度は、年式が新しいほどメーカーから部品の入手がし易く、値段も適正です。年式が古くなってゆくとメーカーの部品在庫の管理費がかかるので値段が徐々に高くなります。新車発売から10年が経過する、または絶版車となった場合にはメーカーからの部品供給がなくなり中古市場で価格が高騰すると共に入手が困難になる場合があります。