ハイソカーの代名詞GX71系マークⅡ3兄弟が成功した理由とは? 豪華な内装を始めとする魅力の全貌に迫る

目次
1.時代の流れに乗って登場 2.当時の技術を詰め込んだ贅沢仕様のGX71系 3.GX71系の人気が今も衰えない理由

トヨタ GX71系マークⅡ3兄弟は、日本の自動車史の一時代を築き上げたモデルです。当時の日本で巻き起こったハイソカーブームをけん引しました。

端正なフロントマスクに直線基調のボディライン、実用的で野暮ったい一般的なマイカーのイメージを一新。潤沢な予算を背景にメーカーが技術を惜しみなく注ぎ込み、ユーザーに新たなクルマの楽しみ方を与えたのがGX71系マークⅡ3兄弟です。

マークⅡ3兄弟が成功した理由とその魅力を、ハイソカーブームも含めて紐解いてみましょう。

時代の流れに乗って登場

1970年代の高度経済成長によって、庶民でもマイカーに手が届くようになりましたが、クルマはあくまでも実用品。「便利な道具」という域を出ない存在でした。そこに訪れたのが、戦後最大ともいわれるバブル景気です。経済的にゆとりが生まれ、「生活必需品以外は贅沢品」といった風潮から徐々に高級志向へと国民の意識が向き始めます。

そんな時代背景に見事にマッチして空前のブームを巻き起こしたのが、これまでにはないジャンルのクルマ「ハイソカー」でした。

経済的ゆとりから生まれたハイソカーブーム

ハイソカーの「ハイソ」とは、上流社会や上流階級を意味する「ハイソサエティ(HighSociety)」の略語で、ハイソカーは「上流階級のクルマ」という意味です。80年代後半のバブル景気とともに一大ブームへ発展したカテゴリで、上質な内外装と高い性能が多くの人を魅了しました。

単なる乗り物としての側面が強かったクルマに、ラグジュアリー志向という新たな価値観を持ち込んだのがハイソカーです。経済的なゆとりを背景に、豪華な内装やパワフルなエンジン、現代では不必要とも思えるような先進装備を搭載し、実用面だけではなく所有欲も満足させる仕様のクルマが次々に登場しました。

ハイソカーの象徴にもなったマークⅡ3兄弟

ハイソカーブームを牽引したのは、トヨタのマークⅡ3兄弟です。前モデルまでは大衆車の派生車種「コロナ マークⅡ」として販売されていましたが、1984年に5代目へのフルモデルチェンジで「マークⅡ」として独立。共通のプラットフォームを使用する「チェイサー」「クレスタ」を含めたGX71系3車種が、多少の方向性の違いこそあれハイソカーの象徴的存在となりました。

当時のトヨタはハイソカーの一種ともいえるクラウンをすでに高級車として販売していましたが、単なる高級路線ではなく、庶民でも手の届くクルマが上質になった点がハイソカーブームのポイントです。

ハイソカーブーム以降もマークⅡ3兄弟としてモデルチェンジを重ねましたが、実は登場時期はそれぞれ異なります。最も古いモデルがマークⅡで、1968年に初代が登場しました。続いて1977年にマークⅡの姉妹車としてチェイサーが登場、さらに1980年の4代目マークⅡ投入時にクレスタが追加されます。つまり、チェイサーとクレスタはマークⅡの派生車種ということで、マークⅡ3兄弟と呼ばれるようになりました。

なお、共通プラットフォームの別車種は一般的に「姉妹車」と呼びますが、なぜか「マークⅡ3兄弟」だけは「兄弟」という呼び名がついているのも面白いポイントです。

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当時の技術を詰め込んだ贅沢仕様のGX71系

GX71系のマークⅡ3兄弟には、スタイリッシュなハードトップ、豪華な内装、ハイパワーエンジンと当時の技術が惜しみなく投入されています。一方で、5ナンバーサイズという経済性も意識したパッケージングは、まさに庶民派の高級車でした。

ここからは、GX71系マークⅡ3兄弟の魅力をたっぷりと紹介します。

スタイリッシュな外観と豪華な内装

4ドアハードトップをベースにしたスタイリング(クレスタのみ4ドアセダン)にクローム調のモールを各部にあしらった華飾、直線基調のボディラインはエレガントそのものでした。内装面に目を移すと、たっぷりと厚みをもたせた光沢あるモケットのシートはリビングルームを彷彿とさせます。

さらに、デジタルメーターやフルオートエアコン、電子制御の足回り「TEMS」、独立したブレーキ制御を実現する4輪ESCまで装備。ボディカラーには、ソアラやクラウンで設定されていた「スーパーホワイト」も採用し、文字通りワンクラス上の上質さを実現しました。

日本初の技術が盛り込まれたハイパワーエンジン

マークⅡ3兄弟のトップグレードには、160psを発生する2L直列6気筒DOHCエンジンが搭載されています。DOHCエンジンはまだ一部の車種にしか採用されていなかった当時、「Twincam24」のエンブレムは自動車ファンの憧れでした。

さらに、発売翌年の1985年には、日本初のツインターボを採用した1G-GTEU型エンジンが登場します。直列6気筒DOHCエンジンというだけでも十分なインパクトでしたが、最高出力を185psにまで高める日本初の技術を詰め込み、一気に人気が加速しました。

街道レーサーの走りにもなった

マークⅡ3兄弟は「街道レーサー」と呼ばれる、レーシングカーのようにカスタマイズしたクルマを楽しむ層からも人気を集めました。1970年代に登場した街道レーサーは1990年代以降に盛んになった「走り屋」のルーツとも言われ、マークⅡ3兄弟は真っ盛りの時代に登場したのです。

大型のフロントスポイラーやリアスポイラー(ウィング)、サイドスカートを装着すると、低重心で直線基調のボディラインが強調され、よりスポーティな外観が手に入ります。また、エンジンについてもブーストアップやタービン交換、シリンダー直径を広げて排気量を増やすボアアップまでさまざまなチューニングエンジンが存在していました。

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GX71系の人気が今も衰えない理由

ハイソカーと呼ばれる車輌のなかには、トヨタ クラウンやソアラ、日産 レパードなどもともと高級路線で開発されていた車種も含まれます。しかし、5ナンバーサイズや高すぎない価格といった条件のなか、豪華な内外装や先進技術を装備したという意味では、マークⅡ3兄弟は他車種とは異なる存在のハイソカーです。

特にGX71系のクルマが今も人気を集める理由は、コストカットの進む現在では考えられない豪華な内装と、一方で旧車然とした直線基調のスタイリングでしょう。角のある旧車を象徴するかのようなデザインでありながら、クロームメッキ調の華飾といった現代的要素も共存しているのは、後にも先にもGX71系だけです。2Lで185馬力を発生するハイパワーエンジンも魅力ですが、GX71系の車種がグレードを問わず人気を博している理由には、現在では決して真似できない“あの”時代だからこそ実現できた特別な仕様が強く影響しているのではないでしょうか。

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