ハイソカーって何?現代車の礎となったバブル期の名車を振り返る

目次
1.ハイソカーとは“上流階級の車” 2.バブル絶頂期に起きたハイソカーブーム 3.自動車史に残るハイソカー 4.ハイソカーは今につながる技術の礎

昨今、自動車業界は、100年に一度の破壊的イノベーションの渦中にあると言われています。そんな大変革期の中にあって、“ハイソカー”が再び脚光を浴びつつあるのをご存じでしょうか?今回の記事では、単なる旧車とはひと味違うハイソカーについてお話していきます。

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ハイソカーとは“上流階級の車”

ハイソカーとはもはや死語になりつつある言葉ですが、ハイソとはhigh society(ハイソサエティー)略で、直訳すると“上流階級や上流社会”。つまりハイソカーとは、上流階級の車ということになります。このように聞くとなんだか成金感というか、銭ゲバ感がありますが、実際はあくまで「高級な雰囲気を持った車」を指した和製英語で、きっかけは車雑誌の「ホリデーオート」だと言われています。

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バブル絶頂期に起きたハイソカーブーム

そんなハイソカーがブームになったのは、1980年代後半からで、時は経済成長絶頂期の、バブル経済ど真ん中の時代です。それまで多くの庶民にとって、車はあくまで移動の道具でしかなかったところから、ステータスの象徴へと変化。いつかはマイホームを持つことが人生最大の目標であるように、高級車を購入することへの憧れが一層強くなっていきました。

戦後最大の好景気に後押しされ、自動車メーカー各社も開発に時間と金をたっぷり掛けることができた時代。このころに誕生し、ハイソカーブームを牽引した車種は、日本の自動車史に残る名車ばかりです。

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自動車史に残るハイソカー

自動ブレーキや高性能なカーナビゲーションなどない時代でも、メーカーの粋を集めて開発されたハイソカーと呼ばれる車種は、若年層のユーザーだけでなく、当時のいわゆるお父さん世代の40代や50代の人気も獲得。また、各メーカーの個性やこだわりが色濃かったこともあり、令和になってもその人気は衰えず、車種や状態によっては新車当時の価格以上で取引されることも珍しくありません。

GX71系 トヨタ マークⅡ3兄弟

まず最初にご紹介するのは、ハイソカーの代名詞と言っても過言ではない「GX71系 トヨタ マークⅡ3兄弟」です。GX71系 トヨタ マークⅡ3兄弟が販売されていたのは、「いつかはクラウン」と言われた7代目クランと同時期で、クラウンは会社で出世し成功した大人だけが乗ることを許された高嶺の花でした。

そんな中、2リッターエンジンに5ナンバーボディで維持費を低く抑え、高級志向のツインカム直列6気筒(1G系)エンジンを搭載。デジタルメーターや減衰力を変化させるTEMS(トヨタ・エレクトロニック・モデュレーテッド・サスペンション)、4輪ディスクブレーキなど、数多くの最新装備を採用していました。さらに、高級クラブのようにたっぷりとした厚みがあり、光沢のあるモケット素材を用いた内装やフルオートエアコンなど、とにかく至れり尽くせりの豪華さを誇ります。また、直線を上手に使いながら、各部にメッキパーツで加飾された外装もエレガントそのもの。上級車であるクラウンと共に、スーパーホワイトというボディカラーが大人気となり、スーパーの駐車場で自分の車がわからなくなるほど、街中にはスーパーホワイトのマークⅡ3兄弟が溢れていました。

Z10系 トヨタ ソアラ

ハイソカーを一大ブームに押し上げたのがマークⅡ3兄弟なら、ハイソカーブームのきっかけを作ったのは、同じトヨタのソアラ(Z10系)です。3ナンバーの大柄ボディーに、大排気量の直列6気筒エンジンを搭載しているにも関わらず、2ドアのノッチバッククーペで、お世辞にも車内が広々というわけではありません。

令和の現代から考えればあまりにも非現実的なパッケージであったにも関わらず、10系ソアラは大ヒット。トヨタが手掛けた高級パーソナルカーとして、ライバルであった日産レパードを大きくリードしました。また、先述したGX71系のデジタルメーターやTEMSと言ったハイテク装備は、Z10系ソアラが最初に装備してり、高級&ハイテクが代名詞のハイソカーのご先祖様といったところです。

F31型 日産 レパード

多くのメディアで、上記トヨタ ソアラのライバルとして取り上げられる日産レパードですが、初代F30型の登場は10系ソアラよりも1年早い1980年。直線基調の2ドアノッチバッククーペ(4ドアハードトップもある)というスタイルはソアラと同じであるものの、搭載されるエンジンは旧式のL型で、全くソアラには歯が立ちませんでした。

そこで、1986年登場した2代目のF31型レパードは、全グレードでV6エンジンを採用。さらにライバルソアラが2代目(Z20系)に進化すると、1988年には内外装のデザインを大幅に変更。最上級グレードである「アルティマ」には、3リッターV6ターボエンジン(VG30DET型)は、最高出力255馬力を発生し、ライバルであるソアラが搭載する直列6気筒7M型エンジンの230馬力を越えます。また、大人気刑事ドラマ「あぶない刑事」では、主人公のタカとユウジが乗る覆面パトカーに起用。ドラマに登場した、ゴールドツートンの前期型「アルティマ」や、ダークブルーツートンの後期型「V30アルティマ ツインカムターボ」は、中古車として新車以上の価格で取引されています。

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ハイソカーは今につながる技術の礎

令和の世では、燃費や安全性が車を選ぶ基準として当たり前となっています。ですが、ハイソカーが一大ブームとなっていた頃は、車は豪華でハイパワーであることが正義とされていました。今となってみれば、大排気量のエンジンや当時のハイテク装備の数々は、一見すると無駄に思えるものばかりです。しかし、景気が良かった“アノ”時代に各メーカーが湯水のように開発費を使ったからこそ、日本車は世界に誇れる性能と品質を手に入れられたのかもしれません。

[ライター/増田真吾]

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