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ハイエースは、広い室内空間と高いリセールバリューが魅力のクルマですが、故障が多いのではないかと不安に感じる方も多いでしょう。 今回は、ハイエースのよくある故障箇所と修理費用の目安を詳しく解説します。ハイエースの購入を検討中の方はぜひ参考にしてください。 ハイエースのよくある故障箇所と修理費用の目安 耐久性が高いといわれるハイエースですが、走行距離が20万kmをはるかに超えるような個体では、どうしても故障や不具合が多くなります。 ここでは、ハイエースのよくある故障事例と修理費用の相場を紹介します。 オルタネーターの発電不良 オルタネーターは、10年もしくは10万kmごとに交換が必要な消耗品といわれています。オルタネーターが故障するとバッテリーが電力不足に陥るため、最悪の場合エンジンがかからなくなります。 交換費用の相場は、リビルト品を使用した場合で6万〜7万円程度、新品で11万円程度です。 吸排気系へのカーボンの堆積とDPFの目詰まり ハイエースをはじめとするディーゼルエンジンを搭載する商用車は、発ガン性があるといわれる有害な粒子状物質(PM)、いわゆる煤の大気中への排出量を低減するために、「DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)」が装着されています。なお、トヨタでは、「DPR」と呼んでいます。「DPR」は、「Diesel Particulate Active Reduction System」の略称で、基本的な役割は「DPF」と変わりません。 ディーゼルエンジンから出る煤は、エンジンを動かしていればDPF内に蓄積されますが、一定量溜まると自動でエンジンの回転数が上がり、煤の燃焼と除去が行われます。これをDPFの「自動再生」といいます。 ところが、汚れがある一定のラインを超えると、その「自動再生」ができなくなり、最終的に「DPF」を交換するしかなくなります。交換にかかる費用は、部品代だけで37万2,900円(税込/純正品の場合)と非常に高額です。また、後方に装着されているエキゾーストガスコントロールバルブが同時に不具合を起こすことがあり、部品代だけで8万4,590円(税込/純正品の場合)かかります。「DPF」とエキゾーストガスコントロールバルブを一緒に交換・修理する場合、工賃を含めて50万円近くの修理費用がかかる可能性があります。 さらにハイエースの場合は、スロットルボディ、EGRバルブ、インテークマニホールドなどのカーボンの堆積が原因で、一度消えた警告灯が再び点灯することがあります。カーボンの堆積だけであれば、専門店などが行っているエンジン洗浄システムで対応が可能ですが、それでもプラスの費用として30万円程度を覚悟しなければなりません。 サプライポンプの不具合 現代のディーゼルエンジンはコモンレール式を採用しており、ハイエースにおいても例外ではありません。 従来のディーゼルエンジンでは、インジェクションポンプと呼ばれるいわゆる燃料噴射ポンプで高圧燃料を燃焼室に噴射していました。それに対してコモンレール式は、燃料タンクからきた燃料をサプライポンプと呼ばれるポンプで超高圧に圧縮し、コモンレールと呼ばれる蓄圧室に蓄圧します。さらにその蓄圧された燃料は、緻密な制御が可能な電子制御式のインジェクターで精密にシリンダー内に噴射されます。 サプライポンプは走行距離20万kmを超えるあたりから不具合が起こりやすいといわれています。速度が出なかったり燃料漏れが発生したりするほか、最悪の場合はエンジンが始動できなくなります。 修理する場合には、サプライポンプに加えて、インジェクター、コモンレール、インジェクターパイプ、ヘッドカバーパッキン、燃料フィルターなどの交換が必要で、サプライポンプとインジェクターにリビルト品を使用したとしても35万円程度かかります。 リアリーフスプリングの破損 ハイエースは、商用車(バン)のため、サスペンションにリーフスプリングを採用しています。リーフスプリングは高負荷に耐えられるだけでなく、コイルスプリングに比べて圧倒的に高い耐久性をもっています。 しかし、いくら頑丈なリーフスプリングでも、走行距離や使い方によっては折れることがあります。部品代は、左右あわせて10万円程度です。さらに工賃やUボルト、シャックルなどの小パーツの費用が加わるため、トータルでは14万円程度かかります。 エアコンの効きが悪い ハイエースに限ったことではありませんが、エアコンは経年劣化によるコンプレッサーの不具合が多く発生します。コンプレッサーに加えて、エバポレーター、コンデンサーなどの交換が必要な場合もあり、故障の状態に応じて修理費用は変動します。 コンプレッサーの交換は10万円程度、エバポレーターやコンデンサーからエアコンガスの漏れがあった場合は、さらに5万〜20万円程度の修理費用がかかります。 また、リアクーラーが装着されている場合は、風が出ないなどの症状で、ブロアモーターとレジスターの交換が必要になることがあります。ハイエースのリアクーラーには2個のブロアモーターが使用されており、両方とも交換するケースが一般的です。レジスターとあわせて8万〜10万円程度の交換費用がかかります。 まとめ ハイエースは、頑丈なエンジンと堅牢なシャーシにより、メンテナンスさえ怠らなければ100万km以上走ることも可能だといわれています。 しかし、メンテナンスせずに極端に長い距離を走ったり大きな荷物を載せすぎたりすると、車輌にダメージが蓄積し、ここで紹介したような故障が発生する可能性が高くなります。建築関係や配送業などで、長距離を運転したり多くの荷物を載せたりする場合には、故障に対する備えを計画的に行う必要があるでしょう。 また、ガソリン車を選択すると修理費用を抑えられる可能性があります。ディーゼルエンジンの不具合による故障が多いためです。ただし、耐久性はディーゼルエンジンのほうが高いため、ガソリン車が推奨されるのは走行距離が短い場合です。年間の走行距離が2万km程度であれば、ガソリン車を選択肢にいれてもよいでしょう。 ハイエースを購入する際には、もともとの車輌の状態をチェックしておくと同時に利用シーンにあっているかどうかもふまえて検討することをおすすめします。
前回は、愛車のメンテナンスを自身の手で行いたいと思う旧車オーナーにとって、初めてのDIYにふさわしいであろうメンテナンスとしてエンジンオイル交換について触れた。 ▲多少面倒でも、愛車の面倒は自身で見たいと思う方は決して少なくないはずだ そして、まずはじめに、旧車用エンジンオイルの選択方法について記事を執筆した。 DIY旧車オーナー必読!「複雑なエンジンオイルの選択肢」とはhttps://www.qsha-oh.com/historia/article/oldcar-eg-oil-1/ 今回の記事はその続編であるが、具体的なエンジンオイル交換の方法について、ハウ・トゥー的な記事はインターネット上など他にも数多く存在する。 また、クルマ一台一台がすべて同じ方法でオイル交換できるとは限らないことから、以前の記事に記した通り、修理書やサービスマニュアルを参照するべきであると筆者は考えている。 今回はあえて、筆者の経験が中心となるが、DIYの初心者がエンジンオイル交換で陥りやすいリアルな注意点についてまとめてみた。 なお、本題に入る前にあらかじめお断りするが、今回の記事もすでに豊富な知識を持つベテランオーナーや評論家のための記事ではない。 DIYを志し、初めて作業される方などの参考になるよう、幅広い内容をできるかぎり分かりやすくお伝えするための記事であることをご承知おきいただければ幸いだ。 ■1.作業前に最低限用意したいものはこれだ! 基本的な工具の他に、以下のものを用意していただきたい。 ●エンジンオイル 当然のことだが、これを用意しないとエンジンオイル交換が始まらない。 あらかじめ取扱説明書やサービスマニュアルを参照したうえで、そのクルマに使用するエンジンオイルの規格や必要な量を確認しておきたい。 また、旧車に限らず、間違ったエンジンオイルの選択は、エンジンにダメージを与えてしまう可能性がある。 エンジンオイルの選び方については、前回の記事において詳細を記したので、併せて読んでいただきたい。 ●オイルジョッキ 意外と忘れがちだが、これもぜひ用意してほしい。 先述のとおり、エンジンオイルの規定量は、車種・エンジンによって千差万別である。 エンジンオイルは、それこそウォッシャー液のごとく、タンクの口まで目いっぱい入れれば良い訳ではない。 エンジンオイルの量は、多くても少なくてもNGなのだ。 給油するオイルの量を間違えると、エンジンにダメージを与える原因となる。 DIYで作業することを目的として日本国内で流通するエンジンオイルを検討した場合、荷姿は4リットル缶と20リットルのペール缶のどちらかであることが多い。 オイルジョッキはこのオイル缶から、おおよそではあるが計量して使用する分を給油する目的に使用する。 このオイルジョッキがないと注ぎづらいだけではなく、自身でエンジンに何リットル給油したか分からなくなってしまうこともある。 購入したオイルを無駄にしない目的のみならず、しっかりオイルレベルを合わせるためにも必須のアイテムだ。 ▲オイルジョッキとオイルドレンパンはDIYエンジンオイル交換では必須だ なお、これは筆者からのアドバイスであるが、使用後はチリやホコリなど異物が入らぬよう、オイルジョッキにはビニール袋をかぶせるなどして配慮してほしい。 余談であるが、海外で流通するオイル製品はプラスチック製のボトル容器入りであることがほとんどだ。 特に北米市場で出回るものは1クォーター(4分の1ガロン=0.946リットル)のものが多く、ボトル自体に中身が透けている部分があり、これで計量できてしまう。 DIYの盛んな、北米ならではともいえるだろう。 ●ドレンボルトとパッキン 次に用意してほしいものは、細かいものではあるが「ドレンボルト」と「パッキン」だ。 旧車の場合、パーツの入手性の問題からか他車種のものが間に合わせで使用されていたり、長年の使用で傷んだドレンボルトやパッキンに、液状ガスケットを塗って無理やり止められていたりといった話を耳にすることがある。 旧車に限らず、中古車を購入して初めてオイル交換をする場合は、このドレンボルトが度重なる使用により傷んでいる場合がある。 そのため、あらかじめ用意しておくと良いことだろう。 可能であればドレンボルトとパッキンは純正部品での用意をおススメする。 昨今アフターマーケット品として、複数サイズのドレンボルトやパッキンが詰められたセット物が販売されているのを見かけることがある。 これらは組み合わせによっては、微妙な寸法違いからオイルにじみの原因ともなりかねない。 自身の愛車のメンテナンスの第一歩として、まずはこういった部分をしっかり正して、デフォルト(初期)状態に戻していきたい。 ●オイルフィルターとフィルターレンチ(2種類) エンジンオイルと同時交換することが多いオイルフィルターも用意されることと思うが、オイルフィルターが適合品であることは当然として、このオイルフィルターを外す工具(レンチ)にもアドバイスをしたい。 ▲締めすぎで固着したオイルフィルターを緩めるのは至難の業だ できればオイルフィルターレンチは2種類を用意したい。 お椀状のカップ型レンチがその代表的なものと思われるが、これとは別に種類はあるが、回転させるとともにオイルフィルターに食い込んでいくタイプのアジャスタブル型も併せて用意をおススメする。 というのも、長らく交換されていなかったオイルフィルターは固着して外れない場合が多い。 筆者は何度も経験があるが、カップ型レンチがオイルフィルターにうまく噛まずに緩まないので、最終的にオイルフィルターに貫通ドライバーをハンマーで打ち込み、強引に外すなどの方法を行ったこともある。 余分な工具がひとつ増えると思いがちだが、役に立つときがきっと来るはずだ。 オイルフィルターとて甘く見てはいけない。 何らかの手段は事前に準備しておくべきだ。 ●オイルドレンパン・ブレーキクリーナー(パーツクリーナー) 抜いたオイルを受け止めるための器(ドレンパン)は必須だ。 キッチン用品などでも代用できなくもないが、工具店で販売されている、専用のドレンパンをおススメする。 抜けたオイルが飛び散りにくい形状になっていたり、ドレンボルトやオイルフィルターが置きやすい形状になっている部分があったりするなど、それなりに工夫されているものが多い。 購入を検討する場合は、交換するクルマのエンジンオイル量に対して、余裕をもった容量のものであることをおススメする。 また初心者のうちは、どうしてもクルマの周りにオイルをこぼしてしまうことがある。 作業用のマットや、ロールウエス、洗浄用にブレーキクリーナー(パーツクリーナー)なども用意してほしい。 そして、まずいないと思うが、絶対に廃油をその辺に撒いたりしてはいけない。 環境汚染はもちろんであるが、火災の原因にもなりかねない。 廃油の処理方法については後述するので、最後まで記事を読んで欲しい。 ■2.初心者がやりがちな作業ミスはこれだ! ●オイルをこぼす(ぶちまける) これは誰もがやってしまうことであろう。 オイルを抜くときなど、ドレンボルトを緩めた後に抜けゆくオイルの放物線が予想と異なり、ドレンパン内に着地せず周囲を汚してしまったり、新しいオイルをエンジンに注ぐ際に、ジョッキからエンジンルームにオイルをこぼしてしまったり・・・。 なにかと作業をする周辺にオイルを撒いてしまったことは、当然筆者も経験済みだ。 注意したいのは、エンジンオイルは当然ながら「可燃性である」という点だ。 高熱となるエキゾーストマニホールドや触媒、マフラーなど排気系にオイルが付着してしまった場合、車両火災の原因となる可能性がある。 万一、オイルをこぼしてしまった場合は、よく拭き取ったあとにパーツクリーナーなどでしっかり洗浄してほしい。 ●抜くオイルを間違える 笑いごとではない。 これが意外と「あるある」なのだ。 FR車であれば、エンジン後部にトランスミッションがあり、さらにドレンボルトの形状がエンジンとまったく異なるので、まず間違えることはないであろう。 問題はエンジンとトランスミッションが横に並んだFF車だ。 このFF車のなかには、エンジンオイルとATFのドレンボルトの見かけがそっくりなクルマが稀に存在する。 クルマを下から覗いた場合、当然ながらエンジンルームを上から見た場合と景色が異なる。 クルマの構造に詳しくない場合、ここで錯覚してしまうことがあるようだ。 筆者はエンジンオイルを抜くつもりが、ATFを抜いてしまったという失敗談を耳にしたことがある。 確かに筆者もオイルパンの形状も含め、紛らわしい車種を目にしたことがある。 ベテランのメカニックであれば、紛らわしい車種であっても、ファンベルトやクランクプーリーがある側と論理的に判断するだろう。 万が一ドレンボルトを緩めてしまっても、ATFは抜いた瞬間に色や臭いで瞬時に気づくはずである。 残念ながら、これは実際に発生した失敗談で、ATFをすべて抜いた後に、エンジンオイルを規定量エンジンに注入、オイルが規定量の2倍入りながらも(オイルレベルはどうした?)エンジンは通常通り始動し、工場内から車両を移動する際に、クルマが突然走行不能となり作業ミスが発覚した次第である。 初めてエンジンオイル交換をする場合は、念のため注意してほしい。 ●やけどする 作業に慣れたメカニックは、あらかじめエンジンをある程度暖機して、エンジンオイルを温めてからオイル交換を行う。 これは必須の作業ではないが、確かにエンジンオイルが抜けやすくなり作業がはかどる。 ただ、作業に慣れないうち、さらにジャッキアップやスロープなどを使用して、狭いクルマの下に潜り込んだ場合はマフラーなどに体が接触して、やけどを負ってしまう可能性がある。 作業に慣れないうちは、暖機運転はほどほどにするか、ある程度エンジンルームが冷えた状態で作業することをおススメする。 ●ドレンボルトやオイルフィルターを締めすぎてしまう これも、初めて作業を行った際に起こしがちな失敗であろう。 正しい締め具合が分からず、ドレンボルトが緩んでこないか心配で、ついつい力を入れて締めすぎてしまいがちだ。 手元に独特な感触が伝わってきたあと、いくらボルトを締めても力がかからなくなってしまったなど・・・DIY初心者のこういった失敗談はドレンボルトに限らず、さまざまな部分で耳にする。 ドレンボルトを締めすぎる場合は、おもに軽量化と放熱性向上を目的にしたアルミ製のエンジンオイルパンにて発生することが多い。 現代車のみならず、旧車でも高性能なエンジンでは決して珍しくない仕様である。 アルミは鉄に比べて、柔らかい材質だ。 アルミ製のオイルパンの場合、鉄製のオイルパンと同じ感覚で、ドレンボルトを締め付けると、すぐにネジ山を傷めてしまうことだろう。 軽症であれば、ネジ山を切りなおしたり、少し長めのドレンボルトを使用したりしてごまかすことができるだろうが、基本的にはオイルパンを交換するか、ヘリサートなどを使用してネジ山を修正するしかない。 また、オイルフィルターについても締めすぎにより、次回の交換時になかなか緩まず、オイルフィルターの頭部のカップレンチが引っかかる部分を丸めてしまい、緩められなくなってしまったなど・・・。 あくまでも個人的な意見であるが、ドレンボルトにせよ、オイルフィルターにせよ、単なる締め忘れを除き、締め付けトルクの不足よりもオーバートルクで締め付けてしまった場合に、トラブルが発生しがちに感じる。 トルクレンチで締め付ければ、一見問題なさそうに考えられるが、相手が旧車の場合、そもそもネジ山などが傷んでいる場合もある。 トルクレンチはレンチ自体が重めであることと、レンチ自体が長いため、一般的な3/8インチ角のトルクレンチでは、ドレンボルトやオイルフィルターを締め付ける場合、手元へのトルクの伝わり方、すなわちフィードバックが少なくなる。 可能であれば、ソリッドに手元に間隔が伝わる、長すぎないコンビネーションレンチやメガネレンチを使いたいところだ。 言葉で伝えるのが難しいが、手元の感覚で交換した新品のドレンボルトのパッキンが少しだけつぶれる感覚が確かめられれば、締め具合はそれで充分といえる。 オイルフィルターについても、パッケージに締め付けトルクと共に記載されていることが多い。 オイルフィルターのパッキンが対象に接地してから、4分の3回転~1回転と角度締めをすることもできる。 トルクレンチを使用すると分かるが、実はカップレンチを使用して感覚で締め付けた場合、オーバートルクとなっていることが多い。 初めてのオイル交換の場合、プロとは言わないので、作業に慣れたオーナーを呼び、アドバイスをもらえれば心強い。 一度行えばどうという作業ではない。 誰だって、最初は初心者だ。 賛否両論かもしれないが、ここでは、あえてトルクレンチを使用せず、手の間隔を身に付けて欲しい。 ●オイルフィラーキャップやドレンボルトの締め忘れ 締め忘れは集中力が落ちてくると、発生しやすいミスである。 慣れない作業に疲れていても、作業完了後にもう一度、しっかり確認したい。 特にドレンボルトは締めたつもりでも、もう一度、工具を軽く当てて再確認をしよう。 これは基本的な作業であるが、やはり車両火災やエンジン破損など重大なトラブルを防ぐための必須の作業だ。 熟練のメカニックにとっては、欠かさず行うルーチンワークとなっていることが多い。 ベテランメカニックほど、作業はとことん慎重なものである。 我々も見習うべきではなかろうか? ■3.DIYで困りがちな作業後の廃油・その他の処理について さて、問題はオイル交換後の廃油だ。 オイルを段ボールに入った袋入りの吸収材に吸わせることで処理できるものが安価にホームセンターなどで販売されているが、燃えるゴミとしての回収を拒否する自治体もあると聞く。 筆者は本格的にDIYを行う場合には、やはり廃油用にペール缶(20リットル)、可能であれば空きドラム(200リットル)を用意すべきと考える。 個人的に軽貨物運送業を営んでおり、運送業だけでも年間ドラム一本が一杯になるためだ。 筆者は年に一度、回収業者に廃油の引き取りを依頼している。 気になるコストはゼロだ。 基本的には無料(業者による)で引き取ってくれる。 ベテランのDIYオーナーに話を伺うと、以前は1リットル数円~十数円程度で買い取ってくれたそうだが、さすがに令和の今日ではそんな話はないようだ。 無料で引き取っていただけるだけでもありがたいものだ。廃油はしっかりとリサイクルされる。 ▲筆者は廃油をドラム缶にまとめ、年に一度、廃油の回収を業者に依頼している なお、ここで注意を促したい。 エンジンオイルをはじめ、自動車に使用する石油製品やケミカルは、その大半が危険物となる。 オイルのみならず、一時保管している廃油も当然危険物となり、消防法の対象となるのだ。 エンジンオイルやギアオイル、ATF等、各種オイルについては、消防法上の危険物等級で第4類(引火性液体)とされ、保管できる量が消防法によって決められている。 これを「指定数量」と呼ぶが、個人用途など管轄消防署への届出をしない場合に保管できる最大量は指定数量の最大20%となることが多い(※各市町村により異なる)。 カーショップでも開業しない限り、まず個人の用途ではこの数量を超えることはないであろうが、心当たりのある方は念のため、ご確認いただきたい。 重要なのは廃油のみならず、ガソリンはもちろん、オイルやその他のケミカルなど石油製品は危険物であるという認識を持つということだ。 10数年ほど前であろうか。かつて、かのF1の名門ウィリアムズでも、ピットガレージにて静電気が石油製品に引火したと疑われる火災が発生したことがある。 オイルやガソリンの浸み込んだウエスなどは、乾燥した冬場では静電気火災の原因になる可能性もある。 周辺に放置せずにしっかりと片付けるべきだ。ガレージ内でストーブを焚いたり、喫煙をしたりする際も、くれぐれも用心してほしい。 少し厳しい話をしたが、次はオイルフィルターの処分についてだ。 これはとても厄介だ。 結論から話すと、オイルフィルターの処分は自治体では拒否されることがほとんどだ。 燃えないゴミ、すなわち不燃物として取り扱ってもらえないのだ。 大半の自動車部品のゴミも同じくであるが、ある程度まとまったところで専門の産業廃棄物処理業者に依頼をするしかないだろう。 とはいえ、交換の頻度が多く溜まりやすいオイルフィルターがいちばんの悩みのタネだ。 筆者はここ数年、画像の方法で処理をしている。 簡単に言えば、解体して金属・紙・ゴムとして分別しているのだ。 ここまで分別すれば、地域の自治体で通常通り、処理が可能である。 「捨てればゴミ、分ければ資源」とはよくいったものだ。 余談ながら、鉄・アルミなど、くず鉄の買い取り価格はここ数年、高値安定している。読者の方も挑戦されてはいかがだろうか? ▲専用工具:オイルフィルターカッターでオイルフィルターを分解してみた ■4.まとめ:少しずつできることからやっていこう 今回の記事はDIYをバリバリとこなすベテランオーナーにとって、当たり前ともいえることを徒然と書いたので、内容について退屈に感じた方がいたかもしれない。 しかし、今回も文中にも記したが誰もが最初は初心者だ。 DIY作業は少しずつできることからやっていくことがスキルアップの基本と筆者は考える。 「千里の道も一歩から」、「ローマは一日にして成らず」。 これらの言葉と同様、大きな目標を設定する前に、まず小さな目標を達成し、その積み重ねを通じて大きな目標に向かって進んでいく。 段階を踏んだアプローチは、どことなくビジネスライクに聞こえるが、クルマいじりにも応用できる。 今回は「メカと向き合う初めてのDIY」としてエンジンオイル交換を紹介した。 DIYを志す初心者の方には、じっくりと取り組むことで、少しずつ自身でできる作業を増やし、ひとつひとつ目標を達成することで得た満足感を、次回のDIY作業に取り組むモチベーションの糧にして欲しいのだ。 これを繰り返せば、それが次第に自信となりレベルアップにつながっていくはずだ。 筆者は目標を成し遂げたときの、この何とも言えない達成感を得たくDIYに取り組んでいるといっても過言ではない。 何度も言うが、誰もが最初は初心者だ。 次回は何を書くかまだ決めていないが、引き続きDIY目線で記事を書いていこうと思う。 次回の記事もよろしければお目通しいただきたい。 ※私クマダはYouTubeでポンコツ再生動画を公開しております。ぜひ動画もご覧になってください。チャンネル登録お待ちしております。 ●YouTube:BEARMAN’s チャンネル(ベアマンチャンネル)https://www.youtube.com/channel/UCTSqWZgEnLSfT8Lvl923p1g/ ●Twitter:https://twitter.com/BEARMANs_Ch [画像・AdobeStock、ライター・撮影/クマダトシロー]
ジムニーは、軽自動車の本格派オフローダーとして確固たる地位を築いています。そのため、新車・中古車問わず高い人気を誇りますが、購入してからの故障に不安を感じる人は多いでしょう。 この記事では、中古車で最も流通台数が多いJB23型ジムニーのよくある故障個所と修理費用の目安を解説します。ジムニーの購入を検討中の方は参考にしてみてください。 ジムニーのよくある故障箇所 ジムニーは、 堅牢なラダーフレームを採用するなど耐久性に定評のあるモデルですが、まったく故障しないというわけではありません。 ここからは、JB23型ジムニーのよくある故障箇所について紹介します。 セルモーターからの異音 セルモーターとはエンジンを始動するための部品です。10万km〜15万kmが寿命といわれており、今までしなかった音が聞こえる場合は故障している可能性があります。突然エンジンがかからなくなってしまうこともあるため、違和感を感じたらなるべくはやく点検に出しましょう。 交換費用は、新品の場合だと部品代だけで6万8,655円(税込)です。リビルト品を使用する場合は4万〜5万円程度と費用を抑えられます。年式の古いJB23型ジムニーであれば、リビルド品でも問題はないでしょう。 オイルクーラーからのオイル漏れ オイルクーラーからのオイル漏れもJB23型ジムニーの定番のトラブルです。オイルクーラーは、その名の通りオイルの冷却を行う装置です。JB23型ジムニーのオイルクーラーは水冷式で、オイルエレメントの上部にあります。 オイル漏れは、ガスケットとOリングの交換のみで修理できますが、オイルクーラー自体が作業しにくい場所にあるため、修理にかかる工賃が高額になってしまいます。具体的な修理費用は、部品代が数百円なのに対して、工賃が15,000円程度です。また、作業の際にエンジンオイルやクーラントが抜けてしまうため補充をしなければなりません。その対応費用を含めると、合計では2万〜2万5,000円程度かかります。 走行距離が10万kmを過ぎたらいつ起きてもおかしくないトラブルのため、3回目の車検のあたりで予防整備として交換してもよいかもしれません。 オートマチックの変速ショックが大きくなる 走行距離が10万km近い過走行のJB23型ジムニーでは、オートマチックの変速ショックが大きくなるという不具合が散見されます。特に多いのが1速から2速へのシフトアップの際の変速ショックです。 一般的に、オートマチックの不具合には30万〜50万円程度の高額な修理費用がかかりますが、JB23型ジムニーは4万〜4万5,000円程度(オートマチックオイル含む)で修理できます。電磁弁とも呼ばれる、変速を制御するために油圧経路の切り替えを行う「ソレノイドバルブ」の交換のみで症状が改善するためです。 ただし、あまりにも症状がひどい場合はオートマチックASSYでの交換が必要になります。その場合はリビルト品を使用した場合でも30万〜35万円程度の修理費用がかかります。 ターボの不具合によるパワー不足 軽自動車規格のジムニーのエンジンは、1986年のマイナーチェンジの際に2サイクルエンジンから4サイクルターボエンジンに切り替わりました。それ以来、一貫してターボエンジンを採用し続けています。 軽自動車にターボエンジンを搭載すると乗用車並みの走りの実現が可能ですが、走行距離10万kmを超えたあたりでパワー不足や白煙の発生などのトラブルに見舞われやすいです。ほとんどのケースでASSY交換する必要があり、修理費用の目安はリビルト品を使用した場合で8万円程度です。 エアコンの効きが悪い ジムニーに限らず、初度登録から10年もしくは走行距離が10万km前後で、クルマのエアコンは効きが悪くなります。心臓部であるコンプレッサーの経年劣化や、エバポレーターや配管周りからのガス漏れなど故障の原因はさまざまです。 ジムニーはどんな部品でもリビルト品が出回っているため、エアコンが故障した場合でも、一般的なクルマより費用を2~3割程度安く抑えることができます。リビルド品を使用した場合の目安は、コンプレッサーの交換で6万円程度、エアコンの丸ごと交換で15万円程度です。 ハブベアリングのガタつき ジムニーでハンドルに振動を感じるようになったらハブベアリングのガタつきを疑いましょう。 ハブベアリングの交換時期は走行距離10万km前後といわれていますが、悪路での走行が多かったり、リフトアップなどでタイヤの外径を大きくしていたりする場合は、6万km程度でも交換が必要になることもあります。 修理費用の目安は、ナックルオーバーホールも含めて13万円程度です。ジムニーは、デフやドライブシャフトなどが一体となっているリジッドアクスル式サスペンションを採用しているため、ハブベアリング交換の際にキングピンベアリング交換、オイルシール交換、グリス交換などのいわゆる「ナックルオーバーホール」も同時に行います。そのため、費用がかさんでしまいます。 まとめ 本記事ではJB23型ジムニーのよくある故障箇所とその修理費用について解説しました。 ジムニーはさまざまな部品のリビルド品が出回っているため、他の車種に比べて修理費用がかかりません。そのため、はじめてのマイカーだとしても無理なく維持できるでしょう。また、JB23型は1998年から2018年まで販売されていたロングセラーなモデルのため、なるべく年式の新しい個体を選ぶことで故障のリスクを最小限に抑えられます。 ジムニーは、発売から半世紀以上の歴史のあるモデルですが、基本構造は初代からほとんど変わっていないため、ここで紹介したよくある故障箇所はJB23型以外の世代でもおおむね同じです。購入前にあらかじめウィークポイントを知っておきたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
事故で車が壊れてしまった際は、車を修理をするのか、それとも廃車にするのかを判断しなければなりません。また、車を修理する際には、費用だけでなく時間もかかることも考慮する必要があります。本記事では、事故で壊れてしまった車を修理するのか、それとも廃車にすべきなのかの判断方法について詳しく解説します。 事故車の修理にかかる費用 事故車の破損には様々なケースがあり必要になる費用もさまざまですが、おおよその相場は存在します。もっとも破損しやすいバンパーを交換する場合の相場は、1万円〜10万円程度です。凹んだり傷付いたドアを補修する場合なら1.5万〜5万円、補修ではなく交換するなら、最低でも10万円はかかるでしょう。 ウインドウガラスを交換するなら、フロントガラスで5万〜10万円、リアガラスで2万〜5万円程度が必要です。もしエンジンも修理するのであれば、20万〜100万円程度が必要です。当然ですが破損箇所が複数あれば、それぞれの修理費が必要になります。 事故車の修理と廃車の判断基準 事故を起こした車を修理せず、今後使わないと決めた場合は廃車の手続きが必要です。廃車は正確には「永久抹消登録」という手続きを行います。永久抹消登録をすると、納付済みの自動車税(種別割)や自動車重量税の一部が還付されるため、早めに手続きした方がよいでしょう。 それでは、修理と廃車の判断のポイントについて、5つ紹介します。 破損の程度 まず最初に、車の破損の程度で判断しましょう。バンパーやドアなどの一部のキズや凹みであれば、比較的安価に修理できるはずです。逆に車の走行機能に関わる部品が壊れていれば、修理費が高額になることが予想されます。前方の衝突によってフロントバンパーだけでなくエンジンルーム内、足回りなども破損していれば、修理費は高額になると判断できます。 走行可能かどうか 破損の程度を判断する上で目安になるのが、車が走行可能かどうかです。問題なく走行できるようであれば、修理したほうがよい場合が多いでしょう。反対に事故によって走行できないほどの損傷を受けているのであれば、廃車にしたほうがよい可能性が高いと考えられます。 走行距離 車の走行距離も、修理か廃車かの判断材料の1つです。走行距離が長く、10万キロを超えている車であれば修理した後も、寿命によって交換が必要になる部品が増えることが予想されます。寿命による出費が発生するのであれば、新しい車に換えたほうがよい考えられるでしょう。 次回車検までの期間 所有している車を車検に通す際は、さまざまな費用が発生します。事故で破損した車の車検日が近いのであれば、修理費用に加えて車検費用も考慮しなければなりません。逆に車検満了までの期間が長いのであれば、修理費を負担してでも乗り続けたほうがよい場合もあります。 費用面 修理しても廃車にしても何らかの費用が発生します。車の修理費は任意保険の車両保険でまかなえる場合もありますが、車両保険を使った場合には、次の契約から保険の等級が下がり、保険料が高くなってしまいます。 修理費が比較的安価であれば、車両保険を使わないほうがよい場合もあるので、必ず確認しましょう。確認する場合には車の修理を依頼するディーラーや整備工場と、加入している保険を扱っている代理店等と相談することになります。 修理にかかる期間 車の修理にかかる期間は、修理内容によって変わってきます。また作業時間だけでなく、交換部品の入手に時間がかかる場合もあります。外車を修理する場合で日本国内に部品がなければ、部品を取り寄せる時間も必要です。 交換部品が不要な、例えばドアの軽微な傷の補修であれば数時間程度で済みますが、バンパーやガラスといった部品交換を伴う作業の場合には、部品が入手できてから数日程度が必要です。特に修理時間が長いケースとしては、エンジンを車から降ろして修理する場合、フレームの交換や修理が必要な場合だと、10日前後から1ヶ月ほどかかるケースもあります。 事故車の修理期間には代車を利用できるのか、それとも車無しでも過ごせるのかという視点も、修理か廃車かの判断のポイントになるでしょう。 事故車の修理の依頼先 事故車を修理する際に、依頼先も選ぶ必要があります。依頼先はディーラーと町中にある整備工場から選ぶことができます。 ディーラー ディーラーで修理をするメリットは、純正パーツで修理できることです。修理に必要な部品も、自動車メーカーのパーツセンターから素早く入手できます。純正パーツは価格が高めになる傾向がありますが、その分安心感が得られるでしょう。将来車を売却する際にも、ディーラー修理の方が査定評価で有利になる場合もあります。 整備工場 事故車の修理をディーラーではなく、町中にある整備工場に依頼することもできます。整備工場の場合は純正パーツ以外に、再生部品や中古部品を使うことで安価に修理できる場合もあります。修理費を安くしたいのであれば、まずは整備工場に相談するとよいでしょう。 事故車の修理の流れ 事故車を修理する場合には、以下のような流れで進みます。自動車保険を使う場合には、保険会社が提携しているディーラーや修理工場に依頼される場合もあります。 1.見積もり 事故車の修理を依頼したら、まずは見積もりを入手しましょう。車両保険で修理費をまかなう場合でも、内容によっては自己負担しなければならないものもあります。さらに前述のとおり、修理に車両保険を適用することによって、次回の保険料が上がることも忘れてはいけません。修理業者から入手した見積もりと、次回の保険料の見込み額も十分に確認しましょう。 2.修理依頼 保険適用も含めて修理にかかる費用が明らかになり、その上で納得できたら修理を依頼しましょう。見積もりをもらった時点で、修理にかかる時間もわかるはずです。部品の入手に長い時間が必要な場合など、修理が完了するまでの生活にも問題がないか、あわせて確認しておきましょう。 3.修理完了後の引き取り 修理が完了して引き取る際には、改めて修理内容の説明を受け、修理の仕上がりを確認しましょう。サスペンションなどの足回りを修理している場合には、真っ直ぐに走るのか、ハンドリングに変なくせがないかも注意が必要です。もし気になることがあれば、修理業者に早めに相談しましょう。
事故で車が損傷した場合、修理と廃車のどちらを選ぶか迷う方も多いでしょう。今回は、事故で廃車を選んだ方がよいケースや修理を選んだ方がよいケース、修理を選ぶ際の注意点などについて解説します。事故で修理か廃車を検討中の方は参考にしてください。 事故で廃車を選んだ方がよいケース まずは、事故で廃車を選んだ方がよいケースについて解説します。 フレーム部分が破損している フレーム部分が破損している車は、損傷の度合いが大きければ修理ではなく廃車を選んだ方がよいでしょう。フレームは車の骨格部分のことで、歪みや損傷は完全には修理できません。事故によりフレームが破損すると、修理してもハンドル操作で違和感が出ることや走行時に不安定になるなどの不具合が起こります。 近年の車は事故のときにフレームで衝撃を分散・吸収させ、客室を守るように作られています。その特性として昔の車よりもフレームが破損しやすくなっているのです。修理の見積り時に破損状況をよく確認して、廃車か修理のどちらかを選びましょう。 主なフレーム部分サイドメンバー、クロスメンバー、インサイドパネル、ピラー、ダッシュパネル、ルーフパネル、フロア、トランクフロア、ラジエターコアサポート(修復しても事故車扱いにならない。他の骨格部分と接しているため、衝撃の強さによって他への歪みや破損につながる) 水没した 水没した車は、エンジンや室内に浸水していると廃車を選んだ方がよいでしょう。集中豪雨や津波、洪水などが原因で水没した車は、直後の不具合だけでなく後に電気系統のトラブルや重要箇所のサビが発生するリスクがあります。走行中に突然車が止まるなど大事故に発展する可能性もあるため、修理業者とよく相談して修理か廃車の判断をしましょう。 事故で修理を選んだ方がよいケース 続いて、事故で修理を選んだ方がよいケースについて解説します。 修理費用が低額 修理費用が低額な場合は、修理を選びましょう。修理費用が低額な場合は後の走行に支障が起こることも少ないため、廃車や乗り換えを選ぶ必要はありません。修理業者に修理内容を詳しく確認して、修理することを決めたら早めに着手してもらいましょう。 走行距離が短い 走行距離が短い場合は、見積額に問題がなければ修理を選びましょう。古い車や走行距離が長い車は、高額な修理代を負担するより廃車して買い替えることをおすすめします。しかし、新しい車や走行距離が短い車は、保険による補償がなければ同クラスの車の購入に大きな費用負担が発生するため修理がおすすめです。 メーカー保証を利用できる メーカー保証を利用できるのは、新車登録から日が浅い車です。メーカー保証は保証期間3年の一般保証と保証期間5年の特別保証があるため、保証期間内の車は新車登録から最長でも5年以内となります。高額な修理代や自己負担が大きい場合を除けば、修理を選択した方がよいと言えるでしょう。 ただし、メーカー保証は事故の修理やそれが起因となる不具合については保証対象外です。後に不具合が起こりそうな破損については、自己責任で修理を判断する必要があります。修理業者とよく相談して決めるようにしましょう。 次の車検までの期間が長い 次の車検までの期間が長い場合は修理を選びましょう。車検代も高額で廃車しても還付金がそれほど戻るわけではありません。修理代が高額で後に不具合が起こりそうな場合は廃車、数万円で修理できる場合は修理がおすすめです。 修理を選ぶ際の注意点 修理を選ぶ際の注意点について解説します。 保険を使う場合は等級に影響する 修理や乗り換えに保険を使う場合は等級に影響します。自動車保険の等級は一般的に1~20等級です。車両保険で修理や乗り換えを行った場合、1または3等級ダウンして後の保険料の割引割増率に影響が出るため、修理代が低額であるほど注意が必要です。 車両保険使用時の等級ダウン例3等級ダウン........他車との衝突や自損事故、当て逃げにあったときに自分の車を修理する場合1等級ダウン........盗難、水災、いたずら、飛び石による自分の車の修理代※詳しくはご加入の保険会社や保険代理店にお問い合わせください。 無理な修理はトラブルにつながる 無理な修理はトラブルにつながります。損傷が大きく修理しても後にトラブルが多発する可能性が高い状態のときは、修理ではなく廃車を選びましょう。高額な修理代を負担しても、走行中に止まることや何度も不具合が起きて修理を繰り返すリスクがあります。 事故で廃車にするときにかかる費用 事故で廃車にするときにかかる費用は、抹消登録の手数料や解体費用などです。抹消登録手続きを業者に依頼すると代行費用がかかり、車が自走できない場合はレッカー代も必要となります。事故車専門の買取業者が利用できる場合はそちらに依頼しましょう。 事故で廃車にするときにかかる費用の一例永久抹消登録........手数料0~350円、代行手続費用 5000~1万円解体費用........1万円~レッカー代........0~数万円(業者によって異なる) 事故で廃車にするときは保険金を受け取れる可能性がある 事故で廃車にするときは保険金を受け取れる可能性があります。車両保険や事故相手が加入している対物保険、臨時費用や新車特約など加入している自動車保険のプランや特約によって受け取れる保険金は様々です。加入している自動車保険の内容は常に把握しておくようにしましょう。 事故による廃車手続きの方法 事故による廃車手続きの方法について解説します。 永久抹消登録の流れ 永久抹消登録は、修理が不可能で車を解体するときに行う手続きです。 永久抹消登録の流れ①解体業者を探す②解体③解体業者からナンバープレートを受取り、移動報告番号と解体報告日を確認④陸運支局で手続き・ナンバープレート返却・受領印が押された手数料納付書を受取り窓口に書類提出・税申告窓口に自動車税、自動車取得税申告書提出・自動車重量税還付申請⑤自賠責保険の引受保険会社で解約手続き(郵送も可)※自賠責保険の解約には自賠責保険証明書原本、本人確認証、自動車損害賠償責任保険承認請求書、廃車またはナンバープレート返納を証明する公的書類(登録事項証明書など)、解約返還保険料の振込口座が別途必要です。 必要書類・車検証・印鑑証明証(発行から3ヶ月以内のもの)・実印・還付金受取口座・マイナンバーカード(重量税の還付に必要)・解体にかかる移動報告番号及び解体報告日(リサイクル券に記載)・ナンバープレート・永久登録抹消申請書(ダウンロードも可)・自動車税、自動車取得税申告書・手数料納付書(手数料は不要) 一時抹消登録の流れ 一時抹消登録は、一定期間車に乗らないときに行う手続きです。解体せずに車を手もとに残しておく場合に行います。 一時抹消登録の流れ①ナンバープレートを取り外す②陸運支局で手続き・ナンバープレート返却・350円の印紙を購入して手数料納付書に貼り付け必要書類と共に窓口に提出・税申告窓口に自動車税、自動車取得税申告書提出③自賠責保険の引受保険会社で解約手続き(郵送も可)※自賠責保険の解約には自賠責保険証明書原本、本人確認証、自動車損害賠償責任保険承認請求書、廃車またはナンバープレート返納を証明する公的書類(登録事項証明書など)、解約返還保険料の振込口座が別途必要です。 必要書類・車検証・印鑑証明証(発行から3ヶ月以内のもの)・実印・ナンバープレート・一時登録抹消申請書(ダウンロードも可)・自動車税、自動車取得税申告書・手数料納付書(検査登録印紙代350円)
私たちにとって車は耐久消費財であり、加えて車両そのものの価格以外にも税金や保険、メンテナンスなどの費用が発生します。車に関わる全ての費用を改めて確認してみると、実は高額だと感じる方がいるかもしれません。そこで本記事では車の維持費について、整理して解説します。あわせて維持費を安くするための対処法についても紹介します。 車の維持費の平均は? 車の維持費は走行距離はもちろん、車種によっても変わります。維持費の平均値としては、軽自動車では毎月3万円程度、コンパクトカーでは毎月3.5万円程度、普通車だと毎月4万程度です。 車の維持費の内訳 車を維持するためにはどのような費用が発生するのか、改めて内訳を確認しましょう。 ガソリン代 車の走行には、ガソリン車であればガソリン、ディーゼル車であれば軽油が必要です。また今後普及が期待される電気自動車は電気で走るため、ガソリン代ではなく電気料金がかかります。 メンテナンス費 車のメンテナンス費の内訳は、エンジンオイル、フィルター、ウォッシャー液、ワイパー、バッテリー、タイヤなどで、その多くは車を走行させることによって劣化する部品です。安全に走行するために、定期的な交換が必要になります。 保険料 自動車ユーザーは万が一の事故発生に備えるために、自動車保険に加入しなければなりません。自動車保険には2種類あります。自動車保有者が必ず加入しなければならない自賠責保険と、加入者の意思によって加入する任意保険です。 自賠責保険はすべての自動車に対して加入が義務付けられていますが、補償の限度額は決して十分ではありません。自賠責保険では死亡の場合で3,000万円、ケガの場合には120万円ですが、実際には数億円以上の補償額になることもあります。 そこで必要となるのが任意保険で、乗用車の場合は90%程度が加入しています。自動車を運転すれば誰もが、大きな事故を起こさないという保証はないため、任意保険への加入は必須と考えてよいでしょう。 初期費用 車を購入する際には、車両代金以外にも初期費用としてさまざまな出費が発生します。初期費用には、法定費用と諸費用の2種類があります。 法定費用は税金、自動車リサイクル料です。税金には消費税のほかに、自動車税種別割、自動車税環境性能割、自動車重量税があります。諸費用としては車の登録料、車庫証明費用、検査登録手続き費用、納車費用などを支払わなければなりません。 高速道路の通行費やコインパーキング代 高速道路など有料の道路を通行する際には、通行料金を支払わなければなりません。出かけた先の施設で支払う駐車料金や、街中にあるコインパーキングを利用すれば、駐車料金が発生します。 駐車場代 自宅の敷地内に駐車スペースが確保できなければ、駐車場を借りなければなりません。日常的に使う駐車場は月極契約がほとんどでしょう。普段使用する駐車場の利用料金を、毎月支払うことになります。 ローンの利息 車の購入の際にローンを利用していれば、利息が発生します。利息の金額は契約しsたローン会社、借りたお金の金額、支払い回数によって決まります。 車の維持費が高いときの対処法 車を維持するためにはさまざまな出費がありますが、費用を低減させる方法があります。車の維持費を抑えるためのポイントを4つ紹介します。 過剰なメンテナンスをしていないか見直す メンテナンスを見直すことによって、費用を抑えられるケースがあります。例えば高価なエンジンオイルを使用しているなら、リーズナブルな価格なものを選ぶ、タイヤワックスを使用しているなら使用をやめるか使用頻度を減らす、洗車に使うカーシャンプーを安価なものを選ぶなどの手段を検討してみましょう。 保険を見直す 任意保険にはさまざまな特約があり、見直すことで保険料を安くできる場合があります。例えば個人賠償責任特約は、日常生活での事故によって、他人にケガをさせてしまったり、他人の所有物を壊してしまい損害賠償責任を負った場合に備えるものですが、火災保険の特約になっている場合もあります。運転者年齢条件特約も、運転者の年齢が高い年齢に限定できれば、保険料が下がります。 特約の見直し以外では、使用目的を見直すことで、保険料を節約できるケースもあります。自動車保険の使用目的には「業務使用」「通勤・通学使用」「日常・レジャー使用」の3つがあり、この順番で保険料が安くなります。 業務使用……年間を通じて月平均15日以上業務に使用する場合通勤・通学使用……業務使用に該当せず、年間を通じて月平均15日以上通勤・通学に使用する場合 転勤や転職で電車通勤になった、リモートワークで車通勤する日が少なくなったといったケースなら、日常・レジャー使用に変更することで、保険料を節約できます。ただし、車通勤する日が月15日以上になった際には、改めて使用条件を変更しなければなりません。 駐車場代が安いところを探す 駐車場代はそれぞれの地域によって相場があります。現在使っている駐車場付近の相場を調べてみるとよいでしょう。土地活用として新たに月極駐車場になった場所なら、利用者獲得のために安い価格設定になっているかもしれません。もし自宅からの距離が少し遠くなったとしても、運動を兼ねると考えれば、不便になったと感じずに済みます。 燃費が良い車に買い換える 燃費がよい車に買い換えれば、ガソリン使用量が減って出費を削減できます。ただし車を買い換えるための費用が発生するので、車を買い換えるタイミング以外では出費を抑えることにはなりません。 もし車を乗り換えるタイミングであれば、現在の電気自動車は燃料費節約の面では、非常に優れています。なぜならば電気自動車ユーザーは、実質的にガソリン税負担を免除されているからです。ガソリン価格には、ガソリン税と呼ばれる揮発油税と地方揮発油税が含まれており、いずれも道路整備の財源として徴収されています。当然ですが現在の電気代にガソリン税は賦課されておらず、電気自動車ユーザーは結果的に、道路整備の費用が免除されている状態です。 今後は電気自動車の走行距離に応じて、ガソリン税に相当する税金の賦課が検討される動きもありますが、当面はガソリン税の実質的な免除が受けられる状態が続くでしょう。また電気自動車ならエンジンオイル、フィルターはそもそも使用しておらず交換費用も発生しません。さらに回生ブレーキという、運動エネルギーを電力として回収するシステムが使われているので、ブレーキパッドもまず交換することはないでしょう。 繰上げ返済する 車購入にローンを利用しているのであれば、返済を繰り上げることで総支払額を抑えることができます。当然ですが一時的には出費が増えるので、当面のお金の使い方を十分に検討してから判断しましょう。 維持費が高くなりやすい車 車の維持費は車ごとで異なりますが、維持費が高くなりやすい車があります。以下のタイプの車は、維持費が高くなることを認識しておきましょう。 スポーツカー スポーツカーは高い走行性能を維持するために、消耗部品も高価になる傾向があります。特にタイヤは、価格が高いものがセットされています。タイヤの幅が広く、扁平率というタイヤの直径に対してホイールの直径が大きいタイヤは、そもそも採用している車種も少ないことから、タイヤの値段は高価になる傾向があります。加えて高いグリップ力と引き換えに耐摩耗性は低いために、比較的短い走行距離で交換しなければならない場合もあります。 輸入車 輸入車は国産車と比べると、交換部品が高価になります。日本国内に在庫がないと取り寄せるために長い時間がかかり、もしその間に車が使えない状態であれば、代車の費用も払わなければなりません。 SUV SUVもスポーツカー同様に、タイヤ交換の費用が高くなります。大きなボディは空気抵抗も増えますし、車体重量も重くなりがちです。いずれも燃費に跳ね返ってきます。 経年劣化が進んでいる中古車 経年劣化が進んでいる中古車は、一部の人気車種を除けば安く売られています。しかし経年劣化が進んだ部品が寿命を迎える可能性が高く、さまざまな部品交換の費用が必要になる可能性があることを認識しておきましょう。さらにハイブリッドカーであれば駆動用のバッテリーが劣化しているために、燃費性能が新車状態からは大きく低下している可能性もあります。
当たり前をしっかりと実行してくれるお店のありがたさ! 祝、S15型シルビアお迎え23周年! というわけで先日、11度目の車検を受けてきました。 現在、メンテナンスや車検、修理でお世話になっている自動車整備工場(以下、整備工場)は、私が都内に越してきてからのお付き合いになります。 料金は良心的、スタッフは経験豊富という、願ってもないお店。 この店舗とのご縁がなかったら、S15型シルビアを維持できていなかったかもしれません。 今回は今までにお付き合いしてきた整備工場の遍歴と、そこで学んだ事柄をお話ししたいと思います。 ■実はとってもすごい、ディーラーの「おもてなし」営業 S15型シルビアは新車購入だったので、最初のかかりつけ整備工場はディーラーになります。 前愛車のS14型シルビアから10年以上、面倒をみてもらっていました。 当時はディーラーのみとのお付き合いだったので、「整備工場のサービスはディーラーレベルが基準」と思っていました。 今にして思えば、とんでもない勘違い。 連絡をせず訪れたにも関わらず、整備でも車検でも受け入れ、その場で代車まで出してくれる。 調子が悪くなればメカニックが出張し、事故を起こせば積載車で迎えにきてくれる。 信じられないくらいの至れり尽くせり、すごいよディーラーのおもてなし! ただまぁ、今はお世話になっていませんし、そうなった理由だってもちろん、あります。 詳しくはのちほど記しますが、新車を早いサイクルで乗り換えるスタイルなら、そのままお付き合いを続けるのが正解なのではないでしょうか。 ■「信頼していた」は甘え。客も自身で確認を行わないと 都内へ越してきて最初にお世話になったのは、人当たりのいいお兄さんが店長を務める、開店したての整備工場。 車検こそお世話になっていませんが、オイル交換といったメンテナンスとさまざまなパーツの交換をお願いしていました。 この頃は、実家近くのディーラーにもまだ顔を出しており、たまたま12ヶ月点検と帰省が重なっていたので持ち込んだところ、驚愕の事実が発覚。 先の整備工場で交換したパーツの固定に結束バンドが使用されており、そもそも取り付けの位置がおかしい。 そのおかげかブレーキホースはタイヤと接触していた痕があり、かなり危険な状態だった。その他、諸々……。 Oh……。あの店長、悪意でやったのではなく、頼まれれば何でも引き受けちゃう人で、純粋に経験不足から取り付け方がよく分からないまま対処していたのではと、今では推測しています。 取り付けに問題のあったパーツは純正品、もしくは関連子会社の製品。 ディーラーでも対処できるということなので、正常な状態にして欲しいと依頼。 かかった料金は勉強代として身銭を切りました。 この件から学んだのは「どんな些細なメンテナンスであっても、作業内容を説明してくれる整備工場を選ぶ」ということと、「ちゃんと自分でも作業後を確認する」ということ。 ちなみに上記の件からかれこれ10年以上経っていますが、整備工場は今もしっかりと営業しています。 きっと店長も経験を積まれ、当時の若気の至りを恥ずかしく思って……いてくれたら、いいなぁ。 ■ディーラーのおもてなしは、そこで新車を購入するからこそ享受できるもの S15型シルビアを購入してから15~6年経った頃、リアの足回りから異音がするようになりました。 実家から現在の住まいまで、クルマで4時間近くの距離。 交通費も片道で4000円近くかかり、必要なガソリン代を考えると、そうポンポンと行き来できるものではありません。 そこで今回は住まい近くのディーラーへと足を運び、診てもらいました。 出てきた見積もりは、ハブ回り交換で6桁弱。金額はともかく、地元のディーラーではあったメカニックによる「どのパーツに異変があり、どうやって修理するか」といった説明はなし。 受付のお姉さんに見積もり書を渡されて「はい、終わり」という対応に「歓迎されてなさ」を感じながら、お店をあとにします。 いや、まぁ、塩対応はしかたのないもの。 ディーラーは新車の販売ありきで、整備や修理は購入者に向けたアフターサービス&再び購入してもらうための投資。 よそで購入し、しかも販売を終了して10年以上経つ厄介なクルマを持ち込まれたら、そりゃ困るよね。 新車を買う気のなさも、ありありと伝わっていたでしょうし。 客がお店を選べるように、お店だって客を選べます。 ディーラーでの対応を“やんわりとした拒否”と受け取り、あらためて主治医を探すことにしました。 近所を見てまわったところ数件、旧車を受け入れている整備工場を見かけたのですが、さて、どこに持ち込むか……。 ■口コミを信じて訪れたお店は、紛れもなく“整備士”が腕をふるうお店でした ふと近隣の旧車サークルのメンバーさんが、ブログにて勧めていた車整備工場があったのを思い出します。 記憶に残っていたのも、なにかの縁。まずはこちらの整備工場に診てもらうことにしました。 この頃は「訪問前にまず連絡」という基本的なマナーすら知らなかったため、突然の訪問。 応対してくれたのは店長で、忙しいにも関わらず嫌な顔ひとつせずにS15型シルビアを診てくれ、出てきた見積もりは先のディーラーの半額ほど。 半額!? もちろん安いのは嬉しいけど、そこまで差があると、ちょっと怖いというか……。 聞けばハブ回り全部を交換する必要はなく、異常が出ている箇所だけを交換するから、この金額に収まるのだそう。 かつて旧車やヒストリックカーのレストアも手がけるディーラーを取材したとき、「今のディーラーはアッセンブリー交換士しかいない。 ちゃんとした整備士を育てるためにレストアをはじめた」という所長のコメントを思い出し、妙に合点がいったものでした。 店長の説明に納得し、正式に修理をお願い。 スケジュールが一杯の上、代車の空きもないということで、入庫は1週間先となりました。 整備工場の忙しさとともに、ディーラーの体制がどれほどすごいか、そしてディーラー慣れした自身のおごりを理解したものです。 修理が終わって引き取りに向かった際、写真付きで作業内容の説明を受け、整備士の「きちんとした仕事」がどういうものかを、客の立場で教わります。 不満どころか感謝しかないお店です。 その後も引き続き、整備や車検をお願いし、6~7年を経た今では「乗り続ける限りS15型シルビアの面倒をみるから、最後は引き取らせて」との冗談をもらう程度の付き合いになりました。 部品の供給終了や価格の高騰により、修理が出来なくなる日もくるとは思いますが、少なくとも私が諦めるまではS15型シルビアに乗り続けることができそうです。 お金持ちならいざ知らず、いち庶民の私たちが旧車を維持するには、良心的で旧車の整備に慣れた整備工場の存在が必要不可欠。 これから旧車を購入される方は、まめに先達に聞くなどして情報を集めることをお勧めします。 [画像・AdobeStock、ライター・撮影/糸井賢一]
1972年3月以前に発売された車の燃料は「有鉛ガソリン」に指定されています。ハコスカやS30フェアレディZなど現在でも人気の旧車が有鉛ガソリン車にあたりますが「有鉛ガソリンってどこで入れられるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。実は、2023年2月現在は有鉛ガソリンを扱っているガソリンスタンドは日本に存在しません。取り扱っているのは無鉛ガソリンのみです。 そこでこの記事では、有鉛ガソリン車に乗り続ければどうすればいいのか、無鉛ガソリンでも代用できるのか、気になる燃料事情を解説します。 そもそも「有鉛ガソリン」って何? 有鉛ガソリンとはアルキル鉛が微量添加されているガソリンです。オクタン価を上昇させるアンチノック剤としてアルキル鉛がガソリンに添加されていました。また、アルキル鉛にはバルブシートの摩耗を防ぎ保護するという役割もあります。簡単にいえば、有鉛ガソリンはエンジンに優しいということです。 しかし、アルキル鉛は環境には優しくありませんでした。毒物及び劇物取締法の特定毒物に指定されている有害物質を含んでいるからです。1980年頃まではハイオクガソリンにアルキル鉛がわずかに使用されていましたが、1987年には完全に無鉛化されました。 「有鉛ガソリン車」に「無鉛ガソリン」を入れても良いの? ここからは本題の「無鉛ガソリン車」に「無鉛ガソリン」を入れても問題ないか解説します。 かつて有鉛ガソリンが使われていた主な理由は下記の2点です。 ・アンチノック剤としてオクタン価を上昇させるため・潤滑、クッション材としてバルブシートを保護するため 現在は「無鉛プレミアム(ハイオク)ガソリン」がオクタン価の高い燃料として生産されています。そのため、ハイオクを入れておけば、ノッキングは避けられるでしょう。しかし問題は2つ目の理由です。現代のハイオクガソリンでは、バブルシートを多少なりとも摩耗させてしまいます。やはり完全にリスクを排除して無鉛ガソリンを代用するのは難しいようです。 無鉛プレミアム(ハイオク)ガソリンで「有鉛ガソリン車」を入れる際の注意点 完全に代用はできなくても、無鉛ガソリンを入れたからといって走行できなくなるわけではありません。ここからは、無鉛プレミアム(ハイオク)ガソリンを使いながらも有鉛ガソリン車のエンジンをいたわるポイントを解説します。 市販の有鉛化添加剤をハイオクガソリンに混ぜる 整備工場やカー用品店、ネット通販などでガソリンに混ぜるための有鉛化添加剤が売られています。これらを使用すると、バルブシートの摩耗を防止できます。有鉛化といっても、鉛の代わりにナトリウム化合物によって有鉛化効果を得るものであるため、環境的に問題はありません。 「有鉛ガソリン車」の使用頻度を下げる 週末に少しだけ乗る、というような頻度の少ない使い方であれば、ハイオクガソリンをそのまま入れて問題ないでしょう。しかし通勤に使うなどほとんど毎日乗る場合には、どうしてもバブルシートが摩耗してしまいます。なるべく乗る機会を減らすか、もしくはハイオクガソリンを入れるたびに添加剤も入れておくのもバルブシートの摩耗を防ぐ方法です。 バルブシートを無鉛ガソリン用に交換する 現代では旧車発売当時より技術力が向上しており、無鉛ガソリンでも摩耗しにくいバブルシートが開発されています。無鉛ガソリン対応のバブルシートに交換すれば、無鉛プレミアム(ハイオク)ガソリンを入れても問題ありません。しかし、整備工場に交換を依頼する必要があるため、費用がかさんでしまいます。 有鉛ガソリン車の取り扱いに困ったら手放すという選択肢も 旧車の維持には多くのお金が必要です。特に「有鉛ガソリン車」は添加剤の使用やバルブシートの交換でさらに費用がかかります。もし維持費を負担に感じたら、売却をご検討してみてはいかがでしょうか。
セルシオといえば、1989年10月から2006年5月まで製造されていたトヨタ自動車のフラグシップセダン(センチュリー除く)です。2000年8月に登場した30系3代目は最後のセルシオとして中古市場でも高い人気を誇っています。発売当初は高嶺の花といわれていましたが、現在中古市場では100万円程度で購入できる個体も増え、購入を検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、30系セルシオはどんなに新しいモデルでも製造から15年以上が経過しているため、維持費が心配になりますよね。そこで今回の記事では30系セルシオにかかる維持費について解説いたします。 30系セルシオの特徴 30系セルシオは2000年から2006年まで製造された3代目のセルシオです。2代目までは直線的なボディラインでしたが3代目は曲線的なデザインに変わり、イメージを一新しました。内装デザインは帝国ホテル、フォーシーズンズホテル、リーツカールトンを参考に、シートはブリティッシュ・エアウェイズ、日本航空のファーストクラスを参考に作られたといわれています。カーオーディオについても、高級メーカー「マークレビンソン」が手掛けたプレミアムサウンドシステムをオプションで選択できることも話題になりました。 30系セルシオ維持費の内訳 30系セルシオの維持費について、5項目に分けて解説します。 燃料代 30系セルシオは3UZ-FE型 4.3 L V8 DOHCエンジンを搭載しており、燃費は10・15モードのカタログ数値で8.2km/リットルです。実燃費は6〜7km/リットルほどといわれています。 先代の20系からは0.2km/リットル向上しているとはいえ、30系セルシオはハイオク限定車です。費用の負担はどうしても大きくなってしまうでしょう。 ここからはさらに詳しく金額をシミュレーションします。仮に通勤で使用し月間1,000km走行した場合、ガソリンは約154リットル使用(*1) し、燃料代は26,750円(*2) ほどかかります。この条件で1年間走行した場合の総額は、321,000円(*2) です。*1 燃費は6.5km/リットルで算出*2 2022年11月27日のハイオクガソリン1リットル当たりの平均価格173.7円で算出 自動車税 2022年11月現在、新車登録が2019年9月30日以前の4.0リットル超~4.5リットル以下の自動車税は76,500円/年です。30系セルシオの場合はどんなに新しいモデルでも車齢が13年を超えるため、自動車税は重課税されて87,900円かかります。 任意保険 30系セルシオの任意保険について大手のネット型保険で見積もりをしました。 <条件>年齢:30歳等級:6E使用目的:通勤・通学運転者:本人限定 <補償内容>対人賠償(1名につき):無制限対物賠償(1事故につき):無制限対物超過特約(相手自動車1台につき50万円まで):あり人身傷害:あり(車内のみ補償)人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円入院諸費用特約:なし車両保険:あり車両保険(保険金額):90万円免責金額(1回目-2回目以降):5~10万円 上記内容でシミュレーションしたところ、総額が約115,000円/年でした。車両保険が金額を上げています。保険金額は50万円のため、車両保険をつけないで保険料を下げるという選択肢もありかもしれません。 車検 30系セルシオの車検代の相場を見ていきましょう。 <ディーラー車検の場合>自賠責保険:20,010円(24ヶ月)自動車重量税:45,600円(24ヶ月)※初年度登録から13年以上経過で算出印紙代:1,800円車検料:60,000円合計:127,410円※車検料は内容、整備工場などにより費用は増減します 注目すべきポイントは自動車税の重課税です。1.5トン超~2.0トン以下の重量税は32,800円ですが、初年度登録から13年以上経過した車両は重課税されて45,600円かかります。 メンテナンス費用 最後にメンテナンス費用を見ていきましょう。30系セルシオのメンテナンスについては下記の費用がかかってきます。 ・洗車代・ワイパーゴム交換代・ウォッシャー液交換代・冷却水補充代・エアコンフィルター交換代・ヘッドライト交換代・エンジンオイル交換代・オイルフィルター交換代・ブレーキオイル交換代・エアクリーナー交換代 1年間でこれらの費用が発生します。高く見積もって5万円ほどを見込んでおけばいいでしょう。30系セルシオのタイヤ交換が発生する場合は高級車用のため10万以上追加でかかるケースもあります。 30系セルシオ年間維持費はいくら? 維持費の内訳を見てきましたが、30系セルシオの場合、合計でいくらになるのでしょうか。合計額を見ていきましょう。 <自家用車登録の30系セルシオ年間維持費>ガソリン代:321,000円自動車税:87,900円任意保険:115,000円車検:63,705円(2年ごとにかかる費用の半額分)メンテナンス費:50,000円合計:637,605円 月額では53,130円ほどかかる計算です。ローンで購入するとさらに月々の返済が発生し、月極駐車場を契約する場合は、別途駐車場代が毎月かかります。 ※2022年11月27日のデータです。 30系セルシオの維持費が高いと思った時の対処法 大排気量のハイオク限定車は維持費が高額になります。また、最終モデルでも発売から15年以上経過するクルマのため、こまめにメンテナンスする必要がありお金がかかるでしょう。30系セルシオの維持費が高いと思ったら、手放すことも一つの選択肢です。30系セルシオの売却をご検討の際は、ぜひ旧車王にご相談ください。
ランドクルーザー70は1984年にデビューした現在でも人気の高いクロスカントリー車です。現在では「ヘビーデューティ系」に分類され、未舗装路でも難なく走行できる高い走破性や優れた耐久性が特徴のモデルです。 しかし、発売開始されたのが約40年前のクルマであるため、購入を検討しているものの、故障を心配している方、壊れた場合に高額な修理費用がかかるのではないかと不安な方は多いのではないでしょうか。 この記事では、ランクル70でよくある故障事例5つと修理費用を解説します。 ランクル70のよくある故障事例と修理費用の相場 耐久性が高いといわれるランクルですが、何十年も前に登場したモデルともなれば、やはり故障や不具合が多くなります。ランクル70が発売されたのは1984年で約40年前です。さまざまな箇所に故障や不具合がみられてもおかしくありません。 ここでは、ランクル70のよくある故障事例と修理費用の相場を紹介します。 オルタネーターの発電不良 オルタネーターはいわゆる発電器のことで、バッテリーの充電及びさまざまな電装部品への電力供給を行います。一般的に10年~15年、もしくは10万km〜15万kmが寿命といわれており、発売から40年近く経過したランクル70でも、故障に気をつけなければならない箇所です。 ランクル70のオルタネーターの修理費用の相場は、リビルト品で6万円程度、新品部品で12万円程度です。しかし、依頼する業者や使用するパーツによって金額は異なります。 なお、リビルト品とは、パーツ交換やクリーニングを実施し、完全に機能する状態に組み立てられたパーツのことを指します。廃車になったクルマなどから取り外したパーツが使われるため、新品部品ではありませんが、手頃な価格で手に入れられる高品質なパーツです。 ラジエーターからの冷却水漏れ ラジエーターの交換時期は10年または10万kmといわれています。中古のランクル70だと、走行距離が30万kmを超える個体も多いため、交換を避けて通ることはできないでしょう。 年式によっては新品、中古品ともにパーツがないため、専門業者に現物を持ち込んで修理を依頼することになります。 修理費用の相場は、新品(社外品)への交換場合で8万~10万円程度、現物修理の場合で10万円程度です。 燃料噴射ポンプからの燃料漏れ ランクル70には、ディーゼルエンジンを搭載したモデルがラインナップされています。 ディーゼルエンジンは、圧縮した空気に燃料を噴射して動作するエンジンです。ディーゼルの燃料噴射ポンプは非常に丈夫に作られていますが、長年の使用によって磨耗したり、内部のパーツが劣化したりしてパーツに隙間ができてしまい、燃料漏れを起こすことがあります。 燃料噴射ポンプの修理費用の相場は、リビルト品を使用した場合で20万円程度です。依頼する業者によって金額は異なりますが、いずれにしても高額な交換費用を覚悟しなければなりません。 エアコンの効きが悪い 一般的にエアコンの寿命は7年〜10年といわれています。使用状況によっては10年以上使える場合もありますが、ランクル70は最も年式が新しい個体でも20年近くが経過しているため、仮に今正常に作動していてもいつエアコンが効かなくなるかわかりません。 修理費用の相場は、コンプレッサーの交換の場合で10万円程度です。しかし、エバポレーターや配管からエアコンガスの漏れがあった場合は、さらに10万〜20万円程度の費用がかかります。理由は、ダッシュボードの裏側などの交換作業が難しい場所に設置されているためです。交換作業は非常に複雑なため、かかる費用の半分以上が工賃になることも珍しくありません。 フロントアクスルからのデフオイル漏れ ランクル70のフロントアクスルには、ナックルという部品が装着されています。ナックルとは、クルマのステアリングシステムを構成する部品の1つで、ランクル70の場合はそのナックルの内部がグリスで満たされています。また、ナックル内部にはグリスとデフオイルが混ざらないようにオイルシールが設けられています。 しかし、長年の走行でそのオイルシールが消耗するとグリスとデフオイルが混ざりはじめます。グリスとデフオイルが混ざるとキングピンベアリングの固着やナックルからのデフオイル漏れが起こり、最悪の場合は走行できなくなります。 修理費用の相場は、オイルシールに加えて、キングピンベアリングの交換も行った場合で、13万円程度です。 まとめ ランクル70は、30万km以上の走行にも耐える耐久性があるといわれているものの、発売からかなりの年数が経過しているために故障や不具合を避けられないクルマです。消耗品という捉え方で対処するオーナーの方もいますが、初めて古いクルマに乗る方や、クルマが故障した経験が少ない方にとっては、不安を感じるでしょう。 今回紹介した故障事例をもとに、あらかじめ壊れた際の依頼先を検討しておいたり、修理費用を見積もっておくと安心したランクル70ライフを送れるかもしれません。