アメリカ唯一!日本旧車メディア「ジャパニーズ・ノスタルジック・カー」編集長にインタビュー

目次
1.■ジャパニーズ・ノスタルジック・カーを立ち上げた経緯を教えてください 2.■japanesenostalgiccar.comというサイト名に「クラシック」ではなく「ノスタルジック」が使われているのはなぜでしょうか? 3.■Benさんがサイトを立ち上げて16年が経過しましたが、アメリカにおいて日本の旧車を取り巻く環境、日本の旧車の価値はどう変わったと思いますか? 4.■Benさんが日本の旧車に興味を持つようになったきっかけは? 5.■Benさんがいま、手に入れたい日本車はありますか?

台湾系アメリカ人のBenさんは2006年に「ジャパニーズ・ノスタルジック・カー」を設立。

アットホームな雰囲気のウェブサイトには全米で開催される日本製旧車のイベントレポートや、日本車の歴史、日本人でも知らない興味深いトリビアなど、日本製旧車のあれこれが網羅されています。

日本には数多くの旧車メディアが存在しており、この「旧車王ヒストリア」もその一つです。

日本には日本の旧車、ドイツの旧車、アメリカの旧車、フランスの旧車など、それぞれに特化した専門メディアもありますが、実はアメリカで日本の旧車に特化したメディアはただ一つだけ。

「ジャパニーズ・ノスタルジック・カー」(https://japanesenostalgiccar.com/)を運営するBen Hsu(ベン・シュー)氏にお話を伺いました。

Benさんご自身も古いランクル(ランドクルーザーFJ60)を所有しています。

ちなみに、Benさんのランクル60は、2021年秋にホットウィール「カーカルチャーシリーズ」でミニカーとして発売されました。

▲赤枠で囲んだホットウィールがBenさんのランクル60 ホットウィールでも日本の旧車が大人気!

▲米国唯一の日本旧車メディア編集長のBenさんにインタビュー中の筆者(加藤博人)

■ジャパニーズ・ノスタルジック・カーを立ち上げた経緯を教えてください

私が2006年にこのサイトを立ち上げた当時は、日本の旧車に関する情報を発信しているウェブサイトはもちろん、紙の雑誌においてもゼロでした。

メディアが存在しないどころか、当時のアメリカにおいては日本の古いクルマは『価値のある存在』として見られていませんでした。

ちょうど、その頃、カリフォルニア州ロングビーチでは「Japanese Classic Car Show(JCCS)」(日本旧車集会)の第1回が開催されていました。

当時の私は東海岸に住んでいたのでJCCSの存在を知りませんでしたが開催2年目以降は毎年参加しています。

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■japanesenostalgiccar.comというサイト名に「クラシック」ではなく「ノスタルジック」が使われているのはなぜでしょうか?

これも日本製の古いクルマは当時「旧車」(クラシックカー)とみなされていなかったことに関係しています。

アメリカの有名な旧車クラブに「Classic Car Club of America」がありますが、彼らの「クラシック」の定義ではアメリカ製やドイツ製、フランス製、イギリス製の旧車しか「クラシックカー」として認められず、日本製の旧車は彼らの眼中にありませんでした。

またこれとは別に、日本では「レトロな物」を「ノスタルジック」と形容することが割と一般的です。

そのような経緯からサイトの名前には「クラシック」ではなく、「ノスタルジック」とつけました。

■Benさんがサイトを立ち上げて16年が経過しましたが、アメリカにおいて日本の旧車を取り巻く環境、日本の旧車の価値はどう変わったと思いますか?

本当に大きく変わったと思います。

例えば、少し前のバレット・ジャクソン(アメリカでもっとも権威があるコレクター用カーオークション)で印象に残っているのが、司会が「我々のオークションでホンダ・シビックを見ることはあり得ないでしょう」といっていたことです。

それだけ日本の古いクルマはコレクション価値のあるものと認識されていなかったわけです。

日本車は「集めるほど価値のあるクルマ」というより、「実用的で道具のように使えるクルマ」と考えている人がとても多かったんだと感じています。

それが近年はスカイラインR32GT-Rや80スープラ、シビックタイプR、ランドクルーザーFJ40シリーズなどがバレット・ジャクソンに出品されて高額な価格で落札されることも増えました。

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■Benさんが日本の旧車に興味を持つようになったきっかけは?

初めて知った日本のクラシックカーはグランツーリスモに出てくるトヨタ2000GTやハコスカで、高校生のときに欲しかったクルマはホンダ NSXやマツダRX-7(FD)、トヨタ スープラなどの日本製スポーツカーでした。

1992年、家族で台湾に行ったのですが(初めて自分がアジアを訪れたとき)、当時はアメリカから台北への直行便がなく、トランジットのために成田で一泊しました。

当時はインターネットもなく、日本で走っているクルマの情報はほとんど把握していませんでした。

日本で走っているクルマはアメリカと同じなのだろうと勝手に想像していました。

しかし成田に着いて日本の街中を見るとまったく知らないクルマたちがたくさん走っていることに気づきました。

トヨタクラウンや日産セドリック、アメリカで見ないクルマばかりでとても興奮しました。

それ以降、初めて見る日本車にも興味を持つようになりました。

■Benさんがいま、手に入れたい日本車はありますか?

あります!日産スカイラインGT-R(R32/R33)です。

でもとんでもない金額になっていますけどね。

もし、GT-Rを手に入れても大切なコレクションにしてまともに走らせもしないでしょう(笑)。

運転するならマツダ・ロードスターなどのライトウェイトスポーツカーも好きですね。

でもロードスターを買うにしても、まったく同じクルマがアメリカで左ハンドルでも手に入るのなら、右ハンドルにこだわりません。

アメリカでは手に入らないクルマを日本から輸入して乗りたいですね。

先週、カリフォルニア州ロングビーチでは、Benさんも出展した第17回JCCS(日本旧車集会)が華々しく開催されました。

回を追うごとに参加台数が増え、来場者も1万人超となりました。

[ライター・カメラ/加藤ヒロト]

 

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