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今回、歴代ブルーバードミーティングに参加した模様をレポートしたいと思う。 本文中、筆者のマニアックで温度高めなところが出てしまう点を、あらかじめおことわりしておきたいと思う。 嵐のなか開催された歴代ブルーバードミーティング 季節もイベントに適した気候になり、多くのイベントが各地で再び開催されるようになった。 今回、筆者の愛車である"ブルーバード"も、対象の歴代ミーティングにお誘いを受け、参加してきた。 本ミーティングはブルーバードオーナー有志の方々が開催した。 初秋の季節柄、開催直前に台風が来ており、一時は開催が危ぶまれた。 幸いにして直撃にはならず、高速道路の通行止め等あったが、各地域から多くの参加車両が集まった。 多種多彩な歴代ブルーバードたち 今回は8代目であるU12型以降の4世代が集まった。 参加台数の内訳が、筆者の予想と意外な点で異なっていた。 その意外な点とは、今回1番台数が多かったのはU12型であったということだった。 なぜ、U12型の参加台数が多かったかについて、筆者の考えはまた後ほど説明したいと思う。 次に多かったのは、筆者の愛車と同型であるU14型であった。 年式が比較的新しく(とはいっても新しくても約20年落ちではあるが)各排気量にMTの設定があった。 そのため、セダンで走りを楽しみたいオーナーに好まれているのかもしない。 今回、U14型での参加車両の多くはMTであったため、筆者はこのように考察をした。 U13型の参加車両は2台であったが、驚くべきことにSSSとARXが揃う結果となったのである。 U13型について少し語らせていただくと、ボディタイプが2タイプ用意されていた。 バブル期に開発が行われたこともあり「セダンのSSS」、「ハードトップのARX」と作り分けていたのである。 ただ現存率が低く、イベントでもお目にかかれる機会が少ない。 今回”歴代”とのことだったため、SSS(画像の白の個体)に乗る、古くからの友人を誘っていた。 結果として、今回ARXにお乗りの方が参加されており、それぞれのボディタイプが揃うという、めったにない光景が広がった。 G11型ブルーバードシルフィは、シルフィとしては2代目となる。 ブルーバードの名を冠した最後のモデルである。 「シルフィ」のネームが付き、サルーン路線へ大きく変革を行った。 サルーン路線になったとはいえ、意外や走りに関してはブルーバードの血統を感じさせる。 オーナーは毎日通勤も含め、山坂道を走っているとのことだが、走りに不満はないそうだ。 購入当初、ブレーキ性能に不満があったそうだが、利き具合が好みのパッドに交換をしてからは解消したという。 筆者も何度か運転したことがあり、動力性能は十分にあることを知っていた。 そのため、オーナーの感想に共感をした。 残念ながら、6代目の910型で参加予定だったが、不調のため急遽セカンドカーで参加された方もいた。 次回はぜひ、一緒に並べたいと願うばかりだ。 なぜ、U12型の参加台数が最多だったのか?についての考察 では、U12型がなぜ今回最多数の参加車両だったのか、筆者の考察を披露したいと思う。 U12型にはセダン、ハードトップ、5ドアハッチバックという3種類のボディタイプがある。 セダン、ハードトップそれぞれのボディタイプには、SSS(スポーティ)とサルーン系の2つのキャラクターが存在する。 当時、新車で購入された方はまず、5種類の大分類から選択することになる。 ボディタイプとキャラクターを選択後、多くのグレードとオプションから理想に近いものを選択することができた。 細分化されたグレード構成から選んだ理想の一台のためか、現在も新車時から乗り続けているオーナーが多いようだ。 今回参加されたU12型オーナーのなかにも、2年以内にワンオーナー車だった個体を購入して、乗り始めた方が数名いたようだ。 新車当時と同じように、現役オーナーたちも自身の好みに合わせた選択を行うことができたため、多種多彩なU12型が集まったのかもしれない。 余談だが、このモデルは、新技術のアピールも積極的に行っていた。 そのひとつに、日産の新たな4WDシステム”アテーサ”がある。 このアテーサは、その後のモデルにも引き続き採用された。 今回、現地に向かっている道中、ウェット路面だけでなく、水溜まりの箇所も多くあった。 そんな路面状況でも”アテーサ”搭載車のオーナーたちは、安心して(むしろ楽しんで)ドライブしてきたとのことだった(笑)。 驚愕の絶滅ノベルティグッズ 今回、ミーティングの受付に飾られた、あるモノに驚いた! 2台の金色に輝くU13型(SSS)とU14型のモデルカーである。 一緒に置いてあるトミカと比較すると、大きさがお分かりいただけるだろう。 この2台が何かというと“シガレットケース”そう、タバコ入れである! 新車販売時に設定されていたノベルティグッズになる。 他車種で、このシガレットケースというノベルティがあったことは知っていた。 過去、目にした車種の多くはローレル、マークⅡといったハイソカーであった。 しかも、80年代にデビューしたモデルが大半であった。 実は、少し前にU13型のシガレットケースが存在することを知り、驚いたばかりであった。 今回、96年に登場したU14型にも設定があったことを初めて知り、驚愕の事実であった。 ご存知の通り、現在新車販売されているクルマのほとんどには灰皿が装着されていない。それだけ、喫煙文化は衰退している。 今後、このようにタバコにまつわるノベルティは、今後出てくることはないだろう。 一時代を反映した、貴重なノベルティであった。 ミーティング開催場所を提供してくれる貴重なお店 今回のミーティング場所は「ドライブイン もちや(静岡県富士宮市)」の駐車場である。 「もちや」という名前は、SNSのオフ会投稿で目にすることがあると思う。 筆者も名前は知っていたが、どういう場所なのかは知らなかった。 ミーティング当日、会場に着くとお店裏手の広い駐車場が会場となっていた。 この場所はなんと、もちやさんが提供しているとのこと! 流れとしては、事前に参加予定台数を申請して予約。 当日、参加台数と1台当たりの使用料を納めれば、場所の提供をしていただけるとのことだ。 昼食はもちやさん店内にて、豊富なメニューから選ぶことも可能であり、お土産の購入ができる点も助かる。 たしかにミーティングにはうってつけのロケーションである。 周辺道路は流れもよく、クルマにもドライバーにもストレスフリーな環境でもある。 なかなかミーティングを行いたくても場所の確保が難しいことが多い。 筆者としては、もちやさんはミーティングの救世主と感じた。 施設名:朝霧高原もちや(ドライブイン もちや) ・営業時間:9:00~18:00(天候等により変更する場合あり)・定休日:不定・TEL:0544-52-0202・FAX:0544-52-0771・住所:〒418-0108 静岡県富士宮市猪之頭1114-1・交通情報:東名富士ICより車で約25分、中央道河口湖ICより車で約40分、新東名新富士インターから車で約20分・駐車可能台数:320台(無料)・URL:http://www.mochiya.co.jp *オフ会についての規定も公式ホームページに公開されているhttp://www.mochiya.co.jp/もちやオフ会規定.pdf まとめ 長い歴史のあるブルーバードにおいて、8代目以降のモデルが集まった。 ブルーバードとしては”近代”モデルが集まったことで、近い年代同士での比較、情報共有が積極的に行われた。 今回、筆者個人としてはミーティングを歓迎してくれるお店があることを知った。 読者の皆様においては、ミーティングを行おうと計画されている方もいると思う。 ぜひ、お近くのミーティング歓迎な施設を探して、気兼ねなくイベントを行うことをお勧めしたいと感じた。 [ライター・撮影/お杉]
小雨が降るなか「熱海ヒストリカ2022」が開催 去る10月10日、小雨降る南熱海・長浜海浜公園芝生エリアにて、クラシックカーイベント「熱海ヒストリカ2022」が開催された。 主催はACJ(オートモービルクラブジャパン)。 長浜海浜公園では秋の風物詩ともいえるイベントで、この日公園内の緑地部分にクラシックカーが100台以上が整列した。 参加資格は1995年までに製造された車両、国産外車は特に区分けはない。 会場には10時から開催となっていたが、既に9時を過ぎた頃にはほとんどの車両が集まっていた。 クラシックイベントでも、1995年という枠組みから、わりと近年の車両と思えるR32GT⁻Rのようなクルマから、見たこともないような欧州車まで・・・。 広範囲にわたるクルマで参加者や居合わせた見物人を楽しませてくれた。 特異なクルマと若者の邂逅 今年のヒストリカではバブルカーが少なからずエントリーしており、筆者も唖然とする車両がこのツェンダップ・ヤヌスである。 バブルカー最盛期に1年ほどというごくわずかな時間生産され、現存は世界でも数十台もちろん、日本にはこれ1台だという。 正直、筆者も初めて見るどころか、存在すら知らなかった。 50代である筆者をしてその状態なのだから、若い方などは推して知るべしである。 BMWのイセッタベースの600など、ドアが前面から開くことに驚き、なぜこのようになっているのかと質問攻めにするほどであった。 黎明期の車両など、現代の洗練されきった車両からすれば一見無意味な構造に違いない。 しかし、そうなった過程にはもちろん意味があるのだが、彼らからすれば不合理極まりないものに見えるようだ。 温故知新、そうしたことを知ることも、また教える意味でもこうした車両の存在は大事だろう。 「蒼いクルマたち」が集結 今回は主催者の意向であるテーマ車両が多数参加していた。 それは「Team Blue Blood」と称する蒼いクルマのエントリー枠だ。 いわゆる青系なら年式問わずどのようなクルマでも参加可能というものだ。 この枠には30台近くエントリーしていた。 そのこともあって毎年クラシックカーのみ(一部現行のスーパーカー等を含む)が芝生エリアに並んでいたが、今年は現行モデルの国産車がちらほら姿があった。 イベントの区分けとしてはどうなのか? そう思われる向きもあるかもしれないが、筆者は悪くない試みではないかと思う。 現代の水準において、旧車はあまりにも値段が上昇してしまった。 その結果、人によっては縁遠い、あるいは手の出ないものとして捉えられているかもしれない。 それでも、懐かしさだけでなく興味を持って会場を訪れてくれた人に、より身近にクルマもオーナーも知ってもらうことは重要だと感じるからだ。 そうした意味で、現行車両でテーマに沿って来てくれた人も、参加者として迎え入れた意義は大きいと思う。 横道を行く 会場外にいる車両をピックアップする横道を行く。 例によって探した結果、今回は駐車場ではなく会場内で見つけた1台を。 明らかにモディファイドされたクルマなのですが、ベースはMR-S。 一見するとリア回りなどポルシェのボクスターのようにも見える。 いったいこれは何かとたまたまクルマに戻ってきたオーナーに伺うと、アブフラックというエアロパーツ(カスタマイズ)メーカーのものだそうだ。 国内最古のカークラブ、オートモービルクラブジャパン(ACJ)とは? 主催であるオートモービルクラブジャパン(ACJ)は、国内最古のカークラブである。 最古参というと他にも名乗りを上げそうな話ではあるが、ACJの歴史は明治41年にまで遡る。 さすがにここまで過去にさかのぼられてはいかなるカークラブも最古を名乗ることは難しい。 それもそのはず、この明治41年の8月1日に日本で最初の遠乗会つまりツーリングが行われたのだ。 この時に先頭に立たれたのが有栖川宮殿下であり、他10台と連れ立って国立鎮守の森谷保天満宮まで走ったのが国内初のドライブツアーだとされる。 この際に同時に自動車クラブとして設立されたのがはじまりだ。 前述の谷保天満宮でのイベントはもちろん、熱海ヒストリカをはじめ、多数のイベントを企画または他のクラブとの連携やコラボレーションを行っている。 まとめ:クラシックカーのイベントは敷居が高そうに思う方ほど参加を! 最近では、熱海ヒストリカも参加車両が多くなり、エントリーが難しくなっているようだ。 しかし、ACJクラブ員は優先的にエントリーができるようになっている。 最古のカークラブとしてこの先を見据えての新しい試みなど、世代交代にも向けた取り組みに歴史と重みを感じずにはいられない。 クルマ好きだが、自クラシックカーのイベントは敷居が高そうに感じる。 そう思われている方こそ、こうした枠組みをきっかけにエントリーすることをお勧めしたい。 ■Automobile Club Japanhttps://acj1908.com/ [ライター・撮影/きもだ こよし]
この夏、各地で数年ぶりに多くのイベントが行われた。 去る8月14日に滋賀県彦根市で行われた「赤祭り」もそのひとつである。 筆者の“赤い”愛車で、参加してきた模様をレポートしたいと思う。 ■「彦根赤祭り」とは? 彦根藩主であった、井伊家の甲冑が“赤”だったことに因んで“赤い”クルマを集めて行われたイベントである。 2009年を最後に、13年間お休みをしていたという「赤祭り」。 実は、過去行われた赤祭りに筆者は参加していたのだ! 今回開催される情報を滋賀在住の友人から教えていただき、すぐさまエントリーしたのだった。 ■赤ければOK!参加車両はオールジャンル! 今回のイベントは事前エントリー制となっている。 事務局の判断で“赤いクルマ”と認定された場合、参加が可能である。 これは、過去行われた際も事前エントリー制としており、徹底して“赤”にこだわっていることが伺えられる。 そのなかには働くクルマも参加されていた。 働く赤いクルマの代名詞といえば、郵便配達車や消防車である。 今回、郵便配達車が働くクルマの代表として展示されていた。 来場されたファミリーのお子様は、カブに跨って撮影を楽しまれていた。 他には、日頃彦根城周辺で活躍している人力車、電動コミューターもエントリーしていた。 ■個性的でマニアックな車両もエントリー! 会場内には、さまざまなジャンルのクルマが参加していた。 ここからは、筆者の琴線に触れた”マニアックな”クルマを紹介していこうと思う。 会場で駐車した際、筆者のブルーバードに興味を持っていただき、声をかけて下さった方が居た。 この方が、初代インサイトのオーナーである。 筆者の記憶では、初代インサイトを間近で見たことはなかった。 初めて間近で見て「非常にコンパクト」という印象を感じた。 デビュー時に「3Lのガソリンで100kmの航続を可能にした」という情報を知り、驚いたことを今も覚えている。 当時、空力を考えリアホイールの半分をカバーしている姿を見て「そこまでするのか!」とメーカーの本気度も感じた。 初代インサイトが「オールアルミボディ」というのは有名な話だ。 しかし、ペダル類、補器類のブラケットまでもがアルミで作製されているのは、あまり知られていないと思う。 今回オーナーからの説明を受け、筆者も初めて知った次第である。 近未来を感じていた、初代インサイト。 しかし、気づけば旧車の域に突入していることを知った。 なかでも気になるのは動力用バッテリーの劣化である。 劣化が進んでいるため、交換が必要になっているそうだ。 対処法として、リビルトや他車種のバッテリー流用が、手段としてあるとのこと。 ハイブリッドカーでは、従来のエンジンオーバーホール、載せ替えに相当するメンテナンスが、バッテリーに該当するようだ。 会場内の参加車両を見て回っていたところ、ヴィヴィオ T-topを発見した。 ちょうどルーフを外しているところだったので、お話を伺うことができた。 オーナーの方は、現在のT-topは2台目とのこと。 驚いたことに、過去乗られていた車両も新たなオーナーとともに、今回参加されているとのことだった! T-topも初めて、間近で拝見した。 オープンにする際、頭上部分は手動で脱着できる仕組みとなっている。 左右席頭上、センター部分と3部品で構成されている。 Tバールーフにもなる仕組みだ。 Bピラー後方、リアウィンドウ部分は単独で開閉可能だ。 このリアウィンドウが電動で開閉されるということは、あまり知られていないことと思う。 筆者はこのことも、今回初めて知った。 新たに学ぶことが多い。と、いつもイベントに参加する際に思うばかりだ(笑)。 今回、お話を伺ったクルマたちを間近で見ることはなかなかない。 貴重な機会となった。 大変ありがとうございました! 今回ご紹介した2台。 お話を伺うと、イベントに参加した車両は”セカンドカー”とのこと。 お2人とも、別に“本命”車両をお持ちだそうだ。 イベントにも参加できる“セカンドカー”を持つ、旧車マニアな人が増えていると、改めて実感した次第だ。 ■クルマだけでなくみんなが楽しめるイベントも! 今回、会場ではeスポーツの体験ブース、トークショーも行われていた。 グランツーリスモだけでなく、各自ゴーグルをつけて対戦を行う、体感型のブースも設けられていた。 トークショーでは、過去の赤祭りでも登壇された、赤い彗星ことシャア・アズナブルの声を担当している声優の池田秀一さんが登場したのだ!!! なぜ?と思われるかもしれないが、演じられたキャラクターにて"赤"にまつわる縁があるとのことで、過去に引き続き登壇されていた。 各アニメキャラクターファンの方々も来場していた。 駐車場では、ガンダムの“シャア”関連カスタム車も多く参加されていた。 クルマが主体ではあるが、自治体が主催だけにそれだけではなく、多くの来場者が楽しめるイベントとなった。 ■まとめ:来年の大規模開催予定に期待! 今回、13年ぶりの開催となった赤祭り。 閉会式でも、来年は更なる大規模開催を予定しているとのアナウンスがあった。 すでに予定日を決め、場所の確保にも動いているとのこと。 現在、彦根市は彦根城の世界遺産登録をめざしている。 来年は世界遺産登録された彦根城と共に、最大の盛り上がりを今から期待してしまう。 来年はぜひ“赤い”クルマに乗っている方はエントリーされてはいかがだろうか。 ●「赤祭り」公式ホームページhttps://www.akamatsuri.com [ライター・撮影/お杉]
去る2022年9月18日(日)、群馬県邑楽郡邑楽町おうら中央多目的広場にて開催されたイベント「OURA 86 meets 2022(邑楽町商工会青年部主催)」の模様を取材してきた。 イベント名にもあるとおり、主役はAE86型のカローラレビン&スプリンタートレノだ。 イベント開催日当日は、台風14号が日本列島に接近しており、開催地である群馬県も朝から雨の予報だった。 ホームページでは「雨天決行」と表記されていたし、公式SNSでもイベント当日の案内が投稿されていたので、ひとまず現地に向かった。 午前10時開場の30分ほど前、9時半に現地に到着してみると・・・なんと曇り! これはチャンスとばかりに、すでに会場内に整然と並べられた約200台ものAE86型カローラレビン&スプリンタートレノを撮りまくった。 しかし、10時半を過ぎたあたりから雲が厚みを増し、10時45分頃には雨が降り始めた。 それでも次々と多くのギャラリーが集まってきた。 今回の「OURA 86 meets 2022」は実に3年振りの開催だという。 雨の予報であることを承知のうえで会場に足を運んだ人もいたはずだ。 それだけこのイベントの開催を待ち望んでいた人が多かったということなのだろう。 ■OURA 86 meets 2022:カローラレビン編 総生産台数でいうなら、カローラレビンが約6万6000台、スプリンタートレノが約3万6000台と、圧倒的にカローラレビンの方が多い。今回、2ケタナンバーやフルオリジナルに近い状態の個体を何台も見掛けた。いずれもオーナーの愛情を感じずにはいられない素晴らしいコンディションをキープしたハチロクが多かったように思う。 ■OURA 86 meets 2022:スプリンタートレノ編 リトラクタブルヘッドライトが特徴的なスプリンタートレノ。展示中は敢えて「ヘッドライトぱっちり」にしている個体も多かった。限定モデルである「BLACK LIMITED」が少なくとも3台はエントリーしていたようで、それぞれの個体のオーナーのこだわりを垣間見ることができた。 ■OURA 86 meets 2022:ショップ編 ハチロク関連のショップもブースを構え、デモカーを展示していた。会場限定アイテムや掘り出しモノの販売もあり、ハチロクオーナーが熱心に見てまわっていた。途中から本降りの雨となってしまい、せっかくのデモカーのエンジンルームが観られなかったのが残念でならない。来年に期待したい! ■OURA 86 meets 2022:ステッカー編 オーナーや有志のクラブなど、個性豊かなステッカーを貼ったハチロクが多かったこともこのイベントの特徴かもしれない。(なかには記事にアップできないものもあったので割愛しつつ)、ユニークなものから定番まで、趣向を凝らしたオーナーの個性が垣間見えるショットをお届けしたい。 ■OURA 86 meets 2022:複数台まとめて・・・編 仲間同士で同じ仕様、カラーリング、イタ車仕様のラッピングなどなど・・・。並べることでぞれぞれの魅力が引き立つ展示をしていたことも印象的。そのなかから気になったハチロクをピックアップしてみた。今回、ラリー仕様にしているハチロクがあることを初めて知った。 ■OURA 86 meets 2022:まとめ 当日は生憎の雨模様となり、台風14号の接近に伴い、午後には雨足が強くなっていった。 それでも、参加者や主催者の方たちの熱量は変わらなかったように思う。 なぜなら・・・新型コロナウイルス感染症の影響で「OURA 86 meets 2022」は2020年、2021年の開催を断念。 今回は実に3年振りの開催となったのだ。 イベントは立ち上げること自体が容易ではないが、継続させるのはさらに大変だとしばしば耳にする。 一部の心ない参加者が原因で開催中止に追い込まれてしまったイベントも実在する。 主催者と参加者が力を合わせることでイベントが成立し、長きにわたり継続していくのだと思う。 今回、全国各地から多くのハチロクが集結した。 雨で濡れたボディがきれいに水を弾き、その多くの個体にはワックスがビシッと効いていることが分かる。 このイベントの魅力を再認識したオーナーも少なからずいることだろう。 今回は生憎の雨模様となってしまったが、来年も開催されるのであればぜひ天候に恵まれることを祈るばかりだ。 ●OURA 86 meets:Facebookページhttps://www.facebook.com/OURA86meets/ ●OURA 86 meets:Twitterhttps://twitter.com/oura86meets ●OURA 86 meets:YouTubehttps://www.youtube.com/channel/UCTaaeWzoOUJFdLXutXjU_pw ●邑楽町商工会ホームページhttps://osk.or.jp [ライター・カメラ/松村 透]
■二回目開催、道内各地から様々な顔ぶれの車両が集結 去る2022年8月28日(日)、晴天に恵まれた北海道、室蘭港フェリーターミナルにて「第二回キュウマルカーミーティング」が開催された。 北海道でもカーミーティングは盛んに行われているが、ことネオクラシックな車種や90年代車にスポットを当てたものとなると開催されている数はまだ少ない。 今回のイベントの仕掛け人である将利歩さんも、かつて関東でのカーミーティングにも頻繁に参加していた経験から「北海道でもっと気軽に集まれるイベントが開催されれば良いのに…」との想いがあり、開催の運びとなった。 第一回は夕張市の日の出クラシックパークで開催され、大盛況ののち幕を閉じた。 第二回目となる今回の開催は室蘭港の広く開放的な駐車場で行われ、前回よりもさらに規模を広げた印象を受ける。 イベントでメインを飾るのは「1989年から2001年以内に生産、新車発表された車種」といったレギュレーションこそあるものの、「沢山の人にイベントを親しんでもらいたい」という主催側の意図もあった。 展示車両のバリエーションもレギュレーションを緩め、より豊富に広がった楽しいイベントとなっていた。 今回のイベントで車両を展示されている方の声で多く聞こえてきたのは、「いわゆる旧車として扱われている80年代以前の車は大事に保管されている印象が強いが、日常のツールとして使われてきた90年代〜00年代初頭の車は近年一気に台数を減らしていっているように感じられる」とのことだ。 ■北海道ならではの旧車事情とは? 実際に2000年式のU14型ブルーバードを所有している将利歩さんに北海道内でのネオクラシックカーの所有について伺うと「90年代後半から生産されたU14ブルーバードでも北海道内ですれ違ったのはこの2年間で2台ほど。 道内では融雪剤などの影響で錆びの進行が早かったり、仕様によってはリサイクルパーツですら入手が難しい車種もあり維持を諦めるケースがある」とのことだった。 ▲道外で使用していたブルーバードを引っ越しとともに連れてきたそう。いざ北海道で乗り始めると同車種とすれ違う回数は片手で数えるほど 筆者も13年ほど前まで北海道内に住んでいたが、そう言われて街のなかを改めて観察していると、すれ違う90年代車の台数とバリエーションはかなり少なくなった印象だ(むしろファームトラックやディーゼルのクロカンなどの古いモデルは本州より比較的多く見かけるのだが)。 北海道は寒冷地仕様車、4輪駆動車、ディーゼル車など、雪国ならではの車種も多く走っている地域だ。 かつては地域の特性上、ロシアへの中古車輸出も盛んであり、今や本国よりも海外で見かける機会の方が多い車種もあるほどだ。 所変わればクルマを取り巻く環境も変わる。 北国ならではの事情を知りながら会場を改めて見回してみよう。 北海道外と同じように後輪駆動のスポーツモデルも多く見かけるのだが、冬期間の運転や雪深い時期に乗るためのサブカーの所有など…ひとえに所有と言っても北海道ならではの苦労は尽きない。 燦々と降り注ぐ太陽が嬉しい夏の期間、愛情を注いだクルマたちを眺めながら談義に花を咲かせるオーナーたちの笑顔を感じると、また異なる視点でイベントの表情が見えてくる。 カスタムカーやスポーツモデルではない乗用モデルにも北海道ならではの視点は伺える。 冬タイヤを装着する地域では冬タイヤ用にもう1セット分のホイールを持っているパターンが多い。 オートバックスなど量販店で装着されたホイール一つとってもその時代ごとの雰囲気が伺える。 また、電球の熱で雪を溶かしてナンバープレートの視認性を高めるための字光式ナンバープレートや、雪下ろしのダメージをなくすためにダイバーシティアンテナを車内に取り付ける例など、それぞれの車両から雪国ならではの視点を見受けることができる。 これらも雪が降る北海道の旧車イベントならではといえるのではないだろうか。 ■ちょっと懐かしいけど、どこか違う。北海道的なクルマの話 参加された17系クラウンのオーナーさんに話を伺ってみた。 「自分はこのクラウンとは別に所有しているエスティマで行く場所に合わせてクルマを使い分けています。特に行く場所の距離やイベントによってはクラウンで行き、冬の期間はエスティマの出番が増えます」 ▲”和ユーロ”テイストにカスタムされた17クラウンは珍しいロイヤルサルーンのUパッケージ。ランプのカバー類はワンオフで作られ、エアロと統一感を出す。所有するホイールは複数セットあり、イベントに合わせて靴のように履き替えているとのこと こちらは最近、全国的に見かける回数が少なくなってきた3代目ビスタハードトップだ。 90年代の北海道では多く見かけた仕様でフルタイム4WDのステッカーに懐かしさが込み上げてくる。 このビスタの他にもカスタムされたマークXとスカイラインを所有するというオーナーさんだが、MTでノーマルのまま維持されていたビスタを残したい、との気持ちで奥様のお祖父様から受け継いだ個体なのだそう。 ▲かつては道内でよく見かけたビスタやカムリ。今ではロシアの街中で多く見かける。実際にオーナーさんが部品を探すと日本ではなくロシアのサイトで発見したりすることもあるそう 10系セルシオのオーナーさんは今年、愛知県で販売されていた車両を取り寄せたとのこと。 「マジェスタやアリストなど、大排気量のトヨタ車に憧れていてその思いがこの一台で実現しました。字光式ナンバーにこだわりがあるのでぜひみて欲しいところです」と語る。 セルシオと電球タイプのフレームにナンバープレートが誇らしさすら感じさせる。 ▲念願叶って購入したセルシオは愛知県で見つけた個体を北海道へと送ってもらったそう。冬季間は元々乗っているダイハツ・ミラと使い分けるそうだ 全道各地から車両が集まるこのイベント、いくつもの管轄のナンバープレートを見ることができた。 例えば今回イベントが開催された室蘭港から北海道の道東地域である帯広ナンバーの陸運局までは約250km、北見ナンバーの陸運局までの距離を測ると約380km(東京ー名古屋間と同等)の距離だ。 道内をドライブすればクラシックなモデルが数台連なってツーリングをしている光景にも出会うことはたまにあるが、こういったイベントが開催されていればこそ、遠方からでも足を運びたくなる気持ちはとても理解できるものだ。 車両の維持が難しい地域であるからこそ、晴れの舞台は喜ばしい。 まだまだ、全道各地にいるであろう北海道内のネオクラシックな車両たちとそのオーナーたち。 今後もイベントの機会が増え、交流が増えていくことを考えるとこの先の開催もとても楽しみにしてしまうものだ。 [ライター・撮影/TUNA]
■1.2022年はコペンは初代誕生から20周年 クルマに興味がない人でも「名前は知っている」「あのカワイイカタチのクルマね!」といわれるダイハツコペン。 初代が登場してから驚くことに今年で20年が経過した。 先日、20thアニバーサリーモデルが即完売した記憶に新しいニュースだろう。 初代コペンがデビューしたとき、どうしても間近で実車を見てみたくなり、初めてダイハツディーラーを訪れた。 筆者はまだ中学生だった。 今となっては懐かしい思い出である。 現在、筆者自身も愛車として初代コペンを所有している。 日々、多くのコペンが街中を走っている。 いまだに初代コペンも多く見かけるため、20年の歳月を感じさせない印象がある。 このように、多くのオーナーに愛され続けているコペン。 大規模なオーナー向けのイベントが富士スピードウェイで行われるのを知り、コペンオーナーの一人として参加してきた模様を今回お伝えしたいと思う。 ■2.イベント告知はSNSのみ!現代版の口コミ効果を実感 今回のイベント、告知スタートはSNS、それもTwitterのみとのこと。 ●コペン夏祭り CoCoRO COPEN 2022 in FSW @8/12 https://twitter.com/CoCoRoCOPEN イベントの開催を主催者がまずフォロワーに呼びかけた。 その呼びかけがフォロワーを通じ、リアルなコペンオーナーたちに伝わり、Instagramなど他のSNSも介して広まったそうだ。 筆者もこのイベントについてはSNSを通じて知った。 恥ずかしながら筆者は、SNSについては古くに登録したものしかやっていなかった。 そのため、コペンを所有して7年ほど経つが、コペンオーナーと交流する機会がなかった。 今回、友人に薦められて登録したSNSで、コペンオーナーの方をフォローしてミーティングの情報に触れる機会を得た。 世の中の情報伝達速度が上がり、主なソースがSNSになった。 しかし、肝心の情報が伝わり、そして広がるにためには「人を介していること」は変わらないのだと、改めて実感した。 ■3.みんなコペンが好き!初代も現行も勢揃い イベント当日、会場へ向けて走っているとき、何台かのコペンと遭遇した。 勝手に同じイベントに行く仲間かと思い意識していたが、途中でそれぞれ会場とは別方向に走っていってしまった。 いわゆるイベント時に起こる"あるある"であった(笑)。 趣味性は高いが、通勤など日常の使用も行える、懐の深さのあるクルマだからこそ起こった勘違いであった。 その後、会場である富士スピードウェイに到着するとスタッフの方々に誘導された。 誘導役を担当していたのは、有志であり、同じコペンオーナーの方々だという。 頭の下がる思いである。 ボディカラーごとに誘導され、自分と同じ色のコペンがどれだけ参加しているのかを実感した。 開会式において、今回のキーワードである"ココロコペン"について説明があった。 「ココロもコペンも動かさないと錆びてしまう」という思いを語られた。 近年の情勢を踏まえつつも”動いていこう”というメッセージは参加者に強く伝わったに違いない。 ■4.三車三様!工夫で広がるさまざまなコペンライフ コペンといえば2シーター、電動ルーフ、軽自動車というワードから、荷物が積めないイメージをお持ちの方が多いのではないかと思う。 筆者も愛車にするまではそのようなイメージを持っていた。 しかし、ルーフを閉じていれば、トランク内スペースがそのまま使えるため、意外と荷物を積むことができる。 ただ、ルーフを開けてしまうとトランクにはわずかなスペースしか残されていない。 筆者は今回のイベントでオープンにする予定だったので、トランクの限られたスペースに収められる、最小限の荷物にして家を出たのだった。 そんなコペンに自転車を積載されている方を発見した! お話を伺うと、ワンオフのヒッチメンバーを装着、ヒッチメンバー用のサイクルステーを利用しているとのこと。 トランクリッドにキャリアを装着して、タイヤを積載している。 このスタイルで出かけ、現地で自転車に乗り換え、ツーリングを楽しんでいるそうだ。 さらにフェンダーミラーを装着されているコペンも発見! 珍しい後付けフェンダーミラーだが、車検は大丈夫なのか尋ねてみた。 先日車検を受けた際に適合性を確認して、お墨付きとのこと。 カスタムスタイルからお気づきの方もいると思うが、クラシックな英国車がテーマだそうだ。 英国車で見たことのある、助手席を覆うカバーはなんとオーナーのお手製。 クラシックカーに乗るのには相応の覚悟が必要だが、理想のスタイルに創意工夫でカタチにしていくのも楽しみである。 会場ではクラシックカー風のカスタムも多く見かけた。 比較的アフターパーツが充実しているコペンだが、他車パーツも活用して個性をアピールされている方が多く見かけた。 アフターパーツのなかにはアストンマーティンのフェイスにするキットもあるそうだ。 オーナーは本物のアストンマーティンもお持ちとのこと。 ガレージでこの2台並ぶ姿はきっと微笑ましさすら感じさせる光景に違いない。 ■5.世代や性別、メーカーとユーザーの垣根を超えた交流が実現 SNSで広まったイベントだけあり、各所でハンドルネームを呼び合い、談笑をしているグループを多く見かけた。 オフラインで初めて会う方が居たり、愛車を前に気になる箇所を質問しあう場面も見られた。 人見知りな筆者も今回、意を決して気になるカスタムのコペンオーナーに声をかけてみた。 初対面にも関わらず、皆さん気さくにお答えいただき、ありがたい限りであった(この場を借りてお礼申し上げます!!!)。 SNSのリンクとハンドルネームを記載した名刺をくださった方もおり、筆者も次回は準備して参加しようと思う。 ボンネットを開けると人が集まって来るのも「オフ会あるある」の光景といえるだろう(笑)。 今回のイベント、オーナー有志が主催のイベントであったが、お昼頃にサプライズゲストが登場した。 会場である富士スピードウェイ内で同日「ダイハツチャレンジカップ」が行われていたのだ。 そちらに参加されていたダイハツ工業の殿村さん、相原さんがなんとD-SPORT Racing Teamのマシンで登場したのだ! お二人はGRコペンや20周年記念車の立役者でもある。 お昼休みの時間にイベント会場に姿を現し、急遽トークショーと時間が許す限りコペンオーナーたちとの写真撮影を行っていた。 メーカーの開発者とオーナーが直接交流する機会は稀である。 コペンだから叶ったことなのかもしれない。 ■6.まとめ:いつまでも愛し愛され続ける存在であることを実感 今回参加して改めてコペンというクルマは、多くの人々に愛されていることを実感した。 イベント内でも告知がされていたが、全国各地でさまざまな規模のコペンミーティングが行われているそうだ。 もしコペンオーナーで気になる方は、各種SNSで調べると近場での開催案内が見つかるかもしれない。 きっと新たな発見や出会いがあり、さらにコペンライフが豊かになると思った。 今回はあいにくの雨だったが、次回は晴天のなかオープンのコペンが並ぶことを、今から心待ちにしているのは筆者だけではないはずだ。 [ライター・撮影/お杉]
去る8/27(土)、富士スピードウェイには早朝から多数のエキゾーストが響きわたっていた。 富士スピードフェスティバル2022の開催によるもので、多くのカーマニアや自動車愛好家たちがこの地へと集結していたからだ。 同イベントは雑誌ティーポやカーマガジンでお馴染みのネコパブリッシング社が主催する真夏の祭典である。 これは、岡山のTIサーキットにて開催されていたオーバーヒートミーティングがなくなったことに対して、2022年から「スピードフェスティバル」として富士スピードウェイ(以下SFW)での開催となるものだ。 サーキットを思う存分体験しよう! 富士スピードウェイのゲートには早朝から長蛇の列が続いていた。 エントラントをぬけると、そこはもうイベントの熱気に包まれていた。 オープニングセレモニーこそ8時30分からスタートするのだが、西ゲートが開くその瞬間から祭りはすでにはじまっているといっても過言ではなかった。 会場には、新車も旧車も国産車も外車も一同に介して会場を盛り上げているようだ。 さらに、パドック内には出走を待つクルマのエンジンの咆哮が響いていた。 同イベントはクルマを趣味とする人々と走る、集う、触れるをキーワードにして、ともに遊ぶための体感参加型イベントである。 サーキットという会場を使い、リアルに体験できるさまざまなコンテンツが用意されていた。 カーミーティングや新車試乗 9時からはじまる走行会は、初心者のためのスポーツランからスーパーカーが走るスーパーカーパレードラン、ホンダN-ONEのワンメイクデイトナカップ、レーシングドライバーの運転による同乗走行のサーキットタクシーがSFWのコースを駆け抜ける・・・といった具合に、盛りだくさんのプログラムが組み込まれていた。 一方特設ステージでは、元ティーポ編集長である嶋田智之氏が、ラジオパーソナリティの藤本えみりさんとさまざまなゲストを交えたトークショーを展開していた。 またピット内では、アバルトのクラシックカーや、DTM(ドイツツーリングカーレース)、WRCラリーで活躍した車両が展示され、訪れた方々の注目を集めていた。 さらに、各メーカーの車両展示や物販、クラブミーティングも行われており、会場の隅から隅まで多彩な催しが行われていたようだ。興味深いのは、これらの催しを見て歩くのに「イベントタクシー」なるものが用意されていたことだ。 これらは「トゥクトゥク」と呼ばれる3輪車で、数台が会場内を常時周回しており、無料で乗車することができた。 これは広大な敷地面積を誇るSFWにおいて大いに助かるサービスだった。 イベントの横道を行く メイン会場であるパドックに周辺以外にもSFWは多くの駐車場がある。 これは必ず隠れた掘り出し車両があるに違いない。 そう思いながら散策をすると、TE27レビンや70スープラ、欧州車ではBMW2002などさまざまなクルマが潜んでいた。 そこでさらに注意深くみるとやはりいた。 それがこちらのサニーだ。 どうみてもノーマルそのままな出立ちにホイールだけがしっかりとエンケイを履いているあたり、怪しんで室内を伺うとMTであった。 トランクリッドにあるグレードはVZ-R。 このグレードはいわゆるスポーツモデルであり、他のモデルと外見こそ大きな差はみられないが。全グレードで唯一1.6LのSR16VEエンジンを搭載。 175馬力を発揮したクルマであり、このモデルのみ5速マニュアルのみの設定という見た目のおとなしさとは裏腹にスパルタンな仕様である。 ただものでないサニーはやはりひっそりとこのイベントへ来ていたのであろう。 ステアリングを握れば誰でも走れたパレードラン 走行会の締めは、参加者であれば誰でもが参加できる(もちろんだライバーであることが条件だが)パレードランだ。 全開走行はもちろんできないが、人によっては普段走ることのない、映像でしか見る機会がないようなサーキットコースを実際に体験できるチャンスでもある。 今日1日、多くのクルマたちが走り抜けたその軌跡をなぞるように皆で走る。 締めくくりにはこれほど適した催しもないのではないだろうか。 8月最後の週末に開催された富士スピードフェスティバル。 参加者もクルマも夏の暑さに負けない1日を送っていた。 今から来年の開催が楽しみでならないのは筆者だけではないはずだ。 [ライター・撮影/きもだ こよし]
去る7月10日、薄曇りな空の下少しだけ乾いた涼しげな風の吹く富士五湖周辺。 河口湖インターに隣接した駐車場にてCar Meetingが開催された。 タイトルだけ聞くといったいいかなるイベントなのか? そう考える向きも少なくないはず。 この日開催されたのはノンジャンルのカーイベントであり、参加車両の規定はない。 クルマが好きなオーナーが交流を深めるために集まるイベントなのだ! ■「Car Meeting」はノンジャンルのカーイベント 第1回目開催は2020年。前回の開催から期間が開いてしまった理由は想像に難しくないかと思われますが、件のコロナ禍ということもあり中止に。 主催であるnaoさんはクルマ好きが集まり様々なジャンルのクルマを見てクルマ好きの輪を広げて楽しめる場を作れるといいと思い、はじめめた企画という。 過去にも東京は秋葉原の地下駐車場をイベント会場に変貌させた東京ガールズカーコレクションなどの仕掛人であるNaoさん。 かつて地下駐車場にお立ち台ともいえるクルマのためのランウェイを出現させた手腕の持ち主でもある。今回もクルマに縛りは無いがただひとつドレスコードなるものがあった。 「参加者は必ずクルマのイラストを描かれているTシャツを着用」これが参加資格としてイベントの案内には明記されていた。 このイベントの「T1GP」~Tシャツグランプリは1回目の開催時にはじめた企画で、そのときは主催者が一番目を惹くクルマのTシャツを着てきた人の優勝となっていた。 「2020年に開催したときにこれを行ったら参加者の個性がキラキラしていて、自作したり白Tシャツにペンで描いたり、好評でしたので今年も開催しました」ということから今年も継続での開催となったらしい。 もちろん参加者は様々なクルマの描かれたTシャツを着て参戦。 自分のクルマのシルエットやイラストが描かれたTシャツを着てクルマの前に立つ姿は前述のイベントを思い起こさせる。 やはり流れは同じものがあると感じさせた。会場には40台近い国産外車の新旧問わずの車両が参加。 開会宣言がされると、あとは各自が自慢の愛車を見比べあい、時にはエンジンルームを開けて仕上げた車両の苦労を話すなどクルマ談義に華を咲かせていた。 開催時間は概ね主催の挨拶から始まって2時間くらい。決して長い時間とは言えないが、楽しい時間を凝縮して開催しているという。 今後は車両の増え方によってはコミュニケーションを撮る時間を伸ばしていくようにするかもしれないと考えているそうだ。 ■イベントの裏道を歩く タイトルの通りであるならば、こうしたイベントの会場外に止めきれず、それでも見学に来たりしたクルマを散策して歩くというのが本来の趣旨である。 しかしながら今回はすでに参加車両はすべて入りきっているので周辺というわけにはいかない。 ということもあり会場に来たクルマたちをいくつか見ながら回ってみたい。 ■シルビア コンバーチブル(S13型) 会場内で最初に目に留まったのがこのS13シルビアである。 ご覧の通りコンバーチブルモデルのシルビア。 当時からしてタマ数が多いとはいえない車両である。 オーナーはこの1年半くらいの所有だそうだがこれからも大事に乗り続けたいということだ。 ■スカイラインRS(DR30型) 鉄仮面の愛称で知られる6代目となるスカイライン。 オーナーのこだわりはエンジンルーム。 焼結塗装こそやり直しているが、それ以外はすべて手作業で磨き上げたという。 ■スープラ(A80型) 永い眠りから覚めたほぼワンオーナーというスープラ。 19年所有し、うち10年は家の事情から寝ていたという。 3年ほど前から少しづつ復活させエアロ等徐々に仕上げている最中とのことだ。 ■ガゼール(110型) 当時のイメージを損なわないように仕上げている車両。 当日会場にはカタログやBピラーのカバーを持ち込み、シルビアとの仕様の違い(聞くと本当に微細)を解説してくれた。 車内に備わる扇風機はわざわざ時代背景を考えて、クリアーの青をプロペラに使ったものを探したそうだ。 ■未だかつてないコンテストと優勝トロフィー ノンジャンルのイベントではただ集まっただけなのか? そんなことはない。 しっかりとコンテストもあればその優勝者には賞品も授与される。 しかし、選考基準は何なのか?それが参加資格にあったTシャツである。 ここで件のドレスコードが生きてきた。 そう、選考基準は主催のNaoさんの独断と偏見だが、参加者の中で一番よさそうなTシャツを着てきた者が優勝となる。 みごと勝利したのは自らがドライブしてきたクルマと同じRX-7のシャツを着た女性でした。 その優勝トロフィーが画像のモノ。 最大級のペヤングを土台にしたすべてが食品の巨大トロフィー。 その大きさおよそ1メートル。 筆者もこれほどまでに高カロリーなトロフィーは見たことがなかった。 こうした遊び心も同イベントの醍醐味といえるだろう。 ■今後の展開や展望 あっという間に過ぎた2時間だが、お土産までついていた。 今年は協賛企業も2社ついており、洗車や仕上げに役立つグッズが全員に配られた。 すでに次回はいつになるのかという問い合わせもあるそうで、まだ2回目ということもあって決して大きなイベントではないが、今後の展開が楽しみな企画であることは間違いないだろう。 [ライター・撮影/きもだ こよし]
日本最古の国産自動車・山羽(やまば)式蒸気自動車が完成してから、2022年5月7日で118年を迎えた。 山羽式蒸気自動車は、岡山県の電機技師・山羽虎夫によって118年前の1904年(明治37年)に製作された10人乗りの「乗合バス」だ。 地元の資産家だった森房三と楠健太郎の依頼で製作。ふたりは輸入され始めたばかりの自動車を目にして乗合バス事業を思いつき、山羽虎夫に声を掛けた。 輸入されはじめた自動車は、国内ではまだ存在を知らない人のほうが多かった。当時の移動手段は馬車が主流だった。そこで、自分たちの手で自動車をつくってしまおうという背景があった。 完成までは約7カ月を要し、1904年5月7日に試走が行われた。表町から新岡山港近くまでの試走コース約10kmを力走したとされる。 しかし、試走コースを完走したものの、タイヤのトラブルが原因で実用化には至らなかった。 当時は空気の入ったタイヤではなく、ソリッドタイヤ(総ゴムのタイヤ)しかなかった。リムとタイヤをボルト締めした部分が膨張して歪んでしまうことがわかり、対処する術がなかったのである。 この偉業を後世に残すプロジェクトが地元・岡山で立ち上がった 去る2022年5月7日、岡山県で「国産車第一号自動車の試運転」を記念したイベントが行われた。 山羽式蒸気自動車のレプリカ完成のお披露目を兼ねた記念走行だ。 岡山商科大学附属高等学校自動車科の皆さんによって製作されたレプリカをトラックの荷台に載せ、伴走のクラシックカーとともに試走ルートをたどるという内容。 今回は、レプリカ製作のストーリーとパレードランを紹介しつつ、国産自動車誕生の歴史に、あらためて思いを馳せてみたい。 ▲岡山城の堀端にたたずむ山羽虎夫像(左:北区丸の内)と山羽電機工場跡を示す案内板(右:北区表町3丁目) 「山羽式蒸気自動車」レプリカ製作のあらまし このプロジェクトは、地元の放送局RSK山陽放送が、岡山商科大学附属高校自動車科にレプリカの製作を依頼し、同高校の自動車科設置(2018年)と創立110周年の記念事業として実現したもの。 自動車科の蜂谷和久先生は、以前からレプリカを製作したいという思いを抱いていた。 蜂谷先生:「こちらに赴任してきたばかりの頃、地元のクラシックカー愛好会の方々が開催していた『パイオニアラン』というイベントで山羽さんを知り、技術者としての姿に感銘を受けました。そしていつか、この岡山に模型を飾りたい…という思いを抱き続けてきました。この日を迎えられて大変うれしいです」 立ち上がったのは2018年3月だが、コロナ禍によって中断している。3年生の授業や有志によってコツコツと進められ、このたび4年越しのお披露目となった。 製作に参加した3年生は卒業してしまったが、在校生とこの春仲間入りした新入生とともに、蒸気機関などの細部を仕上げ、秋には完成予定だという。 本物の3分の2スケールで、フレームは県産のヒノキ材、荷台の床はヒノキの間伐材を使用。荷台の塗装はベンガラ塗料と墨を調合した塗料で仕上げている 製作に携わった岡山商科大学附属高校自動車科について 製作に携わった岡山商科大学附属高等学校自動車科の皆さんは、未来の自動車スペシャリストになるべく日々学ぶ。 1年から本格的な実習に取り組み、卒業する頃には3級整備士の取得をめざす。部活では「自動車整備研究部」に所属する生徒がほとんどで、ゼロハンカーやソーラーカーを製作してレースにも挑戦している。 自動車整備研究部のメンバーは、(3年)田口智也さん、福本明生さん。(2年)近藤秀星さん、新田匡さん。(1年)藤本晃生さん、髙橋央さん、野頭七登さん、浅越新弥さん、鮫島聡仁さん、中安悠日さん、日髙瑠巳さんの11人だ。 部員の皆さんに好きなクルマやエンジンを尋ねてみると「三菱 ランサーエボリューションⅢの4G63型」、「三菱 ランサーエボリューションⅨの4G63型」、「ランボルギーニ アヴェンタドール」など、好きな車種やエンジンが次々に飛び出していた。 レプリカ製作の過程 レプリカの製作で参考にした資料は、現存する当時の写真1枚のみ。その写真を基に時代考証した当時を蜂谷先生は振り返る。 蜂谷先生:「明治27年に輸入されていたのはアメリカのロコモービルくらいしかないようなので、それを参考にしたと思われます。ロコモービルと山羽式蒸気自動車のシャシー構造は酷似しているからです。 石川県自動車博物館に展示されている実物も、夏休みを利用して生徒たちと見に行きました。シンプルな構造で、本校で取り組んできたソーラーカーやゼロハンカー製作のノウハウを生かせると思いました」 ▲鋼材を使って複製したボイラーを塗装する自動車科の製作チーム[写真提供:岡山商科大学附属高等学校] 当時の技術を尊重しながら製作された 山羽式蒸気自動車は溶接技術や電動工具を使わず、ほぼ手作りされている。 そんな時代背景を考慮して当時の技術で製作を考えていたが、“現代っ子”には到底無理だとわかり、溶接や電動工具をフル活用することにした。 電動工具がほぼない時代に創意工夫を凝らして、よくこれだけの自動車を完成させたものだと、技術者としてのすごさや執念を肌で感じる時間でもあったという。 木製フレームは釘などをできるだけ使わず「ほぞ」と呼ばれる木組みでつくられている。木工の技術はネットの情報で学び、事前に練習を重ねて臨んだ。 シャシーフレームは、鋼管やバイクの部品を流用して製作されている。リーフスプリングもボートトレーラー用のものを組み合わせるよう、ばねメーカーに加工を依頼した。 駆動方式は「FR」とされているが? 山羽式蒸気自動車の駆動方式はFR、デフ付きのチェーン駆動といわれているが、実際に製作してみて蜂谷先生はこう振り返る。 蜂谷先生:「山羽式は『蒸気機関』のためフロントに蒸気ボイラーがあり、動力を生み出すシリンダー(ピストン)は車体下に設置されています。 現在のエンジンとは違い、ボイラーとシリンダーが分離しているため、何をもってエンジンとするか不明です。動力をつくり出すシリンダーをエンジンとするなら、FRよりMRが適切ではないかと思います。山羽式の場合は、解釈のしかたで何とでも言える気がします」 ▲本来はケヤキ材だがレプリカは県産のヒノキ材を使用[写真提供:岡山商科大学附属高等学校] ▲記念走行の当日、伴走車オーナーの皆さんが「面取りも丁寧で、手ざわり抜群!」と驚いていた ▲ボートトレーラーのリーフスプリング(上)と加工後(下)[写真提供:岡山商科大学附属高等学校] ▲鋼管を使って部品を製作[写真提供:岡山商科大学附属高等学校] ▲シャシー構造はアメリカのロコモービルを参考にしたといわれる ▲ソリッドタイヤは弾力がないのが特徴。レプリカでは自転車のチューブを使用 「あの日」を追体験、試走ルート記念走行 記念走行は、午前10時半に山羽電機工場跡地(新西大寺町商店街)を出発。 三蟠(さんばん)港跡記念碑前までの試走ルートをパレードラン。1904年の試走日とほぼ同じ時間帯に走行した。 山羽式蒸気自動車のレプリカを荷台に載せ、先頭を走るのは日産 ホーマー。 今春公開された映画「とんび」で登場している個体そのものだ。オーナーの樋口純一さんはイベント以外にも実用車としているそうで、農機具を運ぶこともあると話す。 ▲今も現役!1973年式なのでプリンス自動車が日産と合併後のモデルだ 新西大寺町商店街の山羽電機工場跡へ 山羽虎夫の工場が建っていた、表町3丁目の「新西大寺町商店街」を自動車科の皆さんに押されて進む山羽式蒸気自動車のレプリカ。 すれ違う通行人が何事かと振り返る。当時、沿道が大勢のギャラリーで埋め尽くされていたと伝わっている。こんなふうに注目を浴びていたのだろう。 ▲試走当日もこのように工場を出発したのだろうか ▲山羽電機工場跡地をめざしてゆっくりと進む山羽式蒸気自動車のレプリカ ▲工場跡地に到着 118年前と同じ道を名車たちとともに走る 西大寺町商店街を出発し、京橋から旭川の土手道を走ってゴールとなる三蟠港跡記念碑前までのパレードランが行われた。 レプリカを載せたホーマーを先頭に、昭和を中心とした四輪・二輪の名車たちが伴走した。 ●今回伴走した名車およびオーナー 富士重工 ラビット S301(二輪)(1968年式): 齋藤孝志さん 富士重工 ラビット S301 B2(二輪)(1965年式):松永知行さん 富士重工 ラビット S72(二輪)(1958年式):岡雅宏 さん スズキ キャリィ: 森下泰伸さん スバル 360 SUPER DX(1969年式): 長町征一さん ホンダ Z(1974年式): 多児直宏さん マツダ シャンテ(1972年式): 西栄一さん マツダ ポーター バン(1976年式): 古谷啓通さん 目黒製作所 Z-7(二輪)(1958年式): 岩田龍雲さん 目黒製作所 メグロジュニア S-8(1958年式): 嵯峨涼太さん ▲山羽虎夫の銅像前を通過する[写真提供:岡山商科大学附属高等学校] ▲伴走する四輪の名車たち。(右から)ホンダ Z、マツダ シャンテ、マツダ ポーター バン[写真提供:岡山商科大学附属高等学校] ▲伴走する二輪の名車たち。山羽虎夫は自動車の経験を生かし、のちに自動二輪車をつくりあげている 118年前の面影を残す、旭川土手沿い パレードランのハイライトとなるのが、旭川沿い土手にさしかかったころ。 この辺りの風景が、118年前の面影をもっとも感じられるポイントではないだろうか。土手沿いを伸びる道は砂利道で、山羽式蒸気自動車のソリッドタイヤを一層痛めつけたことだろう。 ▲旭川の土手沿いに伸びる道。118年前は砂利道だった ▲三蟠港跡に到着するホンダ Zとスバル 360[写真提供:岡山商科大学附属高等学校] 三蟠軽便鉄道の歴史と国産自動車第一号の歴史を深める 出発から約20分で、ゴール地点の三蟠港跡記念碑前に到着。近隣に住む方々から熱烈な歓迎を受けた。 ここはかつて、大正から昭和初期にかけて旭川に沿って通っていた「三蟠軽便鉄道」の起点でもある。駅舎でもあった釣具店には、三蟠軽便鉄道を今に伝える資料館が併設されている。 山羽式蒸気自動車の歴史、三蟠軽便鉄道の歴史を深める貴重なひとときとなった。 ▲「五月晴れの下、山羽さんと対話ができた気がします」と蜂谷先生 ▲明治天皇が三蟠港から岡山入りをしたことを記念した「明治天皇上陸記念碑」前で、二輪の名車たちとパチリ 取材後記 118年前の「あの日」を追体験できた気がした。 プロジェクトに携わった皆さんの「熱い想い」を感じた。技術や道具が乏しい時代に29歳の若さで自動車をつくりあげ、走らせた情熱を受け継いでおられた。 名車が後世に伝えられるように、この偉業も伝えていかなければと、あらためて強く思った。 そしてこの媒体“第一号”の記事が「国産車第一号」の話題ということにシンクロニシティを感じる。ウェブ自動車マガジン「旧車王ヒストリア」を執筆陣のひとりとして、精一杯盛り上げていきたい。 [取材協力]・岡山商科大学附属高等学校・伴走車オーナーの皆様 [ライター・撮影/野鶴美和]
アメリカで行われている自動車アフターマーケットの見本市、「SEMAショー」をご存知でしょうか?SEMAショーは、東京オートサロンの会場となる幕張メッセの3倍、30万平方メートルという広さで開催される大規模イベントです。 今回は、アフターパーツやペイント、ラッピング、カスタムカーによるショーなど、ありとあらゆるジャンルを取り揃えた大見本市、SEMAショーについて解説していきます。 50年以上続くSEMAショーとは SEMA とは「Specialty Equipment Market Association」の略称で、日本語では「米国自動車用品工業会」という意味になります。1967年の第1回目から、年に一度ハロウィーンの時期に開催され、いままで50年以上の歴史を重ねてきたSEMAショー。当初はロサンゼルスで開催されていましたが、現在はラスベガス コンベンションセンターが会場となっています。 SEMA(米国自動車用品工業会)に7,000社以上の企業が登録しており、アフターパーツをはじめ自動車に関連するあらゆるものを集めた大見本市。業界関係者向けのイベントではありますが、クラシックからEVまで網羅したカスタムカーの展示や、ドリフトのデモ走行などエンターテイメント性も高く、全世界から7万人以上のバイヤーが訪れます。 アフターパーツだけでなくカスタムカーの展示も豊富 アフターパーツを駆使したカスタムカーが数多く展示されるSEMAショーには、ジャンルや生産国を問わず、多彩な車両がお披露目されます。 アメリカで人気の高いピックアップトラックをはじめ、クラシックカーに大排気量エンジンを載せたハイパワー車や奇抜なペイントを施した「ホットロッド」、車高を下げ、足回りにハイドロを装着した「ローライダー」。さらに、SUVやピックアップトラックにテントを設置し、北米で昨今ブームとなっているアウトドアカスタム「オーバーランド」も出展されています。 GT-RやスープラがSEMAでも大人気 東京オートサロンがそうであるように、最終的に商売につなげることが目的のSEMAショーでは、いかに自分のブースに人を呼び込めるかが重要になります。 そこで、インパクト満点なカスタムカーを展示しているわけですが、近年特に注目されているのが、アメリカで人気がある日本車のカスタムカーです。 歴代の日産 スカイラインGT-Rや、トヨタ A80スープラ、FJ40系ランドクルーザーなど、アメリカらしいアグレッシブなカスタムを施された日本車が、毎年数多く出展されています。 SEMAショーの人気イベント さまざまな出典や催しがあるSEMAショーですが、その中でもメインかつ、人気のブースを紹介していきます。 SEMA NEW PRODUCTS SHOWCASE SEMAショーにおける新製品の展示スペースが、「SEMA NEW PRODUCTS SHOWCASE」です。毎年3,000以上の製品が展示されるこのスペースには、自動車アフターパーツをはじめ、板金塗装機器やカーケア用品など、取り扱うアイテムは非常に多ジャンル。 さらに展示スペースでは実演もされており、ペイントブースでは世界中から招かれた職人が、自らの手でカスタムペイントを披露する催しもあります。 コンプリート車両の出展 SEMAショーではアフターパーツメーカーのカスタムカーはもちろん、各自動車メーカーがカスタムを施したコンプリートカーが出展されているのも魅力です。 日本の企業からもコンプリートカーは出品されていますが、メーカーの北米担当のカスタムということもあって、内外装ともに国内モデルよりもアグレッシブな車両が目立ちます。 また、2021年の出展では2022年春発売予定の新型日産「フェアレディZ」も展示。米国市場向けの240台限定特別仕様車「Z Proto Spec」が展示され、Zファンはもちろん報道関係者まで多くの注目を集めました。 SEMA CRUISEとSEMA IGNITED 4日間に渡るSEMAショーの最終日には、「SEMA CRUISE(セマ クルーズ)」、そして、夕方には、アフターパーティーである「SEMA IGNITED(セマ イグナイテッド)」が開催されます。 SEMA CRUISEはSEMAショー内で展示された車両が勢ぞろいし、一台ずつ列になってパレードを行うイベント。そして、夕方からのSEMA IGNITEDでは展示車両が屋外特設ステージに移動し、フォーミュラドリフトやF1参戦ドライバーによる派手なアピール走行が行われます。 SEMAショーは基本的に業者間での取引となりますが、SEMA IGNITEDは20ドルの入場料を払えば一般人も入場可能。ラスベガスの夜景をバックに行われる派手なアピール走行はまさに圧巻であり、業者一般問わずSEMAショーに訪れる誰もが楽しみしている催しとなっております。 まとめ 東京オートサロンをはるかに超える規模で開催されるSEMAショー。SEMAショーは毎年3000を超えるアフターパーツや、カー用品などを取り揃えるほか、SEMA IGNITEDといった派手な催しも用意したエンタメ性の高いイベントです。 登場する車両は、見た目もスペックも非常に過激なものが多く、アメリカのダイナミックなイメージが車に表れています。 基本的には業者間の取引のみであるSEMAショーですが、屋外ショーには一般客でも入場できるので、日本とはひと味違った自動車イベントを、一度体験してみるのも良いかもしれません。 [ライター/増田真吾]