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旧車の魅力と知識

不思議と注目を集める「フツーのクーペ」日産サニークーペ(B310型)
旧車の魅力と知識 2023.02.20

不思議と注目を集める「フツーのクーペ」日産サニークーペ(B310型)

■本来、眼中にはなかったモデルだったけど…… ボクがサニークーペを購入したきっかけは、ある日、購入しようと計画していたクルマがオーナーもろとも消えてしまったことにはじまる。 当時のボクは、2シーター・シンドロームに侵されていて、公道を走行可能なクルマ5台のウチ、ミニを除く4台が2シーター。 そこで、1台を趣味的要素も感じられる4ドア車にしようと考え、アンテナをはっていたわけだ。 そのとき出会ったのが、1969年型のスカイライン2000GT、いわゆるハコスカだ。 いつものショップからの情報で、オーナーが売りたがっているというので交渉を依頼。 折り合いがついて、スペース確保のためボクスターSを手放し、準備を整えていたら、いつの間にか消息不明になってしまっていたわけ。 で、結構ガッカリしていたら、ショップの社長がワンオーナーで走行距離約4万キロの310サニークーペを持っているという。 ワンオーナー&低走行は、車種に関係なくボクにとってのキーワード。 310サニーは、以前OERツインキャブ仕様にチューニングしたセダンに乗っていたことがあるが、ノーマルは初体験。 特別な興味があったわけではないが、なんとなくムラムラっときて、購入を決めてしまったのだ。 2020年2月のことだった。 ▲ワンオーナー車であることに加えてほぼフルノーマルで走行距離42000キロ弱!! 衝撃のコンディションにムラムラっときて購入を決意したのだ ■納車前に、ボク流の基本仕様への変更を依頼 興味の対象ではなかったけど、ボクのモノになるのだから自分好みのエッセンスを加えたくなるのは必然だ。 このサニーは、1980年型のGXクーペで、上位機種のインジェクション+5速とは異なり、シングルキャブレターの4速という仕様。 車高調整式サスペンション以外はフルオリジナルだったが、納車までにボクの好みに合わせて、いくつかのカスタマイズを依頼した。 その内容は、 ・サイドミラーはブルーバード510用の純正フェンダーミラーに変更・ドライバーズシートは日産純正バケットシートのレプリカを選択・ステアリングはMOMOのプロトタイプ(フラット)に・ホイール&タイヤは、ローズオートオリジナルの鉄ちん風アルミと、ヨコハマのクラシックスポーツタイヤ「A539」の組み合わせ というものである。 で、納車の日…見た目は、けっこうカッコイイぞ。 ボクは、「よぉ相棒、楽しくやろうゼイ」なんて心の中で呟きながら、サニーとの生活をスタートしたのだ。 ■今では懐かしく思える「あの音」が…!! 初ドライブの高速道路。ボクは思わず笑ってしまった。 この時代のクルマに義務付けられていた「キンコンチャイム」と呼ばれる速度警告音が鳴ったからだ。 キンコンチャイムは、1974年11月の省令により装着することが義務付けられ、1986年3月に廃止された日本独自のモノ。 若い頃に乗っていた、1975年型アルファスッド、1977年型ジェミニクーペ、そして1981年型プレリュードの3台でキンコンチャイムを経験していたのだが、このサニーのキンコンによって忘れていた記憶が蘇ったわけ。 20代のボクを追体験したような気がして、笑えてきたのだ。 また、スピードメーターが160km/hまでしかないことも、厳しい排出ガス規制とオイルショックの影響で、高速性能やハイパワーを誇示できなかった「時代」の産物といえるのではないだろうか? ■イロイロな人に声をかけられ、笑顔に囲まれるサニー サニーに乗っていると、イロイロな人に、イロイロなシチュエーションで声をかけられる。 たとえば信号待ちの路上。 クルマの脇をすり抜けてきたスクーターのおじさんに「懐かしいサニーですね」と声をかけられたり、歩道を歩く夫婦がこちらを見て「サニーだ」といったりする。 もちろん声は聞こえないが、誰でも読唇術が使えてしまうシンプルな口の動きと顔の表情で、ハッキリわかってしまうのだ。 隣の車線のドライバーがサニーに気付き、大胆に手を振ってくるとか、すれ違うクルマからのパッシングサイン、あるいはドライバーからのサムズアップアクションなど、今まで乗ってきたどのクルマよりも激しく反応されてしまうのだ。 もちろん、コンビニやファミレス・公園などの駐車場でも人気者。 なんの変哲もないフツーのクーペだけど、いわゆる大衆車クラスのクルマだけに、親しみやすい雰囲気を醸し出しているのかもしれない。 ▲サニーの周りにはなんとなく人が集まる。510もフェローバギーも、このコンビニでたまたま出会った人だ 信号待ちでも話しかけられるし、走行中のサムズアップアクションの交換も多数……サニーは人気者なのだ。 ■必要なくても手をかけたくなる困った性分 絶好調ではあるけど、リアサスが硬すぎてよく跳ねるし、暴れたがることが気になったので調整しようと思ったけど、完全に固着している状態で調整不可能。 仕方がないので、新しいモノに交換することを決めた。 でもね、これだけでやめときゃいいのに、ボクはつい欲が出ちゃう。 ついでだから、という大義名分を振りかざし、4速ミッションを5速にすることにしたわけだ。 さらに、エンジンもシングルキャブのままだけど、チィと圧縮比をアップしたうえで、秘密のエッセンスを加えることにする。 仕事を依頼して数日後、「5速ミッションだけどローバックの方がいいだろ?」という電話が……そりゃあそっちの方がいいけど、これで予算オーバー確定だ。 本当は、何もしなくても問題ない状態のサニーなのに、結構な費用を投じてしまうことになってしまった。 興味の対象ではなかったサニーだけど、乗れば乗るほどに好きになり、自分を表現するために手を加えたくなるのだから仕方がない。 困った性分なのだ。 ■サニーとの別れ サニーは絶好調であり、出張のパートナーとしても大活躍。 次に手を加えるとするなら、リミテッドスリップデフを入れてブレーキを強化することだな、なんて考えながら楽しんでいた。 ただ、少々困っていたのが自宅の駐車場。 ガレージ内に入れていたサニーの入出庫には、ガレージ前のスペースに駐車している3台をパズルのように移動させる必要があったからだ。 ▲本来は2台用のカクイチ製ガレージに3台を収納。シャッター前のスペースに駐車している3台のクルマをパズルのように動かして通路を作らないと、ガレージ内のクルマは入出庫できないのだ そのうちの1台は、倅の嫁さんにアシとしてプレゼントすることになっていたけど、もう1台も、旧車の全長4メートル級小型セダンに替えたいと考えた。 そこで2021年の秋頃、友人が経営するショップに相談に行ったのだが、そこでトントン拍子に話が盛り上がり、910型ブルーバードバンとサニーの2台を下取りに出す入手困難車のプロジェクトをスタートさせたのだ。 完成予定は2022年11月頃だったが、2023年2月となった現在でも未完成。 当然、本来なら今もサニーとの生活は継続中で、最後の想い出作りのためにも走り回っていたはずである。 でもね、2022年8月、1983年式フェアレディ 200Zターボがボクの前に現れてしまったわけ。 その時点で新たにクルマを加える予定はなく、金銭的な余裕もゼロ。 いくら「フェアレディ」とか「ワンオーナー」とか「ステアリング以外フルオリジナル」といったボクを動かすキーワードが揃っていたとしても、購入はムリな話なので、検討はしたものの断るためショップに出向いたのだ。 そしたら、「2台の下取り車を先に出してくれたら支払いは後でいい」と、甘い甘い悪魔の囁きが……。 たとえ後でも支払わなくてはならないのだが、ついその気になって2022年10月、ボクはサニーとの濃厚な2年半に別れを告げたのである。 ▲約2年8ヶ月と短い期間だったけど、乗るたびに、とてもハッピーでワクワクする瞬間を与えてくれたボクのHB310サニーに感謝 [撮影&ライター/島田和也]

日本アルミ弁当箱協会会長の「ちょっと斜めから見た旧車たち」Vol.8
旧車の魅力と知識 2023.02.17

日本アルミ弁当箱協会会長の「ちょっと斜めから見た旧車たち」Vol.8

■第8回 ~アルミ弁当箱と旧車の意外な関係~ どうも!「日本アルミ弁当箱協会」会長のマツド・デラックスでございます。 「旧車王」連載8回目となりました。 今回も「アルミ弁当箱と旧車の意外な関係」を語って行きたいと思います! ■アルミ弁当箱に描かれない車両たち その4 アルミ弁当箱には特撮やアニメ・漫画など、たくさんのヒーローが描かれます。 そして、そのヒーローを助ける人間たちの武器や戦闘用のメカ等も描かれるわけです。 そのなかでも比較的多いのは、空を飛ぶ戦闘機が数多く描かれていますが、活躍が地味(?)な車両は描かれていることが少ないようです。 今回もあえてそんな車両たちに注目していきたいと思います。 8回目は「ホンダZ(360)」をお送りいたします。 ■1年遅れでやって来たホンダの「Z」 1969年、現在でも大人気の日産「フェアレディZ」がデビューしました。 それから遅れること1年。 もう1台の「Z」が登場します。 それが当時「軽のホンダ」から登場した「ホンダZ」です。 エンジンは「N360」と基本的に同じで、空冷からスタートし「ライフ」の水冷とプラットホームが変更された1974年まで製造されていきます。 実は私もオレンジ色の最終型・水冷ハードトップの「Z」を所有していました。 当時はホンダ軽フリークで「NⅢ360」「ライフ4ドア」「ライフワゴン」そして「Z」と4台を乗り継ぎ青春時代(?)を過ごしていたのです。 ■1つの番組に2人のヒーロー? 1973年にセスナから巨大ロボットに変身する「ジャンボーグA」の放映が始まります。 この主題歌がたまらなく好きなのですが~と、その話はまた今度ということで話を進めますが、当時10歳の乗り物好きにはたまらない番組でもありました。 その27話からなんともう1体巨大ロボットが登場するのです。 それが「ジャンボーグ9」でした。 そしてその変身するベースがセスナではなくなんと軽自動車の「ホンダZ」でした。 縦ツートン(銀と赤)に塗装されたZは子ども心に強烈にインプットされ、その影響が「ホンダ軽(360)」を多数乗ることに繋がったのかもしれません。 しかし、残念ながら「ジャンボーグA」のアルミ弁当箱は存在しますが「ジャンボーグ9」のアルミ弁当箱は現在のところ存在を確認できていません。 これは前にも書きましたが、番組当初の企画でアルミ弁当箱の図柄を決めてしまうので、途中から登場する「9&Z」のアルミ弁当箱の製造はされなかったのだと想像するのです。 ■現在にも影響を与え続けている「水中めがね」 「ホンダZ」といえば「水中めがね」という愛称で呼ばれていたのは有名な話です。 リヤゲートのウインドウのスタイルが「ゴーグル」に似ていることからなのですが、実は現在にも影響を与えているのではないだろうか?と勝手に「想像と妄想」(アルミ弁当箱協会のキャッチフレーズ)をしております。 それは「スズキ アルトターボ&ワークス」が「2代目水中めがね」だと勝手に「妄想」しております。 ホンダZから42年後の2015年のことでした。 このクルマが発売されたとき久々にディーラーに新車を見に行ったのを覚えております。 「旧車」の匂いを感じたのは私だけでしょうか? 話は「Z」に戻りますが、何かと自分のなかでのイメージが強いクルマでもあります。 「ジャンボーグ9」の登場もそうですが、クルマ好きの方には「西風」先生の「GTロマン」の「3ナンバーのZ」も記憶に残っているのではないでしょうか?(第1巻の1話目です) 今回はかなり自分の思い出で突っ走った感がありますが、次回もアルミ弁当箱を通して斜めから見た旧車をお送りいたします。 まったく脈絡のないコラムではありますが「旧車王」共々「マツドデラックスコレクション アルミ弁当箱図鑑」もよろしくお願いいたします。 又、アルミ弁当箱を展示して欲しい・アルミ弁当箱の貸し出し・トークショーやイベント等と、ご要望のある方も是非お声をかけてください。 次回はイベントで2月26日(日)13:00~17:30に「関西シルククリエイト」さんのイベント「ビックリマン風シールの販売&アルミ弁当箱展示」(大阪、御堂筋ホール心斎橋)に参加いたしますので、よろしくお願いいたします! ■イベントのお知らせ! ●「関西シルククリエイト」のイベントにて、ビックリマン風シールの販売&アルミ弁当箱を展示 開催日:2023年2月26日(日)13:00~17:30 会場:〒542-0086 大阪市中央区西心斎橋1丁目4番5号御堂筋ビル 10Fhttps://www.mhall-s-co.jp/access/ ●アルミ弁当箱図鑑 厳選50 ーマニア編ー マツドデラックスコレクション (ヴァンタス) https://www.amazon.co.jp/dp/4907061471 ●日本アルミ弁当箱協会会長「アルミ弁当箱図鑑 厳選50」出版への道https://www.qsha-oh.com/historia/article/matsudo-bangai-1/ ※アルミ弁当箱を並べて欲しい等とご要望のある方も是非お声をかけてください。 ●日本アルミ弁当箱協会ホームページhttps://kyokai.fans.ne.jp/arumibenntou/ ●Twitterhttps://twitter.com/keisuke38922 [撮影/ライター・マツド・デラックス(山本圭亮)]    

ドイツでシェアカーが拡大中!日本車に憧れを抱く若者も
旧車の魅力と知識 2023.02.13

ドイツでシェアカーが拡大中!日本車に憧れを抱く若者も

クルマ離れ?日本車人気は衰えていない? 「若者のクルマ離れ」という言葉を耳にするようになったのは一体いつからだろうか。 かれこれ数年、いや10年以上前からいわれているのではないだろうか。 著者が初めてクルマを買ったのは今からちょうど10年前になる。 当時、周囲の友人は、免許を取ったらあれに乗ってみたい、これを買いたい……などとよくクルマの話題で盛り上がったのを覚えている。 しかし、いつかしか若者の欲しいものリストからクルマは外され、時計やブランド物のバッグなどが上位へとランクインするようになった。 現在、ヨーロッパ最大の自動車大国ドイツでは若者のクルマ離れが起きているのか? 実際にドイツで生活をしている著者が、ドイツ人のクルマに対するイメージを現地調査してみた。 ■「若者のクルマ離れ」その原因とは? 日本自動車工業会の調べによると、2000年代初頭から日本での新車販売台数は減少傾向にあるという。 車両保有率を年代別に見てみると、20代から70代のうち、2番目に低いのが20代という結果になった。 同じく20代の運転免許保有率も低下しており、これには主な理由としてクルマ自体がなくても生活できるという、公共交通機関の発達が挙げられる。 実際にクルマに対する興味が薄れているのは事実だが、「買わない」のではなく「買えない」といった所得の問題もあるのでないだろうか。 クルマは法規制が実施されるたびに装備や機能を強化する必要があり、年を追うごとに衝突安全基準の厳格化に伴う一台当たりの生産コストの上昇は避けられなくなっている。 過去にはエアバックやABSなどがオプション装備であったが、現在は標準装備となり、加えて安全機能の向上(自動ブレーキや車間距離レーダーなど)が義務付けられた。 その結果、製造の段階でコストが上がり、結果として新車の車両本体価格が年々上昇しているという現実がある。 近年では、日本の軽自動車も諸経費を含めると200万円台になることも珍しくない。 加えて、半導体不足や新車の生産遅れなどの理由から中古車も高騰しており、若者が手軽に買える値段ではなくなっているモデルも多い。 ■ドイツではクルマが必要か?それとも? ドイツで生活をしていくなかで気づいた点がいくつかある。 ドイツといえば、欧州一の経済大国、そして自動車大国として知られているが、人口や経済力や国土面積など、さまざまな部分で日本とは近い存在にあるのでないだろうか。 例えば、ドイツの総人口は約8,400万人で世界18位、国土面積は世界62位、国内総生産は世界4位、貿易量は世界3位となっている。 対して日本は、総人口約1億2,000万人で世界11位、国土面積は世界61位、国内総生産は世界3位、貿易量は世界4位となっている。 つまり、欧州一の経済大国ドイツとアジア一の経済大国日本は、ともに世界経済を牽引してきた存在だ。 また、自動車産業においても世界トップクラスを誇っていることから、多くの共通点があると考える。 著者が生活しているシュツットガルトはメルセデス・ベンツやポルシェの本拠地があり工業都市としても知られている。 ドイツで6番目に大きい街であり、大手自動車メーカーがあることなどから、他の街と比べると自動車保有率は高いとされているが、若者の自動車保有率は極めて低い。 街中では電車とバスが網羅されており、10分〜15分に一本、中心地から離れた街でも30分に一本は電車が通っている。 そのため、クルマなしで生活をするとしても不便さを感じることはあまりない。 加えて昨今のドイツでは、シェアカーが急速に拡大している。 その結果、街のいたるところで手軽に借りられるシェアカーが置いてある。 どうしてもクルマが必要な場合は、免許証さえ保有していれば、アプリで簡単にかつ安くクルマを借りることができるのだ。 実際に学校の友人や職場の同僚など、ドイツで暮らす若者に聞いたところ20代前半でマイカーを所有している人はほとんどいなかった。 ■日本車がドイツの若者の間でステータスとなっている? 結果的に、若者のクルマ離れはドイツを含めて世界的に進んでおり、若者のクルマに対する興味が薄れているのは間違いないだろう。 経済の発展とともに公共交通機関が充実し、電車やバスの利用者が増えたことにより、運賃の引き下げや割引が実施されている。 クルマを買った方が高くなってしまうという現状のなか、多くの若者が移動手段として電車やバスを選択するのはごく自然のことだ。 しかし、ドイツに住む多くの若者と会話するなかで日本車に対する憧れを時折耳にすることがある。 とある友人は、世界的に大ヒットした映画「ワイルドスピード」の影響で「NISSAN GT-R」が欲しいといい、またとある友人はランボルギーニやフェラーリと肩を並べる日本を代表するスーパーカー「HONDA NSX」に乗ってみたいといい、またとある友人は壊れにくくてゴージャスで見た目もクールな「LEXUS」を買いたいと話している。 我々日本人がドイツ車に一度は乗ってみたいと憧れを抱くのと同様に、ドイツ人も日本車に乗ってみたいと感じているようだ。 事実、日本車を愛するファンはドイツにも多く存在し、日本車専門店や日本車カスタムショップなども多数ある。 街のいたるところで定期的に日本車オフ会が開催されている。 地域によってはクルマは必需品ではなくなりつつあるが、「クルマはステータス」と考える若者や、日本車に憧れを抱くファンは今もそしてこれからも存在し続けるだろう。 [ライター/高岡ケン]  

自動車税(種別割)の支払時期は?納税額や支払い方法、負担を軽減する方法についても解説
旧車の魅力と知識 2023.02.13

自動車税(種別割)の支払時期は?納税額や支払い方法、負担を軽減する方法についても解説

自動車税(種別割)は、毎年4月1日時点で車を所有している人が支払う税金です。それでは、自動車税(種別割)はいつ支払うのでしょうか。今回は、自動車税(種別割)の支払い時期はいつなのか、納税額や支払い方法の種類、自動車税(種別割)の負担を軽減する方法について解説します。年の途中で車を購入した人や、次回の自動車税(種別割)の納付方法を変更したい人は参考にしてください。 自動車税(種別割)の支払時期 自動車税(種別割)の支払時期は毎年5月です。4月1日現在の自動車の所有者に対して都道府県が課税し、納税通知書を発送します。納税の支払期日は5月末日となり、期限日が土日祝の場合は翌営業日が支払期日です。ただし、一部の都道府県では毎年6月が納付時期となります。 軽自動車税(種別割)の支払時期も同じ 軽自動車税(種別割)の支払時期は、一般的に自動車税(種別割)の支払時期と同じ毎年5月です。地方自治体によっては4月や6月の末日となるところもあるため、転居などで不明な場合は軽自動車登録地の各市区町村の窓口にお問い合わせください。 自動車税(種別割)の納税額 自動車税(種別割)の納税額は下記の金額です。 <乗用車> 総排気量 営業用 自家用 1L以下 7,500円 29,500円 1L超~1.5L以下 8,500円 34,500円 1.5L超〜2L以下 9,500円 39,500円 2L超〜2.5L以下 13,800円 45,000円 2.5L超〜3L以下 15,700円 51,000円 3L超〜3.5L以下 17,900円 58,000円 3.5L超〜4L以下 20,500円 66,500円 4L超〜4.5L以下 23,600円 76,500円 4.5L超〜6L以下 27,200円 88,000円 6L超 40,700円 111,000円 ※トラックやその他車両の加算額については国土交通省のホームページを参照ください。 グリーン化特例として、排出ガスや燃費性能に優れた車両は約25〜50%の軽減措置、新車登録から11年超のディーゼル車や13年超のガソリン車は約10%の重課となります。 自動車税(種別割)の支払方法 自動車税(種別割)の支払方法について詳しく解説します。 現金 自動車税納付書を持参して現金で納付できます。支払い窓口はコンビニ、金融機関、各都道府県税事務所(軽自動車の場合は各市区町村)や一部の地域では市区役所や町役場でも可能です。 口座振替 あらかじめ振替口座を登録しておくことで口座振替による納付が可能です。口座振替は引き落とし期日が異なることもあるため、納税通知書や県税事務所で事前に確認しておきましょう。ただし、一部の地方自治体では口座振替に対応していません。 クレジットカード決済 自動車税(種別割)をクレジットカード決済できる地方自治体もあります。ただし、コンビニや金融機関の窓口などでクレジットカード決済ができるわけではありません。インターネットで指定されたサイトにアクセスしてクレジットカード情報を入力する必要があり、クレジットカード決済手数料が別途自己負担となるため注意が必要です。 スマホ決済 自動車税(種別割)をスマホ決済できる地方自治体も増えています。自動車税納付書のバーコードをスマホの決済アプリで読み込むだけで利用でき、手数料もかからないため非常に便利です。ただし、スマホ決済の対応可否は地方自治体により異なり、スマホ決済アプリの残高が現金チャージ以外は不可であることも多いため事前に確認しておきましょう。 電子マネー決済 自動車税(種別割)をコンビニで電子マネー決済することも可能です。ただし、対応しているのはセブンイレブンでのnanacoとミニストップでのWAONのみで、自動車税納付書によっては支払いができない場合もあるため事前に確認しておきましょう。 金融機関のアプリ決済 金融機関のアプリ決済でも自動車税(種別割)の納付が可能です。ただし、モバイルバンキングではなく、Pay-easyやPayBサービスが利用できるものに限ります。金融機関ごとに提供しているアプリのサービス内容が異なるため事前に確認しておきましょう。 自動車税(種別割)の負担を軽減する方法 続いて、自動車税(種別割)の負担を軽減する方法について詳しく解説します。 登録を翌月初めに繰り下げる 車の購入時に登録を翌月初めに繰り下げることで自動車税(種別割)の負担を軽減できます。自動車税(種別割)は4月1日現在の所有者に満額請求され、その後については月割で納付します。軽自動車(種別割)についても4月2日以降の登録の場合は、その年の納付は不要です。ただし、月内や年度内納車を条件に値引き条件がよくなる場合もあるため注意しましょう。 排気量が少ない車を購入する 排気量が少ない車を購入することで自動車税(種別割)の負担を軽減できます。自動車税(種別割)は排気量ごとに税額が設定されているため、車を購入するときの検討材料にするとよいでしょう。 電気自動車を購入する 電気自動車を購入することで自動車税(種別割)の負担を軽減できます。電気自動車はグリーン化特例で自動車税が75%軽減されるため、自動車税については非常に割安です。ただし、車両価格が同クラスのガソリン車などに比べて高額であるため、初期コストが100〜200万円ほど高くなります。 燃費性能に優れ、税金面でも軽減措置のある電気自動車はランニングコストの面でガソリン車を圧倒します。しかし、車両購入費用の負担増と走行距離が長くなった場合のバッテリー交換や修理費用を考えると、走行距離が多い方にとって最適な車であるかは一概にいえません。「何年乗るか」「年間何万km走行するか」を想定して、トータルコストで考慮すべき車といえるでしょう。 可能であれば減免を受ける 減免を受けることが可能であれば自動車税(種別割)の負担を軽減できます。減免とは、車両所有者が障害者本人や同一生計内に対象の方がいる場合に自動車税(種別割・環境性能割)の減免を受けられる制度です。地方自治体によって減免額や申請条件が異なるため、事前に各自治体の窓口で確認しましょう。 車にかかる税金一覧 自動車税(種別割)以外にかかる車の税金について解説します。 自動車重量税 自動車の区分、重量、新車登録時からの経過年数に応じて課される税金です。新車や中古車の購入時や車検時に納付します。 自動車税環境性能割 廃止された自動車取得税の代りに導入された税金です。燃費性能ごとに新車や中古車の購入時に納付します。 消費税 車両の購入代金やオプション、アクセサリー、手続き費用などに課されます。新車や中古車の購入時、車検や点検の支払いなどで代金とともに納付します。 ガソリン .ガソリンの代金には地方揮発油税5.2円と揮発油税48.6円が1ℓあたりに含まれています。地方揮発油税は地方自治体に財源を譲与するための地方譲与税、揮発油税は製造所や保税地域から引き取られる揮発油に課される道路特定財源です。また、購入時には別途消費税が加算されます。 軽油 軽油の代金には軽油引取税32.1円が1ℓあたりに含まれています。軽油引取税は、地方道路特定財源制度が廃止された2009年より使途制限のない地方税です。また、購入時には別途消費税が加算されます。

00年代軽自動車の魅力を語らせてほしいvol.2:Life you UP編
旧車の魅力と知識 2023.02.08

00年代軽自動車の魅力を語らせてほしいvol.2:Life you UP編

軽自動車の多くは似たようなディメンションで、興味のないひとにはどれも同じようなクルマに映りがちだ。 特に、アシ車として乗るのであれば、デザインや走りよりも安全装備やカーナビにフルセグのチューナーが入っているかどうか...の方が魅力的に映る人も少なくないと思う。 しかしながら、それぞれのクルマには開発時に込められた個性がある。 筆者も最初は興味が薄かった軽自動車。 しかし、同年代の軽自動車を何台か乗ってみると「どれも似ているようで全然違う...ではあの車種は?この車種は?」と、沼に落ちかねない。 24年落ちのメイン車と併用するつもりで購入した00年代の軽自動車。 しかし、いざ乗ってみると、ラクに乗れて、維持費が安く、便利で、快適。 そんな軽自動車に筆者は絶賛ハマり中だ。ひょっとしたらこの記事が出るころには、また何か別の軽自動車をフラフラと手に入れている可能性すらあるのだから...。 前回の記事では、自身が所有した、Fun to Driveな00年代軽自動車を紹介した。 そこで今回の記事では、これまで長期で乗った車両のなかから...「これは欲しい...!」と思ったものを紹介していこうと思う。 前回は走りの楽しさに特化したので、今回はあなたの生活を豊かな気持ちにしてくれるクルマ。 いうなれば“Life you Up編”だ。 ■スペース効率の新世紀 ダイハツ・タント(2003) 初代タント、ベースグレードのL。写真は2005年モデル 筆者が初めて初代タントに乗ったのは2005年のダイハツディーラーだった。 知人が三菱・ディンゴからの買い替えを検討していた際だった。 ディンゴもコンパクトカーとしては広々した空間のクルマだったが、タントに乗った瞬間の視界の広さや頭上空間の高さには「軽自動車なのにデカい!」という鮮烈な記憶を筆者の心に深く刻みつけた。 初代タントに再び乗り込んだのは2020年の中古車店。 コロナ禍もあり、家のみでの生活にウンザリしはじめたころ、自宅の庭で車中泊をしようと考え軽自動車を探していた。 あの頃、新車ディーラーでその空間に驚かされた初代タントはもうすでに市場では底値となっていたが、各社からリリースされたスーパーハイト軽が席巻する現代においても魅力は衰えずあった。 ▲水平基調でボクシーなタント。写真の個体はクラシカルな仕様にフロント部をカスタムされている 174cmの筆者がシートアレンジ次第で横になれることもそうだが、インテリアデザインの魅力度がかなり高い。 ドアトリムの配されたアームレストや前後シートはソファ的な意匠で統一されていたり、座面は極力フラットに作られており、生活車としての機能を高めながらも座り心地は筆者的に大変好みだ。 余談ではあるが、筆者は初代タントで400km以上の道を連日、車中泊をしながら移動した経験がある。 アームレストに左腕を預けながら走る幹線道路は非常に楽。 もちろん過度にだらしない体勢は取るべきではないことを意識しているが、近年の軽自動車と比べても大変好みなシートなのである。 ▲フルフラット状態の内装。マットなどを敷けば快適な仮眠も可能だ インパネもハイトワゴンにしては低い位置にレイアウトされている。 水平かつシンメトリーなデザインでまとめられ、それに併せてウインドウも大きくとられている。 積載性も非常に高く、ダイブダウンしてシートを格納した荷室は、なぜバンモデルを設定しなかったのか気になるレベルだ。 NAのKE-VEエンジン搭載車は車体10万円代から充分に選択肢があるし、ワインディングなどをよく走るのであれば、予算をあげてターボ搭載のグレードを選べば解決できる問題であろう。 ■スタンダードの素敵な回答、ダイハツ・ムーヴ(2006) ▲ワンモーションらしさを高めたフロントのフォルム。運転席からの見切りも良好だ さて、タントはスペース効率が素敵なクルマであったが、よりコンパクトに、ベーシックカーらしさを追い求めるのであれば、2006年に登場した歴代4代目となるダイハツ・ムーヴもおすすめしたい。 ライバルだったスズキ・ワゴンRも歴代ごとに進化していくのだが、4代目ムーヴもその後の軽自動車のパッケージングに大きな影響をもたらしたクルマの一台と言っても過言ではないはずだ。 それまでもムーヴは”ビッグキャビン・コンパクトノーズ”をエクステリアのテーマに掲げていたのだが、3代目までのワゴンスタイルから流麗なワンモーションフォルムへと進化を遂げる。 三菱・アイのホイールベースには60mm届かないものの、ムーヴのホイールベースは2490mmと歴代最長のものだ。 フロント席もリア席も足元スペースは広々としており、新開発のKF-VEエンジンはNA車でありながら4名乗車でもなかなかに快適なドライブが可能だ。 目の肥えた現代人的にはいささか物足りなさを感じるところもあるかもしれないが、内装においても質実剛健なあしらいは飽きがこない。 特にセンターメーターへかかるアーチインストルメントパネルは構成がダイナミックで、シトロエンなどのラテン車的なエッセンスすら感じる(PSAと共同開発したAプラットフォームを使うダイハツだからこそ...と思うのは調子が良すぎるだろうか)。 ▲センターメーター上部へ掛かるアーチがダイナミックな存在感を車両の内外に感じることができる 標準車でも残照式のメーターパネルは、ささやかながら乗降時のもてなしを感じる。 こういったささやかな配慮は、クルマを長く使ううえで意外と記憶に残ったりするものだ。 カスタムシリーズともなれば、上級グレードならステアリングにエアコンの設定ボタンがついたり、オプションでレーダークルーズが装備されたりとクラウン...いや、レクサスにすら迫る部分だ。 ■ハイクオリティ軽の大穴 スズキ・セルボ(2006) ▲写真は2008年モデルのG リミテッド。純正エアロパーツなどが引き締まった印象を与える と、ここまで前回の記事と併せて何台かの軽自動車を紹介してきたが、00年代軽自動車の多くのモデルが小型乗用車に負けず劣らずのモデルが増えていく。 セルボもそんな一台だが、内外装の装いが独特で興味を惹かれた一台だ。 エクステリアは4代目ムーヴのようにワンモーションのフォルムだが、ボンネットフードからルーフまで繋がるようなフロントのプロポーション、そしてルーフからリアウインドウへと連なる構成は後年発売される3代目ランチア・イプシロンのような流麗さがある。 ▲リアウインドウ上端からハッチのガラスへと伸びるラインがユニークなリズムを生む 筆者はイプシロンにもしばらくの間乗っていた期間があるのだが、パーソナルなコンパクトカーとしての振る舞いや少し重めのステアリングなど...記憶を辿ると共通項を感じたりもしなくもない。 インパネの造詣はドア側へと連続するもので乗員の包まれ感は高い。 樹脂類のシボはルイ・ヴィトンのエピ柄を思わせるセブラ調パターンとなっており、暗めの内装色と相まってパーソナルカーとしての雰囲気はさらに高まる。 ▲軽自動車のなかでもクールな印象の内装色を採用。メッキモールなども相まって夕方や夜のドライブでは雰囲気の良さを感じることができた スイフトと共通の部品やサポート部分があるシートなど、ちょっと高級感がある内装が所有する日々の生活のなかで気持ちをアップしてくれる。 アルトやミラなどのボンネットバンタイプも素晴らしいが、ちょっとだけ色香を感じてニヤニヤできる生活を送ってみるのはどうだろう。 もちろん恰好だけではなく、スマートキーやスズキに採用例の多いシートヒーター装着車も冬の時期には嬉しい機能だ。 ゲート式の4ATを左手で味わいながらドライブに出かけてみるのはいかがだろうか。 今回も3台の軽自動車を紹介してきたが、いずれも車両10万円を切る個体を見つけることができる。 ただ古いだけの小さなクルマ...ではなく、魅力的な箇所を引き出せば味わい深い円熟のAセグカーだ。 人によっては、ひょっとしたらご実家のクルマが00年代の軽自動車だったりするかもしれない。 見慣れたクルマたちも当時のカタログや文献を眺め、コンセプトを味わいながら運転してみると新たな一面を発見できるかも?しれない。 [ライター・撮影/TUNA]

00年代軽自動車の魅力を語らせてほしい vol.1:Fun to Drive編
旧車の魅力と知識 2023.02.03

00年代軽自動車の魅力を語らせてほしい vol.1:Fun to Drive編

■筆者、サブ車が欲しくなる 令和5年がはじまって約1ヶ月。 筆者は平成2年生まれの32歳。 目上の人からは「まだまだ若いネェ〜」と言われて少し安堵し、初代プリキュアやJ31型の日産ティアナが誕生20周年といわれ、信じられずに腰が痛くなってくる。 愛車のカローラは1998年式車。 今のところ故障知らずではあるものの、走りはじめると見た目以上に“ネオクラシックカー”に片足を踏み入れはじめたような実感はある。 古いクルマを維持していくには毎日エンジンをかけるのも大切なことのひとつだと感じつつも、行く場所や用途によって低年式車ですべてをまかなう必要もないような気がしていた。 なにより、イギリス製のカローラは販売地域の特性上からエアコンレスなこともあり、年々暑くなる日本の夏を走りぬくためにどうしても、サブ車が欲しくなってしまうのだ。 若者のクルマ離れが叫ばれる昨今、公共交通機関に困らない地域でクルマを一人で複数台所有することは本当に贅沢なことだと思うが…。 良いじゃないか、そのために働いているのだから。 そんな気持ちは以前からあり、筆者はメインカローラの他にサブ車でクルマを所有している。 だが、安くて経済的なことだけを理由にクルマを選べないのはマニアのサガかもしれない。 筆者は国産車なら割となんでも大好きだ。 昔クルマに関係ない媒体のインタビューで「なんでもクルマが好きってことは、僕ら一般の男性目線でいうなれば街中に好みの女性がウヨウヨしているような感じですか?」と質問を投げかけられたことがある。 そのときは受け流したが、今だから答えて差し上げよう、その通りだ。 だがもし仮に、よだれが出るようなレア車が運よく手に入り毎日乗るとなれば…。 保守部品の確保を含めて少し神経質な気持ちになることはすでに自己診断済みだ。 そういった沼に嵌らず、かつ買いやすく、維持しやすく、昔から好きなクルマ…。 いやいや、あるじゃないか。 筆者はすかさず中古車サイトを「安い順」に並べて検索をする。 ■中古車サイトを安い順で並べると語りかけてくる“00年代軽自動車”の魅力 現在筆者がメインとして使っているカローラには、キーレスも電動格納ミラーもパワーウインドウも装備されていない。 中古車市場にある“フル装備”の車両は輝いて見える(そもそも今どきフル装備を高らかに謳う中古車物件なんてあまり見なくなったが…)。 それどころか、掲載車を安い順で少し探せばHID・スマートキー・カーナビ位は余裕でついてくる。 古いクルマをメインで所有していると忘れがちだが、走行距離は10万キロ以下、車検付きで車体10万円未満で快適装備。 それが00年代の中古軽自動車だ。 ▲オートエアコンにHDDナビ、これで10万円未満なら十分すぎないだろうか 小学生のころから運転免許を取る18歳まで自転車で頻繁に通ったカーディーラー。 ショールームに並んでいたクルマたちも生産から十数年が経過し、今や底値を越えて鉄や希少金属・リサイクル部品として生まれ変わって久しいことだろう。 当然のこととしてわかってはいたが、その年月と事実に小さくため息が出る。 デビュー当初の魅力と現在味わう“00年代の軽自動車”として見つめ直し、その魅力を残していきたいと思ったのが記事を書いたきっかけだ。 第一弾は“Fun to Drive 編”としよう。 この、Fun to Driveというワードは決してワインディングを軽快に走ることだけを指していないと筆者は思う。 さまざまなシーンを気持ちよく走る性能があれば、まずそれはFun to Driveたらんとしていると感じる。 もし、生活を支えてくれるバランスの良い車が叶えてくれるならばなんて嬉しいことだろう。 今回は筆者が所有したなかで、これは走るのが面白かったな…というクルマを紹介していきたい。 もし、もっとこんな軽自動車も面白いよ!というのがあればこっそり教えて欲しいものだ。 ■酷道から車中泊までオールラウンダー スズキ・Kei(2008年式) ▲スズキのKeiという名前を誰かに説明する際「スズキの軽ってなんですか…?車種名で教えてくださいよ!」と一回くらいいわれるのはKeiユーザーのあるあるネタだ 1台目はスズキのKeiだ。 なんとなく憎めない相棒として日常に溶け込んでくれるクルマだが、そのポテンシャルは低くない。 正確にいうなれば、Keiは00年代ではなく1998年の登場から2009年まで11年間もの長きにわたって生産されたモデルだ。 それだけにエンジンや内外装の仕様は時代によって大きく異なる。 派生モデルのKeiスポーツやワークスなど、スポーティに性格を振った仕様から扱いやすい通常車までグレード構成も多様で、一概にKeiといってもさまざまな顔を持つ。 筆者が所有していたのはほぼモデル末期の2008年モデルでNA車。 軽自動車のNAだと若干非力な印象もあるが、マニュアルのトランスミッションと600キロ台後半の車重によってピュアな乗り心地を味わうことができるクルマだ。 最低地上高を高くしたクロスオーバータイプのボディのため、ちょっとした不整地でも気兼ねなく踏み込むことが可能だ。 もちろんジムニーのようなアクロバットな領域は難しいのだが、良好な燃費と積載性を考えるとバランスが良い。 このコンセプトを受け継いで後継のハスラーができ上がったことも頷けるものだ。 筆者はKeiを所有するまで比較的車高が低い車両に乗り続けていただけに、Keiが持つポテンシャルは自らの行動範囲をグンと拡げてくれることになった。 1日で300㎞以上走ることも少なくなかったし、軽自動車特有の揺れや車内騒音から受ける影響は決して小さくなかったのだ。 しかし、布団一式を常に携行し“疲れたらすぐ寝る、元気になったら走り出す”を実践することになったきっかけの1台だ。 筆者のなかでKeiを所有した経験が、中央ヨーロッパを自家用車で一周する挑戦に繋がっているのは間違いない。 新生活に向けたドライバーさんなど運転が好きで、日々のなかに小さな冒険を望んでいるならKeiは推していきたい。 20万円くらいまでの予算でもMT車で選べる個体はあるはずだ。 ■コンパクトカーじゃなくてもこれで十分…ホンダ・ゼストスポーツ(2007年式) 次に紹介したいのが2006年登場のゼスト。 Keiからは軽自動車としてのピュアな歓びを教わった。 しかし、keiの登場から約8年の年月は、軽自動車の開発において小さくないと教わったのがゼストスポーツの存在だった。 筆者が高校生のころ、実家に初代FITの中期型があった。 まだ運転免許を持っていないながらもその完成度には目を見張るものがあり「ホンダが本気で作ったコンパクトカーってすごい…」と感じさせられていた。 そんなさなか、フィットの代車でやってきたのが新車で登場したばかりのホンダ・ゼストだ。 いつも後席から眺めていたFITのインテリアと比べると「ちょっと狭いかも…」なんて当時は思っていたが、実際に所有することになってその印象は大きく変わった。 筆者が購入したのは2007年式のゼストスポーツ。過給機が付いた最上級グレードのWだ。 そもそも、装備がとても良い。 90年代のベーシックカーであるカローラやKeiと比較するものではないのかもしれないが、スマートキー(なんと同車のフラッグシップ、レジェンドと同一のキー!)、HIDヘッドライト、おまけに純正のHDDナビまでついてきた。 ▲視認性のいいシンプルなメーター。普段90年代のクルマに乗っている筆者としては計器類がLEDで光ることすら嬉しい フロントシートは大きなアームレストつきのベンチシートで、長距離は心も身体もラクチン。 後部座席は両側がダイブダウン格納されるタイプのシート。 リアハッチの開口部が広く、低床ボディと相まって使い勝手は良好。 乗用車でなくともむしろ軽ワゴンだからこそといったレイアウトはかなり気に入るものだった。 エアロとターボが装備されたゼストスポーツは若干足回りが固い印象をうけるものだったが、剛性感は当時の軽にしてみれば悪くなく、2006年度のJNCAP試験で運転席と助手席の総合評価で軽自動車唯一の6スターを獲得しているのも頷ける。 もちろんクルマも自分の運転も過信してはいけないが、嬉しい装備と過給機がついたエンジンの存在により、日々の運転はとてもFunな経験となった。 ■軽自動車界の風雲児!親しみやすいのにマニアック 三菱・アイ(2006年式) 3つ目におすすめしたいのは三菱のアイ。 2006年に登場して2014年まで生産されていたクルマだ。 そのコンセプトは強烈で、ダイムラー社のスマートやルノーのトゥインゴなど、世界に通用するシティカーの素質と日本の軽自動車に対する問いかけを、その完成度から伺うことができる。 走りの面で特筆すべき点はその小回り。 ホイールベースは2,550mmとフェアレディZやヤリスクロスなどと同一でありながら(駆動方式もホイールサイズも異なることは認めたうえでだが)RRレイアウトのボディに前後異径の14インチのホイールを履くアイは、グルグルとその場で旋回できるのは強烈な体験だった。 ▲エンジンはトランクの下に配置。分厚い吸音材のハッチを開くと見えてくる。内装から見えるエンジンのギャップにときめく 昨今のN-BOXをはじめとした軽自動車の進化ぶりは大きく、比較してしまうと可愛そうなほどでもあるのだが、RRの独自のレイアウトは4人での乗車空間はしっかりと確保されている。 筆者が購入したグレードはMターボ。加速や巡航速度に関しては現代の軽ワゴンにも引けをとらない。 それどころかRR+後輪駆動+アイポイントの高い車両の加速感はあまり味わったことのないもので、これを体感するだけでも価値ある1台だ。 内装の造形感覚にも吟味とこだわりが感じられる。 シートやドアトリムなども加飾して魅了するのではなく、素材の良さを楽しむことができるデザイン。 スペース効率を上げようと、なるべくワイドにインパネを見せようとする軽自動車が多いなか、アイのインテリアやインパネのレイアウトはあえて求心的に作られているようにも感じ、フロント席に座るとどことなく“包まれ感”すら感じる。 ワンモーションの軽自動車は今や数多いが、「このクルマならでは」があちらこちらに備わっているのもアイの良いところだ。 と、今回紹介した車は2023年現在、10~20万円台で狙えるクルマばかりだ。 (実際に筆者はこの3台の車体をそれぞれヒトケタ万円で購入している) もちろん年数は経っているのでメンテナンスは必須なのだが、それを差し引いてもリーズナブルだといえるのではないだろうか。 底値の軽自動車たちは今が狙いどき。 次回は生活をちょっとだけ“アップ”してくれる…。そんな00年代の軽自動車を紹介していきたい。 [ライター・撮影/TUNA]      

日本が誇るスズキ ジムニー、自動車大国ドイツにおける評価は?
旧車の魅力と知識 2023.02.01

日本が誇るスズキ ジムニー、自動車大国ドイツにおける評価は?

世界にはさまざまなモデルのクロスオーバーSUVが存在する。 一昔前まではセダンタイプがもっとも売れるモデルとされ、各メーカーが力を入れていた車種ではないだろうか。 それが今ではクロスオーバー戦国時代。 スーパーカーでお馴染みのイタリア ランボルギーニが初のクロスオーバーSUV「ウルス」を発表したのも記憶に新しい。 日本が世界に誇るクロスオーバーSUVも数多く存在する。 その中でも悪路走破性、デザイン、価格等全てにおいて完璧に近いスペックを誇っているのがスズキ「ジムニー」ではないだろうか。 今回はそんな長年愛され続けるジムニーがドイツでどのような評価を得ているのか?現地調査を行ってみた。 ■ジムニーとは一体どんなクルマ? スズキ自動車が1970年から販売し続けている軽自動車のオフロード4WDだ。 初代ジムニーはかつて軽三輪自動車の製造、販売を行っていたホープ自動車から「ホープスター」の製造権を購入し、悪路走破性に優れた軽四輪駆動車に改良したのが始まりである。 当時は四輪駆動車といえばトヨタ「ランドクルーザー」、日産「パトロール」、三菱「ジープ」の3車種のみで軽四駆がなかったことから多くの注目を集めた。 50年以上の長い歴史のなかでフルモデルチェンジを行ったのは3回のみで2008年には「ロングライフデザイン賞」を受賞した。 2018年には4代目となるジムニーが発表され、同年スズキでは初となる「グッドデザイン金賞」を受賞し、翌年米国で開催されたニューヨークモーターショー2019においては日本車史上初となる「世界カーオブザイヤーワールドアーバンカー賞」を受賞する快挙を成し遂げた。 ■ジムニーが誇る異次元のスペック 現代のクルマはSUVを含め多くのモデルでモノノック式フレームが増えているが、ジムニーは初代から現行型にかけて一貫して頑丈なラダーフレームも採用している。 したがってボディにダメージを受けても走りに影響が出ないタフな作りになっている。 駆動方式はパートタイム4WDを採用しており、フルタイム4WDと違い前輪もしくは後輪のどちらかが空転しても前に進む駆動力を確保することができる。 加えてシンプルな構造で壊れにくく、整備もしやすいのが特徴である。 2007年にはSJ413型ジムニーが南米オホス・デル・サラード火山で6,688m の自動車高度走でギネス世界記録を達成している。 ■自動車大国ドイツでは実際にどのような評価を受けているのか? これまでにジムニーの「凄さ」について解説をしてきたが、自動車の分野において世界でもトップクラスのドイツではどのような評価を受けているのか? 実際に現地調査を行ってみた。 ドイツが世界に誇るクロスオーバーSUVといえば皆様は何を思い浮かべるだろうか? ゲレンデことメルセデス・ベンツGクラスではないだろうか。 サイズや基本スペック、価格帯などはまるで違うこの二台だがジムニーといえば、小型版ゲレンデと言われるだけにドイツでも同じく人気があるのでないかと著者は考える。 実際に調べてみたところヨーロッパでは普通自動車のジムニーシエラに相当するモデルが欧州仕様として現在も新車販売されており、ドイツでは現行モデルの四代目ジムニーが発表されてからは1年以上の納期待ちが出るほど注文が殺到したようだ。 その背景には1981年から販売された二代目ジムニーの世界的な大ヒットが影響しており、当時ドイツをはじめとして、ヨーロッパ全体でも悪路走破性に優れた安くて壊れにくいインフラ生活用車両として注目を集めることとなった。 ■ジムニーのEV化? 現在でもその圧倒的な悪路走破性を活かし、ドイツの豪雪地帯などではフロント部分に大型のショベルを搭載した除雪車として活躍していたり、純粋にオフロード走行を楽しむマニアなどから親しまれている。 最近では市場が電気自動車へと移行しつつあり、ヨーロッパでは二酸化炭素排出規制が厳しくなりつつあるため近い将来、ジムニーの新車販売も新たな転換期を迎えることになるだろう。 去る1月26日、スズキがジムニーのEV化を示唆する発表を行ったばかりだ。 クロスオーバーSUVとしては唯一無二の存在であるジムニーは、EVモデルへとシフトしたとしても、世界中から親しまれ愛され続けるクルマであり続けるだろう。 [画像/スズキ、ライター/高岡ケン]

旧車王編集部チョイス!頭文字Dで人気を博した旧車6選
旧車の魅力と知識 2023.01.27

旧車王編集部チョイス!頭文字Dで人気を博した旧車6選

頭文字Dといえば峠の走り屋を描いたクルマ漫画・アニメ作品です。国産スポーツカーブームに火をつけた作品といっても過言ではありません。「秋名のハチロク」こと主人公・藤原拓海の運転するAE86、「赤城の白い彗星」と呼ばれる実家が太くてイケメン高身長、高学歴の高橋涼介が操るRX-7(FC)、弟の高橋啓介のRX-7(FD)などが人気ですが、他にはどのようなクルマが活躍したのでしょうか。この記事では主役級ではないけど、筆者が取り上げたい頭文字Dで人気を博した旧車を紹介します。 トヨタ カローラレビン(AE85) 主人公藤原拓海の親友、武内樹(イツキ)の愛車です。AE86を買ってみんなを驚かせようと一人でクルマを買ってバイト先の先輩や拓海にお披露目したところ、間違ってハチゴー(AE85)を購入してしまったことが発覚してしまいます。イツキは先輩たちにバカにされ、不憫な思いをしてしまいます。 どうしてもハチロクと比べられがちのハチゴーですが、“ならでは”の魅力が詰まっているクルマです。シングルキャブ仕様で走りに不向きと言われていますが、チューニング次第ではその潜在能力を引き出せるといわれています。また、ハチロクよりも激しく走行している個体が少なく、キレイな状態で市場に流通しているケースも珍しくありません。どうかイツキにもあまり落ち込まないでほしいですね! トヨタ・セリカ GT-FOUR(ST205後期) 拓海のサッカー部の先輩であり恋敵的存在でもある御木先輩の愛車は、トヨタ・セリカ GT-FOUR(ST205後期)です。雪の秋名山であっさりと拓海の運転するAE86に抜かれてしまいましたが、実はすごいクルマなんです!ST205 セリカ GT-FOURはWRCで大きな成果を出すことはできませんでしたが、アメリカでインディアナポリス500に次ぐ歴史のあるモータースポーツ大会「パイクスピーク」では1994年、1996年、1997年に総合優勝を果たしています。 スズキ カプチーノ スズキ カプチーノは埼玉北西エリア連合チームとのバトルに登場しました。埼玉北西エリア連合チームリーダーの秋山は「ハチロクに勝つには軽さしかない」という結論を導き出し非力だけど車重約700kgと超軽量ボディのスズキ カプチーノを投入しました。 さすが軽自動車といった軽さですね。カタログスペックで軽自動車規格自主規制値の64馬力しか出ていませんが、車重の軽さのため本当におもしろいクルマになっているそうです。また、着座位置が非常に低いため体感速度が恐ろしいほど速いといわれています。 トヨタ アルテッツァ またまた埼玉北西エリア連合チームのクルマを紹介します。リーダー秋山延彦の愛車であるトヨタ アルテッツァです。特にバトルで目立った活躍はないのですが、アルテッツァはコンパクトFRのセダンでMTを選択できる珍しい国産車です。 1998年から2005年まで販売され、生産台数は11万1462台でした。トヨタ自動車としてはヒット作とはならず1世代限りで終わってしまったモデルですが、現在では前述の通りコンパクトFRセダンという希少なパッケージングのため人気を集めています。 ホンダ S2000(AP1) 若者たちが壮絶なレースを繰り広げる作品かと思いきや、おじさま世代のキャラクターも主人公・拓海のライバルとして登場します。その代表が筑波山のチーム「パープルシャドウ」のリーダー格である城島俊也です。職業は医師で、乗っているクルマはホンダ S2000(AP1)。ホンダの超高回転型エンジンの名機「F20C」を搭載したFRレイアウトのオープンカーです。理論的な思考と熟練のテクニックで拓海を追い込みました。 S2000は主に前期型のAP1と後期型のAP2があります。熱狂的なファンからは前期型のAP1が支持されています。人気が集まっている大きな理由は8,300回転で最高出力の250馬力を出すエンジンにあります。しかし、超高回転型エンジンは日常域ではパワーが出なくて不便なため後期型では低回転でも力の出るエンジンに変わりました。一部のファンからは日常域を重視した設定のAP2になったことを嘆く声もあがりました。スポーツカーは非日常を楽しむものですもんね。とはいえ、中古市場ではAP2も高い人気を誇っています。 3代目 日産 バネット プロジェクトDといえばサポートカーの存在も忘れてはいけません。3代目 日産 バネットです。「マツダ党の高橋涼介のチームなのに日産車なの?」と疑問に思うかもしれませんが安心してください。マツダ ボンゴのOEMです。ベースのマツダ ボンゴはトラックタイプやキャンピングカーのベース車両としても人気があります。 交換タイヤやパーツ、工具など重たい荷物を搭載して山道を駆け上がるにはやはりマツダボンゴベースの車両が最適だったのでしょうか。日産のバンといえばキャラバンが代表格ですが、バネットをチョイスするあたりが高橋涼介のセンスといったところですね。マツダ愛を強く感じました。中古市場では大手の情報サイトを検索してみましたが流通していませんでした。もしお持ちの方がいらっしゃいましたらぜひ旧車王にお譲りください!

DIY旧車オーナー必読!「複雑なエンジンオイルの選択肢」とは
旧車の魅力と知識 2023.01.25

DIY旧車オーナー必読!「複雑なエンジンオイルの選択肢」とは

▲エンジンオイルはクルマの血液ともいえる、重要な消耗品である。 ■初めての旧車メンテDIYにふさわしいエンジンオイル交換 少しでも愛車のメンテナンスを自身の手で行いたいと思う旧車オーナーに、初めてのDIYとして挑戦していただきたいメンテナンスがあるとすれば、それはエンジンオイル交換だ。 エンジンオイル交換といえば、旧車のみならずもっとも身近なカーメンテナンスといってよいことであろう。 エンジンオイルは人間でいうところの血液によく例えられる。 クルマの心臓部分であるエンジンの寿命は、この血液たるエンジンオイルの状態によって大きく左右されるのは周知の事実だ。 現代のクルマほど加工精度がよくない旧車のエンジンではなおさらのことである。 熟練のメカニックやベテランの旧車オーナーがクルマ選びをする際に、ボンネットを開くことがあれば、まずはエンジンオイルのフィラーキャップ(注入口の蓋)を外すことであろう。 フィラーキャップ裏に付着したブローバイ汚れの状態や、フィラーからのぞけるエンジン内部のスラッジの具合、エンジンオイルからガソリン臭が漂っていないか? また、オイルレベルゲージを抜けば、オイルレベルのみならず、レベルゲージについたエンジンオイル焼けを見るなどして、前オーナーのオイル管理の状態を推察する。 エンジンオイルという傷みやすい消耗品を見れば、たったこれだけの情報からでも、前オーナーのクルマというメカとの向き合い方がわかるのだ。 メンテナンス費用を節約するためにDIYを志すオーナーも多いかと思われるが、ここではクルマというメカと向き合うためにDIYを行う次第である。 初めてメカと向き合うDIY、それにふさわしいのがエンジンオイル交換ではなかろうか。 今回から数回にわたって、このエンジンオイル交換に関する内容をお伝えしようと思う。 まず第一回目の今回はエンジンオイル選びについて、旧車ならではの注意点についてお話しをしていきたい。 なお、本題に入る前にあらかじめお断りしておくと、今回の記事は旧車のエンジンオイルについて若干詳しく掘り下げる内容ではあるが、すでに豊富な知識を持つベテランオーナーや評論家のための記事ではない。 初心者の方へ幅広い内容を、できるだけ分かりやすくお伝えするための記事であることをご承知おきいただければ幸いだ。 ■一筋縄ではいかない、旧車オイルの多種多様な選択肢 現代のクルマであれば、エンジンオイルは近所のホームセンターやカー用品店で簡単に入手することができる。 しかし、問題は旧車用のエンジンオイルだ。ホームセンターでは旧車用エンジンオイルの取り扱いなど、まず皆無である。 ただ、旧車といっても、ヒストリックカーと呼ばれる戦後~1970年代前半くらいまでのバルブカバーやオイルパンなどのガスケットにコルクや紙(本当にただの紙)が使用されているクルマ、1970年代末くらいまでのキャブレター式かつ触媒レスのクルマ、1980年以降のネオクラシックと呼ばれ、現代車に近い構造かつ大馬力・大トルクを誇るクルマ・・・。 さらには国産・欧州車・アメリカ車など、多種多様にカテゴライズできる。 これらに使うエンジンオイルを、単にひとくくりに「旧車用エンジンオイル」と呼んでしまっては少し乱暴ではなかろうか。 クルマの新旧に関係なく、オイル選びは車両の取扱説明書やサービスマニュアルの「指定の粘度」から検討することが基本である。 この「指定の粘度」を今日流通しているエンジンオイルのラインナップから選択するしかないのだが、注意点は、ただ「旧車用」と記されているからといって、それが正しい選択とはいい切れないかもしれない点になる。 ▲旧車用エンジンオイルといっても、初心者にはどれを選んでよいか分からないものである。 気に入っているオイルがラインアップ落ちすると、とても悲しいものだ。 ■旧車用エンジンオイルを「指定の粘度」と実際の硬さ「動粘度」で選ぶ 特に筆者が難しく感じるのは、旧車用として販売されている複数の「同じ粘度」のエンジンオイルを実際に比較検討すると、各オイルで異なる「動粘度」である場合が多いのだ。  例を述べれば~1970年代前半までのキャブレター式かつ触媒レスのクルマに多い、指定粘度「20W-50」やシングルグレードと呼ばれる「#30」や「#40」だ。 選択するエンジンオイルのブランドによって性格が異なるため、これらが指定されているクルマのエンジンオイル選びは少しシビアだ。 以下の表をご覧になっていただきたい。 上記は「20W-50」の同じ粘度で今日入手できるエンジンオイルのデータシートから代表性状をまとめたものだ。 他にも筆者が個人的に気になる「旧車用」エンジンオイルが複数あったが、残念ながらデータシートが公開されていなかった。 そこで今回は、比較的入手しやすく、かつデータシートが公開されているもので比較した。 いかがだろうか。 同じ粘度でも実際の「動粘度」がまったく異なることがわかる。 走り出し直後を想定したであろう油温40℃での動粘度の違いをみると、実際のフィーリングもだいぶ異なることが予想できる。 さらに述べると、これはあくまでも新油での話。 交換後のメカニカルノイズの大きさや、数千キロ走行後のフィーリングなどは実際に意識して使い込んでみないと何ともいえないものだ。 これがエンジンオイル選びの醍醐味であり悩みどころだ。 旧車ではこの辺りの違いをはっきりと体感できることが多い。 ではあえて、今日近所のホームセンターで入手できる一般的なエンジンオイルを旧車に入れるとどうなるであろうか。 実際にやってみるとわかるが、結果は何も起きない。 いや、今すぐは何も起きないというべきであろう(極端な場合はオイルが燃焼し、マフラーから白煙が出る場合もある)。 実物に触れてみるとわかるが、現代の一般的なエンジンオイルは旧車用のそれと比べるとシャバシャバとしており、反対に旧車用はドロドロとしているはずだ。 旧車はエンジン内部のピストンとシリンダーのクリアランス(すき間)が大きく、旧車用のエンジンオイルの粘度が高めなのも、このクリアランスを埋めるための密封性能が必要だからである。 また粘度の高いオイルは、ピストンとシリンダーのみならず、各部のすき間やクリアランスに充填することで部品の摩耗を防いでいるともいえる。 旧車に低粘度のエンジンオイルを使用すると、わかりやすい故障の原因にはならない。 しかし、継続して使用するとオイル消費が著しかったり、エンジンの寿命が短くなるというのが正しい答えではなかろうか。 なお、旧車にはこの密封性能が必要だが、反対にハイブリッドやアイドリングストップ車などの現代車では、むしろこれがあだとなる。 いわゆる昨今のエコカーのなかには、省燃費性能の向上のために各部の摩擦抵抗を減らすことを目的に「0W-16」など極端な低粘度のエンジンオイルを指定したクルマもある。 こういったクルマに旧車用のエンジンオイルなど入れようものなら、確実に抵抗となるので、その負担からギクシャクとした動きになることが予想される(さすがにやってみたことはないのであくまでも予想)。 なお、1980年代後半以降のいわゆるネオクラシックカーと呼ばれるクルマはそこまでシビアにならなくても良いと思われる。 さすがに現行エコカー用の「0W-16」や「0W-20」は不適だろうが、現行車よりかは少し硬めの「10W-30」や「10W-40」を選択すれば問題はないであろう。 これも先述の動粘度の話があるので、よく検討したいところではあるが、迷うようであれば取扱説明書およびサービスマニュアルの指定のオイル粘度のうち、高温側を一段階(10単位)例:5W-30 ⇒ 5W-40などで調整すればよい。 これならシリンダー内の気密保持と保護性能を両立できるはずだ。 いずれにせよ、目的に合わないエンジンオイルを安易に使用することがNGなのである。 ▲ペンシルバニア産のエンジンオイルが最良であった時代は、筆者が生まれたころの話ではなかろうか。余談だが表1の「粘度指数」とは粘度の温度変化が極めて小さいペンシルバニア系潤滑油を100とし、極めて大きいガルフ・コースト系のものを0として定められた規格で、値が大きい油ほど粘度変化が小さいとのこと(画像はイメージです) ■永遠の課題:旧車には「鉱物油」か「化学合成油」か ここで、都市伝説の如くよくいわれる、旧車に化学合成油はNGという説に持論を述べたい。 一般論として旧車には「化学合成油」は不向きだ。あながちこれは間違いではない。 先述の通り、ヒストリックカーと呼ばれる~1970年代くらいまでのクルマは、エンジンのバルブカバーやオイルパンにコルクや紙のガスケットが使用されていたり、シールやパッキンの耐久性が悪く、加工精度もまだまだ(というよりも削ったまま)のものが多い。 このようなエンジンに粒子の細かい化学合成油を入れると、各部からオイルにじみが発生する。 また、化学合成油には種類があり、そのうちの一種PAO(ポリアルファオレフィン)はシールやパッキンを収縮させる性質を持ち、やはりこれもオイル漏れの原因となる。(余談だが、やはり化学合成油の一種であるエステルは逆にシールやパッキンを膨張させるため、一部オイル漏れ防止の添加剤にも使用される) このような経緯から、化学合成油が旧車に不向きだといわれる。 しかし、これはオイル漏れの観点のみで考えた場合の話だ。 鉱物油にはデメリットとして、エンジン内でスラッジとなりオイルラインの詰まりの原因になりやすい点や、酸化安定性が悪く、使用開始後に早い段階で性能が劣化してしまう点がある。 オイルの性能面を全体で見れば、化学合成油を使用するメリットは大いにある。 以下の表をご覧になっていただきたい。 化学合成油というとPAOやエステルに代表される、人工的に作り出されたハイエンドなオイル、すなわち「グループⅣ」や「グループV」が想像される。 今日「全合成油」という名で市場に広く一般的に出回っているのは「グループIII」オイルだ。 かんたんにいえば、鉱物油に含まれる不純物を水素と反応させて除去「水素化分解(ハイドロクラッキング)」して精製されたオイルだ。 ベースオイルは鉱物油であるが、化学合成油に近い性能を持つ。 問題は、このグループIIIオイルが旧車に使えるか否かだ。 個人的には動粘度などの仕様に注意を払えば、十分に使用できると考えている。 筆者はコストパフォーマンスから、エステルブレンドのグループIIIオイルを長年愛用しているが、まったく問題はない。 前述のデータシートをよく見て判断したい。 なお、1990年代以降のいわゆるネオクラシックカーであれば、オイル漏れ関係がしっかりと整備されていることを前提にPAO(グループⅣ)オイルは何ら問題なく使用できる。 鉱物油にこだわりたい場合は、グループII(高度精製鉱物油)をチェックするとよい。 「20W-50」やシングルグレードの「#30」「#40」のエンジンオイルにおいて、パッケージには鉱物油の表示のみであっても、ケンドルやRIZOILなどメーカーのホームページやデータシートを注意深く確認するとグループIIの記載があることが確認できる。 先述の【表1】をご覧になっていただくとわかるが、グループIIオイルは鉱物油ながら非常に高い粘度指数を持つオイルが多く、格上のグレードに迫る性能のエンジンオイルもあることが分かる。 なお、筆者はキャブレター車にはケンドルのエンジンオイルを愛用している。 余談であるが2023年1月現在、グループⅣやグループⅤなどの「100%化学合成油」は3,000円/Lを割ることはないだろうが、グループIIIの「全合成油」であれば1,000円/ℓ前後で手に入る。 近所のホームセンターやガソリンスタンドで購入できる少しグレードの高いオイルは、ほぼこのグループIIIのエンジンオイルであるといっても過言ではないことであろう。 問題はその表示方法だ。市販のオイル缶には、APIのグループ分類で表示されているものがほとんど見当たらない。 クルマ好きのオーナーであっても「全合成油 = 100%化学合成油」という認識をしてしまいそうな表示である。 繰り返すが「全合成油」として販売されるグループIIIのベースオイルは、あくまでも水素化分解処理済みの「鉱物油」である。 紛らわしいことこのうえない。 なお、この問題は北米で訴訟となっている。水素化分解処理された鉱物油(グループIII)をカストロール社が化学合成油として販売したため、モービル社より不当表示として訴えられたのだ。 結果はモービル社が敗訴しカストロール社の主張が認められた。 これ以後、モービル社も自社製品にグループIIIオイルを使用するようになったという経緯がある。 ▲化学合成油によるオイル漏れを心配するよりも、根本的にエンジンをオーバーホールした方が良い場合は多々存在する。オイル漏れを化学合成油だけのせいにしてはいけない ■触媒装着車への旧車用エンジンオイルや、亜鉛とリンを含んだ添加剤の使用について 触媒が装着されているクルマに旧車用エンジンオイルを使用する場合は注意をしたい。 もともとエンジンオイルには、亜鉛とリンをベースとした添加剤が摩耗防止剤として必ず含まれているが、旧車用エンジンオイルのなかには、この添加剤が配合されていることをセールスポイントにしているものが存在する。 注意すべき点は、この亜鉛とリンを含んだエンジンオイルが、オイル上がりやオイル下がりなど何らかの原因で燃焼して排気ガスとなって触媒に流れてしまうと、触媒の機能低下を促進してしまうことが報告されている。 これは、亜鉛とリンを使用した旧車用のエンジンオイル添加剤も同様だ。 触媒は車検に必ず必要かつ入手困難な場合が多いため、丁重に扱いたい。 現代車のエンジンオイルでもこの亜鉛とリンをベースとした添加剤は使用されているが、規格として極限まで少ない配合となっている。 昨今では、液体チタンや有機モリブデンなどを代替としているメーカーもあれば、変わらずふんだんに亜鉛とリンをベースとした添加剤入りをアピールしているメーカーもある。 触媒装着車に旧車用エンジンオイルを使用する場合は、事前に販売元に確認が必要であろう。 気になる方は「ZDDP(またはZnDTP)」というワードで検索してほしい。 ▲かつてケンドル社のエンジンオイルは亜鉛添加剤入りがセールスポイントだったが、触媒への影響から亜鉛から液体チタン配合に切り替わり、APIの新規格SP取得と同時に液体チタン配合も終了・・・。SN規格のままのバルボリン社は変わらず亜鉛&リン添加剤(ZDDP)入りとのことだが・・・ ■旧車のオイル選びは奥が深い できる限りかんたんに旧車のエンジンオイル選びの注意点についてまとめたつもりではあるが、それでもさまざまな検討ポイントがあることがおわかりいただけたであろうか。 DIYを志す方であれば、エンジンオイル選びにもこだわりを持たれることであろう。 ときにはメカニックや専門家にアドバイスをもらうことも必要であるが、自身の感性をMAXにして愛車と向き合うこともとても重要だ。 旧車に使用するエンジンオイルは、最新のものが最良ともいえず、現時点で最良のものを見つけ出したとしても、それがいつまでも販売されているとは限らない。 場合によっては常に最良のエンジンオイルを探し、何種類もの銘柄のオイルをソムリエの如く交換するオーナーもいることであろう。 いずれにせよ、正しい知識をもって愛車のエンジンオイル選びをしたい。 次回も旧車のエンジンオイル交換について続編を執筆させていただくので、興味があれば、次回を期待して待っていてほしい。 ※私クマダはYouTubeでポンコツ再生動画を公開しております。ぜひ動画もご覧になってください。チャンネル登録お待ちしております。 ●YouTube:BEARMAN’s チャンネル(ベアマンチャンネル)https://www.youtube.com/channel/UCTSqWZgEnLSfT8Lvl923p1g/ ●Twitter:https://twitter.com/BEARMANs_Ch 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フェアレディZ Z33のリセールバリューは?リセールバリューが決まる要因や高く売る方法についても解説
旧車の魅力と知識 2023.01.24

フェアレディZ Z33のリセールバリューは?リセールバリューが決まる要因や高く売る方法についても解説

フェアレディZ Z33のリセールバリューが高ければ、一度は乗ってみたいと思う人も多いでしょう。大排気量の自然吸気エンジンを搭載した車は減少しつつあるため、いまのうちにその魅力を味わいたいものです。今回は、フェアレディZ Z33のリセールバリューや、フェアレディZ Z33を高く売る方法について解説します。フェアレディZ Z33の購入や売却を検討中の方は参考にしてください。 フェアレディZ Z33とは フェアレディZ Z33は、2002〜2008年まで販売されていた日産のスポーツカーです。Z32の生産終了から2年後に復活したZ33は、スカイラインとプラットフォームやエンジンを共用することで価格を抑えることに成功しています。前後重量配分は53:47という理想的なバランスを持ち、空力性能は世界でもトップクラスを誇りました。 モータースポーツでも全日本GT選手権(SUPER GT)やスーパー耐久などに参戦し、シーズン優勝やチームタイトルに輝くなど華々しい実績をあげています。スポーツカーとしてはチューニングのベース車両としての評価が高く、ノーマル車は高性能GTカーと呼ぶべき存在です。 【グレード別の特徴】 グレード名 特徴 ベース ベースグレード Version T 本革シートなどを装備した豪華仕様 Version S ブレンボ製ディスクブレーキやVDCが装備されたスポーツモデル Version ST VersionTとVersionSを合わせた最上級モデル Version ST Type G オーテックジャパンが発売した期間限定車 Type F オーテックジャパンが発売した赤色本革シートモデル S-tune GT NISMOから販売された期間限定車 type E 全日本GT選手権GT500クラス出場のためのホモロゲーションモデル 35th Anniversary 専用チューニングエンジンを搭載するフェアレディ35周年モデル Version NISMO/NISMO 350Z NISMOとオーテックジャパンから販売されたモデル Version NISMO Type 380RS-Competition スーパー耐久ST1クラス出場のためのホモロゲーションモデル Version NISMO Type 380RS Version NISMO Type 380RS-Competitionの公道仕様車 ロードスター Tバールーフがラインナップから外れコンバーチブル仕様として設定 ※ホモロゲーションモデルとは、市販車ベースの競技に参加するために販売される車のこと フェアレディZ Z33のリセールバリューの相場 フェアレディZ Z33のリセールバリューの相場は、仕様や状態により大きく異なります。歴代のフェアレディZは高騰しているモデルが多い中、Z33はアメリカで左ハンドル仕様車が販売されているため一部のグレードのみが高値を維持しています。 これは他の歴代フェアレディZとは異なり、アメリカでの右ハンドル車の扱いが「新車登録時から25年経過しなければ輸入できない」というルールから外れているためです。リセールバリューを考えて購入する場合は、そういった状況も理解して仕様を選ぶ必要があります。モータースポーツ参戦用の公道仕様車Version NISMO Type 380RSは、状態がよければ新車当時よりもプレミア価格となっている車体もあるため要チェックです。 【グレード別の新車価格】 グレード名 新車価格 ベース 6MT 337万500円 5AT 346万5,000円 Version T 378万円 Version S 363万3,000円 Version ST 6MT 394万8,000円 5AT 404万2,500円 Version ST Type G 432万6,000円 Type F 6MT 409万5,000円 5AT 418万9,500円 S-tune GT 682万5,000円 type E 682万円 35th Anniversary 388万5,000円 Version NISMO/NISMO 350Z 6MT 439万9,500円 5AT 449万4,000円 Version NISMO Type 380RS-Competition 2,625万円 Version NISMO Type 380RS 539万7,000円 ロードスター バージョンST 6MT 447万3,000円 5AT 456万7,000円  ※いずれも最終型モデルの価格 フェアレディZ Z33のリセールバリューが決まる要因 続いて、フェアレディZ Z33のリセールバリューが決まる要因について解説します。 6速マニュアルが人気 フェアレディZ Z33のリセールバリューを考えるなら、6速MT車がおすすめです。フェアレディZ Z33は、チューンナップのベース車両として購入するユーザーが多いため、5速AT車のリセールバリューは高くありません。 走行距離が少ないノーマル車 フェアレディZ Z33は、走行距離が少ないノーマル者が人気です。チューニングが施されていないノーマル車はGTカーとしての性能が高く、購入後にカスタマイズしてスポーツカーに仕上げる需要がリセールセールバリューに直結しています。多走行車やチューンナップカーは状態のよい車が少なく、販売価格や査定額が低くなる傾向があります。 熟成の後期型 後期型モデルは足回りやエンジンなどがより洗練されており、高回転化されたVQ35HR型エンジンが搭載されています。また、前期から中期型のZ33はラジエターファンの不具合が多く、リコール対策が施されていない車体はエンジンの焼付きやオーバーヒートの可能性があるためリセールバリューは低めです。 フェアレディZ Z33を高く売る方法 フェアレディZ Z33を高く売る方法について解説します。 スポーツカーの買取が得意な業者を選ぶ フェアレディZ Z33を高く売るためには、スポーツカーの買取が得意な業者を選ぶことが重要です。フェアレディZ Z33は、ラジエターファンの不具合が対策されていることや、発売年度ごとのモデル特性に詳しい業者でなければ正当な評価をしてもらうことは難しいでしょう。フェアレディZ専門店や日産車を得意とする業者を選ぶことで、高額査定となる可能性が高くなります。 運動性能に関わるところを入念にメンテナンスする フェアレディZ Z33を高く売るためには、運動性能に関わるところを入念にメンテナンスする必要があります。経年による劣化のみならず、オイルや消耗品の交換は車の寿命を左右するほど重要です。また、足回りや電装系などもスポーツ走行で消耗するため、1年ごとの法定点検で必要と判断された部品は早めに交換して整備記録簿に記載してもらうとよいでしょう。 リコール箇所の対策を万全にする フェアレディZ Z33は二つの大きなリコールが出ている車です。いずれも重要箇所のため、対策済みかどうかの確認もしておきましょう。 ラジエターファン........ラジエターファンモーターの通電不良により、エンジンのオーバーヒートや焼付きの可能性あり 後期6速MT車の変速不良........クラッチ作動側シリンダーのオイルシール不良により、シリンダー内部に空気が混入して変速不良が起こる可能性あり 未対策の場合は、査定に影響したり対策処置が有償となる可能性があるため、早めにディーラーに相談しましょう。 フェアレディZ Z33の魅力と歴史 フェアレディZ Z33は、5代目となるフェアレディZです。ラグジュアリー志向だった先代から原点回帰されたモデルであり、景気後退による業績不振からの日産復活のフラッグシップともなりました。 V35型スカイラインとプラットフォームやサスペンション、エンジンを共用することで価格を抑え、開発責任者が放った「Zは毎年進化する」の言葉通りにエンジンの改良はモデル末期まで4度に渡り行われました。モータースポーツでの活躍と国内外のカー・オブ・ザ・イヤーやグッドデザイン賞にも名を連ね、そのブランド力をさらに強固にしたモデルといえるでしょう。 【基本スペック】 販売期間 2002~2008年 乗車定員 2名 駆動方式 FR エンジン ・V6 3.5L VQ35DE型・V6 3.5L VQ35HR型・V6 3.8L VQ35HR型改  

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