歴史を作ったトヨタ TE27の魅力とは? レビンとトレノの違いや開発背景を徹底紹介

目次
1.テンロクスポーツというジャンルを切り開いたTE27 2.レビトレらしさとして定着した爽快な走り 3.50年以上が経過してもなお高い人気

ハチロクの通称で知られ、自動車ファンのみならず幅広い層の支持を集める昭和の名車トヨタ AE86。大ヒットを記録したAE86につながったのが、レビン/トレノの初代モデルであるTE27です。

絶対的なパワーや性能はないのに、ドライバーに走る楽しさを教えてくれるというAE86の素性は、TE27ですでに実現されていました。高度経済成長期真っ只中に誕生したTE27レビントレノの歴史を振り返ってみましょう。

テンロクスポーツというジャンルを切り開いたTE27

トヨタ TE27 レビン/トレノ(以下TE27)は、“テンロクスポーツ”の先駆け的な存在です。テンロクスポーツとは、軽量コンパクトながら高効率の1.6Lエンジンを搭載し、胸のすくような走りを楽しめるスポーツモデル。特に1980年代後半〜1990年代にかけて、自動車メーカー各社の競争が激化していたカテゴリーです。

TE27の開発背景とレビン、トレノの違いやラインナップなどを詳しく紹介します。

大衆でも手の届くスポーツカー

TE27が登場したのは、高度経済成長末期の1972年です。庶民でも自動車を購入できる時代に入り、大衆車として地位を確立したカローラ/スプリンターの2代目を発売するにあたって、同車種のスポーツモデルとして開発されました。

豊かになったとはいえ、用途の限られる本格的スポーツカーは高嶺の花。若者でも手の届く価格に抑えた小型車サイズで、手軽に楽しめる“スポーツカー”としてTE27は人気を集めました。

レビンとトレノの違いは見た目だけではない

TE27 レビンとトレノは、姉妹車として多くの共通コンポーネントが使用されており、違いはそれほど大きくありません。主な違いは、前後ライト周りの形状やフロントマスクの意匠です。しかし、トヨタはそれぞれに明確な個性をもたせて開発しています。

実際、全長3,955mmのレビンに対してトレノは3,970mmと15mm長くなっています。さらに、車重もレビンは855kgで、トレノは10kg重い865kgです。実はボンネットやフロントフェンダーは別物で、さらにエアダクト裏のスリットもレビンとトレノで別形状です。

また、設定されたボディカラーもトレノとレビンで異なります。「モンテローザオレンジ」と「インディアナポリスオリーブ」と呼ばれるダークグリーンの2色がレビン。トレノには「ヘイトアッシュベリーオレンジ」と「デイトナオリーブ」のレビンと同系色ながら別のボディカラーが設定されました。

幅広い層に届けるため下位グレードも設定

TE27は発売の翌年に、「レビンJ」と「トレノJ」を追加します。いずれもエンジンやサスペンションなどの低コスト化を図った下位グレードながら、オーバーフェンダーなどの外観は受け継いだモデルです。

性能を追求しないユーザーでも、スポーツモデルのスタイリングを比較的安価に楽しめるように設計されました。下位グレードを設定する手法は、実はAE86以降のレビン/トレノでも採用されており、レビトレの伝統の一つでもあります。たとえば、名機4A-G型エンジンを搭載するAE86に対して、廉価版のAE85には3Aエンジンが搭載されていました。

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レビトレらしさとして定着した爽快な走り

レビン/トレノのイメージは、軽量な車重と高回転型エンジンによるきびきびとした走りです。実はこのイメージは初代TE27によって決定づけられ、レビトレの伝統とされました。

高性能エンジンとチューニングカーを思わせるオーバーフェンダー、さらには締め上げられた足回りと、TE27はシリーズ初代にもかかわらず徹底して作り込まれたモデルです。その魅力の一部を紹介しましょう。

上位車から移植した2TーGエンジン

TE27のエンジンに採用されたのは、セリカ1600GTに搭載され評価の高かった1.6Lの2T-G型エンジンでした。トヨタの量産DOHCエンジンの先駆けだった2T-G型は、最高出力115ps、最大トルク14.5kgmを発揮する高回転型の高性能エンジンです。セリカよりボディサイズが小さく車重の軽いTE27では、最高時速190km/h(メーカー発表)の高いパフォーマンスを発揮しました。

軽い車重によく回るエンジンを搭載しドライバーの意のままに操るレビン/トレノ伝統の爽快な走りは、初代のTE27から続く系譜だったのです。英語(古語)で「稲妻」を意味する「LEVIN(レビン)」、スペイン語で「雷鳴」を意味する「TRUENO(トレノ)」のイメージにふさわしい、爽快な走りを楽しめました。

トヨタ市販車史上初のオーバーフェンダー

TE27の外観上で最大の特徴は、4輪全てに装着されたオーバーフェンダーです。しかも、FRP製というチューニングカーさながらの仕様を、トヨタ市販車で初めて採用しました。

純正でも当時としては幅広い175/70HR13のタイヤを装着していましたが、さらに幅広いタイヤの使用も視野にいれていたのでしょう。スタイリングのインパクトだけではなく、幅広いタイヤで2T-Gエンジンのパワーを余すことなく路面に伝え、大衆車カローラ/スプリンターのスポーツモデルとは思えないほどの力強い走りを実現しました。

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50年以上が経過してもなお高い人気

TE27 レビン/トレノの登場からすでに50年以上が経過していますが、今もなお高い人気を集めるモデルの一つです。AE86の人気の高さはいうまでもありませんが、シリーズの性格を決定づけたTE27にも根強いファンが存在しています。

また、ドリフトやサーキット走行などで酷使されたAE86に比べ、TE27は比較的状態の良い個体も残っています。中古車市場では、絶対的な残存数が減少し希少性が高まっていることもあり、AE86よりも高い評価になるケースも少なくありません。

ただし、50年以上前のクルマということを考えると、TE27の購入や売却を検討する際は専門性の高い業者の選定をおすすめします。特に売却する際は、仕様や状態を正しく見極められないと、正当な買取額にならないケースも少なくありません。旧車の取り扱いに慣れている業者に相談して、TE27本来の価値を査定してもらいましょう。

※経過年数などは2023年8月執筆当時

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