「車売却ってそもそもどんな流れなのか」「車の相続について相談したい」など車売却をご検討の際に出てくる悩みに無料でお答えいたします!
【相談例】
● 車売却のそもそもの流れが分からない
● どういった売り方が最適か相談したい
● 相続で車を売りたいけど売り方が分からない
● 二重査定や減額について知りたい
など
中古車を購入または譲渡された場合、名義変更手続きが必須です。しかし、名義変更の必要書類や手続きの流れを把握していない方もいるでしょう。 そこで本記事では、中古車の名義変更の必要性や手続きのタイミングを解説します。必要書類や手続きの流れも解説するので、ぜひ参考にしてください。 中古車を購入したら名義変更が必要 中古車を購入または譲渡された場合、名義変更の手続きをする必要があります。名義変更しないと、4月1日時点の所有者に対して発生する自動車税(種別割)の納付書が、前所有者に届いてしまうためです。交通違反を起こしたときにも、前所有者が賠償責任を負うことになってしまいます。 また、自賠責保険の名義変更手続きも行わないと、事故にあった際に補償が下りない可能性があります。前所有者とのトラブルを避けたり、しっかりとした補償を受けたりするためにも、速やかに名義変更の手続きを行いましょう。 中古車の名義変更のタイミング 中古車の名義変更のタイミングは、道路運送車両法で「クルマを購入または譲渡された日から15日以内」と定められています。しかし3月中旬〜後半に中古車を所有した場合、4月1日以前に手続きを行わないと、前所有者に自動車税(種別割)の納付書が届いてしまうので注意が必要です。 万が一15日を過ぎてしまった場合、50万円以下の罰金が科せられます。前所有者に迷惑がかかる可能性があるため、定められている期間を基準にせず速やかに手続きしてください。自分で名義変更を行う場合は、手続きのタイミングに注意しましょう。 参考:道路運送車両法「第13条」「第109条2項」 中古車の名義変更の必要書類 中古車の名義変更の必要書類は複数あります。中古車の名義変更を予定している場合は、必要書類を事前に把握し、手続きをスムーズに行えるようにしましょう。続いて、中古車の名義変更の必要書類を解説します。 実印・印鑑証明書 中古車の名義変更には実印と印鑑証明書が必要です。実印を登録しておらず印鑑証明書を入手できない場合は、市区町村で事前に手続きを行いましょう。なお、名義変更の手続きに必要な実印は、市区町村で登録した印鑑であることが条件です。 譲渡証明書 中古車の名義変更には譲渡証明書が必要です。譲渡証明書とは、前所有者からクルマを譲渡されたことを証明する書類です。自分で手続きをする場合は、国土交通省のHP(こちら)から譲渡証明書をダウンロードし、前所有者にも必要事項を記入してもらいましょう。記入例も国土交通省のHPに載っているので、参考にしてください。 ▼関連記事はこちら自動車譲渡証明書とは?記入の仕方や作成時の注意点についても解説 委任状 中古車の名義変更には委任状が必要です。委任状は、前所有者から手続きを委任された旨を証明する書類であるため、自分で手続きする場合でも用意しておかなければなりません。譲渡証明書と同様に、国土交通省のHP(こちら)から委任状をダウンロードできます。記入例も国土交通省のHPに記載があるので、参考にしてください。 車検証 中古車の名義変更には、購入または譲渡されたクルマの車検証が必要です。車検証はコピーではなく原本で手続きします。また一時的にクルマの登録が抹消されている場合は「登録識別情報等通知書」が必要です。 車庫証明 中古車の名義変更には、車庫証明が必要です。(普通車のみ)車庫証明とは、クルマを保管する場所を証明する書類であり、管轄の警察署で取得できます。マンションやアパートに住んでいる場合は「保管場所使用承諾書」を警察署に提出する必要があるため、管理会社に発行してもらいましょう。 ▼関連記事はこちら車庫証明の発行にかかる期間は?有効期限や申請方法なども紹介車庫証明の取得にかかる費用は?支払い方法や取得の流れも紹介車庫証明は本人じゃなくても取得できる!代理人による手続き方法を紹介軽自動車は車庫証明がいらないのは本当?必要なケースも紹介 実車(管轄地域が変わる場合のみ) 前所有者と管轄地域が異なる場合は、ナンバー変更手続きをする必要があるため、陸運局にクルマそのものを持ち込まなければなりません。 【管轄地域が変わる例】前所有者 渋谷区在住 品川ナンバー(東京陸運局)所有者 台東区在住 足立ナンバー(足立自動車検査登録事務所) 旧ナンバープレートを外した後に新しいナンバープレートに取り付ける際、陸運局側で盗難防止用の「封印」をしてもらうため実車が必要となります。なお、旧ナンバープレートは自分で取り外して窓口に返却するため、プラスとマイナスドライバーを用意しておくとよいでしょう。希望ナンバーに変更する場合は、事前に申請をしておく必要があるので、注意してください。 ▼関連記事はこちらクルマのナンバーの変更費用は?変更方法別の目安も紹介 中古車の名義変更にかかる費用 名義変更は6,000円程度で手続きできます。発生する費用の内訳は下記のとおりです。 車庫証明書代 2,500〜3,000円(地域によって異なる) 印鑑証明書代 300円程度 移転登録代 500円程度 申請用紙代 100円程度 ナンバープレート代(変更する場合のみ必要) 1,500〜2,000円 ※希望ナンバーは5,000円程度 クルマの時価によっては、自動車取得税が発生するケースもあるため、事前に陸運局に金額を問い合わせると安心です 中古車の名義変更の流れ 中古車の名義変更の流れを理解しておけば、スムーズに手続きできるため、把握しておきましょう。ここでは、中古車の名義変更の流れを解説します。 1.必要書類を準備 まずは、前述した必要書類を用意します。平日しか窓口があいていない機関で取得する書類があるため、予定を調整しておきましょう。 たとえば、車庫証明書は警察署で取得しますが、平日の9:00~16:30までしか手続きできません。印鑑証明書も市区町村の役所で発行する必要があり、原則は平日のみの受付です。自治体によって受付時間が異なるため、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。 2.管轄の陸運局へ行く 必要書類を準備できたら、管轄地域の陸運局で手続きを行います。陸運局の受付可能時間は平日の8:45〜16:00であるため、必要書類の発行時と同様に、名義変更の期日を過ぎないようにスケジュールを調整しましょう。 3.申請書・手数料納付書に記入 陸運局に着いたら、申請書と手数料納付書に必要事項を記入します。手数料納付書とは、手続きに必要な手数料を支払うための書類です。記入後に手数料相当額の印紙を購入して貼り付けます。 4.窓口で申請書・手数料納付書と必要書類を提出 申請書と手数料納付書の記入が終わったら、必要書類とともに窓口に提出します。 5.新しい車検証を受け取る 手続き後に窓口から呼ばれたら新しい車検証を受け取りましょう。このとき、申請書に記入する、申請人もしくは申請代理人の名前で呼ばれるため、正しく名前を記入していないと、自分の順番がきたことに気が付けない可能性があります。 誤った情報を書いていないか、書き忘れている項目がないかを確かめてから提出すると安心です。読みにくい名前にはしっかりとフリガナをふるとよいでしょう。 6.自動車税(環境性能割・種別割)を申告する 車検証を受け取ったら、陸運局に隣接する自動車税申告窓口にて自動車税(環境性能割・種別割)申告書に必要事項を記入し、税金を納めます。 ▼関連記事はこちら自動車取得税が廃止!自動車取得税の内容や新たに導入された環境性能割についても解説クルマの税金にはエンジンの排気量で決まるものがある!自動車税(種別割)について解説【13年・18年経過】自動車税種別割・重量税の早見表|乗り換えた方がよい理由も紹介 7.ナンバープレートの変更手続き(管轄地域が変わる場合のみ) 管轄地域が変わる場合はナンバープレートの変更手続きを行います。旧ナンバープレートを外して窓口に提出し、新しいナンバープレートを取り付けましょう。盗難防止用の「封印」は陸運局側で行います。 軽自動車を名義変更する場合 軽自動車の名義変更をする場合、ここまで紹介したものと異なる書類を用意する必要があります。手続き場所も違うため、事前に確認しておきましょう。 手続き場所 軽自動車の名義変更は「軽自動車検査協会」で行います。全国各地に拠点があり、軽自動車検査協会のHPにて管轄地域の事務所を検索できます。受付時間は、平日の8:45〜16:00のみです。 必要書類 軽自動車の名義変更に必要な書類は下記のとおりです。 ・車検証・印鑑証明書もしくは住民票の写し・ナンバープレート(管轄地域が変わる場合のみ) 普通車と異なり、車庫証明書や譲渡証明書は必要ありません。委任状も不要ですが、新所有者以外が手続きする場合は「申請依頼書」を用意します。これから軽自動車を購入するのであれば新所有者は自分にあたるため、代理人や販売店に名義変更を委任する際に準備しましょう。軽自動車検査協会の窓口で入手できるほか、HP(こちら)からダウンロードできます。 また、管轄地域が変わる場合はナンバープレートの変更手続きが必要ですが、普通車と違って「封印」しないため、実車の持ち込みは不要です。事前にナンバープレートを取り外して持参しましょう。 名義変更手続きは代行依頼が可能 中古車の名義変更手続きは煩雑なため、プロに依頼したいという方もいるでしょう。中古車の購入時には、販売店に名義変更を依頼することが可能です。 スムーズに手続きを進められますが、一方で代行費用がかかるという注意点もあります。名義変更の代行を依頼する前に、メリットとデメリットを把握しておきましょう。 代行のメリット 中古車の名義変更の手続きを行う陸運局の窓口は平日しかあいていません。なかなか時間を確保できない場合は、販売店に依頼するとよいでしょう。また、手続きに慣れているプロが代行してくれるため、滞りなく名義変更できる点も大きなメリットです。 代行のデメリット 販売店に名義変更を依頼すると、代行費用がかかります。中古車販売店に依頼する際の相場は、1万〜2万円程度です。ただし、クルマの購入に伴う名義変更であれば、割引されるケースもあるため、相談してみるとよいでしょう。 また、販売店が代行できるのは名義変更手続きのみです。必要書類は自分で揃えなければならないことに注意しましょう。 まとめ 中古車の名義変更の手続き内容について解説しました。 名義変更するには、書類を用意したり指定の機関に出向いたりする必要があるため、自分で行う場合には時間に余裕をもって予定を組みましょう。万が一譲渡された日から15日以上経過すると罰金が科されます。 どうしても時間を確保するのが難しい場合には、販売店に代行依頼するのも選択肢の1つです。別途費用がかかるため、ご自身の都合にあわせて検討してみてください。
■気づけば遠い「13年」という年月 ▲トヨタポルテの初代型は2004年発売。発売から18年が経過し、すっかり「MODERN CLASSIC」の世代の仲間入りだ。 欧州のエンスージアストたちの間では90年代から00年代のクルマの愛好家が増え、現地の自動車雑誌では「MODERN CLASSIC」を掲げた専門誌や特集を見ることも少なくない。 内容を眺めるとケイマン(987)やランサーエボリューションⅨなど、2000年代後半にかけての車両にもフォーカスが当たる時代だ。 まだまだ最近だと思っていた00年代から13年が経過した。 「すでにiPhoneがある時代」と聞けばさほど昔には感じないが、「アナログ放送が停波していない」ことや「東京スカイツリーがまだ途中までしかできていない」と捉えると、令和がすでに4年目である事実を感じられる。 「13年」というキーワードを聞いて、古いクルマが大好きな読者様がつい意識させられるのは、自動車税の15%増税タイミングだったりしないだろうか。 ■まだ旧車ではない?将来に残るか今が正念場の旧車予備軍たち 今回紹介するトヨタ・ポルテは2007年車。 「街でまだまだ見かけるじゃないか」と言う声も聞こえてくるような気もするが、すでに新規登録から13年を軽く越えた車両だ。 旧車王ヒストリアの読者様ならば、「まだまだいけるぞ!」と強気にいえるかもしれないが、一般的なユーザーならば「そろそろ潮時…」と、感じてもおかしくない位の年代のクルマであると思う。 だからこそ、これらの車両たちが本当の旧車になるには今が正念場だと筆者は考える。 ちょうど13年前の2009年、日本でも欧州の国々に習い、自動車の買い替えを促す各種優遇政策の「スクラップ・インセンティブ」を導入した。 環境対応車への買い替えにおける減税や補助金と引き換えに、それまで所有していた車両を引き取り、スクラップにすると言うものだ。 2009年頃の新車ディーラーでは、工場脇にかなりの台数の旧型車が並べられていた。 その多くが中古車市場などに再度流通することなく、この世から姿を消していった。 今となっては自動車雑誌やイベントで注目される80年代、90年代車達もヤードの奥に随分と並んでいたことを忘れていない。 筆者もディーラーの方に許可をとって「せめて写真だけでも…」と、撮影させてもらったことを記憶している。 とはいえ、現在スクラップ・インセンティブが実行されているわけでもなければ、廃車によって優遇措置を受けられるわけでもない。 筆者が伝えたいのはそのクルマを役目を終えたとして捉えるか、それともこれから価値を帯びるクルマとして楽しむかで、随分未来が変わると感じているのだ。 ■気軽に味わうレンタカーという選択肢! そんな「旧車予備軍」の車両を気軽に楽しめたらいいな、と思い立った時にふと「どこかでレンタルできないだろうか」と考えた。 スポーツカーや趣味性の高いモデルならば専門のレンタカーショップなどでも借りることができるが、いざカジュアルなモデルを味わおうとすると、街中ではよくすれ違っても借りるとなるとハードルが少し高くなる。 筆者が行き着いたのはニコニコレンタカーだった。 比較的新しい車両に力を入れてリーズナブルに貸し出しを行っている同サービスだが、中古車をベースとしたレンタカーも多く、探せば店舗によって古い年式のモデルを借りることも可能である。 前置きが長くなってしまったが、そんな旧車予備軍のなかから今回はエポックメイキングな車両をレンタルしたく、この初代ポルテに触れてみることにした。 ■生活に根ざしたエポックメイキングなレイアウト ▲オーディオ、空調類だけでなくスライドドアのスイッチまでも中央に集約した操作系。配慮は運転者だけでない部分が設計思想に見え隠れする スライドドアを採用したモデルという点であれば、3代目アルトのスライドドアスリムやプジョーの1007が存在する。 両側スライドドア、もしくは助手席側のみヒンジドアとなっており今回紹介するポルテとは異なるレイアウトを採用している。 初代ポルテは運転席側にヒンジドアとリアハッチ、助手席側に大開口の電動スライドドアを備える3ドアハッチバックだ。 全長は現行ノートと同じく3990mmとコンパクトではあるものの、全高は1720mmとスーパーハイトワゴン系のダイハツタントより30mm低い程度で室内の広々感はかなりのものだ。 イタリア語で「扉」の意味を表すポルテの通り、とにかくその助手席ドアの印象は大きい。 インパネの真ん中にあるパワードアのボタンを長押しすれば、運転席からでも助手席からでもドアの開閉が可能だ(もちろん助手席ドアからでも可能である)。 ナビはトヨタ純正のDVD方式で、MDは長時間録音形式の「MDLP」に対応している。 ▲当時、トヨタのコンパクトカーの多くはまだエンジン始動までボタンで行えるスマートキーではなく、鍵の施錠のみが可能なスマートドアロックを採用。エンジン始動用の鍵と共にキーフォブを携行する必要があった ▲レイアウトだけでなく、それぞれのシートや物入れなどいたるところに工夫が見える。限られた空間をいかに有効活用できるかも日本車のお家芸といえよう 巨大なドアを開けると、シートスライド不要で助手席、リア席どちらにも乗り込むことが可能だ。 まず乗り込んで目につくのはその収納の多さだ。 カップホルダーや収納をできるだけドアやインパネ内に納め、左右座席へのウォークスルーが容易なレイアウトになっている。 撮影車はオプションの大容量センターコンソールが取り付けられていたが、標準状態ではフロント席からリア席への移動も余裕のある天井高のおかげで容易だ。 助手席は背面をパタンと前に倒しシートバックをテーブルにすることも可能だ。 このあたりは近年の軽自動車にも見られる装備ではあるが、ここまでしっかりしたシートを2000年代中盤から真剣に作り込んでいる点は流石である。 ■まったりした乗り味が魅力のワゴン...いや、ハッチバック!? 着座位置は高く、最近の軽ワゴンなどとも似た雰囲気だが、比較するとフロントウインドウの上端が寝ているためゆったりした居心地の良さがある。 ハイウェイクルーズやワインディングをキビキビと攻めたくなるタイプのクルマではないが、ミニバンなどともまた一味違うまったりとした乗り心地が魅力だ。 リアシートに移動してみよう。 シートのクッションがフロント席とは大きく異なり柔らかく沈み込むのが印象的だ。 フロント席が肘付きのちょっと良いオフィスチェアだとすれば、リア席はリビングのソファだ。 座り込んだ瞬間もっちりとした感触に心奪われる。 特に、運転席の後ろにドアがない分、リア席右側はカップホルダーや物入れスペースがかなり充実。 シートの周りになんでも揃っている雰囲気、どこかで見たことあるなと思ったら国際線のビジネスクラスのシートとなんだか似ているような気がするのだ(残念ながら筆者はビジネスクラスに乗ったことがないが)。 リア席はもっちりしているだけが芸ではない。 座面を跳ね上げれば大型の荷物がすっぽりと収まるようになっている。 背の高い折りたたみ式のベビーカーや小型の自転車なら収まってしまうと言うのがメーカーの触れ込みだ。 リア席もシートバックを前側に倒すことが可能で、助手席も同時に倒せば長尺物が余裕で入ってしまうのも魅力だ。 これらの機能は最近のハイトワゴンではできることも多いのだが、あくまで2004年に発売された3ドアハッチバックの話である。 搭載されるエンジンは1.3リッターの2NZ。 車両総重量は1090kgと、電動スライドドアを装備した乗用車としては意外と軽いような気もするが、全体的なまとまり含めてどっしりとした走りをもたらしている。 タイヤは175/70R14と程よいサイズ感で、足回りからはマイルドな感触が伝わってくる。 前方視界はすこぶる良好だが、後方視界にも不安は少なく「家族で乗りたいけど3列シートはちょっと長すぎて不安」という人にも候補に入れてほしくなる一台だ。 ■「ユニバーサルデザイン」の体現 数あるクルマの選択肢からどんなクルマを選ぶのか、ライフステージに合わせてさまざまであると思う。 そんななか、ポルテというクルマの存在は乗る人の生活を中心とした優しさを感じさせる。 90年代後半以降、ユニバーサルデザインを自動車作りにも反映させ、研究していたトヨタ自動車。 その活動は初代ラウムで結実し、以降幅広い車種に波及していく。 まさにポルテもそういった視点が盛り込まれた車両で、福祉車両のウェルキャブシリーズには助手席シートの仕様だけでもかなりの種類がある。 また、助手席シートだけに止まらず、運転席シートがそのまま自走式電動車椅子になるウェルドライブ「タイプI」なども設定されていた。 ■選べるうちに味わう00年台車の味 「移動」というニーズへと、細やかに対応しながら作られたポルテ。 気の置けない仲間とのんびりとした遠出を楽しんだり、子供一人目くらいまでのファミリーには今でも大変重宝されそうだ。 何より、この世代のクルマはとにかく今の相場価格がかなり安い。 今回はレンタカーでその良さを味わうことができたが、つい日常生活のなかでポルテの良さを知りたくなってしまう。 中古車でまだ色やグレードが選べるうちに、このエポックメイキングな00年代車を味わってみるのはいかがだろうか? [ライター・撮影/TUNA]
古いクルマに乗る人の多くが「頼れる主治医がいてこそ成立している」ように思う。 なかには車検はもちろんのこと、エンジン載せ換えやオーバーホールなどの重整備をオーナー自ら行う方もいて、(その環境と技術スキルの高さに)驚きと羨望のまなざしを送ることもしばしば。 とはいえ、いざというときに主治医がいると心強いのは確か。出先で故障したら、休みの日なのにわざわざセーフティーローダーで迎えに来てくれたり、儲け度外視で愛車の面倒を診てくれたり・・・。オーナー以上に愛車のコンディションを把握しているというケースも少なくないように思う。 古いクルマの点検整備を専門とする主治医に共通する事柄のひとつに「1人親方」であることが挙げられる。市街地から外れて、畑の真ん中や山の麓など、看板すら掲げずにシャッターを少しだけ開けて黙々と作業している方が多いような気がするのは気のせいだろうか。 で、いくつかある共通する事柄のひとつに「納期が守られないこと」ように思う。よくいえばとことんまで面倒を診てくれているとも解釈できるのだが、オーナーが希望する納期を守ってくれる方が少ない(笑)。ディーラーのような対応を期待してはまずいけない。それで怒り出すようなら組織だって(つまり、社員を雇って)店舗を構えているようなショップを選んだ方がいいと思う。納期の問題も改善される可能性が高い。 古いクルマに乗る以上、オーナー側に求められる素養として、ある程度のおおらかさ、寛容さが必須条件だ。主治医が計画通りに作業してくれなくても、怒らず、焦らず、そして泣き崩れず(笑)。これはクルマのコンディションについても同様かもしれない。パーフェクトを求めていたら、愛車の経年劣化よりも先にオーナーの方が疲弊してしまうだろう。 話は変わるが、編集長という立場上、各ライターさんに原稿執筆の依頼をするわけだが、そこにも(当然ながら)納期がある。きっちりと納期までに納品してくれる方、毎回遅れる方、面白いくらいハッキリと分かれている。 いまからライター業を目指すとするなら「毎回きっちりと納期守る」だけで、それなりに仕事の依頼があるように思う。それほど納期を守らないライターさんが多いということだ。 なかには確信犯的に遅れてくるライターさんもいて、本当は「納期は一昨日だ!早くしろボケー!」といいたいところをグッと堪えてにこやかに(?)対応している。編集長業務にもある程度のおおらかさ、寛容さが必須条件なのかもしれない(泣)。 [画像/Adobe Stock ライター/松村透]
ハマーはアメリカのAMゼネラルが発売した軍用車ハンヴィーの民間仕様車として、1992年にハマーH1の販売を開始したフルサイズSUV。1999年以降はAMゼネラルから販売権を買い取ったゼネラルモーターズがハマーを生産・販売していましたが、惜しくも2010年に販売を終了しました。 しかし、2022年にEV(電気自動車)として復活することが発表され、本国アメリカのならず世界中から再び注目されています。今回は、そんな販売終了後も人気があるハマーの歴史やラインナップ、さらに中古市場相場が現在どのようになっているかをご紹介していきます。 軍用車ベースで開発されたハマーH1 ハマーH1は、俳優アーノルド・シュワルツェネッガー氏の要望により、軍用車のハンヴィーを民間仕様車に改良したSUVとして、1992年から2006年までの14年間販売されていました。 全長約4.7m、全幅約2.2m、全高約2mという大型ボディに6.2Lの大排気量ディーゼルエンジンを搭載し、サスペンションは前後ダブルウィッシュボーン式を採用しています。 民間仕様と言ってもスペックは軍用車のハンヴィーとほぼ変わらず、1994年モデルから排気量を6.2Lから6.5Lに拡大。1995年には5.7Lのガソリンエンジンを搭載したモデル、1996年にはディーゼルターボエンジン搭載モデルも追加といったように、年々その仕様を変更、向上させていきました。 そして、2005年にはいすゞ製の8GF1型ディーゼルエンジンになり、車名は「H1アルファ」に変更。しかし、2006年のガソリン値上げによる売れ行き悪化と、2007年の排ガス規制に対する対策の目処が立たず2006年に販売終了となります。 カスタムベースで人気なハマーH2 ハマーH2は、軍用車と関係のない民間車としてシボレー タホをベースに開発。先代H1のイメージをできるだけ継承して制作され、2002年から2010年までの8年間販売されていました。 全長約5.1m、全幅約2.1m、全高約2mというH1同様迫力あるボディに、排気量6Lのガソリンエンジンを搭載。H1のような無骨さを残しつつ、より民間利用を意識したSUVに仕上がっています。 H1から大きく変わったのはサスペンションで、フロントにダブルウィッシュボーン、リアに5リンク式リジットを採用。アクスルはハブリダクションではなくノーマルアクスルとし、ごく一般的な足回りとなったため、一部のマニアからは不評をかってしまいます。しかし、H1と比べて広くなった室内や、乗り心地などが富裕層のニーズにマッチし、発売当初から好調な売れ行きを記録したのです。 また、アフターパーツも豊富で、オフロード仕様やラグジュアリー仕様といった、自分だけの1台を作ることができ、販売終了後の現在でもカスタムベースとして人気があります。 小型化が日本にマッチしたハマーH3 ハマーH3はシボレーのコロラドのシャーシをベースに開発され、H2同様に軍用車との関係はなく、2006年~2010年の4年間の販売されていました。 全長約4.7m、全幅約1.9m、全高約1.9mのボディに排気量3.5Lの直列5気筒エンジンを搭載。排気量は小さく、直列エンジンのため、ややアメ車らしいインパクトに欠けます。2007年モデルから排気量が3.7Lにアップされたもののトルク感は薄く、アメ車らしいフィーリングが感じにくいことで、発売当初アメリカではあまり評判がよくありませんでした。 そこで、2007年9月に5.3LのV8エンジンを搭載したH3 ALPHAが登場。最大トルクが31.0kg・mから44.3kg・mにアップしたことで、それまでのトルク不足は解消されます。 H2と比べてコンパクトなボディのため、室内空間はやや狭いものの、ハンドルの切れ角が大きく最小回転半径は5.6m(H2は6.8m)と向上。アメ車っぽいワイルドなデザインを持ちつつ、その適度なサイズ感と取り回しの良さは、かえって道が狭い日本のユーザーから好まれています。 いまハマーを売るなら?買うなら? 2022年6月の原稿執筆時点で、ハマーを中古車相場(大手中古車情報サイト)と買取相場(旧車王)をH1、H2、H3別に紹介します。 まずはH1から、中古車相場は548万円~980万円で掲載台数は10台。しかし、価格が提示されている車両は少なくほとんどが「応談」と表示されています。新車価格が約1,900万円のため、妥当な中古車相場といえるかもしれませんが、価格がはっきりしないことで手が出しにくいかもしれません。また、買取価格はサンプルが少なく最大買取価格750万円となっています。 次にH2、中古車相場は192万円~819万円で掲載台数は100台以上と探しやすく、多くの台数が国内で流通していることがわかりあす。買取価格はこちらもサンプルが少なく、最大買取価格が650万円。ただしH2はカスタムベースとして人気のため、新車の最上級グレード956万円と比べてもかなり高値で取引されているといえます。 最後にH3、中古車相場は160万円~340万円で掲載台数は約50台とやや少なめ。買取価格は130万円~250万円でした。SUV市場が車種を問わず人気であることを勘案すると、特別高騰しているわけではありませんが、今後、ハマー全体の台数が少なくなっていくにつれて高騰していく可能性は十分にあります。 まとめ 軍用車のハンヴィーを祖先に持つハマーは、市場での人気によって受けて時を経るごとに様々なモデルが生み出されてきました。H1は軍用車と遜色ないハマー、H2はカスタムベースのラグジュアリーなハマー、H3はコンパクトで日本でも乗りやすいハマーという認識で、自分に合ったハマーを選べるのもハマーならではの魅力かもしれません。 そして、ゼネラルモーターズは2022年にピックアップのハマーEV、2023年にSUVのハマーEVを市場に投入すると発表しています。これまでハマーが培ってきた迫力とワイルドな魅力に、最先端EVの技術やラグジュアリーな内装をどう融合してくるのか、ハマーファンならずともぜひ注目していきたいところです。
旧車趣味は、ハード面やソフト面を問わず「ハードルが高い」というイメージを持たれている方が多いはず。 ・・・と同時に、強い憧れを抱いている方も少なくないと想像します。 今回、ポンコツ愛好家というハードウェア中心になりそうな筆者が、ソフトウェア的な観点(例えば、対人間)など、多くの方たちに旧車適性があることをお伝えし、前述のような方たちの背中を少しでも押すきっかけとなれば幸いです。 ■ポンコツ愛好家からみた、最先端の旧車ライフとは? ▲旧車関係では空冷のフォルクスワーゲンについて、イベントに参加した際の動画を配信しています。「■旧車イベント フラバグ・ファイナルに行ってきた」 こんにちは!はじめまして。 私『ポンコツ修理系YouTubeチャンネル・ベアマンチャンネルのクマダトシロー』と申します。 主に、ヤフオクやメルカリにて一ケタ万円で取引されるようなポンコツ(?)車を中心に、ちょっとした修理やカスタムをメインにした動画を配信しております。 旧車と呼ぶ・・・までには至らない、ネオクラシックな年代の車両が動画のネタとなっておりますが、筆者であるクマダはもともと旧いクルマやバイクが大好物なのです。 例えば私自身が20年近く乗っている愛車は空冷のフォルクスワーゲンです。 さまざまなご縁があり、こちらで記事を執筆させていただくことになりましたが、今回のテーマは「あなたの旧車ライフ適性」についてです。 さっそくですが「旧車」と聞いて皆さまは、どのようなイメージを持たれますか? 当然この記事をご覧になっている皆さまは、少なからず旧車のある生活に興味をお持ちであることと思います。 旧車といえば、古い機械ものであるゆえの不具合や故障など、ネガティブなイメージがあるでしょう。 また、維持管理が難しそうな側面から、なかなか手を出しづらいといった方も多いことかと思います。 確かに、旧車を現代の車両とまったく同じように維持管理できるかといえば、それはかなり厳しいといえることでしょう。 では、まるで専門家のような知識や技術を持ち合わせたうえで、血と汗と涙を流すような努力が必要かといえば、まったくそんな必要はありません。 筆者(クマダ)は、ここ十数年で非常に旧車の維持管理がしやすくなったと感じております。 その要因は「インターネットおよび、SNSの普及」です。 世間では「空前の旧車ブーム」といわれておりますが、事実、以前に比べて確実に旧車に関する情報量が圧倒的に増えました。 筆者が学生であった20数年前は、旧車の情報といえば、数少ない専門誌が頼みの綱でした。 古本屋で当時物の雑誌や専門誌のバックナンバーを棚からほじくり出したあげく、ページに穴があくほど読みこんだりしたものです。 しかし現在ではスマホ検索一発で欲しい情報を得ることが可能です。 かつては、当時物の部品をそろえたいと考えたとき、自動車専門誌の発売日に「売りたし買いたし欄」に目を光らせる必要がありました。 ライバルに先を越されぬように、いち早くオーナーに連絡する必要があったのです。 また、全国各地で日も昇らぬ時間から催される、部品交換会といったフリーマーケットに懐中電灯を持って参加したりしたものですが、現代では自宅から一歩も出なくとも「ヤフオク!」や「メルカリ」でことが足ります。 極めつけは、翻訳ソフトの精度や利便性が向上したことで、海外サイトからも情報を得ることもたやすくなり、その気になれば、海外のオークションサイトでのレアパーツの発掘も可能になってきました。 昨今では、ショップ主催のイベントやミーティングのみならず、SNSを介しての同車種の仲間同志での全国レベルの情報交換も活発化しています。 各メーカーも旧車用のドレスアップパーツや、旧パターン&旧サイズのラジアルタイヤの復刻、旧車用のアルミホイールの販売されるようになってきました。 選ぶ側としても、以前では想像がつかないほどに選択肢が増え、旧車界隈がいままでになく盛り上がっているように感じています。 ■老若男女関係なし!意外と幅が広い「旧車に対する適性」とは? ▲1990年代の車両も今やネオクラシックカーとして旧車の一ジャンルを構成している。「AMG 190E 3.2(W201)」 インターネットの普及(というより定着)が、旧車趣味のハードルを一気に引き下げてくれたのは紛れもない事実です。 「旧車」という言葉自体も定義づけがあいまいなこともあり、非常に幅広い年代の車両を指す言葉になってきています。 ひとつ例を挙げると、以前は旧車と呼ぶには時期尚早とも言われた1980~1990年代のモデルも、昨今は「ネオクラシック」と呼ばれ、立派な旧車のいちジャンルとして定着しつつあります。 よくよく考えてみると、現時点で20代前半の方々にとって、バブル時代の名残が感じられるこの年代の車両は、いわば生まれる前のクルマです。 新鮮このうえないことでしょう。 逆に、アラフォー世代の筆者からすれば、運転免許を取りたての頃にお世話になった、懐かしいクルマばかりです。 このように、旧車といえどもさまざまな種類やジャンルがあり、そのクルマ一台一台への感じ方や趣の持ち方は各個人で異なります。 「旧車」という言葉が、よくいえば「幅広く」、繰り返しになりますが「あいまい」でもあります。 専門知識を持ったうえで、ピンポイントで特定の車種やジャンルのみを取扱うプロショップが増えたように思います。 その結果、専門店が扱う特定のモデルの維持管理において、的確なアドバイスやサポートを受けることができるようになってきました。 これは初心者にとっては、とても心強いことと思います。 さらにインターネットで検索すれば、このような専門店を見つけだすことができるようになりました。 旧車が好きというだけで、どなたでも旧車ライフにのめりこめる環境が整いつつあるともいえます。 もはや旧車は一部のマニアのものではなくなりつつあります。 肩ひじ張らなくとも、乗ってみたい気持ちひとつあれば、誰でもオーナーになれる適性を持っているともいえるのです! ■実は旧車の維持に向いていない方、特有の「3つの特徴」とは? ▲クラシックミニは旧車入門としては最適な車種の一つである。女性オーナーも多い 乗ってみたい気持ちひとつあれば、誰でもオーナーになれる環境が整いつつある旧車界隈。 筆者の20年来の経験上、クルマの知識があるとかないとかにかかわらず、こんな方は旧車維持に向いていないかもしれません。 ここでは筆者の偏った主観で第3位までを発表させていただきます。 ●第3位:クルマに対して現代車の利便性を求める方 旧車とは基本的に不便である。 これは紛れもない事実です。 現代車では当たり前のように装備される機能であっても、旧車には備わらない機能が多々あります。 一例をあげれば、リモコンドアロック。 バブル期真っ盛りに製造されたネオクラシックカーは別として、70年代以前のクルマにはリモコンドアロックが装備されていることはまず考えられません。 それがフェラーリやポルシェなど高級車であってもです。 旧車には近年では死語となりつつある「フル装備(パワステ・エアコン・パワーウインドウ)」が備わらない車種も数多くあります。 なかにはクーラーなど後付けできる車種もありますが、それなりに費用がかかります。 どうしても快適装備が欲しい!という方は、先述の1980年代以降のネオクラシックカーを選択することをおすすめいたします。 ●第2位:他人の意見が極端に気になってしまう方 旧車ライフを満喫し、イベントやミーティングなど仲間で集うようになってくると、当然愛車の情報交換や意見を交わす機会が増えていきます。 さまざまな意見や考え方があると思いますが、なかには○○は××が王道だ!といった意見や、○○は絶対に××であるべきだ!・・・などなど。 具体的な内容はこの場では控えますが、熱意をもった威勢のいいオーナーのなかには、信念が強すぎる限定された意見や、場合によっては排他的な意見を持つ方もいらっしゃいます。 「いってくれるうちが華」という考え方もありますが、あくまでも論客として接しましょう。 このような他人の根拠のない意見を、真剣に協調性をもって聞いていると、自分で気に入って購入したクルマに対して、モヤモヤとした不思議な感情を抱いてしまうかもしれません。 周囲の価値観に影響されて「一生乗り続けます!」なんて言わずに、自分のペースで維持管理していけばよいと思います。 現に筆者の身の回りにも、インスタで一生もの!なんて熱意をもって活動しつつも1年でお乗り換え!なんて方がおりました。 旧車趣味は十人十色です。(注:当然メカニックの維持管理のアドバイスとは異なります) ●第1位:クルマに対してせっかちになってしまう方 旧車を所有するとあらゆる場面で、都度ちょっとした時間を消費します。 例えば、朝一のエンジン始動と暖機運転。 キャブレター車の場合、冬場の冷え込んだ朝には、儀式とまではいきませんが、エンジン始動には若干のコツが必要です。 さらに、エンジン始動後も、暖まって走り出せるようになるまでに少し時間が必要です。 ここでせっかちに暖機運転をせずに無理やり走りだしてしまうと、エンジン他、各部の寿命を縮めてしまう原因になるといっても過言ではありません。 インジェクションの車両であれば、すぐに走り出すことが可能ですが、長い目でみれば触媒にダメージをあたえる原因ともなるため、やはり暖機運転は必要だと思います。 他にも、このような例があります。比較的現代車に近い感覚で乗れるネオクラシックカーのパワーウィンドウスイッチを想像してみてください。 どんなに新しくとも新車で納車されてから20年~30年が経過しています。 プラスチック部品は経年による劣化が進んでおり、少しレスポンスが悪いからとせっかちになって乱暴に操作すれば、すぐに壊れてしまうことでしょう。 部品供給に比較的余裕がある車種であれば、交換すれば事なきを得ますが、いつまで新品の部品が購入できるかは、まったくもって不明です。 そして、すでに絶版部品となっている場合もあります。 これがオートエアコンのスイッチパネルだったりすると、たいへんな苦労をする場合があります。 スイッチ操作一つでも、ワンクッション置いた操作が旧い部品ひとつひとつの寿命を延ばします。 旧車は予期せぬ故障や不具合が発生することがありますが、普段のメンテナンスが重要であり、クルマに乗っていたい一心でメンテナンスをおろそかにしてはいけません。 普段乗りをするクルマであればなおさらです。 やはりメンテナンスでも現代車より時間を消費しますが、ちょっとした故障や不具合を後回しにすると、いつまでたっても完調にならないばかりか、致命的な故障の原因となり、大きな出費になる場合もあります。 「気持ちよく旧車に乗るためには、せっかちになってはいけない」。 クルマ、とくに旧車を自分に合わせるといろいろうまく行きません。 自分をクルマに合わせる努力が必要です。 あくまでもクルマが優先。 思いやりをもって旧車に接することが重要です。 ■まとめ:手間の部分を旧車特有の趣としてとらえ、楽しめるようになれば・・・ ▲軽自動車だって立派な旧車趣味だ。チューニングパーツは現代でも存在する。「スズキ カプチーノ」 ここまで文中で述べてきましたが、インターネットやSNSの普及により、旧車を維持するオーナーにとって必要な情報量が増え、もはや旧車は一部のマニアのものではなくなりました。 あなたが旧車に興味があり、所有したいという気持ちただ一つがあれば、旧車ライフを踏み出すことは決してむずかしいことではない時代になってきました。 旧車専門のプロショップの門をたたけば、維持管理において、的確なアドバイスやサポートを受けることができることでしょう。 確かに旧車は現代のクルマと異なり、所有維持するにあたってその都度手間がかかりますが、この手間の部分を旧車特有の趣としてとらえ、楽しめるようになれば、あなたは立派な旧車オーナーです。 クルマにまったく興味がない人から見れば「旧車=ポンコツ」に見えるかもしれませんが、時代は変わりつつあります。 「旧車=皆の憧れのクルマ」となるように、私たちで旧車ライフをさらに盛り上げていきませんか?皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。 [YouTube]BEARMAN's チャンネルhttps://www.youtube.com/channel/UCTSqWZgEnLSfT8Lvl923p1g [ライター・撮影/クマダトシロー]
先日、これまでの愛車遍歴はすべてMT車という40代のオーナーさんを取材する機会があった。 1台のクルマを長く、大切に乗る方なので、愛車遍歴はどちらかと少ない方(現在の愛車を含めて4台)だと思う。 自分自身、MT車の方が、さらに厳密にいうと「3ペダルMT車」が理想の愛車だと信じて疑わなかった。 その昔、フェラーリ社のトップだったルカ・モンテゼーモロ氏が何らかのインタビューだが、ワールドプレミアの壇上で「これからのフェラーリはF1マチックが主流になる」といった趣旨の発言をしてひどく憤慨した記憶がある。 フェラーリといえばあのシフトゲートを操作するのが至高なのに、何てことをしてくれるんだ!と。その後、フェラーリF355F1からはじまったF1マチックはあっという間に各モデルへと波及し、いつしか3ペダルMT車は絶滅してしまった。 3ペダルMTの絶滅だけが理由ではないが、気がつけば自分も「いつかフェラーリを自分のモノにしよう、したい」という情熱が消えつつある(訳あって、現行モデルで手に入れてみたい1台があるのだが、非現実的なのはいうまでもない)。 先日、自分の愛車(趣味車)で参加したイベントの取材を兼ねて、自宅から100キロほど離れた場所へ向かった。奇しくも当日は猛暑日であり、しかも全国でもトップ3に入るような最高気温を記録する場所へエアコンレス&3ペダルMT車で出掛ける羽目になってしまった。 エアコン(もちろんクーラーも)レスなので、扇風機を車内に据え付けて出掛けたのだが、熱風しか出てこない。途中で止めてしまった。暑いだけではない。古いクルマなので、オーバーヒートのことも気にしなければならない。幸い、高速道路は渋滞もなく、5速で淡々と巡航したので問題なく現地に到着。取材することができた。 問題は帰路だ。炎天下のなか取材を続けているうちにイベントは終了。現地でお開きとなった。Google mapで帰路のルートを調べてみると高速道路はすでに渋滞。夕暮れどきとはいえ、30度を優に超える気温のなかの渋滞に飛び込む勇気はない。というか正直いって嫌だ(笑)。諦めて下道で帰ることにした。途中、渋滞に巻き込まれたときは油温が100度近くまで上昇した。そんなこんだで、油温計をにらめっこしながら自宅に着く頃にはぐったりしてしまった。 そういえば、運転免許を取得した当時、アルバイト先で配達に使っていたハイゼットもエアコンレスだった。もっというとラジオすらついていなかった。パワステやパワーウインドウもない。そこで私は「ハイゼットLM(ル・マンの略)」と命名して、炎天下の配達を楽しんだものだ。当時はまだ10代。エアコンがあろうとなかろうと、3ペダルMT車を運転できることが何より嬉しく、そして楽しかった。ヒール・アンド・トゥーの真似事もこのクルマで覚えた。 そろそろアラフィフに差し掛かる私にとって、いつでもどこでも3ペダルMT車で出掛けるのは苦痛になってしまっていたのだ。いつの間にか「楽なクルマがいい」と考えている自分に気づいてしまった。 セイラさんに「軟弱者!」とひっぱたかれようが、ブライト・ノア館長に「それが甘ったれなんだ!(引用が古い)」とぶん殴られようが、フェラーリを買えるほどの財力があったとしたら迷わずF1マチックを選んでいると思う。でも、マツダロードスターなら迷わず3ペダルMTを選ぶけれど。 子どもが大きくなったら・・・とか、定年退職後の楽しみに・・・なんて思う方がいらっしゃるかもしれない。健康なのうちに、気力があるうちに、可能な限りの3ペダルMTを楽しんでいただきたいと思う。 [ライター・撮影/松村透]
第1回 ~アルミ弁当箱芸人とアルミ弁当箱協会とは?~ 皆様、はじめまして!「日本アルミ弁当箱協会」会長のマツド・デラックスこと山本圭亮でございます。 今回から「旧車王」のライターの一員として参加させていただくことになりました!よろしくお願いいたします! ・・・と、挨拶をさせていただきましたが、読者の皆様には「?」が浮かんでいるのではないでしょうか? なぜ「旧車」にアルミ弁当箱なの?と思われる方が多くいらっしゃるかと。 そこで、まずは「アルミ弁当箱芸人 & アルミ弁当箱協会」についてお話いたします。 ■それは偶然の連続からはじまった! 私とアルミ弁当箱の出会いは1つの特撮作品からでした。その名は「スーパーロボット レッドバロン」。この作品がなければ、私とアルミ弁当箱、もちろんアルミ弁当箱協会等の設立していなかったはずです。 これがすべてのはじまりでした。これだけをご覧になってもまだわからないと思います。中央に描かれている車種にご注目ください。 それは、特撮車両「アイアンホーク」号。 ベース車両は私が所有しているマイナーな名車‼(迷車ともいう)「オペル マンタSR」なんです。そうなんです。自分の愛車が描かれていたのです。 以前から「レッドバロン」にオペル マンタが登場しているのは知っていました。 まさか「自分のクルマがアルミ弁当箱に描かれているなんて!」と、感激してつい手に入れてしまったことがすべてのはじまりだったのです。 ここで、多くの方は「レッドバロン」関連のコレクションに走るはずです。 しかし、私は「アルミ弁当箱」をコレクションするという「暴挙」に出てしまいます。 ■コレクターからアルミ弁当箱芸人へ コレクションがどんどん増えて行くにつれて周囲に見せびらかしたくなるのはコレクターの「性」かもしれません。 私も例外ではなく、旧車ミーティングでアルミ弁当箱を展示したりしていきます。 すると、そこには意外な反応がありました。 「懐かしい!」「これ使ってました!」「初めて見ました!」といった声を老若男女問わずたくさんいただいたのです! そこで私は考えました。 アルミ弁当箱の楽しさやそれにまつわる昭和の歴史を語る「語り部」になろう!と。 「アルミ弁当箱芸人」マツド・デラックスが誕生した瞬間です。 しかし、どうやって「語り部」になればいいのだろうか・・・? その想いを語ると長文の記事となってしまいそうです。 次回はアルミ弁当箱協会設立を中心にお届けします。 ■斜めから見た旧車:マツダ ルーチェロータリークーペ(1969年) 旧車を軸にした媒体なので、最後に(無理やり?)クルマのことにも触れておきましょう(笑)。 「日本アルミ弁当箱協会」会長のマツド・デラックスが斜めから見た旧車。 今回は「ルーチェロータリークーペ」です。 1969年〜1972年まで976台が製造された水冷2ローター(655×2CC)です。 何故このクルマが今回の「斜め」なのか? それは、私の「オペルマンタSR」が一番間違えられるクルマだからなのです。 なんだそれは?と思われる方、その通りです。これが「斜め」なんですね。 私のマンタ同様「残存率」が極めて少ないクルマではないでしょうか? よく似ているこの2台。 「オペルマニア」には都市伝説があります。 マンタ乗りとしては、「ルーチェロータリークーペ」やっちゃったんじゃないの?なんて思っていました。 しかし、ルーチェがデビューしたのは1969年、そしてオペル マンタが1970年。 もちろん、モーターショーでの出品等もありますが、デザインはマツダの方が先のようです。 そして、当時のオペルには日本人デザイナーの「児玉英雄」氏も参加していたことは有名な話なのですが、他にマツダからもデザイナーがオペルに派遣されていたという話があります。 これがこの2台のフォルムに関係があるかないかは、アルミ弁当箱同様「想像と妄想の世界」なのかもしれません。 こんな感じで「ゆる~く」旧車を紹介していきますので、今後ともよろしくお願いいたします! [ライター・マツド・デラックス(山本圭亮)]
全長5mを超える大型のボディに5LオーバーのV8エンジン。大きさと力強さというアメリカの象徴ともいえるクルマがシボレー インパラです。初代発売から60年以上も市場に投入され続けているインパラの歴史を振り返ります。 力強いアメリカを象徴するインパラ アメリカが1番元気だったとも言われる1960年代の直前、シボレー インパラは登場しました。インパラは新時代の到来に期待が高まるなか、時代に呼応するようにシボレーが最上級グレード車として市場に投入したパーソナルカーす。 最上級グレードのスポーツモデルとして登場したインパラ 初代インパラの登場は1958年。当時シボレーの最上級グレードだった「ベルエア」のスポーツグレード、「ベルエア・インパラ・スポーツパッケージ」としてデビューしました。1958年はアメリカが初めて人工衛星の打ち上げに成功した年で、公民権運動など負の側面も含めてアメリカ全体にエネルギーが満ち溢れつつあった時代です。 初代インパラは2ドアクーペとコンバーチブルのみの設定でしたが、翌年の1959年のモデルチェンジで4ドアモデルも追加。ベルエアがややダウングレードされたことで、名実ともにシボレー最上級グレードとなりました。ちなみに、インパラという名前はアフリカのサバンナに生息するレイヨウというカモシカに似た動物の名前です。 アメリカらしい大型で個性的なデザイン インパラの特徴は、5mを超える全長に2m近い車幅の大柄なボディと個性的なデザイン。大柄なボディをドライブするエンジンもパワフルで、初代モデルから最大で5.7LのV8エンジンを搭載し、大きくて力強いアメリカを象徴するクルマの1つです。 大幅なモデルチェンジをおこなった7代目以降は、ややダウンサイジングされたものの、インパラの伝統は現在も受け継がれています。4ドアセダンの現行型は、エンジンこそ3.6LのV6エンジンとやや迫力不足ながら、ボディサイズは全長5m以上と存在感は抜群です。 6代目が節目となった歴代インパラ インパラは2度の販売中止期間があり、その前後でクルマとしての性格が大きく異なります。 とくに人気なのは、初代から6代目までのモデル。初代登場から60年以上が経過するインパラのモデル変遷を紐解くと、時代背景が浮かび上がってきます。 インパラらしさを追求した初代〜6代目 インパラがもっともインパラらしかったのは6代目までで、ボディサイズ、エンジンともに大型化の一途をたどりました。1965年に登場した4代目インパラには、7.0LのV型8気筒ターボジェットエンジンを採用。また、経済的に豊かになっていったアメリカの勢いを象徴するかのように、この頃のインパラは同世代でもほぼ毎年違う仕様のモデルが発売されていた点も特徴です。 しかし、1970年代に入ると安全性や環境性能に対する意識の高まりとともに、自動車市場は大きな変革期を迎えます。さらにオイルショックの影響もあったことから、安全で経済的なクルマに方向転換せざるを得なかったのです。 そんな中1977年に登場した6代目モデルでは、全長が短くコンパクトになり、エンジンサイズも初代同様の5.7Lという経済性を優先した仕様となりました。6代目の販売が終了する1985年に30年近く続いたインパラの歴史に一旦幕を下ろすことになります。 限定車扱いで復活した7代目 6代目インパラの販売終了から9年が経過した1994年、限定車という扱いながらインパラが7代目インパラSSとして復活します。 コンパクト化した6代目を引き継ぐ形で設計され、エンジンは、カマロやコルベット、ポンティアック・ファイアーバードに搭載されていたV型8気筒5.7LのLT1型エンジンを採用。LT1型エンジンはスポーツモデル用のエンジンですが、大型車のインパラをにあわせてトルク重視に仕様変更されていました。 7代目インパラは1996年までのわずか2年間だけ販売され、インパラの名前は再び姿を消すことになります。 大幅にコンセプトを変えた8代目〜10代目 インパラの名が次に復活したのは、4年後の2000年。8代目となるインパラは大きくコンセプトを変更して登場しました。初代から40年近く続いていた駆動方式を、FRからFFに変更。ラインナップは4ドアセダンのみとなり、クルマとしての立ち位置はスポーツモデルから高級ファミリーセダンになりました。そして、8代目インパラは、2004年に29万台を超える売り上げを記録し、シボレーはこの大幅なコンセプト変更を成功させます。高級車でありながらも、ただの嗜好品ではなく実用的だったことが時代背景とマッチしていました。 2014年に発売された10代目モデルもFFの4ドアセダンで、エンジンはV型6気筒3.6Lを搭載。7.0Lエンジンの頃から比べると約半分の排気量になってはいるものの、5mを超えるボディサイズは健在でアメリカ車らしいどっしりとしたスタイリングです。 まとめ オールドアメリカを体感できるインパラは、今でも人気の高いアメリカ車の1つです。とくに人気の高いのはやはり初代〜2代目。1958年の初代モデルで約3,000万円という価格がついているものもありました。一方で、3代目以降は1964年モデルで380万円など500万円を切るクルマも複数あるので現実的に入手可能な金額です。さらに7代目のインパラSSは100万円を切る価格のものあります。 ただし、現在インパラは日本で正式販売されていないこともあり、2000年以降のFF化されたモデルは日本の中古車市場ではほとんど見かけることがありません。※価格は2022年6月現在
1980年~90年頃にブームとなったパイクカーとは、市販車のコンポーネントをベースとして、おしゃれに可愛く、時にはレトロな雰囲気を持つ前衛的なデザインを採用したモデルのことです。 1980年代に日産は、マーチをベースに「Be-1」を開発。発売当初から話題となり、約40年経った現在でも根強いファンが多く、マニア向けの専門店まで存在します。 そんなパイクカーを今回は5車種紹介し、ベースとなった車両や車種ごとの特徴などを振り返っていきましょう。 日産 Be-1 日産 Be-1は、K10マーチをベースとして開発され、1987~1988年の1年弱という短い期間のみ販売されました。 全長約3.6m、全幅約1.6m、全高約1.4mのボディに排気量1,000cc、52馬力のMA10Sエンジンを搭載し、トランスミッションは3速ATと5速MTの2種類。サスペンションはフロントに独立懸架ストラット、リアに4リンクコイル式が採用されています。 Be-1の特徴は、なんと言ってもレトロで丸いシルエットのボディです。1980年代に主流だった四角いボディを敢えて丸いデザインにしたことで、その革新的なスタイルは国内だけでなく海外メーカーにも衝撃を与えました。 のちに登場するBMWミニやニュービートルといったレトロデザインの先駆けともいわれ、新しいリバイバルデザインの風潮を産むことで、時代の先駆者となったのです。 日産 パオ パオはBe-1に次ぐパイクカーシリーズ第2弾として、1989~1991年の3年間販売されていました。 全長約3.7m、全幅約1.6m、全高約1.5mのボディサイズに、Be-1と同じくベースはK10マーチ。エンジン、トランスミッション共にBe-1とまったく同じものを採用し、サスペンションも同じ方式です。ボディタイプは、2ドアセミノッチバックだったBe-1に対し、パオは3ドアハッチバックに変更し、サイズがやや大きくなっています。 そんなパオの開発で特に力を入れられたのが、車好きじゃなくてもふり返るおしゃれなデザイン。「バナナ・リパブリック」という装飾ブランドのコンセプトである、「旅行やサファリの冒険気分を味わえる服」を、そのままデザインに置き換えるというコンセプトで開発されました。 日産 フィガロ フィガロはBe-1、パオに続き、K10マーチをベースとして、1991年2月~1992年12月までの約2年間販売されていました。 全長約3.7m、全幅約1.6m、全高約1.4mというボディサイズは、先代とあまり変わらないものの、フィガロはドアクーペボディを採用。ベース車のマーチ、先代のBe-1、パオとはまったく違うシルエットとなります。 エンジンはK10マーチにも搭載されていた、排気量1,000㏄、76馬力のMA10ETを搭載。このエンジンは、小型水冷式ターボチャージャーを採用したエンジンで、高出力化や運転性能が向上しています。トランスミッションは3速ATのみであるものの、発売時には購入希望者が殺到し、抽選販売を実施するほどの人気ぶりでした。 日産 エスカルゴ エスカルゴはVN10パルサーバンをベースにして開発され、1989年1月~1990年12月の2年間販売されていました。 全長約3.5m、全幅役1.6m、全高約1.85mのボディに排気量1,500cc、73馬力のE15Sエンジンを搭載。トランスミッションは3速ATのみとなっています。サスペンションはフロントにストラット式、リアにトレーリングアーム式を採用し、一般的なリーフリジット式では不可能だった荷室の超低床化と、リアオーバーハングの短縮を実現させました。 車名の由来はフランス語でカタツムリを表す「エスカルゴ」と、貨物を表す「カーゴ」をスペイン語読みした「カルゴ」を合わせたもの。丸く背の高いシルエットや飛び出したヘッドライトなど、デザイン面でもカタツムリをイメージしていることがわかるものとなっています。 日産 ラシーン前期 タイプⅠ ラシーンはB13サニーの4WDをベースにし、クロスオーバーSUVとして開発され、1994年12月~2000年8月までの約6年間販売されていました。全長約4m、全幅約1.7m、全高約1.45mのボディに、排気量1,500cc、105馬力のGA15DEエンジンを搭載。トランスミッションは4速ATと5速MTの2種類となっています。 サスペンションはフロントに独立ストラット式、リアに独立パラレルストラット式を採用。駆動方式はフルタイム4WDの為、一見本格的なクロスカントリー車に見えますが、あくまでもそういった雰囲気を手軽に楽しむことが目的のため、悪路走破性能はあまり高くありません。 全高を抑え、角張ったデザインが海外でも高く評価され、中古車は現在(2022年6月)でも根強い人気を保っており、ラシーンを専門とする中古車販売店も存在するほどです。 まとめ 今回紹介した日産が生み出した5種類のパイクカーを、中古車として購入することは可能ですが、状態が良い個体はかなり価格が高騰しています。 また、年式としては古いため、状態が良い個体を買ったとしても急なトラブルがないとも言いきれません。今パイクカーに興味があり購入を考えているのなら、日々のメンテナンスや、急なトラブルの対応などを任せられる専門店での購入をおすすめします。 また、現在パイクカーを所有している方は、高額取引されている今売却するのか、今後も長く愛車と付き合っていくのか。価格高騰している今だからこそ、維持費を考慮しつつ真剣に向き合うタイミングかもしれません。
窃盗団が旧車を盗む前に行う「準備」を知って対策を施そう! ■ネットオークションへの出品が急増! コロナ禍で少し、盗難台数は減少傾向にあったものの、昨年夏頃から再び、80~90年代の国産スポーツカーを中心として旧車の盗難が増えています。 ▲実際に盗まれた80スープラのパーツ。盗難された2日後には早くもヤフオクに出品 旧車は盗まれるとその多くは、即座に解体ヤードに持ち込まれ、1-2日以内に解体されてしまいます。その後は、ヤフーオークションなどのネットオークションに出品されるか? もしくは海外に「自動車部品」として違法に輸出されてしまいます。 ▲盗まれた旧車は解体ヤードに持ち込まれ即座に解体される(写真はヤードのイメージです) 以前はほぼすべてが自動車部品として違法輸出されていましたが、最近ではネットオークションを利用して国内で完結させるパターンが増えています。 その理由は簡単に言うと、「国内ネットオークションの方が素早く、ラクに換金できるから」ということなのです。 海外における日本の旧車パーツは日本より高額な値段で取引されていますが、輸出は手間と時間が掛かり、コンテナに積んで船が出るまでに発覚するリスクもゼロとは言えません。 また、たびたび日本からの不正輸出が発覚しているアメリカでは近年、日本車の輸入に対して完成車も部品もチェックが強化されている現状があります。 しかし、ネットオークションやフリマサイトでは匿名で気軽に出品ができ、またヤフオクもメルカリも、なぜか出品者を保護する傾向にあります。 住所や名前が虚偽のものでも出品や取引が可能で、さらに盗難品だと証明されるまで時間も掛かります。 運よく、警察が介入できたとしても出品者と直接連絡が取れたり、盗んだ犯人が特定されたりすることは困難で、稀に特定できたとしてもオーナーのもとにパーツが全部戻ってくる可能性は非常に低いのです。 なお、もともと日本車の中古部品を大量に輸出している会社であれば、その中に盗んだ旧車のパーツを紛れ込ませてもまずバレることはほとんどありません。 部品輸出ルートが整っている状況であれば、海外に持ち出されることも相変わらずでしょう。 盗難された旧車が行きつくところは海外なのか?日本国内の別のオーナーなのか? 確実に言えることはアシが付きにくいネットオークションで捌かれるケースが増えているということです。 ▲日本で盗まれた旧車が解体されてアメリカの専門店で販売されていたことが発覚(2020年6月) ■旧車はなぜ盗まれやすい? ではなぜ、旧車は盗まれやすいのでしょうか? ・日本の旧車は海外でも国内でも人気が高いので、高額で売ることができる・多くは盗難に対応できる車両保険に入っておらず、またセキュリティ対策も甘い・保管場所が屋外の駐車場であることが多いので盗む側にとっては好都合・解体ヤードに持ち込みさえすれば、最近の電子部品が多いクルマに比べるとごく短時間で解体できる このように、国産旧車は盗みやすく解体しやすく高く売れる…窃盗団にとって都合がよいことだらけなのです。 しかし、旧車はもう2度と生産されることがない文化遺産ともいえる存在。 何とかして盗まれることがないよう守ってあげなくてはなりません。 筆者は過去2年間で約100台以上の旧車盗について取材をしてきました。 盗難被害に遭った人々の話から、大切な旧車を盗まれないためにオーナーが知っておきたいことを以下にまとめます。 ●1.旧車は狙いを定めて盗まれる。必ず下見をしている 旧車を専門に盗んでいる窃盗団は海外で高く売れる、または国内でも高価格で流通できる80-90年代の日本製スポーツカーに狙いを定めて盗みに来ます。 では、そこに旧車がある、ということをどうやって知るのでしょうか? さまざまな手段がありますが、その一つに旧車イベントに参加して狙いを定めた旧車オーナーと親しくなって自宅の場所を聞き出して盗みに行く…という方法があります。 親しげに話しかけてくる外国人(特にパキスタン、スリランカ国籍には注意)には気を付けてください。 また、狙いを定めたクルマの近辺に似たような旧車がないか? 一緒に盗めるなら効率が良い…と周辺の様子をGoogleストリートビューを見ながら駐車場に停まっていないか?探し出してマークします。 旧車は一度購入したら長い間乗るオーナーが多いため、ストリートビューの写真が2〜3年前のものであっても、比較的今もそのまま乗り続けているというパターンが多いのです。 せめてカバーをかけるなどして車種の特定を防ぎましょう。 ●2.狙った旧車のある場所が特定できたなら、今度は下見。下見でやることは以下 ・周辺の防犯カメラの状況・逃走ルートの確保(Nシステムなどがない道を選ぶ)・対象となる旧車のセキュリティ状況をチェック(ハンドルやバッテリーを外していないか?どのようなアラームがついているか?ハンドルロックやタイヤロックの有無など)・オーナーが住む場所を探す(オーナーのアパートの部屋まで特定します)・オーナーはどれくらいの頻度で旧車に乗っているか?をチェック・オーナーの生活時間(朝何時におきて何時に出勤し、帰宅時間や就寝時間などもチェック)・周辺に他に盗めそうな旧車はないか? ・・・などなど。 まだまだありますが、盗みを決行する2-3週間前に入念に下見をして、想像をはるかに上回る細かな事前確認を行っています。 ●3.「高価買取」のチラシや名刺には要注意 「高価買取の名刺やチラシ」がワイパーに挟まれたら盗難に注意! ▲筆者宅の旧車にもこのようなチラシが挟まれていた。稀にまともな業者もいるようだが… 昔からよく、「高価買取の名刺やチラシ」がワイパーに挟まれたら盗難に注意すべし!と言われてきました。 これは現在でも同様です。 ワイパーに名刺やチラシを挟んでいき、オーナーがどれくらいの頻度でクルマに乗っているのか?などもチェックします。 また、ユピテルのパンテーラやゴルゴなどの高級カーセキュリティはクルマに乗らない期間が2週間以上続くと、電源が切れる仕組みになっていることが多く、買取チラシや名刺を挟んで2〜3週間動いていないことを確認し、さらにセキュリティが切れていることを確認してから盗むという手口もあります。 この記事では旧車盗難の現状をお伝えしました。 次回は旧車を窃盗犯から確実に守るための、より具体的な方法をご紹介します。 [撮影・加藤ヒロト/ライター・自動車生活ジャーナリスト加藤久美子]