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免許返納後の移動手段について悩む方が多いのではないでしょうか。警視庁交通部の「運転免許を返納された方へ」によると、免許を保有している人の多くが、車を運転する理由は移動手段と答えています。このことからも免許返納後の移動手段に悩む人が多いといえるでしょう。今回は、免許返納後の移動手段、自転車のメリットやデメリットを解説します。移動手段に悩んで免許返納をためらっている方は参考にしてみてください。 出典元:警視庁交通部『運転免許を返納された方へ』 免許返納後の移動手段 免許返納後の移動手段には、自転車・徒歩・公共交通機関などがあります。ここからは、免許を返納した後の主な移動手段を紹介します。 自転車 車と同じように時間に左右されず、自由に移動できる乗り物が自転車です。自転車には、軽量タイプや三輪車タイプなど、さまざまな種類があります。また、近年では走行を支援する電動アシスト自転車も増えています。電動アシスト自転車は、モーターのアシストによって楽に運転できる自転車で、脚力や体力に自信がなくても走らせやすいことが特徴です。さらに、運転経歴証明書を提示すれば自転車の購入代金が割引になることもあります。 徒歩 徒歩は、適度な運動になるだけではなく、認知症のリスクを低減できる可能性がある移動方法です。買い物をするついでに運動もできる徒歩は、健康維持にも有効な手段といえるでしょう。 タクシー タクシーは、目的地まで直接移動できる公共交通機関です。希望する場所へ呼んだり、送ってもらえたりすることが特徴です。運転経歴証明書があれば運賃が割引になることもあります。 バス・電車 バスや電車は、最寄りのバス停や駅まで移動しなければなりませんが、タクシーよりも安く運賃で移動できることが特徴です。最寄りの停留所まで自転車や徒歩で移動することで、適度な運動にもなるでしょう。また、徒歩や自転車で移動できる範囲よりも遠くに行けるのも、バスや電車ならではのポイントです。日常生活圏内から離れると気分転換にもなるでしょう。 免許返納して自転車移動に切り替えるメリット 免許を返納して自転車に乗って移動するメリットは、車よりも維持がしやすく、運動にもなることでしょう。ここからは、自転車を利用するメリットを解説します。 運動が習慣づく 移動手段を車から自転車に変えると、適度な運動が習慣づくでしょう。生活必需品の買い出しや郵便物の差し出しなどに自転車を使うことで、生活の一部に運動を取り入れることが可能です。適度な運動は、健康の維持につながり、認知症のリスクを低減できる可能性もあります。 気分転換になりやすい 自転車は、気分転換にも有効です。車の運転では渋滞や歩行者・自転車などに気を付けなければなりません。そのため、ストレスを感じやすい移動方法といえるでしょう。自転車でも他の交通にストレスを感じやすいものの、渋滞を避けやすいことから、ストレスを感じにくいといえます。また、適度な運動はストレス発散効果があるため、車よりも気分転換がしやすいです。 維持費が安い 自転車は、車のような税金や燃料代がかからないため、維持費が安く済みます。車は、自動車税やガソリン代、車検代やメンテナンス費など多くのコストがかかります。一方、自転車は購入以降、税金や燃料代がかかりません。そのため、毎年多額の維持費を支払う必要がなくなります。 壊れてもすぐに修理できるケースが多い 自転車が故障したときは、自転車の販売店やホームセンターなどで修理ができます。車の場合は、修理に時間がかかることが多く、費用も高くなりやすいです。しかし、自転車ならすぐに修理できることが多く、修理費も安いことがほとんどです。 免許返納して自転車移動に切り替えるデメリット 移動手段に自転車を使うことはメリットばかりではありません。ここからは、自転車を移動手段として使うデメリットを解説します。 雪道には使用することが難しい 雪道は路面が滑りやすいため、自転車を使うことが難しいです。また、雨で濡れた路面や砂利が堆積している道路では、タイヤが滑ってケガをしてしまうこともあります。自転車は、天候や路面の状況によって運転が難しかったり、使用できなかったりすることがデメリットです。 盗まれるリスクが高い 自転車は、車体が軽いため盗難リスクが高いです。駅やスーパーの駐輪場などでは、自転車そのものの施錠だけでなく、柱や車輪止めなどを利用して盗まれないようにしておきましょう。 小さな事故でも大怪我を負うリスクが高い 身を守るものが少ない自転車は、小さな事故でも大きなケガになる場合があります。自転車に乗るときは、肌の露出が少ない服装で運転をしたり、安全な場所を選びながら走らせたりするようにしましょう。
免許を返納すると、家から目的地まで移動する手段が限られてしまいます。特に、ドアtoドアの移動は、タクシーや家族の手を借りなければなりません。ドアtoドアの公共交通機関であるタクシーに、免許返納後の特典はあるのでしょうか。今回は、免許返納をしてから交付される運転経歴証明書を提示することで受けられるタクシーの特典について解説します。 免許返納で受けられるタクシーの特典内容 免許を返納し、運転経歴証明書の交付を受けた高齢者がタクシーを利用するときに受けられる特典には、運賃の割引やタクシー券の交付があります。特典内容は、タクシー会社や各自治体によって異なるため、各自治体の高齢運転者の支援情報を確認してください。ここからは、運転経歴証明書を提示して受けられるタクシーの特典を解説します。 常に割引 高齢者が運転経歴証明書を提示することで、タクシーの運賃割引を受けられます。多くのタクシー会社では、運賃10%割引となっています。ただし、都道府県や自治体によっては、回数券の交付をしているケースもあるため、自分の自治体でどのような支援が受けられるのか、条件を満たしているかなどを確認しましょう。 回数券を1回だけ配布 都道府県や自治体によっては、運転経歴証明書(または写し)を持参し、申請することで、タクシー券を1回限りで交付してもらえる場合があります。金額や枚数、交付条件などは、各自治体によって異なるため、各自治体のホームページなどで確認してください。 免許返納でタクシーの特典を受けられる地域 免許返納でタクシーの特典を受けられる地域は日本各地にあります。ここでは、タクシーの特典を受けられる主な地域と特典内容を紹介します。 富山県富山市 富山県富山市は、運転免許を全部自主返納した満65歳以上の方を対象に、公共交通機関やタクシーで利用できる支援券(1万円分)を交付しています。ただし、支援は1人1回限りで、令和3年度(2022年3月31日)で申請受付が終了となります。 山形県山形市 山形県では、県内広域においてタクシー・ハイヤーの運賃が10%引きとなります。また、山形市では、山形市に住民登録がある70歳以上の免許返納者を対象に、タクシー券2万円分を交付しています。ただし、タクシー券の交付には条件があるため、交付前に対象かどうか確認しておきましょう。 千葉県八千代市 千葉県八千代市では、八千代市内に居住し、住民登録がある65歳以上の高齢者を対象に、乗車1回につき500円割引となるタクシー券を20枚交付しています。ただし、1人1回限りの交付となっており、再発行ができません。また、有効期限が交付から3年となっています。タクシー券の交付には、運転経歴証明書の写しの提示が必要です。 千葉県我孫子市 千葉県我孫子市では、運転経歴証明書を所有している70歳以上の我孫子市民を対象に、市内で利用できるタクシー券4,000円分(200円×20枚)を発行しています。ただし、タクシー券の発行は1回限りとなり、追加発行(更新)できません。 新潟県長岡市 新潟県長岡市では、運転免許証を自主返納した65歳以上の方を対象に、公共交通機関利用券3,000円分の交付をしています。また、市内のタクシーを利用する際に、運転経歴証明書を提示すると運賃が10%割引されます。 福島県小野町 福島県小野町は、運転免許証を自主返納した方を対象(年齢制限なし)に、タクシー料金の助成をしています。小野町の助成制度は、運転経歴証明書を提示してタクシーに乗り、乗車料金が800円を超えた場合、利用者の負担額が800円のみになるというものです。ただし、移動範囲は町内のみ、利用時間は原則7:00から19:00、利用回数は1ヶ月に16回まで等の条件があります。 静岡県沼津市 静岡県沼津市では、有効期間内の運転免許証を自主返納した65歳以上の市民を対象に、バス・タクシーの利用券5,000円分(100円券×50枚)を交付しています。利用券の有効期限は、交付を受けた日から1年後の年度末までとなっています。 大阪府堺市 大阪府では、免許返納した大阪府在住の65歳以上の方のタクシー運賃が10%割引となります。運転経歴証明書を利用して運賃割引を受ける場合は、タクシーに乗車した際に証明書を提示します。 大分県 大分県では、運転経歴証明書の交付を受けている高齢者のタクシー運賃が10%引きとなります。また、タクシー券(タクシーチケット)の交付をしている自治体もあります。年齢条件やチケットの金額については各自治体に確認してください。 免許を返納してタクシーを利用するメリット 免許を返納してタクシーを利用すると、事故を起こすリスクが減ります。また、頻繁に車に乗ることがない場合には、車の維持費よりもタクシー代の方が安く済むこともあるでしょう。ここからは、タクシーを利用するメリットを解説します。 事故で罪に問われるリスクが低い タクシーを利用すると、自分で運転する必要がなくなるため、事故の当事者になるリスクが低くなります。交通事故を起こすと、多額の損害賠償を支払ったり、罪に問われたりすることがあります。金銭的・精神的な負担を減らせることも、タクシーを利用するメリットといえるでしょう。 維持費を考慮すると支出が少なくなることも 車は、自動車税、車検代、燃料代、メンテナンス代など、さまざまな費用がかかります。軽自動車であっても、年間20万円ほどの維持費がかかることから、車に乗る頻度が低い場合は、タクシーを利用した方が出費を抑えられるでしょう。
今も現役のスポーツカーとして販売されているトヨタ スープラは長い歴史の中で人気を博してきた車です。先代モデルのA80型スープラは特に人気が高く、中古市場では走行距離10万km近い個体でも当時の新車価格を超える車体もあります。現時点で28年も前の車がなぜそこまで人気なのか、その理由は国内だけではなく、海外の影響もあるのです。 グランドツーリングからピュアスポーツに方向転換したA80型 1990年代前半当時は、日産 「R32 GT-R」やマツダ「 RX-7 FD3S」など魅力的なスポーツカーが数多く発売されていました。そんな車好きを熱くさせた1993年5月、ニュルブルクリングで幾多の走行テストを重ね、研究し尽された新型スープラが誕生。これまでのグランドツーリング志向の歴代モデルに比べ、よりピュアなスポーツカーとして登場しました。 「THE SPORTS OF TOYOTA」のキャッチコピーのもと発売されたA80型スープラは、曲線を多用したグラマラスな外観ながら、ツインターボエンジンやダブルウィッシュボーンサス、大型ブレーキ、ゲトラグ社の6速MTなど、多くの魅力的な装備が備わっています。 1000馬力にも耐えうる2JZエンジン 全長4,520mm×全幅1,810mm×全高1,275mmのボディに搭載される2JZ型はパワーとトルク、耐久性にも優れており「トヨタ最強エンジン」との呼び声も高いエンジンです。 シーケンシャルツインターボを搭載したRZグレードは、最高出力は自主規制いっぱいの280psでありながら、最大トルク44.0kgmという当時のライバルたちを蹴散らすかの性能を発揮しました。 おまけに鋳鉄製のエンジンブロックはとても頑丈で、およそ1000psのパワーにも耐えることができ、チューニング業界でも非常に重宝されています。その性能の高さから、GRヤリスなど現在の車にも載せ替えが積極的に行われており、ドリフトやゼロヨンなどでは未だ現役のエンジンだといえるでしょう。 ワイルド・スピードへの登場で人気は加速 そんなA80型スープラは、北米でカルト的とも言える人気を誇っています。その理由は2001年に第一作が公開され、現在までシリーズが続くカー・アクション映画「ワイルド・スピード」の存在です。 故ポール・ウォーカー演じる主人公「ブライアン・オコナー」が駆るA80型スープラは、劇中でもその力強い走りを見せつけ、多くのファンを生み出します。 しかし、主演のポールは実生活でもスープラを所有するほどの車好きでしたが、2013年11月に自動車事故に遭い、40歳という若さでこの世を去ってしまいました。この衝撃的なニュースにファンは深い悲しみに暮れ、その後公開された7作目「ワイルド・スピード SKY MISSION」はポールの遺作となったのです。 なぜ中古市場が高騰しているのか 2021年6月17日〜19日にラスベガスで行われた「バレット・ジャクソン・オークション」では、ポールが劇中で乗ったA80型スープラが出品されました。 劇中どおりのオレンジのボディカラーとアルミ製の大型リアウイングが装着されたその姿にオークションは沸き、55万ドル(約6106万5950円)もの価格で落札されたのです。A80型スープラの海外人気はワイルド・スピードの影響もありますが、北米仕様として販売された日本車を純日本仕様にカスタムする「JDM」がブームだったことも関係しています。 そして、北米での制度により、製造から25年が経過した車は自由に販売、運転することができるため、日本の多くのA80型スープラは海外に輸出されました。その「25年ルール」の影響でA80型スープラの需要は急増、それに従って日本国内の中古車価格も高騰している現状です。 A80型スープラの中古車価格と買取相場 では、A80型スープラの中古車価格はどうなっているのか、車両本体価格と買取相場について見ていきましょう。 2021年6月時点での中古車は、最安個体でNAのSZグレードが243万円であるに対し、最高額はRZグレードの1080万円と、新車価格の4倍近い価格でした。やはり「RZ」や「RZ-S」といったターボ付きグレードは年式、走行距離問わず高額で取引されており、10万km走行車でも600~800万円の価格がついています。 旧車王での買取相場は「SZ」が100~300万円、「RZ」が200~700万円と、車両の状態によっては新車価格以上の買取が期待できることから、A80型スープラの需要は非常に高いことがわかります。 まとめ A80型スープラは2002年7月に新設された排気ガス規制に対応できず、販売を終了していますが、その人気は新型が発売されても未だに衰えることがありません。 チューニング、モータースポーツ、ワイルド・スピード、25年ルールなど、国外問わずさまざまな要素がA80型スープラを取り囲んでいます。 販売期間中の売上台数はわずか3万台ほどで、国内の在庫も着実に減っていっており、中古車相場はますます高くなる可能性があるでしょう。それほどの魅力に満ち溢れたA80型スープラ、購入を検討しているならば早いうちが得かもしれません。 [ライター/増田真吾]
2021年8月に待望の新型車が発表されることが正式に決まった日産 フェアレディZ。1969年に登場した初代となるS30型は、日本のみならず、北米市場も席巻し、日産を世界的企業へと押し上げた1台となりました。 日産の高い技術力と個性的なデザインが融合したフェアレディZは、どのモデルも常に独創的で、日産ファンのみならず、全ての自動車ファンが注目するモデルのひとつ。今回は、日産の地位を世界的なものにしたフェアレディZの歴史と、中古車価格から見る現在のZシリーズの人気についてご紹介します。 新型が登場する日産 フェアレディZの歴史 2021年8月に新型車の発表をすると正式にアナウンスがあった日産 フェアレディZ。 初代の登場は半世紀以上前となる1969年で、現在まで発売されたモデルは全6世代です。 どのモデルも個性的で人気の高いフェアレディZの初代から現行の6代目までの特徴を順にご紹介します。 S30型(初代:1969年~1978年) 初代フェアレディZが登場したのは1969年。登場から10年に渡り、世界累計55万台を売り上げるロングヒットモデルとなりました。 特徴的な、ロングノーズ・ショートデッキの独特のフォルムは、海外でも人気が高く、高い走行性能に対して価格の安い、いわゆるコスパのいいことも手伝って、海外、特に北米での売上を伸ばし、日産の名前を世界に知らしめた1台です。 S130型(2代目:1978年~1983年) 国産車初のTバールーフ車となった2代目Zは、初代のフォルムを引き継ぎながらややワイド化したモデルでした。 ド派手な爆破シーンとカーアクションで大人気の刑事ドラマ、西部警察で大門刑事(渡哲也)が乗るスーパーZとして活躍したのが記憶に残っています。 Z31型(3代目:1983年~1989年) ロングノーズ、ショートデッキという基本的なフォルムは継承しつつ、2代目までとはイメージが大きく異なるモデルです。 フェアレディZシリーズ唯一のリトラクタブルヘッドライトが特徴的で、エンジンもハイパワーのターボエンジンVG30ETを搭載するなど、ハイパフォーマンススポーツカーという新しいZの方向性を決めたモデルになりました。 Z32型(4代目:1989年~2000年) 先代からスーパースポーツカーへと変更した方向性を、より発展させたモデルとなりました。 一番大きな変更点は、フェアレディZの外観上の特徴だった、ロングノーズ・ショートデッキを改め、スポーツカーの象徴であるワイド&ローにデザイン変更したこと。 これによって、主要マーケットであった北米で、ポルシェなどと同等の高級スポーツカーの地位を確立しました。 Z33型(5代目:2002年~2008年) 1969年の初代登場から途切れる事がなかったフェアレディZの歴史上、唯一の空白となった2年間を経て登場したのが5代目となるZ33型です。 ボディタイプは、クーペとロードスターの2種類で、伝統の2by2モデルを排して、2シーターのみの設定でした。日産リバイバルプランの目玉の一つとして登場したのも記憶に新しいところです。 Z34型(6代目/現行型:2008年~) 現行型となるフェアレディZ6代目のZ34型は、Z33型を正統に進化させたと言えるモデルです。 フォルムは前作を引き継ぎつつ、エンジンは排気量を200cc増加させて最大355馬力を発生するV型6気筒3.7Lエンジンを搭載。ドライブトレインやボディ・シャシー設計の見直しを行うなど、性能面を徹底的に煮詰めたモデルとなりました。 歴代フェアレディZの中古車相場について 現行車種が販売中にも関わらず、歴代モデルも人気の高いフェアレディZの中古車相場を調べてみました。 歴代のフェアレディZは、古いモデルほど相対的に高値で取引されている傾向があります。特に初代となるS30型の価格は高値となっていて、中古車価格は軒並み500万円以上で、中には1000万円を超えるものもあるほどの人気車種です。 一方で、Z31型以降は100万円台から400万円程度と、今のところ常識的な価格で推移しています。 30年以上経過していても100万円以上の買取実績も しかし、旧車王での買取実績を見ると、新車登場からすでに30年以上が経過しているZ31でさえ、100万円での買取実績もあり、Zシリーズはやはり人気の高いモデルであることは間違い有りません。 フェアレディZシリーズは、特に海外では安定した人気があり、今後海外での価格動向次第で、国内での中古車価格が上がる可能性もあり、今後の動向に注目です。 フェアレディZは空冷ポルシェ911のようになれるか 2010年代半ばから起こったポルシェ911の価格が、世界的に暴騰したことをご存知でしょうか。 ポルシェ911はアメリカ市場において、2010年台に入るまで徐々に価格が上昇していたものの、日本円換算約500万円以下で取引されていました。 しかし、2010年代に入り、約650万円を超えたあたりで、車のコレクターだけではなく投機家の注目も集め、2015年には約1300万円と2倍に高騰。特に保存状態が良いという理由で、日本で流通していた993型以前の空冷モデルは海外のバイヤーから注目されたこともあり、日本の中古車市場相場を押し上げる要因となりました。 アメリカ市場で急騰するフェアレディZ!今後の価格動向に注目 元々海外での人気が高く、比較的高値で取引されることの多かったフェアレディZシリーズは、近年、ポルシェと同じ様な値動きをしています。 特に初代となるS30系は、2020年の300万円前後から2021年には、400万円弱まで急騰していて、アメリカ市場といえども今後の値動きから目を話せない状況です。 海外での日産の地位を確立したフェアレディZは現代でも健在 独特のデザインと、バーゲン価格というべき驚きの低価格設定で、日産の技術力を世界に知らしめたS30型、そしてポルシェなどと同等の高級スポーツカーとしての地位を海外で確立したZ32型。 フェアレディZの歴史は、日産を世界企業にした歴史と言っても過言ではありません。 初代S30系Zの登場から半世紀以上経った現在でも、新型が発表されるという点からも、フェアレディZの存在が日産にとって特別であることが分かります。 [ライター/増田真吾]
ホンダが設定するスポーツグレード「タイプR」は、1992年に発売された初代NSXにはじめて設定されました。しかし、当時900万円を超える価格に、なかなか手が出づらいものでした。そんな中、222万円という価格ながら、1.8Lの排気量で最高出力200psを8000回転で絞り出す本気仕様のマシン、インテグラタイプRが登場します。 今回は、大衆車から一躍スポーツカーに躍り出たインテグラタイプRのスペックと、中古車相場について紹介していきましょう。 価格は控えめなのにスペックは本格派 インテグラタイプRは「もっと身近なレーシングスポーツが欲しい」というユーザーの声に応えるべく、1995年8月に発売されました。 3代目インテグラをベースとした初代インテグラタイプRは、超高回転型エンジンをはじめ、専用の足回りやLSDの採用でハンドリングを徹底的に追求。さらに、ボディ剛性の強化も施され、まさにメーカーチューンドと呼ぶにふさわしいスペックが与えられました。 それにも関わらず車体価格は222万8000円と、NSXタイプRに比べるとかなりリーズナブル。 ボディは3ドアクーペの他に4ドアハードトップも設定され、スポーツモデルながらパワステやパワーウィンドウも装備されるなど、家族での使用も想定されていたことが特徴的です。 性能がさらに強化された98spec、99spec 1998年1月には通称「98spec」と呼ばれる後期型へとマイナーチェンジし、各部の性能が強化されました。 ECUの見直しやエキゾーストマニホールドのステンレス化、さらに、タイヤは16インチへ拡大し、ホイール穴も5穴仕様に変更など、大幅なアップデートが実施されています。 その後の1999年7月のマイナーチェンジでは「99spec(00specとも呼ばれる)」が登場。基本的な性能は98specと変わりませんが、電動格納ミラーやキーレスエントリーなどの快適装備が追加されたほか、99spec特別ボディカラーとして「サンライトイエロー」が設定されています。 サンライトイエローを選択するとボディと同じ黄色のレカロシートが選べたため、それ以外に変更点はないものの、特別感を味わうことができました。 レーシングカー並みのスペックでも価格は200万円台前半! 搭載される1.8L直列4気筒DOHC VTEC(B18C型)エンジンは、Spec Rと名付けられたスペシャルモデル。最高出力200psを8,000rpmで発生し、8,400rpmを許容するレーシングエンジン並みのスペックが与えられました。 今の市販車ではまず採用されることの無い限界まで踏んで回すタイプのエンジンに、1060kgという軽量なボディが組み合わさることで、スペック以上のレーシーぶりを発揮してくれます。 専用部品を各部に惜しみなく使用 インテグラタイプRの特筆すべき点はエンジンだけでなく、各部細かい箇所まで徹底的にチューンナップされていることです。 4輪ダブルウイッシュボーンの専用サスペンションは、標準車に比べ車高を15mmダウン。さらにヘリカルLSDを採用し、エンジンやダンパーなどの各部マウント部も強化品に交換されています。 このタイプR用に開発された新規パーツ60点に及ぶにも関わらず、販売価格はベースモデルよりも約12万円高い222万8000円。20年以上前とは言え、メーカーチューンドといっても良いスペックであることを考えれば、まさにバーゲンプライスと言っても良い価格でした。 インテグラ タイプRの中古車相場と買取価格 そんな本格スポーツ仕様のインテグラタイプRですが、2021年8月時点で大手中古車サイトの相場は最安で1997年式の128万円。最高値は1999年式の98specが589万円と、当時の新車価格の2.5倍ほどのプライスがついており、インテグラタイプRの人気の高さが伺えます。 一方、旧車王での買取相場は3ドアクーペ、4ドアハードトップともに50~250万円。マイナーチェンジ後の98spec、99specとなると、3ドアクーペのみ50~300万円と買取り相場がアップします。 インテグラタイプRはジムカーナやターマックラリーなど、モータースポーツのベース車としての海外での需要も高く、市場での相場は新車価格越えが当たり前となっている現状です。 まとめ タイプRシリーズ第2弾として登場したインテグラタイプRは、NSXのときには味わえなかったスポーツカーの楽しさを身近なものにしてくれました。 新車価格は控えめにしながら、超高回転型エンジンを搭載するなど振り切った仕様にしたことで多くのファンを生み、タイプRシリーズはのちのシビックにも受け継がれていきます。 刺激的かつ、誰にでも乗ることのできるスポーツカーの楽しさを提供してくれたインテグラ タイプRは、ホンダのスポーツカー展開に大きな影響を与えた車であることは間違いありません。 [ライター/増田真吾]
ハイパワーエンジンと卓越した4WD性能を有し、伝説的存在となっている三菱のスポーツセダン、ランサーエボリューション。WRCや多くのモータースポーツで好成績を残したこともあり、今でもその熱は冷めやらず、多くのユーザーに愛され続けています。 今回はそんなランサーエボリューション「VII」から「IX」の第3世代を、よくある故障個所なども含めて解説していきましょう。 第3世代ランサーエボリューションとは? ランサーエボリューションは大きく4つの世代に分けられ「Ⅰ」から「III」が第1世代。「IV」から「VI」が第2世代で「VII」から「IX」が第3世代です。 そして最後の第4世代が「X」となっていますが、今回はシリーズ中でも性能が煮詰められた第3世代「CT9A」型について解説します。 新たなプラットフォームと新開発のACDを備えたランエボVII 2000年5月に登場したランサーエボリューションVIIは、ベース車をそれまでの「ランサー」から「ランサーセディア」に変更したことによりボディサイズが拡大しました。 エンジンは、初代から続く2リッター直列4気筒ターボの4G63型を搭載。大型インタークーラーの採用やターボの改良などを行い、最大トルクは39.0kg.mまでアップしています。 そしてVIIの目玉ともいえる、電子制御可変多板クラッチ機構「ACD」は、電子制御によって前後タイヤのトルク配分を行い、ハンドリング、トラクションともに大きく向上しました。 スーパーAYCでコーナリング性を高めたランエボVIII ランサーエボリューションVIIIは2003年1月に登場し、シリーズ初の6速MTを採用しています。 ターボはさらなる調整を施し、最大トルクは40.0kg.mに増加。さらにIVから採用のヨー・コントロールシステム「AYC」を発展させた「スーパーAYC」の搭載し、タイヤ左右間の限界駆動力を倍増させ旋回能力を向上させています。 MIVECでさらに加速が強化されたランエボIX 2005年3月に登場し、第3世代の集大成となるランサーエボリューションIX。フロントバンパーにダクトを新設したことで見た目はよりスポーティーになり、冷却効率も向上しました。 そして、エンジンに可変バルブタイミング機構「MIVEC」の採用。中低速のパワーを無駄なく使えるようになり、最大トルクも41.5kgmまで上がっています。 第3世代ランエボに乗るうえで知っておきたい故障個所 ランサーエボリューションはそのレーシーなキャラクターゆえ、サーキットの高負荷走行が多く、そのぶん故障の事例も多く出ています。 ここでは、第3世代通して故障しやすい箇所についてご紹介しましょう。 ACDポンプ VIIから採用されたACDを制御する「ACDポンプ」はスポーツ走行の繰り返しで故障するケースが多く、異常時は走行こそできますが、油圧による駆動制御が効かなくなってしまいます。 ACDポンプは部品代と交換工賃を合わせると20万円ほどの費用にもなるので、サーキットを走行する機会がある方は、故障に注意する必要があるでしょう。 O2センサー エンジンの吸入空気濃度を検知するO2センサーは、タービンのアウトレット部に設置されており、その熱やススが原因で故障することが多く見られます。 故障した場合は最適な燃料噴射量が狂い、加速不良やアイドリングの不調を起こします。センサー本体は純正だと3万円ほどですが、費用を抑えたい場合は約7000円前後で販売されているOEM品を使用するのがおすすめです。 カム角センサー カムシャフトの動きを検知するカム角センサーは、エキゾーストマニホールド付近に設置されているため、O2センサーのように熱にやられてしまうことが多くあります。 部品代は5000円ほどと比較的安価ですが、故障の際はエンジンが始動しなくなる恐れがあるので早急な修理が必要です。 車体のサビ 雪道を走行する場合はサビにも気を付けなければなりません。雪道に散布される融雪剤には「塩化カルシウム」が含まれており、車体のフレームやマフラーを腐食させる恐れがあります。 フルタイム4WDのランサーエボリューションは降雪地帯で使われることも多く、サビの被害も多数出ているので、下回りをこまめに洗い付着した融雪剤をできる限り落とすようにしましょう。 第3世代ランサーエボリューションの中古車市場 ランサーエボリューションのなかでも第3世代は特に人気が高く、中古車価格の高騰が続いています。 記事執筆時の2021年12月時点で、大手中古車サイトに掲載されている第3世代の中でも、いちばん高額だったのが平成18年式1.8万km走行のGSR IX MRで、車体価格は800万円。走行距離が少ないとは言え、15年以上前の中古車と考えれば、どれだけ高額で取引されているのかがお分かりいただけるのではないでしょうか。 一方、旧車王での買取価格はVIIが~250万円、VIIIが~300万円、IXが~350万円と高額。さらに、走行性能を高めたモデルのVIII MRは~380万円、IX MRは~500万円となっており、世界中で人気の高いランサーエボリューションならではのプライスといえるでしょう。 まとめ VIIからIXまでの第3世代ランサーエボリューションは、すでに頭打ちと思われていた第2世代からさらに進化を遂げ、多くのファンと業界関係者を驚かせました。 ユーザーによっては、その後に登場した第4世代のXよりも、車重の軽い第3世代を高く評価する場合もあり、根強い人気を保ち続けています。 しかし、その高い走行性能とは裏腹に、経年劣化による故障も決して珍しくないため、購入の際は、それまでどのように使われてきた、きちんとメンテナンスされてきたかなども確認するようにしましょう。 [ライター/増田真吾]
多くの人々を魅了するホンダのスポーツカーは歴史が長く、1964年に発売されたオープンカー、S600は市販車でありながら、9500回転まで回せる超高回転型エンジンを搭載していました。上まで回るエンジンと、荷室が広々使える革新的な技術で当時は話題を呼び、今でも根強い人気がある車です。 今回はホンダのスポーツカーS600のレーシーな性能と、中古車相場についてご紹介します。 S600は世界を目指したオープンスポーツ ホンダ S600はFR駆動のオープンカーとして、1964年3月に発売。もともとは自動車産業発展のために、そして「世界一でなければ意味がない」という本田宗一郎氏の言葉のもと、スポーツカーを開発したのが始まりでした。 1962年、ホンダは第9回全日本自動車ショーにて排気量354ccのDOHCエンジンを搭載したスポーツカーS360を出展。2シーターオープンのスポーツカーは話題を呼び、市販化が期待されましたが、当時制定された法案によりS360は発売に至りませんでした。 しかし、翌1963年10月には、水冷直列4気筒DOHCエンジンを搭載した2シーターオープンカーS500を発売。最高出力44PSというS500のパワー不足を補うため、そのわずか5か月後には排気量を531ccから606ccにアップしたS600を登場させます。 S660まで続いたSシリーズ 二輪で培ったホンダの技術が注ぎ込まれたS600は、小排気量でありながら、高回転・高出力なエンジンを搭載し、当時のドライバーには「エスロク」の愛称で親しまれました。 その後は1965年にクーペモデルを追加、排気量を791ccまでアップしたS800を1966年に発売。そして2リッターVTECエンジンを搭載したS2000、2022年3月に販売を終了するS660と、これまでホンダは、オープンカー「Sシリーズ」を展開してきました。 当時のリッターカーにも負けない走行性能 当時はOHVが当たり前のなか、S600は直列4気筒DOHCエンジンを採用。4連キャブレーター、各部専用パーツを使用するなど、当時の市販車としてはレーシーかつ革新的な機構を採用していました。 見た目こそS500とほとんど変わりませんが、エンジンシリンダーのボア、ストロークは拡大され、最高出力は13psアップの57PS/8,500rpm。最高速度145㎞/hという数字は、当時の1200ccクラスにも匹敵するほどのスピードを誇ります。 そして、当時のユーザーから「時計のように精密」と評され、9,500rpmまで回るエンジンは、驚くほど精密に組まれていました。 革新的なチェーン駆動システムで荷室は広々 ほかの車にはないS600の特徴的な部分として、リアのチェーン駆動システムが有名です。 S600の荷室スペースを広くとりたかったホンダは、収納を妨げる後軸付近の機構を移設することを考えます。 まず、後軸付近にある燃料タンク、デフなどを後部座席の後ろに移動。デフから横方向に伸びる2本の駆動シャフトは、後軸中心を避けるようにリアタイヤ内側のアルミケースへと繋がっています。そして、アルミケース内部の油浸チェーンがデフからの駆動力を受けることで、リアタイヤを回転させるという仕組みです。 結果、後軸中心にスペースが空き、当時の小型車としては広く、機能的な荷室空間を確保することに成功しました。 海外でも人気のS600は価格高騰傾向? S600は50年以上前に販売されたクラシックカーですが、海外のオークションではまだまだ熱が冷めやらず、高騰の一途を辿っています。 あるオークションでは50回以上入札されたのち、76,125ドル、日本円で約840万円(執筆時点のレート)という価格で落札されたほど。これはオークションの最低落札価格の54,600ドル(約602万円)よりも40%近く上昇しており、S600の価値が上昇していることがわかります。 中古車である以上、S600の車体在庫はこれからますます減っていき、それと同時に希少価値も上がっていくので、今後のオークションでの落札価格は10万ドル(約1,100万円)を超える可能性があるかもしれません。 S600の中古車相場と買取価格 S600の市場価格を国内の大手中古車サイトで調べたところ、2020年9月時点で走行距離不明の1966年式の個体が333万円。最高値のものだと、同じく走行距離不明の1965年式、クーペタイプのボディで458万円となっていました。 国内での在庫は9台ありましたが、走行距離が不明の個体が多く、購入を考えている場合は実車確認が必須になってくるでしょう。一方、旧車王での買取価格はオープンタイプ、クーペタイプどちらも100~300万円となっています。 S600は半世紀以上前の車ということもあり、各箇所のサビや電装系の不具合など、さまざま問題が考えられるので、売却の際はショップなどで一度点検してもらうのが良いでしょう。 まとめ 「世界一でなければ意味がない」という本田宗一郎氏の言葉にあるとおり、妥協のないクオリティで登場したS600は、国内だけでなく海外にもその名を轟かせました。 超高回転型エンジンは、その後の可変バルブタイミング機構「VTEC」によってさらに進化を遂げ、ホンダ製スポーツカーの印象を世に知らしめることとなります。 そんなS600は今や国内に残っているのはごくわずかであり、海外需要が高まれば価格高騰もあり得るので、購入の際は早めに動くのが吉かもしれません。 [ライター/増田真吾]
モータースポーツの技術が惜しみなく注ぎ込まれたBMWのコンプリートカーモデル「Mシリーズ」。そんなMシリーズの原点であり、BMW初のミッドシップとして登場したM1は、高い走行性能とスタイリッシュなデザインで非常に人気の車でもあります。 しかし、販売までには紆余曲折あり、そのスペックの高さとは裏腹に、十分な日の目を見ることができなかった悲運の車としても有名です。今回は、そんなBMW M1の魅力と中古市場についても解説していきましょう。 当初はランボルギーニとの共同開発だったM1 1970年代後半、レースでの結果が振るわず、ライバルのポルシェに遅れを取っていたBMWは、ミッドシップのスポーツカーM1の開発を決断します。 ミッドシップのノウハウがなかったBMWは、当時経営難に瀕していたランボルギーニと提携を結び、1976年に共同開発という形でプロジェクトに着手しました。しかし、開発計画中でもランボルギーニの経営悪化は進み、一任していたシャシー関連の開発が大幅に遅れたことからM1の計画は難航し、ランボルギーニとの提携を解消せざるを得なくなってしまいます。 その結果、ドイツのバウア社でシャシーを製造したあと、イタリアのイタルデザイン社でボディの組み立てとペイント。そして、最終的にドイツのBMWでサスペンションやブレーキ関連のパーツが組み上げられるという、なんとも非効率な生産体制となっていました。 ワンメイクレースの開催で起死回生を狙う 提携先を失ったBMWは、M1をなんとか1979年春の正式発表に間に合わせたものの、プロジェクト変更による生産コストの増加で、販売価格は計画よりも大幅に上昇。レース参戦のためのホモロゲーションを取得するには、年間400台を販売する必要がありましたが、それも難しくなってしまいます。 そこでBMWは苦肉の策として、F1グランプリの前座でワンメイクレースを自社開催し、最高出力を470psにアップしたグループ4仕様のM1プロカーでアピールの場を作ったのです。 悲運のスーパーカーと呼ばれた所以 ワンメイクレースの効果とFIA(国際自動車連名)の救済もあり、M1はホモロゲーションを取得し、見事1981年からレースへの参戦が許されました。 同年のニュルブルクリンク1000kmレースでは優勝を果たすなど好成績を収めますが、1982年にはM1が属する「グループ4」が終了。新たに「グループC」が設立され、M1は参戦の場を失ってしまいます。 こういったことから、M1は悲運のスーパーカーと呼ばれ、人々の記憶に強く刻まれました。 ポルシェに勝つためのミッドシップエンジン 活躍の場に恵まれなかったM1ですが、BMW M社初のミッドシップというだけでなく、打倒ポルシェを掲げたそのスペックは、まさに本気仕様と言えるものでした。 リアアクスル前部に縦置きされた3.5L直列6気筒DOHCエンジンは、最高出力で277ps/6500rpmを発生。最高時速は262km/h、0~100km/h加速は5.6秒をマークしました。また、レース用では470psのグループ4仕様、850psのグループ5仕様も存在し、まさにライバルのポルシェを圧倒せんと言わんばかりの大出力です。 ジウジアーロデザインによるスタイリッシュなFRPボディ M1の特筆すべき点はエンジンだけでなく、ボディのフレームや外板、さらにはそのデザインにも手を抜いていないところです。 ボディフレームは、当時のフォーミュラーカーと同様の鋼管を使用したスペースフレーム構造で、外板にFRPを採用することで、車重は1300kgと軽量。エクステリアデザインはイタリアの巨匠、ジョルジェット・ジウジアーロ率いるイタルデザインが担当しました。 くさび形のシャープなフォルムや、BMWではあまり見ないリトラクタブルヘッドライトなど、スーパーカー要素が満載のデザインは今でも高い人気を誇っています。 オークションでは数千万円の取引が当たり前 M1はオークションでも人気が高く、近年では566,000ドル(約6200万円)のプライスで落札されました。さらに、走行距離2,700kmの個体が798,900ユーロ(約1億300万円)で落札というさらに高額な事例があるほどで、M1の人気がとても高いことが伺えます。 M1はレースに参戦するためのホモロゲーションモデルということもあり、生産台数は市販車と競技仕様のものを含め、約450台しか生産されていません。そんな希少性の高いBMWのクラシックカーに、コレクターが食いつかないはずもなく、M1の価値は現在も高まり続けています。 BMW M1の中古車市場 そんなM1ですが、2021年9月時点の大手中古車サイトで相場を調べてみたところ、残念ながら国内での在庫は残っていないようでした。 上の項でも述べたとおりM1は生産数が少なく人気が高いので、ひとたび中古市場に上がるようなことがあれば、まずニュースサイトで取り上げられるのがお決まりです。 そして、M1は事故車の場合でもすぐに買い手がつき、高額で取引された事例もあるほど競争率が高く、国内の中古車サイトでの購入はまず不可能と言って良いでしょう。もし購入を考えているのであれば、数千万円に及ぶ資金と、M1が市場に上がった瞬間に即決できる決断力が必要です。 まとめ ポルシェに打ち勝つために、さまざまな問題を抱えつつも完成したM1は、見た目、性能ともに申し分なく、まさに誰もが望んだスーパーカーでした。 悲運のスーパーカーと呼ばれつつも、M1の研ぎ澄まされたDNAは現在も続くMシリーズに脈々と受け継がれています。 M1の人気の高さは市場価格にも現れていますが、そのプライスは決して大げさなものではなく、元祖BMW Mシリーズとしての正当な評価なのではないでしょうか。 [ライター/増田真吾]
好きな車やバイク、お気に入りの工具に囲まれたマイガレージは男の憧れです。しかし、ガレージを使っていくうちに工具や部品の管理はおざなりになり、たちまちに見苦しい物置小屋へと変わってしまうことも少なくありません。 整理整頓のされていないガレージは作業効率が下がるとともに、家族からの印象もよろしくありません。そんな状況を改善すべく、今回は誰に見せても恥ずかしくない綺麗なガレージに仕上げる5つのポイントをご紹介します。 工具の収納方法を2種類のタイプで考える 車やバイクのメンテナンスというのは多岐にわたり、それにしたがって工具の数も増えていきます。まずは自分の持っている工具の数や種類を把握し、それを収納する適切な工具箱を用意しましょう。 ボックスタイプ 一般的に良く見られる工具箱といえばこのタイプ。ステンレスや鉄、樹脂などのさまざまなタイプの素材が用意されており、見た目もコンパクトなのでガレージに置く際にはほとんど邪魔になりません。 取っ手が付いているので持ち運びはしやすいものの、その分収納力はそこまで高くなく、数多くの工具を持っている方には少し窮屈に感じるかもしれません。 チェストタイプ 引き出しが多くついたチェストタイプは、ボックスタイプに比べて収納力が高く、作業効率も上がります。本職の方でも多く使用されるチェストタイプですが、容量が大きいため、持ち運ぶことはできず据え置きとなるため、設置するためのスペースを確保しなければなりません。 横配置ではなく縦配置の収納を目指す 工具や部品はとりあえず床や作業台に置きがちですが、それは次第に横へ横へと広がっていき、ガレージのスペースを着実に埋めていってしまいます。 それを防ぐためにも工具や部品類を入れておくための収納棚を用意し、横ではなく縦に収納していくことが大切です。その際は、普段よく使うものを下の棚に置き、あまり使わないものは上の棚に収納しておくと作業効率も良くなります。 工具の配置の仕方によっては壁掛け収納もアリ 棚を使った収納以外にも、フックやワイヤーなどを駆使した壁掛け収納という方法もあります。壁面に対して工具などを引っ掻ける収納なので、スペースを効率よく使え、道具の有無も一目でわかります。くわえて、壁面に工具をきれいに配置することで「見せる収納」を意識したおしゃれなガレージに仕上げられることも大きな魅力です。 ラベリングすることで目当てのものを一目で発見 棚に収納するといっても、工具や部品を適当に置いただけでは、いざ必要なときに目的のものが見つからず、作業もはかどりません。 こういった場合、その工具や部品の名称を書いたラベルを棚や箱などに貼り、どこに何があるのかが一目で分かるようにしておきましょう。また、箱型のものに収納する際は4つの面の全てにラベルを貼ることで、少ないアクションで内容物の確認ができ、時間的なロスも削減することができます。そして、工具や部品、家庭のものなどは置き場所をいっしょにせず、ジャンルごとにラベルの色を分けておき、ジャンルの違うものが混在しないようにしましょう。 ガレージに不用品がないかを再度確認する どれだけ工夫して収納しても物が多く、片付いた気がしないというパターンもあると思います。そういった場合は不要なものをため込んでいる場合が多いので、ガレージをもう一度見直し、不要なものは断捨離してしまいましょう。 たとえば、何年間も使用しなかった部品は今後も使う可能性は低いので、必要になったら買い直せばよいという気持ちで処分するか、ネットオークションに出してしまうのがおすすめです。 空き箱はたまりやすく、放置すると危険も 使っていない工具や部品以外にも、空き箱や段ボールが溜まっている場合があります。「なにかに使えるかも」とついついためがちですが、空き箱というのは思っているよりも早く増え、ガレージの景観も悪くなります。 そして、万が一火災が発生し、放置されている空き箱に引火などしてしまえば、ガレージが全焼という最悪のパターンが起きかねません。非常事態が起きた場合でもボヤで済ませられるよう、空き箱の類は作業が終わったらすぐ捨てるようにしましょう。 気持ちよくガレージを使うためにも家族とルール決めよう 家庭を持っている場合、主にガレージを使用するのはその家のご主人だと思います。しかし、ご家族の中でもガレージに家の荷物を置いておきたいなどの事情があるかもしれません。その部分をよく把握しておかないと、ご主人の私物だけでガレージを占有したり、逆に家族に荷物をありったけ置かれてしまったりなどのトラブルが生じる可能性があります。 こういった問題を防ぐためにも、ガレージの使い方を家族間できちんと決めることが大切です。何をガレージに置くか、家族全員でルールを共有しておくことで、家族みんなでガレージを気持ちよく使用することができます。 まとめ プロの現場では毎作業後の工具、部品類の整理整頓は当たり前で、「工具の整理整頓ができない整備士は仕事ができない!」と言われるほどです。もちろん趣味のガレージではそこまで徹底する必要はありませんが、時間が空いたときに少しずつでも行動を起こすことで、状況は改善されていきます。 今回の5つのポイントを踏まえつつ、こまめに整理と断捨離を行い、定期的なリフレッシュができれば、車映えするおしゃれなガレージに仕上げることも夢ではありません。部品探しなどの無駄な時間は減らすためにも、整理整頓は常に頭に入れ、誰にも文句をいわれない快適なガレージライフを送りましょう。 [ライター/増田真吾]
このページをご覧のあなたは、間違いなく車好きですよね? そんなあなたに、日々、様々な名車から、高級車、スポーツカー、SUV、ミニバン、軽自動車、時にはトラックやバイクの買取のご依頼までいただく旧車王が、プロの目線でどんな車が高く売れるのか、価値のない車はどんなものなのか。現在のコロナ禍における自動車売買のトレンドをわかりやすくお伝えします。 中古車の価値はどのように評価されるのか? さて、まずはじめに中古車の価値はどのように評価されると思いますか? どれくらいきれいか? メンテナンスはしっかりされているか? 快適なガレージで保管されているか? オーナーはお金持ちか? 1オーナーか? 事故歴はないか? カスタムはしてあるのか? 本革のシートか? サンルーフは装備されているか? ほかにもまだまだ様々な要素があげられることでしょう。 結論を申し上げると、どれも正解であり、正解でないということになります。 では、正解を。 資本主義の原則通り、需要と供給がすべてです。 つまり、欲しい人がたくさんいて、でもあまり多く台数が存在しない車は価値が上がります。逆に、欲しい人があまりいない、または欲しい人はいるが、それ以上にたくさんの台数が販売されている車は価値が上がりません。 なので、一言でいうと、欲しい人が多ければ多いほど、台数が少なければ少ないほど価値は高まります。 あまり値段のつかない車の特徴 あまり価値のない車、買取価格が付きにくい車の一例をあげるとこのようなイメージです。 10年落ちの4人乗り軽自動車 最近はとてもおしゃれで機能満載の軽自動車も多数販売されていて、安全性も格段に向上しています。新車でも100万円前後から購入できる軽自動車の世界においては、実は10年も経ってしまうとほとんど需要が発生しません。そのため、市場における販売価格も低く(数万円から10万円程度)、買い取る業者の提示価格も非常に低いものになってしまっている可能性があります。 90年代、当時は先進的な技術を搭載していたスポーツカー 90年代のスポーツカーは総じて、価値が上がっている昨今ですが、それに合致しないモデルがいくつか存在します。スープラやシルビア、スカイライン、NSXなどが評価を大きく上げているのに対して、一部で価値の上がらないモデルがあります。例えば、4輪操舵や4WDなど複雑な機構を持ち、技術を押し出していた車です。このようなモデルは、新車から数年は問題ないのですが、年月が経過しすでに20年、30年が経過してくると、メーカーからの部品供給も終了しており、修理ができない、または十分な整備ができずトラブルが頻発するという懸念から、ユーザーから敬遠されます。つまり「いいな」とは思っても「欲しい!」と思う人がいないということになります。そのため、このケースだと価値は高くない場合が多いと言うことになります。 一般的なファミリーセダンやコンパクトカー 現在の需要は、ミニバンやSUV、軽自動車でもSUVスタイルやミニバンスタイルが主流になっています。そのため、普通のセダンやコンパクトカーは、あまり多くの需要が見込めません。このような車種の中古車を求めるケースは、とりあえず足になる車があればよいというユーザーであり、車の性能や色や形よりも安ければ安いほどありがたいということになります。そうなると、安い金額でなければ販売できないため、仕入れるときに安い金額で仕入れるという流れになってしまうのです。 同世代の他メーカーのモデルよりも動力性能が優れていた輸入車スポーツカー 当時は300馬力越えのスポーツモデルはまだまだ少なく、パフォーマンスは圧倒的に優位な車でした。しかし、前述のモデルと同様に、このモデルにはオーナーを悩ませるある欠点がありました。デスビがウォーターポンプの下にあり、定期的に交換する消耗品ではあるが、そのたびにウォーターポンプも外しての作業が必要。水回りの漏れが発生すればやはり被害を受けるというもので、構造的にちょっと難あり。そのため、その前後の世代の同モデルは価値は上がっているのですが、その世代だけが取り残されている。。。といったケースもあります。 価値の高い車、評価が上がっている車 ここまでは、あまり価値の付きにくい車についてお話ししました。では、大きく価値の上がっている、評価の上がっている車は何でしょうか? これは、大雑把に言うとこんな感じです。 2ドア マニュアルミッション スポーツカー これを満たすモデルであれば、基本的には評価が高くなり、買取金額も相応に上がります。評価が高いので具体的に車種名を言っても、車の名誉は傷つかないのでお伝えしましょう。※以下でご紹介する車両は価値が高い車の中のごく一部です。 ニッサンスカイライン 特に、ハコスカ、ケンメリ、ジャパン、鉄仮面、32、33、34のマニュアル車は非常に評価が高いです。ノーマル車も改造車、カスタム車も評価が上がっています。2ドアのモデルであれば、マニュアル車以外でも価値の上がっているものがあります。また、GTRはどの世代も非常に価値が高いです。モデルによっては、数千万円で取引されることも珍しくありません。また、ハコスカやケンメリは、長期間放置されていた不動車でもしっかり評価ができるためおもわぬ買い取り額をご提示できることもございます。 トヨタスープラ スープラも非常に人気の高い車種です。特に80のターボ車は大変評価が高くなっています。NAモデルでもカスタムなどがしっかりされていたり、1オーナーフルオリジナル車両なども探されているユーザーが多いため、買取金額にもその需要が反映されていきます。事故歴のあるような個体でも、走行に支障のないものであれば、しっかり評価が可能です。 フェラーリやポルシェ いわずもがな車好きなら誰もが憧れる名車です。世界中で愛されているメーカーですが、絶対数が非常に少ないため、どのモデルも総じて高価で取引されています。ですので、フェラーリ、ポルシェをお持ちの方は、いつでも高い評価で売却していただくことが可能です。 コスモスポーツ 一見すると海外のクラシックモデルにも思える流麗なデザインと、ロータリーエンジンの軽快さが魅力の国産スポーツカー。歴史的にも大変価値のあるモデルであり、なおかつ非常に台数が少ないため、年々評価は高まっています。もし、納屋に眠っている個体がある、もう何年も乗ってないなあーというオーナーさんはぜひすぐにお知らせください。専門の鑑定士が価値を見定めます! まとめ まだまだ、たくさんの価値の上がっている車たちはあるのですが、スペースの都合上今回は以上とさせていただきます。このコロナ禍において、高額な買取が可能な車は、簡単に言うと、2ドアでマニュアルのスポーツカー全般ということになります。お乗り換えや、ご売却、減車を検討されている方は、実は今がチャンスだということをご認識ください。 [ライター/旧車王編集部]