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国産車のチョー当たり年。1989年モデルはなぜ人の心をつかんだのか!?
ライフスタイル 2023.12.18

国産車のチョー当たり年。1989年モデルはなぜ人の心をつかんだのか!?

奇跡といっていい年。 それが1989年。 国産車が次々と誕生し、まさに「国産車天国」「国産車の桃源郷」といっていい年だろう。 フルモデルチェンジや新規モデルはもちろん、MCや追加車種を含めると実に1年間に45モデルが誕生したとされる年。 数だけでなく、魅力あふれる質の高い国産車がどんどん誕生したのが特筆すべきことだ。 厳選して数台をピックアップしながら「なぜそれらは人気者になったのか?」を追っていき、最後に1989年が当たり年になった背景も交えていきたい。 ■まさに「スターの輝き」。まずはこのモデルを挙げないわけにはいかない、日産R32スカイラインGT-R 1989年国産車といえば……、まず日産R32スカイラインGT-Rを挙げないわけにはいかないだろう。 なにせ「1989年のクルマ=R32」と、0.7秒ほどですぐさま頭の中で結びつく人がほとんどだと思うから。 今見てもまとまりのある、2ドアスポーツモデルのカタチ。 絶妙に張り出したブリスターフェンダー。 格好いい~!と声を出さずにはいられないが、1989年当時の興奮度はこの比ではない。 先代GT-Rの販売終了から16年ぶりの復活誕生。 注目の浴び方はハンパなかった。 当時日産で行なわれていた「901運動」の集大成、新開発の2.6Lツインターボエンジン搭載。 日本車初の最高出力300psモデルを目指したが、馬力規制により280psに留められたモデル…… など、「見出し」になるネタがテンコ盛りというのもこのクルマの特色。 そして、いわゆる25年ルールが解禁され、アメリカがR32を輸入できるようになった昨今。 R32がもはや神格化している北米では、オークション落札価格が日本円で1000万円以上という事例も多いという。 日本で世界で、まさに「スターの輝き」のR32である。 ■R32が誕生した年に4代目フェアレディZ(Z32型)までも登場!もう泣くしかない! 日産のスポーツモデルの流れで、お次は日産4代目フェアレディZ(Z32型)に登場いただこう。 「フェアレディZといえばあのデザインね」と3代目までが頭の中にインプットされていたところ、このZ32型の姿を見て誰しも衝撃を受けたはずだ。 デザインからして「Zの新章スタート!」を感じるのに充分だった。 先代までのロングノーズ・ショートデッキではなく、ワイド&ロー。 先代より全幅がプラス65mmの1790mmとなり、当時としてはかなり平べったい日本車。 それだけに衝撃度も増し増しだった。 デザインのポイントは、これまた当時のクルマ好きにインパクトを与えたリアデザインとテールランプ。 現行RZ34型にこのテールランプデザインが盛り込まれているのは有名な話。 このデザインで、V6・3Lツインターボのアグレッシブな走りを見せるワケだから、街中で目を引かないわけがない。 それにしても、前項のR32スカイラインGT-RとZ32が同じ年に生まれるなんて……、やはり1989年は奇跡の年なのである。 ■ずっと憧れの的だったトヨタセリカも5代目が誕生。それが1989年という年だ 筆者のように「アラウンド還暦」世代にとって、子ども時分から格好いいクルマといえばセリカ。 憧れの存在でもあった。 そのトヨタ5代目セリカが生まれたのも1989年。 WRC用のホモロゲーションモデル、GT-FOUR RCも1991年に発表され、日本では限定1800台が販売されたという。 ということもあり、特別に5代目セリカのWRCカーの雄姿をお届けしているのが上の写真だ。 筆者の好きなハリウッド俳優、エディ・マーフィをCM起用し、「スゴスバ セリカ!」がキャッチフレーズ。 4代目より近未来感あるデザインになり、今見ると、現行クラウンクロスオーバーを思わせる顔をしていません……か?(こちらはリトラクタブル・ヘッドライトだが) 直4・2Lターボの最高出力は235psをたたき出し、当時の若者を興奮させるには充分。 歴代セリカでも強いインパクトを残した一台だ。 ■2人乗りコンパクト2ドアクーペというスペシャリティ感を味わえる、トヨタ2代目MR2 スポーティカーの流れでお次はトヨタMR2だ。 日本車史上、初の市販ミッドシップモデルとして誕生した初代のあとを受け、1989年に2代目MR2が誕生。 当時の日本車では珍しかった2人乗りコンパクト2ドアクーペ(今の日本車でも稀有な存在だが……)。 中身はセリカ/コロナベースがベースだが、初代の「角が取れた」感じの絶妙な曲線デザインが目を引いた。 のちに前項のセリカと同じ2L・直4にターボが追加され、シャープな走りを体感させてくれた。 乗るほどに2人乗りコンパクト2ドアクーペというスペシャリティ感が味わえるクルマ。 トヨタさん、よくぞこんなクルマを出してくれました~!と今でも感慨に浸るほどだ。 ■1989年誕生のスポーツモデル……。忘れちゃ困るぜ「人馬一体」のマツダロードスター R32GT-Rを皮切りに、1989年誕生のスポーツモデルの魅力を4台続けざまに取りあげてきた。 「スポーツモデルはもうないでしょ?」と言いたいところだが、あるんです。 そう、マツダ初代ロードスター(ユーノスロードスター)だ。 現行4代目まで脈々と続く「人馬一体のマツダロードスター」というクルマの礎を成した金字塔的クルマまでも、この年に生まれていたなんて……。 やはり、1989年という年は只者じゃない。 クルマ好きにとってまさに「盆と正月が一緒に来た」ような年である。  「MGのようなライトウェイトカーを作ってみよう」が開発のきっかけとされ、「人馬一体」というテーマがブレることなく現行モデルまで真髄を貫いているところは、脱帽するしかない。 爆発的な走りでもなく、アグレッシブな走りでもない。 車重を極限まで軽くした特有の「ひらひら感」あるFRの走りこそがロードスターの真骨頂、と筆者は熱く語りたい! その源流が初代モデルだ。 この誕生に感謝するしかないですね! ■海外メーカーにインパクトを与えた初代セルシオ。「高級車・新ステージ」への突入 今、「歴代の国産モデルのなかで海外メーカーにインパクトを与えたのはどれ?」と自動車ジャーナリストへ尋ねると、多くの方がこの名を挙げる。 それがトヨタ初代セルシオ。 1980年代前半、それまでの北米の高級車市場といえば、キャデラックやリンカーン、メルセデス・ベンツなどが占め、日本車メーカーが割って入れない状況が続いていた。 そこへトヨタが本腰を入れ、堅い門をこじ開けたのが高級車「レクサス」ブランドの戦略。 1989年、最初に投入されたのが初代LSで、それの日本仕様がトヨタ初代セルシオだ。 クルマ所有の大目標として「いつかはクラウン」が体の中に沁みついていた日本人にとっても、初代セルシオの登場は衝撃的だった。 (センチュリーは別格として)クラウンの上をいくセダンが誕生したわけだから。 が、当時はバブル景気、真っ盛り。 「超高級車、アリかも!」と市場が活気づき、初代セルシオは人気を博した。 時代背景も後押しし、「高級車の新ステージ」を築きあげたモデルといっていいだろう。 セダン然としたスタイル、全長4995mmという堂々たる風格。 新設計のV8・4Lエンジン搭載……。 クルマに新たな価値観が生まれたのも、1989年という年である。 ■ランクル80系と初代レガシィツーリングワゴン。のちのRVブームの礎となった2モデルも登場 現在、世界でも日本でもSUVの潮流は続くが、その源となるのがクロカン(クロスカントリー)だ。 そのクロカンやステーションワゴン、ミニバンといったカテゴリーで一時代を築いたのが、1990年代末から21世紀初頭にかけてのRV(レクレーショナル・ヴィークル)ブーム。 いまや「RV」という言葉自体が懐かしすぎますが……。 そのクロカンというカテゴリーを、歴代モデルたちが軸となり構築してきたのがトヨタ ランドクルーザーといっていい。 そして、ランクル80系が誕生したのが1989年だ。 2023年現在、復活販売として話題になっている70系の次の世代。 「無骨さの塊」という印象の70系以前より、洗練された雰囲気がある外観。 が、ランクルの真骨頂、ラダーフレームを基盤にオフロードでもタフな走りを見せる無骨さは健在。 オンロードでの快適性が向上したのも80系の特徴だ。 1989年にはもう一台、人気者のクロカンが登場している。 トヨタ2代目ハイラックスサーフで、ランクル80系を1.5まわりほど(!?)小さくしたモデルだ。 全長4470mmというサイズ感もあり、若い世代にも人気が高かったクロカン。 そして、のちのRVブームを支える大黒柱となるスバル レガシィツーリングワゴン、その初代モデルが誕生したのも1989年(写真下)。 いい意味で「レガシィよ、お前もか!」と有名な諺をアレンジして使いたくもなりますよ! スバル レオーネの後継モデルとして誕生。 それまでの各社のワゴンデザインが急にやぼったく見えるほど、洗練されたスポーティなデザインに目が留まった。 スタイルには確実に新鮮味があった。 5人がムリなく乗れ、荷物をたくさん積めるラゲッジという実用性の高いパッケージングは驚くばかり。 2Lターボが搭載され、スバル特有の4WD走破性。 「優等生」を地で行くクルマで、「ステーションワゴン」というカテゴリーに市民権を与えた立役者だ。 ■そして日産パオも誕生。1989年は「国産各メーカーの技術進化の絶頂期」でもあった! 1989年生まれの魅力あふれる国産車。 スポーツモデルやクロカンなどを取りあげてきたが、最後は毛色を変えて日産パオ。 今も記憶に残る、Be-1やフィガロとともに1990年前後に登場した日産パイクカーシリーズの一台だ。 どこかレトロ風味がありつつも、アウトドアテイストをも感じるスタイル。 いい意味で、初代マーチをベースにしたとは思えない出来。 3カ月間の予約受注で約5万1000台も売れ、時代のニーズに合致した「仕立て」だったことがよくわかる。 今スタイルを見ても、ユニークなボディサイドのキャラクターライン、上下二分割のリアガラス、開閉式の三角窓、外ヒンジのドア……など、かなり凝っている。 当時の企業としての日産の、余裕とセンスの高さが滲み出ているモデルといっていい。 ……ということで、「国産車の桃源郷」の年といえる1989年に登場した魅力あふれるクルマたちを取りあげてきたが、いやはや、よくぞこんなにも凄いクルマたちが同じ年に出揃ったな、とつくづく感じる。 国産各メーカーの技術進化と技術競争におけるひとつの絶頂期と、バブル景気の時期が重なり市場が一気に膨らんだ……ということが背景にあるといえるだろう。 後世に語り継がれる「奇跡の一年」。 1989年はなんとも濃い!です。 [ライター / 柴太郎 ・ 画像 / Dreamstime]      

今、後継を出すとヒット確実かも!? 登場が20年早すぎた惜しい日本車たちを讃えたい
ライフスタイル 2023.11.30

今、後継を出すとヒット確実かも!? 登場が20年早すぎた惜しい日本車たちを讃えたい

日本車の歴代モデルを振り返ると、「登場した時は斬新で大注目されたけど……売れゆきはイマイチ。そして、ほどなくして絶版という悲運に」というクルマは意外と多い。 しかし、なかには「コンセプトが時代の先を行きすぎ、登場が10年、いや20年早すぎただけ!君たちはいいクルマだよ」と熱く語りたいモデルもある。 そして、今、後継モデルを発売すればヒットするかもしれない、というモデルもある! 筆者の好みが多分に含まれるが(汗)、「魅力にあふれる」それらのモデルを数台取りあげ、讃えていこうじゃないか。 ■どこか不器用な憎めないヤツ。その存在にエールを贈りたい、ホンダ エレメント 時代の先を行きすぎ、登場が10年、あるいは20年早すぎた日本車といえばホンダ エレメント(2003年登場)だろう。 開発もデザインもホンダ北米法人だけに、クルマ全体にアメリカ~ンな雰囲気が漂っている。 なにせ開発コンセプトが「ビーチのライフセーバーが詰めるライフガード・ステーション」。 サーフボードが積める室内設計、左右は観音開きドアで風通しバツグンと、「ロサンゼルスのビーチのことしか考えてないでしょ!」とツッコミたくなるつくり。 観音開きドアはユニークだけど、それ以上に使うのがちょいと面倒くさかったことを今でも筆者は覚えている(笑)。 不幸にも、そのツッコミが当たり、エレメントの日本での販売は2年ほどとかなりの短命。 でもね、カクカクした四角いデザインのなかには「個性のホンダ」がいっぱい詰まっていると思う。 同じようなデザインのSUVだらけの現代、見た目はこのままでe:HEVモデルを売れば、注目される可能性高し。 筆者はそう感じる。 ■このままのデザインで今の時代に合う「クーペSUV」を出せば大注目間違いなし!いすゞ ビークロス SUVの流れで、次はいすゞ ビークロスの登場だ。 1997年に登場したクルマとは思えない斬新な外観デザイン。 このデザインだけに限定すれば「まさに登場が20年早すぎたクルマ」と太鼓判を押せる! 全体的に丸みのあるスタイルで、無塗装PPで作られたボディの下部と絶妙な流れがあるオーバーフェンダー。 フロントマスクには洗練さが漂い、スペアタイヤが内蔵されたリアドア……と、どこをとっても斬新で格好いいと、誰もが認める素晴らしさ! しかも2ドアという部分にスペシャリティ感があり、今、世界的人気の「クーペSUV」を26年も前にいすゞは発売していたのだから、まさに感嘆! ……が。乗り込めば「車内の雰囲気はまんま、ミュー・ウィザードだね!」と腰砕けするところも(笑)、ビークロスの憎めないところ。 ミュー・ウィザードのプラットフォームを採用していたので、車内の雰囲気だけでなく走破性も本格クロカン。 見た目はスタイリッシュ、それでいてタフな走り。 そのギャップ萌えもこのクルマならでは! と感じる。 海外では乗用車も販売中のいすゞ自動車。 思い切ってこのビークロスそのままのデザインで、今の時代に合う「クーペSUV」を出せば、世界中の話題をさらうことができるだろう。 きっと。 ■どれがヘッドライト?と「惑わせ上手」な顔が懐かしいぞ、日産 ジューク 斬新なデザインのSUVとして挙げないわけにはいかないのが、日産 ジューク(2010年登場)。 現行トヨタ プリウスをはじめ、今「目つきが妙なモデル」が大人気だが、それを先駆けていたのがジュークといえよう。 なにせ、どれがヘッドライト?上部にあるシャープなものはウィンカーですか?……という感じで、目つきが妙なうえに「惑わせ上手」な顔。 この要素だけでも時代の先を行っていたといっていい。 そして全長4135mmという手頃サイズは、今大ヒット中のトヨタヤリスクロスの全長4180mmと同等。 ラウンドした塊感あるスタイルは、ヤリスクロスとは別方向の個性を発揮しているので、今、後継モデルを販売していたならヒットしていたはず。 惜しい。 ……え?欧州では2代目を販売中ですって!(写真を見ながら) こ、これは格好いい。 このままのカタチで、日産自慢のe-POWER搭載モデルを日本で売れば、「小さめ超個性派SUV」として人気者になるはず。 ぜひ、日本でも! ■確かに脇役ではあったが、光るものがあった日産 ミストラルの3ドアショートボディ  日産のSUVといえば、ミストラルも登場が10年早すぎたモデルだろう。 26文字前、「SUV」と書いたが、ミストラルが登場した1994年当時は、まだSUVという名称のカテゴリーではなく「クロカン」と言われていた。 製造国であるスペインの風を感じる丸みを帯びたオシャレなスタイルは「クロカンにしては優しすぎる!」というイメージが盛られ、販売面はパッとせず。 2.7L、直4ディーゼルターボ搭載という硬派な一面があるにもかかわらず……。 ゆえに、SUVカテゴリーが急成長した10年後の2004年頃にこのままのスタイリングで登場すれば、ミストラルの命運も変わっていただろうと思う。 加えて、オシャレさが増す3ドアのショートボディもいい。 筆者、大好きでした。 もしかして今、この3ドアショートボディのミストラル後継モデルを発売すれば、飽和状態のSUV界に風穴を開けるかもしれない。 ■日本車史上、初の市販ミッドシップ。今こそ大いに拍手を贈りたいトヨタ MR2 希望を含めた結論から先に述べましょう。 「BEVも視野に入れ、全方位で開発を進めている今のトヨタさん。あの格好いい超コンパクトスポーツのMR2の後継をBEVモデルで発売してほしい!」と。   今見ても……初代(1984年登場)も2代目(1989年登場)も格好いいスタイリングのMR2。 その初代は日本車史上、初の市販ミッドシップモデルだ。 ショーで出品したコンセプトカー、SV-3をほぼそのままのカタチで発売させたトヨタの心意気に「いいネ!」と賞賛を送るクルマ好きも多かったはず。 低コスト化を図るため、エンジン(1.5L、直4)や足回りなどは既存のカローラのものを流用と、中身的にはちょいと「うむむ…」という部分もあったが、それでも他社にはない2人乗りコンパクト2ドアクーペの存在感。 そのスペシャリティ感は注目の的だった。 その後のビッグマイナーチェンジでスーパーチャージャーモデルが追加され、Tバールーフが備わるモデルまで登場。 話題に事欠かないヤンチャ坊主(でも格好いい)という印象だった。 ■趣味的BEVモデルとして、MR2後継をぜひ発売してほしい、トヨタさん!! 1989年には2代目MR2が誕生。 2人乗りコンパクト2ドアクーペというクルマの立ち位置は変わらなかったが、セリカ/コロナベースとなったので初代よりサイズアップ。 曲線を取り入れたデザインは目を引くものがあり、初代と2代目、どっちがいい?と、もし聞かれたら「どっちも好き!」と即答するほど筆者の好みだ。 大ぶりなスポーツモデルでないわりには、車重1270kgという重さなどネガな部分も指摘されたが、セリカと同じ2L、直4にターボを追加したマッチョなパワートレーンはなかなかのもの! トヨタ MR2。 2世代にわたり「孤高のコンパクト2ドアクーペ」を貫いたが、時代のニーズが薄まったこともあり、残念ながら1999年を最後に販売終了となった。 MR2の項目の冒頭にも述べたが、BEVへも舵を切りつつあるトヨタ。 趣味的なBEVモデルなら、MR2後継モデルの登場も大いにありそうだ。 ぜひとも! ■登場が20年早かったというよりも、32年後の今も視線を集めるはずの日産 フィガロ 最後は日産 フィガロ(1991年)に登場いただこう。 ご存じ、初代マーチをベースにした、Be-1、パオに続くパイクカーシリーズの一台。 最近はテレビのバラエティ番組で、バナナマン・日村勇紀がフィガロに乗っていることもあり、「あのクルマ、何?」と注目もされている。 このフィガロ、今まで紹介したクルマたちと取りあげる意図が異なり……爆発的に売れたモデルなのである! 当初は8000台の限定生産だったが、希望者殺到で2万台に増大。 イギリスをはじめ、世界でも人気が高かったこともトピックだ。 1991~1992年のわずか2年間しか販売されなかったが、インパクトも人気も絶大だったクルマ。 それもそのはず、レトロな雰囲気に仕立てあげられた小型オープンカーで、インパネデザインも白ベースのレトロ調。 加えて白の本革シートの仕立ても好演出。 さらには直4、1Lターボ搭載で走りは必要充分! 登場が20年早かった……というよりも、「32年後」の今、e-POWER搭載で後継モデルを発売すれば、日産のラインナップに華やいだ彩を与えるはず。 最後にひと言。 デザインが完成されているフィガロなので、あまりいじらないで販売してほしい。 日産さんへの願いは、これ! [ライター / 柴太郎 ・ 画像 / Dreamstime]

令和の今こそキャブレターの魅力を伝えたい〜前編
ライフスタイル 2023.11.27

令和の今こそキャブレターの魅力を伝えたい〜前編

週末の行楽地に出かけているとき、遠くから普段聞き慣れない種類の荒々しいエンジン音が響いてきて、思わず「おっ?」と気を惹かれてしまう、というシーンに遭遇したことはありませんか? そのまま運が良ければ、反対車線をすれ違う複数の旧車のツーリングに出くわすこともあるでしょう。 その際に聞こえてくる迫力を秘めたエンジン音のうち、「カアアアァァン・・・」というカン高く空に抜ける爽快な音の部分の多くは、キャブレターから発せられる吸気音なんです。 この例のように、大口径キャブレターの吸気音に魅せられて乗りたくなったという旧車ファンは少なくないでしょう。 ここではそんなキャブレターの魅力について、改めてしっかりお伝えしていきたいと思います。 まずは前編ということで、キャブレターの基本の部分を解説していきましょう。 ■旧車乗りが「キャブ、キャブ」っていうけど何がいいの?  まずキャブレターの魅力について触れておきましょう。 魅力のひとつは上で話したように“吸気音”が心地良い、という点です。 私も旧車に乗るまでは、チューニングエンジンの音を味わうのは“排気音”だと思っていました。 しかし、初めて旧車のエンジン音をしっかり聴けるチャンスが訪れたとき、排気音よりも吸気音が気になるということに気付きました。 旧車の排気音は、触媒が無かったりサイレンサーの構造もシンプルだったりして、今どきのクルマの排気音よりストレートに響いてきます。 それはそれで好きなのですが、エンジンルームをのぞき込んだ状態や室内でアクセルを煽ったときに、耳に届いて感性をくすぐってくるのは吸気音の方でした。 音の印象を頑張って擬音で表してみましょう。 排気音は「ブオンブオン」や「ガオンガオン」という低めで腹に響く系の音質だと感じます。 一方で吸気音の方は、「カオーン」や「シュゴーッ」という、空に抜けていくような感じのする高めの音だと感じます。 これが、回転が高くなるほど音量が増し音質も高くなるので、アクセルを踏む自分の気持ちも昂ぶってくるんです。 ちなみにこの抜けるように響く感じは、キャブレターの口径が大きいほど気持ち良いと感じます。 声量のあるプロの歌手が、目いっぱい歌い上げているのを聴いている感じに近いでしょうか。 あとは加速感がガラッと変わります。 だいたいの車種で普段の使い勝手の方を優先して設計しているので、使用する頻度の高い低回転から中回転の領域でレスポンスとトルクの効率が最適になるように、かなり絞った口径のキャブレターを装着しています。 したがってピークパワーに関してはだいぶ抑えられている状態なのです。 パワーを出すにはカムなど他の要素も関わってくるので一概にはいえませんが、単純にキャブレターの口径を大きくすると、それまで抑えられていた部分が解放され、エンジンが求める空気(混合気)がより多く吸えるようになります。 その結果、パワーが上がります。 上がる割合はエンジンの特性や仕様、状態などで異なりますが、適切な口径を選んで、セッティングが合ってさえいれば、パワーが下がることはないでしょう。 パワーとともにレスポンスもアップします。 特に空ぶかしの時の反応がまったく違うので、シフトダウンの時にアクセルを煽るのが楽しくなるでしょう。 そして、これは機械いじり中級者以上の人になりますが、自分でメンテや調整がおこなえるという点も、趣味のクルマの装置としては魅力アップのポイントではないでしょうか。 ボンネットを開けてもカバーが邪魔でエンジンの存在が隠されているような今のクルマは論外ですが、80年代のじゅうぶん旧車と呼べる年式のクルマでも、インジェクションや排ガス浄化デバイスなどがひしめいていて、ちょこっとメンテしようかなという気も削がれてしまうでしょう。 その点、キャブレターがむき出しになっているエンジンなら、余計な手間をかけなくても直接キャブレターにアクセスできるので、ストレスがありません。 まあ、用も無いのにしょっちゅうキャブを触っているというのもちょっと考えものですが、それだけ気軽に作業できるというのはメリットだと感じます。 ■基本の基本、キャブレターってなんだ? そもそも「キャブレター」という単語を知っているという人はどれくらいいるでしょうか?  まあ旧車に興味がある人がチェックしている「旧車王ヒストリア」の読者さんなら、ほとんどの人は耳にしたことはありますよね。 ではキャブレターが何をする装置なのかを知っている人はどうでしょうか。 まあこれも半分以上は大丈夫かと思います。 そうです、キャブレターはエンジンが燃焼を行なうのに必要な、ガソリンと空気をミックスした“混合気”を送り込むための装置です。 エンジンが調子よく回るかどうかの大部分は、このキャブレターの設定にかかっているのです。 キャブレターはその内部に、空気の通り道の一部を絞って流速を上げて負圧を作り出す「ベンチュリー」という機構が備わっています。 このベンチュリーで作り出した負圧の部分に燃料の管をつなげることで、自然と燃料が吸い出されていきます。 キャブいじりの解説で良く出てくる「ジェットの番手を上げる(大きいものに交換する)」というのは、燃料の管の入り口を絞ったり開けたりして流量を調節するための行為のことなんです。 ■キャブレターのセットアップやセッティングは難しい? キャブレターの装着とセットアップ、そしてセッティングをイチからおこなうという場合、まったくの初心者の場合はいろいろと覚えなくてはならない要素があるので、そういう意味ではけっしてカンタンではありません。 とはいえ、いまどきはキャブレターの扱い方を解説している本がいくつもありますし、動画配信などでも初心者向けに解説をしているものがありますので、そういう情報をしっかり勉強してから挑めば、エンジンを動かせるところまでは思ったほど時間はかからないと思います。 いちばんの近道は詳しい人を探してアドバイスしてもらうということですが、まあそう都合良く身近にはいないでしょう。 SNSで旧車の集まりに参加して、相談してみるところから始めるといいと思います。 キャブレターの魅力を楽しむためには、まずはキャブレター本体を入手しないことには始まりません。 そこで決めなくてはならないのがキャブレターの口径です。 エンジンの仕様や特性、オーナーの求める方向によって変わる部分はありますが、大きなガイドラインは排気量で見当が付けられます。 例えばよく使われている公式で見てみましょう。 D=0.82 √(CxNx0.001) D=キャブ口径(mm)C=1気筒あたりの排気量(cc)N=最高出力回転数(rpm) 実際にソレックスの40パイが装着されているトヨタの「2T-G型」を当てはめてみましょう。 0.82√(400×6400×0.01)=41.5 となり、だいたい合っていますね。 では旧車エンジンの代表格「L20型」を当てはめてみると、0.82√(333×5200×0.01)=34.1 となります。 実際に34パイのキャブレターとなると、ソレックスの36パイがあるにはありますが、かなり入手は難しいと思います。 私の経験では、L20型エンジンにソレックスの40パイを3機装着してみたことがありますが、ノーマルキャブレターに比べてゼロ発進の時、特に坂道発進ではすこし慎重になるものの、街乗りで不足を感じることはありませんでした。 むしろアクセルのレスポンスが良くなり、中回転から上のパワー感が増したので、差し引きでいうと大きくプラスになったと感じました。 ですので感じ方には個人差はありますが、目安はあくまで目安として考えたほうがいいでしょう。 慎重に選ぶなら小さめを、せっかく変えるなら変化が大きい方が良いと考えるのであれば、大きめを選ぶと良いと思います。 キャブレター選びで、ひとつ注意をして欲しい点をお伝えしておきます。 キャブレターは一部を除いてもう新品での販売はしていませんので、ほとんどの人はネットオークションや中古を扱っているネットショップなどから中古で購入することになると思います。 その際、さり気なく混じっている不良品をつかまないよう慎重に選ぶようにしてください。 といっても「良いか悪いか、写真とコメントだけでは判別できないよ!」というのが実際だと思います。 ただここでいえることは限られてしまいますが、可能な限り現物を見て購入するようにすれば、少しでも失敗は遠ざけられると思います。 少なくとも写真で見てキレイだったからと安易な判断は控えましょう。 ■あとがき どうでしょう、キャブレターの魅力をしっかり伝えられたでしょうか? ひと昔前に比べると、キャブレターの価格も上がってきていて、手軽に購入しづらくなってきてはいますが、私自身は旧車のカスタムパーツの中で一二を争うくらいに交換した時の変化が大きいものだと思っています。 せっかく旧車ライフを楽しむならば、ぜひ一度はこの効果を体感していただきたいです。 次回はもう少しマニアックな部分に踏み込んで、キャブレターの楽しさの奥深さを話してみたいと思います。 [ライター・画像 / 往 機人]

スマートフォンでクルマを撮影するときに考えると(たぶん)役立ついくつかの事柄
ライフスタイル 2023.11.15

スマートフォンでクルマを撮影するときに考えると(たぶん)役立ついくつかの事柄

■実はワタクシ・・・・ 実はワタクシ、過去に映画カメラマンだったときがあります。 映画といっても「産業映画」や「教育映画」が多く、あとはスタジオでのCF撮影やアニメーション撮影などもこなしておりましたが、まあそれもフィルムを使っていた時代のお話。 とはいえ、今でも企業向けのムービー制作や、観光映像などの演出や撮影に関わったりしています。 フィルムからデジタルに時代が変わっても、レンズを使って撮影する「カメラ」の撮影の基本は、実はあまり変わらなかったりするものです。 ■写真を考えてみる というわけで、ほとんどの皆さんが持っているであろうスマートフォン
。 スマートフォンは、たいてい「写真」の撮影ができますね。 お出かけしたときだけでなく、普段から自分のクルマの写真を撮ったりしていると思うのですが
、そういうふうに撮っている「写真」って、自分で見てどうですか?

 雑誌やウェブに載っている、プロの人が撮った写真と「違う」のはなんとなく「解るような気がする・・・」という感じだとは思いますが、どうせ撮るならカッコよく綺麗に撮りたいですよね。 普段何気なく撮っているスナップ写真でも、たまには「いいね!」って時があるけれど、やはりいい感じで写してみたいもの。 それって実は、プロ用の機材を使ってるからとかの違いだけでなく、露出などの「光」の使い方、場所や時間にあった「設定」の選び方などが大きな理由でもあるのです。 ■構図は大事 で、実はそれだけではなく、コレからお話しするような 「写真のレイアウト」、すなわち「構図」も 大きな「違い」の理由のひとつだと思います。 写真を撮るとき、なんとなく「構図」って考えてるとは思いますが、じっくり「考えて撮る」と少しだけいつもよりイイ写真、ちょっとイイ感じの写真が撮れるのではないかと思うのです。 というわけで、今回は写真撮影時にちょっと役立つ 「構図」について考えてみようかと思います。 さて、ここでいう「構図」にも、実はある程度の「作法」があります。 なので、ここではよく言われる「作法(スタイル)」をいくつかご紹介。 コレから自分で写真を撮るときに
、ちょっとだけ意識してもらえればいいかなと思うのです。 ■構図とかレイアウトとか

 この写真の構図の考え方は、
ほぼそのまま「映画」や「アニメーション」でも同じように作られており
、ソレは「画面のレイアウト」という呼び方で
、専門のスタッフがレイアウトを手がけるのが一般的です。 スタッフロールにも「レイアウト」とかの役職が出てくるときがあります
。 なので、コレからは映画やアニメーションを観るときも、ちょっと気をかけて観ていると写真を撮る際にも使えるような色々な発見があると思います。 なお、今回は画面解像度1920ピクセル×1080ピクセルという、パソコンで使われる一般的な画面サイズ(FHD)でお話を進めていきます。 スマートフォンは機種によってサイズの違いがさまざまですが、構図そのものの考え方に大きな違いはありません。 と、前置きが長くなってしまいましたが、ではスタート。 ■1.日の丸構図 って、いきなりクルマじゃねえじゃん! とか言わないでね。 ネコは全てを赦します。 というわけで、この「日の丸構図」と呼ばれる構図は、メインの被写体をど真ん中に持ってくるシンプルでわかりやすい構図。 
ありきたりすぎて「つまらない」写真の代表といわれることもありますが、記念写真などでもよく見かける安定したとてもいい構図だと思います。 ■2.対角線構図 いわゆる遠近法で見せる構図
。 奥行きであったり、動きなどを表すときに使う構図で
、スマートフォンなどの場合は広角側で撮るといい感じになると思います
。 大きなものを撮る時などに使うと、結構効果的かもしれませんね。 って、クルマ出てこねえ・・・・ ■3.シンメトリー構図 基本「左右」あるいは「上下」が線対称となる構図で、ベーシックな構図として写真だけでなく絵画などでも多用されているのはご存知の通り。 古典的な構図としては定番という感じです。 クルマはどうした! ■4.三分割構図 写真構図の基本ともいわれている、画面を縦横に三分割した交点に被写体を置く方法。 線の交点あたりに、何か目立つものを配置してバランスをとる。 コレも絵画の考え方から使われる構図です。 ここではヘッドライトや人物の顔がだいたい交点に、背景の壁を水平線に見立てている感じです。 ■5.動いてるヤツは前を空けろ 動いている被写体(クルマだ!)を撮るとき、進行方向を空けておくと「動いてる感」が増してちょっとカッコよくみえる(ハズ)です。 試してみるといいですよ。 ここでも水平線を向こう側の歩道のラインに合わせていますが、水平線が「水平」になっていると安定感が増します。 ■6.光と影 これは「構図」の話ではないのですが、光と影をうまく使うと、普段見慣れたなんでもない風景もドラマティックに見せることができるかもしれませんね。 ボディに映る風景なんかも、うねうね曲面に沿ってこんなカタチになるんだ!という発見があったりします。 と、いう感じでさらりとご紹介いたしましたが、いかがでしょう? なんだよ、こんなの知ってるぜ!という方も多いかと思います。 構図の話などは写真撮影のノウハウとかの記事で見かけたりもしますよね。 ということは、この「構図」の選び方、使い方というのはそのくらいポピュラーな考え方なんだと思うのです。 普段スマートフォンで写真撮る際も、ちょっとだけ「構図」を考えて撮ってみると、なんとなくウデが上がったような気分になるかもしれません。 頭の中に描いたイメージ通りに撮るってのはなかなか難しいものですが、構図を考えたりすることでそのイメージに少しでも近づけることができますよ。 [ライター・画像 / まつばらあつし]

憧れを諦めない不屈の心!欲しいクルマを手に入れた人たちに共通する特徴は?
ライフスタイル 2023.10.25

憧れを諦めない不屈の心!欲しいクルマを手に入れた人たちに共通する特徴は?

私的な話になりますが、私、30年ほどライターと作家業で食っておりまして。 自動車に関わるライティングのご依頼をいただけるようになったのは、ここ5年ほど。 それまでは、主にゲームやゴルフといったジャンルで活動をしていました。 ライター仕事の多くは取材記事、うち半分くらいがインタビュー主体の記事でしょうか。 詳しく数えたことはないのですが、これまでに100人を超える方々にインタビューをお願いしました。 自動車関連の取材はもちろんですが、他ジャンルの取材でもクルマにまつわる話題が出てくることは多く、旧車やクラシックカー、ハイパフォーマンスカー、デザインが気に入ったという大衆車などなど。 愛車にこだわりをもった方がたくさんいらっしゃいましたね。 今回はこれまで取材してきた方々のなかから、念願の1台を購入した方に共通する特徴や考え方をまとめてみました。 ■特徴1:「自分には無理」と考えない 「自分には無理」とか「自分にはできない」って考えません。 というか、そういうネガティブな発想を“思いつかない”といった方が正しいのかもしれません。 とある雑誌の「著名人に質問するコーナー」を執筆したときのこと。 事前に編集部より預かったハガキから質問をまとめ、インタビューに臨みました。 いくつかあった「●●ができなくて、落ち込みます。自分には才能がないのでしょうか」といった旨の質問に対し、逆に著名人さんから「ねぇ、ライターさん。多くの人って、そういう考え方をするの?」との質問を受ける事態に。 この著名人さん、苦労や挫折を知らないわけではありません。 幾度かのやり取りから、問題に対して「無理」とか「できない」とは考えず、「今、できないだけ。クリアするにはどうするか」を自然に考え、過程や苦労を楽しみながら取り組んできたことがうかがえました。 ちなみに先の取材でも「多くの人がどう考えるの分かって勉強になったよ」と、ポジティブに受け取られていたのが印象的でした。 ■特徴2:人に頼ることをためらわない 何かに取り組むにあたって、遊びに誘うかのように人に連絡を入れる。 人が人を呼び、自然と多くの人が集まり、取り組みごとを一気に成し遂げてしまう。 インタビューではそんなエピソードを多くうかがいました。 「無理」って言わない人たちの集まりですから、困難が立ちはだかっても悲観することなく、知恵や力を出し合って乗り越えてしまうんですね。 また、大勢いれば誰かがその道のプロと繋がりを持っているもの。 声をかけられたプロも楽しげな雰囲気にひかれて仲間に入る。 このポジティブな輪のなかだと、悲観的な人や現状に引き留める人は居づらさを感じ、出て行ってしまうのでしょう。 よく「相手の都合を考えろ」との言葉を聞きますが、インタビュー先さんはどのようなときでもためらいなく(失礼じゃない範囲で)連絡を入れていました。 さすがに「いつでも電話するんですか?」とは聞けなかったのですが、考え方は「電話に出るかでないかは相手の判断。こちらが判断することじゃない」といった感じでした。 ■特徴3:お金にこだわるよりワクワクを優先 ちょうど大きな一歩を踏み出すインタビュー先を取材したときのこと。 これまでの稼いだ資産を全部注ぎ込んでの事業展開プロジェクト。 聞けば、賃料を節約するため、それまでの住まいを退去。 ご自身は安アパートに引越され、奥様は(ちゃんと同意の上で)ご実家に帰したとのこと。 もちろん展開が失敗する可能性もあるでしょう。 それまでの収入でも生涯、お金に困ることはなかったはず。 どうして展開に踏み出したのかをうかがったところ、「失敗しても殺されるわけじゃないし、お金が無くなるだけ。今はすごくワクワクしているしやらない理由はないよ。もし無一文になっても、また最初からはじめればいいじゃない。(最初からやり直すなら)まったく違う仕事をはじめようかな、それも面白そうだしね」との返答をいただきました。 たとえ今回、事業や展開に失敗しても、この人は本当に言葉の通り、再起を図ることができるのだろう。 そう思わせるインタビューでした。 ■大切なのは欲しいクルマを「買えない」と思わないこと “念願の一台を購入した方は”は「自分には無理」と考えず、人に頼ることをためらわず、お金にこだわるよりワクワクを優先する。 私もどちらかといえばネガティブでぼっちな人間なので、これらの実践が難しいのは分かります。 けれど、安心して下さい。 (当時は自分のために)実践するコツも聞いてあります。 なりたい自分になるためのコツは、心に上官を持つことだそう。 現実の軍隊は分かりませんが、心の上官から出された命令に「いいえ」ということは禁じられています。 ただ、命令を実行に移すための要望は認められています。 上官殿!エランのスプリントが欲しいであります! 「エランを買ったら、貴様の毎日はワクワクするのか?」 もちろんです、上官殿! 「よろしい、ならば買うがいい」 えっ?ですが、買うためのお金がありませんし、維持するお金もありませんっ! 「バカもんっ! 無理などというなっ!」 サー、イェッサー! 「金が無いなら、金を稼ぐための手段を考えろ」 それこそ無理無理っ!いくらかかると思っているんですかっ!? 「無理というなというのが、分からんのかっ!」 サ、サー、イェッサー! 「大金というならば、その額に見合うだけ頭を使わんかっ!ただ悩むだけでは時間の浪費だ、先達や書に学べっ!知識が無ければ知恵はでぬっ!」 サー、イェッサー! 「いいか、決して楽をしようと思うな。算段がついたら、先達に相談しろ。人に聞かれるのを嫌がる算段など、妄想や詐欺と同義語だ!」 サー、イェッサー! 「よろしい、半年で算段を付けろ」 はっ、半年って……。 「これまで、どれだけ諦めてきたっ!期限を決めねば、お前は動かんだろうがっ!」 サー、イェッサー!心が痛いですっ! 「それと週一で俺を呼び出せ、そうしないとお前は怠けるっ!」 サー、イェッサー! 「先達や仲間にも隠すことなく語れ、苦労を楽しむために必須なことだ!」 サー、イェッサー!恥ずかしながら、仲間は「やめろ」、「いい年齢して夢を見るな」、「現実を見ろ」とばかり……。 「それはそいつの生き方だ、否定はするな。だからこそ必要なのは先達だ、同じ土俵に経っている仲間だ。勉強と平行して先達と仲間を探せ、いいなっ!」 サー、イェッサー! 「人生は短いぞ、急げっ!」 サー、イェッサー! …いやいや、自分で書いててなんですが、これはかなりの覚悟が必要ッスね。 こういったことを、息を吸うように実践できるようになる日なんて、果たしてくるのやら……。 「面倒と思う前に頭と手足を動かさんかっ!動かねばワクワクする気持ちなど湧くわけがないっ!」 サー、イェッサー! [ライター・糸井 賢一 / 画像・AdobeStock]

ガレージカレント取材記:ポルシェ・ボクスター987
ライフスタイル 2023.10.18

ガレージカレント取材記:ポルシェ・ボクスター987

私(ライター・林)の口癖は、「ステキな仕様のクルマが欲しい!」。 日夜を問わず中古車探しに勤しんでいる私にとって、仕入れにこだわりを感じる中古車専門店は目が離せない存在。 非常に気になる輸入車ショップのひとつが、「ガレージカレント」です。 ガレージカレント、ご存じですか? 輸入中古車がお好きな方は、今までに一度は耳にしたことがあるかもしれません。 希少なグレードや希少色、さらには限定車の入庫が非常に多いのです。 そんなマニア垂涎のお店、きっと楽園のような場所に違いありません。 ■こだわりの仕入れが気になるお店 …というわけで、今回はガレージカレントを取材してきました。 「輸入名車専門店」を謳うガレージカレント。 輸入車のなかでも、街中でよく見かけるような大衆車ではなく、少し特別な、珍しい車種や仕様のクルマを多く取り揃えている点が魅力的です。 こだわりの仕入れは、単に色やグレードといった仕様の面に留まらないそう。 車輌のコンディションも申し分がなく、過去のオーナーに大切にされてきたことが分かるクルマを厳選して在庫車として迎え入れている点は、特筆すべきポイントでしょう。 記録簿が揃っており、ヒストリーが残っているグッドコンディションな「名車」を、大切に乗ってくれる新たなオーナーに受け継いでいく姿勢からは、並々ならぬこだわりを感じることができました。  ■ポルシェ・ボクスター(タイプ987) 今回ガレージカレントで見せていただいたクルマは、2006年式のポルシェ・ボクスター。 ボディカラーは「コバルトブルー」。 鮮やかな青色の発色が華やかながらも、決して派手過ぎず、自然光の下で深みを感じることができる塗色です。 まさに、太陽の光をきらきらと反射する海みたいな色。 乗る人やシチュエーションを選ばない、素敵な色です。 ネイビーのスポーツシートと幌が組み合わされていて、非常にファッショナブルな佇まい。 運転席のすぐ後方に搭載されているエンジンは、2.7Lの水平対向6気筒エンジン。 この「フラットシックス」に憧れているポルシェ・ファンの方、多いのではないでしょうか。 緻密に回って“豊かさ”を感じるエンジンフィールに、耳の後ろで「ロロロ…」と響く排気音。 これぞ上質なミッドシップ・スポーツカーの世界! 決してうるさくなく、寧ろ静かなのだけれど、上質なスポーツカーに乗っていることをヒシヒシと感じるのです。  「どうせ買うならもっと排気量が大きいヤツの方が…」と感じる方もいらっしゃるでしょう。 侮るなかれ、“素グレード”といっても2.7L、必要充分以上のトルクがあるのです。 組み合わされる変速機は、オプションの6速マニュアル・トランスミッション(標準だと5速)。 公道でも扱いきれて、日常的な速度域でもポルシェならではの上質なフィーリングを愉しむことができるのです。 日常との距離が近いけれど、少し特別感があるポルシェ。 これ以上、なにを望むものがありましょう。  ■「良いモノ」に触れると、生活がもっと豊かになる 日常的に使い切れる(≒等身大で付き合える)、身近なポルシェとして非常に惹かれる、ポルシェ・ボクスター。 「生活の中の拘りたいギアとしてのクルマ」という観点で考えると、もしかしたら、これ以上に良い選択肢はないと言っても過言ではないのかもしれません。 高性能なミッドシップ・スポーツカーでありつつも、日常的な買い物にも気兼ねなく連れ出せるような、そんな「気さく」な一面が魅力的なのです。 脚周りは固めではあるけれど、コシがあって不快さは皆無。 減衰力を調整できるオプションが装備されているので、少しヤル気になった際にはスポーティな設定にできるのも、うれしいポイントです。 オプション装備のスポーツシートも、魅力的な装備。 小ぶりにもかかわらずサイドサポートがしっかりしていて、長距離でも疲れなさそうな印象を受けました。 このコバルトブルーのポルシェ・ボクスターがある生活は、きっと素晴らしく豊かなものになるはず。 値段だけでいえば決して安くはないけれども、程度の良さは一級品。 安心して乗ることができるでしょう。 「良いモノ」に触れたい人には、極めて魅力的な選択肢になるはず。  20代の若者の私からしてみても、少し頑張れば手が届きそうな気もします。 手を伸ばした先にある世界を想像すると、なんだかワクワクしてきませんか? ■充実したアフターサービス クルマを所有するとき、必然的にアフターサービスへの懸念は付きまとうもの。 輸入中古車は、整備ノウハウを持った専門店から購入しないと不安だと考えている方も多いでしょう。 ガレージカレントはショールームの近くに自社工場を有しており、綿密に整備をおこなうことができる点が大きな魅力。 ボッシュカーサービス認定の「カレントテックセンタ」には、輸入車・国産車を問わず、多くの旧車が入庫していました。 ガレージカレントで購入したクルマであれば、信頼できる技術やノウハウを有する整備工場への入庫が可能。 そのため、“主治医探し”に困ることもありません。 コンディションにこだわった程度良好な中古車に、充実したアフターサービスが加われば、まさに「鬼に金棒」。 輸入中古車であろうと、安心して最高の状態の愛車を愉しむことができるのです。 ■豊かなカーライフに向けて、一歩踏み出してみよう  電子制御に頼りすぎない、走りを楽しめるピュアな内燃機関のクルマは、今後ますます数を減らしていくばかり。 輸入旧車に憧れはあるものの、故障リスクや維持費を理由になかなか一歩を踏み出せず、もどかしい思いをしている方も少なくないでしょう。 そんな時、20年以上の間蓄積してきたノウハウを有し、販売から整備まで、カーライフを一丸となってサポートしてくれるガレージカレントは、非常に心強い味方になるはずです。 都心からほど近い、神奈川県横浜市にシュールームを構えるガレージカレント。 在庫車に少しでも惹かれた方は、気軽に来店予約を取ってみてはいかがでしょうか。 ショールームの入口をくぐれば、専属コンシェルジュが親身になってアナタのカーライフに寄り添ってくれるはず。 こだわりの愛車との出会いがかなえば、きっと今まで以上に、日常生活が豊かなものへと変化するに違いありません。 ⚫︎今回取材したクルマはこちらhttps://www.garagecurrent.com/car/87238 なお、ガレージカレントの運営元であるカレント自動車は「旧車王」という買取サービスも行っています。今回取材したガレージカレントと同様に、20年以上にわたって事業を展開した実績があり、クルマのプロが多く在籍しています。もし将来、クルマの売却を検討することがあればぜひ「旧車王」を検討してみてください。 [ライター・林 哲也]

日産・フェアレディZの系譜とその魅力【S30系・マニアック編】
ライフスタイル 2023.10.18

日産・フェアレディZの系譜とその魅力【S30系・マニアック編】

これまで、S30系・フェアレディZを題材に【初級編】、【中級編】とお送りしてきました。 締めとなる今回の【マニアック編】では、そのタイトルの通りにS30系・フェアレディZのもっと深いところを掘り下げていきましょう。 そのメカニズムやシャーシの特徴などを踏まえて、S30系・フェアレディZが走行性能の面でどれだけ優れたポテンシャルを秘めているのかを、ヒモ解いていこうと思います。 Z好きの人も、旧車全体が好きな人も、知っておいて損は無い内容だと思います。 ■シンプルなのに実力派、ストラット方式の足まわり 発売当時、240ZベースでWRC(世界ラリー選手権)に出場し、サファリラリーで圧勝したのは有名な話です。 この勝利の裏には販売戦略的な狙いも含まれると思いますが、実はZの足まわりの素性の良さが貢献していたようなのです。 S30系・フェアレディZの足まわり(サスペンション)は、4輪とも“ストラット式”の懸架方式です。 ストラット式とは、車軸のハブの下側をロアアームで支えて、上側はダンパーユニット一体式のストラット(直訳:支柱)が受け持つ方式のサスペンションのこと。 その特徴は何といってもシンプルなところ。 オーソドックスな“ダブルウイッシュボーン”方式の場合は、上下のアームを置く場所と、取り付けるフレームの受け、そしてダンパーのマウント部が必要になりますが、ストラット式の場合はロアアームのフレーム側の受けと、上部のストラットアッパーマウントがあれば事足りるので、構造的にシンプルで、スペース効率も自由度が高い方式となります。 デメリットは、負荷が高い車輌には向かないことです。 車重や速度による負荷が上部のストラットを曲げる方向に働いてしまう構造のため、あまり重量があるクルマや、超ハイグリップタイヤの使用には向きません。 その点、軽量でグリップがそれほど高くないタイヤを履いたZにはデメリットが少なく、適した方式と言えるでしょう。 レースでの勝利にはこのサスペンション方式が効いたと言っていいと思います。 そして、そのストラット式サスペンションの秘めた実力が引き出されていったのが、1980年代のゼロヨンブームのときでした。 当時は、思い思いに気に入った車種に自力でチューニングしたエンジンを搭載して、ゼロヨンを競い合っていました。 しかしレベルが上がるにつれ、同じくらいの馬力のエンジンなのに、例えば同じ日産車のスカイラインよりもZの方が速いということが浮き彫りになっていったのです。 Zの方が軽量に出来るという大きなアドバンテージはあったものの、実は足まわりの素性の良さが効いているのではないかと注目され始めました。 これはレベルが極まった近年のドラッグレースでも同じで、ドラッグ専用の大径タイヤと、靴が脱げるほどグリップする路面による超グリップの負荷にも、ほぼ純正のままで耐える足として使われ続けていることでも証明されています。 また、ステージを移して周回レースに目を向けても強さが際立っているのが分かります。 昨今一部で人気の「JCCA」などの旧車レースでも、同じL型エンジンを積む車種の中で頭ひとつふたつ抜け出た速さを魅せています。 タイヤは今どきのSタイヤを含むハイグリップタイヤを使い、300馬力以上にチューニングされたL型エンジンを搭載したモンスターなマシンでも、足まわりの基本的な部分はノーマルのまま通用しているのです。 さすがにダンパーは車高調に換え、アームの支持部はピロボールに等々、かなりモディファイは加えられていますが、基本的なストラット式を変更する車輌は見たことがありません。 これもストラット式の良さを証明する事実といえるでしょう。 ちなみにサーキットでは、レース向けに改造されたS30系・フェアレディZが、ノーマル+αの34GT-Rを追い回しているシーンをちょくちょく見掛けます。 もちろんドライバーの腕によりますが、充分以上な戦闘力を秘めていると言っても過言ではありません。 ■車体の軽さが運動性能の良さに大貢献 50年も前の旧い設計のクルマで、今のように樹脂や軽合金などはまだ多用されていない時代に生産されたZ。 けっこう重いんじゃないかと思っている人も少なくないのではないでしょうか。 自分もそんな一人でしたが、実際は思ったよりもかなり軽量な車輌なんです。 カタログ値では、最も軽い初期モデルで975kg。 最後期の重い2by2モデルでも1100kg台という数値です。 現行車と比べれば、ダイハツ タントとホンダ フィットの中間くらいですね。 2リットルクラスの車格を考えるとかなり軽いと思います。 ネガティブな話をしてしまうと、この軽量さはコストダウンの産物によるところという側面があります。 北米向けの低価格帯スポーツカーを開発するにあたって、構造をシンプルにして部材を少なく済ませるというテーマを盛り込んで設計された結果、ローコストで軽量なシャーシができあがりました。 しかし、さすがに旧い設計でローコストを狙ったため、一部にしわ寄せが出る部分もあったようです。 ルーフと後部のCピラーを繋ぐ箇所に、走行や屋根への衝撃の負荷でわずかなシワが寄る個体がチラホラあるよという話は、その筋では比較的有名です。 とはいえ、軽さは運動性能の追求には最優位なポイントであることには違いありません。 実際に乗ってみてもそれは感じられますし、旧車同士でおこなわれるレースでは、大きなアドバンテージだと捉えている人がほとんどでしょう。 実際の勝率やタイムにも、事実として現れています。 ちなみに、ボディ剛性が周回レース車輌ほど必要とされないゼロヨン車輌での例ですが、最も軽量な初期モデルをベースにすると、800kg台まで軽くすることが可能だそうです。 驚きですね。 ■ステアリング方式にも注目 これはかなりマニアックなポイントですが、S30系・フェアレディZのステアリング方式も、スポーツ性能に良く働いているという話を聞きます。 S30系・フェアレディZのステアリング方式は、今ではほとんどのクルマに採用されている「ラック&ピニオン式」。 ステアリングシャフトの先に付いたギヤで、歯が付いたシャフトを左右に動かす方式です。 こんな普通な方式のどこがアドバンテージなの?と思うでしょう。 それは、この時期の日産車の主流が「ボール&ナット方式」だったからなんです。 これには、当時の日産車、特にプリンス系の流れを汲むスカイラインやグロリアなどがお手本にした、ヨーロッパのGTカーがこの方式を採用していたという背景がありました。 当時は「“あの”ボール&ナット式」を採用、とアピールできた時代でしたが、路面の凸凹を拾ってハンドルにショックが来たり、調整しないとガタが大きくなって直進安定性に問題が出たりと、デメリットも多い方式でした。 その点、ラック&ピニオン式ならダイレクト感が高いわりに路面のキックバックも少なく、操作が軽くてシンプル、という良いことずくめ。 当時は認知度が低くアピール弱めだったのですが、次第に浸透して今は主流になっていることからも、優れている方式なのが分かると思います。 余談ですが、サーキット走行が好きな人の中には、スカイラインをラック&ピニオンに改造してしまう人もいるほどです。 ■S30系・フェアレディZの素性の良さを堪能してみよう ハイパフォーマンスなモディファイにも対応できる素性の高さを秘めたS30系・フェアレディZのシャーシですが、フルノーマルでもその良さは充分堪能できる味わいを備えています。 まずは車体の軽さ。 クラッチをつないで走り出すと、2リッターのやや頼りないトルクでも、スルスルと前に進んでくれます。 ここからアクセルを踏み込むと、グッとタメを見せた後にグゥーーっと勢いがノッていくのが楽しめます。 エンジンの特性的に決して鋭い加速とはいえませんが、アクセルに対する車体の追従感は鈍くありません。 交差点を曲がる際も、適度な外向きロールを出しつつ、軽やかな印象を感じさせながら曲がっていくのも楽しめるでしょう。 ストラット式サスペンションのダンパーは結構ストロークが多めなので、ゆったり走るのに向いていると思います。 路面の段差を乗り越えるときは、今どきのクルマのように足だけで衝撃を逃がす感じとはまったく異なるフィーリング。 まずタイヤが持ち上がった感じが伝わってきて、ダンパーが縮みます。 そのとき車体がわずかに持ち上がる感じがあって、少し耐えた後にバネの力で足が伸びようとするのを感じながら、弱めの減衰力で車体のハネが抑えられているのも同時に感じ、車体が元の位置に落ち着く…という印象です。 当時はスポーティな味付けだったと思いますが、今の感覚で見ると、波を乗り越える船のような感覚を連想する足まわり。 まさにゆったりと走るのが気持ち良く感じられるでしょう。 気が付くと、セカセカと急ぐ気分が身を潜めていくのが不思議です。 山道で少しペースを上げて走ってみると、街中のゆったり感の印象が払拭され、意外とキビキビと走れるのに驚きます。 さすがにロールは大きめですが、カーブのアールに合わせて荷重を意識しながら曲がっていくと、思ったよりも足が踏ん張ってくれるのを感じられます。 キツめの登りはエンジンパワー的に厳しいですが、Zに適したペースで走る山道は、今のクルマでは味わえない醍醐味を感じさせてくれるでしょう。 もしこれに味を占めて山道を頻繁に走るなら、ブレーキだけは強化しておくことをオススメします。 スポーツ系のパッドに交換するだけでも違いますし、ボルトオンで交換できる4ポッドキャリパーに交換するとより安心だと思います。 あと、個人的には純正のプロファイルに近いサイズの185/60R14タイヤくらいが、当時の乗り味をより堪能できるのでオススメです。 見た目に関しても、このサイドウォールが広めなタイヤのバランスが、ノーマルルックのZにマッチすると思っています。 ■S30系・フェアレディZといえば「悪魔のZ」。その実現度を想定してみる このように、50年前に作られたクルマとは思えないくらいに高いポテンシャルを秘めていることが、各方面で証明されているS30系・フェアレディZ。 実際に、あのマンガで有名な「悪魔のZ」のように300キロの世界でバトルが出来るのでしょうか? そこ、かなり気になりますね。 実は私、「湾岸ミッドナイト」を夢中で読んでいた頃は、まだ実際のS30系・フェアレディZの性能についてまったく知りませんでした。 しかし、読み進むにつれて「なんか妙にリアリティがあるなぁ」とぼんやり感じていたのも事実です。 それが、改めてS30系・フェアレディZの、カスタムベース車としてのポテンシャルを知ることになってから、「楠先生はけっこうしっかりリサーチしてるなー」と関心すると同時に、やっぱりこの人はこのテのジャンルが根っから好きなんだと感じました。 まず、エンジンのチューニングから見ていきましょう。 L28改の3.1リットル仕様というのはベストチョイスかと思います。 ボアアップの3リットル仕様では下のトルクが足りず、ボア&ストロークアップの3.2リットル仕様では発熱量の面で厳しいのではないかと思います。 ピストンはマーレ製との表記がありました。 純正流用でないのは、圧縮比とピストントップ形状を追い込みたかったからでしょう。 超ハイブーストを狙っているなら鍛造は必須なので、その線でも純正はナシですね。 コンロッドはチタンだそうで、ちょっと時代を感じますが、形状次第で耐えるでしょう。 クランクはワンオフのフルカウンター。 LD28流用は強度の面で不安がありますので、これも説得力があります。 タービンはTD06とあります。 最大サイズを選べばツインのフルブーストで700馬力は狙える風量ですが、サイズを落として500馬力程度に抑えれば、街乗りもなんとかこなせそうです。 問題はキャブだという点。 燃調の安全マージンや温度変化への追従などを考えると、だいぶ厳しいのでは?と感じます。 追加インジェクターを打っても相当苦労したという話をいくつも聞きました。 その点だけは“スゴ腕チューナー”のミラクルに期待する部分ですね。 車体と足まわりはどうでしょうか? ボディに関しては、フルスポット増しと室内のロールバー程度では、超高速のバトルに追従するのは至難の業だと思います。 「身をよじるような」が例えでは済まないでしょう。 劇中でもクラッシュしたのをきっかけに大改修していますので、その点は改善できたと思って良いのでしょう。 足まわりに関しては記述が見付けられませんでしたが、剛性のある車高調にしてリヤのアームを強化品に替えれば、足がヨレるということにはならないと思います。 駆動系の記述は見当たりませんでしたが、さすがに純正では強度が不安です。 R32スカイラインなど、250馬力以上の設計の車種からの流用が必須でしょう。 シャーシ関連での不安はブレーキです。 純正のローター径ではまずお話になりません。 320mmは欲しいところですが、劇中で履いている「エイトスポーク」は16インチでも収まりきらないでしょう。 ローターが収まるサイズに留めるとフェードするという不安が残りますが、そちらはアキオくんの神テクでカバーできるに違いありません。 そうだと信じましょう…。 とまあ、ちょっといじわるに細かくツッ込んでしまいましたが、ここまでツッ込めるほどに設定がしっかりしているマンガはかなり珍しいといえます。 正直な感想は、これだけ設定がしっかりしてるからこそ、読者目線でも首都高バトルに入り込めたんだと思いました。 今見直しても楽しめるすばらしい作品だと思います。 ■おわりに ローコストをテーマに開発された車輌が、50年以上経った今でもその性能の良さを認められているという事実は、開発車冥利に尽きるのではないかと思います。 これは個人的な見解ですが、同じコンセプトを持つトヨタ「AE86」が後年まで人気を維持して、モータースポーツの世界でも一線級の戦闘力を披露している点に妙な共通点を感じています。 モディファイしてサーキット走行を楽しむも良し、フルノーマルで当時の乗り味を堪能するも良し、それぞれの想いを受け止めて輝き続けるS30系・フェアレディZは、紛れもなく日本の誇る名車と言って良いと思います。 [ライター・往 機人 / 画像・日産]

ネジ山が破損していてお手上げ!そんなときはネジ山の再生に挑もう
ライフスタイル 2023.10.16

ネジ山が破損していてお手上げ!そんなときはネジ山の再生に挑もう

前回は固着したネジの緩め方について書きましたが、今回はやむを得ずネジ山を破損してしまった場合の「ネジ山再生方法に」ついてご紹介いたします。 旧車がメインのWebメディアとしては随分地味な内容が多い筆者ですが、全国のさまざまなイベントで雄姿を見ることのできるクラシックカーには、こうした地道な作業を伴うオーナーの努力の上に成り立っているということも、ぜひ頭の片隅に入れて置いていただけると幸いです。 *記事の内容は個人の見解でもあるので、作業は自己責任でお願いいたします。 ■修正タップをたてる 完全にネジ山が潰れてしまったわけでもなく、一部残っている。あるいは、カジリやネジ山が変形したボルトを抜いたことで一部変形してしまったときは、同じサイズのタップを経てることで修正することができます。 もしナット側のネジ山が変形して、同じサイズのボルトが回らないくらいきつくなったときは、無理に締め込もうとしないで一度修正タップをたててみましょう。 ネジ穴に固着したボルトが折れて残ってしまい、ドリルで「もいでいく」際は、ドリル径を少しずつ大きくしていきます。 ネジ径の8割くらいのドリルまで使ったら、あとは元のネジ穴と同サイズのタップを立てれば再生できます。 ネジを切るための正確な「下穴径」は、「ネジ 下穴」で検索すると一覧表が出ますが、概ねネジ径×0.8前後と覚えておくと便利です。 長年使っていなくてサビや埃でネジ山が埋まってしまったり、再塗装や再メッキで嵌めあいがきつくなってしまった場合にも修正タップは有効です。 自動車用のネジの場合、嵌めあいの精度は、手でボルト・ナットが抵抗なく回せるくらいが目安だそうです。 修正タップは市販のタップセットを揃えるのが簡単ですが、よく使うサイズは奮発してスパイラルタップを用意しておくといいかもしれません。 タップハンドルもセットに入ってるタップハンドルの他に、チャック式の小型のハンドルも用意しておくと便利です。  ■ナッターを使う  クルマに限らずDIYで何かを作ったり、リノベーションを楽しんでいる人なら持っておいて損はないツールに「リベッター・ナッター」があります。 本来「リベット」や「カシメ」で薄板同士を固定する役割なのですが、ナッターとして使えば、板の外側から反対側にナットをカシメて固定することができるという優れモノです。 裏側に手が入らないところにパーツや板材をネジ止めするときに重宝します。 本来はM4のナベネジで車体側の外接ナットで固定できるはずのスバル 360のテールランプ。 しかし、筆者が入手した時点では下側のネジ山が潰れていて、長年上側のネジだけで固定している状態でした。 この際、ナッターでネジの再生をすべく、まずは6mmの下穴を開けます。 「ブラインドナット」と呼ばれるカシメ型のナットを、「マンドレル」と呼ばれるネジを切ったシャフトに取り付けます。 下穴にマンドレルに取り付けたブラインドナットを、差し込み穴に対してマンドレルが垂直を保っている状態でグリップをしっかり握ります。 ブラインドナットをカシメてからマンドレル後ろのツマミを左に回して、ナットからシャフトを抜けば完成です。 これで、外接ナットが復活。 普通にM4サイズのビスで固定できるようになりました。  ブラインドナットを「カシメる」際は、グリップの手ごたえが変わったところで、少し力を入れて動かなくなったあたりで止めるという微妙な力加減が必要です。 引きが足らなければナットの固定ができず、引きすぎたらシャフトが抜けてネジ山を潰してしまいます。 最初は適当な薄板で練習して慣れる必要があるかもしれません。 ■ある程度自分で機関部のDIYメカをしたい、クラシックカーのレストアをしたいという人はリコイルヘリサートを 「リコイルヘリサート」は、エンジンブロックやバンパーステーの雌ネジ部分が潰れてしまった際にネジ山を復活させる道具です。 最近は、アマゾンやアリエクスプレスなどでM5、M6、M8、M10、M12の補修キットが買えます。 アメリカ車、英国車のオーナーは、更に奮発してユニファイネジ対応のリコイルヘリサートキットを買っておけばもう万全でしょう。 かいつまんで説明すると、潰れた雌ネジを一旦ドリルでもみ切り、特殊なサイズのタップで一回り大き目のネジ山を切り、内側がネジ山と同じサイズ・形状・ピッチになっているコイルを挿入し、雌ネジを再生する工具です。 ▲写真はM6サイズ用コイルの下穴 まずは、ネジ山を再生するコイルインサートを入れるために、潰れたネジ穴に付属のドリルで指定のサイズの下穴を開けます。 次に、付属の指定のタップでコイルインサート(M6)を入れるためのネジ山を切ります。 中央の引きばねのようなコイルですが、内側はM6サイズのナットのネジ山と同じ形状になっています。 数字の7のような形をしたハンドルの先に切り欠きがあり、コイルの中のまっすぐな部分をひっかけます。 先ほどタップを切ったネジ穴に、ハンドルに取り付けたコイルを入れ右方向(時計回り)にハンドルを回し、コイルを挿入します。 反対側からコイルの先が出ないところで止めます。 コイルを挿入したらハンドルを抜き、コイルを入れた方向から、今度は付属の丸棒を勢いよく差し込み、コイルの余分な部分を折ります。 この際、反対側からコイルが飛び出した状態で折ろうとするとコイルが伸びて変形し、ボルトが入りにくくなってしまいます。 こうなったときは、コイルの伸びた方をラジオペンチか先の細いプライヤーでつまんでコイルを引き抜き、もう一度新しいコイルを挿入してください。 表側は多少飛び出していても、ボルトを締めこめば飛び出している部分も中に入っていきます。 ■工具と技術は必要ではあるものの、潰れたネジ山を再生する方法はある 腕のいいメカニックなら「そもそもネジを壊さず外す」なんていいますが、古いクルマをいじっているとなかなかそうはいかないものです。 普通はネジを破損してしまったとなれば途方に暮れるかもしれません。 しかし、少々高いスキルを要し危険も伴う作業もありますが、ネジを再生することは可能です。 DIYメカニックでワンステップ高いところ目指してみるなら、ネジの修正方法を覚えておくのも悪くないかと思います。 ただし、作業には危険が伴います。 指定の手順で、ときには工具店のスタッフ等詳しい人の指示のもと、くれぐれも無理はしないでくださいね。 技量に自信がなければ最初からプロにお願いするなど、安全には配慮をお願いします。 [ライター・画像 / 鈴木 修一郎]

スポーツの秋到来!走行会はクルマの運動会!
ライフスタイル 2023.10.06

スポーツの秋到来!走行会はクルマの運動会!

今年は例年になく、猛暑を越して“酷暑”という言葉がぴったりだった。 あまりの暑さに、屋外活動のやる気が起きない話もよく耳にした。 それは、クルマを趣味とする、読者の皆様も同じことと思う。 ようやく涼しくなってきた今、スポーツの秋ならぬ“モータースポーツ”の秋は、いかがだろうか。 今回は、クルマ好きなら一度は思う「愛車の性能をフルに試してみたい!」が体験できる、走行会について紹介したいと思う。 ■そもそも「走行会」とは? 走行会とは、サーキットなどを使用して、普段体験することができない、限界付近の旋回性能や加減速を、安全に愛車で楽しむことができるイベントである。 プロのレーサーがおこなうレースを、オリンピックといった陸上の大会と例えるならば、走行会はオリンピックの会場でおこなう、運動会と思っていただければよい。 プロが走行するコースを愛車を駆って走行できる、貴重なチャンスである。 ■走行会にもジャンルがある! まず“走行会”には、いくつかのジャンルがある。 ・サーキット走行・ジムカーナ・ゼロヨン  今回は、この3つを紹介していきたい。 ●サーキット走行 走行会の多くは、サーキットで開催となる。 メジャーなレースで使用される国際コースから、隠れ家的なミニサーキットでも実施されている。 驚くことに、探せば意外な身近な場所にも、サーキットは存在している。 多くのサーキットでは、そのサーキットのライセンスを取得しないと、フリー枠でも走行ができない。 定期的にスポーツ走行をおこない、腕を磨く目的がないと、なかなかに敷居が高い。 しかし、走行会は運営が提示するレギュレーションを満たしていれば、走行することができるのだ。 今回、取材させていただいた「初音レーシング」さんの走行会は、クルマ好きなら誰もが知る、あの富士スピードウェイ 本コースを使用した走行会であった。 しかも、約1時間連続で走れるのは、貴重な機会だ。 ●ジムカーナ サーキットとは異なり、広い敷地内にパイロンが設置され、パイロンを目標に指定された道順で走る競技である。 ジムカーナは、広大な駐車場でもおこなわれることがあり、多くの場所で実施されている。 また、速度域もサーキットほど高くはなく、1台ずつ走行するため、他車を気にせず滑り出しの感覚などを楽しめる。 ●ゼロヨン 全長400メートルのコースを止まった状態から加速して、速さを競う。 ストリートでのゼロヨンレースが舞台であった、ワイルドスピードの第1作目を思い出していただければ、想像に容易いと思う。 全国的にコースは多くはないが、愛車の加速性能をフルに体験するには、もってこいのステージである。 …と、どのジャンルも、参加するにあたっては最低限の準備は必要だが、普段乗っている愛車で走行可能だ。 ■走行会に向けての準備 では、走行会に参加するにあたっての準備について説明しよう。 申し込みについてだが、開催告知と募集の多くはSNSで行われているだろう。 走行会を主催する多くは、チューニングショップやカー用品店である。 スポーツパーツに熱心な、大手のカー用品店では、お店が独自で開催していることもある。 初めてで不安な場合は、お店での募集に申し込むのが良いだろう。 今回、走行会を主催されている「初音レーシング」さんは、VOCALOIDとモータースポーツが好きなメンバーで結成された総合モータースポーツクラブである。 その活動の一環として、“サーキット走行体験して楽しんでもらいたい!”との思いから企画されているとのこと。 このように、モータースポーツが好きな有志によって、開催されるパターンもある。 走行会参加にあたって、1番大事なことは“愛車で無事に帰宅できること”だろう。 レーシングカーのように、積載車で搬入出をするのではなく、自走での参加が基本となる。 そのため、無理を通して、愛車を壊してしまっては元も子もない。 また、走行会といえども、走る場所はサーキットである。 街中やワインディングを走っているのとは、異なるレベルで高負荷がかかるステージなのだ。  走行前は、適切なメンテナンスを行わないと、愛車が壊れてしまうどころか、多くの方を巻き込む事故につながる恐れもある。 今回の走行会は8月の半ば、真夏のなかでの開催となった。 そのため、参加者の方にお話を伺うと、口々に「車よりも人の方がバテてしまいますよ(笑)」とおっしゃっていた。 この暑さのなか、約1時間全開に近い状態で走行されていたが、コース上で止まってしまう車輌はいなかったことが印象的だった。 それは、参加されている方の多くが、きちんと事前にメンテナンスをおこなっていたからこそ。  任意保険の多くは、サーキット走行による事故では適用されない。 その点も留意いただきたい。 自車の破損はもちろん、サーキットを破損した場合も自腹となってしまうのだ。 ただ、サーキット走行用の保険もあるので、走行会前に加入するのも手だ。 走行会の多くは、ヘルメットや長袖、長ズボン、グローブの着用が必要である。 普段着ている服装でも、問題ない。 ヘルメットと滑りにくいグローブを用意すれば、参加準備はOK! その点も敷居を低く、参加しやすくしてくれている。 他に必要なものは、主催者から事前にアナウンスがあると思う。 過去、筆者が参加した経験から、ガムテープやビニールテープ、養生テープは忘れずに持参した方が良いだろう。  配布されるゼッケンの貼り付けはもちろん、レギュレーションによっては、事故時の破片飛散防止に、灯火類へのテーピングが必要となる。 また、ブレーキフルードのキャップやバッテリーの端子なども、脱落防止のためテーピングが必要になることもある。 テープは持参必須のアイテムなのだ。  ■走行会当日の流れ ここからは、今回取材にご協力いただいた「初音レーシング」さんの流れをもとに説明していこう。 走行会当日、受付でゼッケンを手渡される。 サーキットによっては、トランスポンダと呼ばれる計測器も一緒に渡されることもある。 車輌に取り付けることで、周回タイムを測定される。 走行終了後、各ラップのタイムを渡される。 同じコースを走るレーシングカーとのタイム差を知ることができるのも面白い。 周回ごとに、何がタイムに影響を及ぼすのかの発見にも繋がるだろう。 車輌の準備としては、ゼッケンを貼り付け、不要な荷物を下ろす。 必要ならばテーピングもここで済ませておく。  準備がある程度終わったタイミングで、ドライバーズミーティングがおこなわれる。 その際、主催者からサーキット走行上の注意点、黄色や赤のフラッグの意味などが説明される。 初めての方でも、不明点は遠慮なく質問をすれば良い。  走行開始時間になったら、誘導に従いコースインする。 最初は、先導車について完熟走行から。  車内から見たコースの広さに驚くことだろう。 先導車がピットに入ったタイミングから、待ちに待った愛車の性能を試すチャンス! ただ、油断をしてはならない。 公道とは違い、景色の流れがゆっくりと感じるため、想像以上にスピードが出ている。 これは過去、筆者が走行した際に感じたことだ。 コーナー進入時、きちんと減速をおこなわないと、クルマは遠心力で外側に引っ張られていく。 さっきまで広いと感じたコースだが、気を付けないとコースアウトしてしまうほどなのだ。 安心して欲しいのは、サーキットは仮にコースアウトしてしまっても、エスケープゾーンが広く設定されていることが多い。 愛車の性能、自身のテクニックを踏まえ、無理のない範囲でコーナーを攻める経験をしてもらいたい。 ただ、あくまでも“愛車で帰宅する”点をお忘れなく。 運動会は、余力を持って楽しむことが重要なのである。 走行が終了したら、各車ピットに戻り片付けをしつつ、走行タイムの一覧表を受け取ろう。  閉会式後には、参加者へさまざまな景品が当たる抽選会がおこなわれた。 勝敗を決めるレースではないため、アットホームな雰囲気である。 先述したように、「初音レーシング」さんは、VOCALOIDとモータースポーツが好きなメンバーで結成された総合モータースポーツクラブである。 そのため、当日もラッピングされた痛車の展示も同会場で行われていた。 今回の走行会で、筆者の琴線に触れる車輌も走行していた。 T31型エクストレイルのMTだ。 意外と知られていないが、ガソリンエンジンにもMTの設定があったのだ。 そこに、ワンオフでスーパーチャージャーを取り付けられていた。 走行している姿は、エクストレイルとは思えない走りだった。 何度かこの走行会に参加されているそうだが、今回はあまりの暑さにエアコンを入れて走行していたとのことだった(笑)。 ■ちょっと走ってみたい人向けに体験走行枠も ここまで読んでいただき、サーキットを走ってみたいが、走行会でも不安な方は居られるだろう。 そんな方向けに「初音レーシング」さんでは、体験走行枠も用意されている。 これは、ヘルメットの着用はいらず、乗車定員まで同乗可能となっている。 先導車に続き、追い抜きは禁止。  トップスピードも100キロほどと、高速道路を走行する感覚で、サーキットを走行できるのだ。 また、車輌規定も「自動車専用道路走行可能なクルマ」なので、軽トラ含め、さまざまな車種が参加されていた。 体験走行なら、家族みんなで楽しむことができるので、お子様が同乗すれば「サーキットを走った」という、特別な思い出になるだろう。 ■愛車でサーキットを駆けたくなった! 久しぶりに、愛車でサーキットを走りたい衝動にかられた。 涼しくなり、人にも車にも過ごしやすい季節となった。  もっぱら“食欲の秋”を満喫中だが、走行会に参加して“モータースポーツの秋”にするのも楽しそうだ。 興味を持った方は、冬が来る前にぜひ、行動してもらいたいと思う。 今回取材にご協力いただいた初音レーシングの皆様、ありがとうございました。 ●初音レーシングHPhttp://hatsune-racing.club/ [ライター・画像 / お杉]

「そうだ、オープンカーに乗ろう」。魅力をオーナー目線で考えてみた
ライフスタイル 2023.10.05

「そうだ、オープンカーに乗ろう」。魅力をオーナー目線で考えてみた

ある晴れた週末。 愛車のS2000で走っていたときのこと。 対向車線を走ってきたマツダ ロードスターとすれ違うとき、オーナーが片手をあげて挨拶してくれた。 筆者も当然のように手を振って応えた。 ロードスターは屋根が開き、オーナーの笑顔がよく見えた。 筆者も笑顔になった。 バイクでは「ヤエー」と呼ばれている挨拶である。 このような「心のハイタッチ」ができることは、オープンカーの魅力のひとつではないかと思う。 もちろん「ヤエー」は強制でもマナーでも何でもなく、わかり合っている者同士のコミュニケーションであるが、オープンカーに乗るとこのようなイベントを含めて非日常という刺激を味わうことができる。 前回のコラムで、オープンカーの魅力について少しふれた。 景色、匂い、温度、音の変化からドライブの余韻を味わったまま飲むビールのおいしさまで、五感 で楽しむ乗り物だと感じている。 ●18年・33万キロを駆けぬけてきた愛車、ホンダS2000の3つの魅力とは?https://www.qsha-oh.com/historia/article/attractive-3-points-of-s2000-s2k/ 今回はオープンカーのいちオーナーとして、魅力やオーナーならではのエピソードを綴ってみたい。 ■オープンカーの魅力 ▲筆者の愛車はホンダ S2000(AP1) よく語られる「オープンカーの魅力」。 そもそも屋根がないというだけで非日常を楽しめるが、具体的な「魅力」とはどんな感覚なのか、 そして走らせているときはどんな感情なのかを改めて考えてみたい。 ●「オープンエアーを感じる」とは? オープンカーの魅力としてよく語られるのが圧倒的開放感、そして「風を感じて走る」こと。 走り出した瞬間、体が「風に包まれる」ような感覚を覚える。 風が吹きつけるというよりは「やわらかさ」を感じられて本当に心地良い。 風の感じ方は車種によって異なるだろうが、フロントガラスがあることで風当たりが緩和されるのかもしれない。 風と一体になったようなオープンエアーがクセになるので、屋根を開けて走る理由は大きい。 ●人生が楽しくなるとは? オープンカーに乗ると「所有の喜び」を感じられるのはもちろん、生活のさまざまな部分にこだわりたくなり、カーライフとリンクさせたくなる。 それは人生を楽しむことにもつながっていく。 例えば、オープンカーがきっかけでドライビングシューズを履く人もいるかもしれない。 愛車の色と 同じ色のシューズにすれば、愛車と離れている時間も愛車を感じることができ、所有の喜びを感じられる。 生活の些細な部分で幸せを感じる瞬間が増える。 筆者はオープンカーミーティングでオープンカーの仲間と知り合った。 20年近く経つが、仲間とは今も交流が続いている。 ▲※写真はイメージ ■オープンカーのベストシーズンは冬? オープンカーのベストシーズンが冬といわれるのはなぜなのだろうか。 春先は気候も良く、桜を見ながら走れてベストシーズンと思われがちだが、花粉症の人にとっては地獄の季節。 オープンドライブどころではない。 筆者の周囲にも「花粉症で屋根なんか開けられない」というオーナーは多い。 夏のオープンドライブは...やめておいたほうが無難だ。 カンカン照りの日中に屋根を開けて走る人を見かけることがあるが「オーブンカー」と呼ばれる通り。 重度の日焼け、熱中症の危険がある。 それに暑さは体力を消耗させる。 安全運転のためにも夏の日中は避けたい。 夏に乗るなら早朝か夕方が良いだろう。 秋は涼しく、紅葉の季節でもあってベストシーズンといっても良いかもしれないが、林道など山の中を走るときは虫に注意。 オープンカーはまれに虫が車内に入ってくる。 筆者はアブが入ってきて、追い払うのに苦労したことがある。 また、秋はスズメバチが攻撃的になる季節でもあるので要注意だ。 そうなると、やはり冬がベストシーズンなのである。 ▲S2000の場合はエアコンに「こたつモード」と呼ばれる機能がある。足元まで暖かく快適 ■オープンカーのデメリットと対策 デメリットよりもメリットのほうが多いと思っているが、デメリットは工夫次第でカバーできるし、こだわりのポイントとして楽しむこともできる。 ●紫外線から目を守って疲労軽減 ファッションアイテムとして見られがちなサングラス。 もちろんファッション性も高いが、遮るものがないオープンドライブでも必需品。 紫外線から目を守って疲労を軽減してくれたり、飛来物から目を守ったりしてくれる。 軽量で強度のあるものだとなお良い。 ●手がベタつかない日焼け止め 日焼け止めは、こまめな塗り直しが必要とされる。 しかし、手にとって塗るタイプはベタついてしまうので、運転中に使うのは少し億劫かもしれない。 そんなときはミストタイプの日焼け止めを常備しておくと便利。 素早く使えるし、メイクの上からでもOK。 手がベタつかない日焼け止めはオープンドライブの強い味方といえる。 ●グローブは手汗や日焼けも防ぐ ロングドライブも多くなるのでグローブは必須。 冬は防寒として役立ち、夏は手汗でステアリングが滑るのを防いでくれる。 筆者はレーシングタイプが気に入っている。 手首までカバーでき、ふかふかしてつけ心地が良い。 それに、ジムカーナなどの走行会にも対応可能だ。 ●鳥の糞や雨漏りなどに備える タオルや洗車シートを載せておくと便利。 オープンにしていると、車内に砂やホコリが舞い込んで ダッシュボードが汚れがち。 気になったらサッと掃除できる。 筆者のS2000はウェザーストリップから雨漏りするので、雨水を拭き取るタオルを常備している。 それから、鳥の糞が落ちてくることがまれにある。 小鳥の糞は問題ないが、鷺のように大型鳥の糞になると大惨事! 筆者はフロントガラスに直撃した経験があり、大量の糞を拭き取るのに苦労した。 洗車シートを常備していれば、万が一のとき本当に助かる。 もし体に直撃したら...温泉にでも入りにいこう。 オープンカーに乗るには、おおらかさも必要かもしれない。 ▲基本はキャップだが冬場はニットキャップに。耳もカバーできて暖か。シーズン通してアームカバーよりも機能性アンダーウェアを着る機会が多いかもしれない ●幌の劣化を想定しておく オープンカーの最大のデメリットといえば、幌が破れてくることかもしれない。 ソフトトップの車種は、交換を見据えたメンテナンスが必要となる。 ハードトップの装着、屋内保管などで幌を長持ちさせる方法もあるが「開けてナンボだろ!」という人は、幌の限界を試すのも楽しいかもしれない...!? ▲S2000の純正幌は「HVデニム」と呼ばれるビニールレザー製。過去2回交換。破れるとシリコン剤で補修していた ■筆者のこだわりは? 筆者は隙があれば屋根を開けるタイプだが 「いつでも開けてます、オープンジャンキーです!」というわけではない。 仕事場へ向かうときはクローズだ。 緊張感もあるが、これから取り組む仕事に集中したいと思ってしまい、開けたいという気持ちにはならない。 仕事が終わった帰り道にオープンドライブすることはよくある。 長く乗るために遠回りすることも。 仕事の余韻と解放感を味わいながら走るのが好きだ。 筆者のオープンドライブは、メンタルと連動している。 ▲S2000 は仕事でも乗るのでいつも一緒にオープンドライブを楽しんでいる ■とにかくオープンカーはいいぞ 旧車の国産オープンモデルは多く、選択肢が多いという魅力がある。 好みのスタイルや乗るシーンに合わせながら選ぶのは楽しいと思う。 これから秋も深まり、オープンカーでのドライブが気持ち良いシーズン。 今まさに購入を検討している方はぜひ。 「オープンカーはいいぞ!」 このひとことに尽きる。 [ライター・撮影 / 野鶴 美和]

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