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クセ者ぞろいの参加車輌が魅了する「第7回旧車(Old Car)祭り IN 美和」イベントレポート

目次
1.■第7回を数える「旧車(Old Car)祭り IN 美和」、その活動は市長もあいさつに登壇するほどに育っている 2.■普通なようで普通でない 3.■クセ者ぞろいの参加車輌たち 4.■まだ出会っていない1台がここにある

2025年5月11日、ゴールデンウィーク明けの最初の日曜日に、茨城県常陸大宮市美和センターにて旧車が集まるイベント「第7回旧車(Old Car)祭り IN 美和」が開催された。今回で7回目を数えるイベントだ。

参加条件は1990年までに生産が開始された車輌(2輪車含む)であること。特段トリッキーな条件があるわけではない。ただ少しばかり特徴があるイベントだった。なにがだろう?

イベントそのものは遠目には変わっては見えることは特にない。特段特殊なカテゴリーや珍しい車輌の参加があるわけでもない。しかしながら会場を1台ずつ見ていくとなにかが違っていたのだ。

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■第7回を数える「旧車(Old Car)祭り IN 美和」、その活動は市長もあいさつに登壇するほどに育っている

 「旧車(オールドカー)祭り IN 美和」は、国産旧車がメインのカーイベントだ。参加条件の"シバリ"は年式のみなので、欧州車やアメ車であっても参加が可能だ。

地域性もあってだと思うのだが、やはり国産勢が強い。特徴があるとすれば、旧車でもとりわけ小型枠のクルマが多く目立つ。小型といっても5ナンバー枠ということではなく、旧軽自動車枠のいわゆる小さなナンバープレートを付けたクルマだ。

車種でいえば、スバル360やスズキ フロンテクーペのようなクルマである。もちろんスカイラインやフェアレディZといった車輌も参加はしている。欧州車でいえば本部脇の駐車スペースにはフェラーリのF40も参加しており、安全のためにパイロンが置かれていた。

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■普通なようで普通でない

とはいうもののどこか妙だ。会場内に整列するイベントの参加車輌に奇妙な違和感を憶えつつゆっくりと見渡す。小型車輌が多く参加しているイベントだなと思いはじめた頃からだった。それは次第に確信に変わっていった。そういつもとは違った意味で珍しい車輌たちとの出会いになっていく。

■クセ者ぞろいの参加車輌たち

会場に入ってすぐのところに黄色いフロンテSS。フロンテとしては2代目にあたる。私見だが、あまりイベント会場でお見かけしない車種ではある。決していないわけではないだろう。ただ同じスズキの車輌なら圧倒的にフロンテ「クーペ」の方が見かけるという話である。

そこで冷静になって見渡すと、主催者が乗り付けたのは三菱ギャランΛ(ラムダ)、欧州車枠で参加のMG-BはオープンモデルではなくGT。インタビューで国内唯一の登録車輌ですと話していた左ハンドルのスカイラインは、4気筒モデルのGLである。

これだけ列挙していけば何となく想像がついてきたかもしれない。そう、珍しい車輌ではないがどれもがどこかクセのある、クセ強車輌が集うイベントなのだ。

正直王道を外したクルマが来るイベントを観たことは読者にもあるだろう。しかし、ここまでクセの強いクルマが、それもその多くが地元ナンバーで構成されたカーイベントはあまりないかもしれない。

 
今回そのクセのある今までどこに眠って(生息して)いたのだろう?と思ってしまう。そんな車輌たちをいくつかご紹介したい。

先ほどの4気筒のスカイライン。記録によるとこのクルマ以外は登録がされてないとのこと。故に国内登録がただ1台ということだ。

こちらは日産セフィーロ。確かに最近ほとんど見かけないと思うかもしれないが、一見フルノーマルなこのクルマ。確かにフルノーマルなのだがオーテック製のフルノーマル。ワンオーナーでもう20年以上所有しているとのこと。唯一ノーマルでないのがシート。本来は本皮シートが入るのだが、走る際に体が滑ることを嫌ったオーナーが同型モデルのモケットに交換したのだそう。

こちらは、マツダ323ことファミリアGT-R。こちらは他府県よりのエントリーだが、Gr.Aのカテゴリーで出走するべく作られたWRCマシンのベースモデルだ。セリカやランチアデルタは割りと見掛けるが、こちらは意外と目にしないクルマではある。ハンドリングマシンといわれた323は総合優勝こそなかったものの、Gr.Aでも好成績を上げてマツダの知名度を上げることに貢献した。

前述のフロンテSSもそうなのだが、同じフロンテでもGT/Wが仕上がった状態で見ることができるのはここだけなのかもしれない。フロンテクーペと同時期に発売されたモデル。ちなみにこのモデルから水冷エンジンになっている。

欧州車勢からはこちらのMG-B。あまり見ないクーペタイプのGT。基本スペックはオープンモデルと差はないが、GTは140㎏ほど重くなっている。

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■まだ出会っていない1台がここにある

多くのカーイベントでは高額の車輌や素晴らしいデザインのクルマ、そして貴重なモデル等に目を奪われる。それは筆者とて同じである。

しかしながら、この常陸大宮市の一角で行われたイベントは少しばかり異なっていた。かつては当たり前にいた車輌たち、半世紀ほど昔には街中を走り回っていた車輌たちは、その多くが世代交代とともに世の中から消えていった。そんなクルマ達を茨城の人たちはときに大事に、時に思い出して直しては今に存続をさせてきた。美和地域はそうしたクルマ達の集まったいわばひのき舞台なのである。

スポーツカーや特殊な競技モデルのベースなどは後世に残りやすい。名車などと呼ばれるのはそれゆえである。だがベースグレードのクルマや主流からは少し外れたクルマなどは、そうした対象からは外れやすいものだ。

そんなクルマを大切に維持するオーナーが集まるイベント、それが「旧車祭り IN 美和」なのかもしれない。

あなたがもし名の知れた名車がずらりと並ぶイベントを見飽きたと思いはじめたのであれば、ぜひ森に囲まれた地域センターのイベントに訪れてみてほしい。きっと「まだ生きていたんだ」と思える1台に出逢えることだろう。

[ライター・カメラ / きもだこよし] 

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