回想・ラジオスターの悲劇(Video Killed RadioStar)

1981年8月1日。12時10分に放送を開始したミュージックビデオ専門局「MTV(music television)」で、開局一番で最初にオンエアされたのが、バグルズの「ラジオ・スターの悲劇(Video Killed the Radio Star)」。

という情報なら、多くの皆さんは(おおむねWikipediaなどで)ご存知のことと思います。

1981年当時のミュージックシーンでは、MTVの開局で、多くの人がこの曲で唄われているように、音楽はビデオでの再生がメインになり、ラジオは廃れてゆくのだろう、と考えていたような気がします。

▲ダイヤル回してチューニング。ボタンはよく聴く局をプリセットできましたよね

当時ハタチそこそこのワタクシたちは、このムーブメントの真っ最中にありました。

ニューウエイヴとかテクノと呼ばれていた、新しいサウンドに夢中になっていた(ような気がしてた)ワケで。

多分リアルタイムではないけれど、夜中のテレビで「ラジオ・スターの悲劇」のミュージックビデオを観て、直立不動で機械的なアクションをするヴォーカルの不思議な魅力に夢中だったのであります。

そして時は巡り2020年代。

すなわちアレから40年経った今、果たしてラジオスターは居なくなったんだろうか?

▲シンプルで「手探り」でも操作できるインターフェイスは、今考えても秀逸

確かにメディアとしては、ラジオはメインストリームではないにせよ、未だ多くの人はラジオを聴いていますよね。

というか、リスナーの数はデジタル化やポッドキャストなどでの配信、あるいは地域を超えての聴取が可能になるなどの広がりもあり、増えているとはいえないものの、radikoなどのネット系ラジオやコミュニティFM局などのリスナーはまだまだたくさんという感じ。

すなわち、ラジオ・スターは「まだ」死んでない、のではないかと思うのです。

というわけでクルマの話でしたね。

相変わらず前置きが長くて申し訳ない。

このままだと前置きだけで終わっちゃうんじゃないかと思ったりするひともいるかもしれませんが(笑)。

さて、クルマ。車内でのメディアといえば、オールドタイマーの我々からすれば、ソレは当然「ラジオ」であり、クルマを走らせながら「ラジオ」から流れてくる音楽やおしゃべりに「耳を傾けていた」時代が、ありましたよね?

あったでしょう?

特に夜中なんかに高速道路流してると、ちょっとスカした洋楽ファンの人なんかは「FEN」なんかにダイヤル合わせたりして。

▲ダッシュボード一体型の「インダッシュ(笑)」タイプのカーコンポの一例

その頃のカーラジオって、すんげー無骨なボタンが6個ぐらいついてて。

ボタン押すと「ガシャッ」という、いかにも「機械押しましたよ」的な感触とともに、しょぼいスピーカーから流れてくる音楽が心地よかったんじゃないかと思います。

そう、あの頃のカーラジオは、無骨でシンプルでわかりやすかったですよ。

付いてるのは、大きなボタン数個とチューニング用のぐるぐる回すダイヤル。

うすボンヤリした透明なガラスかプラスティックには周波数が書かれてあって、オレンジ色の針が目的のラジオ局を指す。

クルマのラジオってのは免許取り立ての初心者からジイさんバアさんまでが安心して使えたシンプルなインターフェイスで、それは単なるノスタルジイではなく、今でもそうあって欲しいと思ったりする使いやすさがあったハズです。

▲お金持ってない人は「コンポ」じゃなくて「カーステレオ」止まりだったか

そういや、初めて所有した中古のトヨタ カリーナは、ラジオのダイヤルをグって押すと電源がONになり、ボンネットのロッドアンテナが「グワチャッッ」ってでかい音を立てて飛び出したりして。

何と半分くらいが飛び出すだけで、その後は手動で「っつつーっ」と、アンテナ伸ばしてあげないと、綺麗に受信できなかったりしたシロモノだったのです。

そうしてしばらく経つと、こんどは「カセットテープ」という媒体がクルマに侵入してきて、80年代とか90年代は「カーステレオ」とか「カーコンポ」にお金をかける奴が続出しましたね。

クルマの中は最上の音楽空間だとか言ったりしてたメーカーもあり、カーステレオが超豪華な、しかもグラフィックイコライザがチャラチャラ光ったりして、何やら賑やかな「コックピット」でクルマ走らせる、そんな時代だったわけで・・・・。

▲カセットテープは「縦」に入れるタイプと「横」に入れるタイプがありましたね

正直、デジタル化が進んだ今は、そんな豪華なカーコンポなんて誰も積んでませんわね。

トランクにCDチェンジャーがあって、12枚も連続再生!なんて時代もあったけれど、元々「ラジオ」だった車内スペースは、時代とともに変化していき、今では小さなディスプレイであらゆる情報を(もちろんラジオも)伝えてくれます。

いや、いい時代になったもんです。

と、思いつつも、ワタクシの2馬力の助手席の下にある(そうだ!吊り下げ式だぜ!)、ガチャンと押せるボタンがついたラジオから、その、たったひとつしかない安物のスピーカーから、ときどきチューニングがズレるようなラジオの音が聞こえてくる。

すると、DJやパーソナリティの声もなんとなくノスタルジックな感じがして、そこから80年代の旧い曲なんかかかってきたら、おっさんハンドル握りながら泣いちゃいますよ(笑)。

▲というわけで、ワタクシの2馬力は「吊り下げ型」。すなわち後付けタイプ

あ、アンテナ伸ばさないとよく聞こえないんだよね。

いや、FMだって入りますよFM。当時はFM東京とNHKFMしかなかったし、ときどきNHKFMヨコハマが紛れ込んだり。

AMでいえばニッポン放送のすぐ脇に、ちょっとチューニングずらすとモスクワ放送が入ってきてたなあ、

みたいな昔話も、なかなかできなくなっちゃいましたが。

▲ラジオのアンテナは手で伸ばす必要アリ。伸ばさないとラジオがちゃんと聞こえないっス

とりあえず、ラジオ・スターは「未だ」ビデオに殺されなくて済んだようです。

[画像/Pixabay・ライター/まつばらあつし]

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