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旧車の再生と維持

駐車場に残っている虹色のシミの原因は「オイル」!放置すると危険なオイル漏れとは?
旧車の再生と維持 2023.05.19

駐車場に残っている虹色のシミの原因は「オイル」!放置すると危険なオイル漏れとは?

車を動かしたあとに残っている黒ずんだ真新しいシミや、雨の日に車の下から流れ出てくる虹色のシミの原因は、車輌から漏れたオイルであることがほとんどです。今回は、車輌からオイルが漏れる原因や放置するとどうなるのかについて解説します。虹色のシミは一見キレイに見えますが、危険のサインでもあるため放置しないようにしましょう。 虹色のシミの正体は車輌から流出したオイル 雨の日の駐車場に現れることがある虹色のシミの原因は、車輌から漏れ出したオイルです。一言で「オイル」といっても、車にはさまざまなオイルが使われています。そのため、駐車場のどのあたりに虹色のシミが現れたのか覚えておきましょう。また、車を修理に出したときは、オイルのシミ(虹色のシミ)が駐車場のどのあたりについていたのか伝えるようにしてください。 車輌からオイルが漏れる原因 車輌からオイルが漏れる原因は、経年劣化や部品の損傷など、さまざまです。また、エンジンから漏れることもあれば、トランスミッションから漏れることもあります。いずれにしても、車に不具合が発生している可能性が高いため、虹色のシミを見つけたときは一度点検してもらいましょう。 オイル漏れによる車輌への影響 ここからは、オイル漏れが車輌に及ぼす影響について紹介します。 ブレーキが効かなくなる ブレーキオイルが漏れていると、ブレーキが効かなくなる可能性があります。ブレーキが効かない車は非常に危険であるため、ブレーキオイルが漏れている可能性がある場合や警告灯が点灯しているときは、いち早く点検してください。 変速できなくなる トランスミッションのオイルが漏れているとギアの変速ができなくなります。変速するときのショックが大きかったり異音がしたりするときは、トランスミッションに不具合が発生している可能性があるため、走行ができなくなる前に点検しましょう。 車検に通らない オイル漏れがあると、車検に通らないことがあります。そのため、オイル漏れを見つけたときは、早めに点検に出し、原因を突き止めて修理してもらいましょう。修理が遅れると、エンジンやトランスミッション、ブレーキなどの故障範囲が広がり、修理期間が長くなったり、修理代が高くなったりします。 火災の原因になることも オイル漏れを放置しておくと、エンジンから発生する熱などが原因で引火する可能性もあります。そのため、オイル漏れは放置せず早めに対処しましょう。 車輌の下に虹色のシミがあったときの対処法 車輌を停めていた場所にオイルシミを見つけたときは、早めに修理工場に持ち込み直してもらいましょう。自走するのが難しい場合は、ロードサービスを呼んで車を運んでもらい修理してください。 オイル漏れを放置すると、車に不具合が生じたり、車両火災になったりすることがあるため、早めに工場で点検や修理することをおすすめします。 雨の日に見られる虹色のシミはオイルが1滴または2滴ほどであるため、早急に対処が必要というわけではありません。ただし、急ぐ必要がないからといって放っておかないようにしてください。

FJクルーザーの燃費は悪い?ライバル車との比較、年間維持費まで解説
旧車の再生と維持 2023.05.16

FJクルーザーの燃費は悪い?ライバル車との比較、年間維持費まで解説

トヨタが開発したミドルサイズのクロカンであるFJクルーザー。ランクル40のようなレトロフェイスと派手なカラーバリエーションで話題になりました。 中古市場でも人気が高いクルマですが「本格派クロカンは燃費が悪いのでは?」と心配されている方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事ではFJクルーザーの燃費と維持費について解説いたします。あわせてライバル車の燃費についても紹介するため、購入時の参考にしてみてください。 FJクルーザーのカタログ燃費 FJクルーザーは2010年〜2018年の間、日本で製造・販売されていました。その期間で販売されたすべてのモデルにおいて、カタログに記載されていた燃費数値は8km/L〜8.4km/Lです。 近年のハイブリッド車が20km/L近い燃費であることを考えると、あまりよい数値とはいえません。 FJクルーザーの実燃費 カタログ燃費はあくまで目安であり、実際に走行して消費する燃料の量は異なります。FJクルーザーの実燃費を口コミサイトをもとに調べたところ、約7km/Lでした。カタログ燃費と実燃費の差はおおむね1〜2km/Lといわれているため、イメージ通りの数値だといってよいでしょう。 ライバル車の燃費 FJクルーザーのカタログ燃費と実燃費を紹介しました。一般的にみると決して燃費はよくありませんが、同じ車格のクルマと比べても数値が悪いほうなのでしょうか。ここでは、FJクルーザーと大体同時期に発売開始されたライバル車の燃費を紹介し、その性能を比較します。 トヨタ ランドクルーザー プラド 150系 2009年より発売されているトヨタのランドクルーザープラド150系の燃費は下記のとおりです。 ・カタログ燃費 7.6〜9km/L ※ガソリンモデルのみ・実燃費 約7.5km/L プラド150系には、排気量の異なるエンジンが2種類ラインナップされています。FJクルーザーの排気量に近い3,955ccだと燃費に差はつきにくいですが、2,693ccのモデルであれば維持費を抑えられるかもしれません。 また、プラド150系にはディーゼルモデルもあります。カタログ燃費が11km/L程度とガソリンモデルよりも燃焼効率がよいため、より維持費を抑えたい方は選択肢にいれるとよいでしょう。 ジープ JK ラングラー 2007年から2017年まで販売されていた、ジープのJK ラングラーの燃費は下記のとおりです。 ・カタログ燃費 7.1〜7.9km/L・実燃費 約6km/L アメリカ生まれのラングラーは、やはりかなり燃料を消費するようです。カタログ燃費、実燃費ともにFJクルーザーよりも約1km/Lほど数値が低いことがわかりました。 三菱 4代目 パジェロ 2006年から2021年まで製造・販売されたパジェロの最終世代の燃費は下記のとおりです。 ・カタログ燃費 8km/L〜10km/L・実燃費 約7km/L おおむねFJクルーザーと変わらない数値です。ただし、この世代のパジェロの排気量は3,000cc程度です。同程度の燃費でより排気量の大きいクロカンの走りを楽しみたいならFJクルーザーを選ぶとよいでしょう。 一方、プラド150系と同様にパジェロにも燃費のよいディーゼルモデルがラインナップされています。ガソリンモデルにこだわりがないのであれば選択肢にいれてもよいかもしれません。 FJクルーザーの燃料代は年間いくら? FJクルーザーの燃費の数値はわかったものの、実際に燃料代はいくらかかるのでしょうか。ここでは下記の条件で年間の燃料代を計算します。 ・実燃費7km/L・レギュラーガソリン1Lあたり170円・月間走行距離1,000km 使用燃料は月間約142Lで、1ヶ月あたり2万4,140円の燃料代がかかります。年間に換算すると28万9,680円です。 FJクルーザーを維持するための燃料代以外の費用 FJクルーザーを維持するには、燃料代以外にもさまざまな費用がかかります。ここでは、FJクルーザーを所有するにあたっての燃料代以外の維持費の内訳を紹介します。 自動車税(種別割) 自動車税(種別割)は排気量に応じて税額が決まります。FJクルーザーは3.5L超~4.0L以下(自家用)の区分に該当します。現行モデルであれば6万6,500円/年(2019年9月30日以前に新車登録した場合)ですが、新規登録から13年以上経過する場合は重課対象となり7万6,400円/円かかります。 任意保険 FJクルーザーの任意保険について大手のネット型保険で見積もりをしました。 <条件>年齢:30歳等級:6E使用目的:通勤・通学運転者:本人限定 <補償内容>対人賠償(1名につき):無制限対物賠償(1事故につき):無制限対物超過特約(相手自動車1台につき50万円まで):あり人身傷害:あり(車内のみ補償)人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円入院諸費用特約:なし車両保険:あり車両保険(保険金額):130万円車両保険免責金額(1回目-2回目以降):5-10万円 上記内容でシミュレーションしたところ、総額は約7万5,000円/年でした。車両保険は130万円まで補償されます。 車検代 続いて、自家用登録したFJクルーザーの車検代についてみていきましょう。 <ディーラー車検の場合>自賠責保険:1万7,650円(24ヶ月)自動車重量税:3万2,800円(24ヶ月)印紙代:1,800円 ※指定工場の場合車検料:5万円合計:102,250円 ※車検料は内容、整備工場などにより費用は増減します メンテナンス費用 最後にメンテナンス費用を見ていきましょう。FJクルーザーのメンテナンスについては下記の費用がかかってきます。 ・洗車代・ワイパーゴム交換代・ウォッシャー液交換代・冷却水補充代・エアコンフィルター交換代・ヘッドライト交換代・エンジンオイル交換代・オイルフィルター交換代・ブレーキオイル交換代・エアクリーナー交換代 1年間でこれらの費用が発生します。5万円ほどを見込んでおけばよいでしょう。FJクルーザーのタイヤ交換が発生する場合は大きなタイヤになるので+10万以上かかるケースもあります。 FJクルーザー年間維持費はいくら? 維持費の内訳について解説しましたが、ここで合計額を確認しましょう。 <自家用車登録のFJクルーザー年間維持費>燃料代:28万9,680円自動車税:6万6,500円任意保険:7万5,000円車検:5万1,125円(2年ごとにかかる費用の半額分)メンテナンス費:5万円合計:53万2,305円 月額では4万4,000円ほどかかります。ローンで購入するとさらに月々の返済が発生するほか、月極駐車場を契約する場合は別途駐車場代が毎月かかります。 FJクルーザーの特徴・魅力 最後にFJクルーザーの特徴と魅力を振り返っておきましょう。購入を検討されている方は、維持費に対して自分の使用に見合うクルマかどうかの判断材料としてお役立てください。 優れた悪路走破性 FJクルーザーの特徴といえば、やはり優れた悪路走破性です。もともとはアメリカ向けに開発された車種だけあり、ダブルウィッシュボーン式独立懸架コイルスプリング、トレーリングリンク車軸式コイルスプリング、リヤデフロックなど本格派4WDとしての要素が豊富に詰め込まれています。 また、フルフレーム構造を採用することでボディ剛性も確保しています。道なき道をダイナミックに走行したい方にとってはぴったりの1台です。 レトロななデザイン FJクルーザーの魅力は走行性能だけではありません。ランクル40を彷彿とさせるレトロな見た目にも多くの支持が集まっています。スタイリッシュなSUVが数多くリリースされるなかで異彩を放つ存在でした。また、カラーバリエーションも豊富で自分好みのカラーに仕上げられるという点もFJクルーザーならではの特徴です。 カスタマイズ性の高さ さまざまなカスタマイズを楽しめる点もFJクルーザーの魅力です。多くのカスタムパーツが流通しており、もともとのデザインにさらなるオリジナル性を加えて楽しめます。自分だけの唯一無二の1台として所有するには、うってつけのモデルといえるでしょう。 まとめ FJクルーザーの燃費について解説しました。 約7km/Lと燃費が悪いように思えますが、同車格のライバル車と比べると平均的だといえます。維持費の大半を燃料代が占めるものの、走行性能の高さやデザインの独自性から所有満足度の高いモデルです。自分の使用に対してコストが見合うかどうかを検討したうえで購入を決めるとよいでしょう。

耐久レースで知る、エンジントラブル防止の基本はスパークプラグの交換
旧車の再生と維持 2023.05.15

耐久レースで知る、エンジントラブル防止の基本はスパークプラグの交換

■寒い日のエンジントラブル。原因はプラグかぶり 少し前、冷え込んだ日のこと。 所用で早朝に出かけるべく、愛車S15のエンジンをかけようしたところ、「キュ、ガッガッガッ!」と、セルは回るものの始動しない。 大丈夫です、こういったアクシデントにはもう慣れました。 いや、慣れちゃダメだろ! 何度か始動を試みるも、症状は改善せず。 くすぶっている感じはあるので、ガソリンはエンジンまで届いている……あっ、プラグかぶりか。 あまりに久しぶりだったので忘れていましたが、これはプラグかぶりの典型的な症状。 クラッチとアクセルをベタ踏みし、一呼吸。 キーをひねって、そのまま戻さない! キュ、ガッガッガッ、ボッ! ガガッ、ボッ、ボッ。 かかれ! かかれ! キーを戻すな! ごめんよバッテリー、もってくれ! ボッ、ボボッ、ボッ、ボッ……。 かかれぇっ! ボボボッ、ドゥン! かかったぁ! アイドリングに元気はありませんが、かかってしまえばこっちのもの。 5分ほど様子をみましたが問題はなさそうなので、出発することができました。 ■プラグかぶりの対処は、強引にエンジンをかけること 今のクルマは電子制御がよくできているので、プラグかぶりを経験したことがない人も多いと思います。 プラグかぶりのプラグは、おなじみスパークプラグのこと。 プラグかぶりは、なんらかの理由でシリンダーに送られたガソリンが燃焼せず、スパークプラグの電極を濡らしてしまった状況のこと。 プラグかぶりを起こした電極(スパークプラグ)は思うように火花をちらせず、結果、エンジンはひどくかかりづらくなります。 一番、手っ取り早い対処法は先ほど私がやったように、アクセルを踏み込んだままセルを回し続けてシリンダーに空気を送り、火花がちりやすい環境を作って強引に始動させること。 エンジンがかかってしまえば電極も乾燥し、調子も戻ります。 それでも始動しないならプラグかぶりではなく、オイルかぶりやスパークプラグ自体に問題が出ているかもしれません。 スパークプラグはそう高価なものでもないので、交換しちゃうのも手です。 「一度、プラグかぶりをおこしたスパークプラグは、もう元には戻らない」という話もあります。 厳密にはそう(スパークプラグの性能が落ちる)なのかもしれませんが、四輪で街乗りが中心の場合は、そこまで気にしなくてもいいと思います。 エンジンが冷え切る寒い日は、いくぶんかプラグかぶりがおこりやすくなります。 これから旧車に乗られるならば、対処法を覚えておいても損はありません。 ■四輪ならば、スパークプラグの熱価は適正が最良 旧車を購入したらリフレッシュとして、スパークプラグは交換すべきパーツのひとつ。 ただ、どれでもいいから交換すればいいものではありません。 スパークプラグは燃焼によって受けた熱を処理する度合を示した「熱価」があります。 熱価の数値が高いほど耐熱性が高く、低いほど火花をちらしやすい特性を持っています。 適正の熱価は車種やグレードによって異なり、デンソーやNGKといった、スパークプラグを扱うメーカーの公式サイトで調べることができます。 「高回転で走行することが多いから」と、適正よりも高い熱価のスパークプラグに交換する方もいらっしゃいます。 実際、スパークプラグメーカーも、乗り方にあわせた熱価を推奨しています。個人的には、それは1万回転以上で長く走行し続ける二輪を想定しての話で、四輪ならば適正な熱価のスパークプラグが、もっともエンジンの性能を引き出すと考えています。 そんな考えに至ったのは、過去の経験から。 ■耐久レースで学んだ、普及品の性能の高さ! もう20年以上、過去の話になりますが、原付で耐久レースに出ていたことがあるんですよ。その耐久レースはレギュレーションにより「エンジンはノーマル状態であること」が義務付けられていました。 初参加の際はスパークプラグにレーシングプラグを奢り、「半日以上、高回転で走行するのだから」と、熱価も高いものを選択。 ところが実際にレースが始まると、練習走行のときよりもパワーが出ず、タイムも遅い。 排気音も元気がない。 当初は「原因はセッティングのミス」と推測し、どうすれば調子が戻るのかと、チーム全員で頭を抱えました。 あれこれと手直しするも、調子は戻らない。 「この際、全部を練習走行時に戻そう」と、スパークプラグもかぶっていたわけではないのですが、純正で使用される製品に戻します。 すると、とたんに排気音が勇ましく響きだしたじゃないですか!  実際にパワーやタイムも戻り、調子の良いまま完走することができました。 交換したスパークプラグに問題はなし。 電極に焼けすぎの兆候もありません。 耐久レースなので回転数は6000回転前後をキープ。 この回転数は、日頃から「高回転で走行する」という四輪と同程度じゃないでしょうか。 スパークプラグは普及品でも十分に性能は高く、色々と余裕のある四輪ならば、適正の熱価こそが一番、性能を引き出してくれると学んだ経験でした。 話はプラグかぶりに戻りますが、元気で適正な熱価のスパークプラグはプラグかぶりを予防し、対処の際もエンジンが始動しやすくなります。 リフレッシュの際はもちろんですが、「エンジンの調子が悪いな」と感じたら、交換してはいかがでしょう。 [画像/Adobe Stock、ライター・撮影/糸井賢一]

S2000 AP1型の年間維持費は約56万!税金、車検代、整備費用まで解説
旧車の再生と維持 2023.05.12

S2000 AP1型の年間維持費は約56万!税金、車検代、整備費用まで解説

S2000といえばホンダを代表するオープンスポーツカーです。本田技研工業の創立50周年記念として1999年に発売されました。ホンダが29年ぶりに開発をしたFRスポーツということで当時多くの話題を集めました。 なかでも、9,000回転までまわるF20C型エンジンを搭載しピーキーに仕上げられたAP1型は多くのクルマ好きから熱い支持を得ています。中古車で狙っている方も多いと思いますが、発売から20年近く経ったクルマは維持費が心配になりますよね。そこでこの記事ではS2000 AP1にかかる維持費について解説いたします。 関連記事:オープン2シーターとして人気のホンダ S2000!世界一を目指したSシリーズの歴史と魅力に迫る関連記事:18年・33万キロを駆けぬけてきた愛車、ホンダS2000の3つの魅力とは? S2000 AP1型の年間維持費は40万〜55万円ほど S2000 AP1型の年間維持費はおおよそ44万〜56万円ほどです。 <S2000 AP1型 年間維持費の内訳>燃料代:6万1,205円〜15万3,105円自動車税:4万5,400円任意保険:2万8,000円〜5万4,000円車検:5万8,625円(2年ごとにかかる費用の半額分)メンテナンス費:25万円合計:44万3,230円〜56万1,130円 各項目の内容について、ここから詳しく解説します。 燃料代 まずは燃料代について解説します。 S2000 AP1型には1,997cc 直4 F20C型エンジンが搭載されており、カタログ燃費は10・15モードで11.6〜12km/Lです。 ここでは燃費を12km/L、ハイオクガソリンの価格を1Lあたり183.8円(2024年7月16日時点の全国平均)として、走行距離別に燃料代を算出します。 走行距離 年間4,000km  年間走行距離が4,000kmの場合は、1年間で約333Lの燃料を使うことになり、燃料代が6万1,205円かかります。休日のドライブや近場での買い物をメインにクルマを使用する方が該当するでしょう。 走行距離 年間7,000km  年間走行距離が7,000kmだと、1年間で約583Lの燃料を使うことになるため、燃料代が10万7,155円かかります。毎日1時間弱ほどクルマに乗る方が当てはまるでしょう。 走行距離 年間10,000km 年間走行距離が10,000kmの場合は、1年間で約833Lの燃料を使うことになり、15万3,105円の燃料代がかかります。往復1時間かかる距離を、毎日走行する方が該当するでしょう。 自動車税種別割 続いて、自動車税種別割について解説します。 S2000 AP1型は最終モデルでも車齢13年を超えるため、自動車税種別割の重課対象に含まれます。2024年7月時点での、新規登録から13年以上した排気量1,500cc超〜2,000cc以下のクルマの自動車税種別割は4万5,400円です。 任意保険料 次に、任意保険料について解説します。大手ネット型保険にて、年間走行距離別にシミュレーションしました。条件と補償内容は以下のとおりです。 <条件>年齢:32歳等級:17運転者:本人限定 <補償内容>対人賠償(1名につき):無制限対物賠償(1事故につき):無制限対物超過特約(相手自動車1台につき50万円まで):あり人身傷害:あり(車内のみ補償)人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円入院諸費用特約:なし車両保険:あり車両保険(保険金額):55万円免責金額(1回目-2回目以降):5万円-10万円 走行距離 3,000km超5,000km以下 休日のドライブや近場への買い物に使用する方が多く該当するため、使用目的を「日常・レジャー」としてシミュレーションしました。1年間の保険料は2万8,000円ほどです。 走行距離 7,000km超10,000km以下 毎日の移動で1時間ほど運転する方が該当することが多いため、使用目的を「通勤・通学」としました。1年間の保険料は4万5,000円ほどです。 走行距離 10,000km超12,000km以下 毎日の1時間以上走行する方が多く該当するため、7,000km超10,000km以下の区分と同様に、使用目的を「通勤・通学」としてシミュレーションしました。1年間の保険料は5万4,000円ほどです。 車検 続いて、車検代です。車検には、自賠責保険料、自動車重量税、印紙代、車検基本料がかかります。 <ディーラー車検の費用>自賠責保険:1万7,650円(24ヶ月)自動車重量税:3万7,800円(24ヶ月)印紙代:1,800円車検基本料:6万円合計:11万7,250円 それぞれの項目について詳しく解説します。 自賠責保険料 自賠責保険料とは、クルマの所有者が加入を義務付けられている保険で、「強制保険」とも呼ばれます。2024年7月現在、乗用車の税額は一律で1万7,650円です。 自動車重量税 自動車重量税は車輌重量によって税額が異なる税金です。S2000 AP1型は1t超~1.5t以下の区分に該当し、新規登録から18年以上経過していると重課されるため、3万7,800円かかります。 印紙代 印紙代とは、車検の際に国に納める検査手数料です。依頼先の工場の種類によって金額は異なり、2024年7月時点だとディーラーの場合は1,800円かかります。 車検基本料 車検基本料には、点検料や代行手数料などが含まれており、依頼先によって金額に差があります。S2000 AP1型をディーラー車検に出した場合には、6万円ほどかかるでしょう。販売店によって価格が異なる可能性があるため、事前に問い合わせすると安心です。 メンテナンス費用 次に、メンテナンス費用について解説します。基本的なメンテナンス費用とS2000 AP1型ならではの故障箇所の修理費用をあわせると、25万円ほどかかります。それぞれの内容について詳しくみていきましょう。 基本的なメンテナンス箇所 S2000 AP1型に限らず、一般的なクルマのメンテナンス項目は以下のとおりです。 ・洗車・ワイパーゴム交換・ウォッシャー液交換・エアコンフィルター交換・エンジンオイル交換・オイルフィルター交換・ブレーキオイル交換・エアクリーナー交換 など 高く見積もって年間5万円ほどのメンテナンス費用を見込んでおけばよいでしょう。 S2000 AP1型ならではの故障箇所 S2000 AP1型は「壊れやすいクルマ」といわれることがあります。古いスポーツであるためにダメージが蓄積されている個体が多いのは事実ですが、定期的にメンテナンスしておけば長く所有できるモデルです。また、あらかじめ故障しやすい箇所を把握しておけば費用も見積もりしやすいでしょう。 S2000 AP1型で故障しやすいといわれている箇所は以下のとおりです。 ・激しいオイル消費・ハブベアリング劣化・ドライブシャフト故障・プロペラシャフト故障 など メンテナンス費用は多く見積もって20万円ほどでしょう。 上記はあくまで一例で、車輌の状態によってこのほかの箇所が故障する可能性も十分に考えられます。購入を検討している場合には、契約前に細かな箇所までチェックすることをおすすめします。 関連記事:16年目・25万キロ超え。愛車ホンダ S2000のエンジンをリフレッシュ S2000 AP1型の維持費を抑える方法 ここまでS2000 AP1型の維持費の内訳について解説しました。負担が大きいと感じた方に向けて、維持費を抑える方法を3つ紹介します。 任意保険を見直す 任意保険の契約先を見直すと、維持費を抑えられる場合があります。 クルマや条件が同じでも、保険会社によって金額が異なることがあります。複数社から見積もりを取り寄せたり、いくつかのネット型保険でシミュレーションしたりして、保険料を比較してみましょう。なお、国内損保よりもネット型保険のほうが安い傾向にあります。 車検の依頼先を見直す 車検の依頼先の見直しも維持費を抑えるのに有効です。 前述のとおり、車検基本料は依頼先によって異なります。一般的にはディーラー車検よりも民間車検のほうが安く、民間の工場でもそれぞれ金額に差があります。車検の際には、事前に複数の工場から見積りを取り寄せて、車検基本料を比較するとよいでしょう。 DIYでメンテナンスする 一部のメンテナンスを自分で行えば、その分外注費用を減らせます。DIY可能なメンテナンス項目の一例は以下のとおりです。 ・洗車・エンジンオイル交換・ワイパーゴム交換 など 上記は比較的簡単なメンテナンス項目です。自身でクルマをいじった経験がある方であれば、対応できる範囲はさらに広がるでしょう。 まとめ S2000 AP1型の維持費について解説しました。 玄人好みのピーキーな乗り味が特徴のS2000 AP1型に憧れを抱いている方は多いでしょう。所有したいけれど維持費に不安を抱いているという場合には、ぜひ今回の情報を参考に自身が維持できるかどうかを検討してみてください。  

トヨタ ランドクルーザー(80系)は故障が多い!?修理費はいくらかかるかを解説
旧車の再生と維持 2023.05.11

トヨタ ランドクルーザー(80系)は故障が多い!?修理費はいくらかかるかを解説

ランドクルーザー80は1989年にデビューした高級志向のクロスカントリー車です。悪路走破性の高さはもちろんのこと、クラウンと遜色ない内装で人気を博しました。ランクルシリーズの絶大な信頼性もあり、2023年現在でも大人気の車種です。しかし発売開始が30年以上前のクルマ。心配なことは故障ですよね。この記事では80系ランクルでよくある故障箇所と修理費用を解説します。 80系ランクルのよくある故障箇所 30年以上前の旧車はどうしても故障・不具合が多くなるものです。ここからは80系ランクルのよくある故障箇所を紹介します。 ディーゼル噴射ポンプの不具合 燃料をエンジンに供給する噴射ポンプは経年劣化しやすい部分です。故障してしまうと、煙があがる、加速が鈍る、燃料が漏れる、エンジンがかからないなどの症状が発生します。 定期的なメンテナンスで不具合の発生を軽減することはできますが、噴射ポンプは常に高温にさらされるためどうしても劣化が進みやすい箇所です。 ラジエーターの故障 ラジエーターの一般的な寿命は12年ほどといわれています。ランクル80の場合、車齢が30年以上のものばかりのため、3回は交換する必要があります。定期的に交換していない場合は、腐食が進んでいるかもしれません。 ラジエーターのトラブルはエンジンの深刻な故障に発展する可能性があります。回転数の不調や水温計の異常が発生している場合は、ラジエーターの破損を疑いましょう。 エアコンの不具合 カーエアコンはエアコンガスを使用し冷風を作ります。このガスが漏れてしまうことが多くの不具合の原因です。また、コンプレッサーの汚れやエアコンガスの劣化なども考えられます。 汚れは定期的なメンテナンスで防げますが、タフな作りの80系ランクルといっても経年劣化は避けて通れません。 ドライブシャフトからのオイル漏れ ランクル80は、フロントアクスルに取り付けられたタイヤを曲げるために、グリス充填型のドライブシャフトが採用されています。近くにはギヤオイルで満たされたデフケースがあり、オイルがドライブシャフトに侵入しないようシールがつけられています。しかし、シールが経年劣化してしまうとオイルが漏れ出し、グリスが熱で溶けて漏れ出してしまうのです。結果、エンジンの焼きつきが起きたり、ステアリングホイールの動きが重たくなるなどのトラブルにつながります。 80系ランクル修理費はいくら? 万が一故障してしまった場合、各パーツでいくらくらい修理費がかかるのでしょうか。一例を紹介します。 修理内容 費用相場 ディーゼル噴射ポンプ 10万円〜 ラジエーター修理 6万円〜 エアコン修理 10万円〜 ドライブシャフト修理 7万円〜 一般的な車のメンテナンス費用は1年間に3〜5万円程度といわれています。しかし旧車の場合は経年劣化により高価なパーツ交換が必要になりメンテナンス費が跳ね上がることが多いです。日頃から丁寧にメンテナンスをしていれば劣化を遅らせることができるとはいえ、遠くない未来に修理・交換が必要になるでしょう。 80系ランクルの維持費が高いと思ったときの対処法 パーツの経年劣化による修理・交換は旧車を維持するうえで避けることはできません。新車や高年式の中古車よりもメンテナンス費が高くなってしまうものです。もし修理費を負担に感じたら手放すことを検討してみてはいかがでしょうか。 ※2023年5月11日時点のデータです

トヨタ 3代目ハイラックスサーフ(185系)の維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説
旧車の再生と維持 2023.05.09

トヨタ 3代目ハイラックスサーフ(185系)の維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説

ハイラックスサーフといえば1984年から2009年まで製造されたトヨタの大型SUVです。オフロード性能はもちろんのこと、シティユースでも使えることで人気を集めました。中でも3代目の185系ハイラックスサーフは居住性と運動性の高さから熱い支持を得ています。 しかし185系ハイラックスサーフは最終型でも20年以上前のクルマ。「古いクルマは維持費が大変そう……」と心配の方も多いですよね。この記事では185系ハイラックスサーフにかかる維持費について解説いたします。 185系ハイラックスサーフの特徴 3代目ハイラックスサーフにはFRの180系と4WDの185系が存在します。見た目はオフロード車ながらFRのモデルがあったことにシティユースを意識したモデルだということがうかがえます。 185系ハイラックスサーフは先代で使い勝手が不評だったバックドアの改善を図り、跳ね上げ式になりました。先代と比較して見た目は大きな違いがないのですが、居住性や安全性の向上など大きな進化を遂げています。 ボディサイズはワイドボディでも全幅が180cmです。このサイズ感は輸入車のCセグメントと同じぐらいの大きさです。当時の国産車では大きなボディサイズでしたが、現代のクルマと比較すると一般的な横幅であるといえます。 185系ハイラックスサーフの維持費の内訳 185系ハイラックスサーフの維持費について、5項目に分けて解説します。 燃料代 185系ハイラックスサーフのエンジンは、ガソリン2種類、ディーゼル1種類です。それぞれの燃費を見ていきましょう。 ガソリン 3.4リットル:8.2km/リットルガソリン 2.7リットル:9.1km/リットルディーゼル 3.0リットル:10.4km/リットル 10.15モードのカタログ燃費で比較しましたが、実燃費はカタログ値より2kmほど低くなる場合が多いようです。かなり大食いのクルマだといえるでしょう。ちなみに、燃費の良いディーゼルエンジン車は排ガス規制で都市部には乗り入れできません。 ここからは金額をシミュレーションします。2.7リットルガソリンエンジンで計算してみましょう。 185系ハイラックスサーフを通勤で運転して月間1,000km走行した場合、ガソリンを約142リットル使用(*1)することになり、燃料代は22,942円(*2)かかります。この条件で1年間走行した場合、1年間の燃料代は275,304円(*2)です。   *1 燃費は7km/リットルで算出(実燃費)*2 2023年5月9日のレギュラーガソリン1リットル当たりの平均価格160.6 円で算出 自動車税 燃費に続き、自動車税も2.7リットルガソリンのモデルを例に金額を算出します。 2023年5月現在、排気量2.5リットル超~3.0リットル以下(自家用)の自動車税は51,000円/年です。(2019年9月30日以前に新車登録した場合)185系ハイラックスサーフは最終モデルが2002年に発売されており、車齢が13年を超えます。そのため、自動車税は重課税され58,600円かかります。 任意保険 185系ハイラックスサーフの任意保険について大手のネット型保険で見積もりをしました。 <条件>年齢:30歳等級:6E使用目的:通勤・通学運転者:本人限定 <補償内容>対人賠償(1名につき):無制限対物賠償(1事故につき):無制限対物超過特約(相手自動車1台につき50万円まで):あり人身傷害:あり(車内のみ補償)人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円入院諸費用特約:なし車両保険:あり車両保険(保険金額):20万円車両保険免責金額(1回目-2回目以降):5〜10万円 上記内容でシミュレーションしたところ、総額は約107,000円/年でした。月額だと8,900円ほどかかります。車両保険の補償は20万円までです。 車検 次に185系ハイラックスサーフの車検代について見ていきましょう。 <ディーラー車検の場合>自賠責保険:17,650円(24ヶ月)自動車重量税:50,400円(24ヶ月)※初年度登録から18年経過で算出印紙代:2,300円車検料:60,000円合計:130,350円 ※車検料は内容、整備工場などにより費用は増減します 185系ハイラックスサーフは、自動車重量税の1.5トン超~2.0トン以下に区分されます。同区分の現行モデルの多くは32,800円ですが、初年度登録から18年以上経過した個体は2段階の重課税により50,400円かかります。また、古いクルマは故障が多く交換部品や整備が必要なことが予想されるため車検代も高くなるでしょう。 メンテナンス費用 最後にメンテナンス費用を見ていきましょう。185系ハイラックスサーフについては下記の費用がかかります。 ・洗車代・ワイパーゴム交換代・ウォッシャー液交換代・冷却水補充代・エアコンフィルター交換代・ヘッドライト交換代・エンジンオイル交換代・オイルフィルター交換代・ブレーキオイル交換代・エアクリーナー交換代 1年間でこれらの費用が発生します。高く見積もって5万円ほどを見込んでおけば良いでしょう。185系ハイラックスサーフのタイヤ交換が発生する場合は追加で数万円かかるケースもあります。 185系ハイラックスサーフ年間維持費はいくら? 維持費の内訳を見てきましたが、185系ハイラックスサーフの場合、合計でいくらぐらいになるのでしょうか。合計額を見ていきましょう。 <自家用車登録の185系ハイラックスサーフ年間維持費>ガソリン代:275,304円自動車税:58,600円任意保険:107,000円車検:65,175円(2年ごとにかかる費用の半額分)メンテナンス費:50,000円合計:556,079円 月額では46,300円ほどかかります。通勤で使用しない場合はガソリン代と任意保険料を下げられます。 ローンで購入した場合はさらに月々の返済が発生し、月極駐車場を契約するのであれば別途駐車場代が毎月かかります。 185系ハイラックスサーフの維持費が高いと思った時の対処法 旧車の維持には自動車税、重量税が重課税されるために、どうしても費用がかさんでしまいます。 185系ハイラックスサーフの維持費が高いと感じている場合は、思い切って放すことも一つの方法です。185系ハイラックスサーフはタフな作りであるため過走行と言われる距離を走っていても、まだまだ元気に走行する個体が多いようです。状態次第では、高額での買取に期待できるでしょう。 ※2023年5月9日時点のデータです

DIYそれとも専門店?旧車オーナーが感じた愛車のメンテナンスについて
旧車の再生と維持 2023.05.05

DIYそれとも専門店?旧車オーナーが感じた愛車のメンテナンスについて

クルマと付き合う際、避けては通れないメンテナンス。 旧車となると、一筋縄でいかないことも多い。 どのように愛車の健康管理を行っていくか、筆者の経験から感じたことを今回は紹介したいと思う。 ■メンテナンス、どうすればよいの? クルマのメンテナンスは、機関系とボディ系のジャンルがあると考える。 今回は、機関系のメンテナンスをテーマにしたいと思う。 愛車家の皆様においては、手厚いメンテナンスを行っている方も多いことだろう。 不調が出る前に予防整備を行い、ベストな状態を維持する。 不調を感じ取り、対処整備を行い、調子を戻す。 どちらも走り続けるためには、必要なメンテナンスである。 旧車オーナーの多くは、中古車として愛車を手にしていることだろう。 メンテナンスを行うにあたって、自身で行うか?プロにお願いするか? これらには、それぞれのメリットや判断ポイントがあるので、紹介していこう。 ■DIY派は正しい知識と資料の確保が大切 メリット:・構造が理解できる・急な不具合にも対処するスキルがつく 冒頭に、伝えておかなくてはならないことがある。 DIYでのメンテナンスは、やり方を間違えると、重大な事故につながる恐れがある。 そのため、不安のある場合や分解整備を伴わない範囲で行っていただきたい。 現在、各種SNSを通じ、メンテナンスに関する情報が溢れている。 動画を使った説明は、分かりやすく参考になることもある。 それらの情報に触れ、同じようにメンテナンスが行えると思うことは、多いはずだ。 ただ、残念ながらすべてが、正しい内容とは限らない。 悪意を持って、間違えた方法を発信しているパターンもある。 そんなことは、もちろん言語道断である。 しかし、発信者が正しい方法や便利なやり方と思い紹介した内容が、実は危険な方法のケースもある。 そのような情報に対して、正しい方法なのかを見極めるために、受け取り側も正しい知識を備えることが必要だと考える。 筆者の場合、愛車のメンテナンスをDIYで行う機会が多い。 幸いなことに、家族が整備士の資格を持っており、メンテナンスが比較的やりやすい住環境と、恵まれていることも後押ししている。 メンテナンスをする中で、心強いアイテムとなるのは「整備要領書(サービスマニュアル)」である。 自動車メーカーが車種ごとに発行しており、整備手順や故障診断方法が記載されている。 整備士向けの内容となっているため、専門知識を備えていないと難解な内容だったりする。 ただ、構造の図解もあるため、知識を蓄えるには参考となるはずだ。 自身でメンテナンスを行わなくても「読みもの」として楽しむことができるだろう。 いざ、DIYでメンテナンスを行うに際して、注意しなくてはならないことが他にもある。 作業がうまくいかず、動けなくなった場合の対処法だ。 最悪なケースとして、レッカーで運ぶことも考え、作業場所を選ぶと良いと思う。 ■経験豊富なプロにお任せ メリット:・経験に基づく確実な整備・自身の時間を他に使える 最初は、メンテナンスをお願いしたくても、どこへお願いすれば良いかわからないものだ。 さらに旧車となった場合、なおさらである。大まかに3つの選択肢がある。 ・自動車メーカーのディーラー・整備工場・同一車種の専門店 各々の特徴を紹介していこう。 旧車のなかでも、比較的年式の新しい車種は、自動車メーカーのディーラーでも診てもらえるだろう。 もちろん年式が古い場合でも、その車種のことを理解して、整備が行える環境にある店舗の場合、引き受けてくれるだろう。 しかし、条件が合致せず、引き受けられない旨の説明をされることもある。 旧車の場合、分からずに整備を進め、他の個所を壊してしまう危険性もある。 そのリスクを考えた場合、整備ができない旨を正直に打ち明け、断ってもらうことも双方にとって、良いことと考える。 ディーラーでは、保障の観点から、純正部品を用いた整備が基本となる。 そのため、純正部品が手に入らない車種の場合、比較的新しくても整備を断らざるを得ないケースも実際にはある。 整備工場では、純正部品に限らず、適合する社外部品や流用術のノウハウを用いて整備を行うことも多い。 また、旧車を得意とする整備工場も意外と多い。 街中で整備工場を目にする際、入庫している車種や年式が(良い意味で)偏っているお店は、意外と駆け込み寺となっていることもある。 愛車で気になることがある際は、そんな整備工場で相談をしてみるのも良いと思う。 旧車となると、特定の車種に関する情報を多く持つ、専門店の存在も大きい。 専門店では、同一車種を扱っている台数が多いことから、ノウハウを活かして診断してくれるだろう。 発生している不具合が、その車種や同メーカー同年代固有のウィークポイントということもある。 そんなウィークポイントの部品や長期で乗るにあたって必要な部品を、部品メーカーと共同で新たに製造しているパターンもある。 これは同一車種を多く診ている専門店ならではの動きである。 SNSやイベントを通じて、同じ車種・年代・メーカーのクルマに乗っている仲間からおすすめのお店を教えてもらうことも、大事な手段だと思う。 ■プロならではの経験値でチェック 先日、お世話になっているディーラーで、愛車パルサーを診ていただく機会があった。 担当の方は、R32型スカイラインやN15型パルサーに乗っており、旧車への理解がある。 預ける際、気になる点を伝え、関連した不具合がないか診ていただいた。 筆者が感じていた気になる点は「高速道路を走行時、振動が発生する」という内容だ。 以前、高速道路を走行時に100km/h付近で振動を感じていた。 筆者の予想としては、タイヤのバランスが取れていないことで発生している振動と思っていた。 その後、新品のタイヤを履かせ、バランスを取り、不具合が解消されることを期待していた。 しかし、同様の速度域で再び振動が発生した。 原因はタイヤでは無いことがハッキリした。 次に、振動が出そうな部品を考えた。 4WDなので、前後の駆動を伝えるプロペラシャフト関連の部品を疑った。 診ていただく際、今までの経緯と素人なりの予想を伝えた。 預けてすぐに、原因は分かった。 フロントハブのベアリングの劣化によるものであった。 リフトに乗せられた、愛車のホイールを揺すると、ガタツキが目視できた。 経験豊富なプロの診断は、症状から的確にアタリを見つけられた。 仮に、筆者の予想を自身の判断だけで突き進んだ場合、プロペラシャフトのマウントやジョイントを疑い、おおごとになっていたことだろう。 今回、幸いなことにまだ純正部品の供給があり、交換をお願いすることにした。 DIYが多い筆者にしては「お店に頼むとは珍しい」と友人たちにいわれた。 今回、診断にて原因を特定していただき、作業内容を考え自身で行うのは困難と判断した。 ハブベアリング交換は、プレス機による圧入などが必要である。 プレス機等の必要になる設備を持っていないこと、近日中に乗って出かける予定があり、時間的余裕が無いため、作業をお願いした。 作業に1日以上かかるのではないかと思っていたが、プロの手にかかれば半日以内で無事完了した。 やはり固着等の問題はあったようだが、充実した設備、豊富な経験から乗り越えられるのはプロのなせる業であると感じた。 ■まとめ:自身で行える範囲はDIYで楽しみ、重整備はプロに任せる メンテナンスを楽しむのも旧車の醍醐味である。 自身で行える範囲はDIYで楽しみ、重整備はプロに任せる。 バランスよくメンテナンスを行うことで、快調な愛車での旧車ライフを楽しむことができるはずだ。 [ライター・撮影/お杉]

車のランプ(警告灯)の意味は?車のランプの種類や表示されたときの対処法についても解説
旧車の再生と維持 2023.04.27

車のランプ(警告灯)の意味は?車のランプの種類や表示されたときの対処法についても解説

車のインパネにあるランプ(警告灯)の意味を熟知している人は少ないでしょう。普段は点灯することのないランプ(警告灯)も多いため、それぞれの意味を理解しておくことは緊急時の備えとして重要です。今回は、車のランプ(警告灯)の意味や種類、ランプが表示されたときの対処法について解説します。車のランプ(警告灯)について理解が不足していると感じた人は参考にしてください。 車のランプ(警告灯)の意味 車のランプ(警告灯)は、車輌の状態や異常・故障・誤操作などを知らせてくれるものです。輸入車でも国産車とほぼ同じデザインとなっているため、点灯や点滅時には適切な対応を心がけましょう。また、車のランプ(警告灯)の色はほとんどが青、緑、黄(オレンジ)、赤の4色に分かれており、青色や緑色は暖気や機能の動作中という意味のためあまり気にする必要はありません。 注意すべきは黄(オレンジ)色や赤色の点灯や点滅です。この2色は注意や警告をドライバーに促しているため、何らかの対処が必要といえるでしょう。黄(オレンジ)色や赤色の警告灯について詳しく解説していきます。 黄色 黄(オレンジ)色のランプ(警告灯)は緊急性がそれほど高くないものの、可能な限り早めに対処しなければならないことを知らせています。 赤色 赤色のランプ(警告灯)は緊急性が高く、運転をただちに中止して対処しなければならないことを知らせています。走行不能や事故の原因となる可能性もあるため即時対応しましょう。 車のランプの種類 続いて、車のランプの種類について詳しく解説します。 半ドア警告灯 半ドア警告灯は、車のドアが半ドアになっていることを知らせています。半ドアのままでは走行中にドアが開いてしまう可能性があり大変危険です。また、すべてのドアやトランクをしっかりと閉めたにも関わらず半ドア警告灯が消えない場合は、ドアやメーターパネルの故障の可能性があります。 対処法 トランクを含めたすべてのドアがしっかりと閉まっているか確認しましょう。それでもランプ(警告灯)が消えない場合は故障の可能性があるため、可能な限り早めに点検に出すことをおすすめします。 シートベルト警告灯 シートベルト警告灯は、シートベルト未装着時に点滅します。シートベルトを装着しているにも関わらず点滅する場合は、座席に荷物を置いていることで座面のセンサーが誤反応している可能性が高いでしょう。 対処法 シートベルトを装着することでシートベルト警告灯は消えます。シートベルトの装着は全席で義務化されているため、後部席に乗車している人が未装着でも2020年秋以降の製造車輌は警告灯が点滅する設定です。 また、シートベルトを装着しているにも関わらず点滅する場合は、座面にカバンや荷物が置かれていないか確認しましょう。それ以外で点滅する場合はセンサーや警告灯の不具合の可能性があるため、点検や修理に出すことをおすすめします。 ガソリン残量警告灯 ガソリン残量警告灯は、ガソリン残量が基準値を下回ると黄色に点灯します。ガソリン残量警告灯が点灯する基準値は車種によって異なるため、取扱説明書で確認しましょう。 対処法 ガソリン残量警告灯が点灯したら早めに給油しましょう。 ABS警告灯・ブレーキアシスト警告灯 ABS警告灯・ブレーキアシスト警告灯はABSやブレーキアシストが作動中、もしくは不具合が発生したときに点滅・点灯します。 対処法 ABS警告灯・ブレーキアシスト警告灯の点灯が続く場合は、何らかの故障の可能性が考えられます。走行中に点灯した場合は軽くブレーキを踏んで異常がなければしばらくは走行可能です。ただし、重大な故障や事故に発展する可能性もあるため、可能な限り早めに点検や修理に出しましょう。 エアバッグ警告灯・シートベルトプリテンショナー警告灯 エアバッグ警告灯・シートベルトプリテンショナー警告灯はエアバッグやシートベルトプリテンショナーが作動中、もしくは不具合が発生したときに点滅・点灯します。 対処法 エアバッグやシートベルトプリテンショナー機能は、衝突時に作動しないと人命を脅かす重大な事故に発展する可能性があります。可能な限り早めに点検や修理に出しましょう。 エンジン警告灯 エンジン警告灯は、エンジンに異常が発生した場合に点灯します。吸気系や排気系も含めて多くの場所にセンサーがあるため、素人目では不具合箇所の特定はできません。 対処法 エンジン警告灯が点灯した場合は、ただちにディーラーや修理工場に点検や修理を依頼しましょう。また、走行中に点灯した場合はすぐに安全な場所で停車してエンジンを切り、取扱説明書に記載された指示通りに対応することをおすすめします。 ブレーキ警告灯 ブレーキ警告灯は、ブレーキに異常があった場合に点滅や点灯します。すぐに走行不能に陥る状況ではないとはいえ、放置すると重大な故障や事故に発展する可能性がある危険な状態です。 対処法 可能な限り早めにディーラーや修理業者に点検を依頼しましょう。 油圧警告灯(エンジンオイルランプ) 油圧警告灯(エンジンオイルランプ)は、エンジンオイルの油圧が下がると赤く点滅や点灯します。そのまま走行するとエンジンが焼付いて重大な事故や廃車となる可能性もあるため迅速な対処が必要です。 対処法 油圧警告灯(エンジンオイルランプ)が赤く点滅や点灯した場合は、すぐに安全な場所に停車してエンジンを切り、ロードサービスなどを呼びましょう。 ハイブリッドシステム異常警告灯 ハイブリッドシステム異常警告灯は、ハイブリッドカーのみに装備されています。モーター駆動用のバッテリー異常時に点灯し、ハイブリッドシステム全般での不具合に反応します。 対処法 ハイブリッドシステムは異常箇所の特定が難しいため、すぐにディーラーなど専門業者に点検や修理を依頼しましょう。 充電警告灯 充電警告灯は、バッテリーや充電装置の異常時に点灯します。最悪の場合は走行中に電気が供給されずに車が停止する可能性があるため危険です。 対処法 充電警告灯が点灯したらすぐにディーラーや修理業者に点検や修理を依頼しましょう。バッテリーの不具合であればカー用品店などでも対処が可能です。しかし、充電装置の異常となると専門業者でなければ特定は難しいため、バッテリーを交換しても再び異常が出る可能性があります。 水温警告灯 水温警告灯は、エンジンの冷却水の異常を知らせます。エンジン始動直後の低温の場合は青く点灯し、アイドリングや走行で解消されるため問題はありません。しかし、赤色に点灯した場合はオーバーヒートの可能性があります。 対処法 水温警告灯が赤く点灯した場合は、すぐに安全な場所に停車してエンジンを止めロードサービスを呼ぶことをおすすめします。日常点検で冷却水量の確認をリザーバータンクの目盛で行っていたにも関わらず、急激な減少が起こった場合は冷却水漏れなどの可能性もあるためプロに点検してもらいましょう。 AT警告灯 AT警告灯は、ATやCVTの異常が原因です。黄色に点灯した場合は走行に注意が必要、赤色に点灯した場合は走行不能となる可能性があります。 対処法 AT警告灯が黄色に点灯した場合は可能な限り早く修理や点検に出しましょう。赤色に点灯した場合は重大な故障の可能性があるため、すぐに安全な場所に停車してエンジンを切り、ロードサービスを呼ぶことをおすすめします。 マスターウォーニング マスターウォーニングが点滅や点灯した場合は、特定箇所の不具合ではなく各システムに異常が発生した可能性があり緊急性の高い状況といえるでしょう。 対処法 マスターウォーニングが点滅や点灯した場合は、すぐに安全な場所に停車してエンジンを切り、ロードサービスを呼びましょう。 電動パワーステアリング(EPS)警告灯 電動パワーステアリング(EPS)警告灯は、電動パワーステアリングに異常が発生した場合に点滅や点灯します。電動パワーステアリングの異常はハンドル操作が非常に困難となり、大きな事故に発展する可能性があるため早急な対応が必要です。 対処法 電動パワーステアリング(EPS)警告灯が点滅や点灯した場合は、走行に支障をきたす可能性があるためすぐに安全な場所に停車してエンジンを切り、ロードサービスを呼びましょう。 スリップ表示灯 スリップ表示灯は、タイヤがスリップした場合に点灯します。TRCやVSC、ABSなどの機能が作動している場合に点灯するため、一時的に点灯した場合は問題ありません。 対処法 スリップ表示灯が常時点灯する場合は、何らかの不具合が発生している可能性があります。可能な限り早くディーラーなどの専門業者に点検や修理を依頼しましょう。 ランプが表示されたときの対処法 車のランプが黄色に点灯した場合はドライバーに注意を促しているため、速やかに停車させて車の状態を確認する必要があります。自分で点検してもランプが消えない場合はディーラーや修理業者に点検を依頼しましょう。 赤色のランプは危険な状態であることを警告しているため、すぐに安全な場所に停車してエンジンを止めましょう。シートベルトや半ドアなど、自分で点検して解消される場合の対処は簡単です。 しかし、それ以外の警告灯の点滅や点灯については、修理や点検をディーラーなどに依頼することをおすすめします。また、エンジンを再始動させてランプが点灯しない場合でもメーターパネルが故障している可能性があるため、安心せずに早めに点検に出しましょう。

ロードスター(NA系)の維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説
旧車の再生と維持 2023.04.24

ロードスター(NA系)の維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説

ロードスター(NA系)といえば、世界一売れた2人乗り小型オープンカーとしてギネスに認定されたマツダを代表する名車です。1989年のデビューから30年以上経った今でも人気は衰えることを知りません。しかし、欲しいと思っても旧車は維持費が心配になりますよね。この記事ではロードスター(NA系)にかかる維持費について解説いたします。 ロードスター(NA系)の特徴 ロードスター(NA系)は1989年9月から1997年12月まで生産されたライトウェイトオープンスポーツカーです。最高出力は120〜130psで決して力のあるエンジンではないものの、車重は一部グレードを除いて1,000kg未満と軽量のため、意のままにクルマを操作する楽しさがありました。また、FRレイアウトのためドリフト車のベースとしても人気があります。中古市場では新車販売価格を超えるものも多く存在します。 ロードスター(NA系)維持費の内訳 ロードスター(NA系)の維持費について、5項目に分けて解説します。ここでは排気量1,800ccのエンジンを搭載したモデルでみていきましょう。 燃料代 ロードスター(NA系)の燃費は10.15モードのカタログ数値で10.2~12.0km/リットル、実燃費は10.0km/リットルほどといわれています。 旧車のスポーツカーとしては意外な好成績ですね。スポーツカーですが、レギュラーガソリンに対応している点も評価ポイントです。 ここからは金額をシミュレーションします。 仮に通勤で使用し月間1,000km走行した場合、ガソリンは約100リットル使用(*1) し、燃料代は16,420円(*2) です。この条件で1年間走行した場合は、197,040円(*2) かかります。*1 燃費は10.0km/リットルで算出*2 2023年4月20日のレギュラーガソリン1リットル当たりの平均価格164.2円で算出 自動車税 2023年4月現在、新車登録が2019年10月1日以降の1.5リットル超~2.0リットル以下(自家用)の自動車税は36,000円/年です。ロードスター(NA系)の場合はどうでしょうか。ロードスター(NA系)は車齢13年を超えるため、自動車税は重課税され41,400円かかります。 任意保険 ロードスター(NA系)の任意保険について大手のネット型保険で見積もりをしました。 <条件>年齢:30歳等級:6E使用目的:通勤・通学運転者:本人限定 <補償内容>対人賠償(1名につき):無制限対物賠償(1事故につき):無制限対物超過特約(相手自動車1台につき50万円まで):なし人身傷害:あり(車内のみ補償)人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円入院諸費用特約:なし車両保険:なし 上記内容でシミュレーションしたところ、総額が約49,000円/年でした。意外な安さに驚きましたが、車両保険が付帯できない点には要注意です。中古車市場ではプレミア価格で取引されていますが、一般的な保険会社では旧車のプレミア価格が考慮されないため車両価格が0円と算出されます。そのため、車両保険に加入できません。 車検 自家用登録したロードスター(NA系)の車検代について見ていきましょう。 <ディーラー車検の場合>自賠責保険:17,650円(24ヶ月)自動車重量税:25,200円(24ヶ月)※初年度登録から18年以上経過で算出印紙代:2,300円車検料:50,000円合計:95,150円※車検料は内容、整備工場などにより費用は増減します 注目すべきポイントは自動車税の重課税です。1トン以下の重量税は16,400円ですが、初年度登録から18年以上経過した車両は25,200円かかります。 メンテナンス費用 最後にメンテナンス費用を見ていきましょう。ロードスター(NA系)のメンテナンスについては下記の費用がかかります。 ・洗車代・ワイパーゴム交換代・ウォッシャー液交換代・冷却水補充代・エアコンフィルター交換代・ヘッドライト交換代・エンジンオイル交換代・オイルフィルター交換代・ブレーキオイル交換代・エアクリーナー交換代 1年間でこれらの費用が発生します。高く見積もって5万円ほどを見込んでおけば良いでしょう。ロードスター(NA系)のタイヤ交換が発生する場合は数万円~10万以上追加でかかるケースもあります。 ロードスター(NA系)年間維持費はいくら? 維持費の内訳を見てきましたが、ロードスター(NA系)の場合、合計でいくらぐらいになるのでしょうか。合計額を見ていきましょう。 <自家用車登録のロードスター(NA系)年間維持費>ガソリン代:197,040円自動車税:41,400円任意保険:49,000円車検:47,575円(2年ごとにかかる費用の半額分)メンテナンス費:50,000円合計:385,015円 月額では32,000円ほどかかる計算です。通勤で使用しない場合はガソリン代と任意保険料の金額を下げられます。 また、ローンで購入した場合はさらに月々の返済が発生するので注意しましょう。月極駐車場を契約する場合は、別途駐車場代が毎月かかります。 ロードスター(NA系)の維持費が高いと思った時の対処法 車両重量が軽く排気量もそれほど大きくないため、ロードスター(NA系)の維持費は驚くほど高くはないことがわかりました。しかし、同クラスのエコカーであれば燃料代や優遇税制を受けられるため、維持費を半分程度に減らせるかもしれません。また、発売から40年近く経過するクルマであることから、こまめにメンテナンスする必要がありお金がかかります。ロードスター(NA系)の維持費が高いと思ったら、手放すことを検討してみてはいかがでしょうか。一昔前は10年落ち10万km以上走行したクルマは価値がないと言われていました。しかし、近年空前の旧車ブームが起こっているため、過走行かつ古いクルマでも高く売却できる可能性があります。 ※2023年4月20日時点の情報です

ベテラン旧車オーナーがひそかに心がける、愛車維持の秘訣とは?
旧車の再生と維持 2023.04.17

ベテラン旧車オーナーがひそかに心がける、愛車維持の秘訣とは?

昨今の旧車ブームによって、旧いクルマに対してにわかに興味を持たれた方は多いことだろう。 これまでもお伝えしてきた通り、旧車には現代のクルマにはない魅力があるのは紛れもない事実である。 しかし、相手は最低でも20~30年落ちのクルマだ。 快適装備をこれでもか!と装備した現代のクルマと同じように扱えるとは到底思えない。 同じように感じる方は少なくないだろう。 旧車に憧れはあっても、実際に手に入れようとすると、どうしても購入をためらってしまうことは決して不思議なことではない。 クルマは自身の生活の一部分になるものだ。 初めて旧車を購入しようとする方にとって、旧いクルマを一筋縄に扱えるか、不安なことこの上ないものだろう。 筆者自身、プロ・アマチュアにかかわらず、数多くの旧車愛好家とお付き合いをさせていただいている。 これらの観点および自身の経験も含め、これから旧車を購入予定の方に少しでも参考になるように、愛車を末永く維持して旧車ライフを満喫できるヒケツを紹介したい。 ■旧車の不便な部分とは? ▲エアコンが備わる前の旧いクルマ独特の装備、三角窓 この記事をご覧のあなたは旧車、すなわち旧いクルマは現代のクルマに比べて、何かと不便な部分が多いイメージをお持ちではないだろうか?  当時を知る由もない、とくに20代の若いオーナーにとっては、憧れの旧車とはいえ、自身が生まれる前のクルマの購入を考えたときに悩みがちな部分であろう。 ある程度、歳を重ねたベテランオーナーには当たり前のことかもしれないが、ここで具体的にどのような部分が不便なのか、ここで一例を挙げてみよう。  ●「エアコン・パワステ・パワーウィンドウ」が装備されていない 昭和や平成初期の中古車には、「フル装備」と表示がされていたが、これは「エアコン・パワステ・パワーウィンドウ」の3点を指す。  ある一定の年代より旧いクルマは、これらが備わらない車種が多いため、快適性能からして劣るイメージを持たれる方が多いよう感じるが、まずこの部分から考えてみよう。  なお、エアコンについては後述する。  パワステ(パワーステアリング)については備わらなくとも、カスタムなどで極端に太いタイヤを履かせていたり、小径ステアリングを装着していない限りは、それほど困ることはないだろう。  ステアリング操作の軽い現代車に慣れてしまっていると、やや旧車への抵抗感を感じるかもしれない。 しかし、クルマが停車した状態で無理に据え切りをせずに、少しでもクルマが動いている状態でステアリングを切るなど、当時、誰もが行っていた運転方法に慣れれば、それほど苦にならないはずだ。  思えば、筆者の母も当時細い腕で、ノンパワステのVWゴルフを転がしていたものだ。 次に、パワーウィンドウが備わらないクルマについて述べよう。  よく、パワー(いるんです)ウィンドウなどと揶揄されるが、そんなことはない。 レギュレーター周りのメンテナンスがしっかり行き届いていれば、窓の開閉が重いということはまずないはずだ。  むしろ筆者はクルマを修理する観点から、旧車にパワーウィンドウが装備されていると、逆に身構えてしまう。 まずパワーウィンドウの開閉スイッチは、そもそも旧車でなくとも壊れる可能性が高い部品であるし、経年劣化によりモーターやレギュレーターが傷んでいるクルマが多い割には、部品の供給を心配しないといけない部分でもある。 偏った考えではあるが、パワーウィンドウが備わらないことで、イグニッションスイッチがオフの状態、さらにバッテリーが上がっている状態でも窓の開閉ができるといえば、これは意味メリットではなかろうか?  パワステにしても、パワーウィンドウにしても、無くてもなんとかなるものではないだろうか?  最後にエアコンについて述べる。  エアコン(エアーコンディショナー)とは、その名の通り、空気を調整する機能だ。  クーラーとヒーター両方の風を混合(ミックス)し、室内空間をドライバーにとって快適な温度と湿度に調整する機能がエアコンである。 少なくとも70年代前半までのクルマには、エアコンという概念がないクルマが数多く存在する。 ヒーターと三角窓(画像参照)のみ備わるのだ。 旧車であれば、現代のクルマには絶対にない三角窓やクロッチクーラー(外気取り入れ口)といった装備がある。 これらはドライバーの体感温度をそれなりに下げてくれるが、気温40℃を超えることもある昨今の猛暑では完全に役不足だ。  旧車にはクーラーのみ後付けできることが多い。 これは当時からの贅沢な手段ともいえる。  旧車にクーラー装着はエンジンに悪影響があり、NGという意見もあることは確かだ。 しかし、昨今のクーラーキットは旧来のものに比べ、コンパクトかつ性能が良く、とても冷えるものが多い。 高額な装備ではあるが、検討してみても良いと思う。 ●現代のクルマでは当たり前のものが装備されていない その他、旧車にはナビやドライブレコーダーはおろか、ETCも後付けが当たり前、ドリンクホルダーなども当然のごとく備わらない。 リモコンドアロックなど、もっての外だ。 シートについてもフルフラットはおろか、ある年代より旧くなるとリクライニングすらできない車種もある。 ビジュアル面からのイメージが先行して、こういった部分を知らずに旧車を購入してしまい後悔したという話もないわけではない。 ■多少不便な部分があっても、まずは自分をクルマに合わせる ▲エアコンが備わらないクルマの、後付けクーラーの一例 ここまで、ほんの一部分ではあるが、旧車の不便な点を解説した。 今日は空前の旧車ブーム真っただなかであり、業界はとても賑やかだ。 旧車であっても、自分好みのカスタムを楽しんでいるオーナーは多く存在する。 なかには旧車カスタムの域を超え、旧車の不便な部分をフォローすべく、現代の最新デバイスを装着する例も決して珍しくはない。 極めればそれをレストカスタムとも、魔改造とも呼ぶ。 いかんせん旧車の構造は現代車に比べれば、とてもシンプルである。 例えば、クラシックな鉄板製のダッシュボードを切削加工して、最新の2DINナビを装着することも可能であろう。 リクライニングができないシートの代わりに、現代車のパワーシートをシートレールごと溶接して装着する方法だってある。  筆者も20代の頃は個人的に、このようなカスタムが好みであったが、皆さまはいかがお考えだろうか?  不便だからといってあまり深く考えず、これ見よがしに最新装備を旧車に移植するようでは、何のために旧車に乗っているのか分からない。  一度加工したものを元に戻すことはとても面倒である。 そもそも絶版となった部品はハード・トゥ・ファインドである場合が多く、失ったら最後、2度と手に入らないモノも多い。  決して、現代の装備を旧車に装着することを否定するわけではないが、その最新のデバイスが自身にとって本当に必要なものかを考えることも重要である。 多少不便な部分があっても、その当時の時代背景を考えることも、旧車趣味のひとつではなかろうか? 旧車に乗れば、現代車への進化の過程を身をもって体感できる。 なぜ、現代においてマニアがビートルズを真空管アンプとLPで聴く趣味があるのかを、よく考えてみたい。  旧車趣味も同じベクトルであるのは間違いないのだ。  なお、ベテランかつ通なオーナーは、あたかもそのクルマが新車のころのオプションを装着したかのように巧みにカスタマイズする。 筆者はこういった先輩オーナーの隠れたこだわりをみて、自分もまだまだであると感じるものである。  当時モノのモモやナルディーのステアリング、レカロシートなどが高額で売買される理由はここにある。 旧車と長く付き合いたいのであれば、自身にとって本当に足らないと感じたモノを後付けすれば良いのではなかろうか。 機能がなくなることで、その大切さやありがたみが分かってからでも決して遅くはないはずだ。 クルマを自分に合わせるのではなく、まず自分をクルマに合わせることが、ベテラン旧車オーナーへの道ではなかろうか。  ■洗車をしたら、車庫にしまわずにドライブへ  旧車は磨きがいのあるクルマが多い。  旧いクルマはその佇まいこそが特別なものであり、一切カスタムせずとも存在感のあるクルマが多いものだ。 ボディーにしっかりワックスが乗りかかり、モールに磨きがかかっていれば、多少のキズヘコミがあろうとも、凛として見えるモノだ。  旧車を手に入れれば、クルマを磨くことも趣味の一つになることであろう。  ただ、一つここで注意を促したい。 雨を浴びたり、洗車後のクルマは、ボディ内側の至る部分に水分が溜まっている。 フェンダーやトランクの裏側、足回り、そしてフロアやドアの内側などだ。当然この部分は、手の届かない部分である。 タオルで水分を拭き上げることはまず不可能だ。 では、いったいどうすれば良いのか? それは、クルマが水を浴びたらまずは走行してほしい。  クルマの内部は走行することで、至る部分で負圧が生まれる。 この負圧が、クルマに溜まった水分を吸い上げてくれるのだ。 旧いクルマは錆びるからといって、バケツに水を汲み、軽く絞ったタオルで吹き上げる。 いわゆるバケツ洗車を行うと、塗装に傷が入りやすい。 しっかりと水を使ってホコリを流したうえで、シャンプーで汚れを浮かし、入念に泡を流し、これを吹き上げる。 これこそ洗車の基本だ。  そのうえで、先述の通り、クルマを走らせることでしっかりと水を切りたい。 洗車後のドライブも、洗車の一工程といえるのだ。  ドライブから帰ってきたら、各部をグリスアップすれば完璧だ。 これも旧車維持のための必須事項だ(旧車のグリスアップについては以前の記事をぜひお目通しいただきたい)。 ■目先のカスタムよりも、メカにお金をかける ▲旧車は一筋縄とはいえない。常にメンテナンスは念頭に入れておくべきだ 憧れのクルマを購入した次には、自分好みにカスタムをしたくなったり、アクセサリーを購入したくなる。 これは至極当然のことだ。  ただ少し待ってほしい。  購入したクルマのコンディションはいかがだろうか? 購入したクルマの見た目はキレイであっても、クルマの下回り、すなわちメカの状態が悪かったということは決して珍しい話ではない。 クルマを購入するときに、下回りを見て購入することはほとんどないことであろう。 また旧車の場合、車検切れなどで、試乗をせずに購入することも多いことだろう。  購入元がメンテナンスや修理に力を入れているショップであれば心配はないであろう。 しかし、これが販売専門のショップであったり、個人売買などでクルマを手に入れた場合、まずメンテナンスを引き受けてくれる工場を探すべきである。  購入したばかりの愛車が、次回の車検に問題なく合格できるとは限らない。  大きな費用がかかる場合もあれば、入手困難な部品が必要になる場合もある。  旧車は一筋縄では行かないとよくいわれるが、こういった場合に痛感することが多い。 カスタムは、購入したクルマが本当の意味で絶好調になってからでも遅くはない。 クルマを購入してから、少なくとも最初の車検を通すまでは、しっかりメンテナンスの予算を用意しておくべきだ。 ■とにかくクルマに乗ろう!使用による傷はなんのその ▲さほど使用せずとも、家庭用充電器では完全放電したバッテリーの充電は難しい どうしても愛車を大切にしている気持ちから、なかにはセカンドカーを購入し、クルマをガレージにしまいがちになるオーナーもいることだろう。 そして、それは筆者も同様だ。 色々な要因があると思う。  雨風に愛車をさらしたくないといった、至極単純なことから、燃料の高騰が叫ばれるなか、燃費が悪いため、ガソリン代がかさんだり、絶版部品が多く、できる限り事故に遭いたくなかったり・・・。  しかし、旧車を放置するとロクなことがない。  まず、キャブレター内のガソリンが劣化しエンジンが掛かりづらくなる。 さらに、ガソリンタンク内は結露が発生するため、ガソリンに水分が混じりやすい。 そしてこれがタンク内部の錆の原因となり、これが燃料ポンプの故障の原因ともなる。  タイヤは常に地面に接している部分に力がかかるので、丸いタイヤが四角く潰れる。 これがいわゆるフラットスポットだ。 このまま走ると、バタバタとした振動が不快なこと極まりない。 バッテリーも短命になる。 充電器を繋げれば良いと思われるかもしれないが、一般的な家庭用充電器は劣化して抵抗と化したバッテリーの過充電を避けるため、50%以上容量が消耗したと思われるバッテリーの充電を行わない。  バッテリーを交換するか、ブースターケーブルを繋げない限り、エンジンを始動できなくなってしまうのだ。 とにかく旧車は1週間に一度はエンジンに火を入れて、それなりの距離を走るべきだ。  旧車の日常使いはもったいないという意見を耳にするが、こればかりは肯定も否定もできない。 しかし、愛車のコンディションを隅から隅まで理解しているオーナーは、やはり日常使いをしている方が多い。 筆者もその傾向にあるのだが、どうしてもバッテリーを放電しがちなほどクルマに乗らないと、自身のクルマであっても、完調なのか不調なのか分かりづらくなってくる。 旧いクルマの扱いに長けたベテランの旧車オーナーは「やはりクルマは乗ってなんぼ」であることをよく理解している。 日常的に火が入るエンジンは、隅々までオイルが行き渡り、クランクの回りも軽くとても調子の良いものだ。 とにかく乗ることが、愛車の維持管理の近道であることは間違いない。 多少の傷など、何のその。 とにかくクルマは乗って楽しもうではないか! ※私クマダはYouTubeでポンコツ再生動画を公開しております。ぜひ動画もご覧になってください。チャンネル登録お待ちしております。 ●YouTube:BEARMAN’s チャンネル(ベアマンチャンネル)https://www.youtube.com/channel/UCTSqWZgEnLSfT8Lvl923p1g/ ●Twitter:https://twitter.com/BEARMANs_Ch [ライター・撮影/クマダトシロー]  

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