「車売却ってそもそもどんな流れなのか」「車の相続について相談したい」など車売却をご検討の際に出てくる悩みに無料でお答えいたします!
【相談例】
● 車売却のそもそもの流れが分からない
● どういった売り方が最適か相談したい
● 相続で車を売りたいけど売り方が分からない
● 二重査定や減額について知りたい
など
たびたび映画やドラマに登場し、物言わぬ小道具として作品を印象付けるうえで、大きな役割を果たす古いアメ車は、いつの時代も一定の人気があります。今回は、男性なら一度はあこがれるアメ車の魅力と、人気のある古いアメ車を高くるコツについてお話して行きましょう。 アメ車は広い国土を象徴するかのような大きさと豪快さが最大の魅力 古いアメ車が人気の秘密は、何といっても現代の車にはない存在感と、国産車とはひと味もふた味も違う個性です。昨今、車を評価し選ぶ上でハイブリッドやアイドリングストップをはじめとした燃費性能が重視されます。しかし、多くのアメ車に搭載されているエンジンは、ロングストロークの大排気量エンジンが主流で、正直なところ“省燃費”という概念は皆無で、お世辞にも燃費が良いとは言えません。 もちろん、車を維持していくうえで燃費は重要ですが、大きく、強く、豪快であることこそアメ車の特徴であり最大の魅力なのです。そして、旧車になればなるほどその特徴は色濃くなっていきます。 これぞU.S.A!アメリカを代表する車 キャデラック フリートウッド 直線のみで構成されているかのような角ばったデザイン、そして、やたらと長いボンネットとトランク。搭載されれるエンジンは5.0Lを超える大排気量と、まさしく強いアメリカを象徴するような、フルサイズセダンです。 シボレー サバーバン 初代サバーバンが登場したのは1935年と古く、アメ車の中でも息の長いフルサイズSUV。搭載できたエンジンも巨大で、中には7.4Lという桁外れのエンジンをオプションえ搭載できるモデルがあったほどです。ちなみに兄弟車として、全長がやや短いタホも存在します。 フォード マスタング 初代マスタングが登場した1964年当時、本体価格を抑え、エンジンまでもオプションで選択するという手法であらゆる層から支持を集め、アメリカを代表するスポーツカーと言われるまでに。現在フォードは日本での正規販売を取りやめてしまいましたが、日本でも根強いファンを持つアメリカンスポーツカーです。 シボレー カマロ 上記マスタングと並んで、アメリカの若者を中心に人気のスポーツカーです。大人気映画トランスフォーマーの第1作目に登場したバンブルビーが、最初にスキャンしたのは2代目カマロ。そのほか、カマロは多くの映画やドラマに登場しており、その人気がうかがえます。 リンカーン ナビゲーター キャデラックとならんで、歴代のアメリカ大統領専用車として使用されてきたリンカーンのフルサイズSUVであるナビゲーター。1997年に初代が登場するやいなや大人気となり、これまで続く高級SUVの先駆者的な存在と言っても過言ではありません。 そして上記以外にも、特に日本で人気のあるアメリカンクラシックカーが存在します。 ・シボレー ベル・エアー:これぞ華やかなアメリカを連想させるテールフィンが大きな特徴 ・プリムス ロードランナー:ワーナーブラザーズのアニメに登場する「ロードランナー」の鳴き声を模したクラクションを装備 ・シボレー C10:これぞアメリカのピックアップトラックという見た目がオシャレ 燃費の悪さもなんのその!価値が高く評価れるアメリカの旧車たち 近年の低燃費思考から考えると、まさしく時代に逆行しているような印象のアメ車ですが、ある一定の年代を境に、旧車としての価値を認められ高い価格で流通している車種もあります。代表的なところでは、大人気映画ワイルドスピードに登場したダッジチャレンジャーや、アメリカンスポーツカーの代名詞でもあるシボレー コルベット。さらに、これもテレビドラマで人気を博したナイトライダーのキット(K.I.T.T.)として登場したポンティアック・ファイヤーバードなど、1970年代から80年代に登場した車種が人気となっています。 また、上記の3車種以外でも、故障しても比較的修理のしやすい年代が人気で、国産車には無いアメ車らしい堂々とした佇まいと、アメ車にしか出せない個性が最大の魅力なのです。 古いアメ車を手放すなら価値のわかる専門店に相談 国産車、アメ車を問わず古い車を手放すのであれば、きちんとその車の価値を評価できる業者に売ることが最も重要です。現在、古い車を専門に扱う業者はいくつもありますが、その多くは、限られたメーカーや車種に特化している場合もすくなくありません。 その点、幅広い取り扱い実績を持つ旧車王は、レアなアメ車であってもきちんと評価してもらうことができ、高く売れる可能性があります。どこの業者に相談するか悩んでいるのであれば、まずは旧車王に相談してみてはいかがでしょうか? [ライター/増田真吾]
ロングノーズショートデッキと聞いてフェアレディZを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか?しかし、ここでは、根強い人気のある「S30」「S130」「Z31」のそれぞれの人気の理由や買取相場等についてご紹介させていただきます。 伝統的なロングノーズショートデッキ ロングノーズショートデッキは、1960年~1970年代のスポーツカーが理想としていたプロポーションです。ロングノーズは大排気量エンジンを搭載していることの象徴であり、長いノーズがエンジンのパワーを現わし、短いリヤデッキが俊敏性を主張しています。 フェアレディZの歴史は、L20型搭載のZ、Z-L、S20型搭載のZ432の3モデルでスタートします。そして、S20型は同じ年の2月に登場したスカイライン2000GT-Rと同機であることは言うまでもありませんが、日本GPなどで活躍したプリンス・R380に搭載されていたGR8型の量産型エンジンと言われています。432という車名も、「4バルブ・3キャブレター・2カムシャフト」というS20型のエンジンの構造に由来します。 輸出専用モデルであった240Zは、1971年10月から国内向けの市販も開始します。150psを発揮するL24型エンジンを搭載しており、Z432の外見上は他のZとあまり変わらなかったのに対し、240ZGはGノーズやオーバーフェンダーで差別化が図られました。1973年9月には、排出ガス規制の関係でZ432の生産は打ち切られました。 伝統的なロングノーズショートデッキのコンセプトは、この後登場するS130型(1978〜1983年)とZ31型(1983〜1989年)が引き継ぎますが、1989年に登場したZ32型が大きくデザインを変更したため、時代の流れとともに終焉を迎えます。 ニッサンの旧車といえばフェアレディZ? 根強い人気のあるフェアレディZですが、やはり一番人気は初代S30型となります。S30系はヨーロッパ勢の高級GT並みのエンジンスペックとロングノーズショートデッキの魅力あるデザインを合わせ持ちながら、車両価が格84万円からと(トヨタ2000GTの238万円に比べると3分の1)非常にリーズナブルであったことで、北米市場を中心に世界総販売台数55万台という大記録を打ち立てました。最近は、当時不人気車種だったにもかかわらず、中古車価格が高騰しているケースがありますが、旧車を買う方の理由は当時人気で憧れのクルマだったからというケースがほとんどではないでしょうか?また、走り屋の主人公の愛車として描かれた「湾岸ミッドナイト」も人気を後押ししています。 次に人気なのが、意外にも3代目のZ31型です。主な人気の理由は、最高出力230ps/34.0kg-mを誇るVG30ET(2960ccV型6気筒ターボ)を搭載することで、運動性能を向上とヨーロッパ仕様で250km/h巡行を可能にした当時の国産スポーツカーの中では頭ひとつ飛び抜けた動力性能と言われております。 最後が、大門団長専用車「スーパーZ」のベース車両となったことで知らる2代目S130型です。スタイリングは大人気の初代を踏襲しておりましたが、肥大化したボディと間延びしたような2by2が不評で「過渡期のZ」と呼ばれた時期もありましたが、今では中古車価格が高騰しており、Z31型との人気の差はほとんどないと言えるでしょう。 フェアレディZっていくらで売れるの? 歴代フェアレディZはいくらくらいで売れるのでしょうか?先ず2代目であるS130型は250~300万円、もしくは状態の良い個体で300万円後半というかなりの高値が付いています。3代目のZ31もおおよそ同じような傾向です。 しかし、初代のS30型に関してはS130型やZ31型の2~3倍は当たり前で人気の高さがうかがい知れます。さらに、オリジナルコンディションはもちろんこと、RB25に換装するなどのいわゆる「レストモッド」された個体までも高価で取引されているのがZ30型の買取相場の特徴です。 但し、これはあくまでも店頭価格となりますので、修復に掛かる費用は差し引かなければなりません。逆に既にレストアされている個体であればご紹介させていただいた価格に近い評価を得られる可能性もあります。最近では、1000万円を超える買取事例も存在しており、当時の新車価格を考えると最もプレミアが付いている旧車と言っても過言ではありません。 旧車のフェアレディZを少しでも高く売りたいなら 旧車のフェアレディZを少しでも高く売るためには、いかにコンディションを良好に保つことが出来るかという点が重要なのはもちろんのこと、それぞれの車のヒストリーやカスタマイズにおける一つひとつのパーツの価値まで汲み取ることが出来る旧車買取専門店に査定を依頼することです。 旧車王は今日までに数多くの旧車の買取実績があり、日頃からお客様にご満足いただける買取額をご提示出来ていると自負しております。そして、さらに幅広い知見を蓄積していくことで、今後も旧車の真の価値が見極められる買取を続けてまいります。 [ライター/旧車王編集部]
MR2は、1984年に登場した国産車初の市販ミッドシップスポーツです。1989年にフルモデルチェンジが行われ、1999年まで販売された15年の歴史を刻んだトヨタが誇る名車です。一般のユーザーが手に届く価格でフェラーリなどのスーパーカーと同様のミッドシップレイアウトを実現したバブル時代だからこそなし得たスポーツカーでした。とくに、現代でも通用するポテンシャルを持っていると言われる2代目であるSW20型は、ネオクラシックカーブームの後押しもあり、今なお高い人気を誇っています。 SW20型は、なぜ「迷車」と言われるのか? MR2のSW20型には、有名なエピソードがあります。それは、一般的には高い評価を得ているSW20型ですが、「迷車」と呼ばれるくらい初期型の出来が酷く、2型以降のモデルとは全く評価が異なることです。具体的には、MR2の初のモデルチェンジはデザイン重視に振りすぎたと言われており、そのためボディ剛性不足に陥ってしまいました。それ以外にも、フロントショックアブソーバーのストローク不足、フロントサスペンションのキャスター角不足、見た目もいまいちだった14インチのタイヤ&ホイールサイズなどの問題があり、元々ピーキーな特性のミッドシップレイアウトにもかかわらず、初期型は「あ、やばい」と思った時にはスピンしていると言われるくらい、そのピーキーさを助長している車となってしまいました。しかし、2型以降は弱点と言われたピーキーさはほとんど影を潜め、15インチタイヤ&ホイールなどによる見た目の変更もあり、高い人気を得ることが出来たのです。 MR2(SW20型)の中古車を上手に買うためには MR2(SW20型)の中古車を購入する際に重要なことは、2型以降を選ぶということです。理由は前述の通りですが、最近では殆ど中古車を見かけなくなってしまったので、その点を心配する必要はないと言えるでしょう。それよりも、3型以降のターボのGT系とVVT-i(可変バルブタイミング機構)化により200馬力の出力を得たNA・2Lの5型のGリミテッドを比較するユーザーが多いはずです。仮に、250万円前後で購入を考えた場合に、この2つのモデルの間には少なくても4~5年の開きがありますので、非常に悩みどころと言えるです。もちろん、5型のターボを買えれば一番良いのですが、最近の相場では優に300万円を超えてきます。 MR2(SW20型)と言えば、ターボのGT系を思い浮かべる方がほとんどだと思いますが、25年以上経過してしまっている個体も多く、距離なども含めて良い状態が望めなくなっているのが現実です。なおかつタマ数も極端に少なくなってきているため、購入にあたっては相当な苦労を覚悟しなければなりません。それに対して、5型のGリミテッドは比較的走行距離が少なく状態が良い個体が安価で手に入ります。最終型の5型ですので、年式が新しいことは言うまでもありません。現行の86/BRZが200馬力程度のことを考えれば、200馬力のNAエンジンは十分に魅力的です。「MR2(SW20型)の5型をNAであまりお金をかけずに楽しむ。」これが、旧車王からの提案であり、これからのMR2(SW20型)の楽しみ方かもしれません。 [ライター/旧車王編集部]
燃費が良く安全、それでいてエンジンは低回転から最大トルクを発生して乗りやすい。近年販売される車種のほとんどはとにかく優秀で良くできた車ばかりです。しかし、優秀過ぎるが故、操る楽しさやエンジン回転数に伴って加速する気持ちよさが半減してしまったと感じている方の少なくないと思います。そこで今回は、ホンダが世に送り出したピュア中のピュアなスポーツカー、S2000の特徴と中古車事情についてお話していきましょう。 速く走ることを宿命づけられたホンダのFRスポーツ ホンダ S2000は、本田技研工業創立50周年を記念して開発されたFRオープンスポーツカー。ホンダとしては約29年ぶりであったことから、大きな話題となりました。 もともとVTECエンジンで名をはせていたホンダらしく、搭載されるF20C型 直列4気筒2.0L DOHC VTECエンジンは、最高出力250馬力、最大トルク22.2kgmを発生。許容回転数は9000rpmと、市販車としては異例の超高回転型エンジンで、どこまでも回りそうなエンジンフィールが大きな特徴です。トランスミッションは6速MTのみ、サスペンションも速く走ることだけを考えて開発され、2005年11月まで製造された前期型は、乗り手の腕を選ぶとまで言われていました。 一方、2005年年末以降の後期型は、エンジンはアメリカ向けに開発された2.2L(F20C型)に変更され、最高出力は242馬力、許容回転数は8000rpmに引き下げられます。しかし、その分低中速トルクが厚くなり、街中での扱いやすさが向上。さらにサスペンションチューニングも見直されたことで、前期型よりもマイルドで誰でも乗りやすいスポーツカーに進化しています。 流通台数も少なく新車価格超えは当たり前! S2000に限らず、90年代に発売されたスポーツカーの中古車相場は軒並み高騰しています。その中でも、S2000の中古車相場は特に高騰しており、2020年8月現在の大手中古車検索サイトでもっとも安い車両は、1999年式で走行距離は19.3万kmの128万円(車両価格、消費税別)。20年以上前の車両で、走行距離が20万kmに迫っていることを考えると、かなり異例であることがわかると思います。 また、2006年以降の後期型はさらに高く、修復歴無しで3万km以下の低走行距離車となると、新車価格を上回る値付けがされている、もしくは「応相談」となっているほどです。 走り倒したいなら前期型、気持ちの良いセカンドカーなら後期型 そんなホンダ S2000を購入したいのであれば、できるだけ早く購入することをオススメ。ここ何年かの値動きを見ていると、ほぼ横ばいで推移しているものの、掲載台数は明らかに減少しています。つまり、当然のことながら程度のいい個体、もしくは、価格が安い個体からどんどん売れているため、時間が経てば経つほど選べる候補が少なくなってしまいます。 オススメの選び方としては、S2000を購入後、サーキットなどに持ち込んでスポーツ走行を楽しみたい方なら、直しながら乗ることを前提に2005年11月以前の前期型。特にサーキットには行かないが、気持ちよく走れるスポーツカーを探しているなら後期型がオススメです。 狙いはガラススクリーンの2001年以降!ただし修復歴車は慎重に オープンカーであるS2000のウイークポイントはやはり幌。雨漏れはある程度覚悟しなければいけませんし、通常のクーペとは違い、走行音はかなり大きめです。また、購入するなら、リヤスクリーンがガラスに変更された2001年以降を選びましょう。 そして、やはり注意しなければいけないのが修復歴車の存在。一口に修復歴と言っても、損傷の程度は大きく違います。そのため、購入後に発生するトラブルも予想ができず、いくら安いからとは言え絶対におすすめできません。 ただし、S2000は性格上、他車種に比べ修復歴ありの比率がやや高めで、2020年8月の掲載台数で言えば、156台中61台が修復歴あり。そのため、どうしても手に入れたいのであれば、修復歴車も候補にせざるを得ないかもしれません。その場合は、販売店が信頼できるかどうかを見極め、購入後も頼りにできる整備工場や専門ショップを見つけておくようにしましょう。 今後相場が下がる心配なし売却先選びが重要 ここまでお話ししたように、S2000の中古車相場は、かなり高いところで安定しています。また、それだけ高騰しているにも関わらず、コンスタントに台数が減っているところから見て、需要もかなりあると言うことがわかります。また、今後相場が大きく落ちる可能性はほぼないと言っていいでしょう。 そのため、これからS2000の売却を考えているなら、焦らなくてもそれなりの価格で売却することができそうです。しかし、だからこそきちんと評価してくれる店舗を見つけることが最重要ポイント。相場が落ちる可能性が極めて低い車種であるため、焦らずじっくり売却探すことがオススメです。 [ライター/増田真吾]
2020年9月16日、日産は新型フェアレディZプロトタイプをオンラインで公開。歴代Zの要素を随所に散りばめた姿は、大きな話題となりました。そんなフェアレディZの歴史の中で、大きな転換点になったのは、4代目に当たるZ32型。今回は新型フェアレディZ登場にちなみ、4代目Z32型フェアレディZの特徴を振り返りつつ、中古車事情についてお話していきましょう。 国産スポーツカーの歴史を作ったZ32型フェアレディZ Z32型フェアレディZが登場したのは1989年当時、日本はバブル経済の絶頂期を迎えていました。そんな時代に開発されたこともあり、より完璧なスポーツカーを目指してありとあらゆる技術が惜しみなく投入。その結果、先代Z31型までの伝統よりも、新たなフェアレディZとして大きな転換点を迎えます。 その最たるところはデザインで、初代S30型から踏襲してきたロングノーズ・ショートデッキのスタイルではなく、時代の潮流を意識したワイド&ローなスタイルに変更。伝統の2シーターに加え、2+2の通称“2by2”が用意されていたことも、景気が良かったことを物語っています。 そして、エンジンはこれまた伝統だった直列6気筒を完全に廃止し、V6 3リッターDOHC NAのVG30DE型エンジンと、ツインターボチャージャーを加えたVG30DETT型エンジンを搭載。ツインターボVG30DETT型エンジンは、当初300馬力超えを視野に入れて開発されていたものの、お国からの指導により280馬力にデチューンすることになります。このことが前例となり、国産車にしか存在しい「280馬力自主規制」のきっかけとなったのです。 中古車の流通量は少なめで相場はやや高騰 バブル崩壊と日産の経営不振が重なったことで、Z32型フェアレディZは2000年まで生産されることになります。しかし、景気が悪い中新車のスポーツカーを買うユーザーは少なく、11年という長期間で合ったにもかかわらず販売は低迷。販売期間のおよそ11年間で約16万5千台ほどの販売にとどまりました。 そのため、中古車として流通している台数も多くなく、大手中古車検索サイトを見る限り、全国で64台しかありません。また、スポーツカーという性格上、修復歴車もやや多め。修復歴なしの低走行車でツインターボの場合、当時の新車販売価格を超える値付けがされています。 じっくり探せばお買い得な中古車を見つけられるかも!? そんなプレミア価格ともいえる値付けがされたZ32型フェアレディZの中古車ですが、すべての中古車が常軌を逸した価格かと言えばそうではありません。2020年9月現在の情報では、AT、修復歴無しのツインターボでも60万円を切る個体も存在しています。 ただし、新しい年式でも20年落ちとなる、いわばネオクラシックに分類される車種であるため、価格が安い個体は塗装の状態がイマイチで、走行距離は多めです。予算としっかり相談しながら、できるだけ程度の良い個体をじっくり探すと良いでしょう。 中古車販売店によって値付けはバラバラ Z32型フェアレディZの中古車情報でもう一つ特徴的なことは、価格が応相談となっている個体が、調査時点で8台も存在していることです。また、走行距離や年式と価格が必ずしも比例していないという印象です。 つまりそれは、一般的な中古車とは違い、販売店の価値観や考え方で値付けされているということを意味します。そのため、よほどビビビッとくる個体ではない限り、ゆっくりじっくり探すことが大切。走行距離、塗装の劣化具合、カスタム内容など、これなら欲しい!と思える1台に出会うまで焦らず探すようにしましょう。 これ以上の値上がりの可能性は低いもののリセールバリューは高め Z32型フェアレディZは、セダンやコンパクトカーに比べ、中古車価格が高めに推移しているのは確かです。しかし、同時期に販売されていたR32スカイラインGT-Rのように、1000万を超えるような価格は期待できません。 その理由は、Z32型フェアレディZがアメリカの25年ルールと無関係だからです。規制によってアメリカに輸入できなかった日本車でも、25年以上経過することでクラシックカーという扱いになり、輸入できるようになるというもの。その法律によって日本でしか販売されていなかった歴代スカイラインGT-Rは、軒並み新車価格以上の高値で売買されるようになってしまいました。 一方、Z32型フェアレディZは、新車当時からアメリカで販売されていたため、25年ルールによる値上がりには無関係なのです。とは言え、今後台数が減少していくことが明白であるため、これ以上中古車相場が下がることあり得ません。したがって、もしこれからZ32型フェアレディZの売却を考えているなら、その価値をしっかり見極め、買取価格に反映してくれる買取店を探すようにしましょう。 [ライター/増田真吾]
旧車バブルやスポーツカーの価格高騰が騒がれている今日この頃ですが、そんな中に100万円程度で購入出来てしまうロータリースポーツが存在します。その車は、最後のロータリー車「RX-8」 であり、ここではRX-8が評価されない理由や中古車選びのポイントなどについてご紹介させていただきます。 RX-8の前に立ちはだかるRX-7(FD3S)の厚い壁 昨今の旧車・ネオクラシックカーブームは、一部の車種で3000万円を超える取引が行われるなど、その勢いは留まるところを知りません。そんな中でロータリーの代表的な車種である3代目RX-7、通称エフ・ディー(FD)が高値で取引されていることは言うまでもありません。 ところが、最後のロータリーエンジン搭載市販車であるRX-8が100万円前後で購入出来るという異常事態が発生しているのです。もちろん、RX-7が高値で取引される理由には、日本一美しいと言っても過言ではないエクステリアデザインやストリート仕様でも500馬力オーバーが狙える13Bロータリー・ターボなどがあります。また、RX-8の価格の安さの背景には、環境を優先させてNAロータリーにしなければならかったという事情があったのも、また事実です。 しかし、いくらRX-8の魅力がRX-7に劣ると言っても、トルセンLSDが標準のタイプSを購入すれば何もいじらずにドリフトが可能なポテンシャルを持ちあわせており、何しろ高年式のロータリーが購入出来ることは、RX-7では絶対に手に入れることの出来ない大きな魅力のひとつなのです。 そのことにいち早く気づいた若い世代のユーザーが、中古車価格の安さを武器にカスタマイズやサーキット走行などを楽しんおりますが、皆共通して言えることはロータリーエンジンの魅力に取り憑かれていることです。さらに言えば、旧車・ネオクラシックカーのスポーツカーの歴史を振り返れば、購入から何年か後に価格が高騰することはほぼ間違いのない事実と言えます。 ポルシェやベンツと真っ向勝負の末にルマン24時間耐久レースを制した伝説の車「マツダ 787B」は、総排気量2600cc(654x4)のNA4ローターでした。つまり、RX-8のNAロータリーには、RX-7では味わうことが出来ない魅力があり、ロータリーエンジンにとってターボが全てではないということです。 RX-8の中古車選びのポイント RX-8の中古車を選ぶ際の注意点は、2008年にマイナーチェンジが行われていることを頭に入れておくことと、グレードごとの装備や違いを理解することです。 まず、マイナーチェンジに関しては、エクステリアデザインやエンジンの仕様が大きく変更されており、一般的には無難に後期型を選びましょうという話しになります。ところが、この世代のスポーツカーは、マイナーチェンジの際にエンジンをデチューンする場合があり、RX-8もこれに当てはまります。具体的には、ベースグレードは210ps→215psとなっておりますが、250psのタイプSはレギュラーガソリンを使用してしまった時の対応幅を拡大させたなどの理由により、何と15psもパワーダウンしてしまったのです。したがって、前期型のタイプSも十分に魅力的と言えるのです。 次にグレードに関しては、ざっくりと言ってしまえば、ドリフトまでこなすトルセンLSDが標準装備のタイプSか、あくまでロータリーの雰囲気を楽しみたいベースグレードかのどちらかになりますが、カスタマイズやチューニングを考えるのであれば、グレードにこだわる必要はなく、「乗りたいと思える一台」を探すことが最も大切になってくるのかもしれません。それに付随して、やはりオーバーホールが必要なロータリー車ですので、走行距離はなるべく少ない方がいいでしょう。 最後に、マツダ車は基本的に楽ナビなどの社外ナビが取付出来ません。そんなお悩みには、「カナック(Kanatechs)品番:TBX-T003R カーナビ/オーディオ取付キット」が解決してくれますので、参考にしていただければ幸いです。 [ライター/旧車王編集部]
2021年8月2日に新型300系を発売したトヨタ ランドクルーザー。現在も世界中で愛され続けているその歴史を語る上で、高い悪路走破性はそのままに、見た目も中身もファミリーユースに特化させたFJ55系の存在は外せません。今回はそんなステーションワゴン系の初代モデル、ランドクルーザー FJ55系の魅力や中古市場について紹介していきましょう。 半世紀以上前に誕生したFJ55系とは? 1967年8月に発売されたFJ55系は、レジャー利用を目的とした北米市場向けに開発されたランドクルーザー初のステーションワゴンです。 シリーズ初の社内デザイナーによる曲線を使った近代的なエクステリアに、室内にはウレタン製の保護パッドや発砲レザーのシートを採用。乗用車向けの多くの工夫を凝らし、アメリカのファミリー層から高い人気を獲得しました。 全長4,675mm×全幅1,735mm×全高1,865mm、パワートレインはそれまでの40系を引き継いでおり、最高出力は125馬力の3.9リッター直列6気筒OHVの「F型」エンジンを搭載。トランスミッションはコラムシフトの3速MTを基本とし、パートタイムの4輪駆動が装備されていました。 FJ55のマイナーチェンジにあたるFJ56 1975年、新たに定められた排ガス規制に適合させるため、FJ55系のエンジンは4.2リッター直列6気筒OHVの「2F型」となり、日本モデルのみ型式名もFJ56へと変更。エンジンの最高出力は140psまでアップし、トランスミッションも3速のコラムシフトから4速のフロアシフトへと改良されています。 最新の300系まで続く歴代ステーションワゴン系ランドクルーザー ヒットモデルを生み出し続けているランドクルーザーシリーズ。ここではFJ55系を始めとしたステーションワゴンタイプの各モデルを紹介していきます。 55系(初代:1967年~1980年) 上の項でも紹介したとおり、55系はランドクルーザーシリーズ初のステーションワゴンモデルです。それまでの武骨なデザインから脱したキャッチーな見た目と、居住性が向上したインテリアは北米市場で高い評価を得ました。 60系(2代目:1980年~1989年) 従来までの4.2リッターガソリンエンジンにくわえ、新たに3.4リッター直列4気筒ディーゼルエンジンも選択できるようになった60系。ハイルーフタイプやリアゲートの開閉方法、オーバーフェンダーの有無に角目ヘッドライトなど、モデルやグレード毎に多くのバリエーションが存在するのが特徴です。 80系(3代目:1989年~1998年) 80系はオンロードも快適に走ることができるというコンセプトのもと開発され、サスペンションも60系の板バネ式からコイルスプリング式に変更するなど、大幅な改良が加えられました。 エクステリア、インテリア共に高級感を感じさせ、ワゴンとしての使いやすさだけではなく上質さもプラス。以降最新の300系まで続く、ラグジュアリー性を持った革新的なモデルです。 100系(4代目:1998年~2007年) 新開発の4.7リッターV型8気筒ガソリンエンジンと、80系でも採用されていた4.2リッター・直6ディーゼルターボエンジンを搭載した100系。車体幅を拡大したことにより、車両安定性の向上と、広大な車内空間が得られ、高級4WDとしてのプレステージ性も高めたモデルです。 200系(5代目:2007年~2021年) 200系となりボディサイズは全長60mm、全幅30mとさらに拡大。2007年発売当時の国内仕様には、新たに吸気VVT-iを採用した2UZ-FE型を搭載し、100系の頃に比べ最高出力は53psアップされています。 車体は大きくなったものの、最小回転半径は100系と変わらないなど、運転のしやすさにも力を入れられています。 300系(6代目/現行型:2021年~) 2021年8月から待望の新型として登場した300系は、伝統のラダーフレームを継承しつつトヨタの新TNGAプラットフォーム「GA-F」を採用。軽量化や低重心、高剛性化などさまざまな改良が施されました。 エンジンは3.5リッターV6ガソリン、3.3リッターV6ディーゼルが選べ、どちらもツインターボを搭載。正式発表前となる2021年7月中旬の段階で受注停止になるほどの人気で、同年8月2日の発売日以降に購入した場合、納車は1年以上とアナウンスされています。 FJ55の中古市場と購入の際にチェックしておきたいポイント 2021年7月の執筆時点で、大手中古車サイトのFJ55の在庫はわずか2台のみ。本体価格は消費税込みでそれぞれ398万円と458万円でした。 FJ55系は車自体の耐久性はあるものの、年数の経過もあり、ルーフやフェンダーにサビが発生しやすいので、購入を検討するならば現車確認が必須です。また、修理や交換部品が必要になった場合に備え、メンテナンスを任せられるショップを探しておくことも重要になってくるでしょう。 まとめ FJ55系は現在の300系まで続く、ステーションワゴン系ランドクルーザーの源流ともいえるモデルです。それまでは悪路を走行する作業車というイメージの強かったランドクルーザーでしたが、デザイナーによる先進的な外観、過ごしやすさを追求した室内空間は、アメリカ市場で広く受け入れられました。 ファミリーユースとしての可能性を大きく広げたFJ55系は、ランドクルーザーシリーズの立役者として、これからも歴史に残り続けるでしょう。
ハリウッド映画さながらのド派手なアクションと爆破シーンで、今や伝説とまで言われるTVドラマ「西部警察」。そんな西部警察を象徴するのが、さまざまな改造を施されたスーパーマシンです。 今回は、西部警察の中でも大門団長のスーパーZ(フェアレディZ 280 Tバールーフ 2by2)と並びRS軍団として主役級の活躍を見せた、モデルとしては6代目となるR30スカイラインを振り返ってみましょう。 数多くの大胆な試みが、日産流自動車作りの財産に 6代目スカイラインが生産されたのは、1981年から1990年まで。多彩なボディバリエーションにGTまたはTIという基本2系統からなるグレードが与えられています。 ターボチャージャーの追加やインタークーラーの搭載、点火系の変更、パワステとパワーウインドウの採用、ラジエターグリルの廃止、バケットシート、ブロンドガラスの採用、などなど、ほぼ年次ごとに事細かな改良・改善が加えられました。 ある意味、年次ごとに事実上の別モデル扱いとなる現代的自動車のあり方を示したパイオニアであり、その試行錯誤こそが後々に生まれる純血のサラブレッド“R32型GT-R”として実を結んだのです。 厳しさを増す排ガス規制と安全性の高まりを受けて 当時は公害をはじめ、環境破壊問題がいま以上に弾劾されていた時代。象徴とされた排ガスの規制や公道における暴走行為の取り締まり、ひいては安全志向の高まりなど、スポーツ走行を楽しむには厳しい状況下にありました。 それでも日産は輝かしい走りの伝統を受け継ぐべく、モータースポーツ好きとして世界的に知られるハリウッド俳優のポール・ニューマンを起用したイメージ戦略を打ち、環境面にも配慮した「ハードトップ2000GT-E・S(HR30)」を誕生させます。 伝統の直列6気筒から4気筒エンジンへ ハードトップ2000GT-E・S(HR30)に搭載された1998cc直列6気筒SOHCターボエンジンは、最高出力145馬力を発生。日産モータースポーツの系譜に連なるには十二分過ぎる実力を秘めていました。 しかし、「4バルブなくしてDOHCは語れない」というキャッチコピーのもと、1981年10月に登場した2000RS(DR30)に搭載されたFJ20E型エンジンは、4気筒のNAでありながら最高出力150馬力を発生。さらに、1983年にはFJ20E型にターボを装着し、最高出力190馬力を誇る2000ターボRS(DR30JFT)が誕生し、スカイラインのトップモデルは6気筒から4気筒へと移り変わることになります。 国産車初のリッター100馬力を突破 「史上最強のスカイライン」というキャッチコピーが与えられた2000ターボRSですが、往年のスカイラインファンから「直列6気筒を捨てた」と言われ、批判的な捉えられ方をされてしまいます。 理由は伝統の直列6気筒エンジンを搭載していなかったことと、GT-Rの名を名乗らなかったこと。もちろん日産社内にもGT-R復活を熱望する声が多くあったそうですが、最先端の直列6気筒DOHCエンジンを搭載できなかったため、GT-Rの名が復活することはありませんでした。 しかし、1984年にはラジエターグリルレス仕様の後期型がデビュー。「鉄仮面」という愛称で親しまれると共に、2000ターボインタークーラーRSの最高出力は205馬力に到達。国産車として初めて「リッター100馬力の壁」を突破し、以後ターボエンジン搭載モデルによるパワー競争の火付け役となりました。 また、RS(レーシング スポーツ)の名の通り、グループ5規定の富士スーパーシルエットシリーズをはじめとしたさまざまなレースで活躍。発売当時の批判を跳ね返すかのように、R30スカイラインはマニア垂涎の名車となったのです。 R30スカイラインカスタムのお手本は西部警察!? R30スカイラインの人気をさらに高めたのが、冒頭にも触れた「西部警察」での活躍です。 西部警察パートIIIに登場したRS軍団は、RS-1、RS-2、RS-3という3台のDR30スカイラインが登場。その人気はかなりなもので、中には劇中車を忠実に再現したオーナーがいるほど、DR30スカイラインカスタムの定番となっています。 西部警察RS軍団カスタムの基本は、赤と黒に塗り分けられたツートンカラーと、ゴールドのメッシュが渋すぎる「エンケイ メッシュ4」。さらに、日産プリンス純正のエアロブランド「AD Three」のエアロパーツを装着すれば、かなり劇中車に近い1台を作り上げることができます。 R35GT-Rへと続くメーカーのこだわり 「直列6気筒を捨てた」と批判され、「この前買ったばかりなのにもう型遅れじゃないか!」というクレームも多かったというR30スカイライン。しかし、そんな数々の悪評に負けず、ほぼ毎年のように改良を重ね、モータースポーツやテレビで活躍することで確固たる地位を築いたモデルでもあります。 そんな常に進化を続ける不屈の精神と、メーカーとしての強いこだわりは、2007年の誕生から2021年の今も進化し続けるR35GT-Rへと受け継がれているのです。 [ライター/増田真吾]
バブル景気に湧いていた1980年代後半に、「シーマ現象」という社会現象まで引き起こした高級車があります。 255馬力ものパワーを発生する、新開発のV型6気筒DOHCターボエンジンに、先進のエアサスペンションを装備し、最上位グレードは500万円超にもなった、日産 Y31シーマをご紹介します。 バブルという時代を反映して生まれた、初代シーマY31型 日産 Y31シーマは、既に販売されていたトヨタの高級車、クラウンの3ナンバーモデルに対抗するために開発されたピラーレスハードトップ車です。 当時クラウンを始め他社の3ナンバー車は、5ナンバー車の派生という位置付けだった中、Y31シーマは3ナンバー車専用車種として開発されました。この点がクラウンとの差別化にもつながり、ベースグレードでも300万円超という価格にも関わらず、販売初年度で36,400台の販売するほど大ヒット。「シーマ現象」という言葉まで生まれたのです。 バブルの象徴シーマ現象 Y31シーマ発売当時の日本は、いわゆるバブル景気の絶頂期を迎えようとしていたタイミング。高級志向が加速して、とにかく高価で高級ものを買うことが正義といった風潮がありましたした。 最上位グレードが500万円超にもなったシーマは、とにかく高いものを買いたいという当時のニーズに見事にマッチ。高級3ナンバー車としては、異例の大ヒットとなったことで、シーマ現象という言葉が生まれたのです。 伊藤かずえさんも乗っている Y31シーマシーマ発売当時から、今も女優として大活躍している伊藤かずえさんも、有名なシーマオーナーです。 当時から30年以上乗っている伊藤さんの所有しているモデルは、もちろん最上位のタイプIIリミテッドで、255馬力のVG30DETエンジンを搭載。日産自らが伊藤さんのシーマのレストアを行うことを発表し、大きな話題になりました。 国内最強の255馬力を発生する新開発エンジン Y31シーマに搭載されたエンジンは、NAとターボの吸気方式の異なる2種類の3リットルエンジン。どちらのエンジンも国産初のV型6気筒エンジンとなったVG型エンジンをDOHCモデルに進化させ、NAエンジンのVG30DEは、スポーツカーとして人気の高かったZ31フェアレディZにも搭載されていました。 さらに、新開発となったターボ仕様のVG30DETは、255馬力ものパワーを発揮しています。 上位グレードに搭載の255馬力ターボエンジン 上位モデルのタイプII-sとタイプIIリミテッドに搭載された新開発のVG30DETは、255馬力を発生し、当時、国産最強エンジンとも言われました。そんな最強エンジンのハイパワーを受け止めるには、Y31シーマのシャシーはやや役不足。アクセルを踏み込むリアが大きく沈み込み、ウィリーをしそうになるほどの爆発的な加速を見せます。 この尻下がり加速姿勢は、エンジンがシャシー性能を上回っていたことに加え、バイクのスイングアームのように後輪を前側から引っ張る形のセミトレーリングアームというサスペンション構造を採用していたことも大きな要因でした。押し出し感と威厳のある顔つきのY31シーマが、時にはお尻を擦りながら猛然と加速していく姿は、みんながパワフルだったバブル期を象徴する景色だったとも言えるでしょう。 エアサスについて 高級車として開発されたY31シーマは、足回りもエアサスペンションを装備するという豪華仕様。通常のバネを使用したモデルもありますが、やはりY31シーマを語るのであれば“エアサスモデル”は外せません。 先進の技術で高度なコントロールが可能だった Y31シーマのエアサスは、4つのモードを選択すると、走行状態や路面状況に応じて、車高、バネレート、減衰力をそれぞれ自動で制御する電子制御式。例えば、スポーティモード選択時に高速走行を行うと、車高が低くなり、減衰力がミディアムに制御され、走行安定性を確保します。 泣きどころは壊れやすさと高額な修理費用 ユーザーの好みにセッティングできるエアサスですが、最大の弱点は、お約束とも言われるほど故障が多かったこと。数年経つと発生する故障で、特に多かったのはエア漏れです。 エア漏れの原因は、エアチャンバー(空気バネ)本体の破損やパイピングの継ぎ目などさまざま、最悪の場合、数十万円以上の費用がかかることもあります。また、例え過去に修理したことがあったとしても、数年すると再び故障する可能性も低くありません。そこで、純正のエアサスを取り払い、社外品の車高調整式サスペンションに交換するユーザーも多くいます。 まとめ Y31初代シーマは、高額でも飛ぶように物が売れたという“バブル”の時代背景を追い風に、ボディ、エンジン、足回りと惜しげもなく資金を投入して開発されました。当時の国産車ではまだ限られていた、3ナンバー車の大きな車体、豪華な内装、そして高級車とは思えないパワーと加速性能、文字通り日産の技術を結集。当時の国産車の中で、最高峰に君臨するマシンであったことは間違いありません。 当時新開発だったVG30DETは、同じくV6エンジンで現在も製造されている、VQ型エンジンの礎となり、3ナンバー専用車種としてヒットしたことは、Y31シーマの翌年に発売されたトヨタ セルシオの登場にも大きな影響を与えたと言われています。 あまりにも爆発的に売れ、時代を象徴する存在にまでなってしまったY31初代シーマは、“バブルの徒花(あだばな)”と言われてしまうことも少なくありせん。しかし、効率重視の現代からすれば無駄と言われてもおかしくないほどの開発費を投じたことは、決して無駄ではなかったのです。 [ライター/増田真吾]
トヨタを代表するスポーツカーであるスープラは、2019年に新型GRスープラが復活し大きな話題となりました。ところが先代に当たるA80型スープラの人気は衰えることはなく、状態によっては1000万円を超える車両も存在するほど高い人気を誇っています。A80型スープラがそこまで人気となっている秘密と、その魅力について見ていきましょう。 90年代のトヨタフラッグシップスポーツ! スープラとしては4代目(日本では2代目)に当たるA80型スープラは、NA(自然吸気)仕様のSZとツインターボエンジンを搭載するRZをラインナップ。排気量は3.0リッターのみで、NA使用は225馬力、ツインターボ仕様は自主規制いっぱいの最高出力280馬力、最大トルク46.0kgf・m(1997年のマイナーチェンジ後)を発生します。 先代のA70型に比べ、全長は100mm、ホイールベースは45mm短縮。丸みのあるマッシブな見た目とは裏腹に、コーナリングマシンとしての側面を持ちます。 トランスミッションは、国産車初のゲトラグ製の6速マニュアルミッションを搭載。その走りは世界一過酷と言われるドイツ ニュルブルクリンクで鍛え上げられ、ハイパワーFRでありながら高いコントロール性を誇ります。また、モリゾウことトヨタ自動車社長の豊田章男氏が、マスタードライバーになるための訓練としてA80型スープラでニュルブルクリンクを走るなど、現在もトヨタの訓練用車両として活躍しています。 極上のマニュアルモデルは1000万円超! A80型スープラの中古車相場はかなり高騰。もっとも新しいモデルでも2002年製であるため、流通している台数が少ないこともありますが、一般的な中古車と比較すると、かなりのプレミア価格となっています。 原稿執筆時点の2020年10月の中古車情報を確認すると、もっとも安い車両は、1995年式 走行距離約8万km SZ ATモデルで約280万円。年式のわりに走行距離が少なめではありますが、もっとも人気のないNAのATモデルであるため割高感があります。 一方、価格応相談を除きもっとも高いモデルは、1994年式 走行距離1万km RZ 6MTモデルで、その価格はなんと1000万円オーバー。同モデルの新車価格は約440万円であるため、やはりかなり相場が高騰しているということがわかります。 あえての右ハンドルがアメリカで人気 スカイラインGT-Rをはじめとして、1990年代から2000年代前半に発売された日本製スポーツカーの中古車相場が軒並み高騰しています。その原因の一つが、アメリカの25年ルール。これは、もともとアメリカで右ハンドルの車を売ることができなかったところ、製造から25年が経過すると販売と登録が解禁される制度で、アメリカのバイヤーは25年の解禁を待って、日本の中古車を買い付けているのです。 A80型スープラは、まさにこの25年ルールに当てはまっています。さらに言えば、映画ワイルドスピードのヒットにより、“右ハンドルの日本車”が好まれるため、もともと左ハンドルの北米モデルがあるにもかかわらず、日本で販売されていたA80型スープラの中古車価格が高騰しているのです。 雰囲気を味わうだけならNAのATモデルがおすすめ これ以上価格が上がる前に、なんとかA80型スープラを購入したいと考えている方も多いと思いますが、余程強いこだわりがない限り、NAのATモデルをおすすめします。もちろん、A80型スープラと言えばツインターボの6速!といいたいところではありますが、やはり中古車としては高すぎると言わざるを得ません。 また、いくら高性能なFRスポーツとは言え、年式と走行距離からくる“ヤレ”は避けることができず、本来の走りを取り戻すためには相応のメンテナンス費用を覚悟する必要があるでしょう。 NAでは物足りないのでは?と思うかもしれませんが、最新のエンジンに比べ複雑な制御が介入していない分、直6大排気量NAの滑らかでトルクフルな感触をダイレクトに楽しむことができます。 リセールバリューは高値安定 A80型スープラが2002年に販売を終えてから、およそ17年後に5代目スープラ(DB型)が復活。BMWとの共同開発で誕生し、BMW Z4の兄弟車としても大きな話題となりました。そんな現行型スープラは、当然のことながらA80型スープラよりも高い走行性能と最新の安全装置を備えていますが、なんでも新しければ良いと言い切れないのが“車”という文化の面白いところ。 最新型が発売されてもA80型スープラの人気は衰えることはなく、余程保管状態が良くない、または修復歴車でもない限り、買取相場が落ちることはないでしょう。 ただし、A80型スープラならどんな店舗でも高く買ってくれるかと言えばそうではありません。そのため、今回の記事でご紹介したようなA80型スープラの価値をしっかり理解している買取店に相談することが大切です。 [ライター/増田真吾]