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高齢者が起こす交通事故が社会問題となり、免許を自主返納する人が増えています。しかし免許を返納すると移動手段に困ったり、身分を証明できるものが無くなったりするため、返納するか迷っている人もいるでしょう。この記事では、運転免許証を返納した場合に受けられる特典を紹介します。免許を返納した場合の特典は、上記の悩みを少しでも解消できるような内容です。ご家族で免許返納を検討している人がいれば、返納するメリットがあることを教えてあげましょう。 免許返納後の支援 免許返納後、市町村や協賛事業所からの支援として特典を受け取れます。ただし、特典を受けるには、運転経歴証明書が必要です。運転経歴証明書や、市町村または協賛事業所の支援など、免許返納後の支援について詳しく解説します。 運転経歴証明書の交付 運転免許センターで運転免許証を自主返納した後に申請手続きすると、運転経歴証明書を交付してもらうことができます。運転経歴証明書は、本人確認書類として永年有効です。 ただし、下記の場合は交付の対象外です。 ・自主返納後申請をせずに5年以上経過・運転免許失効後5年以上経過・交通違反により免許取り消し・一部の免許種別のみ返納したい ▼免許返納手続きと運転経歴証明書の取得についてはこちらで解説しています。免許返納する時の手続きとは?免許返納するメリットについて解説免許返納後にもらえる運転経歴証明書とは?受け取り方法も解説 市町村の支援 免許を自主返納すると、市町村から公共交通機関の回数券や割引券が交付されます。免許を自主返納した人の経済的な負担を抑えられるよう、免許返納後の支援が実施されているのです。車を運転しなくなると、必然的に公共交通機関を利用する場面が増えるので嬉しい特典でしょう。 協賛事業所の支援 協賛事業所も、免許を自主返納した人への支援を実施しています。「高齢者運転免許自主返納ロゴマーク」のある店舗や施設で運転経歴証明書を提示すると、さまざまな特典が受けられます。 協賛事業所の支援は下記のような内容です。 ・商品券の贈呈・百貨店で購入した商品の宅配料金割引・飲食店や温泉施設の料金割引 上記のほか、補聴器や電動車椅子の割引を実施している協賛事業所もあります。 免許返納の特典について知っておきたいポイント 免許返納の特典は、市町村ごとに独自の特典が用意されています。市町村によって内容が異なっていたり、回数が限られていたりするため注意が必要です。続いて、免許返納の特典について知っておきたいポイントについて詳しく解説します。 ▼免許返納のメリットについてはこちらでも解説しています。免許返納のメリットは?メリットを最大限得るポイントも解説 特典の内容は市町村で異なる 運転免許証を自主返納した際の特典は、市町村によって異なります。各都道府県警察や都道府県のサイトで、どのような特典が受けられるのか確認しましょう。 継続的に受けられるかどうか確認が必要 自主返納の特典が、継続的に受けられるかどうか確認をしましょう。公共交通機関の回数券や割引券は、毎月配られるわけではなく、1回限りの場合が多いです。回数券や割引券は枚数が限られているため、計画的に使用する必要があります。 協賛事業所によっては、運転経歴証明書の提示で継続的にサービスを受けられます。特典内容を確認する際は、支援の回数や内容を詳しく確認しましょう。 免許返納の特典の一例 続いて、東京都で免許返納した場合の特典の一例を紹介します。これから紹介する特典は一部なので、全て気になる人は各都道府県警や都道府県のサイトを確認して、特典を把握しておきましょう。 物流 【日本通運株式会社】引越しの通常料金の10%割引 銀行 【東京シティ信用金庫】免許証返納定期(スーパー定期預金)店頭金利+0.05%(期間1年間・継続後は店頭金利になる)1人10万円〜500万円(運転経歴証明書交付日から1年以内) 【東京信用金庫】運転経歴証明書所有者専用定期預金スーパー定期預金の金利優遇店頭金利+0.05%(期間1年間・自動継続の取扱は不可)1人10万円〜500万円 【東京東信用金庫】ひがしん運転経歴証明書定期預金店頭金利+0.05%(期間1年間・継続後は店頭金利)1人10万円〜500万円(運転経歴証明書交付から1年以内) ホテル 【帝国ホテル東京】帝国ホテルのレストランまたはバーラウンジにて10%割引 【浅草ビューホテル】浅草ビューホテル館内のレストランの料理・飲み物が10%割引※運転経歴証明書1枚につき5名まで 【ホテルカデンツァ東京】ホテル館内直営レストラン3店舗にて平日限定10%割引※運転経歴証明書1枚につき8名まで※一部対象外あり デパート・スーパー 【株式会社京王ストア】 購入金額5,000円以上で当日宅配サービス無料※会員登録が必要※65歳以上・本人限定 【丸正チェーン加盟店(総本店・保谷北口店)】500円分のクーポン贈呈 【高島屋(本橋店・新宿店・玉川店・立川店)】購入した商品をご自宅へ無料で配送※65歳以上限定 趣味・娯楽等 【トミコシ高島平ボウル】ボウリング1ゲーム料金の割引平日 470円土日祝 570円 【はとバス】A・B・Cで始まるコース料金の5%割引 【ボックスツアー】都内発日帰りゴルフツアーの半額サポート(初回参加に限る) 交通 【一般社団法人東京都個人タクシー協会】タクシー乗車料金10%割引※障害者割引とは併用不可※一部除外車輌あり ▼免許返納後のタクシーの特典についてはこちらでも解説しています。免許返納をしたらタクシーの特典を受けられるのか解説 【銀河鉄道株式会社】銀河鉄道株式会社の路線バス(東村山青葉恩多町線、小平国分寺線)に1年間乗り放題 参考:高齢者運転免許自主返納サポート協議会加盟企業・団体の特典一覧 ------------------------------------------- ▼免許返納に関する記事一覧免許返納する時の手続きとは?免許返納するメリットについて解説免許返納のメリットは?メリットを最大限得るポイントも解説免許返納後にもらえる運転経歴証明書とは?受け取り方法も解説認知症の方が運転する危険性と免許返納の説得方法を解説免許返納はした方が良いのか?免許を返納することのメリットとデメリットを解説免許返納をしたらタクシーの特典を受けられるのか解説 -------------------------------------------
遺産相続をする場合には、被相続人(故人)に債務があるなどを理由に、相続を放棄する場合があります。その際には、一般動産として相続の対象となる自動車はどうなるのでしょうか。自動車の名義が被相続人(故人)本人であるか、そうでないかで手続きが変わってきます。相続を放棄した場合の処分方法、手続きについてケース別に解説します。 相続放棄した人は故人のクルマを処分できない 相続放棄をした人が故人のクルマを処分することは原則できません。相続放棄は故人の財産を一切相続しない手続きです。クルマを処分できるのは所有者のみのため、相続しなければ処分はできません。 もし、相続放棄をした人が勝手にクルマを処分すると「単純承認」とみなされる可能性があります。単純承認になると相続放棄が無効になり、故人の借金なども含めて全ての財産を相続しなければなりません。 ただし、下記の場合は例外的に処分が可能です。 ・ローン残債があり所有権がディーラー・資産価値がないクルマ クルマの所有権は、車検証の「所有者の氏名又は名称」に記載されています。また、資産価値がないクルマは、一般的に新車登録から5年以上経過した車輌が該当します。ただし、資産価値は個別に異なるため、査定による確認が必要です。 なお、相続人全員が相続放棄した場合は、誰もクルマを処分できません。相続放棄を検討する際は、下記の点にも注意が必要です。 ・軽自動車やバイクなど他の資産も相続放棄することになる・自動車税は自己負担となる可能性がある・相続放棄した故人のクルマに乗ると単純承認とみなされる可能性がある・保険を解約した場合でも単純承認とみなされる可能性がある 相続放棄するかどうかの判断に迷う場合は、弁護士に相談しましょう。 相続放棄したクルマの処分方法 さまざまな理由で、遺産を相続放棄する場合がありますが、その際に被相続人(故人)の自動車をどう処分するべきかを紹介します。 車輌名義が被相続人ではない場合 相続対象となる名義がまだローン支払い中などで、銀行やクレジット会社など被相続人(故人)ではなく、第三者の名義となっている場合があります。その場合、被相続人(故人)は使用者であり、使用している自動車の所有権は、自動車の車検証の「所有者」欄に記載のある会社または個人の所有物となります。その際には速やかに車検証上の所有者に連絡して、車両を引き渡すことで自動車の処分を行いましょう。 相続放棄していない相続人が1人いる場合 被相続人(故人)の相続について、相続放棄をしていない相続人が1人いる場合、被相続人(故人)の一般動産として自動車を相続しているので、「必要に応じて処分する」、または「名義変更をして相続人自身が乗り続ける」など、自由に扱うことが可能です。 相続放棄していない相続人が2人以上いる場合 相続放棄していない相続人が2人以上いる場合には、相続する遺産をどのように相続人に配分するかの協議(遺産分割協議)を行います。その協議の結果、自動車を自身が相続することになった場合は、先述した相続人が1人いる場合と同様に、自由に自動車の扱いを決めて処分できます。ただし、自身が相続放棄する場合には、自動車を相続する他の相続人に、すみやかに自動車を引き渡す必要があります。 相続人全員が相続放棄している場合 相続人全員が相続放棄すると、故人のクルマを処分できる人がいなくなります。その場合、家庭裁判所に相続財産清算人(旧相続財産管理人)の選任申立が必要です。 相続財産清算人は、主に下記の役割を担います。 ・相続人の調査・財産の管理と清算・債務の返済手続き・残余財産の国庫納付 選任されるのは主に弁護士や司法書士です。法律の専門家が選ばれる理由は、相続財産の処理には法的な知識が必要なためです。 ただし、相続財産清算人の選任には数十万円から100万円前後の予納金が必要です。予納金は申立人が一時的に負担するため、実際の申立は少ないのが現状です。相続放棄を検討する際は、予納金を誰が負担するのかについても相続人同士で話し合う必要があります。 クルマを相続放棄する際の注意点 相続放棄は故人の財産を一切相続しない手続きです。クルマを相続放棄する際に注意すべき3つのポイントについて詳しく説明します。 勝手に売ると相続放棄ができなくなる クルマは相続財産の一部です。相続放棄をした人が故人のクルマを勝手に売却すると、法律上「単純承認」とみなされる可能性があります。 単純承認になると、相続放棄が無効になります。その理由は、故人の全ての財産を相続する意思を示したと判断されるためです。プラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も相続しなければならなくなります。 また、クルマを売却できるのは所有者のみのため、相続放棄した人には処分する権利がありません。安易にクルマを売却せず、専門家に相談のうえで適切に手続きすることが重要です。 駐車料金や税金は自分で支払う必要がある 相続を放棄しても、故人のクルマに関する駐車料金や税金は原則として自分で支払う必要があります。財産を相続する権利を放棄しても、管理責任は残るためです。 特に自動車税は、毎年4月の納付が義務付けられています。所有者が亡くなった場合も、相続放棄の手続きが完了するまでは、相続人に納税義務が発生します。 支払いに関する注意点は下記のとおりです。 ・相続財産から支払うと単純承認に・放置は管理責任違反になる・納税義務は手続き完了まで続く クルマを放置して価値が下がると、他の相続人や債権者から損害賠償を請求される可能性もあります。相続放棄の手続きは速やかに済ませることが大切です。 対応策として、クルマに資産価値がある場合は売却を検討してください。売却代金を駐車料金や税金にあてることで、負担を軽減できる可能性があります。 適切に保管する必要がある 相続を放棄しても、故人のクルマは適切に保管する必要があります。相続放棄後の不適切な管理は、単純承認とみなされる可能性があるためです。 たとえば、クルマを放置して状態が悪化したり、勝手に改造したりすると、相続する意思があると判断される恐れがあります。また、盗難や損傷が発生した場合、他の相続人や債権者から損害賠償を請求される可能性もあります。 クルマの適切な保管方法の選択肢は、以下のとおりです。 ・資産価値があれば売却を検討する・資産価値がない場合は、廃車も選択肢に入れる 売却や廃車までの間は、安全な場所で保管しましょう。なお、駐車場を借りる場合の費用は自己負担となります。
警察庁によると、65歳の高齢者が第一当事者の交通事故は、2020年中に4,246件でした。交通事故発生件数は25,642件であることから、16.6%が高齢者が起こした事故ということです※。高齢者は、身体機能の低下により運転操作のミスをしやすくなり、事故を起こしやすくなります。そのため、事故を起こす前に免許の返納を考えるケースも多いのではないでしょうか。そこで、この記事では高齢者の免許返納の状況、免許を返納するメリットやデメリットなどを解説します。 ※出典元:警察庁『防ごう!高齢者の交通事故!』 免許返納制度とは 運転免許返納制度とは、有効期限が残っている運転免許を本人の意思で返納できる制度です。免許返納に年齢の制限はなく、運転免許証の必要がなくなったという理由で、早期に自主的に免許を返納する場合もあります。ただし、運転免許の停止や取消し処分中の方、停止・取消処分の基準に該当する場合は、自主返納することができません。 高齢者の免許返納の状況 警察庁「運転免許統計 令和2年版」によると、令和2年の高齢者(65歳以上)の免許返納件数は55万2,381件でした。免許返納の件数は、年々増え続け、直近3年以内(平成30年~令和2年)では、年間40万件以上の免許が返納されています。 免許返納の件数は、平成24年に増加し、令和元年にも増えました。平成24年には、運転経歴証明書が本人確認書類として使用できるようになったことが、免許返納件数増加の理由と言えます。また、令和元年には、免許失効者に対しても運転経歴証明書の発行が可能になったことから、免許返納数が増えたと言えるでしょう。 出典元:警察庁『運転免許統計 令和2年版』 高齢者が免許返納しない理由 高齢者の免許返納件数は年々増えているものの、免許を返納しない方がいるのも事実です。免許を返納しない、または、返納できない主な理由は、車が不可欠だということが挙げられます。ここからは、免許を返納しない理由を詳しく解説します。 交通の便が悪い 平成27年警察庁委託事業の報告書によると、免許の自主返納をしない理由の第1位が「車がないと生活が不便なこと」となっています。車がないと買い物や通勤などの日常生活が不便になることから、免許の自主返納をしない高齢者がいると言えるでしょう。 車に乗ることを趣味にしている 高齢者が免許を返納しない理由に「車を運転する楽しみが失われること」と回答した方もいます。ドライブや車で出かけることが趣味の場合、免許は必要不可欠な資格となります。免許返納をすると趣味がなくなってしまうことから、免許の返納をしないという選択をする方がいるようです。 高齢者が免許返納するメリット 高齢者が免許を返納することにメリットはあるのでしょうか。ここからは、高齢者が免許の自主返納したときのメリットについて詳しく解説します。 車の事故のリスクがなくなる 高齢者が免許を自主返納すると、事故を起こすリスクを減らすことができます。交通事故の場合、第一当事者になると車の修理代や損害賠償といった金銭的な出費を強いられることがほとんどです。また、事故によっては、罪に問われる可能性もあります。余生を楽しむためにも免許の返納をして、事故のリスクを減らすことを検討しましょう。 特典を受けられる 65歳以上の高齢ドライバーが運転免許を自主返納すると、各自治体からサポートを受けられるケースがほとんどです。ただし、特典を受けるためには、運転経歴証明書の提示が必要な場合が多いため、免許返納と同時に運転経歴証明書の交付を受けておくことをおすすめします。 運動習慣がつく可能性がある 運転免許を返納すると運動習慣がつきやすくなります。家からバス停まで歩いたり、最寄り駅まで自転車で移動したりすると、適度な運動をすることになります。免許を返納することで、生活に運動が取り入れられるため、体力の低下を遅らせられる可能性があります。 高齢者が免許返納するデメリット 高齢者が免許を自主返納するデメリットは、移動が不便になることです。また、運転する楽しみが失われるのもデメリットと言えるでしょう。ここからは、高齢者が免許返納するデメリットについて解説します。 移動に家族の手を借りることになる可能性がある 免許を返納してしまうと、自分で運転ができなくなるため、家族の手を借りたり、公共交通機関に頼ったりしなければなりません。家族と同居または近所に住んでいれば車を出してもらうことができますが、遠方に住んでいる場合は家族の手を借りることが難しいでしょう。 楽しみが失われる場合がある 運転が趣味の場合、免許を返納すると楽しみが失われてしまうことになります。また運転は、認知・判断・操作の繰り返しであり、頭脳と身体を使う行為です。免許を返納して運転をしなくなると、楽しみがなくなってしまうだけでなく、認知や判断をする機会が減り、認知機能の低下が進み、認知症になる可能性もあると言えるでしょう。 免許返納をして所定の手続きをすると運転経歴証明書を受け取れる 免許返納後、必要書類や手数料などを用意して、免許センターまたは警察署で申請すると、運転経歴証明書の交付を受けられます。運転経歴証明書は、身分証明書として利用できるほか、各自治体の特典を受けることもできます。免許の返納をするときは、運転経歴証明書の交付を受けておくことをおすすめします。
ハイパワーエンジンと卓越した4WD性能を有し、伝説的存在となっている三菱のスポーツセダン、ランサーエボリューション。WRCや多くのモータースポーツで好成績を残したこともあり、今でもその熱は冷めやらず、多くのユーザーに愛され続けています。 今回はそんなランサーエボリューション「VII」から「IX」の第3世代を、よくある故障個所なども含めて解説していきましょう。 第3世代ランサーエボリューションとは? ランサーエボリューションは大きく4つの世代に分けられ「Ⅰ」から「III」が第1世代。「IV」から「VI」が第2世代で「VII」から「IX」が第3世代です。 そして最後の第4世代が「X」となっていますが、今回はシリーズ中でも性能が煮詰められた第3世代「CT9A」型について解説します。 新たなプラットフォームと新開発のACDを備えたランエボVII 2000年5月に登場したランサーエボリューションVIIは、ベース車をそれまでの「ランサー」から「ランサーセディア」に変更したことによりボディサイズが拡大しました。 エンジンは、初代から続く2リッター直列4気筒ターボの4G63型を搭載。大型インタークーラーの採用やターボの改良などを行い、最大トルクは39.0kg.mまでアップしています。 そしてVIIの目玉ともいえる、電子制御可変多板クラッチ機構「ACD」は、電子制御によって前後タイヤのトルク配分を行い、ハンドリング、トラクションともに大きく向上しました。 スーパーAYCでコーナリング性を高めたランエボVIII ランサーエボリューションVIIIは2003年1月に登場し、シリーズ初の6速MTを採用しています。 ターボはさらなる調整を施し、最大トルクは40.0kg.mに増加。さらにIVから採用のヨー・コントロールシステム「AYC」を発展させた「スーパーAYC」の搭載し、タイヤ左右間の限界駆動力を倍増させ旋回能力を向上させています。 MIVECでさらに加速が強化されたランエボIX 2005年3月に登場し、第3世代の集大成となるランサーエボリューションIX。フロントバンパーにダクトを新設したことで見た目はよりスポーティーになり、冷却効率も向上しました。 そして、エンジンに可変バルブタイミング機構「MIVEC」の採用。中低速のパワーを無駄なく使えるようになり、最大トルクも41.5kgmまで上がっています。 第3世代ランエボに乗るうえで知っておきたい故障個所 ランサーエボリューションはそのレーシーなキャラクターゆえ、サーキットの高負荷走行が多く、そのぶん故障の事例も多く出ています。 ここでは、第3世代通して故障しやすい箇所についてご紹介しましょう。 ACDポンプ VIIから採用されたACDを制御する「ACDポンプ」はスポーツ走行の繰り返しで故障するケースが多く、異常時は走行こそできますが、油圧による駆動制御が効かなくなってしまいます。 ACDポンプは部品代と交換工賃を合わせると20万円ほどの費用にもなるので、サーキットを走行する機会がある方は、故障に注意する必要があるでしょう。 O2センサー エンジンの吸入空気濃度を検知するO2センサーは、タービンのアウトレット部に設置されており、その熱やススが原因で故障することが多く見られます。 故障した場合は最適な燃料噴射量が狂い、加速不良やアイドリングの不調を起こします。センサー本体は純正だと3万円ほどですが、費用を抑えたい場合は約7000円前後で販売されているOEM品を使用するのがおすすめです。 カム角センサー カムシャフトの動きを検知するカム角センサーは、エキゾーストマニホールド付近に設置されているため、O2センサーのように熱にやられてしまうことが多くあります。 部品代は5000円ほどと比較的安価ですが、故障の際はエンジンが始動しなくなる恐れがあるので早急な修理が必要です。 車体のサビ 雪道を走行する場合はサビにも気を付けなければなりません。雪道に散布される融雪剤には「塩化カルシウム」が含まれており、車体のフレームやマフラーを腐食させる恐れがあります。 フルタイム4WDのランサーエボリューションは降雪地帯で使われることも多く、サビの被害も多数出ているので、下回りをこまめに洗い付着した融雪剤をできる限り落とすようにしましょう。 第3世代ランサーエボリューションの中古車市場 ランサーエボリューションのなかでも第3世代は特に人気が高く、中古車価格の高騰が続いています。 記事執筆時の2021年12月時点で、大手中古車サイトに掲載されている第3世代の中でも、いちばん高額だったのが平成18年式1.8万km走行のGSR IX MRで、車体価格は800万円。走行距離が少ないとは言え、15年以上前の中古車と考えれば、どれだけ高額で取引されているのかがお分かりいただけるのではないでしょうか。 一方、旧車王での買取価格はVIIが~250万円、VIIIが~300万円、IXが~350万円と高額。さらに、走行性能を高めたモデルのVIII MRは~380万円、IX MRは~500万円となっており、世界中で人気の高いランサーエボリューションならではのプライスといえるでしょう。 まとめ VIIからIXまでの第3世代ランサーエボリューションは、すでに頭打ちと思われていた第2世代からさらに進化を遂げ、多くのファンと業界関係者を驚かせました。 ユーザーによっては、その後に登場した第4世代のXよりも、車重の軽い第3世代を高く評価する場合もあり、根強い人気を保ち続けています。 しかし、その高い走行性能とは裏腹に、経年劣化による故障も決して珍しくないため、購入の際は、それまでどのように使われてきた、きちんとメンテナンスされてきたかなども確認するようにしましょう。 [ライター/増田真吾]
免許の自主返納とは、運転免許が不要になった方、身体機能の低下や運転に不安を感じるようになった高齢のドライバーが、自主的に運転免許証を返納する制度です。免許の自主返納と聞くと、全ての免許を返納したり、身分証明書がなくなったりしてしまうと心配する方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、免許返納制度の詳細、手続きの方法、身分証明書となる運転経歴証明書などについて解説します。 自主返納制度とは 免許の自主返納制度とは、全ての免許または一部を取消しできる制度のことです。 運転免許が不要になった場合や加齢に伴う身体機能の低下などにより、運転に不安を感じるようになったドライバーは、自主的に運転免許証を返納することができます。 免許返納の年齢には制限がなく、何歳でも返納することが可能です。ただし、免許の自主返納をして運転経歴証明書を交付したことによる特典を受けられるのは、65歳以上からとなります。 また、「普通自動車の運転は卒業して、原動機付自転車を運転したい」「普通自動二輪免許を持っているものの、原動機付自転車しか運転しない」などの場合は、運転免許の一部取り消し申請することができます。運転免許の一部取り消しにより、必要な種類の免許のみを保有(取得申請)することが可能です。 ただし、運転免許の停止や取消しなど行政処分中の方、免許停止または免許取消処分の基準に該当する方は、自主返納することができません。 自主返納件数 運転免許証の自主返納の件数は、年々増加傾向にあります。令和2年の統計によると、東京都の1年間の運転免許自主返納数は62,626件です。東京都で運転免許証の自主返納をした65歳以上は58,845件、75歳以上は22,392件、80歳以上は11,646件となっています。 免許返納の件数が増加している傾向の背景には、高齢(65歳以上)ドライバーが第一当事者となる事故が増加傾向にあることが挙げられます。 出典元:警察庁「自主返納件数の都道府県別・月別の推移(令和2年)」 運転免許証の自主返納制度は、運転に不安がある方や視力、体力、記憶力、判断力など身体能力が低下した方による事故を減らす目的で平成10年に導入されました。制度導入当初は自主返納をする件数が少なかったものの、運転経歴証明書の導入や65歳以上の高齢者ドライバーの運転免許証自主返納後の支援が充実したことで、自主返納件数は増加しました。直近4年間(平成29年~令和2年)では、年間40万人以上の高齢者が運転免許証の自主返納をしています。 免許返納のよくある理由 運転免許証の自主返納をする主な理由は、運転に自信がなくなった、家族などに返納を勧められた、運転する必要がなくなったなどです。しかし、車がない生活が不便だと感じている方も多く、自主返納をためらうケースもあるようです。 高齢者(65歳以上)の場合は、運転免許証を自主返納し、運転経歴証明書の交付を受けると、公共交通機関(バス・タクシーなど)の割引を受けることができます。そのため、自治体や協賛企業のサポートを上手く利用すれば車がなくても不便ではないと言えるでしょう。ただし、運転経歴証明書の提示による公共交通機関の割引や支援などのサポート内容は各自治体により異なります。運転経歴証明書を提示することにより受けられる特典は、各都道府県のページでご確認ください。 免許返納の手続き場所 運転免許証自主返納の手続きは、運転免許センターまたは管轄の警察署で行います。免許の返納を考えているときは、運転免許センターや管轄の警察署に問い合わせて、手続き場所を確認してください。 一般的には、運転免許センターまたは管轄の警察署に運転免許証を持参して手続きします。運転免許証の返納だけであれば、免許証のみで手続きすることが可能です。ただし、免許返納と運転経歴証明書の発行を同時にする場合は、写真や手数料が必要となります。また、代理人が免許返納をする場合は、委任状や代理人の本人確認書類などが必要です。 免許返納に必要なもの 免許返納に必要なものは、運転経歴証明書の有無や代理人による申請など、返納の方法によって異なります。それぞれのケースに応じた免許返納に必要なものは次のとおりです。 【有効期限内の運転免許証を返納する場合】・運転免許証※代理人が申請する場合には次のものも必要・委任状・代理人の住所と氏名お生年月日が確認できるもの(運転免許証や住民票など) 【有効期限内の運転免許証の返納と運転経歴証明書の発行を同時に受ける場合】・運転免許証・申請用写真(1枚)・手数料(1,100円)※代理人が申請する場合には次のものも必要・委任状・代理人の住所と氏名お生年月日が確認できるもの(運転免許証や住民票など) 【5年以内に自主返納をしていて運転経歴証明書の発行を受ける場合】・申請者の住所と氏名と生年月日が確認できるもの(マイナンバーカードや住民票など)・申請用写真(1枚)・運転免許の取消通知書・手数料(1,100円)※代理人が申請する場合には次のものも必要・委任状・代理人の住所と氏名お生年月日が確認できるもの(運転免許証や住民票など) 【運転免許証を5年以内に失効していて運転経歴証明書の発行を受ける場合】・失効している運転免許証・申請者の住所と氏名と生年月日が確認できるもの(マイナンバーカードや住民票など)・申請用写真(1枚)・手数料(1,100円)※代理人が申請する場合には次のものも必要・委任状・代理人の住所と氏名お生年月日が確認できるもの(運転免許証や住民票など) ※ここで紹介した持参物は、いずれも警視庁が公表している内容です。免許返納に必要なものや手数料の詳細は、管轄の警察署や運転免許センターで確認してください。 自主返納後の支援 運転免許証の自主返納をした後は、身分証明書となる運転経歴証明書の交付や各自治体による支援などを受けることができます。ここからは、自主返納後に受けられる支援について紹介します。 運転経歴証明書の交付 運転免許証の自主返納をすると、運転経歴証明書の交付を受けられます。運転経歴証明書は、運転免許証に代わる公的な身分証明書として使用することが可能です。 ただし、運転経歴証明書は、自主返納後5年以内または失効後5年以内でなければ交付できません。また、免許取消になった場合は運転経歴証明書の交付を受けられません。 運転免許証の返納をしたときには、身分証明書として使用できる公的書類の運転経歴証明書の交付を受けておくとよいでしょう。 市町村による支援 運転免許証の自主返納をした高齢者は、公共交通機関(バス・タクシー)で運転経歴証明書を提示すると、運賃の割引を受けられることがあります。詳しくは、各自治体が公表している特典案内をご覧管さい。 協賛事業所による支援 運転免許証の自主返納をした高齢者を対象とした支援には、協賛企業によるものもあります。協賛企業の店舗などで運転経歴証明書を提示すると、料金の割引やサービスを受けられます。協賛企業の詳細については、特典案内をご覧ください。 よくある質問 運転免許証の自主返納について、よくある質問をまとめました。 Q.自主返納制度とは? 自主返納制度とは、運転免許証を自ら返納できる制度です。運転免許が必要ない方、運転に自信がなくなった方、身体機能の低下により運転に不安を感じるようになった方など、年齢問わず返納することができます。 65歳以上の高齢ドライバーは、運転免許証の自主返納をして、運転経歴証明書の交付を受けると公共交通機関の運賃割引や協賛企業でサービスを受けることができます。 Q.自主返納している人はどのぐらいいる? 運転免許証の自主返納をしている人は、1年間で40万人以上です。このうち、65歳以上の高齢者が大多数を占めています。 Q.免許返納に必要なものは? 運転免許証の自主返納に必要なものは運転免許証です。免許返納と同時に運転経歴証明書を交付を受ける場合には、申請用写真(1枚)や手数料が必要となります。また、本人が免許返納できない場合には、代理人に委任することも可能です。
クルマを所有している方が亡くなってしまった場合、一般的には相続でその車を受け継いで乗る方が多いと思います。しかし、そのまま乗り続ける以外にも廃車にするという方法もあります。そこで今回はクルマの相続において、廃車にする手続きと必要書類について解説します。 故人のクルマを廃車にする流れ 廃車の流れは、下記のとおりです。 1.クルマの所有者を確認する2.相続する人を決める3.名義変更する4.廃車手続きをする それぞれの内容を詳しく解説します。 1.クルマの所有者を確認する 相続手続きの開始前に、クルマの所有者特定が必要です。クルマの所有権が故人にない場合、相続手続きは不要な場合もあります。 ローンで購入したクルマの場合、クレジット会社やディーラーが車検証に所有者として記載されていることがあります。この場合は、ローン完済後に改めて相続人への名義変更手続きを進めます。 2.相続する人を決める 故人名義のクルマは、法定相続人全員の共有財産として扱われます。民法で定められた相続順位に従って権利が発生するためです。 第1順位は子・孫(直系卑属)、第2順位は父母・祖父母(直系尊属)、第3順位は兄弟姉妹で、配偶者は常に相続権を持ちます。将来的に廃車予定のクルマでも、まずは相続が必要です。 3.名義変更する 相続による名義変更(移転登録)は、15日以内の申請が法律で義務付けられています。放置すると、各種手続きの制限や事故時の保険適用に問題が生じる可能性があります。 必要書類は下記のとおりです。 ・自動車検査証・戸籍謄本・車庫証明書・印鑑証明書・法定代理人関連の書類(未成年者が相続人の場合)・遺産分割協議書(遺産分割で特定相続人に譲渡する場合) 4.廃車手続きをする 廃車手続きには、一時的な使用中止を意味する「一時抹消登録」と完全に廃車にする「永久抹消登録」があります。クルマの使用予定に応じて、手続きを選択します。 必要書類は、一時抹消が車検証・ナンバープレート・各種証明書で、永久抹消は解体証明も必要です。なお、車検残存期間が1ヶ月以上ある場合は、自動車重量税の還付を受けられます。 故人のクルマを廃車にする際の必要書類 ここからは、廃車で必要な書類を名義変更と廃車手続きに分けて解説します。 名義変更の必要書類 故人のクルマを廃車にする際の名義変更に必要な書類を、「相続人全員で手続きする場合」と「新所有者となる相続人が手続きする場合」に分けて表でまとめます。 【相続人全員で手続きする場合に必要な書類】 書類 備考 印鑑証明書 ・相続人全員分 ・発行後3ヶ月以内のもの 相続人全員の実印 本人が手続きに来られる場合 委任状 本人が手続きに来られない場合は、実印を押印したもの 譲渡証明書 ・相続人全員の実印を押印したもの ・国土交通省の自動車検査登録総合ポータルサイトで入手可能(こちら) 【新所有者となる相続人(代表相続人)が手続きする場合に必要な書類】 書類 備考 新所有者となる相続人の印鑑証明書 発行後3ヶ月以内のもの 遺産分割協議書 ・相続人全員が実印を押印したもの ・相続人の中に未成年者がいる場合は「特別代理人」が代わって押印 遺産分割協議成立申立書 ・クルマの価値が100万円以下の場合、遺産分割協議書に代わって使用する ・査定証の添付が必要 新所有者以外の相続人全員の譲渡証明書 実印を押印したもの 新所有者となる相続人の実印 本人が手続きに来られる場合 委任状 本人が手続きに来られない場合は、実印を押印したもの どちらの場合も共通で必要な書類は、下記より解説します。 自動車検査証(車検証) クルマの所有者を確認するために原本が必要です。ローンで購入し、所有者がクレジット会社やディーラーになっている場合は、ローンの完済と所有権の解除が必要です。 「戸籍謄本」または「戸籍の全部事項証明書」 所有者の死亡の事実と相続人全員を確認するために必要です。婚姻などで氏名等の変更があった場合は、事実確認できる婚姻届受理証明書も用意します。 「戸籍の全部事項証明書」は、戸籍をコンピュータ化した自治体が発行する証明書で、紙媒体の戸籍謄本と同じものです。 車庫証明書 クルマの保管場所を証明する書類として、概ね1ヶ月以内に発行した新所有者の車庫証明が必要です。被相続人と新所有者となる相続人が同居家族の場合は、不要の場合があります。なお、軽自動車の場合、車庫証明の代わりに保管場所届出書が必要です。 廃車手続きの必要書類 故人のクルマを廃車にする際の手続きで必要な書類について、表にまとめます。 書類 備考 自動車検査証(車検証) ・クルマの所有者を確認するために必要 ・原本が必要 ナンバープレート(前後2枚) クルマから取り外したものを業者から受け取る 「戸籍謄本」または「戸籍の全部事項証明書」 ・所有者の死亡の事実と相続人全員を確認するために必要 ・婚姻などで氏名等の変更があった場合は、それが確認できるものも必要 ・本籍地の役所または役場で入手できる ・「戸籍の全部事項証明書」は、戸籍をコンピュータ化した自治体が発行する証明書 申請相続人(1名)の「印鑑証明書」 ・役所または役場で入手できる ・発行後3ヶ月以内のものが必要 名義変更せずに廃車にする方法 ここからは、名義変更せずにそのまま廃車する方法について解説します。 手続き方法 亡くなった所有者の名義のまま廃車手続きをする場合、以下の流れで手続きを進めます。 1.車輌の解体:解体業者にクルマの解体を依頼2.解体情報の送信:解体したクルマの情報(車名、車体番号、解体日など)を、財団法人リサイクル促進センターへ送信3.陸運局での手続き:陸運局がリサイクル促進センターからの情報を受け取った後、車検証に記載されている所有者の住所を変更4.書類の提出:手続きに必要な書類を陸運局または提携する行政書士に提出5.廃車証明書の受領:手続き完了後、廃車証明書のコピーが郵送される 遺産分割協議書や遺産分割協議成立申立書は不要です。ただし、クルマを解体してからでないと抹消手続きができないため、通常より手続きに時間がかかる場合があります。また、重量税や自賠責保険の還付金手続きが煩雑になることがあります。 必要書類 亡くなった所有者の名義のまま廃車する場合、以下の書類が必要です。 書類名 要件・備考 印鑑証明書 相続人代表者1名の印鑑証明書(発行から2ヶ月以内のもの) 委任状 実印(印鑑証明書の印鑑)を押印したもの 戸籍謄本 相続人代表者と被相続人の関係性および、被相続人の死亡が確認できるもの。(法定相続情報または除籍謄本でも代用可能) 除籍謄本 戸籍謄本で所有者の死亡が確認できない場合 銀行口座 車検が2ヶ月以上残っている場合、重量税の還付金受取に必要 マイナンバー 重量税の還付金を受け取る場合にのみ必要 法定相続情報 戸籍謄本・除籍謄本の代わりに法定相続情報での代用も可能 車検証 コピーは不可 ナンバープレート 前後2枚 自賠責保険証 有効期間が1ヶ月と20日以上残っている場合 リサイクル券 紛失した場合は支払い状況を業者が確認 相続放棄したクルマを廃車にする方法 相続放棄は、プラスとマイナスを含む故人の全財産を相続しないことです。家庭裁判所での手続きが必須で、相続開始を知ってから3ヶ月以内に行う必要があります。相続放棄をした場合は故人のクルマを相続したり廃車にしたりできません。 また、クルマを管理している場合は、他の相続人への引き渡し義務が生じます。 相続放棄後の処分は、主に下記3つのケースに分かれます。 主なケース 詳細 車検証の所有者が故人ではない場合 相続対象外となり、登録名義人による処分が必要 相続放棄していない相続人がいる場合 ・相続人がクルマを相続し、処分権限をもつ・複数の相続人がいる場合は、遺産分割協議で処分方法を決定する 全相続人が放棄した場合 ・家庭裁判所が選任する相続財産管理人が処分する・管理人選任には多額の予納金(数十万円から100万円程度)が必要・費用を負担する者がいない場合、クルマの処分が未決状態となる クルマをスムーズに処分するためには、相続放棄の判断と同時に、処分方法についても慎重に検討する必要があります。 相続して乗るか廃車にするかの判断のポイント そのまま乗り続けるか、廃車にすべきかのポイントは下記のとおりです。 項目 内容 クルマの状態 年式や走行距離は使用に耐えられるか クルマの傷や故障の程度 運転が困難なほど故障している古いクルマかどうか 相続手続きの状況 相続手続きが済んでいるか(手続きをせずに放置すると、後々トラブルの原因になる) 名義変更の必要性 名義変更をしないと、売却や廃車ができない 経済的な側面 自動車税や保険料などの維持費・修理費用・売却した場合の査定額・廃車費用 判断に迷う場合は、弁護士や廃車業者などへの相談をおすすめします。 まとめ 相続によるクルマの名義変更や廃車手続きは必要書類が多いものの、それほど複雑ではありません。また、専門家に手続きを代行してもらうことで、忙しい方でもスムーズに相続手続きや廃車手続きができます。本記事で解説した内容を参考に、手続きを確実に行いましょう。
自動車を相続する場合には、相続税の申告納税が必要です。相続税の計算の元となる評価額は、どのように計算すればよいのでしょうか。ここで注意したいのは、自動車の名義が相続人と被相続人で評価方法が異なる点です。ここでは、自動車税の相続税における評価方法について詳しくご紹介します。 自動車の相続税上の扱い 被相続人(故人)が自動車を所有していた場合、土地や建物と同様に自動車も相続の対象となります。自動車は不動産に対し、相続税上の「一般動産」として扱い、相続税の課税対象として評価されます。 また、一般動産の評価は、国税庁の通達によると「一般動産の価額は、原則として、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価する。」となっています。これは、相続する車の価値とは新車価格ではなく、あくまで亡くなった当日の価値で決められるということです。 また、「亡くなった日の価格」を評価するため、相続が発生した日からかなりの時間が経って自動車の評価額が変動したとしても、相続税が安くなったり高くなったりすることはありません。。 相続する自動車の評価方法 故人の自動車を相続する場合、その自動車をどのように評価するのか詳しく見ていきましょう。 業者の買取価格相場 車の評価方法は一般的に、買取業者の買取価格相場に準じます。ここで注意したいのは、一般動産の評価額は「販売価格」ではなく、「買取価格の相場」となることです。 買取価格を確認する際は、買取業者のホームページなどに掲載されている金額を相続した自動車に当てはめるのが手軽です。その際には車のメーカー、車名、グレード、年式(初年度登録年月日)、走行距離(備考欄参照)などの情報が必要です。なお、年式については間違えやすいので注意しましょう。自動車検査証には「登録年月日/交付年月日」と「初年度登録年月」の2つの年月が記載されていますが、後者の「初年度登録年月」が年式に当たります。 自動車検査証を参照して、正確な情報をもとに買取価格を確認しましょう。 売却査定額 自動車の相続手続きは、評価額によって異なります。その基準は100万円以上かどうかです。。100万円未満の場合は、相続人1人で書類を作成できる「遺産分割協議成立申立書」を用いた手続きが可能です。 100万円以上の場合は、相続人全員の署名、実印の捺印、印鑑証明が必要な「遺産分割協議書」を用いた手続きが必要となります。。 売却代金 相続後に自動車に乗らないために、相続が開始してから売却するケースがあります。その際には、査定書の金額ではなく、「売却代金=相続税評価額」として申告します。ただし、国税庁の通達に記載のある通り、財産の評価は「時価主義」となります。また、金額により手続きが異なることもあり、早期売却のために買取相場よりも安く売却した場合や、友人知人の安価に売却した場合などは、売却代金を相続税評価額として採用することはできません。 償却費控除額 古く貴重な車種や特殊なパーツが沢山装備されている車種など、市場の評価では評価額の確認が難しい場合は、「新品の時の小売価格ー償却費の合計金額」で算出することも可能です。通常の評価額は、これまで紹介した「買取相場を確認する」「査定をしてもらう」「売却した代金を相続税評価額として採用する」ことで評価が可能ですが、それでは対応できない場合には購入金額をもとに算出しましょう。 実際の償却費の額の合計額は、耐用年数と償却方法により算出します。自動車の耐用年数と償却率は、普通自動車は6年(定率法償却率0.333)、軽自動車は4年(定率法償却率0.500)と異なりますので注意しましょう。 名義が異なる場合の評価について 故人である父親がお金を出して息子に買い与えた場合など、自動車を相続する時点で、その自動車の名義が故人ではなく相続人のような場合があります。その際にはどのような対応が必要か4つのパターンを紹介します。 名義自動車の扱いで評価する 名義口座と同様に、自動車も名義自動車として名義人=所有者として考えるのではなく、「真の所有者が誰か」が重要となります。真の所有者が故人である場合、名義が相続人であっても相続した自動車の評価額は相続税の申告に含めなくてはなりません。この「名義自動車」として評価する場合の評価方法は、前述した方法で行います。 貸付金として評価する 自動車の購入に際して、購入資金を故人から借りていた場合は、「貸付金」として相続財産に計上して評価します。その際には、借りた日から相続開始日までに返済した金額は、控除して計上します。 自動車自体の生前贈与として扱う場合 故人が購入して、その後に自動車の名義を相続人に変更した場合には、「自動車自体の生前贈与」として扱います。「相続時点の自動車の評価額」が110万円の基礎控除額を超える場合は、贈与税として申告納付が必要となります。ただし、相続開始前の3年以内に取得した財産は110万円の基礎控除額以内であっても相続税の課税価格への加算が必要ですので注意してください。 購入資金の生前贈与として扱う場合 故人が相続人に対して車を買い与えた場合は、自動車の「購入資金の生前贈与」とみなされます。その際の贈与税や相続税の考え方は「自動車自体の生前贈与」と同様となります。ただし、算出の基準となる金額は、「購入時の金額」です。 相続税の計算については税理士に相談しよう これまで紹介したように、相続した自動車の評価額の計算方法は、相続の形式や状況などで異なります。申告が漏れると「追徴税」が課される恐れがあります。過少に申告した場合の追徴税は「過少申告加算税」となり5%〜15%が、無申告であった場合の追徴税は「無申告加算税」として5%〜20%が課せられる恐れがあります。故意でなくても申告漏れした場合には上記の追徴税が課される場合があるため、相続税の計算や各種手続きについては税理士に相談し、確実に申告しましょう。
1989年のバブル絶頂期に登場したFRスポーツハッチバック、日産180SX。S13シルビアをベースとしつつ、リトラクタブルヘッドライトを採用したシャープな外観や、高出力のターボエンジンといった個性を持ち、当時の若者に絶大な人気を誇りました。 今回はそんなスタイリッシュかつスポーティな180SXの魅力と、中古市場について解説していきます。 スタイリッシュ&スポーティで若者を熱狂させた180SX 180SXは日産の小型ハッチバッククーペとして、1989年5月に発売されました。 1988年5月に登場したS13シルビアとは兄弟車であり、プラットフォームやエンジン、そのほか車体の多くの部分を共有。ファストバック形状のボディや角型2灯式のリトラクタブルヘッドライト、全グレードターボモデルのみのラインナップなど、S13シルビアと比べてスポーティ寄りのコンセプトとなっています。 最高出力175psの1.8リッター直4ターボエンジン(CA18DET型)や、Cd値0.30の空気抵抗係数を誇るボディラインといった走行性能の高さも相まって、若者を中心に人気が爆発。約11万5000台の販売台数のうち9割はMTモデルで、スポーツカーとして多くのファンを生みました。 180SXの3つのモデルについて解説 180SXは、1989年5月から1999年1月の約10年という長い期間で販売され、そのモデルサイクルのなかで大きく「前期」「中期」「後期」の3つに分類することができます。 本来の「180」エンジンを持つ前期型 1989年5月に発売開始された前期型は、最高出力175ps、1.8リッターターボのCA18DET型エンジンを搭載。180SXの「180」は排気量を現すものですが、中期型からは2.0リッターにアップするため、車名どおりのエンジンを搭載するのはこの前期型のみとなります。 グレードは「タイプⅠ」と「タイプⅡ」に分けられ、前者は簡易装備の廉価モデル。後者はオーディオやパワーウィンドウなどの装備を充実させた快適仕様です。前期型の特徴としては、フロントバンパーのナンバー上部にはダミーダクトがあり、シートはヘッドレスト一体型のものが使われている点が挙げられます。 モデルサイクル中もっとも人気の高かった中期型 1991年1月のマイナーチェンジで中期型となった180SXは、エンジンが2リッターターボのSR20DET型に一新。最高出力は前期型の175psから30psアップの205psとなりました。 外観はフロントバンパーのダミーダクトがなくなったことでシンプルな印象になったとともに、タイヤのサイズアップやホイールデザインも変更されています。グレードはデジタル表示式オートエアコンや、専用リアスポイラーなどを装備した最上級グレード「タイプIII」が追加されました。 エンジンの出力向上でさらにスポーティになった中期型は、走り屋の若者を中心に大ブレイク。販売期間中でもっとも生産台数が多くなったモデルでもあります。その分峠などでの事故が多くなり、修復歴ありの中古車がこの時期に一気に増えてしまいました。また、保険料が上昇してしまった車種としても有名です。 後期型ではアグレッシブなエクステリアに 1996年8月のマイナーチェンジから後期型に一新。フロントバンパーはダクトが追加され、疾走感のあるデザインになったとともに、リアコンビネーションランプもスカイラインを彷彿とさせる丸型に変更。そのほかにも大型リアスポイラーが装着されるなど、後期型はエクステリア面での変更が多くなっています。 新たなグレードとしては、2リッターの自然吸気(NA)SR20DE型エンジンを搭載した「タイプS」が追加されました。最高出力は140psと、当然ながらターボモデルほどの出力はなく、あまり世に出回っていませんが、NAエンジンを愛するコアな車ファンにはひそかに人気のグレードとなっています。 そして、この当時はすでにミニバンなどの実用車が人気を博しており、スポーツカー人気は低迷真っただ中。180SXも例外ではなく、この頃には通常の生産ラインに乗らず、ほぼ受注生産に近い状態で生産されていました。最終的には1999年1月発売のS15シルビアの登場と同時に販売終了となりました。 180SXの中古車市場 そんな180SXですが、スポーツカーとしての人気は衰えず、サーキットやドリフト界では未だ現役であり、それとともに市場価値も上昇しています。 2021年12月時点での大手中古車サイトでは、1997年式 11.7万km走行の後期型最上級グレード「タイプX」が452万円のプライスとなっていました。最安値でも1995年式 16.9万km走行の「タイプX」が130万円となっており、当時の同グレードの新車販売価格が約260万円であることを考えると、180SXの人気の高さがうかがえます。 一方、旧車王の買取価格は中期型、後期型ともに大きな違いはなく、廉価グレードの「タイプⅠ」や「タイプS」では~200万円。上級グレードの「タイプX」では~300万円の高価買取となっています。 まとめ FRハッチバックスポーツとして多くの若者を魅了した180SX。1993年10月のS14シルビア発売後もフルモデルチェンジはせず、そのままのS13シルビアベースで販売され続けたことが、180SXの何よりの人気の証といえます。 今や180SXは安価で購入できる車ではありませんが、リトラクタブルヘッドライトを備えたFRハッチバッククーペという時代離れしたそのフォルムは、必ずやコスト以上の満足感を与えてくれるでしょう。 [ライター/増田真吾]
車の相続は、名義変更や遺産分割協議など様々な手続きが必要となり、初めての人にはわからないことも多いです。そこで今回は、そんな車の相続に関しての手続きを必要書類と流れに分けて解説します。 車の相続手続きの流れ 車の相続手続きの手順は大きく分けて3つあります。それぞれの手順について、くわしく解説します。 1.所有者の確認 車の相続手続きにおいて、最初にやるべきことはその時点での所有者の確認です。つまり、誰から相続をするのかを明確にします。確認方法は車検証などの所有者名の欄で確認できます。 個人所有の場合 所有している人が被相続人本人だった場合、相続の名義変更手続きを行うため手順2に進みます。 ディーラー又は信販会社所有の場合 被相続人がローンなどを組んでいて返済がまだ終わっていない場合には、所有者の名前がディーラー又は信販会社になっています。この場合は、このままでは名義変更が行えないので、所有権解除をするためにローンを完済しなければなりません。基本的にこのケースでは一括返済が求められます。 返済が厳しい場合は、信販会社・ディーラーが引き取って売却し、売却で得たお金が返済に充てられます。それでも足りない場合は相続人(次の所有者)に返済が求められます。返済を終えて、所有権を解除したら手順2へ進みます。 2.相続する人を決める 最終的に相続する人を決定します。相続人が複数いる場合には相続人全員が参加した協議(遺産分割協議)にて最終的に誰が相続するのか話し合う必要があります。そこの話し合いで最終的な相続人を選出し全員が合意したら、そのことを証明する遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書では全員が合意したことを示すために相続人全員の実印が必要です。 軽自動車の場合 軽自動車の場合は普通車とは異なり、遺産分割協議書を提出する必要がありません。そのため、書類を作成する必要もありませんし相続人が複数人いたとしても最終的に相続する人だけで手続きができます。 3.名義変更 最後に、書類をまとめて行うのが名義変更の手続きです。必要書類をまとめて運輸支局にて手続きを行い、被相続人から相続人へ所有名義を変更することで相続完了となります。名義変更をする際は、手数料として500円の費用がかかります。必要書類については、次の章でくわしく解説します。 車の相続手続きの必要書類 車の相続手続きには、様々な書類が必要です。ここからは、必要書類それぞれについて解説していきます。 移転登録申請書・自動車税申告書 移転登録申請書と自動車税申告書は運輸局へ行ってから記入する書類となります。移転登録申請書は自動車の所有者を移転することを示す書類で、実印が必要となります。また、手数料が40円ほどかかります。 自動車税申告書は各運輸局に隣接されている税事務所にて手続きを行うことができます。こちらの書類を提出する際は、遺産分割協議書の写しと被相続人と相続人の相続関係がわかる書類(戸籍謄本等)も合わせて提出します。また、手数料として200円支払います。 名義変更をする車の車検証 名義変更をする車の車検証が必要です。車検証は車のグローブボックスなどにあります。 被相続人(故人)の戸籍謄本 亡くなった方(被相続人)の戸籍謄本で、相続人全員の記載があり発行から3ヶ月以内のものが必要です。この戸籍謄本で死亡の事実を確認します。ない場合は、現在の戸籍謄本と原戸籍謄本など死亡した事実を証明できるものが必要です。 相続人の戸籍謄本 最終的に相続をする人の戸籍謄本が必要です。戸籍謄本は、1件450円で本籍地の市区町村役場で取得できます。 相続人の印鑑証明書 相続人の印鑑証明書が必要です。印鑑証明書は、各区役所・支所又は指定された郵便局などでも受け取ることができます。発行から3ヶ月以内のものに限ります。 車庫証明書 車の保管場所が変わる場合には車庫証明書も必要です。管轄の警察署で必要書類を受け取り、記入が終わったら同じ警察署へ提出します。車庫証明の発行におよそ2,000円、標章交付に500円程度かかります。 遺産分割協議書 普通車の場合は遺産分割協議書も必要です。査定額が100万円以下の車の場合は、簡略化した書類である遺産分割協議成立申立書でも手続きできます。遺産分割協議書は相続人全員の実印が必要なのに対し、遺産分割協議成立申立書は最終的に相続する人の実印だけで済むため、時間を短縮できます。 相続人全員の印鑑証明書(複数の相続人が相続する場合) 相続人全員の共有財産とする場合は、相続人全員分の印鑑証明書が必要です。発行から3ヶ月以内のものに限ります。 相続人全員の委任状(複数の相続人が相続する場合) 複数の相続人が共有で相続する場合において、第3者に申請を依頼する場合には相続人全員の実印を押した委任状も必要です。
大衆車でありながら、モータースポーツファンからの人気も高いEG/EK型シビック。小排気量の1,600ccVTECエンジンはリッター100馬力を超える最高出力を発生し、ダブルウィッシュボーンサスペンションで小気味良い軽快なハンドリングは、今でも最強ホットハッチの一角と言っても過言ではありません。 同クラスの他車種を寄せ付けないどころか、上位クラスの車種とも互角に戦えるほどの高い戦闘力を誇ったEG/EK型シビックの魅力に迫ります。 運動性能重視の差別化された大衆車シビック ホンダ シビックは、1972年に初代が発表され、50年近く経った現在も11代目が新車として販売されています。これだけのロングランを実現したシビック成功の理由の1つは、大衆車でも車として基本的な運動性能を重視して開発され続けてきたことです。 さらに、VTECという画期的なエンジンの登場が、シビックの地位を不動のものに押し上げました。 ホンダ史上最長の販売期間を誇るシビック 1972年の誕生以来、ホンダの基幹車種として販売されているシビック。 3ドアハッチバックのイメージが強いシビックですが、初代の販売当初は意外なことに2ドアセダンから市場投入されました。(3ドアハッチバックは約1ヶ月遅れで発表)2ドアセダン、4ドアセダン、3ドアハッチバック、クーペなど、豊富なボディバリエーションもシビックの魅力です。 そんなシビックのライバルは、同じく大衆車の位置付けだったトヨタ カローラ。ホンダは価格と燃費、そして運動性能を重視して開発することで差別化を図りました。 EG/EK型の絶大な人気につながったVTEC シビックを語る上で外せないのがVTECエンジンです。最初の搭載車こそ、当時新発売だった2代目DA型インテグラに譲ったものの、約半年後には既に販売されていたEF型シビックに搭載されます。 VTECエンジンは、バルブタイミングとリフト量を切り替え、低回転域のトルクと、高回転域のパワーを両立した画期的なエンジンです。バルブタイミングとリフト量を同時に変化させる機構は当時世界初。カムシャフトに物理的に2種類のカムを設け、ロッカーアームを一定の回転数で切り替えることで、低回転用のローカムと高回転用のハイカムを切り替えます。 運動性能を重視して開発され続けていたシビックに、VTEC機構を持つB16A型エンジンを搭載したことでよりスポーツ色が強まり、その後のEG/EK型シビックの人気へとつながりました。 シビックの長い歴史の中でも突出していたEG/EK型シビック 50年近くも販売され続けていることからも分かるように、シビックはどの世代も安定した人気があります。その中でも、1990年代に販売されたEG/EK型シビックは突出した存在です。 リッター100馬力超えを実現したVTECエンジンを搭載したEG型、NSX、インテグラに続くタイプRモデルが投入されたEK型。いずれもシビックの歴史上大きな出来事で、直接のライバルだったカローラのスポーツモデル、レビン/トレノを圧倒しました。 スポーティなイメージを確立したEG型 5代目シビックのEG型は、先代となるEF型の基本設計をより高める形で1991年に登場しました。 EF型で投入されていたB16A型エンジンは、同型エンジン最高馬力となる170馬力を発生。また、低グレード車には、新たに低燃費志向のVTEC-E仕様エンジンも投入されました。さらに足回りは、EF型から採用されているダブルウィッシュボーンを継承しつつ、安定性を向上。ストローク不足によるピーキーな挙動を克服し、高いハンドリング性能を実現しました。 もともと、シビックはボディタイプの多さから幅広い層に支持されていました。そこへ、完成度の高いエンジやサスペンションを搭載し、同クラスでは性能面で頭1つ抜けた存在へと進化。スポーティなイメージを確立したことでより高い人気を獲得し、シビックとして2度目の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。 タイプRが初めて投入されたEK型 1995年に「ミラクルシビック」の通称で投入されたEK型シビック。最高グレードであるSiRについては、EG型で既に完成の域に達していたB16Aエンジンとダブルウィッシュボーンサスペンションをほぼそのまま受け継いでいます。 一方、主力モデルとなるVTiには、低燃費高出力を実現した3ステージVTECを搭載し、オートマチックトランスミッションとしてCVTを採用するなど、意欲的に新技術が取り入れられたモデルです。 EK型シビックの目玉は、1997年に投入されたタイプRです。最高出力を185馬力にまで引き上げたB16Bエンジンを搭載。さらに、サスペンションのチューニング、車体重量の軽量化、専用エアロパーツなど、タイプRの名にふさわしく、随所に高性能化が図られました。 また、レカロ製バケットシート、モモ製ステアリング(SRSエアバッグ付き)、チタン製のシフトノブなど装備面も充実しています。 そして、EG型シビックに続いて、EK型シビックは3度目となる日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。 まとめ 最後にシビックの中古車相場について紹介します。 海外での90年代日本製スポーツカー人気の影響をシビックも少なからず受けており、年式の割には高い価格で取引されている印象です。ただ、EG型/EK型シビックは当時人気が高かったため、今でもそれなりに台数が残っていて、まだ非現実的な価格にまでは高騰していません。 状態によっては最上位グレードのSiRIIでも、100万円台後半で手に入るものもあります。(2021年12月現在)一方、400万円オーバーの価格をつけている中古車もあるので、今後の価格高騰には注意が必要です。買取価格も高騰していて、EG型のSiRIIで最高200万円、EK型のタイプRなら最高400万円の価格がつくこともあります。(旧車王2021年12月現在) 日本製スポーツカーがもっとも熱かった90年代を駆け抜けたEG/EK型シビック。車の挙動をダイレクトに感じ、軽量な車体を操る感覚は、現代では味わえないもの。 その価値感は、まさに現代の中古車取引価格に反映されており、手に入れたい方は少し急いだほうが良いかもしれません。 [ライター/増田真吾]