車検切れでも廃車にできる?手続き方法やかかる費用などを紹介

目次
1.車検切れの車でも廃車手続きは可能 2.廃車手続きの種類 3.車検切れの車の廃車にかかる費用 4.車検切れの車を廃車にするタイミング 5.車検切れの車を廃車にする前の確認事項 6.まとめ

車検が切れたことをきっかけに車を廃車にすることを検討している方は、手続きの方法だけではなく費用についても確認が必要です。

業者に車を売却すれば、廃車にかかる手間や費用を抑えることが可能です。この記事では、車検切れの車の廃車方法や費用、廃車前の確認事項などについて紹介します。

車検切れの車でも廃車手続きは可能

車検切れの車でも、再車検を受けずに廃車手続きが可能です。ただし、自分で廃車手続きする場合は、車を解体業者に持ち込まなければなりません

車検切れの状態では公道を走行できないため、解体業者に車を持ち込む際は仮ナンバーを取得して自走させたり、レッカー移動を依頼したりする必要があります。車を使用する予定がない場合は、車検が切れる前に廃車手続きをするとよいでしょう。

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廃車手続きの種類

廃車には「永久抹消登録」と「一時抹消登録」の2種類があり、手続きの流れや必要書類が異なります。該当する種類の手続きの流れや必要書類を把握しておきましょう。

続いて、廃車手続きの種類を紹介します。

永久抹消登録

永久抹消登録とは、車を解体して完全に乗らなくなった場合にする手続きです。そのため、まずは解体業者に車のスクラップを依頼します。

業者での車の解体が完了したら、以下の書類を持参して車検証の住所を管轄する運輸支局で手続きします。

【普通車】
1.印鑑証明書
※発行から3ヶ月以内
2.実印
3.解体報告記録の日付と移動報告番号が記載されたメモ
4.車検証
5.ナンバープレート前後
6.委任状
※代理人が手続きする場合
7.申請書 第3号様式の3
8.手数料納付書
9.自動車税(環境性能割・種別割)申告書

※7〜9の書類は運輸支局で入手可能

解体報告記録は車の解体後に業者から報告されるため、「移動報告番号」と「解体報告記録日」を必ず控えておきましょう

また、軽自動車の場合は永久抹消登録ではなく「解体返納」が正式名称です。車の解体が完了したら以下の書類を揃えて、車検証の住所を管轄する軽自動車検査協会で手続きします。

【軽自動車】
1.使用済自動車引取証明書
2.車検証
3.認印
4.ナンバープレート前後
5.申請依頼書
※代理人が手続きする場合
6.解体届出書
7.軽自動車税申告書

※5〜7は軽自動車検査協会で入手可能

使用済自動車引取証明書は、解体業者に車を引き渡した後に受け取れます。普通車と軽自動車では、手続きの流れに大きな違いはないものの、必要書類が異なることに留意してください。

また、車検証に記載の住所と印鑑証明に記載の住所が違う場合は住民票が必要です。万が一情報に相違がある場合には、忘れずに用意しましょう。

なお、永久抹消登録をした場合、本来は車検の残存期間に応じて自動車重量税が還付されます。しかし、車検切れの状態では残存期間がないため、自動車重量税の還付金はありません

一時抹消登録

一時抹消登録は、一時的に車の登録を抹消するだけのため、再度登録すればふたたび公道を走行できます。自動車税の課税を止められるため、入院や海外出張などで長期間車を使わない場合に、一時抹消登録をします。

一時抹消登録の必要書類は、以下のとおりです。

【普通車】
1.印鑑証明書
※発行から3ヶ月以内
2.実印
3.車検証
4.ナンバープレート前後
5.委任状 ※代理人が手続きする場合
6.申請書 第3号様式の2
7.手数料納付書
8.自動車税(環境性能割・種別割)申告書

※6〜8は運輸支局で入手可能

一時抹消登録した車は公道を走行できないため、運輸支局に出向く際は知人の車に乗せてもらったり公共交通機関を利用したりしましょう。

また、軽自動車の一時抹消登録の正式名称は「自動車検査証返納届」です。以下の書類を揃えて、軽自動車検査協会で手続きします。

【軽自動車】
1.車検証
2.認印
3.ナンバープレート前後
4.申請依頼書 軽第4号様式
5.自動車検査証返納証明書交付申請書・自動車検査証返納届出書
6.軽自動車税(種別割)申告書

※4〜6は軽自動車検査協会で入手可能

車検切れの車の廃車にかかる費用

車検切れの車を自分で廃車にする場合は、以下の費用が発生します。

・解体(スクラップ)費用:1〜2万円程度
・レッカー費用:1〜3万円程度 ※けん引する距離によって異なる
・仮ナンバー取得費用:750円程度
・抹消登録手数料:0〜350円

バッテリー上がりや故障により車が自走できない場合は、レッカー業者にけん引を依頼する必要があるため、レッカー費用が発生します。

また、永久抹消登録は基本的に手数料が発生しません。しかし、車検証の住所と現住所が異なっていたり、所有者の氏名に変更があったりする場合は、変更登録が必要なため350円の手数料が発生します。

なお、廃車買取業者に車を売却する場合、解体費用は発生しません。車の引き取りを無料で実施している業者もいるため、レッカー費用や仮ナンバー取得費用がかからないうえに、車を持ち込む手間も減らせます。

廃車にかかる費用や手間を減らしたい場合は、廃車買取業者に車を売却するとよいでしょう。

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車検切れの車を廃車にするタイミング

車検切れの車は、3月31日までに廃車にすることをおすすめします。4月1日以降に廃車にすると、自動車税の納税義務が発生するため、余分な税金を支払わなければなりません

ただし、自動車税の全額をいったん支払う必要があるものの、廃車にすれば未経過分が月割りで還付されます。たとえば、6月に廃車にした場合は、残り9ヶ月分の還付金を受け取れます。

還付金を受け取れるとはいえ、車を使用していないのに経過分の自動車税を納税する必要があるため、なるべく早く廃車にしましょう。

車検切れの車を廃車にする前の確認事項

車検切れの車を廃車にするには、仮ナンバーの取得や自賠責保険の加入が必要です。自動車税を滞納していると、廃車にできないケースもあるため注意しましょう。

続いて、車検切れの車を廃車にする前の確認事項を紹介します。

仮ナンバーを取得する

車検切れの状態では公道を走行できないため、解体業者に車を持ち込む際は仮ナンバーを取得する必要があります。仮ナンバーとは、取り付けると一時的に公道への走行が許可されるナンバープレートのことで、役所で取得できます。

また、レッカー移動はけん引する車の前輪、または後輪を道路上に転がさなければなりません。レッカー移動とはいえ、公道を走行するためには仮ナンバーが必要なことを把握しておきましょう。

仮ナンバーを取得せずに、公道を走行した場合は無車検運行に該当します。無車検運行は、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

行政罰として、違反点数も6点加算されるため30日間免許停止です。累計点数や前歴の有無によっては、免許停止期間が延びるほか、免許取消になる場合もあります。

参考:道路運送車両法「第58条」「第108条

なお、仮ナンバーは最長5日しか使用できないため、解体の段取りを組んでから取得するとよいでしょう。

自賠責保険を確認する

仮ナンバーを使って車検切れの車を解体業者に持ち込む場合は、自賠責保険が必要です。自賠責保険は、車検満了日の1ヶ月後に切れるように加入されています。そのため、車検が切れている場合は、自賠責保険の保険期間も満了しているでしょう。

自賠責保険が切れている状態で、仮ナンバーを取得せずに公道を走行した場合は、併合罪に該当します。併合罪に該当すると無車検保険の罰則より重い、1年6ヶ月以下の懲役または80万円以下の罰金が科せられるため注意が必要です。

参考:刑法「第47条」「第48条

なお、自賠責保険は月単位でしか加入できないため、仮ナンバーの使用期間分ではなく1ヶ月で契約する必要があります。

自動車税の滞納を確認する

自動車税を支払っていないと、車検切れの車を廃車にできない場合があるため、滞納していないかを事前に確認しましょう。

自動車税の滞納が1年分の場合は、廃車手続きが可能です。未納分の納付書は廃車手続きをしてから1〜2ヶ月程度で届きます。

ただし、2年分以上滞納している場合は、車が嘱託保存(しょくたくほぞん)状態になっているため廃車にできません

嘱託保存とは、自動車税の滞納により税務署から車が差し押さえられている状態のことです。滞納分の自動車税を支払わないと、嘱託保存は解除されません。2年分以上滞納している場合は、自動車税をすべて支払ってから廃車にしましょう。

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まとめ

車検切れの車でも、再車検を受けずに廃車にできます。ただし、車検切れの状態では公道を走行できないため、解体業者に車を持ち込む際は仮ナンバーを取得して自走させるか、レッカーを依頼しなければなりません。

仮ナンバーを取得する手間に加えて、解体費用やレッカー費用なども発生するため、車検が切れる前に廃車にするとよいでしょう。

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