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旧車の魅力と知識

ホンダ 4代目プレリュードはデートカーではない!? GT-Rキラーと呼ばれた秘密に迫る
旧車の魅力と知識 2025.03.24

ホンダ 4代目プレリュードはデートカーではない!? GT-Rキラーと呼ばれた秘密に迫る

ホンダ 4代目プレリュードは、ワイド&ショートボディというスポーツカーらしい外観が特徴的なモデルです。性能より外観や装備が重視されたデートカーから、走行性能を重視したスポーツクーペとして登場しました。 日産 R32 GT-Rにも匹敵する高い性能を誇った4代目プレリュードの魅力を、誕生の歴史やレース戦績を中心に詳しく紹介します。 デートカーのイメージを払拭した4代目 プレリュードといえば、バブル期に巻き起こったデートカーブームの火付け役です。スポーティな外観ではあるものの、居住性や快適性を重視したスペシャルティカーとして人気を博しました。 しかし、4代目プレリュードは、走行性能を重視する方向に大きく舵を切ります。スポーツクーペとして生まれ変わった4代目プレリュードの特徴を、改めて確認してみましょう。 スポーツクーペとして登場 1991年のフルモデルチェンジで登場した4代目プレリュードは、従来のスペシャルティカーというコンセプトを刷新。より走行性能を重視した、スポーツクーペに生まれ変わりました。 スポーツクーペというコンセプトがわかりやすいポイントは、大幅な変更が施されたボディデザインです。全幅を70mm広げて(1,780mm)3ナンバーサイズにワイド化した一方、全長を80mm(4,440mm)、全高を5mm(1,290mm)縮小して運動性能の向上が図られています。また、2代目、3代目と受け継がれてきたリトラクタブルヘッドライトの廃止も、大きな変更点です。 インテグラ・タイプRよりも4年も早くFF革命を起こした 1995年に登場したインテグラ・タイプRは、FFに革命を起こしたといわれています。しかし、実は4代目プレリュードは、4年も早く革新的なFFスポーツクーペとして登場しました。 「Si VTEC 4WS(BB1型)」、「Si VTEC(BB4型)」の両グレードに搭載されるエンジンは、ホンダ自慢のVTEC機構を備えたH22A型です。最高出力はインテグラ・タイプRと同様の200psを誇り、2.2Lという大排気量による最大トルクは22.3kgf・mにも達します。 また、プレリュードの代名詞ともいえる4WSは、VTEC非搭載の下位グレードにも用意されていました。世界初の機械式4WS機構は、操舵角、車速、ステアリング操作速度で制御する電子式にアップデートされています。VTEC非搭載のグレードは、「Si(BA8型)」と「Si 4WS(BA9型)」の2モデルです。 無敵を誇ったR32 GT-Rを追い詰めた 4代目プレリュードは、走行性能の向上を過酷なレースシーンで証明しました。プレリュード発売の翌年1992年から、改造範囲が狭く市販車の性能と信頼性がレース結果に直接結びつくN1耐久シリーズに参戦します。 連勝街道をひた走るR32 GT-Rを脅かすほどの存在感をみせた、プレリュードのレース戦績について振り返ってみましょう。 BB4型をベースに開発 プレリュードが投入されたのは、N1耐久(現スーパー耐久シリーズ)という量産市販車ベースで争うレースです。プレリュードのレース車輌は、VTECモデルで4WS非搭載のSi VTEC(BB4型)をベースに開発されました。 当時のN1規定の改造範囲は限られており、基本的には市販モデルと同様の仕様です。エンジンについてもピストンやコンロッドのバランス取り、ECU(エンジンコントロールユニット)のチューニング程度しか許されていません。つまり、N1耐久では、市販車のポテンシャルが勝敗に大きく影響するということです。 GT-R無敗時代にトップ争い プレリュードがN1耐久に投入された1992年は、R32 GT-Rが全日本ツーリングカー選手権で連勝記録を作っていた真っ只中でした。レース上位陣のほとんどがGT-Rという状況のなか、デビュー戦でいきなりの総合4位を獲得します。 さらに、第4戦TIサーキット英田、ナイター12時間レースの第5戦筑波サーキットではナカジマレーシングのPIAAプレリュードがGT-Rに肉薄する速さをみせ、いずれも総合2位でフィニッシュ。連勝記録こそ止められなかったものの、同じくプレリュードで参戦するギャザズFALKENとともに「GT-Rキラー」の異名で呼ばれました。 現在では希少性の高い4代目プレリュード バブル景気を追い風にしたデートカーブームに乗って販売台数を伸ばした2代目、3代目に対して、まさにバブル崩壊の年に登場した4代目プレリュードは商業的には失敗したともいわれます。しかし、8万5,262台というモデル全体の販売台数は、ZN6型の86を6,500台あまり上回る数字です。 ハイパワーエンジンと、電子制御4WSという魅力的なプレリュードは、現在でも一定の支持を得ています。しかし、絶対的な販売台数が少なかったことから、現存する個体はあまり多くありません。ポテンシャルの高さに起因する車としての価値と希少性から、今後ますます貴重な存在になっていくかもしれません。

旧車に乗るには「覚悟がいるのか?」という問いに対する7つの理由
旧車の魅力と知識 2025.02.27

旧車に乗るには「覚悟がいるのか?」という問いに対する7つの理由

旧車&ネオクラシックカーオーナーを取材するときに必ず尋ねていることがある。それは「旧車(ネオクラシックカー)に乗るには果たして『覚悟』がいるのか」という問いだ。 この問い対して、これまで取材してきたほとんどのオーナーが「覚悟がいる」と答えてくれた。実体験を伴うだけに説得力がある。 では実際に「旧車に乗るには果たして『覚悟』がいる」のだろうか。7つの理由を元にひもといていきたい。 ■理由1:部品調達のリスク 旧車、そしてネオクラシックカーと呼ばれるクルマも含めて、もう数十年も前に生産を終了している「絶版車」だ。いうまでもなく、純正部品もはるか以前に生産終了(欠品)か製造廃止になっていて当然と思った方がいい。一部の輸入車、そして日本車メーカーも絶版車の純正部品の再生産を行っているが、特定のモデルにスポットライトが当たっているような状況で、ほとんどのモデルの部品はネットオークションなどを駆使して入手するしかない。 国内専用モデルとして販売された国産旧車およびネオクラシックカーよりも、世界各国に輸出されたメーカーのモデルの方が部品を入手できる確率が高い。また、一部のモデルはリプロパーツが出回っており、純正品にこだわらなければ入手にはそれほど困らないモデルもある。分かりやすい例を挙げると、クラシックミニやフォルクスワーゲン ビートル(タイプI)がその代表例といえる。 ■理由2:故障のリスク どこかのメーカーの格言ではないが「最新は最良」であることはひとつの真実だと思う。先代モデルよりも進化し、クルマとしての性能が相対的に向上しているからだ。その反面、旧車およびネオクラシックカーは古くなるいっぽうだ。いつ何時故障するか分からない。前触れがある場合もあれば、突然やってくることも少なくない。そのリスクは最新モデルより間違いなく高いといえる。 要はこの「故障のリスク」と向き合える覚悟があるかどうか、自分の胸に手を当てて問うてみればいいわけだ。最新モデルではまずありえないような、出先で故障して帰りはバスか新幹線で・・・なんてことも現実的に起こりうるかもしれない。実際に故障するかもしれないし。しないかもしれない。ただ、その確率は現代のクルマより確実に高い。旧車に乗る以上、そのリスクを常に意識しておく必要がある。 ■理由3:信頼できる主治医の存在 旧車ライフにおける生命線のひとつといえるのが「信頼できる主治医や専門店の存在」だと断言できる。「オーナー兼主治医」という人であれば、時間と手間と予算を気にせず思う存分メンテナンスに費やせるが、ここまでできる人はさすがに少数派だろう。そうなれば、大なり小なり、そのクルマに精通した主治医や専門店の腕とノウハウに頼ることとなる。 オーナーよりも愛車に精通し、適切なアドバイス、そしてメンテナンスを施してくれる。適切なエンジンの始動方法から、暖機運転の方法、アクセルおよびクラッチワークのコツ・・・などなど。もはや主治医であり、師匠とも呼べる存在ですらある。 ■理由4:「ヨコのつながり」の大切さと重要さ クルマ趣味のなかには頑なに仲間を作らず、黙々と楽しむ人がいる。あくまでも趣味なので個々の自由ではあることを前提として、やはり「ヨコのつながり」は大切にした方がいいと思う。おすすめの主治医やショップ、クルマや部品の売買情報、トレード、ツーリングや忘新年会の連絡など・・・。ここで得られる情報は恩恵は計り知れない。 それゆえ、敢えて最初はお互いに深入りせず、時間を掛けて連帯感と信頼関係が揺るぎないものへと変わっていく。接点はクルマのみ。幼なじみとは違う、趣味を通じて知り合った大人の関係だ。たまにはイヤなヤツもいるが、不思議と自然淘汰されていくから心配はいらない。むしろ、自分が淘汰される側にまわらないように注意する必要がある。 ■理由5:自身でどこまでメンテナンスできるか エンジンを掛けようと思ったら始動しない、出先で故障して動けなくなった。その都度、ショップや主治医にSOS発信をすれば、例え休日であっても救援に来てくれる可能性が高い。しかし、それには当然ながら費用が発生する。これらをタダでお願いしようと思うこと自体がナンセンスだ。 それであれば、ある程度は自分自身でメンテナンスや修理できた方がいい。愛車のコンディションをもっとも把握しているのは主治医であったとしても、オーナーにとってはブラックボックスである領域が多いことも事実。主治医によっては、オーナーが勝手にいじくることを嫌う人もいるので、相談しつつ、落としどころを探るといいかもしれない。 ■理由6:快適装備とは無縁 これは「言わずもがな」だと思われるが、現代のクルマで当たり前に装備されているエアコンやカーナビ、パワステ、パワーウィンドウ、シートヒーターなどの快適装備は期待しない方がいい。特にエアコンは、年代よっては装備されていないモデルも少なくない。きちんと動作するかはさておき、よくてクーラーだろう。 暑いだの寒いだの疲れるだの、乗るたびにストレスになるようなら旧車およびネオクラシックカーは向いていないと思った方がいいかもしれない。 ■理由7:1台ですべてをこなすのはほぼ不可能 記事やYouTubeなどの動画でサラリと「このクルマ(旧車)1台でなんでもこなしてます」といった具合にオーナーが紹介されていることがある。しかし、いったん冷静になってみて考えて欲しい。「他の人とはあきらかに違う何か」があるから取材対象となるのであり、インパクトがあるのだ。同じ土俵で考えない方がいい。 買い物や家族の送迎などの短距離走行、大雨のなかで走ることもあるだろう。ゲリラ豪雨のなか、エンジントラブルで立ち往生したらなす術もない。雨漏りしてくる可能性も大いにある。錆だって進行する。コンディション維持を考えたらなにひとついいことはない。万能に使える足車が必須となってくる。1台ですべてをこなすのはほぼ不可能だと思っておいた方がいい。 ■まとめ:やせ我慢の美学?結論として「覚悟はいる」 筆者自身、1970年製の旧車を所有しているが、イベントのときなどは真夏でもクルマを走らせることがある。エアコンはもちろんクーラーすら装備されていないから暑いことこのうえない。充電式の小型扇風機を室内に持ち込んでまわしてみるのだが、熱風をかきまわすだけでちっとも涼しくならない。 それでも、現代のクルマでは決して味わえない、ダイレクト感、直結感は何ものにも代えがたいものがある。運転中はBGMはおろか(そもそもオーディオレスだ)、水を飲むことさえ忘れるくらい運転に没頭できる。 不便さを差し引いてもあまりある魅力にあふれているからこそ、エアコンレスだろうが何だろうが苦にならないのだ(大変だけど)。旧車およびネオクラシックカーでしか味わえない世界を知ってしまったら最後。「やせ我慢の美学」といえばそれまでだが、多少苦労してでも古いクルマならではの魅力を選ぶか、現代のクルマならではの快適性が享受できるなかでクルマ趣味を謳歌するのかは人それぞれだ。 [撮影&ライター・松村透(株式会社キズナノート)]  

日産 S15シルビアは常識外の車?! レースでの活躍も含めて魅力に迫る
旧車の魅力と知識 2025.02.26

日産 S15シルビアは常識外の車?! レースでの活躍も含めて魅力に迫る

無駄を削ぎ落としたコンパクトボディに、ハイパワーターボエンジンを備えたS15シルビア。シリーズ最終型として投入され、低い全高と吊り目の精悍なマスクで多くの人気を集めました。また、高い運動性能から、現在もドリフト競技を中心に第一線で活躍しています。 40年近くにわたるシルビアの歴史を締めくったS15の、開発背景や魅力を改めて振り返ってみましょう。 常識外のアプローチで進化を遂げたS15 長くモデルチェンジを繰り返す車種は、一般的に大型化していきます。スポーツモデルも例外ではなく、ホンダ シビックやマツダ ロードスターといった軽量コンパクトが特徴のモデルでさえ、現行型は3ナンバーです。 シルビアも6代目のS14で3ナンバー化しましたが、S15では再び5ナンバーに戻すという驚くべき手法で進化を遂げます。シルビアの歴史やグレードとともに、開発背景を振り返ってみましょう。 FRという駆動方式と進化が方向性を決定づけた 初代シルビアはダットサン フェアレディのシャシーをベースに開発され、1965年に登場しました。しかし、商業的には成功せず、わずか3年、544台の生産で一旦絶版になります。その後7年のブランクを経て2代目が登場、以降最終型のS15まで合計7世代が生産されました。 そして、シルビアの地位を確立したのが、1980年代後半にバブル景気を背景に生まれたデートカーブームです。先行するホンダ プレリュードの対抗馬として開発された5代目シルビアのS13型は、高い走行性能と豪華な内装によって人気を集めました。 また、駆動方式がFRだったことも、シルビアの個性をより際立たせたポイントです。デートカーの代表格といわれたプレリュードはFF、トヨタ セリカ GT-FOURは4WD(ベースはFF)だったのに対し、コントロールする楽しさを味わえるシルビアは、スポーティな走りを求めるユーザーから支持を集めました。 以降、6代目のS14、最終型のS15と走りに磨きがかかっていきます。 シェイプアップして戦闘力をアップしたS15 S13で高い評価を得たシルビアは、6代目のS14を経て1999年に7代目S15に進化しました。最大の変更ポイントは、ボディサイズです。S14で3ナンバーサイズに大型化したものの、販売当時はシルビアらしい軽快さが失われたとして不評でした。 そこで、S15では無駄を徹底的に削ぎ落とし、再び5ナンバーサイズとして登場します。「見て、乗って、走って、エモーションを感じる軽快コンパクトなスポーティクーペ」をコンセプトに開発され、精悍な印象のエクステリア、3連メーターなどを配したレーシーなインテリアがシルビアらしい鋭い走りを予感させました。 ユーザーニーズを満たす幅広いグレード展開 S15に搭載されるSR型エンジンは、S13の後期で初めて採用されたエンジンです。2世代に渡って改良を重ねて熟成の域に達していたS15では、ターボ付きのSR20DETで最高出力250ps(Spec-R)にまで達します。さらに、6速MTを組み合わせることで、エンジンパワーを活かした走りを楽しめました。 また、セダン並の幅広いグレード展開も、S15シルビアの特徴です。ターボモデルのSpec-Rと自然吸気モデルのSpec-Sを基軸に、上質なインテリアのLパッケージやカスタマイズベースというコンセプトのType-Bといったさまざまなグレードが発売後も追加されます。 さらに、日産のカスタマイズブランドのオーテックが専用チューニングを施した、オーテックバージョンやStyle-Aといったモデルもラインナップに加えられました。特に、オーテックバージョンでは自然吸気のSR20DEエンジンに専用チューニングを施し、200psという高出力を実現しています。 守備範囲の広いFRスポーツクーペ スペシャリティカーという位置付けだったシルビアですが、最終型のS15はさまざまなファンを魅了するモデルです。ドリフトというイメージの強いシルビアですが、ドレスアップ分野からレースまで幅広い人気を集めています。 S15シルビアの魅力を、ドリフト以外の側面も含めて探ってみましょう。 幅広いカスタマイズ性が魅力 S15がもっとも活躍したのは、ドリフトシーンです。パワーアップを図る吸排気パーツ、コントロール性能を向上させるアーム類やサスペンションといった多くのチューニングパーツが販売されています。 また、「魅せる」要素も強いドリフトから派生して、エアロ類を中心にドレスアップパーツも豊富です。レーシングドライバーの谷口信輝氏が所有するS15シルビアのように、究極のドレスアップ仕様も存在します。 実はレースでも高い実力を発揮 ドリフトのイメージの強いS15ですが、実はレースでも好成績を残しています。S14から大幅に軽量コンパクト化されたS15は、全日本GT選手権(JGTC)投入初年度から実力を発揮しました。GT300クラスに参戦し、シリーズ全7戦でポールポジションを獲得。シリーズチャンピオンこそ逃しましたが、圧倒的な速さをみせつけました。 さらに、デビュー2年後の2001年には、ダイシンシルビアが念願のシリーズチャンピオンを獲得します。市販車として販売されていた期間がわずか4年だったにも関わらず、レースシーンで輝かしい実績を残しました。 今も現役で活躍し続けているS15シルビア 販売終了からすでに20年以上が経過するS15シルビアですが、現在もドリフトを中心としたモータースポーツやカスタマイズカーファンから多くの人気を集めています。GR86やGRスープラの登場で一時期よりは減ったものの、D1グランプリの参加マシンをみてもS15はまだ中心的な存在です。 また、精悍なスタイリングからドレスアップを楽しむユーザーからの支持も厚く、今のところ人気に陰りは見られません。一旦3ナンバー化したモデルを再度小型化するという日産の大英断で生まれたS15は、他に類をみない5ナンバーサイズのターボモデルとして今後も注目され続けることでしょう。

80億円で落札された「W196 R ストロムリニアン ヴァーゲン」が史上最高額のグランプリカーに
旧車の魅力と知識 2025.02.12

80億円で落札された「W196 R ストロムリニアン ヴァーゲン」が史上最高額のグランプリカーに

1954年製メルセデス・ベンツW196 R ストロムリニアン ヴァーゲンのオークションが、このほどドイツで行われグランプリレーシングカー史上最高額(約80億円)で落札されました。メルセデス・ベンツの旧車は人気がありますが、その理由を一緒に探ってみましょう。 F1で優勝した伝説のマシン ドイツ・シュトゥットガルトにあるメルセデス・ベンツ博物館は2月1日、W196 R ストロムリニアン ヴァーゲンのオークションを開催。すると、みるみるうちに入札金額が釣り上がっていき、最終的に5115万5000ユーロ(約80億円)という、グランプリレーシングカーとして史上最高額で落札されました。 このマシンは2.5リッター直列8気筒エンジンを搭載し、最高時速300km/hを誇り、1950年代半ばにF1シーンを席巻。2シーズンかけて257馬力から290馬力まで性能が向上しました。 当時のF1ルールはホイールカバーを禁止しておらず、伝統的なオープンホイールと、重量を上回る空力性能に賭けたクローズドホイールのボディ・デザインがありました。 幅広で重心が低く滑らかな流線型のボディには、アルミニウムよりもさらに軽いマグネシウム合金が使われ、重量はわずか40kgでした。 W196 R ストロムリニアン ヴァーゲンは1954年フランスグランプリでデビューすると、メルセデスのファン・マヌエル・ファンジオとカール・クリングが1位・2位でフィニッシュ。 1955年アルゼンチングランプリでは、ファン・マヌエル・ファンジオが母国で優勝を飾りました。 流線型ボディは世界にわずか4台 このモデルのマシンは14台しか製造されておらず、1955年のF1シーズンを生き抜いたのは10台。そのうちエレガントな流線型ボディのものは、わずか4台しかありません。 今回、オークションに出されたマシンは、1965年にメルセデスが米国インディアナポリス・モーター・スピードウェイ博物館に寄贈したものです。このモデルが個人所有になるのは、今回が史上初となります。 当時メルセデスのマシンは、銀色のボディから「シルバーアロー」(銀の矢)という愛称がつきました。 1世紀以上の伝統を持つメルセデスのブランドイメージと美しいデザインと希少性。そしてF1を戦った歴史が刻まれたことで、このマシンに高値がついたといえるでしょう。 カーオークション史上最高額もメルセデス・ベンツ ちなみに、クルマのオークション全体における史上最高の落札額は、2022年に記録された1億3500万ユーロ(約211億円)で、1955年製メルセデス・ベンツ 300SLR ウーレンハウト クーペです。 今回の80億円は、クルマのオークション全体では史上2位となります。こちらでもメルセデスが1・2フィニッシュとなりました。 今回の約80億円という落札価格は驚きですが、主催者側の事前の予想とほぼ一致していたということです。 2013年に英国グッドウッドでオークションにかけられた1954年製メルセデス・ベンツW196は、1960万ポンド(約36億円)で落札されました。こちらは、この段階でカーオークション史上9位の高値となっています。 廃車場で半世紀も放置されていた300SLが14億円に その他にもメルセデス・ベンツのクラシックカーが高値で落札されている事例があります。 メルセデス・ベンツ300SLは、カモメの翼のように上に開くガルウィングドアが特徴のスポーツカーで、コレクターの間で人気が高いモデルです。アメリカでは、2024年に930万ドル(約14億円)で売却されました。1956年製メルセデス・ベンツ300SLの29台製造されたうち、26台目にして唯一エクステリアが黒でインテリアが赤のものです。廃車場で半世紀も眠っていた掘り出し物で、よくぞスクラップにしなかったと拍手が送られたことでしょう。 超高級車として知られるメルセデス・ベンツ600(W100)ですが、長いルーフと6ドアのランドーレットのものは9台しかなく、そのうち、ヨシップ・ブロズ・チトー元ユーゴスラビア大統領が乗っていた1台は、2017年にイギリスで250万ポンド(約4億7000万円)で売却されました。 メルセデス・ベンツ190E 2.5-16 エボリューション IIは500台限定で生産されたモデルで、国内外で高値で取引され5000万円以上の値がつくこともあります。 質実剛健でステータスの象徴 私たちが日常よく目にするメルセデス・ベンツも、やはりラグジュアリーカーというイメージが定着しています。 メジャーな高級車で富裕層の間で人気があり、オーナーのステータスを象徴する存在になっています。 メルセデス・ベンツは、いかにもドイツらしい質実剛健な設計哲学に基づき造られています。非常に耐久性がありブランド力もあいまって、中古車市場で高値で取引されています。 企業の重役がベンツの中古車を購入して乗っているのをよく見聞きします。 一般的に新車は、購入したその日から価値が落ちていきます。メルセデス・ベンツの中古車は比較的、高値で売り買いされています。首尾よくお得な価格で購入しておけば価値が下がりにくく、いざというときにほぼ同じ金額で売却できる可能性があります。 普段は便利な移動手段で、ステータス・シンボルとしてしっかりと役割を果たし、現金が必要になったら高値で売ることができるのです。メルセデス・ベンツに乗っている社長は、意外と堅実な経営者ということでしょう。 まとめ メルセデス・ベンツの希少価値があるクラシックカーは、世界的に随一の高値がつくことが分かりました。 高性能で耐久性に優れ、信頼性は高いものがあります。また、伝統と実績に裏打ちされたブランドイメージもあり、ステータスを確立しています。 そして、一般的なメルセデス・ベンツの中古車も資産価値が高くなっています。高級車のなかで比較的、売り手も買い手も多い大きな市場を形成。つまり、売るのにも買うのにも選択肢が多いクルマだということです。 誰でも気軽に手が出せるわけではありませんが、予算に余裕があれば検討するに値するクルマということができるでしょう。 [画像/Mercedes-Benz・ライター/Takuya Nagata] 

もはや資産価値といえる存在に。海外セレブも行う「クラシックカー投資」とは?
旧車の魅力と知識 2025.01.30

もはや資産価値といえる存在に。海外セレブも行う「クラシックカー投資」とは?

「自分のクルマを売ったら、いくらになる?」と考えたことはありませんか。金額は、おそらく購入したときより低くなることを想定したでしょう。しかし、クラシックカーは、買ったときよりも高く売れることがあります。 クラシックカー投資には、愛好家やコレクターだけではなく投資ファンドも参入しています。つまり、それだけ儲かる可能性があるということなのです。 日本の状況も交えながら、海外で盛んに行われているクラシックカー投資について紹介します。 クラシックカー投資とは? クルマの価値は、一般的には経年劣化とともに下がっていきます。しかし、コレクターに人気がある一部の車種については市場価値が上昇することがあります。 クルマは、所有することに喜びがあり、便利な移動手段なだけではなく、資産でもあるのです。 クラシックカー投資は、ヴィンテージカーや希少な車両を購入し、長期的に価値が上昇したら売却する投資手法です。これらのクルマは、デザインや製造数、逸話などが要因となり、市場価値が高まることがあります。 たとえば、フェラーリ250GTOやポルシェ911の初期モデルなどは、コレクターの間で高値で取引されています。2018年には、1962年製フェラーリ250GTOが、オークションで4800万ドル(約52億円)で落札され、大きなニュースとなりました。 海外のクラシックカー市場について 歌手やハリウッドのセレブにも、クルマコレクターが多くいます。たとえば、レディー・ガガ、ニコラス・ケイジ、アーノルド・シュワルツェネッガー、リチャード・ギア、ローワン・アトキンソンといった面々です。有名人が所有すると、オークションの際により一層、価値が高まります。 海外ではクラシックカーの取引がとても盛んです。特にヨーロッパやアメリカでは、大規模なオークションや展示会が定期的に開催され、多くの投資家やコレクターが集まります。 主要なクラシックカーイベント ペブルビーチ・コンクール・デレガンス(アメリカ) カリフォルニア州の有名なゴルフ場で開催されるクラシックカーイベントで、よりすぐりのクルマが展示され、オークションも行われます。 グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(英国) リッチモンド公爵家が主催する由緒正しき催しです。希少なクラシックカーが公道やサーキットで走る姿を見ることができます。 このようなクラシックカーのイベントでは、プロの鑑定士が車両の価値を査定し信頼性が高い取引が行われます。そしてクラシックカーの希少性や保存状態の評価によって、価格が大きく変動することがあります。 クラシックカー投資の魅力とは? 希少価値 生産台数が少ないモデルは、人気に応じて市場価値が上昇する傾向があります。 デザインと芸術性 クラシックカーの多くは、現代のクルマにはない独特のデザインや味わいがあります。 資産の分散 株式などとは異なり、クラシックカーは実物資産として投資ポートフォリオに多様性をもたらします。仮に株価が暴落してもクルマの価値への影響は限定的です。また、金融市場のボラティリティ(変動)に比べたらクラシックカーの価値の推移は、なだらかです。 昨今は、日本でもインフレに転じていますが、そうすると現金の価値は目減りしていきます。クラシックカーは、インフレにも強いのが利点です。これは金や不動産、腕時計の投資にも同じことが言えます。 クルマ愛好家にとって最高の体験 クルマ好きの人にとって、クルマを購入し所有して、手入れをするだけで大きな喜びです。そんなコレクションに将来、高値がつくかもしれないと思うとワクワクします。 クラシックカー投資において注意すべき点とは 投資にはリスクがつきもので、クラシックカー投資も例外ではありません。 維持費 まずクルマを管理する駐車場や車庫が必要です。運転しないとしても、大事な資産ですので保険をかけるのが無難です。クルマは機械ですので経年劣化していきます。クラシックカーのメンテナンスは高額な傾向があります。パーツの入手が難しく、修理は専門の技術者への依頼が必要な場合があり、維持費がかさみます。 市場の流動性 株式や債権と比べると、クラシックカーの市場は流動性が低いです。適切な買い手を見つけるまでに時間がかかることがあります。急きょ、現金が必要なときには不向きです。 価値の変動 市場のトレンドや需要により、クラシックカーの価値は変動します。必ず価値が上がるわけではないことを理解しましょう。クルマとしての性能は何もしなければ次第に劣化していきます。新車より中古車が低価格なのはそのためです。それ以上に価値が上がる何かを持っているクルマ、あるいは価値が上がる可能性があるクルマを選ぶことが重要です。 偽物の流通 高価なクラシックカーに似せて偽造された車両が出回ることがあります。不安がある場合は、専門家によるチェックを推奨します。 日本のクラシックカー事情について 日本でも、旧車への関心は高まっています。例えば、トヨタ2000GTや日産スカイラインGT-R(ハコスカ)など、日本のクラシックカーは国内外で人気があります。 日本でもクラシックカーのイベントが各地で開催され、愛好家の交流の場となっています。 海外に比べると日本のクラシックカー市場は、まだ成長途上です。今後、さらに発展していくことを期待しましょう。 敷居が高いと感じる人のための奥の手とは 「価値が上がるまで気長に待ちたくない。短期間で成果を出したい」という人は、壊れているものの潜在的な価値が高いクルマを入手して修理したりカスタムパーツをつけたりするのはいかがでしょうか。手間暇はかかりますが、短期間でクルマの価値を高めることが可能です。 クラシックカー投資には、ある程度まとまった資金が必要になります。「予算があまりないけどクルマ投資をしてみたい」という人は、中古車市場であまり買い手がつかない手頃なクルマを購入して、レストア(復元)や修理をして、再び中古車市場で販売するという手もあります。低価格帯のクルマは長期的な価格の上昇幅が小さくなりがちですので短期決戦で売り手を見つけるのが懸命でしょう。 まとめ クラシックカー投資は、腕時計投資やアート投資、ワイン投資に近いものがあります。 脱炭素の流れで煙たがられがちなエンジン車ですが、EV化が進んでいることから将来的に骨董品として価値が上がることが期待できます。現在の機関車の価値を想像してみてください。 ハイリターンを狙うなら、価値が上がりそうなクルマを入手して長期的な価値の上昇をゆっくりじっくり狙うのが良いでしょう。 「真剣に売却益を追い求めるのか」もしくは「趣味の延長として行うのか」。自分はどちらが向いているかを考えてみましょう。 [画像/Porsche, Lamborghini, Mercedes-Benz, Toyota, Rolls-Royce・ライター/Takuya Nagata]  

ホンダ・S800の歴史を改めて紐解く!ヨタハチとの違いや後期モデルについても詳しく解説
旧車の魅力と知識 2025.01.27

ホンダ・S800の歴史を改めて紐解く!ヨタハチとの違いや後期モデルについても詳しく解説

直列4気筒水冷DOHCエンジンを武器に、レースでも商業的にも成功をおさめたホンダ S800。一方で、ライバル車だったトヨタ スポーツ800の登場が華々しかったこともあり、一部では「ヨタハチのほうが速い」と誤解されています。 それでは、レースでの実際の戦績はどうだったのでしょうか。本記事ではS800の特徴やヨタハチとの違いを詳しく解説します。 S800の成功とライバルヨタハチとの違い S800は、同クラスのトヨタ スポーツ800と常に比較される存在でした。同じ時代に販売された同排気量、同コンセプトの2台ですが、実はまったく異なる構造で開発されています。 S800とヨタハチの違い、レースでの実力を詳しくみていきましょう。 S600の成功を受けて登場したS800 S600が好調な販売を続けていた1965年秋。東京モーターショーで、排気量を791ccに拡大したS800が発表されました。直列4気筒DOHCエンジンは、最高出力70ps、最大トルク6.7kgmを発揮し、パワー不足感が否めなかったS600の弱点を克服しました。 一方で、車重はS600と同じ720kgに抑えられ、最高速度160km/h、0-400m加速16.9秒という本格スポーツカーという名にふさわしい性能を実現しています。 ヨタハチと大きく異なる車体構造 S800と比較されるのが、同車格だったトヨタ スポーツ800です。「ヨタハチ」という通称に対して、S800は「エスハチ」と呼ばれました。ほぼ同時代に開発されたスポーツモデルという点で両車は共通していますが、まったく異なる車体構造で開発されています。 非力なエンジンながら軽量なモノコックボディで軽快な走りを求めたヨタハチに対して、S800は専用シャシーにボディを架装するというオーソドックスな構造でした。一方で、ヨタハチの45psに対して70psという圧倒的なエンジン性能を誇り、ホンダがスポーツカーとして絶対的な性能を追い求めていたことがわかります。 レースで見せつけたヨタハチとの実力差 S800がレースデビューをすると、またたく間にライバルのヨタハチとの大きな実力差を見せつけました。ヨタハチとS800のライバル関係は有名ですが、軽量なヨタハチのほうが速いイメージをもっている人のほうが多いでしょう。しかし、実はこのイメージは、第1回自動車クラブ選手権で浮谷東次郎のヨタハチに生沢徹のホンダ S600が惨敗したことから作り上げられました。 後継のS800はデビュー当初こそ先行するヨタハチにリードを許したものの、高いポテンシャルを背景に登場からわずか1年でGT-Ⅰクラスの主導権を握る存在になります。デビュー翌年の1967年の5月に行なわれた第4回日本グランプリ自動車レース大会では、リザルトボードをS800が独占しました。 商業的にも成功したS800 レースで結果を残す一方で、S800は商業的にも成功をおさめました。最大の理由は、発売後も販売マーケットを考えて進化を続けたことです。 最終型S800Mへの進化とともに、ヨタハチに大きな差をつけた販売台数について振り返ってみましょう。 マーケットに合わせて進化し続けた 1966年1月に登場したS800は、4月に早くもマイナーチェンジを果たします。主な変更ポイントはリアの足回りで、一般的な5リンク・コイルのリジッドアクスルに改められました。独自のチェーンドライブ機構がS600から続く特徴だったものの、欧米諸国で歓迎されなかったためです。結果的に、発進時のトルクでリアが持ち上がる挙動も解消されました。 さらに、アメリカの安全基準への対応で、1968年5月に最後のマイナーチェンジを行います。S800Mと名称を改めた最終型では、四隅に大型のリフレクターを装着、フロントにディスクブレーキを採用といった安全装備のアップデートが実施されました。また、145SR13インチのラジアルタイヤを標準装備し、性能面の向上も図られています。 総販売台数もヨタハチに大きく差をつけた S800の総生産台数は、1970年の生産終了までの5年間で1万1,406台にものぼりました。わずか3,512台のトヨタ スポーツ800に、レースだけでなく販売台数でも圧勝したということです。 1960年代後半という、国内では自動車が普及し始めたばかりの時代背景を考えると、なお驚異的な数字といえるでしょう。1,000cc未満のライトウェイトスポーツという特殊なジャンルながら、1万台以上の販売台数を記録したことはS800が絶大の支持を集めていた証です。 現代的な装備が成功につながったS800 水冷DOHCという極めて現代的なエンジンの発揮する、絶対的な性能がS800の大きな武器です。軽量なモノコック構造でレース界を席巻していたヨタハチに対して、エンジンパワーで真っ向勝負を挑んだS800は勝利を掴みました。 また、大型のリフレクターやラジアルタイヤ、ディスクブレーキの採用といった現代的な安全装備によって商業的な成功も手にした点もS800を振り返るうえで欠かせないポイントです。S600によって世界に存在感を示したホンダは、S800の成功で自動車メーカーとしての地位を確かなものにしたといえます。次はどんなクルマで世界を驚かせてくれるのか、今後もホンダの挑戦に期待したいものです。

お父さん世代が切実に思う「若いときに欲しいクルマに乗っとけ」に込められた意味とは?
旧車の魅力と知識 2024.12.29

お父さん世代が切実に思う「若いときに欲しいクルマに乗っとけ」に込められた意味とは?

「老婆心」という言葉があります。曰く「余計なお世話だと分かってはいるけれど、敢えていわせて・・・」という意味合いです。端から見れば、老婆心というよりも老害丸出し。 ただ、そこには「気づいてからでは遅いのよ」というメッセージが込められていることも事実です。もしよかったら聞いてやってください・・・。 10年後・20年後に手が届かない存在かもしれない  多くの人がもしやと思い、同時にまさかここまでとは!と感じているのではないでしょうか。いわゆる旧車およびネオクラシックカーの価格高騰です。コンディションが良くなった分が価格に反映されて高くなった・・・のではほぼありません。そのままの状態で相対的に値上がりしている個体も含まれます。 欲しいクルマはあるけれど、あれこれと条件をつけて妥協せず、とうとう買い時を逃した人を何人も知っています。ちなみに、自分のその1人です。「欲しいと思ったときが買いどき」は事実です。迷っているとあっという間に5年、10年と時が過ぎていき、結果としてタイミングを逸し(あるいは気持ちが冷めてしまい)、買い時を逃してしまうのです。 結婚したら乗れないかもしれない  取材していると「結婚して子どもが生まれても2ドア(3ドアハッチバックタイプ)のクルマに乗りつづけた」というオーナーさんと、そのご家族にお会いすることがあります。身重の奧さんを助手席に乗せて産婦人科へ連れて行き、無事にお子さんが生まれたあとはリアシートにチャイルドシートを載せ、そこに赤ちゃんを乗せてそれぞれの実家に帰省・・・なんて聞くと「奥さまは心が広いなあ・・・」と思ってしまいます。 日本の路上にミニバンが溢れている理由、それは子育て世代の理に適っているからです。狭い駐車場でも電動でドアがスライド式に開閉できて、箱形ゆえに室内が広くて、リアシート用にモニターを追加すれば、大人しくトトロを観て、飽きたらそのうち子どもたちが寝てくれる(こともある)からです。パパの希望や本音とは無関係に、家庭の平和のために、ミニバンに乗り換えざるを得ない現実がそこにあることも事実です。 乗りたくても時間がとれないかもしれない  年齢を重ねるにつれて会社でも立場が偉くなり、その分、責任も重くなり・・・。仕事量が激増して帰宅後に仕事をしたり、休日出勤することも増えてきます。さらに家族がいれば、自分の時間なんてほぼ無きに等しいのです。奧さんと子どもを置いてパパが遊びほうけていたら・・・。ある日突然、帰宅したら家のなかがガランとしていて奥さんと子どもが家を出てしまった。そのまま音信不通で、結果として離婚・・・なんてことになりかねません。 奧さんに「たまには遊びに行かせやってもいいか(仕方ないか)」と思わせるくらい、普段から家事育児をしっかりこなし(手伝うや協力はNGワード)、バッチリポイントを稼いでおく必要があります。子どもが大きくなれば、自然とお父さんの自由(放置ともいう)時間も増えていきますから、そのときまでの辛抱です。・・・というより、お子さんとの時間を大切にしてください。振りかえるとあっという間に過ぎていますから。 気力・体力的に厳しいかもしれない  どれほど体を鍛えていても、節制をしていても、老いには勝てません。こればかりは何人たりとも避けてとおれない宿命のようなものです。ふと、時間があいたときに、若いころなら「よし!走りに行くか!!」と出掛けていたものが、いつしか「今日は疲れたから寝よう・・・」という思考に切り替わります。つまり、おっくうになるのです。もちろん、そうでない人もいますが、少数派です。 さらには長時間、フルバケットシートに座っていると腰が痛くなってくる。車中泊をすると体が痛い、夜間に走行すると目がチカチカする・・・。いずれも若いときには想像もつかないような「老い」を実感するときが必ず訪れます。気力があっても、体がいうことを聞かなくなってきているのです。 法改正があるかもしれない  いまでも、新規登録から13年経過したガソリン車およびLPガス車は自動車税が約15%増加します(電気自動車やハイブリッド車などのエコカーは対象外)。また、ディーゼル車は11年で税率が重くなります。さらに重量税は新規登録から13年経過で約15%(ガソリン車)、そして18年経過するとさらに加算されます。しかも、1年おきまたは車検のたびに加算された分を含めた金額を納税しなくてはなりません。ただでさえ、古いクルマは維持費が掛かることが多いのに、さらに出費がかさむのです。 ここ数年、あるいは最新モデルを手に入れたいのであれば問題ありません。しかし、今後、この税率がさらにあがったり、別の税率が加算されるなど、さまざまな形で旧車およびネオクラシックカーオーナーを苦しめる可能性があります。 まとめ:「欲しいと思ったときが買いどき」。それを逃すと手に入らなくなる 繰り返しになりますが、クルマに限らず「ほしいと思ったときが買いどき」であることは確かです。この先、もっとよい条件のクルマが見つかるかもしれないとか、もう少し待てば安くなるかもしれないなど・・・「かもしれない」に期待しすぎると、結果として買いどきを逃してしまうのです。 大きな買い物をする以上、大なり小なりリスクは避けられません。金銭面では厳しいこともあるでしょう。食費を抑えなければならないこともあるかもしれません。しかし、どこかのタイミングで意を決する必要があるのです。それにはなるべく自由度が高く、気力と体力が充実している若いときに決断をした方が思う存分楽しめるということを、老婆心ながらお伝えできればと。・・・などと書き連ねつつも、そんなこと、余計なお世話ですよね。 [ライター・撮影/松村透]

トヨタ ZZT231型セリカはライトウェイトスポーツの可能性を感じさせた! 隠れた名機2ZZ-GEの魅力に迫る
旧車の魅力と知識 2024.12.20

トヨタ ZZT231型セリカはライトウェイトスポーツの可能性を感じさせた! 隠れた名機2ZZ-GEの魅力に迫る

トヨタ セリカ通算7代目のZZT231型は、ロングホイールベース&ショートオーバーハングという個性的なデザインで登場しました。FF化以降も上位モデルとして4WDをラインナップし続けてきたセリカですが、7代目ではついにFFのみとなります。 しかし、ライトウェイトスポーツで頭1つ抜けるVTECのホンダに対して、トヨタの技術人が意地をみせた新型エンジンが搭載されていました。 隠れた名機ともいわれる2ZZ-GEエンジンを搭載する、ZZT231型セリカの魅力をみてきましょう。 30年以上の歴史をもつセリカの最終モデル 6代目のST200系が生産終了し、1999年に7代目セリカが登場しました。7代目ZZT231型セリカは、スポーツカー人気が陰りを見せるなか2006年までの7年間も販売されたモデルです。人気だった先代を超える販売期間でしたが、残念ながら後継モデルは開発されませんでした。 ダルマの愛称で親しまれた初代セリカが登場した1970年から続いた36年の歴史に幕を下ろした最後のモデル、ZZT231型セリカの誕生について振り返ってみましょう。 FFモデルとして登場 ZZT230系と呼ばれる7代目セリカは、FF車のみがラインナップされました。大まかなグレードは、本記事で紹介する上位モデルのZZT231型の「SS-II」と廉価グレードの「SS-I」の2種類です。それぞれに4ATが設定され、マニュアル車はSS-Iが5MT、SS-IIには6MTが用意されていました。さらにSS-IIには、足回りを強化したスーパストラットパッケージがあります。 FRや4WDモデルがWRCで活躍してきたセリカのイメージからすると、FF車のみというのは物足りなさが否めません。しかし、ロングホイールベース&ショートオーバーハングデザインの採用による安定性と、リアサスペンションに備えたヴァイザッハアクスル式ダブルウィッシュボーンによる路面追従性と運動性は抜群でした。さらに、1.8Lで190馬力を発生し、1Lあたり105馬力にも達する新開発の2ZZ-GEエンジンも7代目セリカの魅力です。 FR化されたモデルが全日本GT選手権(JGTC)で活躍 7代目セリカは、現在のスーパーGTの前身、全日本GT選手権でも2003年のデビューイヤーから活躍しました。伸び悩んでいたMR-Sの後継として、ロングホイールベースで限界の高いZZT231セリカが選ばれます。また、エンジンの搭載方向や駆動方式の変更が可能になった、同年のレギュレーション変更もセリカのJGTC参戦を後押ししました。 FR化したセリカにGT500で活躍したスープラの3S-GTEを搭載し、圧倒的な速さを見せつけます。デビュー戦こそ結果を残せなかったものの第5戦の富士スピードウェイで初優勝を飾ると、その年は参戦6戦中4勝という驚異的な結果を残しました。 エンジンや駆動方式こそ変更されていますが、運動性能にこだわったベース車輌の設計のよさが好成績につながったのかも知れません。 VTECを超える機構をもつ2ZZ-GEエンジン FFのみがラインナップされた7代目セリカで注目すべきは、新開発された2ZZ-GEエンジンです。可変バルブタイミング機構は4A-Gにも備えられていたものの、バルブのリフト量は固定でした。 しかし、カムの切り替え機構をもち、VTECのようにバルブリフト量の変化も実現したのが2ZZ-GEです。 2ZZ-GEエンジンについて、詳しくみていきましょう。 名機4A-Gや3S-Gの後継として新型エンジンを開発 ZZT231セリカが発売された1999年当時は、まだ4A-Gや3S-Gの生産は続いていました。しかし、いずれも基本設計は1980年代だったため、後継スポーツエンジンの開発が求められます。 そこで、1ZZ-FEをベースにVVTL-i機構を組み込んで、2ZZ-GEエンジンが開発されました。5バルブの4A-GEにも組み込まれていた吸気側の可変バルブタイミング機構を連続可変にしたうえ、一定回転数以上でカムを切り替えることで吸排気のバルブリフト量と作用角の変化も実現させました。バルブタイミングの連続可変とバルブリフト量の切り替えをもつ機構は、当時世界初だったともいわれています。 結果的に最高出力は190馬力まで高められ、145馬力の1ZZ-FEから実に45馬力もの大幅な性能向上を果たしました。排気量1L当たりの出力は105馬力で、4A-GEの103馬力を上回っているうえ、熟成を重ねたひと回り大きい3S-GE最終型の出力効率とも同等です。 名門ロータスからも搭載車が発売 2ZZ-GEが画期的なエンジンだったことは、イギリスの名門自動車メーカー ロータスが自社モデルに搭載したことからもうかがい知れます。ローバー製エンジンを搭載していた2代目エリーゼに、2004年から採用されました。また、2004年にフルモデルチェンジをおこなったエキシージにも搭載されています。 トヨタ車に搭載された2ZZ-GEは自然吸気モデルのみでしたが、エリーゼSCとエキシージSでは、220馬力を発生するスーパーチャージャーモデルも追加されています。 わずか1世代ながら可能性を感じるエンジンだった 自然吸気でも200馬力に迫るハイパフォーマンスを実現した2ZZ-GEですが、実は1代限りで生産を終了しています。また、画期的な機構だったVVTL-iも、2ZZ-GE以外には搭載されませんでした。 開発が止まった理由は明確にはされていませんが、時代背景が少なからず影響していたのかも知れません。国産スポーツカーがやや下火になっていたことと、省燃費性能が求められるようになっていたためです。 燃費面でも有利に働く可変バルブタイミング機構はその後も開発が続けられましたが、VVTL-iの核となるカム自体の切り替え機構は熟成には至りませんでした。しかし、ロータスにも採用された2ZZ-GEの実力は、ライトウェイトクラスのエンジンとして可能性を感じさせたことは間違いありません。2L以下クラスのトヨタの名機といえば4A-Gや3S-Gが挙がりますが、2ZZ-GEも高いポテンシャルをもつ隠れた名機です。

クワトロ大尉の言葉が突き刺さる「新しい時代を作るのは老人ではない!」という話
旧車の魅力と知識 2024.11.29

クワトロ大尉の言葉が突き刺さる「新しい時代を作るのは老人ではない!」という話

取材を通じて、さまざまな20代のクルマ好きの方と知り合う機会がある。そして取材を終えるたびに、赤い彗星シャア・アズナブルことクワトロ・バジーナ大尉が機動戦士Zガンダムの劇中で放った「新しい時代を作るのは老人ではない!」の台詞が脳内でフラッシュバックする(「なんのこと?」と思ったら、友人知人のガンダム好きに聞いてみてください。喜んで教えてくれます)。 劇中のシャア(クワトロ・バジーナ)の年齢は27歳という設定。いまでこそ20代の発言とは思えないと感じるが、このシーンをリアルタイムで観たのは小学生のとき。当然ながらものすごく年上の人が発しているセリフに思えた。妙に大人びて見えたシャア(クワトロ・バジーナ)の「新しい時代を作るのは老人ではない!」の台詞は、小学生のガキンチョには理解不能で、いまだに記憶に残っているほどだ。そしていつの間にかアラフィフになってしまった現在、この台詞がボディーブローのように効いてくる。 なぜなら、20代のクルマ好きの人たちと話をしていると、もう、明らかに自分が新しい時代を作ろうとしている世代の人たちとは違う星?の住人であることをを否が応でもでも実感してしまうからだ。もちろん、この内容自体が老害発言であることは自覚しているつもりだが・・・。 敢えて自戒の念を込めて、ギャップに感じたことをいくつかまとめてみた。 もしやインターネットの恩恵?初対面同士でも和気藹々 かつてプロ野球では、他球団の選手との交流(特にグラウンド上)は御法度だったという。しかし最近では、1塁ベース上で他球団の選手同士が楽しそうに会話をしている光景を見ることがある。WBCやオールスターなど、球団の枠を超えて同じチームで戦えば、チーム(ライバル球団)の垣根を超えて関係性がより深まるだろう。ましてや、お互いにライバルであっても敵ではないのだから、これはこれでいいのかもしれない。 翻ってクルマ界隈の話。かつて、走り屋が集まるようなスポットにやってくるクルマとそのオーナーたちは一匹狼的な人か、仲間同士でつるんでいるようなイメージがあった(もちろん、地域や場所によって違いはあると思いますが)。 しかし現在は、深夜のパーキングエリアなどに集まっている人たちを見ていると、初対面同士でも和気藹々と楽しそうに話している。事実、カッコいいと思ったクルマの所有車と思しき若い人に筆者が話し掛けてみて素っ気ない(いわゆる塩対応)だったことはほとんどといっていいほどなかった。むしろ、お父さん世代の方が「話し掛けるなオーラ」が出ていることが多い気がする。 リア充度高め 一昔前のクルマ好きというと、男同士でつるんで女性とは縁遠い…というケースも珍しくなかったように思う。手塩に掛けて造り上げた愛車を手放し、結婚資金や指輪代に充てたというエピソードを、数え切れないほど聞かされた。人はこうして大人になっていくのだろうか・・・。 (単なる偶然かもしれないが)取材先で知り合う20代のクルマ好きの人たちの仲間に、女の子が混じっていることが多い(しかもかわいい子が多い!)。フットサルやポケモンGOなど、さまざまな娯楽のひとつにクルマ趣味があって、アングラ臭がしないのだ。彼氏がクルマ好きで、仕方なくついてきている(なので機嫌悪い)・・・そんな時代を経験してきた身としてはうらやましい限りだ。 見た目やんちゃだけど、バリバリ稼いでいる ちょっといかついクルマに乗っていて、昔だったら明らかにやんちゃな格好をしている人に取材するべく話し掛けることがある。正直「この人に話し掛けて大丈夫かなあ」と思うこともある。ところが、いざ話し掛けてみると、拍子抜けするくらいものすごく好青年で、しかもかなりディープなクルマ好きだったりする。見掛けで判断してはダメだなと猛省した次第だ。 ちょっといかついクルマに仕上げるまでの試行錯誤やこだわりも興味深い。絶妙な車高を導き出し、実用性を兼ね備えるまでいかに大変だったとか、愛車に掛けるこだわりだとか、かなりの研究を重ねていることが分かる。「若いし、独身だから無茶できるんでしょ?」というおじさん世代からのイヤミが聞こえてきそうだが、さにあらず。妻子がいて、ローンを組んで家を持ち、仕事もバリバリこなしているような方も少なくない。 「昔は結構やんちゃしてたっスけどね」といいつつ、バリバリを仕事をこなし、実際、結構稼いでいるようだ。そうでなければ、家族を支え、マイホームを手に入れて、なおかつ現行モデルのトヨタ アルファードにフルエアロは組めないだろう。仮に共働きだったとしても、たとえ残クレで手に入れたとしても、それなりに稼ぎと社会的な信用(きちんとローンが組める)がなければこの構図は成り立たない。「将来、独立して稼げるようになったら、ベンツのSクラスを新車で買ってみたいっスよね」も、ビックマウスでもなんでもなく、数年後にはあっさりと実現していそうな気がする。 原体験で決まる。父親がクルマ好き 話を伺っていると、父親がクルマ好きで、気づけば自分も…という方が多い。泣かせるエピソードとして、ステアリングや追加メーターなど、父親が若いときに愛用していた部品を受け継ぎ、自分の愛車に取り付けているという方が何人もいた。反面、父親がクルマ好きで、息子さんはさっぱり興味なし、というケースも少なくない。その分岐点はどこにあるのだろうか?ちょっと本気で研究してみたい。 父親が憧れや尊敬の対象であったり、大人になったいまでも良好な親子関係を築き、会えばエンドレスでクルマ談義。目下、電車大好きの5才の息子がクルマ好きになってくれるかは未知数だけど、仕事で借りてきたクルマを見せたり、助手席に乗せたりするなどの「原体験」になるような種まきはしているのだが、果たして・・・。 まとめ:いつの時代も「新しい時代を作るのは老人ではない?」 かつてNHKで放映されて、最近になって復活した「プロジェクトX」。放送開始から割と初期の段階で「執念の逆転劇 世界を驚かせた一台の車/名社長と闘った若手社員たち」という特集が組まれた。要約すると、アメリカの排ガス規制法である「マスキー法」に、ホンダの当時の若手社員が奮起してCVCCエンジンを開発し、見事世界で初めてクリアするというストーリーだ。当時の社長であった本田宗一郎は、手塩に掛けて育ててきた若者たちの成長した姿を見るにつけ、その座を退いたという。 「ったく、若いモンのクルマは…」などと思っている老害の方が危険かもしれないと思うことも正直ある。もちろん、筆者も例外ではない。もう、若くはない。認めたくないけれど、退化(老化)がはじまっている。かつてやんちゃをしていたはずのおじさん世代の方も、もうその感覚を忘れてしまっているのかもしれない。 取材を通じてさまざまな世代の方と接して感じるのは、年齢を重ねた方のほうが「えっ…」と思うことが(正直いって)少なからずある。社会的地位が上がるにつれて「バカヤロー、ふざけんな!」と怒鳴りつけられることも少なくなるからだろうか。それなりのクルマに乗る以上、それに相応しい人格も持ち合わせていなければ…と、自分への戒めとして考えるようになった。20代の方々と頻繁に接するようになり、自分が知らず知らずうちに「老害」になっていないか、あるいはこれから先、なってしまうのではないか?常に冷静になって見極めたいと思う。 [画像/TOYOTA,Honda,Adobe Stock・ライター&撮影/松村透]

クルマの安全装置には何がある?種類や機能、後付け可能かを解説
旧車の魅力と知識 2024.11.25

クルマの安全装置には何がある?種類や機能、後付け可能かを解説

クルマには、事故を未然に防ぎ発生時の被害を抑えるためのさまざまな安全装置が搭載されています。事故のリスクを減らすために安全装置が付いたクルマを購入したい場合は、種類や機能を理解することが大切です。 この記事では、代表的な安全装置や安全性の高いクルマの選び方、おすすめの車種について詳しく解説します。 クルマの安全装置の種類 クルマに搭載される代表的な安全装置は、以下のとおりです。 衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ) 衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)は、追突事故の被害を軽減または回避するための装置です。カメラやセンサーが障害物を検知し、衝突の危険性が高まると音や警告灯でドライバーに回避行動やブレーキ操作を促します。 それでも回避行動やブレーキ操作がなく、このままでは追突する危険性が高いとシステムが判断したときは、自動的にブレーキが作動する仕組みです。 2021年11月から新型の国産車に対して衝突被害軽減ブレーキの装着が義務付けられました。輸入車や国産車(2021年11月以前に販売開始し、新車販売が継続されるクルマ)についても装着が順次義務化される予定です。 クルマに衝突被害軽減ブレーキが搭載されていない場合は後付けが可能です。 ペダル踏み間違い急発進抑制装置 ペダル踏み間違い時加速抑制装置は、アクセルとブレーキを間違えて踏んだ際の急発進による事故を防止する装置です。 クルマに取り付けられたセンサーが障害物を認識している状態でアクセルペダルが強く踏み込まれると作動し、エンジンの出力が抑えられて急加速が防止されます。また、警告音でドライバーにブレーキ操作を促します。 この装置は後付けが可能です。後付けをする場合は、国土交通省によって一定の性能を有していることが認定されている商品を選ぶとよいでしょう。対象商品は、国土交通省のホームページで確認できます。 車間距離制御装置(ACC) 車間距離制御装置(ACC・アダプティブ・クルーズ・コントロール)は、安全な車間距離を自動的に保つシステムです。高速道路や自動車専用道路で使用することを前提に開発されました。 前を走るクルマとの車間距離をセンサーが検知し、アクセルとブレーキを自動で操作して速度を調整して運転を支援します。 車間距離制御装置は後付けが難しい装置です。必要であれば、車間距離制御装置が搭載された車種またはオプションで選べる車種を選ぶとよいでしょう。 車線逸脱防止システム 車線逸脱防止システムは、クルマが走行車線からはみ出しそうになったときに作動する装置です。 クルマに取り付けられたカメラが走行車線のレーンマーカーを検知し、そこからはみ出しそうになると音や警告灯でドライバーに知らせます。ブレーキやハンドルの自動操作により、車輌が車線内の走行できるよう制御されるものもあります。 このシステムは後付けが可能です。ただし選択肢が限られるうえ、販売されている商品は警報機能しか搭載していないため、車線逸脱防止システムが必要な場合は標準搭載の車種かオプションで設定が可能な車種を選ぶのがおすすめです。 ドライバーモニタリングシステム ドライバーモニタリングシステムは、車内に取り付けられたカメラでドライバーの状態を監視し、居眠りや脇見運転などによる事故を防止するシステムです。 ドライバーが一定時間目を閉じたときや、顔の向きを前方から大きく外したときなどに警告を発して運転に意識を向けるよう促します。 このシステムは後付けも可能ですが、商品数が少ないため、基本的には標準搭載されている車種かオプションで設定できる車種を選ぶのがおすすめです。 横滑り防止装置 横滑り防止装置は、滑りやすい路面を走行しているときや急なハンドル操作をしたときにクルマの安定性を維持する装置です。 センサーがクルマの横滑りを感知すると、システムが各車輪のブレーキやエンジンを制御して車体を安定させます。 横滑り防止装置は基本的に後付けができないため、必要な場合は標準搭載されている車種かオプションで装着できる車種を選ぶとよいでしょう。 オートマチックハイビーム オートマチックハイビームは、ハイビームとロービームを自動で切り替える機能です。 夜間の走行時にハイビームを点灯すると歩行者や障害物を発見しやすくなりますが、対向車や先行車に当たると相手の視界を妨げる恐れがあります。そのため、状況に応じてハイビームとロービームを適切に切り替えることが道路交通法で義務づけられています。 本機能は、車輌前方のカメラが対向車や先行車を検知したときは自動でハイビームからロービームに切り替え、対向車・先行車がいなくなったらハイビームに自動で切り替える仕組みです。夜間の走行時に良好な視界を確保しながら、切り替え操作の手間を省くことができます。 オートマチックハイビームは後付けが困難なため、必要な場合は標準搭載またはオプション設定のある車種を選びましょう。 リアビークルモニタリングシステム リアビークルモニタリングシステムは、クルマの左右後部に設置されるレーダーが接近する車輌を検知して点灯でドライバーに警告をする装置です。 警告が表示される状態で方向指示器を出すと音と警告灯が発せられるため、ドライバーが死角のクルマに気が付かずに車線変更をした際の事故を防ぎやすくなります。 この装置は後付けが可能です。 ABS ABS(アンチロックブレーキシステム)は、急ブレーキをかけたときのタイヤのロックを防ぐ装置です。 急ブレーキ時にロックしそうな車輪のブレーキが緩められることでハンドル操作ができるようになり、減速をしながら障害物を回避できるようになります。 ABSは基本的に後付けができません。装着を希望する場合は、標準搭載またはオプション設定のある車種を選びましょう。 パッシブセーフティ パッシブセーフティは、事故が起きたときに搭乗者や事故相手、歩行者などへの被害を最小限に抑える装置です。代表的なパッシブセーフティは、下記のとおりです。 種類 目的 SRSエアバッグ 衝突を感知すると瞬時に膨らみ、乗員の衝撃を和らげる装置 シートベルト 乗員の体を固定し事故発生時に同乗者との接触や飛び出しなどを防ぐ装置 衝撃吸収構造 衝突のエネルギーを効率よく吸収・分散し乗員や歩行者を守る車体構造 チャイルドシート 乗車する乳幼児を事故の衝撃から守るための保護装置。6歳未満の子どもを乗せるときは装着が義務付けられている 安全性が高いクルマの選び方 安全性が高いクルマを選びたい場合は、独立行政法人自動車事故対策機構がクルマの安全性能を毎年評価する「自動車安全性能」の評価基準を確認するとよいでしょう。 ・衝突安全性能評価 ・予防安全性能評価 ・事故自動緊急通報装置評価 それぞれの評価内容は下記のとおりです。 衝突安全性能評価 衝突安全性能評価は、事故が起こったときにクルマの乗員や歩行者を保護する性能を評価したものです。実車とダミーの人間を用いてさまざまな衝突実験を行い、事故が起こったときの安全性を点数で評価します。 評価項目の合計点数に応じてクルマの衝突安全性能がA〜Eの5段階で評価されます。 万が一交通事故が起こったときに、自身や家族の被害をできるだけ軽減したい場合は、衝突安全性能が最高評価のAランクであるクルマを選ぶのがおすすめです。 予防安全性能評価 予防安全性能評価は、事故を未然に防ぐ安全装置の性能を評価するものです。衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置などの性能を点数化し、それらの合計点数に応じてA〜Eの5段階でランク付けされます。 事故に遭う確率を下げるために予防安全性能が高いクルマを購入したいときは、最高評価のAランクを獲得しているか確認するとよいでしょう。 事故自動緊急通報装置評価 事故自動緊急通報装置は、重大な事故が発生した際に自動でコールセンターに通報する装置の性能を評価したものです。下記の2種類があります。 基本型 事故の発生を自動的に緊急通報するもの 先進型 事故発生の緊急通報に加えて乗員の傷害予測のための情報を送信するもの 先進型の装置を搭載したクルマで事故を起こして怪我を負った場合、医師による治療開始までの時間が大幅に短縮されます。怪我の状況にもよりますが、救命率の向上につながる可能性があります。 万が一事故が起こったときに、自身や同乗者の命が助かる確率を少しでも上げたい場合は、先進型の装置を搭載したクルマを選ぶとよいでしょう。 安全性が高いクルマ3選 続いて安全性が高いクルマを3車種紹介します。いずれのクルマも、衝突安全性能評価と予防安全性能評価は最高のAランクであり、事故自動緊急通報装置は先進型が搭載されているため、高い安全性が期待できます。 スバル クロストレック スバル クロストレックは、デザイン性と実用性を兼ね備えるコンパクトクロスオーバーSUVです。都会とアウトドアのどちらにも活用できるデザインに加え、長時間の運転でも疲れにくい快適な乗り心地と路面の状況を問わず安定した走りも特徴的なクルマです。 スバルクロストレックには運転支援システムの「新世代アイサイト」が搭載され、予防安全性能が大幅に向上しました。3つのカメラとレーダーが周囲の状況を監視し、障害物を検知したときはブレーキ制御を行って衝突事故の回避をサポートしてくれます。 また、衝突事故でも潰れにくい強固なボディと歩行者の頭部を守る歩行者保護エアバッグなども搭載されており、高い衝突安全性能を有しています。 独立行政法人自動車事故対策機構による「自動車安全性能2023」では、総合評価98%と最高の評価を獲得し、自動車安全性能ファイブスター大賞を受賞しました。 トヨタ クラウンクロスオーバー トヨタ クラウンクロスオーバーは、高級感のある美しいデザインと快適な室内空間、パワフルな走行性能が特徴的なクルマです。日本を代表する高級セダン「クラウン」の16代目の1種として発売されました。 「Toyota Safety Sense」という予防安全機能が搭載されています。単眼カメラとミリ波レーダーを用いた衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱防止システムなど、事故防止や被害の軽減が期待できる機能が充実しています。 先進機能で駐車や高速走行を支援しドライバーの負担を軽減する「トヨタチームメイトドライバー」が搭載されているのも特徴の1つです。 「自動車安全性能2023」では自動車安全性能ファイブスター賞を受賞しており、総合評価は95%とスバルクロストレックに続く高評価となっています。特に、予防安全性能についてはスバルクロストレックを上回る評価となりました。 マツダ CX-60 マツダ CX-60は、豪華で上質な内装と躍動的なデザイン、FRレイアウトによる人馬一体の走りが特徴的な高級クロスオーバーSUVです。 安全装備も充実しています。衝突被害軽減ブレーキに加え、ドライバーの疲労や眠気を検知するドライバー・モニタリングや車線の逸脱を回避する危険回避ステアリングアシストなど事故の被害を回避・軽減するさまざまな機能が搭載されています。 「自動車安全性能2023」では、総合評価94%というクラウンクロスオーバーに次ぐ高評価となり、自動車安全性能ファイブスター賞を受賞しました。 まとめ クルマに搭載される安全装置には、衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱防止システム、ドライバーモニタリングシステム、オートマチックハイビームなどがあります。 クルマを選ぶ際は、搭載される安全装置をよく確認することが大切です。また「衝突安全性能評価」「予防安全性能評価」「事故自動緊急通報装置評価」を確認することで、安全性の高いクルマを選びやすくなります。 デザインや走行性能などに加えて安全性能も比較することで、より充実したカーライフを送りやすくなるでしょう。

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