イベントレポート

ホンダスポーツ生誕60周年を祝して!ホンダS還暦ミーティングレポート
イベントレポート 2023.12.04

ホンダスポーツ生誕60周年を祝して!ホンダS還暦ミーティングレポート

1963年11月12日にデビューしたオープンカー、ホンダスポーツの60周年イベントが開催された。 会場である「中伊豆ワイナリー」には50台以上のS600、S800のクーペやオープンが現れ、オーナーたちが交流を深めていた。 冒頭の挨拶には現ホンダ副社長でもある青山氏も登壇。 自らもホンダエスのオーナーであることを明かし、いちクルマ好きとして、その素晴らしさを語ってくれていた。 デビュー当初は4色(別冊CGより)しかなかったが、会場に現れたのはその後追加されたカラーやオリジナル塗装のものなど、さまざまなカラーリングのエスが並んだ。 また50周年の折に一般に先駆け、茂木でクラブ員だけに先行公開された復刻プロトタイプのS350も展示され、会場を彩っていた。 ■60周年を迎えるホンダスポーツ ホンダスポーツは1962年、第9回全国自動車ショーにて初めて世の中に登場する。 これは当時の通産省による自動車業界再編案に対して反発した本田宗一郎が、法案が成立する前に対応するべく開発を進めたものであった。 翌1963年、ホンダスポーツは「S500」として正式にデビューを果たす。 当時の販売価格は45万9000円であった。 翌年の1964年にはより排気量の大きいS600がデビューし、のちに輸出仕様も念頭にS800へと発展していった。 基本的にはFRレイアウトのモデルだが、面白いのはスペアタイヤの収納の関係でデファレンシャルから直接ドライブシャフトが伸びておらず、その先をチェーンにより延長しての後輪を駆動させる形態になっている。 これはのちにスペアタイヤの位置を見直すことで完全なシャフト駆動になっており、チェーンドライブとシャフトドライブとで区分けがされている。 冒頭のあいさつでも話があったのだが、既にオーナーご自身が還暦を迎えていたり、さらに年齢を重ねている方も多数いらした。 つまり、オーナーとともに歩んだ還暦祝いともいえるだろう。 ナンバーも宮城や関西のナンバーなど広範囲に及び、まるで新車のごとき仕上がりのエスもいれば、登録以来そのままの時間が経過した車体もある。 いずれもオーナーのスタンスによって形作られ同じような個体はないといっていいだろう。 ■若い2代目ドライバー 筆者が前日宿泊で知り合った若者がいた。 S800オーナーの家族で同乗者として参加していて、まだ18歳という。 彼は小さなころから現オーナーである父親とS800でドライブをして、気がつけばすっかりオープンカー好きになってしまったらしい。 父親であるオーナーの車輌も良コンディションであり、また自らインパネやシフトノブ座席の張替も行なって、すっかりオリジナル感があるクルマとなっている。 そんな若い彼の現在ほしいクルマはロードスターやビートだという。 やはりオープンカーが良いそうだが、それにしても欲しいのはS660やNDのロードスターではなく、NAやビートといった90年代の車輌というのが、どこか今どきの若者と違っているところだ。 いつかは父からステアリングを引き継ぐ日を思いながら日々精進している。 我々おじさんからみれば将来有望な若者だが、彼の目下の悩みは同年代で話が合う人間が少ないことだという。 ■イベント会場の横道を行く 会場の周辺の駐車場にいる見学車輌にスポットを当てるべく、横道を行ってみることに。 外部駐車場がない当会場では、そうしたクルマはあまり見当たらない。 しかし、展示車輌に謎のクルマが1台。 メルセデス・ベンツの名車300SLガルウィングが置いてあった。 なぜホンダのイベントに? よく見るとオリジナルよりも圧倒的に小さく、リアのグレードのロゴには600SLとある。 これはエスのシャーシをベースにして作られたカスタムカーだったのだ。 当日はこのほかに、S600ベースのモデファイドモデルのグリフォンも参加。 イベントに華を添えている。 ■70周年に向かって進むホンダスポーツ 前回の50周年で、また何かやろうということでS800の50周年を3年後に行ない、さらにまたなにかと思っていた矢先、コロナ禍でイベントそのものが難しくなってしまった。 還暦祝いのこの日、集まったメンバーと再びイベントが開催できた喜びを分かち合うことができた。 終了の挨拶では「次の70周年も」という話で締めくくられたが、次の10年新たなオーナーを向かえるエスもいるだろう。 もしかしたら交通事情も大きく変わっているのかもしれない。 それでもホンダスポーツは颯爽と走り続けることだろう。 [ライター・カメラ / きもだこよし]

旧きから現行まで、憧れの対象スーパーカー、ハイパーカーが芦ノ湖スカイラインに集結!GOGOmtgレポート<前編・ポルシェ特集>
イベントレポート 2023.11.29

旧きから現行まで、憧れの対象スーパーカー、ハイパーカーが芦ノ湖スカイラインに集結!GOGOmtgレポート<前編・ポルシェ特集>

2023年もそろそろ終盤に差し掛かってきました。 そろそろ冬支度を始めようかなという気分になりつつあった去る11月19日、芦ノ湖スカイラインの中程にある「芦ノ湖スカイラインレストハウス フジビュー」の駐車場を借り切ったミーティングが行なわれました。 「GOGOmtg(ゴーゴーミーティング)」と銘打って開催されたこの集まりは、今回で2回目となります。 大のクルマ好きで、HOC(平成オーナーズクラブ)というクルマ好きグループの代表を務める「やまけん」さんが、自身のコネクションを通して交流の場を設けようと開催されたのがこのミーティングの始まり。 集まってきたクルマ達は、ポルシェやフェラーリ、ランボルギーニetcという蒼々たる顔ぶれで、1台1台細かく話を聞いてみたくなるような車種ばかり。 しかもそのHOCのメンバーが中心になっているので、オーナーさんの多くが30代と年齢が若いというのもこのミーティングの特色です。 ミーティングに集まった車輌はどれも素通りできないものばかりでしたが、その中でも気になった車種をピックアップして紹介していきたいと思います。 今回は(旧車ジャンルの)前編として、ポルシェを中心に紹介していきましょう! ■1992年式 ポルシェ 911(964)カレラ4・RS3.8ルック   まず1台目は1992年式のカレラ4です。 オーナーは、15シルビアでドリフトを楽しんでいたというひろきさん。 このフロントビューを見て「あれ?」と思った人はけっこうポルシェ好きな人だと思います。 この個体は964型のカレラ4をベースにして、「カレラRS 3.8」の外観に仕立てられた1台です。 「カレラRS 3.8」というのは964型の911の代で最もホットなモデル。  GTレースに出場する目的で製作されたホモロゲーションモデルのため、ウワサでは130台弱しか出荷されていないといわれ、今でも憧れている人は少なくありません。 ひろきさんもその一人で、父親の影響でポルシェに憧れを持った少年時代にRS 3.8の存在を知り、「いつかは所有してみたい」と思っていたそうです さすがに本物のRS 3.8は希少すぎて入手が難しいため、憧れた迫力の外観だけでもカタチにしたいと、この個体を仕立て上げたそうです。 こだわりのポイントはホイール。 リヤが11Jという極太サイズのこのホイールは、苦労して本物を入手したんだそうです。 ■「わ」ナンバーの1991年式 ポルシェ 911(964)カレラ2カブリオレ 続いては1992年式のカレラ2カブリオレです。 キレイな状態が保たれた真っ赤なカブリオレボディは、熟年になったら奥さんとちょっとした旅行に乗っていきたいなと夢想する人もいるのではないかと思わせる雰囲気を持っています。 実はこの個体、「わ」ナンバー登録のレンタカーなんです。 大阪で「ポルシェゲート」というポルシェ専門のレンタルサービス&カフェを展開している「ドリームゲート」代表の高橋さんが自走で参加されていました。 このカブリオレの他にも、レンタル車両としては珍しい930型から現行のモデルまで、合計40台の車両を取り揃えていて、最短3時間から借りられるそうです。 代表の高橋さんは、何台も乗り継ぐくらいポルシェが大好きで、コレクションの状態を保つ設備を整えたりしていくなか、興味がある人にせひポルシェの魅力を知って欲しいと思うようになって、このサービスを立ち上げたんだそうです。 ちなみに乗り継いだ中で最も思い入れがあるモデルは、2.7リッターモデルの初期型ビッグバンパーだとか。 「ポルシェ歴が増えるごとに、どんどん旧いモデルが好きになっていくのが不思議です」と仰っていました。 エンジンルーム内もキレイな状態に保たれていて、しっかり整備されているのが伝わってきます。 この日は天気に恵まれていたので、オープン状態で芦ノ湖スカイラインを走るのは気持ちよさそうです。 ■1994年式 ポルシェ 911(993) こちらはシンプルにノーマル仕様の外観に、オールドスクールなホイールがアクセントに効いた1台。 オーナーは、ポルシェ歴4年というKEIさんです。 この個体は乗り始めて1年くらいとのことですが、初めて乗った991型からフェラーリF355などを経由してこの993型に至ったそうで、「乗り換えるごとに徐々に年式が古くなって行ってますね(笑)」と、図らずも前出の高橋さんと同じことを仰ってました。 さらには、「次に乗り換えるとしたら964のカレラRSがいいと思ってます」と、その発言を裏付けていました。 この個体のいちばんのお気に入りは、クラシカルな雰囲気が特徴の「フックス」製ホイールです。 「フックス」は初代の911に装着されていたホイールを製造していたメーカーで、それ以降ずっとポルシェやアウディなどドイツ車にホイールを提供してきたそうです。 60年も前のデザインですが、空冷最終モデルであるこの993型にも意外とマッチしていますね。 ■ポルシェのエンジニアリングの粋を集めたハイパーカー 2004年式 ポルシェ カレラGT  極めつけは、この日に訪れたポルシェオーナー達からも羨望の目を向けられていた「カレラGT」です。 2003年に発売されたこのハイパーカーは、まさに「ロードゴーイング・レースカー」と呼ぶに相応しい内容の造りとデザインで、発表当時は自動車ファンの目を釘付けにしました。 911系のラインにもレース出場を前提としたGT3などのスーパースポーツ・モデルがありますが、この「カレラGT」はそれら既存の車種をベースとしたと特別モデルはまったく異なる出発点で開発された特別、特殊なモデルです。 そもそもが市販車ベースうんぬんではなく、シャーシ、エンジン、足まわりなどすべてがこのモデルのために新たに設計されたもので構成されています。 シャーシは、カーボン製のキャビンを兼ねたメインフレームを中心に、前後のサブフレームでエンジンと足まわりを支える構造で、仮に外装が無くても問題無く走行できる強度を持たされています。 その外装もフルカーボン製で重量が抑えられていて、車両総重量は1380キロと、現行車で言うとシビックやプリウスなどのサブコンパクトカーくらいしかありません。 ポルシェの市販車では初となるV型10気筒のエンジンは、68度のバンク角を持つ専用設計。 市販エンジンではあまり採用されていないドライサンプ潤滑方式を採用していて、超ショートストロークの設計によって、5.7リットルの大きな排気量ながら、最高出力の612馬力を8000回転で発生させるモンスターユニットです。 上の写真で中央に見えるカーボンの部分はカバーではなくサブフレーム。  足まわりはまさにレーシングカー由来のインボードマウントのダンパーを備えたダブルウイッシュボーン式で、これを見るだけでも気分がアガります。 そして、そのスパルタンの極地と思えるシャーシやエンジンに対して、内装はラグジュアリー感さえ漂う上質なつくりとなっています。 ダッシュボードやドアトリム、シートなどの目に付く部分には暖かみのあるタンレザーがあしらわれ、その合間に高性能なメカニズムを感じさせるシルバーのパーツが配されていて、独特の雰囲気医に仕上がっています。 気になるオーナーはボンバヘイマツさん。 この「カレラGT」は10年ほど所有しているそうです。 これだけスペシャルなつくりなので、乗り味も特殊かと思いますが、ヘイマツさんによると「911とはまったく違うクルマだと思いますが、乗っているとどこかしらポルシェらしいなというフィーリングを感じます」とのことです。 他にも数台のポルシェやランボルギーニなどのハイパーカーを所有する羨ましい方ですが、本人は気さくなカーマニアという雰囲気の人でした。 ちなみに好きなクルマは「フェラーリ308GTB」とのことです。 ■他にも気になったポルシェがいっぱい 時間内にインタビューしきれず、写真だけですが何台かピックアップして紹介します。 993型のRS仕様。 この筋肉質な感じ、たまりませんね。 こちらは純正状態の996型GT3ですね。 スピードイエローといえばこの型というイメージが強いです。 997型のGT3RS。 スレートグレーのボディ色が戦闘機のような無骨な印象です。 こちらは991型のGT3 RSですね。 この超スパルタンな車両で近畿方面から自走で参加とは、オーナーさんも気合いが入った人なのでしょう。 ポルシェ初の完全4シーターモデル、パナメーラ。 そのもっともホットなモデルGTSです。 そこらの高級サルーンとは一線を画す運動性能を持っていて、サーキットに持ち込んでも一級の走りができるポテンシャルは、さすがポルシェのクルマというところです。 これは懐かしいポルシェ944ですね。今ではこうして現車にお目に掛かるのは希少となってしまいましたが、改めて見てもカッコイイです。 今のラインナップで言うとケイマンになるでしょうか。 この個体はさり気なくリヤハッチに可変式ウイングのリヤスポイラーを装着しています。 ■あとがき さて、ババッと一気に紹介してきましたが、会場にはまだ多くのポルシェとそのオーナーが来ていました。 総じて感じたのは、若いオーナーが多かったのですが、話を聞くとかなりの思い入れが溢れてきて、「ああ、クルマが好きなんだな」という印象でした。 オーナーさんそれぞれに、幼少の頃に出会ったり、親御さんの影響だったり、あるいはオトナになってから出会った人や車の影響だったりと、ハマるきっかけは違いますが、こういう場で集まって話す内容は、年齢に関係無く熱いんだと感じられました。 次回はイタリア車やドイツ車、国産車の紹介をしてみたいと思います。 そちらも興味深い車種がいっぱいなので、ご期待ください。 [ライター・カメラ / 往 機人  一部画像提供 / 土居 凌祐さん(X@DoiChan40)]

古き良き時代と未来を感じる「2023クラシックカーミーティング&発動機運転会」イベントレポート
イベントレポート 2023.12.01

古き良き時代と未来を感じる「2023クラシックカーミーティング&発動機運転会」イベントレポート

去る2023年11月3日(金祝)、岡山商科大学附属高校(岡山市北区)にて開催されたこちらのイベント「2023クラシックカーミーティング&発動機運転会」には、9時から13時過ぎまでの約4時間の間に、多くの見学者が訪れて賑わった。 ●イベントのなりたち イベントは、同校の創立100周年記念事業として2011年にスタート。 「自動車整備コース・工業技術コースのPR」、「自動車への興味と知識を深める」という目的をもって開催されている。 2011年の第1回には、地元の愛好家団体「倉敷旧車倶楽部」、「吉備旧車倶楽部」、「岡山石油発動機愛好会」の協力を得て、車輌60台と発動機50台が集まった。 以降2012年、2013年と開催。 新校舎建築のためブランクを経て、2017年には車輌110台、発動機60台と盛大に開催された。 ◆5年ぶりの開催 コロナ禍を乗り越え、5年ぶりに開催された今回は、車輌140台と発動機30台が参加。 工業系列の生徒、教員、ビジネス系列の生徒の皆さんが「販売実習」として出店で参加するなど、過去最大の規模となった。 来年も継続させていく予定だという。 今回は、そんなイベントの魅力をレポートする。 ■玄関前駐車場:国産&輸入スポーツカーがずらり 正門をくぐった玄関前駐車場には、1960年代から1990年代に生まれた国内外のクルマたちが通路の両脇に並んでいた。 「青空の下の自動車博物館」といった雰囲気。 ホンダ NSXやマツダ RX-7などの国産スポーツカーを、熱心に眺める来場者の姿が印象的だった。 ▲玄関前駐車場に並ぶ名車たち ▲手前のマツダ RX-7(FD3S)は二桁ナンバー。大切に乗られているのがわかる ▲途中から徳島工業短期大学が所有する燃料電池車(FCEV)トヨタ MIRAIも展示され、来場者から熱視線 ■自動車実習室:「国産車第一号・山羽式蒸気自動車」のレプリカや貴重なクラシックカー 自動車科の自動車実習室には、科の皆さんが製作した「国産車第一号・山羽式蒸気自動車」のレプリカをはじめ、フォード モデルT(T型フォード)やフィアット 509、トヨタ MIRAIが展示された。 ▲徳島工業短期大学が所有する1912年式のT型フォードと並ぶ山羽式蒸気自動車レプリカ ▲こちらのフィアット 509は1929年式。大澤利久さんが所有する個体で、国内で現存する3台のうち唯一の実働車だという ●国産車第1号・山羽式蒸気自動車レプリカ製作プロジェクトに注目 ▲山羽式蒸気自動車レプリカ(2022年お披露目当時) 旧車王ヒストリアでは、同校の自動車科の生徒の皆さんが取り組む「国産車第1号・山羽式蒸気自動車」レプリカ製作を取材してきた。 イベント来場者の中にはレプリカ展示を見て、岡山県が「国産自動車発祥の地」であることを知った方もいたそうだ。 レプリカは今後、2024年1月「岡山県高校生テクノフォーラム」、 3月2日「本州四国連絡橋公団バス祭り」で展示予定。その後RSK山陽放送に納められる。 ◆これまでの取材記事 ●国産自動車第一号は岡山生まれ!「山羽式蒸気自動車」を後世に伝えるレプリカ製作プロジェクトhttps://www.qsha-oh.com/historia/article/yamaba/ ●国産自動車第一号「山羽式蒸気自動車」レプリカ製作プロジェクト最新レポートhttps://www.qsha-oh.com/historia/article/yamaba-vol2/ ■【VOICE】生徒さんに聞く イベントでは、生徒の皆さんがスタッフとして活動していた。同校の2年生で自動車科の藤本晃生さんに、イベント開催までの気持ちや参加した感想を尋ねてみた。 ●「イベントが決まったときからうれしくて楽しみにしていました」自動車科2年 藤本晃生さん ▲2年藤本晃生さん。好きなクルマはER34(日産 スカイライン) 藤本さん: 「このイベントが決まったときはすごくうれしかったです。皆さんのクルマを傷つけないように気をつけて、しっかりやりきろうと思いながらワクワクしていました。 今日は色々なクルマを見ることができ、新たな知識も得られて、好きなクルマもできました。TC24-B1を搭載したトミタクさんのZとハコスカがすごかったですし、パープルの塗装でガルウィングのセリカもかっこよかったです!」 5年ぶりに開催されるイベントを楽しみにしていた気持ちが伝わってきた。続いて、将来の目標も伺った。 藤本さん: 「旧車からEVまで整備できるよう、知識と経験を積んでいきたいと思います」 と、頼もしいコメントで締めくくる藤本さん。 藤本さんが学ぶ自動車科(自動車整備研究部)は、12月24日(日)に開催される全日本高等学校ゼロハンカー大会への出場を控えている。 予選を通過し、24分耐久レースへの出場を目指す。 ■グラウンド:時代を彩った名車がずらり メイン会場となったグラウンドには、多様なクラシックカーと発動機が集合。 交流の場としても盛況だった。 来場していた40代男性からはこんな感想が。 「多様なジャンルのクルマを見ることができて楽しかったですね。ダイハツ シャルマンやスバル レオーネバンなど、レアなクルマにも会えてうれしい。私も整備学校に行ったので。自動車実習室も懐かしかったです」 このように、思い出や思い入れのある懐かしい1台に再会できた方も多かったのかもしれない。あらためて会場の様子を詳しく振り返っていこう。 ◆日産 ホーマーの「特設ステージ」で開会式 ▲開会式で特設ステージとしても活躍した日産 ホーマー 9時から開会式が行われた。 日産 ホーマーの荷台を特設ステージにして、畠浩二副校長をはじめ関係者の挨拶があった。 こちらのホーマーは1973年式。 プリンス自動車が日産と合併した後のモデルとなる。 なんと映画「とんび」に登場している個体そのもの。 現在も農機具を積載するなど現役で活躍しているという。 使い込まれて経年変化した木製の荷台も美しかった。 ▲時代を彩ったモデルが並ぶ ▲スズキ アルトハッスルは1992年式。所有して7年、オーナーの普段の足として元気に走っているそう ▲1991年式の日産 スカイラインGT-R(R32)。初期33ナンバーを保持する美しい個体 ▲1975年式のトヨタ セリカLB。ガルウィングドアにカスタマイズされていて、エンジンはスープラなどに搭載される「1JZ型」に換装されている ◆「文化遺産として大切に守りたい1台」いすゞ ピアッツァ ネロ ▲ジョルジェット ジウジアーロが手がけたデザインは先進性を想起させる。車名の「ネロ」はイタリア語で「黒色」の意味 取材中、いすゞ ピアッツァ ネロをじっくり見せていただく機会に恵まれた。 「いすゞのこの名車を、文化遺産として布教していきたい!」とオーナー。 抜群のコンディションを誇るこちらの個体は1988年式。 ピアッツァ(初代モデル)は1981年から1991年まで生産。 「ピアッツァ ネロ」として、ヤナセでも販売された。 ▲ネロのヘッドライトは最終型のみ北米仕様“まぶたなし”の4灯タイプ ▲直列4気筒SOHCターボエンジン「4ZC1型」は150馬力を発揮する ▲洗練されたインテリア ▲ステアリングの両脇にスイッチ類が集約された「サテライトスイッチ」。手を離さず操作できる 運転席に座らせていただいて驚いたのは、洗練された室内空間。 直線を基調としたデザインを壊さないこだわりが随所に見られ、スタイリッシュな空間を演出している。 そしてこの「スーパーロボット感」。 サテライトスイッチを配したコックピットの景色はもちろん、これらのスイッチ操作は複雑で、オーナー以外の人間はひと目で操作できないはずだ。 そんなところにもスーパーロボットならではの「ロボットが主と認めた者だけが扱える」を感じられ、筆者はグッときてしまった。 ■【VOICE】クラシックカーオーナーに聞く 参加車輌のオーナーにインタビュー。 愛車との出会いやこだわりを聞いた。 ●「最愛アーティストの直筆サイン入り!唯一無二の1台」トゥクトゥク:オーナー ぴいさん ▲三輪タクシーは 国によって呼び方が変わる。「トゥクトゥク」はタイ独自の呼び方だそう トゥクトゥクは、東南アジアで利用されている三輪タクシー。 ぴいさん: 「このフォルム、スタイルが大好きなんです!」 そう話すオーナーのぴいさんが、トゥクトゥクを手に入れたのが10年以上前。 塗装などのカスタムを施し、日常の足として利用しているそうだ。 エンジンは、スズキ ジムニーなどに搭載される「LJ50型」。 2サイクルの音がお気に入りだという。 さらにボディには、ぴいさん最愛のアーティスト「かぐや姫」フルメンバーの直筆サインが入っている。 実際にこのトゥクトゥクを見た3人に「こんなの乗ってんのー!」と驚かれたのが思い出に残っているそう。 最高の宝物だ。 ▲右上が南こうせつ氏、右下に伊勢正三氏、左に山田パンダ氏の直筆サイン ▲かぐや姫のコピーバンドも結成しているぴいさん。完全なる「かぐや姫仕様」だ ●「古き良き昭和の空気をまとって」トヨタ ミニエース:オーナー 五十嵐純一さん ▲東北在住の五十嵐さんは自走で各地のイベントへ出かけているそうだ パブリカと同じ空冷水平対向2気筒エンジンを搭載する小型商用車、トヨタ ミニエース。 五十嵐さんの個体は1975年式だという。 「人と被らないクルマを」とオークションでこの個体を手に入れた五十嵐さん。 自走で遠征できるように修理しつつ大切に乗っている。 五十嵐さん: 「岡山には新車ナンバーが多くて珍しいですね。50年以上も所有している人に今日だけでも7人会いました。すごいですね」 と、岡山の旧車シーンにも驚いていた。 ▲トラックタイプは珍しい ▲古き良き昭和の空気をまとう。目にするなり「懐かしい」と声に出す人も ●「安心感が魅力」トヨタ セリカ GT-FOUR:オーナー 末宗安之さん ▲オーナーの末宗さん。1998年式のGT-FOURとは約8年の付き合い トヨタ セリカ GT-FOUR(ST205)は、シリーズでは6代目のモデルだ。 末宗さんの所有する個体は、ボディ、樹脂パーツに至るまで新車を思わせる美しさだった。 末宗さん: 「以前は5代目(ST185)のGT-FOURを10年ほど所有していました。また乗りたいと思っていたところ、関西のショップにあったこの個体を見つけました。 気に入っている点は、安心感があるところでしょうか。頑丈なエンジンですし、フルタイム4WDなので雪の日も問題なく移動できます。 フロントにスーパーストラットサスペンションが採用されているのですが、特殊な構造のため、整備性が良くないところが難点かもしれません。 普段のメンテナンスでは、予防整備に力を入れています。熱で劣化する部品を早めに交換したり、多車種から部品を流用したり。少しでも長く乗っていたいなと思います」   ▲ホイールは燃費向上と乗り心地改善のため、エンケイの16インチを選択。キャリパーの大きさゆえにホイールの選択肢は限られてしまうのだそう ▲最高出力255馬力を誇る直列4気筒DOHCターボエンジン「3S-GTE型」を搭載。ヘッドライトはガラス製。黄ばみとは無縁だ ■グラウンド:実物を見て感じる石油発動機(發動機)の魅力 発動機が一斉に始動すると同時に、カメラやスマートフォンを向けるギャラリー。 あちこちから聞こえ始める「シュッシュッ」「ポンポン」という排気音が郷愁を誘った。 岡山県は「発動機王国」と呼ばれている。 大正6年に県内で初めて発動機が使われてから、昭和30年まで岡山市内を中心に約110社の農業用発動機メーカー(農発メーカー)が存在していたそうだ。 日照時間の長さから「晴れの国」と呼ばれるほど温暖な気候に恵まれている岡山県。 江戸時代から干拓事業とともに、畳の原材料となる「い草」と米、麦の二毛作が行なわれるなど農業が発達。 明治時代からは農機具の機械化も進み、県内には農業用発動機の製作所が点在。 国内メーカーの7割が岡山の製作所だった。 高知県で発動機の保存活動を行なう森下泰伸さんによると、全国の發動機メーカーは452社あり、そのうち岡山には約100社が存在した。(2009年調べ) 昭和11年、12年には岡山市を中心に年生産1万7000余台を生産し、全国の 60%のシェアを占めた。 まさに發動機王国を築き上げていたという。 岡山県の発展を支えてきた農業用発動機を深く愛する人は多い。 (参考文献・コメント引用:岡山商科大学附属高等学校 自動車整備研究部「温故知新 農業王国岡山は發動機王国だった MADE IN 岡山の石油発動機 歴史とレストア」) ■【VOICE】発動機オーナー&来場者に聞く この日の運転会には、石油発動機30台が参加。 そんな光景を織り交ぜながら、インタビューとともに運転会の様子を紹介していこう。 ▲発動機の始動時はガソリンを使い、燃焼室が温まったら灯油に切り替える。切り替えの場面が見どころ ●「我が子のように愛機に接する」「運転会で発動機の魅力を知った」発動機オーナー  川上森三さん&発動機ファン 鳥羽哲弘さん ▲発動機のオーナー川上さん(左)と発動機ファンの鳥羽さん(右) 一眼レフカメラを携え、発動機を熱心に眺めるのは、発動機ファンの鳥羽哲弘さん。 総社市で催された運転会で見て魅了されたと話す。 鳥羽さん: 「味のある音、シンプルな構造、匂いまですべてワクワクします。運転会の情報をチェックしては見に行っています」 鳥羽さんが一人のオーナーに声を掛けた。 発動機オーナーの川上森三さんは、2000年頃から発動機を所有している。 川上さん: 「始動して安定するまで、今日の調子を音で確認しています」 と話しつつ、我が子のように接している姿が素敵だった。 ▲川上さんの愛機は「カナミツ石油軽油発動機(金光電機工場内燃機部製)」。昭和6年製造だった ●「ないものは作るの精神で部品も自作」発動機オーナー  岩田茂雄さん&龍雲さん親子 ▲「総社製作所」の発動機を所有する岩田さん親子、父の茂雄さん(左)と息子の龍雲さん(右) 発動機ファンの鳥羽さんから「最近は若い方もいるんですよ」と紹介していただいた岩田さん親子。 息子の龍雲さんは、なんと小学4年生から整備を学び始めたという。 ▲総社製作所の発動機。箱型マグネットのコイルを巻き直すなどの手厚いメンテナンスを受け、今日も元気に稼働 龍雲さん: 「この発動機は、近所の骨董品店で見つけてもらいました。部品は“ないものは作る”の精神で自作することもあります」 と話す龍雲さんは、メグロ製作所のバイクのファンコミュニティも運営している。 ▲メグロオーナー&ファンのコミュニティ「目黒植輪介」を運営 ■【VOICE】岡山の「ものづくり」について イベントではトークショーも催された。 ゲストは自動車エンジニアであり、YouTuberとしても活躍する「トミタクさん」こと富松拓也さん。 あらゆるクルマのエンジンを修理し、部品まで自作する富松さんは、“幻のエンジン”と呼ばれる「オーエス技研TC24-B1」を甦らせたことでも知られる凄腕エンジンビルダーだ。 今回はイベントの感想とともに、岡山のものづくりへの思いを聞いた。 ●「岡山県民のチャレンジ精神が今に繋がっている」富松拓也さん ▲オーエス技研TC24-B1を搭載する「トミタクZ(S30Z)」は富松さんの分身的存在 まずは、イベントに参加して感じたことを伺った。 富松さん: 「トークショーで、生徒さんが興味を持ってくれたのがすごくうれしかったです。内燃機関の魅力が伝わっていたら良いですね。 こんなふうに『やって良かったな』と喜びを感じる瞬間は、若い方が喜んでくれたときなんです。 これから自動車業界を目指す皆さんには、チャレンジ精神を大事にし続けてほしいと思います」 そう話す富松さんのもとには、トークショーが終わってからも次々と人が訪れていた。 その中には若い世代も多かった。 続いて「岡山のものづくり」に対して抱いている思いを伺った。 富松さん: 「岡山のものづくりは、何事もあきらめずに挑んだ先人の方々に支えられていると思います。 器用な人が最初から多かったのではなく、さまざまなことをして器用になっていったのだと。 人間としての幅が広がることでチャレンジに繋がる…このTC24にも繋がっていったのではないでしょうか」 ▲TC24-B1は1980年にオーエス技研が開発。L28型をベースに独自の技術でツインカム4バルブ(クロスフロー方式)を採用。9基しか生産されなかったため“幻のエンジン”と呼ばれる ▲富松さんの軽快なトークに引き込まれる ■【まとめ】地域とのつながり、未来への希望を感じるイベント 幅広い世代の来場者があった「2023クラシックカーミーティング&発動機運転会」。 このようなイベントを学校が主催しているのはすばらしい。 地域とのつながりも感じられ、未来への希望を感じるイベントだった。 来年の開催の際には、ぜひ足を運んでいただきたい。 【取材後記】 筆者の愛車もひっそりと。 コンテストに出場するような美しい名車ばかりのなかで恐縮だったが、皆さんの愛車を拝見しつつ「愛車を守っていくこと」について深く考えた。 S2000を少しでも長生きさせたいとあらためて思ったひとときでもあった。 ありがとうございました。 【取材協力】 ●岡山商科大学附属高等学校https://www.osu-h.ed.jp/ [ライター・カメラ / 野鶴 美和]

今年の主役はカレラRS!約150台のポルシェが参加「エキサイティングポルシェ2023」
イベントレポート 2023.11.26

今年の主役はカレラRS!約150台のポルシェが参加「エキサイティングポルシェ2023」

去る11月12日(日)、横浜赤レンガ倉庫で「エキサイティングポルシェ2023(EXCITING PORSCHE/略称:EXP)」が開催された。*今回で16回目となるエキサイティングポルシェ(以前は"EXCITING PORSCHE MEETNG(EPM)"だったが、5年前から"EXCITING PORSCHE(EXP)"に改称している)。 筆者自身も第1回のときから会場に足を運んでいるが、多くのポルシェオーナーおよびポルシェファンにも「11月の第2日曜日といえば、横浜赤レンガ倉庫のポルシェのイベント=エキサイティングポルシェ」としてすっかり定着した印象がある。 毎年のように150台前後のポルシェを集めるには、イベントの知名度はもちろん、魅力がなければ成立しない。その人気振りは「エントリー開始からわずか数時間で枠が埋まる(しかも、今年からはエントリーを2回に分けたほどだ)」といえばご理解いただけるだろう。 今回、可能な限り当日エントリーしたポルシェを取材を試みた(もし、掲載されていないポルシェがあったら・・・オーナーさん、すみません)。 ■エキサイティングポルシェ2023:カレラRS編 今年のエキサイティングポルシェの主役は、昨年、生誕50周年を迎えたカレラRS。2台のカレラRS2.7をはじめ、964、997、991といった、空冷&水冷の「RS」の名を冠した911がエントリー。ポルシェファンにとっては、このクルマたちを間近で眺めるだけでも横浜赤レンガ倉庫に足を運ぶ価値があったといってもいい。 ■エキサイティングポルシェ2023:ポルシェ356/911(901/ナロー)/914編 ポルシェのなかでもクラシックに位置づけられる、356、いわゆる“ナローポルシェ”、914もエントリー。オリジナル重視の個体から、独自のモディファイを施したクルマまで、原色系ボディカラーに塗られた個体が多いのもこの年代の特徴。半世紀以上も前に造られた個体ばかりなのに、いずれもバリバリの現役モデル特有のオーラを発していた。 ■エキサイティングポルシェ2023:ポルシェ911(930)編 気がつけば930型も最終モデルですら30年を優に超えるクラシックモデルに。今回は比較的オリジナルの個体が多い印象(反面、モディファイされた個体は過激だ)。ナロールック、そしてスピードスターターボルックという、2台のガルフカラーに塗られた930や、RAUH-Weltのワイドボディをまとった個体もあり、バラエティに富んでいて楽しい。 ■エキサイティングポルシェ2023:ポルシェ911(964)編 ナローポルシェ時代からのヘッドライトを受け継ぐ(細かくは違うけれど)最後のモデルとして非常に人気が高い964型。レアなスピードスターやターボ3.6、シュトロゼックおよびRUFコンプリートカーなど、普段なかなか見られない珍しい個体が多数エントリーしていた。 ■エキサイティングポルシェ2023:ポルシェ911(993)編 最後の空冷911として常に高い人気を誇る993型。エキサイティングポルシェではお馴染みとなっている、東西の993GT2が今年もそろい踏み。そして、今年はたまたまなのか、モディファイした個体が多かったのも993カテゴリーの特徴といえる。 ■エキサイティングポルシェ2023:ポルシェ911(996)編 水冷エンジンを搭載した初の911である996型。今回のエントリー数は少なめな印象。それでも前・後期モデルをはじめ、発売当時に争奪戦となったGT3もエントリー。今年はターボ系の展示がなかったので、来年に期待したいところだ(オーナーさん、よろしくお願いします!)。 ■エキサイティングポルシェ2023:ポルシェ911(997)編 例年、多数のエントリーがあるはずの997型も今年は少なめ。それでもスペシャルモデルのGT3をはじめ、ターボモデルもエントリー。若い世代のオーナーも増えつつあるようで、お父さん世代としては次世代を担うポルシェオーナーの奮起を願うばかりだ。 ■エキサイティングポルシェ2023:ポルシェ911(991)編 2023年のエキサイティングポルシェでは大所帯となった991型。カレラ系では最後のNAエンジン搭載モデルとなった前期型をはじめ、GT3、カブリオレ、タルガなど珍しい個体がエントリー。そういえば、とエキサイティングポルシェでは不思議とGT3系のエントリーが多い気がする。 ■エキサイティングポルシェ2023:ポルシェ911(992)編 そして現行モデルの992型。991型に比べてエントリー数は少なめだが、ここでもGT3系の個体が多い。来年以降は、カレラTやようやくナンバーがついたGT3RSなど、シリーズ後半でデビューしたモデルのエントリーにも期待したいところ。 ■エキサイティングポルシェ2023:ポルシェ924/944/968/928編 FRポルシェとして根強い人気を持つ924/944/968/928型もそれぞれエントリー。個人的にはこのカテゴリーがどのくらいエントリーしてくれるのか、毎回とても楽しみにしている。同年代の911と比較すると残存数が少ないので、現オーナーにはラストオーナーとして後世に受け継いでもらえたら・・・と思う。 ■エキサイティングポルシェ2023:ポルシェボクスター&ケイマン編 FRポルシェの後を担い、そして911系とは異なる魅力を持ったボクスター&ケイマンも多数エントリー。実車を並べてみると、モデルチェンジを経るごとにボディが大きくなっているのが分かる。こうして同じ場所に並べられていると、初代ボクスター&ケイマンがライトウェイトスポーツにすら思えてくるほどだ。 ■エキサイティングポルシェ2023:マカン&タイカン編 次世代のポルシェといえるタイカン、そして現代のポルシェの屋台骨を支えるマカンもエントリー。クーペ系だけでなく、セダンやSUVモデルのエントリーができるのもエキサイティングポルシェの魅力のひとつだと思う。来年はカイエンやパナメーラ系のエントリーにも期待したい。 ■エキサイティングポルシェ2023:ポルシェライフを支える各ショップもエントリー エキサイティングポルシェに欠かせないものといえば、各ショップの出展ブースだ。ポルシェビギナーはもちろん、オーナー予備軍が各ショップのスタッフと直接話ができる貴重な場となっている。将来、ポルシェの購入を考えているとしたら、来年は会場に足を運び気になるショップのブースを訪ねてみてほしい。何らかの有益な情報が得られるはずだ。 ■エキサイティングポルシェ2023:まとめ 2022年に引き続き、今年も雨模様となってしまったエキサイティングポルシェ。午前中は小雨が降り続き、人出もまばら。しかし、雨が止んだ午後には赤レンガ倉庫に多くの来場者が足を運び、いつもの賑わいが戻った。 エキサイティングポルシェの魅力は参加者と来場者の距離が非常に近いところにある。ポルシェが好きなクルマ好きにとっては珍しいモデルが間近で見られる貴重な場ともいえるし、オーナーから生の声を聴けるまたとない機会でもある。 エキサイティングポルシェに参加するために愛車をモディファイしたり、このイベントにエントリーすることを目指して仕事を頑張っている若い世代も方もいると聞く。16年間、続けたことで、多くのポルシェオーナー、そしてポルシェファンにとって欠くことのできないイベントになったことは間違いない。 その裏では、このイベントを円滑かつ安全に進行させるべく、事前の準備はもちろん、当日は早朝から夜までフル稼働状態で尽力されたスタッフがいることにも意識を向けたいところだ。なかにはイベントの設営のためだけにわざわざ九州から応援に駆けつけるスタッフもいるという。 来年以降もエキサイティングポルシェを継続させるためには、スタッフの皆さんの努力だけでは限界がある。個々の参加者の意識付けがあってこそはじめて整理するのだということを、今回の取材を通じて改めて実感した次第だ。 [ライター・撮影/松村透]

21歳大学生。Japan Mobility Show 2023を取材して、1人の旧車ファンとして思ったこと
イベントレポート 2023.11.25

21歳大学生。Japan Mobility Show 2023を取材して、1人の旧車ファンとして思ったこと

東京モーターショー改め、Japan Mobility Show 2023(以下、JMS2023)。 10月末から11月頭にかけて東京ビッグサイトで開催され、111万人の来場者を集めました。 テーマは「盛りたい未来を、探しに行こう!」。 強い意気込みを感じるイベントだったと思います。 コロナ禍を経て、4年ぶりに帰ってきた日本最大の自動車ショー。 きっとこの記事を読まれている旧車ファンの方々からも、多くの関心を向けられたことでしょう。 取材して感じたことを、1人の若者・1人の旧車ファンなりに綴ってみようと思います。 ■序章:モーターショーって、なんだか縁遠いものだと思っていた 私(ライター・林)は21歳の大学生。 世間的には“若者”として括られる年齢ではありますが、旧車が大好きです。 たくさんの先進機能が付いたイマドキのクルマよりも、よりプリミティブ(根源的・素朴)な旧車を運転した方が楽しいと、常日頃から考えてしまいます。 モーターショーの主役は、当然ながら大抵が最新のコンセプトカーたち。 奇抜で先鋭的なデザインに、何がどうなっているのか見当がつかないような最新メカニズム。 これらに圧倒されるのです。 旧車王ヒストリアの読者のなかには、きっと同じように考える方も多いはず。 そういう訳で、懐古主義の私にとって、モーターショーはいささか難解な場所。 「Japan Mobility Show」って、名前からしてすごく未来チックで付いていけ?かしら…とか思っていました。 しかしそれは杞憂、JMS2023では、多くの収穫を得られたように感じます。 ■JMS2023で気になったクルマたち ●BMW VISION NEUE KLASSE 「ヴィジョン・ノイエ・クラッセ」というこのクルマ、古典的な佇まいと未来感が融合していて、洗練された雰囲気が魅力的でした。 ベロア生地の黄色いシートも非常にキュート。 シンプルなデザインながら、張りのある面構成で存在感はバッチリです。 ヘッドライトとグリルが繋がるフロントフェイスからは、1961年に発売されたBMWのセダン、ノイエ・クラッセへのオマージュがうかがえます。 典型的な3ボックスのフォルムや横長のテールランプは、往年の3シリーズ(E21型・初代)を彷彿とさせるもの。 BMWのデザイン史からの引用が自然で、どこか懐かしさを感じる気がするのです。 ●HONDA SUSTAINA-C Concept なんといっても、古のホンダ シティを思い出す外装デザインが魅力的。 タイヤを四隅に置き、踏ん張り感をヒシヒシと感じるところがシティにそっくりです。 ソリッドな面構成に鮮やかな赤いボディカラー、そして愛嬌のある丸目ヘッドライト…見れば見るほど懐かしい、そんなイマドキのコンセプトカーに親しみやすさを感じた方は少なくないはず。 隣に並んで展示されていたのは「Pocket Concept」という二輪モビリティ。 こちらはモトコンポやスカッシュといった、昭和のホンダ製原付バイクを意識していることがはっきりとうかがえます。 どこかフューチャーレトロな雰囲気に、無条件に惹かれてしまいます。 ●MAZDA ICONIC SP JMS2023の会場内で、最も人だかりができていたクルマといっても過言ではないでしょう。 深紅の塗色が眩しいクーペ・スタイルのボディデザインはあまりにも妖艶で、会場を訪れた多くの人を虜にしていたように感じます。 もちろん私もそのひとり。  このクルマがアンヴェールされたとき、ひと目で「FD(RX-7)の再来だ」と感じました。 大きくラウンドしたリアウィンドゥに、ルーフから継ぎ目なく繋がるBピラー、そして最大の特徴ともいえるリトラクタブル・ヘッドライトなど、デザイン要素の節々からRX-7の面影を感じます。 真新しくありつつも、クラシカルな佇まいを固持した1台です。 ■私たちと未来のクルマを繋げる、旧車のエッセンス ご紹介した3台に共通している特徴は、なんといっても、デザインの随所に旧車から得たインスピレーションの痕跡が見られる点でしょう。 先鋭的なコンセプトカーには眩暈がしてしまう私にとっても非常に親しみやすい、真新しくもどこか懐かしいコンセプトカー。 モーターショーって、思ったよりも難解なものではなかったのかもしれません。 私が生まれる以前から連綿と進化を続けてきたクルマは、まさに今、大きな転換点を迎えています。 今までのクルマづくりにおいて大前提とされてきた内燃機関を“諦め”、多くの制約のなかで、環境保全のための新たなる動力源を模索しているのでしょう。 そんななかで、コンセプトカーは“きわめて先鋭的”であるべきものではなくなってきていると感じます。 コンセプトカーって、もっとヘッドライトが細くて吊り上がっていて、見たこともないようなドアの開き方をするべきものだと思っていました。 もちろん、超未来的なコンセプトカーもJMS2023の会場内では見られたのですが、より“現実的な親しみやすさ”を感じさせるコンセプトカーが増えてきたことは、旧車好きにとっては非常に喜ばしいことです。 その一方で、個人的に親しみ(≒旧車とのつながり)を感じた3台は、決して保守的なコンセプトカーというわけではありません。 VISION NEUE KLASSEとSUSTAINA-C Conceptは、ともに資源の循環利用を通じた、サステナブルな自動車の在り方を提案しています。 ICONIC SPは、カーボンニュートラル燃料で発電する2ローター・ロータリーEVシステムを搭載しているとのこと。 3台とも電気自動車であることは言わずもがな。 まさにイマドキの先鋭さを有したコンセプトカーに他なりません。 恥ずかしながら私は、二次原材料を採用することがどれだけスゴイことなのか、そしてロータリーEVシステムという機構がいかにして成り立っているのか、最新技術の殆どを理解することができていません。 イマドキのテクノロジーはあまりにも難解。 文系大学生にはとても咀嚼できるものではありません。 それでも、これらのコンセプトカーに懐かしさや親近感を覚え、少しでも知ろうと、理解しようと試みることができた理由は、彼らのデザインに“既知のクルマとの繋がり”を感じられたからだといえましょう。 JMS2023の会場で、私と未来のクルマを繋げてくれたものは、旧車のエッセンスを感じる自動車デザインだったのです。 難しくて忌避されがちな新しいテクノロジーと歩み寄るきっかけづくりとして、古の自動車デザインが再解釈されていることは、1人の旧車ファンとして、非常に喜ばしいことだと感じます。 ■終わりに:見え隠れした未来の“モビリティ像” ここまでご紹介したのは、JMS2023の“モーターショー的な”部分。 このような自動車の展示は、従来のモーターショーでも行なわれていたもの。 これだけであれば、わざわざ“モビリティショー”と改題した意義を見出すことはできないでしょう。 JMS2023で、最大の目玉であったと個人的に感じるものが、主催者プログラムとして用意された「TOKYO FUTURE TOUR」の寸劇展示。 (クルマの形をしていない)モビリティが、今よりもはるかに人間の生活と融合した形で活躍している未来の東京の姿を見て、結構な衝撃を受けました。 モビリティってこんなに人間に寄り添えるんだ、という新鮮な驚きを覚えたのです。 モビリティの可能性を目の当たりにした気がします。 人間が多角的にモビリティを活用してより良い生活を築く未来は、もっと遥か先のことがと思っていました。 しかし展示を見ていると、意外とすぐに実現してしまいそうなリアリティを感じたのです。 このような“モビリティの在り方”の提案を通じて人々へ認知が広がれば、いずれきっと諸々の法制度の適切な検討・見直しにも繋がるはず。 そうすれば、私たちの生活はより便利で豊かなものになるのでしょう。 Japan Mobility Show第1回目は、非常に多くの学びを得ることができました。 新しいテクノロジーに触れることは、やはり大きな刺激になります。 その一方で、JMSというイベントが発達途上にあると感じたのも事実です。 次世代モビリティのまったく新しい在り方を提案したい主催者と、クルマというひとつの“様式”を前提として、より良い未来のクルマを提案する自動車メーカー。 この二者間にギャップを感じざるを得ませんでした。 今を生きる私たちとクルマの関係性は、まさに過渡期にあるのでしょう。 将来的に、クルマと次世代モビリティがより高度に融合した社会で、私たちはいったいどのようにクルマと付き合っていくのでしょうか。 楽しみでもあり、少し恐れも感じつつ…。 JMS2023、確かに「モビリティショー」と銘打つに相応しい展示だったと思えます。 [ライター・画像 / 林哲也]

スーパーアメリカンフェスティバル2023レポート【後編:〜70'sホットロッド・ピックアップ等】
イベントレポート 2023.11.22

スーパーアメリカンフェスティバル2023レポート【後編:〜70'sホットロッド・ピックアップ等】

2023年10月22日に、東京・お台場で「スーパーアメリカンフェスティバル」が開催されました。 近年のコロナ禍の影響で開催できなかった年を挟みつつも、今回で30回目という、長い歴史を持つイベントです。 会場となるダイバーシティ東京プラザの広大な駐車スペースに、様々なジャンルの350台を越えるアメリカンなクルマたちがぎっしり展示され、かなりの見応えがありますね。 アメ車好きにはたまらない空間です。 その非日常な景色を見るだけでも訪れて良かったという気になりますが、それぞれの車輌をじっくり観ていくと、いつの間にか時間を忘れてじっくり見入ってしまい、気付くと1時間くらいはすぐに経ってしまいます。 展示方式はどのクルマも平等に整列されて並んでいますが、丹念に手をかけられたカスタム車輌はあたりまえで、なかにはかなり希少な個体もさり気なく並んでいます。 さらにはそれをベースにカスタムが施された個体もあり、唯一無二の存在感を放っていて、アメ車好きの人だかりが出来ていました。 前回は前編として「マッスルカー編」を紹介しましたが、今回は70年代以前を中心に、会場で素通りできないオーラを放っていた車輌を紹介していきたいと思います。 ⚫︎スーパーアメリカンフェスティバル2023レポート【前編:マッスルカー】https://www.qsha-oh.com/historia/article/super-american-festival-2023/ ■まずはホットロッドの元祖“デュース”から 1920年代のアメリカでは、まだスポーツカーというジャンル自体が登場していませんでした。 モータースポーツとしてレースは戦前から行なわれていましたが、公道を速く走れる象徴としてのスポーツカーはMGやトライアンフなどのヨーロッパ車を輸入するしかなく、高価で若者には手が出せる存在ではありませんでした。 そこで当時の若者達が目を付けたのが、大衆車として発売された「タイプT」や「タイプA」などの、いわゆる「アーリーフォード」という車種です。 大量生産で安く売られたハシリの車種なので、型落ちなら若者でも手に入れることができました。 この安いフォードをベースにして、フェンダーを取っ払ったり、車高を下げたり、エンジンを改造したりして速さを求める遊びの文化が広がっていきました。 それが「ホットロッド」の起源と言われています。 その中心的存在で黎明期のホットロッドの象徴とも言えるのが「デュース」の愛称で呼ばれる「フォード V8」です。 この車種は1932年に登場し、たった1年しか販売されませんでしたが、その後のアメ車カスタムの代名詞になるくらいに「ホットロッド」を根付かせる原動力として、当時の若者から圧倒的な支持を受けていました。 販売期間が短く、オリジナルはかなり希少ですが、社外製のパーツを駆使すれば1台丸々構成することも出来るため、比較的安価(とはいえ数百万は掛かります)に「ストリート・ロッド」の世界を堪能できます。 こちらの個体は4ドアセダンのロングボディをベースにしてルーフをチョップ(短縮)し、長く低いスタイルにカスタムされた1台です。 エンジンはOHVが搭載されていますが、直キャブ&直管マフラーと当時を思わせるトラッドスタイルでまとめられています。 こちらは珍しいピックアップがベースです。 オリジナルのクーペやロードスターはかなりの額なので、本国でも比較的安価に入手できるピックアップをベースにカスタムするケースも少なくないようです。 この個体はホワイトリボンタイヤでクラシカルな雰囲気を出しつつ、アルミビレットパーツを各所に使った80年代テイストでまとめられています。 こちらは少しジャンルが違って、極太のリヤタイヤと頼りないほど細いフロントタイヤが印象的な、ドラッグレースを意識したカスタムですね。 ウイリーバーとシュートまで装着しているところを見ると、10秒以下で走ってしまいそうな、かなり本格的なマシンかもしれません。 ■続いてはフォードのベストセラー・ピックアップ“パンプキン” エンジンが収まる中央が盛り上がって、グリルにかけて末広がりに降りていくラインが、まるでダースベイダーのヘルメットを思わせる独特なデザインの「フォード F110」、通称“パンプキン”。 のちの6代目で全米で最も売れたトラックとなり、現在に至るまでフォードを代表するフルサイズのピックアップトラックシリーズです。 このパンプキンは2代目のモデルで、愛称が付いていることからも分かりますが、“ボムデザイン”と呼ばれるその愛嬌のある顔つきとボディデザインが、当時から今まで根強いファンによって支持されています。 特にストリートロッド、ローダウンカスタムのジャンルでは、外せない一角として存在感を示し続けている車種です。 この個体は珍しいパネルバンがベースのカスタム車輌です。 外装は見た感じ、ほぼフルオリジナルですが、バンパーレス化、エンブレム外し、ナンバー移設、そして大径ホイールのナローフィットと上品なツートンペイントによってエレガントな雰囲気に仕上がっています。 控えめな雰囲気ながら、目が離せない存在感が印象的です。 ■シボレーの名ピックアップ“シェビー3100” フォードのFシリーズに並び、カスタムの世界で人気を得ているピックアップトラックが「シボレー 3100シリーズ」です。 1950年代のシボレーの人気セダン「ベルエア」のデザインイメージを受け継ぎ、少しマッチョに仕立てられたスタイリングが支持され、今でもホットなファンがいるモデルです。 元々V8を搭載することが前提の設計だったこともあり、よりハイパワーなエンジンに換装するなどして、ストリートロッドのスタイルでカスタムされているケースをよく見かけます。 鮮烈なパール・オレンジのカラーがひときわ目を惹くこの個体は、特徴的なボディデザインに手を入れずに要所のみにスムージング処理を行なっていて、元の個性的なデザインに対するリスペクトが感じられる1台です。 バンパーやグリル、ホイールなど、外観のアクセントになる光りモノにも抜かりなく気を使っている印象で、派手目なボディカラーなのに上品さも感じられる雰囲気にまとまっています。   今回の「GOOD TASTE」受賞車輌です。 ■戦前の旧き良き豊かな雰囲気の“シボレー フリートマスター” 戦前の1941年にモデルチェンジを受け、このおでこが張り出した個性的な外観になった「シボレー・デラックス」シリーズ。 その外観のイメージを受け継いで、戦後に販売再開されたのがこの写真の個体のモデルです。 グレードとボディタイプはセダンからコンパーチブルまで多岐に分かれていて、ザックリと下位ラインナップの「DJ」シリーズと上位の「DK」シリーズに分かれていました。 写真の個体はその中でも上位版となる「フリートマスター」グレードのようですね。 スペアタイヤが装着され、それに合わせた形状のバンパーが用意されていることに贅沢な印象を受けます。 シンプルなシルバーのボディ各所には、さり気ない色合いでピンストライプがあしらわれていて、ほど良いアピールが効いています。 また、大型のバイザーやフォグランプ、ワイヤーホイールは車両に合ったレトロ感で似合っていますね。 ■50'sのアメリカン・ポップカルチャーのアイコン的存在“ピンク・キャデラック” 1900年代の初頭に登場して以来一貫して高級路線を貫き、大統領やトップスターなどが愛用するなど「成功の象徴」としてアメリカ車のトップに君臨してきた「キャデラック」。 「キャデラック」と聞いて「ピンク」と連想する人はけっこういるのではないでしょうか。 特に65歳よりも上の人には多いと思います。 そもそものきっかけは、50年代にアメリカの国民を熱狂させた「キングオブ・ロックンロール」こと「エルビス・プレスリー」が乗っていたことです。 その件で一躍注目を浴びた車種というのが、1955年式の「キャデラック フリートウッド」でした。 当時はボディカラーのラインナップにピンクの設定は無かったため、専門業者に依頼して、特注色の「エルビス・ローズ」で塗り上げたんだそうです。 その1955年式「キャデラック フリートウッド」を発見。 まさにエルビスが乗っていたという雰囲気をそのまま再現している個体で、オーナーさんのキャデラックとエルビス、そしてロックンロールに対する思い入れがヒシヒシ伝わってきます。 ほど良く下げられた車高がまた、良い雰囲気を醸し出していますね。 こちらはおそらく1958年式の「キャデラック デビル」ですね。 キャデラックには1956年と1957年にのみピンクのカラーがラインナップされていたようです。 これは想像ですが、エルビスのピンク・ショックで一気に人気と要望が高まったため、その期間だけピンクが追加されたのではないかと思います。 この写真の個体はボディカラーの選択もさることながら、各部を細かく見てもかなりコンディションが良くて、この日の晴れ渡った空によく映えていました。 ■ここからは筆者が気になったクルマたちを紹介していきます! こちらは「リンカーン コンチネンタル」。 おそらく年式は1962年か1963年でしょう。 航空宇宙のイメージが流行して大きなテールフィンを競い合っていた時代から一転、その名残をとどめながらも、側面を前後に貫くウイング状のプレーンな造形がクリーンな印象を与えるシンプルさが新鮮です。 この個体は全体の雰囲気を崩さないように配慮しながら、リヤガーニッシュの磨き上げや小ぶりなドアミラーの装着などさり気ない処理を行なっている一方で、超大径(22インチ?)のホイールを履かせている大胆さも見どころです。 タイヤハウスを大きく加工しないとこのサイズは収まりませんので、けっこう手が入っていると思います。 会場を見て回っているときに素通りを許してくれなかった1台。 その特徴的すぎるノーズ部分の造形を見て、ほとんど無意識にカメラを向けていました。 あとで車種を調べたところ「スチュードベイカー チャンピオン」という車種だと判明しました。 デザインを手掛けたのは「レイモンド・ローウィ」だそうです。 日本ではタバコのピースのデザインが有名ですね。 見た印象のまま、ジェット戦闘機の吸入口を大胆にノーズに採り入れ流線型にまとめたデザインは、当時のアメリカでもかなり話題になり、「スチュードベイカー」の名を広める役割りとなったそうです。 いま日本でこれを維持するのはかなり大変だと思いますが、良いものを見せてもらって感謝です。 こちらも日本ではほとんど見掛けない車種ではないでしょうか。 シボレー初のコンパクトカー「コルベア」です。 写真でお分かりかと思いますが、フロントに空気取り込み口のグリルが無く、リヤのフードを開けるとそこにエンジンが収まっているんです。 写真ではかなりコンパクトなエンジンに見えますが、実はこれ、2.7リットル水平対向6気筒の空冷OHVエンジンなんです。 そう、あのポルシェ911のエンジンとほぼ同じ構成のエンジンを、1960年代のアメ車が搭載していたんです。 驚きですね! しかもこの車種は、いち早くモノコックボディ化を図ったり、途中でターボやクーラーを導入するなど、GMとしてもかなり意欲的なモデルだったようです。 販売も好調で、けっこうな台数が出荷されたようですが、評論家による風評被害や、同社内同カテゴリーであるカマロの発売などが重なり、わずか9年で廃盤モデルとなってしまいました。 希少な車種ですが、適度にヤレている状態を見ると、しっかり乗られている感があっていいですね。 こちらの個体は、VWビートルのシャーシを使ってバギータイプのボディに換装した「メイヤーズ マンクス」です。 ビートルはフロア部分がフレームを兼ねる構造でボディと分離できるので、こういうボディキットと足まわりのキットを組み込むことで、ダートや砂地を走らせられるバギーに変身できます。 この「メイヤーズ マンクス」は、手軽に作り上げられるイージーさと、アメリカやメキシコの砂漠地帯でおこなわれるオフロードレースで活躍したことでヒットしました。 VWの水平対向4気筒エンジンはいろんなレースにも使われていてチューニングパーツも豊富なので、好みの仕様のエンジンと組み合わせを楽しむことも自在です。 こちらの個体はコンパクトにまとめられたヘッダーパイプが外観のアクセントになっており、明るいイエローのボディラインに入れられたピンストライプの雰囲気と相まって、本場のCALルックに仕上がっています。 最後に紹介するのは「シボレー インパラ」です。 シボレーの最上級モデルである「ベルエア」の追加グレードとして派生した「インパラ」は、当初2ドアがメインのスペシャリティカーとして好評を得ました。 この写真の個体は4代目にあたる1965年に発売のモデルです。 しかもワゴンボディというところに惹かれて写真を撮らせていただきました。 特徴的な6連のテールランプや上品なツートンに塗られたボディカラー、細いホワイトリボンのタイヤとビレットホイール、そして細いパイプの2本出しマフラーなど、けっして押しこそ強くないものの、好感度が高い一台です。 ■あとがき さて、2回にわたって「スーパーアメリカンフェスティバル」の参加車輌を紹介してみましたがいかがだったでしょうか。 これでもまだまだ紹介しきれない個体がいっぱいあって心残りではありますが、その他のクルマはまた、来年の開催の時に再会できることを期待して取っておくことにしましょう。 私自身は数年ぶりに訪れることになった「スーパーアメリカンフェスティバル」。 カーショーの受賞車輌はもちろんのことですが、展示されている参加車輌一台一台のクオリティが高く、全体としてかなり見応えがあるなと感じました。 今回でキリの良い30回を迎えたこのイベントですが、日本のアメ車好きとアメリカの文化が好きな人のお祭りの場として、40回、50回とこれからも続けて欲しいものですね。 筆者も次回開催を心待ちにしています。 [ライター・カメラ / 往 機人]

日産チェリーX-1・R誕生50周年!名古屋で開催された『チェリーミーティング』
イベントレポート 2023.11.20

日産チェリーX-1・R誕生50周年!名古屋で開催された『チェリーミーティング』

近年は操縦性やトラクションの優位性から、スポーツカーや高級車を中心に後輪駆動方式が再注目されている印象があります。 しかし、1960年代から小型車向きの駆動方式として注目され、1980年代から1990年代にかけてトラックや保守的なモデルを除くほとんどの車種に普及したのが、FFと呼ばれる前輪駆動方式です。 大きく重いプロペラシャフトが不要なことで、スペース効率が高く軽量化に適した構造。 そして、高速回転をするシャフトがなくなることでl振動の原因を取り除くことができるというメリットから、現在ではスペース効率を要求しない大型車にまで採用されています。 国産車では1960年代末頃から軽自動車を中心に採用を始めるモデルが出始めますが、その国産前輪駆動車黎明期のモデルのひとつが、2023年10月28日に開催されたチェリーX-1・R誕生50周年名古屋ミーティングの「日産チェリー」です。 ■チェリーってどんなクルマ? チェリーというクルマを覚えている人は、40代以上ではないでしょうか。 1200~1400ccクラスとなったサニーより、さらに小型の1000ccクラスモデルとして販売されたチェリー。 企画自体は吸収合併前から旧プリンス自工が開発を進め、合併後もプリンス陣営のエンジニアにより開発が続行され、1970年10月に発売となりました。 エンジンはサニーと同じA型OHV4気筒エンジンを横置きに搭載、トランスミッションはBMCミニと同様、クランクシャフト下に配置する「イシゴニス方式」を採用。 上級グレードに1200cc仕様の「X-1」が設定され、ボディタイプはセミファストバックの2ドア・4ドアセダン、3ドアハッチバッククーペ、後に3ドアバンが追加されました。 今からちょうど50年前となる1973年3月には、オーバーフェンダー付きの「X-1・R」が登場。 1974年9月には、1200ccと1400ccの上級モデルに移行する形で「チェリーF-II」にフルモデルチェンジしますが、初代もしばらく併売が続きました。 1978年に「パルサー」と入れ替わる形でチェリーは消滅し、8年のモデルライフを終えますが、いかにも1970年代の濃厚な個性が、いつまでも記憶に残るようなモデルだったようにも感じます。 ■カスタマイズ手法の名前にもなった「チェリー」 1970年代後半~1980年代初頭の改造車で、「チェリーテール」と呼ばれる技法がありました。 1970年代中頃の国産車というと、アクの強い立体的造形のエクステリアデザインが花開いた時代です。 特に、チェリークーペの丸テールに長方形のウィンカーレンズを組み込んだテールライトユニットの他車流用は、当時のシャコタン車の定番カスタムでした。 「チェリーテール」は、現在もトラックのカスタムパーツ等で根強い人気があり、このデザインをモチーフにしたアフターパーツのテールライトユニットは、トラック用品として現在も流通しています。 ■いざ、チェリーを間近で見ると・・・ ▲純正ホイールキャップも含めフルオリジナルを保った初期型チェリーX-1の4ドアセダン 筆者が未就学児の頃は街中でいつも見かけたクルマでしたが、1980年代も半ばになるといつの間にか見かけなくなり、1990年代に入ると早くも「旧車」「絶版車」と呼ばれていました。 幼児の目線で見ていたから余計にそう感じたのかもしれませんが、当時は「随分腰高でずんぐりしたクルマ」という印象でした。 しかし、ハイトボディのコンパクトカーを見慣れた今となっては「こんなにルーフが低かったんだ」と感じたのには、ちょっと新鮮な驚きでした。 左フロントフェンダーから覗くラジエターファン、これは初期の1年のみ製造されたベルト駆動ファン仕様の特徴で、以降は電動ファンになります。 まだまだ横置きエンジンがメーカーも手探りだった時代を偲ばせます。 年季の入った樹脂パーツに山梨55ナンバーのX-1クーペは、なんとワンオーナー車だそうです。 オーナーとの歴史が刻まれたフェンダーミラー、フルレストアも良いですが、こういう風合いをあえて残すというのも旧車の醍醐味かもしれません。 ■オーバーフェンダーが人気のX-1・R 当時の日産のハイスペックモデルの象徴ともいうべき純正オーバーフェンダー、「R」を名乗るに恥じない装備です。 当時の日本ではクルマの改造が厳しく制限されていたため、純正状態でレーシーな後付けオーバーフェンダーを持つクルマは、中古車でもプレミア価格で取引されたといわれています。 搭載されるA12型エンジンはツーリングカーレースで長年活躍し、レース仕様はOHVながらレブリミットが10000rpmを越えた名機であり、FFのじゃじゃ馬を抑え込んで走るというのも当時の腕自慢の走り屋にはステイタスだったのではないでしょうか。 ちなみにX-1・Rの純正塗装色は白のみだったそうです。 ▲オーナーが思い思いのモディファイを施した後期型X-1・R。 1974年になると、フロントグリルはより立体的な造形になり、前後バンパーも大型化されます。 後期型になると、テールライトのリムに凸凹のモールドが入ります。 また、クーペの嵌め殺しだったリアクォーターウィンドウは、ポップアップ式の開閉型になります。 現在流通している新品のウェーバーキャブレターはスペイン製ですが、このウェーバーはイタリア本国製の当時物、綺麗な状態を保ったスロットルボディには驚きました。 オーナーが熱心なメンテナンスに抜かりのないことが伺えます。 ■取材後記〜今改めて実感するチェリーの強烈な個性〜 実はこの日のトヨタ博物館でのミーティングは、全国から集まるチェリーオーナーの集合場所のような形で午前10時にスタートし、14時ごろに遠方からのオーナーが集まったところで、次の目的地の犬山市までのツーリングといったプラン。 犬山ではお楽しみの宴会が催されたのだとか。 人気者揃いの日産の旧車のなかでは、陰に隠れた存在であることは否めない日産チェリー。 しかし、日産の前輪駆動車の先駆けであり、かつては「日産チェリー店」という販売チャネルもあり(現在も一部の日産レッドステージ店の中には登記簿上「チェリー店」のまま存続している法人もあるそうです)、なかなか存在感のあるモデルでした。 かくいう筆者も、身近にこのクルマのオーナーがいたわけでもなく、特に思い入れがあるわけでもないのに、いざ現車を見ると幼少期の記憶が蘇る、不思議な存在です。 これからも、あの一度見たら忘れられない強烈な個性を、見る人の記憶に残しながら走り続けることでしょう。 [ライター・画像 / 鈴木 修一郎]

スケールアップで過去最大級!歴代ブルーバードミーティング2023
イベントレポート 2023.11.09

スケールアップで過去最大級!歴代ブルーバードミーティング2023

今年も開催された“歴代ブルーバードミーディング” 。 昨年に引き続き、参加させていただいた模様をレポートしたいと思う。 今年は、とんでもないサプライズが起きたので、乞うご期待! ■今年も開催!全国から集まるブルーバードたち 昨年に引き続き、今年も富士山の麓にて歴代ブルーバードミーティングが開催された。 今年は主催者からリクエストがあり、筆者の愛車U14型ブルーバードと、親族が所有する同型のブルーバードでのダブルエントリーとさせていただいた。 高校時代からの付き合いとなるクルマ好きの友人に、2台目の運転をお願いした。 クルマのイベントに参加となると、クルマ繋がりの友人も愛車で参加するため、なかなか代わりに運転してもらうことは叶わないものである。 会場に着くとすでに多くの参加車輌が並んでおり、初参加の車輌もいた。 なかには、去年はU12型(以下U12)ブルーバードに同乗参加後、触発されて新たなU12オーナーとなっていた方も。 ミーティングに間に合うよう車検取得の手配に動かれたそうだが、不具合が発生したそうだ。 交換部品の納期がかかり、危うく間に合わないかと肝を冷やしたとのことだった。 1989年式とのことだが、まだ純正部品が新品で手に入るということには驚いた。 こんな情報が得られるのも、ミーティングの楽しみの1つである(笑)。 遠くは九州から参加されているオーナーも! 友人と運転を交代しながら参加されたとのことだった。 渡り鳥のごとく、さまざまな地域から集まったブルーバードたち。 “歴代”というだけでなく、“全国”ミーティングも兼ねたイベントへと発展されていると感じた。 ■参加車の世代もスケールアップ! 前回は直前の台風の影響もあり、各地で通行止めが発生していた。 そのため、参加することが叶わなかった方も多くいたと聞く。 今回は天候に恵まれたため、前回よりも多くの台数と世代の参加となった。 今回が初参加となった世代は、910型(以下910)とU11型(以下U11)の2世代。 前回より二世代歴史をさかのぼったことになる。 両車の紹介を簡単にさせていただきたいと思う。 910は、ジュリーこと沢田研二が広告に起用されていた。 「ブルーバードお前の時代だ」のキャッチコピーが有名なあのCMだ。 実際に910はヒットモデルとなり、一時代を築いたのだった。 今回の参加車輌は、イメージカラーの赤に、セダンのボディがスクエアなデザインをより強調していた。 U11型は910の次世代として、ブルーバード初のFF車(前輪駆動)でデビューした。 参加車輌は、U11のなかでも高級路線のモデルとなる“マキシマ”である。 エンジンはV型6気筒を搭載しており、FFとの組み合わせは日本初であった。 標準のU11よりも全長が長いため、ハードトップの伸びやかなデザインをさらに際立たせていた。 新しい世代の参加車輌も負けておらず、今回一気に台数が増加した。 ブルーバードは、ブルーバードシルフィへと名称変更された。 よって、もちろんシルフィも対象車輌である。 その多くはカスタムをされており、若いオーナーの方が多かったことが印象的だった。 海外でも販売されているモデルでもあり、年式も新しいため、海外仕向の部品を流用するなどカスタムを楽しまれていた。 ■急遽開催されたじゃんけん大会! ミーティングの中盤、一部の参加者たちから運営メンバーにある質問が投げかけられていた。 「じゃんけん大会の景品はどちらに持っていけば良いですか?」 前回のミーティングでは、じゃんけん大会が行なわれたのだ。 その際に、参加者からも景品が提供されていた。 今回、じゃんけん大会について事前アナウンスはされていなかったはず。 運営としても行なわない予定だったが、なんと前回参加した方々から景品の提供があったのだ! そのため急遽、じゃんけん大会が行われる運びとなった(笑)。 意外なことに多くの参加者が何かしらの景品を持参しており、急遽行なわれたとは思えないほどの、マニアなら喜ぶような豪華景品が出揃った。 各自が景品を受付に持っていくなか、大きな景品がやってきたのだった…。 ■まさかの景品は…参加車輌のブルーバード!? 受付横に一台のブルーバードが止められた。 筆者の愛車と同色のU14型ブルーバードだ。 なんと、参加者の方が乗ってきた参加車輌が景品としてエントリーされたのだ! 冗談ではなく、オーナーは最初から景品として提供する予定とのことだった。 お話を伺うと、新車時からともに歩んできたが、次回の車検のタイミングで手放すことに決めたとのこと。 そこで、ブルーバードが好きな人たちが集まるこのミーティングで、是非欲しい方の手に渡ってもらいたいという思いもあり、提供したとのことだった。 ブルーバード争奪のじゃんけん大会に、数名の参加者が手を挙げた。 実は、筆者も周りの声に押され参加したのだった。 結果は、残念ながら(?)2位となってしまった。 1位になっていた場合、駐車場の準備等、大変なことになっていただろう。 負けてしまったことで、冷静に考えられるようになり、少し安堵した(笑)。 じゃんけん大会中は 「もし手にできたら現愛車のレプリカを作ろう」 「入れ替わっていても、家族はいつまで気づかないだろうか」 なんて妄想をしていたことを素直に白状しよう(笑)。 ■まとめ 今回のミーティングは、過去最高の参加台数のことだった。 回数が増すにつれ、参加台数も増えてきた。 開催地、時期も固定化されてきたところ。 是非今後も、ブルーバードが集まれる恒例イベントとして定着していただきたい! …と、ブルーバードオーナーの1人として、強く願うのであった。 主催メンバーの方々には感謝せずにはいられない。 ありがとうございました! [ライター・画像 / お杉]

スーパーアメリカンフェスティバル2023レポート【前編:マッスルカー】
イベントレポート 2023.10.30

スーパーアメリカンフェスティバル2023レポート【前編:マッスルカー】

去る2023年10月22日、東京・お台場で「スーパーアメリカンフェスティバル」が開催されました。 近年のコロナ禍の影響で開催できなかった年を挟みつつも、今回で30回目という長い歴史を持つイベントです。 会場は、ダイバーシティ東京プラザにそびえ立つ「等身大ユニコーン・ガンダム」が見下ろす位置にある「お台場ウルトラパーク」。 その広大な駐車場には、日本各地から結集してきた華やかなカスタムが施されたアメ車やハーレーなどのビッグバイクが並べられていて、入り口から眺めただけでもワクワクが止まりません。 さらに会場の一角に設営された大型トラックを使ったステージでは、「COOLS」のメンバーをはじめとするロックンロール界の名アーティストたちが歌と演奏を披露。 会場の雰囲気をオールドスクールなアメリカの空気で満たしていて、まるでアメリカンワールドに迷い込んだ気分にさせてくれます。 そして会場を回っていると、どこからともなく香ってくる美味しそうな匂いに惹かれて足を向けると、ずらっと並んだ出店の数々が現れます。 ハンバーガーやホットドッグ、カクテルやビールなど、提供されるメニューやその店舗もアメリカンな雰囲気です。 これでもかというくらいにアメリカンな雰囲気に浸ったら、まるで屋台村のようにたくさん並んだ、アパレルやグッズなどの出店まわりも楽しみのひとつですね。 旧き良きアメリカの雰囲気が詰まったアパレルグッズをはじめ、ビンテージなオモチャやクルマやバイクのグッズ、そしてカスタムパーツなどもあって、ここを回るだけで気付けば半日くらい経っていそうな充実度です。 さてここからは展示車輌の紹介をしていこうと思います。 1回では紹介しきれないので【前編】として“マッスルカー”をテーマに見ていきましょう! ■まずは“シボレー コルベット”から 初代「C1」です。 オープンボディだけのラインナップだった初代C1コルベットは、量産車初のFRP製ボディをまとって華麗にデビュー。 この写真の車輌はかなり希少な初期モデルをベースとしていますが、外装はボンネットとフェンダーが一体となるクラムシェルタイプのフロントカウル、オリジナルのハードトップ、さらにはおそらくオリジナル設計の前後足まわり、極めつけはカウルやドアなどが電動開閉する機構が盛り込まれていて、一見ノーマル風に抑えられた外観に対して、中身は原型を探すのが難しいくらいにカスタムされまくった個体でした。 今回のカーショウ受賞車輌です。 2代目の「C2」コルベットは、リトラクタブルライトを採用した前衛的で独特のスタイルから、「スティングレイ(赤エイ)」のペットネームが与えられた最初のモデル。 また、排気量6リットル420馬力オーバーののビッグブロックエンジンが搭載され、“マッスルカー”と呼ばれるに相応しいパワーを備えたハシリのモデルでもあります。 この車輌は真っ赤なボディにホワイトリボンのタイヤがマッチしていて、上品さも感じられます。 日本で「スティングレイ」というと、こちらの3代目「C3」コルベットを思い起こす人も多いでしょう。 先代より大胆な造形になり、ボディサイズも拡大されて、まさに“マッスル”という雰囲気になりました。 写真の個体はメッキのバンパーが付いた前期モデルで、通称「アイアンバンパー」と呼ばれています。 サイドマフラーが純正のように似合いますね。 こちらはバンパーがボディと一体化された「C3」中後期のモデルです。 ノーズ先端が張り出し、さらに迫力が増しました。 固定ライト化で顔つきの雰囲気が変わっているのに加え、チンスポイラーでアゴがせり出し、ワイドボディ化されていて、マッスル度MAXのC3。 4代目の「C4」ですね。 設計が大幅に見直され、スポーツ性能が高められたモデルです。 この車輌は初めて6速M/Tミッションが搭載され、375馬力までチューニングされたエンジンを搭載した最強グレードのZR-1。 当時憧れていたのを思い出します。 高性能なRAYS製ホイールもマッチしてます。 「C4」からデザインの意匠を引き継いで、なめらかなエアロフォルムになった「C5」です。 写真では同じように見えますが、C4と並べると車幅の広さを強く感じますね。 6代目の「C6」です。 この代からリトラクタブルヘッドライトをやめて固定ライトになりました。 写真の車輌はオプションパッケージのグランドスポーツのようです。 ちなみにこのC6の代の「ZR-1」は、625馬力を発生するスーパーチャージャー付きの6.2リットルエンジンを搭載したモンスターマシンです。 まだまだ現役の雰囲気を感じる「C7」ですが、もう発売されて10年が経つんですね。 この車輌はデザインワークスでカーラッピングされた車両のようです。 モデルの女性も雰囲気に合っていますね。 ■続いては“シボレー カマロ” 初代カマロ、カッコイイです。 カマロはコルベットよりも10年遅れて発売されましたので、同世代のコルベットは3代目の「C3」になります。 ライバルメーカーであるフォードから発売され、空前のヒットを記録していた「マスタング」の対抗馬として、GMがクーペボディのハイパフォーマンスカーを作り上げたのがこのカマロです。 初代は3年しか発売されておらず数が少ないなかで、この写真のZ28グレードはレース向けの5リットルエンジンを搭載したスペシャルモデル。 ゆえにかなり希少だと思います。 メタリックブルーに白のレーシングストライプが象徴的です。 2代目は10年間発売されていたのでモデルライフが長く、途中で2回マイナーチェンジをおこなっています。 この写真の個体は前期モデルで、伸びやかなロングノーズのクーペらしいスタイルに、大きく口を開けた丸目2灯の顔つきが迫力を加えています。 この顔つきから「サメカマ」のニックネームで呼ばれているモデルです。 今どきの大径ホイールもよく似合ってますね。 こちらは中期モデル。 メッキ仕上げで前に大きく張り出した“5マイルバンパー”を装着する必要から、顔つきがだいぶ変わりました。 上の初代の個体と同じカラーリングで、しっかりカマロの遺伝子を感じます。 こちらはバンパーがボディ一体風の樹脂製になった後期モデル。 しかも上級グレードの“ベルリネッタ”のようです。 キレイに保って乗っているようで、愛情を感じますね。 3代目はボディサイズがひとまわり小さくなって、デザインが直線基調のカチッとしたものになりました。 かなり引き締まった印象になりつつも、テイストはしっかりカマロっぽさを表現していてカッコイイです。 こちらはアゴがせり出す前の前期モデルですね。 今見るとスッキリしていてシャープな印象です。 こちらはマイナーチェンジ後の後期モデル。 フロントとサイドの下部にエアダム形状のエアロが追加され、レーシーな雰囲気になりました。 これは5.7リットルエンジン搭載の最強グレードのZ28のようです。 デザインが先代から一変してなめらかな曲面構成になり、いかにも空力が良さそうなカタチになった4代目です。 こちらも5.7リットルエンジン搭載のZ28グレードのようですね。 ちなみにこの4代目の販売終了の後、7年ほどカマロがラインナップから消えた時期があるのです。 空白期間から復活して、初代を思わせるグリルをまとった5代目カマロ。 この車輌はドア部にインディ500のオフィシャルビークルのステッカーが貼られていますが、実際にサーキットで使われていた車輌でしょうか。 カマロ編の最後は現行の6代目。 SSグレードをベースにアンダースポイラーが装着され、ボディラッピングが施されています。 派手目なドレスアップがきっちり映えるデザインですね。 ■そして“ポンティアック ファイヤーバード” 初代ファイヤーバードは、カマロと共通のコンポーネントを使って「ポンティアック」ブランドで販売された兄弟車にあたるモデル。 カマロとの2枚看板で、強敵の「マスタング」を打倒すべく投入されました。 特徴は、グリルの外枠がバンパーを兼ねるような独特な顔つきです。 この車輌はかなりキレイな状態に仕上げられていますが、エアスクープ付きのボンネットやチンスポイラーの追加などで、さりげなくレーシーな雰囲気が高められていますね。 2代目は、カマロと兄弟車ということを色濃く感じさせるデザインに。 この車輌は初期モデルのようです。 この代からファイヤーバードの象徴ともいえる、“不死鳥グラフィック”がボンネットに飾られるようになりました。 そしてファイヤーバードといえば「トランザム」ですね。 これは「Trans America」の略で、 SCCAというレース団体の市販車改造レースのシリーズ名から取ったグレード名。 カマロの「Z28」と同じく、最強エンジンを搭載したトップグレードです。 ツヤ消し黒で塗りつぶされた、どこか異様な雰囲気をかもし出しているファイヤーバードを発見。 よく見るとリヤのガーニッシュにバットマンのマークがあります。 これ、どうやらバットマンに扮して活動している、その筋では有名な「バッタモン」さんのクルマのようです。 巨大なボンネットバルジや拡張されたリヤフェンダーなど、当時の流儀を踏まえたカスタムは、単なる見せかけだけではなさそうです。 「ポンティアック ファイヤーバード」というと、このカタチを思い浮かべる人も多いんじゃないでしょうか。 2代目ファイヤーバードは10年の間に3回のマイナーチェンジをおこなっています。 この車輌は2代目の中期にあたるモデル。 鷹の目つきのようなライト周りと、トランザム専用のボンネット中央のカバーを囲むように羽を広げた不死鳥のグラフィックは、それを見た者に忘れられないイメージを植え付けますね。 3回目のマイナーチェンジで、さらに顔つきが変わります。 角形4灯の独立したヘッドライトが印象的。 ボンネットの不死鳥が面いっぱいまで大きくなっています。 リトラクタブルヘッドライトになって尖ったフロント周りは、兄弟車のカマロよりもコルベット(C4)に近い印象になった3代目。 この代はなんと言ってもあの「映画・ナイトライダー」の「ナイト2000(KITT)」のイメージが大きいでしょう。 実際に見比べると結構違うカタチにモディファイされているのですが、元のファイヤーバード(黒)を見掛けると「あ、ナイト2000だ」と思ってしまうくらい強く印象づけられてしまっています。 この写真の車輌は、トランザムの特別仕様である「トランザムGTA」。 外観はほぼ純正状態を保ってますね。 ちなみに、写真はありませんがファイヤーバードは(ブランドのポンティアックと共に)この後の4代目で時代の幕を閉じてしまうのです。 ■忘れてはいけない“フォード マスタング” それまでありそうでなかった、“スポーティな雰囲気を持ったちょっと贅沢なクルマ”というジャンルを開拓し、空前の大ヒットとなった「フォード マスタング」。 その精悍なスタイリングと、高性能でパワフルなエンジンを搭載しながらも低価格で購入できるということで、例えるなら身近に会えるスターのような存在として映画や広告に出まくっていたこともあり、日本でも“アメリカのカッコイイクルマ”として人気が高かったのを覚えています。 マッスルカーのイメージもありますが、実際に見ると意外とコンパクトで、日本で走っていてもあんまり違和感はないかもしれません。 写真の車輌は新車以上といってもいいくらいにキレイな状態に仕上げられていて、その上品さを感じる佇まいが、周りと空気が違う印象でした。 こちら、世代で分類するのにちょっとややこしいモデル。 ボディサイズが拡大され、デザインが変更されたのに伴いボディパネルもごっそり変更されていて、もうフルモデルチェンジといっていい内容に思えますが、2代目ではなく初代の後期とする説が有力の模様。 後付けのチンスポイラーは結構大きいサイズですが、車体が大きいせいかそれほど大げさに見えません。 2代目は見付けられませんでしたが、ある意味それより希少かもしれない3代目のマスタングを発見しました。 この代はサイズとデザインからコンパクトスポーツという印象もありましたが、写真の車輌は大径ホイールを履かせてマッチョな雰囲気に仕上がってますね。 こちらは4代目を飛ばして5代目モデル。 まったくテイストが違うクルマなのに、丸目2灯の顔つきや片側3連タイプのテールランプなど、初代モデルを意識したデザインが目を引きます。 ■その他会場で印象的だったマッスルカー プリムス(クライスラー)の3代目バラクーダ、そのハイパフォーマンスモデル「HEMI・クーダ」。 ドアに掛かるグラフィックに「383」と見えるように、6.3リットルのHEMI383エンジンを搭載した、正真正銘のマッスルカーです。 ホイールもボディ同色とした、独特の色使いがカッコイイですね。 こちらは、上のバラクーダの兄弟車「ダッジ チャージャー」。 「映画・ワイルドスピード」ではマッスルカー代表としてその力強さをアピールしていますが、この「チャージャー」が発売された当時、その強大なパワーから「これぞマッスルカー!」と称賛されました。 写真の「R/T」グレードはそのなかでも最大排気量の、7.2リットル440マグナムエンジンを搭載するモデルです。 こちらは「コブラ」を世に出したメーカー「シェルビー・アメリカン」がGTカーレースで打倒フェラーリを実現すべく開発した“ホモロゲーションモデル”である「シェルビー デイトナ」。 レース出場権を取るためだけの生産台数しか作られていないので、世界的に見て超希少な個体だと思います。 実物を見られただけでもラッキーかもしれません。 ■あとがき 今回は「スーパーアメリカンフェスティバル」の展示車輌のなかから、代表的なマッスルカーにフォーカスを当てて紹介してみました。 こうして憧れのマッスルカーたちの歴代モデルが一堂に会しているのも、このイベントならではの魅力だと思います。 それぞれの個体1台1台に、ここで書き切れないくらいの魅力が詰まっていますので、会場に訪れたら「1日では回りきれないな…」と思う人も少なくないのではないでしょうか。 次回は他の展示車輌にフォーカスを当てて紹介してみたいと思います。 お楽しみに! [ライター・画像 / 往 機人]

秋晴れの日に映えるクラシックカーでピクニック?パリの蚤の市に現れたレア車にせまる
イベントレポート 2023.10.26

秋晴れの日に映えるクラシックカーでピクニック?パリの蚤の市に現れたレア車にせまる

10月に入ってもパリは晴天続きで、ブロカントと呼ばれる蚤の市も各エリアで催されていました。 そんななかで見つけた一枚の張り紙。 『愛車を展示しながらピクニック』の文字が。 なんとも心惹かれるフレーズ! 早速行ってきました。 ついた頃は思っていたよりクルマが少なく少しガッカリしてしまいましたが、どうやらお昼ご飯に出掛けている方々が多かったようです。 この日は本当に日差しが強く、公園内でピクニックどころではなさそうでした。 それでもパラソルを持参してサンドイッチやワインで愉しんでいたり、自動車にカゴバックを付けてピクニック仕様で来場するなど、それぞれでテーマを解釈して楽しんでいるようでした。 ■ベスパのクルマ!? クルマが少ないとはいえ、来ているクルマは珍しいものばかり。 オーナーさん達が木陰でお昼ご飯を取っている最中、私はゆっくりと公園内のクルマを吟味することができました。 そんななかで目に付いた一台。 『ベスパ400』なんて可愛らしいのでしょう。 ベスパといえば、もちろんイタリアのピアッジオ社のスクーター。 見たことがない人はいないのではないでしょうか。 しかし、私は公園内でも一際小さなこのベスパの“クルマ”を初めて見ました。 タイミング的にオーナーさんはいらっしゃらず、お話は聞くことができなかったのですが、窓際に当時の広告を用意してくれていたのでジロジロと覗き込む姿勢で読んでみました。 ▲抄訳:「パリや近郊の街は渋滞もどんどん多く、駐車場も満車。そんな状況を回避するのはベスパ400だけ!フランス国産車よりも安い321フラン!」 すると、そんな私をみて80歳代のご夫婦が話しかけて来てくれました。 「あなた見たことないでしょ、こんな小さなクルマ〜」と。 こちらのご夫婦は3年前まで同じクルマを所有していたそうで、大変懐かしい様子で思い出話をしてくれました。 60年代当初は奥様が通勤の為に毎日使っていて、定年後はご主人が主に運転をしていたのだそう。 「トラックの間で運転をしていると、小さすぎて気づかれないから何度も驚かれたよ〜」とお二人で大笑い! 偶然ここで見掛けられたことを大変喜んでいて、私も暖かい気持ちになれました。 ■ブリテッシュグリーンに輝くジャガー XK140 さて、続いてはこちらのクルマ、1956年製の『ジャガー XK140』。 広場の真ん中にカッコ良く陣取っていました。 深緑色に輝く車体の横には、足元まで昔の操縦士スタイルできめている70歳代のムッシュが。 14台ものクラシックカーを所有しているジャックさんです。 「見てごらん、このフォルムを。波打った車体は140までのもので、150になると真っ直ぐなモデル変更するんだ。(近くにある『ジャガー XK120』を指さして)そこにある120も同じように流れるようなフォルムだろ。内装も140までが木装でそれ以降は木は使われないんだよ」 と、このクルマに惹かれたポイントをなんとも雰囲気のある酒焼け声で説明をしてくれました。 外装は元々黒色で、当初オランダの政治家が所有し、その後フランスに渡り前所有者であるフランス人が30年以上保管していたようです。 その際に車体の色がブリテッシュグリーンと呼ばれるこの深緑色に変わったと。 その後、ジャックさんは6年前からこのクルマの3代目オーナーとなりました。 ジャックさんは私に試乗を薦めてくれ、ドキドキしながら乗り込むとコンパクトなシートですがすっぽりと収まることができ、操縦席から見える内装も本当にかっこいいです。 「初めてジャガーのクラシックカーに乗りました」と伝えると、ジャックさんが大笑い! クルマの知識も多く、お話も大好きなジャックさんの周りにはたくさんのオーナーさんが集まっていて、日曜の午後のクルマ談義に花が咲いておりました。 ■到着早々注目の的!フォードのマスタング312 そろそろ帰ろうと準備をしていると、一台のクルマがやって来ました。 白のボディに2本のライン。園内にいた全員が釘付けになり、一気に人が集まって来ました。 1974年『フォード マスタング312』です。 友人と来ていたオーナーのスティーブンさんにも、少しお話を聞くことができました。 6年前から所有しているこのマスタングは、前回のオーナーさんによりエンジンはV8のものに変えられていて、オリジナルと同じ外装ですが塗り直しがされています。 後ろに貼られている「Mach 1」もこの車体のモデルではないけれど、フェイクで貼られていたままわざと残しているようです。 エンジンはオリジナルのままですが、前オーナーさんが色々カスタムしていた点もお気に入りのようです。 「俺も日本人のコレクター友達がいるけど、日本じゃ珍しくないだろう?」とおっしゃるスティーブンさん。 「東京ですと、確かに高級車は多く見かけますが、やはり年々クラシックカーは貴重になってきています。その分憧れるファンはたくさんいるでしょうね」と答えると、近くにあった『シトロエン トラクシオン・アバン』の黒色を指さし、「あれの白色を持ってるよ、かなりレアだからこういったところには持ってこないけどね。しかもコンバーティブルの」と、携帯に入っているコレクションの写真を何枚も見せてくれました。 「あと、この2台も同じモデルに同じ色なんだ。おもしろいだろう」と『プジョー 504』の赤いクーペの写真も。 実物が見れないのは残念でしたが、ご友人と良くこういったイベントに参加しているとおっしゃていたので、またの機会にお目にかかれるのが楽しみです。 ■クラシックカーに落書き!? 今回のイベントは公園で行われたこともあり、昼過ぎにはたまたま遊びに来ていて居合わせた家族連れや子供達もチラホラ。 そんな方たちも楽しめるようにでしょうか。 会場の隅に、フランス人にとってはド・ゴール元大統領の専用車としても有名な『シトロエン DS パラス』の外装が、黒板仕様になって来園しておりました。 子供たちもボンネットの上に準備されたチョークを取って思い思いに落書きを楽しんでいて、横にいたムッシュから「君も何か日本語で書いてみたら?」といわれたので… フランス国産車に『旧車王』の文字を書き残して参りました! 始まったばかりの秋も一瞬で終わりそうなフランスですが、クルマ好きな人も、偶然公園に遊びにきた人も、同じ場所で楽しめている風景が本当に素敵でした。 [ライター・画像 / スミ]

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