旧車の魅力

スポーツカーの絶版モデルは人気が高い!絶版スポーツカーの魅力や人気モデル8車種を紹介
旧車の魅力 2023.09.28

スポーツカーの絶版モデルは人気が高い!絶版スポーツカーの魅力や人気モデル8車種を紹介

絶版となったスポーツカーは現在でも高い人気を誇っています。具体的に、どのような魅力があって人気に繋がっているのか気になる方もいるでしょう。今回は、絶版のスポーツカーとはどのような車なのか、絶版スポーツカーの魅力、人気の絶版スポーツカー8選を紹介します。絶版スポーツカーの購入や売却を検討するときの参考にしてみてください。 スポーツカーの絶版車とは 絶版になったスポーツカーとは、自動車メーカーでの生産や販売が終了したスポーツカーです。絶版になったスポーツカーの中には、当時の新車販売価格を上回る値段で買取りされ、販売されているモデルもあります。また、日本国内のみならず世界的に人気の高い絶版スポーツカーの場合、プレミア価格になっていることも珍しくありません。 スポーツカーの絶版車の魅力 絶版になったスポーツカーの魅力は、新車販売時に購入することができなかったモデルに乗れたり、憧れだった車に乗れたりすることです。また、電子制御などが最小限であるため、ピュアなスポーツドライビングを楽しめる点も魅力の一つといえるでしょう。 スポーツカーの絶版車は高騰している? スポーツカーの絶版モデルは高騰しています。特に日本車スポーツカー全盛期だった1990年代から2000年代にかけて販売されたモデルは、現在も高い価格になっているケースが多いです。また、絶版スポーツカーは流通台数が少なく限られているため、希少価値が高まっており、同時に値段も高騰しています。 人気のスポーツカーの絶版車8選 ここからは、人気の絶版スポーツカーの代表例を紹介します。ロータリーエンジンを搭載するモデルや優れた動力性能を誇るクルマなど、日本車スポーツカー全盛期ともいえる時代の車を8車種ピックアップしました。国産車の絶版スポーツカーを探して購入したり、売却するときの参考にしてみてください。 RX-7(FD3S) マツダ3代目RX-7(FD3S型)は、1991年にデビューしたロータリーエンジンを搭載するスポーツカーです。デビュー当初は、「アンフィニ RX-7」として販売を開始し、1997年から「マツダ RX-7」に変更となりました。 デビュー当時のボディサイズは、全長4,295mm、全幅1,760mm、全高1,230mmで、リトラクタブルヘッドライトを装備した流麗なスタイリングが特徴です。 エンジンは、世界唯一のロータリーエンジンで、2ローターのツインターボ「13B型」を搭載しています。最終的には、最高出力が206kW(280PS)/6,500rpm、最大トルクが314Nm(32.0kgm)/5,000rpmとなりました。 1991年から販売を開始した3代目RX-7(FD3S型)は、2002年に生産終了を発表。2003年に販売を終了しました。 アルテッツァ(RS200) トヨタ アルテッツァ(ALTEZZA)は、1998年から販売を開始した中型サイズ(Dセグメント)の4ドアスポーツセダンです。 ボディサイズは、全長4,400mm、全幅1,720mm、全高1,410mmと運転しやすい大きさです。6速MTを組み合わせる「RS200」のエンジンは、最高出力154kW(210PS)/7,600rpm、最大トルク215.7Nm(22.0kgm)/6,400rpmの2.0L直列4気筒DOHCを搭載しています。排気量1.0Lあたりの出力が100馬力超という高出力型のエンジンであることが特徴です。駆動方式は、FR(フロントエンジン・リアドライブ)を採用しています。 扱いやすいボディサイズのFRスポーツセダン「アルテッツァ」は、2005年まで生産・販売され1世代で幕を閉じました。 スカイラインGT-R(BNR34) 日産 R34スカイラインGT-Rは、1999年にデビューした直列6気筒ツインターボエンジンを搭載し、スカイラインの名を冠した最後のGT-Rです。 ボディサイズは、全長4,600mm、全幅1,785mm、全高1,360mmで、ボディタイプは、2ドアクーペです。エンジンは、最高出力206kW(280PS)/6,800rpm、最大トルク392.3Nm(40.0kgm)/4,400rpmの2.6L直列6気筒ツインターボ「RB26DETT型」を搭載しています。トランスミッションは、6速MTが組み合わされており、駆動方式は、四輪駆動の「アテーサE-TS」で、四輪マルチリンクサスペンションを装備しています。 スカイラインのスポーツモデルであるR34スカイラインGT-Rは、1999年から2002年までというわずかな期間のみ生産・販売されました。 S2000(AP1) ホンダ S2000は、1999年に販売を開始したFRオープンスポーツカーです。 車種名の「2000」が示すように、エンジンは2.0L(2000cc)の直列4気筒自然吸気VTEC「F20C型」が搭載されています。最高出力は184PS(250PS)/8,300rpm、最大トルクは217.7Nm(22.2kgm)/7,500rpmです。1.0Lあたり125馬力を発生する髙回転・高出力エンジンで、駆動方式は縦置きエンジンで発生した動力を後輪に伝えるFRが採用されています。トランスミッションは、6速MTを組み合わせています。 2.0Lエンジンを搭載するS2000である「AP1型」は、1999年から2004年までの生産・販売となりました。2004年以降のS2000は、2.2Lエンジンに変更。型式も「AP2」に変わり、2009年まで販売されました。 MR2(SW20:2代目) トヨタ MR2は、1989年に販売を開始した2シーターのミッドシップスポーツカーです。 2代目MR2(SW20)では、トヨタのスポーツカーとして知られるセリカのエンジンを搭載しています。2.0L直列4気筒エンジンは、最高出力121kW(165PS)/6,800rpm、最大トルク191.2Nm(19.5kgm)/4,800rpmの「3S-GE型」自然吸気エンジンと最高出力165kW(225PS)/6,000rpm、最大トルク304.0Nm(31.0kgm)/3,200rpmの「3S-GTE型」ターボエンジンの2種類が用意されました。ボディサイズは、全長4,170mm、全幅1,695mm、全高1,240mmの5ナンバーサイズです。 また、リトラクタブルヘッドライトを装備した流麗なスタイルもMR2ならではの特徴です。初代にはなかった高出力なターボエンジンも用意していた2代目MR2(SW20型)は、1999年まで生産・販売されました。 シルビア(S15:7代目) 日産 7代目シルビア(S15)は、1999年に販売を開始した5ナンバーサイズの2ドアクーペのスポーツカーです。 ボディサイズは、全長4,445mm、全幅1,695mm、全高1,285mmと運転しやすい大きさです。エンジンは、2.0L直列4気筒で、最高出力121kW(165PS)/6,400rpm、最大トルク192.2Nm(19.6kgm)/4,800rpmの「SR20DE」自然吸気エンジンと最高出力184kW(250PS)/6,400rpm、最大トルク274.6Nm(28.0kgm)/4,800rpmの「SR20DET」ターボエンジンの2種類を用意していました。 駆動方式は、フロントにエンジンを搭載し後輪を駆動させるFRを採用。トランスミッションは、グレードによって異なりますが、4AT、5MT、6MTを用意しています。 7代目S15シルビアは、2002年まで販売されました。 AE86 トヨタ AE86は、1983年から販売を開始したスプリンタートレノ/カローラレビンです。型式のAE86から「ハチロク」の愛称で親しまれています。 特に人気が高いAE86は、最高出力130PS/6,600rpm、最大トルク15.2kgm/5,200rpmを発生する1.6L直列4気筒「4A-GEU型」エンジン搭載の「GT-APEX」です。駆動方式は後輪駆動のFRを採用しています。AE86は、1987年までの約4年間にわたり生産・販売されました。 販売が終了した現在でも、プロレーサーの愛車として知られていたり、漫画の主人公が乗るモデルとして知られていたりすることから高い人気を誇っています。 RX-8 マツダ RX-8は、自然吸気のロータリーエンジンを搭載するFR(フロントエンジン・リアドライブ)の観音開き4ドアのスポーツモデルです。 654ccのロータリーエンジンを2機搭載するRX-8のエンジンは、最高出力184kW(250PS)/8,500rpm、最大トルク216Nm(22.0kgm)/5,500rpmのハイパワーバージョンと最高出力154kW(210PS)/7,200rpm、最大トルク222Nm(22.6kgm)/5,000rpmのスタンダードバージョンの2タイプを用意していました。 ボディサイズは、全長4,435mm、全幅1,770mm、全高1,340mmとなっています。現在では、ロータリーエンジンを搭載する最後の車として高い人気を誇っています。

外車・輸入車の買取相場は高額なのか?旧車専門店が解説
旧車の魅力 2023.09.26

外車・輸入車の買取相場は高額なのか?旧車専門店が解説

昔から輸入車は売るとき安いと言われますが、ドイツメーカーの努力やニーズの高まりにより過去の話しになりつつあるようです。ここでは、旧車専門店の独自の解説で国産車とは違う相場事情や買取店のそれぞれの特徴について解説します。また、輸入車買取で決め手となるポイントについても紹介しますので、参考にしてください。 外車の買取は安いのか?国産車とは違う相場事情 「外車の買取は安いのか?」に対する答えは、ケースバイケースと言えます。但し、外車には国産車と大きく異なる相場事情があります。それは、年次改良を行い毎年イヤーモデルを発表することです。 国産車には基本的にイヤーモデルという制度はなく、仕様変更はマイナーチェンジの際に行われます。例えば、インプレッサ GDB型で見られた前期・中期・後期を見た目で区別した「丸目」「涙目」「鷹目」は、非常にわかりやすい例と言えます。それに対して外車は基本的に毎年マイナーチェンジが行われ2014モデル・2015モデルというように年式で区別されます。 つまり、年が変わると前年のモデルは新車で販売出来なくなり、売れ残った新車が登録済未使用車、いわゆる新古車として中古車市場に流れてきます。この台数が最も大きいのがBMWと言われていますが、当然のことながら買取相場を押し下げる要因になります。もちろん、バックオーダーを抱えるような人気モデルには当てはまらないケースであり、そのため外車の買取は安いのか?の問いに対する答えはケースバイケースと言えるのです。 因みに、スバルは伝統的にマイナーチェンジの他に年次改良を行いますが、前期・中期・後期の他にA~G型などと呼ばれています。 輸入車の買取相場が安いと言われる理由 外車の買取相場が安いと言われる理由はイヤーモデルだけではありません。 一般的に外車は国産車より需要が少ないと言われています。理由として故障が多く、そのために維持費が高くなることが挙げられますが、当然のことながら買取相場が安くなる大きな原因になります。 しかし、国産車よりも魅力的という点においては誰しもが認めるところであり、ドイツメーカーの地道な努力により、維持費の高さや故障の多さは過去の話しになりつつあるようです。 輸入車の買取店は、結局どこがいいのか? 外車の売却先と言われてディーラーの下取を思い浮かべる方は多いかもしれませんが、ラジオCMでよく聞く一括査定や大手買取店などを含めると多くの選択肢があるのが現状です。 ここでは、売却方法を6つに分けて特徴やメリットデメリットについて解説していきます。 自社ディーラー 自社ディーラーの買取は、いわゆる下取りということになりますが、ディーラーは同じメーカーの車種の乗り換えを行う分には、非常に強みを持っています。但し、認定中古車として再販出来ない年数が経った車や他メーカーのモデルに関しては、あまり期待出来ないのが現状です。 他社ディーラー 他社ディーラーの買取は、自社ディーラーと同様に正式には下取りとなります。下取り価格はよっぽど人気のある車種以外は可もなく不可もなくという査定結果になる可能性が高いと言えます。理由は、特にディーラー側にメリットがないためですが、ライバルメーカーのシェアを積極的に奪いにいっているメーカーであれば下取り価格も期待出来るかもしれません。 一括査定 一括査定は短時間で複数社の見積もりが集まりますので、買取額が比較しやすく、 1社のみの買取よりも高い金額で売却出来る可能性があります。しかし、鳴り止まない営業電話がユーザーを悩ませますし、そもそも輸入車に強い買取店が多くない現状もあります。 大手買取店 現在メジャーになっている大手買取店は、最も無難な選択と言えるかもしれません。特に店頭で査定を行う場合は査定スタッフが親身に相談にのってくれますし、初めて来店したユーザーにも丁寧に対応してくれます。そしてなによりも店舗数が多いため最寄りの店舗が見つかりやすいというメリットがあります。 外車買取専門店 外車買取専門店は、当然のことながら輸入車の買取に強みを持っています。具体的には、輸入車の確かなノウハウと豊富な買取実績です。 また、大手買取店が店頭買取を基本としているのに対して、外車買取専門店は出張買取をメインに買取を行っています。そのため地方のユーザーに喜ばれますし、1社のみが伺うケースがほとんどですので自宅でじっくりと価格交渉を行うことが出来ます。 番外編:旧車買取専門店 番外編の旧車買取専門店は、一般的な買取店では価格を付けることすら難しい車両の買取を得意としています。具体的には、1960年~1970年代の英国車の買取や買取額が2000万円を優に超えるような空冷ポルシェの買取です。 もちろん、ここまで特殊なモデルでなくても高価買取が可能ですが、2000年以前の輸入車と考えれば間違いないかもしれません。 輸入車買取で決め手となるポイント 輸入車の買取で決め手となるポイントは大きく2つに分けることが出来ます。ここでは、輸入車の専門知識や輸入車に強い流通ルートについて解説しますので、参考にしてください。 輸入車の専門知識 輸入車の売却先を決めるにあたって、輸入車の専門知識は最も重要なポイントと言っても過言ではありません。輸入車は例え国産車と同じやり方で査定をしたとしても修復歴の見方すらわからない場合があります。したがって、長年培ったノウハウと経験に裏打ちされた圧倒的な技術力が必要となりますが、輸入車の買取実績が豊富な業者を選ぶことがひとつの方法と言えるでしょう。 輸入車に強い流通ルート 圧倒的な技術力の次に必要となるのが輸入車に強い流通ルートです。輸入車に強い買取店であれば、自社販売はもちろんこと、同業者とのつながりや業者向けのオークションで売却する場合もあります。 そのため、買取った車の需要やニーズに合わせたルートで流通させられるので、より多くの利益を生み出すことが出来ます。つまり、その分だけ積極的な買取額を提示すること出来るのです。 年式の古い輸入車は、旧車買取専門店がおすすめ 輸入車の買取は、先述の通り専門的な知識が必要となりますが、古い輸入車にはさらに専門的な知識が求められます。特に1960年~1980年代のモデルには、相場などの情報がほとんどありません。 しかし、旧車買取専門店はなら独自のデータに基づいて、その時点でのベストな価格を提示することが可能です。もちろん、査定スタッフの高い技術力によりそれを実現させていることは言うまでもありません。 まとめ ここまで、輸入車の買取相場がが安いと言われる理由や買取店のそれぞれの特徴に解説してきました。輸入車には国産車とは異なる事情があります。 しかし、決して輸入車の買取が安いということにはならないことがご理解いただけたはずです。特に旧車はその傾向が顕著に表れます。 旧車や買取店の特徴を理解して上手に売却先を選びましょう。 [ライター/旧車王編集部]

自動車大国ドイツでもランドクルーザーはさすがの人気だった!
旧車の魅力 2023.09.21

自動車大国ドイツでもランドクルーザーはさすがの人気だった!

トヨタ ランドクルーザーは、半世紀以上にもわたって世界中で愛され続けており、トヨタシリーズにとって欠かせない存在となっている。 オフロードの先駆者でありながら、いかに伝説的かはいわずと知れたところだろう。 ドイツにとってのメルセデス・ベンツGクラス、アメリカにとってのジープ、イジリスにとってのランドローバー、そして日本にとってはランドクルーザーこそ、そのポジションに相当する。 そんな日本を代表するSUV・オフロード車であるランドクルーザーは、ドイツでどのように評価されているのか。 果たして人気はあるのか。 ドイツから現地調査を行った。 ■ランドクルーザー専門店を発見  現在、ドイツの大手中古車サイトには約800台のランドクルーザーが掲載されており、日本と比べると4分の1程度の台数となっている。 “クロスオーバーを購入するなら、メルセデス・ベンツGクラスか?トヨタ ランドクルーザーか” …という記事を度々見かけるが、正直な感想としてドイツにおけるGクラス人気は圧倒的であり、販売台数や市場規模から比べてもGクラスの圧勝だろう。 日本やアメリカと比べるとまだまだ台数が少ない印象だが、そんなドイツにもランドクルーザー専門店は存在する。 先日シュツットガルトで行われたクラシックカーの祭典には、70系ランドクルーザーを中心としたレストア車が複数台展示されていた。 1951年に登場して以来、長い間愛されて続けてきた歴史あるモデルだけに、一定数の愛好家はいるようだ。 ■1番人気は70系ランドクルーザー トヨタ ランドクルーザーは、誕生から72年間、170か国以上で1,100万台以上も販売されている。  何十万キロにも上る道路を悠々と走行し、自動車の歴史のなかでその独自の地位を証明した。 そのエキサイティングで多様な歴史により、この車輌は世界で最も有名なモデルの1つとなった。 一言でいえば、トヨタ ランドクルーザーはカルトである。 その長い歴史のなかでも特に人気が高いのは、1980年から1989年にかけて生産された、70系ランドクルーザーだ。 クラシックな丸型のヘッドライトに角張ったボディが特徴的で、まるでGクラスと兄弟車であるかのような力強いデザインとなっている。 また、相場も30,000ユーロ〜50,000ユーロ(日本円で約500万円〜800万円)と、クラシックモデルとしても非常に高価な部類である。 ■ドイツでの評価ポイントは? 実際にランドクルーザーを購入した人のほとんどが、故障が少ない信頼性を重視したパターンが多いようだ。 正直、見た目やステータス、内装の豪華さなどは欧州車に劣る部分がある。 カッコ良さやステータスを重視した場合、Gクラスやランドローバーを選ぶ人が多いようだ。 しかし、価格は新旧モデルどちらも高めの相場設定となっており、現行の新型ランドクルーザー(J30)にいたっては、平均価格が175,000ユーロ(日本円で約2700万円)と、非常に高額である。 60系や70系ランドクルーザーの人気モデルでも、低走行で状態の良いモデルになると50,000ユーロ(日本円で約800万円)にもなるため、間違いなく高級車のカテゴリーとなるだろう。 中東やアフリカでは多くのランドクルーザーが市場に出回っているが、ヨーロッパ国内では比較的少ないイメージで、その希少性から値段の相場が上がっていることが予想される。 また、一部のコレクターにとって、状態の良い旧型ランドクルーザーは垂涎モノであり、ドイツにもそのコレクターが数多く存在する。 やはり世界的にも評価されているランドクルーザーは、ドイツでもさすがの人気といったところだろう。 また、ドイツでは2024年3月に、旧型のデザインと最新のテクノロジーを融合した新型ランドクルーザー『250』の導入が予定されており、ネット上でも愛好家たちが今か今かと待ち侘びているそうだ。 トヨタ ランドクルーザーほど長い歴史を誇る自動車は多くない。 15世代を超え、無数のバリエーションがあり、70年以上にわたり車輌の歴史を刻んできた。 すべてのランドクルーザーには、妥協のない信頼性という共通点があり、それこそがドイツ国内でも評価されている所以なのだ。 [ライター・画像 / 高岡 ケン]

ボルボ P1800は半世紀以上前のクルマなのに現役! イメージとは異なるもう1つのボルボ
旧車の魅力 2023.09.19

ボルボ P1800は半世紀以上前のクルマなのに現役! イメージとは異なるもう1つのボルボ

ヘッドライト上部の盛り上がったラインが、ボディ後端部のフィンまでつながるクラシックカーらしいデザイン。ボルボ P1800は、1960年代に登場したボルボ初の本格スポーツクーペです。 現在のボルボとはイメージの異なるスタイリングの一方、伝統的な高い耐久性を持ち合わせるP1800の魅力をモデル変遷も含めて詳しく紹介します。 空飛ぶレンガとはまったく違う流麗なボルボ ボルボの代名詞といえば、1980年代に発売された「空飛ぶレンガ」の異名で知られる240ターボです。直線基調で大柄、いかにも頑丈そうなスタイリングが人気を集めました。 しかし、240ターボ発売から遡ること20年余り。1960年代にボルボは、流麗なボディラインをもつ、いかにもクラシックカーらしいスポーツクーペを登場させます。 12年間にも渡って生産された、ボルボ初の本格スポーツクーペ、P1800の開発背景を振り返ってみましょう。 ボルボ初の本格スポーツクーペ 1961年に登場したP1800は、ボルボ初の本格スポーツクーペとして4年の歳月をかけて開発されました。実は、ボルボはP1800以前にもオープンスポーツの開発を手掛けていましたが、さまざまな問題から生産はわずか67台(68台の説もあり)に留まり、1年限りで生産終了してしまいます。 シャシーをはじめ、多くの部品を当時ボルボが販売していた中型車アマゾンから流用する一方、ボディとエンジンはP1800用に新開発しました。特にボディデザインにはこだわり、デザイナーにマセラティミストラルやクアトロポルテを手掛けたピエトロ・フルアを起用。当時のボルボのイメージを一新する、流麗なボディラインが特徴的です。 また、エンジンには、最高出力100馬力の新開発のB18型を搭載しました。デザイン性だけではなく、本格スポーツクーペとして高い走行性能を誇るモデルです。 高い耐久性はボルボの伝統 耐久性の高さも、ボルボP1800の大きな魅力です。1950年代から製造されているベースの中型乗用車アマゾンは、すでに耐久性に定評がありました。 また、P1800が残した記録からも、その耐久性の高さがうかがえます。個人が1台の乗用車で走行した距離の世界記録として、2013年9月に300万マイル(約480万km)の走行距離がギネス認定されました。1966年製のP1800を50年近く走らせ続けたという、驚くべき記録です。 ボルボの代名詞にもつながった4種のP1800 P1800は1861年の発売以来1973年の販売終了までに、スポーツクーペとして3モデルをリリース。さらに、ボルボの伝統へつながる派生車種も、生産終了間際まで意欲的に開発が続けられました。 P1800シリーズとして登場した4モデルについて、変遷と特徴を紹介します。 P1800(1961〜1963年) 1961年、最初に登場したモデルがP1800です。ヘッドライトからリアフィンへとつながる流れるようなボディラインが特徴的で、最終型まで基本的なスタイリングは変わりません。 なお、ボルボはスウェーデンの会社ですが、初期モデルはイギリスのプレスト・スチール社とジェンセン モーターズ社で生産されていました。 P1800S(1963〜1969年) P1800Sにモデルチェンジしたのは、発売から2年後の1963年でした。イギリスでの生産で問題が生じたことが、モデルチェンジの理由の1つです。品質や物流といった問題が常に発生していたうえ、2社は改善する意欲がなかったといわれています。 そこで、ボルボのお膝元スウェーデンでの生産に切り替えました。P1800Sの「S」は、スポーツの頭文字がイメージされますが、実は「スウェーデン」を表しています。 外観上はほとんど変わりませんでしたが、エンジンは108馬力に出力を向上。さらに、1968年にはエンジンを2Lに拡大し、118馬力にまで出力が高められました。なお、エンジンが拡大された後も、車名は「P1800S」から変更されませんでした。 P1800E(1970〜1972年) P1800Eへのモデルチェンジでは、エンジンが圧倒的な進化を遂げます。従来のツインキャブを近代的なEFI(電子制御燃料噴射)に変更。最終モデルでは、130馬力まで一気に出力を向上させました。 P1800ES(1972〜1973年) P1800シリーズ、モデル最終年に登場したのがエステートモデルのP1800ESです。「エステート」とは「ステーションワゴン」の欧州名で、2ドアクーペではなく3ドアハッチバックにボディスタイルを変更しました。 フロントからキャビンに至るボディラインはクーペタイプを踏襲しつつ、自然な形でボディ後端のデザインをステーションワゴンスタイルに改めています。ボルボといえばステーションワゴンという伝統の、先駆けとなったモデルです。 半世紀以上前のモデルなのに現存台数も多い 「質実剛健」というボルボの代名詞の礎となったP1800シリーズは、累計4万7,492台が生産されました。1966年モデルを乗り続けていた人が2013年にギネス記録を樹立したように、クラシックカーでありながら現役ともいえるモデルです。 一方で、やはり50年前の車種ということで、メンテナンスは欠かせません。また、売却する際は、単に旧車としてではなく「現役車輌」としての価値と、「クラシックカー」としての希少性を正しく評価してもらうことが重要です。P1800を購入、売却をする際は、必ず専門業者に相談しましょう。

1990年代名車&迷車烈伝Vol.08 スズキ「2代目エスクード」まっとうゆえの葛藤とともに
旧車の魅力 2023.09.19

1990年代名車&迷車烈伝Vol.08 スズキ「2代目エスクード」まっとうゆえの葛藤とともに

三菱「パジェロ」や日産「テラノ」、いすゞ「ビッグホーン」を始めとした、クロスカントリー4WDがRV(レクリエーショナル・ビークル)として一時代を築いたのは、1980年代後半のこと。 1990年代に入ると、さらなる高性能化や高級化が求められ、それらの車種は次世代型へとモデルチェンジしていきました。 今回のテーマ車となるスズキ「エスクード」も、まさに1980年代後半に生まれ、1990年代にフルモデルチェンジを実施した“あの時代”のクルマです。 ▲2代目エスクード前期 初代モデルは1988年、パジェロやテラノよりも小さなボディに1.6リッターエンジンを搭載して登場。 扱いやすいサイズと手頃な価格から、(特に5ドアの「ノマド」が加わって以降)大ヒットモデルとなりました。 「ならば、2代目もさぞかしヒットしたのでは?」と思うでしょう。 しかし、そううまくいかないのが、激動の1990年代というものです。 フルモデルチェンジのタイミングが1997年と少々遅く、“クロカンブーム”が衰退期に入っていたうえに、キープコンセプトで新しいチャレンジに乏しかった2代目は、エスクードを名車から迷車へとその存在を変えてしまったといえます。 ■ヒットした初代のイメージを踏襲するが・・・ 1.6リッターの3ドアから始まり、5ドアを追加。 モデルライフ後半にはボディをワイド化した2.0リッターのディーゼルとガソリン(V6だった!)をラインナップに加え、さらに排気量を2.5リッターに拡大するなど(スズキ初の3ナンバー車に!)、パジェロ顔負けのバリエーションを誇った初代エスクード。 ▲初代エスクードノマド 2代目もこの流れを汲み、ホイールベースの異なる3/5ドアボディに4気筒1.6リッター/2.0リッター、V6 2.5リッター、2.0リッターディーゼルと多彩なラインナップで登場しました(脱着式トップを持つレジントップは廃止)。 デザインは、グリルと一体感を持たせたヘッドランプやブリスター形状のフェンダーなど、初代からのモチーフを踏襲。 1980年代らしい角ばったスタイルが、1990年代らしく丸っこくアレンジされました。 そう、2代目エスクードは、“ヒットした初代の後継”として、ごくまっとうな姿と中身で登場したのです。 では、なぜ迷車となっていったのでしょうか? ▲2代目エスクード前期 それは、スタイリングを見ればわかるでしょう。 初代モデルは潔いほどに直線的で、「上質さ」や「高級感」とは無縁ながら、クロスカントリー4WDらしさの中にアーバンなイメージを溶け込ませた、絶妙な世界観を持っていました。 それに対し2代目は、先の「上質さ」や「高級感」を求めたばかりに、キャラクターがボヤけてしまったのです。 外観と同様に曲線を取り入れたインテリアも、かえって安っぽさを感じさせる結果となってしまったといえます。 木目調パネルなどで飾ったところで、本質は変わりません。 しかも、このころにはトヨタ「RAV4」を筆頭とした、乗用車のような感覚で乗れるライトクロカンが登場しており、アーバンなイメージのコンパクト4WDへのニーズはそちらへシフト。 本格的なオフロード走破性を持つエスクードは、クルマそのもののキャラクターは変わらずとも、市場の中ではマニアックなクルマへと存在感を変えていたのです。 クルマそのものは(少々質感は低くても)決して悪くなく、時代の流れを見誤ったというのが、迷車への入口となったといえます。 ■3列シート7人乗り「グランドエスクード」も登場 それでも、グローバルで見れば小さなオフロード4WDへの需要は少なからずあり、エスクードは進化を続けます。 2000年には、ホイールベースを延長し、2.7リッターのV6エンジンを積んだ、7人乗りの「グランドエスクード」を発売。 北米でも「XL-7」の名で販売されました。 ▲グランドエスクード前期 スズキとしては意欲的なモデルだったものの、全長4640mm×全幅1780mmというボディサイズは、パジェロや「ランドクルーザープラド」に近く、7人乗りの4WD車を求める層にとって、あえて選ぶ理由に乏しかったのも事実。 マイナーチェンジで内外装の大幅なデザイン変更を行うものの、手を加えれば加えるほど“エスクードらしさ”から遠ざかってしまうという、ジレンマを抱えることになっていきました。 ▲グランドエスクード後期 そしてエスクードは、2005年に3代目へとフルモデルチェンジ。 それまでのラダーフレーム構造から、ビルトインラダーフレームというラダーフレームとモノコックの中間的な構造へと成り立ちを変え、スタイリングも初代に立ち返ったようなシンプルなデザインへと、時代のニーズにあった姿形へと生まれ変わります。 2023年現在、販売されているエスクードは2015年に登場した4代目で、こちらはFF(前輪駆動)ベースのモノコック構造に。 ハイブリッド仕様も用意し、グローバルで展開されています。 ■試行錯誤の中で生まれた必然 1997年に登場した2代目エスクード。 そのスタイリングやメカニズムを深く見ていけば、「よく考えられたクルマ」であることは明らかです。 それでも、どこか中途半端な存在で終わってしまった要因の多くは、発売のタイミングが遅きに失したからでしょう。 たしかに、スタイリングに初代ほどのインパクトはないし、内装は凡庸で、RAV4をはじめとしたライバルを圧倒するものでなかったことは否めません。 でも、2代目エスクードとして考えると、この形は必然だったと思わざるを得ないのです。 ▲3代目エスクード ジムニーが先代JB23を挟んで現行のJB64で突き抜けたように、ヒット作の次のモデルは難しく、迷車化しがちなタイミングというはあるもの。 仮に自分がスズキのエンジニアで、「エスクードの2代目を作れ」と命じられたら、初代をまっとうにアップデートした同じようなクルマを企画したことでしょう。 初代ほどのインパクトは残せなかったとしても、やはりこの2代目エスクードなくして、3代目以降へと名を残すバトンはつなげなかったはず。 試行錯誤の中で生まれ、モデルライフのなかでも試行錯誤を繰り返し、21世紀へとバトンとつなぐ。 1990年代ならではの迷車性が、ここにあります。 [ライター・木谷 宗義 / 画像・スズキ]

MT車の中古車が高騰中?!操る楽しさが価値になるMT車の買取り事情を解説
旧車の魅力 2023.09.11

MT車の中古車が高騰中?!操る楽しさが価値になるMT車の買取り事情を解説

かつて乗用車の主流だったMT(マニュアルトランスミッション)車は、現在希少価値が高くなっているため、価格が高騰しています。また、MT車には根強いファンがいることも関係しているでしょう。今回は、操る楽しさを感じられるMT車の魅力や中古車事情について解説。MT車の売却するときの参考にしてみてください。 MT車は高騰している? MT車の買取価格は、車種によって異なるものの、スポーツモデルであれば高値になることがほとんどです。MT車は、自分で車を操っている楽しさを感じられるため人気があります。 また、近年ではAT(オートマチックトランスミッション)を搭載しているスポーツモデルも増えてきました。このようなスポーツカー事情の変化からも、MT車のスポーツモデルの希少価値が上昇しているのです。 MT車の魅力 MT車は、どのようなところに魅力があるのでしょうか。ここからは、MT車の魅力を解説します。 ギアを自由に選択できる MT車は、ギアを自分で変えられることが魅力です。つまり、速度や道路状況に合ったギアを自分の意思で選択できます。そのため、速度調整や加速などのコントロールがしやすいことが特徴です。 AT車のようにギア切り替えのときの違和感が少ない 変速時の違和感がないのもMT車の魅力です。 AT車の場合、トランスミッションの種類にもよりますが、思わぬところで変速したり、ぎこちないギアチェンジによって変速ショックがあったりします。 一方、MT車であれば自分の意思でギアを変えられるため、予想外の変速をすることがありません。 近年のAT車は、技術の進歩や多段化などによって、違和感なくスムーズな変速ができるようになっています。しかし、ドライバーの意思通りに動かすことができるMT車のような操っている感覚はありません。 車を自分で操る楽しさや思い通りの加速やギアの選択ができるということがMT車の魅力といえるでしょう。 MT車で苦労すること ここからは、MT車で大変なことや苦労することについて紹介します。MT車を検討するときの参考にしてみてください。 ペダル操作が忙しい MT車は、ギアチェンジを自分で行うため、クラッチペダルやアクセルペダルなどを頻繁に操作しなければなりません。 AT車であれば、アクセルペダルを踏み続ければ加速やギアチェンジをしてくれますが、MT車の場合はギアチェンジの度にクラッチペダルを踏むと同時にアクセルペダルを戻したり、ギアチェンジ後にクラッチペダルを徐々に戻したりする必要があります。 そのため、AT車に比べるとペダル操作が忙しいといえるでしょう。 シフトの操作ミスによるエンジンブロー MT車は、ギアチェンジの操作ミスをするとエンジンブローする可能性があります。 特に気を付けなければならないのは、シフトダウンをするときです。シフトダウンをするときに、4速から3速に入れようとして、誤って4速から1速に入ってしまうとエンジン回転数が急上昇すると同時に強いエンジンブレーキがかかります。 エンジン回転数が急上昇するとエンジンブローする危険があるため、シフト操作ミスには十分に気を付けなければなりません。また、急なエンジンブレーキがかかってしまうと急に速度が落ちるため、追突されてしまう危険性もあります。 MT車のシフトチェンジミスには十分に気を付けましょう。 どんなMT車が高騰している? 価格が高騰しているMT車は、運転の楽しさを追求したスポーツカーやスポーティなモデル全般です。 スポーツカーに分類されるトヨタ スープラや日産 フェアレディZなどのMT車は、中古車市場で高値で取引される傾向にあります。また、軽自動車のスポーツモデルやスポーティなハッチバック(通称:ホットハッチ)のMT車も車好きや運転好きの人たちから支持されているため、買取額が高値になりやすいでしょう。 MT車のスポーツカーまたはスポーティモデルは、AT車にはない操る感覚やドライバーの意思で車を動かす楽しさがあるため、中古車市場で人気なのです。 MT車を高く売るためのポイント MT車を高く売るためには、業者選びや車のメンテナンスなどが重要です。ここからは、MT車を高く売るためのポイントを3つ紹介します。 MT車の買取が得意な業者に相談する MT車を高く売るためには、MT車の買取やスポーツカー・スポーティなモデルの買取を得意としている業者に相談することがポイントです。 買取業者は、日頃からさまざまな車を査定をしているものの、得意とする車のジャンルや車種があります。MT車のスポーツカーやスポーティなモデルの買取を得意としている業者であれば、他の業者よりも高値で売却できるでしょう。 メンテナンスを欠かさない MT車は、クラッチをはじめとした機械系のメンテナンスを確実に行っておくと高く売れるでしょう。 MT車のクラッチは、使用していくと磨耗する部品です。そのため、いつでも優れた走行性能を発揮できるよう、機械系のメンテナンスを欠かさないようにしておきましょう。 また、メンテナンスした記録を残しておくと、買取時にプラス評価になることもあることから、記録簿(メンテナンスノート)は残しておくことをおすすめします。 小さな傷は修理しない方がいい ボディやバンパー、シフトノブやインパネなどの付いてしまった小さなキズは修理せず、そのまま査定してもらうことをおすすめします。 キズを修理しておくと高く評価されるのは間違いありませんが、修理にかかった費用分を超える金額が査定額に上乗せされる可能性はほとんどありません。 そのため、キズが小さい場合は、修理せずそのまま査定した方がよいでしょう。

憧れはやっぱり3BOX?アジアのネオクラシックセダンを振り返る。~台湾編~
旧車の魅力 2023.09.14

憧れはやっぱり3BOX?アジアのネオクラシックセダンを振り返る。~台湾編~

■台湾で独自進化したセダン達 クルマは一家に一台! そんな感覚も日本ではもはや過去のものになりつつあるが、海外を見ればまだやっとクルマを初めて手に入れることができる家庭も少なくない。 かつての日本も、高度経済成長期のころはクルマの存在は高嶺の花であり、憧れの対象だった。 それを象徴するかのように、各車のグレード名も”スーパーデラックス”や”ロイヤルサルーン”などなど…。 とにかく凄く良いクルマを所有することができたことを実感できる、そんなネーミングが多かったように思える。 ほんの20年位前まで、あるいはまだ進行形なのかもしれないが、アジアの国々で良いクルマの象徴といえば、セダンという見方がまだ強かったと思う。 上を見ればショーファードリブンなクルマたちもいるが、オーナーカーとして手に入れられるクルマで、高級さやスポーティーさの雰囲気を味わうことができるのは嬉しいことだ。 特にそれらが凝縮された3BOXの車種には、色濃く現れていると感じる。 アジア各国の90年代から00年代にリリースされた車種を振り返ってみても、そのラインナップの豊富さは市場を席巻していたことをありありと示しているし、何よりその国々のクルマにまつわるトレンドが見えてくるかのようで興味深い。 今回は、日本からアジアの国々に輸出されていたセダンにフォーカスして紹介してみたいと思う。 といってもその車種群は幅広く、あまりにも数が多いので、少しづつピックアップしていこうと思う。 今回は台湾を走っていたトヨタのセダンを、ごく一部だが取り上げてみよう。 ■小さくてもラグジュアリーに...異なる仕立ての雰囲気! まじめな作りの、壊れない日本車の代名詞といえばやはりトヨタのブランド力は強い。 それは台湾という国の市場でも同じだ。 日本では90年代当時、100万円以下で購入できたエントリーセダンのひとつに、トヨタ ターセルがある。 北米でもバジェットカーとして、まるでゲタ感覚で乗りつぶされることも多かったが、20年以上が経過した今でも時折その姿を見ることができる。 その生命力はシンプルな装備類と頑丈なエンジンの組み合わせの賜物であるが、便利で飽きの来ない実直さもオーナーに愛される理由の一つだろう。 台湾仕様のターセルといえば、日本や北米の仕様よりは少しグレードの高いものだ。 現地法人の国瑞汽車で生産されていた台湾仕様のターセルは、フェイスリフト時にメッキのフロントグリルが装着されたり、専用のバンパーやレザーシート、LEDメーターパネル、木目調パネルの採用などグレード感漂うものだ。 日本国内では1999年に生産を終了しているが、台湾仕様は2003年まで生産を続け、需要に合わせた独自進化をしていったといえるのではないだろうか。 似たように、独自進化っぷりで興味深いのはコロナ・プレミオだ。 日本でいうところのT210型、6代目コロナは名前こそ同一であるが、外観の差異は小さくない。 先述のターセルと同じように、マイナーチェンジが進むほど豪華さを増していったプレミオは、フロントグリルやバンパー、リアランプのメッキモールの縁取りをこさえ、もはやクラスを越えて日本のクラウンのような印象すら感じる。 近年ではだいぶ街中ですれ違う機会も少なくなりつつあるが、それでも当時の販売台数が少なくなかったことを感じさせるものだ。 ■これはUSDM?アジアですれ違う意外な仕様 では、ターセルとコロナ・プレミオの中間を担うカローラも、物凄くリッチな仕様なのでは...?と想像していると、意外な姿を見かけることになる。 例えば日本の90系、100系、110系に相当する台湾仕様のカローラは、北米仕様をほぼそのまま販売していたのである。 そのため、サイドマーカーに5マイルバンパー、90系や100系ではマイルメーターまで装備されている時代もあり、台湾にありながらもアメリカのベーシックカーらしい雰囲気がさらに強まっている。 もちろん台湾独自のグレードも存在しているのだが、車種自体がよりアジアらしい雰囲気が強まるのは、2000年代に入って120系のカローラ・アルティスがリリースされてからといえよう。 この現象は、上位車種のカムリにも同様のことがおきている。 特に筆者がカッコいいと思うのは、日本名トヨタ セプターセダンが、そのままカムリとして台湾市場では販売されていたことだ。(当時、北米では台湾と同じようにカムリとして販売されていた) どちらの車種も、2018年ころの渡航時にはまだ街中で見ることができ、ゴージャスないでたちのトヨタ車と北米ベーシックな雰囲気のセダンが、同じブランドのショールームから販売されていたことを考えるとかなり面白い。 この現象は実はトヨタに限ったことではなく、現地法人が力を入れて生産する車種と、海外からそのまま輸入してくる車種が入り乱れた結果が現れている。 近年でも、独自進化系の車種をラインナップを有するブランドは継続して台湾に存在しているので、もし渡航する際は調べてみると面白いだろう。 [ライター・撮影/TUNA]

日本ではあり得ない!イタリアの交通事情について
旧車の魅力 2023.09.13

日本ではあり得ない!イタリアの交通事情について

イタリアは古代ローマの歴史と山と海に囲まれた自然豊かなとても美しい国で、古今多くの旅行客を魅了させてきました。 日本からもイタリアに旅行される方は多いと思いますが、ツアーや電車、バスの移動ではなく、クルマでしかアクセスできないビーチや湖、スキー場など、自由に回りたいと思われたことはありませんか? そこで今回は、イタリアをクルマで旅行する際に是非知っておいて頂きたい、日本人からしたらそんなことあり得るの?!という常識をシェアしたいと思います。 まずは基本情報から。 イタリアでは日本の運転免許証を所有している方ならば、日本で「国際運転免許証」を発行すれば誰でも運転することができます。 クルマは左ハンドルで右側通行。 そのため高速道路は日本とは逆で、左側が追い越し車線になっています。 また、イタリアでは大半がMT車になるので、レンタカーもAT車を見つけることが困難、もしくは値段が高い可能性があります。 超基本的なことはそのくらいで、以下はもう少しディープな内容をお届けします! ■あり得ない!?日本人には理解不能なイタリアの道路事情 ●ランナバウトが多すぎる 基本的にどこへいっても信号機の代わりにランナバウト…しかしこのランナバウトがかなりやばい…。 街中にあるランナバウトの場合、写真のようにランナバウトを抜けたすぐ先に横断歩道があり、ランナバウトを抜けたからといって安心してスピードを上げると超危険。 特に南イタリアのはランナバウト内で渋滞が発生しクラクションの音が鳴り響き、えらいこっちゃになっていました。 もはや信号機設置すれば?と突っ込みたくなります。 ●一般道路でも追い越しは当たり前 高速道路での追い越しは当たり前ですが、一般道路でも安全な速度で走っていると、よく後方車に追い越されます。 危険な追い越しをする人も多いので、のろのろではなく、追い越しされないような適切な速度で走ることも、イタリアでは大切です。 ●信号のない横断歩道が沢山! 日本と比較すると、イタリアは歩行者用横断歩道の信号機が付いていないことが多いので、横断歩道手前に歩行者や自転車が待っていたら必ず止まりましょう。 歩行者用の信号がない故か、イタリアでは日本より歩行者優先が根付いていると感じます。 ●ウィンカーを使わない人が多い 面倒なのでしょう、ウィンカーを使わない人が多すぎます! そのため、予期しないところでいきなり右左折するクルマが多いので、気を付けてください。 また一般道路だけではなく、高速道路の車線変更時にもウィンカーを使わないクルマが散見されますので、「周囲のクルマはもしかしたら右左折、車線変更をするかも」と常に念頭に置いて運転すると良いと思います。(南に行けば行くほどウィンカーの使用頻度は下がります…) ●荷物はクルマの中に置きっぱなしにしない トランクにトノカバーが付いていれば、荷物をそちらに隠せばよいですが、外から荷物が見えてしまう場合は必ず荷物はホテルに置くか、持ち歩くようにしましょう。 窓ガラスを割られ、荷物を取らる危険性があります。 私の友人は昼中であったにもかかわらず、窓ガラスを割られ、パスポートなどが入ったカバンとカメラを持っていかれたことがあります。 ■怖そう?でも優れている点だってちゃんとある! ここまでイタリアの悪口のようになってしまいましたが、良いところも少し紹介したいです! ●渋滞の時は日本と同じでハザードランプで後方車に知らせる 規則としてはどこにも載っていないですが、日本と同様、前方に渋滞が確認できた場合はハザードランプで後方車に知らせます。 ●イタリア人は皆縦列駐車のプロ イタリアは建物を建てようとしたら遺跡が発掘され、工事ができない等という話をよく聞きます。 そのため地下駐車場や立体駐車場はなかなか見つけることが困難です。 そこでイタリア人は路駐をすることが多いため、自然と縦列駐車が得意になるのでしょう。 時には車間距離が数センチで駐車されているクルマもあり、どうやってここから出るんだ…と真相は謎につつまれたまま。 イタリアで運転する予定がある方は、縦列駐車を事前に練習すると良いと思います。 イタリアのアパートメントには駐車場がないところも多く、以下写真のようにアパートの横に路駐というのが一般的です。 さらにこちらは両側に路駐しているので、道幅がかなり狭まってしまっています。 イタリアでは道路も立派な駐車場です(笑) ●駐車スペースの色分けには意味がある! さて、イタリアでは駐車スペースが3色に分けられています。 黄色:そこの建物に住んでる方限定の駐車場(駐車禁止です) 青:お金を払えばだれでも駐車可能。ただし祝日や週末、時間帯によっては無料になる場合がある 白:誰でも無料で利用可能な駐車スペース というふうに、3色に分けられています。 白の駐車スペースを見つけることができれば一番無難ですが、青しかない場合は、下記画像の機械を使って駐車チケットを購入し、チケットは車のフロントガラスから見える位置に置きましょう。 もし警察が見回りに来た際にチケットがないと、罰金を課せられてしまいます。 ●ゲートの前や、出入り口には絶対に駐車しない ウィンカーは使わないのに、これだけは徹底しているイタリア人。 縁石ブロックが一段低くなっているところには、家のゲートやお店の出入り口があるので「縁石ブロックが一段低くなっている=車の出入りが予想される」ということで、縁石ブロックが一段低くなっているところには駐車しないのが基本です。 ラッキー空いている!と思って駐車する前に、縁石ブロックが一段低くなっていないか確認してみてください。 ●初心者の見分け方 例の日本の初心者マークは存在しませんが、いわゆる初心者、あるいはまだ免許は取得していないけど、実道路で練習中の場合、「Principiante」(初心者)の頭文字をとった「P」が手書きされた紙を車輌に貼り付けることになっています。 なので、下記の画像のように「P」が貼られたクルマを見つけた場合は、手加減してあげてくださいね。 ■Boun viaggio! イタリアで運転予定のあなたへエールを さて、現地の生々しい交通事情を包み隠さずお伝えしましたが、イタリアで運転する勇気は湧きましたでしょうか。 イタリアはもちろん有名な都市同士は公共交通機関でスムーズな移動が可能ですが、ツアーではなかなか行けない地に不自由なく気軽に行きたい場合、クルマは必需品となります。 イタリア旅行で運転される際、上記の内容をもとに事前にイメージトレーニングをし、安全な旅行になるように祈っています! Boun viaggio!  [ライター・画像 / PINO]

18年・33万キロを駆けぬけてきた愛車、ホンダS2000の3つの魅力とは?
旧車の魅力 2023.09.07

18年・33万キロを駆けぬけてきた愛車、ホンダS2000の3つの魅力とは?

運転免許を取得するまで、クルマにまったく興味がなかった筆者。 運転はむしろ苦手で当初はAT限定免許を取得。 そんな自分がS2000を愛車とし、20年近く所有している。 「嫌い」が「好き」に変わった。 これは人生でもベスト3に入るほどの謎だ。 S2000はクルマの愉しさを教えてくれ、今も充実したカーライフを与えてくれている。 ■発売から25年が経過したホンダ S2000 S2000はホンダ創立50周年記念車として1999年4月に発売、2009年まで生産された。 ホンダ伝統のオープンスポーツモデル「Sシリーズ」の系譜を受け継いでいる。 キャッチコピーは「リアルオープンスポーツ」。 オープンカーでありながら「サーキットが本籍」というほどの、高い走行性能を備えている。 ▲駆動方式はFR。50:50の理想的な車体重量配分を実現した 生産終了から15年が経とうとしている今でも多くのファンに愛されているのは、量産車でありながら量産車にはない「車格を超えた存在感」があるからではないだろうか。 日常生活でもサーキットでも、乗る人の心を解き放ってくれるS2000。 これまで過ごしてきた日々とともに、筆者なりに感じた魅力を振り返ってみたい。 ■S2000との出会い 筆者が1999年式の初期型(前期型/AP1)を所有し始めて、18年を迎えた。 ボディカラーはグランプリホワイト。 手に入れた当時4万5000キロだったオドメーターは、33万キロに迫っている。 S2000が発売となった1999年当時、筆者はシビック・クーペに乗っており、クルマに興味を抱き始めたばかり。 同じホンダの最新スポーツカーだったS2000も自然とチェックした。 ホンダの公式サイトにはS2000専用コンテンツが開設され、ドアの開閉音やエンジンサウンドなどの音声サンプルも聴くことができた。 また、オーナーがカーライフを投稿するコンテンツ「愛車自慢」にもS2000の投稿が増えていた。 あるオーナーの投稿の「山頂まで走り、S2000で車中泊をしてご来光を拝んだ」という内容がきっかけで、S2000との暮らしを妄想するようになった。 「いつか手に入れたい」という気持ちが生まれ、S2000に傾いていく。 ■所有して感じたS2000の魅力 【魅力1】官能的なF20C型エンジン 昨年、大規模なリフレッシュを決行した。 経験豊かなショップ「ComeTec」とご縁があり、エンジンを修理していただいた。 心から感謝を伝えたい。 慣らし運転を終え、何の不安もなく高回転まで回せるようになった。 S2000に乗る喜びを噛みしめている。 オーバーホールでは、劣化したエンジンまわりの部品がほぼすべて交換となった。 使われた部品は貴重なストック部品だった。 なかでもエンジンハーネスは、今後供給が危ういとされる部品のひとつと考えられる。 ストックしておくのがおすすめだ。 ●16年目・25万キロ超え。愛車ホンダ S2000のエンジンをリフレッシュhttps://www.qsha-oh.com/historia/article/nozuru-s2000/ ▲2LのNAエンジンながら最高出力250馬力を誇るF20C。高回転エンジンのため慴動部が多く複雑な構造をしている[写真提供 / ComeTec] S2000の大きな魅力はエンジン。 AP1に搭載される直列4気筒DOHC VTECエンジン「F20C」は、S2000のために専用開発された、9000回転を許容する超高回転型だ。 VTECが作動し、レッドゾーンに向けてドラマティックに盛り上がる様子は音楽を奏でているようで「心に語りかけてくる感覚」を覚える。 全開にした際の加速感も痺れるが、巡航状態からアクセルを踏み込んだときの機敏な反応も「エスとひとつになっている」というしみじみとした感動を与えてくれる。 【魅力2】オープンカーで良かった S2000に乗って魅力を感じた点のひとつがオープンカーであること。 最初はオープンカーに憧れていたわけではなかったが、当時装着していたハードトップを外し、オープンエアを感じた瞬間に世界が変わった。 風に包まれる感覚、ダイレクトに聞こえるエンジンサウンド。 海沿いや林道を走るときはオープンに限る。 景色、匂い、温度、音の変化を感じながら走るのが心地いい。 オープンカーがこんなにも五感を刺激するクルマだったとは。 オープンドライブ後に飲むビールも心満意足なのだ。 ▲ハイXボーンフレーム構造によって、クローズドボディと同等の剛性を実現。電動ソフトトップは6、7秒で開閉する 【魅力3】操る愉しさと難しさが同居する S2000は、誰でもある程度楽しく走らせることができる。 道をトレースするように、イメージ通りに曲がっていく。 ただ、調子に乗っていると途端に牙を剥く。 10年ほど前、ワインディングで事故を起こしたS2000(初期型)の救出に仲間と駆けつけたことがある。 オープンの状態で横転しており、ドライバー本人は道路と座席の隙間にうまく入り込んで無事だった。 運良く小柄な体型だったことと、ハイXボーンフレームが命を救った。 事故を起こしたのは、運転歴が浅く、若いオーナーだった。 彼の仲間がいうには「運転がうまくなったと褒められて有頂天になり、勢いよく走り出してまもなくクラッシュした」とのことだった。 そもそも公道でするべきではないのはもちろんだが、S2000の性能を運転がうまくなったと錯覚していたのだろう。 S2000、とくに初期型といえば「ピーキー」、「乗り手を選ぶ」などの言葉が発売当初からついてまわっているが、実際に乗ってみると普段使いでそれらを感じることはない。 高い速度域での旋回時にコントロールすることが難しいという意味だ。 振り返ってみると、乗り手の自制心やクルマへの向き合い方もS2000に試されているのではないだろうかと感じる。 そういう意味でも「乗り手を選ぶ」はあると思っている。 ■背中を押した2つのこと S2000を購入する前、とても迷った。 スポーツドライビング未経験の筆者が、このクルマを購入してオーナーとしてやっていけるのか。 そんなとき、背中を押してくれた2つの言葉があった。 1.自動車誌の記事 S2000が現行車だったころの自動車誌では、特集が頻繁に組まれていた。 記事の中にこんな一文があった。 「乗りこなすことがすべてではない。S2000に取り組んだ時間そのものに価値がある」 都合の良い解釈かもしれないが、この一文を読んで心が軽くなり、前向きになれたことを覚えている。 2.職場仲間の言葉 当時の職場仲間が、念願だったニュービートルを購入するとうれしそうだった。 そんな彼女の言葉が背中を押してくれた。 「本当に欲しかったクルマとすれ違うたびに、あのクルマに乗りたかったと思うのが耐えられない」 この言葉を聞いてからまもなく、中古車店へ足を運んだ。 ■購入するなら今…かもしれないが、しかし 一時は高騰していた中古車市場も、少し落ち着きを見せているようだ。 乗りたいと思っているなら今がチャンスかもしれない。 ただ、発売から10年、20年が経過している古いクルマでもあるので、購入時はリフレッシュ込みの予算が望ましいだろう。 せっかく手に入れても、次々に故障して入院を繰り返すようではモチベーションも下がってしまう。 そして修理のときにも感じたことだが、S2000の部品供給状態は厳しい。 メーカーにも事情があるにしろ、S2000という車種をもっと大切してはもらえないだろうか。 これは、同メーカーの他車種のオーナーも同じ気持ちだと思う。 S2000よりも高性能なクルマは、あれから数多く登場している。 それでも今なお多くのクルマファンの心を掴むのは、現代のクルマにはない魅力が詰まっているからなのだろう。 1台でも多く元気で走っていてほしいと、いちファンとして願うばかりだ。 ■あのレジェンドコミックの外伝作品に! 最後に、筆者はあのレジェンドコミック「オーバーレブ!」の外伝、「オーバーレブ! 90's -音速の美少女たち-」に出演した。 作者の山口かつみ先生とご縁があり、実現したものだ。 筆者がS2000を購入するまでのエピソードをストーリーにアレンジしていただき、憧れのキャラクターと同じ世界に存在することができた。 山口先生に心から感謝を伝えたい。 ▲©️山口かつみ(秋田書店)2021 「オーバーレブ!」は、続編の本編「クロスオーバーレブ!」が進行中。 最新話は「マンガクロス」にて楽しめる。 ●クロスオーバーレブ!https://mangacross.jp/comics/crossoverrev/1 ▲©️山口かつみ(秋田書店)2019  秋田書店公式HPの「ヤングチャンピオン烈」のページにて、「クロスオーバーレブ!」「音速の美少女たち」を試し読みできる。 ぜひ! ●秋田書店https://www.akitashoten.co.jp/ [取材協力] ・秋田書店 ・ComeTec 広島県福山市神村町2107-2公式HP:https://www.cometecracing.com/Facebook:https://www.facebook.com/profile.php?id=100032848646363 ・山口かつみ [ライター・撮影 / 野鶴 美和] 

今でもフランス人に愛される「シトロエン2CV」の魅力に触れてみた!
旧車の魅力 2023.09.06

今でもフランス人に愛される「シトロエン2CV」の魅力に触れてみた!

7月の中旬、フランスでは「le14 juillet(7月14日の意・パリ祭り)」と呼ばれる祝日がありました。 この日は、さかのぼること1789年、大騒乱に包まれていたパリが、国民によってバスチーユ牢獄を奪取した日。 フランスの絶対王政の終わりを祝した大切な祝日です。 午前中から軍隊によるパレードや航空ショー、夜にはエッフェル塔付近で花火の打ち上げがあり、フランスのバカンスの始まりも意味します。 そんななか私はというと、フランスとスイスの国境付近にある夫の実家で数日間過ごしてきました。 テラスで座ってのんびりとしていたとき、一台のクルマが通過。 すぐに彼が「2CVだ!」と。 そうです、フランス人が愛してやまないシトロエン2CVでした。 しかもお隣さんということで、すぐに義兄が見学の交渉に。 すんなりと承諾をいただけたため、翌日伺うことになりました。 ■家族から譲り受けた大事なクルマ お隣に住むフレデリックさんが所有しているクラシックカーは、シトロエンの2CV special 4vitesse 1987年式です。 29馬力のこのクルマを、2011年より奥様のご家族から譲っていただいたそうです。 ちなみに、彼にとって初めてのクラシックカーだとか。 まったく動かない状態でガレージに保管されていましたが、すべてのパーツを探して取り寄せて修理をされたエピソードを、とても楽しかった思い出としてお話ししてくれました。 やはり長いこと国民に愛されているシトロエンです。 フランスには、現在廃盤となっているシトロエン社の古い型を買い取って、修理用のパーツを製造販売している会社があるようです。 フランス人はクルマの修理だけではなく、家の修繕やキッチン・トイレの配管など、できる範囲は自分たちで直して長く愛用する人が多いのです。 フレデリックさんももちろん、このクルマをこうした会社やサイトで何年もパーツを探して走れるまでに修理をされました。 外装の素敵な赤色は完全にオリジナルで、「年季が入って色褪せてきても絶対に変えたくはない」と語るその少しオレンジがかった赤色は、本当にかっこ良かったです! 逆に内装はすべて変更していて、奥様が作られたデニムのカバーで覆われたシートや小さなフィギュア、ところどころに貼られているステッカーが、フレデリックさんの個性とクルマへの愛着を感じさせてくれました。 ■レッツ ドライブ!!! 話を聞いていると、なんとフレデリックさんがドライブの提案をしてくれました。 天気がよかったので、くるくると屋根を開けて、さあ出発です! 私にとって初めての2CVでしたが、サスペンションが効いていてビックリするほど良い乗り心地。 正直、くねくねの田舎道にクラシックカーは、そんなに相性が良いものではないだろうと考えていました。 しかしスピードを保ったまま回るたび、小坂を上がるたびに、体の振動や歪みを吸収してくれたので、たいへん快適で本当に楽しくドライブができました。 このクルマのお気に入りポイントを伺ったところ、田舎のデコボコ道でも安定していて転ばないところとおっしゃっていたのが納得です。 10年以上大事にお手入れをして、現役で走っているこのクルマとの思い出を聞いてみたところ、毎年一緒にbottes de paille(刈り取った藁の束)の横で家族写真を撮っていることだと教えてくれました。 お子様たちが成長しても、変わらず愛着のあるクルマと生活をしている姿がたいへん素敵です。 前のトラクターが積んでいるのかbottes de paille(藁束)です。 この横にクルマを置いて家族写真とは、想像しただけでも絵になります。 その日の夕方、テラスでアペロ(夕飯前のお酒)をしていると、フレデリックさん家族が2CVに乗って外出されていきました。 おそらく祝日の花火を観に行かれたのでしょう。 クラシックカーだからといってガレージの中で眺めるだけではなく、自分で修理をして、このように家族と過ごすためにいろいろな場所へ行くことが醍醐味なのだと感じました。 快くクルマを紹介してくれたフレデリックさん家族には、感謝でいっぱいです。 ■2CVと一緒にめぐるパリの街並み 今回の滞在から帰るために鉄道に乗っていたとき、車窓から2CVを発見。 パリではなかなかクラシックカーを見かけないので嬉しくなりました。 現在パリでは「PARIS AUTHENTIC」という会社が、観光客向けに2CVを使ってパリの観光ルートを巡るサービスを始めています。 ▲オリジナルではありませんが、シトロエンの型を使って作られたクルマです タクシーを使うよりも気分が上がるかもしれませんし、フランスらしい良い思い出になるのでは? ぜひ、パリに訪れた際に乗車してみるのをお勧めします! [ライター・画像 / スミ]

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