旧車の魅力

ついに富士スピードウェイへ!手作りの6輪F1タイレルP34を追え!Vol.4
旧車の魅力 2023.02.15

ついに富士スピードウェイへ!手作りの6輪F1タイレルP34を追え!Vol.4

■富士スピードウェイに並ぶ2台のレーシングカー 今回、タイレルが富士スピードウェイでのイベントにて展示されるとの情報を得て、現地に向かった。 メインコースで行われていたK4-GPのパドック内の特設ブースに展示されていた。 そこには、タイレルとGP 935の2台が展示されていた。 このGP 935は、なんとスズキのカプチーノをベースとしたカスタム車両であった。 展示会場となったK4-GPとは、軽自動車の耐久レースの名称である。 そのため、ベースが軽自動車であるGP 935と並んでの展示となっていた。 今回、GP 935を制作された方のお誘いによって、この富士の地でタイレルも一緒に展示する運びとなったのだった。 ■進化を続けるタイレル 前回、タイレルは76年日本グランプリでのシェクター仕様に進化をとげていたことをご報告したと思う。 今回、新アイテムと更なる機能美を備え、進化をとげていた。 新アイテムとは、ジョディ仕様のヘルメットである。 1976年に日本初のF1グランプリが開催された際、ジョディ・シェクターが被ったヘルメットデザインが再現されている。 機能としての進化点は、チェーンカバー・エアクリーナーボックスカバーの追加である。 タイレルの心臓部はスズキのバイク、ハヤブサである。 そのため、駆動系はチェーンを用いている。 今回装着されたチェーンカバーは、走行中にチェーンが破断した際、飛散防止のために取り付けられたとのこと。 今回は展示のみで、走行することはなかったが、今後走行する機会が増えることを見据えた進化であった。 筆者としては、走行する姿を目にする機会が増えることが、今から楽しみである。 安全のために用意されたカバーも、ただの無機質なモノではないところがこだわりを感じて止まない。 カバーとはいえ、曲線美を纏った形状で制作されていた。 この流線形の形状も、もちろん綿引氏の手によって、一から叩き出して生み出された唯一無二の一品なのだ。 エアクリーナーボックスカバーについては、テーマである76年シェクター仕様を彷彿とさせるデザインとなっている。 カバーをすることで、走行時に異物を吸い込んでしまうリスクを防ぐことができる。 メッシュの奥に、ファンネルが見える点が非常に心をくすぐられる。 ■タイレル制作 前進のきっかけ 製作者である綿引氏にお話を伺っていたところ、タイレル制作が大きく前進したきっかけについて、知ることができた。 昨今のコロナ禍による、外出自粛がきっかけとのことだった。 それまでは、休日はご家族と外出する機会が多かったそうだ。 しかし、緊急事態宣言の発令に伴い、外出する機会がなくなってしまった。 そこで、休日の空いた時間を利用して、工房にてタイレルの制作に勤しまれた。 今回のように、イベントを行える機会が増えたタイミングで、タイレルは多くの人々の前に姿を現したのであった! 今回の展示に際して、ご子息もご一緒に参加されていた。 ご子息もクルマが好きとのこと。 富士スピードウェイの隣にできた、富士スピードウェイホテル内「富士モータースポーツミュージアム」(https://fuji-motorsports-museum.jp/)へ親子で見学に行かれたそうだ。 タイレルのみだけでなく、家族サービスも抜かりはなかったのであった(笑)。 ■GP 935もこだわりが凄かった 今回、隣に展示されたGP935についても、気になる読者は多いだろう。 このGP 935は冒頭で触れた通り、90年代にスズキから発売されていた「カプチーノ」がベース車両となっている。 驚くべきことに、ボディサイズから普通車にはなっているが、ナンバー付きの公認車両なのである。 そのため、公道を走行することが可能となっている。 この車両は、今回K4-GPに参戦されているチームが制作している。 「きっと、プロのレーシングチームなのだろう」と、お話を伺うまでは思っていた。 しかし、チームメンバーの方々は、趣味でレースに参戦されているとのことだった。 チームとして発足してから歴史は長いが、普段は各々本業があるとのこと。 レース活動の延長線上で、GP 935を制作されたそうだ。 今回GP 935は出走車両ではなかったが、レース参戦用の車両を別に用意して挑まれていた。 そのマシンはスバル ヴィヴィオ。 旧車王ヒストリアとしては、ドンピシャな年代の車種であった。(笑) ■K4-GPとは? 今回、タイレルとGP 935が展示されたイベントのK4-GPについても触れたいと思う。 K4-GP(https://k4-gp.com/)は「軽自動車で多くの人にモータースポーツを楽しんでもらおう」という趣旨のもと、夏と冬の年2回、耐久レースが開催されている。 初心者からレース経験者まで、ともに楽しめることを目的とされている。 車両制作・改造は参加者の意思を尊重して、レギュレーションの範囲内で自由に行うことができる。 また、車両クラスも細かく設定されており、多くのカテゴリーに分かれている。 そのため、普段街で目にするクルマからレーシングカー顔負けのボディメイキングをされたマシンまで、バラエティに富んでいる。 混走する形で、出走台数127台と想像以上に多いことにも驚いた。 だが、軽自動車のみのため、コースが狭い印象はなかった。 レースと聞くと、MTのイメージがあると思う。 しかし、K4-GPではATやCVTのクラスも設けられている。 レギュレーションに合致していれば、普段乗っているクルマでの参戦も可能となる。 事実、帰宅時に高速道路で、参戦車両が自走で帰路に就いているところに遭遇した。 興味を持たれた方は、一度ホームページを覗いてみてはいかがだろうか? ■巴自動車商会/カスタムビルド&レストア WATAHIKI 店舗情報 住所:〒310-0912 茨城県水戸市見川3-528-2TEL:TEL/FAX 029-243-0133URL:http://cbr-watahiki.comお問い合わせ:http://www.cbr-watahiki.com/mail.html ●綿引氏のYouTubeチャンネル"cbrwatahiki" 「アルミのイオタ」および「タイレル P34」の製作風景も紹介されていますhttps://www.youtube.com/user/cbrwatahiki/featured ■Special Thanks! K4-GP:https://k4-gp.com/ [ライター・カメラ/お杉]

ドイツでシェアカーが拡大中!日本車に憧れを抱く若者も
旧車の魅力 2023.02.13

ドイツでシェアカーが拡大中!日本車に憧れを抱く若者も

クルマ離れ?日本車人気は衰えていない? 「若者のクルマ離れ」という言葉を耳にするようになったのは一体いつからだろうか。 かれこれ数年、いや10年以上前からいわれているのではないだろうか。 著者が初めてクルマを買ったのは今からちょうど10年前になる。 当時、周囲の友人は、免許を取ったらあれに乗ってみたい、これを買いたい……などとよくクルマの話題で盛り上がったのを覚えている。 しかし、いつかしか若者の欲しいものリストからクルマは外され、時計やブランド物のバッグなどが上位へとランクインするようになった。 現在、ヨーロッパ最大の自動車大国ドイツでは若者のクルマ離れが起きているのか? 実際にドイツで生活をしている著者が、ドイツ人のクルマに対するイメージを現地調査してみた。 ■「若者のクルマ離れ」その原因とは? 日本自動車工業会の調べによると、2000年代初頭から日本での新車販売台数は減少傾向にあるという。 車両保有率を年代別に見てみると、20代から70代のうち、2番目に低いのが20代という結果になった。 同じく20代の運転免許保有率も低下しており、これには主な理由としてクルマ自体がなくても生活できるという、公共交通機関の発達が挙げられる。 実際にクルマに対する興味が薄れているのは事実だが、「買わない」のではなく「買えない」といった所得の問題もあるのでないだろうか。 クルマは法規制が実施されるたびに装備や機能を強化する必要があり、年を追うごとに衝突安全基準の厳格化に伴う一台当たりの生産コストの上昇は避けられなくなっている。 過去にはエアバックやABSなどがオプション装備であったが、現在は標準装備となり、加えて安全機能の向上(自動ブレーキや車間距離レーダーなど)が義務付けられた。 その結果、製造の段階でコストが上がり、結果として新車の車両本体価格が年々上昇しているという現実がある。 近年では、日本の軽自動車も諸経費を含めると200万円台になることも珍しくない。 加えて、半導体不足や新車の生産遅れなどの理由から中古車も高騰しており、若者が手軽に買える値段ではなくなっているモデルも多い。 ■ドイツではクルマが必要か?それとも? ドイツで生活をしていくなかで気づいた点がいくつかある。 ドイツといえば、欧州一の経済大国、そして自動車大国として知られているが、人口や経済力や国土面積など、さまざまな部分で日本とは近い存在にあるのでないだろうか。 例えば、ドイツの総人口は約8,400万人で世界18位、国土面積は世界62位、国内総生産は世界4位、貿易量は世界3位となっている。 対して日本は、総人口約1億2,000万人で世界11位、国土面積は世界61位、国内総生産は世界3位、貿易量は世界4位となっている。 つまり、欧州一の経済大国ドイツとアジア一の経済大国日本は、ともに世界経済を牽引してきた存在だ。 また、自動車産業においても世界トップクラスを誇っていることから、多くの共通点があると考える。 著者が生活しているシュツットガルトはメルセデス・ベンツやポルシェの本拠地があり工業都市としても知られている。 ドイツで6番目に大きい街であり、大手自動車メーカーがあることなどから、他の街と比べると自動車保有率は高いとされているが、若者の自動車保有率は極めて低い。 街中では電車とバスが網羅されており、10分〜15分に一本、中心地から離れた街でも30分に一本は電車が通っている。 そのため、クルマなしで生活をするとしても不便さを感じることはあまりない。 加えて昨今のドイツでは、シェアカーが急速に拡大している。 その結果、街のいたるところで手軽に借りられるシェアカーが置いてある。 どうしてもクルマが必要な場合は、免許証さえ保有していれば、アプリで簡単にかつ安くクルマを借りることができるのだ。 実際に学校の友人や職場の同僚など、ドイツで暮らす若者に聞いたところ20代前半でマイカーを所有している人はほとんどいなかった。 ■日本車がドイツの若者の間でステータスとなっている? 結果的に、若者のクルマ離れはドイツを含めて世界的に進んでおり、若者のクルマに対する興味が薄れているのは間違いないだろう。 経済の発展とともに公共交通機関が充実し、電車やバスの利用者が増えたことにより、運賃の引き下げや割引が実施されている。 クルマを買った方が高くなってしまうという現状のなか、多くの若者が移動手段として電車やバスを選択するのはごく自然のことだ。 しかし、ドイツに住む多くの若者と会話するなかで日本車に対する憧れを時折耳にすることがある。 とある友人は、世界的に大ヒットした映画「ワイルドスピード」の影響で「NISSAN GT-R」が欲しいといい、またとある友人はランボルギーニやフェラーリと肩を並べる日本を代表するスーパーカー「HONDA NSX」に乗ってみたいといい、またとある友人は壊れにくくてゴージャスで見た目もクールな「LEXUS」を買いたいと話している。 我々日本人がドイツ車に一度は乗ってみたいと憧れを抱くのと同様に、ドイツ人も日本車に乗ってみたいと感じているようだ。 事実、日本車を愛するファンはドイツにも多く存在し、日本車専門店や日本車カスタムショップなども多数ある。 街のいたるところで定期的に日本車オフ会が開催されている。 地域によってはクルマは必需品ではなくなりつつあるが、「クルマはステータス」と考える若者や、日本車に憧れを抱くファンは今もそしてこれからも存在し続けるだろう。 [ライター/高岡ケン]  

免許返納している芸能人一覧!返納した理由もご紹介
旧車の魅力 2023.02.10

免許返納している芸能人一覧!返納した理由もご紹介

最近よく聞く「免許返納」ですが、芸能人ではどのような方が運転免許の返納をしているのでしょうか。芸能人が免許返納をしたことをきっかけに、ファンやそのほかの人たちも免許返納するようになる場合があります。ここでは、免許返納している芸能人と、その返納理由などについて紹介します。 免許返納をした芸能人一覧 調べて見ると、予想より多くの芸能人が免許の返納をしていることがわかります。免許返納した芸能人を一覧にまとめてみました。 【免許返納した芸能人一覧】・Mr.マリック・高木ブー・加藤茶・加山雄三・尾木ママ・大村崑・伊東四朗・杉良太郎・みのもんた 以下からはそれぞれの意外な理由、納得の理由について詳細に紹介します。 Mr.マリック Mr.マリックさんは、70歳の時に「高齢者の方、返納期がきてます!」というコメントとともに、免許返納したことをTwitterで報告しています。きっかけは、お孫さんがMr.マリックさんの運転を怖がったことで、自分の視野が狭くなってきており、まっすぐ走れておらず片側によっているのに気が付かされたということでした。身分証明証がなくなるのも不便になると躊躇していたとのことですが、運転免許証そっくりの「運転経歴証明書」が身分証明証として発行してもらえるのを知ったのも大きなきっかけになったとのことでした。 高木ブー 高木ブーさんは、84歳でクルマの運転を辞め自主返納をしました。きっかけは、娘さんからの「お父さんは今までずっと子どもたちを笑顔にしてきたのに、人生の終わりになって悲しませるようなことをしちゃいけないと思う」という言葉に諭されたからでした。「まだ運転できる!」という気持ちもあったものの、娘さんが言うように周りの皆さんをガッカリさせてはいけないと納得しての返納だったそうです。 加藤茶 加藤茶さんが免許返納したことが公表されたのは、妻でタレントの加藤綾菜さんがテレビ番組の中で「(2年前返納した)高木ブーさんに触発され、加藤も免許返納した」と発言されたことからでした。やはり身近な人が返納すると、自分ごとに感じるようですね。 加山雄三 加山雄三さんは、テレビ番組のなかで、2019年の82歳の時に返納したことを明かしました。返納のきっかけはなんと趣味のゲームだったそうです。若大将との二つ名を持つ、活発でアウトドアイメージの強い加山雄三さんですが、意外にもゲームも趣味で「ゲームの反応が悪くなった。あれ、何でだろう?点数が伸びない。それで反射神経とかだいぶ鈍くなったって思った。それが運転とか全部に影響すると悟った」とのことで、そこからキッパリと運転を辞めることを決断し返納したそうです。 尾木ママ 「尾木ママ」の名で親しまれている教育評論家の尾木直樹さんは、72歳で免許を返納しました。まだまだ安全運転の自信はあるものの、たびたび起こる高齢ドライバーによる悲惨な交通事故をみて自主返納を決意したとのことです。自主返納した際のコメントでは「今回、自分が免許証を自主返納することで、返納を考えていたり、ためらっている人などの後押しになればと思っています」と世間に呼びかけをされていました。 大村崑 コメディアンの大村崑氏は、20代で運転免許証を取得してから当時珍しかったメルセデスベンツを乗り継いだほど若い頃から有名なクルマ好きでした。しかし、高齢者の重大事故の増加や、都心に住んでおり車がなくても不自由しないと気がついたなどの理由から返納を考え始めたということです。また、自身の交通違反にショックを受けて、「まだまだ運転に自信はあるものの、過信はいけない」と思い返納を決断したとのことでした。 伊東四朗 伊東四朗さんは、79歳のときに免許返納しました。その理由は、ゴールドであった免許の更新時に受けた講習に納得がいかなかったとのことでした。週に2〜3回運転していて無事故でゴールド免許であるにもかかわらず、認知症検査や、運転免許センター内の基礎的な運転技術チェックが非常に苦痛だったとのことで、79歳という年齢も考えて即座に返納することにしたとのそうです。 杉良太郎 俳優の杉良太郎さんは、74歳で運転免許証を自主的に返納しました。きっかけは70歳の免許更新時に受けた高齢者講習で、運転でのさまざまな反応が遅くなっているのに気がついたからだそうです。しかし、池袋駅前の12人を巻き込む死傷事故をみて、予定を前倒しで74歳での返納を行いました。自身が返納することで話題になり「高齢者が返納について考えるきっかけになれば」とコメントされています。 みのもんた みのもんたさんは75歳で免許を返納しましたが、現在も4台の車を所有しているということです。みのもんたさんは、免許更新時の高齢者講習を受講した際に、段差乗り上げる実技講習時に、アクセルの後すぐにブレーキに踏み変えることができず、危うく衝突する寸前になったそうです。その際に自身の運転に必要な運動神経の衰えにショックを受けて、免許返納を決断されました。しかし、免許は返納したものの車好きは変わらないため、車のハンドルをときどき握ったり、運転席に座ったりするそうです。免許返納しても運転しなければ車は所有していても問題ありません。そんな車との付き合い方も素敵ですね。 芸能人が免許返納するメリット 多くの芸能人が免許返納をしていますが、どのようなメリットがあるのでしょうか。それは、人に怪我をさせない、自分が怪我をしないのはもちろんのことですが、芸能人はイメージが大切です。軽い接触事故程度でも事故を起こすと「CMに起用されなくなる」「多くの人が関係する舞台に立てなくなる」などのリスクがあります。そのため、少しでも運転技術に不安がある場合は、免許返納を検討した方がよいかもしれません。 免許返納のよくある理由 免許返納には、どのような理由があるのでしょうか。よくある理由を3つご紹介します。 高齢者の事故が起きた 高齢者が運転する車の事故を知り、「自分も事故を起こしてしまうのでは」と考え、免許返納を考える人が多いようです。また、ニュース報道を見た家族から運転をやめるようにめられ、免許返納を決断するケースもあります。 運転に自信を持てなくなった 自分の運転に自信が持てなくなった場合も免許返納を検討する方が多いでしょう。走りなれた道で車を擦ってしまった、ぶつけてしまった、車庫入れがうまくいかなくなったなどの理由で、運転に対する自信を失ったときに免許返納を検討するようです。 運転能力の衰えを感じた 信号への反応が遅くなった、歩行者の発見が遅れるようになったなどの問題が起こり、運転能力の衰えを感じて免許返納を決断するケースがあります。  

まさに「主治医」な存在。引っ越しから始まった自動車整備工場探しの日々
旧車の魅力 2023.02.10

まさに「主治医」な存在。引っ越しから始まった自動車整備工場探しの日々

当たり前をしっかりと実行してくれるお店のありがたさ! 祝、S15型シルビアお迎え23周年! というわけで先日、11度目の車検を受けてきました。 現在、メンテナンスや車検、修理でお世話になっている自動車整備工場(以下、整備工場)は、私が都内に越してきてからのお付き合いになります。 料金は良心的、スタッフは経験豊富という、願ってもないお店。 この店舗とのご縁がなかったら、S15型シルビアを維持できていなかったかもしれません。 今回は今までにお付き合いしてきた整備工場の遍歴と、そこで学んだ事柄をお話ししたいと思います。 ■実はとってもすごい、ディーラーの「おもてなし」営業 S15型シルビアは新車購入だったので、最初のかかりつけ整備工場はディーラーになります。 前愛車のS14型シルビアから10年以上、面倒をみてもらっていました。 当時はディーラーのみとのお付き合いだったので、「整備工場のサービスはディーラーレベルが基準」と思っていました。 今にして思えば、とんでもない勘違い。 連絡をせず訪れたにも関わらず、整備でも車検でも受け入れ、その場で代車まで出してくれる。 調子が悪くなればメカニックが出張し、事故を起こせば積載車で迎えにきてくれる。 信じられないくらいの至れり尽くせり、すごいよディーラーのおもてなし! ただまぁ、今はお世話になっていませんし、そうなった理由だってもちろん、あります。 詳しくはのちほど記しますが、新車を早いサイクルで乗り換えるスタイルなら、そのままお付き合いを続けるのが正解なのではないでしょうか。 ■「信頼していた」は甘え。客も自身で確認を行わないと 都内へ越してきて最初にお世話になったのは、人当たりのいいお兄さんが店長を務める、開店したての整備工場。 車検こそお世話になっていませんが、オイル交換といったメンテナンスとさまざまなパーツの交換をお願いしていました。 この頃は、実家近くのディーラーにもまだ顔を出しており、たまたま12ヶ月点検と帰省が重なっていたので持ち込んだところ、驚愕の事実が発覚。 先の整備工場で交換したパーツの固定に結束バンドが使用されており、そもそも取り付けの位置がおかしい。 そのおかげかブレーキホースはタイヤと接触していた痕があり、かなり危険な状態だった。その他、諸々……。 Oh……。あの店長、悪意でやったのではなく、頼まれれば何でも引き受けちゃう人で、純粋に経験不足から取り付け方がよく分からないまま対処していたのではと、今では推測しています。 取り付けに問題のあったパーツは純正品、もしくは関連子会社の製品。 ディーラーでも対処できるということなので、正常な状態にして欲しいと依頼。 かかった料金は勉強代として身銭を切りました。 この件から学んだのは「どんな些細なメンテナンスであっても、作業内容を説明してくれる整備工場を選ぶ」ということと、「ちゃんと自分でも作業後を確認する」ということ。 ちなみに上記の件からかれこれ10年以上経っていますが、整備工場は今もしっかりと営業しています。 きっと店長も経験を積まれ、当時の若気の至りを恥ずかしく思って……いてくれたら、いいなぁ。 ■ディーラーのおもてなしは、そこで新車を購入するからこそ享受できるもの S15型シルビアを購入してから15~6年経った頃、リアの足回りから異音がするようになりました。 実家から現在の住まいまで、クルマで4時間近くの距離。 交通費も片道で4000円近くかかり、必要なガソリン代を考えると、そうポンポンと行き来できるものではありません。 そこで今回は住まい近くのディーラーへと足を運び、診てもらいました。 出てきた見積もりは、ハブ回り交換で6桁弱。金額はともかく、地元のディーラーではあったメカニックによる「どのパーツに異変があり、どうやって修理するか」といった説明はなし。 受付のお姉さんに見積もり書を渡されて「はい、終わり」という対応に「歓迎されてなさ」を感じながら、お店をあとにします。 いや、まぁ、塩対応はしかたのないもの。 ディーラーは新車の販売ありきで、整備や修理は購入者に向けたアフターサービス&再び購入してもらうための投資。 よそで購入し、しかも販売を終了して10年以上経つ厄介なクルマを持ち込まれたら、そりゃ困るよね。 新車を買う気のなさも、ありありと伝わっていたでしょうし。 客がお店を選べるように、お店だって客を選べます。 ディーラーでの対応を“やんわりとした拒否”と受け取り、あらためて主治医を探すことにしました。 近所を見てまわったところ数件、旧車を受け入れている整備工場を見かけたのですが、さて、どこに持ち込むか……。 ■口コミを信じて訪れたお店は、紛れもなく“整備士”が腕をふるうお店でした ふと近隣の旧車サークルのメンバーさんが、ブログにて勧めていた車整備工場があったのを思い出します。 記憶に残っていたのも、なにかの縁。まずはこちらの整備工場に診てもらうことにしました。 この頃は「訪問前にまず連絡」という基本的なマナーすら知らなかったため、突然の訪問。 応対してくれたのは店長で、忙しいにも関わらず嫌な顔ひとつせずにS15型シルビアを診てくれ、出てきた見積もりは先のディーラーの半額ほど。 半額!? もちろん安いのは嬉しいけど、そこまで差があると、ちょっと怖いというか……。 聞けばハブ回り全部を交換する必要はなく、異常が出ている箇所だけを交換するから、この金額に収まるのだそう。 かつて旧車やヒストリックカーのレストアも手がけるディーラーを取材したとき、「今のディーラーはアッセンブリー交換士しかいない。 ちゃんとした整備士を育てるためにレストアをはじめた」という所長のコメントを思い出し、妙に合点がいったものでした。 店長の説明に納得し、正式に修理をお願い。 スケジュールが一杯の上、代車の空きもないということで、入庫は1週間先となりました。 整備工場の忙しさとともに、ディーラーの体制がどれほどすごいか、そしてディーラー慣れした自身のおごりを理解したものです。 修理が終わって引き取りに向かった際、写真付きで作業内容の説明を受け、整備士の「きちんとした仕事」がどういうものかを、客の立場で教わります。 不満どころか感謝しかないお店です。 その後も引き続き、整備や車検をお願いし、6~7年を経た今では「乗り続ける限りS15型シルビアの面倒をみるから、最後は引き取らせて」との冗談をもらう程度の付き合いになりました。 部品の供給終了や価格の高騰により、修理が出来なくなる日もくるとは思いますが、少なくとも私が諦めるまではS15型シルビアに乗り続けることができそうです。 お金持ちならいざ知らず、いち庶民の私たちが旧車を維持するには、良心的で旧車の整備に慣れた整備工場の存在が必要不可欠。 これから旧車を購入される方は、まめに先達に聞くなどして情報を集めることをお勧めします。 [画像・AdobeStock、ライター・撮影/糸井賢一]

日本が誇るスズキ ジムニー、自動車大国ドイツにおける評価は?
旧車の魅力 2023.02.01

日本が誇るスズキ ジムニー、自動車大国ドイツにおける評価は?

世界にはさまざまなモデルのクロスオーバーSUVが存在する。 一昔前まではセダンタイプがもっとも売れるモデルとされ、各メーカーが力を入れていた車種ではないだろうか。 それが今ではクロスオーバー戦国時代。 スーパーカーでお馴染みのイタリア ランボルギーニが初のクロスオーバーSUV「ウルス」を発表したのも記憶に新しい。 日本が世界に誇るクロスオーバーSUVも数多く存在する。 その中でも悪路走破性、デザイン、価格等全てにおいて完璧に近いスペックを誇っているのがスズキ「ジムニー」ではないだろうか。 今回はそんな長年愛され続けるジムニーがドイツでどのような評価を得ているのか?現地調査を行ってみた。 ■ジムニーとは一体どんなクルマ? スズキ自動車が1970年から販売し続けている軽自動車のオフロード4WDだ。 初代ジムニーはかつて軽三輪自動車の製造、販売を行っていたホープ自動車から「ホープスター」の製造権を購入し、悪路走破性に優れた軽四輪駆動車に改良したのが始まりである。 当時は四輪駆動車といえばトヨタ「ランドクルーザー」、日産「パトロール」、三菱「ジープ」の3車種のみで軽四駆がなかったことから多くの注目を集めた。 50年以上の長い歴史のなかでフルモデルチェンジを行ったのは3回のみで2008年には「ロングライフデザイン賞」を受賞した。 2018年には4代目となるジムニーが発表され、同年スズキでは初となる「グッドデザイン金賞」を受賞し、翌年米国で開催されたニューヨークモーターショー2019においては日本車史上初となる「世界カーオブザイヤーワールドアーバンカー賞」を受賞する快挙を成し遂げた。 ■ジムニーが誇る異次元のスペック 現代のクルマはSUVを含め多くのモデルでモノノック式フレームが増えているが、ジムニーは初代から現行型にかけて一貫して頑丈なラダーフレームも採用している。 したがってボディにダメージを受けても走りに影響が出ないタフな作りになっている。 駆動方式はパートタイム4WDを採用しており、フルタイム4WDと違い前輪もしくは後輪のどちらかが空転しても前に進む駆動力を確保することができる。 加えてシンプルな構造で壊れにくく、整備もしやすいのが特徴である。 2007年にはSJ413型ジムニーが南米オホス・デル・サラード火山で6,688m の自動車高度走でギネス世界記録を達成している。 ■自動車大国ドイツでは実際にどのような評価を受けているのか? これまでにジムニーの「凄さ」について解説をしてきたが、自動車の分野において世界でもトップクラスのドイツではどのような評価を受けているのか? 実際に現地調査を行ってみた。 ドイツが世界に誇るクロスオーバーSUVといえば皆様は何を思い浮かべるだろうか? ゲレンデことメルセデス・ベンツGクラスではないだろうか。 サイズや基本スペック、価格帯などはまるで違うこの二台だがジムニーといえば、小型版ゲレンデと言われるだけにドイツでも同じく人気があるのでないかと著者は考える。 実際に調べてみたところヨーロッパでは普通自動車のジムニーシエラに相当するモデルが欧州仕様として現在も新車販売されており、ドイツでは現行モデルの四代目ジムニーが発表されてからは1年以上の納期待ちが出るほど注文が殺到したようだ。 その背景には1981年から販売された二代目ジムニーの世界的な大ヒットが影響しており、当時ドイツをはじめとして、ヨーロッパ全体でも悪路走破性に優れた安くて壊れにくいインフラ生活用車両として注目を集めることとなった。 ■ジムニーのEV化? 現在でもその圧倒的な悪路走破性を活かし、ドイツの豪雪地帯などではフロント部分に大型のショベルを搭載した除雪車として活躍していたり、純粋にオフロード走行を楽しむマニアなどから親しまれている。 最近では市場が電気自動車へと移行しつつあり、ヨーロッパでは二酸化炭素排出規制が厳しくなりつつあるため近い将来、ジムニーの新車販売も新たな転換期を迎えることになるだろう。 去る1月26日、スズキがジムニーのEV化を示唆する発表を行ったばかりだ。 クロスオーバーSUVとしては唯一無二の存在であるジムニーは、EVモデルへとシフトしたとしても、世界中から親しまれ愛され続けるクルマであり続けるだろう。 [画像/スズキ、ライター/高岡ケン]

ロードスターの価格高騰はもう終わり!?ロードスターの概要と中古車事情を解説
旧車の魅力 2023.01.31

ロードスターの価格高騰はもう終わり!?ロードスターの概要と中古車事情を解説

ライトウェイトスポーツカーの代名詞ともいえるマツダ ロードスターは、日本のみならず世界中でも支持されている2シーターのオープンカーです。そんなロードスターは、1989年のデビュー以降、モデルチェンジをしながら現在も製造・販売が続けられ、中古車市場でも高い人気を誇ります。今回は、ロードスターのモデル概要や価格について解説します。 ロードスターとは マツダ ロードスターは、1989年9月に販売が開始された2シーター(2人乗り)のライトウェイトオープンスポーツカーです。デビュー当初は、「ユーノス ロードスター」として販売されていました。また、北米では「MX-5 ミアータ」の名で販売されています。 マツダは、ロードスターに採用した駆動方式のFR(フロントエンジン・リアドライブ)と軽量なボディが生み出す軽快で素直な運転感覚の楽しさを「人馬一体」と表現しています。以降、人馬一体がロードスターを示すキーワードになりました。 ロードスターは、自分の手足のように操ることができる扱いやすいサイズのボディや高回転までスムーズに吹け上がるエンジン、軽い車両重量などによって、初代から現行まで軽快な走りになっていることが特徴で、現在も運転好きから支持されています。 初代ロードスター(NA型)は、1989年9月に登場しました。フロントボンネットの中に縦置きされた1.6L直列4気筒エンジン、、軽量でコンパクトなボディ、リトラクタブルヘッドライトが特徴のモデルです。 1990年3月にATモデルを追加し、その年の7月にはグリーンのボディカラーにタン色のインテリアを組み合わせ、本革シート、ナルディ社の木製ステアリング・シフトノブを採用した「Vスペシャル」を発売しました。 さらに、1991年7月にイエローのボディカラーを採用した特別仕様車「J-LIMITED」を800台限定で販売し、8月に「Vスペシャル」にブラックのボディカラーを追加。1992年7月にビルシュタイン製ダンパー、BBS製アルミホイール、ナルディ社の本革巻ステアリング・シフトノブ、リアスポイラーを採用した「Sスペシャル」を発表しました。1993年7月には、エンジンを1.6Lから1.8Lへ変更。その後も限定車や特別仕様車などを販売し、1998年1月にフルモデルチェンジしました。 2代目(NB型)は、固定式のヘッドライトと流麗なスタイリングのボディが特徴です。2000年1月に500台限定の「NRリミテッド」、12月に700台限定の「YSリミテッド」、2001年5月に200台限定の「マツダスピードロードスター」、2003年10月に受注生産の「ロードスタークーペ」、2004年2月に350台限定の「ロードスターターボ」など、さまざまな限定モデルを販売。2005年5月には、「2人乗り小型オープンスポーツカー」生産累計世界一としてギネス世界記録に認定されました。 2005年8月に3代目(NC型)へフルモデルチェンジするとともに、モデルチェンジを記念した500台限定の「3rd Generation Limited」を発売。3代目では、ボディサイズが拡大したものの、ロードスターのコンセプトである「人馬一体」を継承しています。また、軽量かつコンパクトな新開発の2.0Lエンジン、ボディの軽量化、重量配分の最適化などにより、ロードスターらしい走りを受け継いでいます。 2006年には電動ハードトップを採用したプレミアム感ある「ロードスター パワーリトラクタブルハードトップ(RHT)」を追加。2006年12月に特別仕様車の「Blaze Edition」、2007年4月に「マツダスピードM'z Tune」、10月に特別仕様車の「Prestige Edition」、2011年10月に特別仕様車「BLACK TUNED」などを販売し、2015年に4代目へフルモデルチェンジしました。 2015年5月に登場した4代目(ND型)は、「SKYACTIV(スカイアクティブ)技術」とデザインテーマ「魂動(こどう)Soul of Motion」を採用していることがトピックです。デザインは、躍動感あるエクステリアと上質なインテリアによって、上品なオープンスポーツカーとなっています。パワートレインは、1.5L直列4気筒ガソリンエンジンをフロントミッドシップに搭載し、6速MT/6速ATを組み合わせたFRです。 2016年11月には、なだらかに傾斜するラインが特徴的なファストバックスタイルの「ロードスターRF」を追加。エンジンは、RFらしい上質な走りを目指して2.0L直列4気筒ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」を搭載しています。4代目も従来のロードスターと同じように、「ロードスター30周年記念車」、「100周年特別記念車」、「990S」などの特別仕様車を発売。現在(2022年5月時点)も4代目が継続して販売されています。 ロードスターは、台数が限られているグレードや流通台数が少ない車両、年式が古く希少性が高まっているモデルなどの価値が高く評価されている傾向があります。モデルによっては、プレミア価格で取引されているほどです。 ロードスターは価格が下がっていく!? これまでロードスターの中古価格は高騰し続けていました。特に、限定車やターボエンジン搭載車など希少価値が高い車両は顕著に値上がりしていました。 しかし、中古車市場の変動によって現在以上の高騰は見込めないといわれています。詳しくは次の項目で解説します。 ロードスターはもう値上がりしないって本当? 所謂「旧車バブル」でロードスターの価格は高騰していました。しかし、そのバブルが崩壊するのも間もなくと言われています。新型コロナウイルスの蔓延による外出の自粛で、旧車や腕時計、骨董品など、目で見るだけでも楽しめるものにお金をつかう方が増えました。この消費行動の変化が、旧車の価格高騰にも大きな影響を与えたと言われています。しかし、昨今では外出の自粛要請も緩和されて人々の生活は元に戻りつつあり、コロナ禍で価格が高騰したものがどんどん値下がる可能性があります。事実、アメリカの中古車販売大手の「カーバナ(Carvana)」の株価は、新型コロナウイルス流行初期に比べて99%も下落しました。(※2022年12月時点)日本にとっても決して対岸の火事とはいえません。ロードスターの売却をご検討されているのであれば、値下がり前の今がチャンスです。 価格が高くなりやすいロードスターの特徴 現在以上の価格高騰は見込めないとお伝えしましたが、そんな中でもどんな個体が評価されるのでしょうか。ここからは、高値がつきやすいロードスターの特徴を解説します。 こまめにメンテナンスされている ボディやルーフ(幌)などの外装、シートやインテリアパネルなどの内装の状態が良好だと、評価されやすいです。特にソフトトップの幌は、日光や雨・風などによって劣化しやすいため、定期的にメンテナンスしておきましょう。 また、エンジン・トランスミッション・サスペンションなどの機械系は、定期的な点検やメンテナンスがされ、いつでも動かせる状態になっていると高値がつきやすい傾向にあります。 高い人気を誇る「ロードスター Vスペシャル」 初代ロードスターに設定されていた「Vスペシャル」は、特別装備が充実し、イギリス車のような上品なロードスターとして人気が高いことから、売却するときの価格も高くなりやすいです。 ロードスター「Vスペシャル」は、1990年7月に追加されたモデルで、ボディカラーにグリーンを採用し、タン色のインテリアを組み合わせています。また、本革シート、木製ステアリングやシフトノブを装備していることも特徴です。 ロードスター「Vスペシャル」中古車の中には、当時の新車販売価格を上回る値段になる車両もあります。「Vスペシャル」の売却を検討している方は、査定に出して今の価値を確認してみることをおすすめします。 特別仕様車「Prestige Edition」 3代目ロードスターに設定された特別仕様車「Prestige Edition」は、プラス評価される装備が充実しているモデルとなっているため、高価格になりやすいでしょう。 プレステージエディションは、ロードスターRHTの上級グレード「RS RHT」および「VS RHT」をベースに、シートヒーター付本革バケットシート、BBS製鍛造17インチアルミホイール、ステンレス製スカッフプレート、フロントフォグランプなどを装備したモデルです。査定では、プレステージエディションの本革シートやアルミホイールなどの特別装備がプラス評価されやすいため、買取時に高い価格になるでしょう。 また、プレステージエディションのベース車両である「RS RHT」や「VS RHT」はロードスターの上級グレードのため、外装や内装、エンジンやトランスミッションなどの機械系の状態がよければ、高く評価されます。ベース車両の「RS RHT」や「VS RHT」の価格が気になったら、査定に出してみるとよいでしょう。

BRZの価格高騰はもう終わり!?BRZの概要と中古車事情を解説
旧車の魅力 2023.01.25

BRZの価格高騰はもう終わり!?BRZの概要と中古車事情を解説

トヨタとの共同開発で2012年にライトウェイトスポーツカーとして登場し、多くの人気を博したBRZ。そんなBRZの中古価格を気にされている方も多いのではないでしょうか。今回は、最新の中古車市場の動向を踏まえてBRZの価格変動について解説します。 BRZとは BRZはトヨタと富士重工が共同開発し、2012年に富士重工より販売が開始されたスポーツカーです。走る楽しさを追求した車で、当時は非常に珍しいFRを採用したことでも話題となりました。価格も新車で250万円ほどとスポーツカーとしては手頃だったため、1年で70万台が売れる大ヒットとなりました。 BRZはもう値上がりしないって本当? 所謂「中古車バブル」でBRZの価格は高騰していました。しかし、そのバブルが崩壊するのも間もなくと言われており、現在以上の値上がりは見込めないでしょう。 新型コロナウイルスの蔓延による外出の自粛で、旧車や腕時計、骨董品など、目で見るだけでも楽しめるものにお金をつかう方が増えました。この消費行動の変化が、旧車の価格高騰にも大きな影響を与えたと言われています。しかし、昨今では外出の自粛要請も緩和されて人々の生活は元に戻りつつあり、コロナ禍で価格が高騰したものがどんどん値下がる可能性があります。 事実、アメリカの中古車販売大手の「カーバナ(Carvana)」の株価は、新型コロナウイルス流行初期に比べて99%も下落しました。(※2022年12月時点)日本にとっても決して対岸の火事とは言えません。売却をご検討されているのであれば、値下がり前の今がチャンスです。 価格が高くなりやすいBRZの特徴 現在以上の価格高騰は見込めないとお伝えしましたが、そんな中でもどういったBRZが高く評価されやすいのでしょうか。ここからは価格が高くなりやすいBRZの特徴について解説します。 こまめにメンテナンスをしている BRZに限った点ではありませんが、こまめにメンテナンスをしている個体は高く評価されやすいです。激しく走行するシーンの多いスポーツカーだからこそ、整備が行き届いているかどうかは重要なポイント。定期的にメンテナンスし、綺麗な状態を保っておきましょう。 修復歴がない BRZは走りを楽しむ方に愛されるスポーツカーで、街乗り用の車に比べると、どうしてもトラブルに見舞われやすいです。そのため、何の修復歴も事故歴もない個体は希少性が高く、比例して価格も上がっていくでしょう。

欲しいクルマが買える人と買えない人の決定的な差とは?という話
旧車の魅力 2023.01.24

欲しいクルマが買える人と買えない人の決定的な差とは?という話

欲しいクルマがあるとしよう。なぜだか分からないけれど、たいがいは「おいそれとは手が届かない対象だけど、頑張れば何とかなる(かもしれない)存在」だったりする。 フェラーリ250GTOに憧れても、人生を賭けて本気で欲しいと思う人は稀だろう。 何らかのきっかけで大金が転がり込んできたとしても手が届く存在ではないし、このクルマに相応しい生活や保管環境がある。 さらにいえば人格だって求められるかもしれない。 それはさておき、「おいそれとは手が届かない対象だけど、頑張れば何とかなる(かもしれない)存在」を手に入れるには? いまより所得を上げるか、何らかの形で大金を手に入れる(用意する)必要がある。 仮にAさんとしよう。憧れのクルマを手に入れるべく、転職して、ゆくゆくは起業するという。 それも夢物語ではなく具体的なプランとして進めている。夢を現実にしようと行動を起こしているのだ。 あくまでも直感だが、Aさんは憧れのクルマを手に入れることができるような気がするし、実際にそうであってほしい。 そして、Bさんという人にも憧れのクルマがある。 周囲がお膳立てしても、あれこれと理由をつけて「自分には無理」と決めつけてしまっているフシがある。 それでいて欲しいという気持ちに変わりはないし、いまの愛車にも結構なお金をつぎこんでいる。 そんなお金があれば本当に欲しいクルマを買えばいいのに・・・と周囲の誰もが思っている。 結局、それだけの覚悟がないのだろう。 「おいそれとは手が届かない対象だけど、頑張れば何とかなる(かもしれない)存在」を手に入れるのは、それなりのリスクが伴う。 貯金をすべて使うか、転職や起業して稼ぎを増やすか、どこかの誰かに貢いでもらうか。日々、ただ漫然と過ごしているだけでは手に入らない。 どこかで覚悟を決め、一念発起するしかないのだ。それが分かっていて行動に移せないのだから、やがて「結局、アイツは買う気がないんだな」と思われてしまう。 そして、いくつもの「いい話」が目の前を過ぎ去り、結局チャンスを逃す。 「おいそれとは手が届かない対象だけど、頑張れば何とかなる(かもしれない)存在」を何としても手に入れたいのなら・・・人生を賭けるくらいの覚悟があってもいいかもしれない。 湾岸ミッドナイトに登場する「ブラックバード」こと島達也が、主治医である北見淳との会話のなかで「じゃ、なんでお前はこんなの乗れんだ?」と聞かれ、「カンタンですヨ。全部つぎこんでいるからですヨ」と答える場面がある。 欲しいクルマが買える人と買えない人の決定的な差とは? 貯金をゼロにしてでも買うべきなんてとてもいえないけれど、それに近い『覚悟』がなければ「おいそれとは手が届かない対象だけど、頑張れば何とかなる(かもしれない)存在」は手元にやってきてくれない。 それはいつの時代も変わらないのかもしれない。 [ライター・撮影/松村透]

1990年代 名車&迷車 烈伝 Vol.02 日産「ミストラル」
旧車の魅力 2023.01.20

1990年代 名車&迷車 烈伝 Vol.02 日産「ミストラル」

1990年代は「RV」の時代でもありました。RVとは「レクリエーショナル・ヴィークル」の略で、今で言うSUVのこと。 1980年代に登場した「パジェロ」や「ビッグホーン」、「ランドクルーザープラド」などがヒットし、街の至るところで見られました。 まだ「ハリアー」が生まれる前、こうしたオフロード4WDを都会で乗るのが、カッコよかったのです。 パジェロは三菱、ビッグホーンはいすゞ(この話もまたいつか)、プラドはトヨタ。では、日産はどんなRVをラインナップしていたでしょうか? 答えは2つ、「サファリ」と「テラノ」です。 サファリが「ランドクルーザー(当時は80系)」と同等のラージサイズ、テラノがパジェロなどに近いミドルサイズです。 ▲テラノ(ワイドボディ) 販売の主力は、テラノのほう。 アーバンでアメリカンな雰囲気のあるテラノは、そのスタイリングからヒットモデルの1つになりました。 でも、どうしてもライバルには、叶わない決定的な欠点があったのです。 それは、「7人乗り」がないこと。 パジェロもビッグホーンもプラドも、5ドアモデルは3列シートの7人乗りが中心でした。 トヨタには5人乗りRVの「ハイラックスサーフ」あり、こちらもよく売れていましたが、このクラスに7人乗りがないのは、大きな痛手。 そこで日産は1994年、欧州から7人乗りRVの輸入販売を開始します。 それが今回の名車&迷車、「ミストラル」です。 ■Made By Nissan Motor Iberica 近年ではコンパクトカーの「マーチ」がタイからの輸入モデルとなって話題を呼びましたが、ミストラルはスペインからの輸入モデルでした。 生産は、日産の欧州市場向けモデルを担当していた「日産モトール・イベリカ」。 ▲ミストラルType-X イギリスの「NETC(ニッサン・ヨーロピアン・テクノロジー・センター)」で開発された欧州市場のためのモデルで、日本発表時のプレスリリースにも「欧州生まれ、欧州育ちのピュア・ヨーロピアン・オールローダー」であることが謳われていました。 1994年に発売されたのは、テラノと同様の2.7リッターディーゼルターボ(OHVだった)に4速ATが組み合わされた5ドアの7人乗り仕様。 「Type-S」「Type-X」の2グレードで、価格は261万円と279万円(オーテックジャパンのキャンピングカー仕様も発売された)。 ▲ミストラルType-Xのインテリア このクラスに7人乗りを投入した日産の目論見は成功。当初、月販目標1000台だったところ、最初の3カ月で約7000台を受注し、すぐに日本向けミストラルの増産を決定。 生産台数を月2000台としました。 1996年には、2ドアショートボディも導入します(グレード名はType-R!)。 こちらは、モノトーンのボディカラーにブラックのパーツを用いたインテリアでスポーティさを強調。 229万円という戦略的価格で、若者をターゲットとしていました(ライバルはいすゞ・ミュー)。 ピチカート・ファイヴが出演し『2人のベイビィ・ミストラル~♪』と歌ったCMを覚えている人も、いるかもしれません。 ▲ミストラルType-R アメリカンなテラノとヨーロピアンなミストラルは、当時のハイラックスサーフとランドクルーザープラド(今ならハリアーとRAV4)のような関係で、RVニーズを網羅。 ミストラルも、テラノとともに町中でもよく見かける存在となりました。 ■欧州モデルゆえの難しさ ところで当時、絶好調だった日産は、なぜ売れ筋のRVをわざわざスペインから輸入したのでしょうか?  ここにミストラルが名車&迷車たる所以があります。 実はミストラルは、もともと「テラノⅡ」として欧州向けに開発されたモデルで、「マーベリック」の名でフォードへもOEM供給。 ランドローバー「ディスカバリー」などに対抗するモデルとして開発された、戦略的モデルだったのです。 実際、欧州ではディスカバリーを超え、クラストップシェアを獲得しています。 では、どうして「名車&迷車」として取り上げたのか。 ▲ランドローバー「ディスカバリー」 それは、1代限りで終わったしまったこと、欧州生まれならではの良さがあった反面、それが裏目に出てしまった“難しさ”があるからです。 イタリアのデザイン会社「I.DE.A」によるスタイリングは、直線的なデザインが多かった日本のライバルたちとは一線を画したものでした。 足回りも欧州テイストのテラノとは異なるもので、さらに日本向けにかなりの部分に手を入れていたようです。 しかし、欧州市場をメインとしていただけに、変わりゆく日本のRV市場に追いつけなかったのも事実。 日本国内ではビッグホーンやパジェロが、200馬力を超えるV6DOHCガソリンエンジン(当時としては超絶ハイパワー!)を搭載するなか、ミストラルは1999年に販売を終了するまで2.7リッターのディーゼルターボのみ。 また、レザーシートを装備するなど高級化が進むなかでも、ミストラルは当初の路線を変えることができず・・・。 そればかりかマイナーチェンジによりメッキパーツの使用が抑えられ、ヘッドライトが丸型4灯となるなど、日本のニーズと逆行するような形になってしまうのです。 ▲ミストラルType-X後期型 このころには月販目標台数も700台まで下降。 実際に、丸型4灯ヘッドライトとなった後期型を見た記憶はあまりなく(特に2ドアは見なかった)、モデル末期にどれだけ売れたかは未知数です。 ■時代が変わりゆくハザマに生まれた「儚さ」 欧州生まれ・欧州テイストのRVミストラルが、クルマとして悪くなかったことは明らか。 しかし、ミストラルが販売された1994~1999年といえば、「オデッセイ」や「ステップワゴン」「イプサム」「グランディス」といったミニバンが誕生し、RVは「CR-V」や「RAV4」など、ラダーフレームを捨てモノコックボディとなった乗用車ライクなモデルに変化。 さらに「キューブ」や「デミオ」といったコンパクトカーの人気が高まった激動の5年間でした。 1980年代に端を発するRVが下火になっていくことは、承知のうえでのミストラル国内導入だったのかもしれません。 国内総販売台数は、4万台あまり。 決して多くはありませんが、1990年代半ばの日産ラインナップのなかで、明確や役割を果たしたことは間違いないでしょう。 こうした「儚さ」こそが、“名車&迷車を愛すべき理由”であると思わずにいられないのです。 [画像:日産自動車、Land Rover/ライター:木谷宗義]

プロフェッショナル仕事の流儀「校正者・大西寿男」編を観て思うこと
旧車の魅力 2023.01.17

プロフェッショナル仕事の流儀「校正者・大西寿男」編を観て思うこと

最近、あまりテレビを観る機会がなくなりつつあるのだが、久しぶりに楽しみな番組を見つけた。 去る1月13日にオンエアされた、NHK プロフェッショナル仕事の流儀「縁の下の幸福論 〜校正者・大西寿男〜」編だ。 仕事柄、大西氏のお名前は存じ上げていたけれど、詳しいことまでは把握していなかった。 果たしてオンエア当日、子どもと一緒に寝てしまい、目が覚めたのは放送終了後。 タイマー予約録画も忘れていたので、後日、NHK+で視聴した。 拝見してみて、大西氏の真摯かつ誠実な仕事ぶりと、秘めた情熱のようなものを垣間見た気がする。 文章は数式とは異なり、正解は1つではない。 それが仕事をするうえでやりやすくもあり、時にやっかいだ。 半ば勢いで原稿を仕上げ、何度も何度も推敲するけれど、一晩寝てふたたび目をとおすと気になる箇所が100%の確率で見つかる。 毎回、その繰り返しだ。 結局、どこかで妥協(この表現は好きではないけれど)して納品したり、公開することとなる。 第三者の視点や赤入れ、事実確認をしたうえで公開されたらどんなにラクだろうと思うこともしばしばだ。(事実、案件によっては校正の方に加わっていただいており、これが本当にこころづよいのです) 書き手によっては、校正者がチェックを入れることに対して猛烈に反発する人もいると聞いたことがある。 こんな心強くて、しかも拙い自分の表現に磨きを掛けてくださる存在を無下にする感覚が理解できない。 そういえば、校正者ではないけれど、かつてある輸入車の取扱説明書を制作していたとき、翻訳家の方が表現にこだわるタイプだった。 ドアグリップを握るのか、掴むのか?入稿が近いのに、そんな言い回しを延々と議論した記憶がある。 当時はそんなことより早く仕事を終わらせたかった(笑)ので、正直めんどうだなぁと思うこともしばしばあった。 しかし、あのときの経験がいまの仕事で活きているのだから、人生何が起こるか分からない。 面倒だけどじっくり取り組んでよかった、と、今さらながらに思っている。 ひとつ、予言をすると、いまの編集長業務、さらにいうとマネジメント業務があと10年くらいしたら活きるのではないかという気がしている。 正直、めんどくさい。 実際にやっていて、これならライター(受け身)に徹している方があきらかに楽だ。 締め切りに原稿が届かず、モヤモヤする。 もう関わりたくないなぁと思うこともたまにだけど正直いってある。 思わず感情的な返信をしてしまいそうなときは、少し時間をあけてから返すようにしている(笑)。 日々、(ありがたいことに)いくつもの締め切りと納期に追われて休む暇もないし、気持ちの余裕がなくなりかけることもしばしばだけど、大西氏の仕事に対する誠実な姿勢は忘れないようにしたいと改めて思った次第だ。 ●NHK プロフェッショナル仕事の流儀「縁の下の幸福論 〜校正者・大西寿男〜」編https://www.nhk.jp/p/professional/ts/8X88ZVMGV5/episode/te/8XW78LPXYG/ [画像/Adobe Stock ライター/松村透]  

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