「そうだ、オープンカーに乗ろう」。魅力をオーナー目線で考えてみた

目次
1.■オープンカーの魅力 2.■オープンカーのベストシーズンは冬? 3.■オープンカーのデメリットと対策 4.■筆者のこだわりは? 5.■とにかくオープンカーはいいぞ

ある晴れた週末。

愛車のS2000で走っていたときのこと。

対向車線を走ってきたマツダ ロードスターとすれ違うとき、オーナーが片手をあげて挨拶してくれた。

筆者も当然のように手を振って応えた。

ロードスターは屋根が開き、オーナーの笑顔がよく見えた。

筆者も笑顔になった。

バイクでは「ヤエー」と呼ばれている挨拶である。

このような「心のハイタッチ」ができることは、オープンカーの魅力のひとつではないかと思う。

もちろん「ヤエー」は強制でもマナーでも何でもなく、わかり合っている者同士のコミュニケーションであるが、オープンカーに乗るとこのようなイベントを含めて非日常という刺激を味わうことができる。

前回のコラムで、オープンカーの魅力について少しふれた。

景色、匂い、温度、音の変化からドライブの余韻を味わったまま飲むビールのおいしさまで、五感 で楽しむ乗り物だと感じている。

●18年・33万キロを駆けぬけてきた愛車、ホンダS2000の3つの魅力とは?
https://www.qsha-oh.com/historia/article/attractive-3-points-of-s2000-s2k/

今回はオープンカーのいちオーナーとして、魅力やオーナーならではのエピソードを綴ってみたい。

■オープンカーの魅力

▲筆者の愛車はホンダ S2000(AP1)

よく語られる「オープンカーの魅力」。

そもそも屋根がないというだけで非日常を楽しめるが、具体的な「魅力」とはどんな感覚なのか、 そして走らせているときはどんな感情なのかを改めて考えてみたい。

●「オープンエアーを感じる」とは?

オープンカーの魅力としてよく語られるのが圧倒的開放感、そして「風を感じて走る」こと。

走り出した瞬間、体が「風に包まれる」ような感覚を覚える。

風が吹きつけるというよりは「やわらかさ」を感じられて本当に心地良い。

風の感じ方は車種によって異なるだろうが、フロントガラスがあることで風当たりが緩和されるのかもしれない。

風と一体になったようなオープンエアーがクセになるので、屋根を開けて走る理由は大きい。

●人生が楽しくなるとは?

オープンカーに乗ると「所有の喜び」を感じられるのはもちろん、生活のさまざまな部分にこだわりたくなり、カーライフとリンクさせたくなる。

それは人生を楽しむことにもつながっていく。

例えば、オープンカーがきっかけでドライビングシューズを履く人もいるかもしれない。

愛車の色と 同じ色のシューズにすれば、愛車と離れている時間も愛車を感じることができ、所有の喜びを感じられる。

生活の些細な部分で幸せを感じる瞬間が増える。

筆者はオープンカーミーティングでオープンカーの仲間と知り合った。

20年近く経つが、仲間とは今も交流が続いている。

▲※写真はイメージ

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■オープンカーのベストシーズンは冬?

オープンカーのベストシーズンが冬といわれるのはなぜなのだろうか。

春先は気候も良く、桜を見ながら走れてベストシーズンと思われがちだが、花粉症の人にとっては地獄の季節。

オープンドライブどころではない。

筆者の周囲にも「花粉症で屋根なんか開けられない」というオーナーは多い。

夏のオープンドライブは...やめておいたほうが無難だ。

カンカン照りの日中に屋根を開けて走る人を見かけることがあるが「オーブンカー」と呼ばれる通り。

重度の日焼け、熱中症の危険がある。

それに暑さは体力を消耗させる。

安全運転のためにも夏の日中は避けたい。

夏に乗るなら早朝か夕方が良いだろう。

秋は涼しく、紅葉の季節でもあってベストシーズンといっても良いかもしれないが、林道など山の中を走るときは虫に注意。

オープンカーはまれに虫が車内に入ってくる。

筆者はアブが入ってきて、追い払うのに苦労したことがある。

また、秋はスズメバチが攻撃的になる季節でもあるので要注意だ。

そうなると、やはり冬がベストシーズンなのである。

▲S2000の場合はエアコンに「こたつモード」と呼ばれる機能がある。足元まで暖かく快適

■オープンカーのデメリットと対策

デメリットよりもメリットのほうが多いと思っているが、デメリットは工夫次第でカバーできるし、こだわりのポイントとして楽しむこともできる。

●紫外線から目を守って疲労軽減

ファッションアイテムとして見られがちなサングラス。

もちろんファッション性も高いが、遮るものがないオープンドライブでも必需品。

紫外線から目を守って疲労を軽減してくれたり、飛来物から目を守ったりしてくれる。

軽量で強度のあるものだとなお良い。

●手がベタつかない日焼け止め

日焼け止めは、こまめな塗り直しが必要とされる。

しかし、手にとって塗るタイプはベタついてしまうので、運転中に使うのは少し億劫かもしれない。

そんなときはミストタイプの日焼け止めを常備しておくと便利。

素早く使えるし、メイクの上からでもOK。

手がベタつかない日焼け止めはオープンドライブの強い味方といえる。

●グローブは手汗や日焼けも防ぐ

ロングドライブも多くなるのでグローブは必須。

冬は防寒として役立ち、夏は手汗でステアリングが滑るのを防いでくれる。

筆者はレーシングタイプが気に入っている。

手首までカバーでき、ふかふかしてつけ心地が良い。

それに、ジムカーナなどの走行会にも対応可能だ。

●鳥の糞や雨漏りなどに備える

タオルや洗車シートを載せておくと便利。

オープンにしていると、車内に砂やホコリが舞い込んで ダッシュボードが汚れがち。

気になったらサッと掃除できる。

筆者のS2000はウェザーストリップから雨漏りするので、雨水を拭き取るタオルを常備している。

それから、鳥の糞が落ちてくることがまれにある。

小鳥の糞は問題ないが、鷺のように大型鳥の糞になると大惨事!

筆者はフロントガラスに直撃した経験があり、大量の糞を拭き取るのに苦労した。

洗車シートを常備していれば、万が一のとき本当に助かる。

もし体に直撃したら...温泉にでも入りにいこう。

オープンカーに乗るには、おおらかさも必要かもしれない。

▲基本はキャップだが冬場はニットキャップに。耳もカバーできて暖か。シーズン通してアームカバーよりも機能性アンダーウェアを着る機会が多いかもしれない

●幌の劣化を想定しておく

オープンカーの最大のデメリットといえば、幌が破れてくることかもしれない。

ソフトトップの車種は、交換を見据えたメンテナンスが必要となる。

ハードトップの装着、屋内保管などで幌を長持ちさせる方法もあるが「開けてナンボだろ!」という人は、幌の限界を試すのも楽しいかもしれない...!?

▲S2000の純正幌は「HVデニム」と呼ばれるビニールレザー製。過去2回交換。破れるとシリコン剤で補修していた

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■筆者のこだわりは?

筆者は隙があれば屋根を開けるタイプだが 「いつでも開けてます、オープンジャンキーです!」というわけではない。

仕事場へ向かうときはクローズだ。

緊張感もあるが、これから取り組む仕事に集中したいと思ってしまい、開けたいという気持ちにはならない。

仕事が終わった帰り道にオープンドライブすることはよくある。

長く乗るために遠回りすることも。

仕事の余韻と解放感を味わいながら走るのが好きだ。

筆者のオープンドライブは、メンタルと連動している。

▲S2000 は仕事でも乗るのでいつも一緒にオープンドライブを楽しんでいる

■とにかくオープンカーはいいぞ

旧車の国産オープンモデルは多く、選択肢が多いという魅力がある。

好みのスタイルや乗るシーンに合わせながら選ぶのは楽しいと思う。

これから秋も深まり、オープンカーでのドライブが気持ち良いシーズン。

今まさに購入を検討している方はぜひ。

「オープンカーはいいぞ!」

このひとことに尽きる。

[ライター・撮影 / 野鶴 美和]

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