映画007シリーズの"James Bond"はアストンマーティン人気の立役者?

目次
1.■クラッシックカー、アストンマーティンの価値は億単位 2.■アストンマーティンの歴史に迫ると... 3.■アストンマーティンの倒産、暗黒時代 4.■やっぱり人気のDream Car アストンマーティン

イギリスで大人気の映画007シリーズ James Bondでは、主人公がいつでもアストンマーティンを運転しています。

1964年初代の007シリーズ『Goldfinger』では、アストンマーティン DB5が使用されました。

それ以降すべての映画に登場しており、アストンマーティンと007は、切っても切れない縁となっています。

映画007は初代より今現在までの60年間、ここイギリスでは常に大人気で、次回作をいつも楽しみにされているほどです。

日本でいうジブリ映画と同じくらい知名度があります。

ある英国民を対象とした「一番好きな憧れのクルマはなんですか?」という質問調査では、アストンマーティンはベスト3でした。

年齢別でみると、中高年の方々から多く支持されているようです。

■クラッシックカー、アストンマーティンの価値は億単位

映画007を観た方はご存じかもしれませんが、主役は外見はもちろんのことながら、いつもスマートでかっこいいですよね。

そんな人をさらにかっこよくするのが、上質で品格のあるアストンマーティンなのです。

1964年製DB5コンバーチブルの値段は、軽く1億ポンドを超えます。

また、初代のジェームズボンドを演じたショーンコネリーは、アストンマーティンを所有していましたが、これをオークションで売却しています。

その値段は2億3千ポンドでした。

また、DB4のオリジナルレプリカが25台のみの限定で製造されましたが、こちらのお値段も2億9千ポンドです。

現在市場に出ている、アストンマーティン中古車の値段を調べてみました。

1964年製DB5は60万ポンド、さらにボディカラーがシルバーバーチの場合は1億ポンド。

シルバーバーチは007映画で使われているボディカラーです。

1963年製DB5ヴァンテージは90万ポンド、1963年製DB5コンバーチブルは1億2千ポンド、1964年製DB5とDB6に使われたクルマのパーツ(リア車軸のみ)は9千ポンドです。

桁が多すぎてクラクラしますね。

すべてのモデルにいえることですが、希少価値がこれらの値段に反映されています。

旧車王バナー旧車王バナー

■アストンマーティンの歴史に迫ると...

アストンマーティンは、1913年に2人のイギリス人エンジニアによって、レース用に作られました。

エンジンと車の土台は、特別かつ質のいいものを使用し、高性能でかつ高速であることで、そのためいくつかのレースでも優勝しています。

ちなみに名前の由来アストン(ASTON)はレース場の地名です。

アストンマーティンは、すべて高級な部品を使用して希少性を保っています。

量より質にこだわり、すべての人のために作られたわけでなく、その性能を知る人のみのためにデザインされ、巧みさを兼ねて作られたクルマです。

贅沢さ、美々、洗練、スタイルなどの表現をされ、これは本来の英国性を反映させているように思われます。

第一次世界大戦後から第二次世界大戦が始まるまでの間の製造台数を見てみると、たったの55台。

また戦後、DBシリーズのみでは、1950年から1972年の22年間で約7000台。

年間平均製造台数はたったの316台です。

■アストンマーティンの倒産、暗黒時代

アストンマーティンは今年で110年を迎えますが、実は現在に至るまで7回もの倒産を繰り返しています。

創業から2021年までの、108年間で製造販売されたクルマの合計数は、約12万台だけです。

ちなみに他社と比べてみると、ホンダは1963年から1億台以上を製造しています。

かなりの違いがわかると思います。

アストンマーティンは美しいレーシングカーと呼ばれ、ル・マンなどのレースでも優勝、または上位で完走していましたが、約400億ポンド以上の損失を作り倒産しています。

その後、何人ものオーナーに買われ続け、現在に至ります。

この倒産を繰り返すなか、DB5がアストンマーティンの利益挽回に貢献しました。

007シリーズの著者でもあるイアン フレーミングは、アストンマーティンのファンだったことから、自身の著書の中でアストンマーティン DB3を登場させています。

しかし、実際の映画『Gold finger』ではDB5かジャガー3.4の選択肢を与えられ、結局、映画プロデューサーはアストンマーティンを選びました。

これは、アストンマーティンが広告目的で映画会社へ35億ポンドを支払ったためです。

そして、このことから一気にアストンマーティン DB5が世に知れわたり、瞬く間に人気となります。

旧車王バナー旧車王バナー

■やっぱり人気のDream Car アストンマーティン

007シリーズでは、DB5の他にもV8ヴァンテージヴォランテ、DBS V12、DBS V10などが登場してきましたが、そのなかで圧倒的に人気なのがやはりDB5で、なんと24本中8本の映画に登場しています。

映画を見るたびに登場するアストンマーティンが英国人の夢のクルマとなり、そこに誰でもが手にすることができない希少さが加わって、人気度は上昇しました。

やはり007シリーズ James Bondは、アストンマーティン人気に影響を与えたといっても過言ではないでしょう。

英国人にアストンマーティンの魅力について聞いてみると、スタイル、そして洗練さと答えます。

また、1世紀を超える歴史をもつことも魅力であり、古いものを大切にする英国人ならではの感性が伺われます。

私からいわせてもらうと、アストンマーティンはスポーツカーでありながら、上品さや気品を感じるのと、フェラーリやポルシェなど他のスポーツカーにはない、なにか伝統的英国らしさというものを感じるのです。

この先の100年も、多くの英国人にとってアストンマーティンはドリームカーであり続けることでしょう。

[ライター・SANAE]

画像1 画像2
画像ギャラリー(全2枚)を見る

旧車王のLINE友だち登録
カンタン査定申し込み!

友だち追加

この記事をシェアする

旧車王ヒストリアは
旧車買取20年以上の旧車王
が運営しています

旧車売るなら旧車王

旧車王は、「自動車文化遺産を次世代へ」という信念のもと、旧車・クラシックカーに特化して24年、年間11,000台以上の査定申込をいただいております。改造車から希少車まで、適正価格を見極めて買取させていただきます。弊社所属の鑑定士が最短当日で全国無料出張査定いたします。ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する二重査定は一切ありません。特別なそして価値ある希少車の買取こそ、確かなノウハウと実績を持つ旧車王にお任せください!

すぐ査定依頼が可能!

旧車王サイトはこちら

まずは車について気軽に相談したい

どんな相談ができるの?

関連する記事

タイレルP34とレイナード93Dが「サンブレフェスタ」にエントリー!手作りの6輪F1タイレルP34を追え!Vol.11

タイレルP34とレイナード93Dが「サンブレフェスタ」にエントリー!手作りの6輪F1タイレルP34を追え!Vol.11

タイレルP34を追え! 2024-07-26
2022年8月にアリスト160系が25年ルール解禁!今後値上がりする?

2022年8月にアリスト160系が25年ルール解禁!今後値上がりする?

旧車市場動向 2024-07-26
アコードのリセールバリューを高めるには2つのポイントが重要!相場とともに解説します

アコードのリセールバリューを高めるには2つのポイントが重要!相場とともに解説します

旧車市場動向 2024-07-26
クルマのコンデンサーが壊れてエアコンが効かない!壊れたときの症状や対応方法を解説

クルマのコンデンサーが壊れてエアコンが効かない!壊れたときの症状や対応方法を解説

旧車メンテナンス 2024-07-26
OEM車とは?意味やメリット・デメリットを解説

OEM車とは?意味やメリット・デメリットを解説

旧車売買の豆知識 2024-07-26
ハイエースの故障は多いのか?よくあるトラブルと気になる修理費用を詳しく解説

ハイエースの故障は多いのか?よくあるトラブルと気になる修理費用を詳しく解説

旧車メンテナンス 2024-07-25
NSXが高リセールの理由とは?高く売るポイントも紹介します

NSXが高リセールの理由とは?高く売るポイントも紹介します

旧車市場動向 2024-07-25
車検証の住所変更でナンバープレートはそのままでOK?手順も紹介

車検証の住所変更でナンバープレートはそのままでOK?手順も紹介

旧車売買の豆知識 2024-07-25

記事ランキング

1
固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

ライフスタイル 2023-09-14
2
車用サンシェードの効果を解説!フロントガラスへの取り付け方や選び方まで

車用サンシェードの効果を解説!フロントガラスへの取り付け方や選び方まで

旧車売買の豆知識 2024-03-04
3
車検ステッカーの貼り付け位置はどこ?間違えた場合の罰則も紹介

車検ステッカーの貼り付け位置はどこ?間違えた場合の罰則も紹介

旧車売買の豆知識 2024-02-02
4
MT車(マニュアル車)の運転方法とは?発進・停止・ギアチェンジ・坂道発進のコツを解説

MT車(マニュアル車)の運転方法とは?発進・停止・ギアチェンジ・坂道発進のコツを解説

旧車売買の豆知識 2024-04-19
5
定年間近のクルマ好きの方から「定年後にポルシェ911を買いたい」と聞かれてマジレスした話

定年間近のクルマ好きの方から「定年後にポルシェ911を買いたい」と聞かれてマジレスした話

ライフスタイル 2024-07-02
6
ナンバープレートから個人情報は特定できる?特定できる情報を解説

ナンバープレートから個人情報は特定できる?特定できる情報を解説

旧車売買の豆知識 2023-10-27
7
車のキュルキュル音は放置しないで!原因と修理料金を解説

車のキュルキュル音は放置しないで!原因と修理料金を解説

旧車メンテナンス 2023-11-10
8
車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

旧車メンテナンス 2023-10-18

カテゴリ一覧

# 旧車コラム # 旧車の魅力 # 旧車売買の豆知識 # 旧車市場動向 # 旧車メンテナンス # エディターズノート # ライタープロフィール # イベントレポート # ライフスタイル # 加藤久美子&博人の見識 # ドイツ現地レポ # ライター愛車レポート # タイレルP34を追え! # オーナーインタビュー # 名車&迷車烈伝 # マツド・デラックスの世界 # 海外現地レポ