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トヨタ ランドクルーザー40系から100系までを徹底解説!300系まで続く国産プレミアムSUVの系譜
旧車の魅力と知識 2021.12.22

トヨタ ランドクルーザー40系から100系までを徹底解説!300系まで続く国産プレミアムSUVの系譜

初代モデルの登場から70周年を迎えたトヨタのフラッグシップSUV、ランドクルーザー。 力強い外観、強靭な四駆性能、そして高級感も併せ持つランドクルーザーは数あるトヨタ車のなかでも最長寿であり、未だに人気の絶えない車種となっています。 今回はそんなランドクルーザーでも、居住性や先進さを重視した「ステーションワゴン系」について紹介していきましょう。 ステーションワゴン系ランドクルーザーの歴史 ランドクルーザーは、もともと軍用車両(トヨタ・ジープBJ型)を祖先に持っているため、悪路走破性がもっとも重視されていました。しかし、シリーズを重ねるにつれて居住性や乗り心地、高級感の進化も求められ、徐々にラグジュアリーなプレミアムSUVとしての地位を確立していきます。 まずは、ランドクルーザーの進化の源流となった40系とそこから続くステーションワゴン系の55系、60系、80系、100系について解説していきます。 ランドクルーザーを身近にした40系(1960年~1984年) それまで作業車のイメージとは変わり、個人でも購入しやすくなったランドクルーザー40系。パーソナルユースも視野に入れ、当時アウトドアブームが到来したことで徐々に一般ユーザーにも受け入れられていきます。 世界各国への輸出も積極的に行い、ランドクルーザーの名は拡大。その高い悪路走破性能は世界でも認められ、約24年という長い期間販売されました。 元祖ステーションワゴン系の55系(1967年~1980年) 1967年40系から独立するかたちで、初代ステーションワゴン系の55系が登場します。 40系のロングボディタイプ「FJ45V」のモデルチェンジというかたちで発売された55系は、ホイールベースを50mm拡大し、居住性がさらに向上。レジャー利用を主として開発されたため、外観もキャッチーかつモダンな印象になりました。 内装にはウレタンパッドが貼られ、ベンチタイプのフロントシートは、後期型でセパレートタイプが選べるようになるなど、快適性は40系から飛躍的に高められています。 乗用自動車として快適さを増した60系(1980年~1989年) 55系の次期モデルとして、さらにレジャー向けに進化したのが60系です。力強い外観は残しつつも、大型ウィンドウの採用で運転視認性を向上させ、乗用車としてさらに使いやすくなりました。 エンジンは排気量を4.2リッターに増やした直6ガソリンエンジンと、新たに3.4リッターの直4ディーゼルエンジンを追加。日本国内ではバンとしての発売でしたが、エアコンやパワーステアリングなど快適装備も選べるようになったことで、多くのユーザーの人気を獲得しました。 コイルスプリング採用で上質な乗り心地の80系(1989年~1998年) 平成元年に登場した80系は、北米市場でのニーズも踏まえ、ボディは全長4,820×全幅1,830×全高1,900mm(バン)に拡大。これまではバンのみであったラインナップは、この80系から8人乗りのワゴンタイプも選べるようになりました。 サスペンションは60系までのリーフスプリングから、コイルスプリングに変更したことで乗り心地とハンドル性能がより滑らかに進化。その運転性の上質さから、80系は当時「四駆のクラウン」と評されていたほどでした。 ラグジュアリーSUVを本格化させた100系(1998年~2007年) 走行性や耐久性などの基本性能を向上させつつ、さらに高級路線に舵を切ったのが100系です。 武骨な雰囲気は残しつつも、全体的に丸みを帯びたフォルムにしたことで落ち着いた高級感を演出。エンジンは80系と同型の4.2リッターディーゼルターボと、新開発の4.7リッターV型8気筒が選択できました。 さらに専用大型バンパーや、パワーシート、本木目のインパネなど、数多くの高級装備を取り入れた最上級グレード「シグナス」が発売。この100系をきっかけに、ランドクルーザーはプレミアムSUVとしての方向性をさらに加速させていきます。 ステーションワゴン系の中古市場 歴史の長いステーションワゴン系のランドクルーザーですが、意外にも中古車市場では在庫が多く残っています。 記事執筆時の2021年11月時点では、1960年発売の40ランクルでも24台残っており、100ランクルに至っては250台も掲載されていました。 どの年代のモデルでも、安い個体は100万円前後で販売されています。しかし、走行距離が20万kmを超えているものが多く残っている状態のため、購入後のメンテナンスや維持には注意が必要です。一方、走行距離2~5万kmといった個体は、価格が600万円を超えるなど、新車価格を超えるプライスがつけられています。 そして、旧車王の買取価格は平均的に20〜250万円となっており、状態の良い80系や100系の上級グレードならば、350~400万円ほどの値がつくようです。 まとめ 1960年までは作業車としてのイメージが強かったランドクルーザーですが、40系の登場をきっかけに、一般ユースとして可能性の幅を広げました。 広い室内空間の55系、快適装備が増えた60系、乗り心地が向上した80系、ラグジュアリー志向を確立させた100系と着実に進化。その道のりは途切れることなく、世界中から注文が殺到する新型の300系へと受け継がれています。 ランドクルーザーを買い続けて20年以上納得の高価買取ならランド王https://www.qsha-oh.com/landcruiser/ [ライター/増田真吾]

自動車の相続は義務か?名義変更を行わない場合の問題点などを紹介します。
旧車の魅力と知識 2021.12.17

自動車の相続は義務か?名義変更を行わない場合の問題点などを紹介します。

自身が相続人になった場合に、不動産や預金などと同様に、自動車も相続が必要なのでしょうか。また、車の名義人以外が車を運転し続けていて問題ないのでしょうか。亡くなった方の名義のまま車を乗り続けた場合のリスクはどのようなものがあるのでしょうか。本記事では、亡くなった方の名義のまま車に乗り続けることはデメリットが多いということと、相続する場合の手続きについて紹介します。 自動車の相続は必要か  ここからは、知らない方も多い自動車の相続についてくわしく解説します。 自動車の相続とは  家や土地と同じように車も相続財産の一つとして扱われます。驚く方も多いかもしれませんが、自動車は“動くもの”にも関わらず“登記”が必要となり、土地や建物などと同様に“不動産”と分類されます。不動産扱いの財産として相続する事となるということで、所有者である名義人が亡くなった場合は相続の手続きが必要です。また、相続人が複数いれば共有財産となります。  「不動産扱いになる」「共有財産となる」などを聞くと、面倒な手続きが必要そうに感じますが、自動車の相続に必要な手続きは車の名義変更だけとなります。 自動車の相続は義務か  土地や建物同様に、車の相続は義務なのでしょうか。相続せずに放置した場合には、罰則などがあるのでしょうか。結論から記載すると、今現在では「相続における自動車の名義変更は義務ではない」とされており、放置しても罰則は有りません。しかし、道路運送車両法には次のように規定されており、自動車の名義変更としないとデメリットが非常に多いため、相続における名義変更を速やかに行うことをおすすめします。 “第十三条 新規登録を受けた自動車(以下「登録自動車」という。)について所有者の変更があつたときは、新所有者は、その事由があつた日から十五日以内に、国土交通大臣の行う移転登録の申請をしなければならない。” (引用元)道路運送車両法:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=326AC0000000185 自動車の名義変更を行わない場合の問題点  上で述べたように、自動車の相続における名義変更は義務では有りません。また、そのまま亡くなった方の車を乗り続けることも可能です。しかし、車検証上の所有者が亡くなっている場合には、使用者と所有者が異なること加え、複数相続人がいる場合には相続人全員が共有者となるため、廃車にすることも、売却することもすぐにはできません。それ以外にもデメリットがありますので紹介します。 廃車にする場合に相続は必要?  自動車を廃車にする手続きを「永久抹消登録」と言います。「永久抹消登録」は、所有者以外が勝手に行うことは出来ません。よって、車の所有者が亡くなってしまった場合は、「相続手続き」を行います(遺言書がなければ、法定相続人全員の共有財産になります。)が、その相続人により、永久抹消登録の手続きを行う必要があります。故人の車を乗り続けたいなど、今すぐ必要ではなくても、売却や廃車にする際のことを考えてすぐに相続をしておくことをおすすめします。 自動車税の納付に相続は必要?  自動車税の納税義務は、相続人が承継することとなります。特に亡くなった車の所有者と、相続した家族が違う場所に住んでいる場合には、自動車税納付書が届かず、滞納になってしまうなどトラブルとなる可能性があります。自動車をそのまま利用するようであれば、かならず県税事務所に連絡して、住所の変更を行うなどの手続きをするようにしましょう。 相続しなくても任意保険が適用になる?  被害者救済の観点から、車の名義、保険がそのままであっても、有効な保険期間内であれば補償が受けられることもあります。しかし、被保険者を相続人に変更しておかないと、事故の際に支払いが遅れたり、万が一にも保証が受けられないケースが発生するなど大きなトラブルになる可能性があります。所有者が亡くなった場合は、法定相続人代表の方から早めに保険会社に連絡して、名義変更の手続を済ませましょう。 自動車の相続の方法  自動車の相続は、必須で直ぐに必要ではないがトラブル回避のためにはなるべく早く行うことが大切などこがわかったかと思います。では、自動車の相続の方法はどのように進めたら良いのでしょうか。自分が手続きするのか、それ以外に依頼するのか具体的に例を上げながら紹介します。 自分で手続きを行う  自分で手続を行う場合には、平日(平日8時45分~16時)に手続きを行う必要があるというデメリットもありますが、申請代行費用が不要なため、時間はかかっても費用を安く済ませたいという方に向いた手続き方法となります。  申請には、相続時に必要な遺産分割協議書等書類と合わせて、以下の通常の自動車の名義変更に必要な書類を用意します。それらを持参し、陸運局(ナンバー交付された陸運局でなくても、任意の陸運局で手続き可能)で手続きを行います。また、相続する車が軽自動車の場合には、軽自動車検査協会にて手続きを行います。 【必要書類】・譲渡証明書(旧所有者の実印の押印があるもの)・旧所有者の印鑑証明書(発行日後3ヵ月以内)・新所有者の印鑑証明書(発行日後3ヵ月以内)・新使用者の車庫証明書(発行日後1ヵ月以内)・車検証(車検が有効期間中なこと)・ナンバープレート・手数料納付書(運輸支局の現場で入手し申請)・自動車税・自動車取得税申告書(運輸支局の現場で入手し申請)・申請書(運輸支局の現場で入手し申請) 自動車ディーラーに依頼する  平日の時間が取れない場合には、おおよそ2万円前後の申請代行費用はかかりますが、必要な書類をご自身で手配して、普段馴染みのある自動車ディーラーに依頼するのが気軽で簡単です。 行政書士や司法書士に依頼する  申請代行費用がある程度高額となっても良い。平日に時間が取れない。書類の準備なども不慣れで不安。などの場合には、司法書士に依頼することがおすすめです。通常は自分で集める必要のある各種申請用の書類手配から手続きまで、すべてを一括で対応してもらえます。費用については、おおよそ2万円前後+書類の取り寄せ費用がかかります。   自分に合ったやり方で自動車の相続を行おう  車の手続きは、あまり自分でやる感覚はないかもしれませんが、自分自身で手続きする方法から、専門家に依頼する方法まで、費用や手間に合わせて数種類あるので、ご自身にあった方法で結構ですので、後のトラブルにならないように早めに手続を完了させましょう。

車の相続には査定書が必要。遺産分割協議成立申立書と共に必要な書類や書類の取得方法を解説
旧車の魅力と知識 2021.12.17

車の相続には査定書が必要。遺産分割協議成立申立書と共に必要な書類や書類の取得方法を解説

車を相続するときは、手続きが必要です。今回は、車を相続するときに査定書が必要な理由、遺産分割協議成立申立書とは何なのか、名義変更に必要な書類などを解説します。車を相続するときの参考にしてみてください。 自動車の相続手続きは必要か 自動車の所有者が亡くなった時は、相続の手続きが必要です。相続手続きをしなければ、売却や廃車などの手続きができなくなってしまいます。車の手続きを滞りなく進めるためにも、相続手続きをしておきましょう。 自動車の査定書を用いて簡易的な手続きで相続する方法 自動車の相続手続きは、相続人全員で話し合う遺産分割協議によって相続内容を取り決め、遺産分割協議書にまとめておくことが一般的です。ただし、車両の価格が100万円以下の場合には、遺産分割協議成立申立書によって名義変更をすることができ、相続手続きを簡略化できます。 簡易的に手続きできる方法 車の遺産手続きを簡略化する遺産分割協議成立申立書は、車両の価格が100万円以下のときに使用できる書類です。相続人が遺産分割協議成立申立書を作成し、必要書類を準備して管轄の運輸支局で手続きをすれば、名義変更ができ、売却や廃車などができます。 遺産分割協議成立申立書による手続き 遺産分割協議成立申立書による手続きは、相続人ひとりでできる手続きです。そのため、相続人全員の同意を得なくても書類を作成できてしまいます。しかし、同意を得ずに手続きをすると後に揉め事に発展する可能性もあるため、同意を得た後に遺産分割協議成立申立書を作成しましょう。また、遺産分割協議成立申立書は、車両が100万円以下のときに利用できる書類であるため、車両価格を証明する査定書が必要です。 遺産分割協議書との違い 遺産分割協議成立申立書と遺産分割協議書の違いは、相続人全員の署名、実印の捺印、印鑑証明書が必要かどうかという点です。 遺産分割協議書の場合、相続人全員で協議をして遺産分割協議書へ全員の署名・実印の捺印・印鑑証明書の添付が必要となります。しかし、遺産分割協議成立申立書は、相続人ひとりの署名と捺印、印鑑証明書だけで相続手続きが可能です。 遺産分割協議成立申立書で必要な書類 車の遺産手続きを遺産分割協議成立申立書で行うときは、申立書以外にも書類をいくつか準備しなければなりません。ここからは、申立書以外に必要な書類について解説します。 自動車の査定書 遺産分割協議成立申立書で相続手続きをする場合は、車両の価格が100万円以下でなければなりません。そのため、車両価格を証明する査定書が必要です。査定書の入手方法については、「自動車の査定書の入手方法」にて詳しく解説します。 その他の必要書類 車の相続手続きをするときには、遺産分割協議成立申立書の他に、「車検証(自動車検査証)」、「旧所有者の戸籍謄本または除籍謄本(死亡を確認するため)」、「新所有者の戸籍謄本(相続人であることを証明するため)」、「印鑑証明書(所有者のもの)」、「新所有者の車庫証明書」、「査定士証の写し」が必要です。 自動車の査定書の入手方法 車の査定書の入手方法は、日本自動車査定協会やディーラー・買取業者に依頼することで手に入れることが可能です。ここからは、査定書の方法について詳しく解説します。 日本自動車査定協会 日本自動車査定協会では、相続車両の査定を実施しています。査定料は、軽自動車が5,500円~6,600円、普通車が7,150円~1万2,100円です。ここに記した査定料は、いずれも東京支部の価格であるため、詳しい査定料などは、各支部にお問い合わせください。 ディーラー・買取業者 ディーラーや買取業者でも査定書の発行が可能です。しかし、ディーラーや買取業者は、車を買い取って再販売することを目的としているため、査定書を発行してくれない場合があります。ディーラーや買取業者に依頼するときは、事前に相続のための査定であることを伝え、査定書の発行や査定士証の写しをもらえるか確認しましょう。 名義変更は自分で行うことが可能か 車の相続の名義変更は自分でできるのでしょうか。ここからは、遺産分割協議成立申立書による手続きを自分でできるか解説します。 遺産分割協議成立申立書は自身でも手続き可能 遺産分割協議成立申立書による名義変更は自分でできます。申立書と査定書とその他必要書類を準備して運輸支局に持ち込めば手続きが可能です。ただし、書類の不備があると受理してもらえないため、必要書類の不足などがないか確認してから運輸支局に提出しましょう。 行政書士・司法書士に依頼することも可能 名義変更は、行政書士や司法書士に依頼することもできます。ただし、手数料が発生するため、事前にどのくらいの費用がかかるのか各事務所に確認してから依頼すると良いでしょう。 自動車の査定額に合わせて手続き方法を検討しよう 車の相続は、車両価格次第で手続き方法を簡略化することができます。基本的に車の相続は、遺産分割協議書による手続きとなりますが、車両価格が100万円以下であれば、遺産分割協議成立申立書による手続きが可能です。どちらで手続きすべきなのかということは、車両価格によって異なるため、業者に査定を依頼し、査定額に応じて相続手続きを検討することをおすすめします。

車の相続するときに必要な書類とは?車の種類や相続人で異なる必要書類について解説
旧車の魅力と知識 2021.12.17

車の相続するときに必要な書類とは?車の種類や相続人で異なる必要書類について解説

車の相続をしようとしたとき、どのような書類が必要なのでしょうか。この記事では、車の相続をするときに必要な書類について解説します。車を相続するときに必要な書類は、相続人が誰になるのか、普通車か軽自動車か、車の価値がいくらなのかなどによって異なるため、条件をしっかりと確認して書類の準備をすることが大切です。 自動車の相続手続きにはどのような書類が必要? 車の相続手続きをせずに乗り続けてしまうと、トラブルが発生することがあるため、早めに書類を揃えたり、誰が相続するのか決めることが重要です。ここからは、相続しなければならない理由、条件ごとに異なる相続手続きの必要書類について解説します。 自動車の相続手続きは必要? 自動車の相続手続きをしないとどうなってしまうのでしょうか。実は、相続手続きをしなければ車の売却や廃車ができなくなります。そのため、相続手続きは、早めにしておくことをおすすめします。車の相続手続きと聞くと難しい手続きのように聞こえますが、車の相続手続きを簡単に説明すると、次の所有者に名義変更するということです。この名義変更には、相続人や相続する人数などにより、手続きや準備する書類が異なります。 自動車の相続手続きに必要な書類は状況によって違う 自動車の相続手続きに必要な書類は、相続人の数、車を相続する人、普通車と軽自動車などの条件によって異なります。各条件ごと準備すべき書類は、どのようなものなのでしょうか。ここからは、相続の手続きに必要な書類の要点について解説します。 相続人の人数 相続人の数によって、必要書類が異なります。1人で相続する場合であっても、複数人で相続する場合であっても、「車検証(自動車検査証)」、「車庫証明書(被相続人と相続人が同居の場合には不要)」、「被相続人の戸籍謄本(全部事項証明書)」、「相続人の戸籍謄本(全部事項証明書)」が必要となります。 自動車を相続する人 自動車は、複数人で所有することが認められているため、1台の車を数人で相続する場合があります。相続人が1人または代表者が相続する場合は、相続人や代表相続人の印鑑証明書などが必要となります。しかし、共同で所有する場合には、共同相続する人全員の「印鑑証明書(発行後3ヶ月以内)」、「実印」、「譲渡証明書(実印を押印したもの)」が必要です。 軽自動車 軽自動車の場合には、自動車検査証に記載されている所有者の方が亡くなった事実と新しい所有者が相続人(親族等)であることが確認できる書類が必要です。 パターンごとの必要書類とは 車を相続するときは、所有者の名義変更のための書類が必要であることは先述のとおりです。では、それぞれの条件に応じた必要書類を具体的に解説します。 相続人が一人で単独で相続を行う場合 相続人が1人(単独相続)の場合は、次の6種類の書類が必要です。 ・被相続人の戸籍謄本(故人の戸籍謄本、全部事項証明書)・相続人の戸籍謄本(全部事項証明書)・相続人の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)・相続人の実印・車検証(自動車検査証の原本)・車庫証明書(被相続人と相続人が同居の場合は不要) 相続人が複数人でそのうち一人が相続する場合 複数の相続人のうち1人が相続する場合は、次の6種類の書類が必要です。 ・被相続人の戸籍謄本(故人の戸籍謄本、全部事項証明書)・代表相続人の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)・代表相続人の実印・遺産分割協議書(査定額100万1円以上の場合に必要、100万円以下の場合は遺産分割協議成立申立書)・車検証(自動車検査証の原本)・車庫証明書(発行からおおむね1ヶ月以内) 軽自動車を相続する場合 軽自動車の場合には、次の5種類の書類が必要です。・車検証(自動車検査証)・使用者の住所を証明する書類(住民票の写しまたは印鑑証明書)・自動車検査証記入申請書(軽第1号様式)・申請依頼書 また、上記の書類に加え、次のいずれかの書面が必要となります。・戸籍謄本等(所有者が亡くなった事実と新しい所有者の方が相続人であることが確認できる書面。コピー可)・法定相続情報一覧図(文字が鮮明で内容判別ができるもの。コピー可) 相続の際にある疑問点 車の相続手続きは、用意する書類が多く、相続人全員分を揃えなければならないため、手間に感じる方も多いでしょう。では、車の相続をせずに売却手続きはできないのでしょうか。ここでは、そんな疑問を解説します。 相続ぜずに売却することはできる? 車は相続せずに売却することはできません。そのため、先述した名義変更(相続手続き)をしてから、売却手続きをするという手順になります。 車の売却に必要な書類は、「車検証(自動車検査証)」、「自賠責保険証(自動車損害賠償責任保険証明書)」、「自動車納税証明書」、「リサイクル券」、「実印」、「譲渡証明書」、「委任状」、「印鑑証明書」です。 軽自動車の場合は、「車検証(自動車検査証)」、「自賠責保険証(自動車損害賠償責任保険証明書)」、「自動車納税証明書」、「リサイクル券」、「認印」となります。 必要書類を理解して適切に手続きを進めよう 自動車を相続するときは、相続人を決めたり、相続人全員の書類や実印などを揃えたりしなければならないため、時間と手間がかかります。しかし、相続手続きをしなければ、車の売却や廃車ができません。時間と手間はかかりますが、車の相続手続きは確実にしておきましょう。

世界初の技術満載でガルウィング発祥の車メルセデス・ベンツ 300SL
旧車の魅力と知識 2021.12.14

世界初の技術満載でガルウィング発祥の車メルセデス・ベンツ 300SL

存在感抜群のガルウィング、艶かしい曲線基調のスタイリング。令和の現代でも違和感のない先鋭的なデザインのメルセデス・ベンツ 300SLは、多くの名車を生み出してきたメルセデス・ベンツのモデルの中でも、特に人気の高いモデルの1つです。 ガルウィングという名前を最初に使用するなど、世界初の技術を多数盛り込んだ先進的なモデルで、販売当時から高い人気を誇りました。 現在のメルセデス・ベンツのスポーツモデルの源流となった、メルセデス・ベンツ 300SLの魅力に迫ります。 メルセデスSLクラスの源流300SL メルセデス・ベンツのSLクラスは、同社の2シータースポーツカーの最高峰に位置づけられているシリーズ。メルセデス・ベンツは、歴代数々の名車を生み出していますが、初代となる300SLは、1950年代の登場にも関わらず今でも絶大な人気と存在感を放つ車種です。 名門レースでの活躍が市販化につながる 当初メルセデス・ベンツ300SLの市販化は予定されておらず、プロトタイプレーシングカーとして開発されました。 多くのレースで結果を残しますが、特に「世界一過酷な公道レース」といわれるカレラ・パナメリカーナ・メヒコでの勝利は、アメリカのスポーツカーファンに強い印象を残します。300SLとして市販化が決定したのは、アメリカの輸入車ディーラーによる熱心な説得によるもので、1954年のニューヨーク国際オートショーでデビューしました。 初代モデルは、乗降性が悪く窓の開閉ができないなど、市販車としては不便と言わざるを得ない仕様で、本当に元々市販化する予定ではなかったことがうかがえます。 デザインではなく機能優先のガルウィング 現代でも多くのスーパーカーに採用される跳ね上げ式のドアですが、市販車として搭載したのは300SLが最初。いまでは跳ね上げ式ドアの代名詞とも言える「ガルウィング」という名称も、この300SLで初めて使用されました。 ガルウィングは非日常感のある姿から、どうしても見た目ばかりが注目されがちです。しかし、実際は低い車高と分厚いサイドシルという、構造上どうしても発生してしまう乗降性の悪さを解消するために考え出されました。 エンジンも市販車初採用の技術を搭載 300SLがすごい点は、市販モデルに搭載されたエンジンが、元となったプロトタイプのエンジンよりも高性能なことです。 直列6気筒の3,000ccエンジンは、世界初となる機械式燃料噴射装置を採用したエンジンで、最高出力215psを発生。最高時速は260km/hと、当時の市販車としては世界最速でした。 一方で、世界初の技術には車を維持する上でいくつかの弊害も生みます。機械式燃料噴射装置は整備が難しく、加えて残留ガソリンがシリンダー内部のオイルを洗い流してしまい、約1,600km毎にエンジンオイルの交換が必要でした。 廉価版も存在した300SLその他のバリエーション メルセデス・ベンツだけでなく、世界のスポーツカー史に残る名車である300SL。ここで、市販化前のプロトタイプモデルと、300SLの美しさそのままでヒットモデルとなった廉価版190SLもご紹介しておきましょう。 300SLプロトタイプ(W194) 現在ではメルセデス・ベンツの最高峰スポーツモデルの名称となっている「SL」ですが、当初は超軽量を意味する「Super Leicht」の略語でした。 プロトタイプモデルは、レース投入だけを目的に開発されたこともありかなり軽量。3,000ccエンジン搭載にも関わらず、軽量なアルミ製ボディの採用などにより、車重はわずか870kgでした。 なお、シャーシやボディは新設計ながら、開発期間短縮のためエンジンや足回りは300リムジンから流用され、市販化される際に大きく見直されることとなります。 190SL(R121) 300SLには、市販モデルの300SLと変わらない外見の廉価版モデルがあります。190SLとして販売された廉価版モデルは、300SLと同様の外観を持ちつつ、販売価格が安価だったことで、2万5千台以上を売り上げるヒット車となりました。 ただし、中身については、300SLとは全くの別物。シャーシは別設計で、1,900ccのキャブレターエンジンは110psしか発生しません。一方で、世界初の技術がふんだんに盛り込まれて、メンテナンスが大変だった300SLと比較して、一般ユーザーでも扱いやすかった点が商業的な成功につながりました。 まとめ 今でも高い人気誇るメルセデス・ベンツ 300SLは、高値での取引が続いています。2000年以降、多少の上下はあるものの高騰し続けていて、現在は1億5千万円以上で取引された実績があります。(2021年10月現在) また、新車時の生産台数が全世界で3,000台強しかなかったため、中古車市場で見かけることも稀。中古車の購入を考えている方は、国内の中古車販売店だけではなく、海外まで含めて広くアンテナを張って探す必要があります。 300SLの廉価版となる190SLなら、国内の中古車市場でも購入可能です。大手中古車情報サイトで調べたところ、5台あり、価格は、1,600万円〜2,000万円弱でした。(2021年11月現在)とても廉価版とは言えない金額ですが、300SLの取引価格と市場での希少性を考えると、190SLなら入手するのも不可能ではありません。 [ライター/増田真吾]

時代を先取りしすぎたSUV!?一度見たら忘れられない いすゞ ビークロスの魅力と中古車市場
旧車の魅力と知識 2021.12.13

時代を先取りしすぎたSUV!?一度見たら忘れられない いすゞ ビークロスの魅力と中古車市場

スタイリッシュなSUVは今でこそ数多く販売されていますが、1997年に登場したいすゞ ビークロスは、時代を先取りした先進的なデザインで大きな話題を呼びました。曲線を多用したうねるような外観と、SUVとしても文句のなしの力強い走破性を併せ持ち、今でも根強い人気があります。 今回は、SUVの歴史のなかでもひときわ異彩を放つビークロスの魅力と、中古車市場について解説していきます。 ほぼコンセプトカーどおりの姿で登場したビークロス いすゞ のスペシャリティカーSUVとして、1997年4月に発売したビークロス。発売のきっかけは、1993年の第30回東京モーターショーに出品したコンセプトカー「VehiCROSS(ヴィークロス)」であり、近未来的なデザインで当時注目を浴びました。 その特徴的な造形が人気を博したことで、いすゞはヴィークロスの市販化を決定。ビークロスと名前を変え、市販車でありながらコンセプトモデルとほぼ変わらない姿で登場しました。さらに車体ベースを4WDのジェミニから、ビッグホーン・ショート型に変更したことで車体サイズは拡大。市販モデルで大型化したビークロスは、コンセプトモデル以上のインパクトを発揮していました。 通常、市販モデルは外観デザインが控えめになることがほとんどですが、ビークロスはほぼコンセプトどおりの姿で登場したことで、いまでも人々の記憶に残るSUVとして、車史にその名を残しています。 先進的すぎるデザインで後方視界に難あり? コンセプトモデルから大型化したビークロスのサイズは、全長4,130mm×全幅1,790mm×全高1,710mm。開発は欧州で行われ、デザインは当時いすゞのデザイナーだった中村史郎氏と、のちにインフィニティのロンドンスタジオのトップに就任するサイモン・コックス氏が担当していました。 ビークロスのテーマは「ワイルド&フレンドリー」であり、力強い走破性を持ちながらも、デザインは先進的で、どこか愛らしい雰囲気が取り入れられています。丸くねじれたようなフォルム、ボディ下半分を覆う樹脂パネル、スペアタイヤを内側に内蔵したバックドアなど、目につく全てが斬新なスタイリングです。 しかし、デザインを優先させたことで室内からの後方視界は悪化。それを解消するため、ビークロスはバックアイカメラを標準装備し、これは乗用自動車としては初の試みでもありました。         見掛け倒しじゃない確かな走破性能 ビークロスは最高出力215ps、最大トルク29.0kgf・m/3,000rpmを発生するビッグホーンと同型の3.2リッターV6エンジンを搭載。いすゞのSUVとしては珍しく、ディーゼルエンジンの設定がなくガソリンエンジンのみとなっていました。 駆動は前後輪のトルク配分制御システムを搭載したパートタイム4WDを採用しており、エンジンの力強さも合わせて、十分な悪路走破性を与えられています。 足回りはフロントにダブルウィッシュボーン、リアが4リンク式コイルサスペンションを採用し、ショックアブソーバーはラリー用にチューンされたものを使用しているため、オンオフ問わず安定した走行性を発揮します。 中古車在庫は少なく、すでに希少車の域に そんなビークロスですが、日本国内での中古車市場はどうなっているのでしょうか。原稿執筆時の2021年11月時点で、ビークロスの市場価格を大手中古車サイトで調べてみました。 中古車サイトでのビークロスの在庫台数はわずか3台と少なく、希少性の高い車だということがうかがえます。車体価格は安いもので、1997年式109,000km走行の個体が148万円。最高値では1998年式79,000km走行で218万円。ビークロスの市場価値は新車価格の295万円(ベースグレード)に達するほどではありませんが、中古車としては比較的高プライスの部類に入ります。 また1997年~2001年の販売期間中、約1800台しか流通していないということもあり、ビークロスの希少価値を高めているのもしれません。 まとめ コンセプトモデルからほとんど姿が変わらないという、まさかの状態で販売されたビークロス。 未来感あふれた斬新な姿は多くの人に驚かれた一方、その奇抜さは当時のクロカンファンにヒットし、今でも根強い人気を持っています。そんなビークロスも現在は台数が減っており、中古車の価格もそれなりの値段になっているのが現状です。 悪路走破性が高く、人とは違ったSUVが欲しいという方にはビークロスは非常におすすめですが、今や希少車となっているこの現状なので、購入を考えているならば早めの行動が重要になってくるでしょう。 [ライター/増田真吾]

車の相続に必要な遺産分割協議書の作成方法とは?項目ごとに解説!
旧車の魅力と知識 2021.12.09

車の相続に必要な遺産分割協議書の作成方法とは?項目ごとに解説!

車は立派な資産であり、所有者の方が亡くなってしまった際には家族や親族が相続をするケースが多いと思います。しかし、車の相続はかなり手続きが多い上に相続人が複数いる場合は遺産分割協議書が必要になるなど、時と場合によって手続きが変わります。そこで今回はその遺産分割協議書について、ケースや記載すべき項目ごとに解説します。 遺産分割協議書について 遺産分割協議書の概要について、遺産分割協議成立申立書との違いも踏まえながら解説します。 遺産分割協議書とは 遺産分割協議書とは、簡単に言うと遺産の分配について相続人全員で合意したことを表す文書です。車の相続以外にも不動産や貯金の相続にも使われ、相続において非常に重要な役割を果たします。 遺産分割協議成立申立書との違い 遺産分割書協議書の他に、遺産分割協議成立申立書という書類も存在します。これは遺産分割協議書を簡略化したもので、必要になる相続人の実印や書類が少なく済ませられます。しかし、申立書でOKがどうかは状況によって異なるのできちんと事前に確認しておく必要があります。 遺産分割協議書が必要なケース 基本的に車の所有者の方が亡くなって相続人が複数いる場合には、遺産分割協議書で車という財産をどう分配するのか決めることが必要です。これは車を廃車にする予定でも売却する予定でも変わりません。しかし、車の査定額が100万円以下の場合には遺産分割協議書は必要なく、遺産分割協議申立書で簡潔に手続きを進めることができます。 遺産分割協議書の作成方法とは 遺産分割協議書は弁護士に依頼することもできますが、自分で作成することも可能です。ここからは作成方法と記載すべき項目について、項目ごとに解説します。 遺産分割協議書は運輸局ホームページからダウンロード可能 遺産分割協議書の書面は運輸局のホームページからダウンロード可能です。自分で作成をする場合はそこからダウンロードするとスムーズに作成に取り掛かれるでしょう。 記載すべき項目はどれか 作成に取り掛かる際に、最も注意しなければならないのが、必要な項目をしっかりと記載することです。公的な書類ですから、一つでもミスがあるとトラブルにも発展しかねません。記載すべき項目について、よく目を通しておきましょう。 項目ごとの解説 記載すべき箇所について、項目ごとに解説します。 亡くなられた日付 所有者が亡くなられた日付を最初に明記します。 遺産分割協議が成立した日付 相続人全員が参加した遺産分割協議において、合意に至り成立した日付を明記します。 自動車の登録番号 自動車の登録番号はナンバープレートに記載された番号のことで、運輸局が管轄地域を識別したり車の用途を識別するために定めています。車を特定するために記載する必要があります。 自動車の車体番号 車体番号とは、車体に刻印されている番号で運輸局ではなくメーカーが車体ごとに付けている番号のことをいいます。エンジンルームの奥や運転席のシートの下などに刻まれていることが多いです。 亡くなられた方のお名前 遺産分割協議書の一番最初に、亡くなられた日付と共に亡くなられた方のお名前も明記します。 相続する人の名前 相続人全員が合意したという書類ですので、相続人全員の名前を書きます。 相続人全員の住所、署名、押印 相続人全員の名前と共に住所、署名、押印を記入します。この場合の押印は、実印でなければなりません。また、最終的に相続をする人は印鑑証明書の提出も必要です。 車とその他財産で遺産分割協議書を書く時に記載する項目に違いはあるか 遺産分割協議書は車以外にも、不動産の相続の際にも用いられます。車の場合は車体番号などが必要でしたが、不動産の場合は土地の場所や面積が必要など記入すべき内容が変わってきます。さらに建物の種類によっても記入する内容は変わってくるため、自分が相続する物にあった遺産分割協議書の作成方法を確認することが大切です。 遺産分割協議書の記載方法を理解して正しく記載しよう 遺産分割協議書はかなり手続きの大変な書類に思えますが、正しく記載方法を理解していれば、そこまで集めるのが大変な情報ではありません。きちんと必要事項を整理し、ミスをしないように正しく記載をしましょう。

自動車相続の名義変更に必要な書類は?注意点についても解説!
旧車の魅力と知識 2021.12.09

自動車相続の名義変更に必要な書類は?注意点についても解説!

クルマは立派な資産であり、所有者の方が亡くなってしまった際には相続の対象になることが多いでしょう。しかし、車を相続するためには、名義変更という手続きが必要になります。相続における名義変更は、必要な書類が場合によって変わることがあり、一般的な名義変更と比べて少し難しい手続きです。そこで今回は、自動車の相続で行う名義変更の必要書類や注意点をケース別にまとめて紹介します。 クルマ相続時の名義変更の必要書類一覧 クルマを相続する際には、下記の書類が必要です。 1.戸籍謄本または法定相続情報証明書2.遺産分割協議書3.新所有者(相続人)の実印4.新所有者(相続人)の印鑑証明書5.自動車保管場所証明書(車庫証明書)6.自動車検査証(車検証) それぞれの書類について、用途や取得方法について解説します。 戸籍謄本または法定相続情報証明書 戸籍謄本または除籍謄本(除籍全部事項証明)は、所有者が亡くなった事実を証明するために必要な書類です。また、誰が相続権利者なのかを確認するためにも使用します。 もし、戸籍謄本または除籍謄本に相続権利者全員が載っていない場合は、「改製原戸籍謄本(原戸籍)」または法定相続情報証明書が必要です。 改製原戸籍謄本(原戸籍)は、新しい戸籍に作り変えられた際に除籍された古い戸籍を証明する書類です。 法定相続情報証明書は、戸籍謄本・除籍謄本の代わりとして使用できます。法定相続情報証明書は、法務局で交付される「法定相続情報一覧図」が該当します。 遺産分割協議書 遺産分割協議書は、遺産の相続に関して相続人全員で協議したことを証明する書類です。相続権利者全員の実印が必要です。協議書には、各相続人がどの財産を受け取るか、またその分配方法や割合が記載されています。 新所有者の実印 新所有者(相続人)本人が申請する場合は実印が、代理人が申請する場合は相続人本人の実印が押印された「委任状」が必要です。 第三者に譲渡する場合は、「譲渡証明書」に加え、第三者に移転登録する書類も用意しなければなりません。 印鑑証明書 新所有者の印鑑証明書が必要です。発行から3ヶ月以内のものでなければなりません。 自動車保管場所証明書(車庫証明書)  車庫証明書は、申請相続人の住所が車検証に記載されている「使用の本拠の位置」と異なる場合に必要です。 自動車検査証(車検証) 相続の際には、有効期限内の車検証も必要です。なお、抹消の場合は期限が切れていても問題ありません。 【パターン別】クルマ相続時の名義変更の必要書類 クルマを相続したときの名義変更に必要な書類をパターン別に解説します。 相続人が1人のみ 相続人が1人のみの場合は下記の書類が必要です。 1.除籍謄本または戸籍謄本2.新所有者(相続人)の実印3.新所有者(相続人)の印鑑証明書4.自動車保管場所証明書(車庫証明書)※申請相続人の住所が車検証に記載されている使用の本拠の位置と異なる場合)5.自動車検査証(車検証)6.ナンバープレートとクルマ(番号変更が伴う場合に必要) 2人以上の相続人のうち1人が相続する 2人以上の相続人のうち1人が相続する場合は次の書類が必要です。 1.除籍謄本または戸籍謄本2.遺産分割協議書3.新所有者(相続人)の実印4.新所有者(相続人)の印鑑証明書5.自動車保管場所証明書(車庫証明書)※申請相続人の住所が車検証に記載されている使用の本拠の位置と異なる場合)6.自動車検査証(車検証)7.ナンバープレートとクルマ(番号変更が伴う場合に必要) 複数の相続人で共有名義にする 複数の相続人で共同相続する場合は以下の書類が必要となります。 1.除籍謄本または戸籍謄本2.遺産分割協議書3.新所有者(相続する人全員分)の実印4.新所有者(相続する人全員分)の印鑑証明書5.委任状(相続する人全員分)6.自動車保管場所証明書(車庫証明書)※申請相続人の住所が車検証に記載されている使用の本拠の位置と異なる場合)7.自動車検査証(車検証)8.ナンバープレートとクルマ(番号変更が伴う場合に必要) 相続したクルマを売却するときの必要書類 すでに相続人の名義に変更されたクルマを売却する場合は、一般的な売却方法と同じです。よって、必要な書類は以下のとおりとなります。 ・自動車検査証(車検証)・自賠責保険証・自動車税納税証明書・リサイクル券・譲渡証明書・委任状・印鑑登録証明書・実印 ▼詳しくはこちら所有者が亡くなったクルマの売却手順|相続手続き・必要書類をわかりやすく解説 相続したクルマを廃棄するときの必要書類 相続したクルマを廃車する場合は、下記の書類で手続きします。 ・除籍謄本(本人が亡くなった事実確認と申請相続人の相続権利について確認するために必要。除籍謄本に相続人が載っていない場合は改製原戸籍謄本が必要)・印鑑証明書(申請相続人のもの、発行から3ヶ月以内のもの)・実印(本人申請の場合)・実印を押印した委任状(代理人申請の場合)・リサイクル券番号(移動報告番号)・申請相続人の振込口座情報(重量税の還付を受けられる場合に必要。代理人申請の場合は代理人の認印も持参)・自動車検査証(車検証)・ナンバープレート ▼詳しくはこちら自動車相続の廃車手続きの方法は?必要書類についても解説

100万円以下の車の相続手続きは?必要書類と作成方法も解説
旧車の魅力と知識 2021.12.07

100万円以下の車の相続手続きは?必要書類と作成方法も解説

クルマの相続は金額によって手続きや必要書類が変わる可能性があり複雑です。そこで今回は100万円以下の車の相続手続きについて詳しく解説します。 相続するクルマが100万円以下の場合の必要書類 相続するクルマが100万円以下の場合に必要な書類は次のとおりです。 1.所有者本人の除籍謄本2.遺産分割協議成立申立書3.クルマの価格が100万円以下であることを確認できる書類4.申請相続人の印鑑証明書(3ヶ月以内のもの)5.申請相続人の実印を押印した委任状/本人申請の場合は実印を持参6.譲渡証明書7.車検証8.車庫証明書9.ナンバープレートとクルマ それぞれどのような書類なのか解説します。 「所有者」(本人)の「除籍謄本」 所有者本人の除籍謄本は、所有者本人が亡くなったことを確認するために必要な書類です。また、相続権利者全員を確認する目的もあります。もし、除籍謄本に相続権利者全員が記載されていない場合は、改製原戸籍(原戸籍)が必要です。これらの書類は、亡くなった方本人の本籍地の市役所で取得します。 遺産分割協議成立申立書 遺産分割協議成立申立書は、亡くなった方のクルマを相続する際に使用できる書類です。クルマの名義変更を簡略化するために特化したもので、相続人全員の署名や捺印を必要とせず、クルマを相続する人の署名・捺印だけで手続きを進められます。 ただし、この申立書が使用できるのは、遺産分割協議がすでに成立している場合に限られます。 遺産分割協議成立申立書には、車の登録番号や車台番号、被相続人の氏名と死亡年月日を記載します。 クルマの価格が100 万円以下であることを確認できる書類 クルマの価格が100万円以下であることを証明する査定書や査定価格を確認できる資料の写しなどが必要です。そのため、クルマを相続する際には、査定を受ける必要があります。 申請相続人の「印鑑証明書」(3ヶ月以内のもの)  申請相続人の印鑑証明書が必要です。なお、印鑑証明書は、発行から3ヶ月以内のものでなければなりません。印鑑証明書は、市役所やコンビニなどで取得します。 申請相続人の「実印を押印した委任状」(本人申請は実印持参) 申請する方(相続人)の実印が必要です。代理人に申請手続きを委任する場合は委任状が必要となります。委任状には、申請相続人の実印の押印が必要です。 委任状には以下の項目を記入します。 1.受任者:陸運局で手続きする方の名前と住所を記載する2.目的欄:「移転登録」と記入する3.自動車登録番号または車体番号:車検証に記載されている事項の該当部分を記入する4.委任者:相続人の名前と住所を記入し、実印を押印する 譲渡証明書 譲渡証明書は、第三者にクルマを譲渡する場合に必要な書類です。また、第三者の方の移転登録(いわゆる名義変更)に必要な書類を用意しなければなりません。 ▶譲渡証明書テンプレート 有効期間のある(抹消の場合は期間切れでも可)自動車検査証(車検証) 車検証は、クルマに備え付けられている書類です。原則として有効期限内のものである必要があります。なお、抹消されている場合は期限切れの車検証でも問題ありません。 車庫証明書 車庫証明書は、相続移転登録(抹消せずに新所有者がクルマを乗り続ける場合)に必要な書類で、申請相続人の住所と車検証に記載されている「使用の本拠の位置」が異なる場合に必要です。車庫証明書は、新たな保管場所を管轄の警察署で取得します。 ナンバープレート ナンバープレートは、抹消または管轄が変わる場合に必要です。 抹消する場合はナンバープレートを返却し、番号の変更が伴う場合はナンバープレートとクルマ(車輌本体)を持ち込まなければなりません。 100万円以下のクルマの相続手続き ここからは100万円以下の自動車の相続方法を解説します。 1.自動車の名義を確認する 相続手続きをする際、最初にすることは自動車名義の確認です。相続するためには名義変更をする必要があるので、相続が発生した時点の自動車名義を車検証で確認します。多くの場合は亡くなられた人になっていますが、ローンなどを組んでいて返済が終わってない場合はディーラーや自動車販売店が名義人となってることもあります。 2.新しい所有者の確定する 自動車の名義を確認したら、次は新しい所有者の確定です。遺言書などがある場合は、その遺言書に沿って新しい所有者を決めますが、遺言書がない場合は法定相続人全員で遺産分割協議を行い、新しい所有者を決定します。 3.査定を受ける 新しい所有者が決まったら、査定を受けましょう。査定はディーラーや買取店などで受けることが可能ですが、ディーラーや買取店はクルマの再販売が目的のため、査定書をもらえない場合があります。相続に係る査定を受ける場合には「日本自動車査定協会」に依頼して査定を受けるとよいでしょう。 ▼事業所一覧はこちらで確認できます。一般財団法人日本自動車査定協会「事業所一覧」 4.必要書類を揃えて申請する 新しい所有者を決定したら、必要書類を揃えて運輸支局にて手続きを行います。 まとめ 相続するクルマの価格が100万円以下の場合に必要な書類や手続きの手順について解説してきましたが、相続しようとするクルマの価格が100万円以下かどうかはプロの査定士の目で判断しなければわかりません。 そのため、クルマを相続するときは、100万円以下の可能性が高くても、必ず査定士に依頼をして価格を明確にする必要があります。 クルマの相続をする際は、クルマの価格が100万円以下か100万円超かで必要書類が異なるため、どのようなクルマであっても査定を受けるようにしましょう。

軽快すぎて事故多発!?ホンダ 初代・2代目CR-Xのスポーティな魅力と中古市場について解説
旧車の魅力と知識 2021.12.02

軽快すぎて事故多発!?ホンダ 初代・2代目CR-Xのスポーティな魅力と中古市場について解説

ホンダのFFライトウェイトスポーツとして、車史に名を馳せるシビックやインテグラですが、1983年に登場したCR-Xは、それらのルーツともいえる存在です。CR-Xは居住空間を捨ててまで洗練させたフォルムと軽量ボディ、そして、高回転まで回るエンジンを搭載し、当時の若者たちを魅了し尽くしました。 今回は元祖FFライトウェイトスポーツ、CR-Xの初代と2代目について、中古市場も合わせて解説していきます。 スタイリッシュかつ斬新な装備も多かった初代CR-X ホンダ 初代CR-Xは、シビックの姉妹車として発売されていた「バラード」の派生スポーツクーペ「バラードスポーツCR-X」の名で、1983年7月に登場します。 スタイリングはセミリトラクタブルヘッドライトや、ラインを断ち切ったようなリアエンドの「カムテール」など、先進的な意匠を採用。ほかにも手動開閉式のルーフベンチレーションや電動アウタースライドサンルーフなど、個性的な装備が用意されていました。 初代CR-Xのエンジンは、それぞれ直4SOHCの1.3リッターのキャブレター仕様と、1.5リッターPGM-FI仕様をラインナップ。1984年11月には最高出力135psの直4DOHCエンジンを搭載した「Si」を追加し、860kgという軽量ボディも相まって、迫力のあるドライビングが味わえました。 2人乗りと割り切れば必要十分な室内 スポーツクーペとして洗練されたフォルムを持つ初代CR-Xですが、そのぶん室内空間に制限ができてしまい、決して快適な広さとはいえません。 4人乗りではありつつも、2,200mmという短いホイールベースや室内の高さが低いことで後部座席は非常に窮屈。ホンダ自らが「ワンマイルシート」と呼ぶほどで、後部座席は荷物置きとして使われることがほとんどでした。 「デュエットクルーザー」というキャッチコピーのとおり、初代CR-Xはデートカーとしても宣伝されていたので、後部スペースを重視しない若者を中心に、高い人気を得ることができました。 キープコンセプトながらよりシャープになった2代目CR-X 初代のヒットを受け、さらにスタイリッシュになった2代目CR-Xが登場したのは1987年9月。「バラード」の名が外れ「CR-X」と名称を改めた2代目は、先代よりも車体形状を長く低くしたことで、よりスポーティなフォルムに進化しました。 印象的だった「カムテール」を引き続き採用しつつも、先代で難点とされていた後方視界に対しては「エクストラウインドウ」を追加。リアガラス下部に横長のウィンドウを設置することで、後方視界が大幅に改善するとともに、CR-Xの個性的なエクステリアを保つことにも成功しました。 後部座席の快適性は初代モデルと変わりありませんが、より低くスポーティになった2代目CR-Xは初代以上の盛り上がりを見せ、多くのファンを生みます。 リッター100馬力を実現したVTECエンジンを搭載 2代目CR-Xの特徴的な点として、車体の軽さと高回転エンジンを活かした走行性能の高さが挙げられます。 エンジンは当初、1.5リッターSOHCと1.6リッターDOHCのみでしたが、1989年9月のマイナーチェンジで、1.6リッターのVTECエンジンを搭載した「SiR」グレードを追加しました。可変バルブタイミング・リフト機構である「VTEC」を搭載したB16A型エンジンは、最大出力160ps/7600rpmを発生。970kgの軽量ボディと160psを発生する高回転エンジンの組み合わせは、パワフルな加速と軽快なハンドリングを楽しめ、当時の走り屋の間で高い人気を博しました。 まさにライトウェイトスポーツたるスペックの2代目CR-Xですが、高回転ハイパワーなエンジンと短いホイールベースゆえ、コントロール性はまさにじゃじゃ馬。自損事故も多く発生し、自動車保険料が高くなってしまった車としても有名です。 初代&2代目CR-Xの中古市場 そんな2世代のホンダ CR-Xの中古市場はどうなっているのか、記事執筆時の2021年11月時点での大手中古車サイトを調べてみました。サイト上では初代が5台、2代目は18台掲載されていますが、やはり年式が古い車ということもあり、走行距離が10万kmを超えた個体がほとんどです。 初代は最安値だと、1984年式9.4万km走行の個体が89万円で、最高値は1985年式18.1万km走行のものが220万円となっていました。一方、2代目は最安値が1988年式10.3万km走行で120万円。最高値は1989年式の6.4万km走行のSiRグレードが319万円。SiRグレードは、今では稀有な存在となってしまった高回転型エンジンを搭載するコンパクトスポーツとして、その希少性ゆえ高額になりがちです。 全体的に見ても、当時人気の高かった2代目のSiRグレードが最も高い上昇率を見せており、車体の状態によってはかなりの高プライスが期待できるかもしれません。 まとめ 初代、2代目ともに軽快かつ、スタイリッシュなスポーツクーペとして、当時の若者を魅了したホンダ CR-X。ホンダの元祖FFライトウェイトスポーツともいえる初代、そして走ることの楽しさをさらに増した2代目と、その人気は北米にも及び、CR-Xの人気は拡大していきました。 その後は、3代目の「CR-Xデルソル」を最後にCR-Xの名は消滅。しかし、2010年2月には初代、2代目のDNAを汲んだ「CR-Z」が登場し、CR-Xのコンセプトは完全に断たれたわけではありません。 中古市場では多少値が張るものの、当時のFFライトウェイトスポーツを楽しみたいのであれば、CR-Xは買って損のない車です。 [ライター/増田真吾]

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