「車のローンを組みたいけど、返済期間を何年にすればいいか迷っている…」という方もいるでしょう。ローンを契約したら毎月返済しなければいけません。月々の金額が安くても、あまりにも長期間返済が続くのは大変です。
この記事では車のローンの平均年数、最長年数、年数を決める際のポイントや注意点、年数別シミュレーションを紹介します。車のローンを組みたいと考えている人はぜひ参考にしてみてください。
車のローンは何年で組む人が多い?
ナイル株式会社が、中古車をローンで購入した全国の男女374名を対象にインターネット上でアンケート調査を実施した結果、「ローンを組んで買った中古車は何年ローンですか?」という質問の回答は以下のようになりました。
・2年:26.2%
・3年:24.2%
・5年:20.6%
・1年:8.0%
・1年未満:5.9%
・4年:4.8%
・その他:9.9%
引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000083.000055900.html
2年という回答が最も多く、次いで3年、5年と続き、60%以上の人が2~5年の期間で設定しているという結果になりました。
3年以上のローンだと車の事故や故障などのリスクも高まるため、長期間のローンを組むことを避けているものと考えられます。
車のローンの最長年数は?
車のローンには、銀行系ローンとディーラーローンがあり、それぞれ設定できる返済年数とメリット・デメリットが異なります。それぞれのローンの最長年数について、詳しく解説します。
銀行系は7~10年
銀行などの金融機関が行っている車のローンの期間は一般的に最長7年から10年で設けられているため、月々の負担を抑えて返済できるメリットがあります。
デメリットは、審査が厳しい傾向にあるため、希望した条件では利用できない場合があることです。
ディーラーは6~8年
ディーラーローンは車のディーラーが提携している信販会社が行うローンで、最長6年から8年と銀行系に比べて短めに設けられています。銀行系より審査が甘い傾向があります。デメリットは返済期間が短い分、月々の返済額が高くなることです。
車のローン年数を決める際のポイント
車のローン年数を決める際のポイントは以下のとおりです。
・毎月の返済可能額
・車の乗り換え時期
・他のローンを組む予定の時期
それぞれ詳しく解説します。
毎月の返済可能額
ローンの返済額は年数によって大きく変わります。ローンの借入期間は、月々の返済にゆとりを持てるかどうかを踏まえて決めるとよいでしょう。返済期間が短い場合、返済総額は抑えられるものの、月々の返済額は高くなってしまいます。
反対に返済期間が長いと月々の返済額は抑えられても総返済額が高くなります。月々支障なく支払える金額であることと、その場合の返済総額がいくらになるのかを確認したうえで、無理のない年数を設定しましょう。
また、車には維持費も必要になります。駐車場代・車検代・ガソリン代・税金などの維持費がかかることも考慮したうえで、月々の返済額を決めるとよいでしょう。
車の乗り換え時期
車のローンが残っているにも関わらず、次の車に乗り換えてしまうと、それまで使用していた車のローンと新しい車のローンの返済が一定期間発生します。ローンが二重に発生してしまうと、家計が圧迫されてしまいます。
ローンの返済期間は、車を使っている間に払い終わるように設定しましょう。
他のローンを組む予定の時期
住宅ローンや教育ローンなどを組む予定がある人は、それまでにローンが完済するように設定しましょう。
特に住宅ローンは借入期間が長く、月々の返済金額も高くなります。2つのローンを月々返済することになると、毎月の家計への負担が大きくなり、生活が苦しくなり結果として車や家を手放すことになるリスクが高まります。
また、住宅ローンを借りるには審査があり、その審査にあたって返済負担率が金融機関の審査基準を下回っていなければ審査が通りません。返済負担率とは、年収に対する年間の返済額の割合のことで、計算には車のローンはもちろんクレジットカードローンや奨学金など全ての返済額が含まれます。
車のローン年数における注意点
車のローン年数における注意点は以下のとおりです。
・ローン年数を延ばすことは通常は認められない
・売却する場合は一括返済が必要
・返済期間が長くなるほどに利息が高くなる
・返済方式によって総返済額が異なる
それぞれ詳しく解説します。
ローン年数を延ばすことは通常は認められない
車のローンは契約時に決めた返済期間を変更できません。月々の返済額が家計の負担になり、返済期間を伸ばして返済額を減らしたいと思っても、ローン年数の延長は通常認められないため注意しましょう。
やむを得ない事情で月々の返済額を減らしたい場合は現在のローンを解約し、借換え(新しいローンを組み直す)をすることになります。借換えには手数料がかかり、新しいローンを組むための審査を受けなければなりません。
ローン年数を設定する場合は、契約時点でゆとりを持って返済できる年数で設定しましょう。
売却する場合は一括返済が必要
ローンの返済期間中に車を売却する場合は、残りの金額を一括返済しなければなりません。車を売却した金額が、ローンの残った額より多い場合は問題ありませんが、その逆となった場合はその金額を一度に払えるように用意しなければならず、家計に大きな負担が生じてしまうため気をつけましょう。
返済期間が長くなるほどに利息が高くなる
返済期間が長くなれば月々の返済額は抑えられる一方で、支払う利息が高くなります。利息が高くなるほど総返済額が高くなるため、ローン年数を設定する場合は月々の返済額だけでなく、総返済額も確認してから決めましょう。
返済方式によって総返済額が異なる
ローンの返済方式には元利均等返済と元金均等返済の2種類があり、種類によって総返済額が異なります。それぞれのメリットデメリットは以下のとおりです。
メリット
・元利均等返済:毎月の返済額が一定になるため、返済計画を立てやすい
・元金均等返済:元金部分が早く減るため、返済総額が元利均等返済に比べ少なくなる
デメリット
・元利均等返済:元金部分の減り方が遅くなるため、返済総額が元金均等返済より高くなる
・元金均等返済 : 毎月の返済額のうち、元金部分の残高に大自他利息額が上乗せされるため、ローン利用開始時の返済額が高くなる
それぞれのメリット・デメリットをふまえたうえで、どちらの返済方式の方が自分が無理することなく返済できるのかを確認して選びましょう。
車のローン年数別シミュレーション
車のローンを借入額300万円・400万円・500万円とした場合、3年・5年・10年でそれぞれいくらになるのかシミュレーションしてみました。返済方式は元利均等返済で固定金利、ボーナス払いはなし、金利3%としてシミュレーションしています。
※JAバンク「マイカーローン返済シミュレーション」にて算出
借入額300万円
借入額300万円の場合の返済額は以下のとおりです。
・3年
毎月の返済額:8万7,243円
総返済額:314万769円
利息総額:14万769円
・5年
毎月の返済額:5万3,906円
総返済額:323万4,360円
利息総額:23万4,360円
・10年
毎月の返済額:2万9,968円
総返済額:347万6,180円
利息総額:47万6,180円
返済期間を5年に設定すると、3年に比べて毎月の返済額が3万3,337円安くなる分、利息総額が9万3,591円高くなり、10年に設定すると毎月の返済額が5万7,275円安くなる分、利息総額が33万5,411円も高くなります。
借入限400万円
借入額400万円の場合の返済額は以下のとおりです。
・3年
毎月の返済額:11万6,324円
総返済額:418万7,694円
利息総額:18万7,694円
・5年
毎月の返済額:7万1,874円
総返済額:431万2,485円
利息総額:31万2,485円
・10年
毎月の返済額:3万8,624円
総返済額:463万7,910円
利息総額:63万7,910円
返済期間を5年に設定すると、3年に比べて毎月の返済額が4万4,450円安くなる分、利息総額が12万4,791円高くなり、10年に設定すると毎月の返済額が7万7,700円安くなる分、利息総額が45万216円も高くなります。
借入額500万円
借入額500万円の場合の返済額は以下のとおりです。
・3年
毎月の返済額:14万5,406円
総返済額:523万4,616円
利息総額:23万4,616円
・5年
毎月の返済額:8万9,843円
総返済額:539万0,605円
利息総額:39万0,605円
・10年
毎月の返済額:4万8,280円
総返済額:579万3,640円
利息総額:79万3,640円
返済期間を5年に設定すると、3年に比べて毎月の返済額が5万5,563円安くなる分、利息総額が15万5,989円高くなり、10年に設定すると毎月の返済額が9万7,126円安くなる分、利息総額が55万9,024円も高くなります。
3つの借入額を比較すると、金額が高い方が借入期間が増えた場合、毎月の返済額の差額が大きくなりますが、その分利息総額との差額も大きくなるため、それも含めて無理のない借入額と返済期間を設定しましょう。
まとめ
今回は車のローンの平均年数、最長年数、年数を決める際のポイントや注意点、年数別シミュレーションを紹介しました。車のローンの返済期間を設定する際は、駐車場代や車検・ガソリン代などの維持費がかかることも考慮しながら、月々いくらなら問題なく支払えるかと確認したうえで設定することが大切です。また、返済期間が長くなる分、総返済額が上がることも忘れずに自分にとって最適な期間と借入額を決めましょう。
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