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旧車の魅力と知識

メルセデスベンツ SLクラスの方向性を決定づけた? 旧車世代のR107・R129・R230を振り返る
旧車の魅力と知識 2024.02.28

メルセデスベンツ SLクラスの方向性を決定づけた? 旧車世代のR107・R129・R230を振り返る

R129を始めとする旧車世代のメルセデスベンツ SLクラスは、オープン2シーターというスポーツカテゴリのクルマながら、クラシックカー独特の優雅さも兼ね備えたモデルです。 現在でも7代目が販売されている人気のSLクラスですが、実は1971年以降に登場したモデルによって今の方向性が決定づけられました。 SLクラスの大きな転機となった旧車世代のR107・R129・R230について振り返ってみましょう。 70年以上前に登場したSLクラス メルセデスベンツ SLクラスは、今から70年以上前に登場しました。プロトタイプレーシングカーとして開発された300SLに対して、アメリカの輸入車ディーラーが熱心に説得して市販化を実現したのがSLシリーズの始まりです。 当初「軽量スポーツカー」という位置づけで登場したSLクラスが、時代の変遷とともにラグジュアリー方向に転換していった歴史を振り返ってみましょう。 2シーターオープンスポーツ最高峰モデルのSLクラス メルセデスベンツ SLクラスは、2シーターオープンスポーツの最高峰モデルとして1954年に誕生しました。「SL」とは「Sport Leicht(シュポルト・ライヒト)」の頭文字で、ドイツ語で軽量スポーツカーという意味です。特に初代の300SLは、ガルウィングを備えたスポーティーで先進的なスタイリングでした。 1963年のフルモデルチェンジで2代目となっていたSLクラスですが、1971年に登場した3代目のR107型で大きな路線変更が果たされました。2シーターオープンスポーツという本来のコンセプトは継承しつつ、より大柄で豪華な風貌に生まれ変わります。「Sport Leicht」から「Sport Laxualy」への転換が図られたのです。 旧車世代と呼ばれるSLクラスは3世代 1971年のフルモデルチェンジで大きな路線変更を果たしたSLクラスは、旧車世代と呼ばれる2000年代初頭までに合計3モデルが登場しました。 スポーツラグジュアリーへの方向転換とともに、3モデルとも当時最先端の技術を取り入れながら世界最高峰のロードスターと呼ぶにふさわしい進化を遂げます。特にイタリア人デザイナー、ブルーノ・サッコ氏の最高傑作とも呼ばれる1989年に登場した4代目SLのR129は、数々の先進装備が搭載されており人気の高いモデルです。 個性はそれぞれ違う旧車世代のSL ラグジュアリー方向へと舵を切ったSLクラスの方向性を決定づけたのが、1971年から2001年までに登場した旧車世代の3モデルです。 R107・R129・R230それぞれの魅力を紹介します。 コストプラス方式で開発されたR129 R129は、モデルライフが比較的長かったR107の後継モデルとして1989年に登場しました。SLクラスとしては4世代目のR129は、コストプラス方式で開発された最後のモデルといわれています。コストプラス方式とは、従来モデルよりも大幅な価格上昇を伴う開発方式です。世界最高峰を目指すべく、性能面、機能面ともに過剰なほどの技術と装備が投入されました。 また、ブルーノ・サッコ氏による流麗で機能的なボディデザインもR129の魅力の1つです。空力効率まで考えたウェッジシェイプデザインとしたことで、スポーツとラグジュアリーを見事に融合させました。さらに、5種類のモーターを使用するパワーシートや、標準装備された電動格納式のソフトトップなどラグジュアリー車にふさわしく快適性を高める装備も充実しています。 安全装備の面では、車輌が姿勢を崩した際にわずか0.3秒でポップアップして乗員を守る、「オートマチック・ロールバー」が目玉の1つです。耐荷重5トンのU字型のスチールチューブに加え、ボディ側にも3層の高強度材を使用してオープンモデルで課題になる安全性を高めています。 スポーツラグジュアリー車ということで、走行性能に関連する装備にも手抜かりはありません。ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)やトラクションコントロールといった電子デバイスに加え、スポーツ走行に欠かせない電子制御式のLSD(リミテッドスリップ・ディファレンシャル)まで備えています。 販売期間の長かったR107 ボディを大型化し、モデルの方向性を大きく変更したR107は、1971年の登場からR129の登場まで実に18年間も販売されました。 一般的にオープン2シーターは、大きくわけて2つの方向性のモデルがあります。マツダ ロードスターのようにスポーツカーとしての運動性能を重視したモデルと、運動性能よりもオープンであることのゆとりや開放感、優雅さを求めるモデルです。 それまでのSLクラスは、前者のように運動性能を重視して小型軽量に作られていました。しかし、R107では後者の方向性へと転換し、エレガントさを追い求める性格へと進化。ホイールベースは先代よりも60mmほど拡張されるなど、全体にゆとりのある優雅さのあるスタイリングに仕上がっています。 全長は4,380mmと現代の基準から考えるとコンパクトではありますが、以後のSLクラスの方向性に大きな影響を与えた重要なモデルです。 現代的に進化したR230 2001年にSLクラス5代目として登場したR230は、R129の方向性にならって正統進化したモデルです。大型の楕円を組み合わせた特徴的なフロントフェイスに変更されているものの、優雅さのあるウェッジシェイプは踏襲されています。 装備面では、バリオルーフと呼ばれる電動格納式のハードトップが話題になりました。R129でラインナップされていた、ソフトトップと着脱式のハードトップは廃止されています。SLクラスはオープンスタイルが基本ですが、電動格納式のハードトップを閉めたクーペスタイルもエレガントです。 旧車世代のSLクラスに乗るなら慎重に探したい 当時のメルセデスベンツ SLクラスは、比較的日本国内でも流通していました。特にR129の販売時期はバブル景気にわいていた頃だったため、本来なら十分な個体が国内にも残っているはずです。しかし、状態の良い車輌はバブル崩壊とともに海外に流出したとの話もあり、中古車を購入する際には状態の慎重な確認をおすすめします。 一方で、売却の際には、正しく査定してもらうことで思わぬ価格で買い取ってもらえる可能性もあります。ただし、年式や走行距離だけでなく、車としての価値や状態まで正確に見極められる経験豊富な専門業者にご相談ください。

自動車重量税とは?計算方法や納付のタイミングをわかりやすく紹介
旧車の魅力と知識 2024.02.28

自動車重量税とは?計算方法や納付のタイミングをわかりやすく紹介

自動車重量税は、車を所有している方が支払わなければならない税金の1つです。どのような基準で税額が決まるのか、詳細を知らない方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、自動車重量税の計算方法や納付のタイミング、エコカー減税などについて紹介します。 自動車重量税とは 自動車重量税とは、車輌重量や経過年数などに応じて課せられる国税のことです。以前は、道路特定財源として道路の保全のために設けられていたものの、現在では地方税や市町村税と同様に国の一般財源として使われています。 自動車重量税は、新車登録時や車検時に必要な法定費用であり、数年分をまとめて納付します。納付しないと公道を走行できないため、注意しましょう。 自動車重量税の計算方法 自動車重量税は車輌重量に応じて税額が変わり、0.5tごとに年間4,100円増えます。軽自動車の場合は、重量を問わず年間3,300円です。 たとえば車輌重量が1.5tの場合、1年分の自動車重量税は以下のように計算します。  4,100円×3(0.5t×3)=1万2,300円 また、自動車重量税は車の経過年数に応じて変わります。新車で登録してから13年経過すると0.5tごとに年間5,700円上がるため、1.5tの年間の税額は1万7,100円です。 さらに、18年経過すると0.5tごとに年間6,300円上がるため、年式が古いほど税額が高くなる仕組みです。愛車の自動車重量税を把握したい場合は、国土交通省が提供している「次回自動車重量税額照会サービス」で税額をチェックしましょう。 自動車重量税の減税 環境性能が優れている車には「エコカー減税」が適用されるため、本来の自動車重量税より税額が安くなります。続いて、自動車重量税の減税について紹介します。  エコカー減税とは  エコカー減税とは、環境性能が優れている車に対して、自動車重量税の減税を行う制度のことです。環境への負荷が低く、排ガス性能や燃費性能がよい車への乗り換えを促す目的で、2009年に設けられました。 エコカー減税は令和5年4月30日で廃止される予定でしたが、半導体不足により3年間の延長が決定されたため、令和8年4月30日まで減税を受けることが可能となりました。ただし、適用基準が段階的に引き上げられているため、自動車重量税を抑えたい場合は少しでも早く車を購入するとよいでしょう。 税率  エコカー減税は、車を新車登録した時期によって適用される税率が異なります。適用期間ごとの具体的な税率は、以下のとおりです。 1.令和5年5月1日〜令和5年12月31日に新車登録 税率 車の種類 100%減税 ・電気自動車・燃料電池自動車・天然ガス自動車・プラグインハイブリッド車・クリーンディーゼル車・ガソリン車(令和12年度燃費基準90%または120%達成) 50%軽減 ・ガソリン車(令和12年度燃費基準75%達成) 25%軽減 ・ガソリン車(令和12年度燃費基準60%) 2.令和6年1月1日〜令和7年4月30日 税率 車の種類 100%減税 ・電気自動車・燃料電池自動車・天然ガス自動車・プラグインハイブリッド車・ガソリン車(令和12年度燃費基準90%または120%達成)・クリーンディーゼル車(令和12年度燃費基準90%または120%達成) 50%軽減 ・ガソリン車(令和12年度燃費基準80%達成)・クリーンディーゼル車(令和12年度燃費基準80%達成) 25%軽減 ・ガソリン車(令和12年度燃費基準70%)・クリーンディーゼル車(令和12年度燃費基準70%達成)  3.令和7年5月1日〜令和8年4月30日 税率 車の種類 100%減税 ・電気自動車・燃料電池自動車・天然ガス自動車・プラグインハイブリッド車・ガソリン車(令和12年度燃費基準100%または125%達成)・クリーンディーゼル車(令和12年度燃費基準100%または125%達成) 50%軽減 ・ガソリン車(令和12年度燃費基準90%達成)・クリーンディーゼル車(令和12年度燃費基準90%達成) 25%軽減 ・ガソリン車(令和12年度燃費基準80%)・クリーンディーゼル車(令和12年度燃費基準80%達成) 参考:国土交通省公式Webサイト「エコカー減税(自動車重量税)の概要」 たとえば、令和12年度燃費基準を120%達成している新車のガソリン車の購入時は、自動車重量税は0円です。車検時でもエコカー減税の要件を満たしている車には、上記の税率が適用されます。 自動車重量税の納付のタイミング  自動車重量税は、新車登録時や車検を受けるタイミングで2年分をまとめて納付します。※新車登録時は3年分  たとえば、1.5tの車検を受ける場合、2年分の2万4,600円を納税する必要があります。 新車登録は、ディーラーや自動車販売店、車検は整備工場が代行してくれるケースがほとんどのため、自分で納税する必要はありません。自動車重量税は車の購入費用や車検費用に合算されており、注文書や見積書に税額が記載されています。 自動車重量税が還付されるケース  廃車する際に行う「永久抹消登録」の手続きにより、自動車重量税が還付されます。自動車重量税の還付金は、車検の残存期間分を月割りにして、3ヶ月程度で指定口座に振り込まれます。 ただし、車検の残存期間が1ヶ月未満の場合は月割り計算ができないため、還付を受けられないことに留意してください。 また、還付金は自動的に指定口座に振り込まれるわけではありません。運輸支局で申請をしないと自動車重量税が還付されないことに注意しましょう。 まとめ  自動車重量税は、車輌重量や経過年数に応じて課せられる税金で、新車登録時や車検時にまとめて納付します。0.5tごとに年間4,100円が増額され、経過年数が13年を超えた場合は5,700円増額、18年は6,300円増額と年式が古い車ほど税額が上がる仕組みです。 また、環境性能が優れている車に対しては、自動車重量税が減税される「エコカー減税」が適用されます。自動車重量税の税額も考慮して、車を選びましょう。

トヨタ 150系 ランドクルーザープラドは15年前に誕生したのにかっこいい! 魅力と人気の秘密に迫る
旧車の魅力と知識 2024.02.27

トヨタ 150系 ランドクルーザープラドは15年前に誕生したのにかっこいい! 魅力と人気の秘密に迫る

15年前のモデルであるにも関わらず、いまだに洗練されたかっこよさを感じるトヨタ 150系ランドクルーザープラド。派生元のランドクルーザーが本格的なクロスカントリー車なのに対して、オンロードでの使用を意識した高級SUVという位置づけのモデルです。 一方で、ランドクルーザー譲りの堅牢性と、高い悪路走破性もしっかりと備えています。新モデル「ランドクルーザー250」の発表によって注目の集まる、150系ランドクルーザープラドの魅力を詳しく紹介します。 同一モデルのまま10年以上も作られ続けたランドクルーザープラド 150系ランドクルーザープラドは、デビューから15年間(※)もフルモデルチェンジをしていません。選択肢が少なく技術革新も遅かった数十年前ならまだしも、顧客ニーズが変化しやすくなってきた2000年代では驚異的なことです。 長年ユーザーから愛され続けている150系ランドクルーザープラドについて、プラド誕生の歴史も含めて振り返ってみましょう。 ※2024年2月原稿執筆時点 ライトデューティー車としてランドクルーザーから派生 ランドクルーザープラドの起源は、1984年にランドクルーザーのライトデューティー車として登場したランドクルーザーワゴンです。そして、ワゴンのフルモデルチェンジという形で、1990年に初代ランドクルーザープラドが誕生しました。 その後もプラドは市場からの高い支持を受けて、モデルチェンジを重ねて進化し続けます。そして、4代目として2009年に登場したのが、150系ランドクルーザープラドです。完成度が非常に高く、2009年の登場から実に14年間も同一モデルのまま販売され続けています。 マイナーチェンジモデルとの違い 一度もフルモデルチェンジをしていない150系ランドクルーザープラドですが、実は大幅改良、いわゆるマイナーチェンジを二度ほど実施しています。初期モデルから、それぞれ前期、中期、後期と呼ばれています。 最初のマイナーチェンジは、発売から4年経過した2013年でした。外観上でのもっとも大きな変更点は、フロントグリルとヘッドライトのデザインです。前期型では6本だったフロントグリル内の柱が、5本に変わりました。また、ヘッドライトの形状もよりシャープに変更されています。 後期型は、中期型へのマイナーチェンジから4年後の2017年に登場しました。後期型では、ボンネット中央に凹みが設けられた点が大きな違いです。また、前、中期型とヘッドライトの形状が異なります。 ランドクルーザープラドはとにかくかっこいい 150系 ランドクルーザープラドが長期間支持され続けている理由の1つは、多くのユーザーから「かっこいい」と評価されているためです。いかに完成度の高い車でも、販売台数が伸びなければ継続して作られることはありません。 15年間も愛され続けている、150系ランドクルーザープラドの魅力とかっこいいと評価される理由について解説します。 ランドクルーザー譲りの高い悪路走破性 ランドクルーザープラドは、本家ヘビーデューティーのランドクルーザーと基本構造は変わりません。市場を賑わわせているクロスオーバーSUVにありがちな乗用車と同様のモノコックボディではなく、堅牢なラダーフレームによって悪条件下でもダメージを受けにくくなっています。 また、悪路走破性を高めるための装備が充実していて、ランドクルーザーと同様に走行シーンを選びません。スタビライザーを制御して凹凸のある路面へのタイヤの追従性を高めるKDSS(キネティックダイナミックサスペンションシステム)や、アクセルとブレーキ操作をせずステアリング操作だけで極低速走行ができるクロールコントロールといった装備で悪路走破性を高めています。 トヨタ最高峰SUVにふさわしい質感 本格クロスカントリー車顔負けのオフロード装備をもつ150系ランドクルーザープラドですが、ポジションはトヨタの誇る最高級SUVです。ヘビーデューティー車との大きな違いは、都市部でも違和感なく溶け込む高級感のあるボディデザインです。オフロードを意識したボックス型のスタイリングながら、曲面をうまく取り入れたデザインとしています。 また、高級セダンのような上質さを感じさせる内装も、150系ランドクルーザープラドの魅力の1つです。特に、上位グレードの「TX“Lパッケージ”」や「TZ-G」ではシートやステアリング、シフトノブなどに本革を使用するなど、さらに高級感を高めています。 取り回しやすいサイズ感など高い実用性 150系ランドクルーザープラドは迫力のあるボディデザインから大型に見えますが、実はトヨタを代表するミニバンのアルファードとそれほどサイズは変わりません。幅はわずか3cmほど広いものの、全長は約12cm、全高は約10cmコンパクトなため、むしろミニバンよりも取り回しやすいかもしれません。 また、7人乗りの3列シートも選択可能なため、日常生活での実用性も十分です。3列目を格納すれば大容量の荷室が確保できますし、大人数の移動やゆったりとした長距離移動などあらゆる場面でランドクルーザープラドの使いやすさを感じるはずです。 後継モデルの発表によって市場に変化が起きる可能性 15年間販売され続けてきた150系ランドクルーザー プラドですが、フルモデルチェンジを迎える可能性が高まっています。後継車種と目される、ランドクルーザー250の発売が発表されたためです。旧モデルの買取価格は、モデルチェンジをすると引き下げられる傾向にあります。150系ランドクルーザー、特に前期型をお持ちの方は今が売却する最後のチャンスかも知れません。 2013年のマイナーチェンジを迎える前の前期型は、もっとも新しい年式でもすでに新車販売から10年以上が経過しています。新モデルとまではいかないまでも、中期型や後期型への乗り換え需要が高まると、市場に流通する前期型が増えて価格が下がってしまうことも大きな懸念です。 150系 ランドクルーザープラドを売却する際は、車そのものの価値がわかる旧車の取扱い経験豊富な専門業者に相談することをおすすめします。

2回以上引っ越した場合の車検証の住所変更の方法は?必要書類も紹介
旧車の魅力と知識 2024.02.22

2回以上引っ越した場合の車検証の住所変更の方法は?必要書類も紹介

住所が変わった場合は、15日以内に車検証の住所変更が必要です。しかし、手続きすることを忘れてしまい、車検証の住所から2回以上引っ越している方もいるでしょう。 2回以上引っ越している場合、手続き時の必要書類が変わるため注意が必要です。この記事では、車検証の住所から2回以上引っ越すとどうなるかや、手続きに必要な書類などについて紹介します。 車検証の住所から2回引っ越すとどうなる? 車検証の住所から2回以上引っ越すと、住民票の代わりに住所の履歴が確認できる「戸籍の附票」の提出が必要です。戸籍の附票とは、戸籍が作成されてから現在にいたるまでの住所が記載されている書類のことです。 車検証の住所と現住所のつながりを証明する必要があるため、戸籍の附票を運輸支局に提出しなければなりません。たとえば、A市からB市に移転したのにもかかわらず車検証の住所変更を行わず、さらにC市へ引っ越した場合に戸籍の附票が必要です。 さらに、本籍地も変わっている場合は、前本籍地での「除籍の附票」も取得する必要があります。除籍の附票とは、戸籍の附票から本籍を抜いたもののことです。 なお、2回以上引っ越しをしても同じ自治体内であれば、戸籍の附票ではなく「履歴付きの住民票」で代用できます。 戸籍の附票の取得方法 戸籍の附票は、本籍を置いている役所や出張所の窓口で取得できます。身分証明書と認印、発行手数料の300円を持参して取得しましょう。本籍地が遠い場合は郵送でのやり取りも可能なため、各自治体に問い合わせてください。 ただし、戸籍や除籍の附票は5年間しか役所で保存されません。保存期間が過ぎている場合は、書類を可能な限り揃えたうえで、誓約書とあわせて提出しましょう。 また、戸籍の附票は本人以外に以下の方でも取得できます。 ・戸籍の附票に記載されている方・配偶者・直系親族 上記に該当しない場合は、請求理由を詳しく記載することに加えて、委任状の提出も必要です。 なお、マイナンバーカードを保有していれば、全国のコンビニエンスストアのマルチコピー機でも戸籍の附票を取得できます。 車検証の住所変更手続きの流れ 手続きの流れを事前に把握しておくと、スムーズに住所変更できます。続いて、2回以上引っ越している場合の住所変更手続きの流れを紹介します。 1.戸籍の附票を取得する まずは、本籍を置いている役所で戸籍の附票を取得します。ほとんどの役所の受付時間は平日8時30分〜17時までのため、時間を過ぎないよう注意してください。 マイナンバーカードを保有している場合は、コンビニ交付を活用しましょう。 2.車庫証明を取得する 車庫証明は、車の保管場所を管轄する警察署で取得します。取得するには以下の書類を警察署で入手し、記入して提出する必要があります。 ・自動車保管場所証明申請書・保管場所標章交付申請書・所在図および配置図・保管場所使用権原疎明書面(自認書)※車庫が私有地の場合・保管場所使用承諾書 ※車庫が他人の所有地の場合 保管場所使用承諾書は、駐車場の所有者である大家や管理会社に署名してもらわなければなりません。管理会社によっては、発行時に3,000円〜4万円程度の手数料が発生することに留意してください。 また、車庫証明は申請してから3〜4日程度かかるうえに、交通安全課の受付時間内に申請や交付を受ける必要があります。申請した当日に交付されるわけではないため、すぐに車庫証明が必要な場合は注意しましょう。 なお、軽自動車の場合は車庫証明が不要です。ただし、住所変更の手続き後に駐車場を管轄する警察署で、保管場所の届出が必要な地域もあります。管轄の警察署の公式Webサイトを確認し、必要な場合は住所変更後に保管場所の届出をしましょう。 3.管轄の関係機関に申請する 戸籍の附票と車庫証明を持参して、新住所を管轄する以下の機関で住所変更の申請をします。 ・普通車:運輸支局・軽自動車:軽自動車検査協会 申請時は取得した書類と車検証に加えて、運輸支局で入手できる以下の書類も必要です。 【普通車】・申請書 第1号様式・手数料納付書・自動車税申告書・委任状 ※代行を依頼した場合 【軽自動車】・申請書 軽第1号様式・軽自動車税申告書・申請依頼書 ※代行を依頼した場合 上記は記入が必要なため、窓口にある記入例を参考にしながら作成しましょう。 また、普通車の住所変更は350円の申請手数料がかかります。運輸支局内の「整備振興会」で350円分の収入印紙を購入し、手数料納付書に貼り付けて申請手数料を支払いましょう。 ただし、収入印紙による支払いを廃止している運輸支局もあります。クレジットカードやキャッシュレス決済アプリで支払う必要があるため、事前に用意しておきましょう。 なお、各機関は土日祝日を除く8時45分〜16時しか手続きを受け付けていないため、平日に出向く必要があります。平日に出向けない場合は、自動車販売店に車検証の住所変更を代行してもらいましょう。 まとめ 車検証の住所から2回以上引っ越している場合は、住民票の代わりに戸籍の附票を取得する必要があります。戸籍の附票は、本籍を置いている役所や出張所の窓口で取得できます。 マイナンバーカードを保有している場合は、コンビニエンスストアでの交付が可能なため、役所や出張所に行く手間を省くことが可能です。 また、警察署や運輸支局は平日の日中しか手続きを受け付けていません。平日に出向けない場合は、自動車販売店に車庫証明の取得や住所変更の手続きを依頼しましょう。

ベーパーロック現象とは?原因・対策・対処法について解説
旧車の魅力と知識 2024.02.22

ベーパーロック現象とは?原因・対策・対処法について解説

運転中にもしブレーキが効かなくなったら、自分や同乗者だけでなく、周りの車にも迷惑がかかる可能性があります。 今回はフットブレーキが効かなくなるべーパーロック現象について、原因や対策、対処法などについて解説します。起きた際に慌てずに済むように、ベーパーロック現象について確認しておきましょう。 べーパーロック現象とは べーパーロック現象は、フットブレーキを連続で使用したことで生じた摩擦熱によってブレーキ液(ブレーキフルード)が沸騰し、液の中に気泡が発生することでブレーキが効かなくなる現象です。本来はブレーキのペダルを踏んだときに発生する圧力でスピードを落としますが、気泡ができたことで圧力がブレーキ液に伝わらなくなり、ブレーキが効かなくなります。 ベーパーロック現象が起きる原因 べーパーロック現象が起きる原因は以下の3つです。 ・過度なブレーキ操作 ・ブレーキ液の水分の吸収 ・ブレーキ管内に空気が混入する それぞれ詳しくみていきましょう。 過度なブレーキ操作 ベーパーロック現象のきっかけとなるブレーキ液の沸騰は200℃前後(※)で起こります。通常のブレーキ操作では、ブレーキ液がこれだけ高温になることはありません。 しかし、高速走行時に急ブレーキをかけたり、ブレーキを長時間使い続けたり、短時間で繰り返しブレーキを使ったりすると、200℃前後にまで達する可能性があります。 ※ブレーキ液の種類によって沸点は異なります。 ブレーキ液の水分の吸収 ブレーキ液は、水分を吸収すると沸騰しやすくなります。 ブレーキ液には、水分を吸収しやすいという特徴があります。そのため、走行時と停車時の温度差によって生じた水滴がブレーキ管の中に入ってしまったり、ブレーキ液を交換するときに誤って水気が入ってしまったりすると、その湿気を吸収してしまい沸点が下がってしまうのです。結果としてブレーキ液が沸騰し、ベーパーロック現象が起こります。 ブレーキ管内に空気が混入する ブレーキ管の内部に空気が混入して、ブレーキ液に気泡が生じる場合もあります。 空気が混入する原因は、ブレーキを分解して整備・点検を行ったときやブレーキ液の交換作業中などでの混入、エア抜き作業の失敗、ブリーダーというブレーキ管内のエアを抜くための部品がゆるんでいることなどです。 ブレーキ周りの交換や修理、点検の作業をしたあとは、ブレーキが正常に作動するか確認しましょう。 べーパーロック現象とフェード現象との違い 「フェード現象」もブレーキが効かなくなる現象ですが、べーパーロック現象とは仕組みが異なります。 ブレーキを連続使用すると、ブレーキパッドに熱が発生し、ゴムや樹脂が分解されてガスになります。そのガスがタイヤとパッドの間に入り込んで摩擦力が減少し、ブレーキが作用しなくなる現象がフェード現象です。 起こる仕組みは異なりますが、どちらもフットブレーキを連続で使用すると起こる可能性があります。 ベーパーロック現象を防ぐ方法 べーパーロック現象を起こさないためには、次の2点を押さえる必要があります。 ・坂道ではエンジンブレーキを使う ・ブレーキ液を定期的に交換する それぞれ詳しくみていきましょう。 坂道ではエンジンブレーキを使う 坂道が近づいてきたらギアを下げ、先にスピードを落としておきます。そして、坂道を走るときはエンジンブレーキでスピードを調整しましょう。 ブレーキ液を定期的に交換する ブレーキ液を交換せずに使い続けると、空気中の水分を多く吸収してしまいます。その結果、沸点が下がり、多少の熱が加わっただけで沸騰するようになります。そのため、ブレーキ液は定期的に交換し、沸点を下げないようにすることが重要です。 ベーパーロック現象が起きたときの対処法 ブレーキペダルを踏んでも速度が落ちない場合は、ギアを段階的に下げてエンジンブレーキで走行スピードを下げます。ギアを一気に下げると駆動輪がロックされたりトラブルや故障の原因となったりするため、1段ずつ下げましょう。 車のスピードが落ちたら、パーキングブレーキをゆっくりかけて車を停止させます。車が停止してすぐにエンジンを切ってしまうとハンドル操作ができなくなるため、エンジンはすぐに切らないようにしましょう。 まとめ べーパーロック現象の原因や対処法について解説しました。 車を安全に走行させるために、運転中はフットブレーキだけではなくエンジンブレーキも活用しましょう。 万一、運転中にペダルを踏んでもスピードが落ちないときは、エンジンブレーキを使って速度を落とし、その後パーキングブレーキをかけてゆっくり車を停止させてください。

ギャラン VR-4は三菱のラリー本格参戦を後押し!? 速さの秘密と魅力に迫る
旧車の魅力と知識 2024.02.21

ギャラン VR-4は三菱のラリー本格参戦を後押し!? 速さの秘密と魅力に迫る

高性能スポーツセダンとしてヒットした三菱 6代目ギャランのなかで、フラッグシップモデルとして開発されたVR-4。日産 R32型GT-Rやスバル レガシィRSよりも2年先行して駆動方式に4WDを採用した、国産ハイパワー4WDターボ車の草分け的存在でもありました。 セダンなのに速かったギャラン VR-4のスペックやレースでの戦績、クルマとしての魅力をたっぷりと紹介します。 ラリー参戦も見据えたトップグレードの開発 ギャラン VR-4は、4ドアセダンでありながら最高出力200psオーバーという当時のスポーツカーをも凌ぐスペックを誇っていました。WRC(世界ラリー選手権)への再挑戦に向け、規定改定を見据えて開発されたモデルでもあったためです。 三菱の看板車種ギャランのトップグレード、VR-4がどんなモデルだったのかを詳しく振り返ってみましょう。 VR-4は6代目ギャランで誕生 ギャラン VR-4は、ギャランの6代目へのフルモデルチェンジと共に1987年に生まれました。ギャランは1969年に初代が登場した三菱の主力セダンで、最終的には2015年に販売終了するまでに実に9世代も作られたモデルです。 VR-4はトップグレードに位置づけられ、数々のハイテク装備や名機4G63型エンジンを搭載。先代よりも大柄になった外観も速さを予感させました。 名機4G63エンジンによる抜群の加速力 ギャラン VR-4に採用された2Lの4G63型エンジンにはターボが搭載され、最高出力205ps、最大トルク30.0kg・mを発揮します。さらに、マイナーチェンジごとに改良が繰り返され、1989年登場の中期モデルでは220ps、1990年には240psまで最高出力が引き上げられました。 最高速度223km/h、0-400mを13.92秒という抜群の加速力で、車重1,360kgのセダンながらスポーツカー顔負けの動力性能を誇りました。 ギャラン VR-4主要諸元 エンジン 4G63型直4DOHCターボ 排気量 1,997cc 最高出力 205ps/6,000rpm トランスミッション 5速mT ボディサイズ 全長4,560×全幅1,695×全高1,440mm 車輌重量 1,360kg   三菱ワークス体制でWRCに再挑戦 ギャラン VR-4は、WRCが市販車ベースのグループA規定に変更されることに合わせて開発されました。グループA規定のWRCで活躍した三菱車といえばランサーエボリューション(ランエボ)というイメージですが、実はギャラン VR-4が最初です。 ギャラン VR-4は、1988年から1993年の6年間で6度の優勝を飾ります。本格的なワークス体制となった1989年には、いきなり4戦中2勝を上げます。さらに、1991年のコートジボワールラリーでは、篠塚建次郎選手が日本人初のWRC優勝を手にしました。 シリーズタイトルほどの輝かしい成績とはいかなかったものの、VR-4の活躍こそが同じ4G63型エンジンを積むランエボの開発と三菱のWRCの成功につながったといえます。 国産4ドアスポーツセダンの頂点 ギャラン VR-4はギャランのトップグレードというだけでなく、当時の国産4ドアスポーツセダンでは最高峰ともいえるほど装備が充実していました。また、エレガントなイメージのセダンとは異なる、精悍なボディデザインも6代目ギャランの特徴です。 VR-4に注ぎ込まれた技術と、先代から大幅に変更されたデザインをみていきましょう。 惜しみになく注ぎ込まれたハイテク装備 ギャラン VR-4には、当時の技術が最大限投入されています。目玉は「ACTIVE FOUR」と呼ばれる、性能に大きく影響する先進装備です。4バルブターボエンジン(4VALVE)、先に紹介した4WDに加えて4輪操舵の4WSも装備、さらに4輪独立懸架(4IS)と4輪ABS(4ABS)を備えていました。 また、派生車が数多くリリースされたのも、VR-4の特徴の1つです。VR-4RやVR-4RSといったラリー専用車、WRC RACラリー優勝記念モデルの2.0ターボスーパーVR-4、電動リアスポイラーを採用したVR-4アームド・バイ・ラリーアートといった限定車、特別仕様車が販売されました。 速さを感じさせるボディデザイン 6代目ギャランは、性能面だけでなく外観も先代から大きく変わっています。セダンとしてややコンサバティブな印象の5代目に比べて、速さを予感させるマッシブで力強いスタイリングに進化しました。 複合局面で構成しつつもボディラインは全体に直線基調にまとめられていて、室内空間の快適性を高めた6ライトウィンドウを採用するなど迫力のあるデザインです。内装はシンプルながら機能的にまとめられていて、余分な華飾のないところに三菱のこだわりを感じます。 希少性の高まりを感じさせるVR-4 ギャラン VR-4を大手中古車サイトで検索したところ、販売中の車輌はわずか5台でした。三菱車初のカー・オブ・ザ・イヤーも受賞し販売台数を伸ばした6代目ギャランですが、販売終了からすでに30年以上が経過しており、現在では希少なモデルです。さらに、VR-4の特別仕様車を探すとなると、至難の業かもしれません。 なお、これだけの希少車だと、購入時以上に売却時の業者選びに気をつける必要があります。市場での流通量が少ないため、仕様によって査定額が変わります。実際、大手中古車サイトでは、169万円から399万円まで販売価格に大きな差がありました。ギャラン VR-4のような希少車を売却する際は、旧車の取り扱いに慣れた経験豊富な専門業者に相談しましょう。

車検証の住所変更をせずに15日過ぎたらどうなる?対応方法を紹介
旧車の魅力と知識 2024.02.20

車検証の住所変更をせずに15日過ぎたらどうなる?対応方法を紹介

住所が変わった場合、15日以内に車検証の住所変更をする必要があります。15日を過ぎると罰金が科せられる可能性もあるため、なるべく早く手続きしましょう。この記事では、15日以内に手続きしなければならない理由や科せられる罰金、期日を過ぎた場合の対応方法などを紹介します。 車検証の住所変更を15日以内に行う必要がある理由 クルマの所有者は以下に変更があった場合、15日以内に変更登録の申請をする必要があると法律で定められています。 ・型式・車体番号・原動機の型式・所有者の氏名・所有者の住所(使用の本拠の位置) 参考:道路運送車両法 第12条 また、車庫飛ばしを防ぐために、車検証の住所変更を行わなければなりません。車庫飛ばしとは、車庫証明書に記載されていない場所で車を保管することです。 本来、自宅から2km以内の駐車場を保管場所として申請しなければなりませんが、駐車場代を節約するために虚偽の申告がされる場合もあります。 たとえば、実際に住んでいる地域ではなく、駐車場代が安い場所に保管するというケースが挙げられます。駐車場代は地域によって異なり、神奈川県の平均価格が1ヶ月あたり約1万6,000円なのに対し、東京都は約3万1,000円です。 また、国が定めた基準を満たしていないディーゼル車は、一定の地域を走行してはいけません。ディーゼル規制を逃れるために、規制がかかっていない地域で車庫証明を取得する行為も禁止されています。 実際に愛知県名古屋市に住んでいるにもかかわらず、規制されていない静岡県浜松市でディーゼル車の車庫証明書を取得し、逮捕された事例もあるため注意しましょう。 参考:「車庫飛ばし」疑いで男逮捕 浜松居住装う 法律に定められている「15日以内」を過ぎたら罰則はある? 法律に定められている「15日以内」を過ぎたら法律違反とみなされ、50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。 15日を過ぎたらすぐに罰せられるほど厳しくはないものの、車庫飛ばしと判断される可能性もあるため、なるべく早く住所変更をしましょう。 参考:道路運送車両法「第109条 1」 車検証の住所変更をしないとどうなる? 自動車税(種別割)の納付書やリコールの案内は、車検証に記載されている住所へ発送されます。車検証の住所変更をしないと、自動車税の納付書やリコールの案内が旧住所に届いてしまうかもしれません。車検証の住所変更をしない場合に起こり得るトラブルについて詳しく見ていきましょう。 自動車税(種別割)の納付に遅れるおそれがある 自動車税(種別割)の納付書が旧住所に届いた場合、支払い期日を過ぎる可能性が高く、納付が遅れると延滞金を支払わなければなりません。また、自動車税(種別割)を納税していないと車検を受けられなくなるため、公道を走行できなくなります。 リコールに気づかず事故につながる可能性がある リコール通知が届かず、改修が未実施のままだと、事故を起こすケースもあるため大変危険です。このように、車検証の住所変更をしないと、さまざまなトラブルを抱えてしまうため、手続きを怠らないようにしましょう。 15日が経過した場合は速やかに住所変更しよう 車検証の住所変更を忘れて15日以上経過している場合は、なるべく早く住所変更しましょう。すぐ対応することにより、トラブルや罰金を避けられる可能性があります。 自動車販売店では、車検証の住所変更の代行を受け付けている場合が多いです。車の手続きに関するプロである自動車販売店であれば、スムーズに対応してくれるでしょう。引っ越しの手続きや仕事などで時間を確保できない場合は、自動車販売店に代行を依頼してみてください。 車検証の住所変更の方法 速やかに車検証の住所変更を行うために、手続きの詳細を確認しておくことが大切です。車検証の住所変更の必要書類や手続きの場所、流れなどについて詳しく見ていきましょう。 車検証の住所変更に必要な書類 車検証の住所変更に必要な書類は、普通車と軽自動車で異なります。それぞれの必要書類は以下のとおりです。 【普通車】1.新住所を確認できる書類 ※発行から3ヶ月以内2.車庫証明書 ※発行から1ヶ月以内3.車検証4.ナンバープレート前後 ※管轄に変更がある場合5.申請書(第1号様式)6.手数料納付書7.自動車税申告書8.委任状 ※代行を依頼する場合のみ 新住所を確認できる書類として個人は「住民票」、法人の場合は「登記簿謄本(抄本)」が該当します。5〜7は手続き先の窓口で配布しているため、当日に入手しましょう。 また、車庫証明書は警察署で申請してから発行されるまで3〜4日、土日祝日を挟む場合は1週間程度かかることもあります。15日以内に車検証の住所変更するためにも、車庫証明は余裕をもって申請しましょう。 【軽自動車】1.新住所を確認できる書類 ※発行から3ヶ月以内2.車検証3.ナンバープレート前後 ※管轄に変更がある場合4.申請書(軽第1号様式)5.軽自動車税申告書6.申請依頼書 ※代行を依頼する場合 普通車と同様に新住所を確認できる書類として、個人は「住民票」、法人の場合は「登記簿謄本(抄本)」を提出します。 また、軽自動車は原則として車庫証明書が不要です。ただし、保管場所の届出が必要な地域もあるため、各自治体の公式Webサイトを確認してみてください。 保管場所の届出が必要な場合は、住所変更後に管轄の警察署で車庫証明書を取得しましょう。 車検証の住所変更の申請場所 車検証の住所変更は、新住所を管轄する以下の場所で手続きします。 ・普通車:運輸支局・軽自動車:軽自動車検査協会 たとえば、墨田区から千代田区に引っ越した場合、足立ナンバーから品川ナンバーになるため管轄の運輸支局が変わります。新住所を管轄する運輸支局や軽自動車検査協会がわからない場合は、以下から確認しましょう。 ・普通車・軽自動車 運輸支局や軽自動車検査協会の受付時間は、土日祝日を除いた8:45〜16:00までとなっています。また、11:45〜13:00は、昼休み時間帯となるため受付の時間外です。住所変更する際は、平日の受付時間に間に合うよう時間を確保しましょう。 車検証の住所変更にかかる費用 車検証の住所変更にかかる費用は以下のとおりです。 ・変更手数料 350円 ※軽自動車は不要・車庫証明書 2,500円程度 ※軽自動車は500円程度・ナンバープレート代 1,500円程度 変更手数料は運輸支局でかかる費用です。運輸支局内にある窓口で収入印紙を購入して手数料を支払います。 車庫証明書の取得費用は、大きな差はないものの地域によって数百円程度異なります。警察署の窓口で収入印紙を購入し、車庫証明書の取得費用を支払いましょう。 また、管轄の運輸支局や軽自動車検査協会に変更がない場合は、ナンバープレート代が発生しません。ただし、管轄に変更がなくても希望ナンバーや図柄ナンバーにする場合は、別途費用が発生します。 なお、収入印紙による支払いを廃止している運輸支局や警察署もあります。クレジットカードまたはキャッシュレス決済アプリでしか支払えない場合もあるため、事前に調べて準備しておきましょう。 まとめ 車検証の住所変更は、住所が変わってから15日以内に手続きしなければなりません。手続きを怠ると、自動車税の納付書やリコールの案内が旧住所に届くほか、50万円以下の罰金が科せられる可能性もあります。期限の15日を過ぎないよう、すみやかに手続きしましょう。 また、運輸支局や軽自動車検査協会の受付時間は、土日祝日を除いた8:45〜16:00です。都合がつかない場合は、自動車販売店に手続きの代行を依頼してみてください。

車の名義変更とは?必要書類や手続きの流れ・期限などを紹介
旧車の魅力と知識 2024.02.16

車の名義変更とは?必要書類や手続きの流れ・期限などを紹介

親子間で譲渡した場合や個人売買をした場合は、自分たちで車の名義を変更する必要があります。必要書類を揃えてしかるべきタイミングで手続きしなければならないため、方法や期限などを把握しておきましょう。この記事では、必要書類や手続きの流れ、名義変更の期限などを紹介します。 車の名義変更とは 車の名義変更とは、所有者や氏名が変わったときに行われる手続きのことです。名義変更には2パターンあり、所有者が変わった際は「移転登録」、氏名を変更する場合は「変更登録」の手続きをします。 移転登録と変更登録では、必要書類や手続きの流れに違いがあることに留意してください。 車の名義変更が必要なケース 具体的にどのようなケースで車の名義変更が必要なのか、疑問に思う方もいるでしょう。続いて、名義変更が必要なケースを紹介します。 家族・親子間での譲渡 家族や親子間での譲渡をした際は、車の名義変更が必要です。たとえば、免許を返納した祖父や父から車を譲渡してもらった場合です。 中古車を販売店で購入した場合は店舗のスタッフが名義変更を代行しますが、個人間の譲渡では基本的に新所有者が手続きする必要があります。なお、家族や親子間での譲渡は移転登録に該当します。 個人売買 個人売買で車を入手したときも、名義変更が必要です。たとえば、知人から車を買ったときや、フリマアプリで中古車を購入した場合などです。 また、知人やフリマアプリで車を売却した場合も相手名義に変更しなければなりません。名義変更をしないとさまざまなトラブルが起きる可能性があります。 トラブルを避けるためにも、引き渡し後に買い手側がきちんと名義変更したかどうか、しっかり確認するとよいでしょう。なお、個人売買での名義変更も移転登録に該当します。 氏名変更 婚姻や養子縁組などにより、氏名が変わったときも車の名義変更が必要です。法人名義の場合は、会社名が変わったときに手続きを行います。 氏名変更は所有者の名前を変更するだけのため、移転登録ではなく変更登録に該当します。 相続 車を相続した場合も名義変更が必要です。たとえば、祖父が使っていた車を相続したケースがあげられます。 ただし、祖父が使っていたとしても車のローンが残っている場合は、クレジット会社が所有者のケースもあります。所有者がクレジット会社の場合は名義変更前に「所有権解除」の手続きをしなければなりません。 所有権解除とは、残っているローンを完済し、所有者をクレジット会社から購入者に変更する手続きのことです。所有権解除を行わないうちは所有権がクレジット会社にあるため、自由に車の名義を変更できません。 クレジット会社に相続する旨を伝えて、所有権解除の案内をしてもらいましょう。なお、相続した車を名義変更するときは移転登録をします。 車の名義変更の必要書類 名義変更の必要書類は、移転登録と変更登録で異なります。普通車と軽自動車でも異なるため、該当する書類を用意しましょう。 新所有者が移転登録するときに必要な書類は、以下のとおりです。 ■普通車1.新所有者の印鑑証明書2.新所有者の実印3.車庫証明(警察署に申請・証明した日から40日以内のもの)4.前所有者の印鑑証明書5.前所有者の委任状6.譲渡証明書7.車検証8.OCRシート 第1号様式9.手数料納付書10.自動車税申告書 事情により前所有者が手続きするときは、新所有者の実印が押印された委任状を用意する必要があります。 ■軽自動車1.新所有者の住民票2.車検証3.OCRシート 軽第1号様式4.軽自動車税申告書5.申請依頼書 申請依頼書は、普通車の委任状と同等の書類です。前所有者が手続きするときは、新所有者が署名した申請依頼書が必要なため、忘れずに用意しましょう。 なお、OCRシートや手数料納付書、税申告書は手続きする場所で入手できるため当日に記入しましょう。 車の名義変更の手続きの流れ 名義変更は新所有者の住所を管轄する「運輸支局」で手続きします。軽自動車の場合は「軽自動車検査協会」で手続きする必要があるため、混同しないようにしましょう。 続いて、普通車と軽自動車それぞれの手続きの流れを紹介します。 普通車 普通車の手続きの流れは、以下のとおりです。 1.必要書類を準備する2.必要書類と車を運輸支局に持ち込む3.申請書や手数料納付書などを入手して記入する4.整備振興会の窓口で手数料分の収入印紙を購入する5.手数料納付書に収入印紙を貼り付ける6.検査登録事務所の窓口で必要書類を提出する7.名義変更後の車検証を受け取る8.自動車税事務所の窓口で税申告をする9.ナンバーセンターで旧ナンバープレートを返却する10.封印取付所で新ナンバープレートを取り付ける 前所有者と新所有者で管轄の運輸支局が異なる場合は、ナンバープレートを変える必要があります。たとえば、以下の場合にナンバープレートが変わります。 前所有者:東京都八王子市在住  (八王子自動車検査登録事務所)新所有者:東京都立川市在住 (多摩自動車検査登録事務所 ) 管轄の運輸支局が異なるかどうかは、こちらから確認できるため、手続きする前にチェックしておきましょう。なお、氏名変更による変更登録を行う場合、9と10は省略されます。 軽自動車 軽自動車の手続きの流れは以下のとおりです。 1.必要書類を準備する2.必要書類を軽自動車検査協会に持ち込む3.申請書や軽自動車税申告書を入手して記入する4.窓口に必要書類を提出する5.名義変更後の車検証を受け取る6.地方税の窓口で税申告をする7.旧ナンバープレートを返却する8.新ナンバープレートを受け取って取り付ける 普通車と軽自動車の大きな違いは、車を持ち込む必要があるかどうかです。軽自動車はナンバープレートの封印が不要なため、車を持ち込む必要がありません。 流れについて不安がある場合は、「総合窓口」で手続きの案内をしてもらいましょう。管轄の軽自動車検査協会がわからない場合は、こちらから確認できるため手続きの前にチェックしてください。なお、氏名変更を行う場合は7と8が省略されます。 車の名義変更の費用 名義変更したときに発生する費用は以下のとおりです。 ・車庫証明 2,500〜2,900円程度 ※地域によって異なる・申請手数料 500円 ※変更登録は350円・ナンバープレート代 1,500円程度 軽自動車の場合は車庫証明の費用と手数料が不要です。ただし、名義変更後に車の保管場所の届出が必要な地域もあります。 必要な場合は、新所有者の住所を管轄する警察署で車庫証明の申請や、保管場所の届出を行う必要があります。軽自動車の車庫証明の費用は500〜600円です。保管場所の届出が必要かどうかは、各自治体の公式Webサイトで確認しましょう。 また、運輸支局によっては収入印紙による支払いを廃止しているケースもあります。クレジットカードやキャッシュレス決済アプリで、名義変更にかかる手数料を支払いましょう。 氏名変更による変更登録は、ナンバープレート代と車庫証明が不要なため、かかる費用は350円です。 車の名義変更の期限 名義変更の期限は、変更があってから15日以内と道路運送車両法で定められています。氏名に変更があった場合も、15日以内に名義変更しなければなりません。 所有者や氏名に変更がある場合は、なるべく早く名義変更しましょう。 なお、名義変更は自動車販売店や行政書士に代行を依頼できます。各業者は車の手続きに精通しているため、スムーズに名義変更してもらうことが可能です。期限内に名義変更できない場合は、各業者に代行を依頼しましょう。 参考:道路運送車両法「第12条」「第13条」 車の名義変更をしないとどうなる? 名義変更を期限内に手続きしないと、50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。 自動車税は4月1日時点の所有者に課せられる税金のため、名義変更しないと前所有者が納税義務者となります。自動車税の納付書も前所有者の住所に届くため、誰が支払うかでトラブルに発展するかもしれません。 なお、名義変更しないと新所有者が違反をした場合、前所有者に違反金が科せられる可能性があります。たとえば、新所有者が速度違反や駐車違反などの違反行為をした場合です。 現行犯でなければ、車の登録情報をもとに特定するため、前所有者が違反者として扱われる可能性があります。罰則やトラブルを避けるためにも、必ず期限内に名義変更しましょう。 参考:道路運送車両法「第109条」 まとめ 車の名義変更は、所有者や氏名に変更があったときに行なう手続きです。必要書類を揃えて、新所有者の住所を管轄する以下の場所で手続きします。 ・普通車……運輸支局・軽自動車……軽自動車検査協会 所有者や氏名に変更があってから15日以内に手続きしないと、50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。前所有者と新所有者の間にトラブルが発生する可能性もあるため、すみやかに名義変更をしましょう。

エンジンブレーキの正しい使い方とは?メリットや適したシーンを詳しく解説
旧車の魅力と知識 2024.02.16

エンジンブレーキの正しい使い方とは?メリットや適したシーンを詳しく解説

エンジンブレーキを正しく使えば、スムーズな運転が実現します。しかし、正しい使い方の具体的な方法、間違った使い方について、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。 この記事では、エンジンブレーキの正しい使い方や、適切な使用によって得られるメリットについて詳しく解説します。さらに、エンジンブレーキを使うべきシーンや、間違った使い方がもたらす問題点にも触れるため、運転の安全性と快適性の向上に役立ちます。ぜひ最後までご覧ください。 エンジンブレーキとは エンジンブレーキは、車の速度を落とす技術の1つです。アクセルペダルから足を離すことでエンジンの回転数が落ち、その際に生じる抵抗力で減速する現象をエンジンブレーキといいます。足で踏むフットブレーキとは異なり、ブレーキパッドやディスクへの負担が少ないという特徴もあります。 アクセルから足を離すとガソリンを使わないため、速度が落ちるだけではなく燃費向上の面でも有効な方法です。さらに、フットブレーキよりも緩やかな速度調整によって、同乗者も快適に過ごせるでしょう。 また、アクセルペダルから足を離したあとにシフトダウンすると、エンジン回転数が上がるため、より強い制動力が発生します。 なお、シフトダウンをMT車やAT車ではなく、CVT搭載車で行なう場合は「Sレンジ」にすると、「Dレンジ」よりもエンジンブレーキが強くかかります。山道や高速道路など、長い下り坂での速度制御や、フットブレーキの多用を避ける場合に適した方法です。 「ブレーキ」と一言でいっても以下3つの種類があります。 ・足で踏むブレーキは「フットブレーキ」・エンジンの力を使うのは「エンジンブレーキ」・車を完全に止めるのは「ハンドブレーキ」 エンジンブレーキの正しい使い方 AT車ではDやSにギアを入れたまま、MT車ではN以外にギアを入れたまま、アクセルペダルから足を離します。エンジンブレーキはフットブレーキよりも緩やかです。 また、速度が速い状態で必要以上にシフトダウンしてしまうと、エンジンに大きな負担がかかるため、車に悪い影響を及ぼす可能性もあります。 なお、エンジンブレーキはブレーキランプが点灯しない点で後続車への配慮が必要です。必要に応じて、フットブレーキで速度を落とす意志を示しながらエンジンブレーキを使うと、追突事故のリスクを軽減できます。 エンジンブレーキの正しい使い方をステップでおさらいしておきましょう。 ・アクセルペダルから足を離す・ギアを下げる場合:AT車はセカンドやロー、MT車はギアを1速ずつ落とす、CVT車はSレンジ・必要に応じてフットブレーキも使う エンジンブレーキの間違った使い方 エンジンブレーキは緩やかな速度調整に便利ですが、常に使うのは間違いです。なぜなら、エンジンブレーキを使うとエンジンやミッションへの負担や故障が高まるためです。エンジンの回転数が上がっている状態が続くとそれだけエンジンに負担がかかってしまい、最悪の場合は故障してしまいます。 また、エンジンブレーキは、フットブレーキのようにブレーキランプが点灯しないため、後続車が速度を落としていないことに気付きにくい点にも注意が必要です。十分な車間距離が取られていない場合、追突されるリスクがあります。 エンジンブレーキをメインとするのではなく、あくまで補助的な役割にとどめて、足で踏むフットブレーキとの併用が必要なものと認識して使うようにしましょう。 エンジンブレーキを正しく使うメリット ここからは、エンジンブレーキを正しく使うことで得られる3つのメリットを解説します。 フェード現象のリスクを抑えられる エンジンブレーキによって、ブレーキの効きが弱くなる「フェード現象」の発生防止につながります。足で踏んでかけるフットブレーキは、長時間使うとタイヤとボディの間にあるブレーキパッドが過熱してしまい、ブレーキを踏んでいるのに止まらない状態になってしまいます。この状態が「フェード現象」です。 特に山道は下り坂が長く、角度も急なためフェード現象が起こりやすい環境といえます。なお、ブレーキの熱が下がれば、フェード現象が発生したとしても通常の状態に復活します。エンジンブレーキを適切に使ってブレーキへの負担が減る運転を心がけましょう。 べーパーロック現象のリスクを抑えられる エンジンブレーキを適切に利用することで、ブレーキが効きにくくなる「ベーパーロック現象」のリスクを低減できます。ベーパーロック現象の原因は、ブレーキによる摩擦熱が原因でブレーキオイルが沸騰することです。 ブレーキオイルが沸騰すると、ブレーキペダルからの圧力がタイヤに伝わりにくくなり、ブレーキをかけているのに車が止まらない状態になってしまいます。 フットブレーキの多用によってブレーキオイルを過熱させないためにも、エンジンブレーキの適切な活用が重要です。 燃費が上がる エンジンブレーキを使う間はアクセルから足が離れており、ガソリンを使わず走行できるため自然と燃費が向上します。 エンジンブレーキを使う間はガソリンを使わない燃料カット機構がついている車種が多く、燃費向上に貢献します。特にハイブリッド車や電気自動車であればバッテリーの充電にも役立つため、さらなる燃費向上につながるでしょう。 エンジンブレーキを使うのに適したシーン エンジンブレーキを使ったほうがいい3つのシーンを紹介します。これからの運転で気にかけるとメリットが感じられるでしょう。 高速道路 緩やかな速度調整が必要な高速道路は、エンジンブレーキが有効です。渋滞に直面したときの速度調整や、サービスエリアでの利用がよくあるシーンとして想定されるでしょう。 高速道路でフットブレーキを使うと、急な減速やブレーキランプの視覚的な部分で、周りの車のストレスになる可能性が考えられます。エンジンブレーキはそのようなリスクがないため、高速道路での利用に適している点がメリットです。 信号付近 街中の信号付近の停止場面でも、エンジンブレーキは役立ちます。高速道路ほど速度が出ていないためエンジンへの負荷が少なく、スムーズな停止が可能です。 意外に青信号から赤信号へ切り替わる際の速度調整は、気を遣う場面といえます。特に初めて通る道ではタイミングが難しく、停止線から出てしまった経験がある方もいるのではないでしょうか。 停止線からはみ出さずに停止するためには、エンジンブレーキを併用した緩やかなブレーキが有効です。また、アクセルから足を離すタイミングも早くなるため、燃費向上にも役立ちます。 ブレーキパッドの摩耗も少なくなるため、ブレーキ自体の寿命も伸びます。車検や定期点検などで、出費が抑えられるという効果にも期待できるでしょう。 下り坂 急な下り坂や長い下り坂は、エンジンブレーキが有効な場面です。フットブレーキだけを使ってしまうと、ブレーキが効かなくなるフェード現象やベーパーロック現象のリスクがあります。 エンジンブレーキを使うと緩やかに速度が落ちて、ハンドルのコントロールもしやすくなります。ブレーキへの負担を過度に恐れて、スピードを落としきれずに事故になってしまっては本末転倒です。ブレーキは走行する際の風で冷やせるため、心配する必要はありません。 フットブレーキの適切な使用によって運転の安全性が高まるため、下り坂はエンジンブレーキを積極的に併用するようにしましょう。 まとめ エンジンブレーキは、適切に使えばブレーキの負担を減らしながら、安全運転にも役立つ機能です。また、ブレーキが効かなくなるフェード現象やベーパーロック現象の防止にも効果的です。 使えるシーンは、高速道路から街中の運転までさまざまです。エンジンブレーキの正しい活用によって、安全運転につながるだけではなく、燃費を向上させたり車の部品を長持ちさせたりといった経済面にも貢献します。ぜひ、エンジンブレーキを運転に取り入れてみてください。

マツダ R360クーペは超低価格を実現した大衆の味方! 先進技術も注ぎ込まれたクルマとしての魅力に迫る
旧車の魅力と知識 2024.02.15

マツダ R360クーペは超低価格を実現した大衆の味方! 先進技術も注ぎ込まれたクルマとしての魅力に迫る

小型で低価格ながら、クルマとしての完成度が高かったマツダ R360クーペ。王者スバル360が先行するなか、発売年にはシェアを奪うほどの大ヒット車となりました。 マツダ初の乗用車にも関わらず、軽自動車初の技術も盛り込まれた革新的なR360クーペの歴史と魅力をみていきましょう。 マツダ初の乗用車は超低価格モデル R360クーペは、マツダが初めて開発した乗用車です。トラックの開発経験しかなかったマツダは、自動車メーカーとして乗用車の開発に乗り出します。軽自動車規格の大衆車という価格とサイズに制約のあるなかでの開発でしたが、R360クーペはマツダらしいというべき革新的なモデルでした。 まずは、R360クーペの開発背景を詳しく振り返ってみましょう。 国民車構想に呼応する形で開発 通産省(現在の経済産業省)の抱いていた国民車構想が、1955年にリークされる形で新聞報道されます。マツダは「ピラミッドビジョン」という所得に応じた新車開発構想を掲げ、まずは最下層の大衆車の開発に乗り出すことを決断しました。 国民車構想のなかでマツダが軽自動車専門メーカーと位置づけられていたこともあり、 軽自動車規格の大衆乗用車の開発に着手します。そして1960年に登場したのが、2+2シーターのR360クーペでした。 驚くべき低価格を実現して大ヒットを記録 R360クーペは、当時としても破格の30万円で販売されました。同規格の大衆車として王者に君臨していた、スバル360の販売価格42万5千円から30%近くもの低価格化を実現。結果的に、1960年の軽自動車生産シェアの6割以上を占める大ヒットを記録しました。 「国民車構想」「大衆車」というコンセプトのもとで開発されただけに、低価格の実現はマツダにとって譲れない部分だったのでしょう。4シーターの居住性にこだわったスバル360に対して、2+2シーターという割り切った開発思想に加え、徹底したコストカットを図りました。また、コンピュータで生産管理を行うという当時最先端の工場で効率よく生産されたことも、低価格を実現した一因かもしれません。 先進技術を盛り込んで妥協なく作り込まれたR360クーペ R360クーペの開発リーダーは、のちにロータリーエンジンの実用化に成功し「ミスター・ロータリー」とも呼ばれる山本健一氏でした。徹底的なコストカットを図る一方で、エンジンやサスペンションといった性能の根幹に影響する部分は妥協なく作り込まれています。また、小型でも十分な走行性能を発揮するよう、徹底した軽量化がされていた点もR360クーペの特徴です。 R360クーペのクルマとしての魅力をみていきましょう。 先進技術を盛り込んで作り込まれていた R360クーペのエンジンは、356ccのV型2気筒エンジンです。ベースのエンジンははすでに軽3輪車で使用されていましたが、シリンダーブロックやクランクケースといった主要パーツをアルミ合金化。さらに動弁系や補機類にマグネシウム合金を使用するなど、徹底した軽量化が図られました。また、軽自動車に4サイクルエンジンを搭載していた点も、当時としては画期的でした。 さらに、「クーペ」という車輌コンセプトにふさわしく、サスペンションは4輪独立懸架方式を採用。単に安価で軽量なだけではなく、走行性能にも可能な限り力を尽くした、山本健一氏をはじめとするマツダ開発陣のこだわりが詰まったモデルといえるでしょう。 軽自動車初のATを採用 R360クーペには、軽自動車として初めて2速AT(オートマチックトランスミッション)が搭載されました。価格面も4速MTに比べてわずか2万円の上昇に抑え、「誰もが運転できる」という大衆車のコンセプトをトランスミッションでも体現していました。 日本で初めてAT車が登場したのが1958年ということを考えると、わずか2年で低価格の大衆車にATを搭載したことは大変画期的だといえます。 マツダ創立100周年記念モデルのモチーフになった マツダは2020年に創立100周年を迎えた際、当時販売していた全車種に記念モデルを設定しました。その際にデザイン的なモチーフとしたのが、R360クーペです。どのモデルも、Lパッケージに対して11万円プラスという価格設定でした。 100周年記念車では、R360クーペのカラーリングをうまく現代のモデルに取り入れました。一方で、当時の色をそのまま採用するのではなく、時代背景に対する解釈を加えて100周年記念車にふさわしい上質さを表現しています。 R360クーペのボディカラーは、やや黄味がかったアルペンホワイトでしたが、当時の量産技術では白の再現に限界があったのではないかと解説。100周年記念車では、スノーフレイクホワイトパールマイカをボディカラーとしました。また、ルーフと内装に使用されていたマロンルージュカラーは、マツダ3に使用されていた同系色のバーガンディをシートやフロアマットといった内装に使用しています。 随所にR360クーペを感じる100周年記念車を販売全車種に用意したのは、マツダにとってもいかに重要な車種だったのかがうかがい知れます。 希少車に買取価格をつけるのは実は難しい 歴史的価値の高いR360クーペの生産時期は、1960年から1969年までです。大ヒットを記録し、9年間も生産されていたものの、すでに生産終了から50年以上が経過しています。特に、安価な大衆車だったということもあり、状態のよい個体はほとんど残っていません。 一般的には、希少であれば高く売れるイメージがあります。しかし、実は希少車に買取価格をつけるのは、簡単なことではありません。クルマの状態の見極めはもちろん、市場での価値を正確に把握しておく必要があるためです。R360クーペのようにクルマ自体の性能が高いわけではない大衆車は、さらに査定を難しくします。妥当な買取価格で売却するためには、旧車王のように旧車の買取実績の豊富な専門業者に相談しましょう。  

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