旧車の魅力

見た目の迫力と本格的な性能はまさに敵なし!歴代ハマーの魅力とは
旧車の魅力 2022.07.14

見た目の迫力と本格的な性能はまさに敵なし!歴代ハマーの魅力とは

ハマーはアメリカのAMゼネラルが発売した軍用車ハンヴィーの民間仕様車として、1992年にハマーH1の販売を開始したフルサイズSUV。1999年以降はAMゼネラルから販売権を買い取ったゼネラルモーターズがハマーを生産・販売していましたが、惜しくも2010年に販売を終了しました。 しかし、2022年にEV(電気自動車)として復活することが発表され、本国アメリカのならず世界中から再び注目されています。今回は、そんな販売終了後も人気があるハマーの歴史やラインナップ、さらに中古市場相場が現在どのようになっているかをご紹介していきます。 軍用車ベースで開発されたハマーH1 ハマーH1は、俳優アーノルド・シュワルツェネッガー氏の要望により、軍用車のハンヴィーを民間仕様車に改良したSUVとして、1992年から2006年までの14年間販売されていました。 全長約4.7m、全幅約2.2m、全高約2mという大型ボディに6.2Lの大排気量ディーゼルエンジンを搭載し、サスペンションは前後ダブルウィッシュボーン式を採用しています。 民間仕様と言ってもスペックは軍用車のハンヴィーとほぼ変わらず、1994年モデルから排気量を6.2Lから6.5Lに拡大。1995年には5.7Lのガソリンエンジンを搭載したモデル、1996年にはディーゼルターボエンジン搭載モデルも追加といったように、年々その仕様を変更、向上させていきました。 そして、2005年にはいすゞ製の8GF1型ディーゼルエンジンになり、車名は「H1アルファ」に変更。しかし、2006年のガソリン値上げによる売れ行き悪化と、2007年の排ガス規制に対する対策の目処が立たず2006年に販売終了となります。 カスタムベースで人気なハマーH2 ハマーH2は、軍用車と関係のない民間車としてシボレー タホをベースに開発。先代H1のイメージをできるだけ継承して制作され、2002年から2010年までの8年間販売されていました。 全長約5.1m、全幅約2.1m、全高約2mというH1同様迫力あるボディに、排気量6Lのガソリンエンジンを搭載。H1のような無骨さを残しつつ、より民間利用を意識したSUVに仕上がっています。 H1から大きく変わったのはサスペンションで、フロントにダブルウィッシュボーン、リアに5リンク式リジットを採用。アクスルはハブリダクションではなくノーマルアクスルとし、ごく一般的な足回りとなったため、一部のマニアからは不評をかってしまいます。しかし、H1と比べて広くなった室内や、乗り心地などが富裕層のニーズにマッチし、発売当初から好調な売れ行きを記録したのです。 また、アフターパーツも豊富で、オフロード仕様やラグジュアリー仕様といった、自分だけの1台を作ることができ、販売終了後の現在でもカスタムベースとして人気があります。 小型化が日本にマッチしたハマーH3 ハマーH3はシボレーのコロラドのシャーシをベースに開発され、H2同様に軍用車との関係はなく、2006年~2010年の4年間の販売されていました。 全長約4.7m、全幅約1.9m、全高約1.9mのボディに排気量3.5Lの直列5気筒エンジンを搭載。排気量は小さく、直列エンジンのため、ややアメ車らしいインパクトに欠けます。2007年モデルから排気量が3.7Lにアップされたもののトルク感は薄く、アメ車らしいフィーリングが感じにくいことで、発売当初アメリカではあまり評判がよくありませんでした。 そこで、2007年9月に5.3LのV8エンジンを搭載したH3 ALPHAが登場。最大トルクが31.0kg・mから44.3kg・mにアップしたことで、それまでのトルク不足は解消されます。 H2と比べてコンパクトなボディのため、室内空間はやや狭いものの、ハンドルの切れ角が大きく最小回転半径は5.6m(H2は6.8m)と向上。アメ車っぽいワイルドなデザインを持ちつつ、その適度なサイズ感と取り回しの良さは、かえって道が狭い日本のユーザーから好まれています。 いまハマーを売るなら?買うなら? 2022年6月の原稿執筆時点で、ハマーを中古車相場(大手中古車情報サイト)と買取相場(旧車王)をH1、H2、H3別に紹介します。 まずはH1から、中古車相場は548万円~980万円で掲載台数は10台。しかし、価格が提示されている車両は少なくほとんどが「応談」と表示されています。新車価格が約1,900万円のため、妥当な中古車相場といえるかもしれませんが、価格がはっきりしないことで手が出しにくいかもしれません。また、買取価格はサンプルが少なく最大買取価格750万円となっています。 次にH2、中古車相場は192万円~819万円で掲載台数は100台以上と探しやすく、多くの台数が国内で流通していることがわかりあす。買取価格はこちらもサンプルが少なく、最大買取価格が650万円。ただしH2はカスタムベースとして人気のため、新車の最上級グレード956万円と比べてもかなり高値で取引されているといえます。 最後にH3、中古車相場は160万円~340万円で掲載台数は約50台とやや少なめ。買取価格は130万円~250万円でした。SUV市場が車種を問わず人気であることを勘案すると、特別高騰しているわけではありませんが、今後、ハマー全体の台数が少なくなっていくにつれて高騰していく可能性は十分にあります。 まとめ 軍用車のハンヴィーを祖先に持つハマーは、市場での人気によって受けて時を経るごとに様々なモデルが生み出されてきました。H1は軍用車と遜色ないハマー、H2はカスタムベースのラグジュアリーなハマー、H3はコンパクトで日本でも乗りやすいハマーという認識で、自分に合ったハマーを選べるのもハマーならではの魅力かもしれません。 そして、ゼネラルモーターズは2022年にピックアップのハマーEV、2023年にSUVのハマーEVを市場に投入すると発表しています。これまでハマーが培ってきた迫力とワイルドな魅力に、最先端EVの技術やラグジュアリーな内装をどう融合してくるのか、ハマーファンならずともぜひ注目していきたいところです。

広大な農場で使うのにちょうど良い!軽トラやデリカなどの実用車の旧車も海外で人気急騰
旧車の魅力 2022.07.13

広大な農場で使うのにちょうど良い!軽トラやデリカなどの実用車の旧車も海外で人気急騰

令和のいま、特にアメリカで80年代~90年代に発売された日本のスポーツカーが人気ということをご存じの方も多いのではないでしょうか。実は、スポーツカー以外でも今海外で注目されている日本車があります。 それは、軽トラの愛称で親しまれている軽自動車規格のトラックをはじめとした実用車です。日本では特に人気という訳でもなく、希少性もスポーツカーほどは高くない軽トラが「kei truck」と呼ばれ、なぜ今海外で人気なのか、その理由を探ります。 日本の実用車はコンパクトで使い勝手が良い 日本では一定の台数は走っているものの、年々製造するメーカーや車種が減少している軽トラですが、海外では人気が高まっています。海外ではあまり販売されていない軽自動車という規格のコンパクトなサイズ感、取り回しがしやすく、実用的な上に低燃費。特に広大な農地での作業従事者が多い農村部のユーザーを中心に支持を集めています。 農作業従事者からの支持される実用車としての実力 軽トラと言えば日本でも農村部で多く見かけますが、やはり海外でも農作業に従事する人々からの支持を集めています。<>海外の農地は広大なため、車での移動が欠かせません。また、逆に畑の中では小回りが利くに越したことはないため、燃費が良くコンパクトな日本の軽トラは最適なのです。 海外でも1~2人の移動という点では、ATV、いわゆるバギーがありますが、軽トラと違い屋根もエアコンもありません。さらに、軽トラとバギーの決定的な違いは、荷物の積載量です。軽トラはコンパクトであるにも関わらず、荷台はしっかりと確保されているため、かなりの荷物を積むことができます。 燃費の悪い大型のピックアップトラックを動かさなくても必要な荷物が積めて、ATVなどと違い快適性が確保されている軽トラは、女性でも気軽に取り回せるので人気が高いのです。 さらに近年では、低燃費で実用性が高いことから、アメリカの消防署や警察機関でも軽トラが使われ始めているとの話もあるほど。ちなみに、日本国内の米軍基地でも軽トラが使用されています。 シンプルで頑丈な構造と軽自動車という海外にはない規格が魅力 軽トラは小型ではあるものの、日本で自動車として販売されているので当然堅牢性は十分。その上シンプルな構造なので、メンテナンスもしやすく壊れにくい。農村などでのヘビーユースに加えて、カスタムカーベースとしても人気があります。 小型なので、ドレスアップでも比較的手軽にカスタムでき、シンプルで軽量なため用途に合わせてリフトアップや大型のフロントガードを装着するなど、目的に合わせたカスタムも盛んです。 デリカなどのオフロード車も人気 日本の実用車人気は、軽トラックだけはありません。普通車サイズの旧車オフロード車も人気です。 例えば、1986年発売の三菱 デリカスターワゴン。頑丈なオフロード車構造の4WD車でありながら小回りが利き、内装は豪華に仕上げてある点に魅力を感じるアメリカ人もいるようです。 アメリカのピックアップトラックなどは、基本的に内装に気を使って開発されていないため、フロアマット1つでさえ、高い評価を得ています。また、この手のオフロード車に乗る層は自分でメンテナンスをするユーザーが多いのも特徴で、コンピュータ制御となって素人が手を出せなくなった現代の車に比べて、自分でメンテナンスが出来る点も支持を集める理由の1つです。 新車としてはほとんど販売されていない アメリカにおいて、新車で正規輸入販売されていない日本の軽トラは、25年ルール適用による規制緩和によって現在輸入熱が高まっています。 スポーツカー人気と同じく、旧車としてのコレクター的需要ももちろん、軽トラの場合は、実用車としての需要が高いことがスポーツカー人気との大きな違いです。さらに、25年ルール以外で輸入されている場合もあります。 25年ルール適用で輸入が自由に 80~90年代の日本車人気が海外で高まった大きな理由は、アメリカの通称「25年ルール」と呼ばれる輸入規制緩和のルールです。 通常、新車時に正規輸入されていない車をアメリカへ輸入するためには、厳しい安全基準をクリアしなければなりません。しかし、発売から25年経過した車は、この規制が大幅に緩和され、事実上自由に輸入と販売が可能になります。 特に、軽自動車規格の軽トラや実用車は、ほとんどアメリカで正規販売されていないため、この25年ルールの解禁をきっかけに、一気に需要が高まっているのです。 オフロード車登録という裏技もある ほとんど新車販売されていない軽自動車ですが、25年ルール以外にもう一つ輸入する方法があります。それが、オフロード車登録です。 オフロード車として登録をすると、アメリカの安全基準の規制対象から外れ、25年を待たずに輸入が可能になります。オフロードといっても、山や砂利のような道なき道での走行限定という意味ではありません。「舗装された高速道路以外での走行」という広い意味合いなので、高速道路が走れない最高速度など、州によっていくつかの制限項目はありますが、日常的には問題なく使用することができます。 また、オフロード車登録以外にも、LSV(LOW SPEED Vehicle)という登録手段もあって、具体的には制限速度35マイル(約56km)以下の道路のみ走行ができるという登録方法です。 これらの登録方法も25年ルールに縛られず、比較的新しく状態の良い軽トラを輸入できることから、最近注目を集めています。 まとめ 海外での日本車人気は、今やスポーツカーだけに留まらず、軽トラ、実用車にまで広がっています。 1990年代後半から2000年代へと25年ルールの適用範囲になる車種が増加すると、軽トラの需要は、今後さらに高まるかも知れません。さらに、オフロード車登録という手段もあるので、発売から25年経たない比較的新しい車種にも需要が集まる可能性があるのも注目ポイントです。 コレクターや投機目的だけではなく、実用車として実体を伴った人気であるだけに、今後の価格動向から目が離せません。 決して希少車ではない日本の軽トラが、トラック大国アメリカで評価されているというのは、どこか誇らしい気持ちにもなります。 [ライター/増田真吾]

旧車にも関わり深い米国「25年ルール」。その歴史や本来の目的は?
旧車の魅力 2022.07.07

旧車にも関わり深い米国「25年ルール」。その歴史や本来の目的は?

近年、旧車の世界においては何かと話題にあがる「25年ルール」。 多くの人がこのワードを聞いて連想するのは「国産スポーツカー」や「海外輸出」、「価格高騰」、「JDM」などだろうか。 自動車メディアが「25年ルール」について触れる機会も増えているようだが、制定された経緯や歴史、本来の目的など詳しいところまでは触れていない。 そこで今回は「25年ルール」について正確な情報をお伝えしたいと思う。 ■「25年ルール」は、規制ではなく、例外 日本では「25年ルール」と呼ばれている法律の正式名称は “Imported Vehicle Safety Compliance Act of 1988, Pub. L. 100-562, 102 Stat. 2812” となる。 前半部分は直訳すると「1988年輸入車安全適合法」となり、アメリカの法律ではよくある「一般名称」だ。 後半の “Pub. L.” とはこの法律が「公法律」、“100-562” とは「第100議会において562番目に成立した公法律」であることを指す。 最後の “102 Stat. 2812” とは、「制定順法律集(Statutes at Large)」の「第102巻2812ページ以降に掲載されている」と説明している。 だが、いちいち長ったらしい名前で引用するのは大変なので、“Imported Vehicle Safety Compliance Act (IVSCA)” と呼ばれることが一般的だ。 ▲LAで毎年秋に開催されている「日本旧車集会」は2021年10月で16回目を迎えた 実際に法律の内容を見ていこう。 内容を要約すると、「連邦自動車安全基準に適合しないクルマは輸入できない」とするもの。 アメリカ合衆国国土安全保障省(DHS)のうちの、税関や国境警備を担当する部門「アメリカ合衆国税関・国境警備局(CBP)」によれば、適合しない輸入車は適合作業、再輸出、もしくは破壊のいずれかを施さなければならないと案内している。 だが、ここで肝心なのがこの法律に規定されている「例外」だ。 ここでは「連邦自動車安全基準に適合しない外国製自動車でも、製造から25年経過していればこの法律による規制の対象外とする」と書かれており、これが俗にいわれる「25年ルール」となる。 つまり、「25年ルール」は「規制」ではなく、「例外」なのだ。 ■1988年に「25年ルール」が制定されるまでの経緯とは? 次に知っておくべきなのが、「運輸省道路交通安全局(NHTSA)」の「連邦自動車安全基準(FMVSS)」という存在で、日本でいう「道路運送車両法」で定められている「道路運送車両の保安基準」と同様、アメリカ合衆国内で登録されるクルマの技術仕様のルールだ。 ▲日本のナンバーを展示用につけたクルマも急増 これは日本で米軍関係者がプライベートで乗っていたクルマのナンバー 日本車ともっとも大きく関わるのは「アメリカ合衆国で登録するクルマは左ハンドルでなければならない」の部分。 先述の「例外」は、このFMVSSに適合しなくても良いとしているので、つまりは「右ハンドルでも輸入・登録が可能」となる。 25年ルールは1988年に制定された。それ以前のアメリカ合衆国はFMVSSに適合しないヨーロッパ製の自動車を並行輸入で登録するのがポピュラーで、1985年には約6万9000台が並行輸入車としてアメリカに入ってきていた。 並行輸入はアメリカに正規で輸入されていないモデルが手に入るだけでなく、アメリカのディーラーが販売している価格よりもはるかに安く買うことができるため人気が高かった。 たとえば、1985年モデルのメルセデス・ベンツ 500 SELを米国内の正規ディーラーで購入すると5万3000ドルであったが、並行輸入だとそこから1万1000ドルほど安く手に入るという現象がしばしばあったのだ。 だが、この事態を重く見たのがメルセデス・ベンツの米国法人だ。1988年の法律が制定される以前よりもFMVSSへの適合は必須であったが、当時は書類の提出だけで済んでおり、そのクルマが本当に必要な適合作業を行なったかはほとんど確認されなかった。 メルセデス・ベンツの米国法人が数台の並行輸入車を実際に購入して調査したところ、マフラーの触媒がまったく異なる場所に装着されていたり、側面衝突時に乗員を保護するための補強が錆びた鉄パイプであったりと、ずさんな適合作業の痕跡を目の当たりにしたのだ。 そして彼らは恐れた。 これらずさんな作業を施したクルマが事故を起こし、その責任がまったく関係のない自分たち米国法人に向けられるかもしれないということを。 もちろん適切な適合作業を行なって販売する輸入業者も存在したが、適切か適切でないかを確認するのは困難である。 そこで「並行輸入車をすべて輸入禁止にしてしまえばいい」という大胆な施策の実行を思いつく。 メルセデス・ベンツが行った「反・並行輸入車」キャンペーンは他の自動車メーカーをも巻き込んで、法律制定へのロビー活動へと発展。彼らの思惑通り、無事にこの法律が誕生したのである。 つまりは、この「25年経つまでは憧れの日本車が手に入れられない」という足枷をアメリカ人にはめたのも、「憧れの90年代スポーツカーが製造後25年経過目前で急激に高騰して手に入れられない」という状況を日本の中古市場に作り出したのも、すべてメルセデス・ベンツの米国法人であったといってもあながち間違いではない。 ■日本で「25年ルール」が話題となったのは2014年以降 並行輸入を排除するキャンペーンは「安全」という大義名分で語ることもできるが、別の見方をすれば「現地法人の収益が減るから」という理由も見えるはず。 そしてこの「25年ルール」が日本の旧車界隈で大きな話題となったのは、2014年以降である。 1989年に発売された日産 スカイライン GT-R(BNR32)が製造から25年経過した年だ。 つまり、25年ルール発動によって32GT-Rがアメリカで合法的に輸入できるようになった。 ▲アメリカへの船積みを待つ25年ルールで解禁になったクルマたち そこから、数々のゲームや映画、漫画で見た「憧れの日本製90年代スポーツカー」がグッと近くなったとアメリカの人々は実感した。 製造年月から25年経過した個体はどんどんアメリカへ輸出され、毎年、新たな日本製90年代スポーツカーが「解禁」されていくという現象になっている。 今年は2022年なので、三菱 パジェロエボリューションや2代目トヨタ センチュリー、5代目ホンダ プレリュード、初代ホンダ シビックタイプRなどの、1997年から製造が始まった日本車が解禁されている状況だ。 ちなみに、1999年から製造が始まった日産 スカイラインGT-R(BNR34)は2024年に解禁予定だが、そのあまりにも高い人気で中古市場ではすでに爆発的な値段高騰に見舞われている。 ■実は製造後25年未満でもアメリカに輸入する方法が他にもある? なお、製造後25年を待たないでアメリカに輸入する方法も実はいくつかある。なかでも最も合法的手段なのがFMVSSで定められている特例、 “Show or Display” だ。 この手法はNHTSAが認めた「歴史的もしくは技術的価値のあるクルマ」を特別に輸入し、展示や整備に必要な走行に限って年間2500マイル(4000km)まで公道を走行可能とするもの。 これなら製造後25年経過していなくても、歴史的もしくは技術的に貴重と認められたクルマなら走ることが可能となる。 NHTSAに特別に認可された自動車のリストはNHTSAのウェブサイトで公開されている。 これを見ると、アストン マーティン DB7ザガートクーペや、アストン マーティン One-77、フェラーリ J50、マクラーレン スピードテイルなどのスーパーカー以外に、日産 スカイライン GT-R M-spec Nür、日産 スカイライン GT-R V-spec ミッドナイトパープルII、スバル インプレッサ 22B-STiバージョンなどの「超レア」な限定車も含まれる。 ■アメリカには「21年ルール」も存在する ちなみに、アメリカには「25年ルール」ともう一つ、「21年ルール」というものが存在する。 この背景には1963年に制定された “Clean Air Act(大気浄化法)” なる法律が存在している。 アメリカ合衆国環境保護庁の定める基準に適合しないエンジン、そしてそれを搭載する自動車の輸入を禁じているというもの。 そして例外規定として、工場出荷時の状態と同じ仕様のエンジンを搭載しており、なおかつ「製造後21年経過」している場合は、輸入して良いというものだ。 「25年ルール」ほど知られていないのは、そもそも「自動車の登録」の時点で製造後25年経過している必要があり、25年経過しているということはEPAの21年ルールも自然と経過しているからだ。 先述の “Show or Display” の場合、たとえ製造後25年経過していなくても、EPAの21年ルールは適用されるので要注意。 ■まとめ:「25年ルール」に関わる旧車バブルによる弊害とは? 「25年ルール」に関わる旧車バブルによって、映画やゲーム、漫画でかつて憧れた90年代スポーツカーは今後も高騰が続くだろう。 比例して旧車の盗難もますます増えていくと思われる。 しかし、だからといって健全な方法で「憧れの日本車」を手に入れたアメリカのクルマ好きをバッシングして良い理由にはならない。 ここ最近の価格高騰、そして多発する盗難事件の責任をそれらアメリカ人になすりつけるような批判がよく見られるのは、とても悲しいことだと筆者は思う。 [ライター・カメラ/加藤ヒロト]

なぜ、旧車は盗まれやすい?盗まれたらどうなるのか?
旧車の魅力 2022.07.06

なぜ、旧車は盗まれやすい?盗まれたらどうなるのか?

窃盗団が旧車を盗む前に行う「準備」を知って対策を施そう! ■ネットオークションへの出品が急増! コロナ禍で少し、盗難台数は減少傾向にあったものの、昨年夏頃から再び、80~90年代の国産スポーツカーを中心として旧車の盗難が増えています。   ▲実際に盗まれた80スープラのパーツ。盗難された2日後には早くもヤフオクに出品 旧車は盗まれるとその多くは、即座に解体ヤードに持ち込まれ、1-2日以内に解体されてしまいます。その後は、ヤフーオークションなどのネットオークションに出品されるか? もしくは海外に「自動車部品」として違法に輸出されてしまいます。 ▲盗まれた旧車は解体ヤードに持ち込まれ即座に解体される(写真はヤードのイメージです) 以前はほぼすべてが自動車部品として違法輸出されていましたが、最近ではネットオークションを利用して国内で完結させるパターンが増えています。 その理由は簡単に言うと、「国内ネットオークションの方が素早く、ラクに換金できるから」ということなのです。 海外における日本の旧車パーツは日本より高額な値段で取引されていますが、輸出は手間と時間が掛かり、コンテナに積んで船が出るまでに発覚するリスクもゼロとは言えません。 また、たびたび日本からの不正輸出が発覚しているアメリカでは近年、日本車の輸入に対して完成車も部品もチェックが強化されている現状があります。 しかし、ネットオークションやフリマサイトでは匿名で気軽に出品ができ、またヤフオクもメルカリも、なぜか出品者を保護する傾向にあります。 住所や名前が虚偽のものでも出品や取引が可能で、さらに盗難品だと証明されるまで時間も掛かります。 運よく、警察が介入できたとしても出品者と直接連絡が取れたり、盗んだ犯人が特定されたりすることは困難で、稀に特定できたとしてもオーナーのもとにパーツが全部戻ってくる可能性は非常に低いのです。 なお、もともと日本車の中古部品を大量に輸出している会社であれば、その中に盗んだ旧車のパーツを紛れ込ませてもまずバレることはほとんどありません。 部品輸出ルートが整っている状況であれば、海外に持ち出されることも相変わらずでしょう。 盗難された旧車が行きつくところは海外なのか?日本国内の別のオーナーなのか? 確実に言えることはアシが付きにくいネットオークションで捌かれるケースが増えているということです。  ▲日本で盗まれた旧車が解体されてアメリカの専門店で販売されていたことが発覚(2020年6月) ■旧車はなぜ盗まれやすい? ではなぜ、旧車は盗まれやすいのでしょうか? ・日本の旧車は海外でも国内でも人気が高いので、高額で売ることができる・多くは盗難に対応できる車両保険に入っておらず、またセキュリティ対策も甘い・保管場所が屋外の駐車場であることが多いので盗む側にとっては好都合・解体ヤードに持ち込みさえすれば、最近の電子部品が多いクルマに比べるとごく短時間で解体できる このように、国産旧車は盗みやすく解体しやすく高く売れる…窃盗団にとって都合がよいことだらけなのです。 しかし、旧車はもう2度と生産されることがない文化遺産ともいえる存在。 何とかして盗まれることがないよう守ってあげなくてはなりません。 筆者は過去2年間で約100台以上の旧車盗について取材をしてきました。 盗難被害に遭った人々の話から、大切な旧車を盗まれないためにオーナーが知っておきたいことを以下にまとめます。 ●1.旧車は狙いを定めて盗まれる。必ず下見をしている 旧車を専門に盗んでいる窃盗団は海外で高く売れる、または国内でも高価格で流通できる80-90年代の日本製スポーツカーに狙いを定めて盗みに来ます。 では、そこに旧車がある、ということをどうやって知るのでしょうか? さまざまな手段がありますが、その一つに旧車イベントに参加して狙いを定めた旧車オーナーと親しくなって自宅の場所を聞き出して盗みに行く…という方法があります。 親しげに話しかけてくる外国人(特にパキスタン、スリランカ国籍には注意)には気を付けてください。 また、狙いを定めたクルマの近辺に似たような旧車がないか? 一緒に盗めるなら効率が良い…と周辺の様子をGoogleストリートビューを見ながら駐車場に停まっていないか?探し出してマークします。 旧車は一度購入したら長い間乗るオーナーが多いため、ストリートビューの写真が2〜3年前のものであっても、比較的今もそのまま乗り続けているというパターンが多いのです。 せめてカバーをかけるなどして車種の特定を防ぎましょう。 ●2.狙った旧車のある場所が特定できたなら、今度は下見。下見でやることは以下 ・周辺の防犯カメラの状況・逃走ルートの確保(Nシステムなどがない道を選ぶ)・対象となる旧車のセキュリティ状況をチェック(ハンドルやバッテリーを外していないか?どのようなアラームがついているか?ハンドルロックやタイヤロックの有無など)・オーナーが住む場所を探す(オーナーのアパートの部屋まで特定します)・オーナーはどれくらいの頻度で旧車に乗っているか?をチェック・オーナーの生活時間(朝何時におきて何時に出勤し、帰宅時間や就寝時間などもチェック)・周辺に他に盗めそうな旧車はないか? ・・・などなど。 まだまだありますが、盗みを決行する2-3週間前に入念に下見をして、想像をはるかに上回る細かな事前確認を行っています。 ●3.「高価買取」のチラシや名刺には要注意 「高価買取の名刺やチラシ」がワイパーに挟まれたら盗難に注意! ▲筆者宅の旧車にもこのようなチラシが挟まれていた。稀にまともな業者もいるようだが… 昔からよく、「高価買取の名刺やチラシ」がワイパーに挟まれたら盗難に注意すべし!と言われてきました。 これは現在でも同様です。 ワイパーに名刺やチラシを挟んでいき、オーナーがどれくらいの頻度でクルマに乗っているのか?などもチェックします。 また、ユピテルのパンテーラやゴルゴなどの高級カーセキュリティはクルマに乗らない期間が2週間以上続くと、電源が切れる仕組みになっていることが多く、買取チラシや名刺を挟んで2〜3週間動いていないことを確認し、さらにセキュリティが切れていることを確認してから盗むという手口もあります。 この記事では旧車盗難の現状をお伝えしました。 次回は旧車を窃盗犯から確実に守るための、より具体的な方法をご紹介します。 [撮影・加藤ヒロト/ライター・自動車生活ジャーナリスト加藤久美子]  

スカイライン 2000ターボのリセールバリューとは?高く売る方法についても解説
旧車の魅力 2022.07.06

スカイライン 2000ターボのリセールバリューとは?高く売る方法についても解説

スカイライン 2000ターボは、ネオクラシックカーとして人気の高いスポーツカーです。売却を検討する際は、どの程度の価格で買い取ってもらえるのか気になるところでしょう。今回はスカイライン 2000ターボのリセールバリューや高く売る方法について解説します。スカイライン 2000ターボの購入や売却を検討中の方は参考にしてください。 スカイライン 2000ターボとは スカイライン 2000ターボは、1983年に登場した日産の6代目スカイラインのターボモデルです。正式名称は2000ターボRSで、後期モデルではそのデザインから鉄仮面の異名を持ちます。搭載されたFJ20ET型エンジンはそれまでのスカイライン史上で最高出力の190PSを発揮し、発売当初は「史上最強のスカイライン」というキャッチコピーが与えられました。 スカイライン 2000ターボの歴史 発売から半年後にマイナーチェンジが実施されました。その内容は大幅な外観デザインの変更と豪華装備の2000ターボRS-Xの追加です。1984年には空冷式インタークーラーを装着した2000ターボ インタークーラーRS/RS-X(通称ターボC)が追加されました。エンジン出力が205PSに向上され、一定の回転数から急激に盛り上がるドッカンターボと西部警察の影響で人気がさらに上昇し、今でも根強い人気を誇ります。 スカイライン 2000ターボは、「史上最強のスカイライン」と呼ばれながらもGTの系譜には加えられることはありませんでした。GTモデルは6気筒が条件とされているのに対し、スカイライン 2000ターボは4気筒のFJ型エンジンであったためです。このモデルでハコスカ以来となるワークスを立ち上げてレースに復帰しています。 スカイライン 2000ターボのリセールバリューはどれぐらい? スカイライン 2000ターボのリセールバリューは非常に高くなっています。国内でのネオクラシックカーブームの影響に加えて流通量や取扱い業者が少ないのが理由です。一番人気の後期型2000 ターボRS-Xの2ドアモデルは、状態の良いフルレストアのもので600万円を超える高値で販売されています。 スカイライン 2000ターボを高く売る方法 スカイライン 2000ターボを高く売る方法を解説します。スカイライン 2000ターボを所有されている方は参考にしてください。 レストアしている スカイライン 2000ターボが発売されてから40年近く経過しています。高出力のエンジンが搭載されているため、経年劣化と走行により疲弊や摩耗したパーツの交換は定期的に行わなければ良い状態を維持できません。メーカーからの純正部品の供給が難しいため日頃から専門の整備工場に点検や整備を依頼し、必要に応じてレストアをしておく必要があります。 車検非対応のパーツは外しておく スカイライン 2000ターボは、チューンアップや西部警察仕様のベース車として使用されることが多い車です。フェンダーの内側を加工して扁平タイヤの装着や給排気系のパーツ交換などを施す方が散見されます。そういった車両には車検に通らないものもあるため、査定前に車検対応仕様に戻しておきましょう。買取査定後に仕様変更や改造車検を受ける必要があると、査定価格は大幅に減額されてしまうこともあるため注意が必要です。 こまめにメンテナンスしている ネオクラシックカーと位置づけされるスカイライン 2000ターボは、定期的にオイル関連やフィルターなどの交換をしておくことが車のコンディションを維持するためには重要です。また、経年劣化しやすいラバーホースやドアのゴムパッキンについても、破れて液漏れや雨漏りが生じないように必要に応じて交換しておく必要があるでしょう。 スカイライン 2000ターボの高価買取ができる業者の特徴 スカイライン 2000ターボは高価買取が期待できる車です。しかし、ネオクラシックカーとなるため、業者の知識や経験によって査定価格に大きな差があります。続いて、高価買取してくれる業者の特徴について解説します。 二重査定をしない 二重査定とは、一度の査定で買取価格が確定されず、買取契約後の再査定によって不備が発見した際に、査定額が減額されることです。リフトアップや分解による詳細査定でしかわからない瑕疵が発見された場合に起こるものであり、民法上の瑕疵担保責任の追及に該当します。査定前に二重査定による減額の可能性を確認し、売買契約時にも詳しい説明があるか確認しましょう。 旧車の買取実績が豊富 スカイライン 2000ターボは、旧車としてのリセールバリューで高額査定となる可能性が高い車です。旧車の買取実績が豊富な業者は、培った経験と知識で的確な査定を行ってくれます。一般的な業者では査定額に反映してくれないポイントを見極めてくれるので、より高額な査定額を提案してくれるでしょう。 スポーツカーを正しく評価できる 旧車と一口に言っても様々なタイプに分かれています。特にスポーツカーは年式やグレードだけではわからない個体ごとのコンディションが査定価格に大きな差を生みます。独自の情報や顧客、培った経験によるノウハウを持ったスポーツカーを正しく評価できる業者に依頼するようにしましょう。 スカイライン 2000ターボの売却なら旧車王がおすすめ 旧車王では二重査定はありません。200ヶ所に及ぶ項目を設定し細部まで鑑定するため、買取契約後に減額といった内容には至らず安心して買取依頼ができます。架装やオリジナルパーツの互換に関しても、鑑定によって問題なければ加点できるケースもあります。

これがほんとのやっちゃえ日産!今も人気の衰えない日産パイクカーを振り返る
旧車の魅力 2022.07.06

これがほんとのやっちゃえ日産!今も人気の衰えない日産パイクカーを振り返る

1980年~90年頃にブームとなったパイクカーとは、市販車のコンポーネントをベースとして、おしゃれに可愛く、時にはレトロな雰囲気を持つ前衛的なデザインを採用したモデルのことです。 1980年代に日産は、マーチをベースに「Be-1」を開発。発売当初から話題となり、約40年経った現在でも根強いファンが多く、マニア向けの専門店まで存在します。 そんなパイクカーを今回は5車種紹介し、ベースとなった車両や車種ごとの特徴などを振り返っていきましょう。 日産 Be-1 日産 Be-1は、K10マーチをベースとして開発され、1987~1988年の1年弱という短い期間のみ販売されました。 全長約3.6m、全幅約1.6m、全高約1.4mのボディに排気量1,000cc、52馬力のMA10Sエンジンを搭載し、トランスミッションは3速ATと5速MTの2種類。サスペンションはフロントに独立懸架ストラット、リアに4リンクコイル式が採用されています。 Be-1の特徴は、なんと言ってもレトロで丸いシルエットのボディです。1980年代に主流だった四角いボディを敢えて丸いデザインにしたことで、その革新的なスタイルは国内だけでなく海外メーカーにも衝撃を与えました。 のちに登場するBMWミニやニュービートルといったレトロデザインの先駆けともいわれ、新しいリバイバルデザインの風潮を産むことで、時代の先駆者となったのです。 日産 パオ パオはBe-1に次ぐパイクカーシリーズ第2弾として、1989~1991年の3年間販売されていました。 全長約3.7m、全幅約1.6m、全高約1.5mのボディサイズに、Be-1と同じくベースはK10マーチ。エンジン、トランスミッション共にBe-1とまったく同じものを採用し、サスペンションも同じ方式です。ボディタイプは、2ドアセミノッチバックだったBe-1に対し、パオは3ドアハッチバックに変更し、サイズがやや大きくなっています。 そんなパオの開発で特に力を入れられたのが、車好きじゃなくてもふり返るおしゃれなデザイン。「バナナ・リパブリック」という装飾ブランドのコンセプトである、「旅行やサファリの冒険気分を味わえる服」を、そのままデザインに置き換えるというコンセプトで開発されました。 日産 フィガロ フィガロはBe-1、パオに続き、K10マーチをベースとして、1991年2月~1992年12月までの約2年間販売されていました。 全長約3.7m、全幅約1.6m、全高約1.4mというボディサイズは、先代とあまり変わらないものの、フィガロはドアクーペボディを採用。ベース車のマーチ、先代のBe-1、パオとはまったく違うシルエットとなります。 エンジンはK10マーチにも搭載されていた、排気量1,000㏄、76馬力のMA10ETを搭載。このエンジンは、小型水冷式ターボチャージャーを採用したエンジンで、高出力化や運転性能が向上しています。トランスミッションは3速ATのみであるものの、発売時には購入希望者が殺到し、抽選販売を実施するほどの人気ぶりでした。 日産 エスカルゴ エスカルゴはVN10パルサーバンをベースにして開発され、1989年1月~1990年12月の2年間販売されていました。 全長約3.5m、全幅役1.6m、全高約1.85mのボディに排気量1,500cc、73馬力のE15Sエンジンを搭載。トランスミッションは3速ATのみとなっています。サスペンションはフロントにストラット式、リアにトレーリングアーム式を採用し、一般的なリーフリジット式では不可能だった荷室の超低床化と、リアオーバーハングの短縮を実現させました。 車名の由来はフランス語でカタツムリを表す「エスカルゴ」と、貨物を表す「カーゴ」をスペイン語読みした「カルゴ」を合わせたもの。丸く背の高いシルエットや飛び出したヘッドライトなど、デザイン面でもカタツムリをイメージしていることがわかるものとなっています。 日産 ラシーン前期 タイプⅠ ラシーンはB13サニーの4WDをベースにし、クロスオーバーSUVとして開発され、1994年12月~2000年8月までの約6年間販売されていました。全長約4m、全幅約1.7m、全高約1.45mのボディに、排気量1,500cc、105馬力のGA15DEエンジンを搭載。トランスミッションは4速ATと5速MTの2種類となっています。 サスペンションはフロントに独立ストラット式、リアに独立パラレルストラット式を採用。駆動方式はフルタイム4WDの為、一見本格的なクロスカントリー車に見えますが、あくまでもそういった雰囲気を手軽に楽しむことが目的のため、悪路走破性能はあまり高くありません。 全高を抑え、角張ったデザインが海外でも高く評価され、中古車は現在(2022年6月)でも根強い人気を保っており、ラシーンを専門とする中古車販売店も存在するほどです。 まとめ 今回紹介した日産が生み出した5種類のパイクカーを、中古車として購入することは可能ですが、状態が良い個体はかなり価格が高騰しています。 また、年式としては古いため、状態が良い個体を買ったとしても急なトラブルがないとも言いきれません。今パイクカーに興味があり購入を考えているのなら、日々のメンテナンスや、急なトラブルの対応などを任せられる専門店での購入をおすすめします。 また、現在パイクカーを所有している方は、高額取引されている今売却するのか、今後も長く愛車と付き合っていくのか。価格高騰している今だからこそ、維持費を考慮しつつ真剣に向き合うタイミングかもしれません。  

旧車の主治医とライターの納期の遅れに悩まされる話
旧車の魅力 2022.07.17

旧車の主治医とライターの納期の遅れに悩まされる話

古いクルマに乗る人の多くが「頼れる主治医がいてこそ成立している」ように思う。 なかには車検はもちろんのこと、エンジン載せ換えやオーバーホールなどの重整備をオーナー自ら行う方もいて、(その環境と技術スキルの高さに)驚きと羨望のまなざしを送ることもしばしば。 とはいえ、いざというときに主治医がいると心強いのは確か。出先で故障したら、休みの日なのにわざわざセーフティーローダーで迎えに来てくれたり、儲け度外視で愛車の面倒を診てくれたり・・・。オーナー以上に愛車のコンディションを把握しているというケースも少なくないように思う。 古いクルマの点検整備を専門とする主治医に共通する事柄のひとつに「1人親方」であることが挙げられる。市街地から外れて、畑の真ん中や山の麓など、看板すら掲げずにシャッターを少しだけ開けて黙々と作業している方が多いような気がするのは気のせいだろうか。 で、いくつかある共通する事柄のひとつに「納期が守られないこと」ように思う。よくいえばとことんまで面倒を診てくれているとも解釈できるのだが、オーナーが希望する納期を守ってくれる方が少ない(笑)。ディーラーのような対応を期待してはまずいけない。それで怒り出すようなら組織だって(つまり、社員を雇って)店舗を構えているようなショップを選んだ方がいいと思う。納期の問題も改善される可能性が高い。 古いクルマに乗る以上、オーナー側に求められる素養として、ある程度のおおらかさ、寛容さが必須条件だ。主治医が計画通りに作業してくれなくても、怒らず、焦らず、そして泣き崩れず(笑)。これはクルマのコンディションについても同様かもしれない。パーフェクトを求めていたら、愛車の経年劣化よりも先にオーナーの方が疲弊してしまうだろう。 話は変わるが、編集長という立場上、各ライターさんに原稿執筆の依頼をするわけだが、そこにも(当然ながら)納期がある。きっちりと納期までに納品してくれる方、毎回遅れる方、面白いくらいハッキリと分かれている。 いまからライター業を目指すとするなら「毎回きっちりと納期守る」だけで、それなりに仕事の依頼があるように思う。それほど納期を守らないライターさんが多いということだ。 なかには確信犯的に遅れてくるライターさんもいて、本当は「納期は一昨日だ!早くしろボケー!」といいたいところをグッと堪えてにこやかに(?)対応している。編集長業務にもある程度のおおらかさ、寛容さが必須条件なのかもしれない(泣)。 [画像/Adobe Stock ライター/松村透]

普段は「3ペダルMTより楽なクルマがいい」と気づいてしまった話
旧車の魅力 2022.07.10

普段は「3ペダルMTより楽なクルマがいい」と気づいてしまった話

先日、これまでの愛車遍歴はすべてMT車という40代のオーナーさんを取材する機会があった。 1台のクルマを長く、大切に乗る方なので、愛車遍歴はどちらかと少ない方(現在の愛車を含めて4台)だと思う。 自分自身、MT車の方が、さらに厳密にいうと「3ペダルMT車」が理想の愛車だと信じて疑わなかった。 その昔、フェラーリ社のトップだったルカ・モンテゼーモロ氏が何らかのインタビューだが、ワールドプレミアの壇上で「これからのフェラーリはF1マチックが主流になる」といった趣旨の発言をしてひどく憤慨した記憶がある。 フェラーリといえばあのシフトゲートを操作するのが至高なのに、何てことをしてくれるんだ!と。その後、フェラーリF355F1からはじまったF1マチックはあっという間に各モデルへと波及し、いつしか3ペダルMT車は絶滅してしまった。 3ペダルMTの絶滅だけが理由ではないが、気がつけば自分も「いつかフェラーリを自分のモノにしよう、したい」という情熱が消えつつある(訳あって、現行モデルで手に入れてみたい1台があるのだが、非現実的なのはいうまでもない)。 先日、自分の愛車(趣味車)で参加したイベントの取材を兼ねて、自宅から100キロほど離れた場所へ向かった。奇しくも当日は猛暑日であり、しかも全国でもトップ3に入るような最高気温を記録する場所へエアコンレス&3ペダルMT車で出掛ける羽目になってしまった。 エアコン(もちろんクーラーも)レスなので、扇風機を車内に据え付けて出掛けたのだが、熱風しか出てこない。途中で止めてしまった。暑いだけではない。古いクルマなので、オーバーヒートのことも気にしなければならない。幸い、高速道路は渋滞もなく、5速で淡々と巡航したので問題なく現地に到着。取材することができた。 問題は帰路だ。炎天下のなか取材を続けているうちにイベントは終了。現地でお開きとなった。Google mapで帰路のルートを調べてみると高速道路はすでに渋滞。夕暮れどきとはいえ、30度を優に超える気温のなかの渋滞に飛び込む勇気はない。というか正直いって嫌だ(笑)。諦めて下道で帰ることにした。途中、渋滞に巻き込まれたときは油温が100度近くまで上昇した。そんなこんだで、油温計をにらめっこしながら自宅に着く頃にはぐったりしてしまった。 そういえば、運転免許を取得した当時、アルバイト先で配達に使っていたハイゼットもエアコンレスだった。もっというとラジオすらついていなかった。パワステやパワーウインドウもない。そこで私は「ハイゼットLM(ル・マンの略)」と命名して、炎天下の配達を楽しんだものだ。当時はまだ10代。エアコンがあろうとなかろうと、3ペダルMT車を運転できることが何より嬉しく、そして楽しかった。ヒール・アンド・トゥーの真似事もこのクルマで覚えた。 そろそろアラフィフに差し掛かる私にとって、いつでもどこでも3ペダルMT車で出掛けるのは苦痛になってしまっていたのだ。いつの間にか「楽なクルマがいい」と考えている自分に気づいてしまった。 セイラさんに「軟弱者!」とひっぱたかれようが、ブライト・ノア館長に「それが甘ったれなんだ!(引用が古い)」とぶん殴られようが、フェラーリを買えるほどの財力があったとしたら迷わずF1マチックを選んでいると思う。でも、マツダロードスターなら迷わず3ペダルMTを選ぶけれど。 子どもが大きくなったら・・・とか、定年退職後の楽しみに・・・なんて思う方がいらっしゃるかもしれない。健康なのうちに、気力があるうちに、可能な限りの3ペダルMTを楽しんでいただきたいと思う。 [ライター・撮影/松村透]

マツダ ロードスター人気はドイツも盤石!現地で見かける日本車とは
旧車の魅力 2022.07.05

マツダ ロードスター人気はドイツも盤石!現地で見かける日本車とは

国産旧車の海外流出や価格高騰が話題となって久しいが、実際にドイツに住んでいる筆者からすると「実感しにくい」というのが本音である。というのも、ドイツ現地の中古車情報誌やインターネット上において国産旧車価格はたしかに上昇しているのだが、公道で見かける国産旧車の顔ぶれは直近の5年間でさほど大きく変化していないからだ。 実は、読者のみなさんの予想通りかもしれないが、ドイツにおいて圧倒的な人気を誇る車種が存在する。まずはそのクルマを冒頭で紹介しつつ、ドイツで見かける主な日本車・旧車について紹介していきたい。 ■長年、ドイツで圧倒的人気を誇るクルマとは? ヨーロッパ各国の中でも、ドイツは比較的「日本車の数が少ない国」に属する。公道をしばらく眺めていても、日本車が通過するまである程度の時間が必要だ。一時期はタクシーとしてトヨタ・プリウスが大量に走っていたが、ここ5年ほどですっかり数を減らしてしまった。かわりに、メルセデス・ベンツのEクラス・Cクラスがタクシーの定番車種として復権している。 そんな中、マツダ・ロードスター(現地名MX-5)の人気は盤石だ。街や田舎、ドイツのどこにでも走っているし、ドライバーの顔ぶれも老若男女さまざま。初代のNAや2代目のNBが今でも現役で数多く見かけるうえ、中古車市場でも一定の人気を保っている。2015年に現行型NDが登場したあとも、コンスタントに毎年約5,000台ずつドイツで登録されている、まさに「ドイツに長年愛され続けるクルマ」の代表格だ。 ドイツでは、初代モデルNAのドイツ向け第1便がわずか3日で完売したエピソードがいまだに紹介されたり、ほぼ絶滅状態だったライトウェイト・オープンスポーツカーを復活させ、BMW・Z3やメルセデス・ベンツ・SLK、MG・F、フィアット・バルケッタ、ポルシェ・ボクスターなど多くのフォロワーを生んだ功績が評価されたりと、単に売上的な面だけでなく、文化的な評価も極めて高いのが特徴だ。 当時のフォロワーたちはすでに後継が途絶えて生産中止になっているか、価格帯をさらに上げてプレミアムクラスに移行しているクルマがほとんどである。そんな中、マツダ・ロードスターは「庶民でもなんとか新車に手が届く稀有なスポーツカー」として、ドイツの人々に広く愛され続けている。 ■ドイツのクラシックカーイベントで見かけるクルマの代表は? 先述のマツダ・ロードスターの件にも通じるのだが、ドイツではとにかくオープンカーが好まれる。「オープンカー大国」といっても過言ではなく、夏の間はひたすら屋根を開けて走るのだ。もっとも、それが可能なのは気候によるところが大きい。真夏でも気温が30度を超える日が続くことは少なく、湿度が低くカラッとしていて、非常に過ごしやすいのだ。しかし温暖化の影響で、毎年少しずつ気温が上昇しているのは間違いなく、ドイツに住む人々も神経をとがらせている。 クラシックカーイベントでもっとも目にする日本車といえば、ホンダ・S600とS800である。ここでもやはりオープンスポーツカーか、と思われるかもしれない。それくらい古くからドイツで好まれているし、クラシックカー専門誌の価格相場表にも必ず記載されている。ちなみに、現在の整備済み車両の相場はおよそ3万2千ユーロ(約448万円)だ。 筆者が以前見かけた個体はエンジンルームまで磨きこまれていて、非常によい状態を保っていた。精密な時計のようなエンジン、とドイツでは評価されている。ホンダ・S2000の人気も高く、2万5千ユーロ(約350万円)以上で取引されているが、クラシックカーイベントで見かけることは少ない。初代NSXに関しては、市場に出回ることすら稀である。 ■「日本のジャガー・Eタイプ」として愛されるのはあのクルマ! クラシックカーイベントで見かける日本車の次点は、日産(ダットサン)・240Zである。流麗なロングノーズ・ショートデッキのスタイリングはドイツでも人気が高く、少なくとも2万5千ユーロ(約350万円)、完璧なコンディションだと3万5千ユーロ(約490万円)で取引されている。ドイツの中古車市場では常時10~15台が流通しているような状況だ。 ドイツ人にとって240Zはとても「イギリス的」に感じるクルマらしく、「日本のジャガー・Eタイプ」として紹介されていることが多い。エンジンの頑丈さや扱いやすさも評価されているようだ。 同じ日産でも、歴代のスカイラインGT-Rを見ることは稀で、クラシックカーイベントにも滅多に姿をあらわさない。初代モデル(PGC-10)の相場は今や7万5千ユーロ(約1,050万円)を超え、トヨタ・2000GTと同様に、オークションでしか手に入らないクルマになりつつある。 ■「ラリー仕様」として見かけるのは、ちょっと意外なあのクルマ 最後に、絶対数は多くないものの、ドイツで存在感を発揮しているメーカーを紹介する。スズキである。ドイツではバイクのほか、船外機のメーカーとしても有名だ。 スズキのクルマでもっとも見かけるのはジムニーである。ドイツの人にとっても、メルセデス・ベンツ・Gクラスやトヨタ・ランドクルーザーは大きすぎると感じる場合があるようで、林道に出かければ「プロの道具」として働く歴代ジムニーを見かけることができる。ドイツはラリーの人気が高いが、三菱・ランサーエボリューションやスバル・インプレッサWRXなどの一連のモデルを見ることはほとんどない。ラリー仕様車として見かけるのはむしろスズキ・スイフトだったりする。かつてジュニア世界ラリー選手権(JWRC)に参戦していたこともあって、スイフトの3ドアモデルをラリー仕様に仕立てて、週末のレースに参加する人は少ないながらも確実に存在している。 ■ドイツの地に爪痕を残し続ける日本車たち ここまで、ドイツで見かける日本車について挙げてきたが、いかがだっただろうか。意外だと思った方も、妥当だと思った方もいると思う。 ここに挙げた車種は、筆者が実際に5年間ドイツで暮らしていて見かけた経験に基づいている。つまり、筆者の居住場所であるベルリンという場所柄が深く関係している。言い換えれば、南のミュンヘンやフランクフルト・アム・マイン、西のケルンやデュッセルドルフではまた違った見え方になるはずだ。ドイツは広く、州によって独自色が強いため、一般化することは難しいということを最後に断っておきたい。 最近始まったマツダの初代ロードスターのレストアサービスは、ドイツでは驚きをもって紹介された。初代NAの部品が手に入りやすくなるはずだ、と期待されている。というのも、国産旧車パーツの手に入りにくさは、ドイツ産クラシックカーの比ではなかったからだ。今後国産旧車が世界で愛され続けるためには、こうしたパーツ供給体制も大きなカギになっていくだろう。今後の他社の奮起にも期待したいところだ。 [ライター/守屋健]  

最小排気量で上限馬力を実現したトヨタ 1JZ型エンジン!今なお名機と呼ばれる理由とは
旧車の魅力 2022.06.24

最小排気量で上限馬力を実現したトヨタ 1JZ型エンジン!今なお名機と呼ばれる理由とは

トヨタ最強エンジンとも称される2JZ型エンジン。しかし、前身となる1JZ型エンジンの開発成功がなければ続く2JZは生まれませんでした。排気量を2.5Lに抑えながらも、自主規制上限の280psを発生し、最高のパフォーマンスを叩き出した1JZ型エンジンの魅力に迫ります。 名機の後継機として開発された1JZもまた名機 JZ系エンジンの初代となる1JZエンジンは、30年近く製造されてきたトヨタを代表するエンジン、M型の後継機として開発されました。排ガス規制や税制上の理由から2.5Lというサイズダウンを余儀なくされた開発となるものの、トヨタの高い技術力によって名機M型エンジンをしのぐパフォーマンスを発揮します。 名機M型エンジンを受けて開発された 1JZの前身となるM型エンジンは、1965年から1993年の28年間もの長期に渡って製造されたトヨタ屈指のハイパワーエンジンです。クラウンはもちろん、セリカXXやソアラ、そして2000GTといったスポーツモデルにも搭載された名機と呼ばれるエンジンでした。 しかし、M型エンジンの基本設計から既に30年近くが経過していたことと、税制区分の変更で2.5Lエンジンが税制上有利になることから新型エンジンへの移行が決定されます。 そこで登場したのが、JZ系エンジンとなる1JZエンジンです。2.5LというM型エンジンより500cc小型ながら、後継機としてM型エンジン以上のパフォーマンスを求めて開発されました。 直列6気筒というトヨタのハイパワーエンジンの系譜をそのまま受け継ぎ、M型エンジンの正当な後継機が1JZエンジンです。 JZ系エンジンの地位を確立した1JZ-GTE JZ系エンジンの基本形は、2.5L直列6気筒の1JZ-GE型自然吸気エンジンで、自然吸気ながら180psを発生するハイパワーエンジンでした。しかし、1JZエンジンの地位を確立したのはツインターボを搭載した1JZ-GTE型エンジン。ヤマハ発動機と共に開発された1JZ-GTE は、2.5Lという小排気量でありながら、当時の自主規制いっぱいとなる280psを発生しました。 そして、1JZ-GTEエンジンの人気に火をつけたのが90型マークII3兄弟であるツアラーVの登場です。4ATしか用意されていなかった80型と異なり、5MTが用意されたツアラーVは、1JZエンジンのポテンシャルを十分に引き出し、スポーツサルーンの代表格となりました。 今も支持される1JZエンジンの魅力 ツインターボによる爆発的な加速力が魅力の第1世代、トルクフルで扱いやすかった第2世代。2世代開発された1JZは、どちらの世代も甲乙つけがたい秀逸なエンジンだったことは間違いありません。また、堅牢で信頼性が高かったことも多くの車好きやチューナーから支持を集めた要因です。 世代によって異なる1JZの性格 1JZエンジンは、可変バルブタイミング機構の有無によって2世代に分かれています。可変バルブタイミング機構が採用された第2世代では、ベースとなる1JZ-GEの出力は200psにまで高められました。 しかし、第2世代最大の特徴はパワーではなくトルクです。とくにターボ仕様の1JZ-GTEでは、トルク特性が大きく変更されました。第1世代のトルクは37.0kg・mを4,800回転で発生していたのに対し、第2世代では38.5kg・mをわずか2,400回転で発生。ターボもツインターボからシングルタービンに変更され、低速域から扱いやすいマイルドな性格のエンジンになりました。 レスポンスが良くターボラグが少ない 1JZエンジンは、トヨタが高い技術力をアピールするために掲げたLASRE(Light-weight Advanced Super Response Engine)として開発されます。軽量コンパクトに設計する一方で、3.0LエンジンだったM型エンジンのパフォーマンス以上のパワーが求められました。 燃焼室形状の変更やバルブ径の拡大、ショートストローク化によってエンジンの高さを抑えることに成功。しかも、ショートストローク化したことで高回転までスムーズに吹け上がる理想的なエンジンに仕上がりました。 さらに、ターボ仕様となる1JZ-GTE型には軽量なセラミックタービンを採用。ターボラグは当時としては最先端といえるほどの水準で、もともと吹け上がりのいいエンジン素性とあわせて抜群のアクセルレスポンスを発揮しました。特に第1世代となるツインターボモデルでは、過給のかかる4,000回転以上で爆発的な加速力を見せます。 チューニングベースとして堅牢な1JZ-GTE 1JZエンジンは、エンジンブロック部分にブロック骨格を採用するなど、もともと剛性の高いエンジンです。さらに、ターボ化にともなって鍛造のアルミ合金製のピストンを採用し、冷却性と耐熱性を大幅に向上。シャフトセンターがブレにくいフルカウンタークランク、耐久性の高いメタルガスケットなど、1JZ-GTEはエンジン自体の基本設計がしっかりしていました。 第1世代、第2世代ともに自主規制によって280psに抑えられていますが、吸排気チューニングやタービン交換でエンジン内部に手を入れることなく400psオーバーを狙うことも可能です。 現在のトヨタハイパワーエンジンにつながる存在 1JZエンジンの成功は、排気量アップモデルとなった2JZ型エンジンや、現在のGR型エンジンの開発へとつながっていきます。M型エンジンからはじまったトヨタのハイパワー直6エンジンは、1JZによって不動の地位を確立しました。 また、1JZエンジンは排気音も大きな魅力の1つ。低回転からスムーズに立ち上がり、独特の高音をともなった咆哮がドライバーの耳に心地よく届きます。欧州の高級スポーツカーに引けをとらないエグゾーストノートは、当時のみならず今もファンを魅了するサウンドです。  

旧車王ヒストリアは
旧車買取20年以上の旧車王
が運営しています

旧車王は、「自動車文化遺産を次世代へ」という信念のもと、旧車・クラシックカーに特化して25年、年間11,000台以上の査定申込をいただいております。改造車から希少車まで、適正価格を見極めて買取させていただきます。弊社所属の鑑定士が最短当日で全国無料出張査定いたします。ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する二重査定は一切ありません。特別なそして価値ある希少車の買取こそ、確かなノウハウと実績を持つ旧車王にお任せください!

すぐ査定依頼が可能!

Web査定申込はこちら

まずは車について気軽に相談したい

LINEで売却相談する

カテゴリ一覧

# 旧車の魅力 # 旧車売買の豆知識 # 旧車メンテナンス # 旧車イベントレポート # 旧車のある暮らし # 旧車マニアインタビュー # ライタープロフィール