牽引免許がいらない場合とは?故障車を牽引する際のルールや注意点も解説

目次
1.牽引免許がいらない場合とは? 2.故障車を牽引する際のルール 3.故障車を牽引する際の注意点 4.まとめ

牽引免許と聞いて、大型トレーラーやキャンピングトレーラーを思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。しかし、サイズや重量によっては、牽引免許が不要になります。また、故障車の牽引には、基本的に牽引免許が必要ありません。

この記事では、牽引免許がいらない場合と、故障車の牽引におけるルール及び牽引する際の注意点について解説します。

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牽引免許がいらない場合とは?

牽引免許がいらない場合とは?

キャンピングカートレーラーやボートトレーラーなどを牽引する際に、必ず牽引免許が必要と考える人は多いはずです。車輌総重量750kg以下のクルマや故障車を牽引ロープで牽引する場合には、牽引免許は必要ありません。

ここでは、牽引免許がなくてもクルマを牽引できるケースを詳しく解説します。

車輌総重量750㎏以下

車輌総重量750kg以下の車輌を牽引する場合、牽引免許は不要です。

ただし、公道を走行できる車輌のサイズは全長12m以下/幅2.5m以下/高さ3.8m以下と決められています。牽引車とトレーラーを連結した状態でこのサイズを超えていた場合は、車輌総重量750kg以下であっても走行できません。

近年のアウトドアブームでボートトレーラーやキャンピングトレーラーの需要が高まっていますが、重量とサイズに気をつけて使用しましょう。

参考:道路交通法附則「第4条3項」・車両制限令「第3条

故障車の牽引時

故障により自走できなくなったクルマを牽引する場合は、車輌総重量が規定以上であっても牽引免許なしで牽引できます。

ただし、故障車を牽引するにはさまざまな条件を守らなければなりません。具体的な内容については、「故障車を牽引する際のルール」の見出しで詳しく解説します。

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故障車を牽引する際のルール

続いては、故障車の牽引におけるルールについて解説します。

故障車の場合は車輌総重量750kg以上であっても牽引できますが、牽引方法に細かいルールが設定されています。緊急時とはいえ、守らなければ道路交通法違反となるため注意が必要です。

牽引するクルマまでの長さの制限

牽引するクルマと故障車の間は5m以内の距離を保つ、というルールが設けられています。間隔が狭すぎると牽引するクルマと故障車が衝突するリスクがあり、長すぎるとカーブなどで故障車が外側に流れてしまい事故の危険性が高まるためです。

また、牽引するクルマの前端から牽引されるクルマの後端までの長さにも制限があり、バスやトラックなどの大型車輌でも25m以内に納めなければなりません。非常に稀なケースではあるものの、牽引可能な台数も2台までとされています。

故障車に乗る人も運転免許の携帯が必要

故障車に乗る人も運転免許の携帯が必要です。故障車でもハンドルやブレーキなどの操作が必要なため、無免許の人が運転することは法律で禁じられています。免許証不携帯でも処罰の対象となるため注意が必要です。

最高速度の制限

故障車を牽引するときの最高速度は時速30kmと制限されています。道路の制限速度にかかわらず、安全を確保するための制限となるため遵守しましょう。

なお、レッカー車などの大型車で牽引する場合の法定速度は40km/hです。車輌総重量2t以下のクルマを、その3倍以上の車輌総重量のクルマで牽引する場合の法定速度は40km/hまでと定められています。

クルマの牽引は普段の運転とは異なる技術が必要となるため、いつも以上に慎重な運転を心がけましょう。

高速道路で牽引はできない

高速道路での牽引はできません。高速道路上で故障が発生した場合は、すみやかに専門業者に連絡して搬送を依頼しましょう。高速道路では安全のために時速50km以上の速度で走行する必要があります。牽引時の速度では事故を誘発する危険性が高いため、個人による牽引は認められていません。

牽引ロープに目印をつける

ロードサービスを利用せず、個人のクルマで牽引する場合は牽引ロープを使用しなければなりません。ロープには0.3m平方以上の白い布を目印に付ける必要があります。市販の牽引ロープには付属していないものもあるため、緊急時に対応できるよう一緒に積んでおくとよいでしょう。

なお、市販されている牽引ロープには、「伸縮タイプ」「ワイヤータイプ」「ベルトタイプ」の3種類があります。スタックしたクルマを牽引で引っ張り上げるならワイヤータイプ、牽引するだけなら伸縮タイプがおすすめです

故障車を牽引する際の注意点

故障車を牽引する際の注意点

故障車を牽引する際にルールを守るのはもちろんですが、安全に運転をするためには、エンジンの確認や急ブレーキへの配慮など、いくつか注意する点があります。

ここでは、故障車を牽引する際に気をつけるべきポイントについて詳しく解説します。

エンジンが動くか確認する

故障車を牽引するときは、まずエンジンが動くか確認しましょう。エンジンがかからなくなると、パワステが効かずハンドルが重くなり、さらにブレーキもブレーキアシストが効かず操作が難しくなります。そのため、かなり高い運転技術や経験がないと牽引できません。エンジンのかからない故障車の運転に自信がない場合は迷わず業者に依頼するとよいでしょう。

下り坂での急ブレーキに注意する

故障車を牽引するときは、下り坂での急ブレーキに十分注意しましょう。牽引するクルマと故障車の双方に普段の運転とは異なる技術が必要です。急ブレーキの対応が遅れると牽引するクルマに故障車が追突したり、後続車を事故に巻き込む可能性があります。

牽引ロープは直線になるように取り付ける

牽引ロープは、牽引するクルマと故障車が直線になるように取り付けなければなりません。

たとえば、牽引するクルマの右側の牽引フックに牽引ロープを掛けたら、故障車も同様に右側に牽引ロープを引っ掛けます。もし、どちらかを左側にして斜め方向に引っ張ったとすると、牽引フックが破損したり車体が歪んだりする恐れがあります。

牽引ロープが常にピンと張るように走行する

故障車を牽引するときは、牽引ロープが常にピンと張るように走行しましょう。ロープがたるんでしまうと地面に擦れて切れる危険性があります。故障車を運転する人は、ロープがたるまないよう常にブレーキ操作などで車間距離の調整を行うことが重要です。

伸縮タイプの牽引ロープであれば、車間が詰まってもロープが縮むため、地面に擦れる心配がありません。走りはじめたときの衝撃が緩和されるというメリットもあります。 

牽引時のハザードランプ

牽引時のハザードランプの点灯は、法律では義務付けられていませんが、周囲の安全を確保するために実施したほうがよいでしょう。

ハザードランプの点灯により、後続車に危険を知らせることができます。ウインカーを出すときには、「一時的にハザードランプを消して、曲がり終えたらまたハザードを点ける」と操作すれば、より安全性が高まるでしょう。

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まとめ

ここまで、牽引免許がいらない場合と故障車の牽引について解説してきました。

キャンピングカートレーラーの購入を検討しているが、牽引免許の取得がハードルになっているという方は少なくないはずです。しかし、車輌総重量750kg以下のキャンピングカートレーラーであれば、普通免許で牽引できます。

故障車については、ルールを守れば牽引免許がなくても牽引可能です。近年発売されたクルマであれば故障しにくく、さらにレッカーサービスも充実しているため、必要なケースはほとんどないかもしれません。

しかし、サーキット走行を趣味とされている方やヘビーデューティーなSUVでクロスカントリーを楽しむ方にとって、故障やクラッシュによる破損は他人事ではありません。万が一の際には自力で帰ることができるよう、牽引の対応について把握しておくとよいでしょう。
また、雪が多い地域ではコンディションによってはスタックのリスクが高まるため、牽引での走行を想定しておく必要があります。

より安全でより安心なカーライフを送るためにも、牽引の際のルールをしっかりと理解し、いざというときのために備えておきましょう。

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