名車「テスタロッサ」を継承するV型12気筒エンジン! フェラーリ 512TRの魅力を紹介!

目次
1.名車テスタロッサの後継車として開発された512TR 2.先代の弱点を解消してさらなる進化を遂げた512TR 3.世界で2,200台あまりの希少車種

名車「テスタロッサ」の後継車種として1991年に発表されたフェラーリ 512TR。ボディデザインが似ていることから、テスタロッサのマイナーチェンジモデルと思われることも少なくありません。

しかし、512TRは正真正銘の後継モデルです。エンジンからフレーム、そして似ているといわれる外観デザインに至るまでフラッグシップモデルに相応しく徹底的にこだわって作られました。テスタロッサの弱点を補って余りある進化を遂げた512TRの魅力を紹介します。

名車テスタロッサの後継車として開発された512TR

512TRの前身、テスタロッサは実に8年間に渡って大きな変更がないまま販売されました。その間、エンツォ・フェラーリの死去など社内体制が落ち着かなかったこともありますが、もともとそれだけ完成度が高かったということです。

512TRは、名実ともにフラッグシップモデルに君臨していたテスタロッサを超える必要がありました。まずは、前身テスタロッサの概要と512TRの開発背景を振り返ってみましょう。

新たなフラッグシップモデルとして登場したテスタロッサ

512TRの前身の名車「テスタロッサ」は、1984年の秋にモンディアル・ド・ロトモビルで初披露されました。フェラーリの新たなフラッグシップモデルとして、MRレイアウトに180度V型12気筒エンジンを搭載。フェラーリ製の180度 V12として初めて4バルブヘッドが採用され、最高出力は390psを発揮しました。

「テスタロッサ」は「赤い頭」という意味のイタリア語で、1960年代にフェラーリのレースカーとして活躍したシリーズでも同じ名称が使われています。ヘッドカバーが赤く塗られていたことから名付けられました。

1992年に512TRにバトンを渡すまでの8年間で、合計7,177台が製造されました。スーパーカーという特殊なモデルを考えると、大成功といえる生産台数です。

テスタロッサと同じ「赤い頭」を持つ512TR

フェラーリ社内が落ち着いてきた、1988年に512TRの開発はスタートします。そして、開発から3年後の1991年秋、ついにテスタロッサの後継「512TR」が発表されました。

テスタロッサの後継であることを示す「TR」の文字が冠された512TR。先代同様の赤色のヘッドカバーを持つ、5L180度V型12気筒エンジンを搭載しています。ちなみにモデル名の「512」は、「5L」「12気筒」を示す数字です。

最高出力428psを誇るエンジンを新設計のシャーシに搭載し、名門フェラーリのフラッグシップモデルらしい進化を遂げました。課題だった重心の高さとボディ剛性を改善するなど、大幅な性能アップを果たしていて、史上最高の「テスタロッサ」と評価されることもあります。

テスタロッサのデザイン的要素を踏襲

512TRのエクステリアデザインは、基本的にテスタロッサを踏襲しています。外観上の特徴であるリトラクタブルヘッドライトはもちろん、ボディサイドのフィンなど多くの点が共通していました。

一方で、フロントバンパーを一体型にしグリルも変更、エンジンフードの形状もシンプルなものに見直すなど、8年の時代変化を取り入れたデザインも随所に見られます。エンジンやシャーシの進化だけではなく、大幅な変更はなかったものの実はエクステリアも正統進化しているのです。

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先代の弱点を解消してさらなる進化を遂げた512TR

512TRは、先代テスタロッサの抱えていた課題を徹底的に解消します。しかも、パワーアップをしにくいNAエンジンながら、約10%のパワーアップにも成功しました。

512TRの進化について、一つ一つ紐解いていきましょう。

テスタロッサの課題を徹底解決

先代テスタロッサの課題は、居住性の確保に伴ってエンジン搭載位置が後方よりになったことにより、前後重量配分と重心の高さが失われた点です。また、ハイパワーエンジンを支える車体のボディ剛性の弱さも問題でした。

512TRでは、テスタロッサの弱点を徹底的に解消しました。まず重心の高さの問題は、オイル循環方式をドライサンプに変更、ブラケットの改良などによってエンジンアッセンブリの搭載位置を30mmほど下げることに成功します。

課題のボディ剛性は、各所に補強を施して向上させます。フレームそのものはテスタロッサを踏襲していましたが、ねじ止めだった床を溶接に変更、荷室やエンジンルームとの隔壁にも鉄板を張り込むといった改良でボディ剛性を高めました。

同排気量のまま大幅にパワーアップしたエンジン

512TRに搭載されたのは、先代と同じ5LV型12気筒エンジンです。しかし、最高出力は先代の390psに対して428psを発揮、38psものパワーアップに成功しました。

新形状の吸入ポートの採用、バルブ径の拡大による吸排気効率の向上。さらに圧縮比10.0を達成した新設計ピストンやカムのプロフィール変更といった、細かい改良の積み上げで大幅なパワーアップを達成しました。

テスタロッサの課題だった重量バランスと剛性の改善とあわせて、当時のフェラーリ最強のマシンに仕上がっています。

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世界で2,200台あまりの希少車種

512TRはテスタロッサと比べて販売期間が短かったこともあり、世界でわずか2,200台あまりしか生産されなかった希少車種です。大手中古車サイトで検索したところ、わずか1台しかなく、しかも価格は公開されていませんでした。

希少車でも精力的に買い取る旧車王では、1993年式の512TRを1,600万円で買い取りました。512TRの売却を検討している方は是非、旧車王へご相談ください。

※価格や経過年数は2023年4月記事執筆時

 

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