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思うところがあったので前回のつづきを。 取材時や原稿を書く際に気をつけていることといえば・・・そう「コメント対策」だ。 メディアのFacebookページやヤ○コメなど、想定外な書き込みは日常茶飯事。 こればっかりはメディアの記事として世に配信する以上、洗礼というか、避けてとおれない道だと思う。 コラム記事ならフルボッコにされるのは自分だけで済むことが多いのでまだいいのだが、これがオーナーインタビューやイベント、ショップなどの取材記事だと本当に気を遣う。 取材を受けてようやく記事となり、世に出たことが逆効果になってしまってはあまりにも申し訳ないからだ。 ある日気づいたのだが、好意的なコメントが多いときはネガティブなものは書き込まれにくい。 不思議なもので、仮に書き込まれたとしても見知らぬ誰かがフォローしてくれたり・・・と、大事にならず沈静化する。 やっかいなのはネガティブコメントが蔓延したときだ。 これまた不思議なもので、後から後からネガティブなコメントが書き込まれていく。 好意的なコメントはかき消され、罵詈雑言の嵐と化す。 まさに負の連鎖だ。 これを世の中では「炎上」というのかもしれない。 こうなると、経験上はスルーに徹し、沈静化するのを待つのが得策だと思う。 仮に執筆者が出て行って申し開きをしたとしても、対応を誤ると火に油を注ぎかねない。 この記事はコメント欄が荒れるだろうなということは、記事のタイトルなどで概ね察しがつく(当然ながら、自分の意に反して依頼された原稿を書かなければならないこともあるわけで)。 最近公開されたある記事も、オーナーがやむを得ない事情で愛車を手放さなければならないというケースを取材した内容だった。 「結局、そこまで愛情がなかったんでしょ」といった類いのコメントが書き込まれることを予想して、文中に迎撃態勢をとっておいた。 それでもというか、やはりというか、予想していたネガティブコメントが書き込まれた。 この種の書き込みをする人は「オーナーがこのコメントを読むかもしれない」ということが慮れないのだろうか・・・。 なかには「よく読めば分かるだろうよ・・・」とツッコミたくなるようなコメントも少なくないのだが、もちろん静観する。 ライターによって考え方はさまざまだろうが、個人的には自分が書いた記事のコメントは読まない方が精神衛生上は健全でいられるような気がしている。 たしかに、コメントを読むことで思わぬ発見や気づきがあることも事実だが、それ以上の返り血を浴びることもしばしばだ。 ヤ○コメなんてこの世から消えてしまえ!といいたいところだけど、これがガス抜きになっている人もいるだろうし・・・。 なくてはならない、文字どおりの必要悪(あ、いっちゃった)なのかもしれない。 [画像/Adobe Stock ライター/松村透]
■第5回 ~アルミ弁当箱と旧車の意外な関係~ どうも!「日本アルミ弁当箱協会」会長のマツド・デラックスでございます。 「旧車王」連載5回目となりました今回も「アルミ弁当箱と旧車の意外な関係」を語っていきたいと思います! ■アルミ弁当箱に描かれない車両たち その1 アルミ弁当箱には特撮やアニメ、漫画などたくさんのヒーローが描かれます。 そして、そのヒーローを助ける人たちの武器や戦闘用のメカ等も描かれるわけです。 その中でも比較的多いのは、空を飛ぶ戦闘機が数多く描かれていますが、活躍が地味(?)な車両は描かれていることが少ないようです。 今回からはあえてそんな車両たちに注目して行きたいと思います。 その車両たちは大きく2極化していきました。 ノーマルのまま登場する車両と原形がわからないような特殊な車両(いわゆる改造車)です。 そんな車両ですぐに思いつくのは「ウルトラセブン」に登場する「ポインター号」と「帰ってきたウルトラマン」に登場する「マットビハイクル号」ではないでしょうか?(すぐに知人のS氏を思い出します) しかし残念ながら「帰ってきたウルトラマン」のアルミ弁当箱には描かれているものはなく、「ウルトラセブン」に至ってはアルミ弁当箱自体の存在が確認できていません(あれほど人気があったのに・・・)。 ■さまざま意味でレアなサンダーマスク 「サンダーマスク」は、意外にも「手塚治虫」作品であり、少年サンデーで連載されていました。 特撮としてもウルトラマンシリーズ等のヒーローシリーズが人気でしたが、予算を削られたとの噂もあり、その煽りが車両制作費にも及んでしまったのかもしれません。 その後、特撮では、改造されない車両が増えるのはそんな理由だからなのでしょうか? サンダーマスクの「科学パトロール隊」には「サンダー1号(サンダーワンごう)」が登場します。 こちらは羽が飛び出し、宇宙まで行けるクルマです。 そのベース車両となっているのが、初代「スバル・レオーネGS-R」です。 他の登場車両ではトヨタ車の多い中、中心として富士重工のクルマが選ばれているのは、1972年あたりの円谷作品で使用されることが多かったからでしょうか? これ以外にも「トリプルファイター」の「スバル360」などが有名ですね。 しかし、このレオーネも比較的図柄の多い(6種類)サンダーマスクのアルミ弁当箱には描かれておらず、このシリーズ「アルミ弁当箱に描かれない車両たち」のトップバッターとなってしまいました。 当時の特撮車両の選定方法やアルミ弁当箱の図柄の決定方法などは、時代背景等も影響されていたのかも知れませんね。 次回もアルミ弁当箱を通し斜めから見た旧車をお送りいたします。 まったく脈絡のないコラムではありますが、「旧車王」ともども「マツドデラックスコレクション アルミ弁当箱図鑑」もよろしくお願いいたします。 また、アルミ弁当箱を並べて欲しい等とご要望のある方もぜひお声をかけてください。 次回はイベントでは11月13日(日)の「THE銀座RUN」のスタート地点「東京プリンスホテル」の駐車場で展示予定です。 よろしくお願いいたします! ●東京プリンスホテル 〒105-8560 東京都港区芝公園3-3-1 TEL:03-3432-1111 https://www.princehotels.co.jp/tokyo/facility/ ●日本アルミ弁当箱協会会長「アルミ弁当箱図鑑 厳選50 」出版への道https://www.qsha-oh.com/historia/article/matsudo-bangai-1/ またアルミ弁当箱を並べて欲しい等とご要望のある方も是非お声をかけてください。 ●日本アルミ弁当箱協会ホームページhttps://kyokai.fans.ne.jp/arumibenntou/ ●Twitterhttps://twitter.com/keisuke38922 [撮影/ライター・マツド・デラックス(山本圭亮)]
多少前後するが、月に20本前後の原稿を書いている。 多いのか少ないのかは正直いって分からない。 メディアに載せるための原稿なので、いろいろと気をつけなければならないことが多い。 自身のブログ(やってないけど)やnoteなどに公開するのとはワケが違う。 このご時世、ちょっと油断すると「車検非対応のクルマの記事をメーカーが載せるんですね」というコメントやダイレクトメッセージが届きかねない。 ホンの些細なところを突いてくる人がゴマンといるからだ。 例えば、メーカー系の案件であれば取材対象車が「車検対応であるかどうか」が非常に重要視される。 実は取材当日になって「ここ、アウト(車検非対応)じゃん」なんてことはしょっちゅうではないけれど、それなりの頻度で起こっていることも事実だ。 ステアリングにホーンボタンがないとか、MT車であればシフトパターン示す情報が見当たらないとか・・・。 実は挙げたらキリがない。 もちろん、その状態では車検には通らないことは事実だが、オーナーもそこまでは知らないということも少なくないのだ。 ・・・車検非対応となると、掲載不可なのでその場でお帰りいただく・・・なんてことはありえないので、こちらでどうにか知恵を絞ってリカバリーするしかない。 苦労した甲斐あって、このあたりの経験値はこの5,6年でかなり鍛えられたと思う。 これもノウハウのひとつ・・・なのかもしれない。 そして、原稿を書く際にも気をつけることがいろいろとある。 そのポイントは誰も教えてくれないし、自分で勘所を押さえるしかない。 ひとつ、例を挙げると、タイトルに「女性オーナーであること」を強調しないようにしている。 事実「女性オーナー」の文言が入るだけで、より多くのPVが獲得できる。 20代前半の女性オーナーなんて入れたら(PV獲得には)さらに効果的だ。 「ジェンダーフリー」というキーワードを目にしてからずいぶんと時間が経ったように思うが、たとえば「女性がMT車のスポーツカーに乗る」ことを強調するのは現代の風潮にはあわないかな・・・という気がしているだからだ。 車検対応、ジェンダーフリー、ちょっとした言い回し・・・などなど。 1つの記事の裏にはさまざまな配慮や自主規制など、読者の方のほとんどが気がつかない、目に見えない微調整が密かに行われている。 そういった視点で公開されている記事を読んでみると新たな発見があるかもしれない。 [ライター・撮影/松村透]
「旧車」と呼ばれる世代のクルマは、概ね工業製品のクオリティが著しく向上した時代に生まれたもの。 ボディの剛性も高く、日常使いに十分な性能を有しています。 しかし設計の新しい現行車と比べると(経年による劣化もあって)快適性や経済性、乗りやすさなどで数歩、譲ることも事実です。 具体的には、走行中のきしみ音や振動が大きく、運転時の疲労がたまりやすいといったところでしょうか・・・。 また、近年とクルマと比較して燃費が悪く、実用トルクが細いため、扱いに慣れが必要といったところが挙げられます。 新車から長く乗り続けてきたオーナーならば「一緒に歳を重ねた証」のロートルポイント。 けれど、はじめての旧車購入、それもメインでの使用を考えているフレッシュオーナーの立場になれば、現行車との落差はふとした時に気になってしまう、心に刺さるトゲにうつります。 しかし、事前に旧車の乗り心地や使い勝手を知ることができれば、購入に対しての心構えも違ってくるもの。 そんなとき、役に立つのがレンタカーです! 今回は旧車をラインナップしているレンタカーをピックアップ。 もちろん旧車として代表的な車種しか選べませんが、同じ年代のクルマならば、およその程度は推し量れます。 レンタカー料金は安くはありませんが、その後、旧車と長く付き合うつもりなら、それほど高い投資額でもありません。 納得いくまで走行し、現実を知ることで思い込みと幻想をぬぐい、それでもなお購入したいと思わせる魅力を再確認したなら……もう迷うことはありません。 思い切って契約書に印鑑を捺すとき!ではないでしょうか? ※画像のスクリーンキャプチャーは各レンタカー会社のウェブサイトのものです※用意されている車種は11月1日現在のもの。申し込み時期によって入れ替わりがあることを、あらかじめご了承下さい。 ■Vintage Club by KINTO URL https://vintage.kinto-jp.com ◎用意されている旧車 ・トヨタ・スポーツ800・スターレット1300S・ソアラGZ10・セリカLB・カローラレビンTE27・スープラA70 トヨタ自動車と新明工業といった、名のある企業がレストアを手がけており、車両の信頼感と安心感では随一の旧車レンタカー。 現在のところ貸出場所は愛知の豊橋市の新明工業と、東京都三鷹市のGR Garage東京三鷹のみになります。 ■Fun2Drive URL https://fun2drive.co.jp ◎用意されている旧車 ・スカイライン ハコスカGT-R仕様・スカイライン ケンメリGT-R仕様・スカイライン GT-R R32・スカイライン GT-R R33・スカイライン GT-R R34・スカイライン GT-R R34ニスモ仕様・フェアレディZ S30改RB25仕様・NSX NA1・S2000改AP1・スープラRZ JZA80・スプリンタートレノ AE86・RX-7 FD3S・インプレッサ WRX Type R STi Version 6 Limited・ランサー エボリューション6 TME・ランサー エボリューションX・ポルシェ911ターボ(964) 旧車レンタカーの老舗的存在Fun2Drive。 箱根という、観光にも乗り比べにも好ロケーションを走行できるため、人気のお店です。 利用できるクルマは定期的に入れ替わり、実質的に選べるのは10車種ほどからになります。 ■おもしろレンタカー URL https://www.omoren.com ◎用意されている旧車 ・スカイラインGT-R R32・スカイラインGT-R R33 Vスペック・スカイラインGT-R R34・シルビア SpecR・スプリンター トレノ AE86・MR2・MR-S・スープラRZ-S JZA80・シビック タイプR EK9・シビック タイプR FD2・インテグラ タイプR DC5・S2000 AP1・ランサー エボリューション6・ランサー エボリューション7・ランサー エボリューション8・ランサー エボリューションX・RX-7 FD3S タイプRS・ロードスター NA・ロードスター NC・インプレッサ WRX 都内と近郊、大阪府、愛知県名古屋市、和歌山県に店舗をかまえる、おもしろレンタカー。 どの店舗にどの車種を配備しているかは、公式サイトで確認できます。 旧車の他、最新モデルや実用車もラインナップされています。 ■香林坊 URL https://korinbo.com ◎用意されている旧車 ・フェアレディSR・フェアレディ240ZG・フェアレディZ32・トヨタ・スポーツ800・セリカLB2000GT・70スープラ・トヨペット マークⅡ X30・いすゞ 117クーペ・いすゞ ベレット・ユーノス コスモ・ワーゲン ビートル タイプⅠ 他の旧車レンタカーとくらべ、ユニークな車種をラインナップする香林坊。 千葉県に店舗をかまえ、会員制を基本としていますが、入会しなくてもレンタカーを利用することが可能。 その場合、料金は非会員価格になります。 ■MR.HIROレンタカー URL https://mrhiro-jdm.com ◎用意されている旧車 ・スカイラインGT-R R32・シルビア SpecR・スプリンタートレノ AE86・NSX NA1・RX-7 FC3S・RX-7 FD3S 「頭文字D体感レンタカー」を謳うMR.HIROレンタカー。 その文句の通り、作品に関連する車両のボディカラーは、アニメに準拠したものになっています。 最近、大阪府に移転しました。 ■現車のコンディションを計るためにも利用できる よほど自動車の整備に精通していなければ、旧車ショップで車両のコンディションを判断するのは難しいもの。 けれど事前にレンタカーに乗っておき、その後、ショップで試乗しての比較なら、違いを感じるのもそう難しくはありません。 振動や音の大きさ、加速感やコーナーでステアリングに伝わる感触など、しっかりと整備されたレンタカーはコンディションのベンチマークとして、最良の見本になります。 旧車は安い買い物ではありません。 事前にできることは可能な限りしておくのも、ひとつの手だと思います。 ほかに惚れ込んでしまう車両との出会いがあるかもしれませんしね。 [ライター/糸井賢一]
自己紹介のページでも触れましたが、筆者も最近縁あって、シャッター付きガレージを月極契約し、ささやかながらガレージライフというものを送っています。 最近巷では、何か一つのことに労力を費やしている人のことを「限界〇〇」というスラングで呼ぶようです。 そういう意味では、築50年は経っているであろう、小さなガレージで、念願の・・・でもドタバタで理想とはちょっとだけ離れている筆者のガレージライフはというと・・・? もはや「限界ガレージライフ」と呼ぶほうがしっくりくるかもしれません。 今回はその「限界ガレージライフ」についてご紹介したいと思います。 ■当初は屋外作業による限界レストアライフ 大学生活をスバル360で謳歌するには間に合いませんでしたが、筆者が社会人になった年、1999年5月末にようやく所有することができたのです。 購入から2年後に全塗装を実施。 その後、手に入れてから15年経ったあたりで再びボディ全体のヤレやサビ、腐食が目立つようになります。 ちょうどそのころ、何年も前から計画していたセリカ リフトバックのボディレストアを実行することに。 せっかく「普通の人なら新車のトヨタ86の購入を考える金額」をかけて直すのだから、レストアの工程をしっかり見て学べることはしっかり学んでおこうと考えました。 そしてセリカのレストアが完成すると、一連の流れをリアルタイムで観られた経験を踏まえ、スバル360のレストアは自分でやってみようと思い立ちます。 この時点で、スバル360であればエンジンの脱着、分解組立やショックアブソーバーの交換など、ひととおりの作業は自分でできるようになっていました。 クラッチ交換くらいは日常整備の範囲、整備マニュアルは何度も読み込んで、どこに何が取り付けられているか、おおよそ把握できる状態でした。 「時間さえかければどうにでもなるだろう」という目論みだったのです。 とはいえ、作業をするのは自宅の敷地内。 納屋や屋内ガレージがあるわけではありません。 真夏の炎天下や真冬の寒風吹きすさむ中、屋外での作業は大変でした・・・。 当然雨が降ってくれば作業は中止、特にゲリラ豪雨の時季ともなれば、真っ先に車体にカバーをかけ、ずぶ濡れになりながら後片付けというのも頻繁にありました。 まさに「限界レストアラー」ならではのエピソード満載です。 ■屋外での作業にはさまざまな制約と限界が やがて、ボルトオンで脱着可能な作業ならまだいいとしても、鈑金加工や塗装を伴う作業ともなれば、屋外では限界が見えてきます。 ハンマーや電動工具の騒音やグラインダーで塗装の剥離や錆び取りをすれば、その切粉でどうしてもご近所に迷惑をかけることになります。 つまり、夜は作業ができないのです。 時間的な制限がある一方で、塗料やパテを使う作業は中断して別の日に・・・ということができません。 確実にまとまった作業時間が確保できる日まで見送りになるということが何度もありました。 それでもどうにかモノコックを直し、サフェーサー(下地塗料)を吹き付けるところまでこぎつけたのですが、ボディ色の塗装は屋外ではどうにもならないという問題に直面するのです。 ■どうにか屋根のある場所で作業したい 真っ先に思いついたのが、簡易ガレージ兼塗装ブースの制作。 まず単管パイプを直交クランプで組み合わせて、骨組みを作ります。 塩ビの波板を並べ、壁の部分はビニールハウスのビニールシートを使用するという構造です。 早速、単管パイプを隣県のリサイクル業者から買い込み、支柱を立てるためのアンカーを打つつもりでしたが・・・。 しかし、家族に猛反対され、簡易塗装ブース計画は頓挫。 その後、2年ほどレストアは休止。 どうやって作業を再開するか考えあぐねる日々が続きます。 ■貸しガレージという手があることに気づく しかしある日「そもそも貸しガレージはいくらぐらいで借りられるのか?」という考えに至ります。 筆者が暮らす名古屋近郊に物件はないのか調べてみることに(実はそれまでシャッター付きガレージを借りるという事自体考えていませんでした)。 すると、名古屋近郊で本来はバイク用ですが、全幅1.3m全長3mの360cc軽ならピッタリ収まるという物件を発見。 あいにくそこのガレージはすでに先約がいたので借りることはできなかったのですが、 ・都心部から離れている・周辺の公共交通機関のアクセスが悪い・住宅街から離れている(田畑や工場に囲まれている) という立地のガレージは、賃料も安くなるといった傾向があることに気づいたのです。 しかも中には電源ありという物件まで・・・。 辺鄙な場所というのは、日常使用のクルマを保管するには不便ですが、趣味用のクルマを保管するのにはむしろ好都合です。 特に、クラシックカーをレストアするための場所が欲しい身としては、作業の騒音や排気音の大きい車両を乗りつけることを考えれば、周りに民家がなく、人がいない方が好都合です。 いっそ工場やトラックヤードなど、騒音が発生する施設に囲まれているほうがありがたいくらいです。 その話を友人に伝えたところ、いっそ大き目のガレージ(場合によっては倉庫)を田舎に借りてシェアするのはどうか?という話になり・・・ ・場所は問わず(増車が目的ではないので車庫証明の条件は無視)・クルマ数台、バイク数台と工具が保管できる・3tロングの積車を横付けできる という条件も追加して、目ぼしい物件があれば内見もしたのですが、なかなか都合よくは見つかりません。 ■理想の物件探しはまだまだ続く ちょっと予算はオーバー気味ですが、農家の納屋と思われる物件を見つけたときは、納屋の周りが軽自動車でさえ通行困難な狭小路。 なんと、ガレージとして使いたいのにクルマでは行けないという有様だったのです。 また、ある物件は2台収納可能なガレージ+外に1台分のスペース付きで。 路地を抜けたところにコンビニもあって、悪くないとは思いつつも周辺が民家で囲まれてまれているため、騒音の問題がシビア。 2tロングワイドボディの積車が入るのは難しいという懸念事項はあったものの、問い合わせるとすでに契約済。 なかなか都合のいい物件は見つかりません。 そしていい物件は、見つけた頃にはすでに他の人が契約しているというお約束のパターンが続きます。 (つづく) [ライター・撮影/鈴木修一郎]
■1.ロングビーチで17年前に開催された誇り高き旧車イベント「JCCS日本旧車集会」とは? 空前の旧車ブームに沸くアメリカ西海岸で17年前から開催されているJCCS(Japanese Classic Car Show日本旧車集会)というカーショウをご存じだろうか? 例年10月末にカリフォルニア州ロングビーチで開催されてきたJCCSだが、筆者が取材に足を運んだ2021年は諸々の事情でロングビーチではなく、大谷翔平選手が所属するロサンゼルス・エンゼルスのホームである「エンジェルスタジアム」の途方もなく広い駐車場で開催された。 来場者は約1万人。 入場時には数百メートルに及ぶ長い列ができており、日本の旧車を見るためだけにこんなにたくさんのアメリカ人が我慢強く並んでいるのか!と、驚くとともに感動した次第である。 そして今年は9月10日に、いつものロングビーチ(マリーナ・グリーン・パーク)で17回目となるJCCSが開催された。 来場者数は史上最高の1万1千人。 展示された日本の旧車はこちらも過去最高の540台! ■主催者であるテリー&コウジ山口さんに今年のJCCSを振り返っていただいた 「今年は南カリフォルニア過去最大規模の台風が来ると予報が出ていて、実際最後の最後まで問い合わせが絶えませんでした。 私たち運営側も最後まで気が気じゃなかったのですが、開催前日の夜までの雨でなんとか切り抜け当日は朝から無事に雨無しで決行! ギリギリまで心配の声の嵐でしたが事前登録車両もほぼ全車参加となり、すばらしい結果を残すことができました。 そのような意味も含め、開催側や参加者全員が、ハラハラした印象の強いイベントとなりました。 今年はとくに、アメリカでの日本車の歴史に欠かせないレーシングレジェンド『BRE』のピーター ブロック氏のご参加いただいたので、これはファンにとっては非常に喜ばしいことだったと思います。 ロングビーチの公園が小さく思えてしまうほどの旧車ファンが集まり、ピーターさんはどこに行っても大忙しという盛況ぶりでした。 今年の出展車両の傾向としては80年代後半~90年代のクルマが多かったように思います。 今年初めて参加という方が全体の4分の1を占めていました。 コロナ感染拡大の中にあって十分な準備時間を使ってレストアを完成させたオーナー達もたくさんいらっしゃったでしょう。 かなり事前から参加計画しバッチリ実行したという感じが伝わりました。 また、アメリカ国内はもちろん、まだコロナによる規制などもギリギリあった時期にもかかわらず、日本からの出店を含め、合計80社を超える出店者数も史上最高でした」 ▲JCCSを主催するテリー&コウジ山口さん夫妻。自動車メーカーやパーツメーカーからの信頼も厚い ■2.アメリカにもこんなすごい旧車があるの?気合入りまくりの10台を紹介 第17回JCCSにはどんな旧車が出展されたのだろうか? どれも美しく丁寧に仕上げられた車両ばかりだが、中でもえりすぐりの10台を紹介してみたい。 なお、第17回JCCSでは合計35部門にわたって、アワードが設定されており、厳格な審査のもとそれぞれの部門で「BEST OF 〇〇〇」が選ばれている。 1『ベストダットサン240Z』部門の1位を獲得した Jay Atakaさんの1971年型日産フェアレディZ(S30 RHD/L20)。圧巻の完成度に会場の注目を集めていた。アメリカの有名自動車雑誌や有名TV番組でも紹介されている。 2『ベストダットサン80's』部門1位を獲得したGustavo Sanchezさんの1985年式日産200sx(S12/VG34E)。1985年式日産 200sx with a VG34E. JDMテイストとヨーロピアンテイストを合わせたS13コンバージョンだ。 3『ベストマツダ OLD SCHOOL』部門1位。Mike & Barbara Malamutさんの1964年式マツダR360(360cc)と、牽引するT2000 (マツダ初の空冷2気筒16馬力)は希少な左ハンドル仕様 4『ベストダットサン510』部門1位のErick Águilarさんの1971年式ダットサン510は、なんとホンダS2000のF22Cエンジンに換装。今年JCCSデビューさせる為に仕上げてきたレストモッドだ。 5『ベストトヨタカローラAE86 AE92』部門1位。Abraham Phanさんの1985年式トヨタカローラ(AE86)はこちらがJCCSデビュー作だ。 6『ベストホンダインテグラ』部門2位。Matt Garciaさんの1990年式ACURAインテグラ(DA9/B20)は、20年以上所有している「サバイバー」JCCS 初参加! 7『ベスト三菱』部門1位のAlejandro Serranoさんの1993年式三菱3000GT VR4 2ドア。こちらもJCCSデビュー作。 8『ベストマツダRX7』部門1位。Matt Craibさんの 1989年式マツダRX-7(FC3S/13-B Turbo)。なんとレストアなし!オールオリジナルの奇跡の1台。 9『ベストトヨタカローラOLDSCHOOL』部門1位。Dennis Aquinoさんの1975年式トヨタCorolla(TE31)は2TGエンジンを搭載。 10『ベストトヨタOld School』部門1位。Rob Tsuyukiさんの1973年式トヨタクラウンスーパーサルーン ▲ワイスピ超人気俳優、サン・カン氏(写真中央)とダニエル.ウー氏(写真左端)もDoc Zとともにプライベート参加!▲こちらがサン・カン氏のDoc Z(Erick’s racing booth) ▲JCCSの運営スタッフの皆さんお疲れさまでした! [撮影・写真:Kit, Johnny, Toshi & Riki / ライター・自動車生活ジャーナリスト加藤久美子]
この仕事をしていると「ライターになりたいんですれど・・・」という相談をしばしば受ける。 たしかに資格はいらないし、パソコンか、人によってはスマホさえあればライターデビューは可能だ。 では本題。 「ライターになりたいんですれど・・・」 この相談に対してどのように答えるかというと「締め切りをひたすら守っていると仕事がきますよー」と伝えている。 文章力とか、そういうセンスを問う回答を想定(期待)している人が多いので、たいていポカーンとなる。 事実「そんな簡単なことでいいんですか?」といわれたことも何度かあった。 じゃあ、教えてくれよ。 なんでこうも締め切りが守ってもらえないのか。 ・・・と質問してきた方に問い詰めたくなったがやめておいた。 会社員時代の上司がとにかく納期にうるさかった。 徹夜だろうと休日出勤だろうと納期を守ることが最優先だと叩き込まれた。 そのスパルタ教育のおかげで、締め切りは極力(意地でも)守る感覚が身に染みついている(とはいえ、たまに遅れます。すみません)。 勤め先の会社の取締役兼営業部長だった上司は、根っからの営業マンだった。 とにかく押しが強い。 今でいうところのパワハラまがいなこともさんざんされたし、人としてもソリがあわかなった。 根っからの営業マンタイプが苦手になったのは、たぶんこの上司の存在がトラウマとなっている可能性が高い。 しかし、納期を守る大切さをはじめとする仕事のイロハは懇切丁寧に教えてくれたし、生意気だった自分に対しても寛容だった。 20代半ばの頃「まずは謙虚になって耳を傾けないと、将来うだつの上がらない人生が待ってるよ」と真顔でいわれたことも覚えている。 これはかなりグサリときたし(図星だ)、嫌が応でも腹落ちできた。 そういう意味では、感謝してもしきれないほどお世話になった恩人のひとりでもあるのかもしれない。 話がそれたが、それくらい依頼している原稿は締め切りどおりに届かない。 仮に、10人に依頼したら締め切りどおりに届くのは3人。 残りの3〜5人は数日遅れて原稿が届き、残りの2人はこちらから催促しないといつまで経っても原稿が届かない。 ようやく届いた原稿がものすごく精度が高いかというとそうでもない。 不思議なもので、むしろ、締め切りを守ってくれるライターさんの方が精度が高い。 これが現実だ。 締め切りを守れる人は毎回(よほどの事情がない限り)締め切りを守ってくれるし、守れない人は99%遅れてくる。 締め切りをきっちり守って原稿の精度が高くてさらには企画力まであって、ついでに撮影もできてwordpressの編集もできてジャンルを問わずに原稿が書けて、人としても付き合いやすい、おまけにバズる記事が書けるなんて人がいないとは限らないが、まぁ、奇跡だ。 当然ながらこの手の人には依頼が集中するので、他の仕事を受ける余裕がないほど猛烈に忙しいし、当然ながらギャラも高い。 目の前のライター志望の方がうつむき加減で悩んでいるところへ 「とにかく締め切りだけは意地でも守って、あとはライバルたちが勝手に脱落するまでコツコツ実績を積み上げていけば意外となんとかなりますよ!」 と念押しすると、たいていは「やっぱりやめておきます」となる。 こちらとしても「またやっちまった・・・」となって、その日の夜は仕事が手につかないほど落ち込むことになる。 デビュー前に脱落させてどうすんだ。 もしかしたら、ライターデビューする前段階で、生き残れる人とそうでない人との勝負はすでについているのかもしれない・・・。 [画像/Adobe Stock ライター/松村透]
2007年に登場したフェアレディZ バージョンNISMOは、2002年から2008年まで発売されていたZ33フェアレディZの限定モデルです。NISMOとオーテックが手を組んで開発し、当時の日産モータースポーツシーンを象徴するモデルでした。今回は、そんなフェアレディZバージョンNISMOの特徴と中古車相場、リセールバリューについて解説します。 日産車カスタマイズを司る“両雄”がタッグを組んだスペシャルモデル 2007年のマイナーチェンジと同時に発売されたのが、フェアレディZバージョン NISMOです。「バージョンNISMO」「バージョンNISMO タイプ380RS」「バージョンNISMO タイプ380RS コンペティション」という3種類のモデルが発売されました。いずれもニスモとオーテックジャパンが共同開発しており、モータースポーツのノウハウが詰め込まれたモデルです。 日産のモータースポーツ参戦と車両開発を担ってきたNISMO(ニスモ)と、日産車向けのカスタマイズパーツを開発・販売してきたオーテックジャパン。フェアレディZ バージョンNISMOは、そんな日産車カスタマイズを司る“両雄”がタッグを組んだスペシャルモデルなのです。 バージョンNISMO 3種類の限定モデルの中でも新車価格が低く、タマ数も多いことから一番入手しやすいモデルが「バージョンNISMO」です。新車販売当時の価格は、449.4万円でした。ノーマルモデルからの変更点はレイズ製鍛造アルミホイール、専用剛性アップボディ、専用サスペンション、YAMAHA製のパフォーマンスダンパーです。 内装に関しても、本革 / アルカンターラのコンビシートのほか専用装備を数多く搭載しています。本革巻ステアリングホイール、シフトノブ、パーキングブレーキレバー、ドアトリム、コンビネーションメーターなど、分かりやすい派手さはないものの、質感と走行性能を向上させるパーツが採用されています。 エンジンはノーマルモデルと同様ですが、同時に行われたマイナーチェンジによりVQ35DEからVQ35HRへ変更されました。出力は初めて300psを超え、313ps / 6,800rpm、36.5kgm / 4,800rpmの数字を誇ります。 VQ35HRはVQ35DEを高回転型に再設計しており、そのフィーリングは別物です。VQ35HR搭載のフェアレディZは販売期間が短く、市場に出ている数が少ないため、ハイパワーNAが好きな方にはおすすめのエンジンです。また、VQ35HRに変更されたことでボンネットに膨らみがあるため、VQ35HR搭載モデルであることを一目で見分けることができます。 空力についてはノーマルとは大きく異なっており、専用エアロパーツを装備することで、cd値0.30という当時としては世界最高水準の空力性能を実現しました。これにより、市販車では珍しいマイナスリフトを達成しています。 また、ノーマルでは「乗り味が大型の高級車のよう」といわれていましたが、専用サスペンションとボディ剛性の強化によりスポーツモデルらしい機敏さが加わりました。 レース仕様エンジン搭載モデルも市販化 2022年は新型RZ34フェアレディZの発売とGT500クラスへの参戦が話題ですが、Z33も全日本GT選手権 GT500に参戦した実績をもちます。 R34型スカイラインGT-Rに代わり、2004年から2007年まで参戦しました。中でも有名なザナヴィNISMO Zは、デビューイヤーである2004年の第1戦TIサーキット英田と、第6戦オートポリスでも優勝するなど安定した強さを発揮。2004年だけではなく、続く2005年にはモチュール ピットワーク Zと共にもNISMOとして2年連続のチームチャンピオンに輝きました。 そんなZ33フェアレディZのレーシングスピリットは「バージョンニNISMO タイプ380RS」と「バージョンNISMO タイプ380RSコンペティション」の二つの限定車で体感できます。 バージョンニNISMO タイプ380RS 「バージョンニNISMO タイプ380RS」はレース専用車両である「バージョンNISMO タイプ380RSコンペティション」をデチューンした公道使用モデルです。新車当時の価格は539.7万円で、冒頭に紹介した「バージョンニNISMO」よりも高額なものの、レーシングカーの性能を公道でも味わえる魅力的な一台です。 モデル名にある380は排気量を表し、エンジンは3.5Lから3.8Lにボアアップされています。鍛造ピストン、強化コンロッド、プロフィールやバルブリフト量が見直されたカムシャフトなどに変更され、最高出力350ps / 7200rpm、最大トルク40.5kgm / 4800rpmを発生。レスポンス良くどの回転域からでも胸のすくような加速が得られる感覚は、大排気量NAエンジンの醍醐味です。 バージョンNISMO タイプ380RSコンペティション 「バージョンNISMO タイプ380RSコンペティション」は、スーパー耐久などのレース専用車両で、プライベーターのレースドライバー向けに販売されました。受注生産のみで、価格は2,625万円と驚愕の金額です。しかし、NISMOのレーシングカーをそのまま購入できる「夢のクルマ」といえます。 「バージョンNISMO タイプ380RSコンペティション」に搭載されるエンジンは3.8Lのレーシングエンジンです。MOTEC社製の専用ECMを採用し、最高出力400ps以上、最大トルク43.0kgm以上を発生します。 その他にも、6速クロスミッション、強化クラッチ、メカニカルLSD、ブレンボ社製6ピストンキャリパーと380mm大径ローターを装備。また軽量化のためにドアやボンネットなどにカーボンファイバー、ドアおよびバックドアのウインドウにポリカーボネートが採用されています。 さらに、ロールゲージやバケットシート、セーフティハーネス、消火器、カットオフスイッチ、95L安全燃料タンクなどの安全装備を装着しており、車両購入後すぐに実戦レースへ参加可能な仕様に仕上がっています。 まさに「レーシングカー」そのものであり、中古車市場では滅多に見かけませんが、モータースポーツ好きには憧れの一台です。 日産フェアレディZ バージョン NISMOの中古車市場 フェアレディZ バージョンNISMOの中古車相場は138万円から338万円で、流通量は少ないものの状態の良い車両が多いです。限定車の割には価格が高騰していませんが、今後は純ガソリンエンジン車の減少、大排気量NA車の減少に伴い、価格の高騰が見込まれます。購入を検討している方は早めに市場をチェックするといいでしょう。 300台限定のフェアレディZ バージョンニNISMO タイプ380RSはさらに流通量が少なく、2022年8月時点では589万円で販売されています。新車価格を超える金額となっており、今後も値段が下がることは考えにくいでしょう。 そして、旧車王におけるフェアレディZ バージョンNISMOの買取価格は約180万円で、300台限定のバージョンニNISMO タイプ380RSは最大455万円の値がついています。ファンが多いNISMO限定車は驚くほど高い買取額が提示されるケースもあり、売却を考えている方は、一度査定に出してみるといいでしょう。 まとめ 日産 フェアレディZ バージョンNISMOは、性能アップしたVQエンジン搭載モデルやレーシングエンジンを搭載したコンペティションモデルをはじめ、当時の日産モータースポーツを象徴するモデルです。 R34スカイラインGT-Rが2002年に生産を終了し、2007年にR35GT-Rが登場するまでの6年間は、フラッグシップスポーツカーが存在しない時代でした。NISMOとオーテックが手を組み開発したフェアレディZ バージョンNISMOは、そのすき間を埋める存在であると同時に、日産の歴史に残る名車なのです。
日本のスポーツセダンを牽引し続ける「スカイライン」。今では日産を代表する車種として認識されていますが、その源流は日産に吸収合併される前のプリンス自動車という国内メーカーが生み出しました。今回は、特に名車の呼び声が高い2代目スカイラインのレースモデル「スカイライン2000GT」にフォーカスを当て、プリンス自動車 スカイラインについて振り返ります。 プリンス自動車から始まった名車スカイラインの歴史 1950年代にプリンス自動車によって開発されたスカイラインは、当時としては先進的なデザインと性能を誇る小型車でした。初代の成功により誕生した2代目は、高性能スポーツセダンとしての地位を確立します。 2世代に渡って開発されたスカイラインは、常にクラストップの先進性と性能を誇っていました。 戦後すぐに生まれた国内トップクラスの小型車 プリンス自動車 スカイラインの誕生は、終戦から12年後の1957年で、プリンス自動車の前身である「富士精密工業」によって開発されました。 従来のプリンス車から構造を一新したオリジナルのセミ・モノコックボディに、アメリカンスタイルのボリュームあるボディデザインを採用しています。当時の国産車としては先進的なスタイリングが特徴的でした。 また、クラストップの性能面も、多くの注目を集めました。新型エンジンではないものの、改良されたGA30型エンジンは、同クラスで競合するトヨタや日産を超える60psを発生。当時の国産1,500cc最速となる125km/hを達成しています。 スカイラインの地位を確立した2代目S50系 スカイラインは、初代発売から6年後の1963年にフルモデルチェンジを受けます。明確に小型量産車市場を狙った2代目のボディデザインは、初代とは異なるヨーロピアンテイストに変更されました。 新たに採用したモノコックボディによって軽量化と高剛性も実現し、高性能スポーツセダンとしての認知を高めていくことになります。搭載されたG1型1.5L直列4気筒OHVエンジンは、クラストップの性能とともにメンテナンスフリーエンジンとしても話題を呼びました。 2年間または4万kmの保証をつけたエンジンは、シリンダーヘッドとエンジンブロックを「封印」しました。必要なメンテナンスは6000kmごとのオイル交換と3万kmごとのエアクリーナー交換だけとされています。さらに、サスペンションやステアリングギアボックスも1年間または3万kmまでグリスアップ不要で、日本初のメンテナンスフリー車として販売されました。 スカイラインに課された命題はレースで勝つこと S54A型、S54B型として人気の高いスカイライン2000GTシリーズが誕生したのは、レースに惨敗したことがきっかけでした。レースに勝つことを課せられ、結果を残したことで一気に評価が高まったスカイライン2000GT。当時の国内での人気が、S54B型の派生モデルとなるS54A型の発売につながりました。 初戦に惨敗したことで生み出されたS54型 2代目S50系スカイラインは、発売直前に初開催された日本グランプリに出場したものの惨敗を喫しています。この結果を受けてS54型として開発されたのが、スカイライン2000GTにつながるスカイラインGTでした。 エンジンにG7型2L直列6気筒OHCエンジンを採用し、エンジンの大型化にあわせてフロントの車軸を前方に移動させホイールベースが200mm延長されました。標準使用でも105psを発生する高性能モデルで、S54Rと呼ばれるレース仕様車は、ウェーバー製の3連キャブレターを装備し最終的に152ps以上を絞り出します。 そして迎えた第2回日本グランプリで、スカイラインGTはポールポジションを獲得します。レースでは格上のポルシェを抜いて1周ではあるもののトップに立つ活躍を見せ、サーキットに集まったファンを熱狂させます。最終的にポルシェに敗れてしまいますが、上位を独占するという輝かしい結果を残しました。 スカイラインGTはホモロゲーションを満たすために合計100台が製作されましたが、レース結果を受けて一般販売用として用意された92台はすぐに完売。スカGの愛称がつけられるなど、スカイラインGTの発売を望む声が高まっていきました。 世間の強い要望によって発売されたスカイライン2000GT レースで実力を証明したスカイラインGTを望む声を受けて、カタログ掲載モデルとして1965年に発売されたのが通称54Bと呼ばれるスカイライン2000GT(のちのスカイライン2000GT-B)です。 スカイライン2000GTは、レース仕様とほぼ同スペックで販売され、ウエーバー製の3連装40DCOE型キャブレターに加えて、圧縮比を8.8から9.3に向上させます。その結果、125ps/5,600rpmの最高出力と17.0kgm/4,400rpmの最大トルクを発生させるまでになります。 さらに、3速フルシンクロを備えたトランスミッションにはオーバードライブも設定され、最高速は180km/hを記録し、当時としては日本最高のスペックを誇るモデルでした。 マイルドなスカイライン2000GT-A ファン層が広がったことで「もっとマイルドな2000GTに乗りたい」という声が高まり、派生モデルとなるスカイライン2000GT-A(通称54A)が生み出されます。 スカイライン2000GTの発売からわずか7ヶ月後にスカイライン2000GT-Aが誕生したことで、従来2000GTと呼ばれていたモデルは、2000GT-Bに変更されました。スカイライン2000GT-Aは、エンジンがシングルキャブ仕様となり、54Bに比べるとマイルドなスペックであるものの国内トップクラスの105psを発生させるモデルです。 より幅広い層のスカイラインユーザーを獲得することに成功しました。 現在も人気のスカイラインGT スカイラインのルーツともいえるスカイライン2000GTは、発売が60年以上前ということもあり、市場ではほとんど見かけません。また、歴史的価値と希少性から一般の中古車相場は当てはまらないため、購入したい場合はその都度問い合わせる必要があります。大手中古車サイトで検索したところ1966年式のS54Bが1台だけ見つかりましたが、価格は応談となっていて不明です。 旧車王での買取相場を見ると、1968年式のS54Bが不動車にもかかわらず20万円もの価格がついています。もしガレージで眠っているスカイライン2000GTがあれば、どんな状態でも思わぬ買い取り価格がつくかも知れません。 ※中古車相場は2022年9月原稿執筆時
■番外編 ~アルミ弁当箱図鑑 厳選50 出版への道~ どうも!「日本アルミ弁当箱協会」会長のマツド・デラックスでございます。 「旧車王ヒストリア」連載ですが、今回は番外編をお送りいたします。 「アルミ弁当箱図鑑 厳選50 ーマニア編ー 出版への道」を語らせていただきます! ■「アルミ弁当箱図鑑」という発想 まず、この「アルミ弁当箱図鑑 厳選50 ーマニア編ー」を作りたいと思ったきっかけからお話ししていきます。 そこは遡ること3年前、今回出版させていただく編集部の編集長さまとの久しぶりの再会からはじまりました。 以前はファッション系(男性)の雑誌を作られていて、そこで記事を書かせていただいていたのですが、私が車系のライターに方向転換し、疎遠に・・・。 久しぶりにお会いすると、本の出版を数多く手がけており「どうだい?本作るか?」という軽い問いかけに、瞬時に「図鑑を作りたいです!アルミ弁当箱の!」と答えたのです。 ■しかし簡単には・・・・ ところが、ここから発売まで3年という年月を費やすことに。 簡単にはいかなかったのです。 それはなぜか?それは私が「オタク」寄りの出版物を出したかったからです。 しかし、ヴァンタスさんの出版物は正統派のものが多く、私の構想と大きくかけ離れてしまいました。 私は、出版は諦め、コレクターとしてアルミ弁当箱を極めたいと収集に全力を尽くしていくと、少しずつ展示のチャンスをいただき、ついにはトークショーを開催するまでになったのです! そこで取材やメディアへの露出のおかげで、再度出版のチャンスをいただくことになったのです。 この期間が3年でした。 ■苦労は続くよどこまでも! しかしこれですべてOKとはならないのです。 アルミ弁当箱会社へアルミ弁当箱の使用許諾をとりたかったからです。 そこで「日本軽金属協会」さまに問い合わせ、私の所有しているアルミ弁当箱会社を調べていただきました。 なんと、その結果・・・99%のアルミ弁当会社が「吸収合併」「部門消滅」「倒産」「廃業」「不明」という結果でした。 そして、1社だけ現存していたアルミ弁当箱会社「大一アルミニウム」さんにたどり着いたのです。 70年間アルミ弁当箱を作り続けている会社に訪問させていただき、アルミ弁当箱の衰退期のお話から当時の繁忙期のエピソードまで教えていただくことができました。 ■そしてついに出版!まさかのYAHOO!のトップ記事に! そんな四苦八苦の道のりを経て「アルミ弁当箱図鑑 厳選50 ーマニア編ー」はできあがったのです! そして取材していただいた「集英社オンライン」さまの記事が掲載されると奇跡が起きました。 まさかのYAHOO!のトップ記事で紹介されたのです。 なんとコメント数が600近くも! なおかつ、コメントは温かいものが大多数を占めていました。 感動しました。 6年間という長い道のりではありましたが、ここまでこられたのは、私に愛想を尽かさず応援し続けていただいた皆様のお陰です。 病気などもあり、諦めかけていたこともアルミ弁当箱への「愛情」を持ち続けることでここまでこれたのだと思っております。 最後の目標としてはアルミ弁当箱ミュージアム設立まで走り続けたいと思っております! 改めて皆様ありがとうございます!そして9月17日発売の「アルミ弁当箱図鑑」をよろしくお願いいたします! オールカラーの100ページに様々なジャンルのアルミ弁当箱を詰め込んでおります。是非、読んでいただければありがたいです!よろしくお願いいたします。 ◎アルミ弁当箱図鑑 厳選50 ーマニア編ー マツドデラックスコレクション (ヴァンタス) | マツド・デラックス https://www.amazon.co.jp/dp/4907061471 ■今回の斜めから見た旧車~「日産スカイライン(1968年)」 さてまたまたやって来ましたこのコーナーは、本当に無理矢理アルミ弁当箱からの「斜め」から見た旧車コーナーです。 今回は「スカイライン」です。 ではなぜ今回「スカイライン」なのか? それには今回のアルミ弁当箱図鑑のなかで私が語っていた「愛情」が関係しています。 お察しのとおり今回は「キャッチコピー」からの旧車です。 そう私のアルミ弁当箱への「愛」と「愛のスカイライン」をつなげてみました。 イメージ的には「ケンメリ」の方が「愛のスカイライン」のイメージが強い方も多いかもしれません。 実は意外にも(ファンは知ってます!と突っ込まれるかも)「ハコスカ」からのキャッチコピーだったのですね! スカイラインに限らず自分の車は「愛車」。 そして、コレクション等も「愛」があってのこと。 これからもアルミ弁当箱にも旧車にも「ゆる~く」愛情を注ぎながら、旧車を紹介していきますのでよろしくお願いいたします。 [画像・日産/撮影&ライター・マツド・デラックス(山本圭亮)]