ライフスタイル

乗って分かることもある!購入前に旧車レンタカー試乗のススメ
ライフスタイル 2022.11.09

乗って分かることもある!購入前に旧車レンタカー試乗のススメ

「旧車」と呼ばれる世代のクルマは、概ね工業製品のクオリティが著しく向上した時代に生まれたもの。 ボディの剛性も高く、日常使いに十分な性能を有しています。 しかし設計の新しい現行車と比べると(経年による劣化もあって)快適性や経済性、乗りやすさなどで数歩、譲ることも事実です。 具体的には、走行中のきしみ音や振動が大きく、運転時の疲労がたまりやすいといったところでしょうか・・・。 また、近年とクルマと比較して燃費が悪く、実用トルクが細いため、扱いに慣れが必要といったところが挙げられます。 新車から長く乗り続けてきたオーナーならば「一緒に歳を重ねた証」のロートルポイント。 けれど、はじめての旧車購入、それもメインでの使用を考えているフレッシュオーナーの立場になれば、現行車との落差はふとした時に気になってしまう、心に刺さるトゲにうつります。 しかし、事前に旧車の乗り心地や使い勝手を知ることができれば、購入に対しての心構えも違ってくるもの。 そんなとき、役に立つのがレンタカーです!  今回は旧車をラインナップしているレンタカーをピックアップ。 もちろん旧車として代表的な車種しか選べませんが、同じ年代のクルマならば、およその程度は推し量れます。 レンタカー料金は安くはありませんが、その後、旧車と長く付き合うつもりなら、それほど高い投資額でもありません。 納得いくまで走行し、現実を知ることで思い込みと幻想をぬぐい、それでもなお購入したいと思わせる魅力を再確認したなら……もう迷うことはありません。 思い切って契約書に印鑑を捺すとき!ではないでしょうか? ※画像のスクリーンキャプチャーは各レンタカー会社のウェブサイトのものです※用意されている車種は11月1日現在のもの。申し込み時期によって入れ替わりがあることを、あらかじめご了承下さい。 ■Vintage Club by KINTO URL https://vintage.kinto-jp.com ◎用意されている旧車 ・トヨタ・スポーツ800・スターレット1300S・ソアラGZ10・セリカLB・カローラレビンTE27・スープラA70 トヨタ自動車と新明工業といった、名のある企業がレストアを手がけており、車両の信頼感と安心感では随一の旧車レンタカー。 現在のところ貸出場所は愛知の豊橋市の新明工業と、東京都三鷹市のGR Garage東京三鷹のみになります。 ■Fun2Drive URL https://fun2drive.co.jp ◎用意されている旧車 ・スカイライン ハコスカGT-R仕様・スカイライン ケンメリGT-R仕様・スカイライン GT-R R32・スカイライン GT-R R33・スカイライン GT-R R34・スカイライン GT-R R34ニスモ仕様・フェアレディZ S30改RB25仕様・NSX NA1・S2000改AP1・スープラRZ JZA80・スプリンタートレノ AE86・RX-7 FD3S・インプレッサ WRX Type R STi Version 6 Limited・ランサー エボリューション6 TME・ランサー エボリューションX・ポルシェ911ターボ(964) 旧車レンタカーの老舗的存在Fun2Drive。 箱根という、観光にも乗り比べにも好ロケーションを走行できるため、人気のお店です。 利用できるクルマは定期的に入れ替わり、実質的に選べるのは10車種ほどからになります。 ■おもしろレンタカー URL https://www.omoren.com ◎用意されている旧車 ・スカイラインGT-R R32・スカイラインGT-R R33 Vスペック・スカイラインGT-R R34・シルビア SpecR・スプリンター トレノ AE86・MR2・MR-S・スープラRZ-S JZA80・シビック タイプR EK9・シビック タイプR FD2・インテグラ タイプR DC5・S2000 AP1・ランサー エボリューション6・ランサー エボリューション7・ランサー エボリューション8・ランサー エボリューションX・RX-7 FD3S タイプRS・ロードスター NA・ロードスター NC・インプレッサ WRX 都内と近郊、大阪府、愛知県名古屋市、和歌山県に店舗をかまえる、おもしろレンタカー。 どの店舗にどの車種を配備しているかは、公式サイトで確認できます。 旧車の他、最新モデルや実用車もラインナップされています。 ■香林坊 URL https://korinbo.com ◎用意されている旧車 ・フェアレディSR・フェアレディ240ZG・フェアレディZ32・トヨタ・スポーツ800・セリカLB2000GT・70スープラ・トヨペット マークⅡ X30・いすゞ 117クーペ・いすゞ ベレット・ユーノス コスモ・ワーゲン ビートル タイプⅠ 他の旧車レンタカーとくらべ、ユニークな車種をラインナップする香林坊。 千葉県に店舗をかまえ、会員制を基本としていますが、入会しなくてもレンタカーを利用することが可能。 その場合、料金は非会員価格になります。 ■MR.HIROレンタカー URL https://mrhiro-jdm.com ◎用意されている旧車 ・スカイラインGT-R R32・シルビア SpecR・スプリンタートレノ AE86・NSX NA1・RX-7 FC3S・RX-7 FD3S 「頭文字D体感レンタカー」を謳うMR.HIROレンタカー。 その文句の通り、作品に関連する車両のボディカラーは、アニメに準拠したものになっています。 最近、大阪府に移転しました。 ■現車のコンディションを計るためにも利用できる よほど自動車の整備に精通していなければ、旧車ショップで車両のコンディションを判断するのは難しいもの。 けれど事前にレンタカーに乗っておき、その後、ショップで試乗しての比較なら、違いを感じるのもそう難しくはありません。 振動や音の大きさ、加速感やコーナーでステアリングに伝わる感触など、しっかりと整備されたレンタカーはコンディションのベンチマークとして、最良の見本になります。 旧車は安い買い物ではありません。 事前にできることは可能な限りしておくのも、ひとつの手だと思います。 ほかに惚れ込んでしまう車両との出会いがあるかもしれませんしね。 [ライター/糸井賢一]

10年後「旧車屋」となったZ32専門店の未来予想図とは?
ライフスタイル 2022.11.02

10年後「旧車屋」となったZ32専門店の未来予想図とは?

今から25年前の1997年、平成9年に中古車販売店の営業の仕事をスタートした筆者。 雇われ店長として70スープラ専門店、Z32専門店と快進撃を続けるも、まさかの会社消失。 急遽、独立することに。スタートから様々な壁にぶちあたりながらも、Z32一本の専門店をやっていくことを決意。 その後、スポーツカー低迷とZ32が旧車になっていく場面に直面しながら徐々に旧車屋に転換。 今やレストアを行うまでに。 Z32はここからさらに旧車になっていくが、現状の課題や期待から、10年後の当店の未来を予想してみた。 実際は、まったく予想がつかないのというが本音ではあるけれど…。 ■お客様の高齢化が進み、Z-oneの店舗は憩いの場に!? お客様の平均年齢は年々高齢化し、60代の方が増えるでしょう。 話す内容は、親御さんの介護、自身の老後や健康、お孫さんのことで持ち切り。 皆さんの憩いの場になっていると思われます。 ■国内Z32の聖地として海外でも話題に! 国内Z32聖地として確固たる地位を確立! Z32を日本一大事にするお店として、海外からも注目されるショップになるでしょう。 海外も視野に入れた業務展開も始めているかもしれません。 ■中古純正部品や部品取り車のストックは日本一に! 純正部品の製廃が進み、全国的に修理難民の方が増えていくでしょう。 修理をするために、純正部品は必須です。中古純正部品や部品取り車のストック数は日本一となり、どんな修理も対応していると思われます。 ■自社部品製作も積極的に 修理には中古で対応できるものもありますが、どうしても新品を使いたいこともあります。 そのため、自社での部品製作も積極的に行う必要があります。 多種多様な部品のラインナップが増えていると思われます。 ■整備同時進行可能な巨大工場に! 今後、さらに旧車化が進み、修理内容は多岐に渡るでしょう。 長期修理も増えます。 そのためには、整備場所の確保が必須です。 巨大工場で効率的に整備を同時進行させていると思われます。 理想はエアコン完備。 ■自社板金工場完備に! 外装の劣化に伴い、オールペンも増えるでしょう。 綺麗に乗りたいニーズはいつでもあります。 外注を使わず自社板金工場を完備し、一貫した整備・作業を行っていると思われます。 ■販売車輛のほとんどがレストア車に! 10年後となれば40年落ちの車もあるわけです。 最終型でも30年落ちに。 販売する車輛は、ベースから仕上げて売るしかないでしょう。 ほとんどがレストア車になっていると思われます、一体いくらで売ることになるのだろう? ■出張査定・買取り全国に! さまざまな事情により売却される方も増えるでしょう。 大事に乗ってきたからこそ「近くの買取店よりも専門店に売りたい」と、全国から査定・買取の依頼は増えます。 北は北海道から、南は沖縄まで出向いていると思われます。 ■スタッフは10人に! 業務も多様化し、分担制が必要になるでしょう。 さまざまなご相談やご要望に対応すべく、フロント・整備・板金塗装・部品管理・出張買取り…。 それぞれに精通したスタッフが最低でも10人はいると思われます。 ■最終目標のショップさんは! 未来を予想すると、既にそれに近いショップさんがあります。 R31 HOUSEさん、カーショップフレンドさん、アイスタイリングさん、エム・テック・サージョンさん、チューブガレージさん、イソマサオートさんなど。 ほぼ一車種の専門店さんです。 その領域に達するにはまだまだですが、必ず頑張ってみせます。 ■私はいつまでも現役です! 未来の私は容易に想像がつきます。 今と変わらず、整備以外のことをやっているでしょう。 接客応対、電話・メール応対、出張買取り、ご納車前の洗車、店舗の掃除や草取りの雑用など。 もちろん、季節を感じながらの早朝ドライブ&写真撮影は日課です。 Z32に人生を捧げ、年中無休で働いていると思われます(笑)。 ■これまでのエピソード お調子者営業マンだった私が、Z32専門店を立ち上げるまでhttps://www.qsha-oh.com/historia/article/z32-omura-vol1/ お調子者営業マンだった私が、Z32専門店を立ち上げるまで[エピソード2]https://www.qsha-oh.com/historia/article/z32-omura-vol2/ お調子者営業マンだった私が、Z32専門店を立ち上げるまで[エピソード3]https://www.qsha-oh.com/historia/article/z32-omura-vol3/ [ライター・撮影/小村英樹(Zone代表)]  

プライスレス?犬&猫ちゃんの生涯飼育費と旧車の維持費を比較してみた
ライフスタイル 2022.10.28

プライスレス?犬&猫ちゃんの生涯飼育費と旧車の維持費を比較してみた

こちらを読んでいる皆さんの中には、ワンちゃんや猫ちゃんを飼っている人がいると思います。 ワンちゃん、猫ちゃんと暮らすのは、なにかと手間ひま、そしてお金がかかるもの。 けれどお金では買うことのできない、かけがえのない時間と思い出、そして「モフモフのぬくもり」を提供してくれます。 そして旧車を趣味にする私たちは、クルマが楽しい時間や、多くの思い出を提供してくれることを知っています。 旧車に乗り、同時にワンちゃんや猫ちゃんを飼っている人は、感触として両者の存在が近いことを知っているのではないでしょうか。 そこで今回はワンちゃん、猫ちゃんの生涯飼育費と旧車の維持費を比較してみました。 ペットを飼い、旧車の購入に踏み切れない人。 あるいは旧車を所有し、ペットのお迎えに踏み切れない人の参考になればと思います。 ワンちゃん、猫ちゃんの生涯飼育費は、一般社団法人ペットフード協会の実施した【令和3年(2021年)全国犬猫飼育実態調査】を。 旧車の維持費は、僭越ながら私の所有するシルビア(1999年)の実データを参考にしました。 余談ですが、調査年のワンちゃんの推計飼育数は710万6000頭、平均寿命14.65歳。 猫ちゃんの推計飼育数は894万6000頭(外飼いは含まず)で、完全屋内飼いの場合の平均寿命は16.22歳、外に出入りする場合は13.75歳だそう。 ■ワンちゃん、猫ちゃんの値段は数万円~1000万円以上 ワンちゃんや猫ちゃんの値段はそれぞれ。 ペットショップで販売されているワンちゃん、猫ちゃんの値段は、同じ品種でも毛色や体型、顔立ち、健康状態、年齢、血統により異なります。 両親がコンクールで受賞していると、子供たちのお値段はグンと高くなります。 希少な品種といった条件と合わさると、1000万円を超えることも珍しくありません。 里親として保護団体や愛護団体から譲り受ける場合も、多くの場合、無料ではありません。 ワクチン接種代ほかで、数万~10万円ほど必要になります。 このあたりは、かつて新車時に同じ年代で同じ価格帯だったクルマも、旧車になると人気やコンディション、フルオリジナルか否かで値段が大きく変わるのを想像すると、分かりやすいのではないでしょうか。 知人や友人から譲り受ける場合も、登録に必要な費用や初期整備費がかかるのも似ていますね。 ■ワンちゃんの生涯飼育費は、およそ410万円。猫ちゃんは340万円! まずワンちゃんの生涯飼育費です。 ペットフード協会の調べでは、一ヶ月あたりの支出総額は13,843円。 ただマンションやアパートといったペット可物件に住まう場合、家賃に5,000~10,000円ほどプラスされます。 上記の支出総額にはこちらが含まれていないようなので、分かりやすく20,000円を支出総額として扱います。 敷金か礼金も一ヶ月分、プラスされることが多いのですが、こちらは割愛します。 次にワンちゃんの平均寿命は14.65歳なので、四捨五入して15歳として扱います。 20,000円×12ヶ月×15年=360万円。 また上記の支出総額には、ワンちゃんの最後の医療費が含まれていません。 ご存じとは思いますが、ペットの医療費は保険適用外。 症状が酷く、酸素室での集中医療が必要になると、1日の入院で10万円以上の医療費がかかります。 最終的な判断は飼い主が行いますが、この最後の医療費で新車を購入できるほどの額を支払う人もいます。 ここでは最後の入院、プラス葬儀代で50万円とします。 ワンちゃん一頭が一生涯にかかる費用は(ワンちゃん自身の値段を別にして)410万円になりました。 猫ちゃんの場合、室内飼いの子の平均寿命は16.22歳なので、16歳とします。 ペットフード協会の調べでは、猫ちゃんの一ヶ月あたりの支出総額は8,460円。 ペット可物件の家賃を考慮し15,000円とします。 15,000円×12ヶ月×16年=288万円。こちらに最後の医療費と葬儀代の50万円を足します。 猫ちゃん一頭が一生涯にかかる費用は(自身の値段を別にして)338万円になりました。 ■20年超えのシルビアの維持費は、年におよそ40万円 旧車と呼ぶにはおこがましいですが、私のシルビアにかかっている維持費です。 まず自動車保険に毎月5,000円。駐車場代で毎月15,000円。 半年に一度のオイル交換が5,000円。 一年にかかっている整備、修理費が3万円。 2年に一度の車検で25万円(タイヤ代込み)と、いったところでしょうか。 計算式はややこしいので割愛しますが、年に40万5千円かかっていま……はぁ!? 40万円以上!? 自分で計算してみて、その高額さに驚かされます。 割合として半分近くは駐車場代なので、駐車スペースのある持ち家に住んでいれば、もっと抑えられるはずです。 ■旧車趣味人とペットの飼い主は、本質的には似たもの同士! ワンちゃん、猫ちゃんの生涯飼育費は、旧車の維持費9~10年分に相当することが分かりました。 もちろんワンちゃんや猫ちゃんの飼育環境や、旧車の維持環境により大きく異なるので、参考額として考えてください。 これを高いとみるか、安いとみるかは、ペットの飼い主目線、あるいは旧車オーナーの目線でみるかで異なると思います。 決して安くはない飼育費と維持費。 ペットやクルマに興味のない人からすれば「もったいない無駄遣い」とみえるでしょう。 冒頭でも記しましたが、私たちは旧車やクルマの持つ魅力や価値、人生に与えてくれる潤いを知っています。 それは飼い主がペットに抱く魅力や価値、潤いと同じもの。理解はできなくても、せめて「人でないはない存在に愛情を注ぐ者」同士として尊重してくれると、ペットとクルマの両方を愛する一人として、とても嬉しく思います。 [画像/Adobe Stock ライター・カメラ/糸井賢一]  

車整備歴20余年の経験者が思う、旧車オーナーが初めて工具を購入する際の注意点とは?
ライフスタイル 2022.10.24

車整備歴20余年の経験者が思う、旧車オーナーが初めて工具を購入する際の注意点とは?

旧車オーナーにとって、クルマへの愛情が深くなれば深くなるほど、自身の愛車のメンテナンスに興味を持つことはないであろうか? 詳しい知識はなくとも、できる部分は自身の手でやってみたいと考えているオーナーは決して少なくないと思う。 クルマのメンテナンスを行うためには当然工具が必要なる。 クルマのみならず、機械いじりなど一度も行ったことがないオーナーにとっては、数ある工具の中からどれを選べば良いのか、まったくもって見当もつかないだろう。 今回は、ポンコツ愛好家の私・クマダが、かれこれ20余年の経験を持って、メンテナンスデビューしたいビギナー(初心者)に向けて、なるべく簡単にアドバイスをしたいと思う。 ▲ 雑然とした筆者のツールチェストの内部。安価なショボ工(しょぼい工具)から高額なスナップ・オンまで幅広いラインアップ!?※私クマダはYouTubeでポンコツ再生動画を公開しております。ぜひ動画もご覧ください。チャンネル登録お待ちしております! https://t.co/jshezU8Be0) ■ホームセンターで販売されている工具が、必ずしもクルマの整備に向いているとは限らない ▲すでに購入から20数年が経過したPBボーマンのドライバー。 良い工具は長持ちするうえ、使い込めば使い込むほど愛着がわき、やがて一生モノとなる。 ご存じの通り、昨今DIYがブームとなっている。 ホームセンターの工具コーナーの品揃えも本格的なものとなりつつあるようだ もはや、プロ志向の品揃えとなっているといっても過言ではないことだろう。 おそらく多くのビギナーが、自身で最初に手にする工具をこのホームセンターで検討されると思うが、購入については少し踏みとどまっていただきたい。 それはなぜか? 私クマダは経験上、ホームセンターで販売されている工具が、必ずしもクルマの整備に向いているとは限らないと考えているからだ。 そもそもホームセンターで販売されている工具は、自動車整備のみならず、建築や工業機械など、その他の用途も含めた目的で製造されたものが多い。 これらはたいがいにして肉厚で強固、かつ重量があるため、クルマのエンジンルーム内など、細かく入り組んだ部分での作業がしづらかったりする。 また、くれぐれも多数の工具が一つのケースに入った一見お得そうなツールセットなるものにはくれぐれも注意してほしい。 安価品は全体的に繊細さに欠ける印象のものが多いが、印象のみならず、実際に精度も悪かったりする。 そもそもしっかりと対象物にかみ合わないのだ。 例えば、錆びてただでさえ緩みづらくなっている旧車のボルトやナットに大きなトルクをかけて使用した場合、いとも簡単に頭をなめてしまう可能性がある。 これは作業をする者の腕がいいとか悪いとかの問題ではない。 場合によっては、大きなトルクをかけて使用した際に突然破損し、ケガの原因になることすらあるのだ(筆者は経験済み)。 ■クルマの工具はやはり専門店がおススメ!工具を実際に手に取って選ぼう ▲ 新卒でディーラーの整備士になったが、支給工具は最低限のもので、当然満足のいくものではなかった。先輩に借りるわけにもいかないので、毎月毎月少しずつ工具を買い足していった。これらは20年経った今もしっかり使えている。 それでは、いったいどこで工具を購入すればよいのか? それはやはり、自動車整備用の工具を専門に取り扱った店舗一択となるであろう。 ネットではなく店舗で購入するメリットは、実際に工具を手に取り感触を確かめられる点である。 また忘れてはいけないのが、工具店での経験を積んだスタッフからの直接のアドバイスはたいへん貴重だ。 こういったリアルな体験はネットショッピングではまず不可能といっていいだろう。 ぜひ店舗に直接足を運んで工具を自分自身で選んでほしい。 例を挙げると、早回しに必要なラチェットハンドルひとつとっても種類はさまざまだ。 ハンドルの太さや長さ、そして重さ、ラチェットの歯数や空転時の軽さ、ソケットツールのクイックリリースボタンの有無や押しやすさ・・・。 さらにはクロームの仕上げ方法による握ったときの滑り具合などなど、チェックポイントは多数ある。 そして何よりも、高価なブランド工具と、同機能の安価な工具との違いもここで確かめるといいかもしれない。 なお、最初から数多くの工具を購入する必要はない。 まずはじめに揃えておきたい工具の具体的な内容は次の項で述べるが、使用頻度の高い基本的な工具はしっかりとしたブランド・品質のもので購入したい。 あとは、追々、自身の作業内容やレベルに応じて買い足しすることをおススメする。 必要性を感じてから工具を買い足すことで、無駄なく工具を揃えられるのと同時に、いま手元にある工具の使い方に工夫を凝らすことで、メンテナンスの腕の向上にもつながることであろう。 工具があることにありがたみを感じる瞬間でもある。 ■ビギナーが最初に選ぶべき基本的な工具を、具体的に挙げてみる ▲ 文中に挙げた最低限の基本的な工具。これらを車載工具として携行できるとさらに頼もしい。 筆者が、メンテナンスのビギナーがとりあえず最初に揃えると良いと思う工具は以下の通りだ。 ●コンビネーションレンチ(片側がスパナ、もう片側がメガネレンチになった工具)●3/8sqソケットレンチとラチェットハンドル(8/10/12/13/14/17/19mm)●欲をいえば、1/4sqのソケットレンチとラチェットハンドル(8/10/12/13mm)●エクステンションバー(3/8sq・1/4sqともに長さで2~3種類)●プラスドライバー(1/2/3号)●マイナスドライバー(3/4/5号)●長めのヘックス(六角)棒レンチ(片側がボール型になっているものが良い)●ノズルプライヤー(ラジオペンチ)●カッティングプライヤー(ニッパー)●ウォーターポンププライヤー●1/2sq スピンナーハンドル などなど・・・ とはいえ、ビギナーにとってこれらを最初からそれなりのブランドの工具で購入するとなると、予算のことなど、とても勇気が必要になるだろう。 ただ安心してほしい。 ここ十数年で状況はとても良い方向に好転していからだ。 旧来の工具専門店というと、敷居が高く、その道のプロでないと入りづらそうな雰囲気の店が多かった。 しかし昨今では、プロのみならず、個人のユーザー向けに全国展開をしている工具店が複数存在している。 アストロプロダクツや、ストレート、ファクトリーギアなどである。 インターネットで検索すれば、きっとあなたの身近な場所に店舗が見つかるはずだ。 とりあえずこういった工具店では、ショップのオリジナルブランドではあるが、安価でありながらも、品質的にはなんとか及第点となる工具セットが販売されている。 筆者の本音は、それなりに名の通ったメーカーの工具で揃えていただきたいが、セットの内容を吟味したうえで、これらを購入するのも選択肢のひとつだと思う。 これらの工具セットは、コンパクトで仕上げの良いツールボックスに入って販売されていることが多いので、後々ステップアップした後も車載工具として使用することもできる。 ■スナップ・オンだけが工具ではない。さまざまな工具を手に取り吟味して選ぼう ▲「安くて良いもの」は存在しない。しかし、「安い割にはまぁまぁ良いもの」は間違いなく存在する。ただ、それを見極めるのが難しい・・・。 熟練したメカニックの中には、スナップ・オンをはじめとするブランド工具以外は認めないといった風潮があることも事実だ。 彼らはボルト一本を締める行為一つに強い責任感を持ち、情熱を燃やしている。 先述の通り、安価な工具は精度が悪く、ボルトやナットの角に傷を入れることが多い。 当然の意見であろう。 ただ「ブランド工具」といっても、自動車整備の世界には様々な工具メーカーが存在し、各々個性的な特徴を持ち合わせている。 例えば、高額なブランド工具の代表格、米国メーカーのスナップ・オンのレンチはミラーツールとよばれるクロームメッキ仕上げが特徴で、その美しい外観から使用せずに収集するコレクターが存在する。 しかし反対に欧州では手に持っても滑りにくいザラザラとした梨地仕上げのレンチが好まれる。 ハゼットや、スタビレーの柔軟にしなるレンチがこれに該当する。 PBボーマンのドライバーは、オイルまみれの手で握っても不思議とすべらないグリップをもつ。 国産メーカーでは、定番中の定番であるKTC(京都機械工具)、とても精度の高いソケットツールに定評があるコーケン(山下工業研究所)が挙げられる。 また、機械工具の武骨なイメージだったが、ここ数年で自動車整備向けの工具に力を入れてきたTONE(筆者はラチェットギアレンチや、ストレートメガネレンチを愛用)などなど・・・。 いくつか工具メーカーを挙げたが、これらは、どこのOEMで生産されたか分からない各工具専門店のオリジナルブランド品に比べれば、倍くらいの値段がする。 しかし、これらの製品は、スナップ・オンに比べればとてもリーズナブルだ。 仕様の用途や頻度も含め検討するとよい。 なお、ちゃんとした工具は壊れにくい。 それこそ、良い工具を選べば一生モノとなる。 しかし、工具の世界には「安くて良いもの」は存在しない。 やはり「良いものは高い」のだ。 ただ、「安い割にはまぁまぁ良いもの」は間違いなく存在する。 前述したとおり、工具は手に取ってよく吟味したうえで選んでいただきたい。 納得のいく工具選びを繰り返せば、あなたもいつかエキスパートになれることだろう。 今回は、初めての工具選びについてかんたんに執筆させていただいたが、機会があれば、旧車を維持するにあたって、より実践的な工具の選択方法やケミカルについても案内していこうと思う。 次回を期待して待っていてほしい。 [YouTube]BEARMAN's チャンネルhttps://www.youtube.com/channel/UCTSqWZgEnLSfT8Lvl923p1g [ライター・撮影/クマダトシロー]

お調子者営業マンだった私が、Z32専門店を立ち上げるまで[エピソード3]
ライフスタイル 2022.10.19

お調子者営業マンだった私が、Z32専門店を立ち上げるまで[エピソード3]

新生Z32専門店は、しだいに旧車屋へ! [前回までのあらずじ]今から25年前の1997年、平成9年に中古車販売店の営業の仕事をスタートした筆者。 雇われ店長で、70スープラ専門店からZ32専門店へ転換。 紆余曲折を経て、有名店にまで昇りつめたものの、燃え尽き症候群に陥る。 ノルマや数字に追われる仕事からも逃れたいと思っていたところ、まさかの会社消失。 10年間走り続けてきた道がいきなりなくなった。 今までのお客様のためにも独立しかないと決意し、新たな道を作るべく「新生Z32専門店」を立ち上げることに。 たくさんの方に応援、ご協力いただいたご恩は一生忘れないだろう。 ついて来てくれたスタッフにも感謝です。 ■前の会社の延長でいけるはずもなく、前途多難のスタートに 前の会社が消失してから間を開けてはダメだと思い、急遽土地を借りて、1ヶ月後の2007年1月に新店舗をスタートさせました。 ショップ名は、「Zが一番!」という思いを込めて「Zone」(ゼットワン)にしました。 何とかお店らしい雰囲気になり、順調なスタートが切れるはずが・・・。 前の会社が負債を残して辞めてしまったので、そこにいた私は周りからそっぽを向かれ、四面楚歌状態に陥ったのです。 誰からも取引きしてもらえず、ローンも取り扱えない、部品の仕入れもできない、オリジナルパーツも作れない・・・。 いきなり大きな壁にぶち当たりましたが、悩んでいる時間はありません。 お取引きしていただきたい会社に、土下座して回りました。 輪をかけて、この頃からスポーツカーの人気に陰りが出はじめてきたので、先行きが不安な前途多難なスタートとなったのです。 もちろんZ32一車種ではやっていけるわけがなく、Z33も扱っていましたし、それ以降のフェアレディZも扱う予定でした。 その証拠が、当時の看板です。「FAIRLADY Z PRO SHOP」 と、Z32だけに拘っていません。 ■お店のスタイルを変化させるのが怖かった 当時、筆者は前のお店のスタイルを引き継いではじめるのがベストだと思っていました。 中古車販売ありきで、車検やメンテナンスは安く。 デモカーは前の会社の社長に退職金替わりにいただいたので、この点はラッキーでした。 今までのお客様に安心感を与えるため、前のお店と変わらない雰囲気を作ることが大事だと思い込んでいたのです。 ところが「新生Z32専門店」と謳ったものの、何の進化もなく、新鮮味もなく、惰性ではじめたような旧態依然としたお店です。 新たなお客様から見たとき、まったく魅力はなかったでしょう。 しかも、スポーツカーはますます人気が落ちて、売却の相談に溢れました。 整備は、タイミングベルト交換以外、お金をかけてメンテナンスする方も少なったかなと思います。 その結果、クルマの程度もみるみる落ちていったのです。 『Z32の価値を上げるのが専門店の役目ではないか!』 このままで良いわけはない! 頭では理解していても、お店のスタイルを変えることに恐怖を覚えました。 ■このままではZ32がなくなる。自分が何とかしなければ! そうこうしているうちに「純正部品の製廃」が出てきました。 メーカーが古いクルマの部品をなくしてきたのです。 このとき、Z32が旧車になってきたことを実感しました。 新車エコカー補助金で下取りに入れたクルマは廃車され、海外にも流されはじめます。 「このままでは、Z32が国内からなくなってしまう・・・」という危機感を覚えました。 すぐにでも何とかしなければ!! 「Z32を国内で遺すために必要なことは、オーナー様に大事に乗ってもらうことだ!」 こうして文字にすると簡単に映りますが、実際には奥が深いです。 そこで、下記の取り組みをはじめたのです。 ・Z33~をやめてZ32に全集中、一球入魂です。私たちの気持ちがぶれないようにする・クルマを良くするために、オーナー様のやりたいことに合わせた仕事ではなく、私たちがやりたい仕事をする・クルマを短命するチューニングや改造は行わない・内外装の見直しよりも、機関系の見直しを優先して勧める・まだ旧車だと思っていないオーナー様の意識改革を行う・故障してからの修理ではなく、部品があるうちに予防整備を勧める・純正部品をメーカーにオーダーし続け、製廃阻止活動を励行する・機能単位のリフレッシュメニューを勧めて、安心して長く乗っていけるクルマを増やす・大事に乗っていただける方を見極めてクルマを販売する。販売条件は、遠くても当店でメンテナンスしていただくこと 上記を全スタッフが志を一つにして全力で取り組むことで、仕事への取り組みや、やり方が変わってきました ■Z32を後世に遺すために、旧車屋さんに変身! 約10年前から少しずつお店のスタイルが変わってきました。 私たちのポリシーやスタンスに賛同してくださる方が増えて、全国から車輛のご購入、リフレッシュやレストアのご相談をいただくようになりました。 Z32を大事に長く乗りたい方が、潜在的にたくさんいらっしゃったのです。 すぐに整備環境を拡充し、できる限りことを自社で対応できるようにしました。 部品庫に部品をストックしたり、ないものを作ったり、綺麗に仕上がる方法を考えたりと。 外注先も意思疎通できる一流のプロフェッショナルに変えていきました。 こうして、やっと理想の専門店になったわけですが、行きついた先は「旧車屋」でした。 継続は力なりです。 普通の中古車屋さんが、いつの間にか旧車屋さんになったケースは多いと思いますが、私たちもその一社といえます。 その後、雑誌の取材を受けたり、旧車イベントにも出展するようになり、しだいに「旧車屋」が定着してきました。 今は、名車Z32を後世に遺すことが私共の使命と思い、人生をかけて取り組んでおります。 いつまでやっていけるかを考えず「行きつくところまで進んでいく」覚悟で日々、業務に邁進しています。 (これまでのエピソード)お調子者営業マンだった私が、Z32専門店を立ち上げるまでhttps://www.qsha-oh.com/historia/article/z32-omura-vol1/ お調子者営業マンだった私が、Z32専門店を立ち上げるまで[エピソード2]https://www.qsha-oh.com/historia/article/z32-omura-vol2/ [ライター・撮影/小村英樹(Zone代表)]

日本アルミ弁当箱協会会長「アルミ弁当箱図鑑 厳選50 」出版への道
ライフスタイル 2022.10.17

日本アルミ弁当箱協会会長「アルミ弁当箱図鑑 厳選50 」出版への道

■番外編 ~アルミ弁当箱図鑑 厳選50 出版への道~ どうも!「日本アルミ弁当箱協会」会長のマツド・デラックスでございます。 「旧車王ヒストリア」連載ですが、今回は番外編をお送りいたします。 「アルミ弁当箱図鑑 厳選50 ーマニア編ー 出版への道」を語らせていただきます! ■「アルミ弁当箱図鑑」という発想 まず、この「アルミ弁当箱図鑑 厳選50 ーマニア編ー」を作りたいと思ったきっかけからお話ししていきます。 そこは遡ること3年前、今回出版させていただく編集部の編集長さまとの久しぶりの再会からはじまりました。 以前はファッション系(男性)の雑誌を作られていて、そこで記事を書かせていただいていたのですが、私が車系のライターに方向転換し、疎遠に・・・。 久しぶりにお会いすると、本の出版を数多く手がけており「どうだい?本作るか?」という軽い問いかけに、瞬時に「図鑑を作りたいです!アルミ弁当箱の!」と答えたのです。 ■しかし簡単には・・・・ ところが、ここから発売まで3年という年月を費やすことに。 簡単にはいかなかったのです。 それはなぜか?それは私が「オタク」寄りの出版物を出したかったからです。 しかし、ヴァンタスさんの出版物は正統派のものが多く、私の構想と大きくかけ離れてしまいました。 私は、出版は諦め、コレクターとしてアルミ弁当箱を極めたいと収集に全力を尽くしていくと、少しずつ展示のチャンスをいただき、ついにはトークショーを開催するまでになったのです! そこで取材やメディアへの露出のおかげで、再度出版のチャンスをいただくことになったのです。 この期間が3年でした。 ■苦労は続くよどこまでも! しかしこれですべてOKとはならないのです。 アルミ弁当箱会社へアルミ弁当箱の使用許諾をとりたかったからです。 そこで「日本軽金属協会」さまに問い合わせ、私の所有しているアルミ弁当箱会社を調べていただきました。 なんと、その結果・・・99%のアルミ弁当会社が「吸収合併」「部門消滅」「倒産」「廃業」「不明」という結果でした。 そして、1社だけ現存していたアルミ弁当箱会社「大一アルミニウム」さんにたどり着いたのです。 70年間アルミ弁当箱を作り続けている会社に訪問させていただき、アルミ弁当箱の衰退期のお話から当時の繁忙期のエピソードまで教えていただくことができました。 ■そしてついに出版!まさかのYAHOO!のトップ記事に! そんな四苦八苦の道のりを経て「アルミ弁当箱図鑑 厳選50 ーマニア編ー」はできあがったのです! そして取材していただいた「集英社オンライン」さまの記事が掲載されると奇跡が起きました。 まさかのYAHOO!のトップ記事で紹介されたのです。 なんとコメント数が600近くも! なおかつ、コメントは温かいものが大多数を占めていました。 感動しました。 6年間という長い道のりではありましたが、ここまでこられたのは、私に愛想を尽かさず応援し続けていただいた皆様のお陰です。 病気などもあり、諦めかけていたこともアルミ弁当箱への「愛情」を持ち続けることでここまでこれたのだと思っております。 最後の目標としてはアルミ弁当箱ミュージアム設立まで走り続けたいと思っております! 改めて皆様ありがとうございます!そして9月17日発売の「アルミ弁当箱図鑑」をよろしくお願いいたします! オールカラーの100ページに様々なジャンルのアルミ弁当箱を詰め込んでおります。是非、読んでいただければありがたいです!よろしくお願いいたします。 ◎アルミ弁当箱図鑑 厳選50 ーマニア編ー マツドデラックスコレクション (ヴァンタス) | マツド・デラックス  https://www.amazon.co.jp/dp/4907061471 ■今回の斜めから見た旧車~「日産スカイライン(1968年)」 さてまたまたやって来ましたこのコーナーは、本当に無理矢理アルミ弁当箱からの「斜め」から見た旧車コーナーです。 今回は「スカイライン」です。 ではなぜ今回「スカイライン」なのか? それには今回のアルミ弁当箱図鑑のなかで私が語っていた「愛情」が関係しています。 お察しのとおり今回は「キャッチコピー」からの旧車です。 そう私のアルミ弁当箱への「愛」と「愛のスカイライン」をつなげてみました。 イメージ的には「ケンメリ」の方が「愛のスカイライン」のイメージが強い方も多いかもしれません。 実は意外にも(ファンは知ってます!と突っ込まれるかも)「ハコスカ」からのキャッチコピーだったのですね! スカイラインに限らず自分の車は「愛車」。 そして、コレクション等も「愛」があってのこと。 これからもアルミ弁当箱にも旧車にも「ゆる~く」愛情を注ぎながら、旧車を紹介していきますのでよろしくお願いいたします。 [画像・日産/撮影&ライター・マツド・デラックス(山本圭亮)]  

日本アルミ弁当箱協会会長の「ちょっと斜めから見た旧車たち」Vol.4
ライフスタイル 2022.10.17

日本アルミ弁当箱協会会長の「ちょっと斜めから見た旧車たち」Vol.4

■第4回 ~アルミ弁当箱と旧車の意外な関係~ どうも!「日本アルミ弁当箱協会」会長のマツド・デラックスでございます。 今回からは「アルミ弁当箱と旧車の意外な関係」を語っていきたいと思います。 ■アルミ弁当箱全盛期はクルマ社会の全盛期でもあった このタイトル。旧車王の記事としては逆なんでしょうね(編集部注:そのままいきます)。 「クルマ社会の全盛期は、アルミ弁当箱にとっても全盛期」なんでしょう。 しかし、アルミ弁当箱協会の会長としてはあえて逆から行きたいと思います。 ■魔法使いサリー 「え?」と思う方と「なるほど!」と思う方、両極端に分れる作品がこの「魔法使いサリー」です。 1966年(昭和41年)といえば、自動車産業が活発化し、各メーカーが名車と呼ばれる「大衆車」を世に送り込む世代でもありました。 そんな中放映されていた魔法使いサリーも例外ではなく、自動車産業の影響を受けていたのです。 ■実はタイトル変更はあのクルマとは無関係? まず、よく話題になるのは「魔法使いサリー」のタイトルです。 この漫画の最初のタイトルは「魔法使いサニー」だったのは有名な話です。 そしてタイトル変更の理由として流れていた都市伝説は「日産が許可をしなかった」でした。 しかし、どうもこれは間違いで、許可されなかったのは他の会社で商品登録名があったからだそうです。 たしか家電メーカーだったはずで、日産も車種名としてその会社に使用許可をもらっていたそうです。 それが日産の大衆車「サニー」だった、というわけです。 現在車種名として残っていないのも、使用許可年数が過ぎたからという説もあるとのことです。 ■クルマの話題が多かったサリーちゃん そんなことが話題になったかならなかったのかは定かではありませんが、「魔法使いサリー」は「クルマ」にまつわる話題が多かったような気がします。 よっちゃんのお父さんの仕事は個人タクシーの運転者だったり「交通戦争(もう死語かもしれません)」を題材に物語があったり・・・。 極めつけのエピソードとして、主人公のサリーちゃんと弟のカブが「ラリー」に参加するという、実にマニアックな展開のエピソードまであったほどです。 そして、このラリーのエピソードで2人が乗るクルマを魔法で選ぶのですが、サリーちゃんは「私と同じ名前のサリーにするわ」といい、カブは対抗して「カブリカ」を選びます。 もちろん、日産の「サニー」VS トヨタの「パブリカ」というわけ訳です。 当時の制作スタッフも粋なことをするものですね。 ・・・といった具合に、アルミ弁当箱に描かれている作品には意外とクルマに関係する作品があるんです。 というわけで、今回の「斜めから見た旧車たち」は「サニー」と「パブリカ」にスポットを当ててみました! まったく脈絡のないコラムではありますが、旧車王ヒストリアだけでなく「マツドデラックスコレクション アルミ弁当箱図鑑」もよろしくお願いいたします。 ●アルミ弁当箱図鑑 厳選50 ーマニア編ー マツドデラックスコレクション (ヴァンタス) | マツド・デラックス https://www.amazon.co.jp/dp/4907061471 ●日本アルミ弁当箱協会会長「アルミ弁当箱図鑑 厳選50 」出版への道https://www.qsha-oh.com/historia/article/matsudo-bangai-1/ またアルミ弁当箱を並べて欲しい等とご要望のある方も是非お声をかけてください。 ●日本アルミ弁当箱協会ホームページhttps://kyokai.fans.ne.jp/arumibenntou/ ●Twitterhttps://twitter.com/keisuke38922 次回はイベントで10月30日に開催される「ISUZUオーナー集会」に参加、展示予定です。 こちらもぜひよろしくお願いいたします! [撮影/ライター・マツド・デラックス(山本圭亮)]

絶対楽しい旧車ライフ超入門!!その3 旧車を複数所有し使い分けるともっと楽しい
ライフスタイル 2022.10.08

絶対楽しい旧車ライフ超入門!!その3 旧車を複数所有し使い分けるともっと楽しい

■エピソード1:なんとなく始まった旧車複数所有生活 ボクはバランス至上主義の天秤座生まれ。 当然、義務教育とオプション教育の年数バランスにもこだわり(?)、6-3-3-6(最後の6は、1年の休学と留年を含む)という学生生活を送っている。 その最後の年となった1978年、学生時代最後のクルマとして、ふと目が合ってしまった1964年式のボルボ1800Sを購入したのだ。 当時は旧車という概念がなかったけど、「品5」ナンバーだったし、今なら普通に2年車検だけど、当時は11年以上経過すると1年車検だから明らかに旧い。 でもね、カッコイイんだこれが!!  気に入ってブイブイいわせていたけど、流石に北国のクルマ、冬は良いのだろうが、夏の室内は我慢大会の決勝レベル。 そこで借金して、マイカー初のクーラーを付けてもらうことになった。 いやぁ涼しい! こちらの画像はスウェーデン工場生産になって車名が「P1800」から「1800S」になった直後のモデルだ。 翌年春、卒業して某国産車ディーラーに勤めたのだが、ボルボは車検が近いし、エンジンやミッションのマウント劣化が激しく修理費用がかかる。 そんなとき、車検が1年ほど残ってるけど、いらなくなったから乗ってよ、ってなわけでホンダLN360がやってきた。たしか70年式あたりだから約9年落ち。 今の感覚では、まだまだ旧車というにはほど遠い存在だったけど、当時は、10年も経ったらポンコツのオンパレードという時代だったから、一般的な視線では旧いクルマに見えたはずだ。 まぁ、クルマを購入、維持するために必死になってバイトをしていた若造のボクは、あっという間に複数所有が成立して大喜び。 まるでおぼっちゃまになったような気分を味わったものだ。 こちらの画像はLN360のカタログの一部。 都内を走る分には不満のないパワーで、当時一緒に暮らしていたワンコとのドライブを楽しんだ記憶がある。 ただ第一次複数所有時代は、約半年という短期間のうちに終了した。 初任給の段階ではボルボの修理と車検は難しく売却することになったからだ。 LN360も、通勤用にコロナHT2000EFI-SLを入手した際に手放すことになった。 短い時間だったが、目的に応じてクルマを使い分ける喜びや楽しさを実体験できたことは、とても幸運だったと思う。 ■エピソード2:複数所有は楽しさ倍増、ただ…… その後も、一時的に複数所有することもあったサラリーマン時代だが、2台以上が旧車といえるパターンは皆無だった。 多くの場合、複数所有の基本は、好きなクルマと普段使う実用車って構成だから、旧車が好きで所有するなら、当然2台目は普通に快適な現代のクルマとなる。 その常識的複数所有パターンが一気に崩れたのは、独立2年目となる1989年のこと。 当時愛用していた新車で買った趣味兼実用のホンダCR-X Siに加え、今も所有する69年式フェアレディSRLを手に入れたのだ。 そのキッカケは、新車購入のCR-X Siの走行距離である。 起業し、通勤、営業、取材、そしてストレス解消の峠走りと大活躍してくれたのだから、 走行距離がガンガン伸びるのは当然だけど、2年弱で10万キロも走っていたのだ。 そろそろ買い替えを…と勧めてきた営業マンに、過走行だから査定の減点がナンチャラと言われてショックを受け、複数所有で走行距離の分散が必要と考えたわけだ。 冒頭の画像は69年式フェアレディSRL311。 89年に日本に帰ってきた帰国子女で、国内最初のオーナーがボク。 今も溺愛している最愛の個体だ。 まぁ、ここまでは自然な流れだったけど、その直後、事態は急変。 付き合いのあったアメ車屋さんから79年式ポンティアックファイアーバードトランザムが、自動車趣味の仲間から70年式スバル1300Gスポーツが同時期に転がり込んできたから、大きな変化に対応するため走り回った記憶がある。 さらにその半年後には、73年型1303Sと76年型1200LSと、2台のVWビートルまで加わり、一気にひとりと6台の大家族となってしまったわけだ。 予期せぬ出会いから無計画かつ強引な増車……ある意味ボクらしいできごとだった。 もちろん、好きなクルマがいつでも身近にあるのは幸せだったが、当時はバブル真っ盛りで、年中無休24時間営業の超多忙な毎日。 とても楽しむ余裕なんてない。 そこで、楽しむために乗れないなら仕事に使っちゃえぇ!! と割り切り、取材や納品、外注先との打ち合わせなど、あらゆるシーンで遠慮なく活用し、コンディション維持に努めていた。 突如訪れた大家族生活で、コンディション維持走行同様苦労したのが自動車税だった。 当時の税額だと、トランザム1台だけで16万円コースだったから、とてもキツかった。 駐車場確保も大切な責務。 でも、自分の性格上、クルマがドンドン増えそうな予感がしたので、あらかじめ農業用倉庫を借りていたので救われた。 ただ、置き場があっちこっちになるのはねぇ……。 台風なんかがくると、クルマが心配でじっとしていられなくなってしまう。 多くの旧車に囲まれた生活は喜びも絶大だが、心労が絶えないのも事実と知ったのだ。 ■エピソード3:ナンバーは選ばず、偶然あてがわれたナンバーを楽しむ!? ボクはある時期哲学にハマっていた。 特にC.G.ユングの提唱した理論である「共時性」には強く共感したのだが、それは、思念のエネルギーと偶然の事象に「関連」を感じていたからだ。 身近な例では、電話番号の下4桁やクルマのナンバーがそれ。 初めて就職した会社の配属先の電話番号下4桁が「9771」で、結婚して最初に借りたアパートに付けた電話の番号下4桁が「7197」。 転職して京都に移り、初めて買ったマンションの部屋が「519号」で、そのときの電話番号下4桁が「5195」だからシンクロしてるように思えるでしょ。 最近でも、「3867」のクルマを代えたら「3864」になって、それを代えたら「3877」だから、なんとなく偶然の引き寄せ現象を感じちゃう。 さらに、その時期に買い足した1台が強烈だった。 友人であるショップオーナーは、910型ブルーバードのバンだから、ナンバーは910にするだろ? と提案してきた。 しかしボクは、偶然の一致を予感するから指定はしないで、と頼み、自分のメモの隅に、多分ナンバーは「38〇〇」or「〇〇77」?と書いていた。 そうしたら、そのナンバーが「8677」!! 笑っちゃうでしょ。 ショップオーナーも驚いていましたよ(^^) この連鎖は、それが最後になって、その後GETした2台には継承されなかったけど、思念が偶然を引き寄せたようで興味深い。 だからボクは意図せずに回ってきたナンバーとともに歩み、次のシンクロを楽しみにしているのだ。 ■エピソード4:2シーターシンドローム 複数所有のメリットは、使用目的に応じたラインアップを構築できること。 例えばボクの場合なら、 1.フェアレディ2000、2.車中泊も快適なミニバン、3.仕事機材が積みやすく機動性に優れる小型ステーションワゴン4.フォーマルな席にも似合う、重厚なセダン5.お買い物やチョイ乗りのアシ ・・・ってなラインアップなら実に明快だ。 実は、東京から兵庫に転居した時点では、この理想に近い状態だった。 セダンは真っ赤なアルファロメオ75TSだったからチョイとヤンチャ系だったけど、足りないのは小型ステーションワゴンだけ。 ・・・で、探し始めたのだが、ここに割り込んできたのがポルシェ964だった。 ステーションワゴンとはほど遠いし、よりによってRSR仕様に作り上げた2シーター。 もちろん金額も圧倒的に高かったのだが、つい、買っちまったのである。 その頃、中古で購入後5年強乗ったプレサージュに大きな修理が必要となったので、ホンダのシャトル(もちろん中古)に代替え。 さらに、アルファロメオ75TSとアシに使っていたプレオRMも手放すことになり、ラインアップの再構築をしなくてはならなくなった。 そんなとき、ついうっかりヤフオクで「ポチってしまったの」がボクスターだった。 すでに2台のナンバー付き2シーターがあるだけでなく、2台持っていたレース用のフェアレディSRのうち、ノーマルエンジンクラス用の1台にナンバーを付けるプロジェクトも進行中のできごと。 こうして完成してしまったのが、シャトル+2シーター4台というラインアップだ。 こちらの画像は、2シーターが4台揃っちまった頃のボクの所有車両。 ボクスターの奥は、当時、唯一の普通のクルマとして活躍してくれたシャトル。 そこにミニ1300iが加わったので、少しはまともになったけど、2シーターを主体とする多頭飼いの実用性レベルは、チイとばかり低すぎた。 我ながら、なんともマヌケなクルマ選びをしたものである。 現在は、2台のポルシェを手放し、ナンバーを付けたレース用フェアレディは初期型の240Zに変身している。 2シーターは2台に減って、なんとなく実用性が向上したけど、実はこれも一時的。 そろそろ、現在仕上げ中の2シーターが完成しちゃいそうなので、またまたややこしくなりそうだ。 ■エピソード5:多頭飼いを苦しめる任意保険 クルマを運転する以上、事故の可能性はゼロではない。 だから当然のこととして任意保険に加入し、そのリスクに備えることになる。 でもね、この任意保険のシステムは疑問符のオンパレードだ。 例えば、長年無事故を継続して、任意保険で20等級であるドライバーが、初めて複数所有を敢行し、2台目の任意保険に新規加入するとしよう。 そのとき、2台目の特例として、初年度から1ランクアップで7等級から始まるのだが、ここで最初の疑問符が舞い降りてくる。 運転者が契約者本人限定であれば、2台契約しようが5台契約しようが、保険会社が請け負う事故リスクは1台だけの契約と同じはずだからだ。 過去のデータから、車種や地域によってリスクに差があるにせよ、それは保険の基本料率の話であって、等級に差を付ける正当性が理解できない。 この問題を考えると、2番目の疑問符も浮上してくる。 それは、同一個人が何台契約しようが、運転者が契約者本人限定なら、1回の運転で動く車両は1台だけであり、保険会社が背負うリスクも当然1台分だけ。 でも、それぞれの車両に対し、保険契約をしないとならない。 契約者個人は、例えば5台所有の場合、1回の運転時に背負う事故リスクを5台分負担するということになるし、保険会社は1台分のリスクで5台分の保険料収入を得ることにもなる。 運転者はひとりでも、彼の所有する複数のクルマが動き回るというなら話は別だが、これはユーザーが圧倒的に不利となるやり方ではないだろうか。 もちろん、車両保険に関しては個別契約が必要だが、対人、対物、搭乗者など、基本的な自動車保険契約部分に関しては、車両にかけるのではなく、ドライバーにかけるスタイルにするべきだと感じる。 これは、任意保険だけではなく、自賠責保険に関しても同様で、自動運転車両以外は、車両個々ではなく、ドライバーにかけるべき保険と考える。 車種によるリスク変化をカバーしたいのであれば、ドライバー保険としながら、その個人が所有する車両の申告を義務付け、必要に応じた係数をかければ良い。 また、契約しているドライバーが一時的に他車に乗る場合の短期契約もあるとありがたい。 任意保険のシステムが、もっと自由に多頭飼いができるよう改善されたなら、出会ったクルマをもっと気軽に受け入れられるのになぁ、なんて思う今日この頃。 これって、ボクの単なるワガママかな……? [画像/ボルボ 撮影&ライター/島田和也]

お調子者営業マンだった私が、Z32専門店を立ち上げるまで[エピソード2]
ライフスタイル 2022.10.03

お調子者営業マンだった私が、Z32専門店を立ち上げるまで[エピソード2]

今から25年前の1997年、平成9年に中古車販売店の営業の仕事をスタートした筆者。 当時、新人セールスの筆者でも月に10台は売れた時代でした。 しかし、その販売スタイルを一新すべく、強行突破で始めたのが70スープラ専門店。 これは大当たり!だったのですが、トヨタ車は壊れないのでユーザーとの接点が希薄になり、パタリと売れなくなったのです。 そこへ、たまたま下取りで入ってきたのが真っ赤な元年式のフェアレディZ(Z32)。 直観的に「これがおそらくラストチャンスだ!日本一のZ32専門店を作るぞ!」と迷いなく決断し、Z32専門店に転換。 再スタートを切ることとなったのです。 (前回のエピソード)■お調子者営業マンだった私が、Z32専門店を立ち上げるまで https://www.qsha-oh.com/historia/article/z32-omura-vol1/ ■なぜZ32専門店に急転換できたか? 当時、雇われていた会社は、東京と神奈川県に8店舗を展開する創業30年の中堅中古車販売店。 特に神奈川県は他社との競合が激しく、食うか食われるかの激戦区でしたから、早急な店舗作りが求められました。 幸い、その会社は店長会議で報告するだけでお店の方向性を決めることができたのです。 社長は数字には厳しかったですが、若い社員がのびのび働ける環境を提供してくれたのだと思います。 私も、ある一店舗を任せれていたので、そのお陰で思い切った店作りを夢見ることができたのです。 ■まず店構えを一新し!Z32を大量仕入れ!派手に宣伝! Z32専門店をやると決めた以上、とにかく店構えが大事です。 それまでのイメージを一新するため、自分で看板をデザインし、一気に交換しました。 これでもう後に引けません。 車種変更もできません。 逃げ道がないよう、自分で自分を追い込んだのです。 同時に、自ら関東・東海の主要オークション会場に出向き、Z32を買いまくって、展示場全体をZ32で埋め尽くしました。 こうしてあれよあれよという間に、Z32専門店のできあがりです。 ショールーム付きで、ピットも併設された立派なお店になりました。 国道16号沿いで立地も最高。 通りかかりの人が、その圧巻の光景に目を奪われたことでしょう。 当時、宣伝に一番お金をかけたのが、雑誌「カーセンサー」でした。 月に2回、カラー見開き2ページで、掲載料は50万円くらいだったと思います。 まだホームページがない頃ですから、とにかく雑誌に派手に露出することが重要だったのです。 さぁ、これで準備万端!ここまでは順調!後は、売るだけです! ■軌道に乗るまでは、記憶に残らないほどの忙しさ! 当初は2人しかいませんでしたので、とにかく忙しい! 軌道に乗るまでの3年間は、ほぼ不眠不休でした。 人間、意外と頑丈ですね。 当時はまだ30代前半でしたので、気力だけで頑張れました。 ただ、何度とか神経痛になりましたが・・・。 その忙しさといえば、仕入れたクルマをその日のうちに磨き、ピッカピカに仕上げて次の朝には並べる。 フロントガラスには、そのクルマの装備や特長を書いてカラフルなイルミネーションを貼る。 週末の前日は、何時になろうと全車綺麗に洗車する。 カーセンサーの原稿は、30台分を手書きで作る。 売れたクルマは、自分で陸運局まで出向いて登録し、納車準備をする。 時には、遠方へ納車も・・・。 頭を使わず、体を使った仕事が多かったように思います。 不思議なのは、その頃の記憶が殆どないんですよね。 ■売ればクレームの嵐!整備の重要性を痛感! 努力の甲斐あって、売れはじめるのは早かったです。 ところが、ろくすっぽ整備もせずに納車していましたので、いきなりクレームの嵐。 70スープラのときとは大違いです。 70スープラは、ご納車後故障もなく、何の不安もなく売っていましたので。 特に多かったのが、「エンジンが止まる!」「エンジンがかからない!」という致命的なものでした。 「厄介なクルマを始めてしまったなぁ」と、後悔先に立たず。 Z32のウィークポイントも知らずに、いいことだけいって売っていましたので、いきなりしっぺ返しがきました。 どうやら、パワートランジスタという部品がダメらしい。 3万円(今は5万円)と高価でしたが、これだけは事前に交換して納車することにしました。 整備の重要性を感じた瞬間です。 これが、整備にも力を入れるきっかけになったわけです。 その後、専属のメカニックを置くようにして、少しずつ整備体制も整えて行くようになったのです。 ■専門店は目立ったもの勝ち!有名になって有頂天に! しかし、当時はまだカスタムやドレスアップが流行っていた頃。 各メーカーから多種多少の魅力的なパーツがラインナップされていました。 優先すべきは、いかに派手するか、格好良くするかです。 メンテナンスは二の次です。 広告塔のデモカーはどこよりも目を引くように仕上げました。 さらに、・雑誌には一番目立つ広告を!・オリジナルパーツも豊富に用意!・イベントにも出まくる!・メンテナンスはどこよりも安く!・極めつけは、エンジンオイル交換永久無料! 集客率を上げるために、思いつくことはすべてやったのです。 ネットの普及に伴って、ホームページでリアルタイムな情報を提供することも徹底していました。 専門店は目立ったもの勝ち! 他社の追従を許さず、ライバルが現れても、どこ吹く風。 飛ぶ鳥を落とす勢いで、快進撃は続きます。 有名になって完全に有頂天になってしまうのです。 ■転落した専門店を救った東京オートサロンの出展! ところが、私の独りよがりでお店を作ってきたので、他のスタッフが付いてこれるわけがありません。 私以外、Z32好きというわけではありませんでしたので、熱量の差が違いすぎます。 接客も整備もクレームが増えて、ネットで悪評が広がり、それまでの勢いに陰りが出はじめたのです。 いつの間にか、ポツンと裸の王様。名ばかりの専門店になっていました。 さて、どう立て直すか? 起死回生を狙ったのが、東京オートサロンの出展です。 ショップならどこでも憧れるクルマの祭典です。 今までの集大成ともいうべき究極のデモカーを作って出てみようと決意したのです。 これでもかというほどお金をかけました・・・。 結果、大反響をいただき「普通の中古車屋さんが、ついにここまで来たか!」と、成功した実感を味わったのを思い出します。 ■10年間やってきた専門店がいきなり消滅!まさかの独立へ! しかし、その達成感は、燃え尽き症候群の引き金となり、一気に気力が失せたのです。 何とか勢いでここまで来ましたが、その先のビジョンが見えなくなりました。 売上目標や月販30台のノルマや数字のプレッシャーにも潰され、精神的に追い込まれていたので、しだいに辞めたいと思うようになっていたのです。 元々、営業が性に合っていませんでしたし。 そんな中、追い打ちをかける人生最大の転機が訪れました。 雇われていた会社が計画倒産したのです。 今まで築き上げてきたものが、一瞬にして崩れ落ち無職に。 すぐに頭によぎったのは「今までのお客様をないがしろにして逃げるなんてことはできない」という想いでした。 辞めたいと思っていたのがまるでウソのようでした。 解放感と使命感と不安感がブレンドされた今までに味わったことのない独特な気分の中、まさかの事態に戸惑っている暇もなく独立を決意することに。 こうして、10年やってきたZ32専門店は幕を閉じ、新たなステージへと進むことになるのです。 [つづく] [ライター・撮影/小村英樹(Zone代表)]

愛車を連れ大海原の波に揺られて・・・カーフェリー旅のススメ
ライフスタイル 2022.09.21

愛車を連れ大海原の波に揺られて・・・カーフェリー旅のススメ

7月中旬、仕事で北海道へクルマで渡らねばならず、久しぶりにカーフェリーを利用しました。 新潟発小樽行きの新日本海フェリー、あくまで自走派の筆者も、納得の快適かつ効率的に動くことができました。 0泊3日の小樽行き。 「また行きたい」と思わせてくれたカーフェリーの旅の魅力、振り返ってみたいと思います。 ■津軽海峡だけを渡るか、陸路の移動を徹底的に少なくするか? フェリーでの旅、いつ以来でしょうか。 子供の頃に有明埠頭からサマーキャンプで四国まで行ったことがありました。 それ以来かもしれません。 カーフェリーとなると、鹿児島の桜島フェリーや、九州に行くのに四国八幡浜から九州大分、あとはたまたまタイミングが良かったので予定外に静岡の清水から伊豆半島の土肥、伊勢湾フェリーの鳥羽から伊良湖岬などで利用したことも。 どれも「基本は自走するけど、たまには利用してみるか」という「選択の上での利用」でした。 しかし今回の北海道行きは、自動車で行くには「フェリーを利用するしかない」。 いわば不可避も利用となります。 さてどのルートで行こうか? 予定が決まった段階でいろいろと調べました。 青森まで自走して津軽海峡だけをフェリーで渡る方法もあります。 メジャーなのは大洗から苫小牧という航路。 いずれにしても、北海道に入るためには絶対にフェリーに乗らなければなりません。 今回の目的地は小樽。 津軽海峡だけを渡って、函館からとなるとかなり距離もあります。 苫小牧からもそこそこの距離。 自走する距離自体には抵抗はありませんでしたが、走り慣れていないルートで何か傷害が起きた場合のリスクヘッジとそれに付随する時間はあまり攻められないなあという判断が優勢になりました(いつものように前後の予定もものすごく空いていて、気ままに眠くなったら道に停めてお昼寝、という訳にはいかないスケジュールでした)。 いろいろと判断した結果、苫小牧着ではなく小樽にダイレクトに行くことにしました。 そうなると利用するのは「新日本海フェリー」新潟、舞鶴からの直行か、敦賀発秋田経由のルート(新潟か秋田発に決まっているだろと思われるかもしれませんが、前後の予定次第では舞鶴、敦賀発もあながち可能性0ではないので一応確認はしました)。 便が多いのと、発着時間的に正午に出発、早朝着というので新潟発小樽行きが使い勝手が良さそうで、これの予約を取ることにしました。 この最繁忙期ではないにせよ、夏の時期は比較的自動車での旅行者も多い時期。 さらに物流での利用もかなり盛ん。 燃油サーチャージなどもあり、結局筆者が利用した便の運賃は片道84,580円(今回は車両引き取りでしたので、積載車での旅、全長8メートル未満、乗員一名分運賃込)でした。 なお、帰りは往復割引が適用されて、1割引に。 値段を聞いたとき、確かに内心「うげげげ、やっぱりそれなりの値段だなあ」とは思いました。 でも色々試算すると、そうでもないことが分かったのです。 何しろ、新潟港昼発です。 早朝出て行っても、前日の夜出発して途中仮眠を取るにしても余裕です。 乗ったらあとは船に委ねるだけ。 到着は翌朝4時半。 夏の時期ですのでもう明るい時間。 ちょっとウロウロしたりできます。 旅行すると早くても昼過ぎに到着、翌朝も朝食を食べたら少し散策して帰るもよいものです。 その点「ゼロ泊」でも、クルマがあるのですから、下手な1泊2泊程度の旅行よりも密度が高いかもしれませんね。 今回は降りるや否や市内でウニマグロ丼を食べて、一度足を運んでみたい余市(ほぼ隣町)までドライブ。 午前中に引き取りを完了して、博物館を見学。 夕方の船に再び乗って帰ってきました。 ちなみに帰りの船は17時小樽発、新潟翌朝9時半着。 この距離の往復を3日でこなせるのはむしろかなり早いイメージ。 行動としては関西周辺までのスケジュール感に近いですね。 岡山以西ですと、もう1日2日余裕を持っておきたい感じさえします。 ひたすら陸路を船の時間を気にしながら走って、高速代(は場合によっては下道利用で浮かせるにしても)、燃料代だけでも片道3万円では収まりません。 どのみち津軽海峡だけ渡るにしても、このクラス、やはり3万円では乗れません。 その間ゆっくり休めること、その効率と宿代などを考えると、乗船した時点ですでに「経済的優位性」はあると感じたのでした。 道中を楽しみながら、という旅もいいでしょう。 しかし仕事が絡んだ効率的な移動という点でフェリーは相当に長けている! 乗る前から感じることができました。 早朝4時から開いている市場食堂はフェリー客目当て?なのでしょうか。 フェリーから降りたライダー中心に早くも店の周りに集結していました。 朝ごはんから2,400円はちょっとやりすぎたかな?と思いましたが、まあ「入道税」みたいなもの、必要経費ですね。 すっきりとした甘味、濃厚なウニの風味がずっと後まで残ります。 小樽でウニ、芸がないようですが、これは執拗に食べたくなる。 こんな「早起きは三文の得」標準装備な船旅。最高ですね。 ■ぜんぜん遅くない!時速25ノットで「進み続ける」フェリーの速さ フェリーの旅、それは遅く時間がかかるというイメージがあるかもしれません。 私も、イメージで決めつけていましたが、これがそうでもないのです。 もしかすると飛行機の次、新幹線とはどちらが速いか。 ルートや移動の種類によってはそのくらいのスピードがある乗り物です。 船内には通貨ポイントの予定時刻が掲示されています。 積丹半島を回り込む航路ということもあって、秋田沖で新潟からだと三分の一。 全航路の半分ほどが北海道の沖合ということになります。 北海道、相当大きい、40代になってこんなことに驚かされるとはと思いました。 確かに最高速度で比較すれば、自動車も時速100キロほど出ます。 大型トラックでも時速90キロほどで高速道路は移動できます。 フェリーの速度は25ノット(時速約45キロ)です。 これだけを比較するととても遅く感じますが、これは巡航速度、出発したら洋上で停まることなく進み続けるのです。 自動車の移動、振り返ってみると分かりますが、大都市圏ではせいぜい20キロから30キロほどしか1時間で移動できません。 地方の郊外のバイパスなど信号停車や渋滞がない場所では50キロ近く移動できる場合もあります、高速道路なら渋滞がなければもう少し進むこともあるでしょう。 しかし、人間が運転している以上、緊張感を保ち続ける時間には限界があります。 16時間以上もの間時速45キロを維持できるフェリーは相当に早いなあと改めて感心してしまいました。 そしてその間、買い溜めておいた本を読んだり、昼寝をしたり、洋上で風に当たる。 十分に休息を取ることができます。 ロングドライブで、途中で寄り道、以外の価値はフェリーを利用することで大幅にハードルが下がるなと感じたのでした。 洋上からは虹も拝めました。 日本の気候、山が影響していることも少なくなく、陸上は雨でも海上はいい天気ということもあるのでしょう。 もちろん逆も然りですが。 最近ゆっくりと月を見たことなど、いつ以来でしょうか? 狙ったわけではないのですが、この晩は満月。 雲が多かったものの、洋上のお月見も、夏ならではかもしれません。 ■早い時間から「飲まねばならない!」のです クルマ旅とお酒の関係。 好きな方は我慢を強いられることもあるでしょう。 しかしフェリーに乗ったらさっさと明るいうちから飲みましょう。 新日本海フェリー就航地が舞鶴、敦賀、新潟、秋田、小樽。もしかするとお酒好きな方は地名を見ただけでその地の地酒、ワイン、など銘酒の数々に思いを馳せる方もいるのではないでしょうか。 クルマを船に積み込んで出港早々是非とも明るい時間から飲み出したいところです。 むしろ飲むなら早めにというべきかもしれません。 フェリーに乗ったら、どのみち航行中は車両甲板には立ち入ることができません。 ドライバーの人はお酒を我慢する意味がないからです。 目の前には大海原が広がります。明るい時間から飲むお酒はどうして美味しいのでしょうか。さっさと飲み始めましょう。 さっさと飲み始めて早めに休んで、翌朝早くに目的地につきますので、むしろ夜遅くまで飲むのは禁忌です。 ちなみに、ターミナルにも掲示がありますが、クルマをフェリーに積み込むまでは飲酒は禁止です。 オーシャンビューでゆっくりできて(するしかなくて)心身の休息にもなる船旅、しかもその間人間は休めても、しっかり移動できている。 レジャーはもちろんビジネスユース(物流系以外でも)もっと見直されていいと思います。 ■船とシンクロ、洋上の名湯を楽しむ クルマで出かけては、温泉に寄るのも好きな筆者、このフェリーには浴室もあって、この風呂、とても気に入ってしまいました。 温泉でもないですし、水は潤沢にある日本国内の一晩程度の航海が主流ですので造水器(海水から真水を作る機械)もないでしょう。 普通のお風呂ではあるのですが、これがなかなかいいお風呂でした。 高層階にあり、窓からの景色(ひたすら海だけですが)を見ながらの入浴はそれだけで、心や気持ちの淀みも綺麗に洋上で洗い流せてしまうかのうようです。 そして露天風呂もあって、もちろん航行中の船舶の中の浴室、入浴中に海に転落してもいけませんし、洋上かなり風も強いですから、防護するためのガラスの仕切りは設けられていました。 それでも、波の音、洋上の風、そして何より、船に同期していい具合にピッチングするさまなど、フェリーの浴室ならではの醍醐味が存分に楽しめるのでした。 よく温まり、ゆったり寝れば、翌日も早朝からしっかり活動できるでしょう。 ■さっそく「またフェリーに乗りたい」 今回の旅は小樽から引き上げてくるだけの用でしたので、0泊3日ですぐに戻ってきてしまいました。 それでも、1泊2日の予定でもああはいかないかもというくらいの充実さはあったと思います。 自由に動けるのがクルマの魅力ですが、長距離ドライブで疲れてしまっては元も子もありません。 コスト的にも時間的にも自走してそこを走ったのとあまり変わらず、さらフェリーを利用しなければ味わえない船旅ならではの洋上の思い出も楽しめる。 なかなかお得な旅なのではないでしょうか。 ひたすら自分でハンドルを握り、アクセルを踏んで走るのが好きな筆者も、大船に委ね、是非また出かけてみたい、と思わされたカーフェリーの旅でした。 特に道東方面、0泊3日や1泊4日程度でも色々出かけられるのではないか。 こんなことならプライベートでもまた出かけてみたいと思い、さっそく出かける理由何かないか探しているほどです。 幼い頃、伊豆七島や、四国に船旅をしたことがあります。 あのときはもっとうるさく、もっと揺れた記憶があります。 もちろん天候の影響がありますが。 思ったよりずっと静かで快適。 大いにのんびりできるて休息しながら、ガッツリ移動もできている。夜行バスに乗ると思います。 自走して仮眠して目覚めると、寝ている間は止まっているわけですから進んでいません。 しかし、目覚めればバスタ。 運転手さんがいるってなんと素敵なんだと思うのです。 けれどもそれは人間だけしか運べません。 しかしフェリーは、普段「自走のクルマ旅は夜行バスのようにはいかない」と思っているクルマごと運んでくれるのです。 某猫型ロボットの出してくれる「どこでもドア」はたちまち移動できますが味気ないですが、旅情もある。 「フェリー、なんて素敵なんだ!」と思ってしまいました。 現代人に必要なことは、距離に負けない物流と同時に、ものが移動するくらいの時間、日常を振り返り、心静かに過ごす。 大海原の波に揺られて過ごす時間、年に1日かそこらは取らないといけない。 そんな思いになりました。 今普段のアシはS660、軽自動車です。 クルマの大きさに依存するフェリーの料金。 なんのための軽か。 是非ともS660でフェリー旅、出直したいと思いました。 港に着き下船が始まる前。いろんな気持ちで船に乗っているのだと思います。 最近ではこういう少なくなったかもしれませんが「旅情の色々」が集う場所。 車両甲板もまた独特の雰囲気がいいものです。 早々仕事も終わり、帰りのフェリーまでの間、小樽市総合博物館を見学。 北海道の鉄道が充実。 小樽の栄えた時代の移ろい、雪との戦い、現存する最古の機関車など、日本の鉄道史上欠かせない展示が数多く、なかなかの見応え。 風雪と除雪剤などで傷んだボディも生々しい急行型気動車キハ27初め懐かしい車体の数々でした。 往年の北海道の鉄道名車の脇にガレージが設けられ、石原裕次郎記念館から移管されたというロールス・ロイス。 アイアンバンパーが端正なシルバーシャドウⅠ 絶対的に軽くはない車重を支えるためにジャッキアップされていました。 お昼はやはり寿司。 八角の握りは初めての体験。 柔らかくあまりこれ見よがしではない品のいい食感と香り。 鯛などとは違った面白い体験となりました。 早朝出発したその船で夕方本州へ帰ります。 小樽市内に引き取りに行き、余市までドライアブして、小樽市総合博物館を見学して、ダメおしの寿司ランチをしても、まだ余裕ある一日。 幼い頃にスキーで家族旅行に来た時に駆け足で寄って以来の小樽。 実質初めてという今回は十分すぎる満足度でした。 車両の大きさと重量をうまく組み合わせて積み込む様子もなかなか興味深いもの。 今回はサーブ900の引き取りでしたが、帰りは一番最後の乗船案内され、この位置にバックで駐車。 フェリーでのバックでの駐車は初めての体験でした。 [ライター・画像/中込健太郎]

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