FC3S型RX-7にもアンフィニが存在した!1〜4世代の特徴を紹介

目次
1.性能だけでなく取り組みも画期的だったFC3S 2.限定生産ながら4世代も投入されたサバンナ RX-7アンフィニシリーズ 3.FD3Sにも引き継がれたアンフィニシリーズの手法

マツダの販売チャンネル名にもなった「アンフィニ」という名称で真っ先に思いつくのは、3代目RX-7のFD3S型です。しかし、実は2代目RX-7のFC3S型にはアンフィニシリーズという限定モデルが存在していました。初代から劇的に進化したFC3S型に、さらにファインチューニングを施した限定車輌、マツダ サバンナ RX-7 アンフィニシリーズを振り返ってみましょう。

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性能だけでなく取り組みも画期的だったFC3S

1980年代中盤に登場した2代目サバンナ RX-7。型式名もFC3S型と改められた2代目サバンナは、ピュアスポーツとして初代から大きく生まれ変わりました。

さらに、FC3S型には、限定販売されたマツダ純正のチューニングモデルが存在します。「アンフィニ」と名付けられたシリーズは、合計4世代も開発するという意欲的な取り組みでした。アンフィニシリーズがいかに画期的なアプローチだったかも含めて、FC3Sの概要を紹介します。

初代サバンナを昇華させたFC3S型RX-7

1985年10月、2代目サバンナ RX-7としてFC3S型が発売されます。1978年の登場から、7年間もの長きにわたって販売されていたRX-7初のフルモデルチェンジでした。ロングノーズショートデッキにリトラクタブルヘッドライトというスタイリングは先代を踏襲しつつ、バンパー形状を一体型とするなど現代的なアプローチでデザインされています。

プラットフォームも刷新され、独立懸架に変更されたリアサスペンションに、国産車初の対抗4ピストンのアルミキャリパーを採用するなど性能面で大幅な進化を遂げました。さらに、エンジンは3代目FD3S型にも受け継がれる13B型ターボエンジンを搭載。初代サバンナ RX-7を、FC3S型でピュアスポーツに昇華させました。

メーカー純正のチューニングカー「アンフィニ」シリーズ

FC3S型サバンナ RX-7には、「アンフィニ」の名を冠した限定のチューニングモデルが存在します。シリーズ累計でわずか3,000台という限定生産ながら、スポーツカーファンの人気を集めました。FC3Sアンフィニシリーズの成功が、後にマツダの販売チャネル名に採用されることにつながったのでしょう。アンフィニシリーズは、1986年のアンフィニIを皮切りに合計4世代が投入されました。

日本のチューニングカー市場は1995年の規制緩和で大幅に拡大しますが、アンフィニシリーズの登場ははるか10年近く前。ただでさえチューニングカーの販売が難しかった時代に、メーカー純正のチューニングカーが生産されたことは画期的なことでした。

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限定生産ながら4世代も投入されたサバンナ RX-7アンフィニシリーズ

2代目マツダ サバンナ RX-7のメーカー純正チューニングカーとして限定販売されたアンフィニシリーズは、ピュアスポーツとして徹底的にこだわって開発されました。

全モデル2シーター化され、ボンネットは専用のアルミ製、BBS鍛造ホイールに加え、専用ダンパーまで備えています。さらに、エンジンや足回りもそれぞれの世代でチューニングされていて、スポーツカーファンにはたまらない仕上がりでした。アンフィニシリーズの全4モデルの特徴を一気に紹介します。

専用設計パーツ満載で登場したアンフィニI(1986年)

アンフィニシリーズの記念すべき初代は、FC3S型発売の1年後、1986年8月に登場した「アンフィニI」です。当初限定300台で発売されましたが、翌年にはさらに300台追加販売されました。内外装、さらに性能面で多くのパーツが専用開発され、単なる特別仕様車の枠を超えたメーカー純正チューニングカーとして話題を呼びます。アンフィニIの基本仕様は、アンフィニII以降のシリーズにも踏襲されました。

販売価格:278万8,000円〜

<性能面の主な専用装備>
・専用開発の低圧ガスダンパー
・リミテッドスリップデフ

<外装の主な専用装備>
・BBS製鍛造アルミホイール
・ボディ同色リアスポイラー
・ブロンズペンガラス
・アルミ製ボンネット
・アルミ製スペアタイヤホイール

<内装の主な専用装備>
・2シーター化(リアには小物入れ=ストレージボックス)
・MOMO社製本革ステアリングホイール及びシフトノブ
・ニット製専用ハイバックスポーツシート&ドアトリム
・防眩電動ドアミラー
・助手席フットレストバー
・新色外板色(ノーブルホワイト)

初代同様に追加販売までされたアンフィニII(1988年)

1988年1月に限定300台として登場したアンフィニIIは、発売からわずか7ヶ月後の8月にさらに300台を追加販売します。初代から大幅な変更はなかったにもかかわらず限定台数が完売してしまう事実から、いかにアンフィニシリーズがファンから支持されていたかがうかがい知れます。

販売価格:281万8,000円〜

<性能面の主な変更点>
・最終減速比の変更(4.100→4.300)
・ステアリング/シフトレバーなどの剛性向上

<外装の主な変更点>
・新設計リアスポイラー(ウイングタイプ)の採用
・新色外板色(クリスタルホワイト)
・ブロンズ色サンシールド採用

<内装の主な変更点>
・ドア内張りとシート地をグレーからブラックに変更

価格が下がったのに性能向上を果たしたアニフィニIII

アンフィニIIIは1989年8月に登場。限定台数は600台でしたが、歴代アンフィニシリーズ同様に600台が追加販売されました。エンジン性能の向上やタワーバーの標準装備化、16インチホイールの採用など性能も装備も先代から大幅に向上したにもかかわらず、販売価格は約10万円も引き下げられています。

販売価格:270万4,000円〜

<性能面の主な変更点>
・エンジン性能の向上
・ストラットタワーバーの標準装備
・ショックアブソーバとブッシュ類のファインチューニング

<外装の主な変更点>
・BBS製16インチ鍛造アルミホイールの採用(205/55R16タイヤ)
・新デザインのエアロパーツキット採用
・新色外板色(シェイドグリーン)

<内装の主な変更点>
・専用バケットシート
・運転席/助手席ニーパッド

最後までアップデートの手を緩めなかったアニフィニIV

アンフィニシリーズ最後のモデル、アンフィニIVは1990年に登場。600台の当初限定台数に追加300台を加えた合計900台が販売されました。シリーズ最終モデルながら、日本車初のトルセンLSDやハンドメイドのフルバケットシートの採用など最後まで意欲的に開発。メーカー純正チューニングモデル、アンフィニシリーズの名に恥じない仕様に仕上げられました。

販売価格:284万3,000円〜

<性能面の主な変更点>
・トルセンLSD採用
・ブレーキマスターシリンダーのサイズアップ
・ブレーキパッド材質変更
・ショックアブソーバー&ブッシュのファインチューニング

<外装の主な変更点>
・専用仕様のピレリP-ZEROタイヤ採用(205/55R16)

<内装の主な変更点>
・レーシングタイプフルバケットシート(ハンドメイド:運転席)採用

FD3Sにも引き継がれたアンフィニシリーズの手法

FC3S型マツダ サバンナ RX-7のアンフィニシリーズで培われた専用チューニング車を限定生産する販売手法は、続くFD3S型アンフィニ RX-7でも引き継がれます。タイプRZ、バサーストなどさまざまな限定車が販売され、それぞれ人気を集めました。

中古車でFC3Sアンフィニシリーズを入手する際は、信頼のできる中古車業者に依頼しましょう。特殊なロータリーエンジンのメンテナンスには、専門知識とノウハウが欠かせません。最終型のアンフィニIVの追加販売からでもすでに30年以上が経過する旧車のため、しっかりと整備された個体かどうかの見極めが重要です。

また、売却時には、価値のわかる専門業者に正しく査定してもらいましょう。シリーズ合計でわずか3,000台しか販売されなかった希少性の高い車種だけに、単なるFC3Sと査定されてしまうと損をしてしまう可能性もあります。
※経過年数は2023年6月執筆当時

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