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旧車の魅力と知識

高齢者は免許を返納すべきなのか?免許返納のメリットとデメリットを解説
旧車の魅力と知識 2022.01.26

高齢者は免許を返納すべきなのか?免許返納のメリットとデメリットを解説

警察庁によると、65歳の高齢者が第一当事者の交通事故は、2020年中に4,246件でした。交通事故発生件数は25,642件であることから、16.6%が高齢者が起こした事故ということです※。高齢者は、身体機能の低下により運転操作のミスをしやすくなり、事故を起こしやすくなります。そのため、事故を起こす前に免許の返納を考えるケースも多いのではないでしょうか。そこで、この記事では高齢者の免許返納の状況、免許を返納するメリットやデメリットなどを解説します。 ※出典元:警察庁『防ごう!高齢者の交通事故!』 免許返納制度とは 運転免許返納制度とは、有効期限が残っている運転免許を本人の意思で返納できる制度です。免許返納に年齢の制限はなく、運転免許証の必要がなくなったという理由で、早期に自主的に免許を返納する場合もあります。ただし、運転免許の停止や取消し処分中の方、停止・取消処分の基準に該当する場合は、自主返納することができません。 高齢者の免許返納の状況 警察庁「運転免許統計 令和2年版」によると、令和2年の高齢者(65歳以上)の免許返納件数は55万2,381件でした。免許返納の件数は、年々増え続け、直近3年以内(平成30年~令和2年)では、年間40万件以上の免許が返納されています。 免許返納の件数は、平成24年に増加し、令和元年にも増えました。平成24年には、運転経歴証明書が本人確認書類として使用できるようになったことが、免許返納件数増加の理由と言えます。また、令和元年には、免許失効者に対しても運転経歴証明書の発行が可能になったことから、免許返納数が増えたと言えるでしょう。 出典元:警察庁『運転免許統計 令和2年版』 高齢者が免許返納しない理由 高齢者の免許返納件数は年々増えているものの、免許を返納しない方がいるのも事実です。免許を返納しない、または、返納できない主な理由は、車が不可欠だということが挙げられます。ここからは、免許を返納しない理由を詳しく解説します。 交通の便が悪い 平成27年警察庁委託事業の報告書によると、免許の自主返納をしない理由の第1位が「車がないと生活が不便なこと」となっています。車がないと買い物や通勤などの日常生活が不便になることから、免許の自主返納をしない高齢者がいると言えるでしょう。 車に乗ることを趣味にしている 高齢者が免許を返納しない理由に「車を運転する楽しみが失われること」と回答した方もいます。ドライブや車で出かけることが趣味の場合、免許は必要不可欠な資格となります。免許返納をすると趣味がなくなってしまうことから、免許の返納をしないという選択をする方がいるようです。 高齢者が免許返納するメリット 高齢者が免許を返納することにメリットはあるのでしょうか。ここからは、高齢者が免許の自主返納したときのメリットについて詳しく解説します。 車の事故のリスクがなくなる 高齢者が免許を自主返納すると、事故を起こすリスクを減らすことができます。交通事故の場合、第一当事者になると車の修理代や損害賠償といった金銭的な出費を強いられることがほとんどです。また、事故によっては、罪に問われる可能性もあります。余生を楽しむためにも免許の返納をして、事故のリスクを減らすことを検討しましょう。 特典を受けられる 65歳以上の高齢ドライバーが運転免許を自主返納すると、各自治体からサポートを受けられるケースがほとんどです。ただし、特典を受けるためには、運転経歴証明書の提示が必要な場合が多いため、免許返納と同時に運転経歴証明書の交付を受けておくことをおすすめします。 運動習慣がつく可能性がある 運転免許を返納すると運動習慣がつきやすくなります。家からバス停まで歩いたり、最寄り駅まで自転車で移動したりすると、適度な運動をすることになります。免許を返納することで、生活に運動が取り入れられるため、体力の低下を遅らせられる可能性があります。 高齢者が免許返納するデメリット 高齢者が免許を自主返納するデメリットは、移動が不便になることです。また、運転する楽しみが失われるのもデメリットと言えるでしょう。ここからは、高齢者が免許返納するデメリットについて解説します。 移動に家族の手を借りることになる可能性がある 免許を返納してしまうと、自分で運転ができなくなるため、家族の手を借りたり、公共交通機関に頼ったりしなければなりません。家族と同居または近所に住んでいれば車を出してもらうことができますが、遠方に住んでいる場合は家族の手を借りることが難しいでしょう。 楽しみが失われる場合がある 運転が趣味の場合、免許を返納すると楽しみが失われてしまうことになります。また運転は、認知・判断・操作の繰り返しであり、頭脳と身体を使う行為です。免許を返納して運転をしなくなると、楽しみがなくなってしまうだけでなく、認知や判断をする機会が減り、認知機能の低下が進み、認知症になる可能性もあると言えるでしょう。 免許返納をして所定の手続きをすると運転経歴証明書を受け取れる 免許返納後、必要書類や手数料などを用意して、免許センターまたは警察署で申請すると、運転経歴証明書の交付を受けられます。運転経歴証明書は、身分証明書として利用できるほか、各自治体の特典を受けることもできます。免許の返納をするときは、運転経歴証明書の交付を受けておくことをおすすめします。

熟成に熟成を重ねた第三世代!ランサーエボリューションⅦ~Ⅸの魅力と故障しやすい箇所を解説
旧車の魅力と知識 2022.01.26

熟成に熟成を重ねた第三世代!ランサーエボリューションⅦ~Ⅸの魅力と故障しやすい箇所を解説

ハイパワーエンジンと卓越した4WD性能を有し、伝説的存在となっている三菱のスポーツセダン、ランサーエボリューション。WRCや多くのモータースポーツで好成績を残したこともあり、今でもその熱は冷めやらず、多くのユーザーに愛され続けています。 今回はそんなランサーエボリューション「VII」から「IX」の第3世代を、よくある故障個所なども含めて解説していきましょう。 第3世代ランサーエボリューションとは? ランサーエボリューションは大きく4つの世代に分けられ「Ⅰ」から「III」が第1世代。「IV」から「VI」が第2世代で「VII」から「IX」が第3世代です。 そして最後の第4世代が「X」となっていますが、今回はシリーズ中でも性能が煮詰められた第3世代「CT9A」型について解説します。 新たなプラットフォームと新開発のACDを備えたランエボVII  2000年5月に登場したランサーエボリューションVIIは、ベース車をそれまでの「ランサー」から「ランサーセディア」に変更したことによりボディサイズが拡大しました。 エンジンは、初代から続く2リッター直列4気筒ターボの4G63型を搭載。大型インタークーラーの採用やターボの改良などを行い、最大トルクは39.0kg.mまでアップしています。 そしてVIIの目玉ともいえる、電子制御可変多板クラッチ機構「ACD」は、電子制御によって前後タイヤのトルク配分を行い、ハンドリング、トラクションともに大きく向上しました。 スーパーAYCでコーナリング性を高めたランエボVIII ランサーエボリューションVIIIは2003年1月に登場し、シリーズ初の6速MTを採用しています。 ターボはさらなる調整を施し、最大トルクは40.0kg.mに増加。さらにIVから採用のヨー・コントロールシステム「AYC」を発展させた「スーパーAYC」の搭載し、タイヤ左右間の限界駆動力を倍増させ旋回能力を向上させています。 MIVECでさらに加速が強化されたランエボIX 2005年3月に登場し、第3世代の集大成となるランサーエボリューションIX。フロントバンパーにダクトを新設したことで見た目はよりスポーティーになり、冷却効率も向上しました。 そして、エンジンに可変バルブタイミング機構「MIVEC」の採用。中低速のパワーを無駄なく使えるようになり、最大トルクも41.5kgmまで上がっています。 第3世代ランエボに乗るうえで知っておきたい故障個所 ランサーエボリューションはそのレーシーなキャラクターゆえ、サーキットの高負荷走行が多く、そのぶん故障の事例も多く出ています。 ここでは、第3世代通して故障しやすい箇所についてご紹介しましょう。 ACDポンプ VIIから採用されたACDを制御する「ACDポンプ」はスポーツ走行の繰り返しで故障するケースが多く、異常時は走行こそできますが、油圧による駆動制御が効かなくなってしまいます。 ACDポンプは部品代と交換工賃を合わせると20万円ほどの費用にもなるので、サーキットを走行する機会がある方は、故障に注意する必要があるでしょう。 O2センサー エンジンの吸入空気濃度を検知するO2センサーは、タービンのアウトレット部に設置されており、その熱やススが原因で故障することが多く見られます。 故障した場合は最適な燃料噴射量が狂い、加速不良やアイドリングの不調を起こします。センサー本体は純正だと3万円ほどですが、費用を抑えたい場合は約7000円前後で販売されているOEM品を使用するのがおすすめです。 カム角センサー カムシャフトの動きを検知するカム角センサーは、エキゾーストマニホールド付近に設置されているため、O2センサーのように熱にやられてしまうことが多くあります。 部品代は5000円ほどと比較的安価ですが、故障の際はエンジンが始動しなくなる恐れがあるので早急な修理が必要です。 車体のサビ 雪道を走行する場合はサビにも気を付けなければなりません。雪道に散布される融雪剤には「塩化カルシウム」が含まれており、車体のフレームやマフラーを腐食させる恐れがあります。 フルタイム4WDのランサーエボリューションは降雪地帯で使われることも多く、サビの被害も多数出ているので、下回りをこまめに洗い付着した融雪剤をできる限り落とすようにしましょう。 第3世代ランサーエボリューションの中古車市場 ランサーエボリューションのなかでも第3世代は特に人気が高く、中古車価格の高騰が続いています。 記事執筆時の2021年12月時点で、大手中古車サイトに掲載されている第3世代の中でも、いちばん高額だったのが平成18年式1.8万km走行のGSR IX MRで、車体価格は800万円。走行距離が少ないとは言え、15年以上前の中古車と考えれば、どれだけ高額で取引されているのかがお分かりいただけるのではないでしょうか。 一方、旧車王での買取価格はVIIが~250万円、VIIIが~300万円、IXが~350万円と高額。さらに、走行性能を高めたモデルのVIII MRは~380万円、IX MRは~500万円となっており、世界中で人気の高いランサーエボリューションならではのプライスといえるでしょう。 まとめ VIIからIXまでの第3世代ランサーエボリューションは、すでに頭打ちと思われていた第2世代からさらに進化を遂げ、多くのファンと業界関係者を驚かせました。 ユーザーによっては、その後に登場した第4世代のXよりも、車重の軽い第3世代を高く評価する場合もあり、根強い人気を保ち続けています。 しかし、その高い走行性能とは裏腹に、経年劣化による故障も決して珍しくないため、購入の際は、それまでどのように使われてきた、きちんとメンテナンスされてきたかなども確認するようにしましょう。 [ライター/増田真吾]

免許返納はした方が良いのか?免許を返納することのメリットとデメリットを解説
旧車の魅力と知識 2022.01.21

免許返納はした方が良いのか?免許を返納することのメリットとデメリットを解説

免許の自主返納とは、運転免許が不要になった方、身体機能の低下や運転に不安を感じるようになった高齢のドライバーが、自主的に運転免許証を返納する制度です。免許の自主返納と聞くと、全ての免許を返納したり、身分証明書がなくなったりしてしまうと心配する方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、免許返納制度の詳細、手続きの方法、身分証明書となる運転経歴証明書などについて解説します。 自主返納制度とは 免許の自主返納制度とは、全ての免許または一部を取消しできる制度のことです。 運転免許が不要になった場合や加齢に伴う身体機能の低下などにより、運転に不安を感じるようになったドライバーは、自主的に運転免許証を返納することができます。 免許返納の年齢には制限がなく、何歳でも返納することが可能です。ただし、免許の自主返納をして運転経歴証明書を交付したことによる特典を受けられるのは、65歳以上からとなります。 また、「普通自動車の運転は卒業して、原動機付自転車を運転したい」「普通自動二輪免許を持っているものの、原動機付自転車しか運転しない」などの場合は、運転免許の一部取り消し申請することができます。運転免許の一部取り消しにより、必要な種類の免許のみを保有(取得申請)することが可能です。 ただし、運転免許の停止や取消しなど行政処分中の方、免許停止または免許取消処分の基準に該当する方は、自主返納することができません。 自主返納件数 運転免許証の自主返納の件数は、年々増加傾向にあります。令和2年の統計によると、東京都の1年間の運転免許自主返納数は62,626件です。東京都で運転免許証の自主返納をした65歳以上は58,845件、75歳以上は22,392件、80歳以上は11,646件となっています。 免許返納の件数が増加している傾向の背景には、高齢(65歳以上)ドライバーが第一当事者となる事故が増加傾向にあることが挙げられます。 出典元:警察庁「自主返納件数の都道府県別・月別の推移(令和2年)」 運転免許証の自主返納制度は、運転に不安がある方や視力、体力、記憶力、判断力など身体能力が低下した方による事故を減らす目的で平成10年に導入されました。制度導入当初は自主返納をする件数が少なかったものの、運転経歴証明書の導入や65歳以上の高齢者ドライバーの運転免許証自主返納後の支援が充実したことで、自主返納件数は増加しました。直近4年間(平成29年~令和2年)では、年間40万人以上の高齢者が運転免許証の自主返納をしています。 免許返納のよくある理由 運転免許証の自主返納をする主な理由は、運転に自信がなくなった、家族などに返納を勧められた、運転する必要がなくなったなどです。しかし、車がない生活が不便だと感じている方も多く、自主返納をためらうケースもあるようです。 高齢者(65歳以上)の場合は、運転免許証を自主返納し、運転経歴証明書の交付を受けると、公共交通機関(バス・タクシーなど)の割引を受けることができます。そのため、自治体や協賛企業のサポートを上手く利用すれば車がなくても不便ではないと言えるでしょう。ただし、運転経歴証明書の提示による公共交通機関の割引や支援などのサポート内容は各自治体により異なります。運転経歴証明書を提示することにより受けられる特典は、各都道府県のページでご確認ください。 免許返納の手続き場所 運転免許証自主返納の手続きは、運転免許センターまたは管轄の警察署で行います。免許の返納を考えているときは、運転免許センターや管轄の警察署に問い合わせて、手続き場所を確認してください。 一般的には、運転免許センターまたは管轄の警察署に運転免許証を持参して手続きします。運転免許証の返納だけであれば、免許証のみで手続きすることが可能です。ただし、免許返納と運転経歴証明書の発行を同時にする場合は、写真や手数料が必要となります。また、代理人が免許返納をする場合は、委任状や代理人の本人確認書類などが必要です。 免許返納に必要なもの 免許返納に必要なものは、運転経歴証明書の有無や代理人による申請など、返納の方法によって異なります。それぞれのケースに応じた免許返納に必要なものは次のとおりです。 【有効期限内の運転免許証を返納する場合】・運転免許証※代理人が申請する場合には次のものも必要・委任状・代理人の住所と氏名お生年月日が確認できるもの(運転免許証や住民票など) 【有効期限内の運転免許証の返納と運転経歴証明書の発行を同時に受ける場合】・運転免許証・申請用写真(1枚)・手数料(1,100円)※代理人が申請する場合には次のものも必要・委任状・代理人の住所と氏名お生年月日が確認できるもの(運転免許証や住民票など) 【5年以内に自主返納をしていて運転経歴証明書の発行を受ける場合】・申請者の住所と氏名と生年月日が確認できるもの(マイナンバーカードや住民票など)・申請用写真(1枚)・運転免許の取消通知書・手数料(1,100円)※代理人が申請する場合には次のものも必要・委任状・代理人の住所と氏名お生年月日が確認できるもの(運転免許証や住民票など) 【運転免許証を5年以内に失効していて運転経歴証明書の発行を受ける場合】・失効している運転免許証・申請者の住所と氏名と生年月日が確認できるもの(マイナンバーカードや住民票など)・申請用写真(1枚)・手数料(1,100円)※代理人が申請する場合には次のものも必要・委任状・代理人の住所と氏名お生年月日が確認できるもの(運転免許証や住民票など) ※ここで紹介した持参物は、いずれも警視庁が公表している内容です。免許返納に必要なものや手数料の詳細は、管轄の警察署や運転免許センターで確認してください。 自主返納後の支援 運転免許証の自主返納をした後は、身分証明書となる運転経歴証明書の交付や各自治体による支援などを受けることができます。ここからは、自主返納後に受けられる支援について紹介します。 運転経歴証明書の交付 運転免許証の自主返納をすると、運転経歴証明書の交付を受けられます。運転経歴証明書は、運転免許証に代わる公的な身分証明書として使用することが可能です。 ただし、運転経歴証明書は、自主返納後5年以内または失効後5年以内でなければ交付できません。また、免許取消になった場合は運転経歴証明書の交付を受けられません。 運転免許証の返納をしたときには、身分証明書として使用できる公的書類の運転経歴証明書の交付を受けておくとよいでしょう。 市町村による支援 運転免許証の自主返納をした高齢者は、公共交通機関(バス・タクシー)で運転経歴証明書を提示すると、運賃の割引を受けられることがあります。詳しくは、各自治体が公表している特典案内をご覧管さい。 協賛事業所による支援 運転免許証の自主返納をした高齢者を対象とした支援には、協賛企業によるものもあります。協賛企業の店舗などで運転経歴証明書を提示すると、料金の割引やサービスを受けられます。協賛企業の詳細については、特典案内をご覧ください。 よくある質問 運転免許証の自主返納について、よくある質問をまとめました。 Q.自主返納制度とは? 自主返納制度とは、運転免許証を自ら返納できる制度です。運転免許が必要ない方、運転に自信がなくなった方、身体機能の低下により運転に不安を感じるようになった方など、年齢問わず返納することができます。 65歳以上の高齢ドライバーは、運転免許証の自主返納をして、運転経歴証明書の交付を受けると公共交通機関の運賃割引や協賛企業でサービスを受けることができます。 Q.自主返納している人はどのぐらいいる? 運転免許証の自主返納をしている人は、1年間で40万人以上です。このうち、65歳以上の高齢者が大多数を占めています。 Q.免許返納に必要なものは? 運転免許証の自主返納に必要なものは運転免許証です。免許返納と同時に運転経歴証明書を交付を受ける場合には、申請用写真(1枚)や手数料が必要となります。また、本人が免許返納できない場合には、代理人に委任することも可能です。

自動車相続の廃車手続きの方法は?必要書類についても解説
旧車の魅力と知識 2022.01.21

自動車相続の廃車手続きの方法は?必要書類についても解説

クルマを所有している方が亡くなってしまった場合、一般的には相続でその車を受け継いで乗る方が多いと思います。しかし、そのまま乗り続ける以外にも廃車にするという方法もあります。そこで今回はクルマの相続において、廃車にする手続きと必要書類について解説します。 故人のクルマを廃車にする流れ 廃車の流れは、下記のとおりです。 1.クルマの所有者を確認する2.相続する人を決める3.名義変更する4.廃車手続きをする それぞれの内容を詳しく解説します。 1.クルマの所有者を確認する 相続手続きの開始前に、クルマの所有者特定が必要です。クルマの所有権が故人にない場合、相続手続きは不要な場合もあります。 ローンで購入したクルマの場合、クレジット会社やディーラーが車検証に所有者として記載されていることがあります。この場合は、ローン完済後に改めて相続人への名義変更手続きを進めます。 2.相続する人を決める 故人名義のクルマは、法定相続人全員の共有財産として扱われます。民法で定められた相続順位に従って権利が発生するためです。 第1順位は子・孫(直系卑属)、第2順位は父母・祖父母(直系尊属)、第3順位は兄弟姉妹で、配偶者は常に相続権を持ちます。将来的に廃車予定のクルマでも、まずは相続が必要です。 3.名義変更する 相続による名義変更(移転登録)は、15日以内の申請が法律で義務付けられています。放置すると、各種手続きの制限や事故時の保険適用に問題が生じる可能性があります。 必要書類は下記のとおりです。 ・自動車検査証・戸籍謄本・車庫証明書・印鑑証明書・法定代理人関連の書類(未成年者が相続人の場合)・遺産分割協議書(遺産分割で特定相続人に譲渡する場合) 4.廃車手続きをする 廃車手続きには、一時的な使用中止を意味する「一時抹消登録」と完全に廃車にする「永久抹消登録」があります。クルマの使用予定に応じて、手続きを選択します。 必要書類は、一時抹消が車検証・ナンバープレート・各種証明書で、永久抹消は解体証明も必要です。なお、車検残存期間が1ヶ月以上ある場合は、自動車重量税の還付を受けられます。 故人のクルマを廃車にする際の必要書類 ここからは、廃車で必要な書類を名義変更と廃車手続きに分けて解説します。 名義変更の必要書類 故人のクルマを廃車にする際の名義変更に必要な書類を、「相続人全員で手続きする場合」と「新所有者となる相続人が手続きする場合」に分けて表でまとめます。 【相続人全員で手続きする場合に必要な書類】 書類 備考 印鑑証明書 ・相続人全員分 ・発行後3ヶ月以内のもの 相続人全員の実印 本人が手続きに来られる場合 委任状 本人が手続きに来られない場合は、実印を押印したもの 譲渡証明書 ・相続人全員の実印を押印したもの ・国土交通省の自動車検査登録総合ポータルサイトで入手可能(こちら) 【新所有者となる相続人(代表相続人)が手続きする場合に必要な書類】 書類 備考 新所有者となる相続人の印鑑証明書 発行後3ヶ月以内のもの 遺産分割協議書 ・相続人全員が実印を押印したもの ・相続人の中に未成年者がいる場合は「特別代理人」が代わって押印 遺産分割協議成立申立書 ・クルマの価値が100万円以下の場合、遺産分割協議書に代わって使用する ・査定証の添付が必要 新所有者以外の相続人全員の譲渡証明書 実印を押印したもの 新所有者となる相続人の実印 本人が手続きに来られる場合 委任状 本人が手続きに来られない場合は、実印を押印したもの どちらの場合も共通で必要な書類は、下記より解説します。 自動車検査証(車検証) クルマの所有者を確認するために原本が必要です。ローンで購入し、所有者がクレジット会社やディーラーになっている場合は、ローンの完済と所有権の解除が必要です。 「戸籍謄本」または「戸籍の全部事項証明書」 所有者の死亡の事実と相続人全員を確認するために必要です。婚姻などで氏名等の変更があった場合は、事実確認できる婚姻届受理証明書も用意します。 「戸籍の全部事項証明書」は、戸籍をコンピュータ化した自治体が発行する証明書で、紙媒体の戸籍謄本と同じものです。 車庫証明書 クルマの保管場所を証明する書類として、概ね1ヶ月以内に発行した新所有者の車庫証明が必要です。被相続人と新所有者となる相続人が同居家族の場合は、不要の場合があります。なお、軽自動車の場合、車庫証明の代わりに保管場所届出書が必要です。 廃車手続きの必要書類 故人のクルマを廃車にする際の手続きで必要な書類について、表にまとめます。 書類 備考 自動車検査証(車検証) ・クルマの所有者を確認するために必要 ・原本が必要 ナンバープレート(前後2枚) クルマから取り外したものを業者から受け取る 「戸籍謄本」または「戸籍の全部事項証明書」 ・所有者の死亡の事実と相続人全員を確認するために必要 ・婚姻などで氏名等の変更があった場合は、それが確認できるものも必要 ・本籍地の役所または役場で入手できる ・「戸籍の全部事項証明書」は、戸籍をコンピュータ化した自治体が発行する証明書 申請相続人(1名)の「印鑑証明書」 ・役所または役場で入手できる ・発行後3ヶ月以内のものが必要 名義変更せずに廃車にする方法 ここからは、名義変更せずにそのまま廃車する方法について解説します。 手続き方法 亡くなった所有者の名義のまま廃車手続きをする場合、以下の流れで手続きを進めます。 1.車輌の解体:解体業者にクルマの解体を依頼2.解体情報の送信:解体したクルマの情報(車名、車体番号、解体日など)を、財団法人リサイクル促進センターへ送信3.陸運局での手続き:陸運局がリサイクル促進センターからの情報を受け取った後、車検証に記載されている所有者の住所を変更4.書類の提出:手続きに必要な書類を陸運局または提携する行政書士に提出5.廃車証明書の受領:手続き完了後、廃車証明書のコピーが郵送される 遺産分割協議書や遺産分割協議成立申立書は不要です。ただし、クルマを解体してからでないと抹消手続きができないため、通常より手続きに時間がかかる場合があります。また、重量税や自賠責保険の還付金手続きが煩雑になることがあります。 必要書類 亡くなった所有者の名義のまま廃車する場合、以下の書類が必要です。 書類名 要件・備考 印鑑証明書 相続人代表者1名の印鑑証明書(発行から2ヶ月以内のもの) 委任状 実印(印鑑証明書の印鑑)を押印したもの 戸籍謄本 相続人代表者と被相続人の関係性および、被相続人の死亡が確認できるもの。(法定相続情報または除籍謄本でも代用可能) 除籍謄本 戸籍謄本で所有者の死亡が確認できない場合 銀行口座 車検が2ヶ月以上残っている場合、重量税の還付金受取に必要 マイナンバー 重量税の還付金を受け取る場合にのみ必要 法定相続情報 戸籍謄本・除籍謄本の代わりに法定相続情報での代用も可能 車検証 コピーは不可 ナンバープレート 前後2枚 自賠責保険証 有効期間が1ヶ月と20日以上残っている場合 リサイクル券 紛失した場合は支払い状況を業者が確認 相続放棄したクルマを廃車にする方法 相続放棄は、プラスとマイナスを含む故人の全財産を相続しないことです。家庭裁判所での手続きが必須で、相続開始を知ってから3ヶ月以内に行う必要があります。相続放棄をした場合は故人のクルマを相続したり廃車にしたりできません。 また、クルマを管理している場合は、他の相続人への引き渡し義務が生じます。 相続放棄後の処分は、主に下記3つのケースに分かれます。 主なケース 詳細 車検証の所有者が故人ではない場合 相続対象外となり、登録名義人による処分が必要 相続放棄していない相続人がいる場合 ・相続人がクルマを相続し、処分権限をもつ・複数の相続人がいる場合は、遺産分割協議で処分方法を決定する 全相続人が放棄した場合 ・家庭裁判所が選任する相続財産管理人が処分する・管理人選任には多額の予納金(数十万円から100万円程度)が必要・費用を負担する者がいない場合、クルマの処分が未決状態となる クルマをスムーズに処分するためには、相続放棄の判断と同時に、処分方法についても慎重に検討する必要があります。 相続して乗るか廃車にするかの判断のポイント そのまま乗り続けるか、廃車にすべきかのポイントは下記のとおりです。 項目 内容 クルマの状態 年式や走行距離は使用に耐えられるか クルマの傷や故障の程度 運転が困難なほど故障している古いクルマかどうか 相続手続きの状況 相続手続きが済んでいるか(手続きをせずに放置すると、後々トラブルの原因になる) 名義変更の必要性 名義変更をしないと、売却や廃車ができない 経済的な側面 自動車税や保険料などの維持費・修理費用・売却した場合の査定額・廃車費用 判断に迷う場合は、弁護士や廃車業者などへの相談をおすすめします。 まとめ 相続によるクルマの名義変更や廃車手続きは必要書類が多いものの、それほど複雑ではありません。また、専門家に手続きを代行してもらうことで、忙しい方でもスムーズに相続手続きや廃車手続きができます。本記事で解説した内容を参考に、手続きを確実に行いましょう。

自動車の相続税における評価の方法は?名義が相続人と被相続人の場合で異なる!
旧車の魅力と知識 2022.01.21

自動車の相続税における評価の方法は?名義が相続人と被相続人の場合で異なる!

自動車を相続する場合には、相続税の申告納税が必要です。相続税の計算の元となる評価額は、どのように計算すればよいのでしょうか。ここで注意したいのは、自動車の名義が相続人と被相続人で評価方法が異なる点です。ここでは、自動車税の相続税における評価方法について詳しくご紹介します。 自動車の相続税上の扱い 被相続人(故人)が自動車を所有していた場合、土地や建物と同様に自動車も相続の対象となります。自動車は不動産に対し、相続税上の「一般動産」として扱い、相続税の課税対象として評価されます。 また、一般動産の評価は、国税庁の通達によると「一般動産の価額は、原則として、売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価する。」となっています。これは、相続する車の価値とは新車価格ではなく、あくまで亡くなった当日の価値で決められるということです。 また、「亡くなった日の価格」を評価するため、相続が発生した日からかなりの時間が経って自動車の評価額が変動したとしても、相続税が安くなったり高くなったりすることはありません。。 相続する自動車の評価方法 故人の自動車を相続する場合、その自動車をどのように評価するのか詳しく見ていきましょう。 業者の買取価格相場 車の評価方法は一般的に、買取業者の買取価格相場に準じます。ここで注意したいのは、一般動産の評価額は「販売価格」ではなく、「買取価格の相場」となることです。 買取価格を確認する際は、買取業者のホームページなどに掲載されている金額を相続した自動車に当てはめるのが手軽です。その際には車のメーカー、車名、グレード、年式(初年度登録年月日)、走行距離(備考欄参照)などの情報が必要です。なお、年式については間違えやすいので注意しましょう。自動車検査証には「登録年月日/交付年月日」と「初年度登録年月」の2つの年月が記載されていますが、後者の「初年度登録年月」が年式に当たります。 自動車検査証を参照して、正確な情報をもとに買取価格を確認しましょう。 売却査定額 自動車の相続手続きは、評価額によって異なります。その基準は100万円以上かどうかです。。100万円未満の場合は、相続人1人で書類を作成できる「遺産分割協議成立申立書」を用いた手続きが可能です。 100万円以上の場合は、相続人全員の署名、実印の捺印、印鑑証明が必要な「遺産分割協議書」を用いた手続きが必要となります。。   売却代金 相続後に自動車に乗らないために、相続が開始してから売却するケースがあります。その際には、査定書の金額ではなく、「売却代金=相続税評価額」として申告します。ただし、国税庁の通達に記載のある通り、財産の評価は「時価主義」となります。また、金額により手続きが異なることもあり、早期売却のために買取相場よりも安く売却した場合や、友人知人の安価に売却した場合などは、売却代金を相続税評価額として採用することはできません。 償却費控除額 古く貴重な車種や特殊なパーツが沢山装備されている車種など、市場の評価では評価額の確認が難しい場合は、「新品の時の小売価格ー償却費の合計金額」で算出することも可能です。通常の評価額は、これまで紹介した「買取相場を確認する」「査定をしてもらう」「売却した代金を相続税評価額として採用する」ことで評価が可能ですが、それでは対応できない場合には購入金額をもとに算出しましょう。 実際の償却費の額の合計額は、耐用年数と償却方法により算出します。自動車の耐用年数と償却率は、普通自動車は6年(定率法償却率0.333)、軽自動車は4年(定率法償却率0.500)と異なりますので注意しましょう。   名義が異なる場合の評価について 故人である父親がお金を出して息子に買い与えた場合など、自動車を相続する時点で、その自動車の名義が故人ではなく相続人のような場合があります。その際にはどのような対応が必要か4つのパターンを紹介します。 名義自動車の扱いで評価する 名義口座と同様に、自動車も名義自動車として名義人=所有者として考えるのではなく、「真の所有者が誰か」が重要となります。真の所有者が故人である場合、名義が相続人であっても相続した自動車の評価額は相続税の申告に含めなくてはなりません。この「名義自動車」として評価する場合の評価方法は、前述した方法で行います。 貸付金として評価する 自動車の購入に際して、購入資金を故人から借りていた場合は、「貸付金」として相続財産に計上して評価します。その際には、借りた日から相続開始日までに返済した金額は、控除して計上します。 自動車自体の生前贈与として扱う場合 故人が購入して、その後に自動車の名義を相続人に変更した場合には、「自動車自体の生前贈与」として扱います。「相続時点の自動車の評価額」が110万円の基礎控除額を超える場合は、贈与税として申告納付が必要となります。ただし、相続開始前の3年以内に取得した財産は110万円の基礎控除額以内であっても相続税の課税価格への加算が必要ですので注意してください。 購入資金の生前贈与として扱う場合 故人が相続人に対して車を買い与えた場合は、自動車の「購入資金の生前贈与」とみなされます。その際の贈与税や相続税の考え方は「自動車自体の生前贈与」と同様となります。ただし、算出の基準となる金額は、「購入時の金額」です。 相続税の計算については税理士に相談しよう これまで紹介したように、相続した自動車の評価額の計算方法は、相続の形式や状況などで異なります。申告が漏れると「追徴税」が課される恐れがあります。過少に申告した場合の追徴税は「過少申告加算税」となり5%〜15%が、無申告であった場合の追徴税は「無申告加算税」として5%〜20%が課せられる恐れがあります。故意でなくても申告漏れした場合には上記の追徴税が課される場合があるため、相続税の計算や各種手続きについては税理士に相談し、確実に申告しましょう。

未だ人気の衰えないFRハッチバッククーペ!日産180SXの魅力を解説
旧車の魅力と知識 2022.01.20

未だ人気の衰えないFRハッチバッククーペ!日産180SXの魅力を解説

1989年のバブル絶頂期に登場したFRスポーツハッチバック、日産180SX。S13シルビアをベースとしつつ、リトラクタブルヘッドライトを採用したシャープな外観や、高出力のターボエンジンといった個性を持ち、当時の若者に絶大な人気を誇りました。 今回はそんなスタイリッシュかつスポーティな180SXの魅力と、中古市場について解説していきます。 スタイリッシュ&スポーティで若者を熱狂させた180SX 180SXは日産の小型ハッチバッククーペとして、1989年5月に発売されました。 1988年5月に登場したS13シルビアとは兄弟車であり、プラットフォームやエンジン、そのほか車体の多くの部分を共有。ファストバック形状のボディや角型2灯式のリトラクタブルヘッドライト、全グレードターボモデルのみのラインナップなど、S13シルビアと比べてスポーティ寄りのコンセプトとなっています。 最高出力175psの1.8リッター直4ターボエンジン(CA18DET型)や、Cd値0.30の空気抵抗係数を誇るボディラインといった走行性能の高さも相まって、若者を中心に人気が爆発。約11万5000台の販売台数のうち9割はMTモデルで、スポーツカーとして多くのファンを生みました。 180SXの3つのモデルについて解説 180SXは、1989年5月から1999年1月の約10年という長い期間で販売され、そのモデルサイクルのなかで大きく「前期」「中期」「後期」の3つに分類することができます。 本来の「180」エンジンを持つ前期型 1989年5月に発売開始された前期型は、最高出力175ps、1.8リッターターボのCA18DET型エンジンを搭載。180SXの「180」は排気量を現すものですが、中期型からは2.0リッターにアップするため、車名どおりのエンジンを搭載するのはこの前期型のみとなります。 グレードは「タイプⅠ」と「タイプⅡ」に分けられ、前者は簡易装備の廉価モデル。後者はオーディオやパワーウィンドウなどの装備を充実させた快適仕様です。前期型の特徴としては、フロントバンパーのナンバー上部にはダミーダクトがあり、シートはヘッドレスト一体型のものが使われている点が挙げられます。 モデルサイクル中もっとも人気の高かった中期型 1991年1月のマイナーチェンジで中期型となった180SXは、エンジンが2リッターターボのSR20DET型に一新。最高出力は前期型の175psから30psアップの205psとなりました。 外観はフロントバンパーのダミーダクトがなくなったことでシンプルな印象になったとともに、タイヤのサイズアップやホイールデザインも変更されています。グレードはデジタル表示式オートエアコンや、専用リアスポイラーなどを装備した最上級グレード「タイプIII」が追加されました。 エンジンの出力向上でさらにスポーティになった中期型は、走り屋の若者を中心に大ブレイク。販売期間中でもっとも生産台数が多くなったモデルでもあります。その分峠などでの事故が多くなり、修復歴ありの中古車がこの時期に一気に増えてしまいました。また、保険料が上昇してしまった車種としても有名です。 後期型ではアグレッシブなエクステリアに 1996年8月のマイナーチェンジから後期型に一新。フロントバンパーはダクトが追加され、疾走感のあるデザインになったとともに、リアコンビネーションランプもスカイラインを彷彿とさせる丸型に変更。そのほかにも大型リアスポイラーが装着されるなど、後期型はエクステリア面での変更が多くなっています。 新たなグレードとしては、2リッターの自然吸気(NA)SR20DE型エンジンを搭載した「タイプS」が追加されました。最高出力は140psと、当然ながらターボモデルほどの出力はなく、あまり世に出回っていませんが、NAエンジンを愛するコアな車ファンにはひそかに人気のグレードとなっています。 そして、この当時はすでにミニバンなどの実用車が人気を博しており、スポーツカー人気は低迷真っただ中。180SXも例外ではなく、この頃には通常の生産ラインに乗らず、ほぼ受注生産に近い状態で生産されていました。最終的には1999年1月発売のS15シルビアの登場と同時に販売終了となりました。 180SXの中古車市場 そんな180SXですが、スポーツカーとしての人気は衰えず、サーキットやドリフト界では未だ現役であり、それとともに市場価値も上昇しています。 2021年12月時点での大手中古車サイトでは、1997年式 11.7万km走行の後期型最上級グレード「タイプX」が452万円のプライスとなっていました。最安値でも1995年式 16.9万km走行の「タイプX」が130万円となっており、当時の同グレードの新車販売価格が約260万円であることを考えると、180SXの人気の高さがうかがえます。 一方、旧車王の買取価格は中期型、後期型ともに大きな違いはなく、廉価グレードの「タイプⅠ」や「タイプS」では~200万円。上級グレードの「タイプX」では~300万円の高価買取となっています。 まとめ FRハッチバックスポーツとして多くの若者を魅了した180SX。1993年10月のS14シルビア発売後もフルモデルチェンジはせず、そのままのS13シルビアベースで販売され続けたことが、180SXの何よりの人気の証といえます。 今や180SXは安価で購入できる車ではありませんが、リトラクタブルヘッドライトを備えたFRハッチバッククーペという時代離れしたそのフォルムは、必ずやコスト以上の満足感を与えてくれるでしょう。 [ライター/増田真吾]

車の相続手続きの流れと必要書類をくわしく解説!
旧車の魅力と知識 2022.01.14

車の相続手続きの流れと必要書類をくわしく解説!

車の相続は、名義変更や遺産分割協議など様々な手続きが必要となり、初めての人にはわからないことも多いです。そこで今回は、そんな車の相続に関しての手続きを必要書類と流れに分けて解説します。   車の相続手続きの流れ 車の相続手続きの手順は大きく分けて3つあります。それぞれの手順について、くわしく解説します。 1.所有者の確認 車の相続手続きにおいて、最初にやるべきことはその時点での所有者の確認です。つまり、誰から相続をするのかを明確にします。確認方法は車検証などの所有者名の欄で確認できます。 個人所有の場合 所有している人が被相続人本人だった場合、相続の名義変更手続きを行うため手順2に進みます。 ディーラー又は信販会社所有の場合 被相続人がローンなどを組んでいて返済がまだ終わっていない場合には、所有者の名前がディーラー又は信販会社になっています。この場合は、このままでは名義変更が行えないので、所有権解除をするためにローンを完済しなければなりません。基本的にこのケースでは一括返済が求められます。 返済が厳しい場合は、信販会社・ディーラーが引き取って売却し、売却で得たお金が返済に充てられます。それでも足りない場合は相続人(次の所有者)に返済が求められます。返済を終えて、所有権を解除したら手順2へ進みます。 2.相続する人を決める 最終的に相続する人を決定します。相続人が複数いる場合には相続人全員が参加した協議(遺産分割協議)にて最終的に誰が相続するのか話し合う必要があります。そこの話し合いで最終的な相続人を選出し全員が合意したら、そのことを証明する遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書では全員が合意したことを示すために相続人全員の実印が必要です。 軽自動車の場合 軽自動車の場合は普通車とは異なり、遺産分割協議書を提出する必要がありません。そのため、書類を作成する必要もありませんし相続人が複数人いたとしても最終的に相続する人だけで手続きができます。 3.名義変更 最後に、書類をまとめて行うのが名義変更の手続きです。必要書類をまとめて運輸支局にて手続きを行い、被相続人から相続人へ所有名義を変更することで相続完了となります。名義変更をする際は、手数料として500円の費用がかかります。必要書類については、次の章でくわしく解説します。 車の相続手続きの必要書類 車の相続手続きには、様々な書類が必要です。ここからは、必要書類それぞれについて解説していきます。 移転登録申請書・自動車税申告書 移転登録申請書と自動車税申告書は運輸局へ行ってから記入する書類となります。移転登録申請書は自動車の所有者を移転することを示す書類で、実印が必要となります。また、手数料が40円ほどかかります。 自動車税申告書は各運輸局に隣接されている税事務所にて手続きを行うことができます。こちらの書類を提出する際は、遺産分割協議書の写しと被相続人と相続人の相続関係がわかる書類(戸籍謄本等)も合わせて提出します。また、手数料として200円支払います。 名義変更をする車の車検証 名義変更をする車の車検証が必要です。車検証は車のグローブボックスなどにあります。 被相続人(故人)の戸籍謄本 亡くなった方(被相続人)の戸籍謄本で、相続人全員の記載があり発行から3ヶ月以内のものが必要です。この戸籍謄本で死亡の事実を確認します。ない場合は、現在の戸籍謄本と原戸籍謄本など死亡した事実を証明できるものが必要です。 相続人の戸籍謄本 最終的に相続をする人の戸籍謄本が必要です。戸籍謄本は、1件450円で本籍地の市区町村役場で取得できます。 相続人の印鑑証明書 相続人の印鑑証明書が必要です。印鑑証明書は、各区役所・支所又は指定された郵便局などでも受け取ることができます。発行から3ヶ月以内のものに限ります。 車庫証明書 車の保管場所が変わる場合には車庫証明書も必要です。管轄の警察署で必要書類を受け取り、記入が終わったら同じ警察署へ提出します。車庫証明の発行におよそ2,000円、標章交付に500円程度かかります。 遺産分割協議書 普通車の場合は遺産分割協議書も必要です。査定額が100万円以下の車の場合は、簡略化した書類である遺産分割協議成立申立書でも手続きできます。遺産分割協議書は相続人全員の実印が必要なのに対し、遺産分割協議成立申立書は最終的に相続する人の実印だけで済むため、時間を短縮できます。 相続人全員の印鑑証明書(複数の相続人が相続する場合) 相続人全員の共有財産とする場合は、相続人全員分の印鑑証明書が必要です。発行から3ヶ月以内のものに限ります。 相続人全員の委任状(複数の相続人が相続する場合) 複数の相続人が共有で相続する場合において、第3者に申請を依頼する場合には相続人全員の実印を押した委任状も必要です。

90年代最強のホットハッチ!テンロクスポーツの至宝EG/EK型ホンダ シビック
旧車の魅力と知識 2022.01.12

90年代最強のホットハッチ!テンロクスポーツの至宝EG/EK型ホンダ シビック

大衆車でありながら、モータースポーツファンからの人気も高いEG/EK型シビック。小排気量の1,600ccVTECエンジンはリッター100馬力を超える最高出力を発生し、ダブルウィッシュボーンサスペンションで小気味良い軽快なハンドリングは、今でも最強ホットハッチの一角と言っても過言ではありません。 同クラスの他車種を寄せ付けないどころか、上位クラスの車種とも互角に戦えるほどの高い戦闘力を誇ったEG/EK型シビックの魅力に迫ります。 運動性能重視の差別化された大衆車シビック ホンダ シビックは、1972年に初代が発表され、50年近く経った現在も11代目が新車として販売されています。これだけのロングランを実現したシビック成功の理由の1つは、大衆車でも車として基本的な運動性能を重視して開発され続けてきたことです。 さらに、VTECという画期的なエンジンの登場が、シビックの地位を不動のものに押し上げました。 ホンダ史上最長の販売期間を誇るシビック 1972年の誕生以来、ホンダの基幹車種として販売されているシビック。 3ドアハッチバックのイメージが強いシビックですが、初代の販売当初は意外なことに2ドアセダンから市場投入されました。(3ドアハッチバックは約1ヶ月遅れで発表)2ドアセダン、4ドアセダン、3ドアハッチバック、クーペなど、豊富なボディバリエーションもシビックの魅力です。 そんなシビックのライバルは、同じく大衆車の位置付けだったトヨタ カローラ。ホンダは価格と燃費、そして運動性能を重視して開発することで差別化を図りました。 EG/EK型の絶大な人気につながったVTEC シビックを語る上で外せないのがVTECエンジンです。最初の搭載車こそ、当時新発売だった2代目DA型インテグラに譲ったものの、約半年後には既に販売されていたEF型シビックに搭載されます。 VTECエンジンは、バルブタイミングとリフト量を切り替え、低回転域のトルクと、高回転域のパワーを両立した画期的なエンジンです。バルブタイミングとリフト量を同時に変化させる機構は当時世界初。カムシャフトに物理的に2種類のカムを設け、ロッカーアームを一定の回転数で切り替えることで、低回転用のローカムと高回転用のハイカムを切り替えます。 運動性能を重視して開発され続けていたシビックに、VTEC機構を持つB16A型エンジンを搭載したことでよりスポーツ色が強まり、その後のEG/EK型シビックの人気へとつながりました。 シビックの長い歴史の中でも突出していたEG/EK型シビック 50年近くも販売され続けていることからも分かるように、シビックはどの世代も安定した人気があります。その中でも、1990年代に販売されたEG/EK型シビックは突出した存在です。 リッター100馬力超えを実現したVTECエンジンを搭載したEG型、NSX、インテグラに続くタイプRモデルが投入されたEK型。いずれもシビックの歴史上大きな出来事で、直接のライバルだったカローラのスポーツモデル、レビン/トレノを圧倒しました。 スポーティなイメージを確立したEG型 5代目シビックのEG型は、先代となるEF型の基本設計をより高める形で1991年に登場しました。 EF型で投入されていたB16A型エンジンは、同型エンジン最高馬力となる170馬力を発生。また、低グレード車には、新たに低燃費志向のVTEC-E仕様エンジンも投入されました。さらに足回りは、EF型から採用されているダブルウィッシュボーンを継承しつつ、安定性を向上。ストローク不足によるピーキーな挙動を克服し、高いハンドリング性能を実現しました。 もともと、シビックはボディタイプの多さから幅広い層に支持されていました。そこへ、完成度の高いエンジやサスペンションを搭載し、同クラスでは性能面で頭1つ抜けた存在へと進化。スポーティなイメージを確立したことでより高い人気を獲得し、シビックとして2度目の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。 タイプRが初めて投入されたEK型 1995年に「ミラクルシビック」の通称で投入されたEK型シビック。最高グレードであるSiRについては、EG型で既に完成の域に達していたB16Aエンジンとダブルウィッシュボーンサスペンションをほぼそのまま受け継いでいます。 一方、主力モデルとなるVTiには、低燃費高出力を実現した3ステージVTECを搭載し、オートマチックトランスミッションとしてCVTを採用するなど、意欲的に新技術が取り入れられたモデルです。 EK型シビックの目玉は、1997年に投入されたタイプRです。最高出力を185馬力にまで引き上げたB16Bエンジンを搭載。さらに、サスペンションのチューニング、車体重量の軽量化、専用エアロパーツなど、タイプRの名にふさわしく、随所に高性能化が図られました。 また、レカロ製バケットシート、モモ製ステアリング(SRSエアバッグ付き)、チタン製のシフトノブなど装備面も充実しています。 そして、EG型シビックに続いて、EK型シビックは3度目となる日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。 まとめ 最後にシビックの中古車相場について紹介します。 海外での90年代日本製スポーツカー人気の影響をシビックも少なからず受けており、年式の割には高い価格で取引されている印象です。ただ、EG型/EK型シビックは当時人気が高かったため、今でもそれなりに台数が残っていて、まだ非現実的な価格にまでは高騰していません。 状態によっては最上位グレードのSiRIIでも、100万円台後半で手に入るものもあります。(2021年12月現在)一方、400万円オーバーの価格をつけている中古車もあるので、今後の価格高騰には注意が必要です。買取価格も高騰していて、EG型のSiRIIで最高200万円、EK型のタイプRなら最高400万円の価格がつくこともあります。(旧車王2021年12月現在) 日本製スポーツカーがもっとも熱かった90年代を駆け抜けたEG/EK型シビック。車の挙動をダイレクトに感じ、軽量な車体を操る感覚は、現代では味わえないもの。 その価値感は、まさに現代の中古車取引価格に反映されており、手に入れたい方は少し急いだほうが良いかもしれません。 [ライター/増田真吾]

「丸目」「涙目」「鷹目」あなたの好みは? GD系スバル インプレッサに迫る
旧車の魅力と知識 2022.01.07

「丸目」「涙目」「鷹目」あなたの好みは? GD系スバル インプレッサに迫る

日本を代表するスポーツカーの1台として、世界的にも人気の高いスバル インプレッサ。その中でも、2代目となるGD系インプレッサが中古車として今注目を集めています。GD系インプレッサには、2度のマイナーチェンジで、前期、中期、後期の3世代が存在し、ヘッドライトの形状から、それぞれ「丸目」「涙目」「鷹目」と呼ばれています。 今回は、WRCでの活躍によって高まった人気を背景に開発されたGD系インプレッサの特徴を、「丸目」「涙目」「鷹目」の違いも含めて紹介します。 WRCと共にあったスバル インプレッサ WRCでの目覚ましい活躍により、スバルを世界的自動車メーカーへと押し上げた立役者がインプレッサです。初代登場から最終型まで20年以上も販売され続けたことからも、その人気の高さがうかがえます。 実は、今回紹介するGD系インプレッサの開発自体、当初は予定されていませんでした。しかし、WRCでの活躍によって人気が高まったことを背景に、開発されることになります。インプレッサのその後の開発につながったGD系インプレッサについて、初代とともに振り返ります。 スバルの世界的地位を築いた初代インプレッサ 初代インプレッサとなるGC系インプレッサは、1992年に登場。世界市場(特に欧州)を目指すにあたって、ラインナップ上穴の開いていた1,600ccクラスを埋める車種として開発。また、WRCで勝ちあぐねていたレガシィの後継車としての役割も担っていました。WRカーのベースともなるスポーツモデルを表す「WRX」の名称は、GC系インプレッサから使用されています。 GC系インプレッサは、マニュファクチャラーズタイトル3連覇を果たすなど、WRCで期待通りの活躍を見せ、揺るぎない地位と人気を獲得し、世界にスバルの名を知らしめました。また、WRCでの活躍を記念して、数多くの特別仕様モデルを発売。特に1998年に発売された「22B-STiバージョン」は、発売からわずか48時間に完売したともいわれるほどの人気でした。 正統進化した2代目GD系インプレッサ 日本の小型車としては珍しい、1モデルで8年も続いたGC系の後継車種として登場したのが、GD系インプレッサです。2000年に発表され、2007年まで製造されました。 GD系インプレッサは、WRCありきで開発されたともいえるモデル。ハッチバックモデルは、5ナンバーを維持できるサイズだった一方、WRカーのベースとなるセダンモデルのシャシーの全幅は安定性向上のため広げられ、3ナンバーサイズとなりました。発売当初不評だった外観については後述するとして、性能面でも正統進化。随所で戦闘力向上が図られました。 ボディはワイド化と同時に「新環状力骨構造」を採用し、ボディ剛性は劇的に向上。6速MTやブレンボ製ブレーキを採用するなど、走行性能を大きく高めました。さらに、エンジンも大きく進化。型式こそ初代同様のEJ型ですが、シリンダーブロック、ピストン、コンロッド、バルブなどの主要部分は全て刷新され、最大トルクは2kg・m向上、レブリミットも8000回転まで引き上げられました。 2度のマイナーチェンジで着実に進化したGD系インプレッサ GD系インプレッサには、前期、中期、後期の3つのモデルがあり、マイナーチェンジごとに見た目が大きく異なります。 GD系インプレッサが発表されると、高まった性能が一定の評価を得る一方で、独特の丸目が、特に日本市場で不評。そのため、発売から2年後には、早くも大幅なマイナーモデルチェンジを余儀なくされます。さらにその後、1度大幅なマイナーチェンジを行いました。 しかし、繰り返されたマイナーチェンジは、実は見た目の変更よりも性能の向上を目指して進化させていった結果です。WRCで勝つことを求め、性能を進化させ続けたGD系インプレッサの変遷を振り返ります。 不評だった「丸目」も今では再評価されつつある前期 2000年に登場したGD系インプレッサ最初のモデルで、前期型と呼ばれています。不評を買った丸目のヘッドライトは、メルセデスが採用するなど、当時世界的なトレンドだったことから採用されました。一方、発売から20年経った今では、「愛嬌がある」と再評価する声もあります。 発売当初は、初代に比べて大型化したことを懸念する声もありました。しかし、今の基準で考えると十分軽量で、さらに2kg・m向上したトルクによって重さを感じることはありません。むしろ、ワイド化による安定感と向上したボディ剛性により、高い走行能力を実現しています。 見た目だけではなく性能も向上させた「涙目」の中期 2002年11月に登場したGD系インプレッサ最初の大幅マイナーチェンジモデルが中期型です。不評だった丸目のヘッドライトを変更し、後に「涙目」と呼ばれる形状になります。ヘッドライト変更は、単に見た目の変更ではなく、WRCからのフィードバックを受けたものでした。ヘッドライト上方に傾斜をつけ、横方向の回り込みを増やしたことで空力性能を向上。さらに、ヘッドライトそのものを大型化し、ナイトラリーで補助灯がなくても前方の視界が確保できるように工夫されました。 中期型は、ほかにも意欲的な変更が加えられています。特にSTiモデルは、排気管からピストン形状まで見直すなど、エンジン性能の底上げがなされ、車体も操縦安定性や剛性の向上が図られました。一方、WRX標準モデルも、タービンの見直しによるレスポンスの向上、ブレーキキャリパーは16インチの対向4ポット、リア15インチの対向2ポットを採用するなど、大きな改変が加えられています。 なお、STiモデルに関しては、中期型リリース後にも大幅な変更が加えられています。このため、中期型の中でも前後期モデルが存在。大きな変更点はPCDで、ハブベアリングの強化によって、5穴100mmから5穴114.3mmに変更されました。PCDが変更になったことで、適合するホイールが前後期で異なる点に注意が必要です。 「鷹目」が現代的で成熟の域に達した後期 GD系インプレッサの最終系となる後期型は、2005年6月に登場。ヘッドライトデザインがつりあがった形に変更された後期型は、「鷹目」と呼ばれています。 現代的ともいえる洗練されたデザインとなった後期型ですが、マイナーチェンジの目的はイメージチェンジではなく、中期型と同様に性能を追求した変更が数々盛り込まれました。特にSTiモデルでは、トルクを43kg・mまで高め、扱いやすくなったエンジン、カーボン素材使用によるシンクロ機構の強化で、シフトフィールを向上したトランスミッションなど、かなり近代的な乗り味になっています。また、WRX STI Spec C Type RA-Rなど、多くの特別仕様車も限定販売されていて、高スペックを求めるユーザーにも満足できるラインナップでした。 数々のモデルチェンジを経て成熟しきった後期は、信頼性も圧倒的に向上しているので、トラブルを避けたい方にもおすすめです。 まとめ 2代目GD系インプレッサに注目が集まっている理由は、初代GC系インプレッサは希少性が高く、高価でなかなか手に入らないことと、性能面での古さが否めないこと。一方、3代目以降は、名機「EJ20型」が生産を終了したことで価格が高騰しているためです。 気になる中古車価格は、限定販売されたWRX STi スペックCモデルで555万円ほど。一方、標準モデルでは100万円強からあり、STiモデルでも150万円ほどで購入できるものもあります。(価格は全て2021年12月現在)買取価格は、徐々に上昇を見せていて、鷹目 S204STiバージョンでは最大400万円の買取価格です。(2021年12月旧車王) 日本に比べ、特に欧州ではラリーは人気があり、地域によってはモータースポーツの最高峰F1をしのぐほど。欧州のモータースポーツファンにとって、“スバル”また“インプレッサ”は憧れの存在です。また、車種を問わず海外で日本製スポーツカーが人気ということもあり、今後価格が上昇する可能性もあります。 現代でも通用するスペックを誇りつつ、まだ手を出せる価格で販売されているGD系インプレッサは、まさに今が狙い目の1台です。 [ライター/増田真吾]  

トヨタ ハイラックス以外も魅力的!海外で人気の日本製ピックアップトラック
旧車の魅力と知識 2021.12.27

トヨタ ハイラックス以外も魅力的!海外で人気の日本製ピックアップトラック

アメリカの広大な道を走る姿が「サマ」になるピックアップトラック。でも、意外なことに、ピックアップトラックとして高い支持を受けているのは日本車です。一方、日本国内では、現在はほとんど販売されていません。 海外で人気があるのに日本国内で販売されていない不思議な車種、ピックアップトラックについて紹介します。 ピックアップトラックの魅力 広く開放的な荷台と、パワフルな走りのピックアップトラックは、海外で人気の車種です。日本でほとんど目にすることがなくなってしまったため、国産メーカーのピックアップトラックは国内でほとんど認知されていません。しかし、性能の高い日本製ピックアップトラックは海外で大きく支持されています。 ピックアップトラックとは ピックアップトラックとは、別名ボンネットトラックともいい、車室前方にボンネットがあり、車室後部に荷台のある車のことを指します。 ピックアップトラックの特徴は、荷台がオープンなこと。オープンな荷台には、汚れたり濡れたりした荷物でも気にせず積み込めますし、屋根がないため大きな荷物や背の高い荷物積み込むことができ、さまざまなシーンで活躍します。 また、堅牢なラダーフレームや4WD を採用している車種が数多くあるのも特徴の1つ。クロスカントリーSUV車として、オフロードシーンや悪路などで、幅広く活用できます。 国内販売はトヨタ ハイラックスを残すのみ 海外で現在も人気の高いピックアップトラックですが、現在日本国内向けとして販売されているのは、トヨタ ハイラックスのみです。 かつては、国内でもさまざまなメーカーから販売されていました。現在日本で荷台がオープンな形状の自家用車として残っているのは、ほとんどが軽トラックです。 ピックアップトラックの人気が日本で衰退した明確な理由はありませんが、日本の道路事情から、「小型で取り回しのしやすい軽トラックのほうが好まれた」という側面もあるのかもしれません。 国内販売はハイラックスのみですが、実は現在でも複数の国内メーカーが海外向けに新車のピックアップトラックを販売しています。 今でも人気の歴代日本製ピックアップトラック4選 日本製ピックアップトラックが現在も海外で人気の理由は、過去に販売された多くの国産車種が築いてきた信頼によるものです。そこでここからは、過去に販売されたピックアップトラックを紹介します。 初代ハイラックス(1968-1972) ピックアップトラック市場が低迷している日本にあって、現在も唯一販売されているピックアップトラックの代表ともいえるのがトヨタ ハイラックスです。 初代モデルは小型ピックトラックとして販売され、「トヨタ・トラック」の名称で、人気を不動のものにします。当時からすでに、車は1人1台という文化だったアメリカでは、家族で複数台所有は当たり前でした。 広い荷台に気軽に荷物が載せられて、どこでも走れるピックアップトラックは、日本でいう軽自動車、西部開拓時代の「馬」といった感覚だったのかもしれません。 ちなみに、映画「バックトゥザフューチャー」で1985年に主人公のマーティ・マクフライが憧れていた4×4(フォー・バイ・フォー)ピックアップトラックは、4代目のハイラックスです。 Datsun(ダットサン) 620(1972-1979) ハイラックスと並び、アメリカで定番ピックアップトラックとして認知されているのが、日産の小型車向けブランド「ダットサン」です。ダットサントラックの初代の登場は、戦前の1935年。初代登場以来モデルチェンジを繰り返し、1972年の7代目620が北米でヒットします。S30型フェアレディZと並んで、北米でのダットサンブランド定着に一翼を担いました。 ハイラックスほど走破性に優れた設計ではありませんでしたが、それが一般層の需要を掘り起こします。購入者の半数が、「仕事以外の目的で購入した」としている情報もあるほど、一般層に手軽なピックアップトラックとして浸透しました。 初代パスファインダー(1985-1995) 日産 パスファインダーは、本格SUVとして発売されました。走破性に優れたサスペンションと、フェアレディZと同系統のパワフルなVG30系エンジンを搭載。高い性能とスタイリッシュな外観で、一気に人気が高まります。 パスファインダー自体は、ピックアップトラックではありませんが、パスファインダーの元となったのは、「ピックアップ」として発売されたD21型ピックアップトラックです。エンジンこそ、後発のパスファインダーとは異なりますが、デザインは共通で、スタイリッシュなピックアップトラックとして多くの支持を集めました。 初代スズキ サイドキック(1989-1999) スズキ サイドキックは、日本国内でエスクードの名称で販売されていたSUVの北米モデルです。本格クロスカントリー車の機能を備えつつ、省燃費性と高速走行性能という乗用車の機能も持ち、都市型S UVの先駆けともいえる車種。先進的な外観に加えて、堅牢な設計と走行性能の高さから人気を集めました。 サイドキックの堅牢さに対する評価の高さを示すおもしろいデータがあります。2015年のイエメン内戦がはじまる2年前の2013年に、イエメン、オマーンに向けたアメリカからのサイドキックの輸出台数が爆発的に増加したのです。 まとめ 過酷な状況での走行や乱暴に取り扱われることが多く、アメリカを象徴する車の1つであるピックアップトラック。高い耐久性と信頼性が要求される車種で、日本の自動車メーカーが多くの支持を集めています。 一方、日本国内では、需要の低下からほとんどが輸入扱いとしてしか販売されておらず、新車はトヨタ ハイラックス以外の車種は販売されていません。 しかし、ホンダや三菱など、実は多くの国内自動車メーカーが、今もピックアップトラックの新車を発表しています。日本国内で販売されていない日本車として、国内では希少なピックアップトラックを選ぶのもおもしろいかもしれません。 [ライター/増田真吾]

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