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■「SEMAショー」とは? SEMA(Specialty Equipment Market Association、米国自動車用品工業会)が1967年より年に一回開催している自動車アフターマーケットの見本市である。 日本ではカスタムカーイベントのイメージが強いかもしれないが、チューニングパーツだけでなく、タイヤやオフロード用品、板金塗装、補修、カーケア用品など、自動車アフターマーケットに関わるすべての商品がお披露目されている。 出展各社のブースには自社や協力会社の製品を装着したデモカーが展示されており、これもSEMA SHOWの大きな魅力の一つ。 近年は北米での人気に合わせて日本の旧車カスタムカーの出展が急増。こちらではそれらのなかでも特に注目を集めた5台を紹介してみたい。 ■1.40年の眠りから覚めたスズキ ジムニー LJ20 ▲40年の眠りから覚めたジムニーを1年かけてレストア パウダーコート塗料を扱うプリズマティックパウダーズ社のブースに出展された金色に輝くスズキ ジムニーは、1972年に日本で発売された LJ20である。 わずか600kgの車重で登坂能力は27.5度。最小回転半径4.4mの小さなボディもあいまって圧巻のオフロード走破性能で大人気となった。 出展されたLJ20はみた目にも美しい仕上げが施されているが、実はこのジムニー、遠い昔になだれに巻き込まれ、シエラネバダの山奥に40年以上も放置されていたのである。 なお初代ジムニーLJ10は1971年ごろ「ブルート」として約2000台が北米に輸出されたが、その後LJ20の輸出はなく、こちらの個体は並行輸入でアメリカに持ち込まれたと思われる。 山奥に長年放置されたジムニーを引き上げたのはYouTubeチャンネル「Matt's Off Road Recovery」のスタッフだ。 同チャンネルはどんな悪路も走破するために改造されたジープ チェロキーでさまざまなレスキュー活動を展開しており、このLJ20もオーナーであるエドに許可をもらってサルベージに挑んだ。 山奥から引き上げたあとは、川に浸したり、巨大な落石を乗り越えたり難儀を極めながらもなんとか自社のガレージまで運んでくることができたとのこと。 激しく損傷したボディは完璧な姿に修復し、エンジンとトランスミッションはスズキ サイドキック(エスクードの北米仕様)用に換装。 歴史に残る圧巻のレストモッドプロジェクトとなった。 ■2.1000馬力の四輪駆動 RX-7(FD3S) ▲1200馬力発生の4ローターを搭載したAWD仕様のFD ヴァルヴォリンのブースに展示されたRX-7は、ギャレット社が取り揃えている最大容量106mmのターボを搭載し、1200馬力超えまでチューニングされた4ローターを搭載。 さらに駆動方式は全輪駆動という信じられない仕様となっている。 大量の燃料を必要とするため50ガロンの燃料電池を装備していることも注目を集めた。 なお、フルスロットルで走行するとわずかな時間で1.5ガロン以上(約5.7L)の燃料を消費するという。 世界が電動化に向かうなか、今や希少な究極のガス・ガズラーである。 全輪駆動部分には日産スカイラインGT-R用のトランスミッションを採用しており、リアのディファレンシャルはBMW 3シリーズ(E36)用を流用して、この唯一無二のマシンを作り上げたとのこと。 制作期間は6年!とのことなので、オーナーであるロブ・ダーム氏の苦労や思い入れの強さがひしひしと伝わってくる。 ■3.1200馬力のドラッグマシンへと変化したトヨタ4ランナー ▲2JZ-GTE搭載で出力は1200馬力 日本の旧車を中心に、自動車用アフターマーケットパーツのディストリビューターとしてアメリカで急速にその存在感を高めつつある「TURN14」は、今回のSEMA SHOWに多数のカスタムカーを出展している。 そのなかでももっともアグレッシブで、多くの注目を集めていたのが、こちらの1993年型トヨタ 4ランナー(日本名ハイラックスサーフ)である。 一見、車高を落として綺麗にまとめられた普通の4ランナーに見るが、実はフレームをすべてパイプフレームにし、エンジンには3.4リッターまでボアアップした2JZ-GTEを搭載。 出力は1200馬力超えというとんでもないマシンに仕上がっている。 また、注目すべきは今はなき「TAKATA」のフルハーネスベルトを採用していること。 日本ではエアバッグ関連の大規模不祥事などもあって、すっかり「終わった企業」というイメージが強いが、アメリカでは今も根強い人気がある。 レーシーなJDMにTAKATAのフルハーネスを装着することは旧車オーナーにとってステイタスでもあるようだ。 ▲SEMA SHOWのデモカーにもTAKATAのフルハーネスが多数見られた ■4.パガーニ ゾンダのエンジンを積んだ RX-7 マツダ RX-7はその美しいルックスとカスタム用ベースカーとしての魅力にあふれることから日本はもちろん、世界多くのクルマ好きを虜にしてきた。 トーヨータイヤの屋外ブース「トーヨータイヤ トレッドパス」に展示されたRX-7はその外装色から「ピスタチオFD」との愛称がつけられているが、人気の理由はそこにとどまらない。 驚くことに心臓部にはデフォルトのツインターボ 13B-REW エンジンではなく、パフォーマンス ワークショップである Gooichi Motors によって組み込まれたメルセデス・ベンツ製 V12エンジンにシフトされている。 同エンジンはイタリア製スーパーカー「パガーニ ゾンダ」などに搭載されるV12エンジンでノーマルの状態でも、720bhp と 780Nmのパワーを吐き出すハイパワーで知られる。 ホイールはBergmeister fifteen52 アロイ ホイールに、トーヨータイヤのハイパフォーマンスタイヤ「Toyo Proxes RR 345」を装着。 ボンネットが取り払われた状態で展示され、興味津々にエンジンルームをのぞく来場者たちが多く見られた。 ■5.ENEOS ダットサン521ピックアップトラック アメリカで人気のドリフトメディア「DSPORTマガジン」のマネージャーと、その息子によって作られた1台はENEOS USAからの出展となる。 ダットサントラックはアメリカにおいて長く愛されてきたライトトラックだが、こちらは6代目となる1971年型 ダットサン 521 ピックアップをベースに世界中からレストアパーツを集め、5年間かけてレストアされたもの。 50年前の車両から摩耗したガスケットとシールをすべて取り外し、元の L16 1.6Lエンジンと 4速トランスミッションはキープ。 サスペンションは QA1ショックと エナジーサスペンションのウレタンブッシングでアップグレードされている。 エクステリアはPandem製ボディキットをベースにハコスカ フェンダーミラー、Eimer Engineering 製テールゲート パネルとロール バーなどを装備。 シートはバーバリー チェック パターンのカスタム シートに張り替えられ、クイック リリース ハブ付きの NRG ステアリング ホイール、騒音と熱を抑えるためのDEI サウンド コントロール、Lokar シフター ブーツと CNC トリムに交換されている。 [撮影・加藤ヒロト/ライター・自動車生活ジャーナリスト加藤久美子]
1990年代は、クルマの世界が大きく変わった年代でした。 たとえば、安全性能や環境性能がまだそれほど厳しくなかった1990年代前半には、シトロエン「2CV」やサーブ「900」といった、20~30年以上も前にデビューしたクルマがまだまだ現役だったと思ったら、1990年代後半には今のミニバンブームにつながる日産「セレナ」や「エルグランド」が登場し、量産車初のハイブリッドカー、トヨタ「プリウス」も生まれています。 エンジニアリングの面でもユーザーニーズの面でも、20世紀から21世紀へと向かう、一大転換期だったのです。 そのため、この10年の間にはメーカーのチャレンジと試行錯誤によって生まれた、さまざまなモデルが登場しました。 とはいえ、そのすべてが成功し、名車と呼ばれるようになったわけではありません。 なかには、あまり日が当たらず、忘れられかけているクルマもあるものです。 前置きが長くなりましたが「1990年代 名車&迷車 烈伝」では、この時代に生まれた少々マイナーな名車&迷車にスポットを当てていきます。 第1回は、1991年に登場した三菱4代目「ランサー」です。 ■1.3~2.0リッター、商用車からエボリューションまで ランサーは、トヨタ「カローラ」や日産「サニー」ホンダ「シビック」など同じ1.3~1.5リッタークラスのコンパクトセダン。 3ドアハッチバックや2ドアクーペも用意された「ミラージュ」の兄弟車です。 4代目ランサーは、先代の5ドアハッチバックスタイルからセダンに変わった世代で、ランエボの愛称で親しまれるエボリューションシリーズが誕生したのもこのころ。 ▲MX SALOON ▲MX LIMITED 1991年デビューといえば、その設計や開発がバブル期の真っ只中。 4代目ランサーも、実に贅沢に設計され、また多彩なバリエーションを誇っていました。 まずは、「そんなにあってどうするの?」と思うほどのエンジンバリエーションを見てみましょう。 ・1.3リッターSOHC・1.5リッターSOHC MVV(リーンバーン)・1.5リッターDOHC(電子キャブレター)・1.5リッターDOHC(インジェクション)・1.6リッターDOHC MIVEC・1.6リッターDOHC MIVEC-MD(気筒休止)・1.6リッターV6 DOHC・1.8リッターターボ・2.0リッターターボ(エボリューション向け)・1.8リッターディーゼルターボ(のちに2.0リッター化) 当時はまだほとんどのグレードでMT/ATが選べた時代。 ▲1.6リッターV6 DOHCエンジンをはじめ、さまざまなバリエーションがあった また4WD仕様もあり、パワートレインのバリエーションだけでも相当なものでしたが、さらに商用仕様、乗用仕様、スポーツモデル、競技向けモデルまで用意されたのですから、ラインナップの数は半端ではなく、これもこのクルマの名車&迷車性を物語っています。 ▲RS この時代のランサー/ミラージュのトピックとして、世界最小の排気量を持つ1.6リッターのV6エンジンがよく語られますが、ホンダのVTECと似た可変バルブタイミング機構を持つ「MIVEC:マイベック」や、それに気筒休止機構をつけた「MIVEC-MD」、リーンバーン(希薄燃焼)を追求した「MVV:Mitsubishi Vertical Vortex」も、このとき生まれた注目すべきパワートレイン。 MVVは、存在感こそ薄かったものの、のちのGDI(ガソリン筒内直噴)エンジンにつながる技術の1つでした。 ■ディアマンテなみの豪華装備 バブル期の設計といえば、作りのよさがよくいわれます。 メカニズム面では、リアサスペンションがマルチリンクの独立懸架で、4速ATには当時、このクルマではまだ珍しかった電子制御式(ファジィシフトと呼ばれた)、4WDにはVCU(ビスカスカップリング)センターデフ式が採用されていました。 一体成型のインストルメントパネルや贅沢にシート生地が貼られたドアトリムのインテリアも、当時の気前のよさを感じさせるもの。 フルオートエアコン車には「ディアマンテ」と同様に、作動状況を表示するカラー液晶のディスプレイがついていました。 ▲ROYALのインパネ 1.8リッターターボを搭載する「GSR」は、MOMO製ステアリングやRECAROシートで装い、ラグジュアリーグレードの「ROYAL」にはパワーシートや空気清浄機、植毛ピラーなどを装備。 ▲ROYALのインテリア グレードによって、まったく異なるキャラクターを持たせていたのも、特徴でした。黒バンパーにビニールシート、パワステ・パワーウィンドウがオプションというグレードがあったのも、おもしろいところです。 ▲GSRのインパネ ▲MVVのインパネ これだけグレードの幅が広いモデルだけあって、価格レンジも90万~240万円台ほどと広く、廉価グレード、普及グレード、ラグジュアリーグレード、スポーツグレードはそれぞれ、形が同じだけで別のクルマと言っても過言ではないかもしれません。 さらに「GSRエボリューション」は270万円以上と、「ギャランVR-4」に迫るプライスタグがつけられていました。 ■気合い十分も販売は・・・ 贅を尽くして開発された4代目ランサー。 しかし、気合い十分で臨めば売れるかというと、そううまくいかないのがクルマの世界というものです。 ここで、1992年の乗用車販売台数ランキングを見てみましょう。 1位:トヨタ カローラ2位:トヨタ マークII3位:トヨタ クラウン4位:ホンダ シビック5位:日産 サニー6位:トヨタ スターレット7位;トヨタ カリーナ8位:トヨタ コロナ9位:日産 マーチ10位:トヨタ スプリンター なんと、ベスト10にも入っていなかったのですね。 当時を知っている人なら、「知ってはいるけれど、あまり見かけないクルマ」という印象を持っているかもしれません。 ▲MR 世界最小のV6エンジンなど話題性はありましたし、WRC(世界ラリー選手権)で活躍したエボリューションはクルマ好きを心酔させる魅力を持っていましたが、カローラクラスのセダンとしては決してメジャーな存在とはなりませんでした。 だからこそ、名車かつ迷車として取り上げたかったのです。 2022年12月現在、中古車情報サイトに載るランサーは、エボリューションを除くと十数台。 ▲GSRエボリューション そのなかで、この4代目はわずか1台しかありません。 それも、GSRのエボ仕様です。 MXサルーンをはじめとしたノーマルモデルは、ほぼ絶滅状態となってしまいました。 まさに1990年代の悲哀に満ちた名車&迷車だったといえるでしょう。 [画像:三菱自動車/ライター:木谷宗義]
今夜はクリスマス・イブ。 BIGLOBEが全国の20代~50代の男女1,000人を対象に、年末年始の過ごし方に関する意識調査を実施したところによると「クリスマスの予定」についての質問に57.8%が「予定はない」と回答したという。 また、「クリスマスをひとりで過ごすことについて」は、全体の74.2%が「あまり気にしない/気にしない」と回答したそうだ。年代が上がるにつれ、上記の回答をする人の割合は多くなるものの、20代に限定しても約6割が気にしていない、とのことだ。 いまでこそ「クリぼっち」は市民権を得たような気がするけれど、当時は数々の恋愛ドラマやクリスマスに関係するヒットソング、そしてトドメのJR東海のクリスマスエクスプレスの影響もあってか「クリスマスは恋人と過ごすのが勝者で、それ以外は敗者」だったように思う。 その証拠に、いまはなき「赤プリ」こと赤坂プリンスホテルでクリスマス・イブを過ごしたいと思ったら、1年前から予約しないと部屋を押さえられないんていわれた時代だ。 ちょうど30年前の今日。 1992年12月24日。 オリコンの1992年12月の月間シングルCDランキングによると、第1位は稲垣潤一の「クリスマスキャロルの頃には」だった。 そして、1988年から5年間続いたJR東海の名作CM「クリスマス・エクスプレス」シリーズ最後の年でもあった。 当時は高校生だった自分にとっては、多感な時期に嫌というほど「クリスマスは恋人と過ごすのが勝者で、それ以外は敗者」という強烈な刷り込みを脳裏に焼き付けられたのだ。 それはまさに呪縛だった。 そんなわけで、自分だってキラキラしたクリスマス・イブの夜の街でデートがしてみたい(笑)と思わない方が無理なハナシだ。 で・・・どうしたかというと、このとき彼女はいなかったので、前日にクラスで比較的仲が良かった女子の家に電話をして、デートに誘ってみることにしたのだ。 爆発的にポケベルや携帯電話が普及するのはここから数年先の話しで、当時気になる相手に連絡をするには直接話すか、手紙か家電するしかなかった。 この時点では「家電」が唯一の選択肢だった。 あまり時間が遅くなるとさすがに迷惑だ。 意を決して「家電」したところ、家族の誰かが出たのだろう。 学校の宿題だか何だかの理由(口実)で電話したことを伝え、本人につないでもらった。 それなりに仲が良かったとはいえ、普段から家電で話すような間柄ではなかったので、相手も驚いたはずだ。 先ほどの用件を伝えつつ、イチかバチか明日(つまりクリスマス・イブだ)、一緒に出掛けようよ、と誘ってみた。 夜遅くならなければokということで、翌日、放課後(久しぶりにこのキーワードを使った気がする)に駅で待ち合わせ、電車に乗り、一緒に渋谷へ向かうことになった。 なんで原宿でなくて渋谷だったのかはよく覚えていない。 原宿より渋谷の方が大人の街(笑)だと思い込んでいたのかもしれない。 郊外に住んでいたので、地元の駅を出発して、渋谷駅に着いたころには日が暮れてきていた。 そのときの渋谷駅周辺はというと・・・いまのハロウィンほどではないが、それでも人で溢れかえっていたように思う。 ムスカ大佐の言葉を借りるとすれば「人がゴ○のようだ」そのものの光景がひろがっていた。 そういえば、夜の渋谷の街を歩くのはこのときが初めてだったかもしれない。 日中の渋谷とは違う大人びた雰囲気にちょっと気圧されてしまった。 しかも今夜はクリスマス・イブ。 どの店も超満員だ。 結局、ただ何となく2人で夜の渋谷の街を歩き、東急ハンズあたりでUターンしてふたたび渋谷駅に戻って超満員の山手線に乗り、私鉄に乗り換え、最寄り駅まで彼女を送り、クリスマス・イブのデートは終わった。 あれってデートだったのか?いまでも分からない。 とはいえ、こうして振り返ってみると、何だかんだでこの30年間のクリスマス・イブでも思い出深い夜となったかもしれない。 件の彼女はその後紆余曲折を経て、クラスメートだった友人と結婚して子どもを授かった。 数年前、彼女に会ったときに当時のことを聞いてみたら、向こうも覚えているとのことだった。 さすがに野暮なので、当時なんでデートしてくれたのかは聞かないでおいた。 自分はこのときのことを友人には話してないけれど、彼女はどうしたんだろう。 そして、今夜の渋谷の街は、あのときのように混んでいるのだろうか? 検索してみたら、渋谷スクランブル交差点のライブカメラの映像を見つけた。 意外と空いているような・・・。 【LIVE】渋谷スクランブル交差点 Shibuya Scramble Crossing Live Camera https://www.youtube.com/watch?v=3kPH7kTphnE それはさておき、皆さまもどうか素敵なクリスマスをお過ごしください。 [画像/Adobe Stock ライター/松村透]
■インドの街並みとモータリゼーション ▲新型車も古くからのキャリーオーバーモデルも連なる市街地。その合間をバスやスクーターと自転車、徒歩の人までが行き交う パンデミック直前の2020年の冬、筆者はインディラ・ガンディー国際空港に降り立った。 外はデリバリーのタクシーでごった返し、南アジア独特のまとわりつくような空気を肌で感じとる。 不思議の国、インド。 その名を聞けばガンジス川にタージマハル。 神秘的な景色と歴史。 そのなかに力強く、目をギラつかせながら逞しく生きている人々の情景をつい思い浮かべてしまう。 ニュースで伺っている通りインド経済は右肩上がりで、やがて中国を抜いて世界で最も人口が多い国になるらしい。 当たり前のように多くの人はスマートフォンを持ち、都市部では電子決済システムの導入も珍しくない。 乗り合いタクシーのオートリキシャは順次EV化へと進んでおり、まだ設置箇所は一部ではあるが充電スポットなんかも街中で見るようになってきた。 インフラや道路が未整備に感じられる箇所も多く存在するものの、道路建設やショッピングモールも増えはじめた。 これでマンパワーがあれば、やがて他の新興国のように街全体が近代的に発展するのも時間の問題だろう…。 そんなことを考えながら、空港から市街地へと向かうトヨタ・エティオスセダンのタクシーから車窓の風景を眺めた。 ▲日本車の進出も大きい。手前がトヨタ・エティオス。奥がトヨタ・イノーバ エティオスは2011年からインドをはじとしたBRICs諸国へとデリバリーが始まったモデルで、2021年まで10年もの間販売されていたロングランモデルだ。 発売されてすぐの頃、ニュース記事に「気温の高い国で販売される同車種は、運転席に乗り込んだ瞬間に顔へと風を浴びられるように、大き目の丸型ルーバーを装備した」という記事を読んだ記憶がある。 当時は「デザインや設計にもさまざまな観点があるものなんだな」と感じていたものだが、蒸し暑いインドの気候のなか、ドライバーがまさに心地よくエアコンの風を浴びているのを見て、一人後部座席でほくそ笑んでしまった。 空港からニューデリーの駅前までは約50分ほどかかる。 ホテルにはギラギラの電飾が飾られ、四方八方からクラクションの音を響かせあう。 あまりにもひっきりなしに鳴らすので、インドのクルマは”クラクション自体”が故障することもあるそうだ。車両と車両の間はギリギリまで詰めてすぐに渋滞になるが、不思議なものでさほど事故を起こしている場面には遭遇しなかった。 ネットで有名な動画に、クルマが往来する車道を平然と渡っていくインド人の映像を見たことがある。 一体そのバランス感覚はどこで培ってくるものなのかはまさにインドの不思議のひとつだ。 実際にインド人に手を繋いでもらいながらたくさんの車が行き交う道を渡ってもらうと、止まったり怯むことなく平然と道を渡り切ってみせてくれるので、とても印象的な体験だった。 話を戻そう。勃興著しいインド市場。人々と経済が豊かになれば、当然のように欲されるのはクルマだ。 10年以上前、インドの大手現地メーカーのタタ社が10万ルピー(当時のレートで30万円以下)で日本の軽自動車よりも小さい「ナノ」という自動車を発売したのは衝撃的なニュースだった。 自動車とスクーターの中間を補うようなモデルだったが、都市部のニューデリーで現地の男性ドライバーにタタ・ナノの話を伺うと「ああ、あの小さいクルマね...悪くないけど、どうせお金を出して買うならセダンのほうが良くない?安全だし」とあっさり答えられてしまった。 日本のクルマ趣味人に聞かれた手前、自国の古いクルマに対して少し恥ずかしがって答えたようにも思われたが、実際ニューデリーの街中でタタ・ナノとすれ違う回数はそう多くなかったと思う ■ニューデリーにおける人気のジャンルとは? インドといっても非常に広い国であり、経済事情や産業によって必要とされるクルマは異なってくる。 インド国内でもいくつかの都市を見て回ったが、首都であるニューデリーではどんなクルマが流行っているのか。 世界の街角に生きているクルマの姿を切り取り続けている筆者目線で伝えていきたい。 街を見渡すとA〜Bセグメントのコンパクトカーの人気は絶大だ。 マルチスズキのアルト800をはじめ、現代・i10シリーズやタタ・TIAGOなどファミリーから若者、ビジネスカーとして使われる個体まであちこちにいる。 ワゴンRなども多数見かけるが、新車価格が日本円で50万円台から用意され、まさにエントリーカーとしての立ち位置を担い続けているアルトおよびその競合車種が一番の人気といって良いだろう。 ここ数年ではコンパクトカー派生のSUV系の人気が、各メーカー猛威をふるっている。 スズキでいうとAセグメントにあたるエスプレッソがそうだ。 車体は3565mmで軽自動車の寸法を僅かに伸ばした程度であるが、隆々としたボディワークはユニークだ。 海外勢だとルノーやヒュンダイからも同様の車種がリリースされ、街中ですれ違う機会が増えている。 特にポップなデザインは若者需要も巧みに掴み取っており、趣向をキャッチするのが上手いと感じる。 次いでセダンの台数もかなりを占めているように感じる。 これはタクシーで使用されるセダンの数が多いことにも由来するが、これからさらに大きく成長していくインド市場のなかで、”ちょっと良いクルマ像”を追い求めて購入するユーザーが多いことを象徴しているかのようだ。 とはいえ、海外のプレミアムカーであるメルセデスやBMWに関しては見かけると“いかにもお金持ち!”といった印象が強い。 街中で多く見かけるのはマルチスズキ・スイフトディザイアやタタ・Tigor、ヒュンダイ・AURAなどA~Bセグのコンパクト3BOXだ。 ハッチバックにノッチをつけたスタイリングはまさにインド市場的であり、愛嬌を感じさせるデザインだ。 しかし近年では、ハイグレードにもなるとディスプレイオーディオなど上級な装備の設定があり、内装色やパネル類にもこだわりを感じさせる”イイクルマ感”がしっかりと演出されていてなかなかに侮れない。 車種によってはバイフューエルエンジンも用意され、エコ・パフォーマンスに訴求するモデルも多い。 ここで旧車王ヒストリアの読者の皆さまには残念なお知らせだ。 インドでは排ガス規制である「バーラト・ステージⅥ」が実施され、古いクルマは以前よりいっそう姿を少なくさせつつある。 2020年時点でもマルチ・スズキ製のエスティーム(スズキ・カルタスエスティームのインド版)は見ることができたが、台数を減らしているであろうことは街中ですれ違う台数の少なさからも見受けられる。 インドにおけるタクシーの顔だったヒンドゥスタン・アンバサダーも2011年にタクシーとしての使用が禁止され、街中での遭遇回数はめっきりと少なくなっている。 2014年に販売が終了する頃までいすゞ製のディーゼルエンジンが積まれていたりなど、意外なところで日本メーカーとの繋がりがあるが、ヤングタイマーになる前に個体自体が数を減らしてしまうのかもしれない。 ■インドで出会う古いクルマたち! ・・・と、インドのモータリゼーションは先述の通り環境規制なども相まって意外にも新しいクルマが多いのだが、さまざまなブランドが業務提携などを行い古くから製造を続けてきた「近年まで作り続けられている旧型車」が穴場的な存在だ。 例えばアショック・レイランド製の「ドスト」という小型トラックは2011年から2016年まで製造されている比較的新しい車種だが、日本では1985年に製造が開始されたC22型のバネットをベースとしているものだ。 クルマ好きの読者ならば写真をみれば一目瞭然だが、フロントエンドを新造していながらも、キャブはバネットの面影を色濃く残している。 旧スワラジ・マツダを引き継いだSML・いすゞ社からは1982年リリースのマツダ・パークウェイが長きに渡り製造され続けていた。 日本ではほぼ見かけることがなくなったパークウェイだが、インドではさまざまなボディタイプがあり、少なくとも2020年のデリーショーではパンフレットが配布されている。 バスボディの世界は根が深い...と思わざるを得なかった。 もちろんトラックも多数現存している。 ▲手前から三菱・パジェロスポーツ、旧スワラジ・マツダ(現SML・いすゞ)のトラック、奥にマルチスズキ・ZENが見える マルチスズキからは80年代のスズキ・キャリーをベースとしたオムニバスが2019年まで販売されており、いまだに街中で見かける。 渋滞のなかを救急車仕様のオムニバスが走っていくのを何度も見かけたが、日本の高規格救急車の姿に見慣れている自分としては、あの小さなボディでどんな搬送業務が行われているのかは未知の世界だ。 後継車種に当たる「イーコ」は1998年リリースのエブリィ・プラスを基本としたものだ。 現在でもマルチスズキにて新車としてラインナップされている。 今でも新車で買える日本の90年代車としては徐々に希少な存在になってきた。 現在では中国資本のブランドも数多く参入し、選択肢が増えていくインド市場。 キャッチアップに優れたニューカマーと熟成されたモデルが入り乱れる街中のモータリゼーションの風景は、今後さらに混沌を極めるだろう。 まだ、インドでは庶民的なクルマに”レトロ”や”クラシック”をありがたがるという概念は薄いだろうが、今後は現在の中国や韓国のようにレトロフューチャーの波がいずれやってくるのかもしれない。 逆にその頃、日本のセルボ・モードや初代MRワゴンにインドから熱いラブコールがかかったりしたら面白いのだが…。 これからの未来、インドにどんなクルマ趣味が広がっていくのか、今から期待だ。 ■新刊のお知らせ 筆者は自費出版、いわゆる同人誌というものを制作している。 世界の街角を行くクルマの姿をひたすらに撮り続ける本「世界まちかど自動車シリーズ」も新作のインド編で5作品目だ。 まさに今回の記事の延長線でありながら、さらにディープな内容になる予定である。 興味のある読者の方はぜひ、以下のURLより確認していただきたい。 ●インドじどうしゃ #世界の中心編 著:TUNA・サークルINPINE2022年12月31日発売https://inpine.booth.pm/items/4418054
トヨタ MR-Sは、軽量ボディにMRレイアウトというスポーツカーに必要な要素を備えた理想的な2シーターのオープンスポーツカーです。しかし、唯一の弱点は非力なエンジンパワーと言われています。そこで、有効なチューニングメニューとして挙げられるのが、エンジンスワップです。軽量なボディと相まって、名車MR2にも引けを取らないパワフルなマシンに仕上げることができます。 今回は、MR-Sの魅力を最大限に引き出せるエンジンスワップについて詳しく解説します。 名車MR2の後継車として登場したMR-S トヨタ MR-Sは、1980年代から生産されていたMR2の後継車です。ライトウェイトなボディだけではなく、国産唯一のMRレイアウトを採用したオープン2シーターという点でもスポーツカー好きの心を惹きつけました。まずはそんなMR-Sの魅力について詳しく見ていきましょう。 唯一の国産オープン2シーターMRスポーツカー トヨタ MR-Sは、1999年に発売されたライトウェイトスポーツカーです。同年に販売が終了したMR2の後継車種として登場し、2シーターのオープンカーにMRという、当時の国産大衆車にはないユニークな存在でした。(MRとしては同時期にホンダ NSXが販売されていたが基本パッケージはクーペ) 国産量産車として初めて、シーケンシャルマニュアルトランスミッションを搭載し、スポーツカーとして意欲的に仕上げられています。内装も独立配置されたメーターや本革巻き3本スポークステアリングなど、スポーツカーならではの満足感を十分に得られるクルマです。 軽量安価でベース車両として最適 MR-Sの最大の特徴は、軽量コンパクトなパッケージングです。コンパクトカー“ヴィッツ”の基本コンポーネントを流用したプラットフォームに1.8Lの1ZZ-FE型エンジンを搭載し、車重は1tを切るわずか970kgに抑えられていました。(安全装備の変更により最終的に1,020kgに増加) また、登場時の新車価格は200万円を切り「MR」「オープン」「スポーツカー」という要素を考えると破格の設定でした。軽量なうえに安価、チューニングのベース車両として、MR-Sは最適な条件をそろえたクルマです。 エンジンスワップでMR-Sを高性能化 MR-Sは、エンジンスワップによってさらに戦闘力の高いマシンに生まれ変わります。加えて、純正で搭載されている1ZZ-FEエンジンの後継エンジンなら、作業も比較的容易です。 MR-Sのエンジンスワップ事情について詳しく紹介します。 MR-Sはエンジンスワップ例が多い MR-Sの弱点は、搭載された1ZZ-FE型エンジンの最大出力が140馬力とやや非力な点です。しかし、車両そのものが安価なこともあり、エンジンを載せ替えて乗っているユーザーも少なくありません。 軽量なMRレイアウトというスポーツカーとして理想的なパッケージングは、チューニングベースとしても人気です。、ホンダ製2リッターVTECのK20型エンジンや同じトヨタ製の3S-GTE型エンジンに載せ替えたチューニングカーが作られています。 名機3S-GEの正統な後継エンジン2ZZ-GE MR-Sに載せ替えるエンジンとしておすすめなのは、2ZZ-GE型エンジンです。2ZZ-GE型Jはトヨタのスポーツエンジンの名機、4A-GEと3S-GE型エンジンの後継機として開発されました。連続可変バルブタイミング・バルブリフト機構(VVTL-i)を搭載していて、わずか1.8Lで190馬力を発生するハイパフォーマンスエンジンです。 最終型のMR2に搭載された3S-GE型エンジンが、2.0Lで200馬力(NA)ということを考えると、ほぼ同等のパワーを200ccもダウンサイジングしたエンジンで実現していることになります。 MR-Sの車重が1tとして、190馬力の2ZZ-GE型エンジンを搭載した場合のパワーウエイトレシオは約5.26kg/PS。(1ZZ-FE型エンジンの場合は7.14kg/PS)最終型MR2が約5.1kg/PS(ターボ5MTモデル)であることを考えると、公道で気持ちよく走るスポーツカーとしては十分なパワーです。 また、2ZZ-GE型エンジンはMR-Sに搭載されている1ZZ-FEをベースに開発されているため、大規模な加工をせずに比較的簡単に載せ替えられます。 MR2と同等性能をより年式の新しいクルマでしかも安価に手に入れる 国産MR車両として人気の高いMR2。しかし、MR2は1999年に製造終了しており、最終型でもすでに20年以上が経過しています。また、中古車価格もMR2のほうが高く、多くが300〜400万円前後、大手中古車情報サイトでもっとも高いものは、1997年式のSW20型MR2で695万円の値がついていました。 一方、MR2と入れ替わりに登場したMR-Sの販売は2000年代以降が中心で、最終型は2007年式です。中古車価格も100〜200万円台が中心で、もっとも高い車両でも約300万円。100万円以下と価格を押さえた車両も複数確認できたため、エンジンスワップをする前提であれば、あえて安い個体を購入するのもおすすめです。 MR2に比べて10年前後も高年式で、公道で気持ちよく走るには必要にして十分なパワーを安価に実現できるMR-Sのエンジンスワップをぜひ検討してみてくださいね。 ※価格や経過年数は2022年12月記事執筆時のもの
お正月にニュースでハデハデな改造車を見たことはありませんか?シャコタン、竹槍マフラー、深リムホイール、ワイドフェンダーで武装しているクルマたち……。これらの改造車は「街道レーサー」と呼ばれベース車両は現在旧車人気の高いクルマたちであることが多いんです。この記事では街道レーサーで人気のベース車両を紹介します。 街道レーサーとは? 街道レーサーは、1970年代に流行したクルマのカスタム手法です。当時、国内レース最高峰であった富士グランチャンピオンレース(グラチャン)のレースカーを模倣したものが源流となっています。レギュレーションはほぼ無制限で、現代のレーシングカーには見られない特大のチンスポイラー、リアウィング、極太タイヤを収めるための特大ワイドフェンダーなどが特徴です。さらにアレンジを加え、竹槍マフラー、深リムホイールを装着しド派手なカラーリングを施した攻撃的なスタイルにする改造が走り屋の間で大流行しました。現代でも一部の旧車愛好家の間で人気のあるカスタムですが、違法改造になることが多いので注意が必要です。クルマのカスタムは車検適合範囲内で楽しみましょう。 街道レーサーで人気のベース車両5選 ここからは街道レーサーで人気だったベース車両を5つ紹介します。 マークⅡ/チェイサー/クレスタ(GX71) マークⅡ、チェイサー、クレスタは3兄弟といわれています。ベースは同じですが、販売チャネルごとにキャラクターを変えて販売されていました。3兄弟の中でもGX71は現代でも旧車ならではのカクカクとしたデザインが人気です。また、FRでマニュアルの設定があるセダンということも走り屋に支持されるポイントです。 R30系スカイライン R30系スカイラインはドラマ「西部警察」で人気を博したモデルです。派手なアクションシーンやカースタントでクルマ好きの心を鷲掴みしました。また、後期のRSグレードは薄型ヘッドランプ、グリルレスフェイスから「鉄仮面」と呼ばれ、唯一無二の存在感で現在も高い人気を誇っています。また、シルエットフォーミュラと呼ばれるレースカテゴリで活躍したことで多くの支持を集めています。 初代セリカ(ダルマセリカ) ふくよかなボディラインと髭面に見えるメッキバンパーがだるまに似てることで初代セリカは「ダルマセリカ」と呼ばれ愛されました。ヤマハ製の2T-G型DOHCエンジンを搭載する最上級グレード「1600GT」は専用エンジン、専用外装、専用内装でスポーツカー好きの憧れのモデルでした。GTグレードは特に人気が高く、旧車人気も相まって現在もプレミア価格で取り引きされています。 セドリック/グロリア(430系) セドリック/グロリアはトヨタクラウンのライバル車で日産を代表する高級セダンです。豪華さはもちろんのこと、国産車初のターボを設定したフラッグシップモデルということが大きな話題となりました。ターボモデルは別格の人気があり、走りの面ではライバルのクラウンに勝っていました。現在も中古市場で人気が高く、300万を超えるプレミア価格がついているものもあります。 ローレル(130系) ローレルはトヨタのマークⅡ3兄弟のライバルにあたる日産のハイソカーです。特に2代目の130系は街道レーサーベース車両として大人気でした。スカイライン(ブタケツ)と兄弟車で2ドアハードトップモデルは優雅なボディラインと力強いフロントフェイスで上質かつスポーティな性格が当時のクルマ好きから支持されました。 街道レーサーのような改造車は売ることができないって本当!? 旧車人気で大人気の街道レーサーベース車両ですが、一般的に改造車は査定額が低くなる、もしくは売却が難しいといわれます。なぜかというと、主に下記の理由が挙げられます。 ・違法改造車は警察に摘発される・安全性が担保されていない・派手な改造は万人に受け入れられず買い手が見つからない このような理由から0円査定になってしまうケースも多く見受けられます。しかし旧車王なら値段をつけることができるかもしれません。旧車王ではグループの力でパーツ供給から修理・整備を中間マージンなしですることができます。また、改造車専門買取「改車王」も運営しています。改造車はカスタムパーツによってプラス評価になることもあります。改造車のご売却を検討されている場合は、ぜひ「改車王」にご連絡ください。
欧州車を思わせる個性的な外観に高級感あふれる内装、さらにハイパワーエンジンをFRレイアウトにパッケージングしたことで、アリストはラグジュアリースポーツセダンとして確固たる地位と人気を獲得しました。そんなアリストの特別感をさらに高めたのが、ベルテックスエディションです。高級スポーツセダンとして人気を集めた16系アリストに設定されたベルテックスエディションについて、ベースグレードと比較しながら詳しく紹介します。 国産最速セダンとも呼ばれたアリスト アリストは、高級セダンとして他車に遜色のないデザインや装備を纏いつつ、スポーツカー顔負けの高い走行性能も備えるという、当時の国産車ではあまり例のない性格をもつ車種でした。 ここでは、そんな“国産最速セダン”とも呼ばれたアリストについて紹介します。 最後のアリストとなった160系 初代140系アリストは、クラウンマジェスタの姉妹車として1991年に登場しました。そして、登場から6年後の1997年に、最初で最後のフルモデルチェンジを実施して登場したのが2代目160系アリストです。 アリストの特徴は、初代・2代目とも一貫しています。高級セダンとしての車格にふさわしく、贅沢で丁寧に仕上げられ内外装と、高い走行性能を両立していました。「ハイパフォーマンス4ドアセダン」として、他の高級セダンと明確な差別化が図られていた車種です。 トヨタ最強のハイパフォーマンスターボエンジンや、四輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用するなど、スポーツカーさながらの装備となっています。 ベースグレードは2種類 アリストのベースグレードは、V300とS300の2種類。大きな違いは吸気方式の違いで、V300がターボの2JZ-GTE、S300が自然吸気の2JZ-GEを搭載しています。 アリストは、海外向けには“レクサスGS”として販売されていましたが、レクサスGSにはターボエンジン搭載モデルはありません。アリストの魅力を最大限表現しているのは、国内向けのグレードであるターボモデルのV300です。 現在でも人気の名機2JZエンジンを搭載 アリストに搭載されているのは、ターボ、自然吸気ともに3L直列6気筒の2JZエンジンです。2JZ型のエンジンは、今もなおドリフト競技で多くの支持を集めています。 なお、先代で設定されていた4LのV8エンジンを搭載するグレードは、160系のアリストでは廃止されたため、2代目に搭載されるエンジンは2JZ型のみです。 ターボモデルの2JZ-GTEエンジンは、国内自主規制最大となる280psを発生しました。当時、トヨタのフラッグシップスポーツカーであった80スープラと同型エンジンというところからも、いかにアリストが“走り”にこだわっていたのかがわかります。 「走りのアリスト」を引き立てるベルテックスエディションのベースグレードとの違い 160系アリストには、V300、S300の両方で、ベースグレードのほかに“ベルテックスエディション”というグレードが用意されていました。ラグジュアリーセダンとしての性格に、よりスポーティで洗練されたイメージを付加したグレードです。 ここではベースグレードとベルテックスエディションの違いを紹介します。 黒を基調にまとめられたインテリア ベルテックスエディションとベースグレードで大きく異なる点は、内装色です。全体が黒で統一されており、アリストがもともと備えた高級感に加え、都会的でスタイリッシュな印象になっています。 ベースグレードから変更されたのは、それだけではありません。ダッシュボードやドアパネル、カーペットやシートにいたるまで、別のクルマといえるほどほぼ全面的に仕様が変更されています。高級セダンとしては一般的な、ベージュとグレーというベースグレードの配色はまったく残っていません。 ただし、ベルテックスエディションに標準装備されているシートは、黒とグレーの布製シートである点には注意が必要です。ベルテックスエディションの象徴的なイメージのある黒本革シートですが、実際にはオプション扱いになります。 特別感のある専用外装パーツを装備 ベルテックスエディションには、外装面でも2点の専用パーツが用意されました。アルミホイールとトランクスポイラーです。 高級感だけではなく、走行性能の高さもアリストの魅力の1つ。トランクスポイラーによって、より“走り”のイメージが際立ちます。 また、ターボモデルのV300のベルテックスエディションでは、専用デザインの17インチアルミホイールが装備されています。 アリストの中古車は今が狙い目 当時としては最高ともいえる高級感と、高い走行性能を備えたアリストは、中古車として狙い目の車種です。160系アリスト、ベルテックスエディションの中古車相場は、ターボ車のV300でも100〜200万円前後です。 大手中古車サイトで検索をしてみたところ、走行距離5万km未満、修復歴ナシという程度の良いV300ベルテックスエディションが300万円前後という価格でした。同じ2JZエンジンを搭載したモデルの80型スープラが、800万円前後で取り引きされていることを考えると、かなり手頃な価格です。 一方、旧車王では、V300ベルテックスエディションを160万円で買い取った実績があり、買取価格はやや上昇傾向にあると言えるかもしれません。 高級感と最高の走行性能を味わえる160系アリスト ベルテックスエディションに魅力を感じたのなら、早めに探し始めた方がいいでしょう。 ※価格は2022年12月執筆時
冬が近づいてくると「スノータイヤ/冬用タイヤへ履き替えましょう」といった言葉をよく耳にします。そこで今回は、スノータイヤ/冬用タイヤとは、どのようなタイヤなのか、スタッドレスタイヤとの違いがあるのかなどを解説します。スノータイヤ/冬用タイヤの購入をするときの参考にしてみてください。 スノータイヤとは スノータイヤ/冬用タイヤとは、どのようなタイヤを意味しているのでしょうか。ここからは、ノーマルタイヤ/夏用タイヤとの違いやスタッドレスタイヤとの違いについて紹介します。 ノーマルタイヤとの違い ノーマルタイヤとは、夏用タイヤとも呼ばれるタイヤです。ノーマルタイヤ/夏用タイヤは、スノータイヤの一種であるスタッドレスタイヤより、ゴムが硬く、溝が細くて浅く、タイヤ表面の切り込み(サンプ)が少ないといった特徴があります。 一方、スタッドレスタイヤは、ノーマルタイヤより、ゴムが柔らかく、溝が太くて深く、サンプが多いタイヤです。そのため、雪や氷の上で高いグリップ力を発揮します。 スタッドレスタイヤとの違い スノータイヤ/冬用タイヤは、スタッドレスタイヤを含む雪道や凍結路面に適したタイヤの総称です。スノータイヤ/冬用タイヤには、スタッドレスタイヤ、スパイクタイヤ、オールシーズンタイヤの3種類となります。 スノータイヤの種類 ここからは、スノータイヤ/冬用タイヤの種類について解説します。 スパイクタイヤ スパイクタイヤは、タイヤの表面に金属の鋲が打ち込まれているタイヤです。サッカーのスパイクのような表面を持つタイヤとなります。スパイクタイヤは、かつて冬用タイヤの代名詞でした。しかし、乾燥した路面を走行すると、アスファルトを削って粉塵公害を引き起こすことから、1991年から原則的に使用禁止となっています。 スタッドレスタイヤ スタッドレスタイヤは、鋲を使わないスノータイヤ/冬用タイヤのことです。今やスノータイヤ/冬用タイヤ=スタッドレスタイヤといわれるほど普及しました。スタッドレスタイヤは、雪道や凍結した路面でも滑らず安全に走行できることが特徴です。 オールシーズンタイヤ オールシーズンタイヤは、通年使用できるタイヤのことです。ノーマルタイヤ/夏用タイヤとスノータイヤ/冬用タイヤの両方の機能を持つため、季節ごとにタイヤを履き替える必要がありません。 ただし、オールシーズンタイヤは、スタッドレスタイヤと比較すると雪道・凍結路面での性能が低いことがあるため、オールシーズンタイヤで雪道や凍結路面を走る場合には、スノータイヤ/冬用タイヤよりも慎重な運転を心がける必要があるでしょう。 スノータイヤとノーマルタイヤの見分け方 スノータイヤ/冬用タイヤとノーマルタイヤ/夏用タイヤの見分け方は、タイヤのサイドウォールの「STUDLESS」の表記でわかります。また、オールシーズンタイヤには、「M&S」や「M+S」といった表記がされています。 スノータイヤの買い換えのタイミング スノータイヤ/冬用タイヤの買い換えのタイミングは、おおよそ3年〜4年が目安となります。 ただし、この年数は、タイヤの保管状態が良い場合です。タイヤの保管方法や使用状況によっては寿命、つまり買い換え時期が短くなります。そのため、タイヤの残り溝の深さ、サイドウォールのひび割れ、ゴムの硬化具合などを自分でチェックして、買い換え時期を見極めてください。 自分でタイヤの買い換え時期の判断ができないときは、販売店やカー用品店などスノータイヤ/冬用タイヤを取り扱っている店舗にタイヤを持ち込んで、買い換え時期を見てもらいましょう。 スノータイヤの平均価格 スノータイヤ/冬用タイヤの平均価格は、サイズによって異なりますが、1本あたり1万円〜2万円となっています。車1台分、つまり4本を購入した場合は4万円〜8万円です。ここで表記した価格は、あくまでも平均価格であるため、参考程度にお考えください。 スノータイヤの注意点 ここからは、スノータイヤ/冬用タイヤの注意点を紹介します。 夏場の使用は控える スノータイヤ/冬用タイヤは、雪道や凍結路面に適したゴムや構造となっているため、乾いた路面や夏場の使用には向いていません。スタッドレスタイヤでも乾いた路面を走行することは可能ですが、制動距離が延びたり、走行安定性が低くなったりします。そのため、夏場はノーマルタイヤ/夏用タイヤを使用しましょう。 スノータイヤ/冬用タイヤの保管方法 スノータイヤ/冬用タイヤは、保管方法に注意が必要です。保管するときは、直射日光や雨が当たらない場所に保管しましょう。また、油や熱などの近くに置くのは危険であるため控えてください。ホイールに装着した状態で保管する場合は、横置きに保管すると接地部の変形を抑えられます。 スノータイヤを取り扱う主要メーカー スノータイヤ/冬用タイヤを取り扱う主要メーカーには、ミシュラン、ブリヂストン、ダンロップ、トーヨータイヤ、コンチネンタル、ピレリ、ハンコックなどがあります。 スノータイヤの購入方法 スノータイヤ/冬用タイヤは、カー用品店やタイヤ専門店などの店舗で購入したり、インターネットで買ったりできます。また、数日間だけスノータイヤ/冬用タイヤが必要な場合には、レンタルという方法もあります。毎シーズン・頻繁に運転するのか、数日間だけ必要なのかなどの使用方法によって、購入するかレンタルするか決めるとよいでしょう。
災害が多い日本では、防災グッズを常備しておくことが推奨されています。家に防災グッズを用意しておくことはもちろん、避難時に使う可能性がある車にも防災アイテムを積んでおくと、避難時の安全性が高まるでしょう。今回は、車に積んでおきたい防災グッズや車に載せてはいけないアイテムを紹介します。 災害時に車に乗っていた場合に起こり得るトラブル 車に乗っているときに災害に遭ったときは、その場から身動きがとれなくなる可能性があります。 災害時は、幹線道路や主要道路などが緊急車両優先となり、一般車両の通行が制限されるケースがほとんどです。そのため、数多くの一般車両が主要道路以外の道を走ることになり、渋滞や事故が発生しやすくなります。また、停電が発生した場合は信号機が作動しないため、交差点を通行するのにも苦労するでしょう。 このように、災害が発生したときはさまざまな理由により身動きがとりにくく、長時間にわたり車内に居続けなければならなくなる可能性が高いのです。 車に積んでおきたい防災グッズ ここからは、車に積んでおきたい防災グッズについて紹介します。 飲食物 飲食物を積んでおく場合は、保存期間が長いものを選びましょう。また、定期的に期限をチェックして、必要に応じて入れ替えるようにしてください。 飲食物の中でも重要なのは「水」です。水を一切飲まない場合は5日程度で亡くなるといわれているため、最低でも9L(1日3L×3日分)以上は用意しておきましょう。 食品は、高温状態でも保存ができる缶詰めやクッキーなどを用意しておくことをおすすめします。また、食べるときに必要な箸や先割れスプーン、食べ終わった後のゴミをまとめておくポリ袋なども用意しておきましょう。小さな子供がいる場合には液体ミルクも積んでおくことを忘れないようにしてください。 給水バッグ 給水バッグは、救援が来たときや給水所で必要となります。ペットボトルでも代用できますが容量が小さいため、折り畳みができる給水バッグを用意しておくとよいでしょう。 簡易トイレ 簡易トイレは、車内での身動きが取れないときや避難先などで役立つアイテムです。コンパクトなものをトイレットペーパーと一緒に常備しましょう。子供がいる場合は、オムツも忘れずに用意してください。月齢とともにサイズが合わなくなるため、そのときに合ったサイズのオムツに交換しておくことが大切です。 常備薬 日頃から服用している薬がある場合には、常備薬も車に積んでおきましょう。ただし、車内は高温になることもあるため、常備薬が高温保存でも問題ないか薬剤師に確認しておきましょう。 ライトやラジオ ライトは、夜間に必要となるアイテムです。手回しやソーラーなどで充電できるタイプを用意しておくと良いでしょう。また、ラジオも受信できるタイプの場合、車のエンジンを切っても情報収集が可能となります。手回し充電やソーラー充電ができるラジオ&ライトは、用意しておきましょう。 ブランケット 夜間は気温の低下に伴って車内の温度も下がります。そのため、ブランケットを用意しておきましょう。ブランケットは、防寒グッズとして役立つだけでなく、スタックしたときに抜け出すアイテムとしても利用できます。ブランケットは、複数枚用意しておくと良いでしょう。 レインコート レインコートは、雨のときに役立つだけだなく、防寒アイテムとしても利用できます。家族の人数分用意しておきましょう。 スマートフォンの充電器 現代において必須のスマートフォンの充電器も用意しておきましょう。車から充電するときは、車に装備されるUSBコネクターやシガーソケット(USBへの変換器が必要)から充電することがほとんどです。また、近年では、1500Wのコンセントが装備されているHEVやPHEVもあります。そのため、USBケーブル、シガーソケットUSB、USBコンセントを用意しておきましょう。 サンシェード サンシェードは、遮光するだけではなく車内の覗き見防止にも役立ちます。近年ではキャンプや車中泊などが流行しているため、車用のカーテンも純正オプションで用意されることが多くなりました。防災グッズのひとつとして、サンシェードやカーテンを用意しておくとよいでしょう。 脱出用ハンマー 災害時には、車が水没することもあります。水没した車から一刻も早く脱出するために「脱出用ハンマー(ベルトカッター付)」を用意しておきましょう。 JAFの窓割りテストでは、脱出用ハンマーでなければガラスが割れないことが明らかとなっています。水没時に役立つ脱出用ハンマーは運転席から手が届く場所(グローブボックスやドアポケットなど)に収納しておきましょう。 車に積まない方がよいもの ここからは、車に積まない方がよいものについて紹介します。車に積んでおくと事故の原因にもなるため、注意してください。 電池 電池は、可燃性が高く、爆発する危険性が高いです。車に積むのはやめましょう。 カセットボンベやライター カセットボンベも爆発の危険性が高いアイテムです。エンジンがかかっていない夏場の車内は、50℃以上になることもあります。そのため、ガスボンベやライターなど爆発する可能性が高いものは短時間であっても車内に放置しないようにしましょう。 アルコール消毒液 アルコールも発火する危険性が高いため、車内に置くのは控えましょう。
旧車を購入しても多忙でなかなか運転できないという方も多いでしょう。旧車は動かさないと調子の低下や不具合が出ることも多いうえに、長期の保管ともなるとさまざまな点に注意が必要です。今回は、旧車をガレージで長期保管するときのポイントや、誤った方法で保管するリスクについて解説します。旧車の長期保管を検討中の方は参考にしてください。 旧車をガレージで長期保管するときのポイント 旧車はデリケートで、動かさなければ本来の調子を維持できずに劣化が進みます。旧車をガレージで長期保管するときのポイントや注意点を解説します。 たまに窓を開けて換気する 旧車を長期保管するときは、たまに窓を開けて換気しましょう。長期間使用せずに旧車を放置すると、室内に湿気が溜まりカビやダニが発生してしまいます。内装にカビが発生すると業者に車内クリーニングをしてもらう必要があるため、経済的にも衛生面でも大きな問題となります。 保管前だけではなく、定期的に掃除機をかけて拭き掃除も行いましょう。また、カー用品店やホームセンターで販売されている除湿剤を設置して、湿気が高くならないように対策することをおすすめします。 タイヤの空気圧を調整しておく 旧車を長期保管するときは、タイヤの空気圧を高めに調整しておきましょう。定位置で動かさずに保管すると、車両重量の負荷によりタイヤの変形やひび割れ引き起こします。また、足回りのパーツにも負担がかかり劣化するため、その対策としてタイヤの空気圧調整は必須です。可能であれば、リジッドラックなどでジャッキアップして保管することをおすすめします。 ゴム製品には保護材を使用する 旧車を長期保管するときは、ゴム製品に保護材を使用しましょう。ゴム製品は自然劣化するため、そのまま保管するとすぐにひび割れを起こします。塗布するタイプやシリコンオイルスプレーなど、パーツによって使い分けると便利です。ドアや窓まわりのウェザーストリップ以外に、エンジンルーム内のラバーホース類やドライブシャフトブーツなどにも保護膜を与えて劣化を防ぎましょう。 定期的にエンジンをかけてギアやクラッチの固着を防ぐ 旧車を長期保管するときは、定期的にエンジンをかけてギアやクラッチの固着を防ぎましょう。可能であれば定期的にガレージの周辺を走らせることがベストです。走行が難しい場合はエンジンをかけて水温計が正常位置に動くまで待ち、オイルを循環させるようにしましょう。また、すべての段にシフトチェンジを行うことでギアやクラッチの固着を予防できます。 ガソリンを満タンにしておく 旧車を長期保管するときは、ガソリンを満タンにしておきましょう。旧車のガソリンタンクは金属製であることが多く、ガソリンが少ないとガソリンタンク内で水分が発生して内部がサビます。また、ガソリンは空気に触れていると腐ってしまい、金属を腐食させる原因となるため注意が必要です。 バッテリー端子を外す 旧車を長期保管するときは、バッテリーのマイナス端子を外しておきましょう。端子をつなげたまま長期保管すると、暗電流という微弱な電流が放出されてバッテリーあがりの原因となります。また、気温の高いところでは自己放電を促進させてしまうため、涼しい所で保管するとよいでしょう。 カバーをかけて汚れを防ぐ 旧車を長期保管するときは、カバーをかけて汚れを防ぎましょう。旧車には古い部品が使われており、塗装面も経年劣化で薄弱となっている可能性があります。鳥の糞や酸性雨による汚れ、直射日光による紫外線は大敵です。車体に傷がつかないように、裏面に起毛などの処理が施されたカバーシートで保護しましょう。 旧車はビルトインガレージに保管するのが理想 旧車はビルトインガレージに保管するのが理想です。旧車は防サビ効果が低くなっていることが多く、雨や風にさらされたり地面からの水蒸気で下回りにサビを発生させます。また、直射日光でゴム部品や内装の劣化を促進させてしまうため、屋内で保管することが適切でしょう。 雨風や直射日光にさらされず、バッテリーの自己放電も抑制できる温度を維持するとなると、ビルトインガレージで保管するのがベストです。屋内保管が難しい場合は、塗装面が傷つかない処理が施されたカバーシートや、地面からの水蒸気を抑えるガレージマットで保護しましょう。 旧車を誤った方法で保管するリスク 旧車を誤った方法で保管すると、劣化により車の価値が低下します。エンジンやガソリンタンク内にサビが発生することもあり、適切な保管をしていなかったことで廃車となる可能性もあるため注意しましょう。また、長期保管中でもメンテナンスはこまめに行って、いつでも走行できる状態を維持するようにしておく必要があります。