ライフスタイル

旧車を遺すため「オーナーが心掛けたい6つのこと」とは?
ライフスタイル 2023.01.27

旧車を遺すため「オーナーが心掛けたい6つのこと」とは?

私は、25年前からZ32専門店を営んでいますが、Z32型フェアレディZが現行車から旧車になっていく様を見てきました。 いつしか、名車であるZ32を一台でも多く遺したいと思うようになり、今はそれを使命として尽力しています。 なぜなら、年々減ってきている光景を目の当たりにし、今となっては「絶滅危惧車種」になってしまったからです。 この先、一台でも多く遺すために何をすべきか?考えている時間はなく、今から行動する必要があります。 遺すのはオーナー様であって私達ではありません。私達は、あくまでもサポート役です。 日頃から、オーナー様にお願いしていることをまとめてみました。 ■1.いつまでもファンがいること そのクルマを愛するファンがいなければ、絶対遺りません。 時代が変わっても不変の愛が必要です。 そのクルマの魅力を次の時代にも受け継ぎ、ファンを絶やさないようにしなければなりません。 ■2.オーナーが「旧車に乗っている自覚を持つ」こと オーナーがいなければ、絶対遺りません。 乗り続ける強い意志が必要です。 オーナーが旧車に乗っているという自覚を持ち、大事に守っていかなければなりません。 ■3.点検やメンテナンスを怠らないこと 日々の点検やメンテナンスをしなければ、絶対遺りません。 前向きな予防整備が必要です。 ドレスアップや見た目を良くするよりも、中身を重視した整備を行わなければなりません。 ■4.純正部品を使った整備をすること 純正部品がなければ、絶対遺りません。 部品があるうちにストックすることも必要です。 純正部品をオーダーし続け、メーカー製廃を阻止しなければなりません。 ■5.中途半端な状態で手放さないこと 中途半端な状態のクルマは、絶対遺りません。 オーナーである以上は、コンディションを保つことが必要です。 万が一、売却しなければならなくなったとき、次オーナーに自信を持って受け渡さなければなりません。 ■6.専門店を頼ること 旧車は専門店を頼らなければ、絶対遺りません。 メンテナンスは専門店を頼ることが必要です。 専門店が存続するために利用し続け、一緒に遺す努力をしなければなりません。 ・ホームページhttp://www.Z32-Zone.com/ ・Facebookhttps://www.facebook.com/pages/Fairlady-Z32-Proshop-Zone/286263454768481 ・Instagramhttps://www.instagram.com/Z32_Zone.omura/ ・YouTubehttps://www.youtube.com/user/ZoneZ32 [ライター・撮影/小村英樹(Zone代表)]  

DIY旧車オーナー必読!「複雑なエンジンオイルの選択肢」とは
ライフスタイル 2023.01.25

DIY旧車オーナー必読!「複雑なエンジンオイルの選択肢」とは

▲エンジンオイルはクルマの血液ともいえる、重要な消耗品である。 ■初めての旧車メンテDIYにふさわしいエンジンオイル交換 少しでも愛車のメンテナンスを自身の手で行いたいと思う旧車オーナーに、初めてのDIYとして挑戦していただきたいメンテナンスがあるとすれば、それはエンジンオイル交換だ。 エンジンオイル交換といえば、旧車のみならずもっとも身近なカーメンテナンスといってよいことであろう。 エンジンオイルは人間でいうところの血液によく例えられる。 クルマの心臓部分であるエンジンの寿命は、この血液たるエンジンオイルの状態によって大きく左右されるのは周知の事実だ。 現代のクルマほど加工精度がよくない旧車のエンジンではなおさらのことである。 熟練のメカニックやベテランの旧車オーナーがクルマ選びをする際に、ボンネットを開くことがあれば、まずはエンジンオイルのフィラーキャップ(注入口の蓋)を外すことであろう。 フィラーキャップ裏に付着したブローバイ汚れの状態や、フィラーからのぞけるエンジン内部のスラッジの具合、エンジンオイルからガソリン臭が漂っていないか? また、オイルレベルゲージを抜けば、オイルレベルのみならず、レベルゲージについたエンジンオイル焼けを見るなどして、前オーナーのオイル管理の状態を推察する。 エンジンオイルという傷みやすい消耗品を見れば、たったこれだけの情報からでも、前オーナーのクルマというメカとの向き合い方がわかるのだ。 メンテナンス費用を節約するためにDIYを志すオーナーも多いかと思われるが、ここではクルマというメカと向き合うためにDIYを行う次第である。 初めてメカと向き合うDIY、それにふさわしいのがエンジンオイル交換ではなかろうか。 今回から数回にわたって、このエンジンオイル交換に関する内容をお伝えしようと思う。 まず第一回目の今回はエンジンオイル選びについて、旧車ならではの注意点についてお話しをしていきたい。 なお、本題に入る前にあらかじめお断りしておくと、今回の記事は旧車のエンジンオイルについて若干詳しく掘り下げる内容ではあるが、すでに豊富な知識を持つベテランオーナーや評論家のための記事ではない。 初心者の方へ幅広い内容を、できるだけ分かりやすくお伝えするための記事であることをご承知おきいただければ幸いだ。 ■一筋縄ではいかない、旧車オイルの多種多様な選択肢 現代のクルマであれば、エンジンオイルは近所のホームセンターやカー用品店で簡単に入手することができる。 しかし、問題は旧車用のエンジンオイルだ。ホームセンターでは旧車用エンジンオイルの取り扱いなど、まず皆無である。 ただ、旧車といっても、ヒストリックカーと呼ばれる戦後~1970年代前半くらいまでのバルブカバーやオイルパンなどのガスケットにコルクや紙(本当にただの紙)が使用されているクルマ、1970年代末くらいまでのキャブレター式かつ触媒レスのクルマ、1980年以降のネオクラシックと呼ばれ、現代車に近い構造かつ大馬力・大トルクを誇るクルマ・・・。 さらには国産・欧州車・アメリカ車など、多種多様にカテゴライズできる。 これらに使うエンジンオイルを、単にひとくくりに「旧車用エンジンオイル」と呼んでしまっては少し乱暴ではなかろうか。 クルマの新旧に関係なく、オイル選びは車両の取扱説明書やサービスマニュアルの「指定の粘度」から検討することが基本である。 この「指定の粘度」を今日流通しているエンジンオイルのラインナップから選択するしかないのだが、注意点は、ただ「旧車用」と記されているからといって、それが正しい選択とはいい切れないかもしれない点になる。 ▲旧車用エンジンオイルといっても、初心者にはどれを選んでよいか分からないものである。 気に入っているオイルがラインアップ落ちすると、とても悲しいものだ。 ■旧車用エンジンオイルを「指定の粘度」と実際の硬さ「動粘度」で選ぶ 特に筆者が難しく感じるのは、旧車用として販売されている複数の「同じ粘度」のエンジンオイルを実際に比較検討すると、各オイルで異なる「動粘度」である場合が多いのだ。  例を述べれば~1970年代前半までのキャブレター式かつ触媒レスのクルマに多い、指定粘度「20W-50」やシングルグレードと呼ばれる「#30」や「#40」だ。 選択するエンジンオイルのブランドによって性格が異なるため、これらが指定されているクルマのエンジンオイル選びは少しシビアだ。 以下の表をご覧になっていただきたい。 上記は「20W-50」の同じ粘度で今日入手できるエンジンオイルのデータシートから代表性状をまとめたものだ。 他にも筆者が個人的に気になる「旧車用」エンジンオイルが複数あったが、残念ながらデータシートが公開されていなかった。 そこで今回は、比較的入手しやすく、かつデータシートが公開されているもので比較した。 いかがだろうか。 同じ粘度でも実際の「動粘度」がまったく異なることがわかる。 走り出し直後を想定したであろう油温40℃での動粘度の違いをみると、実際のフィーリングもだいぶ異なることが予想できる。 さらに述べると、これはあくまでも新油での話。 交換後のメカニカルノイズの大きさや、数千キロ走行後のフィーリングなどは実際に意識して使い込んでみないと何ともいえないものだ。 これがエンジンオイル選びの醍醐味であり悩みどころだ。 旧車ではこの辺りの違いをはっきりと体感できることが多い。 ではあえて、今日近所のホームセンターで入手できる一般的なエンジンオイルを旧車に入れるとどうなるであろうか。 実際にやってみるとわかるが、結果は何も起きない。 いや、今すぐは何も起きないというべきであろう(極端な場合はオイルが燃焼し、マフラーから白煙が出る場合もある)。 実物に触れてみるとわかるが、現代の一般的なエンジンオイルは旧車用のそれと比べるとシャバシャバとしており、反対に旧車用はドロドロとしているはずだ。 旧車はエンジン内部のピストンとシリンダーのクリアランス(すき間)が大きく、旧車用のエンジンオイルの粘度が高めなのも、このクリアランスを埋めるための密封性能が必要だからである。 また粘度の高いオイルは、ピストンとシリンダーのみならず、各部のすき間やクリアランスに充填することで部品の摩耗を防いでいるともいえる。 旧車に低粘度のエンジンオイルを使用すると、わかりやすい故障の原因にはならない。 しかし、継続して使用するとオイル消費が著しかったり、エンジンの寿命が短くなるというのが正しい答えではなかろうか。 なお、旧車にはこの密封性能が必要だが、反対にハイブリッドやアイドリングストップ車などの現代車では、むしろこれがあだとなる。 いわゆる昨今のエコカーのなかには、省燃費性能の向上のために各部の摩擦抵抗を減らすことを目的に「0W-16」など極端な低粘度のエンジンオイルを指定したクルマもある。 こういったクルマに旧車用のエンジンオイルなど入れようものなら、確実に抵抗となるので、その負担からギクシャクとした動きになることが予想される(さすがにやってみたことはないのであくまでも予想)。 なお、1980年代後半以降のいわゆるネオクラシックカーと呼ばれるクルマはそこまでシビアにならなくても良いと思われる。 さすがに現行エコカー用の「0W-16」や「0W-20」は不適だろうが、現行車よりかは少し硬めの「10W-30」や「10W-40」を選択すれば問題はないであろう。 これも先述の動粘度の話があるので、よく検討したいところではあるが、迷うようであれば取扱説明書およびサービスマニュアルの指定のオイル粘度のうち、高温側を一段階(10単位)例:5W-30 ⇒ 5W-40などで調整すればよい。 これならシリンダー内の気密保持と保護性能を両立できるはずだ。 いずれにせよ、目的に合わないエンジンオイルを安易に使用することがNGなのである。 ▲ペンシルバニア産のエンジンオイルが最良であった時代は、筆者が生まれたころの話ではなかろうか。余談だが表1の「粘度指数」とは粘度の温度変化が極めて小さいペンシルバニア系潤滑油を100とし、極めて大きいガルフ・コースト系のものを0として定められた規格で、値が大きい油ほど粘度変化が小さいとのこと(画像はイメージです) ■永遠の課題:旧車には「鉱物油」か「化学合成油」か ここで、都市伝説の如くよくいわれる、旧車に化学合成油はNGという説に持論を述べたい。 一般論として旧車には「化学合成油」は不向きだ。あながちこれは間違いではない。 先述の通り、ヒストリックカーと呼ばれる~1970年代くらいまでのクルマは、エンジンのバルブカバーやオイルパンにコルクや紙のガスケットが使用されていたり、シールやパッキンの耐久性が悪く、加工精度もまだまだ(というよりも削ったまま)のものが多い。 このようなエンジンに粒子の細かい化学合成油を入れると、各部からオイルにじみが発生する。 また、化学合成油には種類があり、そのうちの一種PAO(ポリアルファオレフィン)はシールやパッキンを収縮させる性質を持ち、やはりこれもオイル漏れの原因となる。(余談だが、やはり化学合成油の一種であるエステルは逆にシールやパッキンを膨張させるため、一部オイル漏れ防止の添加剤にも使用される) このような経緯から、化学合成油が旧車に不向きだといわれる。 しかし、これはオイル漏れの観点のみで考えた場合の話だ。 鉱物油にはデメリットとして、エンジン内でスラッジとなりオイルラインの詰まりの原因になりやすい点や、酸化安定性が悪く、使用開始後に早い段階で性能が劣化してしまう点がある。 オイルの性能面を全体で見れば、化学合成油を使用するメリットは大いにある。 以下の表をご覧になっていただきたい。 化学合成油というとPAOやエステルに代表される、人工的に作り出されたハイエンドなオイル、すなわち「グループⅣ」や「グループV」が想像される。 今日「全合成油」という名で市場に広く一般的に出回っているのは「グループIII」オイルだ。 かんたんにいえば、鉱物油に含まれる不純物を水素と反応させて除去「水素化分解(ハイドロクラッキング)」して精製されたオイルだ。 ベースオイルは鉱物油であるが、化学合成油に近い性能を持つ。 問題は、このグループIIIオイルが旧車に使えるか否かだ。 個人的には動粘度などの仕様に注意を払えば、十分に使用できると考えている。 筆者はコストパフォーマンスから、エステルブレンドのグループIIIオイルを長年愛用しているが、まったく問題はない。 前述のデータシートをよく見て判断したい。 なお、1990年代以降のいわゆるネオクラシックカーであれば、オイル漏れ関係がしっかりと整備されていることを前提にPAO(グループⅣ)オイルは何ら問題なく使用できる。 鉱物油にこだわりたい場合は、グループII(高度精製鉱物油)をチェックするとよい。 「20W-50」やシングルグレードの「#30」「#40」のエンジンオイルにおいて、パッケージには鉱物油の表示のみであっても、ケンドルやRIZOILなどメーカーのホームページやデータシートを注意深く確認するとグループIIの記載があることが確認できる。 先述の【表1】をご覧になっていただくとわかるが、グループIIオイルは鉱物油ながら非常に高い粘度指数を持つオイルが多く、格上のグレードに迫る性能のエンジンオイルもあることが分かる。 なお、筆者はキャブレター車にはケンドルのエンジンオイルを愛用している。 余談であるが2023年1月現在、グループⅣやグループⅤなどの「100%化学合成油」は3,000円/Lを割ることはないだろうが、グループIIIの「全合成油」であれば1,000円/ℓ前後で手に入る。 近所のホームセンターやガソリンスタンドで購入できる少しグレードの高いオイルは、ほぼこのグループIIIのエンジンオイルであるといっても過言ではないことであろう。 問題はその表示方法だ。市販のオイル缶には、APIのグループ分類で表示されているものがほとんど見当たらない。 クルマ好きのオーナーであっても「全合成油 = 100%化学合成油」という認識をしてしまいそうな表示である。 繰り返すが「全合成油」として販売されるグループIIIのベースオイルは、あくまでも水素化分解処理済みの「鉱物油」である。 紛らわしいことこのうえない。 なお、この問題は北米で訴訟となっている。水素化分解処理された鉱物油(グループIII)をカストロール社が化学合成油として販売したため、モービル社より不当表示として訴えられたのだ。 結果はモービル社が敗訴しカストロール社の主張が認められた。 これ以後、モービル社も自社製品にグループIIIオイルを使用するようになったという経緯がある。 ▲化学合成油によるオイル漏れを心配するよりも、根本的にエンジンをオーバーホールした方が良い場合は多々存在する。オイル漏れを化学合成油だけのせいにしてはいけない ■触媒装着車への旧車用エンジンオイルや、亜鉛とリンを含んだ添加剤の使用について 触媒が装着されているクルマに旧車用エンジンオイルを使用する場合は注意をしたい。 もともとエンジンオイルには、亜鉛とリンをベースとした添加剤が摩耗防止剤として必ず含まれているが、旧車用エンジンオイルのなかには、この添加剤が配合されていることをセールスポイントにしているものが存在する。 注意すべき点は、この亜鉛とリンを含んだエンジンオイルが、オイル上がりやオイル下がりなど何らかの原因で燃焼して排気ガスとなって触媒に流れてしまうと、触媒の機能低下を促進してしまうことが報告されている。 これは、亜鉛とリンを使用した旧車用のエンジンオイル添加剤も同様だ。 触媒は車検に必ず必要かつ入手困難な場合が多いため、丁重に扱いたい。 現代車のエンジンオイルでもこの亜鉛とリンをベースとした添加剤は使用されているが、規格として極限まで少ない配合となっている。 昨今では、液体チタンや有機モリブデンなどを代替としているメーカーもあれば、変わらずふんだんに亜鉛とリンをベースとした添加剤入りをアピールしているメーカーもある。 触媒装着車に旧車用エンジンオイルを使用する場合は、事前に販売元に確認が必要であろう。 気になる方は「ZDDP(またはZnDTP)」というワードで検索してほしい。 ▲かつてケンドル社のエンジンオイルは亜鉛添加剤入りがセールスポイントだったが、触媒への影響から亜鉛から液体チタン配合に切り替わり、APIの新規格SP取得と同時に液体チタン配合も終了・・・。SN規格のままのバルボリン社は変わらず亜鉛&リン添加剤(ZDDP)入りとのことだが・・・ ■旧車のオイル選びは奥が深い できる限りかんたんに旧車のエンジンオイル選びの注意点についてまとめたつもりではあるが、それでもさまざまな検討ポイントがあることがおわかりいただけたであろうか。 DIYを志す方であれば、エンジンオイル選びにもこだわりを持たれることであろう。 ときにはメカニックや専門家にアドバイスをもらうことも必要であるが、自身の感性をMAXにして愛車と向き合うこともとても重要だ。 旧車に使用するエンジンオイルは、最新のものが最良ともいえず、現時点で最良のものを見つけ出したとしても、それがいつまでも販売されているとは限らない。 場合によっては常に最良のエンジンオイルを探し、何種類もの銘柄のオイルをソムリエの如く交換するオーナーもいることであろう。 いずれにせよ、正しい知識をもって愛車のエンジンオイル選びをしたい。 次回も旧車のエンジンオイル交換について続編を執筆させていただくので、興味があれば、次回を期待して待っていてほしい。 ※私クマダはYouTubeでポンコツ再生動画を公開しております。ぜひ動画もご覧になってください。チャンネル登録お待ちしております。 ●YouTube:BEARMAN’s チャンネル(ベアマンチャンネル)https://www.youtube.com/channel/UCTSqWZgEnLSfT8Lvl923p1g/ ●Twitter:https://twitter.com/BEARMANs_Ch [画像・AdobeStock、ライター・撮影/クマダトシロー]

旧車オーナー向きな人 or 向かない人なんて、あるのかな?
ライフスタイル 2023.01.18

旧車オーナー向きな人 or 向かない人なんて、あるのかな?

■ひとくちに「旧車」といっても・・・ 毎回のように述べていることだが、そもそも「旧車」という単語が表すものが、何年以前に生産されたクルマの総称とするか? によっても判断基準は大きく変わってくる。 例えば税制上の冷遇措置が始まる年代以前とするなら、初年度登録から13年を経過すると旧車となり、20世紀までに生産されたクルマと規定すれば、2000年までに生産されたクルマが旧車ということになる。 でもね、そうなると、初期のハイブリッド車や電気自動車も旧車というカテゴリーに入ってしまう。 ▲税制上、初期のプリウスはすでに旧車だし、20世紀に生まれたクルマではあるけれど… もちろん、もっと時代が先に進めばそれもアリだろうけど、今ここでいう「旧車」とは違う存在と感じてしまうのだ。 そこでここでは、生産後30年以上経過したクルマを「旧車」と考えることにする。 つまり、バブル時代真っ盛りで多くのニューモデルが誕生した1992年までに生産されたクルマだ。 ■80年代半ば以降の国産車は、旧車といっても装備は充分 でもね、国産車の場合、80年代の半ばを過ぎると、ほぼ全車がフル装備。 エアコン、パワステ、パワーウインドウといった快適装備付だから、ABSやエアバッグなどの俗にいう安全装備を除けば、今のクルマとの機能差はないに等しい。 旧車でも、80年代半ば〜92年モデルを選ぶ主な基準は、スタイルが気に入っているとか、安全装備は重量増に直結するから避けたい、昔乗っていたモデルにもう一度乗りたい、といったところではないだろうか。 ボクのデカレディ(S130型フェアレディZ 2by2)の選択基準は「昔乗っていたモデルにもう一度」という基準に該当する。 さらに、昔はカッコ悪いと思っていた2by2のスタイルも、今では利便性とのバランスに優れると感じて気に入っているし、エアバッグやABSにさほど重要性を感じていないのも事実だ。 このように、理由をこじつけることができるなら、間違いなくこの新しめの旧車オーナーの資質を備えているといえる。 要するに、自分の選択の正当性を主張することができれば大丈夫というわけだ。 ▲ボクは95年頃、真っ黒のGHS130(280Z 2by2)型フェアレディを仕事のアシに使っていただけに懐かしい!! すでに40年級の旧車だけど、エアコン、パワステ、パワーウインドウという快適装備もバッチリなので実用性も高い ■公害対策に翻弄されていた時代の国産車はチィと不安・・・ 1973年にはじまる排気ガス規制。 日本の規制は厳しいといわれていたカリフォルニアよりもハードで、各メーカーが対策に四苦八苦することになったわけ。 それでもなんとか規制値はクリアしたものの、クルマの大きな魅力である「運動性能」は、規制前のレベル以下となり、多くのファンが涙した時代がはじまったのだ。 この1973年に始まる暗黒時代は78年施行の53年規制まで続いた。 でも各メーカーの懸命な努力により、三元触媒コンバーターの実用化に成功。 走行性能を取り戻しながら、規制値達成の実現が可能となり解決し、再びハイパワー競争の時代に入っていくわけだ。 この時代のクルマは、暗黒の時代であった歴史なんか気にせず、純粋に「かっこよさ」を感じて選択する、比較的若い世代の人に人気が高いようだ。 ボクがつい最近まで愛用していたHB310型サニーやアニメ「頭文字D」以来人気となっているFC3S型RX-7、AE86型レビン&トレノなどが世代を代表するモデルといえる。 また、TA40系カリーナや、TT&RT100系コロナ、910型ブルーバードなど、フツーの四角いセダンモデルも注目度上昇中だ。 ▲排気ガス対策黎明期のクルマだからパワーはなかったけど、社外品パーツが豊富なので、チューニングも自在。自分仕様のスペシャルに仕上げる楽しみを満喫できる。 完全オリジナルにこだわる人にとって73~77年までのモデルは、一部の車種を除き、走行性能の点では我慢が必要だ。 また、排気ガス対策過渡期のモデルだけに使用パーツの変化も多く、オリジナルを維持することが難しい。 逆に、気に入ったスタイルを活かし、純正パーツにこだわることなく楽しむならこの年代の旧車は狙い目。 あえて不人気車を探し出し、大胆なセットアップで「オレ流」のスペシャルを作り出す・・・といった夢を抱ける人ならジャストフィット間違いなしだ。 ▲当時排気ガス規制が緩かった商用車用エンジンも狙い目だ。ボクは910型ブルーバードバンのZ16型エンジンに、ウエーバー40Φツインキャブを装着。独特の吸気音は絶品でしたよ。 ■旧車の王道、1973年以前のクルマと暮らすなら・・・ この年代の旧車には、基本的に現代車両の常識となっている快適装備が付いていないことがポイント。 ノンパワーのステアリングは重いし、窓の上げ下げも手回しなのだ。 こうした不便さを容認できない人は、充分に楽しめない可能性が高いので、相性が悪いといえるだろう。 逆に、その不便さが楽しいと感じる人や、オモシロイと笑える人にはジャストフィット間違いなしなのだ。 サスペンションの多数派はリアリジッドだし、ブレーキだって、フロントがディスクブレーキになっていれば良い方という時代。 もちろんパワーアシストなんてないから、ブレーキの感覚だって今のクルマに慣れた人には異様に重く、また、実際以上に効きが悪く思え閉口するに違いない。 でもね、この年代の旧車と波長が合う人にとって、そんなことは問題にならないわけ。 たしかに、最近のクルマと比べればブレーキは効かないけど、それなら少し早めからジワーッと踏んだら良い。 究極(?)のリジッド式サスともいえるリーフリジッド式サスの跳ね具合や暴れ具合も、「スパルタン」という、魔法のような表現で美点に変えてしまえば良いのだ。 ▲リーフリジッド式リアサスペンションだから、ノーマル仕様でも結構跳ねるし、暴れてくれるがそこがまた魅力。ボクはあえて細いタイヤを選び、このジャジャ馬娘との生活を楽しんでいる ボクも「不便さを楽しんでいる」のだが、いくら楽しくても、梅雨時のジメジメや真夏の暑さにエアコンなしは正直なところチィと辛い。 その解決策としてオススメなのが、最近注目を浴びている「電動式エアコン」だ。 一種の反則ワザともいえるが、エンジンパワーと無関係の単純な電動式なので、エンジンへの負担がないことは大きな魅力。 走行性能への影響は、基本的にエアコンキットの重量増部分だけというスグレモノだ。 もうひとつ、最近装着車両が増加中の電動パワステも注目。 どちらも、自分のモノとしては未体験なので正確な評価はできないけど、もし、うたい文句に近い性能や感触であるなら、この年代の旧車との相性がイマイチだったファンにも朗報だ。 ふたつの強力な快適装備が備われば、相性論も大きく変わってくるに違いない。 まぁ、イロイロとこじつけてはみたものの、要は、合うも合わないもその人の考え方次第ということ。 旧車を一種の文化遺産と考えるなら、可能な限りオリジナルを維持したいけど、旧いけど大好きなクルマで現代を楽しむと割り切れば、最新テクノロジーとの融合だってアリ。 大いに旧車ライフを楽しんでいただきたいのだ。 [画像/トヨタ 撮影&ライター/島田和也]

日本アルミ弁当箱協会会長の「ちょっと斜めから見た旧車たち」Vol.7
ライフスタイル 2023.01.13

日本アルミ弁当箱協会会長の「ちょっと斜めから見た旧車たち」Vol.7

■第7回 ~アルミ弁当箱と旧車の意外な関係~ どうも!「日本アルミ弁当箱協会」会長のマツド・デラックスでございます。 「旧車王」連載7回目となりました今回も「アルミ弁当箱と旧車の意外な関係」を語っていきたいと思います! ■アルミ弁当箱に描かれない車両たち その3 アルミ弁当箱には特撮やアニメ、漫画などたくさんのヒーローが描かれます。 そして、そのヒーローを助ける人間達の武器や戦闘用のメカ等も描かれるわけです。 そのなかでも比較的多いのは、空を飛ぶ戦闘機。 その点、活躍が地味(?)な車両は描かれていることが少ないようです。 今回もあえてそんな車両たちに注目して行きたいと思います。 今回は記念すべき「7回目」なので「マツダRX-7」をお送りいたします。 ■「特撮車両」最多?といわれたスポーツカー ウルトラシリーズのアルミ弁当箱で前回ご紹介した「マツダコスモスポーツ」は「生まれながらの特撮車両」と称したのですが、私にとって「マツダRX-7」は「特撮車両最多の車両!」と思っています。 先ず思い出したのが「ウルトラマン80」に登場した「スカウターS7」。 UGMのマークが印象的なクルマでしたね。 しかし、アルミ弁当箱に登場はありませんでした。 そして、このクルマはスタイリングの良さからほぼ「ノーマル」状態の特撮車両も登場します。 「宇宙刑事シャイダー」では「アニー」がイエローの「RX-7」で活躍します(残念ながらアルミ弁当箱はありません)。 また「バトルフィーバーJ」では「フィアットX1-9」の他にグリーンの「RX-7」が登場しますが、こちらもアルミ弁当箱には描かれませんでした。 やはり、アルミ弁当箱に描くのなら「フィアットX1-9」という、いかにも「特撮車両」の方をチョイスしたのかもしれません。 それとは真逆の「RX-7」のド派手な改造特撮車両も登場しました。 「超電子バイオマン」の「バイオターボ」や「仮面ライダーBLACK RX」に登場した「ライドロン」、「大戦隊ゴーグルファイブ」の「ゴーグルクーガー」等も「RX-7」がベースになっています。 しかし、こちらも見栄えがよくかっこよかったのですが、アルミ弁当箱には描かれることがありませんでした。 ■なぜ「日本車」の特撮車両はアルミ弁当箱に描かれないのか? 「フィアットX1-9」「オペルマンタ」等、輸入車の特撮車両はあっさりアルミ弁当箱に描かれています。 しかし、日本車になるとめっきり減ってしまいます。 はじめは番組の「プレスリリース」等の関係で特撮車両(実車のため)が間に合わないのか?とも思っていました。 しかし、輸入車がOKならば話は違ってきます。 筆者なりの見解では「W版権」が生じるのではないかと勘ぐってしまいます。 番組(作品)に対するものと、自動車会社(国産メーカー)に関するものがあるのではないでしょうか? そうなると「コスト」の面でさすがにアルミ弁当箱に大金はつぎ込めないとなるのでは?と思われます。 以前紹介した「バロム1」の「フィアレディ311」のように原型がわからないものはアルミ弁当箱に描かれているのですが、ベース車両がわかってしまう車両については描かれていないような気がします。 これも今となっては「謎」の一つで、あくまでも「アルミ弁当箱協会」お得意の「想像と妄想の世界」であるのです。 次回もアルミ弁当箱を通し、斜めから見た旧車をお送りいたします。 まったく脈絡のないコラムではありますが、「旧車王」ともども「マツドデラックスコレクション アルミ弁当箱図鑑」もよろしくお願いいたします。 また、アルミ弁当箱を並べて欲しい等とご要望のある方もぜひお声をかけてください。 次回はイベントで1月21日(土)~1月29日(日)11:00~18:00に「あさくさ小町展」&「マツドデラックスコレクション 少女漫画アルミ弁当箱展覧会」を台東区浅草の「アトリエコメット」にて展示予定です。 よろしくお願いいたします! ■イベントのお知らせ! ●「あさくさ小町展」&「マツドデラックスコレクション 少女漫画アルミ弁当箱展覧会」  開催日:2023年1月21日(土)~1月29日(日) 会場:台東区浅草4-28-14(つくばTX線「浅草駅」下車出入口1より徒歩3分) 時間:11:00~18:00https://www.ateliercomet.com ●アルミ弁当箱図鑑 厳選50 ーマニア編ー マツドデラックスコレクション (ヴァンタス) https://www.amazon.co.jp/dp/4907061471 ●日本アルミ弁当箱協会会長「アルミ弁当箱図鑑 厳選50 」出版への道https://www.qsha-oh.com/historia/article/matsudo-bangai-1/ ※アルミ弁当箱を並べて欲しい等とご要望のある方も是非お声をかけてください。 ●日本アルミ弁当箱協会ホームページhttps://kyokai.fans.ne.jp/arumibenntou/ ●Twitterhttps://twitter.com/keisuke38922 [撮影/ライター・マツド・デラックス(山本圭亮)]

チャイルドシートにも種類がある!?旧車に装着する場合の注意点とは?
ライフスタイル 2023.01.06

チャイルドシートにも種類がある!?旧車に装着する場合の注意点とは?

筆者には愛してやまない3歳の甥っ子と生後7ヶ月の姪っ子がいる。 最近、少し落ち着いたが、誰に似たのか、甥っ子はクルマが大好きだ。 現行車の名前はもちろん、旧車王ヒストリアで扱う年代(彼にとっては、本当の旧車なのだと気づき、感慨深くなってしまった)でも知名度の高い車種はわかるようになってきた。 現行車であるが、ジムニーシエラ、フェアレディZのカタログをプレゼントした。 そしたら、各ページの謳い文句を暗記。 グレードも判別ができるようにまでなっていた! おっと、甥っ子の話は今回の本題ではないので、ここまでにしよう(笑)。 そんな甥っ子、姪っ子とクルマで出かける際の必須アイテムのひとつがチャイルドシートである。 今回は、筆者所有の旧車にチャイルドシートを装着した経験から、読者の方々に少しでも情報共有ができればと思う。 ■同じに見えるチャイルドシート、実は取付方法にも種類が! 筆者が所有する「愛車たち」の生産された年代は、1992年〜2002年式と、10年くらいの幅がある。 それぞれの愛車を見比べると、この10年という期間において、クルマの進歩は目覚ましいものがある。 そのなかのひとつが、安全性能であり、チャイルドシートに関連する機能の進化だ。 チャイルドシートの固定方法については、大きく分けて3種類ある。 まず、現代の主流であるISO-FIXタイプ。 現在販売されているクルマは、ISO-FIXという規格にて簡単に取り付けが可能となっている。 シートの座面と背面の間に固定用のバーがある。 対応したチャイルドシートは、ワンタッチでバーに固定することができる。 確認方法としては、取り付け位置付近にマークが設置されている。 2つ目はALR(自動ロック)付きELR式シートベルトタイプ。 シートベルトを最大限に引き出した後、戻していくと引き出し方向へはロックされる構造となっている。 チャイルドシートを固定する際、緩みを少なく装着することができる。 確認方法としては、上記のようにシートベルトを操作して確認することである。 車両によっては説明が書かれている場合もある。 3つ目はELR式シートベルトタイプ。 従来からある、急ブレーキ時にロックするタイプである。 運転席のシートベルトと同様の構造とイメージしていただければ分かりやすいと思う。 このタイプの場合、チャイルドシートメーカーから、固定用の金具がオプションで用意されている。 固定用金具については、使用するチャイルドシートに合うものの確認を行っていただきたい。 これらクルマ側の仕様に合わせ、取り付け可能なチャイルドシートを選ぶ形となる。 ■同じクルマでも年式で取り付け方法が違う⁉ ここまでは、チャイルドシートの取り付け方について紹介した。 同じ車種でも、取り付け方が異なるパターンもある。 ここからは筆者の体験を交えて、説明したいと思う。 まずは、筆者の愛車であるU14型ブルーバードを例に挙げてみよう。 U14型ブルーバードは96年1月にデビューをしている。 筆者の愛車は98年4月登録の車両である。 前述のALR付きELR式シートベルトが装着されている。 しかし、96年式では、ELR式シートベルトとなる。 同一モデルでも、マイナーチェンジで安全性能がアップデートされているのである。 このような違いは、よほどのマニアでも知らないと思う(笑)。 実は、筆者の親族が96年式のモデルを所有している。 その車両にチャイルドシートを装着しようとした際、ALRの自動ロック機構がないことに気がついた。 もう一例として、T30型エクストレイルを例に挙げる。 筆者が所有しているのは、2002年式モデルである。 購入後に甥っ子が生まれ、改めて車両を確認した。 てっきりISO-FIXが装着されていると思っていたが、確認した際に装着されていないことを知った。 ALR付きELR式シートベルトは装着されているため、ブルーバード同様にチャイルドシートは装着できる。 2002年当時はまだ、ISO-FIXはメーカーオプション(工場装着オプション)の扱いとなっていたのであった。 ちょうど過渡期の時期に登場したモデルでは、このようなケースもある。 過去、クルマに詳しくない友人から、相談を受けたことがある。 「ISO-FIXのチャイルドシートを買ったけど、自分のクルマに付くのかな?」 その結末はそのことについてまとめた。 ■現代主流のISO-FIX、旧車にもあるのか!?確認方法とは? 友人は、2000年代初頭のミニバンに乗っていた。 チャイルドシートを購入する際、車名と年式で調べ、ISO-FIXという単語と装着事例を見たようだ。 購入後、いざ車両に装着する段階で、ISO-FIXが車両に無いことに気が付いたのだった。 これも、ISO-FIXがまだオプション設定のクルマだったため、起きたハプニングであった。 結果としては、チャイルドシートは装着可能なモデルに交換してもらえたそうだ。 過渡期のモデルでは、今回のようなパターンが実際にある。 では、車両に装着されているかの確認方法を説明したいと思う。 多くは後席の座面と背面近辺に「ISO-FIX」を明示する、マークやタグが装着されている。 過渡期世代の明示については異なることもあるため、各車の取扱説明書にてご確認いただきたい。 ■いざ取付け!しかし思わぬ落とし穴も ここまで、旧車にチャイルドシートを取り付けるための説明をまとめてきた。 では、実際に取り付ける段階になるのだが、ここで思わぬ落とし穴が! チャイルドシートを車両に乗せると、意外と大きいことに驚く。 着座姿勢で装着する場合では、大人と同じ一席分で収まる。 しかし、0歳児用のチャイルドシートは、背もたれを寝かせてベッドスタイルにする。 このベッドスタイルが予想外にスペースを取ることを、装着して初めて知ったのだ。 姪っ子用に購入したチャイルドシートは、ベッドスタイルにした際、左右方向に寝かせるスタイルだ。 リアシートに装着したところ、中央席分のスペースも使用するほどのスペースを要したのだ。 5名乗車出来るクルマだが、4名しか乗れなくなってしまったのだ。 前後、左右方向に余裕のある車両なら問題はないだろうが、旧車世代は車内スペースがタイトな場合が多い。 そのことも考慮し、購入を検討する際はぜひ販売店で試着させてもらうことを強くお勧めする。 ■まとめ:必要になる前にクルマの機能とチャイルドシートの種類を理解しておこう クルマの機能とチャイルドシートの種類をよく理解すれば、多くの旧車世代車両にも装着は行える。 但し、くれぐれも誤った装着とならないよう、万全の確認をしていただきたい。 筆者含め、旧車に乗りつつ次世代のクルマ好きを皆さんと一緒に育てていきたいと思うばかりだ。 [ライター・撮影/お杉]

衝撃!中東で70系ランドクルーザーが新車で販売されている!?
ライフスタイル 2023.01.04

衝撃!中東で70系ランドクルーザーが新車で販売されている!?

ランドクルーザーといえば、日本が世界に誇るトヨタのクロスカントリーモデルだ。 1951年の初期モデルの販売から現在に至るまで、約70年もの間、愛され続けているキング・オブ・SUVである。 なかでも1984年に発売開始された40系の後継モデルである70系ランドクルーザーは、2004年に日本国内での発売が終了となった。 しかし、復活を望むファンの強い要望に応え、2014年から1年ほど「30周年記念モデル」として発売された。 今回は世界でもいまだに根強い人気を誇っている70系ランドクルーザーについて解説していく。 ■ランドクルーザーの歴史 ランドクルーザーの初期モデルの誕生は1951年、米軍と警察予備隊(現在の自衛隊)からの要請により軍用車両として開発され、当時は「トヨタ・ジープBJ」という名で誕生した。 「BJ」の由来は、水冷直列6気筒B型エンジンとJ型シャーシを採用したことからこの名が付けられた。 結果的に軍用車としては三菱ジープが採用されたものの、トヨタジープは富士山の6合目まで登頂に成功し、警察のパトロールカーとして採用されることになった。 しかしジープという名はアメリカのウィリス・オーバーランド社に商標登録されたため1954年に「ランドクルーザー」へと改名し、現在のランクルという愛称で親しまれるようになった。 ■ランドクルーザーのもっとも売れたモデルは? ランドクルーザーシリーズ全モデルの世界累計販売台数(トヨタ調べ)は、2019年8月に1,000万台を超え、現在では世界170ヵ国で年間約40万台が販売されている。 1955年の20系ランドクルーザーの発売以降、本格的に海外輸出を開始した。 当初年間100台にも見たなかった輸出台数は10年後の1965年には年間1万台を超え、1960年に発売された3代目ランクル、通称40系は北米で記録的な大ヒットとなった。 当時アメリカでもっとも売れたクルマがこの40系ランクルである。 1960年〜1984年と、24年間も生産され続けた。 その結果、世界販売台数は100万台を突破するほどの超ロングセラーかつ大ヒットモデルである。 しかし、日本国内で断トツで売れたモデルはデビュー11年目を迎えたランドクルーザープラドだ。 日本で販売されているランドクルーザーのうち、9割近くがランドクルーザープラドという驚異的な人気を誇っている。 ■ランドクルーザーが世界中で愛される理由とは? ランドクルーザーは開発思想である「信頼性、耐久性、悪路走破性」を最重要視し、お客様のニーズに応えるクルマづくりを一貫して守り続けた。 これはトヨタQDR:Quality(品質)、Durability(耐久性)、Reliability(信頼性)の象徴であると同時に、「世のため、人のため」というトヨタのクルマづくりの原点でもある。 仕事、生活を営むための心強い相棒として「人の命や物を運び、移動の夢を叶えるクルマ」であり「行きたいときに行きたいところに行って、必ず帰って来られるクルマ」、それがランドクルーザーである。 アフリカのブルンジではマラリアに罹った子供を病院に移送したり、ウガンダの難民キャンプでは診療所に患者を運んだり・・・。 さらには人道支援の面でも活躍し、オーストラリアでは亜鉛、銅鉱山の地1,600メートルの坑内の移動車として、また兵庫県とほぼ同じ広さを持つ広大な牛放牧牧場で牛の追い込みに使われるクルマも存在する。 中米コスタリカでは、標高3,500メートルの人が立つのもやっとという急斜面でニンジンの収穫の足として活躍し「畑まで入っていけるのはランドクルーザーだから」と信頼を寄せていただいている地域もある。 ランドクルーザーがないと生活が成り立たない場所が地球上にはまだまだたくさん存在している。 その信頼性と耐久性の高さから現在に至るまで世界中で愛され続ける唯一無二の存在となった。 ■まとめ:中東でランドクルーザーに求められる役割とは? ランドクルーザーは特に中東、オーストラリア、アフリカで絶大な人気を誇っており、現在も70系ランクルやFJクルーザーが新車で販売されている。 これは生活で必要なためであり、日本での自家用車とは違い、主に商用車として活躍しているそうだ。 1951年の初期モデル誕生から70周年を迎えた2021年、フラッグシップモデルのランドクルーザー(ランクル300)はフルモデルチェンジし大きな話題を呼んだ。 現在、新型ランクルの納期は4年待ちとまでいわれており、注文を一時停止するほどに世界各国から注文が殺到しているようだ。 常に進化を続けるトヨタのランドクルーザーはこれからも世界中で活躍し続け、人々の助けとなり、生活必需品として、また相棒として愛され続けるであろう。 まさに「キング・オブ・SUV」の名に相応しいクルマである。 [ライター/高岡ケン]

DIY初心者が陥りやすい、旧車ジャッキアップの意外な注意点とは?
ライフスタイル 2022.12.29

DIY初心者が陥りやすい、旧車ジャッキアップの意外な注意点とは?

■1.メンテナンスの基本中の基本、ジャッキアップ ▲空冷ビートルに付属する車載ジャッキ。欧州車は新旧関わらず、この手のジャッキが多く標準装備されるが、あくまでもパンク時のスペアタイヤへの交換用だこれを普段のメンテナンスに使用するのはもってのほかだ。車両の下に潜るような用途には絶対に使用してはいけない DIYでクルマのメンテナンスを行うオーナーにとって、避けて通れない作業がジャッキアップだ。 旧車のみならず、DIY初心者にとって登竜門になると思われるエンジンオイル交換やホイール脱着を行う際にジャッキアップが必須の作業となる。 また、作業を行わないまでも、晴れて購入したクルマの下回りを覗いてみたいと思うメカ好きなオーナーも多いはずだ。 旧車のみならず、クルマの真のコンディションは下回りを見てみなければ分からないからだ。 ジャッキアップ自体は、DIYの中では基本中の基本の作業なので、ハウ・トゥー的な記事は他にも数多く存在する。 今回は、生産後数十年が経過した旧車オーナー向けに、20年来のポンコツ愛好家である筆者が、旧いクルマの独特な注意点をお伝えできればと思う。 ■2.決してマニュアル通りとは限らない、旧車のジャッキアップ方法 ▲空冷ビートルのジャッキアップポイント。新車時ならともかく、旧車で錆による腐食などでフロアやサイドシルにダメージがあるクルマでは、果たしてこんな部分で、クルマの重さを支えることができるのであろうか? DIY初心者であるオーナーが、クルマをジャッキアップしたいと考えたとき。 まず手にするものは、パンタグラフ式を代表とする「車載ジャッキ」ではなかろうか? 結論からいえば、旧車については、これを普段のメンテナンスに使用するのはかなり危険だ。 クルマの「トリセツ(取扱説明書)」には当然のごとく、パンク修理用に車両に付属する車載ジャッキの使用方法が記されているはずだ。 そして、これらはほとんどの場合、ボディーのサイドシルと呼ばれる部分にあるジャッキアップポイントにあてがって使用することを前提としている。 しかし、考えてみてほしい。 旧車と呼ばれるクルマは最低でも生産後20年は経過している。 「オールドタイマー」と呼ばれるクルマであれば、生産後40年~50年は当たり前だ。 すでに「アンティーク(骨董品)」となっている車載ジャッキが果たして使い物になるのか?という問題も当然あるが、クルマのボディー自体がジャッキアップに耐えられない状態になっている場合も存在するのだ。 旧車のみならず、クルマのサイドシルという部分は、縁石などのダメージを受けることが多い。 さらにクルマが長らく放置された場合、この部分に雨などの水分が溜まり、フェンダー裏などと同様、錆で腐食が進行しやすい部分といっても過言ではない。 ジャッキアップポイントには、そのクルマの重さが集中して掛かる。 取扱説明書に記されている通りに車載ジャッキでジャッキアップした瞬間に、いきなりサイドシルが潰れてしまった!そんな話は旧車の世界では決して珍しい話ではない。 このような話は、きれいにレストアされたクルマのオーナーには他人事の様に聞こえるかもしれない。 しかし、実施にはきれいに仕上げられたクルマほど、要注意である。 なぜなら、レストアされたクルマはどのような方法で作業されたのかが不透明な場合が多いからだ。 海外では、腐ったパネルを鈑金せずにFRP樹脂とファイバーパテで埋めるという方法が当たり前のように存在する。 その道のプロであっても、きれいに仕上がっていると一見ではなかなか判別しづらいものである。 塗装面にクラックが入って初めて、厚く盛られたパテが露見するのだ。 旧車にとって、何も考えずにジャッキアップするという行為は、クルマに致命的なダメージを与えてしまう可能性がある行為そのものなのだ。 また不確実なジャッキアップは、作業中に事故に遭う可能性がある。命の危険すらあるのだ。 それでは、一体どうすればよいのか?次項で説明しよう。 ■3.旧車のジャッキアップに必要な知識と道具とは? ▲実際に筆者クマダが使用しているフロアジャッキとリジットラック。どれも安価品だが十分に使えている。赤いフロアジャッキはそろそろ寿命だ まずは、そのクルマの正しいジャッキポイントを探ることが最優先である。 前回の記事で触れたが、サービスマニュアルに必ず記されている項目の一つだ。 なお、フロアジャッキ用のジャッキポイントは良しとして、リジットラックをあてがう部分はサービスマニュアルにおいても、サイドシルが指定されている場合が多い。 前述のとおり、旧車のサイドシルは必ずしもフロアジャッキやリジットラックをあてがえるコンディションではないことが多い。 そうなるとボディーやシャーシの強度のあるポイントを探すこととなるが、これはその車種によって異なる。 そのため、同車種のベテランオーナーか、やはり専門知識を持ったプロに尋ねることをおすすめする。 だいたいの場合、フレームや足回りのサスペンションアーム等の付け根の部分が、強度のあるポイントとして検討できるはずだ。 予備知識を得たら、ここからが道具選びだ。まずはジャッキを選ぼう。 はじめに、車載ジャッキでは定番のパンタグラフ式は、ここではおすすめしない。 それはなぜか? 先述の通り、旧車はサイドシルにダメージを負っている可能性がある点もあるが、何よりもパンタグラフ式のジャッキは車両の前後方向に倒れやすい点がある。 何らかの原因で車両の前後方向に力が加わると、いとも簡単に倒れてしまう。 後述するが、輪留めなしの状態での使用は非常に不安定でとても危険だ。 おすすめはやはり、油圧式のフロアジャッキとリジットラック(通称:ウマ)のセットだ。 これらはベテランのDIYオーナーであれば、必ずガレージに備わっていることであろう。 まずは、フロアジャッキから説明する。 大きく場所をとり、重量もあるフロアジャッキだが、整備工場で使用されるプロ用はとても頑丈な代わりにたいへん高価で、DIYでの購入はハードルが高い。 実際にはDIY向け工具店でのラインナップから選択することになることであろう。 この場合、まずはじめの一台は、鉄製の2.5~3トン程度のものをおススメする。 ネット通販などでアルミ製の3トンといったものも存在するが、これらはあくまでも2トン程度までの使用で考えたほうが良い。 実際に使用すれば分かるが、明らかに容量不足を感じるはずだ。 アルミ製の2トンについては車載用と考えたほうが良いだろう。 安価なアルミ製のフロアジャッキは軽くて持ち運びしやすいが、よくしなる。重量車には使えない。 フロアジャッキの次は、車体を保持するリジットラック選びだ。 これは、一部の折りたためるものを除けば、ホームセンターで販売されている2トンのもので十分こと足りる。 3本脚か、4本脚かの検討ポイントもあるが、ここでは省略する。 実際に手に取って気に入ったものを選んでほしい。 あえて注意点を述べるとすれば、リジットラックが車両と接触する部分の形状だ。 車載ジャッキの先端を注意深く見ると、サイドシルのジャッキポイントの部分にジャストフィットする形状になっているはずだ。 しかし、この部分は市販のリジットラックではぴったりフィットするとは限らない。 また、先述の通り、旧車ではサイドシル以外の部分にリジットラックをあてがう場合もある。 ジャッキアップ後にクルマがリジットラックの上に安定して乗っていればよいが、不安定な場合、車体をしっかり保持できる形状のアダプターを用意する必要がある。 ほとんどがゴム製になると思われるが、この部分は市販のものがうまくフィットしないなどの理由で、木端などの材料で自作している強者も存在する。 最後に輪留めを忘れずに用意してほしい。 輪留めについては、持ち上がっているタイヤの対角線上となる位置のタイヤに使用する。 旧車に限った話ではないが、ニュートラル状態のマニュアル車やサイドブレーキが甘い車両の場合、ジャッキアップした瞬間にクルマが動き始めてしまうということが十分にあり得る。 DIY初心者のみならず、ベテランオーナーにも注意喚起をしたい。事故が起きてからでは遅いのだ。 付け加えれば、スロープを用意するととても便利だ。 スロープについては、本来ローダウンされたクルマなどで、フロアジャッキを車体の下に潜らせることができない場合に使用するものだ。 しかし、車高の高い旧車の場合、エンジンオイル交換などは、ローダウンでもしていない限り、クルマをスロープに上らせれば対応できてしまう場合が多いのだ。 「スロープ+輪留め」で作業をすれば、クルマの下敷きになる可能性は大幅に減少する。 DIYの初心者・上級者に関わらず、ここは必ず実施したいところだ。 ■4.旧いクルマには、常にいたわりをもって接したい ▲旧車でこのようなジャッキアップを行うと・・・ ここまで駆け足で説明したが、話の要は、変形しやすい箱を、いかにダメージを与えずに持ち上げることができるかだ。 分からないことは、なんでも指先で検索できてしまう時代。 いわゆる「自称・正しい方法」とやらが、生産後数十年を経過した旧いクルマにそのまま当てはまると思ったら、それは大間違いである。 今回は旧車という偏った観点からジャッキアップについて短めにまとめてみた。 これは良かれと思って行った作業が、かえってクルマにダメージを与えてしまうということがある一例である。 せっかくの愛車だ。この記事の読者の方は、小さなことでもよく考えて、いたわりをもってクルマに接してほしい。 ●YouTube:BEARMAN’s チャンネル(ベアマンチャンネル)https://www.youtube.com/channel/UCTSqWZgEnLSfT8Lvl923p1g/ ●Twitter:https://twitter.com/BEARMANs_Ch [ライター・撮影/クマダトシロー]        

日本車が元気に走る!不思議の国・インドのクルマ事情とは?
ライフスタイル 2022.12.23

日本車が元気に走る!不思議の国・インドのクルマ事情とは?

■インドの街並みとモータリゼーション ▲新型車も古くからのキャリーオーバーモデルも連なる市街地。その合間をバスやスクーターと自転車、徒歩の人までが行き交う パンデミック直前の2020年の冬、筆者はインディラ・ガンディー国際空港に降り立った。 外はデリバリーのタクシーでごった返し、南アジア独特のまとわりつくような空気を肌で感じとる。 不思議の国、インド。 その名を聞けばガンジス川にタージマハル。 神秘的な景色と歴史。 そのなかに力強く、目をギラつかせながら逞しく生きている人々の情景をつい思い浮かべてしまう。 ニュースで伺っている通りインド経済は右肩上がりで、やがて中国を抜いて世界で最も人口が多い国になるらしい。 当たり前のように多くの人はスマートフォンを持ち、都市部では電子決済システムの導入も珍しくない。 乗り合いタクシーのオートリキシャは順次EV化へと進んでおり、まだ設置箇所は一部ではあるが充電スポットなんかも街中で見るようになってきた。 インフラや道路が未整備に感じられる箇所も多く存在するものの、道路建設やショッピングモールも増えはじめた。 これでマンパワーがあれば、やがて他の新興国のように街全体が近代的に発展するのも時間の問題だろう…。 そんなことを考えながら、空港から市街地へと向かうトヨタ・エティオスセダンのタクシーから車窓の風景を眺めた。 ▲日本車の進出も大きい。手前がトヨタ・エティオス。奥がトヨタ・イノーバ エティオスは2011年からインドをはじとしたBRICs諸国へとデリバリーが始まったモデルで、2021年まで10年もの間販売されていたロングランモデルだ。 発売されてすぐの頃、ニュース記事に「気温の高い国で販売される同車種は、運転席に乗り込んだ瞬間に顔へと風を浴びられるように、大き目の丸型ルーバーを装備した」という記事を読んだ記憶がある。 当時は「デザインや設計にもさまざまな観点があるものなんだな」と感じていたものだが、蒸し暑いインドの気候のなか、ドライバーがまさに心地よくエアコンの風を浴びているのを見て、一人後部座席でほくそ笑んでしまった。 空港からニューデリーの駅前までは約50分ほどかかる。 ホテルにはギラギラの電飾が飾られ、四方八方からクラクションの音を響かせあう。 あまりにもひっきりなしに鳴らすので、インドのクルマは”クラクション自体”が故障することもあるそうだ。車両と車両の間はギリギリまで詰めてすぐに渋滞になるが、不思議なものでさほど事故を起こしている場面には遭遇しなかった。 ネットで有名な動画に、クルマが往来する車道を平然と渡っていくインド人の映像を見たことがある。 一体そのバランス感覚はどこで培ってくるものなのかはまさにインドの不思議のひとつだ。 実際にインド人に手を繋いでもらいながらたくさんの車が行き交う道を渡ってもらうと、止まったり怯むことなく平然と道を渡り切ってみせてくれるので、とても印象的な体験だった。 話を戻そう。勃興著しいインド市場。人々と経済が豊かになれば、当然のように欲されるのはクルマだ。 10年以上前、インドの大手現地メーカーのタタ社が10万ルピー(当時のレートで30万円以下)で日本の軽自動車よりも小さい「ナノ」という自動車を発売したのは衝撃的なニュースだった。 自動車とスクーターの中間を補うようなモデルだったが、都市部のニューデリーで現地の男性ドライバーにタタ・ナノの話を伺うと「ああ、あの小さいクルマね...悪くないけど、どうせお金を出して買うならセダンのほうが良くない?安全だし」とあっさり答えられてしまった。 日本のクルマ趣味人に聞かれた手前、自国の古いクルマに対して少し恥ずかしがって答えたようにも思われたが、実際ニューデリーの街中でタタ・ナノとすれ違う回数はそう多くなかったと思う ■ニューデリーにおける人気のジャンルとは? インドといっても非常に広い国であり、経済事情や産業によって必要とされるクルマは異なってくる。 インド国内でもいくつかの都市を見て回ったが、首都であるニューデリーではどんなクルマが流行っているのか。 世界の街角に生きているクルマの姿を切り取り続けている筆者目線で伝えていきたい。 街を見渡すとA〜Bセグメントのコンパクトカーの人気は絶大だ。 マルチスズキのアルト800をはじめ、現代・i10シリーズやタタ・TIAGOなどファミリーから若者、ビジネスカーとして使われる個体まであちこちにいる。 ワゴンRなども多数見かけるが、新車価格が日本円で50万円台から用意され、まさにエントリーカーとしての立ち位置を担い続けているアルトおよびその競合車種が一番の人気といって良いだろう。 ここ数年ではコンパクトカー派生のSUV系の人気が、各メーカー猛威をふるっている。 スズキでいうとAセグメントにあたるエスプレッソがそうだ。 車体は3565mmで軽自動車の寸法を僅かに伸ばした程度であるが、隆々としたボディワークはユニークだ。 海外勢だとルノーやヒュンダイからも同様の車種がリリースされ、街中ですれ違う機会が増えている。 特にポップなデザインは若者需要も巧みに掴み取っており、趣向をキャッチするのが上手いと感じる。 次いでセダンの台数もかなりを占めているように感じる。 これはタクシーで使用されるセダンの数が多いことにも由来するが、これからさらに大きく成長していくインド市場のなかで、”ちょっと良いクルマ像”を追い求めて購入するユーザーが多いことを象徴しているかのようだ。 とはいえ、海外のプレミアムカーであるメルセデスやBMWに関しては見かけると“いかにもお金持ち!”といった印象が強い。 街中で多く見かけるのはマルチスズキ・スイフトディザイアやタタ・Tigor、ヒュンダイ・AURAなどA~Bセグのコンパクト3BOXだ。 ハッチバックにノッチをつけたスタイリングはまさにインド市場的であり、愛嬌を感じさせるデザインだ。 しかし近年では、ハイグレードにもなるとディスプレイオーディオなど上級な装備の設定があり、内装色やパネル類にもこだわりを感じさせる”イイクルマ感”がしっかりと演出されていてなかなかに侮れない。 車種によってはバイフューエルエンジンも用意され、エコ・パフォーマンスに訴求するモデルも多い。 ここで旧車王ヒストリアの読者の皆さまには残念なお知らせだ。 インドでは排ガス規制である「バーラト・ステージⅥ」が実施され、古いクルマは以前よりいっそう姿を少なくさせつつある。 2020年時点でもマルチ・スズキ製のエスティーム(スズキ・カルタスエスティームのインド版)は見ることができたが、台数を減らしているであろうことは街中ですれ違う台数の少なさからも見受けられる。 インドにおけるタクシーの顔だったヒンドゥスタン・アンバサダーも2011年にタクシーとしての使用が禁止され、街中での遭遇回数はめっきりと少なくなっている。 2014年に販売が終了する頃までいすゞ製のディーゼルエンジンが積まれていたりなど、意外なところで日本メーカーとの繋がりがあるが、ヤングタイマーになる前に個体自体が数を減らしてしまうのかもしれない。 ■インドで出会う古いクルマたち! ・・・と、インドのモータリゼーションは先述の通り環境規制なども相まって意外にも新しいクルマが多いのだが、さまざまなブランドが業務提携などを行い古くから製造を続けてきた「近年まで作り続けられている旧型車」が穴場的な存在だ。 例えばアショック・レイランド製の「ドスト」という小型トラックは2011年から2016年まで製造されている比較的新しい車種だが、日本では1985年に製造が開始されたC22型のバネットをベースとしているものだ。 クルマ好きの読者ならば写真をみれば一目瞭然だが、フロントエンドを新造していながらも、キャブはバネットの面影を色濃く残している。 旧スワラジ・マツダを引き継いだSML・いすゞ社からは1982年リリースのマツダ・パークウェイが長きに渡り製造され続けていた。 日本ではほぼ見かけることがなくなったパークウェイだが、インドではさまざまなボディタイプがあり、少なくとも2020年のデリーショーではパンフレットが配布されている。 バスボディの世界は根が深い...と思わざるを得なかった。 もちろんトラックも多数現存している。 ▲手前から三菱・パジェロスポーツ、旧スワラジ・マツダ(現SML・いすゞ)のトラック、奥にマルチスズキ・ZENが見える マルチスズキからは80年代のスズキ・キャリーをベースとしたオムニバスが2019年まで販売されており、いまだに街中で見かける。 渋滞のなかを救急車仕様のオムニバスが走っていくのを何度も見かけたが、日本の高規格救急車の姿に見慣れている自分としては、あの小さなボディでどんな搬送業務が行われているのかは未知の世界だ。 後継車種に当たる「イーコ」は1998年リリースのエブリィ・プラスを基本としたものだ。 現在でもマルチスズキにて新車としてラインナップされている。 今でも新車で買える日本の90年代車としては徐々に希少な存在になってきた。 現在では中国資本のブランドも数多く参入し、選択肢が増えていくインド市場。 キャッチアップに優れたニューカマーと熟成されたモデルが入り乱れる街中のモータリゼーションの風景は、今後さらに混沌を極めるだろう。 まだ、インドでは庶民的なクルマに”レトロ”や”クラシック”をありがたがるという概念は薄いだろうが、今後は現在の中国や韓国のようにレトロフューチャーの波がいずれやってくるのかもしれない。 逆にその頃、日本のセルボ・モードや初代MRワゴンにインドから熱いラブコールがかかったりしたら面白いのだが…。 これからの未来、インドにどんなクルマ趣味が広がっていくのか、今から期待だ。 ■新刊のお知らせ 筆者は自費出版、いわゆる同人誌というものを制作している。 世界の街角を行くクルマの姿をひたすらに撮り続ける本「世界まちかど自動車シリーズ」も新作のインド編で5作品目だ。 まさに今回の記事の延長線でありながら、さらにディープな内容になる予定である。 興味のある読者の方はぜひ、以下のURLより確認していただきたい。 ●インドじどうしゃ #世界の中心編 著:TUNA・サークルINPINE2022年12月31日発売https://inpine.booth.pm/items/4418054 [ライター・撮影/TUNA]

生産終了から20年!? いつから「旧車」と解釈されるのか?
ライフスタイル 2022.12.19

生産終了から20年!? いつから「旧車」と解釈されるのか?

私はZ32専門店を営んで25年になります。 当初、Z32は新車でも売っていましたし、スタイルからして、いつまでも色褪せない現役のスポーツカーだと思っていました。 しかし、この10年で徐々に旧車感が増し、残念ながら今や立派な旧車になってしまいました。 そもそも、「旧車」というワード、今は普通に使っていますが、比較的最近のもので、定義が曖昧なものだと思っています。 一般的には「古い車=旧車」です。よくいえば、「長く生き抜いてきた車=旧車」です。 一体、いつから旧車といわれるのでしょうか? Z32を例に、乗り続けるオーナー様にリスペクトしながら考えていました。 ■2世代以上「型落ち」になった Z32の生産終了後、22年が経ちます。 その後、Z33⇒Z34⇒新型Zへとモデルチェンジを重ねています。 実質3代前の「型落ち」ですから、流石に「旧車」というくくり(扱い)なってきます。 それでも、その型に拘って乗り続けるってすごいことですよね? ■生産終了後、20年経った 「十年一昔」といいますが、その2倍ともなれば、時代もすっかり変わっています。 クルマも進化して。今や電気自動車の時代ですから、流石に「旧車」となってきます。 それでも、乗り換えせずに乗り続けるってすごいことですよね? ■「最近見なくなった」「懐かしい車」といわれるようになった 「最近めっきり見なくなったなぁ」とか、「懐かしいクルマだなぁ」といわれるようになると、流石に「旧車」となってきます。 化石化扱いされても乗り続けるってすごいことですよね? ■修理が増え、レッカーで搬送されるようになった 長く乗っていると、オルタネーターがダメになったり、エアコンが効かなくなったり、経年劣化が進んできます。 レッカーで搬送される場面が増えてくると、流石に「旧車」となってきます。 それでも直しながら乗り続けるってすごいですよね? ■純正部品がなくなってきた 生産終了から10年はメーカーが純正部品を供給してくれますが、それを過ぎた頃から製廃(製造廃止)が増えてきます。 純正部品がなくなってくると、流石に「旧車」となってきます。 それでも諦めずに乗り続けるってすごいことですよね? ■ボディや下廻りの劣化がひどくなってきた 経年劣化で、ボディの塗装が剥がれてきたり、下廻りが錆びてくれば、流石に「旧車」となってきます。 オールペンしたり、レストアをしてまで乗り続けるってすごいですよね? ■ディーラーさんで修理を嫌がられるようになった 修理は近くのディーラーさんを頼りたいものですが、修理を嫌がられたり断られるようになり、乗り換えを勧められるようになると、流石に「旧車」となってきます。 それでも遠くの専門店を頼って乗り続けるってすごいことですよね? ■結果、旧車になりえるクルマは「名車」となる! 総じて考えてみると、旧車になりえるクルマは、どれも名車となっています。 その車を守るファンと専門店によって残り続け、その時代を懐かしく思い出させてくれます。 これからも「旧車=名車」が増えることを期待しています。 ・ホームページhttp://www.Z32-Zone.com/ ・Facebookhttps://www.facebook.com/pages/Fairlady-Z32-Proshop-Zone/286263454768481 ・Instagramhttps://www.instagram.com/Z32_Zone.omura/ ・YouTubehttps://www.youtube.com/user/ZoneZ32 [ライター・撮影/小村英樹(Zone代表)]

絶対楽しい旧車ライフ超入門!!その4 旧車仲間の見つけかたとは?
ライフスタイル 2022.12.16

絶対楽しい旧車ライフ超入門!!その4 旧車仲間の見つけかたとは?

■旧車といってもイロイロ。まずは愛車のカテゴリーを理解しよう 旧車といっても、そのボディタイプやエンジン形式、使用燃料や駆動方式、年代、メーカー、生産国など、イロイロな分類基準がある。 このページで扱うのは国産車なので日本車限定だが、国内生産車と海外生産車、輸出国からの逆輸入車などに分類することもできるから意外と複雑だ。 特に逆輸入車の場合、国内モデルと仕様が大きく異なるものも少なくない。 例えばフェアレディ2000。 1967年から70年まで生産されたクルマで、大多数がアメリカに輸出されている。 ボクのフェアレディもアメリカからの帰国子女だから当然左ハンドル。 だけど国内仕様との差はそれだけではない。 輸出モデルでは、キャブレターがソレックスからSUに変更され、オイルパンも大容量7リットルのアルミ製フィン付きではなく、SP時代と同様フィンのない4リットルの鉄製であり、カムの仕様も異なる。 ノーマル状態のUS仕様SRL311は、スポーツカーのスタイルを持ちながら普通の乗用車のような乗り味。 逆に日本国内仕様のSR311は、当時の言葉で表現するなら「レーシー」な乗り味に溢れるスパルタンなジャジャ馬というセッティングだ。 ▲ミクニ製ソレックスツインキャブレターは、国内仕様SR311に標準装備されている。独特の吸気音はマニアにとってたまらない魅力。US仕様では、扱いやすさに優れるSUツインキャブが標準だ ▲国内仕様に標準のアルミ製フィン付オイルパン。7リットル級の大容量で、ホットな走りを支えてくれる。US仕様の標準は、SPと同じオイルパンで、フィンを持たない鉄製。容量も4リットルになる つまり、ノーマル状態前提で乗り味を基準に分類するなら、同じフェアレディ2000でも、SRL311とSR311は異なるグループになるといえるわけだ。 ちなみにボクのはUS仕様のSRL311だが、エンジン仕様はオイルパンも含め国内仕様に変更しているので、SRLグループではなくSRグループといえるだろう。 これらをふまえて仲間を探すなら、キーワードはオープン2シーター、60’sカー、ダットサン、スポーツカー、フェアレディ、クラシックカーなど。 少々話がズレてしまったが、細かく分類し、それに近いカテゴリーのグループとの接点を含めて考えれば、どういう車種が仲間となるのかが見えてくる。 さらにはそのオーナーも指向にも共通点が見出せるはずだ。 まぁ、この分類ってのは文字にするとややこしいし堅苦しいものだけど、一般的には感覚的に分類を捉え、やがてその「ニオイ」を嗅ぎ分けるようにグループを形成していくわけだ。 ■具体的な仲間探し。インターネット・バージョン ではどのように仲間を探すのか? 今の時代でもっとも手軽で有効な方法はインターネットの活用だろう。 ボク自身も、最近手に入れた83年型フェアレディZターボ2by2に関しては、元々興味を持っていないクルマだったから、知り合いもいなければ同好の仲間もいない。 そこで最初に起こした行動は、facebookでのグループ探しだ。 まずは、S130型フェアレディZで検索。 この車種に特定したグループだから迷いがない。 すると3件のグループが登録されていた。 その中で唯一の国内サイトである「Firlady S130 Owner’s Netwaork」にアクセスし、参加申請したわけだ。 そこで愛車の写真とともに初投稿のご挨拶を済ませたのだが、 圧倒的少数だと思っていた2by2で逆マンハッタンカラーのターボ車オーナーを、あっという間に2名確認することができた。 S130Zミーティングの案内もあり、参加すれば、ネット上のバーチャルワールドではなく、リアルワールドでの仲間と出会えるはずだ。 また、実用上不便を感じていた欠品パーツについて問い合わせたら、その日のうちに何人もの仲間から純正パーツの代用品情報が得られ問題解決。 信頼している、旧い日産車を得意とするメインテナンスショップでも、社外品の流用パーツに関する情報はなかっただけに、同好の仲間達との繋がりの大切さを痛感したことは記憶に新しい。 ボクが検索したのはfacebook内のグループだけだけど、他のバーチャルワールドでも、検索してみればイロイロ出てくるに違いない。 ■具体的な仲間探し。リアルワールド・バージョン リアルワールドで仲間と出会うなら、愛車に参加資格がある各種イベントに参加するのが一番。 そのためにも、愛車のカテゴリーをシッカリ確認しておきたい。 ここでは、ボクが最近手にいれ、日常のアシとして活用中のデカレディこと83年型フェアレディZターボ2by2(GS130型)を例に、一緒に考えてみよう。 まず、S130型フェアレディZの経歴と特徴を確認する。 1.デビューは1978年。当初のエンジンは、電子制御燃料噴射装置を採用したL20E型とL28E型だった。 2.大きく重くなったボディには、L28E型エンジン車がベストマッチだったが、当時の日本では3ナンバー車となると、自動車税が5ナンバー2リッター車の約2倍となるため、国内の主力はL20E型。ノーマル状態では、パワー、トルク共に非力さが目立った。 3.エンジンは非力だが、大容量80リットルのガソリンタンクを持ち、高速巡行なら800km級の航続距離を誇っていた。 4.1980年には、国産車初のTバールーフ車を追加。81年秋にマイナーチェンジ。82年10月には国産初の超ワイドタイヤ「215/60R15」を標準としたL20ET型ターボエンジン車を追加し、83年9月のモデルチェンジによりZ31型へとバトンを渡した。 5.なお、対米輸出モデルには、81年から、2800ccのL28ET型ターボエンジンが追加されたが、国内には導入されていない。 6.全輪ディスクブレーキの採用、セミトレーリングアーム式リアサスペンションに変更、一部グレードだが、パワーステアリングやパワーウインドウの採用、そしてセンターピラー付とするなど剛性を強化したボディ、サッシュレスのドアなど、S30型から総合的に進化している。 これがS130型フェアレディZの大雑把な経歴と特徴。 生産年次が70年代末から80年代初期のモデルだから、ネオクラシックカーと呼ばれるカテゴリーに属するクルマといえる。 ▲「旧いクルマ」という緩い縛りの展示型イベント。この日は、50’sカーから90’sまで、多様な車種で賑わっていた クラシックカー関係のイベントで、「79年までに生産されたクルマ、またはその同型車」という参加資格を見かけるが、S130型フェアレディZはそのあたりに該当するわけだ。 また、フェアレディ一族であるから、当然、オールフェアレディといったイベントにも参加できるだろう。 もちろん、もっと緩い、自動車趣味人なら誰でもどうぞ、みたいな集まりも各地で開催されている。 こうしたイベントは、マイカーとともに参加するのが一番だ。 しかし、見学に行くだけでも、仲間を見つけたり、同時開催のフリマなどでパーツやアクセサリーを見つけたりするチャンスなので、積極的に参加したいものだ。 ▲展示型のイベントは、見学者も多数いるので出会いのチャンスが多い。参加するのが一番だけど、見に行くだけでも楽しめる ■愛車で走り回るだけでも出会いがある! 仲間を見つける目的ではなくても、単純に愛車で走り回ることも仲間の輪を広げるために有効な方法といえる。 走行中に同好の趣味人とすれ違ったり、信号待ちで声をかけられたり、なんてケースも少なくないからだ。 実際、たまたま寄ったコンビニとか、高速道路のSAやPAで話しかけられ、一緒にツーリングしたり、まったく別のイベント会場で再会、なんてことも少なくない。 ▲たまたま寄ったコンビニで偶然一緒になった旧車たち。こういう出会いは意外と多い さらにいえば、乗っていたクルマを譲って欲しいと懇願され、譲ったこともある。 よくクルマ好きが集まる喫茶店や、ワインディングロードに近いレストランなど・・・。 旧車ファンに人気のスポットに行くのも、出会いのチャンスを広げる効果的な方法だ。 それがどこにあるかは、事前にインターネットで調べればよい。 リアルワールドの出会いは外に出ることが大切だ。 さらに行動に高効率を求めるなら、インターネット検索などバーチャルワールドを活用する、ハイブリッド方式が有効といえるだろう。 と、ほぼ原稿を書き終えた時点で、デカレディに乗り、公共料金を払いにコンビニに寄ったら、フィガロとラシーンをアシに使う趣味人に声をかけられ名刺交換(笑)。 旧車に乗って走り回ると、必然的に同好の仲間や、昭和世代に憧れる人々を寄せ付けてしまうようだ。 [撮影&ライター/島田和也]

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