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● どういった売り方が最適か相談したい
● 相続で車を売りたいけど売り方が分からない
● 二重査定や減額について知りたい
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廃車をお得に処分したいと考えている方は多いのではないでしょうか。個人で上手に資産化する方法としてオークションで売却する方法があります。ここでは、廃車をオークションに出品する際のメリット・デメリット、流れなどについて詳しく解説します。 廃車オークションとは 廃車オークションとは、事故車、故障車、価格のつかない車などを専門で出品・落札できるオークションです。専門業者が行うオークションと個人売買で行うオークションがありますが、ここでは個人向けの廃車ネットオークションをご紹介します。個人向けの廃車オークションはフリマサイトや個人向けの専用サイトなどで売買が成立するシステムです。 廃車オークションに出すメリット 事故や故障などで廃車になった場合、年式や走行距離などで評価額は決まってしまいます。その場合、資産価値はそれ以上高くなりません。しかし、オークションに出品することで評価額以上の価値を生み出す可能性が広まります。廃車をオークションに出品するメリットを3つご紹介します。 高額落札も期待できる たとえ廃車であっても、市場で人気のある車両や流通数の少ない車両を探している方がいます。主な購入希望者はパーツ取りや廃車を復元修理する方などです。そのような人の目にとまれば、買取会社に出すよりも高額で落札される可能性があります。 離れた土地の人とも取引できる 遠隔地の購入希望者とやり取りできるのもメリットです。廃車を売却したい場合、購入希望者が近場にいるとは限りません。ネットオークションであれば、日本のみならず世界中の人も閲覧できます。 最低落札価格を設定すればリスクを抑えられる 出品する際に希望する最も安い値段を決めておけば、低すぎる値段で落札されるリスクを抑えられます。最低価格をいくらに決めて良いかわからない場合は、車種・年式・走行距離・車の状態などから算出しましょう。また、近い条件の車をオークションで探して、落札価格から最低落札価格を割り出す方法もあります。 廃車オークションに出すデメリット 廃車を個人でオークションに出品する際は、交渉や手続きをすべて自分で行わなければなりません。また必ずしも高く売れるとは限らないことを理解しておく必要があります。 廃車オークションに出すデメリットについて詳しく見ていきましょう。 手数料が必要 オークションでは出品時に出品手数料などがかかります。各オークションサイトで料金は変わるので前もって調べておく必要があります。また再出品する場合やキャンセルする場合にも料金が発生するので注意が必要です。 トラブルになるリスクがある 支払いの方法や出品時の告知不足でトラブルになるリスクがあります。また取り外してはいけない部品や装備を取り外した状態での売却もトラブルの元になります。トラブルが起きると、せっかく落札されてもキャンセルされるかもしれません。このようなリスクを回避するためにも、売却時には落札者と廃車手続きや支払いに関する確認を徹底するなど、トラブル対策をしましょう。 落札されない場合もある 入札を待っていても必ず売れるとは限りません。最低落札価格が高く設定されている、車の状態が購入希望者の求めている状態ではなかったなどの理由で、落札されない場合があります。 また、遠隔地からの運搬費用が高い場合も落札を諦めるかもしれません。 廃車オークションに出す流れ まずは、出品する車の状態や必要書類などを確認します。オークションで申告しなければならないことも調べる必要があります。続いてオークションに出品する一連の流れをご紹介します。 1.オークションサイトを選ぶ インターネット上には個人で参加できる廃車のオークションサイトがいくつかあります。その中から選んで登録します。登録する前にオークションサイトの利用規約を熟読しましょう。なお、登録には必ず本人確認が必要です。 2.所定の方法で出品する 出品する車についてオークションサイトで登録します。メーカー、年式、車種、排気量、グレード、使用燃料の種類、駆動方式(2WDまた4WD)変速装置(オートマチックまたはマニュアル)、事故歴や修復歴の有無、ハンドルの位置、車体色、主要装備、走行距離などを登録しましょう。これらは主に車検証に記載されています。 次に、出品車の写真を必要枚数登録します。写真は評価をする上で特に重要な情報ですので、落札者に判りやすい撮り方がよいでしょう。この他にも文章で車両の紹介や状態のコメントなどを入力する箇所がある場合は漏らさず記入します。 金額に関する部分は、スタート価格、最低落札価格、即決価格などの項目に、さらに支払い方法も漏れなく入力します。詳しくは各オークションサイトの利用ガイドなどを確認しましょう。 3.落札者に引き渡す 無事落札されたら手続きします。落札金額や落札者をよく確認し、落札者と連絡を取ります。確認することとしては、落札者の氏名、出品車の受け渡しに必要な書類などです。取り決めしておくことは、出品車の受け渡し日時と場所と代金の受け取り方法です。期日までに必要書類(車検証、印鑑証明書など)を揃えましょう。最後に予め約束した日時と場所で車の受け渡しを行います。その際は、申告通りか落札者側に現車をチェックしてもらい、何事も無ければ引き渡しとなります。
「クルマともっと関わって生活したいけど、時間が取れない……」「クルマに携わる仕事ができたらいいのに……」 仕事が忙しいと、なかなかクルマにかける時間を取れないですよね?今回は、そんなクルマ好きの悩みを解消するお仕事「クルマの買取営業」を紹介します。 買取営業になるためには資格が必要?業務内容は?向いている人や勤務環境まで旧車王の買取営業メンバーに詳しく話を聞いてきました。クルマ買取営業のリアルな情報をお届けします。 クルマの買取営業とは クルマ買取営業の仕事は、クルマの買取価格を適切に査定することです。 中古車の買取営業にはクルマの状態を正確にチェックするスキルが必須です。車種や年式、走行距離はもちろんのこと修復歴の痕跡がないか、人気のオプションがついていないかなど大変多くの項目を確認しなければなりません。希少車や古い年式のクルマの査定にはさらに高度な知識が必要です。多様なクルマの査定に対応するために、クルマの買取営業には幅広い知識が求められます。 クルマの買取営業に資格は必要? 結論から言うと、クルマ買取営業に従事する際、特別な資格は必要ありません。未経験かつ未資格でも就業可能です。クルマに関する知識は、実業務を通じて身に付けられるため、クルマ好きであれば異業種からの転職でも心配する必要はないでしょう。 一方、クルマ査定をよりスムーズに進めるための資格として「中古車査定士」があります。資格を保有していた方が有利に働くケースも多いことも事実です。 あると有利!中古車査定士の資格 中古車査定士には二種類の資格があります。ここからは、受験資格、試験内容と合格率を解説します。 資格は小型査定士と大型査定士の2種類 中古車査定士の資格は、小型査定士と大型査定士の2種類に分けられます。小型査定士は「乗用車、商用車および最大積載量4トン未満の貨物車」に限り査定可能で、大型査定士は「上記以外の大型貨物車やバス等」を査定できます。 注意点としては、大型査定士の資格だけ持っていても小型車を査定できないという点です。車両の種類ごとにそれぞれ資格が必要なので、受験の際には気をつけましょう。 受験資格 小型査定士と大型査定士ともに、自動車販売・整備の経験6ヶ月以上と所定の研修の修了が受験の必須条件です。加えて運転免許も必要で、小型査定士は普通運転免許で問題ありませんが、大型査定士の受験には大型第一種運転免許以上の資格を保有していなければなりません。 試験内容・合格率 中古車査定士の取得のためには、実技試験と学科試験を受験する必要があります。ここでは学科試験の内容を簡単に紹介します。以下の5つが主な項目です。 ・中古自動車査定制度・中古車査定基準、同細則及び加減点基準・自動車の構造、機能及び取扱い・保安基準、その他自動車に関する法規・その他査定に関する事項 合格率は8〜9割と、試験はそれほど難しくないようです。 クルマの買取営業に向いている人 ここからは、どのような人がクルマの買取営業に向いているのかを解説します。 まず、クルマ好きであると楽しめます。好きこそ物の上手なれ。趣味で培った知識を最大限に生かせるだけでなく、さまざまなクルマと出会えるのは大きな魅力でしょう。時には希少なクルマを査定する機会に恵まれることもあります。 また、クルマの買取営業に必要なことはお客様の夢や希望を叶えたいという強い意思です。知識はもちろん重要ですが、ただ博識なだけの人よりも「どうすれば目の前の人の希望を実現できるか?」を真剣に考えられる人が優秀な買取営業として成長していきます。「クルマの買取営業に興味はあるけれど、現在異業種なので転職が不安」という方も多いかと思います。しかし、「お客様のために頑張りたい」という気持ちが強ければ、現在の職業が何であっても問題ないでしょう。 査定時のチェックポイントとは ここからはクルマ買取の業務内容について具体的に紹介します。クルマの査定時はどのようなポイントをチェックしているのでしょうか。 クルマの価値を正しく算出するためには、最低でも以下の項目をチェックします。 クルマの基本情報 まずチェックしなければならないのはクルマの基本情報です。車種やカラー、グレードや年式、走行距離は査定額を決めるにあたって重要な情報です。加えて車検の残り期間や点検記録も確認します。 チェック項目・車検証・車検整備記録簿・コーションプレート など 外装 外装の状態は査定額に大きく影響します。事故歴、ボディの傷・凹み、塗装の剥がれやフレームの歪みが無いかどうか確認します。 チェック項目・ボディ・フロント・リア・ルーフ・ドア・ランプ・骨格(フレーム) など 内装 内装のチェックでは、シートやダッシュボードの汚れや傷に加えて、臭いまで確認します。タバコや動物の臭いが染み付いている場合は減額対象です。その他、エアコンや灯火類の動作も確かめます。 チェック項目・シート・ダッシュボード・ミッション・エアコン・灯火類・トランクルーム など 足回り・下回り 普段あまり目につかない足回り・下回りですが、走行中にぶつけて傷ついたり錆びてしまうことが少なくありません。タイヤの摩耗度やホイール、タイヤハウスの状態、マフラーの汚れやオイル漏れの有無、車高が標準かどうかを確認します。 チェック項目・タイヤ・ホイール・タイヤハウス・サスペンション・マフラー など エンジン回り クルマの安全な走行と密接に関わるため、エンジン回りは重要なチェックポイントです。エンジンから異音がしないかどうか、ぐらついていないか、オイル漏れしていないかを確認します。エンジンルームに記載された車体番号もチェック対象です。 チェック項目・エンジンオイル・バッテリー・スパークプラグ など その他 取扱説明書や純正パーツの有無も確認します。取扱説明書に目を通さないお客様もいますが、次のオーナーには必要な資料となるかもしれません。各種オプションの説明書に関してもチェックが必要です。 また、純正パーツが揃っていると査定額が上がる場合があるので、社外品パーツが装備されていても保管してあるかどうかを確認しましょう。 ここが違う!旧車王の買取コンシェルジュ(買取営業) ここまで一般的な買取営業について解説しました。ここからは「買取コンシェルジュ」と呼称される旧車王の買取営業について紹介します。 査定のことを「鑑定」と呼ぶ 旧車王では、クルマ査定を「鑑定」と言います。残念なことに、年式や走行距離、グレードだけで査定および契約し、後日査定時に見落としたクルマの不具合箇所を発見し減額交渉をする買取業者も少なくありません。しかし、旧車王は違います。機関系や塗装の状態、下回りの錆やシートのへたり、車内の臭い、タイヤの銘柄と製造年など、細かな情報までしっかりと確認します。「お客様にご納得いただける金額を提示するため、クルマの真価を見極める」という想いを込め、敢えて「鑑定」という言葉を使っています。 旧車専門20年以上の実績・ノウハウ 旧車に特化して20年以上買取サービスを展開しています。買取コンシェルジュはモデルごとの知識や見極めるべきポイントを熟知しており、積み重ねてきた実績・ノウハウを活かした高額買取が可能です。 60分のじっくり「鑑定」 通常のクルマ査定の時間は20〜30分程度です。しかし、旧車王では60分かけてお客様のクルマをじっくり鑑定します。 鑑定時間の内訳としては、機関系、整備記録、内装のチェックで20〜30分、外装に10分、査定書作成に20〜30分です。先述の通り、事故歴の有無を含め非常に多くの項目を確認しなければならないので、60分以上時間をかける場合もあります。「細かな部分は契約後に確認し、不具合を発見した場合はお客様に減額交渉したら良い」と考える業者も多い中で、旧車王は最初から責任を持ち、しっかりと時間をかけて鑑定するという姿勢を貫いています。 二重査定は一切なし 契約後に事故歴の発見などを理由に減額する行為を二重査定といいます。クルマ買取業界で深刻な問題となっており、「買取価格を下げられたくなかったら有料の保証サービスにはいってほしい」と持ちかける業者もいるほどです。しかし、旧車王では1台1台丁寧に鑑定し自信を持って価値を算出しているため、契約後に減額交渉することはありません。 お客様のお気持ちを含めた鑑定 クルマは高価な商品であり、気軽に購入できるものではありません。苦労して手に入れたクルマには多くの愛情を注ぎ込む方も多いでしょう。大切にしたクルマだからこそ安心して売りたい、本当の価値をわかってほしい、など人によって心情はさまざまです。旧車王の買取コンシェルジュは、クルマの状態だけではなくこうしたお客様のお気持ちを含めた上で鑑定します。真摯な姿勢でお客様と向き合い、どういう背景で売却に至ったのか、どんな思い出が詰まっているのかをしっかりお伺いします。その結果として「他社の方が金額は高いけど、ぜひ君にお願いしたい」とご契約いただいた例も少なくありません。 現役の買取コンシェルジュに聞く!休みや年収の実態 他社にはない旧車王の強みを紹介しましたが、ここからはその勤務環境について解説します。休みや年収の実態を、現役の買取コンシェルジュに聞いてみました! ーー買取コンシェルジュの休みはいつ? シフト制のため、人によってバラバラです。前月までに希望を提出し公休日を設定します。夏季休暇やGW休暇など、各種休暇制度も整備されています。 ーー査定の担当エリアはどう決まる? コンシェルジュの担当エリアは案件の内容によって決まります。買取コンシェルジュの特性に合わせて適材適所に派遣されるため、日本全国を飛び回ります。自分の強みを存分に発揮することが可能です。 ーー買取コンシェルジュの年収はどのくらい? 一般的な営業職と同様に固定給にインセンティブが上乗せされる仕組みで、年収は400〜800万円です。インセンティブは、個人分とチーム分の2つがあります。 こんな人が旧車王の買取コンシェルジュとして活躍できる! さらに今回は、現役の買取コンシェルジュに、どんな人が旧車王で活躍できるかを聞いてみました! 簡潔に言うと、能動的で野心家です。自分からどんどん動いて、走りながら学んでいけるタイプだと活躍できるでしょう。お客様の希望を伺うにあたっても、自分から積極的にアプローチしなければ、本音を引き出すことはできません。貪欲にチャレンジできる人は、買取コンシェルジュにぴったりです。 旧車王で買取コンシェルジュとして働きませんか? 現在、旧車王では買取コンシェルジュを積極採用中です!「カーテックで自動車再生メーカーへ」をスローガンに、チームで切磋琢磨し会社を盛り上げていただける方を募集中です。買取営業を通じて、滅多にお目にかかれない希少な旧車に出会えるチャンスもあります。あなたからのご応募をお待ちしています! まとめ 今回はクルマの買取営業について紹介しました。 日々さまざまなクルマを目の当たりにできる買取営業の仕事は、クルマ好きな方にとってワクワクの連続でしょう。もちろん知識は必要ですが「業務を通して後からついてくるもの」だと、旧車王の買取コンシェルジュも語っていました。クルマへの情熱、そしてお客様への真摯な気持ちがあれば、誰でも飛び込める業界です。熱い想いをお持ちの方、買取営業として、中古車の未来をつくってみませんか?
車の売買において必ず売買契約書を交わします。トラブルを防ぐためにも、売買契約書の内容は十分に確認が必要です。この記事では、車の売買契約書についてやチェックすべきことを解説します。よくあるトラブルや注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。 車の売買契約書とは 車の売買契約書とは、取引に関する約束事項を書面にしたものです。お互いが内容に承諾し、売買契約書にサインすることで、契約事項を守ることを法的に約束します。車のような高額な取引の場合、口約束だとトラブルに発展するケースがあります。取引に関する約束事項を書面にすることで、お互い納得して契約を交わすことができ、トラブル防止に繋がるでしょう。 売買契約書のチェックポイント 売買契約書は業者によって約束事項が異なります。そのため下記の項目は最低限チェックしておきましょう。 車の基本情報(車体番号など)売買金額の合計(還付される税金などが含まれているか)売買金額の支払い期日・方法車の引き渡し日・方法・場所・費用名義変更手続きの期日・費用契約後に車を破損させてしまった場合の修理費用(どちらが負担をするか)契約後のキャンセル規定(キャンセル料の有無) 上記の内容を必ず確認してから、売買契約書にサインをしてください。 売買契約書のよくあるトラブル 国内にはさまざまな業者がおり、全てが信用できるとは限りません。よくある事例を把握しておくことで、事前にトラブルを防げるでしょう。続いて、売買契約書のよくあるトラブルの事例を紹介するので、ぜひ参考にしてください。 法外なキャンセル料を請求された 売買契約書のよくあるトラブルとして、法外なキャンセル料を請求される事例があります。一般的に、キャンセル料を支払えば契約の中止が可能です。しかし法外なキャンセル料を請求してくる業者も中にはいます。そのため契約を中止した場合のキャンセル料がいくらなのかを売買契約書に記載し、お互いが納得したうえでサインしましょう。 売却後にやはり引き取れないと言われた 売買契約書のよくあるトラブルとして、売却後にやはり引き取れないと言われる事例もあります。例えば、売却後にキズやへこみが見つかり「最初に提示した金額では引き取れない」と売買金額の減額を求められるケースが該当します。売買契約書で取り決めを交わしていないと、減額を受け入れるか、売買契約をキャンセルするかのどちらかを選択しなければなりません。売却後にキズやへこみが見つかった場合の減額は受け入れないなど、売買契約書で取り決めを交わせば、トラブルを回避できるでしょう。 車の売買契約書における注意点 売買契約書には注意点がいくつかあります。続いて、車の売買契約書における注意点を紹介します。 口約束はせずに契約書に全て記載する 口約束はせずに売買に関する決め事は、契約書に全て記載しましょう。口約束をした場合「言った・言っていない」が原因で、トラブルが起こる可能性もあります。例えば「車の引取は自宅まで無料で行います」と言われたが、当日に引取料を請求されるなどした場合は、予想外な出費が発生します。口約束はせず、きちんと売買契約書に取引の決め事が記載されていれば、このようなトラブルを防げるでしょう。 代理人によるサインの場合は契約者の委任状が必要 代理人が売買契約書にサインする場合は、契約者の委任状が必要です。委任状は契約者の代わりに、第三者が手続きを行うときに使用します。第三者が手続きを行う場合は、委任状が必要なため注意しましょう。 未成年は保護者の同意が必要 未成年が車の購入または売却をする場合、保護者の同意が必要です。業者によっては、保護者の同意書を求められるケースもあります。同意書とは、未成年が法律行為を行うことに対し、保護者が同意したことを証明する書類です。未成年が保護者の同意を得ないで行った法律行為は取り消せるため、同意書の提出を求められます。
2022年4月に成人年齢が18歳に引き下げられたため、自動車免許の取得と同時にローンを組んで車の購入を検討している人もいるでしょう。この記事では、未成年が車のローンを組むときに保証人が必須かどうか、誰を保証人にすればよいのかを解説します。未成年でなくても保証人が求められるケースや、保証人を用意できない場合の購入方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。 未成年は保証人なしで車のローンは組めない 18歳以下の未成年は、保証人なしで車のローンは組めません。成人していても、大学生や専門学校生であれば保証人が必要です。学生の本業は学業であり、安定した収入がないとみなされます。一方で正社員として勤務しながら、学校に通っている場合は会社員とみなされるため、保証人が不要になるケースもあります。 未成年が車のローンを組むときの保証人の条件 未成年が車のローンを組む場合は、両親のどちらかを保証人にする必要があります。両親では難しい場合、兄弟や親戚を保証人として立てることができます。保証人は親族以外も認められますが、トラブルにつながる可能性があるため注意が必要です。 保証人を用意しても車のローンを組めないケース 保証人を用意しても車のローンを組めないケースがあります。それぞれのケースを解説するので参考にしてください。 保証人の収入が安定していない 保証人の収入が安定していないと、ローンを組めない可能性があります。ローンは数年にわたって返済するため、収入金額だけではなく安定しているかどうかも重要です。事業が安定した会社で長年、正社員として働いている人は評価されやすいでしょう。一方で保証人が契約社員や派遣社員、アルバイトの場合はローンを組めない可能性が高いです。また保証人の収入が少なく、年によって収益の変動が激しい個人事業主も、ローンを組めないケースがあります。 金融事故の履歴がある 用意した保証人が金融事故を起こしている場合も一定期間はローンを組めません。そのためローンブラックではない保証人を用意する必要があります。また金融事故を起こしていない保証人が用意できない場合は、成人するまで待つしかありません。成人するまでローンを組まずに貯金を増やし、借入金額を減らすことで月々の支払いの負担も減らすのも1つの方法です。 未成年でなくとも保証人を求められるケース ローンを組む人が未成年ではなくても、保証人を求められるケースがあります。該当する場合は保証人を用意しないとローンを組めない可能性があるため、参考にしてください。 アルバイト・パートなど非正規雇用 未成年でなくても、アルバイトやパートなどの非正規雇用の場合、ローンを組めないケースがあります。非正規雇用とは、契約社員や派遣社員など、会社が定めた期間のみ働く人です。安定した収入が見込めないので、返済能力があるとみなされません。そのため雇用形態がアルバイトやパート、非正規雇用の場合は、ローンを組めない可能性があります。 携帯料金やローンの滞納などがある 携帯料金やローンの滞納などがある場合も、ローンを組めないケースがあります。ローン会社は他の支払い状況をもとに、融資したお金をきちんと返済してくれるか判断します。携帯料金や他のローンの支払い状況も大きく影響するため、注意が必要です。 また延滞の記録は、信用情報機関に登録され、5年間履歴が残ります。そのため支払いを延滞してから、5年以上経過している場合は、ローン会社から悪い評価をされないでしょう。加えて情報開示をして、自分の信用情報を確認することも可能です。数千円で情報開示ができるため、気になる人はぜひ利用してみてください。 保証人を用意できない場合に車を購入する方法 続いて、保証人を用意できない場合に車を購入する方法を解説します。保証人の用意ができない人は参考にしてください。 自己資金だけでなんとかする 保証人を用意できない場合、自己資金だけで車を購入する方法があります。ローンは借金と同義のため、自己資金だけでなんとかする気持ちを持つことも重要です。またローンは利子がつくので、結果的に多くお金を払うことになります。そのため、なるべく自己資金だけで車を購入するのがよいでしょう。 親から贈与を受ける 保証人の用意ができなくてローンを組めない場合は、親から贈与を受けることも選択肢の1つです。しかし贈与を受けると、贈与税が発生するケースがあります。贈与税とは、個人から財産をもらったときに発生する税金です。贈与税は、1年間で110万円を超える贈与を受けた場合に、超えた額に対して発生します。税金が発生することを踏まえたうえで、贈与を受けるようにしましょう。 安い車を選ぶ 借入金額を低くし、中古車などの安い車を選べば、保証人を用意しなくてもローンを組める可能性があります。ローンは「収入が低いから通らない」とは限りません。収入や雇用形態、信用情報が大きく影響しますが、借入金額が収入に見合っていれば通る可能性もあります。そのため安い車なら、保証人を立てずにローンを組めるでしょう。頭金を用意し、さらに借入金額を低くすれば、ローンを組める確率が高くなります。まずは中古車などの安い車を、少しずつカスタマイズして育てていくことも、視野に入れるとよいでしょう。
自動車を売買したときには新しい買主が名義変更をする必要があります。名義変更に関する疑問や手続きに関する対応方法や注意点をまとめました。車を売却したのに買主が名義変更しない場合やこれから車を購入される方、売却を検討されている方はぜひ参考にして下さい。 名義変更してくれない車は廃車にできる? 売主が買主に対して名義変更していない車両を廃車することはできません。買主側が名義変更した上で廃車することはできます。売主側が譲渡証明書、印鑑登録証明、委任状などを買主に渡し名義変更を行うのが一般的です。 名義変更の流れ 普通自動車の場合(移転登録)は、各都道府県の運輸支局(陸運支局)で手続きを行えます。必要書類は以下のとおりです。 ・申請書(OCRシート1号様式に記入したもの)・手数料納付書(自動車登録印紙を添付したもの)・自動車検査証(車検有効期限があるもの。タイプAとタイプBの2種類があるので注意が必要です。)タイプA:検査証に所有者と使用者の欄があり、所有者の記載があるもの。所有者欄に記載されている所有者から準備してもらう必要があります。タイプB:検査証に所有者欄がなく使用者のみの記載があり、備考欄に検査証発行時の所有者が記載されているもの。枠外左上の番号欄に5桁の数字の後にアルファベット「B」が記載されているもの。※申請時に旧所有者の登録識別情報が電子化されていない場合、申請書に登録識別情報の記入が必要になる場合があります。※旧所有者に氏名・住所の変更がある場合は変更の事実を証明する書面が必要になります。 ・印鑑証明書(発行から3か月以内のもの)・譲渡証明書(新旧所有者を記入して旧所有者の実印が押印されているもの)・委任状(本人が直接申請するときは印鑑証明書の印鑑を押印。代理人が申請する場合は記入します。) 軽自動車の場合(名義変更)は、各都道府県にある軽自動車検査協会で手続きを行います。必要書類は以下のとおりです。 ・車検証・新旧所有者の印鑑(認印)が必要です。・住民票の写し(マイナンバーが記載されていないもの)・印鑑(登録)証明書※新しく使用者となる方の住所を証明する書面(発行されてから3か月いない)をいずれか1点・自動車検査証記入申請書(軽第1号様式) 名義変更のトラブルを防ぐためのポイント 買主が何らかの事情で名義変更を行わない場合があります。名義変更が行われないと自動車税の請求が届いたり、違反通知が届くなど思わぬ事が起こります。最悪の場合は買主が起こした事件・事故などにより警察から事情聴取されることがあります。こうした売却後のトラブルを防ぐには、売買契約書などで名義変更に関する約束を記載する。また買主が速やかに名義変更するように事前に念書を交わすことが必要です。 【ケース別】名義変更できないときの対処法 通常の手続きでは名義変更できない場合について対処法をご紹介します。 認知症の親の車を廃車する 車の所有者が認知症、アルツハイマー病に罹患した場合には、契約に対する責任能力がないと判断されるため、処分の際には成年後見人を立てる必要があります。成年後見人を立てることが出来れば、成年後見人が車を廃車することができます。 故人の車を廃車する 普通車は資産として扱われるので、廃車を行う前に誰が相続するかを決める必要があります。車の所有者を相続人に変更して相続したのちに廃車手続きを行う必要があります。必要書類は以下のとおりです。 ・自動車検査証・戸籍謄本もしくは戸籍の全部事項証明書など(死亡と相続人全員が判るもの)・自動車検査証記入申請書・遺産分割協議書・印鑑証明書(代表相続人)・代表相続人の実印または本人が来られない場合は委任状・車庫証明・申請書(OCRシート1号)・手数料納付書・自動車税申告書 軽自動車の場合は名義変更を行います。軽自動車は資産として扱われないので、相続の手続きは必要ありません。軽自動車の価格が比較的低いため、相続の際にトラブルにならないと認識されています。故人の名義では遺族であっても廃車にすることはできないので軽自動車検査協会で名義変更を行い廃車手続きをします。 必要書類は以下のとおりです。 ・自動車検査証・住民票(使用者と所有者のもの。発行から3か月以内のもの)・自動車検査証記入申請書・軽自動車税申告書・自動車取得税申告書・使用者の印鑑・所有者の印鑑・旧所有者の印鑑 持ち主が行方不明になった車を廃車する 何らかの事情で持ち主が行方不明になった場合には廃車の手続きはできません。しかし、廃車の解体処理は可能です。車の処理を行い、解体報告を受けたら自動車税事務所に車の解体を行っている事を報告し自動車税の課税保留を行います。 車本体の処分はできますが、所有者の同意がなければ廃車手続きはできず車籍は残ります。しかし、車検切れの状態が3年または5年以上続くと運輸支局から強制的に職権抹消され永久抹消されます。抹消の通知に異議申し立てがない場合、所有者不在の状態で車籍が抹消されます。 放置車両を廃車する 放置車両を勝手に処分すると損害賠償請求される可能性があります。まず持ち主を調べる場合、警察に連絡して持ち主の所在を調べてもらい、事件・事故の有無を確認しましょう。その上で持ち主に車両の引き取りを要請します。 引き取りに応じない場合は、内容証明郵便を送り、改めて車の撤去を要請します。また放置車両に「何年何月何日を持って撤去致します」など文書を該当車両に張り付け、明示しておく事も必要です。指定の年月日を過ぎても持ち主が現れず、撤去されない場合は司法判断を伺います。 上記内容を実施しても応答がない場合、簡易裁判所で訴訟を起こします。申し出を行った人に所有権を移すと同時に強制執行の申し立てを行い撤去する方法があります。これは時間がかかる上、裁判費用や弁護士費用も用意しなければならないので申し出を行った本人の負担が大変大きいです。 名義変更してくれない場合に起こり得るトラブル 続いて起こり得るトラブルについてご紹介します。売主と買主との意思の疎通が出来ていない場合や買主の不履行によって発生する物です。これらを事前に防ぐために知っておくべき内容を列記しましたので参考にしてください。 自動車税が発生する 4月1日時点での所有車名義人に自動車税が課税されます。これは買主が何らかの事情で名義変更していない場合に起こります。 違反金が発生する恐れがある オービスや駐車違反の場合、登録番号で所有者が割り出され、所有者宛てに違反通知が届くことがあります。この様な場合は警察に事情を説明し、すみやかに買主に連絡を取る必要があります。 捜査対象になることがある 事件や事故により責任問題が起こる場合があります。何らかの犯罪行為があった場合に登録番号や車検証から所有者が事情聴取される場合があります。さらに交通事故などで民事上損害賠償請求される場合もあります。
見る角度や光の加減によって色が変わるマジョーラカラーなど個性的な色のクルマはつい振り返ってみてしまいます。愛車を個性的な色にしたい。色褪せてきた愛車のボディを復活させたい。全塗装をしたいユーザーは以前よりは増えてきました。今回は、全塗装の費用感やメリット、デメリットについて詳しく紹介します。 全塗装の料金は色や工程によって違う 愛車を好みの色に変える全塗装(オールペン)。クルマ好きなら1度はあこがれるカスタマイズの1つです。 しかし、全塗装の料金をみると、なかには軽自動車が購入できそうな金額を提示しているところもあり躊躇してしまうかもしれません。まずは、全塗装の料金相場と料金の内容について詳しく見ていきましょう。 全塗装の料金相場 全塗装の料金は、まず塗装色による違いが大きく、一般的には20〜50万円前後です。塗装色による違いをもう少し詳しく説明すると、ソリッドカラー、メタリック、パールなど、選択する色によって塗料の積層数が変わってきます。 たとえば、クリア塗装の必要のない単純な白や赤といったソリッドカラーの積層数は1層ですが、パール塗装の場合は色の層、パール素材の層、クリアと3層以上の塗装が必要です。 積層数が多くなれば、それだけ手間と塗料が増えるので費用は高くなります。また、元の塗装色と違う色にする場合も、下地処理の手間が増える分、費用が価格が高くなりがちです。 仕上がりはどの程度分解するかで違ってくる ボンネットやトランクの裏側、ドアの内側などもボディと同じ色で塗装されているように、純正の塗装は、ボディ外側だけではなくフレームから塗装されています。 全塗装する場合、ドアやバンパー、ボンネットなどをどの程度まで分解して塗装するかにより、仕上がりの印象が大きく違ってきます。しかし、細かく分解して塗装をすればするほど仕上がりもよくなりますが、内装全てやエンジンに至るまで全ての部品を外してフレームまで塗装をするのは現実的ではなく、費用と時間がかなりかかります。 とくに元の色と違う色に塗装をする際には、どの範囲まで塗装をするのか事前に検討しましょう。 全塗装のメリット 好きな色、美しい塗装面の車には、自然と愛着が湧くもの。全塗装のメリットは何にも代え難い満足感です。 思い入れのあるクルマを純正色で再塗装すれば、新車を購入した際の感動が蘇ります。また、ほかにはない個性的な色に挑戦できるのも、全塗装のメリットです。 劣化した塗装をリフレッシュして新車同様にできる 全塗装というと、純正と異なる好みの色に塗り替えることをイメージしがちですが、純正と同じ色に再度全塗装をすることで、新車時同様の鮮やかな色合いと艶感が復活します。 堅牢な純正の塗装でも、紫外線や酸性雨などの影響でどうしても経年劣化は避けられません。日々見ていると見慣れてしまいますが、新車と比べると違いは一目瞭然です。 また、元と同じ色への塗装であればどの箇所も同色なので、あまり多くのパーツを外すことなく塗装できます。 好きな色でクルマへの思い入れが増す 全塗装最大の魅力は好きな色にできること。中古車で思った色のクルマが入手できなかった場合でも好みの色にできますし、純正に設定のない色に塗装すれば個性を表現できます。 クルマを所有するうえで、ボディカラーは満足度において重要です。好みの色で全塗装をすれば、それだけ愛着を持てるようになります。 全塗装のデメリット 全塗装をするうえで最大のデメリットは、買い取り価格が減額される可能性があることです。オリジナルからの変更ということでカスタムカー扱いになり、色によっては買い取りできない場合もあります。次のクルマの購入資金とするため、少しでも高額でクルマを売りたい場合には全塗装はおすすめしません。 また、全塗装は依頼する工場の実力差が出やすいため、仕上がりや耐久性がイマイチといったこともあります。全塗装をする場合は、事前に十分情報収集をして依頼しましょう。 全塗装をすると査定が下がる場合がある もとと同色の純正色に全塗装をした場合は、査定に影響しないことやむしろ買い取り価格があがる場合もあります。しかし、全塗装をした費用を回収できるほど査定が上がることはほとんどありません。さらに、塗装の質によっては同色への全塗装でも査定が下がる場合もあります。 また、純正から色変更をおこなった場合はカスタムカー扱いになり、価格が下がるどころか色や仕上がりによっては買い取りをしてもらえないことも少なくありません。最終的にクルマを高額で売りたい場合、全塗装を避けたほうが無難です。 塗装の品質に注意 クルマの塗装は職人の腕の差がそのまま出てしまう作業の1つ。下地処理、下塗り、本塗装と後処理のほとんどは手作業のため、依頼先の実績などをよく確認して依頼しましょう。 価格が高ければ高品質というわけではありませんが、全塗装の仕上がりには1つ1つの工程をどれだけ丁寧におこなうかということが重要。かけた時間と手間の分だけ高額になるのが普通で、あまりに価格の安い工場には注意が必要です。 まとめ 全塗装は万人におすすめできるものではありません。しかし、価格やデメリットを理解しているなら、思い切って好みの色に全塗装をすることで、より愛着をもってクルマに乗り続けられます。 全塗装をしたいけれど、デメリットを考えると迷ってしまうかたにはラッピングという手法もおすすめです。 簡単にいうとクルマにフィルム状のシールを貼ることで色を変えることができ、あとから元に戻すこともできます。ただし、施工費用は全塗装とほぼ変わらない金額でありながら、耐用年数が5年ほどと全塗装の半分程度なのでコスパはあまりよくありません。 全塗装をする際は、今乗っているクルマを中古車としてなるべく高く売りたいのか、それとも今よりももっと満足感を持って長く乗り続けたいのかを十分検討することが大切です。
オートマティックトランスミッション。いわゆるATといえばほとんどがトルクコンバーター+ステップ式ATでした。機構が単純で高出力エンジンでも対応できることから、多くの車種で一気に採用が進みます。しかし、高まる燃費性能への要求から次第に他の方式にシフト。そして、近年になり技術が進歩するとともに、トルクコンバーターが再び注目を浴びています。今後ATの主流に返り咲くかもしれない、トルクコンバーターについて詳しくご紹介します。 かつてはATの主流だったトルクコンバーター AT(オートマチックトランスミッション)は、1960年代以降アメリカを中心に急速に普及。 ATの普及を牽引したのがトルクコンバーター+ステップ式AT です。さまざまな形式のATのなかでも、機構が比較的単純で当時の技術でも開発が容易だったことが後押ししました。 トルクコンバーターの仕組み トルクコンバーターは、エンジンとトランスミッションを直接接続せず、流体(オイル)を介してトルクを伝達。エンジンとトランスミッションを物理的にクラッチ板でつながないため、単純な機構でATを実現しました。 エンジンの回転でトルクコンバーター内のオイルをかき回し、その回転力でトランスミッションにつながるタービンを回して動力を伝えます。エンジンの出力とトランスミッションは直接つながっていないため、停車時にクラッチを切る必要もなく、滑らかに発進することが可能です。 トルクコンバーターのデメリット トルクコンバーター最大のデメリットは、伝達ロスが大きいことです。流体で動力を伝達するため、エンジン出力によって流体が動いてトランスミッション側のタービンを回すまでに、どうしてもロスが発生します。また、トルクを伝達する際に一部は熱として液体内に放出されることもロスが発生する一因です。 伝達ロスが大きいと、当然エンジンの性能が十分に発揮されません。ロスの分だけエンジン負荷が上がるので燃費的にも不利になります。また、時間的ロスも発生するため、適切なギアにシフトチェンジするのに時間がかかる点も燃費が悪化する要因でした。 燃費性能重視の風潮からCVTやDCTに置き換わる 環境意識の高まりから、車に求める性能の中でも燃費性能が重要視されるようになると、トルクコンバーターのデメリットを補う新しい技術の投入が模索されるようになりました。そこで開発されたのがCVTとDCTです。 より高効率化を目指して開発されたCVTとDCT 従来のトルクコンバーター+ステップ式ATのデメリットを解消するため、開発された代表的な方式が、CVTとDCTです。どちらも急速に採用される車種が増え、現在でも多くの車種で採用されています。 トルクコンバーターのまま効率を高めたCVT CVTはエンジン出力と車軸を、テーパー状(円錐)のプーリーを介してベルトで接続した変速機です。 テーパー状のプーリーがギアの変わりとなり、ベルトのかかる位置によって変速します。ギアのように段がないので無段階変速機とも呼ばれています。 エンジンとの動力伝達には、従来通りトルクコンバーターを使用する車種が大半です。(一部電磁クラッチを使用した車種もあり)しかし、1速、2速というような通常のステップ式ATと違い、CVTはエンジンを適切な回転数で使用することができるため、特に燃費の向上に効果を発揮します。 伝達ロストスムーズな変速を実現するDCT DCTはデュアルクラッチトランスミッションのことで、奇数段ギアと偶数段ギアそれぞれにクラッチが装備されています。 MTと同じく物理的にクラッチがつながるため、伝達ロスを最小限に抑えることが可能。奇数段ギアのクラッチがつながっている間に偶数段ギアを準備しておき、変速タイミングでクラッチを切り替える仕組みです。 また、マニュアルトランスミッション(以下MT)のペダルを踏んで操作するクラッチと基本的には同じですが、湿式と乾式の2種類の方式が存在します。 技術革新で再び脚光を浴びているトルクコンバーター 近年の技術革新によって、トルクコンバーター最大のデメリットである伝達ロスが大幅に改善されつつあり、一度は見放されたトルクコンバーターは、再度脚光を浴びるようになってきました。 実際にCVTからステップ式ATに再び戻した車種も増えてきています。 CVTとDCTが抱えていたデメリット 夢のATとされたCVTとDCTですが、同時にデメリットも抱えていました。 エンジンの高出力化やより高い燃費性能が求められるなか、そのデメリットが浮き彫りになり始めます。 CVTはベルトで動力を伝達するという仕組み上、高出力エンジンでは滑りが発生してしまいます。また、油圧でプーリーを動かすため一定のエンジンパワーが変速で消費されてしまうのも出力を追求したエンジンにとっては不利でした。 そして、DCTのデメリットは、機構が複雑なため小型化しにくくコストもかかること、不具合が発生しやすいこと。さらに、よりエンジンを効率よく使うため、8速や10速といった多段化が求められるなか、重量と大きさがネックとなったのです。 電子制御の進化でデメリットを解消 トルクコンバーターのデメリットである伝達ロスを軽減する方法として、エンジンとトランスミッションを直結させるロックアップ機構という方法がかねてからあります。しかし、CVTやDCTなみに伝達ロスを軽減するには精度の高い制御が必要で、デメリットの解消とまではいきませんでした。 制御方法が長年課題だったロックアップ機構ですが、技術の進歩によって近年劇的な進化を遂げます。各種センサーによる的確な車両状況の把握、制御コンピューターの高速化による瞬時の動作によって伝達ロスを大幅に軽減することに成功。トルクコンバーターならではの滑らかな発進と高効率を両立しました。 また、トランスミッションの多段化という要求に対しても、従来のステップ式ATは有利。さらに、トルクコンバーター自体は低コストで比較的コンパクトに設計できることもあり、近年トルクコンバーターを採用したステップ式ATの車種が増えてきています。 CVTからトルコンATに戻った車種やあえてATを採用した車種 トルクコンバーターの進化によって、新車にステップ式ATを採用するメーカーも増えてきています。さらに、CVTに一度変更したもののモデルチェンジでステップ式ATに戻る車種も出てきました。 4代目マツダ デミオ マツダ デミオもステップ式ATを再度採用した車種の1つ。2007年に発売された3代目デミオでは省燃費化のためにCVTを初めて採用しました。しかし、2014年の4代目へのモデルチェンジでトルクコンバーターATに戻しています。 新開発の「SKYACTIV-DRIVE」というトランスミッションで、トルクコンバーターをベースに「燃費」「なめらかな発進と変速」「ダイレクト感」を緻密な設計と制御で実現しました。 5代目トヨタ スープラ ドイツBMWとの共同開発で大きな話題となった5代目のトヨタ GRスープラにも、ZF製8速のステップ式ATが採用されています。(姉妹車のBMW Z4も同じ)スポーツカーとして、MTが欲しいというユーザーの要望もあり、2022年4月下旬には6速MTモデルの追加される予定です。 それまでスープラがMTを設定していなかった理由は「速さを追求した」から。つまり、「速さ」という点でMTは非効率で、今やステップ式ATの方が速いのです。 ダイレクト感とレスポンスが重要なスポーツカーにも、トルクコンバーターを用いたステップ式ATが採用されるようになりました。 まとめ トルクコンバーターを用いたステップ式ATから、CVTやDCTに置き換わった大きな理由の1つは燃費性能の向上でした。面白いことに、さらなる燃費性能の向上が求められる現在は再びトルクコンバーター+ステップ式ATが見直されています。 小さく軽量で、いかに動力を効率的に伝達するか?単純な機構による高い信頼性と低コスト、流体伝達による滑らかな発進や変速、多段化の要求にも応えられる省スペース設計。トルクコンバーター+ステップ式ATの組み合わせは、現代の車に求められる変速機の要件を高次元で満たす機構として見直されています。 ハイブリッドや電気自動車など、動力の発生方式による違いや技術革新ばかり注目されがちです。しかし、トルクコンバーターやステップ式ATなど、動力伝達の方式も日々進化。「これからどんな優れた方式出てくるか」ということに注目してみるのも、面白いのではないでしょうか。 [ライター/増田真吾]
昨今、90年代国産スポーツカーの価格が高騰していますが、シビック タイプR EK9も当然高騰しています。実際、弊社では21万キロ走行にも関わらず300万円で買い取りした事例もあります。20年落ち、21万キロ越えとは思えない金額です。なぜここまで高い金額で取引されるのでしょうか?理由を詳しく見ていきます。 シビック タイプR EK9スペックとそのすごさ そもそもタイプRのRはレーシングの頭文字から来ています。そのため、大前提として‘‘走り‘‘が悪いとタイプRは名乗れません。これは開発者側もユーザー側も共通認識になっています。だからこそ、決してその名前に恥じない走りができるように多くの技術がタイプRには詰め込まれています。つまり、ホンダの本気が垣間見えるモデルと言えるのです。 例えばEK9には、B16Bという自然吸気VTECエンジンが搭載されています。自然吸気エンジンにおいて排気量1,000ccあたり、100馬力あれば高性能といわれているなか、このエンジンは当時としては世界最高峰であるリッター当たり116psを叩き出しました。 ホンダはその性能を達成するため、ベースのB16Aエンジンから型式が変わってしまうほど、多くの技術を詰め込みB16Bエンジンを作りあげました。変更点は、熟練職人の手作業によるポート研磨やバルブ類の強化、コンロッドの軽量化、吸排気の流入量を上げるためのチューニングなど多数に及びます。また数値に表れにくい、澄み渡る甲高いサウンドや、気持ちよく高回転まで回るといった官能性の部分にもさらに手を加えました。 さらに走行性能においては、サーキットを走りこむことによってタイプR専用のエアロパーツや足回りを開発しました。そのおかげで走行性能を大幅に上げることができ、結果としてFF車は曲がらないという常識を覆すほど、よく曲がる車に仕上げられました。 EK9にも搭載されたVTECエンジンの仕組みをおさらい VTECとはパワーと環境性能を両立させるための技術のことです。正式名称を「バリアブル (V) バルブタイミング (T) アンドリフト・エレクトリック (E) コントロール (C) システム」と言います。 車は空気をどれだけ多く吸い込めるかがパワーアップの重要なポイントになります。そして、その空気はバルブという部品の隙間から燃焼室に入っていきます。つまりバルブの開く量を変えることで、パワーなどに直結する空気の吸気量を変えることができるということです。そこでVTECは、エンジン回転数に応じて大きさの異なるカムシャフト(リフト量)と油圧ピンで低回転用と高回転用が切り替わるロッカーアームを動かすことにしました。 これは、回転数が低い時は、そこまでパワーを求めていないのでバルブを閉じ目にします。逆に高回転まで回している時はパワーを求めているので、バルブを開きます。したがって、回転数が上がると、VTECの切り替えポイントがあるのです。このポイント(回転数)を超えると、俗に言う「ンバァァァ」という表現をされるエンジンサウンドになります。 VTECエンジンが登場した1980年代半ばとしては、このエンジンはとても革新的でした。実際、VTECエンジン登場後には同様の可変バルブタイミングエンジンが他メーカーでもさらに開発されていきました。その結果、現在では多くのメーカー、車種に搭載されています。その状況をみると、VTECが可変バルブタイミングエンジンの草分け的存在だったといえるでしょう。そんな技術の結晶ともいえるVTECエンジンの最高峰のひとつが、タイプRに搭載されたB16Bなのです。 シビック タイプR EK9がなぜ人気か そして現在のリセール状況について 近年、80~90年代のネオクラシック国産スポーツカーが高騰していることは皆さんも記憶に新しいのではないでしょうか。現代の車にはない、デザインや性能、雰囲気が人気の理由です。もちろん、EK9も例外ではありません。実際に旧車王ではサンライトイエロー、21万キロ走行のEK9を300万円で買取した事例があります。このように、現在EK9は非常に高い買取額が期待できます。 現行シビックタイプRは、ついにターボを採用しました。ターボを採用したことで、これまでよりも更なるパワーを得ることができました。しかし、従来の自然吸気VTECがもつ最大の醍醐味であるエンジンを高回転まで回すことや、甲高いサウンドという楽しみは大幅に薄れました。また、EK9は車体のサイズも扱いやすく、車重もとても軽量です。大きく、重くなった現行車にはない、軽快さがEK9にはあります。しかし様々な規制から、B16BのようなエンジンやEK9の車両サイズでの再販は不可能と考えられます。 しかし、裏を返せば、それだけEK9の価値は高まるばかりだということです。もう二度とEK9は作られないということは、EK9の台数がこれ以上増えることはありません。むしろ減っていく一方です。需要があるのに、供給は減る一方なのです。すると経済学の理論通り当然、価値はどんどんあがっていきます。また、EK9は右ハンドル仕様しか生産されませんでした。よって北米には正規輸出されていません。そのため25年ルール(アメリカでは25年経過した車は輸入規制が大幅に緩和される)が適用される来年2022年には今以上に取り引きが活発になるかもしれません。 スポーツカーを売るのに旧車王がおすすめの理由 歴代のシビックタイプRの中で、EK9は一番人気の高いモデルです。人気車種がゆえ、買取に関する情報が多すぎて、どこに査定を出せばよいか迷っていらっしゃる方も多いかもしれません。 旧車王ならEK9に特化したスタッフがしっかりと査定を行います。EK9は製造終了から20年以上経過しました。今もお乗りのあなたは、きっとEK9に大きな愛情をもっているはずです。そんなあなたの愛情のこもったEK9をぜひ一度見せていただけませんか。必ずや他店に負けない、高価買取を実現してみせます。 旧車を買い続けて20年以上!目利き鑑定士の納得買取なら旧車王https://www.qsha-oh.com/ [ライター/旧車王編集部]
車は世相と技術が反映された製品で、その時代に合わせた装備が搭載されてきました。近年では自動運転、EV化と車は今大きな過渡期にあります。10年後の道路ではどんな車が走っているのか。今後10年で消えるかもしれない装備をみていくと、未来の車の形がより具体的に見えてくるかもしれません。 当たり前は既に変わりつつある車の装備5選 シフトノブ(シフトセレクトレバー)に針が動くスピードメーターなど、これまで当たり前に装備されていると思っているものも、既になくなっている車もあります。 なくなりそうな装備を紐解くと、車の操作はよりシンプルになっていることが見えてきます。車を操作している感覚が楽しい人には少し寂しい面もありますが、車の安全性をより高めるためには仕方のない方向性なのかもしれません。 車の心臓部であるエンジン 車の心臓部であり、ボンネットを開けると存在感を放つエンジン。しかし既にEV車が出始めていて、10年後にはボンネットを開けても小さなモーターが設置されているだけという日がくるかもしれません。 また、エンジンがなくなるということは、エンジンオイル交換も不要になります。さらに、パワーステアリングも油圧式から電動式への置き換えが進んでいるので、パワステフルードも不要になる日がくるでしょう。 MT車の名残であるシフトノブは完全消滅の可能性も シフトセレクトレバー、いわゆるシフトノブはMT車の名残ともいえる装備です。しかし、すでにパドル式、ダイヤル式やボタン式のものも出てきています。さらに安全技術や自動運転技術が進化すると、ボタン1つで車が動くようになる日がくるかもしれません。 アナログメーターは過去の遺物になる 「物理的に針が動く」アナログメーターは、多くの車でフル液晶ディスプレイのメーターが採用され既になくなる方向です。アナログ風の表示方式自体は一部車種で今後も残り続けても、自動運転技術が進むとそもそも速度やエンジンの回転数を逐一確認する必要性がありません。 物理スイッチは減っていく 車をコクピットのように演出する物理スイッチも、今後なくなってしまうかもしれない装備の1つです。エアコンのコントロールなど、一部の機能は既にタッチセンサー式のスイッチになっています。さらに、遠くない将来スマホのように車のコントロールは液晶タッチパネルのみになるかもしれません。 また、電動化がさらに進み、既にワイヤーで物理的に引っ張っているトランクや給油口の開閉もタッチパネルからコントロールできるようになりつつあります。 カーナビそのものは進化するも社外品ナビは厳しいかもしれない 自動運転技術はGPSによる方位測定と、カメラによる3D認識によるものです。つまり、純正のカーナビは自動運転技術の核ともいえる装備なので今後も存続します。ただし、純正のカーナビが外せなくなる以上、社外品のカーナビは入り込む余地がなくなってしまいます。自動運転技術が搭載されていない車種であれば、スマホのアプリの方が、性能も更新性も高いのでそちらに置き換わっていくでしょう。 既になくなってしまったかつては定番装備だったもの4選 かつては当たり前だった装備でも、今では既になくなったしまったものがいくつもあり、なかには法律で義務付けられていた装備もありました。また、オプションとして現在でも残ってはいるものの、時代の流れから選択されなくなった装備もあります。 車内は優雅な喫煙場所 男性の喫煙率が6割を超えていたという時代背景もあり、灰皿やライターが標準装備でした。 前後席の灰皿はもちろん、車種によっては後席にもシガーソケットが備えられ、タバコを片手に運転する当時のドライバーには欠かせない装備でした。 現在では灰皿は小物入れなどに置き換わり、シガーソケットも「アクセサリーソケット」や「電源ソケット」という呼び名に変わってきています。シガーソケット自体は現在でも電源として残っていますが、もともとは「シガー」の名の通りライターが取り付けられていたことを知るかたも年々減っているかもしれません。 法律で義務付けられていた速度警告音 時速100km/hを超えると「キンコン」と鳴っていた速度警告装置。かつては道路交通法で義務付けられていた装備も現在ではなくなってしまいました。法律で定められていた正確な速度は普通乗用車で105km/h、軽自動車は85km/hです。 しかし、日本独自の装備だったためアメリカ政府や自動車メーカーからの圧力で1986年に法律は廃止。以降徐々に姿を消していきました。 安心して運転できたコーナーポール 左前方のバンパーから伸びる1本の棒。運転席から見にくい左前方の位置を示すコーナーポールです。車両感覚にあまり自信が無い人でも、コーナーポールのおかげでしっかり見切りをつけられました。セダンや大きな車だけでなく、コンパクトカーや軽自動車などでもよく見かけた装備です。 現在でも純正オプションやアフターパーツとして販売されていますが、各種センサーやモニターの発達で装備する人はほとんど見かけません。 レースのシートカバーで高級感を演出 かつて車は高級で特別なものというイメージがあり、その演出として定番だったのがレースのシートカバーです。車種やグレードを問わず、多くの車で装備されていました。 最近はみかけることもなくなりましたが、実は今でも純正品として供給されています。しかも撥水性が高められるなど機能性も進化していて、小さな子どもなどを乗せる際はシートの汚れを防ぐアイテムとして有効です。 ただ、どうしても古めかしいイメージから敬遠する人が多いのも事実で、いつかは完全になくなってしまう日も来るかもしれません。 まとめ 慣れ親しんだ装備がなくなっていくのは寂しさも感じます。車の装備は、技術面だけではなく当時の世相を反映したものもあり、振り返ると思わぬ発見もあるかもしれません。 一方、この装備が将来どうなっていくのかを考えるのは楽しいものです。技術の進歩によってなくなるのか、より進化するのか。車を運転しながら思いを馳せてみてはいかがですか。 [ライター/増田真吾]
ランドクルーザーはトヨタでもっとも歴史のある車種であり、国内のみならず世界中にファンがいる日本を代表する車種です。ところが、年式の古いランドクルーザーは、 NOxPM法の規制により、主に首都圏や大都市で登録することができません。(車検が通せない) そこで今回の記事では、NOx・PM法についておさらいし、古いランドクルーザーとどのように付き合っていけばよいのかについて解説していきます。 NOxPM法とは RVブーム全盛期に販売されていたランドクルーザー80や70、さらには60や40といった往年のランドクルーザーは今も根強い人気を誇る車種です。また、近年80年代~90年代のややレトロなデザインが見直されはじめ、これから古いランドクルーザーの購入を検討している新規ユーザーも増えています。 ところが、80年代~90年代のランドクルーザーは、主力エンジンがディーゼルです。そのため、冒頭でも述べたように、NOx・PM法の規制により、登録はおろか、継続検査(車検)を通すことすらできません。 NOx・PM法とは、正式名称「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」と言い、1992年(平成4年)6月に公布、2007年に改正されています。 規制対象となっているのは、直接人体に悪影響を及ぼすとされる窒素酸化物(以下:NOx)と、粒子状物質(以下:PM)です。 対象地域 NOx・PM法の規制対象地域は、東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県、愛知県、三重県、大阪府、兵庫県。(※市区町村により対象外地域も含まれます。)見ていただく分かる通り、主に大きな工業地帯を抱え、なおかつもともとの交通量が多い地域が規制の対象地域となっています。 規制に適合しているランクル では、これからランドクルーザーの購入を考えた場合、どの年式以降を狙えば良いのかについてお話しします。ディーゼルエンジンを積んだランドクルーザーで、今現在(令和2年)でも問題なく使用できるのは、2015年式以降のランドクルーザー150プラドか、復刻版ランドクルーザー70のみ。残念ながら最上位クラスのランドクルーザー100や200には、そもそも規制に適合した日本向けディーゼルエンジンモデルは販売されていません。 しかし、悪路や山道をよく走る方にとって、粘り強いトルクが魅力のディーゼルエンジンモデルは是が非でも乗りたい、乗り続けたいというのが本音でしょう。 そこで、年式の古いディーゼルのランドクルーザーを乗り続けるための方法について解説します。 規制対象から適合に替える方法 まず先にお伝えしておきますが、NOx・PM法が施行された直後、規制地域外の住所で登録する、通称「車庫飛ばし」という方法が横行していました。確かに、規制地域外であれば現在でも登録することは可能ですが、れっきとした違法行為であり、実際に逮捕者も出ているため、絶対に行ってはいけません。 正規の方法で現在の法律に適合させるには、排気ガス浄化装置を取り付けるか、エンジンを乗せ換える必要があります。 排気ガス浄化装置とは、主にPMの浄化を目的としたDPFやDPRなどと呼ばれる装置で、ランドクルーザー40や60といった古い年式のディーゼルであっても、技術的には適合させることが可能です。 しかし、単に装置を取り付けるだけではなく、燃料系の再調整や交換、さらに適合させるためには新たに排気ガス検査を受ける必要があり、短く見積もっても2~3か月掛かります。 また、適合するエンジンに載せ換えるという方法もありますが、これはある意味大掛かりなカスタムと同じで、本来の味を大きく損なうことは確実です。 そして何より、どちらの方法も100万円以上の費用は覚悟しなければならず、よほどの愛着がなければ現実的な方法とは言えません。 まとめ ディーゼルエンジンの持つ粘り強く太いトルクはもちろん、ディーゼルエンジン特有の振動もファンにとっては大事にしたい要素。しかし、私たちの住む地球環境も無視できない問題であり、今後益々古いランドクルーザーをはじめとしたディーゼル車を乗り続けることは難しくなっていきます。 もし、費用をかけてまで乗り続けることが困難であるなら、専門知識と豊富な流通経路を持つ、旧車王をはじめとした専門店への売却をおすすめします。 現在では、先に述べたNOx・PM法の規制地域以外では、今でも古いランドクルーザーのディーゼル車でも使用することが可能です。車は走ってナンボ。規制地域外に住む新たなオーナーに託すのも決して悪い選択ではありません。 ランドクルーザーを買い続けて20年以上納得の高価買取ならランド王https://www.qsha-oh.com/landcruiser/ [ライター/増田真吾]