目次
醤油、味噌、トンコツ。さらには家系……。
種類(カテゴリー)が多いゆえに味わう楽しさがラーメンにあるように、クルマにもいくつかのカテゴリーがあり、クルマ選びのスタート地点になっていると思う。
例えば「セダンから愛車を選ぼうと思ったけど、ラゲッジの使い勝手を考えるとハッチバックもアリだね……」と。
そんなクルマのカテゴリーには、それぞれ「始まりの存在」があるはず。
カテゴリーの開拓者(パイオニア)たちにスポットをあて、その開拓者の魅力を探りながら、私、柴太郎の独自視点でカテゴリーを形成していった功績や理由(ワケ)にも焦点をあてていきたい。
「短期集中3回シリーズ」でお届けしていきたいが、第1回目のカテゴリーは「SUV」。
そして、その開拓者はトヨタ初代ハリアーだ。
■「SUV」という言葉が浸透する前夜には、確固たる「クロカン」ブームがあった
国産車、輸入車問わず、今をときめくカテゴリーといえば「SUV」だろう。
時代を遡り、1980年代から1990年代にかけて、最低地上高が高く、オフロードに強いヘビーデューティー使用の4WDモデルは一定人気があり、「クロカン」(クロスカントリー)というカテゴリーを形成していた。
スズキジムニーからトヨタランドクルーザーまで、サイズはさまざま。
都会乗りでも人気を集めた「三菱パジェロブーム」(1992年頃)が巻き起こり、また、従来のクロカン・カテゴリーの匂いがあまりしないトヨタRAV4(1994年)やホンダCR-V(1995年)など、シティ派ライトクロカンといえるモデルも次々と誕生。
それらは大ヒットしたが、「新しい何か」や「SUV」という言葉を市場に浸透させるには至らなかった。
旧車王の販売中車輌
🚗入庫速報🚗
コンディション良好なER34スカイラインをお譲りいただきました。右フロントに軽微な歪みがある修復歴こそありますが、走行や安全面への影響はほぼなし。それ以上に魅力が詰まった1台です。
ボディカラーは、あの“ライトニングイエロー”。もちろん純正オリジナル。… pic.twitter.com/tiVAM3FGJ0— ガレージカレント直販センタ (@GC__direct) July 3, 2025
🚗入庫速報🚗
国産快速ワゴンの絶滅危惧種——エボワゴン、入庫です。SUV全盛のいま、“走れるワゴン”を探すならこれ一択。
セダン譲りの低重心とドライビングポジションを持ちながら、
ラゲッジはしっかり広くて実用的。
「速さも快適性も欲しい」——そんな欲張りな大人のための1台です。… pic.twitter.com/L6a6tU9wZX— ガレージカレント直販センタ (@GC__direct) July 3, 2025
■「クロカンのようだが、どこか違う」。1997年、トヨタ初代ハリアーが新たな風を吹かせた
そして1997年。突如としてトヨタが放ったモデルに世間の耳目が集まる。
それが初代「ハリアー」。
それまでのクロカンと、大枠という意味でのカタチは似ているが、丸みを帯びたスタイリッシュなデザイン。
斬新な大径タイヤを履き、オフロードをイメージさせる雰囲気はほぼ皆無。
その外観だけで「クロカンのようだが、どこか違う……」という新たな世界観を感じさせた。
今改めて見ても、リアピラーのデザイン処理は秀逸すぎる、と思う。
また、FFベースでモデルをつくりあげたという発想も、それまでのクロカンモデルとは一線を画している。
頑丈さと耐久性に優れたラダーフレーム構造。
多くのクロカンは、ピックアップやトラックなどに採用されるこのラダーフレームを採用していたが、初代ハリアーはフレームと上屋を一体構造にしたモノコックボディ構造を採用。
オンロード重視のコンセプトは「なんちゃってクロカン」と当時揶揄されたが、今思えば時代をかなり先取っていた戦略であり、この構造の違いが「別物」を生み出したと言っていい。
床から天井までのボディ全体でクルマを構築しているモノコックボディからは乗用車感覚が伝わり、広いキャビンは「まるで高級サルーン!」と例えていいほど。
初代ハリアー。
まさに「新しい何か」が感じられるモデルであり、当時のクルマ好きを振り向かせる存在であった。
■初代のCMキャッチフレーズは「WILD but FORMAL」。猛々しくもスタイリッシュ。それが似合っていた
前項で「まるで高級サルーン!」と述べたが、当時、クルマ好きの仲間たちと初代ハリアーで高速道路を試乗したことがある。
そのモデルのパワーユニットはV6、3Lだったが、走行しながら、「この滑らかな走り味は背の高いクラウンのようだ~!」と興奮しながら、みんなで絶叫したことを思い出す。
そういう意味では、現在人気絶頂のクラウンクロスオーバーのコンセプトを、25年前に先駆けていたのが初代ハリアーなのかもしれない(……これはちょっと乱暴な表現ですかね。笑)。
このように「新しい何か」をもたらせた初代ハリアー。
シティ派クロカン、あるいはスタイリッシュ・クロカンともいえる存在となり、直後にメルセデスベンツMクラスやBMW X3など欧州ブランドからも「その手があったか!とフォロワーが誕生。
まさに開拓者(パイオニア)といえる。
SUV(スポーツ・ユーティリティ・ヴィークル)という、北米で形成されつつあったカテゴリーの言葉が、初代ハリアーの認知、市場への浸透とともに膨らんでいったのが、ちょうど20世紀が終わりを告げるあたりである。
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コンディション良好なER34スカイラインをお譲りいただきました。右フロントに軽微な歪みがある修復歴こそありますが、走行や安全面への影響はほぼなし。それ以上に魅力が詰まった1台です。
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■2代目、3代目と正常進化したハリアー。パワフルな走りを味わえるハイブリッドモデルには驚いた!
▲レクサスRXの兄弟車的存在の2代目(上)と、価格を抑えたグレードもあった3代目(下)。3代目のグリルデザインは注目の的!
その後、ハリアーの2代目は、レクサスRXの兄弟車的存在として2003年に誕生。
2005年にはトヨタの懐刀、ハイブリッド搭載車も追加された。
V6、3.3Lエンジン+モーターの組み合わせは、当時のハイブリッド=エコという認識を覆すかのように、燃費性能よりむしろ速さ重視というセッティング。
背の高いSUVでも速い! という新境地を提供したモデルといっていい。
2013年誕生の3代目はレクサスRXと袂を分かち、専用モデルとして新たなにスタートを切った。
2Lガソリンモデルという、価格が抑えられたグレードがラインナップされたこともあり、20代の若者にも人気が広がり、「SUV」はいろんな層に受け入れられていく。
ハリアーらしいエレガントさは保ちつつも、スポーティ志向もある。
何よりフロントグリルにガラスのような素材を採用したのが斬新。
当時、ある自動車評論家氏はこのグリルを見ながら「SUV界のEXILEだね」と言っていた。
ふむ、まさに言い得て妙だ。
……そして、現行4代目ハリアーは2020年に誕生。
クーペフォルムとなったスタイルは、シティ派SUVの本流のど真ん中を走っているといっていい。
また、国産ミドルサイズSUVの主役を担っていることも明言したい。
それだけ、トヨタが力を入れて開発しているモデルであり、ユーザーが求めるクルマでもある、ということだ。
初代の誕生から26年。
SUVの開拓者となった「ハリアー」というクルマは、脈々と世代を紡ぎ、SUVのなかで今でも主役を張る。
これは……「凄い」としか言いようがない。
[ライター・柴太郎 / 画像・Dreamstime, Photo AC]
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