旧車売買の豆知識

中古車の諸費用の相場は?諸費用を抑える方法も解説
旧車売買の豆知識 2023.11.06

中古車の諸費用の相場は?諸費用を抑える方法も解説

中古車の購入を検討しているが、諸費用がどの程度かかるか気になっている人もいるでしょう。諸費用の相場を把握していれば、予算内に収まる車を見つけやすくなります。この記事では、中古車諸費用の相場を詳しく解説します。中古車諸費用を抑える方法も解説するので、ぜひ参考にしてください。 中古車の諸費用の相場 中古車の諸費用の相場は、車両本体価格の10〜20%です。そのため200万円の中古車を購入するには、20〜40万円程度の諸費用を準備しておく必要があります。 諸費用は大きく分けると税金や保険などの「法定費用」、陸運局や車庫証明の手続きをするための「代行費用」が発生します。 法定費用 法定費用とは税金や保険料のことで、購入する車や加入する期間によって金額が異なります。続いて、法定費用の相場を解説します。 自動車税(種別割) 自動車税(種別割)は、排気量によって税額が異なり、購入してから翌年3月分まで支払う必要があります。自家用車の排気量ごとの年額(12ヶ月分)は下記のとおりです。 ・660cc(軽自動車) 10,800円・〜1,000cc 25,000円・1,001〜1,500cc 30,500円・1,501〜2,000cc 36,000円・2,001〜2,500cc 43,500円・2,501〜3,000cc 50,000円・3,001〜3,500cc 57,000円・3,501〜4,000cc 65,500円・4,001〜4,500cc 75,500円・4,501〜6,000cc 87,000円・6,001cc〜 110,000円 引用元:令和4年(2022)年度自動車税(種別割)税率早見表 例えば1,500ccの車を5月に購入した場合、法定費用は25,400円(計算式:30,500円÷12×10ヶ月)です。上記の年額を参考に、購入する車の自動車税(種別割)を月割りで計算してみてください。また中古車でも新品未使用車や試乗車の場合は、エコカー減税が適用され安くなるケースもあるので、販売店に確認してみてください。 自動車重量税 車検ありの中古車を購入した場合、車検取得時の所有者が全額支払う必要があるため、重量税を納税する必要はありません。一方、車検なしの中古車を購入した場合は、下記の重量税を納税する必要があります。 ・〜0.5t 8,200円・〜1t 16,400円・〜1.5t 24,600円・〜2t 32,800円・〜2.5t 41,000円・〜3t 49,200円 引用元:自動車重量税の税額一覧表【乗用|2年自家用】 また重量税は「13年経過」「18年経過」のタイミングで増税されるため、古い車ほど税金が発生することも把握しておきましょう。一方、登録してから間もない車は、エコカー減税が適用され重量税が安くなるケースもあるので、販売店に確認してみてください。 環境性能割 環境性能割(旧取得税)は、購入する車の年式によって金額が異なり、取得金額が50万円以上の場合は納税する必要があります。計算式は下記のとおりです。 車両価格×90%=課税標準基準額課税標準基準額×残価率=取得価格(1,000円未満は切り捨て)取得価格×税率=環境性能割 課税標準基準額は、税務署で使われている「自動車取得税の課税標準基準額及び税額一覧表」で、車の型式やグレードを基に定められた税金です。一般には公開されていませんが、目安は車両価格の90%になります。また経過年数ごとの残価率と税率は下記のとおりです。 【残価率】・1年 0.681・1.5年 0.561・2年 0.464・2.5年 0.382・3年 0.316・3.5年 0.261・4年 0.215・4.5年 0.177・5年 0.146・5.5年 0.121・6年 0.100 【税率】・自家用普通自動車 3%・軽自動車 2%・営業用自動車 2% 引用元:中古車の取得税計算方法 例えば3年式の250万円の中古車を購入した場合、下記の環境性能割が発生します。 250万円×0.9=225万円(課税標準基準額)225万円×0.316(残価率)=71万1,000円(取得価格)71万1,000円×0.03(税率)=21,330円 自賠責保険料 自賠責保険料は、加入する期間によって料金が異なります。車検が残っている場合は、「自賠責保険経過相当額」という項目で残額を月割りで払う必要があります。車検なしの場合は、24ヶ月または25ヶ月で加入する必要があるため注意してください。 ・12ヶ月 12,700円・13ヶ月 13,310円・24ヶ月 20,010円 ・25ヶ月 20,610円 引用元:あいおいニッセイ同和損保「自賠責保険料早見表」 上記は普通自動車の自賠責保険料です。諸費用を算出するときの参考にしてください。 リサイクル料金 リサイクル料金の相場は、7,000〜18,000円程度です。リサイクル料金とは、「自動車リサイクル法」で定める費用で、廃車処分時に前払いする必要があります。車を売る場合は、リサイクル料金が戻ってくるので、売却時の査定金額に含まれているか確認しましょう。 代行費用 代行費用は販売店に手続きを依頼した場合に発生します。販売店によって設定されている費用が異なるので、車を購入する店舗によって金額が変わることが特徴です。続いて、代行費用の相場を解説します。 車両登録代行費 車両登録代行費の相場は3万円程度です。登録に必要な書類作成や、陸運局での手続きを販売店に代行してもらう際に支払います。陸運局は平日しか手続きを行えないため、代行してもらう人が少なくありません。 車庫証明代行費 車庫証明代行費の相場は2万円程度です。警察署で行う車庫証明の発行手続きを販売店に代行してもらう際に支払います。発行には3日程度かかり、申請時と発行後の合計2回、警察署に出向く必要があります。。また陸運局と同様に、平日しか手続きが行えないので、販売店に代行してもらう人が多いでしょう。 納車費用 納車費用の相場は、販売店から近い場合は1万円程度、遠方の場合は3万円程度と納車場所によって異なります。納車費用は、購入者が指定する場所まで車を届けてもらう際にかかる費用です。販売店によっては納車整備費用も含むため、契約時に内訳を確認しておきましょう。 洗車費/クリーニング費 洗車費やクリーニング費の相場は、5万円程度です。中古車は新車とは異なり、内装や外装をきれいにするため、洗車費やクリーニング費が発生します。車の状態によって費用が変動するため、契約時に確認してみてください。 中古車の諸経費を抑える方法 登録手続きを自分でしたり、車を店舗まで取りに行ったりすれば、代行費用を抑えられます。また車検ありの車を選べば、自動車重量税を抑えることも可能です。頭金に充てられるお金が少なく、諸費用を抑えたい人はぜひ試してみてください。続いて、中古車の諸経費を抑える方法を解説します。 手続を自分で行う 陸運局での登録や、車庫証明の発行手続きを自分で行えば、車両登録代行費と車庫証明代行費を抑えられます。しかし陸運局や警察署は、平日しか手続きを行えないため、土日しか出向けない人には向いていません。家族や友人に、代行手続きをしてもらうことも可能なので、周りの人に相談してみましょう。 店舗へ取りに行く 店舗へ車を取りに行くと、納車費用を抑えられます。納車費用は、指定する場所まで車を届けるサービスのため、店舗へ取りに行けば費用は発生しません。しかし車を届けるだけでなく、納車整備費用を含んでいる店舗では、納車費用をカットできない可能性があるため注意してください。 車検ありの車を選ぶ 車検ありの車を選べば、法定費用の自動車重量税をカットできます。なぜなら自動車重量税は、車検取得時の所有者が全額払う必要があり、次のユーザーは自動車税(種別割)のように月割りで納税しなくてもよいためです。また車検なしで自賠責の保険期間を過ぎた車は、通常の24ヶ月ではなく25ヶ月で加入する必要もあるため、さらに費用がかかります。  

【初心者向け】中古車の買い方ガイド!失敗しないためのポイントを徹底解説
旧車売買の豆知識 2023.11.06

【初心者向け】中古車の買い方ガイド!失敗しないためのポイントを徹底解説

中古車を購入するとき、購入方法や購入の流れ、注意点など、さまざまなことがわからないものです。今回は、初めて中古車を購入する初心者の方に向けて、中古車の購入方法や気をつけるべきこと、購入の流れなどを解説します。 中古車の購入方法 中古車は、どのような方法で購入すればよいのでしょうか。まず、中古車の購入方法について解説します。 中古車販売店に直接行く 中古車を購入するときには、中古車販売店に直接行くという方法があります。 中古車販売店には、大手の業者や小さな販売店など、規模や実績がさまざまです。中古車の購入が初めての場合、大手の中古車業者や販売店の方が購入時のサポートやアフターケアが充実しているため安心感があるでしょう。 一方、小規模で個人経営のような中古車販売店では、相場以上の価格で販売していたり、アフターケアが充実していなかったりするため、初心者にはおすすめできません。 中古車販売店に直接行って車を購入するときには、在庫数が多い、大手業者を選ぶとよいでしょう。 中古車検索サイトを利用する 中古車検索サイトとは、カーセンサーやグーネットなど、インターネットで中古車情報や販売店案内をしているウェブサイトのことです。 中古車検索サイトでは、日本全国の中古車情報を参照できるため、探している車の相場や希望する車を効率よく探せます。 ディーラーの認定中古車を購入する 新車を販売しているディーラーでも中古車の取り扱いをしている場合があります。ディーラーの認定中古車であれば、専門性の高いディーラーの整備やチェックを受けた車は手に入ります。 初心者が避けるべき中古車の購入方法 初心者が中古車を購入するときは、個人売買やオークションを避けたほうが良いでしょう。ここからは、初心者が避けるべき中古車の購入方法について解説します。 個人売買 個人売買は、売り手と買い手が直接売買する方法です。 ただし、何らかのトラブルがあったときは自分ですべての責任を取らなければなりません。そのため、初心者が車の個人売買をするのを避けたほうがよいのです。 個人売買は、業者を通して購入するより、安く買うことができる場合が多いです。しかし、購入後にトラブルがあった場合、予想以上の出費を強いられることがあるため、初めて中古車を購入する初心者は個人売買を避けたほうがよいでしょう。 カーオークション カーオークションは、オークション代行業者に依頼して、オークションで車を購入してもらう方法です。 購入までは業者が行ってくれますが、その後の整備やメンテナンスなどの対応は、代行を依頼した購入者が行わなければなりません。そのため、初心者には向いていないのです。 また、カーオークションの場合、実際に車を見ることができない状態で購入することになります。そのため、実車を見て購入したい場合には、カーオークションは避けたほうがよいでしょう。 中古車購入の流れ 中古車購入の流れは、予算決めから納車まで6つのステップとなります。ここからは、中古車購入の流れを解説します。 1.予算を決める 中古車に限らず、車を購入するときは予算を決めましょう。予算を決めずに購入してしまうと支払いに苦労することがあります。車を購入するときは、生活を圧迫しない程度の予算を計算して購入しましょう。 2.購入する車を決める 購入する車種を決めましょう。車種を選ぶときは、目的や用途に合った車を選ぶことをおすすめします。金額だけで車を選んでしまうと購入後に後悔してしまう可能性があるため、車種は慎重に選びましょう。 3.必要書類を用意する 車種が決まったら必要書類を準備しましょう。車の購入には、「車庫証明書」や「印鑑証明書」などの書類が必要です。特に、車庫証明書は、取得までに時間がかかるため早めに準備しましょう。また、駐車場を借りる場合には、空き駐車場があるか確認が必要です。駐車場に空きがないのに車を購入してしまうと、納車までに保管場所が見つからず困る事になるかもしれません。 4.契約する 車種が決まり、駐車場の確保ができたら、売買契約を取り交わしましょう。購入の契約は署名や押印するだけのため、さほど大変ではありません。契約の際には印鑑や実印を持参していくとよいでしょう。 5.代金を支払う 代金を支払います。一括で購入する場合には、振り込みで購入代金全額を振り込むケースがほとんどです。ローンで購入する場合には、頭金や初回代金を支払います。詳しい代金の支払方法は、購入店舗の担当者と相談しましょう。 6.納車 代金の支払いが終わったら、いよいよ納車です。納車のときには、車が契約したときと変わりない状態か確認することがポイントとなります。いち早く乗り出したい気持ちはわかりますが、購入した車にトラブルや不具合がないか確認してから受け取りましょう。 中古車購入に失敗しないためのポイント 中古車を購入するときに失敗しないようにするためには、主に3つのポイントがあります。ここからは、中古車購入で失敗しないためのポイントを解説します。 可能な限り車を直接確認する できるだけ実車を確認しましょう。外装や内装は写真や動画などで確認できますが、車内の臭いや小さなキズ・汚れなどは実際に車を見なければわかりません。そのため、中古車を購入するときは、できる限り実車を確認するようにしましょう。 保証を確認する 中古車は、新車よりも故障や不具合などが発生するリスクが高いです。そのため、中古車を購入するときは、販売店の保証を確認しましょう。また、補償内容が充実しているか、保証期間が長いかも確認しておくこともポイントです。 業者の信頼性をチェックする 業者の信頼性をチェックしましょう。信頼性を確かめるのは難しいことです。業者の信頼性は、中古車販売店としての経歴、実績、規模などをもとに確かめるとよいでしょう。

認定中古車とは?普通の中古車との違いは何?メリット・デメリットも紹介
旧車売買の豆知識 2023.11.06

認定中古車とは?普通の中古車との違いは何?メリット・デメリットも紹介

中古車の購入を検討する際は、認定中古車を選ぶべきかどうか迷う方もいるでしょう。認定中古車には通常の中古車とは違った特徴があります。この記事では、認定中古車とは何かを詳しく解説します。認定中古車のメリットやデメリット、向き不向きも解説するので、ぜひ参考にしてください。 正規ディーラーの認定中古車とは 正規ディーラーの認定中古車とは、各メーカーが規定している条件をクリアし、品質が保証された車です。高品質な車の提供を目的に厳しい検査を実施しており、さらに修理保証がついているため安心して購入できます。名称は各メーカーで異なり、トヨタは「U-car」フォルクスワーゲンなら「Das WeltAuto」などと差別化されていることが特徴です。 また認定中古車は、顧客から下取りした低年式で走行距離が少ない車の中から厳選されています。ナンバー登録が行われただけの届出済未使用車や、試乗車も認定中古車として販売されているケースも多いです。 中古車販売店の認定中古車とは 中古車販売店の認定中古車は、正規ディーラーと同様、各販売店が規定している条件をクリアした高品質な車が多いです。主に顧客から買取した車の中から、認定中古車を厳選し、販売店独自の修理保証を付与します。正規ディーラーで付帯された保証が残っていれば、継承手続きも行われます。 認定中古車のメリット 認定中古車は品質がよく、手厚いアフターサービスを受けられるので、安心して購入できます。続いて、認定中古車のメリットをそれぞれ詳しく解説します。 品質が良い 認定中古車は、品質がよいため優良車を購入できます。なぜなら認定中古車として販売されているのは、低年式で走行距離が少ない車がほとんどで、各メーカーが定めた厳しい条件をクリアしているからです。また修復歴がない車が多く、コンディションがよいので、購入してすぐに不具合が発生するケースは少ないでしょう。 安心感がある 認定中古車は、販売される前に厳しい検査を行っているため安心感があります。正規ディーラーの認定中古車であれば、各メーカーに精通した整備士が検査を行うため、故障する確率が高い箇所を入念に点検してくれます。またメーカーによっては、エンジンオイルやワイパーなどの消耗品を新品に交換してくれるので、購入してすぐにメンテナンスを行う必要がありません。 長期保証がついているものが多い 認定中古車は、長期保証がついているものが多いです。ほとんどの正規ディーラーや販売店では、購入してから1年間無料で保証が付き、追加料金を支払えば延長もできます。保証期間内であれば、エンジンやトランスミッションなどが故障しても、無料で修理してくれるため、高額な費用が発生しません。またロードサービスが付帯されるケースもあるので、トラブルが起きても安心です。 認定中古車のデメリット 認定中古車は、状態のよい車を安心して購入できますが、デメリットもあります。続いて、認定中古車のデメリットを詳しく解説します。 価格が高い 認定中古車は、通常の中古車より価格が高いことがデメリットです。入念な検査や点検が行われ、修理保証も付帯されるため、通常の中古車より割高になってしまいます。また新車の状態に近い届出済未使用車を購入しても、サンルーフや本革シートなどのメーカーオプションが付けられないので、実費で後付けする必要があります。 故障のリスクはゼロではない 認定中古車は、品質がよく入念に検査や点検が行われているとはいえ、故障のリスクがゼロではありません。車は機械のため、今日調子がよくても明日には故障する可能性もあります。また検査や点検は人間が行うので、整備ミスも起こるでしょう。認定中古車は通常の車より安心して購入できますが、完璧で故障しない車ではないため、注意が必要です。 認定中古車が向いている人 認定中古車は、状態がよい車を求めている人に向いています。また修理保証やロードサービスといった手厚いサービスを、購入した店舗で受けたい人にもおすすめです。さらに正規ディーラーであれば、購入した車に精通した整備士やスタッフが対応してくれるため、安心できるでしょう。 認定中古車が向いていない人 認定中古車は、費用を抑えて中古車を購入したい人には向いていません。また認定中古車は、厳選された車しか販売されていないため、種類に限りがあります。年式や走行距離など、さまざまな車を比較したい人は、通常の中古車を販売している店舗で購入するとよいでしょう。

ホイールのインセットとは?基本情報や注意点を解説
旧車売買の豆知識 2023.11.06

ホイールのインセットとは?基本情報や注意点を解説

ホイールの「インセット」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。ホイールのインセットは、ホイール交換の際に必要な情報です。 今回は、ホイールのインセットの概要、どのような時にインセットの情報が必要になるのか、インセットに関する注意点などを解説します。ホイールの交換やホイール付きタイヤを購入する際の参考にしてみてください。 ホイールのインセットとは ホイールのインセットとは、ホイールの幅(リム幅)の中心線から取付面までの距離のことです。インセットには、「インセット」「アウトセット」「ゼロセット」の3つのパターンがあります。 インセット(表記例:+45) インセットの数値が+(プラス)になると、取付面が中心線より外側になるため、ホイールを取り付けた時にホイール全体が車体に(イン側)寄ります。これを「インセット」と呼びます。 アウトセット(表記例:-45) インセットの数値が-(マイナス)になると、取付面が中心線より内側になるため、ホイールを取り付けた時にホイール全体が車体から離れ(アウト側)ます。これを「アウトセット」と呼びます。 ゼロセット(表記例:0) 取付面が中心線とイコール(プラスマイナスゼロの状態)の場合は、インセットの数値はゼロとなります。これをゼロセットと呼びます。 同じサイズのホイールでもインセットの数値が異なると、ホイールが車体からはみ出たり車体側に引っ込んだりするため、ホイール交換をする時はインセットの数値にも注目しなければなりません。 オフセットとの違い オフセットとは、現在のインセットと同じ意味の言葉です。 馴染みのあった言葉から名称が変更されたのは2008年で、JATMA(日本自動車タイヤ協会)が名称を国際基準に合わせることを提唱し、「オフセット」が「インセット」になりました。 ホイールのインセットの情報が必要なケース ホイールのインセットの情報は、ホイールの交換をするときや同一サイズのホイールを購入するとき(ホイール付きスタッドレスタイヤなど)に必要です。 正しいインセットのホイールを選ばなければ、走行できなくなる可能性もあるため、ホイール購入の際はインセットも確認しましょう。 インセットを変更するときの注意点 インセットは、ホイールがフェンダーやキャリパーに干渉しないために必要な間隔(クリアランス)です。 そのため、適切なインセットのホイールを選ばなければ、ホイールとタイヤが車体や部品に干渉してしまいます。ホイールとタイヤが車体や部品に干渉すると、走行できなくなるため、ホイールを選ぶときはインセットにも注目しなければなりません。 インセット以外に知っておきたい情報 ここまでホイールのインセットについて解説してきました。しかし、ホイールを交換するときには、インセット以外にも知っておくべき情報があります。ここからは、インセットと合わせて必要な情報の概要を紹介します。 リム径 リム径とは、ホイールの直径のことです。単位はインチとなっています。たとえば「17×7.5 J 5-112 45」というホイールの場合、最初の17がリム径です。17インチをセンチに換算すると43.18cm(413.8mm)となります(参考:1インチ=2.54cm)。 リム幅 リム幅は、タイヤがはめ込まれる部分のサイズです。リム幅の単位もインチで表記されます。たとえば「17×7.5 J 5-112 45」というホイールの場合、7.5がリム幅です。7.5インチをセンチに換算すると19.5cm(195mm)となります(参考:1インチ=2.54cm)。 ボルト穴数 ボルト穴数は、ホイールを固定するボルトの本数を表しています。一般的な乗用車は4穴〜5穴がほとんどです。 P.C.D P.C.Dは、Pitch Circle Diameterの略で、ボルト穴のピッチ円直径を意味しています。単位はmmです。 まとめ ホイールのインセットは、ホイールの交換やホイール付きタイヤを購入する時に必要となる重要な情報です。インセット(+)・ゼロセット(±0)・アウトセット(-)を理解しておくと、ホイール選びで失敗することが減るため、ぜひ覚えておきましょう。

ナンバープレートから個人情報は特定できる?特定できる情報を解説
旧車売買の豆知識 2023.10.27

ナンバープレートから個人情報は特定できる?特定できる情報を解説

道路を走行するには、必ずナンバープレートを取り付けなければなりません。さまざまな情報が記載されているため、第三者に個人情報が知られてしまわないか気になる方もいるでしょう。この記事では、ナンバープレートで個人を識別できるかどうかや、特定できる情報などを解説します。 ナンバープレートの記載内容 ナンバープレートの記載内容は、以下のとおりです。 地名 ナンバープレートには、車を登録している「運輸支局」や「自動車検査登録事務所」の所在地の地名が記載されています。たとえば、東京運輸支局で車を登録すると「品川」神奈川運輸支局の場合は「横浜」と、それぞれの地域によって区別されています。 2006年10月からは「ご当地ナンバー」が導入されたため、運輸支局や自動車検査登録事務所の所在地以外の地名が記載されているケースもあります。世田谷区に住んでいる場合、東京運輸支局で車を登録する必要があるため、本来であれば品川ナンバーが付与されます。ご当地ナンバーを申請すれば「世田谷」と記載されたナンバープレートを発行してもらうことも可能です。 分類番号 地名の隣の3桁の数字は、車の種類や用途を区別する分類番号です。たとえば、普通乗用車は「3ナンバー」、小型乗用車や軽自動車は「5ナンバー」と区別されています。 ひらがな ひらがなは車の用途を区別するためにあり、自家用車やレンタカー、事業用車両なのかを判別できます。 一連指定番号 一連指定番号とは、1〜9999までの4桁以下の数字のことです。4桁以下の数字は登録時にランダムで与えられます。ただし、「希望ナンバー」を申請すれば、好きな数字を自由に設定できます。 そもそも個人情報とは 個人情報とは、氏名や顔写真など生存している個人に関する情報です。生年月日や住所など、2つ以上の情報を組み合わせて、特定の個人を識別できるものも個人情報に含まれます。たとえば、「中村」や「鈴木」では識別できませんが、名前や住所などを組み合わせると、個人を特定できるため個人情報に該当します。また、運転免許証やパスポートなどの「個人識別番号」が含まれたものも個人情報です。 ナンバープレートからは、所有者を識別できる情報を得られないため、個人情報には含まれません。ただし、車検証や注文書には氏名や住所などが記載されているため、個人情報に該当します。 参考:日本自動車整備振興会連合会公式Webサイト「個人情報保護法Q&A」 ナンバープレートから個人情報は特定できる? ナンバープレートから個人情報は特定できません。しかし、「登録事項等証明書」を運輸支局に請求すれば、誰でも所有者の個人情報を特定できます。 登録事項等証明書とは、車の登録内容が記載されている書類です。車検証と同様の情報が記載されており、所有者の名前や住所、使用の本拠地などを特定できます。運輸支局内で入手できる「手数料納付書」と「OCR申請書(第3号様式)」を記入し、以下を窓口へ提示すれば発行してもらうことが可能です。 ・ナンバープレートの記載内容・車体番号下7桁・本人確認書類・請求理由 登録事項等証明書は、所有者に限らず誰でも請求できるため、悪用される可能性があります。ただし、車体番号は車検証のほかに、外から見えにくいエンジンルーム内や運転席ドアを開いた際のフレーに刻印されるため、第三者に容易に知られることはありません。 また、個人情報保護法により、2006年11月19日以降は正当な請求理由がない限り発行されない仕組みに変わりました。つまり、単に車の所有者を知りたいというだけの理由では、発行してもらえません。 第三者は登録事項等証明書を容易に請求できないとはいえ、何らかの方法で取得できる可能性もあります。たとえば、車体番号は外からでも確認できる「ダッシュパネル」に刻印されているケースもあるため、メーカーによっては車の情報を得ることが可能です。 請求理由は「車輌入れ替えにより保険会社に提出する必要があるため、所有者の代わりに請求しに来た」と言えば、発行してもらえる可能性があります。万が一個人情報を特定された場合は、運輸支局や自動車検査協会に問い合わせて、請求された履歴があるかどうか相談してみるとよいでしょう。 なお、軽自動車の場合は登録事項等証明書ではなく「検査記録事項等証明書」を請求すれば、車の情報を確認できます。検査記録事項等証明書は、車検証に記載されている所有者しか請求できないため、紛失しない限り個人情報は特定されないでしょう。 ナンバープレートからわかる個人情報 ナンバープレートからは、車を登録している地域しか特定できません。ただし、車を登録している地域に加えて、他の情報と組み合わせた場合は個人情報が特定される可能性があります。 たとえば、よく利用している洗車場で洗車後の愛車の写真をSNSにアップしたときや、職場の制服を着た所有者も写り込んでいる場合などです。所有者の行動範囲や住んでいるおおよその地域、職場を特定される可能性があります。 ナンバープレートだけでは個人を識別できないものの、他の情報が加わると個人情報を特定される可能性があるため注意しましょう。 なお、警察署ではナンバープレートの記載内容を照会すると、所有者を特定できるシステムを保有しています。事件性がある場合に限り、ナンバープレートから所有者を特定します。 車をSNSにアップするときはナンバープレートを隠した方がよい 車をSNSにアップするときは、ナンバープレートを隠したほうがよいでしょう。ナンバープレートには地名が記載されているため、他の情報が加われば住んでいるおおよその地域を特定される可能性があります。 現に、個人情報を保護する観点から「Googleのストリートビュー」に写っている車のナンバーには、ぼかしが入っています。建物や風景なども同時に写してSNSに写真をアップした場合は、ナンバープレートにスタンプやぼかしを入れて隠してから投稿しましょう。 まとめ ナンバープレートでは、個人を特定できる情報は得られないため、個人情報に該当しません。また、所有者の氏名や住所などが記載されている「登録事項等証明書」は、車体番号下7桁の明示や正当な請求理由が求められるため、第三者には容易に取得できません。 ただし、ナンバープレートからは車を登録している地域がわかるため、他の情報が加わった場合は個人情報を特定される可能性があります。SNSに車の写真をアップする場合は、ナンバープレートをスタンプで加工したり、ぼかしを入れたりして個人情報の流失を防止しましょう。

ブラックアイスバーンとは?事故を起こさないための対策方法も紹介
旧車売買の豆知識 2023.10.27

ブラックアイスバーンとは?事故を起こさないための対策方法も紹介

路面が凍結しているアイスバーンにはいくつか種類があり、発生する場所や滑りやすさがそれぞれ異なります。なかでも「ブラックアイスバーン」はとても滑りやすく、見落としてしまう可能性が高いため、特に注意が必要です。この記事では、ブラックアイスバーンについて解説するとともに、事故を起こさないための対策方法を紹介します。 ブラックアイスバーンとは ブラックアイスバーンとは、寒冷地域や寒冷時期に路面が凍結する現象のことです。外気温の低さにより路面の水が薄い氷の膜となってしまい、スリップを起こしやすく、事故につながる恐れがあります。道路上の雪が溶けたときや、寒冷時季の雨が降った後の夜間から明け方にかけては、特に発生しやすいため注意して運転しましょう。 特徴 ブラックアイスバーンは雪が降り積もった道路に比べて滑りやすく、スタッドレスタイヤでもスリップするケースもあるため大変危険です。 また、路面が濡れているだけのように見えるものの、実は凍結しているためアイスバーンよりも見落としやすい傾向があります。道路や歩道上の氷は、基本的に白いため路面が凍結していることを把握できるでしょう。 一方、ブラックアイスバーンは透明であるため、アスファルトが濡れているだけと誤認識してしまう恐れがあります。特に夜間は視界が悪く、見落とす確率が高まるため、日中よりも注意して運転しましょう。 なお、アイスバーンには「圧雪アイスバーン」や「ミラーバーン」もあります。圧雪アイスバーンとは、行き交う車のタイヤで雪が踏み固められ、硬く圧縮された状態のことです。アイスバーンの種類のなかで最も滑りにくいものの、雨が降ったり表面の雪が溶けてしまうとスリップしやすくなるため注意しましょう。 ミラーバーンとは、行き交う車のタイヤで雪が磨かれ、鏡のように路面が凍結している状態のことです。ヘッドライトや太陽光に反射しやすいため、ブラックアイスバーンより認識しやすい特徴があります。 発生しやすい場所 ブラックアイスバーンが発生しやすい場所は、以下のとおりです。 ・日陰・トンネルの出入り口・橋の上 日陰は太陽光が当たりにくいため、ブラックアイスバーンが発生しやすい場所です。たとえば、建物の陰になるエリアや森林内などに発生しやすく、1日中晴れていても氷が溶けないケースもあります。冷え込んだ天気のよい朝や気温が低い日は、なるべく日陰を避けて運転しましょう。 また、トンネルの出入り口は日陰になっている時間が長く、冷たい風が強く吹くためブラックアイスバーンが発生しやすい場所です。橋の上も冷たい風が吹くほか、地熱が橋上まで届かないため、ブラックアイスバーンが発生しやすい傾向にあります。周辺の道路は凍結していなくても、橋の上だけに発生しているケースもあるため、十分に速度を落として走行しましょう。 なお、圧雪アイスバーンやミラーバーンは、行き交う車のタイヤが路面を圧雪したり磨いたりする交差点付近に発生する傾向があります。スリップすると交差点を飛び出す危険性があるため、十分に減速しましょう。 ブラックアイスバーンでの制動距離 ブラックアイスバーンの制動距離は、ウェット路面よりも長いため、注意して運転する必要があります。JAF(日本自動車連盟)で実施された測定テストでは、以下の制動距離が立証されています。 ・ウエット路面 11m・圧雪アイスバーン 20.2m・ブラックアイスバーン 69.5m・アイスバーン 84.1m ※スタッドレスタイヤを装着して40km/hでABSが作動するほどの急ブレーキをかけた場合 参考:JAF公式サイト『路面は黒いけど止まれない「ブラックアイスバーン」とは・・・?』 制動距離とは、ブレーキをかけてから実際に車が停止するまでの距離です。ブラックアイスバーンは通常のアイスバーンより短いものの、ウェット路面より6倍以上の制動距離がかかります。ただのウェット路面だと誤認識し、11m手前でブレーキをかけると、事故を起こす可能性が高いため注意が必要です。 また、実際にブレーキが効き始めるまでの「空走距離」も考慮したうえで、早めに減速しましょう。 ブラックアイスバーンの対策 ブラックアイスバーンを走行する際は、スピードを落としたりポンピングブレーキしたりしてスリップ事故を防ぎましょう。続いて、ブラックアイスバーンの対策を紹介します。 スピードを落とす ブラックアイスバーンでは、走行速度が速いとさらに制動距離が伸びるため、スピードを落として走行しましょう。普段より早めにブレーキを踏んで減速することを意識してみてください。 また、前方車や後方車と十分な車間距離を保つことも重要です。仮に前方車がスリップした場合でも、十分な車間距離が保たれていれば事故を防げる可能性があります。誰がスリップしても、事故を最小限に抑えられるよう十分な車間距離を確保して運転しましょう。 ポンピングブレーキする ブラックアイスバーンで通常どおりのブレーキをかけると、急な制動力が加わることにより車がスリップする可能性があるため、ポンピングブレーキを活用しましょう。ポンピングブレーキとは、停止したい地点よりも前に、何回かに分けて浅めのブレーキを踏むことです。 特に、タイヤのロックや制御不能を防止する「ABS」が搭載されていない車は、スリップする可能性が高いため、急ブレーキをかけないよう注意してください。また、ポンピングブレーキは余裕を持って減速できるほか、後方車にブレーキを促すメリットもあります。 ブレーキを踏む&ハンドルは動かさない ブレーキを踏む際には、ハンドルの動作にも気をつけましょう。車がスリップする原因のほとんどは、ハンドルを動かしてしまうことです。ハンドルを動かすほど車体が不安定になるため、なるべく余計な操作は行わず、真っ直ぐ走行できるよう心がけてください。なお、ハンドルを動かさなければならない状況では、緩やかなハンドル操作を意識して運転しましょう。 まとめ ブラックアイスバーンとは、寒冷地域や寒冷時期に路面が凍結する現象です。雪が積もった路面より滑りやすい特徴があり、ブラックアイスバーンで急ブレーキをかけると、スリップしてしまうため大変危険です。色が透明で路面が濡れているだけのように見えるため、ブラックアイスバーンだと気づかずに走行してしまう危険性もあります。 また、ブラックアイスバーンはウェット路面よりも6倍以上の制動距離がかかるため、注意して運転しましょう。万が一ブラックバーンを走行する場合は、スピードを落としたりポンピングブレーキを活用したりして、なるべくハンドルを動かさないように運転してみてください。

旧車ユーザーは三重苦に悩まされる?! 苦労を減らすためのポイントも解説
旧車売買の豆知識 2023.10.27

旧車ユーザーは三重苦に悩まされる?! 苦労を減らすためのポイントも解説

「人とは違う車に乗れる」「現在の車にはないスタイリング」など多くの魅力が詰まった旧車。しかし、旧車を保有するには、現行車にはない特有の苦労もあります。旧車に乗る際は、魅力だけではなくリスクも十分検討することが重要です。 そこで、オーナーを悩ませる旧車所有の苦労を紹介します。少しでも苦労をなくすためのポイントも紹介しているため、これから旧車を購入予定の方はぜひ参考にしてみてください。 旧車乗りが必ず直面する三重苦 旧車オーナーが直面する問題は、税金を含めた維持費用の高騰です。一方で、そもそもパーツが入手できないという、お金では解決できない問題もあります。 まずは旧車の所有により直面する、3つの問題点を詳しくみていきましょう。 税金が高い 旧車に乗るうえでオーナーの直接的な負担になるのが、毎年かかる自動車税と車検ごとの自動車重量税です。自動車税は、新車登録から13年が経過すると15%程度(ガソリン車の場合)上昇します。自動車重量税に関しては13年経過のあと、さらに18年経過でも加算されるため注意が必要です。 また、明確に旧車に乗ろうと思っていない方でも、13年経過時点での重課は車の購入時に意識しておく必要があります。日本の自動車の平均保有期間は7年というデータもあり、購入時点で6年が経過していれば、普通に車を保有しているだけでも13年に達してしまうためです。 故障リスクが高い 旧車最大の問題は、故障リスクが高い点です。自動車の実際の耐用年数は一概にはいえないものの、目安として法定耐用年数を参考にすると、普通車でも6年とされています。新車登録から10年どころか20年以上が経過する旧車であれば、ゴムや革製パーツの劣化、ポンプやコンプレッサーといった稼動部の故障リスクは避けられません。 旧車に乗る際は日常的に小まめなメンテナンスを行い、故障箇所をできるだけ早く見つけることが重要です。また、一ヶ所を修理すると他の部品に負荷がかかり、連鎖的に故障するケースも少なくありません。旧車を所有する場合は、小さな違和感にも常に気を配るようにしましょう。 パーツが入手しにくくなる 旧車が故障した場合、パーツが入手しにくい点にも気をつけましょう。税金の高くなる13〜18年程度であれば、国産メーカーなら入手可能です。しかし、ゴルフ 5を始めとした欧州車などでは部品の廃盤も始まっている車種もあります。 ただし、国産メーカーでも生産終了から10年を目安としているほか、ディーラーオプションなどは車輌の生産終了とともにパーツの生産も打ち切られるケースもあるため注意が必要です。 故障の発生しやすくなる旧車だけに、パーツの入手性は事前に確認しておきましょう。 旧車に乗るなら特に注意したいポイント 旧車を保有する以上、三重苦を完全になくすことはできません。しかし、いくつかのポイントに注意すれば、苦労を軽減できます。せっかく入手した旧車をできるだけ長く維持するために、ぜひ参考にしてください。 旧車を維持するうえで気をつけたいポイントを3つ紹介します。 夏や冬といった温度変化の激しい季節 旧車で故障が発生しやすいのは、真夏や真冬といった温度変化の激しい季節です。特に真夏は、温暖化の進行によって新車販売時には想定していなかった気温になる日も少なくありません。 具体的に注意したいポイントは、温度変化に弱いゴムや革製のパーツの劣化です。例えば、2008年式のプジョー308SWでは、酷暑の影響でシフトノブが突然ポロポロと崩れ落ちたといった事例もあります。 また、ボディ塗装の劣化も、旧車を保有していると避けられない問題です。塗装は紫外線の影響で、時間経過とともに徐々に劣化していきます。特に夏場は紫外線が強いうえ、雨上がりの水滴がレンズの役目をして、太陽光線がボディを焼いてしまうこともあるようです。屋根付きのガレージや車全体を覆うカバー、日除けの装備など、できるだけ温度変化を抑えられる工夫をして保管しましょう。 さらに、酷暑による影響は劣化しやすいパーツだけではありません。エンジンの冷却系やエアコンのコンプレッサーなど、熱を逃がすための機器類に過剰に負荷がかかる恐れもあります。特にエアコンは、夏を迎える前に点検とメンテナンスを実施し、突然の故障に見舞われないよう注意しましょう。 比較的新しくても油断しない 旧車というと、極端に古いクルマをイメージしがちです。しかし、FD2型シビックタイプR 、Z33型フェアレディZ 、GRB型やGVB型インプレッサWRX STI、NC型ロードスター、ポルシェ911(Type99)など、現代的なイメージの強いクルマも製造から10年以上経過する旧車の域に入っています。 今は目立った劣化がなくても、ちょっとしたきっかけで故障に発展する恐れもあるため注意が必要です。日常的に点検をすることで、大きな故障への発展を防げる場合もあります。できるだけ軽微なうちに故障箇所に対応して、愛車をより長く健全な状態を保ちましょう。 重要なパーツは予備を保有しておく 旧車を保有する場合は、重要パーツの予備を準備しておくことをおすすめします。生産終了から一定の年数が経過するとパーツの生産が打ち切られるケースもあるほか、仮に生産されていても供給自体が絞られる可能性が高いためです。 例えば、1996年式のトヨタ AE111型カローラレビンのリアハブベアリングは、メーカーによる供給は続いているものの受注生産のため納品まで数ヶ月かかります。万が一故障した場合は、数ヶ月間クルマを動かせません。 旧車には「持病」と呼ばれる、特有の故障しやすい箇所が判明している車種もあります。修理する可能性の高い部品は、入手可能なタイミングで予備を用意しておきましょう。 三重苦があってもやはり旧車は魅力的 現代では考えられないスタイリングや設計思想など、旧車には多くの魅力があります。避けられない三重苦があってもなお旧車は人気を集める存在です。また、しっかりとメンテナンスされた旧車であれば、車種によっては資産としての価値も生まれます。 一方で、旧車の売買をする際は、一般的な中古車業者での取引はおすすめしません。購入時は当然、専門業者によるメンテナンスや車輌状態の説明が必要不可欠です。一方、売却時には、やむを得ない経年劣化も含めて、正しく査定してもらうことが重要になります。一般的な中古車店では、古いというだけで減額されるかもしれません。三重苦に耐えて維持してきた旧車なだけに、売却の際は正確な査定をしてもらえる専門業者に相談してください。

車の修理に保険を使う判断基準は?保険を使えるケースや等級数も紹介
旧車売買の豆知識 2023.10.20

車の修理に保険を使う判断基準は?保険を使えるケースや等級数も紹介

車の修理が必要になった場合、保険を使えば修理費用が補償されます。ただし、保険を使うには一定の条件があるため、補償してもらえるのか不安に思う方もいるでしょう。また、翌年の保険料も上がるため、保険を使うかどうかは慎重に判断する必要があります。この記事では、車の修理費用を補償してもらえるケースや、保険を使う判断基準などを紹介します。 車の修理に保険を使えるケース 車の修理には「対物賠償責任保険」と「車輌保険」を使えます。ただし、補償の対象が「他人の車」と「自分の車」かで使う場面が異なるため、違いを把握しておきましょう。まずは、車の修理に保険を使えるケースを紹介します。 他人の車に損害を与えた場合 相手の車に損害を与えたケースでは「対物賠償責任保険」を使います。対物賠償責任保険は、他人の所有物に損害を与えてしまい、法律上の損害賠償責任を負った際に、相手へ保険金が支払われます。 たとえば、他人の車や所有物、電柱やガードレールなどを壊した場合に対物賠償責任保険で補償が可能です。補償金額は、契約時に決めた保険金額となり、1,000万円〜無制限まで設定できます。 ただし、記名被保険者やその家族の車は、補償対象外なため注意しましょう。具体的には、記名被保険者の以下の方が補償対象外です。 ・配偶者・子ども・親 なお、契約車輌を運転している方の配偶者や子ども、親も補償対象外です。 自分の車を修理する場合 事故や災害などで自分の車を修理する場合は「車輌保険」を使います。盗難や当て逃げ、いたずらによる落書きなどでも、修理費用を補償してもらうことが可能です。ただし、車輌保険には「一般型」と「エコノミー型(車対車)」の2種類があり、加入しているタイプによっては補償対象外になるケースもあります。 一般型は補償範囲が広く、以下のケースで車輌保険を使えます。 ・他の車との接触や衝突・単独事故・火災や台風などの災害・落下物との衝突・落書きやいたずら・盗難・当て逃げ 一方、エコノミー型は保険料を抑える代わりに補償範囲が狭いタイプであり、単独事故や当て逃げをされた際は補償対象外です。たとえば、車庫入れの失敗や駐車中に他の車に擦られた際にできた損傷は補償されません。 また、補償金額の限度額は契約時に設定された「車輌保険金額」です。保険証券をチェックして、加入しているタイプや車輌保険金額を確認しましょう。なお、地震や津波、火山の噴火が原因で車が故障した場合は、タイプを問わず補償対象外になるため注意してください。 車の修理に保険を使うと翌年の保険料が上がる 車の修理に保険を使うと、翌年の保険料が上がります。自動車保険には「1〜20等級」まであり、等級が高いほど保険料が安くなります。たとえば、20等級の「63%」に対して、17等級の割引率は「44%」です。 自動車保険は基本的に「6等級」からスタートし、無事故の場合は翌年に1等級アップします。保険を使った場合は「1等級」もしくは「3等級」ダウンする仕組みです。 参考:東京海上日動公式Webサイト よくある質問「ノンフリート等級別割引・割増制度の割増引率の決定方法を教えてください」 4等級以下からは割引率ではなく「割増率」が適用されるため、等級が低いと保険料が高くなることも把握しておきましょう。ただし、保険会社と共済の自動車保険では、割引率や割増率が異なるケースがあります。具体的な割引率や割増率は、加入している保険会社や公式Webサイトを確認しましょう。 また、事故の内容に応じて下がる等級数が定められているため、保険を使う際の参考にしてみてください。 ■3等級ダウン事故 ※主に自分に過失がある事故 ・車同士の事故で車が壊れた・当て逃げ・自転車や通行人をケガさせた・建物や電柱など他人の所有物に衝突して壊してしまった 当て逃げは自分に過失はないものの、3等級ダウンに該当します。加害者が見つかった場合は、相手に修理費用を請求できるため、ドライブレコーダーや防犯カメラを使って対策しておくとよいでしょう。 ■1等級ダウン事故 ※自分に過失がない事故 ・自然災害・落下物との衝突・盗難・いたずらによる落書きや窓ガラスの破損 なお、弁護士費用特約や人身傷害保険特約などはノーカウント事故のため、保険を使用しても翌年の等級は下がりません。 車の修理に保険を使うかどうかの判断基準 車の修理に保険を使うかどうかは「修理費用」と「元の等級に戻るまでに余分に支払う保険料」を比較して判断しましょう。修理費用の方が高額な場合は、保険を使うとよいでしょう。 たとえば、当て逃げにより保険を使う場合は「3等級ダウン」に加え「事故有係数適用期間 3年」が加算されるため、保険料は以下のように上がります。 ■車の修理に保険を使った場合※は余分に支払う保険料 ・事故年 無事故20等級 年間 8万円・1年後 17等級事故有 年間 12万1,000円 ※4万1,000円・2年後 18等級事故有 年間 11万7,000円 ※3万7,000円・3年後 19等級事故有 年間 10万8,000円 ※2万8,000円 上記の場合、20等級に戻るまで「10万6,000円」かかります。修理費用が10万6,000円以下の場合は、保険を使わずに自費で修理したほうが、結果的に支払う金額を抑えることが可能です。 また、保険を使うといくら保険料が上がるかどうかは、保険会社に問い合わせると試算してもらえます。保険料がいくら上がるのかを試算してもらい、車の修理に保険を使うかどうかの判断基準にしてみてください。 車の修理に保険を使うときの流れ 保険を使うときの流れを把握しておくと、スムーズに車を修理できます。続いて、車の修理に保険を使うときの流れを紹介します。 まずは警察署に連絡する 事故を起こした場合、ケガ人の救護を行った後に警察署へ連絡します。事故が原因で保険を使うには、警察署で発行された「事故証明書」が必要です。スムーズに保険で車を修理できるよう、警察署に必ず事故処理をしてもらいましょう。 なお、当て逃げやいたずらをされた場合は、発覚した時点で警察署に連絡しましょう。 保険会社に連絡する 警察の事故処理が完了したら、加入している保険会社に連絡します。保険を使うかどうか決めていなくても、事前に相談しておけばスムーズに保険金を補償してもらえるため、事故時に連絡しておくとよいでしょう。 また、保険会社に連絡したタイミングでは、以下の情報を確認されます。 ・契約者・証券番号・事故の状況・被害者の有無 保険会社の連絡先や証券番号は保険証券に記載されているため、チェックしてみてください。 修理費用の見積をしてもらう 保険会社への連絡が完了したら、保険金を確定させる必要があるため、ディーラーや修理工場で修理費用の見積をしてもらいます。どこに見積を依頼すればよいのか迷った場合は、保険会社に相談すると、車に適した修理業者を紹介してくれます。ただし、修理工場によっては見積費用が発生するケースがあるため、入庫前に費用の有無を確認しておきましょう。 見積書を保険会社に提出する 見積書を保険会社に提出して、内容が承認されるまで待ちます。見積を依頼したディーラーや修理工場によっては、保険会社にそのまま見積書を提出してくれるため、スムーズに車を修理できるケースもあります。 また、事故の状況によっては「事故証明書」や「事故発生状況報告書」などの書類の提出も求められるため、事前に用意しておきましょう。 保険金が振り込まれる 事故の内容が承認されたら、車を修理したディーラーや修理工場に保険金が振り込まれます。車を修理せずに保険金のみを受け取る場合は、自分の口座に入金されます。受け取った保険金は、買い替え費用や他の用途にあてることも可能です。 車に保険を使えないケース メンテナンス不足や経年劣化が原因で車が故障した場合は、保険を使えません。修理費用が補償されるのは、あくまでも以下の場合に限るため、混同しないよう注意しましょう。 ・事故・事件・災害(地震や津波、火山の噴火を除く) ただし、メンテナンス不足や経年劣化による故障が原因で事故を起こした場合は、車の保険が使えます。たとえば、エンジンの故障で停車した際、後車に衝突された場合は保険を使うことが可能です。事故による損傷は保険を使えても、エンジンの修理費用が補償されるかは保険会社によって異なるため、問い合わせて確認してみてください。 なお、無免許運転や酒気帯び運転した際に起こした事故や、改造車輌には保険が適用されないことを把握しておきましょう。 車の修理に保険を使う場合は免責金額に注意 免責金額を設定している場合は、修理費用の一部を自己負担する必要があるため注意しましょう。保険は、契約時に免責金額を設定することで、保険料を抑えられます。たとえば、修理費用が30万円で免責金額を3万円で設定した場合、保険金として支払われる金額は27万円です。 ただし、修理費用が車輌保険金額を上回った場合や、物理的に修理が不可能な「全損」となった場合は、免責金額が引かれないため保険金を全額受け取れます。保険証券をチェックして、免責金額を設定しているかどうか確認しましょう。 まとめ 他人の車は「対物賠償責任保険」自分の車には「車輌保険」を使うと、修理費用が補償されます。ただし、保険を使うと1等級もしくは3等級ダウンになるため、翌年の保険料が上がるデメリットがあります。 実際にかかる「修理費用」と「元の等級に戻るまでに余分に支払う保険料」を比較して、保険を使って修理するかを判断しましょう。 なお、保険金は必ず修理費用にあてる必要がなく、買い替え資金や他の用途にも使えます。年式が低く走行距離が多い場合は、修理ではなく買い替えも検討してみましょう。

車の雹被害で保険は使える?修理するか乗り換えるかの判断基準も紹介
旧車売買の豆知識 2023.10.19

車の雹被害で保険は使える?修理するか乗り換えるかの判断基準も紹介

雹害による損傷は、加入している車輌保険を使うと修理費用が補償されます。ただし、翌年の保険料が上がるほか、一部を自己負担しなければ車を修理できないケースもあるため、保険を使うかどうか慎重に判断しなければなりません。この記事では、車の雹害に遭った際の保険についてや、修理するか乗り換えるかの判断基準などを紹介します。 車の雹害には保険が使える 車輛保険の補償範囲には、雹害が該当する「飛来・落下物との衝突」が含まれます。補償範囲が限定されている「エコノミー型(車対車)」でも雹害は補償対象です。また、任意保険は大きく分けると以下の3種類があり、車輌保険は「自分の車の補償」に該当します。 1.相手への補償・対人賠償保険・対物賠償保険 2.自分と同乗者の補償・人身傷害保険・搭乗者傷害保険 3.自分の車の補償・車輌保険 対人賠償保険や対物賠償保険、人身傷害保険の普及率は80%を超えています。ただし、車輌保険の普及率は「60%」のため、全てのドライバーが加入しているわけではありません。 参考:2021年度自動車保険の概況「第18表 任意自動車保険 用途・車種別普及率表<2021年3月末>」 加入していないと雹害で保険を使えないため、まずは車輌保険に加入しているかどうか、保険証券をチェックしてみてください。 車の雹害で保険を使うと等級はどうなる? 車の雹害で車輌保険を使うと、等級は以下のように下がり、事故あり係数が加算されます。 ・1等級ダウン・事故有係数 1年プラス 自動車保険には、等級制度のほかに「事故有係数適用期間」が設けられています。事故有係数適用期間とは、等級ではなく「事故有」の割引率が適用される期間のことです。たとえば、18等級の場合に雹害で車輌保険を使うと、翌年は55%の17等級ではなく、44%の「17等級 事故有」の割引率が適用されます。つまり、事故有係数適用期間があると保険料の割引率が下がる仕組みです。また、事故有係数適用期間は、1年プラスされたら「翌年」3年の場合は「3年後」にリセットされます。 以下は、等級や事故有ごとに適用される割増率や割引率です。(※は事故有の場合に適用される割引率)自分の等級に当てはめて、雹害で車輌保険を使うと、翌年の保険料がどうなるのかを確認してみてください。 ・1等級 108%割増・2等級 63%割増・3等級 38%割増・4等級 7%割増・5等級 2%割引・6等級 13%割引・7等級 27%割引 ※14%・8等級 38%割引 ※15%・9等級 44%割引 ※18%・10等級 46%割引 ※19%・11等級 48%割引 ※20%・12等級 50%割引 ※22%・13等級 51%割引 ※24%・14等級 52%割引 ※25%・15等級 53%割引 ※28%・16等級 54%割引 ※32%・17等級 55%割引 ※44%・18等級 56%割引 ※46%・19等級 57%割引 ※50%・20等級 63%割引 ※51% 出典:ソニー損保 重要事項説明書の補足事項(保険始期日が2024年1月1日以降のご契約)「③適用される割引・割増率」 車の雹害に保険を使う場合の保険金額は? 車の雹害に保険を使うと、設定された「車輌保険金額」を限度に修理費用を補償してもらえます。車輌保険金額は、契約時の車の時価相当額で設定され、時間が経過するとともに下がります。保険証券の車輌保険金額の欄を見て、修理費用がいくらぐらい補償されるのかを確認してみましょう。 また、保険契約時に免責を設定している場合は、修理費用から免責金額を引いた額が支払われます。つまり、免責金額が3万円で修理費用が20万円の場合に補償される保険金額は17万円です。免責金額を設定していると自己負担金があることに注意しましょう。 なお、車が全損だった場合は、設定された車輌保険金額が保険金として支払われます。全損には、車が大破して修理不可能な状態の「物理的全損」と、修理費用が車輌保険金額を超えた場合の「経済的全損」の2種類があります。たとえば、修理が可能ではあるものの、時価相当額である車輌保険金額が100万円で修理費用が120万円だった場合は、経済的全損の対象です。 車輌保険金額は中古車相場と必ず一致するわけではないため、同等の車を購入できないケースもあります。ただし、以下の特約を付帯していると、修理費用の不足分や買い替え時の諸費用を補償してもらうことが可能です。 ・車輌全損修理時特約・車輌全損時諸費用特約 全損時に使える特約は、保険会社によって異なるため、付帯しているかどうか保険証券を確認してみてください。 車を修理せずに保険金のみ受け取ることも可能 車を修理せずに保険金のみを受け取ることも可能です。保険金は修理費用としてではなく、車の買い替えの資金や他の用途などにも使えます。ただし、保険金を確定させる必要があるため、修理工場もしくは保険会社の調査員に修理の概算見積もりをしてもらわなければなりません。修理工場によっては、見積もり費用が発生するケースもあるため、事前に料金の有無を確認しておきましょう。 また、受け取った保険金で車を買い替える場合は、納車されるまで時間がかかるため、代車の手配が必要なケースもあります。たとえば、雹害によりフロントガラスが割れて公道を走行できないケースです。フロントガラスが割れたまま走行することは、道路交通法62条で禁止されているため、納車されるまで車が必要な場合は代車を手配しなければなりません。保険によっては無料で代車を手配してくれることもあるため、保険証券を確認してみてください。 車の雹害の修理費用はどれぐらい? 車の雹害の修理費用は状態や車種によって異なり、高額な傾向があります。凹んでいる箇所が数えられる程度であれば、専用器具でへこんだ部分を引っ張ったり押したりする「デントリペア」で修理できる可能性があります。デントリペアの修理費用は、他の修理方法よりも安い約1〜3万円です。 ただし、雹害は数百箇所におよぶことがほとんどなため、必然的に修理費用が高くなります。重度な場合は、板金修理や損傷箇所を丸ごと交換することになり、100万円を超えるケースも少なくありません。 また、前方車を追従する「ACC」や「衝突被害軽減ブレーキ」などの先進安全装置が装備されている車も、修理費用が高額な傾向にあります。たとえば、フロントガラスに先進安全装置のカメラやレーダー測定器が設置されている場合は、正しく動作するよう「校正作業」をしなければなりません。校正料金は、メーカーや車種によって大きく異なり、数万円程度の費用が発生します。 なお、車輌保険を使った場合、翌年の保険料がいくら上がるのかを保険会社に計算してもらうことも可能です。上がる保険料より、修理費用の方が少額な場合は、車輌保険を使わずに実費で修理した方が結果的に安く済みます。いくら上がるのかを計算してもらい、車輌保険を使うか、実費で修理するか検討してみてください。 車の雹害を修理するか乗り換えるかの判断基準 車に愛着があり、修理費用を車輌保険で補償してもらえる場合は修理して乗り続けるとよいでしょう。ただし、全損になるほど修理費用が高額だった場合は、保険会社から補償される保険金との差額を自己負担しなければ車を修理できません。 たとえば、修理費用が150万円で保険金が100万円だった場合、差額の50万円を自己負担する必要があります。最近の車は燃費性能や安全機能が優れているほか、無料の保証も数年間付帯されるため、保険金の100万円を買い替え資金に充てて乗り換えた方が経済的といえます。 また、雹害による損傷がひどく、デントリペアや板金修理で修復できない場合は、該当箇所を交換する必要があります。ルーフパネル(屋根)を交換した場合は「修復歴」が付き、査定額に大きく影響するため、車を高く売却できないかもしれません。「いざ車を売却して乗り換えよう」となった際に、査定額が低いほど、購入費用に充てられる資金が少なくなるデメリットもあります。車を修理する際に自己負担があるかどうかや、売却時に損をしないかなどを考慮して判断しましょう。 まとめ 車が雹害に遭った場合、加入している車輌保険を使うと、設定されている車輌保険金額を限度に修理費用を補償してもらえます。 ただし、雹害の修理費用は高額な傾向にあるため、経済的全損になる可能性もあります。経済的全損になった場合に車を修理するには、車輌保険金額と修理費用の差額を自己負担しなければなりません。保険金は、買い替え費用に充てることも可能なため、経済的全損になった場合は乗り換えも検討するとよいでしょう。

海外赴任したら車の保険はどうなる?中断方法や再開手続きについて紹介
旧車売買の豆知識 2023.10.19

海外赴任したら車の保険はどうなる?中断方法や再開手続きについて紹介

海外赴任が決定したことにより、所有している車や保険をどのようにすればよいのか、不安に思う方もいるでしょう。自動車保険には中断制度があるため、帰国した際も今までの等級を引き継ぐことが可能です。ただし、利用するには中断証明書を発行してもらう必要があり、発行条件をクリアしなければなりません。 この記事では、海外赴任の際に保険を中断する方法や条件、帰国後の再開手続きなどについて紹介します。 海外赴任の際は中断制度で車の保険を中断する 海外赴任の際は、中断制度で車の保険を中断しておくと、再会時も今までの等級を引き継いで契約できます。自動車保険には「等級制度」があり、等級によって割引率や割増率が異なります。無事故の場合は等級が上がり、高いほど保険料を抑えられる仕組みです。渡航前に中断しておけば、帰国した際も今までの等級が適用されるため、同様の割引率で保険を契約できます。 中断制度は海外赴任や、やむを得ない事情と保険会社に判断された場合に利用でき、日本を出発した翌日から「10年間」は等級が維持されます。契約している保険会社に問い合わせると、中断制度の利用方法を案内してもらえるでしょう。 保険の中断制度を利用しない問題点 保険の中断制度を利用せずに海外赴任すると、今までの等級が無効になるため、帰国後に車を利用する予定がなくても念のため発行しておいた方がよいでしょう。たとえば、20等級(事故なし)だった場合、保険料の割引率は63%です。一方、帰国した際に新規で加入し直すと、割引率が13%の「6等級」から再スタートしなければなりません。 つまり、中断制度を利用せずに海外赴任すると今までの等級ではなく、6等級の割引率が適用されるため、本来の保険料より多く支払うことになります。帰国後も今までの保険を引き継ぎたい場合は、保険会社に「中断証明書」を発行してもらいましょう。 自動車保険の中断証明書の発行条件 自動車保険の中断証明書を発行してもらうには、定められた条件をクリアする必要があります。発行条件は、各保険会社によって異なるケースがあるため、加入している会社へ問い合わせましょう。保険会社の発行条件の一例を紹介します。 ■中断時の等級が7等級以上■以下のうち1つに該当・車を売却や譲渡もしくは廃車にした・車検が切れている・ナンバープレートを返納した・車を盗難された・災害によって車が滅失した・海外赴任する場合■満期日から5年以内に中断証明書の発行手続きをしている 自動車保険は新規で加入し直すと6等級からスタートするため、7等級以上ないと中断制度を利用する意味がありません。たとえば、3等級の場合は「38%割増」されるため、13%割引される6等級で加入し直した方が保険料を抑えられます。ただし、前契約の満期日から13ヶ月経過しないと、6等級で加入し直せない点に注意しましょう。 また、中断証明書は海外赴任以外の事由でも発行してもらえます。事由によっては「車検証」や、抹消後に発行される「登録識別情報等通知書」の提出を求められるケースがあるため、保険会社に確認しておきましょう。 自動車保険を再開するときの手続き 帰国した翌日から1年以内に「中断証明書」を保険会社に提出し、自動車保険を再開させます。必ずしも中断前の保険会社で契約する必要がないため、他社へ乗り換えることも可能です。ただし、中断証明書の期限である「10年以内」に手続きしないと、今までの等級は引き継げません。新たに契約する保険と中断前で、以下の事項が異なる場合も同様です。 ・記名被保険者・車の所有者・車の用途・車種 たとえば、中断前は自分名義、帰国後は別居している息子名義の車での契約ができない点に注意してください。また、中断前と新たに契約する保険では、自分名義であれば同じ車である必要がありません。月極駐車場を契約していると海外赴任中も駐車料金が発生するため、帰国後に車を利用する予定がない場合は、一旦売却しておく手段もあります。 なお、中断証明書を紛失した場合、保険会社で中断した履歴を確認できれば再発行しなくても自動車保険を再開できます。他社に乗り換える場合は中断証明書の提出を求められるケースがあるため、中断前の保険会社で再発行の手続きをしましょう。 まとめ 海外赴任する場合、自動車保険の中断制度を利用すると今ある等級を一定期間保存できます。スタートである6等級で加入し直す必要がなく、今までの割引率を引き継げるため、保険料を抑えることが可能です。海外赴任が決まった場合は、加入している保険会社に問い合わせて、中断証明書を発行してもらいましょう。 また、自動車保険を再開する際は、中断前と同じ車である必要がありません。月極駐車場を利用している場合は、海外赴任中も駐車料金が発生するため、帰国後すぐに車を利用する予定がなければ渡航前に車を売却しておくとよいでしょう。

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