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国産旧車の海外流出や価格高騰が話題となって久しいが、実際にドイツに住んでいる筆者からすると「実感しにくい」というのが本音である。というのも、ドイツ現地の中古車情報誌やインターネット上において国産旧車価格はたしかに上昇しているのだが、公道で見かける国産旧車の顔ぶれは直近の5年間でさほど大きく変化していないからだ。 実は、読者のみなさんの予想通りかもしれないが、ドイツにおいて圧倒的な人気を誇る車種が存在する。まずはそのクルマを冒頭で紹介しつつ、ドイツで見かける主な日本車・旧車について紹介していきたい。 ■長年、ドイツで圧倒的人気を誇るクルマとは? ヨーロッパ各国の中でも、ドイツは比較的「日本車の数が少ない国」に属する。公道をしばらく眺めていても、日本車が通過するまである程度の時間が必要だ。一時期はタクシーとしてトヨタ・プリウスが大量に走っていたが、ここ5年ほどですっかり数を減らしてしまった。かわりに、メルセデス・ベンツのEクラス・Cクラスがタクシーの定番車種として復権している。 そんな中、マツダ・ロードスター(現地名MX-5)の人気は盤石だ。街や田舎、ドイツのどこにでも走っているし、ドライバーの顔ぶれも老若男女さまざま。初代のNAや2代目のNBが今でも現役で数多く見かけるうえ、中古車市場でも一定の人気を保っている。2015年に現行型NDが登場したあとも、コンスタントに毎年約5,000台ずつドイツで登録されている、まさに「ドイツに長年愛され続けるクルマ」の代表格だ。 ドイツでは、初代モデルNAのドイツ向け第1便がわずか3日で完売したエピソードがいまだに紹介されたり、ほぼ絶滅状態だったライトウェイト・オープンスポーツカーを復活させ、BMW・Z3やメルセデス・ベンツ・SLK、MG・F、フィアット・バルケッタ、ポルシェ・ボクスターなど多くのフォロワーを生んだ功績が評価されたりと、単に売上的な面だけでなく、文化的な評価も極めて高いのが特徴だ。 当時のフォロワーたちはすでに後継が途絶えて生産中止になっているか、価格帯をさらに上げてプレミアムクラスに移行しているクルマがほとんどである。そんな中、マツダ・ロードスターは「庶民でもなんとか新車に手が届く稀有なスポーツカー」として、ドイツの人々に広く愛され続けている。 ■ドイツのクラシックカーイベントで見かけるクルマの代表は? 先述のマツダ・ロードスターの件にも通じるのだが、ドイツではとにかくオープンカーが好まれる。「オープンカー大国」といっても過言ではなく、夏の間はひたすら屋根を開けて走るのだ。もっとも、それが可能なのは気候によるところが大きい。真夏でも気温が30度を超える日が続くことは少なく、湿度が低くカラッとしていて、非常に過ごしやすいのだ。しかし温暖化の影響で、毎年少しずつ気温が上昇しているのは間違いなく、ドイツに住む人々も神経をとがらせている。 クラシックカーイベントでもっとも目にする日本車といえば、ホンダ・S600とS800である。ここでもやはりオープンスポーツカーか、と思われるかもしれない。それくらい古くからドイツで好まれているし、クラシックカー専門誌の価格相場表にも必ず記載されている。ちなみに、現在の整備済み車両の相場はおよそ3万2千ユーロ(約448万円)だ。 筆者が以前見かけた個体はエンジンルームまで磨きこまれていて、非常によい状態を保っていた。精密な時計のようなエンジン、とドイツでは評価されている。ホンダ・S2000の人気も高く、2万5千ユーロ(約350万円)以上で取引されているが、クラシックカーイベントで見かけることは少ない。初代NSXに関しては、市場に出回ることすら稀である。 ■「日本のジャガー・Eタイプ」として愛されるのはあのクルマ! クラシックカーイベントで見かける日本車の次点は、日産(ダットサン)・240Zである。流麗なロングノーズ・ショートデッキのスタイリングはドイツでも人気が高く、少なくとも2万5千ユーロ(約350万円)、完璧なコンディションだと3万5千ユーロ(約490万円)で取引されている。ドイツの中古車市場では常時10~15台が流通しているような状況だ。 ドイツ人にとって240Zはとても「イギリス的」に感じるクルマらしく、「日本のジャガー・Eタイプ」として紹介されていることが多い。エンジンの頑丈さや扱いやすさも評価されているようだ。 同じ日産でも、歴代のスカイラインGT-Rを見ることは稀で、クラシックカーイベントにも滅多に姿をあらわさない。初代モデル(PGC-10)の相場は今や7万5千ユーロ(約1,050万円)を超え、トヨタ・2000GTと同様に、オークションでしか手に入らないクルマになりつつある。 ■「ラリー仕様」として見かけるのは、ちょっと意外なあのクルマ 最後に、絶対数は多くないものの、ドイツで存在感を発揮しているメーカーを紹介する。スズキである。ドイツではバイクのほか、船外機のメーカーとしても有名だ。 スズキのクルマでもっとも見かけるのはジムニーである。ドイツの人にとっても、メルセデス・ベンツ・Gクラスやトヨタ・ランドクルーザーは大きすぎると感じる場合があるようで、林道に出かければ「プロの道具」として働く歴代ジムニーを見かけることができる。ドイツはラリーの人気が高いが、三菱・ランサーエボリューションやスバル・インプレッサWRXなどの一連のモデルを見ることはほとんどない。ラリー仕様車として見かけるのはむしろスズキ・スイフトだったりする。かつてジュニア世界ラリー選手権(JWRC)に参戦していたこともあって、スイフトの3ドアモデルをラリー仕様に仕立てて、週末のレースに参加する人は少ないながらも確実に存在している。 ■ドイツの地に爪痕を残し続ける日本車たち ここまで、ドイツで見かける日本車について挙げてきたが、いかがだっただろうか。意外だと思った方も、妥当だと思った方もいると思う。 ここに挙げた車種は、筆者が実際に5年間ドイツで暮らしていて見かけた経験に基づいている。つまり、筆者の居住場所であるベルリンという場所柄が深く関係している。言い換えれば、南のミュンヘンやフランクフルト・アム・マイン、西のケルンやデュッセルドルフではまた違った見え方になるはずだ。ドイツは広く、州によって独自色が強いため、一般化することは難しいということを最後に断っておきたい。 最近始まったマツダの初代ロードスターのレストアサービスは、ドイツでは驚きをもって紹介された。初代NAの部品が手に入りやすくなるはずだ、と期待されている。というのも、国産旧車パーツの手に入りにくさは、ドイツ産クラシックカーの比ではなかったからだ。今後国産旧車が世界で愛され続けるためには、こうしたパーツ供給体制も大きなカギになっていくだろう。今後の他社の奮起にも期待したいところだ。 [ライター/守屋健]
近年、旧車の世界においては何かと話題にあがる「25年ルール」。 多くの人がこのワードを聞いて連想するのは「国産スポーツカー」や「海外輸出」、「価格高騰」、「JDM」などだろうか。 自動車メディアが「25年ルール」について触れる機会も増えているようだが、制定された経緯や歴史、本来の目的など詳しいところまでは触れていない。 そこで今回は「25年ルール」について正確な情報をお伝えしたいと思う。 ■「25年ルール」は、規制ではなく、例外 日本では「25年ルール」と呼ばれている法律の正式名称は “Imported Vehicle Safety Compliance Act of 1988, Pub. L. 100-562, 102 Stat. 2812” となる。 前半部分は直訳すると「1988年輸入車安全適合法」となり、アメリカの法律ではよくある「一般名称」だ。 後半の “Pub. L.” とはこの法律が「公法律」、“100-562” とは「第100議会において562番目に成立した公法律」であることを指す。 最後の “102 Stat. 2812” とは、「制定順法律集(Statutes at Large)」の「第102巻2812ページ以降に掲載されている」と説明している。 だが、いちいち長ったらしい名前で引用するのは大変なので、“Imported Vehicle Safety Compliance Act (IVSCA)” と呼ばれることが一般的だ。 ▲LAで毎年秋に開催されている「日本旧車集会」は2021年10月で16回目を迎えた 実際に法律の内容を見ていこう。 内容を要約すると、「連邦自動車安全基準に適合しないクルマは輸入できない」とするもの。 アメリカ合衆国国土安全保障省(DHS)のうちの、税関や国境警備を担当する部門「アメリカ合衆国税関・国境警備局(CBP)」によれば、適合しない輸入車は適合作業、再輸出、もしくは破壊のいずれかを施さなければならないと案内している。 だが、ここで肝心なのがこの法律に規定されている「例外」だ。 ここでは「連邦自動車安全基準に適合しない外国製自動車でも、製造から25年経過していればこの法律による規制の対象外とする」と書かれており、これが俗にいわれる「25年ルール」となる。 つまり、「25年ルール」は「規制」ではなく、「例外」なのだ。 ■1988年に「25年ルール」が制定されるまでの経緯とは? 次に知っておくべきなのが、「運輸省道路交通安全局(NHTSA)」の「連邦自動車安全基準(FMVSS)」という存在で、日本でいう「道路運送車両法」で定められている「道路運送車両の保安基準」と同様、アメリカ合衆国内で登録されるクルマの技術仕様のルールだ。 ▲日本のナンバーを展示用につけたクルマも急増 これは日本で米軍関係者がプライベートで乗っていたクルマのナンバー 日本車ともっとも大きく関わるのは「アメリカ合衆国で登録するクルマは左ハンドルでなければならない」の部分。 先述の「例外」は、このFMVSSに適合しなくても良いとしているので、つまりは「右ハンドルでも輸入・登録が可能」となる。 25年ルールは1988年に制定された。それ以前のアメリカ合衆国はFMVSSに適合しないヨーロッパ製の自動車を並行輸入で登録するのがポピュラーで、1985年には約6万9000台が並行輸入車としてアメリカに入ってきていた。 並行輸入はアメリカに正規で輸入されていないモデルが手に入るだけでなく、アメリカのディーラーが販売している価格よりもはるかに安く買うことができるため人気が高かった。 たとえば、1985年モデルのメルセデス・ベンツ 500 SELを米国内の正規ディーラーで購入すると5万3000ドルであったが、並行輸入だとそこから1万1000ドルほど安く手に入るという現象がしばしばあったのだ。 だが、この事態を重く見たのがメルセデス・ベンツの米国法人だ。1988年の法律が制定される以前よりもFMVSSへの適合は必須であったが、当時は書類の提出だけで済んでおり、そのクルマが本当に必要な適合作業を行なったかはほとんど確認されなかった。 メルセデス・ベンツの米国法人が数台の並行輸入車を実際に購入して調査したところ、マフラーの触媒がまったく異なる場所に装着されていたり、側面衝突時に乗員を保護するための補強が錆びた鉄パイプであったりと、ずさんな適合作業の痕跡を目の当たりにしたのだ。 そして彼らは恐れた。 これらずさんな作業を施したクルマが事故を起こし、その責任がまったく関係のない自分たち米国法人に向けられるかもしれないということを。 もちろん適切な適合作業を行なって販売する輸入業者も存在したが、適切か適切でないかを確認するのは困難である。 そこで「並行輸入車をすべて輸入禁止にしてしまえばいい」という大胆な施策の実行を思いつく。 メルセデス・ベンツが行った「反・並行輸入車」キャンペーンは他の自動車メーカーをも巻き込んで、法律制定へのロビー活動へと発展。彼らの思惑通り、無事にこの法律が誕生したのである。 つまりは、この「25年経つまでは憧れの日本車が手に入れられない」という足枷をアメリカ人にはめたのも、「憧れの90年代スポーツカーが製造後25年経過目前で急激に高騰して手に入れられない」という状況を日本の中古市場に作り出したのも、すべてメルセデス・ベンツの米国法人であったといってもあながち間違いではない。 ■日本で「25年ルール」が話題となったのは2014年以降 並行輸入を排除するキャンペーンは「安全」という大義名分で語ることもできるが、別の見方をすれば「現地法人の収益が減るから」という理由も見えるはず。 そしてこの「25年ルール」が日本の旧車界隈で大きな話題となったのは、2014年以降である。 1989年に発売された日産 スカイライン GT-R(BNR32)が製造から25年経過した年だ。 つまり、25年ルール発動によって32GT-Rがアメリカで合法的に輸入できるようになった。 ▲アメリカへの船積みを待つ25年ルールで解禁になったクルマたち そこから、数々のゲームや映画、漫画で見た「憧れの日本製90年代スポーツカー」がグッと近くなったとアメリカの人々は実感した。 製造年月から25年経過した個体はどんどんアメリカへ輸出され、毎年、新たな日本製90年代スポーツカーが「解禁」されていくという現象になっている。 今年は2022年なので、三菱 パジェロエボリューションや2代目トヨタ センチュリー、5代目ホンダ プレリュード、初代ホンダ シビックタイプRなどの、1997年から製造が始まった日本車が解禁されている状況だ。 ちなみに、1999年から製造が始まった日産 スカイラインGT-R(BNR34)は2024年に解禁予定だが、そのあまりにも高い人気で中古市場ではすでに爆発的な値段高騰に見舞われている。 ■実は製造後25年未満でもアメリカに輸入する方法が他にもある? なお、製造後25年を待たないでアメリカに輸入する方法も実はいくつかある。なかでも最も合法的手段なのがFMVSSで定められている特例、 “Show or Display” だ。 この手法はNHTSAが認めた「歴史的もしくは技術的価値のあるクルマ」を特別に輸入し、展示や整備に必要な走行に限って年間2500マイル(4000km)まで公道を走行可能とするもの。 これなら製造後25年経過していなくても、歴史的もしくは技術的に貴重と認められたクルマなら走ることが可能となる。 NHTSAに特別に認可された自動車のリストはNHTSAのウェブサイトで公開されている。 これを見ると、アストン マーティン DB7ザガートクーペや、アストン マーティン One-77、フェラーリ J50、マクラーレン スピードテイルなどのスーパーカー以外に、日産 スカイライン GT-R M-spec Nür、日産 スカイライン GT-R V-spec ミッドナイトパープルII、スバル インプレッサ 22B-STiバージョンなどの「超レア」な限定車も含まれる。 ■アメリカには「21年ルール」も存在する ちなみに、アメリカには「25年ルール」ともう一つ、「21年ルール」というものが存在する。 この背景には1963年に制定された “Clean Air Act(大気浄化法)” なる法律が存在している。 アメリカ合衆国環境保護庁の定める基準に適合しないエンジン、そしてそれを搭載する自動車の輸入を禁じているというもの。 そして例外規定として、工場出荷時の状態と同じ仕様のエンジンを搭載しており、なおかつ「製造後21年経過」している場合は、輸入して良いというものだ。 「25年ルール」ほど知られていないのは、そもそも「自動車の登録」の時点で製造後25年経過している必要があり、25年経過しているということはEPAの21年ルールも自然と経過しているからだ。 先述の “Show or Display” の場合、たとえ製造後25年経過していなくても、EPAの21年ルールは適用されるので要注意。 ■まとめ:「25年ルール」に関わる旧車バブルによる弊害とは? 「25年ルール」に関わる旧車バブルによって、映画やゲーム、漫画でかつて憧れた90年代スポーツカーは今後も高騰が続くだろう。 比例して旧車の盗難もますます増えていくと思われる。 しかし、だからといって健全な方法で「憧れの日本車」を手に入れたアメリカのクルマ好きをバッシングして良い理由にはならない。 ここ最近の価格高騰、そして多発する盗難事件の責任をそれらアメリカ人になすりつけるような批判がよく見られるのは、とても悲しいことだと筆者は思う。 [ライター・カメラ/加藤ヒロト]
日本は治安がよいとはいえ、車が盗まれることもあります。盗難車は犯人から乱暴に扱われることが多いため、事故に発展する確率も高いでしょう。この記事では、盗難車が事故を起こしたときは、誰が損害賠償請求されるのかについて解説します。所有者が責任を問われるケースや、被害者への補償についても解説するので、ぜひ参考にしてください。 盗難車が事故を起こしたときは誰が損害賠償請求される? 盗難車が事故を起こしたときは、基本的に車を盗んだ犯人が損害賠償請求されます。2017年1月に川崎市内で起こった盗難車の事故では、車の所有者は責任を問われていません。しかし車を盗まれた所有者は、100%責任を問われないわけではないため注意が必要です。 盗難車が事故を起こしたときに管理責任を問われるケース 車の管理が適切でなく簡単に盗まれる状況だった場合は、所有者にも落ち度があるため、損害賠償請求される可能性もあります。続いて、車を盗まれた所有者が管理責任を問われるケースを紹介します。 例①エンジンやキーをつけっぱなしにして長時間離れる エンジンやキーをつけっぱなしにして車から長時間離れていた場合は、管理責任を問われ損害賠償請求される可能性があります。これは、エンジンやキーをつけっぱなしにして車から長時間離れるという盗まれやすい状況を自分で作ってしまっているからです。 またドアロックをせず、誰でも安易に接触できるような場所に車を停めていた場合も、管理責任を問われます。エンジンを止めてドアを施錠し、必ずキーを持って車から離れるようにしましょう。 例②盗難されてから盗難届を出さなかった 盗難されてから盗難届を出さなかった場合も、管理責任を問われ、損害賠償請求される可能性があります。盗難届を出せば、警察が車を探してくれるため、事故を防げる可能性もあるでしょう。しかし車を盗まれたにもかかわらず、速やかに盗難届を出さなかった場合、管理責任を問われます。盗まれた場合は、盗難届を速やかに提出し、車の行方と犯人を警察に追ってもらいましょう。 犯人による被害者への補償について 所有者に賠償責任がない場合、被害者への補償は、犯人が全額負担する必要があります。しかし車を盗難する犯人は、支払い能力がないケースがほとんどです。犯人に支払い能力がない場合、政府補償事業から被害者に対して自賠責保険の支払い基準をもとに、てん補金が支払われます。政府補償事業とは、盗難車や無保険車による事故に遭い、自賠責共済から保険金を受け取れなくて困っている被害者を救うための制度です。 しかし自賠責保険は、人が死傷したときに支払われる保険金のため、車の修理費用は補償されません。支払い能力がない相手と事故に遭った場合、車両保険に入っていると、車の修理費用も補償されるので安心です。さらに自賠責共済から支払われる保険金では足りない場合、被害者は自分が加入している自動車保険の人身傷害保険を使えます。人身傷害保険は、使っても等級に影響しないため、保険料が上がることを気にせず利用できます。被害者は、自分の人身傷害保険で不足分を賄えることも、把握しておきましょう。 所有者による被害者への補償について 所有者にも損害賠償責任がある場合は、契約している自賠責保険や自動車保険の対人賠償保険で補償できます。また盗難車が他人の家や車、電柱などに衝突した場合は、対物賠償保険で補償されます。対人賠償保険や対物賠償保険の保険金は、無制限で加入している人が多いですが、限度額が設定されている可能性もあるため、再度補償内容を確認しましょう。
さまざまな技術により、クルマは日々進化してきました。ハイブリッドやBEV(電気自動車)といった電動化ばかりに目を奪われがちですが、ディーゼルエンジンも目覚ましい進歩を遂げています。 中でも、日本ではややダーティなディーゼルエンジンのイメージを大きく変えた技術が、「尿素SCR」。どうしても電動化ばかりが注目されている時代だからこそ、ディーゼルエンジンの環境と快適性向上に欠かせない尿素SCRについてご紹介していきます。 規制により導入した尿素SCR 尿素SCRとは「Selectiv Catalytic Reduction」の略称でディーゼル車の排気ガスをクリーンにし、大気汚染を抑制するシステムのこと。 元々は火力発電所の排気ガス処理として使用されており、自動車での実用化例はありませんでしたが、2004年に日産ディーゼル工業(現在のUDトラックス)が世界で初めて実用化に成功しました。 それでは、そんな尿素SCRを導入するきっかけとなった法律と、機能について説明していきます。 ディーゼルエンジンを対象とした排気ガス規制 ディーゼルエンジンはトルクが太く燃費が良い反面、排気ガスにNOx(窒素酸化物)やPM(粒子上物質)、HC(炭化水素)といった有害物質が多く、長年問題視されていました。そこで平成17年10月に日本国内で販売されるディーゼル自動車には、平成17年排出ガス規制(新長期規制)という規制が適用されることになります。 規制内容は従来の排気ガス規制値(新短期規制値)と比較して、乗用車ではNOxとHCを55%削減。トラック、バスではPMを85%、NOxを40%、炭化水素を80%削減することが義務付けられ、当時は世界一厳しい排気ガス規制と言われていました。 尿素SCRの仕組み 尿素SCRは排気ガス中のNOxを浄化する技術で、NH3(アンモニア)とNOxを化学反応させることにより、H2(窒素)とH2O(水)に変化させ、NOxを低減させるという原理です。 しかし、アンモニアをそのまま車両に搭載するのは危険なため、「AdBlue」という尿素SCRシステム専用の高品位尿素水を、車両の専用タンクに入れて搭載します。これを直接排気中に噴射することにより、高温な排気ガスにより尿素水が加水分解されることでアンモニアガスを得ることができ、アンモニアを使用した火力発電所等のシステムと同じ機能を得ることができるのです。 規制をクリアした国産乗用車 マツダが2012年に発売したCX-5を筆頭に、クリーンディーゼルと呼ばれるディーゼルエンジンを搭載した乗用車の普及が始まりました。世界で見ると数え切れないほどのラインナップがあるので、今回は国産車の一部を紹介します。 トヨタ ランドクルーザー 車両重量が重たい本格SUVだけに、それなりのエンジン出力も必要なため、ガソリンエンジンではどうしても燃費が悪くなってしまうことがネックだったランドクルーザー。尿素SCRによりディーゼルエンジンを搭載できるようになり、ファン待望の1台となりました。 マツダ・CX-5 クリーンディーゼルの火付け役となったCX-5。「SKYACTIVE-D」というマツダ独自のクリーンディーゼルシステムを採用しており、尿素SCRやNOx触媒といった高価なパーツは使用していません。その分車両価格を安くすることができ、低価格のクリーンディーゼル車として人気となりました。 もう一つのNOx削減システム NOxを削減する装置は、尿素SCRのほか、NOx吸蔵触媒というものもあります。これはエンジンから発生するNOxを排気中に触媒で捕捉し、排気ガスをクリーンにするシステムです。 触媒内にNOxが蓄積されたと車両が判断した場合、エンジンの燃焼行程で燃料を多く噴射。燃料を触媒まで送ることで、蓄積されたNOxを燃焼することにより浄化します。 こちらのメリットは、尿素SCRと比べると、AdBlue専用タンクや噴射システムが不要な分、大幅にコストダウンができることです。 しかし、デメリットが2つあり、1つ目はNOx浄化率が低く、尿素SCRがNOx浄化率99%に対して、NOx吸蔵触媒は80~90%とあまり高くありません。理論上は全て浄化できると言われていましたが、浄化の際に様々な条件があるため、実際にすべてというのは不可能なのです。 2つ目は低燃費車を作るのが難しいということ。NOxを浄化する際に、車両を走行させる燃料に加えNOxを浄化する為の燃料を噴射するので、その分燃費は悪くなります。 まとめ クリーンディーゼルが普及するまで、日本でのディーゼルに対するイメージは「うるさい」「汚い」「重い」というネガティブなものばかり。しかし、尿素SCRの実用化に成功したことで排気ガスがクリーンになり、ディーゼルエンジンのイメージは大きく変わりました。 このシステムを実用化したことにより、国内・国外メーカーでは多くのディーゼル車を開発し、世界中で活躍しています。世界が電動化や水素に舵を切りつつあるものの、これまでディーゼルエンジンには、ガソリンエンジン以上にその時代の最新技術が投入されてきました。 乗用車だけでなく、バスやトラック、さらには鉄道や船舶まで、ディーゼルエンジンはまさに世界の産業と人々の生活を支える縁の下の力持ち。そんなディーゼルエンジンの歴史や最新技術を改めて調べてみると、クルマに関するさらに深い知識を得ることができるのです。
トヨタ最強エンジンとも称される2JZ型エンジン。しかし、前身となる1JZ型エンジンの開発成功がなければ続く2JZは生まれませんでした。排気量を2.5Lに抑えながらも、自主規制上限の280psを発生し、最高のパフォーマンスを叩き出した1JZ型エンジンの魅力に迫ります。 名機の後継機として開発された1JZもまた名機 JZ系エンジンの初代となる1JZエンジンは、30年近く製造されてきたトヨタを代表するエンジン、M型の後継機として開発されました。排ガス規制や税制上の理由から2.5Lというサイズダウンを余儀なくされた開発となるものの、トヨタの高い技術力によって名機M型エンジンをしのぐパフォーマンスを発揮します。 名機M型エンジンを受けて開発された 1JZの前身となるM型エンジンは、1965年から1993年の28年間もの長期に渡って製造されたトヨタ屈指のハイパワーエンジンです。クラウンはもちろん、セリカXXやソアラ、そして2000GTといったスポーツモデルにも搭載された名機と呼ばれるエンジンでした。 しかし、M型エンジンの基本設計から既に30年近くが経過していたことと、税制区分の変更で2.5Lエンジンが税制上有利になることから新型エンジンへの移行が決定されます。 そこで登場したのが、JZ系エンジンとなる1JZエンジンです。2.5LというM型エンジンより500cc小型ながら、後継機としてM型エンジン以上のパフォーマンスを求めて開発されました。 直列6気筒というトヨタのハイパワーエンジンの系譜をそのまま受け継ぎ、M型エンジンの正当な後継機が1JZエンジンです。 JZ系エンジンの地位を確立した1JZ-GTE JZ系エンジンの基本形は、2.5L直列6気筒の1JZ-GE型自然吸気エンジンで、自然吸気ながら180psを発生するハイパワーエンジンでした。しかし、1JZエンジンの地位を確立したのはツインターボを搭載した1JZ-GTE型エンジン。ヤマハ発動機と共に開発された1JZ-GTE は、2.5Lという小排気量でありながら、当時の自主規制いっぱいとなる280psを発生しました。 そして、1JZ-GTEエンジンの人気に火をつけたのが90型マークII3兄弟であるツアラーVの登場です。4ATしか用意されていなかった80型と異なり、5MTが用意されたツアラーVは、1JZエンジンのポテンシャルを十分に引き出し、スポーツサルーンの代表格となりました。 今も支持される1JZエンジンの魅力 ツインターボによる爆発的な加速力が魅力の第1世代、トルクフルで扱いやすかった第2世代。2世代開発された1JZは、どちらの世代も甲乙つけがたい秀逸なエンジンだったことは間違いありません。また、堅牢で信頼性が高かったことも多くの車好きやチューナーから支持を集めた要因です。 世代によって異なる1JZの性格 1JZエンジンは、可変バルブタイミング機構の有無によって2世代に分かれています。可変バルブタイミング機構が採用された第2世代では、ベースとなる1JZ-GEの出力は200psにまで高められました。 しかし、第2世代最大の特徴はパワーではなくトルクです。とくにターボ仕様の1JZ-GTEでは、トルク特性が大きく変更されました。第1世代のトルクは37.0kg・mを4,800回転で発生していたのに対し、第2世代では38.5kg・mをわずか2,400回転で発生。ターボもツインターボからシングルタービンに変更され、低速域から扱いやすいマイルドな性格のエンジンになりました。 レスポンスが良くターボラグが少ない 1JZエンジンは、トヨタが高い技術力をアピールするために掲げたLASRE(Light-weight Advanced Super Response Engine)として開発されます。軽量コンパクトに設計する一方で、3.0LエンジンだったM型エンジンのパフォーマンス以上のパワーが求められました。 燃焼室形状の変更やバルブ径の拡大、ショートストローク化によってエンジンの高さを抑えることに成功。しかも、ショートストローク化したことで高回転までスムーズに吹け上がる理想的なエンジンに仕上がりました。 さらに、ターボ仕様となる1JZ-GTE型には軽量なセラミックタービンを採用。ターボラグは当時としては最先端といえるほどの水準で、もともと吹け上がりのいいエンジン素性とあわせて抜群のアクセルレスポンスを発揮しました。特に第1世代となるツインターボモデルでは、過給のかかる4,000回転以上で爆発的な加速力を見せます。 チューニングベースとして堅牢な1JZ-GTE 1JZエンジンは、エンジンブロック部分にブロック骨格を採用するなど、もともと剛性の高いエンジンです。さらに、ターボ化にともなって鍛造のアルミ合金製のピストンを採用し、冷却性と耐熱性を大幅に向上。シャフトセンターがブレにくいフルカウンタークランク、耐久性の高いメタルガスケットなど、1JZ-GTEはエンジン自体の基本設計がしっかりしていました。 第1世代、第2世代ともに自主規制によって280psに抑えられていますが、吸排気チューニングやタービン交換でエンジン内部に手を入れることなく400psオーバーを狙うことも可能です。 現在のトヨタハイパワーエンジンにつながる存在 1JZエンジンの成功は、排気量アップモデルとなった2JZ型エンジンや、現在のGR型エンジンの開発へとつながっていきます。M型エンジンからはじまったトヨタのハイパワー直6エンジンは、1JZによって不動の地位を確立しました。 また、1JZエンジンは排気音も大きな魅力の1つ。低回転からスムーズに立ち上がり、独特の高音をともなった咆哮がドライバーの耳に心地よく届きます。欧州の高級スポーツカーに引けをとらないエグゾーストノートは、当時のみならず今もファンを魅了するサウンドです。
カーナビゲーションは、日本全国を迷わず運転するために必須です。今回は、車を購入した後でも装着できるポータブルナビ(外付けナビ)とは、どのようなナビゲーションなのか解説します。また、ポータブルナビの選び方やおすすめ機種も紹介します。ポータブルナビ(外付けナビ)を検討中の方はナビ選びの参考にしてみてください。 そもそもポータブルナビ(外付けナビ)とは ポータブルナビとは、取り付けや取り外しが簡単で、持ち運びができるナビゲーションです。車に取り付ける場合には、ダッシュボード上に設置するのが一般的です。 ナビゲーションの性能や機能は、メーカーや機種によって異なります。モニターのサイズは、コンパクトな5インチや標準的な大きさの7インチがほとんどです。中には、大画面で視認性や操作性に優れ、テレビや映像コンテンツを楽しめる9インチもあります。 ポータブルナビ(外付けナビ)のメリット ポータブルナビのメリットは、車を購入した後でも取り付けられることです。車の内装に埋め込むタイプの一般的なナビゲーションの場合は、車の電装品を作動させる配線から電源をとります。一方、ポータブルナビの場合は、シガーソケットから電源をとるタイプがほとんどであるため、内装を剥がして配線する必要がありません。 また、簡単に持ち運びできることもメリットでしょう。さらに、車を乗り換えても、今まで使っていたナビゲーションをそのまま使用できます。加えて、メーカーナビやディーラーナビよりもポータブルナビの方が値段が安いこともユーザーにとっては嬉しいポイントといえるでしょう。 ポータブルナビ(外付けナビ)の注意点 ポータブルナビは、車のダッシュボード上に設置することがほとんどです。ただし、ポータブルナビを設置する際には、前方の視界を妨げない位置に取り付け、エアバッグの作動を妨げないようにしなければなりません。つまり、保安基準に適合する(車検に合格する)ようにしなければならないということです。ポータブルナビの取り付け方が不安な場合は、カー用品店や整備工場などでアドバイスを受けながら取り付けましょう。 また、ポータブルナビは車のバック(Rギア)と連動していないタイプがほとんどです。そのため、基本的にはポータブルナビの画面をバックモニターとして利用できません。ただし、ポータブルナビの中には、バックカメラに対応している機種もあることから、用途や目的、欲しい機能に応じて機種を選ぶことが大切と言えます。 ポータブルナビ(外付けナビ)の選び方 ポータブルナビを選ぶときは、液晶モニターのサイズやナビゲーションの精度・機能などに着目しなければなりません。ここからは、ポータブルナビを選ぶときに注目すべきポイントを6つ紹介します。 液晶サイズ ナビゲーションの視認性にも影響する液晶モニターのサイズは、ポータブルナビを選ぶときに注目すべきポイントです。 主流のサイズは、コンパクトな5インチと標準的な7インチの2サイズとなっています。機種によっては、大画面で視認性や操作性に優れる9インチを用意しているモデルもあります。 液晶モニターのサイズは、ナビゲーションの利用がメインであれば5インチ、機能が豊富で視界を妨げにくいサイズがよいのであれば7インチ、ナビゲーション以外のエンタメ(テレビや映像コンテンツなど)も楽しみたい場合には9インチがよいでしょう。 精度 自車の位置をモニターに表示するナビゲーションの精度は重要なポイントです。 衛星電波による自車位置の検出は、GPSだけでなく、「みちびき」や「グロナス」など複数の衛星電波を受信できるタイプがよいでしょう。また、ジャイロセンサーや加速度(車速)センサーなどが搭載されていると、トンネルや地下などでも自車の位置を計測することができます。 ポータブルナビを選ぶときは、自車位置を検出する衛星電波だけでなく、速度や傾斜などを検知する機能を搭載している機種がおすすめです。 表示する情報量 ポータブルナビに表示される情報量は、多いものを選ぶとよいでしょう。 ナビ画面に表示されるのは道だけではありません。駅やコンビニ、目印となる建物など、さまざまな情報が表示されます。 ナビゲーションを使って目的地へ向かうときは、駅や目印となる建物が表示されるタイプの方が道に迷う心配が少なくなります。また、コンビニやファミレス、コインパーキング(駐車場)なども表示されるポータブルナビであれば、より使い勝手がよいでしょう。 地図デザイン 地図のデザインは、交差点や分岐の拡大表示機能があるタイプがおすすめです。 交差点では、信号機の横の交差点名標識も運転する際の重要な情報となります。そのため、交差点名標識が表示されるポータブルナビの方が、運転中に道を間違うことが少なくなるでしょう。また、高速道路を走行する際には、分岐や出口の拡大表示機能があると、道間違いを減らすことができます。 ポータブルナビの地図デザインをチェックするときは、交差点名標識の表示や分岐・出口の拡大表示があるかどうか確認しておきましょう。 地図更新の可否 地図更新ができるかどうかチェックしておくのも大切なポイントです。 最新の情報をナビ画面に表示したい場合や初めての場所に行くことが多い場合には、地図更新がされるタイプがよいと言えます。一方、ナビの本体価格重視で、おおよその道が分かれば問題ないという場合には地図更新がないタイプでもよいでしょう。 ワンセグのような付加機能の有無 ポータブルナビでも、フルセグやワンセグなどのテレビ、Bluetooth対応の機種があります。車内でエンタメを楽しみながらドライブをしたい場合には、付加機能が装備されているポータブルナビがおすすめです。 また、最近はドライブレコーダー付きのポータブルナビもあります。万が一のときの記録も同時にしておきたい方は、ドラレコ付ポータブルナビがおすすめです。 ポータブルナビ(外付けナビ)が向いている人 ポータブルナビが向いているのは、レンタカーやカーシェア、社用車など車の乗り換えが頻繁にある人におすすめです。 ポータブルナビは、シガーソケットに差し込むだけで電源をとることができ、ナビ本体の脱着も容易なことが特徴となっています。また、メーカーナビやディーラーオプションのナビよりも価格が安いため、手軽にナビを手に入れたいという方にもおすすめです。 ポータブルナビ(外付けナビ)が向いていない人 ポータブルナビが向いていない人は、ダッシュボード上にモニターを置きたくない方や配線を剥き出しにしなくない方など、車のインテリアに後付けパーツを取り付けたくない方です。 また、ポータブルナビは、ステアリングスイッチやバックモニターなど、車に装備されている機能と連動しないことがあります。そのため、車に装備されている機能を利用したい場合には、埋め込みタイプとなるメーカーナビやディーラーナビの方がよいでしょう。 おすすめのポータブルナビ(外付けナビ)3選 外付けのポータブルナビは、さまざまなメーカーから複数の機種が販売されています。しかし、機種が多すぎることから、どのポータブルナビがよいのか悩んでしまうこともあるでしょう。 ここからは、おすすめのポータブルナビを3機種を簡単に紹介します。ポータブルナビを検討中の方は参考にしてみてください。 Gorilla SSDポータブルカーナビゲーションCN-G1500VD パナソニックのゴリラ(Gorilla)CN-G1500VDは、7V型ワイドVGAモニターのポータブルナビゲーションです。 ナビゲーションの主な機能には、無料の全地図更新・無料の部分地図更新(いずれも2024年7月31日まで)、Gジャイロ、グロナス・みちびき・GPSのトリプル衛星受信、ワンセグ、音楽・MP4動画再生などがあります。また、オプションでリアビューカメラ接続に対応しているのも特徴です。 ゴリラCN-G1500VDは、無料の地図更新や精度の高い自車位置検知などの機能が充実しているポータブルナビといえるでしょう。 ポータブルカーナビゲーション MOGGY YPB746 ユピテルのMOGGY YPB746は、機能が充実している7インチモニターのポータブルナビゲーションです。 ナビゲーションの主な機能には、ワンセグ、「一方通行進入禁止案内」や「交差点対向車注意案内」といった安全運転アシスト機能、観光ガイドなどがあります。 ユピテル MOGGY YPB746は、うっかりやってしまう交通違反を抑止する機能が充実していることから、初めて走る道や運転に慣れていない方でも安心なポータブルナビといえるでしょう。 Gorilla SSDポータブルカーナビゲーションCN-G540D パナソニックのゴリラ(Gorilla)CN-G540Dは、ゴリラシリーズのスタンダードモデルで、5V型モニターのポータブルナビゲーションとなっています。 ナビゲーションの主な機能には、Gジャイロ、グロナス・みちびき・GPSのトリプル衛星受信、ワンセグ、音楽・MP4動画再生などがあります。ゴリラCN-G540Dには、上級モデルと同じような機能が搭載されているのが特徴です。ただし、地図更新は有償での対応となります。また、リアビューカメラ接続に対応していません。 ナビゲーション機能をメインに利用するのであれば、ゴリラCN-G540Dで問題ないでしょう。
旧車好きの間では、近年のクルマに採用されているインジェクションによる燃料噴射システムではなく、キャブレターの方が好まれます。キャブレターとは、電子制御の燃料噴射装置が登場する以前に採用されていた燃料噴射方式のことです。 見かたによっては、時代遅れとも言えるキャブレターがなぜ旧車好きから愛されているのか?その仕組みや長所、短所を改めてご紹介します。 キャブレターの仕組み キャブレターは電気を使わず、エンジンの負圧を利用して燃料を噴射します。 キャブレターの中にベンチュリーという吸入空気の道を絞った場所を設け、吸入空気の流速を上げることにより負圧を発生。ベンチュリーの中にあるジェットから燃料が吸い出され、霧状になります。 燃料を霧状にするのは、気化を促進して空気と混ざりやすくするため。空気と燃料が混ざった“混合気”は、そのインテークマニホールドを通ってエンジンの吸気側へと送られ、燃焼室に入ります。 性能特性に大きく影響する「ジェット」とは ここでは、クルマのエンジンに使用される一般的なキャブレターについて、もう少し深く解説します。 キャブレターとエンジンの性能特性を左右するのが“ジェット”です。燃料を霧状にするジェットは、「メインジェット」「スロージェット」「ニードルジェット」の3種類。アイドリング時(アクセル全閉時)はスロージェット、アクセル全開時はメインジェット、全閉と全開の中間時はメインジェットに刺さっているニードルジェットが燃料噴射量をコントロールしています。 メインジェットとスロージェットは、穴の大きさによって燃料噴射量が変化。メインジェットに刺さっているニードルジェットは、アクセル開度に応じてニードルジェットが持ち上げられ、メインジェットの穴の隙間が広がり燃料の噴射量が変化します。 一度知ったら病みつき!?「キャブ車」にしかない独特なフィーリング キャブレターの大きな特徴の一つが、インジェクションには無い吸気音です。キャブ車はアクセルオフにした際、キャブ車は独特な“シュッツ”という音がします。その音はノーマル状態でも耳を済ませば聞こえ、チューニングしていればさらに良く聞こえてきます。 そしてもう一つの特徴が、機械を操作していると実感できるダイレクト感です。キャブ車の場合、アクセルペダルの操作でバルブが開いて空気が流入し、そこにガゾリンが噴射されてエンジンに到達。そして、圧縮された混合気が一気に膨張(爆発)し、パワーが出るという一連の流れをダイレクトに感じることができます。 エンジンが空気を吸っている機械的な音や、ダイレクトで気持ち良いスロットルレスポンスこそ、キャブレターが好まれる理由です。 機械を操作していると実感できるダイレクト感 インジェクションでも一部のスポーツカーには、スロットルレスポンスが良いものもあります。しかし、電子制御である以上、ドライバーの意志が届かない領域でコンピューターの制御が入り、それが違和感やダイレクト感が希薄になる要因です。 また、キャブレターは物理的なジェット交換やスクリューを調整することでチューニングします。画面上の数値でしか確認できない電子制御インジェクションに比べシンプル。もちろん、最高のコンディションにチューニングするためには相応の経験と知識は必要ですが、目に見えるものを交換、または調整するというシンプルなチューニングも、キャブレターならではの魅力なのです。 キャブレターのデメリット 独特のダイレクト感でインジェクションには無い魅力を持つキャブ車ですが、インジェクションと比べるとデメリットもあります。一番大きなデメリットは、外気温度や標高などでエンジンの調子が変化することです。 エンジンに大切な三要素のひとつである“混合気”は、燃料の量と空気中の空気量(酸素密度)で決まります。インジェクションであれば、空燃比センサーを使ってリアルタイムに検知することで燃料の噴射量を調整し、酸素濃度の変化に対応できます。しかし、キャブ車の場合は空気の流速で燃料を噴射するため、酸素密度が変化しても同じ量の燃料を噴射します。 つまり、気温の変化や標高の変化で酸素密度が変わっても、同じ量の燃料を噴射することになり空燃比が変化。エンジンにとって大切な“混合気”の空燃比が変わってしまうことで、朝一などでエンジンが掛かりにくいと言ったような症状の原因になることもあります。 暑い日も寒い日も旅行先の高地でも、常に気兼ねなくエンジンをかけ走ることを優先にした場合、やはりキャブレターよりもインジェクションの方が圧倒的に有利です。 時代の流れに乗ることができなかった「キャブ車」 現在クルマに対する考えは、「排気ガスをクリーンにし、地球の環境を守ること」「自動車の燃費性能を向上させること」「気温や高度に関係なくスムーズに運転ができること」などです。 各自動車メーカーは日々研究や開発を進め、排気ガスはクリーンで燃費が良く、いつでも快適に使えるクルマが販売されています。 また、近年は昭和や平成初期に比べかなり車好きが減っていることもあり、燃費は購入するときの重要な検討材料という方がほとんど。そんな今の時代には、セッティングや乗り味、スロットルレスポンスを楽しむキャブ車より、燃費が良くいつでも快適な電子制御インジェクションの方が喜ばれるのは当然です。 自動車メーカーにとっても、性能が出しやすく万人に好まれるインジェクターに移行するのは当たり前で、2003年の三菱 リベロカーゴを最後に、キャブレターを持つ新型車は消えていきました。 まとめ 日本でも2035年には、内燃機関を備えた自動車の新車販売が禁止される可能性が濃厚になってきました。今後の自動車開発は、インジェクションどころか、BEV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド)などの電動車がメインになるのは確実です。 そうなると、ガゾリンエンジンを搭載しているクルマの価格は、今以上に高騰することが十分考えられます。当然、年式が古くなったキャブ車はさらなる高騰が考えられるため、キャブ車の購入を考えているなら、早めに購入することをおすすめします。 しかし、前述したように、キャブレターは気温や標高など、さまざまな条件に合わせたチューニングが欠かせません。 本気で購入を考えているのなら、キャブレターについて学び自分でメンテナンスをしながら乗るか、キャブ車に強いショップで相談しつつ、できれば現車確認はショップの方に同行してもらうのが良いでしょう。
毎年1年分をまとめて支払う自動車税ですが、廃車を行った場合はどういった扱いになるのでしょうか。新しい車を購入したのに重複して支払うのだろうかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。今回は廃車時の自動車税と還付や手続きについて解説します。車の廃車や乗り換えを考えている方は参考にしてください。 廃車にすると自動車税の一部が戻ってくる 自動車税は、12ヶ月分を一括で前払いする仕組みのため、年度途中で廃車登録すると一部が還付されます。ただし、下取りや買取に出した場合は廃車に該当しないため、基本的に自動車税の還付はありません。 例外として車検の有効期限が間近な場合に業者が廃車登録手続きを行うことはありますが、還付金相当額を下取りや買取代金に差額計上するのが通例です。また、廃車登録を3月に行った場合は還付金は発生しません。 廃車時の自動車税の還付を受ける方法 廃車時の自動車税の還付を受けるためにはどういった手続きが必要で、受け取れる時期はいつ頃になるのでしょうか。廃車時の自動車税の還付を受ける方法を解説します。 手続きは不要 自動車税の還付には手続きは不要です。廃車登録を行った時点で自動的に手続きが進められるため、申請等は必要ありません。ただし、一部の地方自治体によっては別途書類が必要になる場合もあるため、事前に業者や自動車税事務所に確認しておきましょう。 受け取る時期は1~3ケ月後 自動車税の一部が還付されるのは、廃車登録の手続きから通常1〜3ケ月後が目安とされています。還付金の受け取りに口座振込みを希望して記載内容に不備があった場合は、さらに時間がかかるので注意が必要です。 廃車時の自動車税の還付金額 廃車時の自動車税の還付金額は、自動車の総排気量による自動車税額を基準に月割計算されます。廃車登録手続きの翌月から3月までの期間が対象となり、廃車のタイミングによっては1ヶ月分の還付金額が前後する可能性もあります。 廃車時の自動車税の還付に関する注意点 自動車税の還付金額は廃車のタイミングによって異なります。円滑な手続きができるように、廃車時の自動車税の還付に関する注意点を解説していきますので参考にしてください。 月をまたがないようにする 自動車税は月割課税です。廃車時の還付額についても廃車登録された翌月が起算月となります。排気量の大きな車ほど月割の金額も大きくなりますので、可能な限り月をまたがないように廃車手続きを行いましょう。業者に依頼するときは、月内に手続きが完了するかを事前に確認しておくことをおすすめします。 3月は混雑するから避けた方が良い 3月は1年の中で自動車販売数が最も多い月です。それに比例して自動車の名義変更や廃車等の手続きが増加するため、業者や陸運支局の登録窓口も混雑することで廃車登録が4月に持ち越す可能性もあります。4月1日は課税基準日となるため、還付金額が減少してしまわないよう早めの対応が必要です。 自賠責保険の還付には手続きが必要 廃車すると自動車税以外にも自賠責保険も還付対象となります。自動車税は廃車登録が完了すれば特別な手続きなしで還付を受けられます。しかし、自賠責保険については廃車時の登録事項等証明書や本人確認証を持参もしくは郵送しての還付手続きが必要です。廃車を依頼した業者が代行してくれる場合もあるため事前に確認しておきましょう。 軽自動車の場合は還付されない 月割課税の自動車税とは異なり、軽自動車税は年税のために年度途中で廃車しても月割の還付はありません。自賠責保険と解体返納(永久抹消登録)による廃車の場合は重量税も還付されます。自動車検査証返納(一時使用中止)の場合に重量税は還付されないため注意が必要です。 廃車したのに自動車税を請求された時の対処法 廃車したのに自動車税納税通知書が届いたときは、廃車登録の登録事項等証明書が手もとにあれば登録の日付を確認しましょう。ない場合は廃車を依頼した業者に確認して廃車の登録日を把握することが重要です。3月31日時点で抹消登録が完了していれば課税対象外となるため、自動車税事務所に相談しましょう。 廃車を依頼するときに廃車登録時の登録事項等証明書を郵送か手渡しでもらえるように話しておくとトラブルを回避できます。また、自動車税の課税は4月1日現在の所有者が対象となるため、それまでに業者に抹消登録するように依頼しましょう。また、廃車解体で永久抹消登録よりも先行して解体が実施された場合は、使用済自動車引取証明書があれば解体した日にさかのぼって永久抹消登録できる可能性もあるため、自動車税事務所に相談しましょう。
今ではドリ車や走り屋のベース車として認識されている日産 S13型シルビアですが、当時デートカーとして人気だったホンダ プレリュードに対抗して開発されたスペシャリティカーでした。そんなS13型シルビアが、なぜ今も絶大な人気を誇っているのか、そして現在の中古車市場相場はどのようになっているのか見ていきましょう。 スペシャリティカーとして開発された日産 S13型シルビア S13型はシルビアとして5代目にあたり、S12の後継として1988年5月~1993年までの5年間に発売されました。このモデルからボディタイプは2ドアクーペのみで、3ドアハッチバックは「180SX」として発売されます。 今ではすっかり小型FRスポーツの代表的なモデルとして、走り屋やドリフトのベース車という認識が広まっていますが、開発当初のコンセプトはあくまでスペシャリティカー。走りを楽しむスポーツカーではなく、あくまで雰囲気を楽しむデートカーだったのです。 そのため、ライバルのホンダ プレリュードやトヨタセリカに対抗するため、当初はFF(前輪駆動)も検討されていました。しかし、当時流行だった「低いボンネットを持った美しいクーペボディ」を実現させるためFRが採用されます。 走り好きのユーザーが歓喜する小型FRスポーツのS13型シルビアは、デザインを優先したがために誕生した“偶然の産物”とも言えるのです。 流れるようなボディラインと質感の高いインテリア FRにすることにより、低いボンネットを実現したS13型シルビアは、ボディやインテリアのデザインの良さで若い男性だけでなく女性の人気も獲得。その外観デザインはCMや広告で「アートフォース・シルビア」と表現し、1988年10月にはグッドデザイン大賞を受賞するほどの美しさでした。 その結果、ライバルであったプレリュードを超える国内販売台数30万台を達成。さらに、当初はデザインの美しさで高く評価されたS13型シルビアは、小型FRスポーツカーとしても大人気な車種となっていくのです。 入門用スポーツカーとして最適なパッケージング S13シルビアのグレードは、J’s、Q’s・K’sの3種類。前期のJ’s、Q’sに135馬力を発生する1.8LのNAエンジン(CA18DE型)。K’sには、同じく1.8Lでありながら175馬力を発生するターボエンジン(CA18DET型)を搭載しています。 1991年のマイナーチェンジ後は、排気量を2.0Lに拡大したSR型エンジンに変更され、J’s、Q’sに搭載されたNAのSR20DE型は140馬力を発生。対してK’sには、205馬力を発生するターボエンジン(SR20DET型)が採用されました。 走り好きから好まれたのは、スペック的にも格上の後期。やや高回転型で「ドッカンターボ」と言われたCA18DETに比べ、下からトルクが出るSR20DETが好まれるのは当然と言えば当然です。 多くの車種がFRからFFとなり、比較手の出しやすい価格の入門用スポーツカーが少なくなりつつあった90年代から2000年初頭。FR+ターボエンジンというパッケージングは、走り好きの若者から多くの支持を集め、S14型にフルモデルチェンジした後でも、S13型は中古車市場で一定の人気を維持し続けました。 S13型シルビアを売るなら?買うなら? そんなS13型シルビアは、筆者が自動車整備の専門学校生だった20年前、高くても100万円も出せばそこそこ程度の良い(と言ってもあくまで走ることが目的)中古車を買うことができました。しかし、現在S13型シルビアの中古車相場は、高値安定と言わざるを得ない状況です。 大手中古車販売サイトで現在流通している中古車市場を見てみると、掲載数は少なく改造されている車体がほとんどで、走行距離や年式、グレード関係なく大体「200万円~350万円」程度(2022年5月原稿執筆時)。最終モデルである1992年型K’sの新車価格が250万円ほどだったと考えると、現在の中古車相場がどれほど高いかお分かりいただけるでしょう。 次に買取ですが、旧車王で確認すると後期のQ’s クラブセレクションMT、走行距離約16万kmで「25万円」。一番高い買い取り金額は後期のK’s クラブセレクションMT、走行距離約14万kmで「200万円」となっています。 もちろんご存じのように、中古車の買取価格は、個体それぞれの程度や修復歴の有無、カスタムの程度などによって大きく変動するものです。まったく改造されておらず、走行距離が少ない個体なら400万円程度で取引されることも珍しくありません。 まとめ 発売から現在まで人気のS13型シルビアは、今買うとなると当時の新車価格並みの金額でいつ壊れるかわからない車体を買うことになります。 懐かしさからもう一度S13型シルビアを買うこと検討している方は、旧車として故障と向き合う、もしくは故障時の対応やメンテナンスを任せられるショップを見つけて購入することをおすすめします。 現在S13型シルビアを所有している方は、車体の数が少なくなってきている今、売却すると今後買いなおす機会がなくなる可能性がかなり高い状況です。廃盤となった純正部品が多く、維持するだけでも大変かもしれません。 中古パーツやリビルトパーツを使って維持していくか、それとも新しいオーナーを探すために売却するのか。S13型シルビアが高値で取引される今だからこそ、愛車との付き合い方をしっかり考えたいものですね。
「いつかはクラウン」日本国民の所得が増え、暮らしが豊かになるなかでトヨタ クラウンは国民の目標でした。クラウンは、純国産にこだわって開発された初代から現代まで、常にトヨタの持つ先進技術を投入して開発されてきました。日本の自動車産業を世界レベルに押し上げた立役者と言っても良い、クラウンの軌跡を時代背景と共に振り返ります。 日本を代表する高級車の誕生:初代~5代目 戦後わずか10年で登場した純国産車クラウン。日産でさえアメリカから技術者を呼び寄せて自動車開発をしていた時代に、トヨタは独自開発の路線を取ります。外国車に引けを取らない先進性と信頼性をもったクラウンは、日本の自動車産業に対する世界の評価を変える原動力になりました。 日本の自動車産業を切り拓いた初代クラウン 初代クラウンとなるRS型の登場は、戦後10年を迎えた1955年。初代クラウン最大の特徴は、完全な純国産車である点です。当時の自動車開発は外国メーカーとの提携でおこなわれることが多かった中、クラウンはトヨタがすべての開発をおこないました。 高度経済成長を支えた日本の自動車産業は、クラウンから始まったともいえます。初代が販売された1955年以降のわずか5年間で、現代に通じる自動車の開発体制や量産体制を整えました。続く2代目では現在のクラウンの基本である高級路線に転じ、3代目では今では一般的となった白色のボディを押し出します。(当時は公用車が多くほとんどが黒色だった) さらに、4代目では丸みを帯びたスピンドルシェイプを採用。世界的な「美しさ」や「豊かさ」を求める流れを国産車に反映させました。そして、高度経済成長を遂げる1970年代末期となる1979年には「ロイヤルサルーン」を追加。日本の経済的成長に呼応するように、クラウンの高級路線化を明確にしたモデルになりました。 惜しみなく最新の技術を投入して開発される伝統 「日本初の技術はいつもクラウンから搭載される」という自負のもと、初代では半自動ATを搭載し、2代目では完全自動ATを搭載しいずれも日本初の技術でした。 さらに、日本初ではなかったものの3代目でパワーウィンドウ、4代目ではEFI(電子制御燃料噴射装置)や後輪ESC(横滑り防止装置)を搭載するなど、当時の先進技術を投入。そして、5代目では世界初となるオーバードライブ付4速ATを投入し、日本の国産車が世界に追いつき、そして追い越したモデルとなりました。 以降、クラウンには常に先進の技術が投入される伝統が根付き、現在のモデルでもこの伝統は継承されています。 日本の経済成長を象徴するモデルに成熟:6代目〜10代目 高級セダンとしての地位を確立したクラウンは、1980年代に入り国民のステイタスシンボルともいえる存在まで地位を高めます。時代背景を敏感に読み取り、常に先進技術を投入してきた開発ポリシーは健在で、一気に現代のクルマへと進化しました。 「いつかはクラウン」のコピーでステイタスシンボルに 5代目クラウンでさらなる高級路線を打ち出したクラウンは正統に進化します。 6代目ではパワーシートやクルーズコンピューターなど豪華装備を搭載。さらにターボやDOHCというハイパワーエンジンもラインナップされ、重厚なボディをゆうゆうと走らせました。 そして、7代目で登場するコピーによってクラウンは、ステイタスシンボルに押し上げられます。「いつかはクラウン」豊かになった証としてクラウンを手にするというイメージが醸成されました。 豪華になっただけではなくバブル終焉後も意欲的に開発された 6代目以降のクラウンはバブル景気を背景に、モデルを追うごとに豪華路線をたどります。 とくに8代目クラウンでは、電子制御エアサスペンションに日本初のトラクションコントロール、マルチビジョンに、後席液晶テレビと時代を反映したハイテク装備が目白押しでした。さらに3ナンバー専用ボディを投入し、4.0LのV8エンジンを搭載。豊かさを象徴するように大型化が進みます。 その後、バブル景気は終焉を迎えますが、クラウンの開発は止まりません。1991年発売の9代目にはさらに上級グレードとなる「マジェスタ」を追加し、世界最高レベルの静粛性を実現します。 さらに10代目では、世界的に高まっていた安全性能への意識を反映したモデルに進化。国内初となる車両安定制御システム(VSC)やブレーキアシストの採用、エアバックも標準装備にします。衝突安全ボディ「GOA」と呼ばれるフルモノコックボディも採用されました。 新時代の開拓を目指して開発された:11代目〜15代目 1950年代から続くクラウンの大きな転換点となったのが11代目クラウンでした。これまでの高年齢帯から、若年層をターゲットにするべく若返りが図られます。また、高性能化の一途をたどって開発されてきた自動車業界も、安全性や環境性能を重視する方向に大きく舵を切った時代でもありました。 若年層をターゲットに大きく方向転換 21世紀に入るとクラウンは大きな転換期を迎えます。これまではステイタスシンボルとしてある程度高い年齢層からの支持が中心でしたが、若年層にもしっかりとアピールをする方向に舵を切ります。 20世紀最後のクラウンとして投入された11代目クラウンから、若年層を意識したモデルに変化し、走行性能を高めたグレード「アスリート」が投入されます。 続く12代目では「ZERO CROWN」というコピーを使い、クラウンはゴールではなくスタートであることをアピール。新型のV6エンジンにシーケンシャルシフト付きの6速AT、減衰力制御付電子制御サスペンションを搭載するなど明確に走行性能を意識していたことが分かります。原点に立ち返り、クルマ本来の走行性能を追求することで若者世代への訴求をさらに強めました。 世界がクルマに求める要求を次々に反映 21世紀に入ると安全性や環境保護への意識が高まり、クルマにさまざまな性能が求められるようになります。常に先進技術を投入してきたクラウンも、世相を反映した多くの技術が投入されました。 12代目で初導入されたハイブリッドシステムは13代目でプリウスと同様の本格的ハイブリッドシステムになり、4代目では環境性能と走行性能を両立した新開発の2.5Lハイブリッドシステムへと進化します。安全性能でも13代目には世界初となるドライバーモニター付プリクラッシュセーフティシステム、14代目ではインテリジェントクリアランスソナーを装備するなど常に先進の技術が投入されました。 そして、2018年から販売されている15代目クラウンはスポーティモデルへと舵を切ったクラウンの集大成とも言えるモデルとなります。 3.5Lハイブリッドモデルでは、システム最高出力は359psに到達。そのハイパワーを支える足回りやボディも強化されています。フロントサスペンションは、初代から14代目まで受け継がれてきたダブルウィッシュボーン式に変えて、ハイマウント式のマルチリンクサスペンション採用。ボディ剛性やステアリング剛性の強化もおこない、ハンドリング性能と乗り心地の向上が図られています。 まとめ トヨタ クラウンはトヨタにとってのみならず、日本人にとって特別なクルマです。戦後わずか10年で、しかも当時の先進技術を盛り込み、純国産で高性能車の開発に成功したトヨタの技術力とこだわりは、日本の産業が世界と戦えることを示しました。 初代発売から65年以上もの長きに渡り、常に最先端の技術を取り入れきたクラウン。つい最近発表された現行モデルの受注終了によって新モデルへの期待感が高まっています。(2022年5月現在) 次のモデルはどんな技術とコンセプトで世界を驚かせてくれるのか、今から楽しみで仕方ありません。