イベントレポート

3年ぶりに名車が集結!谷保天満宮旧車祭2022
イベントレポート 2023.03.03

3年ぶりに名車が集結!谷保天満宮旧車祭2022

去る12月11日、西東京は国道20号線沿いにある谷保天満宮にて、クラシックカーが集結し、谷保天満宮旧車祭が開催された。 境内のそこかしこに往年の名車や希少車、スーパーカーが立ち並ぶ。 実に3年ぶりに開催された同イベントに参加した車両は115台に及んだ。 主催はオートモービルクラブジャパン(以下ACJ)。 谷保天満宮は日本のカーイベント発祥地であり、その始まりは明治41年に発足されたオートモービル・クラブ・ジャパンによる国内最初の遠乗会にある。 現在のACJは2011年8月1日このクラブの103周年の記念の日に再結成され、以来20年以上にわたり様々なカーイベントを催してきた。 その意味では、谷保天満宮旧車祭はクラブの中でも本命イベントといえるものだ。 神社を中心に所狭しと並んだ旧車たちに大人は懐かしさや羨望のまなざしを、子供は見たことのないスタイルのクルマ達に目を輝かせていた。 ■象徴たるタクリー号 日本初のツーリングである遠乗会、このイベントに有栖川殿下が自らハンドルを握って参加したのがタクリー号であった。 初の国内産ガソリン自動車、明治40年に国産吉田式自動車としてタクリー号は生まれた。 人力車や馬車、荷車が走る未舗装路をガタクリ、ガタクリと走る様からタクリー号と愛称が付いている。 しかし、残念ながら本物のタクリー号は現存しておらず、画像の車両は2012年4月に発足した実働レプリカ制作プロジェクトにより復刻された車体だ。 こちらは谷保天満宮旧車祭世話人会が中心になり、1930年製のオースチン・セブンをベースに制作された車両になる。 同年8月1日に谷保天満宮本殿にて完成披露が行われ、第1回の熱海ヒストリカGPのひと月まえには天満宮から熱海の梅園まで実際に走っている。ACJの象徴ともいえる車両だ。 ■谷保天満宮とACJ  谷保天満宮は東日本最古の天満宮であり、亀戸天神、湯島天満宮と並び関東産大天神と呼ばれている。 学業の神様である菅原道真を祀っていることからも学業成就や合格祈願、厄除けはじめ、もちろん上記の経緯からもわかるように交通安全祈願の祈祷もおこなっている。 当日も参加車両が神主に祈祷を受けることができるようになっていた。 この後、午後からはパレードランとして国立まで沿道の人々に見送られながら走ることもあり、 多くの参加者が愛車とともに祈祷を受けていた。 ■横道を行く  毎回本会場以外で止まっているイベントに来た車両を見て回るイベントの横道。 今回はイベント会場であるが、第2会場となったことで本殿に直接行ってしまった方が見過ごしたかもしれない車両群としてスポットを当ててみたい。 第2会場はイタリアンカーを中心に90年代の軽スポーツが並んでいた。 その中で、入って正面の中心にいたのがスバル360ヤングSSだ。 スバル360は1958年、まだまだ庶民にはクルマは高嶺の花として考えられていた時代にサラリーマンでも手に入れられるクルマとしてデビューした。 小さくても大人4人が快適に乗ることができる性能を実現するためのパッケージングや軽量化に挑戦。 当時スバルの持っていた元航空機メーカーとしての技術を余すことなくつぎ込んだモデルだ(スバルオンラインミュージアムより)。 デビューより10年の年月を経て競合他社に対抗するべく送り出したスポーツモデルがヤングSSだ。 その性能はデビュー当時の358㏄16馬力から排気量は変わらずに、36馬力と実に2倍以上のパワー、マニュアル3速から4速モデルへの変更を持って登場した。 外装には専用のボディカラーやボンネットのヤングSSを示すストライプ、タコメーターや革巻きステアリングを装備するなど、スバルのスポーツモデルの原点ともいうべきモデルだ。 会場では同じくRRのフィアット500に挟まれながら、その小さなテントウ虫はしっかりと存在を主張していた。 ■Back to 20世紀 実は今回ほど横道が目移りしたイベントもなかったのではないか?と思えるほどに街のそこかしこに旧車が止まっているイベントであった。 会場である谷保天満宮が基本、参加車両で手いっぱいであったこともあり、当然のことながら見物に来た車両はそうした周辺駐車場にまわる。 そうして会場を中心に見渡すと、コンビニや路地を走るクルマの多くが旧車という事態になっていた。 谷保の町並みは最近改装が目覚しい南部線沿線としては、駅舎も含め昔の雰囲気を比較的に残している。 それも相まってまるで町全体が過去に戻ったかのような気分になれた。 それが良いか悪いかは筆者には答えられない。 しかし、わずか数時間のタイムスリップはとても心地のよい時間をもたらしてくれたと思う。 ■オートモービルクラブジャパンHPhttps://acj1908.com/ ■谷保天満宮HPhttp://www.yabotenmangu.or.jp/ [ライター・撮影/きもだ こよし]       

23年の歴史に幕を閉じる「チューニングフェスタ2022〜 咆哮を聞け 〜」 イベントレポート
イベントレポート 2023.02.06

23年の歴史に幕を閉じる「チューニングフェスタ2022〜 咆哮を聞け 〜」 イベントレポート

去る2022年11月13日。チューニングカーの祭典「チューニングフェスタ」が、23年の歴史に幕を下ろした。 イベントが岡山国際サーキットでスタートしたのは2000年。多様なショップのチューニングカーが“ガチンコバトル”を展開するという、これまでにないスタイルのカーイベントとして始まり、西日本最大級のイベントに成長した。 しかし、時の移ろいでチューニングカーを取り巻く環境も変化。 チューニングベースとなるクルマの高騰や電子化など、クルマを手に入れにくい時代になりつつあるという背景があり、イベントも変革の時ということで一度ピリオドを打つということになったという。 ■決して終焉ではない 今後は「チューニングカーを次代へ残す」をテーマとし、車両価値を伝え、動態保存につながるイベントにリニューアルするとのこと。新イベントの開催が期待される。 今回は、23年間もの継続に感謝を込めながらクルマ好きに愛されてきたイベントのフィナーレを振り返る。 ■2000年から続いたチューニングカーの祭典 このイベントは、開催当時から続く伝統のレース「マイスターカップ」をはじめ、数々のレースや走行会、体験走行で構成される。 そして今回、西日本初開催となった「OKAYAMA HISTORIC CAR RACE」にも注目したい。この競技はJAF公認の公式なレースであり、日本クラシックカー協会の認定を受けている格式あるレース。1960年代後半からのヒストリックカーが出場する。 まさに集大成といえるラインナップでの開催となった。 ■出走していた憧れ、懐かしのマシンたち 当日は、イベントがスタートしてまもなく雨に。コースコンディションはウェットで始まった。赤旗が相次いだが、上級者ならではの迫力あるバトルは圧巻だ。 ▲チューニングフェスタにおいてR32 GT-Rは“シンボル的存在”といえるだろう ▲午前中のコースは激しい降雨でヘビーウェットに。水飛沫をあげながら走る80スープラ ▲シビック(EG6)の勇姿 ▲アルトワークス、コペン、トゥディなど長年人気を誇る軽自動車のチューニングマシンたちの姿も ▲会場内に立ち並ぶ、パーツメーカーやショップの展示、飲食ブースも見逃せない ■【リザルト】マイスターカップ 「マイスターカップ」への出場は、岡山国際サーキットのラップタイム1分45秒未満を保持していることが出場条件。出場マシンは国産モデルに限られ「4WD」「2WDターボ」「2WD-NA」の3クラスに分かれる。 *以下、ドライバー/ 車両名(エントリー名)/型式 ●マイスター4WDクラス 1位:トトロ / トトロ33GT-R / BCNR33 2位:eijiのおホモ達つよぽん?? / 天龍ガス欠BNR32 / BNR32 3位:koto / AS koto 34R / BNR34 ●マイスター2WDターボクラス 1位:道堂晃 / ☆WORKS 道堂☆ /AE86 2位:コマッチャン / D2☆180SX / RPS13 3位:ゆうちゃん/ フルステージまっくろくろすけFD /FD3S ●マイスター2WD NAクラス 1位:林幸男 / D2☆EK9/ EK9 2位:山根正和 / ガレージヤマネ☆レビン/ AE86 3位:田中均樹 / ドミネーションペトロナスEK9/ EK9 ▲ マイスター2WD NAクラスで優勝を飾ったD2☆EK9号 ■【リザルト】チャレンジクラス マイスターカップへのステップアップ部門「チャレンジクラス」。「4WD」「FR」「FF」と駆動方式でクラス分けされている。1分46秒001以上のタイムを保持していることが出場条件だ。 ●チャレンジ4WDクラス 1位:藺牟田竜 / D2☆エボ8 /CT9A 2位:レスポール高埜 / Team FullStage / VAB 3位:重田幸男 / - / GDB ●チャレンジFRクラス 1位:嘉納健二 / RH坂井・V-coatレビン / AE86 2位:堀井琢己 / D2・S15 / S15 3位:カズ / 黒いS2000 / AP2 ●チャレンジFFクラス 1位:大久保凌 / 田辺レーシング / EF8 2位:亥野好史 / - / DC5 3位:ひでやん / ひでやんDC5@RSファクター / DC5 ■【リザルト】インポートクラス 輸入車向けの「インポートマイスタークラス」と「インポートチャレンジクラス」。1分55秒のタイムを基準に、速いドライバーは「マイスター」へ。入門向けとして「チャレンジ」の2クラスが設けられている。 ●インポートチャレンジクラス 1位:JC PEPINO / チーム名/ 車両名(型式)/ 220 2位:ピカチュウどS / PFCJどノーマル鶏饅987どS/ 98721 ●インポートマイスタークラス 1位:ヨシミューラ/ Beck JAPAN ヨシムラ / - 2位:gucci_racer/ サ狼 AUDI TTS310 / 8J 3位:ヨッシー/ アックスレーシングプロジェクト / 993 ▲インポートマイスタークラスで優勝を飾ったBeck JAPAN ヨシムラ号(Beck GTS) ●86・BRZマイスタークラス トヨタ86とスバルBRZによるワンメイクレース。エアロバンパーやGTウイングなどのダウンフォースをはじめ、エンジンチューン、過給機装着まで改造範囲を拡大して開催。 1位:戦闘民族 /ALTEX 戦闘民族号 / ZD8 2位:前川志郎 / キモオタブルー/ ZC6 3位:長尾奏斗 / ラウダダカンパニー86 / ZN6 ▲トヨタ86とスバルBRZによるワンメイクのマイスタークラス。優勝を飾ったALTEX 戦闘民族号 ■【リザルト】K-Carクラス 軽自動車部門「K-Car」クラスはターボとNAの2クラスに分かれて初開催。根強い人気のトゥデイ、アルトワークス、コペンの新旧モデルの競演、S660、ビートなどが熱い走りでギャラリーを魅了した。 *以下、ドライバー/ エントリー名 / 型式 ●K-Car NAクラス 1位:mistbahn /mistbahn PP1 ビート / PP1 2位:檜山貴志/ ヤハタレーシング 2号車/ PP1 3位:江角浩二/ KibiGasket 内山工業 /PP1 ▲K-Car NAクラスの優勝を飾ったmistbahn PP1 ビート号 ●K-Car ターボクラス 1位:川端昌幸 / GarageTake-Up青アルト / HA22S 2位:飯野山佑介 /プライム☆チームマッハトゥディ/JW3 3位:MORIMAX / 通勤快速GR COPEN / LA400A ▲K-Car ターボクラスの優勝を飾ったGarageTake-Up青アルト号 ▲各部門の表彰式が行われた ■【競技レポート】西日本初開催! OKAYAMA HISTORIC CAR RACE   こちらのレースは、これまで筑波サーキットを中心に関東で開催されていた。 しかし以前から西日本での開催を強く望む声が多く、日本クラシックカー協会の認定を受けてチューニングフェスタで待望の初開催となった。 1960年代後半から1970年代までのクルマを中心に展開されるレースで、クラスは大きく3クラスに分かれる。 エンジンとサスペンションのみチューニングが許される「Sクラス」、1970年までに製造されたフルチューニングマシンの「Fクラス」、トヨタ KP61スターレットと日産 B310サニーのフルチューニングマシンによる「TSクラス」。 見どころのひとつは、当時のクルマ好きが憧れた名車が数多く登場する点だ。 日産 B310サニー、トヨタ KP61スターレット、日産 510ブルーバード、アルファ ロメオ ジュリアシリーズなどが出走した。 ▲シリーズ3代目として1967年にデビューした510ブルーバード ▲1978年にデビューしたKP61スターレット。シリーズとしては最後のFR車でもある。さまざまなモータースポーツで活躍した名車だ ▲各部門の表彰式が行われた ■【リザルト】OKAYAMA HISTORIC CAR RACE ●S-1クラス 1位:林誠 / ガルトサービスホンダ1300クーペ / H1300C ▲S-1クラス優勝を飾ったガルトサービスホンダ1300クーペ号 ●S-2クラス 1位:伊藤俊哉 / イトウレディース&チェック510 / N510 2位:藤原進 / チェック☆ニッサン☆ブルーバード / P510 3位:仲田好喜 / ナルトカイ.ナッツ510 /H510 ▲S-2クラス優勝を飾ったイトウレディース&チェック510号 ●F-2クラス 1位:蒲生真哉/ Nats中村自動車ブルーバード / KH510 2位:河上正治/ オカザキスピードTC16サニー / PB110 3位:坂口夏月/ DAISHINブルーバード / KP510 ▲F-2クラス優勝を飾ったNats中村自動車ブルーバード号 ●TS-1クラス 1位:大八木龍一郎/ DAISHIN Progrexxサニー / B310 2位:大八木信行 / DAISHINサニー / B310 ▲TS-1クラス優勝を飾ったDAISHIN Progrexxサニー号 ●TS-2クラス 1位:TOMISAN/ ダイワN通商恵比寿スターレット / KP61 ▲TS-2クラス優勝を飾ったダイワN通商恵比寿スターレット号 ●TS-Eクラス 1位:青木孝行/ DAISHIN Rock254サニー / B310 ▲TS-Eクラス優勝を飾ったDAISHIN Rock254サニー号 詳しいリザルトはこちらからhttp://jcca.cc/event/2022/okayama/ ■【ドラマ】地元・岡山の企業が製作したマシンが、デビュー戦を完走 OKAYAMA HISTORIC CAR RACEで、地元企業のマシンが初出場を果たした。 岡山県に本社を置く、クルマ好きにはおなじみの有名パーツメーカー「OS技研」。 2023年に創業50周年を迎えるにあたり、記念事業としてオリジナル4気筒エンジン「TC16-C1」を搭載したマシンの製作を2020年から行っている。 今回のプロジェクトは、ヒストリックカーレース参戦を目標としつつ、若手への技術継承や、エンジン量産化に向けた課題解決などの目的をもって取り組まれているという。 今回、目標としてきたレースの舞台が偶然にも地元・岡山で実現するというドラマがあった。 「TC16-C1」を搭載したPB110サニー エクセレントをベースとしたマシン「オカザキスピードTC16サニー」号は、赤旗が相次ぐウェットコンディションのなか、河上正治選手の鮮やかな走りでレース完走を果たした。 ▲OKAYAMA HISTORIC CAR RACEクラス2位という好成績でデビュー戦を飾った ▲開発中の4気筒DOHCエンジン「TC16-C1」。テスト中に9000rpmを達成しているという レースを含めた振り返りを、プロジェクトにアドバイザーとして参加しているOS技研チーフエンジニアの富松拓也さんに伺った。 富松さん:「テスト走行は何度も繰り返していたんですが、今回が本当のデビュー戦でした。 レースは富士スピードウェイだろうと思っていたんです。ところが、岡山で行われる話を聞いて驚きました。どこで開催するにしてもこのプロジェクトは続行されますが、岡山国際サーキットに合わせてセットアップしてきました。 L型4気筒のエンジンでFクラス(フルチューニング)参戦というと、車種はおのずと510ブルーバードかPB110サニー エクセレントになるんですが、あえて不利な点の多いPB110サニー エクセレントで挑戦することにしました。 これまでさまざまな問題に直面し、まともに走らせるのが本当に大変でした。現段階では『まだまだ』ですね。マシンの大きな課題は、強大なエンジンパワーをいかに路面に伝えるかです。そのほかにも煮詰めなければならない部分は多々ありますし、課題を一つひとつ解決しながら仕上げていきたいです」 今回のプロジェクトでドライバーを務めている河上正治選手は、1980年代から岡山県内で行われていたレースや全日本ジムカーナ選手権に参戦するなどのベテランドライバー。OS技研との縁などを伺いつつ今回を振り返っていただいた。 河上選手:「今回の走りは反省点が多いですが、マシンの仕上がりを感じました。期待を膨らませています。 OS技研とは学生時代から交流があります。自分がL型に乗っていたこともあり、OS技研のクラッチなどのパーツをずっと使ってきました。創業者の岡﨑さんとは名前が漢字まで一緒なので、縁があるのかなと思っています」 「TC16-C1」はすでに市販化も始まり、1基がユーザーのもとに届けられている。バックオーダーも数基ある状態だという。 プロジェクトの今後の展開にぜひ注目したい。 オーエス技研https://osgiken.co.jp/ 公式YouTubeチャンネルhttps://www.youtube.com/@osgiken1/videos ■パレードランでフィナーレ ▲パレードランしている車種のプロフィールが次々にアナウンスされていた イベントのフィナーレでは、来場しているすべてのクルマが参加。走行中の車種がMCで紹介され、卒業式のような雰囲気に。 このイベントに一度ピリオドが打たれることをあらためて感じるパレードランだった。 ■取材後記 筆者がチューニングフェスタへ初めて行ったのは2005年のこと。クルマ好きなら誰でも知るようなイベントが地元・岡山で開催されていることが、地元住民として誇らしかった。 さまざまなチューニングカー、そして大好きなS2000が目の前を駆け抜けていく姿がただただうれしく、公道では目にできない走りやエンジンサウンドに興奮したことを思い出す。本気で走るマシンを目にしたことで、クルマが一層好きになった。 憧れのクルマが全開で走っている姿を目にすると「いつかあのクルマに絶対に乗るんだ」というモチベーションもアップするのではないだろうか。実際に、筆者は憧れだったS2000を手に入れた。 23年間、多くのクルマ好きに愛されたイベントが途切れてしまうことはファンとして残念だが、チューニングカーの魅力を次代に伝える新イベントのスタートを待ちたい。 ▲筆者が2005年に行ったチューニングフェスタにて [取材協力] ●岡山国際サーキットhttp://www.okayama-international-circuit.jp/ ●オーエス技研https://osgiken.co.jp/index.php ●日本クラシックカー協会http://jcca.cc/ [ライター・撮影/野鶴美和]

愛媛県四国中央市に74台が大集合! 第11回 U-550旧軽自動車ミーティングイベントレポート
イベントレポート 2022.12.31

愛媛県四国中央市に74台が大集合! 第11回 U-550旧軽自動車ミーティングイベントレポート

去る2022年11月6日(日)、愛媛県四国中央市の川之江駅栄町商店街で「昭和レトロフェスタ」が開催された。 今回はイベント内で催された「第11回 U-550旧軽自動車ミーティング」を紹介したい。 「戦後からバブル期にかけて排気量や外寸などの規制を受けながら各メーカーが試行錯誤を繰り返してつくりあげたクルマたちから、モノを大事にする本来のエコ精神を感じてほしい」 そんな思いのもとに開催されている。 ■懐かしの名車74台が集結! 当日は好天で、汗ばむほどの陽気。 参加車輌は、朝9時半にパレードランで川之江駅栄町駐車場へ入場。74台が集まった。 10時からミーティングが開始となり、会場はすぐに盛況となった。 会場に隣接した商店街には、20店以上にもおよぶマルシェやワークショップなどのブースが立ち並んだ。 また、ステージでは地元のミュージシャンやダンス団体、地元高校の書道部がパフォーマンスし、盛り上がりを見せていた。 ▲550cc未満の軽自動車が集結した。手前のトラックはスズキ スズライト キャリイ(L20)。イベントで目にすること自体が珍しい、レアな1台 ▲レーシーな個体も(スズキ フロンテクーペ) ▲「昭和レトロ」にこだわった演出!(三菱 360バン) ▲クルマのプロフィールが書かれた暖簾は、スタッフの村上慎也さんが一つひとつ手作りしたもの ▲展示スペース内であればスワップミートもOK ▲ナンバー隠しに遊び心。「ゆっくり直そう」というステッカーにも注目 ▲コンテストも行われ、会場投票で「かっこいいで賞」「かわいいで賞」「ロングディスタンス賞」などが決まった ■【VOICE】皆さんの愛車を拝見! どの個体も貴重なのはもちろん、カスタムにもオーナーの個性が現れて見ごたえたっぷり。 今回参加していたこだわりの愛車たちをご覧あれ!※年式は個体の年式 ●ホンダ ライフ ステップバン(1974年式)オーナー高木雅彦さん ホンダが大好きというオーナーの高木さん。このクルマを含めて5台を所有しているという。ビート、N360(最終型)、トゥデイ(1995年式)、N-ONE。そしてモンキーも7台所有しているとか。 「愛車のすべてがこだわり」と話す高木さん。 この個体は1989年に購入し、大規模なレストアを行い、大切に乗っているそうだ。 「ホンダが大好きなんです。自分が乗れなくなったら、このクルマは息子に受け継いでもらう予定です」とのこと。 ▲スポーティーなステアリングが似合う ●スバル サンバー バン(1972年式)オーナー 佐々木英一郎さん 佐々木さんのサンバー バンは6回目の車検を受けたばかり。 美しいエンジンルームは多くの人が見入っていた。 もともとチューニングカーが好きな佐々木さん。 以前はかなり手を入れたチェイサーに乗っていたそうだ。 商用車に惹かれてこのクルマを手に入れてからは約17年になるという。 「サンバー バンはやりきった感があるので違うクルマを考え中です」と佐々木さん。 次期愛車への構想もふくらませているようだ。 ▲愛車に搭載される現在のエンジンは、R2のEK33型エンジンをモディファイしたもの。カワサキの純正キャブレターCVK32を流用 ▲チャンバーやサイレンサーは佐々木さんがワンオフで製作している ●マツダ ポーターキャブPC3A(1973年式)オーナー村上慎也さん 今回の主催&スタッフでもある村上さんのポーターキャブは、オレンジ色がとてもキュートだ。 「やんちゃ毒ガエル」をイメージしたという愛車。 「気負うことなく自然に、のんびりと付き合っていけたらいいですね」と村上さんは微笑んだ。 ▲レトロテイストを取り入れた室内も素敵 ▲「橙蛙屋工房」の屋号アート活動もしている村上さん。粋なデザインのイラストやグラフィックがちりばめられていた ●「橙蛙屋工房」の作品についてはInstagramのアカウント「 tohkayakoubou」をチェック! https://www.instagram.com/tohkayakoubou/ ●三菱 ミニカスキッパーⅣ(1973年式)オーナー五十嵐純一さん シリーズ2代目にあたるミニカ70をベースにしたモデル。「こしゃくにもクーペです」のキャッチフレーズで知られる。 五十嵐さんの愛車は、2G21型エンジン(バルカンエンジン)が換装された後期型になる。 ちなみに、前期型には2ストで金色のエアクリーナーが装備された「ゴールドエンジン」が搭載されていた。当時38馬力を誇っていたが、排ガス規制によってパワーダウンを余儀なくされ、後期型はマイルドな仕上がりとなった経緯がある。 新潟県から自走で参加したという五十嵐さん。 愛車は手に入れて約6年になるそう。 ほぼ自走で全国の軽自動車ミーティングへ遠征しているというフットワークの軽さに脱帽だ。 「誰とも被らないクルマという点が魅力で購入しました。スペース的にもちょうど良く気に入っています」 そう話す五十嵐さん。オリジナルを大切にしていきたいという。 ▲三菱の2G21型エンジン、通称「バルカンエンジン」。「バルカンS」からはサイレントシャフトが採用されている ●スズキ セルボ(1979年式)・ バモスホンダ(1973年式)オーナー中村真一さん 岡山県総社市のカーショップ「エヌ・ファクトリー」のオーナーである中村さん。 今回は2台同時に持ち込んでの参加だった。 【スズキ セルボ】 こちらの初代セルボは、中村さんの知人からの依頼で引き継いだ個体だ。この個体にまつわるエピソードを伺った。 過去に一度、同じセルボを所有していたという中村さん。 ある日、夢の中に突然そのセルボが現れたという。 それから数日後、居酒屋で飲んでいるときに知人から電話があり、「初代セルボがあるので引き継いでもらえないか」との相談があった。中村さんは酔いの勢いも手伝って購入を決めた。あの日の夢は前兆だったのだろうか?どこかシンクロニシティを感じてしまう。 ▲先代モデル・フロンテクーペのデザインとRRレイアウトを受け継ぐが、リヤガラスがハッチになるなど実用性も向上 【バモスホンダ】 バモスホンダはもともと中村さんの父親の愛車で、形見ともいえる大切な1台。「幼い頃に家族でドライブした記憶があります」と中村さん。 ▲幼少時代を思い出しつつリアシートに座っていただいた ●お問い合わせ:エヌ・ファクトリー・URL:http://www.n-factory-feel.com/・住所:岡山県総社市清音柿木461-3 ・Tel:0866-94-0670 ●ホンダ N360(1968年式)オーナー丸山浩市さん 車体は購入後すぐに塗り替えを行い「クラブマンレーサー」をイメージしたグリーンに全塗装。 「RSCレーシング仕様」の白いレーシングラインを実物の線幅にまで再現したこだわりの1台だ。 「オリジナルにこだわりすぎず、経年変化を楽しんでいきたい。70歳までは元気に乗りたいと思っています」 丸山さんは、軽自動車のみのイベントは初体験だそう。 「ホンダ好きのオーナーとも知り合えた」と笑顔を見せる丸山さん。 この日は奥さま、娘さんと一緒にイベントを楽しんでいた。 ▲N360がデビューした「1967年3月」と同じナンバーはこれからも守っていくそう ●スズキ セルボ(1989年式)オーナーPONNEWさん シリーズ3代目のセルボに乗るPONNEWさん。 こちらのモデルはシリーズ唯一のバンタイプ。現在の実動車は、10台ほどではないかと思われる。 通称「横丁小町」と呼ばれて親しまれ、世界初の電動パワステを装備したモデルでもある。 「部品調達は大変ですが、アガリの1台として大切に乗っていきたい」とのこと。 ▲空力性能を意識したルーフのラインは、低燃費を売りにしている現代の車種にも通じるものを感じる ▲グラスルーフで開放感抜群! ▲DIATONEのオーディオシステム ●スズキ キャリイL40(1969年式)オーナー竹本一城さん シリーズ4代目のキャリイ(L40/前期型)に乗る竹本さん。 このモデルはジウジアーロデザインでも知られる。 2年前にレストアが完了したそうで快調のようだ。 「不具合はないので消耗するパーツをストックしながら現状維持に努めたい」と話す。 ▲リアのホイールはなんと自作! ▲リアシートがあり、4人乗り登録なのだ。シートも自作で新調 ●東洋工業(マツダ) K360(1962年式)オーナー仲子俊輝さん 知人から譲り受けたというK360は、手に入れた当時の塗装色をそのままにしている。 経年変化を楽しんでおり、ヤレ感に飽きたら再塗装したいとのこと。 なかでも気に入っている点はエンジン音だという。 ▲友人の竹本さんと ▲工具箱や整備書、パンフなど貴重な品々をディスプレイ ▲小物入れも当時モノ ●ホンダ ライフ(1974年式)オーナー小田さん スズキ キャリイのオーナー・竹本さんと友人の小田さん。 この個体は竹本さんからの紹介で北陸から迎え入れた個体だ。 走り好きの小田さんはドリフトやオフロード走行も楽しんでいるそう。 「旧車とはいえ、ライフは速いですね」と走りにも満足している。 自然体がコンセプトで大きく手を加えるところはないという。 ▲「もし欲しい方がいたらお売りしますよ」と小田さん ●スズキ アルト ウォークスルーバン(1988年式)オーナー梅崎雄一郎さん 立ったまま作業ができる商用車として開発されたウォークスルーバンは、軽規格ではダイハツ ミラをベースにしたモデルが先行して登場し、スズキ アルト、三菱 ミニカにもウォークスルーバンがラインナップされた。 梅崎さんの愛車は、2代目アルトがベースとなっている。 前の愛車を箱替えしようと思い、中古車サイトを調べていて見つけた個体だという。 「荷物がたくさん積めてかわいいですね」と梅崎さん。 ▲車内で立ててしまうこの広さ! ▲特装車ならではの各メーカーカタログ ▲買い物からイベントまで大活躍! ●ミツビシ  ミニキャブ5バン(1976年式)オーナー田辺真司さん 1976年に軽自動車規格の改定(排気量は550ccまで、車体サイズは全長×全幅×全高:3200×1400×2000mmまでアップ)が行われたが、各メーカーはすぐにフル新規格モデルを出す余裕がなく、既存モデルを一部改良して新規格に合わせた暫定的なモデルが、わずかな期間ではあるが存在している。 このミニキャブ5もエンジン排気量を471ccに拡大し、バンパーを延長してボディ全長を伸ばしたものの、全幅は360cc規格のまま。わずか11カ月しか生産されなかった。 その後はフル規格化を果たし、550ccのミニキャブワイド55となった。 田辺さんの愛車は、一度廃車になっていた時期があるという。数年の修理期間を経て公道復帰。当時のナンバーを維持している。 「良いコンディションを維持しつつ、残していきたいクルマですね」と田辺さんは話す。 ▲軽自動車規格の変遷を感じられる貴重なモデルだ ▲当時モノのステッカーを再現 ■取材後記 早朝5時半に「吉備旧車倶楽部」の皆さんと合流し、児島ICから瀬戸大橋を渡って坂出ICを下車し、国道11号を走って会場へ向かった。 「紙のまち」四国中央市は古くから紙を生産する町として栄えた。 今も市内には製紙工場が点在し、工場の煙突が印象的だ。 そして煙突の背後にそびえ、白雲をたなびかす四国山脈。そんな景色を眺めながらのパレードランから始まった。 その土地ならではの景色や雰囲気も味わえるのが、やはり県外のイベントへ出かける魅力でもある。 「昭和レトロフェスタ」のような地域活性とクルマ文化をうまくからませたイベントが、このさきも増えていけばと思う。 ▲会場となる「栄町商店街」までは、吉備旧車倶楽部の三宅さんのアルトに乗せていただいた。アルトの美しい車内。こちらのアルトの詳細を近いうちにご紹介できる…かも!? [取材協力] U-550旧軽車ミーティング事務局 吉備旧車倶楽部 [ライター・撮影/野鶴美和]  

メーカーとユーザーの絆を感じるイベント「MAZDA FAN FESTA 2022 IN OKAYAMA」
イベントレポート 2022.12.05

メーカーとユーザーの絆を感じるイベント「MAZDA FAN FESTA 2022 IN OKAYAMA」

去る11月5日(土)6日(日)、岡山国際サーキットにてマツダによるモーターイベント「MAZDA FAN FESTA 2022」が開催された。 コロナ禍の影響で2020年、2021年と中止となっていたため、3年ぶりの開催となった。 「共に始めよう」とキャッチコピーを掲げた「MAZDA FAN FESTA 2022」は、レースや多彩な体験型イベント、トークショー、展示などが充実。 ファンにはたまらないポイントが満載で、世代関係なく誰もが自動車の魅力に触れることができる参加型イベントだ。その初日を取材した。 サーキットは早朝からにぎわい、大勢のファンが並んだ。 レーシングコースでは本格的に走行も始まり、徐々に会場の熱気が増していった。 展示ブースには早い時間から多くの来場者が訪れ、なかでも注目を浴びていた「FD RX-7 CLASSIC MAZDA レストア展示」は、このあと詳しく紹介する。 ■レーシングコースではさまざまな競技 サーキットのレーシングコースでは、二日間に渡って耐久レースやナンバー付き車輌のレース、ドライビングアカデミー、デモラン、マツダ各車種のパレードランなどが行われた。 今年10周年を迎えたという「マツダファン・エンデュランス(マツ耐)」は第5戦岡山ラウンド。 岡山大会では土曜に「NORMAL系クラス」が行われ、日曜に「TUNED系クラス」が行われた。 ▲走行に備える参加者 そのほかにも二日間に渡って、RX-8のワンメイクレースとしては日本最大級の「エイトリアンカップ」や、多様なマツダ車が出走する「マツダファン・サーキットトライアル(MFCT)」なども開催された。 ●熱狂!ドリフトパフォーマンス 2018年FORMULA DRIFT JAPANチャンピオンのマッド・マイク選手が来場。 レーシングコースのホームストレートにてパフォーマンスした。 ホームストレートの観客席からは歓声があがっていた。 また、2023年のパイクスピークへMAZDA3で参戦するという発表もあった。 ▲走行するロードスターの周りを旋回してドリフトに持ち込む超絶テクニックも披露 ●ハイレベルな戦い、「ロードスター・パーティレース」 ロードスターのモータースポーツベース「NR-A」による、JAF公認ナンバー付きワンメイクレース「ロードスター・パーティレース」。 西日本シリーズの覇者を決める最終戦だった。 今回、岡山でのパーティレースとしては過去最多の36台がエントリーした。 ▲NDシリーズは「ミノワファクトリーロードスター(箕輪卓也選手)」(左)が、NDクラブマンは「Shootingロードスター(中村進選手)」(右)が優勝を飾った ●レースで活躍中のマシンたちが疾走!「MAZDA SRIRIT RACING&パートナーズレースカー展示・デモラン」 レースカーのデモランも行われた。 マツダは2021年にレーシングチーム「MAZDA SPIRIT RACING」を立ち上げている。 スピードスポーツに挑戦する人、モータースポーツに憧れている人、応援する人、モータースポーツに限らず道具を操ってスピードに挑む人をつなぎ、サポートする取り組みを行っている。 そのチームマシンをはじめとしたパートナーズレースカーたちがコースを駆け抜けた。 ▲スタートしていくマシンたち ▲スーパー耐久レースへのステップアップをサポートするマシン、倶楽部 MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER。今年はパーティレース出身のドライバーを中心に挑戦中だという ●愛車でタイムアタックに挑戦!「マツダファン・サーキットトライアル」 「マツダファン・サーキットトライアル(MFCT)」は、自分に合ったスタイルでモータースポーツを楽しめるのが魅力だ。 JAF公認サーキットで年5戦が行われている。 今回はその第4戦。 マツダのさまざまな車種が出走し、タイムアタックに挑んでいた。 ▲ランティス(ゼロウノフロンティアランティス) ▲デミオ(M8トルクディーゼルデミオ) ▲アクセラ(SKM’AXELA) ■誰もが楽しめる展示やカフェ、参加型コンテンツが盛り沢山 参加型コンテンツや展示も豊富で、どのブースも盛況だった。 eスポーツを体験できるブースや、マツダワークスで活躍したレジェンドマシンの展示、RCカー体験、子ども向けのストライダースクールまで家族で楽しめるような催しが充実していた。 さらに、飲食ブースやオーナーと愛車をテーマにした写真展、ペーパークラフト作り、雑貨販売なども行われていた。 ミニコースではドライビングアカデミーやオートテスト、CX-60の同乗体験など、最新モデルにふれたり安全運転技術を学べる催しもあった。 ▲マツダワークスで活躍したマシンを展示。なかでも787B(レプリカ)は人気で、一緒に記念撮影するファンも多かった ▲クラブハウスにはカフェスペースが開設されて憩いの場に。愛車をテーマにした写真展も催されていた。テラスでは雑貨販売も ■名車を未来へ!「FD RX-7 CLASSIC MAZDA レストア展示」 早い時間から大勢の人が訪れていた、RX-7のレストアブース。 マツダは2017年よりロードスター(NA)のレストアサービスを開始。 その第二弾としてRX-7が検討されている。 すでに復刻パーツが一部再供給されており、現時点でFC3Sのパーツは30点、FD3Sは72点のパーツが復刻されている(いずれもエアーコントロールバルブは2023年1月発売予定)。 今回は、初日にFD3Sのホワイトボディ、二日目に塗装されたボディを展示。 レストアサービスの実現に向け、前進していることをアピールした。 ▲今もロータリーエンジンの製造を継続するマツダ。ハンドメイドで製造されている ▲レストアサービス検討中のイメージとして公開されていた車体[写真提供:MAZDA] ▲ローター部品やスロットルセンサーセットなどが展示されていた 現段階では、NAロードスターに続く「第二弾」として、1台丸々できるかどうかをシミュレーション中。 再生産できない部品もあるので、リビルド品で対応するなど検討しているという。 今後の展開を、担当の西田芳伸さんに伺った。 「お客様から要望の声は大きいですが、本社で行うと台数をこなせないという問題があります。今、NAロードスターのお客様にも待っていただいている状態です。価格においてもどのくらいでスタートできるのかを検討しています。NAロードスターのときはサービス開始まで2、3年を要していますが、なるべく早く実現したいという思いはありますね」 そう話す西田さんのもとには、つねにファンやRX-7のオーナーが訪れて熱く語り合う場面も見られた。 そこで、来場者にレストア事業への要望を伺ってみた。 ▲商品開発企画部・西田芳伸さん ●【VOICE】「メーカーのイメージとしても良い取り組み。部品を出し続けてください」 最初に話を伺ったのは、藤谷敬さんと大和基宏さんのおふたり。 藤谷さんは初代デミオ、大和さんは初代アテンザが愛車で「マツダファン・サーキットトライアル」に出場。 待ち時間に見学に来たそうだ。 藤谷さん:「部品がなくてクルマを降りてしまう人もいるなかで、このようなイメージの取り組みはマツダユーザーとしてとてもうれしいです。まだ乗り続けられるという希望が湧いてきます。私は初代デミオに乗っているのですが、ゴム部品をまだ出してくれているので助かっています。これからも純正部品を使っていきたいですね」 大和さん:「他のメーカーでも部品の復刻やレストアはありますが、ここまでの規模は他にないように思います。私の初代アテンザの部品は幸いにも供給されていますが、これからも多くの車種の部品を生産し続けてほしいです」 ▲初代デミオ(Team枯山水デミオ)でサーキットトライアルに出場していた藤谷さん ▲初代アテンザ(どうでしょうアテンザ)でサーキットトライアルに出場していた大和さん ●【VOICE】「クラウドファンディングしてもいい。どうにか部品を出し続けてほしいです」 山口裕さんは、RX-7(2001年式最終型)のオーナー。 スポーツカー好きの友人、木村裕介さんと会場を訪れていた。 ホワイトボディを前に熱心に見学するおふたりに話を伺った。 ▲ホワイトボディを眺める山口さんと木村さん 山口さん:「長く乗り続けているオーナーにとっては、代わりがないかけがえのない1台です。もし部品の設計図があるならデータ化するとか、何らかの形で継続できるような体制をお願いします。特にロータリーエンジンの部品は、マツダしか作れませんから。生産し続けることが困難になったときは、クラウドファンディングしてもいいと思っています。海外とは違い、日本は旧車にいろいろと厳しいですが、そのような状況下で部品を出し続けてくれていることに感謝しています」 木村さん:「部品がなくなってしまうクルマがあるなか、乗り続けられることがすばらしい。これからも必要なときに手に入る状況であるよう願っています」 ▲個体にもよるが、実際にレストアする場合はこの状態にするまで約10日、2〜3カ月で完成という工程となるようだ ▲NAロードスターの場合は外装のみの費用が約300万円。FDはルーフもあり、個体の状態によっても価格は変わってくるため、価格決定は課題のひとつとなっているという[写真提供:MAZDA] ■取材後記 今回は初日のみの取材だったが、ユーザーとの絆をイベントの随所に感じられ、マツダユーザーでなくとも、さまざまな取り組みや先進技術を知ることができるクルマ好きにはたまらない催しだった。 特に「FD RX-7 classic MAZDAレストア展示」は、いち「ネオ・クラシック」のオーナーとしても胸が熱くなった。 メーカーとの距離が近く、直接声を届けられる場所が設けられていたことに感服した。 こうした取り組みが業界の起爆剤となり、自ずと旧車に光が差す未来を想像せずにはいられなかった。 ▲コースに虹。初日の午後は、にわか雨に見舞われた。筆者も含め、会場にいた大勢の人がスマホで撮影していた様子が印象的だった [取材協力] ●岡山国際サーキットhttp://www.okayama-international-circuit.jp/ ●MAZDAhttps://www.mazda.com/ja/innovation/MAZDA_SPIRIT_RACING/event/okayama2022 [ライター・撮影/野鶴美和]  

横浜赤レンガ倉庫を彩る旧車が集結!横浜クラシックカーデイ2022
イベントレポート 2022.12.02

横浜赤レンガ倉庫を彩る旧車が集結!横浜クラシックカーデイ2022

去る11月12日、横浜赤レンガ倉庫にて横浜クラシックカーデイ2022が開催された。 良く晴れた秋空の下かつての横浜保税倉庫、通称赤レンガ倉庫に多数のクラシックカーが集結した姿はまさに圧巻であった。 今回はその模様をお届けしたい。 ■横浜クラシックカーデイとは? 今年で11回目を数える同イベント、赤レンガ倉庫という歴史ある場所で同じく文化遺産ともいえるクラシックカーの展示を行っている。 多くの方に間近で観ていただき、後世につなげていくことを目的として開催されている。 参加資格は1974年までに製造された車両だ。 それ以外は車種、生産国を問わない。 この日もこの1日限りの青空展示会に多くのクルマ達が遠方からも参加、オーナー同士の交流や訪れた一般の方への解説で華やいでいた。 また毎年恒例になりつつある旧いクルマの絵を描こうという企画では、展示されたクラシックカーを子供たちがこぞって描くイベントだ。 現在は大人も負けじと筆を取る姿もみられ、個性豊かなカーイラストが次々に描かれる様はほほえましいものがあった。 ■魅惑の参加車両たち 参加車両の一部に少し迫ってみることにしよう。 それがこちらの初代ミニキャブ。2ストのエンジンを搭載している。 現在のオーナーが手に入れてからは1年ほどとのことだが、現在は2週間に1度くらいの割合で近所をドライブしているとのこと。 2ストはどうしてもエンジンに寿命があるのため、大事に乗っていたいと話す。 そのために、エンジンオイルは高くても社外品のいいものを入れないと焼き付く恐れがあるという。 ちなみにこちらのオーナーはジムニーの初期モデル(こちらもエンジンは2スト)所有しており、筋金入りの2ストマニアといってもいいのかもしれない。 ■新しい試み 赤レンガ倉庫は以前ならショッピングモールとしてその中に店舗が入り、立ち並ぶ飲食店にて参加者も昼食を取っていた。 しかし今年は残念なことに建物の改装工事中ということもあり、仮設トイレが設けられたのみで倉庫の扉は固く閉ざされたまま。 そこで取られた策が会場の両端に配置されたケータリングカー群。 8台/8店舗のケータリングはカフェやランチのサービスはじめ、サンドイッチのように片手で食べられる手軽なものまで。 訪れた方や参加者のおなかを満たすことができたようだ。 ■横道を行く 恒例のイベントの横道を行く。 これだけのクラシックカーが居並ぶ会場、さぞやいろいろなクルマで来場する方がいるに違いないと思いつつ、やはり相応な車両が多数ひっそりと来場していた。 その中の1台が「ヨタハチ」ことトヨタスポーツ800。 大衆車トヨタパブリカのシャーシとエンジンを使い生産されたスポーツカーであり、レースの世界でもライバルであるホンダS600との激闘を繰り広げたクルマだ。 中でも圧巻だったのは船橋サーキットでの浮谷東次郎による逆転優勝だろう。 また、同車両はガスタービンとモーターによるトヨタ初のハイブリットカーのベース車でもある。 キレイに仕上げられた赤いヨタハチは、きらびやかな表舞台の参加車両を見物に来たであろうオーナーにより、ひっそりと裏手のコインパーキングに止められていた。 ■多くの訪問者を楽しませるイベント 横浜クラシックカーデイは開催ごとに参加者だけではなく、そこに訪れる観光客や一般の方々にも広く展示している。 それゆえにどこか普通のカーイベントと違い、同好の士の集まりというよりも動く博物館としての要素の方が強いように感じられる。 それはより一般の方との距離感が近い状態で・・・だ。 ここで初めてクラシックカーを見る子供たちも少なくないだろう。 だが、それでいい。 それがいつか見たあのクルマという思いにつながり、この日ここで観たクルマに対する思いにつながっていくことこそが、この赤レンガで開催されるクラシックカーイベントの意義ではないかと思うからだ。 [ライター・撮影/きもだ こよし]     

歴代モデルがトヨ博に集う!「COROLLA & SPRINTER DRIVERS MEETING」
イベントレポート 2022.12.01

歴代モデルがトヨ博に集う!「COROLLA & SPRINTER DRIVERS MEETING」

トヨタカローラ。 日本だけでなく世界のベーシックカーとして名を轟かせ続けている。 その名前は例えクルマに興味がない人でも耳にしたことはあるのではないだろうか? 1966年の登場以来、セダンを皮切りにさまざまなボディラインナップが登場。 時代にフィットしたさまざまな顔ぶれのなか、兄弟車としてスプリンターも追加される。 クーペ、ミニバン、ハッチバックに近年では派生車種としてSUVタイプのカローラ・クロスも加えられ、世界中のライフスタイルに合わせたクルマとして魅力を放ち続けている。 ■クーペ、SUVにライトバンまで!時代を越えたカローラのラインナップが集結! そんなカローラに愛好家は少なくなく、世界中にファンも多い。 インスタグラムを眺めれば、これまでにまったく見たことがないグレードや度肝を抜くようなカスタムが施された車両も数多く存在し、その歴史の深さと愛され方を伺うことができる。 去る2022年11月5日、日本屈指の自動車博物館としても名高い愛知県、トヨタ博物館にて第三回「COROLLA & SPRINTER DRIVERS MEETING」が開催された。 秋晴れの会場の中には美しく磨き上げられたノーマル個体から、思い思いにカスタムされた数多くのカローラとスプリンターの姿が快音を響かせ流れ込んでくる。 参加台数は総勢で68台。 遠くは九州からも参加者がおり、その熱意に感じ入るものがある。 来場者のラインナップは古くは70系のライトバンから、最新型のカローラクロスのハイブリッドまでざまざまな顔ぶれであり、会場はとても同一車種名のミーティング会場とは思えないほどだ。 会場内にはイギリスから輸入されたカローラツーリングスポーツなど、ワールドワイドに販売されている車種であることを改めて意識させられる車種もあり非常に興味深い。 ■モデルを越えた出会いの場になれば。カローラ・スプリンターの名のもとに集いしオーナーたち 主催であるKA-10さんは今回スプリンターGT(AE111)で参加。 この車両の他にも、サーキット走行用にスプリンタートレノも所有している。 新車当時にカローラレビンのBZ-Gを購入してから、兄弟車であるカローラ、スプリンター系の車種だけで5台も乗り継ぐというから驚きだ。 ▲主催のKA-10さんが所有するのはスプリンターGT(AE111)。引き締まった車高にコーナーポール、レースのシートカバーと、カスタムと往年のセダンらしさが融合する そんなKA-10さんにカローラ・スプリンターのイベントを開催するきっかけについて伺ってみることにした。 「“COROLLA & SPRINTER DRIVERS MEETING”は、2019年に初開催されたイベントです。カローラとスプリンターは長い歴史の中でざまざまなボディタイプが派生しており、それぞれの車種のオフ会は多数行われています。ただ、それらの車種や世代を越えた交流ができれば良いな、と思い、開催する運びとなりました」 新車で販売されている1998年からAE111のスプリンタートレノを所有していたKA-10さん。 インターネット黎明期だった当時、オンラインの掲示板で同車種の集まりが開催されていることを知り、イベントに参加するようになったそうだ。 しかし、時間を重ねるごとに当時のメンバーも次第に別車種に乗り換えるなど、集まる機会自体が自然消滅していってしまったのだとか。 そんな中、近年では車種を取り巻くユーザー層にも変化があり、イベントの在り方にも変化が訪れていったという。 「ここ数年で以前よりもレビンやトレノに乗る若い方々が再び増えてきたのです。しかもオーナー間で活発に交流をしていることを知りました。カローラ系の車種では共有している部品や共通の知識がカスタムやメンテナンスで活きることも多く、イベントの方向性もモデルごとに縛りをつけるのではなく、カローラ・スプリンターという広い括りのイベントとすることで幅広いオーナーさんやクルマと出会うことができる、そんなイベントとしています」 そう伺ってから会場を眺めると、ベテランオーナーさんの姿もあれば、初心者マークをつけたオーナーさんの姿も見える。 若者のクルマ離れなんて言葉が聞こえてきて久しいが、世代を超えて心を惹きつけて止まない力をこの会場からは感じることができる。 ▲まだまだ新しいと思っていた12#系も、国内での販売を終了してから既に16年が経過 ■そこにあるはずのないエンジン!?名機4A-G搭載の4WDワゴン! 会場を見回すと一台のカローラツーリングワゴン(AE104)へと妙に興味が惹かれた。 初代カローラツーリングワゴンは1991年に発売されたレジャー感溢れるステーションワゴンだ。 1997年に大幅なマイナーチェンジが施され、後期型のCMで篠原ともえとユースケサンタマリアが”カロゴン”と謳うモデルだ。 その違和感は年式不相応に綺麗なボディからではなく、そのボンネットフードの中にあった。 ▲外観はGツーリングだが、エンジンはカローラレビン。これまでサーキット走行なども楽しんできたという AE104型の前期カローラツーリングワゴンには4A-Gの設定はないはずだ。 中期型以降から搭載される4A-Gも黒ヘッドの前輪駆動。 こちらのモデルは銀ヘッドの4A-Gで車体側面にはFULLTIME4WDの文字が輝く。 この世界に存在しないはずの組み合わせだ。 すかさず近くにいたオーナーの”るるデブ”さんに話を伺った。 「こちらの車両は1996年に自分が新車で購入した車両です。ワンオーナーで26年間持っているのですが、2004年頃にエンジンのオーバーホールを行う際、AE101系レビンの解体車を丸ごと買い、エンジンやハーネス類、パワステの制御など他車流用の部品を含めて様々なものを移植して完成させました」 外観の変更はカンガルーバーとフォグランプやトムスのホイールに留められているだけに、そのエンジンスワップという行為に潔い輝きを放つ。 4A-Gと4WDとの組み合わせはトラクションも抜群で、雨の日の発進などはお手のものだという。 「排気量が同じ1600ccの4A-FEから4A-Gへと変更したのですが、最初の印象は”とにかく速い!”でした。音も違うし、アクセルの踏み方と速度感が異なることにも驚きがありました。通勤から遊びまでこれ一台でこなす万能マシンです。車体の走行距離は30万キロを越えましたが、カローラのミーティングにはさらに沢山走行している大先輩がいるのでまだまだ頑張りたいですね!」 そういえば、これまで他のカローラミーティングで50万キロ越えの個体を見せていただいたこともある。 頑丈さが都市伝説的に語られるカローラだが、日々の丁寧なメンテナンスや保守なしではここまで生き残ることはきっとできないはずだ。 ■クルマがオーナーを選んだかのような出会い!希少なスプリンターシエロと歩む 会場では普段の街並みではすれ違わないようなモデルと出会うこともある。こちらのスプリンター・シエロも歴代唯一となったモデルだ。 ▲1987年式のスプリンターシエロ、グレードはxi。これまで歴代の愛車は現行モデルなど新しめのクルマが多かったが、先輩の勧めで突如ネオクラ車に目覚めたという E80系をベースとしながら5ドアリフトバックのボディを採用した同車種。 オセアニア地域や欧州、北米ではジオ・プリズムハッチバックとして販売されていた。 いまだヨーロッパの片田舎でごく少数見かける機会があるが、本国の日本ではほぼ見かけることがないといっても過言ではないだろう。 オーナーの”見てのとおり”さんはシエロをインターネットを通じて2018年に入手。 元々クルマ好きではあったものの、旧車に属するクルマを趣味で買うつもりはなかったという。 「元々地方の旧車イベントに会社の先輩と一緒に足を運んでおり、話の流れで”古いクルマを買ってみたらどうか”となり、たまたまオークションで出品されていたシエロを購入する運びとなりました」 オークションでは当時でも驚くほどの安価な値段ながらも、長い間落札されることなく出品が繰り返されていた個体だったという。 そんな個体ながらも、出品者の方から「おおかたの整備は済んでいます。いい買い物でしたね!」といわれたそう。 実際、購入してからの4年間で交換したのはショックアブソーバーのみで現在までトラブルは皆無。 モールや樹脂類に至るまで艶やかさを失っておらず、これまで愛情が掛けられてきたことを感じる。 シエロは“見てのとおり”さんのもとに来てからというもの、各イベントに出没。 購入時からほぼそのままの状態で展示され、いくつかのアワードをも受賞している。 美しい状態で令和の時代まで生き残り、大切にしてくれるオーナーさんと出会うそのときまで待っていたのでは...。 なんて表現すると、少しファンタジックすぎるだろうか。 新旧、カローラとスプリンターに囲まれた一日。 クルマの数だけユーザーとの濃密な物語があるはずだ。 経験や知識の共有、新たな出会いも生まれるミーティングの場に感謝を感じ、これからもクルマと歴史の傍らにこんなイベントがあってくれたら嬉しいと感じてやまない。 [ライター・撮影:TUNA]

歴代(近代!?)4世代が集結! ブルーバードミーティングに参加
イベントレポート 2022.11.14

歴代(近代!?)4世代が集結! ブルーバードミーティングに参加

今回、歴代ブルーバードミーティングに参加した模様をレポートしたいと思う。 本文中、筆者のマニアックで温度高めなところが出てしまう点を、あらかじめおことわりしておきたいと思う。 ■嵐のなか開催された歴代ブルーバードミーティング 季節もイベントに適した気候になり、多くのイベントが各地で再び開催されるようになった。 今回、筆者の愛車である"ブルーバード"も、対象の歴代ミーティングにお誘いを受け、参加してきた。 本ミーティングはブルーバードオーナー有志の方々が開催した。 初秋の季節柄、開催直前に台風が来ており、一時は開催が危ぶまれた。 幸いにして直撃にはならず、高速道路の通行止め等あったが、各地域から多くの参加車両が集まった。 ■多種多彩な歴代ブルーバードたち 今回は8代目であるU12型以降の4世代が集まった。 参加台数の内訳が、筆者の予想と意外な点で異なっていた。 その意外な点とは、今回1番台数が多かったのはU12型であったということだった。 なぜ、U12型の参加台数が多かったかについて、筆者の考えはまた後ほど説明したいと思う。 次に多かったのは、筆者の愛車と同型であるU14型であった。 年式が比較的新しく(とはいっても新しくても約20年落ちではあるが)各排気量にMTの設定があった。 そのため、セダンで走りを楽しみたいオーナーに好まれているのかもしない。 今回、U14型での参加車両の多くはMTであったため、筆者はこのように考察をした。 U13型の参加車両は2台であったが、驚くべきことにSSSとARXが揃う結果となったのである。 U13型について少し語らせていただくと、ボディタイプが2タイプ用意されていた。 バブル期に開発が行われたこともあり「セダンのSSS」、「ハードトップのARX」と作り分けていたのである。 ただ現存率が低く、イベントでもお目にかかれる機会が少ない。 今回”歴代”とのことだったため、SSS(画像の白の個体)に乗る、古くからの友人を誘っていた。 結果として、今回ARXにお乗りの方が参加されており、それぞれのボディタイプが揃うという、めったにない光景が広がった。 G11型ブルーバードシルフィは、シルフィとしては2代目となる。 ブルーバードの名を冠した最後のモデルである。 「シルフィ」のネームが付き、サルーン路線へ大きく変革を行った。 サルーン路線になったとはいえ、意外や走りに関してはブルーバードの血統を感じさせる。 オーナーは毎日通勤も含め、山坂道を走っているとのことだが、走りに不満はないそうだ。 購入当初、ブレーキ性能に不満があったそうだが、利き具合が好みのパッドに交換をしてからは解消したという。 筆者も何度か運転したことがあり、動力性能は十分にあることを知っていた。 そのため、オーナーの感想に共感をした。 残念ながら、6代目の910型で参加予定だったが、不調のため急遽セカンドカーで参加された方もいた。 次回はぜひ、一緒に並べたいと願うばかりだ。 ■なぜ、U12型の参加台数が最多だったのか?についての考察 では、U12型がなぜ今回最多数の参加車両だったのか、筆者の考察を披露したいと思う。 U12型にはセダン、ハードトップ、5ドアハッチバックという3種類のボディタイプがある。 セダン、ハードトップそれぞれのボディタイプには、SSS(スポーティ)とサルーン系の2つのキャラクターが存在する。 当時、新車で購入された方はまず、5種類の大分類から選択することになる。 ボディタイプとキャラクターを選択後、多くのグレードとオプションから理想に近いものを選択することができた。 細分化されたグレード構成から選んだ理想の一台のためか、現在も新車時から乗り続けているオーナーが多いようだ。 今回参加されたU12型オーナーのなかにも、2年以内にワンオーナー車だった個体を購入して、乗り始めた方が数名いたようだ。 新車当時と同じように、現役オーナーたちも自身の好みに合わせた選択を行うことができたため、多種多彩なU12型が集まったのかもしれない。 余談だが、このモデルは、新技術のアピールも積極的に行っていた。 そのひとつに、日産の新たな4WDシステム”アテーサ”がある。 このアテーサは、その後のモデルにも引き続き採用された。 今回、現地に向かっている道中、ウェット路面だけでなく、水溜まりの箇所も多くあった。 そんな路面状況でも”アテーサ”搭載車のオーナーたちは、安心して(むしろ楽しんで)ドライブしてきたとのことだった(笑)。 ■驚愕の絶滅ノベルティグッズ 今回、ミーティングの受付に飾られた、あるモノに驚いた! 2台の金色に輝くU13型(SSS)とU14型のモデルカーである。 一緒に置いてあるトミカと比較すると、大きさがお分かりいただけるだろう。 この2台が何かというと“シガレットケース”そう、タバコ入れである! 新車販売時に設定されていたノベルティグッズになる。 他車種で、このシガレットケースというノベルティがあったことは知っていた。 過去、目にした車種の多くはローレル、マークⅡといったハイソカーであった。 しかも、80年代にデビューしたモデルが大半であった。 実は、少し前にU13型のシガレットケースが存在することを知り、驚いたばかりであった。 今回、96年に登場したU14型にも設定があったことを初めて知り、驚愕の事実であった。 ご存知の通り、現在新車販売されているクルマのほとんどには灰皿が装着されていない。それだけ、喫煙文化は衰退している。 今後、このようにタバコにまつわるノベルティは、今後出てくることはないだろう。 一時代を反映した、貴重なノベルティであった。 ■ミーティング開催場所を提供してくれる貴重なお店 今回のミーティング場所は「ドライブイン もちや(静岡県富士宮市)」の駐車場である。 「もちや」という名前は、SNSのオフ会投稿で目にすることがあると思う。 筆者も名前は知っていたが、どういう場所なのかは知らなかった。 ミーティング当日、会場に着くとお店裏手の広い駐車場が会場となっていた。 この場所はなんと、もちやさんが提供しているとのこと! 流れとしては、事前に参加予定台数を申請して予約。 当日、参加台数と1台当たりの使用料を納めれば、場所の提供をしていただけるとのことだ。 昼食はもちやさん店内にて、豊富なメニューから選ぶことも可能であり、お土産の購入ができる点も助かる。 たしかにミーティングにはうってつけのロケーションである。 周辺道路は流れもよく、クルマにもドライバーにもストレスフリーな環境でもある。 なかなかミーティングを行いたくても場所の確保が難しいことが多い。 筆者としては、もちやさんはミーティングの救世主と感じた。 ●施設名:朝霧高原もちや(ドライブイン もちや) ・営業時間:9:00~18:00(天候等により変更する場合あり)・定休日:不定・TEL:0544-52-0202・FAX:0544-52-0771・住所:〒418-0108 静岡県富士宮市猪之頭1114-1・交通情報:東名富士ICより車で約25分、中央道河口湖ICより車で約40分、新東名新富士インターから車で約20分・駐車可能台数:320台(無料)・URL:http://www.mochiya.co.jp *オフ会についての規定も公式ホームページに公開されているhttp://www.mochiya.co.jp/もちやオフ会規定.pdf ■まとめ 長い歴史のあるブルーバードにおいて、8代目以降のモデルが集まった。 ブルーバードとしては”近代”モデルが集まったことで、近い年代同士での比較、情報共有が積極的に行われた。 今回、筆者個人としてはミーティングを歓迎してくれるお店があることを知った。 読者の皆様においては、ミーティングを行おうと計画されている方もいると思う。 ぜひ、お近くのミーティング歓迎な施設を探して、気兼ねなくイベントを行うことをお勧めしたいと感じた。 [ライター・撮影/お杉]

参加台数は100台以上!熱海ヒストリカ2022イベントレポート
イベントレポート 2022.11.04

参加台数は100台以上!熱海ヒストリカ2022イベントレポート

■小雨が降るなか「熱海ヒストリカ2022」が開催 去る10月10日、小雨降る南熱海・長浜海浜公園芝生エリアにて、クラシックカーイベント「熱海ヒストリカ2022」が開催された。 主催はACJ(オートモービルクラブジャパン)。 長浜海浜公園では秋の風物詩ともいえるイベントで、この日公園内の緑地部分にクラシックカーが100台以上が整列した。 参加資格は1995年までに製造された車両、国産外車は特に区分けはない。 会場には10時から開催となっていたが、既に9時を過ぎた頃にはほとんどの車両が集まっていた。 クラシックイベントでも、1995年という枠組みから、わりと近年の車両と思えるR32GT⁻Rのようなクルマから、見たこともないような欧州車まで・・・。 広範囲にわたるクルマで参加者や居合わせた見物人を楽しませてくれた。 ■特異なクルマと若者の邂逅 今年のヒストリカではバブルカーが少なからずエントリーしており、筆者も唖然とする車両がこのツェンダップ・ヤヌスである。 バブルカー最盛期に1年ほどというごくわずかな時間生産され、現存は世界でも数十台もちろん、日本にはこれ1台だという。 正直、筆者も初めて見るどころか、存在すら知らなかった。 50代である筆者をしてその状態なのだから、若い方などは推して知るべしである。 BMWのイセッタベースの600など、ドアが前面から開くことに驚き、なぜこのようになっているのかと質問攻めにするほどであった。 黎明期の車両など、現代の洗練されきった車両からすれば一見無意味な構造に違いない。 しかし、そうなった過程にはもちろん意味があるのだが、彼らからすれば不合理極まりないものに見えるようだ。 温故知新、そうしたことを知ることも、また教える意味でもこうした車両の存在は大事だろう。 ■「蒼いクルマたち」が集結 今回は主催者の意向であるテーマ車両が多数参加していた。 それは「Team Blue Blood」と称する蒼いクルマのエントリー枠だ。 いわゆる青系なら年式問わずどのようなクルマでも参加可能というものだ。 この枠には30台近くエントリーしていた。 そのこともあって毎年クラシックカーのみ(一部現行のスーパーカー等を含む)が芝生エリアに並んでいたが、今年は現行モデルの国産車がちらほら姿があった。 イベントの区分けとしてはどうなのか? そう思われる向きもあるかもしれないが、筆者は悪くない試みではないかと思う。 現代の水準において、旧車はあまりにも値段が上昇してしまった。 その結果、人によっては縁遠い、あるいは手の出ないものとして捉えられているかもしれない。 それでも、懐かしさだけでなく興味を持って会場を訪れてくれた人に、より身近にクルマもオーナーも知ってもらうことは重要だと感じるからだ。 そうした意味で、現行車両でテーマに沿って来てくれた人も、参加者として迎え入れた意義は大きいと思う。 ■横道を行く 会場外にいる車両をピックアップする横道を行く。 例によって探した結果、今回は駐車場ではなく会場内で見つけた1台を。 明らかにモディファイドされたクルマなのですが、ベースはMR-S。 一見するとリア回りなどポルシェのボクスターのようにも見える。 いったいこれは何かとたまたまクルマに戻ってきたオーナーに伺うと、アブフラックというエアロパーツ(カスタマイズ)メーカーのものだそうだ。 ■国内最古のカークラブ、オートモービルクラブジャパン(ACJ)とは? 主催であるオートモービルクラブジャパン(ACJ)は、国内最古のカークラブである。 最古参というと他にも名乗りを上げそうな話ではあるが、ACJの歴史は明治41年にまで遡る。 さすがにここまで過去にさかのぼられてはいかなるカークラブも最古を名乗ることは難しい。 それもそのはず、この明治41年の8月1日に日本で最初の遠乗会つまりツーリングが行われたのだ。 この時に先頭に立たれたのが有栖川宮殿下であり、他10台と連れ立って国立鎮守の森谷保天満宮まで走ったのが国内初のドライブツアーだとされる。 この際に同時に自動車クラブとして設立されたのがはじまりだ。 前述の谷保天満宮でのイベントはもちろん、熱海ヒストリカをはじめ、多数のイベントを企画または他のクラブとの連携やコラボレーションを行っている。 ■まとめ:クラシックカーのイベントは敷居が高そうに思う方ほど参加を! 最近では、熱海ヒストリカも参加車両が多くなり、エントリーが難しくなっているようだ。 しかし、ACJクラブ員は優先的にエントリーができるようになっている。 最古のカークラブとしてこの先を見据えての新しい試みなど、世代交代にも向けた取り組みに歴史と重みを感じずにはいられない。 クルマ好きだが、自クラシックカーのイベントは敷居が高そうに感じる。 そう思われている方こそ、こうした枠組みをきっかけにエントリーすることをお勧めしたい。 ■Automobile Club Japanhttps://acj1908.com/  [ライター・撮影/きもだ こよし]  

13年ぶりに復活「彦根赤祭り」の参加条件は赤いクルマであること!
イベントレポート 2022.10.21

13年ぶりに復活「彦根赤祭り」の参加条件は赤いクルマであること!

この夏、各地で数年ぶりに多くのイベントが行われた。 去る8月14日に滋賀県彦根市で行われた「赤祭り」もそのひとつである。 筆者の“赤い”愛車で、参加してきた模様をレポートしたいと思う。 ■「彦根赤祭り」とは? 彦根藩主であった、井伊家の甲冑が“赤”だったことに因んで“赤い”クルマを集めて行われたイベントである。 2009年を最後に、13年間お休みをしていたという「赤祭り」。 実は、過去行われた赤祭りに筆者は参加していたのだ! 今回開催される情報を滋賀在住の友人から教えていただき、すぐさまエントリーしたのだった。 ■赤ければOK!参加車両はオールジャンル! 今回のイベントは事前エントリー制となっている。 事務局の判断で“赤いクルマ”と認定された場合、参加が可能である。 これは、過去行われた際も事前エントリー制としており、徹底して“赤”にこだわっていることが伺えられる。 そのなかには働くクルマも参加されていた。 働く赤いクルマの代名詞といえば、郵便配達車や消防車である。 今回、郵便配達車が働くクルマの代表として展示されていた。 来場されたファミリーのお子様は、カブに跨って撮影を楽しまれていた。 他には、日頃彦根城周辺で活躍している人力車、電動コミューターもエントリーしていた。 ■個性的でマニアックな車両もエントリー! 会場内には、さまざまなジャンルのクルマが参加していた。 ここからは、筆者の琴線に触れた”マニアックな”クルマを紹介していこうと思う。 会場で駐車した際、筆者のブルーバードに興味を持っていただき、声をかけて下さった方が居た。 この方が、初代インサイトのオーナーである。 筆者の記憶では、初代インサイトを間近で見たことはなかった。 初めて間近で見て「非常にコンパクト」という印象を感じた。 デビュー時に「3Lのガソリンで100kmの航続を可能にした」という情報を知り、驚いたことを今も覚えている。 当時、空力を考えリアホイールの半分をカバーしている姿を見て「そこまでするのか!」とメーカーの本気度も感じた。 初代インサイトが「オールアルミボディ」というのは有名な話だ。 しかし、ペダル類、補器類のブラケットまでもがアルミで作製されているのは、あまり知られていないと思う。 今回オーナーからの説明を受け、筆者も初めて知った次第である。 近未来を感じていた、初代インサイト。 しかし、気づけば旧車の域に突入していることを知った。 なかでも気になるのは動力用バッテリーの劣化である。 劣化が進んでいるため、交換が必要になっているそうだ。 対処法として、リビルトや他車種のバッテリー流用が、手段としてあるとのこと。 ハイブリッドカーでは、従来のエンジンオーバーホール、載せ替えに相当するメンテナンスが、バッテリーに該当するようだ。 会場内の参加車両を見て回っていたところ、ヴィヴィオ T-topを発見した。 ちょうどルーフを外しているところだったので、お話を伺うことができた。 オーナーの方は、現在のT-topは2台目とのこと。 驚いたことに、過去乗られていた車両も新たなオーナーとともに、今回参加されているとのことだった! T-topも初めて、間近で拝見した。 オープンにする際、頭上部分は手動で脱着できる仕組みとなっている。 左右席頭上、センター部分と3部品で構成されている。 Tバールーフにもなる仕組みだ。 Bピラー後方、リアウィンドウ部分は単独で開閉可能だ。 このリアウィンドウが電動で開閉されるということは、あまり知られていないことと思う。 筆者はこのことも、今回初めて知った。 新たに学ぶことが多い。と、いつもイベントに参加する際に思うばかりだ(笑)。 今回、お話を伺ったクルマたちを間近で見ることはなかなかない。 貴重な機会となった。 大変ありがとうございました! 今回ご紹介した2台。 お話を伺うと、イベントに参加した車両は”セカンドカー”とのこと。 お2人とも、別に“本命”車両をお持ちだそうだ。 イベントにも参加できる“セカンドカー”を持つ、旧車マニアな人が増えていると、改めて実感した次第だ。 ■クルマだけでなくみんなが楽しめるイベントも! 今回、会場ではeスポーツの体験ブース、トークショーも行われていた。 グランツーリスモだけでなく、各自ゴーグルをつけて対戦を行う、体感型のブースも設けられていた。 トークショーでは、過去の赤祭りでも登壇された、赤い彗星ことシャア・アズナブルの声を担当している声優の池田秀一さんが登場したのだ!!! なぜ?と思われるかもしれないが、演じられたキャラクターにて"赤"にまつわる縁があるとのことで、過去に引き続き登壇されていた。 各アニメキャラクターファンの方々も来場していた。 駐車場では、ガンダムの“シャア”関連カスタム車も多く参加されていた。 クルマが主体ではあるが、自治体が主催だけにそれだけではなく、多くの来場者が楽しめるイベントとなった。 ■まとめ:来年の大規模開催予定に期待! 今回、13年ぶりの開催となった赤祭り。 閉会式でも、来年は更なる大規模開催を予定しているとのアナウンスがあった。 すでに予定日を決め、場所の確保にも動いているとのこと。 現在、彦根市は彦根城の世界遺産登録をめざしている。 来年は世界遺産登録された彦根城と共に、最大の盛り上がりを今から期待してしまう。 来年はぜひ“赤い”クルマに乗っている方はエントリーされてはいかがだろうか。 ●「赤祭り」公式ホームページhttps://www.akamatsuri.com [ライター・撮影/お杉]

3年ぶりに開催「第14回ゆーるぴあんミーティング」イベントレポート
イベントレポート 2022.10.05

3年ぶりに開催「第14回ゆーるぴあんミーティング」イベントレポート

台風の影響や線状降雨帯により長雨にさらされた日本列島・・・。 ようやく晴れた日曜日、長野県は富士見パノラマスキー場にスキーとは無縁そうなクルマたち(もちろん時期的にもスキーでもないが)が続々と集まっていた。 去る9月11日、この日は3年ぶりとなるノンジャンルイベント『ゆーるぴあん』ミーティングが開催された。  その模様をご紹介しようと思う。 ■「ゆーるぴあんミーティング」とは? 「ゆーるぴあんミーティング」は2015年から始まったノンジャンルのイベントだ。 したがって参加車両は国産外車乗用商用を問わない。  そしてイベントを立ち上げたメンバーの多くが、当時まだ学生だったという、少しばかり異色なイベントだ。 若者のクルマ離れととかくいわれがちな業界ではあるが、彼らを見ていると、それはいったいなんのことだろうと思わずにはいられなかった。 そんな熱意に溢れたメンバーが始めたイベントだけに、やはり参加者も勢いに満ちている。 ■第14回ゆーるぴあんミーティング    話を戻そう。 ゆーるぴあんは開催以来、概ね年2回行っていたが、このコロナ禍で多くのイベントと同様に自粛を余儀なくされていた。 しかし今回、3年ぶりに開催することができたという。 それ以前は車山高原で開催されていたが、紆余曲折もあり、心機一転こちらの富士見パノラマスキー場での開催となった。 こちらのスキー場は、過去にもシトロエン等がイベントを行うなど、カーミーティングに理解のあるスキー場として知られている。  会場には参加台数キッカリ300台という様々な車両が並ぶ。 ずいぶんキリのいい数字だがこれはスタッフの入念な準備の賜物である。 というのも告知でしっかりと300台限定としそこでキッパリと区切ったことで感染対策や会場側への配慮を明確にする意図がみえるのである。 実際スタッフにもその話をうかがうと『事前に登録をされずに来た方には本当に申し訳ないのですが車両のご入場をお断りいたしました』と徹底していた。 事実筆者も事前登録をして少し早めに参加していたが、一般参加として登録していたため、入場開始の時間まで車両の搬入はできなかった。 しかし、これを読まれている方々に断っておきたいのだが、決して融通が利かないのではなく、イベントを円滑に進めるためであることをご理解いただきたい。 ■フリマや協賛店も楽しめる! ゆーるぴあんでは特に何かをするということはない。 もちろんフリーマーケットやショップの展示はあるが、基本は皆が思い思いに交流を図る集まりだ。 企業ブースに展開したユニルオパール。 この日は新規展開をはかるための、イタリア製のケミカルグッズを多数用意していた。 名古屋のCAR-BOXがこの日持ち込んでいたのはパンダ。 「シティクロス」と呼ばれる、2駆のクロス仕様『トラサルディ』は、ファッションメーカーとの限定コラボモデルである。   アバルトモデルのフィアット500のハッチゲートに陳列されているのは、カーグッズやチューンドパーツではなく海苔。 吉田商店の海苔は、銀座九兵衛にも下ろされている高級品である。 真ん中にある某猛牛をあしらったカーメーカーに似たロゴは、アウトモビリ・ランボルギーニではなく、オイシイノリデ・ランチオニギーリとなっていた。 ■イベントの横道を行く イベント会場に早い段階で到着したのはいいが、準備中のため入ることができなかったのは前述の通りである。 しかしだからといって無為に時間が過ぎるのを待つ必要はない。 必ず筆者と同じように、待機しているクルマはあるはずだと会場の周囲を探してみると、早速発見。 このマルっとしたセダンが何かお分かりいただけるだろうか? オートザム(かつてマツダの販売チャンネルのひとつだった)レビューだ。 一見すると軽自動車のようなコンパクトな車両だが、1.3Lと1.5Lのエンジンを持つ小型乗用車である。 そのスタイリングから女性をターゲットにしたが、あまり支持はされなかったようだ。 しかし、大人4人がしっかりと座れることやコンパクトなわりに、スーツケースが2個は入るトランクと、見た目以上にしっかりとした設計であったため、海外では「マツダ121」という名で評価を得ていた。 驚くのはまったくの無改造でしかもMTモデル。 その後、会場入りすると案の定、参加者だったことが判明した。 オーナーの方はまだ20代だろうか・・・。 手に入れてからまだ2年ほどとのこと。 なんとこの前に所有していたのもレビューだという。 こちらもまた強者の気配が伝わってきた。 ■情熱は止まらない ゆーるぴあんミーティング、この言葉を初めて耳にして訪れたのは、まだ横浜のカーグッズ量販店や本牧の駐車場でのことだった。 スタッフもあの時は学生だったが、今はもう社会人になってン年。 以前のようにはさすがに開催できまでも、できるだけ続けていきたいですねと語っていた。 彼らがイベントを始めてもうそんなに時間が経っていたのか・・_と驚かされる。 もはや若いだけではなく、中堅をなすイベントとしてその位置を確立しているといっていい。 空白期間を経て開催されたゆーるぴあんミーティング。 これからも熱意溢れるメンバーと続いていくことだろう。 ■公式Twitterhttps://twitter.com/yu_ru_pr  [ライター・撮影/きもだ こよし]  

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